以下、本発明に係るぱちんこ遊技機の実施例について説明する。なお、ここでは先ず、本実施例のぱちんこ遊技機の基本構成について説明し、その後に、本実施例のぱちんこ遊技機における遊技手順、演出、及び、制御態様などについて説明する。
<ぱちんこ遊技機の基本構成>
図1は、本実施例に係るぱちんこ遊技機10の前面構成を示している。ぱちんこ遊技機10においては、後述する遊技機枠11に遊技盤50が装着されている。これらのうち、遊技盤50は、ぱちんこ遊技機10の機種に応じて付属機器や意匠等といった構成要素を異ならせているものである。さらに、遊技盤50は、遊技機枠11との電気的な接続関係や、構造的な接続関係を解除することにより、遊技機枠11から分離できるようになっている。
また、複数機種の遊技盤50について、遊技機枠11との構造的及び電気的な接続関係を共通化することにより、異機種間で遊技機枠11を共用する所謂機種変更が可能となっている。なお、以下では先ず、遊技機枠11について説明し、その後に遊技盤50の盤面構成について説明する。
上述の遊技機枠11は、外枠12、前枠13、及び、下部前板14を有している。さらに、前枠13には、ガラス扉15、及び、皿ユニット16が装着されている。これらのうち外枠12は、ぱちんこ遊技機10を、遊技場(遊技店舗)内の島設備における所定位置に固定するために用いられる矩形の枠体であり、図1中に示すように、ガラス扉15や皿ユニット16を有する前枠13と、上述の下部前板14とにより、前面側が閉じられる開口部分を有している。
前枠13は、外枠12の開口部分に整合する外形を備えた構造であり、図1中の左側に示すヒンジ機構15A、15Bを介して、外枠12に装着されている。そして、前枠13は、外枠12に対する閉鎖状態から、図1中の左側縁部を固定端とし、右側縁部を自由端として、前方へ揺動することで開放状態となる。
前枠13の外枠12への係止と、外枠12からの解放は、錠装置(図示略)を介して行われている。すなわち、図1中に示すように、前枠13の自由端側には、錠装置のシリンダ部17が配置されており、このシリンダ部17は、前枠13の下部を覆った前述の皿ユニット16を通して、鍵穴をぱちんこ遊技機10の前方へ向けている。そして、遊技場店員が、鍵をシリンダ17部の鍵穴に挿入し、この鍵を、例えば反時計回りに回すと、前枠13の自由端側が錠装置から解放され、前枠13が開放状態となる。
このような前枠13に対して、前述の下部前板14は、前枠13のような開閉のための構成は備えておらず、外枠12に、動くことないよう固定されている。そして、下部前板14は、外枠12の前面の下端部を常に塞いでいる。
前枠13の前部に配置されたガラス扉15と、皿ユニット16とは、ヒンジ機構(図示略)を介して、前枠13に装着されている。さらに、ガラス扉15と、皿ユニット16とは、何れも、図1中の左側縁部を固定端とし、右側縁部を自由端として、各々独立に揺動可能である。そして、ガラス扉15と、皿ユニット16とは、例えば遊技場店員が、前方に水平に揺動させることで開放状態となり、開放状態から後方へ水平に揺動させ、前枠13に係止させることにより閉鎖状態となる。
ガラス扉15の前枠13への係止と、前枠13からの解放は、前述の錠装置(図示略)を介して行われている。すなわち、遊技場店員が、鍵を前述のシリンダ17部の鍵穴に挿入し、この鍵を、例えば前枠13の開放時とは逆の時計回りに回すと、ガラス扉15の自由端側が錠装置から解放され、ガラス扉15が開放状態となる。
また、ガラス扉15を開放することで、皿ユニット16の係止機構(図示略)が現れて操作可能となり、この係止機構の操作部(図示略)を遊技場店員が、例えば下方向に押し込み操作することで、皿ユニット16が開放状態となる。
さらに、ガラス扉15は、例えば平行な2枚の透明板を脱着可能に保持しており、閉鎖状態にある場合に、これらの透明板を通して、ぱちんこ遊技機10の前方から遊技盤50を視認できるようにしている。透明板としては、ガラス板のほか、透明な樹脂板なども利用することができる。
皿ユニット16は、その前面に、上球皿18、下球皿19、及び、発射ハンドル20等を有している。これらのうち、上球皿18には、遊技球の貯留、発射ハンドル20を介して操作される発射装置43(図2及び図4参照)への遊技球の供給、下球皿19への遊技球の排出といった各種機能のための機構が備えられている。また、下球皿19には、遊技球の貯留、上球皿18から送られてきた遊技球の受入れ、ぱちんこ遊技機10の外部に置かれた玉箱(所謂ドル箱)への遊技球の排出といった各種機能のための機構が備えられている。
また、本実施例においては、ガラス扉15の上隅部や、下部前板14などといった部位に、各種のスピーカ21が設けられており、これらのスピーカ21を通して、遊技状態や演出パターンなどに応じたBGMや各種効果音などが出力されるようになっている。
さらに、上球皿18の、遊技者に向かう部分には、遊技者により操作が可能な操作ボタン22が設けられている。この操作ボタン22は、上球皿18の上部の外壁面に設けられており、上球皿18の左右方向の中央近傍に位置している。また、操作ボタン22は、内部に操作ボタン用発光体を備えており、実行される演出パターンに応じて光出力を行うようになっている。
なお、操作ボタン22を、例えばモータ等の駆動源を用いて、所定の場合に上方に突出するようにしてもよい。また、図示は省略するが、操作ボタン22のほかに十字キーが備えられており、この十字キーを用いて遊技者による各種の環境設定が可能となっている。そして、環境設定の内容としては、スピーカ21の音量調節、後述する演出表示の輝度調節や光量調節、或いは、後述する演出モードの変更などを例示できる。
<ぱちんこ遊技機の背面構成>
次に、ぱちんこ遊技機10の背面側における基本的な構成を説明する。図2に示すように前枠13の背面には、遊技球を誘導又は回収するための遊技球通路等を備えたセット基盤31が取着されており、このセット基盤31の下方に、遊技機全体に電源を供給するための電源ユニット32、遊技機枠側の制御を行う払出制御基板103が取り付けられている。また、遊技盤50の背面側においては、遊技全体を統括制御するメイン基板(主制御基板)102や、メイン基板102からの制御コマンドに基づいて演出制御を実行するサブ基板104が、セット基盤31の開口に対応する位置関係で設けられている。
セット基盤31においては、上述の開口の上部に賞球タンク33が設けられている。この賞球タンク33は、島設備から供給されて賞球となる遊技球を貯留する。さらに、賞球タンク33の下方には、賞球通路34、払出ユニット35、賞球排出通路36が設けられている。
払出ユニット35は、賞球通路34と連絡し賞球タンク33内に貯留された球を1球単位で下方に排出可能である。さらに、賞球排出通路36は、払出ユニット35から流下された遊技球を賞球として球皿(上球皿18又は下球皿19)に案内する。
前述の電源ユニット32は、図2中に示すようにぱちんこ遊技機10を背面視した場合における、セット基盤31の左下の部位に設けられている。そして、電源ユニット32は、遊技機外部から供給される交流電源を、遊技機中において使用する各種の電圧に変換して、払出制御基板103、メイン基板102、サブ基板104等へ供給する。また、電源ユニット32には、傾倒スイッチである電源スイッチ40が設けられている。
前述の払出制御基板103は、図2中に示すようにぱちんこ遊技機10を背面視した場合における、セット基盤31の右下の部位に配置されている。そして、払出制御基板103は、メイン基板102からの払出に係る指令や外部からの貸出要求に応じて払出ユニット35を制御する払出制御機能を有している。また、払出制御基板103は、発射ハンドル20(図1参照)の操作量に応じた強度で遊技球を遊技領域に発射するよう、発射装置43を制御する発射制御機能も備えている。ここで、発射ハンドル20や発射装置43の機能については後述する。
前述のメイン基板102は、遊技盤50の背面側における中央下部に配置されており、主に、各種の抽選機能や、払出制御基板103及びサブ基板104に対する制御機能などのように、ぱちんこ遊技機10における中心的な処理機能を備えている。前述のサブ基板104は、遊技盤50の背面側における中央上部に配置されており、主に、後述する各種の演出を制御するための機能を備えている。
前述のサブ基板104については、演出制御の主体的な機能を担う主サブ基板(本実施例ではサブメイン基板301)と、画像作成などの特定の演出機能に特化した副サブ基板(本実施例ではサブサブ基板302)とに分かれているが、「サブ基板」の用語はこれらを包含したものである。また、セット基盤31の背面側における右上部には、メイン基板102や払出制御基板103等からの信号をぱちんこ遊技機10の外部の機器へ中継する外部中継端子基板46が設けられている。
<発射ハンドル及び発射装置の機能>
前述の発射ハンドル20は、遊技者が、遊技者から見て所定方向(ここでは時計回り)に回転操作することにより、発射装置43の駆動モータ(図示略)を作動させる機能を有している。発射装置43においては、図示は省略するが、駆動モータにハンマーが連結されている。そして、発射装置43においては、駆動モータの駆動に伴い、ハンマーが間欠的に回動動作を行い、発射位置に供給された遊技球が、遊技領域52の上部に案内されるよう打ち出される。
また、発射ハンドル20は、図示は省略するが、駆動モータの駆動を一時的に停止させるための発射停止スイッチや、遊技者が発射ハンドル20に触れていることを検知するためのタッチセンサなどを内部に備えている。また、発射ハンドル20には、図1中に示すように、遊技者が指を係止させるための指掛け部23(回転部)や、発射間隔を変更するための加速スイッチ24が設けられている。
このうち、指掛け部23は、遊技者が指を掛けながら所定方向(ここでは時計回り)へ回転させることにより、弾性的に変位して、発射装置43による遊技球の弾発力を調節するためのものである。そして、指掛け部23の回転が相対的に少ない場合には、遊技球は遊技領域52の左側で流下し始め、指掛け部23の回転が相対的に多い場合には、遊技球は遊技領域52の右側に達して流下する。ここで、本実施例においては、指掛け部23は、図示しない所定の回転センサに機械的に連結されており、指掛け部23の操作角度が回転センサにより検出されるようになっている。
また、加速スイッチ24は、スイッチ有効期間内での遊技者の操作に伴って駆動モータ駆動速度を変速させて、打球の発射間隔(「発射速度」、「発射周期」、或いは「発射頻度」などともいう)を自動的に変更するためのものである。そして、所定のスイッチ有効期間において加速スイッチ24を操作することにより、発射間隔が、操作前よりも短くなり、単位時間あたりの遊技球の発射数が増加するようになっている。
つまり、上述の指掛け部23の操作が、発射装置43による遊技球の飛距離を調整するためのものであるのに対し、この加速スイッチ24は、発射装置43による遊技球の発射間隔を変更(調整)するためのものとなっている。なお、この発射間隔の変更制御や、発射間隔の変更を利用したゲーム性の詳細については後述する。
<遊技盤の盤面構成>
次に、前述の遊技盤50や、遊技盤50の盤面に配置された部品(盤面部品)について説明する。本実施例においては、遊技盤50は、透明な樹脂材質(例えば透明アクリル樹脂など)からなる複数の部品により構成されている。また、遊技盤50は、板状に形成されており、遊技球を遊技盤50の裏側に導く遊技球通路や、所定の空間などを有している。そして、遊技盤50は、各種の盤面部品が装着された板面を前方に向けた状態で、遊技機枠11の前枠13に装着されており、閉鎖状態にあるガラス扉15等により、その前方を覆われるようになっている。さらに、遊技盤50の前面側においては、湾曲した帯状に成形された内レールや外レールを組み合せて遊技領域52が区画形成されている。
図1中に示すように、遊技領域52には、第1始動入賞口62と第2始動入賞口63、第1大入賞口91と第2大入賞口92、左作動口68aと右作動口68b、複数の一般入賞口72、及び、アウト口58等が備えられている。さらに、遊技領域52には、演出のための表示を行うことが可能な液晶表示装置からなる演出表示装置60や、この演出表示装置60の周辺を装飾するセンター飾り64等が備えられている。
また、遊技領域52には、図示しない多数の遊技釘や、風車などの機構が備えられている。さらに、遊技盤50の、遊技領域52の左下の外部には、主制御表示装置53が設けられている。なお、この主制御表示装置53の具体的な構成や機能については後述する。また、遊技盤50の上述のような盤面構成は、例えば、ぱちんこ遊技機10に採用されたゲーム性等に応じて種々に異なり得るものである。そして、盤面構成に係る他の実施例については後述する。
<盤面部品の機能>
続いて、上述した個々の盤面部品に係る具体的な機能や構成について説明する。先ず、前述の第1始動入賞口62は、第1遊技に係る始動入賞口であり、遊技球の入口を常時開き、且つ、遊技球の入口の大きさを変化させないタイプのものである。さらに、第1始動入賞口62は、第1始動入賞口62への遊技球の入球を検出する第1始動入賞検出装置74(センサ)を有しており、このセンサの出力信号は、前述のメイン基板102に入力されている。
前述の第2始動入賞口63は、第2遊技に係る始動入賞口である。第2始動入賞口63は、普通電動役物(所謂「電動チューリップ」或いは「電チュー」)となっており、後述する普通図柄が当りの態様で停止表示された場合に、開放動作する羽根(開閉羽根)を備えている。そして、第2始動入賞口63が、普通電動役物の作動に基づき、開閉羽根を所定時間に亘り開放動作させて拡開することにより、遊技球の第2始動入賞口63への入球が可能となる。
さらに、第2始動入賞口63は、図3中に示すように、第2始動入賞検出装置75(センサ)と、上述の開閉羽根を開閉させるための普通電動役物ソレノイド76とを備えている。第2始動入賞検出装置75の出力信号は、メイン基板102に入力されている。
また、本実施例では、第2始動入賞口63を開放する態様として、複数種類が設けられている。そして、これらの開放態様には、比較的短時間(例えば0.2秒程度)の態様(「ショート開放」や「短開放」などと称する)や、比較的長時間(例えば5秒程度)の態様(「ロング開放」や「長開放」などと称する)などがある。また、ショート開放とロング開放の間の開放時間に設定されたミドル開放の態様を設けることも可能である。そして、第2始動入賞口63に係る各種の開放態様については後述する。
前述の一般入賞口72は、図3中に示すように、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73(センサ)を備えている。一般入賞検出装置73は、の出力信号はメイン基板102に入力されている。
そして、一般入賞検出装置73を複数の一般入賞口72で共用する場合には、複数の一般入賞口72入球した遊技球を、一般入賞検出装置73が配置された箇所に集合させて、検出することが可能である。また、複数の一般入賞口72について、位置関係毎に、または賞球個数毎にグループ化(一般入賞検出装置73の共用)することも可能である。なお、賞球の払出しに係る具体的な態様については後述する。
前述の第1大入賞口91は、横長の長方形状に形成された開口を有している。さらに、第1大入賞口91は、上述の開口を開閉するための第1開閉扉(図示略)を備えている。そして、第1大入賞口91は所定の当りが発生した場合に、所定の態様で開放動作を行う。
また、第1大入賞口91は、図3中に示すように、遊技球の入球を検出するための第1大入賞検出装置78や、上述の第1開閉扉を開閉駆動する第1大入賞口ソレノイド80を備えている。これらのうち、第1大入賞検出装置78は、第1大入賞口91への遊技球の入球を検出するセンサを有しており、その出力信号はメイン基板102に入力されている。
前述の第2大入賞口92は、横長の長方形状に形成された開口を有している。さらに、第2大入賞口92は、上述の開口を開閉するための第2開閉扉(図示略)を備えている。そして、第2大入賞口92は、所定の当りが発生した場合に、所定の態様で開放動作を行う。
また、第2大入賞口92は、図3中に示すように、遊技球の入球を検出するための第2大入賞検出装置79や、上述の第2開閉扉を開閉駆動する第2大入賞口ソレノイド81を備えている。これらのうち、第2大入賞検出装置79は、第1大入賞口91への遊技球の入球を検出するセンサを有しており、その出力信号はメイン基板102に入力されている。
なお、本実施例においては、第1大入賞口91、第2大入賞口92の前方に装飾板91b、92bが各々設けられている。この装飾板91b、92bには、第1開閉扉、第2開閉扉、第1大入賞口91、及び、第2大入賞口92を遊技者が視認できるように透明な材質が採用されている。また、各装飾板に、遊技領域52を装飾するための文字や図形などを描いてもよいが、この場合にも、文字や図形など、第1大入賞口91や第2大入賞口92に進入した遊技球の視認を妨げない程度ものとすることが望ましい。
前述の左作動口68aは、図3中に示すように、左通過検出装置69aを備えており、右作動口68bは、右通過検出装置69bを備えている。さらに、これらの通過検出装置69a、69bは、対応する作動口68a、68bにおける遊技球の通過を検出するセンサを有している。そして、各通過検出装置69a、69bにおけるセンサの出力信号は、メイン基板102に入力されており、各通過検出装置69a、69bは、入球の有無に応じて、センサの出力信号を変化させる。
前述のセンター飾り64は、演出の機能等を有しており、センター飾り64の内部には、多数のチップ型LEDが実装されたLED基板が設けられている。そして、センター飾り64のLEDを駆動することで、LEDの光がセンター飾り64を透過し、センター飾り64が光装飾を行うようになっている。
また、センター飾り64には、可動演出部材93、94等が設けられており、これらの可動演出部材93、94が、演出用のギミックを構成している。さらに、センター飾り64の、正面から見て右側の部位には遊技球通路部65が形成されており、センター飾り64は、上述のような演出機能のほかに、遊技球の流路の機能を有している。
前述の主制御表示装置53は、図6(a)に示すように、図柄表示基板(メイン図柄表示基板)256上に、7セグメント表示体やLED表示灯を多数配置したものである。この主制御表示装置53には、前述の普通図柄を表示する普通図柄表示部59、第1遊技に対応する第1特別図柄(後述する)を表示する第1特別図柄表示部70、第2遊技に対応する第2特別図柄(後述する)を表示する第2特別図柄表示部71、及び、その他の各種表示部が形成されている。なお、上述の普通図柄表示部59は普通図柄表示装置を構成している。また、第1特別図柄表示部70は第1特別図柄表示装置を構成しており、第2特別図柄表示部71は第2特別図柄表示装置を構成している。また、主制御表示装置53に形成された各表示部の詳細については後述する。
また、以下では、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」、第1特別図柄を「第1特図」や「特図1」、第2特別図柄を「第2特図」や「特図2」などと称する場合がある。さらに、第1特別図柄については「特別図柄1」や「図柄1」などと称し、第2特別図柄については「特別図柄2」や「図柄2」などと称する場合がある。
<基本的な遊技手順>
続いて、本実施例のぱちんこ遊技機10における遊技手順について説明する。先ず、前述の上球皿18に遊技球が供給された状況で、遊技者が、前述の発射ハンドル20を操作して回動させると、その回動角度に応じた強度で、上球皿18に貯留された遊技球が1球ずつ所定間隔で発射される。そして、遊技球は、前述の内レールと外レールにより案内され、遊技領域52の上部に達し、内レールと外レールとの間から遊技領域52へ放出される。
通常の遊技においては、遊技者は、遊技球が遊技領域52の左側で流下するように発射を行い、遊技領域52の下方中央部に位置する第1始動入賞口62を狙う。このような遊技領域52の左側を主に使用する発射の態様は、所謂左打ちと呼ばれる。また、遊技球の発射は、遊技者が発射ハンドル20を操作している間、前述の発射装置43により、所定の時間間隔(例えば1分間に100発を超えない程度の間隔)で繰り返される。そして、遊技領域52に連続して放出された遊技球は、複数の遊技釘や風車などに干渉しながら、その速度や入射角度(又は反射角度)等の要因に応じた方向へ落下する。
なお、前述したように図示は省略するが、発射ハンドル20には、タッチスイッチや発射停止スイッチ等が備えられている。そして、本実施例では、発射ハンドル20に、遊技球の発射間隔を短くするための加速スイッチ24(図1参照)が備えられており、所定の場合に遊技者が加速スイッチ24を操作すると、発射装置43による遊技球の発射間隔が変更されるようになっている。なお、ここでは発射制御の基本的な態様についてのみ説明し、発射制御の具体的な態様については後述する。
遊技球が、前述の一般入賞口72や第1始動入賞口62などの各種の入賞口へ落入すると、入球が検出され、遊技球の払出制御が行われる。そして、入球した入賞口の種類に応じて、所定数の遊技球が、前述の払出ユニット35を介し、賞球として上球皿18に払出される。また、上球皿18が多くの遊技球により満たされ、払出された後続の遊技球が上球皿18に進入できない場合には、これらの遊技球は、溢れ球として下球皿19に導かれる。
また、各種の入賞口に落入した遊技球はセーフ球となり、遊技盤50の表面側から裏面側に案内される。また、セーフ球とならなかった遊技球は、遊技領域52の下端部に達してアウト口58に落入し、遊技盤50の裏面側に案内される。そして、遊技盤50の裏面側に達した遊技球は、所定の案内樋やセット基盤31内の遊技球通路を通って下方に導かれ、ぱちんこ遊技機10から、前述の島設備の側へ向けて排出される。
前述の左作動口68aと右作動口68bは、上述のセーフ球を発生させる入賞口と異なり、遊技球が通過するゲートとなっている。なお、以下では左作動口68a及び右作動口68bを含めて「入賞口」とし、本実施例における「落入」、「入球」、「入賞」の用語は、ゲートに係る「通過」の意味を含むものとする。
遊技球が、作動口(ここでは左作動口68a又は右作動口68b)に入球した場合、後述するような所定の変動開始条件(普図変動開始条件)が成立していれば、主制御表示装置53において、普通図柄(後述する)が変動表示される。主制御表示装置53で表示される普通図柄は、作動口への入球に基づき実行される乱数抽選(普図抽選)の結果を示すものであり、所定の変動時間を経たのちに停止表示される。
遊技球が、始動口(ここでは第1始動入賞口62又は第2始動入賞口63)に入球した場合、後述するような所定の変動開始条件(特図変動開始条件)が成立していれば、主制御表示装置53において、特別図柄(後述する)が変動表示される。主制御表示装置53で表示される特別図柄は、始動口への入球に基づき実行される乱数抽選(大当り抽選)の結果を示すものであり、所定の変動時間を経たのちに停止表示される。
前述の演出表示装置60においては、特別図柄に係る演出表示が行われる。この演出表示は、特別図柄が変動表示中であるか、停止表示中であるか、といった違いや、特別図柄の停止表示態様が大当りのものであるか、はずれのものであるか、といった違いに関係して、予め定められた各種の態様の演出を行うものである。
特別遊技においては、第1大入賞口91又は第2大入賞口92が開放される単位遊技が複数回繰り返される。さらに、特別遊技には、単位遊技が最大回数に亘り繰り返されるものと、単位遊技が最大回数よりも少ない回数に亘り繰り返されるものとがある。最大回数としては、16回(16R(ラウンド))などを例示でき、最大回数よりも少ない回数としては、4回(4R)などを例示できる。
各単位遊技においては、対応する大入賞口(第1大入賞口91又は第2大入賞口92)において、所定数(例えば10個)の遊技球が検出された場合、又は、開放して所定時間(例えば約30秒)が経過した場合に、終了条件が成立して、対応する大入賞口が閉鎖される。さらに、本実施例においては、複数種類の単位遊技が設けられており、遊技状況に応じて異なる種類の単位遊技が実行される。また、各種の単位遊技は、開放時間と、遊技球の発射間隔(単位時間当たりの発射数)と相関をもって行われるようになっている。なお、ここでは単位遊技の基本的な内容について説明し、単位遊技と発射間隔との関係については後述する。
さらに、本実施例のぱちんこ遊技機10においては、上述のように、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機(「セブン機」などともいう)に相当する遊技が複数(ここでは2つ)混在するゲーム性が採用されている。つまり、本実施例においては、上述の複数の遊技を、第1始動入賞口62が使用される第1遊技と、第2始動入賞口63が使用される第2遊技とに分けることができる。そして、第2遊技が第1遊技よりも優先されており、第1遊技と第2遊技とが同時に実行されないようになっている。
また、本実施例のぱちんこ遊技機10においては、前述の大当り抽選の結果に応じて、特別遊技の終了後に、特定遊技が実行される場合がある。この特定遊技は、前述の特別遊技とは別な態様で、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態となるものである。本実施例においては、特定遊技として、確率変動遊技(以下「確変」と称する)、変動時間短縮遊技(以下「時短」と称する)、及び、入球容易化遊技が設けられている。
特定遊技が実行される場合には、演出表示装置60の画像や音声などによって右打ちを促す演出(打ち分けナビ)が実行され、右打ちの推奨が行われる。そして、遊技者が、発射ハンドル20の回動量を時計回りに増やして発射力を強め、遊技球を遊技領域52の右側の領域に向けて発射すると、センター飾り64の上方を通った遊技球が、センター飾り64の遊技球通路部65に進入し、センター飾り64を流下する。さらに、センター飾り64から放出された遊技球は、複数の遊技釘や他の構造物に当りながらその当り方に応じた方向へ落下する。ここで、遊技領域52を、センター飾り64の右側を遊技球が流下できるよう構成し、右打ちされた遊技球をセンター飾り64内に流入させずに、遊技領域52の右下の領域に到達させるようにしてもよい。
センター飾り64から放出された多数の遊技球のうちの一部は、右作動口68b(図1参照)を通過して右通過検出装置69b(図3参照)により検出される。そして、前述のように、右作動口68bを遊技球が通過すると、所定時間、前述の普通図柄が主制御表示装置53(図6(a)参照)で変動表示され、普通図柄の変動表示が所定の当り態様にて停止すると、第2始動入賞口63の普通電動役物が所定時間拡開する。
本実施例においては、遊技領域52の右側に達した遊技球を、遊技釘等によって、第2始動入賞口63や第2大入賞口92の周辺に導くことが可能となっており、第2始動入賞口63の普通電動役物が1回拡開した際に、1個、または複数個の遊技球が第2始動入賞口63に入球し得るようになっている。さらに、本実施例では、特定遊技中には時短が付加されるようになっており、時短中は、普通電動役物の開放延長(所謂電チューサポート)が行われ、前述のロング開放が実行され易くなる。
なお、大当りが発生して特別遊技が実行される際には、第1大入賞口91や第2大入賞口92が開放するが、この特別遊技中に、遊技者に対して右打ちを行わせることが可能である。そして、この場合には、特別遊技の開始前に、演出表示装置60の画像や音声などによって、遊技者に右打ちを促す演出を実行することが考えられる。
本実施例においては、前述の第1遊技において大当りが発生した場合には、第1大入賞口91が開放する。一方、前述の第2遊技において大当りが発生した場合には、第2大入賞口92が開放する。そして、第1遊技及び第2遊技のいずれにおいても、大当りが発生した場合には右打ちを促す演出が実行される。
さらに、第1遊技に係る特別遊技時には、第2大入賞口92が閉塞しているため、右打ちされて遊技領域52の右側の領域に達した遊技球は、第2大入賞口92に入球することなく、遊技釘やその他の盤面部により案内されて、開放した第1大入賞口91の近傍へ到達する。これに対し、前述の第2遊技において大当りが発生した場合には、第2大入賞口92が開放する。このため、右打ちされて遊技領域52の右側の領域に達した遊技球の一部は、第2大入賞口92に入球することが可能である。
<大当りの種類>
次に、上述の第1遊技及び第2遊技における大当りの種類について説明する。先ず、本実施例では、大当りとして、前述の単位遊技を16回繰り返す大当り(以下、適宜「16R大当り」とも称する)や、単位遊技を4回繰り返す大当り(以下、適宜「4R大当り」とも称する)が設けられている。なお、これらの大当りの抽選態様については後述する。
上述の単位遊技は、特別遊技において、第1大入賞口91(又は第2大入賞口92)の開放に伴って開始される。そして、基本となる単位遊技としては、所定時間(例えば約30秒)が経過した場合や、第1大入賞口91(又は第2大入賞口92)に所定個数(例えば10個以上)の遊技球が落入した場合に終了し、第1大入賞口91(又は第2大入賞口92)を閉鎖するものがある。このような単位遊技を繰り返す特別遊技は、遊技者に遊技球を獲得させることを目的とする所謂出球(出玉)あり当りに伴う遊技を基本としている。さらに、各種の大当りのうち、16R大当りや4R大当りなどは、遊技者に相対的に多くの遊技球を獲得させようとするものである。
しかし、これに限定されず、大当りの1部の種類として、例えば16R大当りや16R大当りの一部に、確変にならないもの(16R通常や4R通常)を設けることが可能である。また、例えば、16R大当りであっても、第1大入賞口91(又は第2大入賞口92)の開放期間が短く、実質的に4R大当りと同じ程度の出球しか獲得できないといったもの(16R確変(実4R))を設けたり、4R大当りであっても、出球の獲得がほとんどできないといったもの(4R出球無し)を設けたりすることが可能である。
そして、本実施例においては、前述のように複数種類の単位遊技が設けられている。そして、これらのうち、遊技者の出球獲得のための大入賞口(第1大入賞口91又は第2大入賞口92)の開放時間を確保した単位遊技(以下では「長開放ラウンド」や「長開放単位遊技」などと称する場合がある)を、基本の単位遊技としている。これに対し、他の種類の単位遊技として、本実施例では、それ自体は遊技者の多数の出玉獲得のための大入賞口の開放時間を確保していない単位遊技(以下では「短開放ラウンド」や「短開放単位遊技」と称する場合がある)が設けられている。
上述の長開放ラウンドは、例えば30秒といった時間の大入賞口開放を行うものであるが、上述の短開放ラウンドは、例えば0.5秒や数秒といった、相対的に短い時間の大入賞口開放を行うものである。また、本実施例では、前述の16R大当りや4R大当りに係る特別遊技中において、長開放ラウンドと短開放ラウンドとが混合して実行される場合があるようになっている。なお、上述の短開放ラウンドを用いた特別遊技の具体的態様については後述する。
また、本実施例では、前述の確変や時短等といった特定遊技状態は、全ての大当りについて発生するようになっている。このため、本実施例における16R大当りは、全てが、確変を伴う16R大当り(以下「16R確変」と称する)であり、4R大当りは、全てが、確変を伴う4R大当り(以下「4R確変」と称する)である。
しかし、大当りと、確変や時短等との組合せについては、本実施例のものに限定されず、種々の組合せを採用することが可能である。例えば、確変、時短、及び、入球容易化遊技といった特典機能のうち、少なくとも1部を付与しない大当りを設けることが可能である。より具体的には、確変のみが伴う大当りや、時短のみが伴う大当りを設けることが考えられる。さらに、確変の継続期間の相違や、時短の継続期間の相違によって、大当りの種類を異ならせることも可能である。また、時短中に電チューサポートを併せて実行する場合は、「時短の継続期間」は、「電チューサポートの継続期間」と言い換えることができる。さらに、時短と電チューサポートのうち、電チューサポートのみを実行するといったことも考えられる。
<大当り以外の当り>
また、本実施例では、大当り以外の当りの種類として、小当りが設けられている。第1遊技(又は第2遊技)において、この小当りが発生した場合には、第1大入賞口91(又は第2大入賞口92)の開放を、例えば1回行うようになっている。なお、小当りの抽選態様については後述する。
<主制御表示装置>
<<主制御表示装置の構成>>
次に、前述の主制御表示装置53について、図6に基づき説明する。主制御表示装置53は、図柄表示基板256に、セグメント表示体や多数のLED表示灯を配置し、各種の表示体の前方に透明板を重ねて構成されている。さらに、図6(a)に示すように主制御表示装置53は、図柄表示基板256の、正面から見て左上の部位に、左から順に、第1状態表示灯231、第2状態表示灯232、主制御エラー表示灯233を有している。
第1状態表示灯231は、直線状の2つのLEDセグメントを、一列に並べて、数字の「1」の形態のデジットを構成するものである。第2状態表示灯232は、直線状の7つのLEDセグメントを組み合せて、数字の「8」の形態のデジットを構成するものである。さらに、主制御エラー表示灯233は、第2状態表示灯232の右下に付設された真円状の主制御エラー表示灯用ドットにより構成されるものである。
上述の第1状態表示灯231及び第2状態表示灯232は、各セグメントのLEDを選択的に点灯させることで、0〜19の数字、アルファベット文字、ハイフンやその他の記号などの表示が可能となっている。さらに、LEDを点滅させることや、点滅のパターンを異ならせることで、より多様な情報の表示が可能となっている。そして、第1状態表示灯231及び第2状態表示灯232は、例えば、前述の第1遊技又は第2遊技において大当りが発生し、特別遊技が実行される場合におけるラウンド数の表示などに用いられる。また、主制御エラー表示灯233は、例えば、エラーに係る表示などに用いることが可能となっている。
さらに、図6(a)中に示すように、図柄表示基板256には、上から順に2個、4個、10個、10個のLED表示灯が横に所定ピッチで並べられている。そして、これらの合計で26個のLED表示灯は、図柄表示基板256上において、第1状態表示灯231、第2状態表示灯232、主制御エラー表示灯233が配置された部位に対する残りの部位に、整然と並べられている。ここで、図6(a)では、説明の便宜上、合計26個のLED表示灯上にA〜Zの符号を記載している。そして、以下の説明では、図6(a)中に付されたA〜Zの符号によって、各LED表示灯を区別する場合がある。
これらのLED表示灯A〜Zも、点灯の有無や点滅パターンに応じて所定の情報の表示を行えるようになっている。図6(b)には、図6(a)に示すLED表示灯A〜Zと名称との関係を示している。これらのうち、LED表示灯A〜Cは、後述する普通図柄に係る普通図柄記憶表示用第1LED、普通図柄記憶表示用第2LED、普通図柄表示LEDである。また、LED表示灯D、Eは、第3状態表示灯、第4状態表示灯であり、LED表示灯Fは、前述の右打ちを行うべき場合に例えば点灯する右打ち指示灯である。これらのうち、第3状態表示灯(D)は、特別図柄に係る確率変動機能の作動状態の表示に用いられ、第4状態表示灯(E)は、普通図柄に係る確率変動機能の作動状態の表示に用いられる。
さらに、LED表示灯G〜Nの8個は、第1特別図柄表示部70を構成しており、LED表示灯O、Pは、それぞれ第1特別図柄記憶表示用第1LED、第1特別図柄記憶表示用第2LEDである。また、LED表示灯Q〜Xの8個は、第2特別図柄表示部71を構成しており、LED表示灯Y、Zは、それぞれ第2特別図柄記憶表示用第1LED、第2特別図柄記憶表示用第2LEDである。なお、図6(a)中においては、普通図柄表示部59、第1特別図柄表示部70、第2特別図柄表示部71に符号を付すため、それぞれのLED表示灯を波括弧の記号により括って示している。
上述の普通図柄表示部59は、1つのLED表示灯Cにより構成されており、このLED表示灯Cの動作態様により、普通図柄の変動表示及び停止表示を行うようになっている。なお、普通図柄表示部59の動作としては、点灯及び点滅の相違や、点滅周期の相違などとにより、多数(例えば3以上)の種類の情報を区別して表示することが可能である。なお、普通図柄の停止表示に係る明確性の観点からは、点灯又は消灯により、普通図柄に係る抽選結果を表示することが望ましい。このため、普通図柄表示部59を構成するLED表示灯の数を例えば2個以上とし、点灯と消灯との組み合せによって、普通図柄の停止図柄を表すようにしてもよい。
前述の第1特別図柄表示部70は、横方向に一列に並んだ8個のLED表示灯G〜Nの動作態様によって、第1遊技に係る第1特別図柄の変動表示及び停止表示が可能となっている。この第1特別図柄表示部70による第1特別図柄は、第1始動入賞口62への遊技球の入球を契機として行われる第1抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに大当りが発生し特別遊技が実行される。なお、第1特別図柄表示部70は、第1特別図柄の停止表示の際には、各LED表示灯G〜Nの点灯と消灯との組み合せによって、最大で256(=2^8)種類の識別情報を表示可能である。
前述の第2特別図柄表示部71についても同様に、横方向に一列に並んだ8個のLED表示灯Q〜Xの動作態様によって、最大で256(=2^8)種類の識別情報を表示可能である。
このような構成の主制御表示装置53は、図3中に示すように、前述のメイン基板102に電気的に接続されている。そして、主制御表示装置53における各種の表示部は、メイン基板102によって制御される。なお、図3中では、主制御表示装置53における各種の表示部のうち、普通図柄表示部59、第1特別図柄表示部70、第2特別図柄表示部71のみを示している。
<<主制御表示装置の機能>>
前述の作動口(左作動口68a又は右作動口68b)を遊技球が通過すると、普通図柄表示部59が点滅し、普通図柄の変動表示が実行される。そして、普通図柄の変動表示が開始されてから所定の変動時間(普図変動時間)が経過すると、普通図柄が停止表示される。そして、普通図柄が、はずれの態様(はずれ態様)で表示された場合には、所定の停止時間(普図停止固定時間)の経過の後、後続の作動口への入球があれば、普通図柄に係る次の変動表示が開始される。また、普通図柄が、所定の当りの態様(当り態様)で停止表示された場合には、はずれの場合と同様に次回の変動表示へ移行する一方で、先に停止表示された普通図柄の当り態様に応じて、第2始動入賞口63が所定時間の開放動作を行う。
また、LED表示灯A、Bである普通図柄記憶表示用第1LEDと普通図柄記憶表示用第2LEDは、2個で1組となっており、2つのLEDの消灯と点灯、点滅の組合せにより、0〜4の数値を表示できるようになっている。
この普図抽選に係る保留数は、普通図柄の変動中に左作動口68a(又は右作動口68b)を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動表示がまだ実行されていない普図柄抽選の回数を示している。すなわち、先に行われている図柄変動が終了していない場合には変動開始条件が成立していないこととなり、当該図柄変動が終了すると変動開始条件が成立し、保留記憶されていた抽選結果(保留抽選結果)に基づき、新たな図柄変動が開始されることとなる。そして、保留数の上限は4個であり、保留記憶は4個を超えて行われることがないようになっている。
普通図柄記憶表示用第1LED(A)及び普通図柄記憶表示用第2LED(B)による、0〜4の数値の表示は、例えば、保留数が0の場合(保留がない)場合は両方を消灯し、保留数が1の場合は何れか一方を点灯して他方を消灯するといった態様で行うことが可能である。また、保留数が2の場合は両方を点灯し、保留数が3の場合は何れか一方を点灯して他方を点滅させ、保留数が4の場合は両方を点滅させる、といった態様で保留数の表示を行うことが可能である。
前述の第1特別図柄表示部70による第1特別図柄の保留数の表示については、第1特別図柄記憶表示用第1LED(O)と第1特別図柄記憶表示用第2LED(P)の2個を1組として、0〜4の数値を表示することにより行われる。第2特別図柄表示部71による第2特別図柄の保留数の表示については、第2特別図柄記憶表示用第1LED(Y)と第2特別図柄記憶表示用第2LED(Z)の2個を1組として、0〜4の数値を表示することにより行われる。
第1特別図柄記憶表示用第1LED(O)及び第1特別図柄記憶表示用第2LED(P)、又は、第2特別図柄記憶表示用第1LED(Y)と第2特別図柄記憶表示用第2LED(Z)による、0〜4の数値の表示は、例えば、前述の普通図柄記憶表示用第1LED(A)と普通図柄記憶表示用第2LED(B)の場合と同様の態様で保留数の表示を行うことが可能である。
なお、前述の右打ちを行うべき遊技状況となった場合には、主制御表示装置53(図6(a)参照)の右打ち指示灯Fを用いた所定態様での表示が行われる。本実施例では、右打ち指示灯Fは、左打ちすべき遊技状況である左打ち時には消灯し、右打ちすべき遊技状況である右打ち時には点灯するよう設定されている。
<演出表示装置の構成と基本的な表示内容>
続いて、前述の演出表示装置60の構成と、演出表示装置60の基本的な表示例について説明する。本実施例では、演出表示装置60として、大型(例えば15インチ程度)な液晶ディスプレイが用いられている。この演出表示装置60の表示領域194には、前述の主制御表示装置53で表示される第1特別図柄又は第2特別図柄についての演出表示や、ストーリー表示などといったその他の演出表示が行われる。なお、演出表示装置60においては多様な画像の表示が行われるが、ここでは、第1特別図柄又は第2特別図柄に直接的に関係する基本的な演出表示について説明する。
前述のように、主制御表示装置53において第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示が開始されると、演出表示装置60において、図7(a)、(b)に示すように、演出図柄190の変動表示が実行される。本実施例においては、演出図柄190は、左演出図柄190a、中演出図柄190b、右演出図柄190cにより構成されている。
さらに、本実施例において演出図柄190は、数字の「1」から「9」の記号の意味を有する9種類の要素図柄(記号要素演出図柄)を有している。なお、上述の要素図柄の詳細については後述する。
主制御表示装置53における第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示に伴い、演出表示装置60において、上述の演出図柄190が変動表示される(図7(a)参照)。演出図柄の変動表示は、本実施例においては、左演出図柄190aから右演出図柄190cを、個々に縦方向に移動(縦スクロール)させ、上述の要素図柄を順次表示領域194中に登場させることにより実行される。
また、演出図柄190は、変動表示の途中段階として、所謂「リーチ」の組合せを構成する場合がある。この「リーチ」においては、演出図柄190のうち、2つの演出図柄(ここでは左演出図柄190aと右演出図柄190c)が、例えば「7」と「7」などの同じ数字の図柄、同じ意味、或いは、所定の関係を持った図柄で組合せを構成する。さらに、この「リーチ」においては、リーチの組合せを構成した演出図柄190a、190c以外の、残りの1図柄(ここでは中演出図柄190b)が、他の演出図柄との組合せを構成できない変動中となっている。
なお、演出図柄190の表示態様としては、多種類の「リーチ」や、その他の種々のものを採用できるが、各種の表示態様の詳細については後述する。また、演出表示装置60においては、演出図柄190による演出以外にも種々の演出が行われるが、それらの詳細については後述する。
また、本実施例では、演出表示装置60は液晶ディスプレイを用いたものとなっているが、これに限らず、例えば、機械式のドラム体やLED表示体といった他の種類の表示体を用いたものであってもよい。さらに、演出表示装置60は、1つの表示体のみを備えたものに限らず、複数の表示体の組合せにより構成されるものであってもよい。
さらに、このような付加的な表示体を可動演出部材として備え、付加的な表示体によるギミックを構成することも可能である。そして、通常は、付加的な表示体を、演出表示装置60の表示領域194の視認の障害とならないように、表示領域194の外側に避けて配置しておき、所定の演出パターンが実行される場合に、付加的な表示体が、表示領域194の前方に現れるようにすることが考えられる。
<ぱちんこ遊技機の電気的構成>
次に、本実施例のぱちんこ遊技機10における電気的構成について説明するが、ここでは電気的構成のうちの主要なものを抽出して説明する。先ず、ぱちんこ遊技機10には、図4に示すように、電源基板251、払出制御基板103、メイン基板102、及びサブメイン基板301等が備えられている。これらのうち電源基板251には、上述の払出制御基板103等が接続されており、払出制御基板103には、メイン基板102、発射装置43、及び、遊技球等貸出装置接続端子板(図示略)などが接続されている。また、メイン基板102には、前述の主制御表示装置53や、サブメイン基板301が接続されており、サブメイン基板301には、前述のサブサブ基板302が接続されている。
上述の各種構成のうちの電源基板251は、前述の電源ユニット32(図2参照)に備えられているものである。また、払出制御基板103には、図示を省略するが、エラーの種別の表示などに用いられる状態表示部や、球貸しに係る金銭処理や球貸処理を実行するカードユニットなども接続されている。さらに、上述の遊技球等貸出装置接続端子板(図示略)には、球貨操作に用いられる球貨操作基板等が接続される。また、上述の発射装置43には、発射ハンドル20(図1参照)に備えられた前述のタッチスイッチ(図示略)や発射停止スイッチ(図示略)、指掛け部23に連動する回転センサ(図示略)及び、加速スイッチ24(図1参照)等が接続されている。
メイン基板102には、図示を省略した各種の遊技盤接続基板を介して、図3に示すように、主制御表示装置53、各通過検出装置69a、69b、普通電動役物ソレノイド76、第1始動入賞検出装置74、第2始動入賞検出装置75、一般入賞検出装置73、第1大入賞検出装置78、第2大入賞検出装置79、第1大入賞口ソレノイド80、第2大入賞口ソレノイド81、及び、磁気センサや電波センサ(図示略)等が接続されている。
サブメイン基板301には、図示を省略した各種の中継基板を介して、演出用の各機器が接続されている。演出用の各機器としては、センター飾り64における各種電飾用のLED基板、可動演出部材93、94の各種の可動体モータ、遊技機枠11における電飾用のLED基板、遊技機枠11に備えられた演出用の枠モータ等を例示できる。ここで、遊技機枠11における電飾としては、前述のガラス扉15で行われるもののほか、皿ユニット16で行われるものや、操作ボタン22が備えられたボタン装置において行われるものなどを例示できる。また、上述の枠モータは、遊技機枠11に備えられた可動演出部材(図示略)の駆動に用いられるものである。
サブサブ基板302には、図4中に示すように、前述の演出表示装置60に備えられた液晶ユニット42や、各種スピーカ21などが接続されている。なお、各種スピーカ21を、上述のサブメイン基板301に接続するようにしてもよい。
続いて、メイン基板102、及び、払出制御基板103の構成について説明する。図4に示すように、メイン基板102には、CPU(メインCPU)501、ROM(メインROM)502、RWM503が搭載されている。これらのうち、CPU501としては、例えば樹脂パッケージングがされたCPU装置(CPUデバイス)内の中央処理装置を利用可能である。なお、本実施例で説明する「ROM」や「RWM」は、CPUデバイスに内蔵されたもの、及び、CPUデバイスに対して外付けされたものの両方を含む包括的な概念のものである。
さらに、図示は省略するが、メイン基板102に搭載されたCPUデバイス内には、CPU501のほかに、制御用クロック生成回路、乱数用クロック生成回路、16ビット乱数用の乱数回路、8ビットの乱数用の乱数回路等が備えられている。これらのうち16ビット乱数用の乱数回路、及び、8ビットの乱数用の乱数回路は、内蔵乱数であるハードウェア乱数を発生させるためのものである。
また、メイン基板102には、メイン基板102の外部の機器との間でデータの入出力を行う入出力ポート505が搭載されている。さらに、メイン基板102には、図示は省略するが、割込回路やタイマ回路などの各種回路部が形成されている。
上述のROM502は、CPU501が遊技に係る処理を行うための遊技プログラムや、所定の制御データなどを記憶している。また、上述のRWM503は、CPU501による遊技プログラムの実行に際して、各種の処理に必要なデータや、処理中に発生したデータ等を書換え可能に記憶する。
続いて、払出制御基板103には、CPU(払出CPU)511、ROM(払出ROM)512、RWM513が搭載されている。これらのうち、CPU511としては、例えば樹脂パッケージングがされたCPU装置(CPUデバイス)内の中央処理装置を利用可能である。また、ROM512は、CPU511が払出しに係る処理を行うための払出用プログラムや、所定の制御データなどを記憶している。また、上述のRWM513は、CPU501による払出プログラムの実行に際して、各種の処理に必要なデータや、処理中に発生したデータ等を書換え可能に記憶する。
前述のサブメイン基板301は、CPU(サブメインCPU)521と、ROM(サブメインROM)522と、ワークRWM523と、入力ポート527と、出力ポート528、バスライン(図示略)などを備えている。そして、入力ポート527の入力側にはメイン基板102の出力側が接続され、入力ポート527の出力側には、CPU521、ROM522、ワークRWM523、及び、出力ポート528などが接続されている。
サブメイン基板301のCPU521は、メイン基板102から送信される図柄表示用の演出制御コマンド(指令)に基づいて演出表示装置60の表示を制御する。ROM522は、CPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRWM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
なお、前述のメイン基板102とサブメイン基板301の間におけるデータの送受信は、メイン基板102からサブメイン基板301への一方向通信(片方向通信)の態様で行われる。したがって、メイン基板102が保有する情報は、メイン基板102がサブメイン基板301へ送信しない限り、サブメイン基板301で参照することはできない。
前述のサブサブ基板302は、CPU531、ワークRWM532、プログラムROM533、サウンドROM534、キャラクタROM535、画像コントローラ(VDP)536、音制御回路537、入力ポート538、出力ポート539、及び、バスライン(図示略)などを備えている。さらに、画像コントローラ(VDP)536は、ビデオメモリ540を備えている。そして、入力ポート538の入力側にはサブメイン基板301の出力側が接続され、入力ポート538の出力側には、CPU531、ワークRWM532、プログラムROM533等の各機器が接続されている。
上述のビデオメモリ540は、演出表示装置60に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオメモリ540における画像データの内容を書き替えることにより、演出表示装置60の表示内容(フレーム画像)が変更される。キャラクタROM535は、演出表示装置60に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ536は、CPU531、ビデオメモリ540、出力ポート539のそれぞれの動作タイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオメモリ540に記憶される表示データを、キャラクタROM535から所定のタイミングで読み出し、更に予め優先順位を定めたレイヤの順に図柄を重ねて演出表示装置60に表示させる。
<電源供給とデータバックアップ>
前述の電源基板251は、ぱちんこ遊技機10の各部に電源を供給するための電源部541と、初期化スイッチ544を有する初期化スイッチ回路部543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、メイン基板102や払出制御基板103等に対して、各種スイッチ、モータ、ロジック回路等を駆動するための所定量の電圧を、メイン基板102や払出制御基板103、及び、その他の所定の機器に対して供給する。
初期化スイッチ回路部543は、電源投入時に初期化スイッチ544が押下された場合に、メイン基板102及び払出制御基板103へ、バックアップデータをクリアするための初期化信号を出力する回路を備えている。
上述のように、メイン基板102におけるRWM503は、ぱちんこ遊技機10の電源の遮断後においても、電源基板251からバックアップ電圧が供給されて、データを保持(バックアップ)できるようになっている。つまり、RWM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリア(図示略)の他に、バックアップエリア503aが設けられている。このバックアップエリア503aは、停電(瞬間的な電圧降下による停電である所謂瞬停を含む)などの発生により電源が遮断された場合(電断が生じた場合)において、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。そして、通常の電源立ち上げや、停電の解消に伴い、メイン基板102等の状態が、バックアップエリア503aの情報に基づいて、電源遮断前の状態に戻される。
また、払出制御基板103におけるRWM513についても、メイン基板102のRWM503と同様に、ぱちんこ遊技機10の電源の遮断後において、電源基板251からバックアップ電圧が供給されて、データを保持(バックアップ)できるようになっている。
前述のメイン基板102には、上述のような停電等による電源遮断を監視する停電監視回路部506が設けられている。停電監視回路部506は、電源基板251の電源部541から出力される最大電圧である直流安定(例えば30ボルト)の電圧を監視し、この電圧が所定電圧未満になった場合に、停電(電源遮断)の発生を検知して、上述の電断信号を出力する。このような電断信号の入力に基づき、メイン基板102のCPU501、及び、払出制御基板103のCPU511は、所定の電源断処理を実行する。
次に、メイン基板102における基本的な機能について説明する。本実施例のメイン基板102は、前述した各構成(図4参照)の働きにより、例えば、入球判定、抽選、コマンド送信などの各種の機能を果たす。
図5中には、メイン基板102、サブメイン基板301、及び、サブサブ基板302の各々における代表的な機能的手段を示している。これらのうち、メイン基板102は、入球判定手段110、第1抽選手段111、第2抽選手段112、普図抽選手段113、保留制御手段114、メイン表示制御手段115、特別遊技制御手段116、特定遊技制御手段117、開閉制御手段118、事前情報通知手段119、メインコマンド送信手段120等を備えている。そして、メイン基板102は、これらの機能的手段により、以下に順に説明するように、特別図柄に関する抽選、普通図柄に関する抽選、保留制御、主制御表示、特別遊技、特定遊技、開閉制御、事前情報通知等を実行する。
上述の入球判定手段110は、各入賞口(各作動口、各種始動入賞口、各種大入賞口、一般入賞口など)への遊技球の入球を各入賞口に設けられたセンサ類から出力される信号をもとに判定する。
<<特別図柄に係る当否抽選機能>>
前述の第1抽選手段111は、第1始動入賞口62への入球に基づき第1抽選を実行する。第1抽選手段111は、第1抽選値取得手段121、第1当否判定手段122、第1図柄決定手段123、第1パターン決定手段124の機能を有している。第1抽選の結果は、前述の主制御表示装置53(図6(a)参照)の第1特別図柄表示部70において、停止表示された第1特別図柄により表される。
同様に、前述の第2抽選手段112は、第2始動入賞口63への入球に基づき第2の抽選を実行する。第2抽選手段112は、第2抽選値取得手段125、第2当否判定手段126、第2図柄決定手段127、第2パターン決定手段128の機能を有している。第2の抽選の結果は、前述の主制御表示装置53の第2特別図柄表示部71において、停止表示された第2特別図柄により表される。
前述の第1抽選手段111に備えられた第1抽選値取得手段121は、第1始動入賞口62への入球を契機に、第1抽選に係る大当り乱数の値を、第1当否抽選値として取得する。また、前述の第2抽選手段112に備えられた第2抽選値取得手段125は、第2始動入賞口63への入球を契機に、第2抽選に係る大当り乱数の値を、第2当否抽選値として取得する。
なお、本実施例では、第1当否抽選値として取得される大当り乱数、及び、第2当否抽選値として取得される大当り乱数は、ハードウェア乱数(ハード乱数)とソフトウェア乱数(ソフト乱数)とを用いた演算(加算)により生成されている。ハードウェア乱数としては、例えば16ビット用の乱数回路で生成される内蔵乱数を利用し、ソフトウェア乱数としては、ソフトウェアにおける乱数生成プログラムにより割込毎に更新される値を利用する。なお、ハードウェア乱数とソフトウェア乱数のうちのいずれか一方を使用するものであってもよい。
第1抽選手段111における第1当否判定手段122は、第1当否抽選値に基づいて当否判定を行い、第1当否抽選値が、当りとなる所定の値(当り値)に該当するか否かを判断する。同様に、第2抽選手段112における第2当否判定手段126は、上述の第2当否抽選値に基づいて当否判定を行い、第2当否抽選値が、当りとなる所定の値(当り値)に該当するか否かを判断する。第1当否判定手段122及び第2当否判定手段126による当否判定では、第1当否抽選値や第2当否抽選値と、大当り抽選の抽選結果との対応を定めた当否判定テーブル(図8(a)参照)が用いられる。ここで、図8(a)中に示す、通常時確変時大当りとは、常に大当りとなる乱数値範囲を示すものであり、確変時大当りとは、確変時のみ大当りとなる乱数値範囲であることを示している。
第1抽選手段111における第1図柄決定手段123や第2抽選手段112における第2図柄決定手段127は、第1特別図柄または第2特別図柄に係る大当り抽選でいずれかの大当りに当選した場合における、特別図柄の種類を、大当り図柄判定テーブル(図9参照)に基づき決定する。第1抽選用の大当り図柄判定テーブルは、図柄決定に係る乱数値(図柄乱数)である図柄抽選値と、特別図柄の種類との関係を規定している。
ここで、図柄抽選値は、特別図柄に係る「特別図柄当り図柄乱数」や「図柄乱数」などとも称する場合がある。また、本実施例では、当たりの種類に小当りが含まれており、第1図柄決定手段123および第2図柄決定手段127は、特別図柄に係る大当り抽選で小当りに当選した場合における、特別図柄の種類を、小当り図柄判定テーブル(図9(c)参照)に基づき決定する。
図柄抽選値は、前述の当否抽選値と同様に、始動入賞口への入球を契機に取得されるものである。また、特別図柄の種類は、当りの種類に対応付けられており、取得された図柄抽選値に紐付いて、大当りの種類や小当りの有無が定まるようになっている。
第1抽選手段111における第1パターン決定手段124や第2抽選手段112における第2パターン決定手段128は、それぞれに対応する特別図柄表示部における特別図柄の変動パターンを、特図変動パターンテーブルに基づき決定する。特図変動パターンテーブルは、多数の特図変動パターンと、特別図柄の変動パターン決定に係る乱数値(変動パターン乱数)であるパターン抽選値との関係を規定している。
パターン抽選値は、前述の当否抽選値と同様に、始動入賞口への入球を契機に取得されるものである。さらに、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る変動パターンは、例えば、大当り時、はずれ時、リーチの有無、時短の有無、保留数、大当り後の変動回数などといった各種の遊技状況に応じて相違した複数の特図変動パターンテーブルが設けられている。
特別図柄に係る変動パターン(特図変動パターン)は、特別図柄の変動表示における、変動開始から停止までの時間(変動時間)を定めている。そして、特図変動パターンは、その種類によって、例えば数秒程度から数十秒度のように、長短様々な変動時間を規定している。すなわち、各特図変動パターンには、変動表示の終了条件として変動時間が定められており、前述の第1特別図柄表示部70又は第2特別図柄表示部71(図6(a)参照)においては、特別図柄の変動表示が開始されて、規定された変動時間が経過すると、特別図柄が停止表示される。
時短時に選択対象となる特図変動パターンの多くについては、非時短時に選択対象となる特図変動パターンよりも、変動時間が短く設定されている。しかし、非時短時で、且つ、保留数が4個の場合に選択対象となり得る特図変動パターンには、時短時の特定の特図変動パターンに比べて、変動時間の短いものが含まれている。
<<普通図柄に係る各種抽選機能>>
続いて、前述の普図抽選手段113について説明する。この普図抽選手段113は、普図抽選値取得手段129、普図当否判定手段130、普図図柄決定手段131、普図パターン決定手段132を有している。そして、普図抽選手段113は、前述の入球判定手段110により、各作動口68a、68bにおける遊技球の通過が検出されると、この検出結果に基づき、普通図柄に係る抽選(普図抽選)を実行する。
この普図抽選においては、普図抽選値取得手段129により、普通図柄に係る乱数(普図図柄乱数)である普図抽選値が取得され、普図図柄決定手段131により、普図判定テーブルが参照される。この普図判定テーブルには、普図抽選値と、普通図柄の種類との対応関係が定められている。そして、普図当否判定手段130により、普図抽選値に紐付けられた普通図柄が、当りに該当するものであるか否かが判定され、当りに該当する場合には、当たりの種類が判定される。
また、左作動口68a又は右作動口68bへの入球を契機に普図パターン抽選値が取得され、取得した普図パターン抽選値を用いて普図パターン決定手段132により、普通図柄に係る変動パターン(普図変動パターン)が決定される。各普図変動パターンは、普図変動パターンに係る乱数(普図変動パターン乱数)である普図パターン抽選値と対応けられており、取得された普図パターン抽選値に紐付いて、遊技の状況に応じた普図変動パターンが定まるようになっている。
さらに、本実施例では、普通図柄に係る乱数である普図抽選値、及び、普図パターン抽選値は、ソフトウェア乱数のみを用いて作成されている。
<<特別図柄の保留に関する機能>>
続いて、前述の保留制御手段114について説明する。保留制御手段114は、第1保留手段133、第2保留手段134、普図保留手段135を有している。これらのうち第1保留手段133は、新たに第1始動入賞口62への入球があった場合に、第1特別図柄に係る所定の変動開始条件が満たされなければ、入球により取得された各種の乱数(第1当否抽選値、第1図柄抽選値など)に係る情報(第1特図保留記憶情報)を、一時的に保留記憶する。本実施例では、第1特別図柄に係る保留の上限値は4個に設定されており、この上限値を超えない範囲で、第1特別図柄に係る保留が可能となっている。
上述の入球があった際に実行されていた第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示が終了し、更に、上述の入球よりも前に発生した第1特別図柄又は第2特別図柄に係る保留が存在しない場合には、第1特別図柄に係る変動開始条件が成立し、第1特別図柄に係る新たな図柄変動が許可されることとなる。
前述の第2保留手段134についても、新たに第2始動入賞口63への入球があった場合に、第2特別図柄に係る所定の変動開始条件が満たされなければ、入球により取得された各種の乱数(第2当否抽選値、第2図柄抽選値など)に係る情報を、一時的に保留記憶する。
上述の入球があった際に実行されていた第2特別図柄の変動表示が終了した場合には、第2特別図柄に係る変動開始条件が成立し、第2特別図柄に係る新たな図柄変動が許可されることとなる。なお、本実施例では、第2特別図柄に係る保留の上限値は、第1特別図柄と同様に4個に設定されている。
上述の第1特別図柄、および第2特別図柄は、特別遊技を開始する図柄が停止して特別遊技に制御された場合は、特別遊技が終了した後に変動開始条件を判定する。
<<普通図柄の保留に関する機能>>
続いて、前述の普図保留手段135について説明する。普図保留手段135は、作動口68a、68b(図1参照)における入球があった場合に、普通図柄に係る所定の変動開始条件が満たされなければ、入球により取得された乱数(普図抽選値など)に係る情報(普図保留記憶情報)を、一時的に保留記憶する。そして、変動開始条件が成立するまで、上述の入球に係る普通図柄の変動表示を許可しない。なお、本実施例では、普通図柄に係る保留の上限値は4個に設定されており、この上限値を超えない範囲で、普通図柄に係る保留が可能となっている。
上述の入球があった際に実行されていた普通図柄の変動表示が終了し、普通電動役物が作動していない場合に、普通図柄に係る変動開始条件が成立し、普通図柄に係る新たな図柄変動が許可されることとなる。
<<主制御表示に関する機能>>
続いて、前述のメイン表示制御手段115について説明する。メイン表示制御手段115は、第1特図制御手段136、第2特図制御手段137、普図制御手段138、保留表示制御手段139、及び、その他表示制御手段140を有している。これらのうち第1特図制御手段136は、第1抽選手段111により決定された第1特別図柄の変動パターンに従い、第1特別図柄表示部70(図6(a)参照)で、第1特別図柄の変動表示(例えば、LED表示灯M、Nを100msec毎に点滅させる点滅表示)を行う。そして、第1特別図柄は、変動パターンにより定められた変動時間が経過すると、第1特別図柄表示部70において、決定された図柄で停止表示する。
さらに、第2特図制御手段137は、前述の第2特別図柄に係る変動開始条件が成立していれば、第2抽選手段112により決定された変動パターンに従い、第2特別図柄表示部71(図6(a)参照)で、第2特別図柄の変動表示を行う。そして、第2特別図柄は、変動パターンにより定められた変動時間が経過すると、第2特別図柄表示部71において、決定された図柄で停止表示される。
また、普図制御手段138は、前述の普通図柄に係る変動開始条件が成立していれば、普図抽選手段113により決定された普通図柄の変動パターンに従い、普通図柄表示部59(図6(a)参照)で、普通図柄の変動表示を行う。さらに、そして、普通図柄は、変動パターンにより定められた変動時間が経過すると、普通図柄表示部59において、決定された図柄で停止表示される。
さらに、保留表示制御手段139は、前述の第1特別図柄、第2特別図柄、及び、普通図柄に係る保留数の表示を行う。そして、これらの保留数の表示は、図6(a)に示す主制御表示装置53の、第1特別図柄記憶表示部(LED表示灯O、P)、第2特別図柄記憶表示部(LED表示灯Y、Z)、及び、普通図柄記憶表示部(LED表示灯C、D)にて行われる。また、前述のその他表示制御手段140は、上述した第1特別図柄、第2特別図柄、普通図柄、及び、各種保留表示以外の、主制御表示装置53における表示を制御する。
<<特別遊技に関する機能>>
続いて、前述の特別遊技制御手段116について説明する。特別遊技制御手段116は、大当りに当せんした場合に、特別図柄が所定の大当り態様で停止されると、特別遊技作動条件が成立したと判定し、前述のように大当りの種類に応じた所定の態様で大入賞口(第1大入賞口91又は第2大入賞口92)を開放させる特別遊技を実行する。
<<特定遊技に関する機能>>
続いて、前述の特定遊技制御手段117について説明する。特定遊技制御手段117は、前述の確変や時短等に係る制御を行う。特定遊技制御手段117は、大当りの種類に応じて、その特別遊技の終了後の遊技状態を、確変状態や時短状態等へ移行させる。本実施例においては、確変状態は、全ての種類の大当りに付帯しており、特別遊技後の合計の変動表示回数が所定数(例えば100回)に達するまで継続される。確変状態の間は、第1抽選手段111や第2抽選手段112による大当りの当せん確率が、非確変時である通常時よりも高い値のまま維持される。
また、本実施例において時短状態は、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示回数の合計が、特別遊技の終了時点から数えて所定の終了条件回数(例えば100回など)に達するまで継続される。さらに、時短中は、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示時間が、通常状態よりも概ね短くなるよう、第1パターン決定手段124や第2パターン決定手段128が、時短用の変動パターンを選択する。
さらに、本実施例においては、前述のように、特定遊技として入球容易化遊技が実行され、普通電動役物の作動が容易になり、第2始動入賞口の入り口に配置された開閉羽根が開放しやすくなる。開閉羽根の開閉制御は、後述する開閉制御手段118により制御される。
<<開閉制御に関する機能>>
続いて、前述の開閉制御手段118について説明する。開閉制御手段118は、第2始動入賞口63の普通電動役物(開閉羽根)や、第1大入賞口91、第2大入賞口92の開閉動作を制御する。開閉制御手段118は、普通図柄が特定の態様で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、第2始動入賞口63の普通電動役物を開放させる。さらに、開閉制御手段118は、特別遊技において、第1大入賞口ソレノイド80や第2大入賞口ソレノイド81に開放指示を送るための制御を行い、第1大入賞口91や第2大入賞口92を開放させる。そして、開閉制御手段118は、大入賞口(第1大入賞口91や第2大入賞口92)を異なる時間で開放させる機能を有しているが、開放時間を異ならせた制御態様の詳細については後述する。
<<事前情報通知に関する機能>>
続いて、前述の事前情報通知手段119について説明する。事前情報通知手段119は、第1始動入賞口62又は第2始動入賞口63に入球があった際、その入球に対応する図柄変動表示が保留されるか否かにかかわらず、取得された各種の乱数値に係る情報を、事前通知情報として、サブ基板(ここではサブメイン基板301)へ送信するための処理を行う。
上述の事前通知情報としては、取得した前述の各当否抽選値(第1当否抽選値又は第2当否抽選値)、各図柄抽選値(第1図柄抽選値又は第2図柄抽選値)、各パターン抽選値(第1パターン抽選値又は第2パターン抽選値)が、どのような当否範囲、図柄範囲、パターン範囲に属するものであるのか、といった情報を例示できる。
なお、このような事前通知情報の送信により、サブ基板104の側において、各種の先読み演出が可能となる。そして、先読み演出としては、保留予告や連続予告などを例示できるが、これらの詳細については後述する。
<<コマンド送信に関する機能>>
続いて、前述のメインコマンド送信手段120について説明する。メインコマンド送信手段120は、メイン基板102からサブメイン基板301へのコマンド(メインコマンド)の送信を行う。メイン基板102からサブメイン基板301へのコマンド送信は、始動入賞時、特別図柄の変動開始時、特別図柄の変動停止時、大当り発生時などの種々のタイミングで、種々の情報を含んで行われる。
<サブ基板の基本機能>
次に、前述のサブ基板104における基本的な機能について説明する。本実施例においてサブ基板104は、サブメイン基板301及びサブサブ基板302により構成されており、メイン基板102からのコマンド受信、演出パターン決定、演出表示制御、演出実行などの各種の機能を果たす。
図5中に示すように、サブメイン基板301は、メインコマンド受信手段141、演出パターン決定手段142、サブメインコマンド送信手段143等を有している。さらに、サブメイン基板301は、スピーカ出力等の制御を行うための音制御手段144や、遊技効果ランプ出力等の制御を行う光制御手段145などの機能的手段が備えられている。
演出パターン決定手段142により決定される演出パターンは、演出表示装置60に表示される表示演出や、必要に応じ表示演出と併せて行われる音演出及び光演出を指定する情報を含んでおり、演出図柄190の変動表示中に大当りの期待度の高さを示唆する演出を実行する。ここで、本実施例における「期待度」は、「信頼度」と言い換えることが可能なものである。
演出パターン決定手段142により演出パターンが決定されると、決定された演出パターンを示す演出パターン情報が、サブメインコマンド送信手段143を介し、サブメインコマンドとして、サブサブ基板302へ送信される。また、サブメイン基板301からサブサブ基板302へ送信されるコマンドには、サブサブ基板のROMから音データやランプデータ等を読み出すために、音情報なども含まれる。
サブサブ基板302には、図5中に示すように、サブメインコマンド受信手段146や演出実行制御手段147などが備えられている。そして、サブサブ基板302においては、演出実行制御手段147により、サブメイン基板301からのサブメインコマンドに基づき、必要な画像データを液晶ユニット42(図4参照)に順次出力し、アニメーション画像を構成して、演出表示装置60において演出用の動画を表示する。
<特定遊技に係る具体的態様>
次に、前述した特定遊技の具体的態様について説明する。本実施例においては、前述のように特定遊技として、特別図柄の確率変動機能(確変)、特別図柄の変動時間短縮機能(時短)、及び、入球容易化遊技(普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能、普通電動役物の開放延長機能の複合)が設けられている。そして、本実施例では、これらの各種特定遊技のうちの少なくともいずれか1つが、大当り抽選の結果(特別図柄の停止表示図柄)や、大当り中の遊技結果に応じて実行される。
<<確率変動遊技>>
上述の確変は、大当り後の特別図柄に係る遊技の確率状態を、通常の確率状態と比べて大当りの発生確率が高くなるように変更するものである。本実施例においては、確変状態の継続期間(確変期間)は、特別図柄の変動回数に基づき決定されている。
特別図柄の変動回数は、特別図柄の変動表示から停止表示までが1回として定まるものである。そして、本実施例において確変期間は、特別遊技終了後の第1特別図柄及び第2特別図柄の合計の変動回数が所定回数(例えば100回)に設定される。このように次回の大当りが発生する前に確変期間が終了し得るようにした機能は、例えばSTや回数切り確変などと称することが可能である。
<<変動時間短縮遊技>>
上述の時短は、前述の主制御表示装置53における特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)の変動時間を、通常遊技の場合と比べて、概ね短縮するものである。ここで、「概ね短縮する」とは、全ての場合に通常遊技よりも短縮するとは限らず、一部には、特別図柄の変動時間が通常遊技と同等な場合や、通常遊技よりも長い場合を含み得る、という意味である。そして、この時短によれば、特別図柄の変動時間が短くなることから、連続して始動入賞口(第1始動入賞口62及び第2始動入賞口63)への入賞が発生しても、特別図柄の変動表示及び停止表示を短い間隔で円滑に進めることができ、大当り抽選の機会を多く確保することが可能となる。
さらに、本実施例においては、時短状態の継続期間(時短期間)は、確変状態と同様に、特別図柄の変動回数に基づき決定されている。そして、本実施例において時短状態は、特別遊技終了後の第1特別図柄及び第2特別図柄の合計の変動回数が所定回数(例えば100回)に達するまで継続される。
なお、本実施例では、確変期間と時短期間を同じ期間に設定しているが、確変期間と時短期間を互いに異なる期間としてもよい。例えば、確変期間を104回とし、時短期間を100回とすることなどが可能である。また、確変期間や時短期間は、いずれも一定であることに限定されない。例えば、確変期間を、発生した大当りの種類に応じて4回、25回、100回などのいずれかとすることなどが可能である。また、時短期間を、発生した大当りの種類に応じて、25回、50回、75回、100回などのいずれかとすることなどが可能である。
また、所謂転落抽選の機能を備えることが可能である。この転落抽選としては、以下のようなものを例示できる。例えば、確変や時短が、上述の最大変動回数(ここでは100回)よりも少ない所定の回数(例えば50回)に達した後には、最大変動回数に達するまで毎回の特別図柄の変動毎に、確変や時短を終了させるか否かの抽選(特定遊技終了抽選)が実行される。そして、この特定遊技終了抽選に当せんした場合には、確変及び時短を終了させ、次回の変動からの遊技状態が、確変や時短が伴わない通常状態に戻る。
さらに、確変と時短の両方を実行することに限らず、特定遊技において、いずれか一方のみを実行することも可能である。例えば、当せんした大当りの種類によっては、時短のみが付与され、確変は付与されないようにすることや、時短が付与されず、確変のみが付与されるようにすることなどが可能である。
<<入球容易化遊技>>
続いて、前述の入球容易化遊技について説明する。この入球容易化遊技は、普通電動役物に係る機能を遊技者に有利に設定し、第2始動入賞口63の開放態様が通常よりも遊技球を受け入れ易くなり得るようにする遊技状態である。入球容易化遊技が実行された場合には、普通図柄に係る時短、普通図柄に係る確率変動、普通電動役物に係る開放延長などの制御態様や、これらの制御態様の組合せにより、第2始動入賞口63への入球容易性が高められ、入球容易状態が形成される。
普通図柄における上述の各種の制御態様のうち、普通図柄に係る時短は、普通図柄の変動時間が通常状態よりも短縮される制御態様であり、普通図柄に係る確率変動は、普通図柄の当せん確率を通常状態よりも向上させる制御態様(普通図柄に係る確変)である。さらに、普通電動役物に係る開放延長は、第2始動入賞口63の開放時間を、通常時(非特定遊技時)の開放(ショート開放)よりも長く開放(ロング開放)を行う制御態様である。
上述のように、本実施例における特定遊技中の入球容易化遊技は、普通図柄の時短、開放抽選の確率変動、普通電動役物の開放延長という3つの機能を用いて第2始動入賞口63への入球容易性を高める。しかし、これに限定されず、これら3つの機能のうち、1つ又は2つの機能を用いて第2始動入賞口63への入球容易性を高める構成としてもよい。また、3つの機能のうち少なくともいずれかを、実施する期間と実施しない期間との切り替えを、遊技状態に応じて行う構成としてもよい。
このような入球容易化遊技の継続期間は、特別図柄に係る時短期間に基づいて決定することが可能である。例えば、特別図柄に係る時短中は入球容易化遊技を継続し、特別図柄に係る時短が終了すると入球容易化遊技が終了する、といった制御態様の採用が可能である。そして、このようにした場合は、特別図柄の時短が終了した以降に図柄変動が開始される普通図柄の変動パターン(普図変動パターン)は、通常時(非特定遊技時)のために設けられた変動パターンの中から決定されるようにすることが可能である。
<ぱちんこ遊技機における主な演出>
<<演出図柄の基本的表示態様>>
次に、メイン基板102からサブメイン基板301へのコマンドに基づき、サブメイン基板301及びサブサブ基板302によって実行される各種の演出について、主要なものを説明する。そして、ここでは先ず、前述の演出図柄190(図7(a)、(b)参照)の基本的な表示態様について説明する。
演出図柄190は、主制御表示装置53において特別図柄が変動表示されることに伴って、演出表示装置60上において変動表示される(図7(a)参照)。さらに、演出図柄190は、主制御表示装置53において特別図柄が停止表示されることに伴って、演出表示装置60上において停止表示(図7(b)参照)される。
演出図柄190の停止に伴い表示される停止図柄は、左演出図柄190a、中演出図柄190b、右演出図柄190cの3つの図柄の組合せにより構成される。そして、メイン基板102における大当り抽選の結果が大当りとなった場合には、例えば「777」や「555」のように、3つの図柄が揃ったぞろ目の組合せが、大当りを表す停止図柄として表示される。また、大当り抽選の結果がはずれであった場合には、例えば「767」、「928」、「331」などのように、1部又は全ての演出図柄が他の演出図柄と異なる組合せで、演出図柄190が停止表示される。
ここで、本実施例における「停止図柄」や「図柄の停止」は、3つの演出図柄190が「確定停止」していることを意味している。すなわち、3つの演出図柄190a〜190cが、演出表示装置60の表示領域194において、例えば「767」や「928」などの組合せを保った状態で表示されていたとしても、それだけでは「確定停止」したことには該当しない。そして、このように演出図柄190が、組合せを保ちつつ「確定停止」に至っていない状態を、「仮停止」の状態と称することが可能である。
このような「仮停止」の表示態様としては、例えば、演出図柄190が小刻みに振動している(揺れている)状態を例示できる。そして、演出図柄190が組合せを維持したまま小刻みに揺れているような仮停止の態様を、「揺れ変動」の態様などと称することが可能である。この「仮停止」における演出図柄190の揺れの態様としては、縦又は横の直線移動や水平方向の回転移動などを例示でき、移動範囲としては数ミリ程度を例示できる。
また、上述の「確定停止」の表示態様としては、仮停止の状態を経て、全ての演出図柄190a〜190cが組合せを保ったまま停止した状態を例示できる。さらに、この「確定停止」の際に、確定停止されたことを示す演出を行うことが可能である。そして、確定表示されたことを示す演出としては、確定停止の状態を所定時間(例えば1秒程度)維持することや、確定停止された演出図柄190に対して光を当てるようなエフェクトを表示するなどを例示できる。
また、前述の「リーチ」の表示態様において、リーチの組合せを保った演出図柄が、前述の「仮停止」の態様で表示される場合がある。そして、この「仮停止」によるリーチ表示の後に、変動表示されていた図柄(ここでは中演出図柄190b)が、はずれの組合せ(はずれリーチの組合せ)を構成して「仮停止」し、組合せを保ったまま「確定停止」が行われて変動表示が終了する、といった演出を例示することができる。また、3つの演出図柄190a〜190cが、はずれリーチの組合せによる「仮停止」を行っている状態から、中演出図柄190bが変動を再開してリーチ演出が高信頼度のもの(大当りに係る信頼度が相対的に高いもの)に発展する、といった演出(後半リーチ)も例示できる。
なお、演出図柄190のスクロール表示の態様としては、上述の縦スクロールに限定されるものではなく、種々の表示態様を採用することが可能である。そして、他の表示態様としては、例えば、左演出図柄190aから右演出図柄190cを、個々に、鉛直軸まわりに回転(自転)させて、変動表示を行う態様を例示できる。また、例えば、左演出図柄190aから右演出図柄190cが、表示領域194中で、後方から前方、即ち画面の奥から手前に向って、直線軌道或いは曲線軌道に沿って、拡大されながら順次繰り出される、といった表示態様も例示できる。さらに、後方から前方へ向う演出図柄が、上方から下方手前へ降りてくる、といったスクロール表示の態様を採用することも可能である。
また、図7(a)、(b)においては、演出図柄190の組合せが、表示領域194の上下方向の中段でのみ停止表示される表示態様が例示されており、有効ラインは、横方向の1ラインのみとなっている。しかし、これに限定されるものではなく、例えば、有効ラインの数を2ラインや5ラインとすることなども可能である。
さらに、図7(b)においては、左演出図柄190aから右演出図柄190cを、所定の字体の数字のみにより簡略化して示しているが、演出図柄190は、数字などの所定の記号を意味する部分(前述の記号要素演出図柄である要素図柄)と、所定の記号以外を表す絵柄からなる部分(非記号要素演出図柄である要素図柄)との組合せにより構成することが可能である。そして、所定の記号以外を表す絵柄からなる部分としては、各種のデザイン画や人物画、及び、これらの組合せ等を例示でき、さらに、記号に組合される各種のデザイン画や人物画を、動画とすることも可能である。
<<演出パターンの例示>>
続いて、前述の演出パターンについて説明する。演出パターンは、メイン基板102で決定される変動パターンに関連付けられた状態で多数設けられている。さらに、演出パターンには、演出図柄190を含む演出の態様が規定されている。より具体的には、演出パターンには、選択された演出図柄190に対する変動開始から変動停止までの変動過程や、演出図柄190と組合せて表示される背景及びストーリー展開などといった演出過程が定義されている。そして、演出パターンには、前述の「リーチあり」や「リーチなし」に対応したものがある。
これらのうち、「リーチあり」の演出パターンが実行される場合は、あと1つの演出図柄(ここでは中演出図柄190b)が揃えば大当りとなるリーチ演出が、演出表示装置60において行われる。そして、特別図柄に係る当否抽選の結果が大当りである場合には、大当りの種類に応じた「777」や「333」などのぞろ目の表示が、確定停止した演出図柄190によって行われる。また、特別図柄に係る当否抽選の結果がはずれである場合には、例えば「767」や「515」などのはずれを示す組合せが、確定停止した演出図柄190によって行われる。
さらに、「リーチなし」の演出パターンが実行される場合は、例えば「928」や「331」などのように、左演出図柄190aと右演出図柄190cがリーチの組合せとならないリーチなしの組合せが、確定停止した演出図柄190によって行われる。
これらの演出パターンには、長短様々な変動時間をもつものがあり、特に、「リーチあり」の変動パターンには、変動時間が数分に及ぶようなものも含まれている。なお、本実施例では、前述した特別図柄に係る変動パターン(図10(a)〜(c)参照)における、「リーチなし」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ(大当り信頼度の高いリーチ)」に対応した、リーチなしの演出パターン、ノーマルリーチの演出パターン、スーパーリーチの演出パターンが設けられている。そして、これらの演出パターンには、例えば、1つの変動パターンに対して複数の演出パターンが関連付けられており、演出パターン数は、前述の変動パターンよりも多岐に亘っている。さらに、「スーパーリーチ」は、「SP(スペシャル)リーチ」と言い換えることが可能なものである。
<<特別図柄に係る保留演出表示>>
次に、演出表示装置60において行われる特別図柄に係る保留表示(保留演出表示)について説明する。演出表示装置60の表示領域194の下部には、図7(a)、(b)中に示すように、第1遊技における当否抽選値の保留数を示す第1保留数表示部196と、第2遊技における当否抽選値の保留数を示す第2保留数表示部197とが表示される。なお、ここでは説明や図示を簡略化するため、個々の保留表示を真円によって表しているが、保留表示を、その他の形状や色彩の組み合わせ、キャラクタ画像、アニメーション等により行ってもよい。
本実施例においては、第1遊技に係る保留が発生すると、上述の第1保留数表示部196に所定の保留表示が行われる。さらに、保留数が増えると、保留表示が追加される。そして、保留数が上限に達すると、図7(a)に示すように、第1保留数表示部196において、4つの保留表示が行われる。
また、第1保留数表示部196における保留表示は、第1表示位置から第4表示位置にて行うことが可能である。つまり、第1保留数表示部196には、第1表示位置から第4表示位置が含まれており、第1保留数表示部196の、遊技者から見て右端の部位が、第1表示位置となっている。そして、左端へ向かって順に、第2表示位置、第3表示位置、第4表示位置が設けられている。さらに、以下では、第1表示位置から第4表示位置で行われる保留表示を、それぞれ「保1」、「保2」、「保3」、「保4」と称する。
例えば、演出表示装置60において、第1遊技に係る演出図柄190が行われている最中で、且つ、第1保留数表示部196に1つの保留表示も行われていない状況において、保留が発生すると、右端の第1表示位置(上述の「保1」の位置)に保留表示が行われる。そして、この際には未だ他の保留表示が行われておらず、「保2」〜「保4」は発生していないものとする。このように「保1」が発生している状況で、更に保留が発生すると、発生した保留に係る表示は、「保1」の左隣の「保2」の位置で行われる。そして、「保1」及び「保2」が表示され、「保3」や「保4」が表示されていない状況で、更に保留が発生すると、発生した保留数に応じて、「保3」や「保4」の表示が行われる。
そして、「保1」が発生した際に実行されていた変動表示が終了し、第1遊技に係る他の変動開始条件も成立していれば、上述の「保1」に係る保留記憶情報が消化される段階となり、「保1」の保留表示が、第1保留数表示部196の右側へ移動する。第1保留数表示部196の右側の部位には、当該変動情報表示部195が設けられている。この当該変動情報表示部195は、そのときに実行されている変動表示に係る情報(当該変動情報)を表示する領域である。つまり、「保1」の保留表示は、対応する保留記憶情報に係る変動表示が実行される際には、当該変動情報表示部195に移動して、当該変動情報表示198に変化する。
ここで、「保1」の保留表示を当該変動情報表示部195に移動させる際に、アイテムに係るサイズ、色彩、形態などといった表示要素の変更を行うようにしてもよい。図7(a)、(b)の例では、「保1」の保留表示を当該変動情報表示198に変化させる際に、サイズの拡大を行っている。
上述のように「保1」にあった保留表示が当該変動情報表示部195に移動すると、後続の保留表示の待機順位が繰り上り、「保2」は「保1」の位置にシフトする。さらに、「保3」や「保4」が存在した場合には、「保3」は「保2」の位置にシフトし、「保4」は「保3」の位置にシフトする。そして、このような状況で更に保留が発生した場合には、新たに「保4」が発生し、保留数が上限に達することとなる。また、新たな保留が発生しなければ、この次の変動表示の開始に伴い、保留表示のシフトが行われ、各保留の待機順位が繰り上がることとなる。
なお、「保1」〜「保4」における保留表示から、当該変動情報表示部195における当該変動情報表示198に変化した状態を含めて、広義に、保留演出と捉えることが可能であるが、これに限らず、「保1」〜「保4」における保留表示までを保留表示とし、当該変動情報表示部195における当該変動情報表示198に変化した状態は保留表示に含めない、といった取扱いを行うことも可能である。
また、演出図柄190に係る変動表示が行われておらず、保留数が0の状況で、第1始動入賞口62に入球があると、「保1」の表示は行われず、当該変動情報表示部195に、直接的に、当該変動情報表示198が行われるようになっている。そして、このような場合に限って、当該変動情報表示部195における当該変動情報表示198を保留表示に含めない、といった取扱いを行うことも可能である。
続いて、前述の第2保留数表示部197について説明するが、第1保留数表示部196と同様な点については、説明を省略する。本実施例では、第2保留数表示部197は、図中に示すように、上述の当該変動情報表示部195を挟んで、第1保留数表示部196の反対側(遊技者から見て右側)に、第1保留の画像と異なる色彩にて、「保1」〜「保4」の関係が対象となるよう配置されている。
また、保留表示については、種々の遊技状態に応じた態様で行うことが可能である。例えば、大当り抽選の確率が通常確率の場合と高確率の場合などで、異なる演出モードに制御される場合に互いの保留表示の態様を異ならせることなどを例示できる。
さらに、第1保留数表示部196、第2保留数表示部197、及び、当該変動情報表示部195の位置関係は、上述のものに限定されず、本実施例のように第2遊技を第1遊技に優先して実行するのではなく、第1遊技及び第2遊技に係る始動入賞の発生順に特別図柄や演出図柄190の変動表示を行うタイプのぱちんこ遊技機には、当該変動情報表示部195の左側に8つの保留表示を並べることができるようにしてもよい。
<<特別図柄に係る保留先読み演出>>
次に、特別図柄に係る予告演出(先読み演出)の1つである、保留先読み演出について説明する。この保留先読み演出は、前述の保留記憶情報(第1特図保留記憶情報又は第2保留記憶情報)に基づき、実行される演出である。さらに、保留先読み演出は、前述の事前情報通知の機能を用いて、そのときに演出図柄190等を用いて行われている演出よりも後に消化が行われる保留に対して、リーチや大当りが発生することの期待を示唆する演出として実行される。
例えば、前述の第1保留数表示部196における「保3」の位置で発生した保留表示について、前述の基本の表示態様である表示(例えば青色)とは異なり、緑色の保留表示を行うことで、通常の青色の態様である場合に比べて、リーチが発生すること等の期待度が高いことが示される。そして、青や緑の彩色の他に、黄色、赤色、金色、虹色、所定柄などの表示態様を設け、緑色よりも、黄色、赤色、金色、虹色、所定柄の順で大当りの期待度が高いことを示す、といった演出が行われている。
ここで、上述の「所定柄」の表示態様としては、キリン等の動物模様や、所定のキャラクタ画像を含む表示態様などを例示できる。また、保留表示の彩色や柄のみでなく、真円形状以外のアイテムや人物画像等を採用することも可能である。さらに、上述の各種の表示態様に点滅や発光を行っている態様を組み合せて先読み演出を行うことも可能である。また、保留先読み演出を含む先読み演出に当せんした保留を、例えば「トリガ保留」などと称することが可能である。
以上説明したような保留に係る先読み演出は、第2遊技においても行われる場合がある。そして、第2遊技に関しては、基本色(オレンジ)のほかに、赤色、金色、虹色、所定柄などの表示態様を備えることが可能である。また、第2遊技に係る保留表示としても、真円形状以外のアイテムや人物画像等を採用することも可能である。
さらに、上述したような第1遊技及び第2遊技において保留表示を用いる先読み演出は、「保留変化」などと称することが可能である。そして、このような「保留変化」には、保留発生の当初から上述のように基本の表示態様と異なる表示態様を示すものや、保留発生の後のタイミングで表示態様の変化を示すものなどがある。
これらのうち、保留発生の後のタイミングで表示態様の変化を示すものとしては、例えば、保留が発生して保留表示が開始され、保留の消化が進み、保留表示が、例えば「保2」、「保1」と進む間に、保留表示が変化するようなものを例示できる。そして、例えば、保留発生時には「保3」の位置に青色(第2遊技の場合はオレンジ色)で保留表示が行われ、「保1」の位置に移動した際に、緑色等の他の色に変化する、といったことが行われる。
また、第1遊技及び第2遊技の何れについても、当該変動情報表示198となった場合に、保留表示が基本色から、赤色、金色、虹色、所定柄などの表示態様や、或いは、真円形状以外のアイテムや人物画像等の表示態様に変化して、大当りの期待度を表す場合もある。
さらに、上述のような保留変化に係る制御態様としては、以下のようなものを例示できる。例えば、保留発生時に、保留変化の演出パターン(保留変化パターン)を決定するための抽選(保留変化パターン抽選)を行う。この保留変化パターン抽選には、保留変化パターンテーブルが用いられ、この保留変化パターンテーブルには、保留変化の有無や、保留変化を実行する場合(保留変化ありの場合)には、どのようなタイミングでどのような表示態様を実行するか、といった演出パターンの決定に係る事項が規定されている。また、保留変化パターンとしては、第1遊技のためのものと、第2遊技のためのものとが定められている。
また、保留変化に当せんした保留が、「保1」から「保4」の中に複数存在する場合に、いずれか一方の保留先読み演出をキャンセルする、といったことが可能である。より具体的には、例えば、「保4」が発生した際に、「保4」に係る保留が、緑色に変化する保留変化パターンに当せんし、先に発生しているいずれかの保留が、虹色に変化する保留変化パターンに当せんしていれば、上述の「保4」に係る保留については、保留変化をキャンセルして実行しない、といったもの例示できる。
さらに、例えば、上述の例と同様に「保4」が発生した際に、「保4」に係る保留が、虹色まで変化する保留変化パターンに当せんし、先に発生している全ての保留が、虹色までは変化せず、緑色などまでしか保留変化しないものであれば、先に発生している保留については、保留変化をキャンセルして実行しない、といったもの例示できる。
<<特別図柄に係る連続予告>>
次に、他の先読み演出のパターンとして、特別図柄に係る連続予告(連続演出)について説明する。この連続予告は、真正のものと擬似のものとがあり、これらのうちの真正の連続予告は、特別図柄に係る複数回の変動表示に亘り、連続性のある予告演出を行うものを意味している。また、擬似の連続予告は、特別図柄に係る1回の変動表示について、複数回の特別図柄の変動があったような断続的な予告演出(疑似連続予告)を行うものを意味している。
上述の「連続予告」としては、例えば、演出上のストーリーにおいて主人公となる登場人物が、特別図柄に係る1回の変動毎に、最終到達目的としている部屋を目指して、順次異なる部屋に移動するようなものなどを例示できる。また、その他の態様の「連続予告」としては、主人公となる登場人物が、特別図柄に係る1回の変動毎に、異なる敵と対戦して勝利し、最終目的となる敵を目指すようなものも例示できる。
さらに、前述した真正の連続予告(以下では単に「連続予告」と称する場合がある)は、メイン基板102からサブメイン基板301に送信される事前通知情報に基づいて行うことが可能である。より具体的には、例えば、「保3」の保留が発生した場合に受信した事前通知情報に基づいて、サブメイン基板301が、その次以降の特別図柄に係る変動表示に対応した演出パターンとして、3回の変動表示に亘る連続予告を含んだ内容のものを選択する、といったことが可能である。
そして、1回分の保留が消化され、上述の「保3」の保留が「保2」の位置にシフトされた際には、選択された連続予告に係る演出パターンのうち、最初の1回目の予告に係る演出パターンが実行される。さらに、保留が順次消化され、保留表示が、「保2」から「保1」に移動した際には、3回のうちの2回目の予告が実行され、「保1」から当該変動情報表示部195に移動した際には、最後となる3回目の予告が実行される。
なお、サブメイン基板301において、上述の「保3」の保留が発生した時点で実行されている変動表示に係る変動パターンや、それ以前に発生している「保2」又は「保1」に係る保留記憶情報を確認することも可能である。すなわち、上述の「保3」の保留が発生した際に、既に記憶されている各種の情報の中に、大当り信頼度の高い所定のリーチ演出が実行されることを表す情報や、大当りが発生することを表す情報が存在すれば、「保3」の保留が発生した際に選択した連続予告に係る演出パターンをキャンセルする、といったことが可能である。
また、前述した擬似の連続予告(以下では「擬似連続予告」と称する場合がある)としては、特別図柄の1回の変動表示に係る演出パターンにおいて、リーチ表示が、複数回断続的に行われるようなものや、登場人物が複数回の行為を繰り返すようなもの、演出図柄190の仮停止と再変動を繰り返すものなどを例示できる。
なお、以上説明したような連続予告の内容は、あくまでも例示であり、連続予告の内容としては、説明したもの以外にも種々のものを採用することが可能である。
<<普通図柄に係る演出図柄>>
次に、前述の普通図柄に係る演出について説明する。本実施例では、普通図柄に係る演出表示は行われていない。しかし、普通図柄に係る演出を、演出表示装置60における演出の一部として行うことが可能である。そして、このように普通図柄の演出表示を行う場合には、演出図柄としては、例えば、はずれと、当たりの種類とを識別できる程度の表示を行うことが考えられる。
また、前述のように、演出表示装置60を、複数の表示体の組合せにより構成した場合には、相対的に大型な表示体と、これに比べて小型な表示体(複数でもよい)を備えることが可能である。そして、大型な表示体を、例えば「メイン表示体」や「メイン液晶」などと称し、小型な表示体を、例えば「サブ表示体」や「サブ液晶」などと称することが可能である。さらに、上述のような相対的に小型な表示体を備えた場合には、普通図柄に係る演出図柄(199)を、例えば、小型な表示体に表示するようにしてもよい。また、前述のセンター飾り64の所定の部位に、例えば、2つを1組としたLED表示灯を設け、これを普通図柄に係る演出図柄表示装置としてもよい。
また、普通図柄に係る演出図柄を用いた演出を行う場合は、普通図柄に係る保留演出表示を、演出表示装置60における演出の一部として行うことが可能である。また、前述のように、演出表示装置60を、大型な表示体及び小型な表示体のような複数の表示体により構成した場合には、普通図柄に係る演出保留表示を、例えば、小型な表示体に表示するようにしてもよい。また、前述のセンター飾り64の所定の部位に、例えば、2つを1組としたLED表示灯を設け、これにより「1」から「4」の普通図柄に係る保留数の演出表示を行ってもよい。
<<限定頻度パターンに係る演出>>
次に、限定頻度パターンに係る演出(以下では「限定頻度パターン演出」と称する)について説明する。限定頻度パターン演出は、前述の演出パターンの一部として備えられているものである。さらに、限定頻度演出パターン演出は、メイン基板102のパターン決定手段(124、128)にて特定の期間に決定される変動パターンに対応して、所定の遊技状態において出現し易くなるように設定された演出である。この限定頻度パターン演出の内容は、特定の傾向を示す演出内容となっており、限定頻度パターン演出の内容として、例えば、通常時も含めれば出現頻度が相対的に低い所定の演出を、限定頻度パターン演出が実行される際には必ず、或いは、高頻度で実行するものを例示できる。また、時短遊技中の特定の変動において、あらかじめ定められた変動パターンをメイン基板で決定し、演出として高信頼度のリーチを必ず発生させるようなものを例示できる。さらに、限定頻度パターン演出に係る変動時間は、極く短い変動時間の演出パターンと比較して、相対的に長いものとすることが可能である。また、限定頻度パターン演出として、上述のものとは反対に、はずれの場合は超短縮変動のみ選択するようにし、当りの場合に、変動時間が相対的に長いリーチ演出を実行することも可能である。
また、限定頻度パターン演出が出現し易い遊技状況としては、遊技開始時、所定の演出パターンが実行された直後(例えば、小当り、出球なし当りの直後)、所定の演出モード中(確変、時短遊技モード中)、特別遊技の終了直後などを例示することができる。また、これらに加えて、限定頻度パターン演出が出現し易い遊技状況としては、第1遊技(又は第2遊技)に係る保留数が所定数(例えば4個)に達している場合や、保留が存在しない場合なども例示できる。
<<非時短遊技中の普通電動役物の作動に係る演出>>
次に、普通電動役物のロング開放に係る演出について説明する。本実施例においては、通常時(非時短遊技中)における第2始動入賞口63のロング開放(通常時ロング開放)に関係した演出(ロング開放用演出)が、演出表示装置60やスピーカ21等を用いて実行される場合がある。そして、この通常時ロング開放に関係したロング開放用演出として、通常時ロング開放が実行されるか否を示す開放抽選演出と、この開放抽選演出の結果に対応して実行される長開放用演出(開放抽選結果演出)とが設けられている。なお、以下では、通常時ロング開放のことを単に「ロング開放」と称する場合がある。
これらのうち開放抽選演出としては、例えば、普通図柄の変動中や、変動開始前の段階において、通常時長開放が行われることの期待を煽るための内容の演出を例示することができる。より具体的には、例えば、演出表示装置60の表示領域194の下隅部などに特定のキャラクタを登場させ、前述の第2保留数表示部197を表示するための領域を確保できるか否かの様子を動画により表示する、といったものを例示できる。
上述の演出パターン以外に、直接的に抽選の様子を表示するものの採用が可能である。このような直接的な開放抽選演出としては、例えば、ルーレットやおみくじ、或いは、2桁の図柄合わせ、といった抽選に係る動画表示を行うものを例示できる。さらに、上述の普通図柄に係る当り抽選において通常時ロング開放に当せんしている場合には、当せんを示す内容の開放抽選演出が実行され、通常時ロング開放に当せんしていない場合には、はずれを示す内容の開放抽選演出が実行されるようにすることが考えられる。
さらに、開放抽選演出の内容と、第2始動入賞口63の開放パターンとの関係を多様に設定することが可能である。例えば、開放抽選演出の内容としてルーレットを用いた演出を採用し、ルーレットの目として設けられた選択肢に、「開放」、「×」、「チャンス」、「リーチ」等を割当てる。そして、通常時ロング開放に当せんしなかった場合に、開放抽選演出の内容として「×」が選択される様子を表示し、第2始動入賞口63の開放を行わない、又は、ショート開放のみ行うようにする。
さらに、通常時ロング開放に当せんした場合には、ルーレットにおいて「開放」が選択される演出を実行し、必ずロング開放を行う。また、これ以外にも、演出図柄190に係る演出において、段階的に発展する内容の演出や、スーパーリーチに発展する内容の演出などが実行される場合には、開放抽選演出に係るルーレットにおいて「チャンス」或いは「リーチ」が選択される様子を表示し、第2始動入賞口63の開放を行わない、又は、ショート開放のみ行うようにする、といったことが考えられる。
また、このようなロング開放用演出は、前述した 普通図柄に係る保留とも関係して行われる場合があるものである。つまり、普通図柄に係る保留抽選値が、保留中に事前判定され、この事前判定結果に応じて、予告や煽りといった意味を持つロング開放用演出が、所定確率で実行される場合がある。このような事前判定による予告演出は、前述の「先読み演出」に含まれるものである。このような普通図柄に係る先読み演出は、後述する特別図柄に係る先読み演出と同様に行うことが可能なものであり、本実施例では、作動口(68a又は68b)の通過に係る事前通知情報(普通図柄先読みコマンド)が、メイン基板102からサブメイン基板301に送信される。
<<操作ボタンを用いた演出>>
次に、前述の操作ボタン22(図1参照)を利用する演出(以下「ボタン演出」と称する)について説明する。操作ボタン22は、ボタン演出が実行された場合に、遊技者によって押下操作され、遊技者に対し、自分が遊技の演出や当否抽選に参加しているような感覚を与える機能を発揮するものである。ボタン演出としては、例えば演出図柄190(図7(a)、(b)参照)の変動表示過程で、演出表示装置60の表示領域194に、操作ボタン22の図柄とともに、「Push」、「連打せよ」、「長押しせよ」等といった文字や、或いは残り時間を示すインジケータの動画などの、操作を促すガイド表示を行うことを例示できる。
さらに、ボタン演出としては、遊技者が、上述のガイド表示に従って操作ボタン22を操作すると、登場人物がコメントを発するような演出や、味方キャラクタが敵キャラクタに対する攻撃を行うような演出を例示できる。また、操作ボタン22を操作すると、前述の可動演出部材93等が作動して、リーチとなることを報知するようなものも例示できる。さらに、リーチ演出中にボタン演出が行われることもあり、その場合には、操作ボタン22を操作すると、前述の可動演出部材93等が作動して大当りへの期待を煽るものなども例示できる。
また、上述の操作ボタン22に関して、通常時は操作ボタン22の操作が無効となっているが、ボタン演出中は操作ボタン22の操作が有効となるボタン操作有効期間となっている。ボタン操作有効期間は、予め設定された一定時間となっている。
なお、操作ボタン22に振動モータやソレノイド(図示略)を組み合わせて、操作ボタン22を振動させる振動演出や、例えばモータ等の駆動源を用いて操作ボタン22の動作範囲を拡大して、操作ボタン22を突没させるといった演出態様を採用することも可能である。さらに、操作ボタン22を突没させる場合は、突出量を比較的大きく(例えば5〜10cm程度)設定することも可能である。
また、操作ボタン22としては、外形寸法が小型(例えば数センチ程度)のものに限らず、十数センチ程度の半球体の形態のものなどを採用してもよい。さらに、操作ボタン22のような操作入力機器としては、その他にも種々の形態のものを採用可能であり、例えば、演出内容に関連した、自動車の操作ハンドル、航空機の操作レバー、登場人物の模型(フィギュア)のなども採用が可能である。また、相対的に小型の操作ボタン22と、操作レバー等の形態を有するものを併設し、演出内容などの状況に応じて使い分ける、といったことも可能である。
<<大当り発生時の演出>>
次に、大当りが発生した場合の演出について説明する。大当りが発生した場合の演出には、特別遊技開始前の演出(開始デモ)、特別遊技中の演出(ラウンド演出)、特別遊技後の演出(終了デモ)などがある。
前述の演出図柄190が確定停止されると、ファンファーレなどの音に伴い、大当りが開始される旨の表示を行う。さらに、特別遊技中の打ち方指示として右打ち案内演出を実行し、遊技者に対し、発射ハンドル20の回動量を増やして右打ちを行うよう案内する内容のものを例示できる。
前述の特別遊技中の演出としては、遊技者が大当りを獲得しなければ見ることができない内容の動画を例示できる。また、この際には所定の楽曲が、前述のスピーカ21(図1参照)から出力される。さらに、特別遊技中の動画としては、例えば、ぱちんこ遊技機10の演出に採用された劇画における所定の登場人物が、ライバルとなる敵と戦う様子を描いたものや、僥倖を享受する様子を描いたものなどを例示できる。
なお、特別遊技中のラウンドの切換わりを、例えば、表示領域194(図7(a)、(b)参照)の隅部(例えば右上隅部)における「1R」、「2R」、・・・、「15R」、「16R」といった表示により報知することが可能である。さらに、特別遊技中の演出の一部として、例えば、特定遊技中に大当りが発生して、大当りが連続した場合における大当りの発生回数を表示することも可能である。
また、本実施例では、全ての種類の大当りに確変や時短等の特典が伴っているが、これに限定されず、例えば、確変を伴わない大当りを設けることも可能である。そして、大当りの種類に、確変を伴わない大当りを含む場合には、特別遊技終了後に確変となるか否かの報知を、特別遊技中の特定のラウンド、或いは、特別遊技終了の際まで報知しないようにすることも可能である。
変形例として、大当りの特別図柄による確変を伴わないぱちんこ遊技機において、特別遊技開始前、特別遊技中、或いは、特別遊技終了の際などの所定のタイミングで、遊技球が所定の領域(確率変動機能作動領域)で検出された場合には確変となる、といった制御態様や、それに応じた演出を採用することも可能である。
この場合は、例えば、遊技球の検出領域を有する入球装置(ここでは「V入球装置」と称する)を、遊技領域52(図1参照)における第2大入賞口92の内部に追加して設ける。さらに、特別遊技の所定のタイミングで、V入球装置を、遊技球を受入れ可能な状態とし、この状態においてV入球装置で遊技球が検出された場合に、その後の確率状態が、確変状態となるように制御するとともに、確変となる特典を入手した旨を遊技者へ報知する。
さらに、本実施例では、前述したように、1回の特別遊技における16R又は4Rの単位遊技について、大入賞口(第1大入賞口91又は第2大入賞口92)の開放時間が異なる場合があるようになっている。そして、大当り発生時の演出として、大入賞口の開放タイミングを報知するようなものが設けられているが、大入賞口の開放タイミングに係る演出の具体的態様や、当該演出が実行された場合の遊技手順等については後述する。
続いて、前述の特別遊技後の演出としては、特別遊技中の演出内容の結果に係るもの例示できる。より具体的には、登場人物同士の闘いの結果に応じて勝者が感情を表す内容などを例示できる。このような特別遊技後の演出は、エンディング演出と称することも可能である。
さらに、特別遊技後の演出としては、大当りの連続回数を追加して表示するものや、そのときの特別遊技により遊技者が獲得した賞球数を表示するものなどを例示できる。また、特定遊技中に大当りが発生して、大当りが連続した場合における大当りの発生回数を追加して表示することも可能である。また、大当りの連続に関しては、大当りの発生回数が所定回数(例えば20回)に達した場合に、それ以前には選択されることがない演出パターンを実行する、といったことも可能である。
<メイン基板からサブメイン基板へ送信される各種コマンド>
次に、メイン基板102からサブメイン基板301へ送信される各種コマンドについて説明する。なお、以下では、普通電動役物に係るコマンドと、それ以外の主要なコマンドに分けて説明を行うが、ここでは先に、普通電動役物に係るコマンド以外の主要なコマンドについて説明する。先ず、コマンドの送信タイミングとしては、初期画面表示中、客待ちデモ(待機デモ)中、特別図柄の図柄変動開始時、特別図柄の図柄確定時、特別図柄の図柄確定中、大当り開始デモ時、大当り中大入賞口開放時、大当り中大入賞口閉鎖時、当り終了デモ時、大当り終了デモ終了時などがある。このうち初期画面表示中は、ぱちんこ遊技機10の電源投入後、客待ちデモが開始されて定常状態に入るまでの期間である。また、始動入賞時、電断復帰時、及び、エラー検出時は、何れの場合であってもコマンド送信が行われる。さらに、RWMクリア時にもコマンド送信が実行される。
これらのうち、RWMクリア時のコマンドとしては、演出表示器初期化、演出LED初期化、各種エラーのコマンドがある。演出表示器初期化コマンドは、演出表示装置60に所定の演出図柄を表示するためのものである。演出LED初期化コマンドは、通信が正常である場合に遊技効果ランプの一部を点灯させるものである。各種エラーコマンドは、エラーの状態に合わせた演出表示等を行うためのものである。
客待ちデモのコマンドとしては、客待ちデモコマンドがある。この客待ちデモコマンドは、演出表示装置60や遊技効果ランプを客待ちデモ用に設定し、音声を消去するためのものである。
特別図柄の図柄変動開始時のコマンドとしては、図柄1記憶数、図柄2記憶数、通信検査1、通信検査2、演出回数A〜Z、演出選択状態0〜2、変動付加情報、図柄1演出パターン、図柄2演出パターン、図柄1キャラクタ演出、図柄2キャラクタ演出のコマンドがある。図柄1記憶数コマンドは、第1特別図柄の保留記憶数を示すものであり、図柄2記憶数コマンドは、第2特別図柄の保留記憶数を示すものである。通信検査1コマンド及び通信検査2コマンドは、正常な通信がなされているか否かの確認のためのものである。演出回数A〜Zの各種コマンドは、前述の限定頻度テーブルにしたがった演出に係る回数を示すものであり、演出選択状態0〜2の各種コマンドは、限定頻度テーブルにしたがった演出の種類を示すものである。変動付加情報コマンドは、演出パターン中に例えば大当り期待度の示唆等を行う要素(演出構成要素)を付加するための情報を示すものである。図柄1演出パターンコマンドは、第1特別図柄の変動パターンに対応したコマンドを送信するためのものであり、図柄2演出パターンコマンドは、第2特別図柄の変動パターンに対応したコマンドを送信するためのものである。図柄1キャラクタ演出コマンドは、第1特別図柄の図柄に対応したコマンドを送信するためのものであり、図柄2キャラクタ演出コマンドは、第2特別図柄の図柄に対応したコマンドを送信するためのものである。
特別図柄の図柄確定時のコマンドとしては、図柄1演出パターン停止、図柄2演出パターン停止のコマンドがある。図柄1演出パターン停止コマンド、及び、図柄2演出パターン停止コマンドは、それぞれ、第1特別図柄や第2特別図柄に基づく演出図柄190を停止させるためのものである。
特別図柄の図柄確定中のコマンドとしては、変動時間短縮回数0(低確率時)、変動時間短縮回数A〜Z(低確率時)、変動時間短縮回数0(高確率時)、確率変動中(所定変動回数まで)のコマンドがある。これらは、その時の遊技状態に関するコマンドを送信するためのものであり、演出モード表示や時短回数表示などに使用される。
大当り開始デモ時のコマンドとしては、図柄1大当り開始デモ、図柄2大当り開始デモ、発射位置指定のコマンドがある。図柄1大当り開始デモコマンド、及び、図柄2大当り開始デモコマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の大当り図柄に基づいた開始デモを表示させるためのものである。発射位置指定コマンドは、所謂左打ちや右打ちにより、遊技者に、第1大入賞口91及び第2大入賞口92の間で遊技球の打ち分けを行わせる場合に発射位置を報知するためのものである。
大当り中大入賞口開放時のコマンドとしては、図柄1大当り中デモ1〜16、図柄2大当り中デモ1〜16のコマンドがある。これらは、第1特別図柄や第2特別図柄の大当り図柄及びラウンド数に基づいた演出を表示させるためのものである。また、前述したように、本実施例においては、大入賞口の開放タイミングに係る演出が実行される場合がある。そして、このような大入賞口の開放タイミングに係る演出を行うためのコマンドとして、大当り中大入賞口開放時のコマンドを利用することが可能である。
大当り中大入賞口閉鎖時のコマンドとしては、大入賞口閉鎖演出コマンドがある。これは、大入賞口閉鎖演出を表示させるためのものである。そして、大入賞口への入球結果に係る演出を行うためのコマンドとして、この大当り中大入賞口閉鎖時のコマンドを利用することが可能である。
大当り終了デモ時のコマンドとしては、図柄1当り終了デモ、図柄2当り終了デモのコマンドがある。これらは、第1特別図柄や第2特別図柄の当り図柄に基づいた当り終了デモ演出を表示させるためのものである。そして、この大当り終了デモ時のコマンドに基づいて、上述の大入賞口への入球結果に係る演出を行うことが可能である。
始動入賞時のコマンドとしては、当り予告(当り予告演出)、図柄予告(当り図柄予告演出)、変動予告(パターン予告演出)、図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドがある。当り予告、図柄予告、変動予告の各コマンドは、事前情報通知手段157による前述の先読み演出に係るコマンド(先読みコマンド)である。そして、当り予告コマンドは、当否乱数の乱数値範囲を送信するためものであり、抽選確率に応じた当否の情報などを含んでいる。図柄予告コマンドは、図柄乱数の乱数値範囲を送信するためのものであり、当りの種類に係る情報などを含んでいる。さらに、変動予告コマンドは、変動パターンの乱数範囲を送信するためのものであり、変動パターンのグループの種別(リーチなし、ノーマルリーチ、又は、スーパーリーチなど)の指定に利用可能である。図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の保留記憶数を伝えるためのものである。そして、本実施例では、当否抽選の結果、先読み演出の有無や期間などの情報は、当り予告、図柄予告、変動予告の各コマンドによって、サブメイン基板301に伝えられるようになっている。
電断復帰時のコマンドとしては、通信検査1、通信検査2、電断復帰用遊技状態A〜E、演出回数A〜Z、演出選択状態0〜2、図柄1キャラクタ演出、図柄2キャラクタ演出、電断復帰当り状態、電断復帰時特別図柄1状態、電断復帰時特別図柄2状態、発射位置指定、エラーa〜d、図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドがある。
通信検査1、通信検査2のコマンドは、正常な通信がなされているか否かの確認のためのものである。電断復帰用遊技状態A〜Eのコマンドは、電断時の遊技状態に応じて異なるコマンドを送信するためのものである。演出回数A〜Zのコマンドは、前述の限定頻度テーブルにしたがった演出に係る回数を示すものであり、演出選択状態0〜2のコマンドは、限定頻度テーブルにしたがった演出の種類を示すものである。図柄1キャラクタ演出、図柄2キャラクタ演出コマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の図柄に対応したコマンドを送信するためのものである。
電断復帰当り状態コマンドは、当り中か否かに応じて異なるコマンドを送信するためのものである。電断復帰時特別図柄1状態、電断復帰時特別図柄2状態のコマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の、待機中・変動中・当たり中などの状態に応じたコマンドを送信するためのものである。発射位置指定コマンドは、前述のように、状況に応じた適切な発射位置を指定するためのものである。エラーa〜dは、エラーの有無及び種類を送信するためのものである。図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の保留記憶数を伝えるためのものである。
<メイン基板の主要な制御処理>
次に、上述の構成のぱちんこ遊技機10のメイン基板102における主要な制御処理について、図11〜図14等に基づいて説明する。なお、説明に先立ち、以下で用いる「特別電動役物」、「条件装置」、「役物連続作動装置」の用語について説明する。これらは何れもぱちんこ遊技機10の制御処理における概念上の機器を表しており、これらのうち「特別電動役物」は、第1大入賞口91、第2大入賞口92を作動させることとなるものである。また、「条件装置」は、特別図柄として特定の図柄組合せが停止表示された場合に作動するものであり、「役物連続作動装置」は、特別電動役物を連続して複数回作動させることができるものである。
また、ここで説明するぱちんこ遊技機10の主要な制御処理は、図11及び図12に示す制御開始処理、図13に示す遊技進行割込み処理、及び、図14に示す電源断処理であり、これらはメイン基板102において実行される。
<制御開始処理>
図11及び図12に示す制御開始処理は、ぱちんこ遊技機10の電源投入によりCPU501の製造コードを利用したセキュリティチェックが行われた後に開始される制御処理であり、この制御開始処理においては、後述する電源投入時に必要な設定(S1〜S4)を実行後、初期化スイッチ544の操作状態(S5)、電断時状況確認処理(S6〜S8)における電源断情報フラグ(電源断確認情報)の値、及びRWM領域の加算結果(チェックサムデータ)に対応して、電源断復帰時の処理(S9〜S17)、RWMの初期化時の処理(S24〜S26)、遊技進行割込み用の計時設定の処理(S27)、循環処理(S32(S28〜S31))等を実行する。
<<電源投入時に必要な設定>>
電源投入時に必要な設定として、スタックポインタの設定(S1)、割込みモードの設定(S2)、及びRWM503へのアクセス許可の設定(S3)が行われ、続いて内蔵レジスタの初期設定が行われる(S4)。
これらのうちスタックポインタの設定(S1)の処理においては、スタック領域を確保するため、スタックポインタにスタックポインタの初期値としてセットし、スタックポインタが特定の番地にセットされる。次に、割込みモードの設定(S2)においては、所定番号のモードを設定し、RWMのアクセス許可設定(S3)においては、RWMへのアクセスを許可するため、所定のレジスタにアクセス許可データをセットする。これにより、マスカブル割込みが特定の割込みモードに設定され、CPU内蔵RWMがアクセス許可にされる。さらに、内蔵レジスタの設定(S4)においては、内蔵レジスタ初期設定テーブルを用いて、遊技進行割込み使用設定値やクロック源選択値等といった対応する各種の設定値がセットされる。なお、メイン基板102における割込みについては後述する。
<<RWMクリアスイッチの操作状態の確認>>
初期化スイッチ544の操作状態の確認の処理(S5)においては、入力ポートを介して入力される初期化スイッチ544の出力信号の状態が確認される。RWMクリアスイッチが押されたか(オンされたか)否かが判定され、押されていなければ(S5:NO)、後述する電断時状況判定処理(S6〜S8)中の電源断情報フラグの値の判定処理(S6)へ進む。一方、初期化スイッチ544が押されていれば(S5:YES)、RWMの初期化時の処理(S24〜S26)の処理が行われる。
ここで、初期化スイッチ544は、対応する入力ポートのRWMクリアスイッチビットが5回連続でオンと判定された場合に操作されたと判断される。また、初期化スイッチ544が押されたか否かの情報の判定はこのとき1回だけ行われ、以降は判定が行われない。
<<電断時状況確認処理>>
初期化スイッチ544の操作がなかった場合の電断時状況確認処理(S6〜S8)においては、電源断情報フラグの値が読込まれ、読込まれた値が所定の電源断正常データに一致するか否かが判定される(S6)。電源断正常データは、電源がオフする電源断(電断)が生じた際に、電源断の処理が正常に行われた場合に保存されるものである。
電源断情報フラグの値が電源断正常データに一致した場合(S6:YES)場合には、チェックサムデータが算出される(S7)。このチェックサムデータの算出の処理においては、図示は省略するが、チェックサムデータとして初期値がセットされ、チェックサムデータに対して所定の演算が行われた後、演算後のチェックサムデータが0と異なるか否かの判定が実行される。
チェックサムデータが0でなかった場合(S8:NO)、即ち再開準備処理実行条件が成立していない場合には、相対アドレスの基準値の上位にRWM先頭上位がセットされ、この場合にもRWMの初期化時の処理(S24以降)へ移行する。一方、チェックサムデータが0であった場合(S8:YES)には、後述する電源断復帰時の処理(S9〜S17)へ移行する。
<<電源断復帰時の処理>>
電源断復帰時の処理においては、スタックポインタにスタックポインタバッファの値がセットされ、スタックポインタが電源断時に保存した値に戻される(S9)。さらに、メイン基板102とサブ基板104との通信線の検査を行うため、演出制御コマンドをサブ基板104へ送信する要求がされ(S10、S11)、装飾ランプ(遊技効果ランプ)及び効果音(音響演出)の演出を電源断発生前の状態に戻すため、演出制御コマンドをサブ基板104へ送信する要求がされる(S10、S11)。また、特別図柄表示装置の作動保留球数に対応したコマンドの要求を行うため、図柄記憶数コマンド要求処理が実行される(S12)。
さらに、ソレノイドが電源断発生前の出力状態に戻される(S13)。具体的には、第2始動入賞口63、第1大入賞口91、第2大入賞口92の開放/閉鎖状態を電源断前の状態に復帰させる。
この後、以降の特別図柄の設定の処理(S14)へ進み、特別図柄表示装置(70、71)の確率変動機能の作動状態の情報が設定される。次に、電源復帰の設定(S15)、及びデータ格納処理(S16)、払出制御基板との通信線異常の検出設定(S17)が実行される。
続いて、遊技進行割込み処理の起動の処理において、遊技進行割込みを起動させるため、PTC0カウンタ設定レジスタのアドレスがセットされ、所定の大きさ(ここでは約4msに相当)のカウント値がPTC0カウンタ設定レジスタにセットされる(S18)。これにより、遊技進行割込みが4ms毎に発生することとなる。
そして、フラグレジスタを除く各種レジスタの復帰の処理が実行され(S19)、電源断が発生したときの状態が割込み許可であったのか否かの判定の処理(S20)が実行される。そして、電源断時が割込み禁止の状態であった場合には(S20:NO)、フラグレジスタを復帰させ(S21)、スタックポインタにセットされている再開指標情報に基づき、制御処理を電源断の発生前の戻すべき番地の処理に戻す。一方、電源断時が割込み許可の状態であった場合には(S20:YES)、フラグレジスタを復帰させた後(S22)、割込み許可の設定(S23)を行ってから、スタックポインタにセットされている再開指標情報に基づき、制御処理を電源断の発生前の戻すべき処理に戻す。
ここで、フラグレジスタの復帰を他のレジスタとは別に行うのは、フラグレジスタには確変等の遊技状態の情報が記憶されており、これらの情報の復帰を可能な限り、制御処理を電源断の発生前に戻す直前で行うためである。
<<RWMの初期化時の処理>>
RWMの初期化時の処理(S24〜S28)においては、RWM領域をクリアした後(S24)、RWMの初期設定(S25)、演出表示器(演出表示装置60)の初期化(S26)、及び遊技進行割込み用の計時設定(S27)を行う。このうちRWM領域のクリア(S24)からRWMの初期設定(S25)の処理においては、RWM全領域にクリアデータ(00H)がセットされ、クリアデータが相対アドレスの基準値としてストアされ、この基準値が+1される。さらに、この基準値のビット7が検査され、検査結果の判定が実行される。検査結果の判定の処理において、検査結果が0であれば、前述のクリアデータを上記基準値にストアする処理に戻り、初期化データ設定テーブルのアドレスがセットされる。これにより、RWMの初期値が設定される。なお、RWM領域のクリアは、全領域に対して行うものに限定されず、例えば特定の情報が記憶された一部の領域のみや、未使用の領域を除いた領域のみをクリアするようにしてもよい。
なお、上述のクリアデータの値である「00H」のように、数値の末尾に記載した「H」は、その数値が16進数表記されていることを表している。また、本実施例では、16進数を表す数値には「H」の記号を付し、2進数を表す数値には「B」の記号を付し、これらのような表記法を示す記号が付されていない数値は10進数で表記されたものとする。
演出表示器の初期化(S26)においては、演出表示装置60の初期化、エラー状態及び不正賞球監視情報のコマンド送信要求を行うため、演出初期コマンド設定テーブルのアドレスを引数としてコマンド要求データ設定処理を実行する。
<<遊技進行割込み用の計時設定の処理>>
遊技進行割込み用の計時設定の処理(S27)においては、遊技進行割込みを起動させるため、対応するカウンタ設定レジスタに所定の大きさのカウント値をセットし、遊技進行割込みを例えば4ms毎に発生させる。
<<循環処理>>
遊技進行割込み用の計時設定(S27)の後には、割込み処理時間監視手段である所定のタイマの再帰(リスタート)準備や、各種乱数の初期値の生成に用いられる乱数関係値の更新を行う循環処理(S32(S28〜S31))が実行される。この循環処理(S32(S28〜S31))においては、遊技機の管理を行うため、先ず、割込みを禁止する(S28)。さらに、割込み処理時間監視手段を再帰させる準備のため、割込み処理時間監視手段クリアレジスタに第1再帰情報となる所定の値をセットする(S29)。この第1再帰情報は、予め定められた例えば55H等の値である。
そして、初期値乱数更新処理を実行し(S30)、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新する。この後、割込みを許可した後(S31)、再度割込み禁止(S28)の処理に戻り、それ以降の処理(S28〜S31)を順次繰り返して制御処理を循環させる。
割込み許可(S28)が実行される毎に前述の遊技進行割込みが可能となり、遊技進行割込み処理は、S27で設定された周期情報に基づいて、所定の周期(ここでは4ms周期)毎に繰返される。
<<初期値乱数更新処理>>
前述の初期値乱数更新処理(S30)においては、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新するため、初期値乱数更新テーブルから乱数の更新回数取得し、更新回数分、初期値乱数の更新を行う。
<遊技進行割込み処理>
次に、遊技進行割込み用の計時設定(S27)の処理において設定された周期情報に基づき4ms周期で繰返される遊技進行割込み処理について説明する。図13に示すように、遊技進行割込み処理においては、割込み動作条件の設定(S41、S42)、割込み処理時間監視手段の再帰(S43)、遊技機の管理(S45〜S70)、割込みの許可(S71)を順に行い、遊技進行割込みが発生する前の処理に復帰させる。
具体的には、割込み動作条件の設定の処理(S41、S42)においては、割込みフラグをクリアするため、割込み動作条件設定値が、遊技進行割込み制御レジスタに格納され(S41)、割込み動作条件設定値が、所定の入力端子に対応した制御レジスタにセットされる(S42)。この後、第2再帰情報がセットされ(S43)、更に第2再帰情報が割込み処理時間監視手段レジスタにセットされる(S44)。
遊技機の管理(S45〜S70)においては、遊技機の管理を行うため、以下の処理を順に実行する。
先ず、特定の信号の入力を監視するため、入力処理(S45)を実行する。ここで監視の対象となっているのは、遊技盤面に取り付けられている各種スイッチ、受け皿満タンスイッチ、開放信号、磁気検知信号、電波検知信号、ガラス未検出信号、及び断線短絡電源異常検知信号である。
続いて、各種乱数更新処理(S46)を実行し、普通図柄変動パターン乱数、及び変動パターン乱数を更新する。さらに、初期値更新型乱数更新処理(S47)を実行し、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新する。次に、初期値乱数更新処理(S48)を実行し、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新する。また、2バイトタイマの更新を行うため、タイマ減算処理(S49)を実行し、第2始動入賞口63の有効期間を設定するため、第2始動口の有効期間設定処理(S50)を実行する。
さらに、入賞監視処理(S51)が実行され、賞球を払出す回数の記憶、盤用外部情報の出力要求の作成、及びサブ基板104に送信するコマンドの送信要求が行われる。続いて、払出制御基板103を制御するため、賞球制御処理(S52)を実行する。
次に、遊技球が普通図柄作動ゲート(作動口68a、68b)を通過したとき、普通図柄に係る乱数を記憶するため、普通図柄作動ゲート監視処理(S53)を実行し、普通図柄表示装置又は普通図柄電動役物に係る処理を行うため、普通図柄制御処理(S54)を実行する。さらに、普通図柄の変動開始の監視を行うため、普通図柄変動開始監視処理(S55)を実行する。また、遊技球の第1始動入賞口62及び第2始動入賞口63の入賞の監視を行うため、始動口監視制御処理(S56)を実行し、第1特別図柄表示部70又は第2特別図柄表示部71に係る処理を行うため、特別図柄制御処理(S57)を実行する。続いて、特別電動役物に係る処理を行うため、特別電動役物制御処理(S58)を実行し、第1大入賞口91又は第2大入賞口92の有効期間に係る処理を行うため、大入賞口有効期間設定処理(S59)を実行し、第1特別図柄、及び、第2特別図柄の変動開始の監視を行うため、特別図柄変動開始監視制御処理(S60)を実行する。
次に、磁気の監視、断線・短絡・電源の監視、電波の監視、ガラス枠セット・遊技盤の枠の開閉状態の監視、及びペアガラスの監視を行うため、異常検知処理(S61)を実行し、入球通過時間異常の検出を行うため、入球通過時間異常検出処理(S62)を実行する。さらに、特別電動役物が連続して作動する回数、エラー状態、普通図柄表示装置の作動保留球数、及び特別図柄表示装置の作動保留球数の表示要求を行うため、遊技状態表示処理(S63)を実行し、発射ハンドル20のタッチ状態(操作量の状態を含む)の監視を行うため、ハンドル状態信号検査処理(S64)を実行する。また、特別図柄の表示、普通図柄の表示、特別図柄表示装置(70、71)の作動保留球数の表示、普通図柄表示装置の作動保留球数の表示、遊技状態の表示、特別電動役物が連続して作動する回数の表示、及びエラーの表示を行うため、LED出力処理(S65)を実行する。
続いて、遊技球の発射の禁止/許可の信号を出力するため、発射制御信号出力処理を実行する(S66)。この発射制御信号出力処理(S66)では、払出制御基板103との通信異常又は断線短絡電源異常が検出されていない場合に、払出制御基板103に対して発射許可の信号を出力し、遊技球の発射を許可する。他方、払出制御基板103との通信異常又は断線短絡電源異常が検出されている場合には、払出制御基板103に対して発射禁止の信号を出力し、遊技球の発射を禁止する。
さらに、試験装置に出力する信号を作成し出力するため、試験信号出力処理(S67)を実行する。さらに、普通電動役物ソレノイド、第1大入賞口開放ソレノイド、及び第2大入賞口開放ソレノイドの出力データの出力を行うため、ソレノイド出力処理(S68)を実行し、演出制御コマンドを送信するため、演出制御コマンド送信処理(S69)を実行し、外部端子(外部中継端子基板46(図2参照)の各種外部出力端子)に信号を出力するため、外部情報出力処理(S70)を実行する。
この後、割込み許可(S71)が実行され、制御処理がリターン(RET)に抜ける。そして、次回の遊技割込みが実行されるまでの残余時間を利用して、制御開始処理の前述の循環処理(S32(S28〜S31))が実行される。
<<演出制御コマンド送信処理>>
演出制御コマンド送信処理(S69)においては、演出制御基板へ送信するコマンドの送信要求を検査し、送信要求があると判断した場合、要求するコマンドデータを取得し、使用したコマンドバッファのクリアを行い、取得したコマンドデータに対応したMODEデータの取得、MODEデータの出力、MODEデータの保持、取得したコマンドデータに対応したEVENTデータの取得、EVENTデータの出力を順次行う。コマンドデータの送出タイミングは、演出データストローブにより規定され、演出データストローブ信号のオン時間(ここでは2μs以上)の後の所定時間(ここでは46μs以上)が演出データ保持時間となっている。
コマンドの送信要求の検査においては、コマンド要求書き込み位置(領域)の値とコマンド要求読み込み位置(領域)の値を比較し、値が一致しない場合、コマンドの送信要求があると判断する。要求するコマンドデータの取得においては、コマンド要求読み込み位置に格納されたアドレス算出値と位置補正ビットデータの論理積の2倍値とコマンドバッファのアドレスを加算し、加算の結果、取得したアドレスの内容をコマンドデータとする。なお、コマンド要求読み込み位置に格納されたアドレス算出値の取得後、コマンドデータの読み込み位置の内容を更新するため、コマンド要求読み込み位置を+1する。コマンドバッファのクリアにおいては、コマンドバッファをクリアするため、取得したコマンドデータが格納されていたコマンドバッファを0でクリアする。
取得したコマンドデータに対応したMODEデータの取得においては、取得したコマンドデータ上位をMODEデータとする。MODEデータの出力においては、取得したMODEデータを演出コマンド出力ポートに出力した後、演出データストローブを出力するため、ストローブ出力処理を実行する。MODEデータの保持においては、MODEデータの保持のため、所定時間(ここでは46μs以上)ウェイトする。取得したコマンドデータに対応したEVENTデータの取得においては、取得したコマンドデータ下位をEVENTデータとする。EVENTデータの出力においては、取得したEVENTデータを前述のものと同じ演出コマンド出力ポートに出力した後、演出データストローブを出力するため、ストローブ出力処理を実行する。
<<コマンド送信タイミングに係る制御態様>>
本実施例では、メイン基板102からサブメイン基板301に出力される演出制御コマンドは、送信の前に、コマンド要求により、コマンドバッファに一旦格納される。コマンドバッファは、複数のバッファをリングバッファとして機能させたものであり、コマンド送信のための制御処理(ここでは演出制御コマンド送信処理(S69))において、コマンドバッファに蓄積された順に、1回の遊技進行割込み処理で1コマンドずつ、コマンドバッファから取出されて送信される。なお、優先順位が高く設定されたコマンドから先に送信するような手法も採用可能である。また、各種の制御処理において、送信が必要となったコマンドが発生した場合に、随時コマンド送信を行うことも可能である。このような手法を採用した場合には、1回の遊技進行割込み処理中に、例えば演出制御コマンド送信処理(S69)のような一つの制御処理モジュール内で集約的に演出コマンドの送信が行われるのではなく、コマンド送信の必要が生じる都度、各制御処理モジュール内で、逐次的にコマンド送信が行われることになる。このため、コマンド送信が次回以降の遊技進行割込み処理に持ち越されるといった事態が生じ難い。そして、例えば始動入賞時のコマンドや、特別図柄の変動開始時のコマンド送信に遅れを生じることがなく、迅速なコマンド処理が可能となる。
<<電源断処理>>
次に、電源断が生じた場合に実行される電源断処理について説明する。図14に示すように、電源断処理においては、全使用レジスタのデータをRWMに退避し(S81)、電源断前の割込み許可/禁止の状態を保存する(S82)。さらに、RWMに電源投入正常の情報が保存されているか否かが判定され(S83)、保存されていない場合には(S83:NO)、電源断異常の情報をRWMに保存し(S84)、RWMアクセス禁止の処理(S88)へ移る。一方、保存されている場合には(S83:YES)、スタックポインタの値をスタックポインタバッファに保存し(S85)、電源断正常の情報をRWMに保存し(S86)、RWMのチェックサムを算出し、チェックサムデータを保存する(S87)。そして、RWMをアクセス禁止とし(S88)、制御処理をループさせながらCPU501のリセットを待つ。
<<変動パターンの抽選に係る制御態様>>
続いて、変動パターンの抽選に係る各種態様について説明する。ここで説明する変動パターンの決定の態様は、一のぱちんこ遊技機10において、何れかが選択されて適用されてもよく、或いは、適宜併用されていてもよい。そして、複数の態様を併用する場合には、例えば、当否結果等の要素に基づき、態様の使い分けを行うことが可能である。
本実施例では、変動パターンの決定には、前述のように、当否結果、保留球数、特別図柄(図柄群の場合もある)、及び、変動パターン選択状態(特別図柄のステイタス情報)が決定要素として用いられているが、これらの決定要素の組合せに対応した変動パターンが選択される。そして、変動パターンの決定に伴い、変動パターンと紐付けされ対になっている変動時間が決定される。さらに、本実施例では、変動パターンの決定に関し、当否抽選の結果が大当りの場合と、はずれの場合とで、決定の要素を異ならせることが行われている。すなわち、大当りの場合には、演出状態(特別図柄のステイタス情報など)、特別図柄群、当否乱数を基に、これらに紐付けされた中から変動パターンが選択される。一方、はずれの場合には、演出状態、保留球数、当否乱数を基に、これらに紐付けされた中から変動パターンが選択される。このうち、大当りの場合で、演出上の再抽選の時間が付与される変動パターンについては、演出状態(特定の演出の有無など)と、特別図柄群とに基づき、再抽選の時間の付与の有無が決定され、決定された結果が、メイン基板102からサブメイン基板301へ送信される。
また、変動パターン及び変動時間の決定に際して、決定された演出パターン番号(別の言い方をすれば、演出パターンの内容)に応じた後続的な変動時間の決定を行うことが可能である。例えば、選択された変動パターンが、限定頻度パターン演出に対応したものである場合に、それに応じた変動時間の延長分を事後的に決定するといったことが考えられる。
また、前述のように特別図柄の図柄変動開始時のコマンドとして変動付加情報のコマンドを設定することにより、遊技状態や当り図柄といった要素に関係づけて先に決定した変動時間中に、後発的に予告等の演出を付加することができる。そして、この様な態様で、総合的な変動時間を決定する場合には、以下のように、予め設けられる変動パターンの数を少なく抑えつつ、多様な変動パターンを作成することが可能である。すなわち、前述の擬似連続予告(所謂「擬似連」)を行う場合について考えれば、擬似連の変動パターンを単に個別に設定した場合には、演出の種類数と同じ数の変動パターンを予め設けておく必要がある。そして、このように全て個別に演出パターンを用意した場合には、変動パターンの合計数が大となって、例えば256個を超えるほどの数に達することも考えられる。このため、多数の変動パターンに対して識別可能な符号を与えるためには、従来よりも符号を表すためのビット数やバイト数を増やす必要が生じてしまう。
しかし、変動付加情報(変動付加パターン)を用いることにより、相対的に少ない数の基本の変動パターンに対し、例えば乱数抽選した変動付加情報を繋げて、事後的に変動パターンを形成することが可能である。そして、このことにより、変動パターンの組合せにより新たな変動パターンを形成できるので、予め設けておく変動パターンの数を過大とすることなく、多様な変動パターンを作成できる。なお、変動付加情報に係る乱数値も、先読み演出用のコマンドとして、始動入賞発生時に、メイン基板102からサブメイン基板301に送信することが可能である。また、限定頻度パターン演出が実行される場合に変動付加情報の付加が行われ易くなるよう、変動付加パターンの出現確率を設定しておくことなども可能である。なお、変動付加情報を用いる例を更に挙げれば、演出図柄190の組合せとして最初から確変図柄である「777」が表示された場合には変動付加情報の設定は行わず、演出図柄190の組合せとして、一旦非確変図柄である「666」が表示された場合には、「777」に昇格させるか否かの結果が表示されるまでの演出(例えば、揺れ変動の演出や、変動態様の展開を表す演出など)を、変動付加情報を設定して行う、といったことがある。
また、本実施例では、変動パターンは、保留球数を要素として決定されており、保留球数が幾つであるかに応じて、参照される変動パターンテーブルが異なる。変動パターンテーブルは、保留球数0〜4に対応して設けられている。保留0〜3の4つだけではなく、保留4に対応する変動パターンテーブルが設けられているのは、以下の理由による。例えば、保留球数が4つの状況から新たな変動表示が開始され、保留球数が3となった場合を考える。その時点で実行されている遊技進行割込み処理中の、未だ制御処理が、後の遊技進行割込み処理中の処理である変動パターンの決定に至らない段階において、保留球数が3となっている状態から新たな始動入賞が発生すると、変動パターンの決定時には、保留球数が加算されて4となっている。したがって、このような状況も変動パターンの決定の要素とし得るよう、保留球数0〜4に対応して変動パターンテーブルが設けられているのである。
また、変動パターン乱数の取得タイミングとしては、変動パターン抽選時とすることが可能である。すなわち、変動パターン乱数は、特別電動役物等の役物作動に係る乱数ではないので、適正な遊技を行うための要素としては、当否乱数などに比べて、例えば公正な遊技を目指すうえでの制約を設ける必要性が低くなる。したがって、始動入賞時には敢えて変動パターン乱数の取得はせず、例えば、別途設けられたタイミングとして変動パターン抽選時に、変動パターン乱数を取得し、記憶することが考えられる。このようにすることにより、始動入賞時に記憶すべき情報の数を減らすことができ、プログラムやメモリの容量削減が可能となる。
<<図柄の指定に係る制御態様>>
図柄の抽選にあたり、図柄乱数を示す符号の上位バイトの値に基づき使用する図柄判定テーブルを決定し、その後、図柄乱数の下位バイトの値に基づき、決定した図柄判定テーブルから図柄を決定することなども可能である。本実施例では、図柄乱数の数値範囲が「0〜999」に設定されているので、これらの数値の2値符号コードを利用することができる。そして、このようにすることにより、メモリやプログラムの容量を削減できる。また、当り図柄(図柄群であってもよい)に対してラウンド数や時短回数等の遊技状態の振分けを行い、当り図柄に応じて、その後のラウンド数や時短回数等が決定されるようにしてもよい。このようにすることにより、遊技状態の固有のデータの記憶や制御処理を行う必要がなく、メモリやプログラムの容量を削減できる。さらに、メイン基板102からサブメイン基板301へ当り図柄等を伝えるコマンド(例えば、本実施例では、図柄1演出パターン、図柄2演出パターンの各コマンド)に、遊技状態を伝える情報(遊技状態指定情報)を付加することも可能である。このコマンドは、作成されてから直ぐにサブメイン基板301へ送信されるものではなく、作成されて一時記憶され、所定のタイミングを待ってからサブメイン基板301へ送信されるものである。
<大入賞口開放と発射制御との関係>
次に、前述した大入賞口(第1大入賞口91又は第2大入賞口92)の開放態様と、発射装置43による遊技球発射間隔の変更との関係について説明するが、以下では先ず、大入賞口の開放態様について説明し、その後に、遊技球の発射間隔の変更や、これらの関係について説明する。
<大入賞口の各種の開放態様>
前述したように、本実施例のぱちんこ遊技機10においては、特別遊技中の単位遊技として、基本となる長開放ラウンドと、長開放ラウンドと比べて短時間の短開放ラウンドがある。そして、長開放ラウンドにおいては、遊技球が10個(10カウント)入賞できるよう、最長で約30秒間の開放が行われるようになっている。これに対して、短開放ラウンドにおいては、遊技球が例えば0〜4個入賞(0〜4カウント)できる程度の時間(例えば2秒)しか、開放が行われないようになっている。
このため、特別遊技中に短開放ラウンドが含まれていれば、特別遊技が長開放ラウンドのみで構成されている場合に比べて、遊技者の獲得賞球数は少なくなる。そして、特別遊技中に含まれる短開放ラウンドの数(或いは割合)が多いほど、遊技者は少ない数の賞球しか獲得できなくなる。したがって、短開放ラウンドでの入球数を可能な限り多くすることで、獲得賞球数の最大化が可能となる。そして、この短開放ラウンドを有効に活用するための策を施すことでゲーム性の多様化が可能となり、ぱちんこ遊技機10の趣向性を向上できる。
このような短開放ラウンドについては、種々の用途が考えられる。例えば、16Rや4Rの特別遊技中の1つの単位遊技を短開放ラウンドとすることや、複数の単位遊技を短開放ラウンドとすることなどを例示できる。また、特別遊技中の予め定められた単位遊技を短開放ラウンドとすることや、ランダムに短開放ラウンドを実行することが考えられる。
これらのうち、特別遊技中の予め定められた単位遊技を短開放ラウンドとする場合には、1ラウンド目や最終ラウンド、2ラウンド目から最終ラウンドの1つ手前のラウンドのうちのいずれか1つ又は複数のラウンドなどを、短開放ラウンドとすることが考えられる。
また、ランダムに短開放ラウンドを実行する場合には、例えば、メイン基板102で乱数抽選を行い、抽選されたラウンド数目で短開放ラウンドを実行することが考えられる。そして、乱数抽選の態様としては、例えば、短開放ラウンドの実行の有無を決定するための乱数や、短開放ラウンドを何ラウンド目で実行するかを決定するための乱数などとなる数値範囲をそれぞれ定めておき、特別遊技の実行に先立ち、乱数値を取得して短開放ラウンドに係る抽選を行っておくことが考えられる。
また、特別遊技の開始以降の、例えば各ラウンド毎に短開放ラウンドの有無を決定するための抽選を行い、ラウンド遊技の開始の度に、短開放ラウンドとするか否かを決定するようにしてもよい。さらに、前述の特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の種類と、短開放ラウンドの実行態様との関係を予め定めておき、特別図柄の抽選結果に応じて短開放ラウンドを実行するようにしてもよい。
また、短開放ラウンドは、1種類のみに限らず、複数種類設けることが可能である。例えば、1秒間の開放を行う短開放ラウンド(第1短開放ラウンド)と、2秒の開放を行う短開放ラウンド(第2短開放ラウンド)を設け、1回の特別遊技中に、第1短開放ラウンド及び第2短開放ラウンドを実行することが可能である。また、1回の特別遊技中に、第1短開放ラウンド及び第2短開放ラウンドのうちのいずれか1方のみを実行することも可能である。
この場合には、例えば、16R確変のように遊技者の利益が相対的に大きい大当りが発生した場合には、開放時間が長い短開放ラウンド(ここでは第2短開放ラウンド)を実行し、4R出球無しの大当りのように遊技者の利益が相対的に小さい大当りが発生した場合には、開放時間が短い短開放ラウンド(ここでは第1短開放ラウンド)を実行する、といったことが可能である。
また、これとは逆に、遊技者の利益が相対的に大きい大当りが発生した場合に、開放時間が短い短開放ラウンド(ここでは第1短開放ラウンド)を実行し、遊技者の利益が相対的に小さい大当りが発生した場合には、開放時間が長い短開放ラウンド(ここでは第2短開放ラウンド)を実行する、といったことも可能である。
さらに、1回の特別遊技における単位遊技の一部を短開放ラウンドとすることに限定されず、例えば、1回の特別遊技における全ての単位遊技を短開放ラウンドとすることも可能である。また、例えば、1回のみ(1Rのみ)の単位遊技が行われる大当りを設け、この大当りが発生した場合の特別遊技を短開放ラウンドにより構成することも可能である。
また、前述の小当りが発生した場合の特別遊技を、短開放ラウンドにより構成することが可能である。本実施例のように、小当りに係る特別遊技を1回の単位遊技のみにより構成した場合には、小当りの発生時には、1回の短開放ラウンドのみが実行されることとなる。
さらに、前述の第1遊技又は第2遊技の何れか一方に係る特別遊技にのみ、短開放ラウンドを実行するようにしてもよい。例えば、第2遊技に係る特別遊技でのみ短開放ラウンドを実行し、第2遊技に係るそのときの特別遊技に関して、獲得出球数を少なくするといったことが考えられる。また、例えば、第1遊技に係る特別遊技でのみ短開放ラウンドを実行し、第1遊技については、第2遊技に比べて、特別遊技による獲得出球数を少なくするといったことも考えられる。
また、単位遊技間の期間は大入賞口が閉鎖しているが、この閉鎖期間はインターバル期間と称することが可能である。そして、インターバル期間を、例えば約2秒程度に定めることが可能である。しかし、インターバル期間を一定とすることに限定されず、インターバル期間を複数種類設けることも可能である。このような場合の実施態様は、例えば、大入賞口(可変入球口)の閉状態には、継続時間が異なる複数の態様があり、可変入球口が、閉状態に続いて短開放ラウンドに係る動作を行う場合の閉状態として、複数の態様のうちからいずれか1つが選択されるものであるということがいえる。
さらに、インターバル期間として、例えば、2秒、3秒、4秒、5秒のように3種類以上設けることも可能である。そして、このようにした場合には、これらのインターバル期間が状況に応じてある程度のランダム性をもって選択されるようにし、遊技者によるインターバル期間の予測を困難にする、といったことが考えられる。また、3種類以上のインターバル期間を、例えば乱数抽選により選択し、インターバル期間のより完全なランダム化を図ってもよい。
また、インターバル期間は、特別遊技における最初の単位遊技の前に設定することも可能である。この場合は、制御上、最初の単位遊技の前の所定時間(例えば2秒など)を予めインターバル期間として定めておくことが可能である。
なお、特別遊技中に、短開放ラウンドと長開放ラウンドを混合して実行する場合について、短開放ラウンドの実行割合(実行頻度)は、例えば、ぱちんこ遊技機10の適正な仕様を考慮して種々に定めることが可能である。そして、短開放ラウンドの実行割合を策定する際の考え方としては、例えば以下のようなものも例示することができる。
先ず、長開放ラウンドの基準実行態様を予め想定し、例えば、6秒で10個入球する場合を、長開放ラウンドの基準実行態様とする。続いて、この長開放ラウンドの後のインターバル期間が、例えば2秒である場合には、長開放ラウンドの実行時間である上述の6秒と、インターバル時間の2秒とを合計した値(ここでは8秒)を求める。ここで得られた「8秒」は、例えば「長開放ラウンド期間」と称することが可能である。
そして、1分間に相当する60秒を、上述の「長開放ラウンド期間」である8秒で除し、計算結果として「7.5」を得る。さらに、この得られた値(ここでは「7.5」)未満の整数値(ここでは「7」)を、1分間あたりにおける長開放ラウンドの基準実行回数(基準実行回数)とする。そして、この長開放ラウンドの基準実行回数に等しい回数(ここでは7回)の単位遊技中に、少なくとも1回は短開放ラウンドを実行するよう、短開放ラウンドの実行割合(実行頻度)を定める。
例えば、16Rの特別遊技については、16/7の値が約2.3となることから、3回以上の短開放ラウンドを実行するようにする。また、例えば4Rの特別遊技については、4/7の値が約0.6で1に満たないことから、短開放ラウンドの実行回数を0回(実行しない)とする。なお、特別遊技のラウンド数を長開放ラウンドの基準実行回数で除して得らえた値が1に満たない場合には、短開放ラウンドの回数を1回とし、少なくとも1回は短開放ラウンドが実行されるようにしてもよい。
また、短開放ラウンドの具体的態様として、例えば、短開放ラウンドに、最大入賞数(最大入球数)や最大開放時間を設定することも可能である。より具体的には、短開放ラウンドの開始後に、例えば、10個の入賞があるか、又は、6秒の経過が計測された場合に、短開放ラウンドを終了する、といった制御態様を例示することができる。
なお、前述した長開放ラウンドの基準実行態様を、後述する発射間隔に基づき想定することで、短開放ラウンドの実行時間(開放時間)を定めることも考えられるが、その具体的態様については後述する。
<発射間隔の変更>
次に、前述の発射間隔の変更について、具体的態様を説明する。前述のように、本実施例においては、遊技者が加速スイッチ24(図1参照)を操作することにより、発射装置43の発射間隔を変更できるようになっている。さらに、この加速スイッチ24が有効なのは、特別遊技中となっている。
そして、発射装置43は、例えば基本となる通常時には、約0.6秒に1発の間隔で遊技球を発射するよう制御される。この「約0.6秒に1発」の発射間隔は、1分間あたり100個(100発/分)を超えない最大数の遊技球を発射できるようにしているものである。これに対し、特別遊技中においては、前述の加速スイッチ24の操作がなければ、通常遊技時(非特別遊技時)に比べて発射間隔が拡大され、90発/分(約0.67秒に1発)での発射が行われる。また、同じく特別遊技中に、遊技者が加速スイッチ24を操作すると、発射間隔が、通常時よりも縮小され、発射間隔は120発/分(0.5秒に1発)となる。
この発射間隔の縮小は、加速スイッチ操作後の所定時間に限って実行され、本実施例においては、発射間隔の縮小が行われる所定時間は10秒となっている。ここで、発射間隔の縮小が行われる所定時間は、「発射間隔縮小期間」、「縮小期間」、「発射加速期間」、又は「加速期間」などと称することが可能である。
さらに、本実施例では、特別遊技中において前述の短開放ラウンドが実行される場合には、前述したように、大入賞口の開放タイミングを遊技者に報知するための演出が実行される。この短開放ラウンドの開始タイミングに係る報知としては、例えば、演出表示装置60に「3」、「2」、「1」、「0」といったカウントダウンの数値表示(カウントダウン表示)を行うことが可能である。また、このようなカウントダウン表示と併せて、或いは単独で、所定のスピーカ21から「スリー」、「トゥー」、「ワン」、「ゼロ」の音声出力(カウントダウンボイス出力)を行うといったことも可能である。
さらに、前述した短開放ラウンドの直前のインターバル期間を、例えば5秒程度確保し、インターバル期間の中盤以降の3秒間を利用して、例えば、「3」、「2」、「1」、「0」の映像出力や音声出力のような、開放タイミングを報知するためのカウントダウン演出を行うことも可能である。
そして、カウントダウン表示やカウントダウンボイス出力が「0」を表すものとなったタイミングで、遊技者が加速スイッチ24を操作すると、前述のように発射間隔が、90発/分(約0.67秒に1発)から120発/分(0.5秒に1発)に変化する。さらに、加速スイッチ24の操作により開始される発射間隔縮小期間は、本実施例では10秒となっているため、この10秒間に5個(=120−90/6)の遊技球が余計に発射されることとなる。
そして、短開放ラウンド中に、加速スイッチ24の操作がされていない状況に比べて多くの遊技球が発射され、長開放ラウンドに比べて短い期間の短開放ラウンドであっても、より多くの入球を期待できる。このため、本実施例のぱちんこ遊技機10によれば、短開放ラウンドを有効に活用でき、特別遊技に係るゲーム性の多様化や、趣向性の向上が可能となる。
ここで、本実施例では、発射間隔縮小期間は10秒となっているため、短開放ラウンドの開放期間が、例えば2秒であれば、短開放ラウンド以外の期間(ここでは合計8秒)にも、縮小された発射間隔で遊技球が発射(ここでは右打ち)されることとなる。しかし、発射された遊技球が大入賞口(第1大入賞口91又は第2大入賞口92)に到達するまでには、遊技球は、前述のレール(内レールや外レール)、遊技釘、センター飾り64などといった各種の盤面部品に干渉し、流下経路を変更する。このため、例えば、発射間隔縮小期間を、短開放ラウンドの開放期間と同程度にしたのでは、大入賞口へ入球させることが過度に困難になる場合も考えられる。
したがって、本実施例のように、発射間隔縮小期間を、短開放ラウンドの開放期間に比べて十分に長く設定することにより、短開放ラウンドの開始前から開放終了までの間に、短い間隔で遊技球を発射し続けることが可能となる。そして、このことによって、短開放ラウンドにより大入賞口への入球を抑制しつつも、多数の遊技球を発射させることができ、入球の程度を適正に調整することが可能である。
なお、特別遊技の1ラウンド目から短開放ラウンドが実行される場合には、特別遊技開始前の演出(開始デモ)中に、前述のような短開放ラウンドの開始を報知するための演出を実行することが可能である。そして、短開放ラウンドの開始を報知するための演出としては、例えば、前述したようなカウントダウンの報知などを行うことが可能である。
また、前述したようなカウントダウンの報知は、短開放ラウンドを実行する大入賞口が開放を開始するタイミングを知らせるものであってもよい。さらに、前述したようなカウントダウンの報知は、発射された遊技球が、各種の盤面部品に干渉しながら遊技領域52を流下し、短開放ラウンドを実行する大入賞口に到達するまでの時間を考慮したものであってもよい。この場合には、カウントダウンが終了してから、遊技球到達までの目安の時間(例えば数秒)を経て、大入賞口が開放を開始することになる。
また、本実施例において、特別遊技中に発射間隔の縮小が行われ、所定時間(ここでは10秒)が経過した後、この時の特別遊技期間中に再度加速スイッチ24が操作された場合は、再度発射間隔が縮小されるようになっている。さらに、本実施例では、発射間隔の縮小が行われる所定時間(ここでは10秒)が経過した後には、発射間隔を自動的に、特別遊技中の元の発射間隔(ここでは90発/分)に戻すようになっている。そして、特別遊技が終了すると、発射間隔は、通常遊技時(非特別遊技時)の状態(ここでは100発/分での発射)、90発/分(約0.67秒に1発)での発射が行われる。
また、本実施例では、特別遊技中に発射間隔を変更しても、単位時間当たりの発射数を、通常遊技中と同様に適正な程度に抑えることが可能となっている。つまり、これまでに説明したように、特別遊技中に発射間隔の縮小が行われる所定時間を10秒としており、この10秒間は120発/分で遊技球の発射が行われることになる。そして、この発射間隔を変更する10秒の変更期間(縮小期間)には、120発/60秒×10秒の計算式により、20発の遊技球が発射されることになる。
さらに、特別遊技中について、発射間隔の変更期間(縮小期間)の10秒が全て含まれる1分間(60秒)の期間を考えると、残りの50秒間は、基準となる元の発射間隔である90発/分で、遊技球の発射が行われることになる。そして、この発射間隔を変更しない50秒の非変更期間(非縮小期間)には、90発/60秒×50秒の計算式により、75発の遊技球が発射されることになる。
そして、特別遊技中に発射間隔の変更が行われた場合、1分間の発射数は合計で95発(=20発+75発)となる。さらに、この合計発射数は、1分間に100発を超えない範囲に収まっているため、特別遊技中に発射間隔を変更しても、単位時間当たりの発射数を、通常遊技中と同様に適正な程度に抑えることが可能となっている。
なお、発射間隔の縮小期間を前述の10秒ではなく、例えば15秒とし、単位時間あたりの発射数を110発/60秒に変更したとしても、縮小期間中の発射数は27発(110発/60秒×15秒により算出)となり、非縮小期間中の発射数は67発(90発/60秒×45秒により算出)となる。そして、1分間の発射数は合計で94発(=27発+67発)となり、この場合も、1分間に100発を超えない発射間隔を維持することが可能である。
また、特別遊技に関して、前述の長開放ラウンドの基準実行回数を想定し、6秒で10個の入球があるものとする。この場合、例えば90発/60秒の発射間隔で実行される6回の単位遊技において、60球の入賞を確保できることになる。さらに、例えば、6回の単位遊技につき1回の割合で短開放ラウンドを含むものとすると、5回の単位遊技(長開放ラウンド)では50球の入賞が期待できる。そして、発射間隔を縮小せずに6回の長開放ラウンドを実行した場合と同数(60個)の入賞を発生させるには、1回の短開放ラウンドで10個を入賞させることができるよう、発射間隔と短開放ラウンドの開放時間との関係を設定すればよい。
そして、1回の短開放ラウンドで10個を入賞させるためには、10発以上の発射が必要である。さらに、発射間隔が、例えば120発/60秒である場合には、1秒あたり2発(=120発/60秒)が発射される。したがって、短開放ラウンドを含まずに、6回の長開放ラウンドを実行した場合と同数の入賞数を確保するためには、短開放ラウンドを5秒間継続させればよい。そして、この5秒の短開放ラウンドの期間は、前述した発射間隔の縮小期間である10秒よりも短い期間となる。ここで、別な言い方をすれば、短開放ラウンドを含まずに、6回の長開放ラウンドを実行した場合と同数の入賞数を確保することは、発射間隔の縮小を行わなければ不可能であるということができる。
ここで、上述の例では、長開放ラウンドについて想定されている入球数(ここでは10個)を、可変入球口への入球が可能な最大数の入球である「最大球数入球」と称することが可能である。また、長開放ラウンドについて想定されている開放時間(ここでは6秒)を、n発/60秒(ここでは90発/60秒)で最大球数入球を実施するのに必要な開状態に係る時間である「最大球数入球開放時間」と称することが可能である。そして、短開放ラウンドに係る開放時間(ここでは5秒)については、n発/60秒の発射間隔での最大球数入球開放時間よりも短い開放時間を含むよう定められている、と言い表すことが可能である。
また、上述の「n発/60秒の発射間隔での最大球数入球開放時間よりも短い開放時間を含む」については、短開放ラウンドに係る開放時間(第1開放時間)及び長開放ラウンドに係る開放時間(第2開放時)のうちのいずれか一方、又は、複数種類の第1開放時間中、又は、複数種類の第2開放時間中のいずれであってもよい。
また、発射間隔縮小時の発射間隔が、例えば110発/60秒である場合には、計算上、5.4秒(≒10個×60秒/110発)に亘って短開放ラウンドを継続させればよい。そして、この5.4秒の短開放ラウンドの期間も、前述した発射間隔の縮小期間である10秒よりも短い期間となる。なお、以上説明したような短開放ラウンドの継続期間は、短開放ラウンドが実行されない場合と同数の入賞を確保するための期間を例示したものである。このため、短開放ラウンドにおける入賞数を、長開放ラウンドよりも少ない数とすることが許容される場合には、短開放ラウンドの期間を、5.4秒や5秒よりも短い期間とすることが可能である。
さらに、このような発射間隔と短開放ラウンドとの関係は、以下のようにも説明することが可能である。すなわち、n、A、B、・・・、V、Wの変数(ここでは24種類とする)を考え、これらは全て0以上の整数であるとする。さらに、これらのA、B、・・・、V、Wは、A≦B≦・・・≦V≦Wの関係を有しているものとする。また、α、β、・・・、ψ、ωの24個の変数(ここでは24種類とする)を考え、これらは(α秒+β秒+・・・+ω秒)≦60秒の関係を有するものとする。
そして、これらの条件が全て満たされている場合に、発射装置43は、以下の関係式(1)を満たすよう遊技球の発射を行うものと考えることができる。
n発/60秒×α秒+(n+A)/60秒×β秒+(n+B)+・・・+(n+V)発/60秒×ψ秒+(n+W)発/60秒×ω秒≦100球 :関係式(1)
例えば、特別遊技中における非縮小期間中の発射間隔が90発/60秒である場合は、nの値は90となる。さらに、発射間隔が縮小された縮小期間中の発射間隔が120発/60秒である場合は、Aの値はnとの差分である30(=120−90)となる。さらに、特別遊技中における発射間隔の変更が1段階のみ可能であり、縮小期間の発射間隔の値が1種類(ここでは120発/60秒)のみである場合は、B、C、・・・、V、Wの値はいずれも0とする。
さらに、発射間隔の縮小期間が10秒である場合は、αの値は50であり、βの値は10となる。そして、特別遊技中における発射間隔の変更が1段階のみ可能であり、縮小時の発射間隔の値が1種類(ここでは120発/60秒)のみである場合は、γ、δ、・・・、ψ、ωの値はいずれも0となる。そして、これらの条件に基づき、関係式(1)の各変数に数値を代入すると、以下の関係式が得られる。
90発/60秒×50秒+(90+30)/60秒×10秒+0=95球≦100球
また、別な例として、例えば、特別遊技中における非縮小期間中の発射間隔が90発/60秒であり、発射間隔が縮小された縮小期間中の発射間隔が110発/60秒であり、縮小時の発射間隔の値が120発/60秒のみであり、発射間隔の縮小期間が15秒である場合は、関係式(1)の各変数に数値を代入すると、以下の関係が成立する。
90発/60秒×45秒+(90+20)/60秒×15秒+0=94球≦100球
そして、これらの関係は、同条件で前述した本実施例における発射間隔と短開放ラウンドとの関係に一致している。したがって、本実施例における発射間隔と短開放ラウンドとの関係は、上述の関係式(1)によって表すことが可能なものである。
なお、関係式(1)中の前提条件として、n、A、B、・・・、V、Wは全て0以上の整数としているため、nが0となる場合も想定できる。しかし、この場合は、A、B、・・・、V、Wをnとの差分とせず、例えば直接的に、Aを90とし、Bを120(或いは110など)とすることで、関係式(1)を成立させることができる。
また、本実施例においては、大入賞口(ここでは大入賞口91)の閉鎖した状態を「閉状態」と称することが可能であり、大入賞口の開放した状態を「開状態」と称することが可能である。さらに、大入賞口が長開放ラウンドに係る開放を行っている開状態を第1開状態と称することが可能であり、大入賞口が短開放ラウンドに係る開放を行っている開状態を第2開状態と称することが可能である。
さらに、特別遊技における各単位遊技(ラウンド)は、大入賞口が閉状態から開状態に変化することによって行われる。また、特別遊技が複数回の単位遊技(2R以上)により構成されている場合には、上述の閉状態から開状態へ変化する態様の動作が、定められたラウンド数に応じた回数に亘り繰り返される。そして、例えば、合計で4Rや16Rの特別遊技に、短開放ラウンドが含まれている場合には、そのような制御態様については、閉状態から開状態へと変化する態様での動作を2回以上繰り返す場合に、少なくとも1回は第2開状態(短開放ラウンド)を含む動作を行うものであるということがいえる。
さらに、前述したように、大入賞口が閉状態となる期間であるインターバル期間を複数種類設けた場合には、閉状態には、継続時間が異なる複数の態様があるということがいえる。そして、前述したようなインターバル期間を異ならせる各種の制御態様については、大入賞口が、閉状態(インターバル期間の状態)に続いて第2開状態(短開放ラウンド)の動作を行う場合の閉状態として、複数の態様のうちからいずれか1つが選択されるものであるということがいえる。
また、発射装置43の制御態様に関して、加速スイッチ24の有効期間中に加速スイッチ24が操作されて発射間隔が縮小された後、発射間隔の縮小が行われる所定時間(ここでは10秒や15秒)の間は、更に加速スイッチ24の操作があっても、この操作を無効とし、発射間隔が縮小されたままの状態を維持するようにすることが可能である。
また、上述の制御態様とは異なり、発射間隔の縮小が行われる所定時間中に、更に加速スイッチ24の操作があった場合には、加速スイッチ24の操作に基づき、発射間隔を、特別遊技中の元の発射間隔(ここでは90発/分)に戻すようにしてもよい。さらに、本実施例では、発射間隔の縮小が行われる所定時間を10秒としているが、この所定時間を他の時間(例えば15秒など)としてもよい。
また、特別遊技中に、加速スイッチ24の操作により設定可能な発射間隔は1種類であることに限定されない。例えば、130発/分、120発/分、110発/分のように2種類以上の発射間隔を設定できるようにすることが可能である。そして、その場合には、1つの加速スイッチ24を操作する度に、発射間隔が、例えば110発/分、120発/分、130発/分の順で縮小されるような制御態様を例示することができる。
また、加速スイッチ24の操作で、発射間隔が最小となり、次回の操作以降は、130発/分、120発/分、110発/分のように発射間隔が順次拡大するような制御態様も例示できる。さらに、例えば発射間隔が最小値に達した場合に、次回の操作では、130発/分から110発/分のように最大値に戻るような制御態様や、発射間隔が最大値に達した場合に、次回の操作では、110発/分から130発/分のように最小値に戻るような制御態様なども例示することができる。
また、加速スイッチ24は1つであることに限定されず、例えば発射ハンドル20に加速スイッチ24を複数備えてもよい。この場合には、各加速スイッチ24に異なる発射間隔を対応付け、遊技者が発射ハンドル20を捻りながら、所定の指(例えば親指)で、所望の発射間隔に対応した加速スイッチ24を操作できるようにすることが考えられる。また、選択した加速スイッチ毎に、操作する遊技者の指が異なるよう、加速スイッチ24を配置することも可能である。
さらに、加速スイッチ24としては、突没式のものやタッチ式のものなど、一般的な種々のタイプのスイッチを採用することができる。また、加速スイッチ24の設置個所は、発射ハンドル20に限定されるものではなく、例えば、上球皿18や下球皿19などの所定の箇所に設けてもよい。
さらに、前述したように、長開放ラウンドの基準実行態様を、発射間隔に基づき想定することで、短開放ラウンドの実行時間(開放時間)を定めることが可能である。例えば、1分間(60秒)あたりの発射数をn発として長開放ラウンドを実行した場合を想定する。この発射数としては、前述の加速スイッチ24を操作した場合の発射間隔(例えば120発/60秒)を採用することができる。
そして、この発射間隔で遊技球を発射した場合に、最大入賞球数(例えば10個)の入球が検出されるのに要する時間を求める。この時間は、例えば「加速時長開放最大入賞時間」と称することが可能であり、上述の「長開放ラウンドの基準実行態様」とすることが可能なものである。また、この「加速時長開放最大入賞時間」としては、実験値(実測値)及び理論値のいずれも採用が可能である。そして、この「加速時長開放最大入賞時間」よりも短い時間を、短開放ラウンドの実行時間(開放時間)として定める、といったことが可能である。
また、加速スイッチ24を操作すべきタイミングの報知は、種々の状況で実行することが可能である。例えば、大当り中の演出において、所定の演出が実行されるのに続いて、加速スイッチ24を操作すべきタイミングの報知を行うことが考えられる。また、特別遊技中の所定のタイミングにおいて、それまでの獲得出球数を判定し、判定結果が所定数に達している場合や、或いは、判定結果が所定数に達していない場合に、加速スイッチ24を操作すべきタイミングの報知を行うことが考えられる。
さらに、加速スイッチ24を操作すべきタイミングの報知は、前述した付加的な表示体(サブ表示体など)を用いて行うことも可能である。また、加速スイッチ24を操作すべきタイミングの報知は、センター飾り64にLEDセグメント表示部を設けたり、可動演出部材93(又は94)を動作させたりすることによって行うことも可能である。
なお、発射間隔の変更のための構成としては種々のものを採用することが可能である。例えば、発射装置43や、発射装置43を制御する払出制御基板103に、図示は省略するが、遊技球を打ち出すハンマー、このハンマーを駆動するロータリーソレノイド(駆動モータ)、例えば払出CPU511から指示された周期でパルス信号を繰り返し出力するパルス発振器、パルス発振器の出力するパルス信号のパルス幅に対応する時間だけロータリーソレノイドに給電する出力アンプなど適宜配置することが考えらえる。
このような構成によれば、パルス発振器に指示するパルス信号の周期を調整することで発射間隔の上限数(単位時間当たりの発射数の上限数)を変更することができる。また、ロータリーソレノイドによるハンマーの作動を、歯車機構等を介すことなく電気的に行うことで、機械的なエネルギー損失が少なく、正確かつ容易に発射球数を調整することができる。
また、発射間隔の変更のための構成としては、図示は省略するが、異なる極性の磁極が所定間隔をあけて対向配置された電磁石、磁極間を貫通して設けられた発射路、発射路の一端の待機位置に球を供給する球供給装置、電磁石を駆動する駆動回路部などで構成された電磁発射式のものを用いてもよい。この場合には、球の発射指示を受けたとき、待機位置にある球が磁極間の略中心に到来するまで電磁石に通電し、その後は通電を遮断する。これにより、待機位置にあった球は磁極間の略中心位置まで磁力で勢い良く引き寄せられ、その後は、磁力から開放されて勢いよく遊技領域52に発射される。
このような構成によれば、駆動回路部に発射指示を出力する周期を調整することで、発射間隔を容易に変更することができる。そして、磁力を利用して遊技球を発射するので、機械的動作の制限を受けにくく、発射間隔の縮小が容易である。
さらに、磁極間の距離が待機位置の側で狭く、待機位置から離れるにしたがって広がるように磁極の先端近傍にテーパをつけたものでは、磁束密度の最も高まる箇所が待機位置寄りになるので、磁束密度の最も高い箇所と待機位置との距離を短くすることができ、電磁石への通電時間が短くなる。その結果、単位時間当たりの発射上限数を増やすことができる。また、遊技球が磁極間の中心に到来した後に通電を遮断する代わりに、次第に減衰する交番磁界が発生するように通電するものでは、発射時に球を消磁することができる。
また、ホール素子を用いて遊技球の発射制御を行うタイプの構成を採用することも可能である。この場合には、発射ハンドル20の指掛け部23を回転操作することにより、当該指掛け部23に設けたガイド溝に挿通された係合軸を備えたケースが案内部に沿って直線的にスライド移動し、ケース内の磁石とホール素子と磁石との相対距離が変化するように構成することが可能である。そして、ガイド溝を適切に設定することで、指掛け部23の回転角と磁石の移動量とをリニアに対応させることができる。また、電気的な摺動部が無いので耐久性に優れ、構造も比較的簡単なものとなる。
<本実施例(第1実施例)に係る発明の作用効果>
以上説明したように、本実施例のぱちんこ遊技機10によれば、打球の発射間隔の変更を、特別遊技中の長開放ラウンドや短開放ラウンドといった遊技内容に関連付けて行うことができる。そして、限られた開放時間内に可能な限り多くの遊技球を入賞させ、開放期間内の最大の入球数(例えば10カウントや9カウントなど)を超えた超過入賞(オーバー入賞)を狙うなどといった、技術介入性の高い遊技を提供できるようになる。
この結果、遊技者よる技術介入の新たな形態を提供することが可能となる。さらに、これまでの左打ちや右打ちといった技術介入の程度を超えて、より高度で繊細な技術介入を可能とすることができる。そして、これらのことにより、発射間隔制御を、遊技内容に関連付けて有効に活用することが可能となる。
また、本実施例によれば、特別遊技中の基準となる発射間隔を90発/分とし、縮小期間中の発射間隔である120発/分や、通常遊技中(非特別遊技中)の発射間隔である約100発/分よりも長くしている。このため、通常遊技中と特別遊技中を含めた全体的な期間における、平均の発射間隔を均等化することが可能である。そして、総合的な遊技期間における遊技球の発射数を適正な範囲に収めることが可能である。
また、本実施例によれば、加速スイッチ24の操作が有効となる有効期間を設けているので、所定の有効期間内でのみ発射間隔の変更を可能とすることができる。そして、遊技者による発射間隔の変更ができる期間を、所定の有効期間内に制限することができ、過度に発射数が増大するのを防止することが可能である。
なお、本発明は本実施例に限定されるものではなく、種々の変更が可能なものである。例えば、本実施例では、ぱちんこ遊技機として、第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数(ここでは2つ)混在するゲーム性のもの採用している。しかし、これに限らず、本発明を、例えば、所謂第2種(「羽根もの」などともいう)や所謂第3種(「権利もの」などともいう)のぱちんこ遊技機に適用することも可能である。
また、本発明は、後述するように、第1種と第2種を組み合わせたのゲーム性のぱちんこ遊技機や、第1種と第3種を組み合わせたのゲーム性のぱちんこ遊技機に適用することも可能である。また、第2種と第3種を組み合わせたゲーム性のぱちんこ遊技機を想定し、当該ぱちんこ遊技機に本発明を適用することも可能である。
ここで、第2種のぱちんこ遊技機の構成としては、始動球検出器の入賞球の検出に伴って可変入賞球装置を開放し、該可変入賞球装置内の特定入賞(V入賞)領域への打球の入賞により特定遊技状態を発生するようなものを例示できる。
また、第3種のぱちんこ遊技機の構成としては、始動球検出器の入賞球の検出に伴って可変表示装置での識別情報の変動を開始し、該識別情報が所定の表示結果となる等して、特定入賞(V入賞)領域に打球が入賞すると特定遊技状態(権利発生状態)が発生し、その特定遊技状態中に特定の入賞口に入賞があると、可変入賞球装置を開放するようなものを例示できる。
<ぱちんこ遊技機に係る第2実施例>
次に、本出願のぱちんこ遊技機に係る第2実施例について説明する。なお、本実施例においては、前述の第1実施例と異なる部分について説明し、第1実施例と同様の部分については、適宜同じ符号を付すなどしてその説明を省略する。
図15は、第2実施例に係るぱちんこ遊技機610を示している。本実施例のぱちんこ遊技機610においては、図柄合わせの遊技を主体とした所謂セブン機(所謂旧第1種)と、特定入賞(V入賞)の遊技を主体とした所謂羽根もの(所謂旧第2種)とを組み合わせたゲーム性が採用されている。ここで、本実施例においては、図柄合わせに係る遊技を第1遊技と称し、特定入賞に係る遊技を第2遊技と称する。
さらに、本実施例においては、始動入賞口としては、第1実施例の第1始動入賞口に相当するもののみが、遊技領域52の中央下部に始動口62として備えられている。また、大入賞口としては、第1実施例の第1大入賞口91に相当するもののみが、遊技領域52の中央下部に大入賞口91として備えられている。さらに、第1実施例における作動口(左作動口68a及び右作動口68b)に対応するものとしては、右作動口68のみが、遊技領域52の右中段の領域に備えられている。
また、本実施例のぱちんこ遊技機610においては、前述の第1実施例と同様に、発射装置43における発射間隔を遊技者の操作によって縮小できるようになっている。さらに、本実施例においては、第1実施例のぱちんこ遊技機10に用いられていない右入賞装置600が備えられている。この右入賞装置600は、図15中に示すように、遊技領域52の右下の部位に配置されている。さらに、右入賞装置600は、特定入賞装置602を備えている。
図16(a)、(b)は、特定入賞装置602の構成や機能を概略的に示している。図16(a)に示すように、特定入賞装置602は、上下方向に開口して遊技球が流入可能な流入口701と、スライド移動することにより流入口701を開閉可能なスライド扉702とを備えている。これらのうち、スライド扉702は、図示を省略する特定入賞装置用のソレノイド(特定入賞口ソレノイド)により駆動されてスライド移動し、開閉動作を行う。
また、特定入賞装置602は、流入口701から流入した遊技球が通過可能な特定入賞口(以下では「V入賞口」と称する)703および2つの流出口704と、流入口701から2つの流出口704およびV入賞口703へ繋がる遊技球の流下通路を形成する通路形成部材705とを備えている。さらに、特定入賞装置602は、V入賞口703を通過した遊技球を検出するV入賞センサ706と、通路形成部材705の前面側に設けられる装飾板707(図15参照)とを有している。
特定入賞装置602は、通路形成部材705によって形成される流下通路により、流入口701から流入した遊技球が2つの流出口704およびV入賞口703のいずれかを通過するように構成されている。
スライド扉702は、図16(a)に示すように、前後左右に延びる平板状の開閉部702aと、遊技者から見て開閉部702aの左端部から左方に延びた後に下方に延びる平板状の遮断部702bとを有し、全体としてL字平板状に形成される。スライド扉702は、特定入賞口ソレノイド(図示略)によって、前後方向にスライド移動させられることにより、開閉部702aによって流入口701を開閉するようになっている。なお、図16(b)では、スライド扉702が、後方(背面側)にスライド移動して流入口701を開放した状態を図示しているため、スライド扉702が図示されていない。
スライド扉702は、開閉部702aによって流入口701を閉じた状態のときには、流入口701からV入賞口703へ繋がる流下通路を遮断部702bによって遮断し、流入口701から流入した遊技球をV入賞口703側へは流下させずに、流出口704側へのみに流下させるように構成されている(図16(a)参照)。
また、スライド扉702は、開閉部702aによって流入口701を開いた状態のときには、流入口701からV入賞口703へ繋がる流下通路を開放し、流入口701から流入した遊技球がV入賞口703側へも流下可能となるように構成されている(図16(b)参照)。なお、このとき、遊技球がV入賞口703および流出口704のどちらを通過するかは、通路形成部材705によって形成される流下通路の設計次第でその確率を調整可能である。
右入賞装置600の特定入賞装置602においては、スライド扉702が、長開放する場合と短開放する場合がある。これらのうち、長開放する場合には、前述したように、遊技球が流入口701から流入すると、スライド扉702が開放方向にスライド移動されて流入口701を開放した状態が保たれるため、V入賞口703へ繋がる流下通路も開放されている状態となり、当該遊技球はV入賞口703側へも流下可能となる。
これに対して、スライド扉702の開放時間が相対的に短時間である短開放の場合は、遊技球が流入口701から流入すると、当該遊技球が下流側の流出口704の上方位置くらいまで流下する間に、スライド扉702が閉鎖方向にスライド移動されて流入口701を閉じた状態となるため、スライド扉702の遮断部702bによってV入賞口703への流下通路が遮断されて、当該遊技球は、V入賞口703側へは流下することができず、流出口704側へのみに導かれる(図16(a)参照)。
前述のV入賞センサ706は、図示は省略するが、V入賞口703への遊技球の入球時にその入球を示すV入賞信号を生成し、そのV入賞信号をメイン基板102のCPU501(図4参照)の側へ送信する。そして、V入賞センサ706により検出された遊技球は、その後、遊技盤50の後面側に排出されるようになっている。一方、2つの流出口704の各々について、流出口704を通過した遊技球はいずれも下方へ流下し、図示しない案内樋等により案内されて、大入賞口91の側や、右入賞装置600の下方へ向って流出するようになっている。
装飾板707(図15参照)の前面側には、遊技領域52を装飾するための文字や図形等が描かれている。また、装飾板707の一部は透明になっており、右入賞装置600に流入した遊技球の流下状況を遊技者が視認可能となっている。
<<初当りまでの遊技について>>
続いて、本実施例のぱちんこ遊技機610における遊技制御について説明する。先ず、本実施例のぱちんこ遊技機610においては、図5を援用して示すメイン基板102において、前述の第1遊技及び第2遊技に係る遊技制御が実行される。また、メイン基板102においては、開閉制御手段118により、第1大入賞口91の開閉制御のほか、右入賞装置600の特定入賞装置602に係る開閉制御も行われる。
さらに、本実施例でも、第1実施例と同様に、発射装置43による発射間隔の変更制御が、メイン基板102と払出制御基板103との連携により行われる。なお、発射間隔の変更制御と遊技手順との関係については後述する。また、発射間隔の変更を可能にするメイン基板102や払出制御基板103の機能、及び、発射装置43の構成としては、第1実施例と同様のものを適用することが可能である。
本実施例においては、以下のようなゲーム性が採用されている。先ず、通常状態における遊技においては、始動口62への入賞に基づき、遊技者は左打ちを行い、遊技領域52の下方中央部に位置する始動口62を狙う。また、遊技球の発射は、遊技者が発射ハンドル20を操作している間、前述の発射装置43により、所定の時間間隔(例えば1分間に100発を超えない程度の間隔)で繰り返される。
遊技領域52に発射された遊技球が、始動口62に入球した場合、前述したような所定の変動開始条件(特図変動開始条件)が成立していれば、主制御表示装置53において、特別図柄が変動表示される。そして、始動口62への入球に基づき実行される乱数抽選(大当り抽選)の結果が、大当りであった場合には、特別図柄及び演出図柄(190a〜190c)が、前述のように選択された変動パターンに基づく変動時間の後に、所定の態様で停止表示され、その後に特別遊技が開始される。
本実施例では、大当り時の演出図柄の表示態様は、所定の演出図柄が3つ揃ったぞろ目の組合せ(図柄揃い)となっている。そして、特別遊技においては、第1大入賞口91が開放される単位遊技が複数回繰り返される。この際、演出表示装置60等を用いた打ち分けナビにより右打ちの推奨が行われる。
遊技者が右打ちを行うと、センター飾り64の上方を通った遊技球が、センター飾り64の遊技球通路部65に進入し、センター飾り64を流下する。さらに、センター飾り64から放出された遊技球は、複数の遊技釘や他の構造物に当りながらその当り方に応じた方向へ落下する。ここで、遊技領域52を、センター飾り64の右側を遊技球が流下できるよう構成し、右打ちされた遊技球をセンター飾り64内に流入させずに、遊技領域52の右下の領域に到達させるようにしてもよい。
本実施例においては、センター飾り64から放出された多数の遊技球のうちの一部は、遊技釘や前述の右入賞装置600などにより案内されて、第1大入賞口91に到達する。右入賞装置600によりる遊技球の案内には、前述のスライド扉702が閉じた遊技状態のときに右入賞装置600の上部に沿って行われるものや、後述するようにスライド扉702が開いた遊技状態のときに右入賞装置600内を通して行われるものなど、複数種類がある。そして、第1大入賞口91が開放中であれば、遊技球が第1大入賞口91に進入可能となり、第1大入賞口91に進入した遊技球が、第1大入賞検出装置(図示略)により検出される。
第1大入賞口91による各単位遊技においては、所定数(例えば10個)の遊技球が検出された場合、又は、開放して所定時間(例えば約30秒)が経過した場合に、終了条件が成立して、対応する大入賞口が閉鎖される。さらに、本実施例では、第1遊技の大当りに係る特別図柄の種類は、4R大当りのもののみとなっている。
つまり、通常状態からの最初の大当りで遊技者が獲得できる出球数は、4Rの特別遊技により得られる数となる。例えば、第1大入賞口91による単位遊技における入賞数が10個(10カウント)に設定され、1個の遊技球のカウントごとに払い出される賞球数を13個とすると、計算上、獲得出球数は520個(=13個×10カウント×4R)となる。ここで、本実施例においては、通常状態からの最初の大当りを「初当り」或いは「1回目の大当り」と称する場合がある。
また、第1実施例の場合も同様であるが、例えば、大入賞口への10個目の入球が検出される前や、大入賞口の閉鎖動作中に後続の遊技球の入球があると、その分多くの賞球が払い出されることとなる。さらに、第1大入賞口91の開放期間中に検出された遊技球の数が10個に満たなければ、その分獲得出球数は少なくなる。また、単位遊技中にも、大入賞口に入球させるために遊技球の発射は継続されるので、発射された分の球数は減少することになる。
なお、本実施例に係る大当り図柄判定テーブルの図示は省略する。また、最初の大当り(初当り)時のラウンド数は4Rに限らず、例えば6Rなどとすることが可能である。さらに、最初の大当り時のラウンド数を、決定された特別図柄の種類に応じて、4R又は6Rのうちのいずれかとするといったことも可能である。また、採用するゲーム性によっては、最初の大当り時のラウンド数を、例えば15Rなどとすることも可能である。
さらに、本実施例においては、前述のように第1遊技における初当りが発生した場合には、特別遊技後に特定遊技として、所定回数(例えば99回)の時短が付与されるようになっている。さらに、この時短期間中には、右打ちを推奨する打ち分けナビが実行される。そして、遊技者が右打ちを行うと、遊技領域52における右下の領域に達した遊技球のうちの一部は、右作動口68を通過して右通過検出装置(図示略)により検出される。
また、本実施例では、時短中には、相対的に、右入賞装置600でのV入賞が発生し易くなるようにしている。時短中に右入賞装置600でのV入賞が発生し易くなるようにするための制御態様としては、種々のものを考えることができる。そして、一例を挙げれば、上述のように右作動口68を遊技球が通過すると、前述の右入賞装置600(図16参照)における特定入賞装置602が作動し、スライド扉702が所定時間(例えば2秒程度)に亘り長開放を行って、流入口701に遊技球を受入れることが可能な状態になる、といったものを例示できる。
さらに、右入賞装置600に進入した遊技球は、図16(b)に示すようにV入賞口703へ流入し、V入賞センサ706により検出されると、大当りが再び発生する。そして、本実施例においては、右入賞装置600に進入した遊技球がV入賞する確率は、計算上、所定確率(例えば1/3〜4/5など)程度となっている。
さらに、本実施例では、時短中のV入賞により発生した大当りは、15R大当りとなっており、単位遊技が15回繰り返される。そして、各単位遊技においては、所定数(ここでは10球)の入賞か、所定時間(ここでは約30秒)の経過があるまで第1大入賞口91が開放を継続する。さらに、1球のカウントにより払い出される賞球数は、ここでは13個となっている。このため、時短中のV入賞により遊技者が獲得できる出球数は、計算上、1950個(=13個×10カウント×15R)となる。
つまり、本実施例のぱちんこ遊技機610においては、通常状態からの初当たりがあると、時短遊技中に、比較的容易に次の大当りを発生させることができる。このため、遊技者は、ラウンド数の異なる2回の大当りを比較的短期間で獲得することができ、この2回の大当りにより、合計で約2500個(計算上は520個+1950個の2470個)の出球を獲得することが可能である。
ここで、通常状態からの初当たりを、例えば「第1種大当り」と称し、右入賞装置600でのV入賞により発生した大当りを、例えば「第2種大当り」と称することが可能である。また、本実施例では、上述の「第2種大当り」を「2回目の大当り」と称する場合がある。さらに、本実施例では、通常状態からの初当たりである第1種大当りと、入賞による第2種大当りとに対して、同じ演出名(例えば「スーパーボーナス」など)が付されている。
図17(a)は、上述したような本実施例に係るぱちんこ遊技機610のゲームの流れ(ゲ−ムフロー)の要部を示している。図17(a)に基づいてこれまでの大当り発生の手順を改めて説明すると、図中の最上段に符号P1示す通常時の状態(通常状態)から、演出図柄による図柄揃いがあると、4Rの初当り(P2)となり、4R大当りに係る特別遊技が実行される。
そして、その後の変動遊技では所定回数(ここでは99回)の時短状態(P3)となり、この時短中に大当りを獲得できれば、15Rの特別遊技が実行される「スーパーボーナス」となる(P4)。なお、4Rの初当り(P2)後の時短中(P3)に大当りが発生しなければ、「スーパーボーナス」に至らず、時短状態が終了して通常状態(P1)に戻る。
また、本実施例においては、右入賞装置600を用いたゲームが行われる際に、第1実施例と同様に、発射装置43による発射間隔の変更が可能となっている。より具体的には、前述の初当たり後の時短中に(P3)、発射ハンドル20の加速スイッチ24が有効となる。そして、時短中に、遊技者が加速スイッチ24を操作すると、発射間隔が、それ以前よりも縮小されて120発/分(0.5秒に1発)となる。ここで、時短中に加速スイッチ24の操作がなければ、発射間隔を、通常時(非特別遊技時)に比べて拡大された発射間隔(例えば90発/分)とすることが考えられる。
上述のように、時短中に発射間隔を縮小することにより、より多くの遊技球を右入賞装置600に入球させることが可能となる。この結果、右入賞装置600において、V入賞の発生の期待度が高まり、V入賞が発生する可能性が向上する(図17(a)中のP4)。
また、加速スイッチ204を操作して遊技球を発射することにより、相対的に多数の遊技球の入球が期待できることから、右入賞装置600におけるスライド扉702の開放時間を比較的短く設定することが可能である。そして、このような発射間隔とスライド扉702の開放期間との関係により、発射間隔の変更制御を有効活用することが可能となる。
なお、本実施例における発射間隔制御とV入賞との関係については、第1実施例における発射間隔制御と大入賞口(91、92)への入賞との関係と同様のことがいえる。さらに、時短中に限らず、例えば、大入賞口91の開放を行う特別遊技中において、発射間隔の変更を可能とすることも可能である。例えば、大入賞口91による複数回の単位遊技の1部又は全てについて、第1実施例と同様の短開放ラウンドを採用し、短開放ラウンドに係る発射間隔の縮小制御を実行し、短開放ラウンド中により多くの入球が発生し得るようにしてもよい。
また、スライド扉702の開放時間としては、例えば0.5秒から数秒程度などの種々の値のうちのいずれかを予め設定しておくことが可能である。そして、この場合には、例えば、1秒未満の開放を短開放とし、1秒以上の開放を長開放としてそれぞれ定め、前述の時短中(4R大当り後の時短)などには2秒以上の長開放を行う、といった制御態様の採用も可能である。
さらに、前述の時短(4R大当り後の時短)中に、2秒未満の長開放や、1秒未満の短開放を含めて、いずれかの態様で開放制御を行う、といったことも可能である。そして、例えば0.5秒から数秒程度などの種々の値のうちのいずれかを、遊技状況に応じて、或いは、乱数抽選によって、設定することなども可能である。また、第1実施例において説明した「最大球数入球」、「最大球数入球開放時間」等の関係を、第2実施例のぱちんこ遊技機610に適用することも可能である。
さらに、右作動口68を遊技球が通過すればスライド扉702が開放するといった制御態様に限らず、例えば、右作動口68を遊技球が通過すると特定入賞装置602の作動のための乱数抽選を行い、所定確率(例えば1/3〜4/5など)で当せんした場合に、スライド扉702を開放するようにしてもよい。
なお、通常時遊技中にも、所定条件の成立によってスライド扉702を開放するといった制御態様の採用も可能である。この場合には、スライド扉702の短開放を実行し、もし遊技球がタイミングよくV入賞した場合には、所定の特別遊技(15R大当りに係るものなど)を実行することが考えられる。さらに、スライド扉を開放するための所定条件としては、始動口62への入球を例示できる。そして、この場合には、第1遊技に係る乱数取得に加えて、第2遊技に係るスライド扉702の短開放を行うか否かを決定するための乱数取得を行う、といったことも考えられる。
また、本実施例においても、前述した第1実施例と同様に、加速スイッチ24に係る操作タイミングの報知を行うことが可能である。そして、報知の態様としては、種々のものを採用できるが、例えば、前述の時短(4R大当り後の時短)の開始タイミングに合わせて、4R大当りに係る特別遊技の終了デモ中などで、カウントダウン等のタイミング報知を行うことが考えられる。
また、時短中におけるスライド扉702の開放態様が一律ではなく、所定の場合に相対的に短い時間の開放(前述の短開放に限らない)が行われる、といった制御態様を採用した場合には、短開放が行われる数秒前のタイミングで、加速スイッチ操作の合図となるような報知を行うことが考えられる。そして、相対的に短い時間の開放としては、例えば、基準となる状況においては2秒の開放が行われるが、時短中の変動遊技の回数が所定の値(例えば残り10回など)に達した場合には、スライド扉702の開放時間が1秒に縮小される、といったものを考えることができる。
<<第2種大当り発生後の遊技>>
続いて、前述した第2種大当り(15R大当り)の発生以降の遊技について説明する。前述した第2種大当り(図17(a)中のP5)に係る15Rの特別遊技において、一部の遊技球は、遊技領域52の中央下部に達し、始動口62に入賞する。このため、特別遊技中の終了後には、ほとんど全ての場合に、上限数である4個の保留が行われることになる。
さらに、本実施例においては、この4個の保留に関しては、第1遊技の大当り確率が、通常時の当せん確率(例えば1/399など)に比べて高められている。そして、本実施例では、第2種大当りに関して、特別遊技中に発生した保留に係る大当り確率は、約1/2(約50%)となっており、通常時に比べて約8倍高められている。このため、保留中に、大当りに該当する乱数値が含まれる可能性が高く、結果として、保留消化(P6)中の大当り(所謂保留内連チャン(連荘))が発生し易くなっている。
本実施例においては、この保留消化中の遊技(P6)においては、所定の演出モード(所定演出ゾーン)での演出が実行される。この所定演出ゾーンでの演出内容としては、例えば、演出図柄190a〜190cを虹色にデザインし、虹色の演出図柄190a〜190cによって、第1遊技に係る図柄合わせゲームを行う、といったものを例示できる。そして、この場合の演出内容としては、その他の場合の演出と比べて一際特別感のあるものとすることが考えられる。
さらに、本実施例では、保留消化中に発生した大当り(図17(a)中にP7で示す3回目の大当り)は15R大当りとなっており、カウント数や賞球数も、10カウント及び13球(13球/1カウント)となっている。したがって、遊技者は、保留消化に係る短期間で3回目の大当りを引くことができるとともに、発射する球数を最小限に抑えたまま、多数の賞球(計算上1950個)を獲得できる。
なお、本実施例では、この3回目の大当り(P7)が発生すると、演出上は、連チャン状態を意味するRUSH状態となる。そして、このRUSH中には、その旨を示す演出が実行されるようになっている。
この3回目の大当り(P7)に係る特別遊技においても、特別遊技中に発生した保留については、大当り確率が高められている(約50%)。このため、4回目以降の大当りも、3回目の大当りと同様に発生し易くなる。そして、各大当り後の保留消化中に発生する大当り(4回目以降の大当り)は、2回目や3回目の大当りと同様に15R大当りとなっている。したがって、本実施例では、所謂保留内の連チャンを高い確率(ここでは50%)で繰り返し発生させる(ループさせる)ことが可能である。そして、遊技者にとっては、短期間で多数の賞球を獲得することができるようになる。
なお、3回目以降の大当りについては、時短を付与しないといった制御態様を採用することが可能である。また、本実施例では、初当りに係る大当り(図17(a)中のP2)を4R大当りとして、賞球数を抑えている。さらに、15R大当りによる多数の賞球を獲得するまでの間に、右入賞装置600におけるV入賞(P4)を必要条件としている。このため、多数の賞球の獲得を可能としながらも、その前段階で、2回目以降の大当りの発生確率の調整が可能である。そして、多数の賞球を獲得できる確率(期待値)を、総合的な合成確率として、適正に保つことが可能である。
ここで、図示は省略するが、右作動口68を、遊技領域52における右上の領域等のように、右下以外の領域に配置してもよい。また、右打ちされた遊技球が流下する領域の幅を、例えば、遊技球の直径の2倍から3倍程度と比較的狭くし、当該領域に右作動口68を配置してもよい。このようにした場合には、流下する遊技球の殆ど、或いは、全てについて、右作動口68を通過させることが可能となる。さらに、センター飾り64の右側に遊技球が流下できる領域を形成した場合には、当該領域の幅を、上述のように狭く設定することが可能である。
そして、遊技球が右作動口68を通過し易くなるような板面構成を採用することにより、1回目の大当り(初当り)から2回目の大当り(第2種大当り)までの期間を、可能な限り最短化することができる。
また、例えば、センター飾り64の右側に、遊技球が流下可能な領域を確保し、当該領域に作動口68のような通過ゲートの代わりに(或いは通過ゲートに加えて)、入賞口を配置することも可能である。そして、このような入賞口への入賞率を所定の値に設定し、当該入賞口への入球が検出された場合に、特定入賞装置602が作動し、スライド扉702を開放するよう構成することも可能である。
さらに、上述のような入賞口への入賞率を所定の値とするために、図17(b)に示すように、遊技球が流下可能な領域708の左右方向の中央部に、遊技球を1個ずつ受け入れることが可能な開口を有する入賞装置709を配置し、入賞装置709の左右両側に、遊技球が1個流下できる程度の幅の領域710を確保することが考えられる。そして、この例においては、入賞装置709における入球口の幅を寸法Lとすると、遊技球が流下する領域708の幅は概ね3Lとなっており、入賞装置709の左右の領域710の幅もそれぞれ概ねLとなっている。このように構成することにより、遊技球な流下可能な領域708中において、概ね1/3の確率で、入賞装置709への入賞を発生させることができるようになる。
また、本実施例においては、第1遊技では、第1実施例と同様に、所定の確率で、大当り抽選の結果が小当りとなる場合もあるよう、当否判定テーブルが構成されている。さらに、本実施例では、小当りが発生した場合に(図17(a)中のP8)、大当りが発生した場合とは異なる「チャレンジステージ」の演出が実行される。
この「チャレンジステージ」の演出においては、遊技者に対して利益獲得のための遊技を行うべき状況であることが報知される。この利益獲得のための遊技としては、右打ちを行い、右入賞装置600で前述のV入賞(P4)を発生させることを例示できる。そして、「チャレンジステージ」の演出が行われている間に、右入賞装置600を作動させ、更にV入賞を発生させることができれば、15Rの特別遊技が可能な大当り(図17(a)中にP3で示すスーパーボーナス)が発生する。そして、本実施例では、この「チャレンジステージ」で発生した大当り(スーパーボーナス)も、初当りに該当する大当りである。
なお、本実施例では、大入賞口の数を1つのみとしたが、大入賞口の数を、例えば2つとしてもよい。この場合には、右入賞装置600の、特定入賞装置602の下方の部位に等に第2大入賞口を備えることが考えられる。また、遊技領域52の中央下部の大入賞口91を省略し、右入賞装置600に2つの大入賞口を備えることも可能である。また、大入賞口を、右入賞装置600に備えられた1のみとすることなども可能である。
<ぱちんこ遊技機に係る第3実施例>
次に、本出願のぱちんこ遊技機に係る第3実施例について説明する。なお、本実施例においては、前述の第1実施例と異なる部分について説明し、第1実施例と同様の部分については、適宜同じ符号を付すなどしてその説明を省略する。
この第3実施例においては、発射間隔を狭める際に操作される加速スイッチ24について、操作すべきタイミングの報知が、可動式の構造物を用いて行われるようになっている。可動式の構造物としては、後述する開閉装置825や振分装置826の可動装置を例示できる。そして、各種の可動装置を、その動作状態が遊技者に見えるように設置することで、その動作状態から、遊技者が発射間隔を縮小するタイミングや、縮小された発射間隔での発射タイミングを判断できるようになる。
なお、後述する振分装置826などは、遊技球を一時的に停留させる機能や、等速運動(一定速度での回転)を継続する機能を有するものであり、その停留状態や位置状態(回転角度)を遊技者に示すことで、遊技者が、発射に係る各種のタイミングを判断することが可能となる。
図18は、第3実施例に係るぱちんこ遊技機810を示している。本実施例のぱちんこ遊技機810においては、前述の第1実施例と同様に、開閉羽根を備えた第2始動入賞口63(普通電動役物)が備えられている。また、本実施例においては、前述の第2実施例と同様に、大入賞口として、第2始動口63の直下に、大入賞口91が備えられている。また、本実施例においても、発射装置43における発射間隔を遊技者の操作によって縮小できるようになっている。
さらに、本実施例においては、センター飾り64の、遊技者から見て右上の部位(右側縁部821R)に開閉装置825が設けられており、同じくセンター飾り64の、遊技者から見て右下の部位には、振分装置826が設けられている。そして、開閉装置825と振分装置826は、センター飾り64の内部に設けられた誘導通路821x(図19(a)、(b)参照)を介して、遊技球の誘導が可能なように連通している。また、開閉装置825は、前述の開閉制御手段118(図5参照)により制御することが可能なものである。
これらのうち、開閉装置825においては、誘導通路821xが上方を向いて開口している。また、開閉装置825は、図19(a)に示すように、誘導通路821xの上端の開口部825xを開閉可能な開閉部材825bと、開閉部材825bを作動させるための小当り入賞口ソレノイド(図示略)とを備えている。ここで、図19(a)では、開閉部材825bを図18よりも細幅に記載している。
開閉部材825bは、誘導通路821xにおける上端の開口部825xの近傍において、遊技盤50の盤面に垂直な支軸825jによって下端側を支持されている。そして、開閉部材25bは、下方側の支軸825jを中心に回動することで、誘導通路821xにおける上端の開口部825x(小当り入賞口825a)内への遊技球の入球が不可能となるように開口部258x(小当り入賞口25a)を閉鎖する閉鎖状態と、開口部825x(小当り入賞口25a内)への遊技球の入球が可能となるように開口部825x(小当り入賞口25a)を開放する開放状態とに変化することができる。
つまり、小当り入賞口ソレノイド(図示略)の駆動を開始して、開閉部材825bを時計回り(正面視)に回転させ、開閉部材825bを「右斜め上方に上がり傾斜となる傾動姿勢」に変化させると、小当り入賞口825aは開放状態に変化し、遊技球の入球が可能となる。一方、小当り入賞口ソレノイド(図示略)の駆動を停止すると、開閉部材825bが正面視で反時計回り(正面視)に回転するため、小当り入賞口825aは閉鎖状態に変化し、遊技球の入球が不可能となる。
図19(a)及び(b)に示すように、小当り入賞口825aに入球した遊技球は誘導通路821xを通過して振分装置826に向かって誘導される。また、誘導通路821xにおいて、開口部825xの近傍に位置する部位には、開口部825xからの遊技球の入球を検知するための小当り入賞口入球検知スイッチ825sが配設されている。
振分装置826は、センター飾り64の内部において中央部よりも右側の部位に配置されている(図18を参照)。この振分装置826は、開口部825xからセンター飾り64に入球した後、誘導通路821xを通じて誘導された遊技球を受け入れ、通常領域TR及び特定領域SRのうちの一方に誘導するものである。
振分装置826は、図19(b)〜図21(a)に示すように、基体部826aと、回転誘導体268bと、誘導モータ(図示略)とを備えている。このうち、基体部826aの上面部には、上方に開口すると共に、外縁部の形状が略円形の凹部826dが設けられている。この凹部826dは、中心側に位置すると共に平面形状が略円形の装着部826eと、装着部826eを周回状に包囲すると共に平面形状が略リング状の球導入部826fとを備えている。そして、装着部826eの深さは、球導入部826fの深さよりも深くされている。また、球導入部826fの底面部は、装着部826eに向かって下り傾斜となる傾斜面とされている。
装着部826eの底面部においては、図20(b)に示すように、遊技球を通常領域TRに誘導するための通常誘導孔826gと、遊技球を特定領域SRに誘導するための特定誘導孔826hとが開口している。但し、特定誘導孔826hの開口位置と装着部826eの中心部826jとの距離は、通常誘導孔826gの開口位置と装着部826eの中心部826jとの距離よりも小さくされている。つまり、前者の距離は、後者の距離よりも、「遊技球の直径(11ミリ)」を超える長さの分だけ、小さくされている。
図19(b)に示すように、基体部826aの上面部において凹部826dの右側方に位置する部位には、誘導溝826pが設けられている。ここで、前述の誘導通路821xは略管状部(右側縁部の誘導通路821xに設けられている)の内分空間で構成され、この略管状部の上端が前述の開口部825xに連続し、略管状部の下端が誘導溝826pの始端部の上方で開口している。このため、誘導通路821x(略管状体内)を下降する遊技球は誘導通路821x(略管状部内)の下端から誘導溝826pの始端部に放出される。そして、誘導溝826pの端末部が球導入部826fに連続するとともに誘導溝826pの床面部はその端末部に向かって下り傾斜状とされている。このため、誘導通路821x(略管状部内)から誘導溝826pに放出された遊技球を、誘導溝826pの床面部の下り傾斜を利用して球導入部826fに誘導可能となっている。
回転誘導体826bは、図19(b)〜図21(a)に示すように、装着部826eに回転可能な状態に装着されている。また、この回転誘導体826bは、図20(a)に示すように、上面部が曲面部とされた円板に対して、4個の誘導用凹部861b、861b、861b、862bを設けた構成を備える。これらの誘導用凹部861b、862bは、回転誘導体826bの周方向に沿って等間隔に形成されると共に、1個の遊技球を受け入れ可能なサイズとされている。また、何れの誘導用凹部861b、862bも、回転誘導体826bの外周部の側から回転誘導体826bの中心部の側に凹む状態に形成されると共に、回転誘導体826bの上面部及び下面部においても開口している。そして、球導入部826f上の遊技球を受け入れることが可能である。
但し、3個の誘導用凹部861bが遊技球を通常誘導孔826gに誘導するために用いられ、残りの1個の誘導用凹部862bが、遊技球を特定誘導孔826hに誘導するために用いられる。つまり、誘導用凹部861b、862bに受け入れられた遊技球は、図21(a)に示すように、誘導用凹部861bの下端の出口部から、通常誘導孔826g及び特定誘導孔826hのうちの何れか一方に誘導される。そして、この誘導用凹部861bの下端の出口部は、回転誘導体826bの底面部で開口しているが、(a)3個の誘導用凹部(以下、「通常誘導用凹部」という。)861bが、回転誘導体826bを回転させることで、通常誘導孔826g(通常誘導孔826gの上端の入口部)と上下に位置合わせ可能な位置に設けられ、(b)残りの1個の誘導用凹部(以下、「特定誘導用凹部」という。)862bが、回転誘導体826bを回転させることで、特定誘導孔826h(特定誘導孔826hの上端の入口部)と上下に位置合わせ可能な位置に設けられているからである。
誘導モータ(図示略)は、回転誘導体826bを回転させるためのモータである。この誘導モータ826cから発生する回転駆動力は、所定の伝達部材(ギア等)を介して、回転誘導体826bに伝達される。尚、メイン基板102は、誘導モータ(図示略)の動作を制御する制御手段として機能する。そして、本実施例では、このメイン基板102が誘導モータ(図示略)の動作を制御することで、その回転軸が、常時、一定速度で回転するため、回転誘導体826bは、常時、一定速度で回転(上方側から見て、左回転方向)している。
誘導通路821xを通過した遊技球が球導入部826fで受け入れると、この遊技球は球導入部826fを周回するように転動した後、勢いが衰えたところで、球導入部826fの中心方向に向かう下り傾斜を利用して通常誘導用凹部861b及び特定誘導用凹部862bのうちの一方に進入する。そして、通常誘導用凹部861bに進入した遊技球は、回転誘導体826bを回転させることで通常誘導孔826gに誘導され、特定誘導用凹部862bに進入した遊技球は、回転誘導体826bを回転させることで特定誘導孔826hに誘導される。そして、遊技球が通常誘導孔826gに誘導されると、通常領域TRに到達し、通常領域通過検知スイッチ827nによって検知される。また、遊技球が特定誘導孔826hに誘導されると、特定領域SRに到達し、特定領域通過検知スイッチ827tによって検知される。ここで、回転誘導体826bには、3個の通常誘導用凹部861bと、1個の特定誘導用凹部862bとが、回転誘導体826bの周方向に沿って等間隔に配置されているため、球導入部826fに到達した遊技球が、特定領域SRに誘導される確率は、「1/4」とされている。
続いて、本実施例に係るぱちんこ遊技機10におけるゲーム性の概要を説明する。先ず、第1特別図柄の停止表示によって「第1当否判定の結果が小当りである」旨が表示されるか、第2特別図柄の確定表示の停止表示によって「第2当否判定の結果が小当りである」旨が表示されると、小当り遊技が実行される。この小当り遊技では、所定の動作パターンに従って開閉部材825bが開放動作を実行する。この動作パターンは、開閉部材825bの姿勢を短時間(例えば、1.2秒間)の間、開放姿勢とすることを1回若しくは3回行うことを内容とするものであり、これにより、小当り入賞口825aは短時間(例えば、1.2秒間)の間、開放状態とされる。このとき、小当り入賞口825aに入球した遊技球が通常領域TRに到達すると「外れ」となり、大当り遊技実行手段は作動しない。
一方、小当り入賞口25aに入球した遊技球の少なくとも1個を特定領域通過検知スイッチ827tが検知すると(但し、後述する有効時間内の検知、つまり、有効な検知であることが必要)、この検知に基づいて大当り遊技実行手段が大当り遊技を開始する。この「大当り」には、「8R大当り」と「16R大当り」とが存在するが、小当り遊技から移行する大当り遊技においては、小当り遊技を経ることなく、通常遊技状態から大当り遊技状態に移行して実行される大当り遊技に比べて、ラウンド数(大入賞口91の開放回数)を1回分減じた状態で実行される。つまり、「8R大当り」に基づき実行する大当り遊技においては、単位遊技となる「ラウンド遊技」が7回行われ、「16R大当り」に基づき実行する大当り遊技においては「ラウンド遊技」が15回行われる。
このように小当りを生ずると、所定の有効時間内に遊技球を特定領域SRに到達させ、少なくとも1個を特定領域通過検知(図示略)が検知するという条件が成立すると大当り遊技実行手段は作動するが、この条件が成立しなければ大当り遊技実行手段は作動しない。従って、小当りを発生しても小当り入賞口25aの開放時間(例えば、1.2秒間)に小当り入賞口25aに遊技球を入球させない場合には大当り遊技実行手段は作動することがないため、小当りを発生した場合に遊技者の選択によって大当りを発生させたり、させなかったりすることができる。
また、本実施例においては、遊技状態が大当り遊技状態に移行すると、所定回数(例えば、7ラウンド、8ラウンド、15ラウンド若しくは16ラウンド)に亘る「ラウンド遊技」を実行する。そして、最終回の「ラウンド遊技」を終了すると、大当り遊技が終了する。更に、大当り終了に係る演出(エンディング演出)を行った後、遊技状態が図柄変動遊技状態に戻される。なお、遊技状態が大当り遊技状態となっている間は、特別図柄(本図柄)の変動表示が行われない状態、すなわち、図柄変動遊技が実行不能な状態となる。
第1特別図柄表示部70若しくは第2特別図柄表示部71に小当り図柄が停止表示されると、「小当り」を発生し、小当り遊技が実行される。そして、小当り遊技を開始すると、メイン基板102が小当り入賞口ソレノイド(図示略)の駆動及び駆動停止を行うことで「小当り入賞口825aを開閉する開閉動作」が実行される。なお、遊技状態が小当り遊技状態となっている間は、特別図柄(本図柄)の変動表示が行われない状態、すなわち、図柄変動遊技が実行不能な状態となる。
ここで、本実施例においては、小当り遊技として、「開閉部材25bの姿勢を短時間(例えば、1.2秒間)の間、開放姿勢とすること3回行うこと」を内容とする小当り遊技(以下、「3T小当り遊技」という)と、「開閉部材25bの姿勢を短時間(例えば、1.2秒間)の間、開放姿勢とすることを1回行うこと」を内容とする小当り遊技(以下、「1T小当り遊技」という)とが設けられている。また、以下の説明において、「3T小当り遊技」の実行契機となる小当りを「3T小当り」と称し、「1T小当り遊技」の実行契機となる小当りを「1T小当り」と称する。なお、「3T小当り遊技」においては、開閉部材25bの姿勢を「1.2秒」開放姿勢とすることが、開閉部材25bの姿勢を「0.8秒」閉鎖姿勢とすることを間に挟んで3回行われる。
本実施例では、第1遊技に係る大当りの種類(大当り図柄の種類)として、(a)大当り遊技終了後の遊技状態を非電サポ状態とする大当り(16R大当りA1、8R大当りA2)と、(b)大当り遊技終了後の遊技状態を電サポ(電チューサポート)状態とする大当り(8R大当りA3、16R大当りA4)とが設けられている。そして、大当りに係る図柄抽選により、これらのうちの何れの大当りとするかが決定される。さらに、この場合、大当り遊技終了後の遊技状態が電サポ状態となる確率は「50%」とされている。
また、第2遊技に係る大当りの種類(大当り図柄の種類)として、(a)大当り遊技終了後の遊技状態を非電サポ状態とする大当り(16R大当りB1、8R大当りB2)と、(b)大当り遊技終了後の遊技状態を電サポ状態とする大当り(16R大当りB3、16R大当りB4)とが設けられている。そして、大当りに係る図柄抽選により、これらのうちの何れの大当りとするかが決定される。さらに、この場合、大当り遊技終了後の遊技状態が電サポ状態となる確率は「70%」とされている。
更に、第1当否判定の結果が「小当り」となると、小当りの種類(大当り図柄の種類)が乱数抽選(振分抽選)によって所定数(例えば50)通りの小当りのうち何れかに決定される。この乱数抽選(振分抽選)によって、(a)「小当りの種類」が「大当りを発生したならば、大当り遊技終了後の遊技状態を非電サポ状態とする小当り(3T小当りC1、3T小当りC4…)」と、(b)「大当りを発生したならば、大当り遊技終了後の遊技状態を電サポ状態とする大当り(3T小当りC2、3T小当りC3…3T小当りC50)」とのうちの何れかに決定される。この場合、「大当りを発生したならば、大当り遊技終了後の遊技状態が電サポ状態となる確率」は50%とされる。
また、第2当否判定の結果が「小当り」となると、小当りの種類(大当り図柄の種類)が乱数抽選(振分抽選)によって所定数(例えば50)通りの小当りのうち何れかに決定される。この乱数抽選(振分抽選)によって、「小当りの種類」が(a)「大当りを発生したならば、大当り遊技終了後の遊技状態を非電サポ状態とする小当り(3T小当りD2、1T小当りD4、1T小当りD8…)」と、(b)「大当りを発生したならば、大当り遊技終了後の遊技状態を電サポ状態とする大当り(3T小当りD1、3T小当りD3、3T小当りD5…3T小当りD50)」とのうちの何れかに決定される。この場合、「大当りを発生したならば、大当り遊技終了後の遊技状態が電サポ状態となる確率」は70%とされる。
遊技機1の遊技状態が電サポ状態となると、開放延長手段と特別図柄の変動時間を短縮化する変動時間短縮手段が作動状態となる。この電サポ状態は大当りを生ずることなく実行される変動表示(特別図柄変動遊技)の累積回数が所定数(ここでは100回)になるまで継続される。そして、大当りを生ずることなく実行される変動表示(特別図柄変動遊技)の累積回数が「100回」になると、遊技機1の遊技状態は非電サポ状態に戻される。
ここで、本実施例においては、遊技状態が電サポ状態(つまり、時短状態)となると、第2始動口17bへの遊技球の入球頻度が高頻度となる。しかも、第2当否判定において小当りを発生する確率が高く(例えば10/11程度に)設定されているため、電サポ状態(時短状態)では右打ちを行い、「小当りを発生させ、小当り遊技中の有効時間内に特定領域通過検知スイッチ827tに遊技球を検知させ、大当り遊技を実行し、大当り遊技後に再び遊技状態が電サポ状態となるという、連荘サイクル」を可能な限り繰り返すことを、遊技者が欲することになる。
また、本実施例においては、右入賞装置600を用いたゲームが行われる際に、第1実施例と同様に、発射装置43による発射間隔の変更が可能となっている。より具体的には、前述の小当りが発生して開閉装置825が作動する場合に、発射ハンドル20の加速スイッチ24が有効となる。そして、開閉装置825が作動する場合に、遊技者が加速スイッチ24を操作すると、発射間隔が、それ以前よりも縮小されて、例えば120発/分(0.5秒に1発)となる。ここで、開閉装置825が作動する場合に加速スイッチ24の操作がなければ、発射間隔を、通常時(非特別遊技時)に比べて拡大された発射間隔(例えば90発/分)とすることが考えられる。
上述のように、開閉装置825が作動する場合に発射間隔を縮小することにより、より多くの遊技球を開閉装置825内に入球させることが可能となる。この結果、開閉装置825を介して、振分装置826での特定領域への入賞の期待度を高めることができるようになる。
また、本実施例においては、開閉装置825の開閉部材825bは、その動作状態が遊技者から視認できるように設けられている。このため、遊技者は、例えば開閉部材825bが開放動作したことを確認してから、加速スイッチ24を操作することが可能である。つまり、開閉装置825が、その動作に伴う形態の変化によって、遊技者に発射間隔の変更タイミングを報知する機能を果たしている。
なお、開閉部材825bの開放が1回しか行われないような場合には、開閉部材825bが動作したのを確認してから加速スイッチ24を操作して遊技球の発射を行ったのでは、入球数が少なくなる場合や、入球させることができない場合が生じることも考えられる。したがって、このような場合は、開閉部材825bの動作開始より所定時間(例えば5秒程度)前に、前述のカウントダウンのような報知を行うことで、開閉部材825bの動作開始前に、加速スイッチ24の操作タイミングや、発射間隔を縮小したうえでの発射タイミングを遊技者に知らせることができる。
さらに、前述の振分装置826についても、遊技者が、回転誘導体268bを視認し、特定領域(SR)への入球を可能とする所定の誘導用凹部862bの位置を確認することで、回転誘導体268bの状態を知ることができる。このため、遊技者は、遊技球を発射してから、当該遊技球が小当り入賞口825aに進入して、回転誘導体268bの誘導用凹部862bに到達するまでの時間を想定したうえで、遊技球の発射タイミングや、加速スイッチ24の操作タイミングを決めることができる。
また、振分装置826は、誘導用凹部862bに遊技球を受入れたまま回転誘導体268bを回転させることで、遊技球を一時的に停留させる機能を発揮することができるものである。そして、前述のように、回転誘導体268bは等速運動(一定速度での回転)を常時継続するものである。したがって、遊技者は、回転誘導体268bにおける誘導用凹部862bの位置を確認することで、上述のような発射に係る各種のタイミングを判断することが可能である。
なお、開閉装置825が作動する場合に限らず、例えば、大入賞口91の開放を行う特別遊技中において、発射間隔の変更を可能とすることも可能である。例えば、大入賞口91による複数回の単位遊技の1部又は全てについて、第1実施例と同様の短開放ラウンドを採用し、短開放ラウンドに係る発射間隔の縮小制御を実行し、短開放ラウンド中により多くの入球が発生し得るようにしてもよい。また、第2始動口63が開放延長する時短中に、発射間隔の変更を行うことも可能である。
<<第3実施例に係る振分装置の変形例>>
次に、第3実施例に係る振分装置の変形例について説明する。前述のように小当り入賞口825aに進入した遊技球が導かれる振分装置826の態様は、図19(b)〜図21(a)に示すようなものに限定されない。つまり、前述の振分装置826では、小当り入賞口825a内に入球した遊技球を、回転誘導体826b(回転体)を用いて通常領域TR若しくは特定領域SRに振り分ける構成が採用されていた。
しかし、図21(b1)、(b2)に示す変形例のように、小当り入賞口825a内に入球した遊技球を、可動片836aを用いて通常領域TR若しくは特定領域SRに振り分けるようにしてもよい。以下、変形例の振分装置を備えたぱちんこ遊技機について簡単に説明する。なお、図18〜図21(a)に示す上述の実施例と同様の部分については同一番号を付すなどして、その説明は省略する。
本変形例において小当り入賞口825aは、図示は省略するが、センター飾り64における右上隅部に設けられている。この右上隅部の前面部は透明部(透明な樹脂板等で構成される部位)とされており、この透明部を前面部として小当り入賞口825aが設けられている。また、右上隅部において透明部の後方に位置する部位(透明部から遊技球の直径(11mm)を僅かに超える距離だけ離れた部位)に基板部821G(図21(b1)参照)を配置している。そして、この基板部821Gの前面部と透明部(図示略)との間には隔壁825gが設けられ、基板部821Gの前面部と透明部(図示略)と隔壁825gとを用いて遊技球が進入可能な進入通路825Mを構成している。
図21(b1)、(b2)に示す進入通路825Mは、センター飾り64の外周において右領域に向かって右斜め上方に向かって開口する開口部825kを備え、この開口部825kによって、センター飾り64の右領域を流下する遊技球を受け入れる受入口を構成する。また、図21(b1)、(b2)に示すように、進入通路825Mは、その中間部において特定領域誘導通路825Pと、通常領域誘導通路825Qとに分岐している。また、進入通路825Mにおいてその中間部よりも開口部825k寄りの位置には、開口部825kを通じて小当り入賞口825a内(進入通路825M内)に入球した遊技球を検知するための小当り入賞口入球検知スイッチ(図示略)が設けられている。また、進入通路825Mの中間部には、小当り入賞口入球検知スイッチ(図示略)で検知された遊技球を、特定領域誘導通路825P若しくは通常領域誘導通路825Qに振り分けるための(特定領域誘導通路825P若しくは通常領域誘導通路25Qに誘導するための)振分装置836が設けられている。
基板部821Gの前面部であって特定領域誘導通路825Pの終端に位置する部位には遊技球が進入可能なサイズの特定領域SRが開口し、基板部821Gの前面部であって通常領域誘導通路825Qの終端に位置する部位には遊技球が進入可能なサイズの通常領域TRが開口している。このため、特定領域誘導通路825Pに振り分けられた遊技球は特定領域SRに進入し、通常領域誘導通路25Qに振り分けられた遊技球は通常領域TRに進入する。また、特定領域SRには小当り入賞口825aに入球した遊技球が特定領域SRを通過したことを検知するための特定領域通過検知スイッチ(図示略)が設けられ、通常領域TRには、小当り入賞口825aに入球した遊技球が通常領域TRを通過したことを検知するための通常領域通過検知スイッチ(図示略)が設けられている。
小当り入賞口825aは、開口部825kを開放・閉鎖するための開閉部材825bと、この開閉部材825bを駆動するための小当り入賞口ソレノイド(図示略)を備える。そして、この開閉部材825bは、通常、支点を中心に左上がり傾斜状となり、開口部825kを閉鎖している。ところが、小当り遊技(特定遊技)の際に所定のタイミングで小当り入賞口ソレノイド(図示略)が駆動すると、開閉部材825bは下端の支点を中心に時計回り方向に回転し、図21(b1)および(b2)に示すように、右上がり傾斜状となり、開口部825kを開放する。この場合、開閉部材825bは右領域にはみ出るため、右領域を流下する遊技球を開閉部材825bで捕らえ、開閉部材825b上を左下り傾斜方向に転動させ、開口部825k内に進入させることができる。
図21(b1)、(b2)に示すように、振分装置836は可動片836aと、可動片836aを駆動する振分ソレノイド(図示略)を備える。このうち、可動片836aは、下端側の支点836cを基準に回転可能(遊技盤50に略垂直な軸心周りに回転可能)とされている。そして、振分ソレノイド(図示略)の駆動を停止すると、図21(b1)に示すように、可動片836aが右上がり形状の姿勢(以下、第1姿勢という。)となり、小当り入賞口入球検知スイッチ825sで検知された遊技球を通常領域TRに振り分ける(誘導する)ことができる。これに対して、振分ソレノイド(図示略)の駆動を開始すると、図21(b2)に示すように、可動片836aが左上がり形状の姿勢(以下、第2姿勢という)となり、小当り入賞口入球検知スイッチ825sで検知された遊技球を特定領域SRに振り分ける(誘導する)ことができる。
次に小当り入賞口825aの開放パターンと、振分ソレノイド(図示略)の駆動パターンについて説明する。先ず、1T小当り遊技においては小当り入賞口825aを第1開放パターンに基づいて開放し、3T小当り遊技においては小当り入賞口825aを第2開放パターンに基づいて開放する。また、第1開放パターンは小当り入賞口825aを1回だけ短開放(1.2秒)開放する開放パターンであり、第2開放パターンは小当り入賞口25aを、1.2秒開放すること(短開放)を0.8秒の閉鎖を挟んで3回繰り返す開放パターンである。なお、小当り入賞口825aを第1開放パターンおよび第2開放パターンの何れで開放した場合においては、小当り遊技開始後に規定数の遊技球(10球)が小当り入賞口825aに入球すると(レアケースと考えられる)、小当り入賞口825aの予定開放時間に到達していなくても、小当り入賞口825aは閉鎖状態となり、小当り遊技を終了する。
本変形例では、3T小当り遊技を開始すると、通電を停止していた振分ソレノイド(図示略)が以下のように制御される。つまり、3T小当り遊技の開始を契機に可動片836aを所定の駆動パターンで駆動し、可動片836aに、小当り入賞口25aに入球した遊技球を特定領域SR若しくは通常領域TRに振り分ける(特定領域SR若しくは通常領域TRに誘導する)ための動作を行わせる。具体的には、小当り入賞口825aを開放状態とすると同時に、振分ソレノイド(図示略)に通電(以下、第1期通電という。)が「0.8秒」行われ、これにより、第1姿勢の可動片836aが第2姿勢となり、小当り入賞口825aに入球した遊技球を特定領域SRに誘導可能な状態となる。
この「0.8秒」の第1期通電を終了すると、振分ソレノイド(図示略)の通電が「1.2秒間」停止(以下、第1中間通電停止という。)され、可動片836aの姿勢は第1姿勢となる。このように、振分ソレノイド(図示略)が第1中間通電停止されているとき、可動片836aに遊技球が到達すると、この遊技球は通常領域TRに振り分けられる(誘導される)。そして、この第1中間通電停止を終了すると、振分ソレノイド(図示略)の通電(以下、第2期通電という。)が「0.8秒」行われ、これにより、小当り入賞口825aに入球した遊技球を特定領域SRに振分可能(誘導可能)な状態となる。
この後、振分ソレノイド(図示略)の通電が「1.2秒間」停止(以下、第2中間通電停止という)され、可動片836aの姿勢は第1姿勢となる。そして、第2中間通電停止を終了すると、振分ソレノイド(図示略)の通電(以下、第3期通電という。)が「0.8秒」行われる。そして、第3期通電を終了すると、振分ソレノイドの通電が終了する(第2駆動パターンに基づく振分ソレノイド(図示略)の駆動を完了する)。
また、1T小当り遊技を開始すると、可動片836aを所定の駆動パターンに基づいて駆動し、可動片836aに、小当り入賞口825aに入球した遊技球を特定領域SR若しくは通常領域TRに振り分ける(特定領域SR若しくは通常領域TRに誘導する)ための動作を行わせる。具体的には、小当り入賞口825aを開放状態とすると同時に、振分ソレノイド(図示略)を通電する。この通電(第1期通電)を終了すると、振分ソレノイド(図示略)の通電が停止する。この場合、振分ソレノイド(図示略)の通電が再び開始することはない。なお、本変形例においては、振分装置826の態様(遊技球の振分態様)が異なる点を除いて、図18〜図21(a)に示す前述の実施例と同様である。
上述したような本変形例の振分装置836は、前述のようにセンター飾り64に備えらえた透明板を介して、遊技者が視認できるようになっている。このため、本変形例の振分装置836によっても、可動片836aの動作状態によって、遊技者に発射間隔の変更タイミングを報知することが可能である。
以上、本発明に係る各実施例について説明したが、本発明は各実施例のタイプのぱちんこ遊技機に限定されるものではなく、例えば、アレンジボール遊技機、雀球遊技機、ECO遊技機(封入式ぱちんこ遊技機)などといった他のタイプの弾球式の遊技機についても適用することが可能である。