JP2014199060A - 懸架装置およびカバー部材 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の目的は、バンプストッパキャップを介してバンプラバーからの荷重を受けるシリンダが、損傷を受けることを抑制する点にある。
また、前記カバー部材は、前記円環部の径方向に沿って流体が流れる径方向流路と、当該径方向流路に対する当該円環部の径方向外側にて当該円環部の径方向に貫通する貫通孔とを有することができる。
<実施形態1>
[懸架装置1]
図1は、懸架装置1の概略構成を示す図である。
懸架装置1は、図1に示すように、後述する減衰装置70と、減衰装置70のシリンダ71やピストンロッド20の外側に配置されたスプリング30と、を備えている。ピストンロッド20は、略円柱状の部材であり、円柱の中心線方向の一方の端部側に後述するピストン741(図2参照)が取り付けられ、中心線方向の他方の端部側にナット21が取り付けられている。以下、ピストンロッド20の円柱の中心線方向を、単に「中心線方向」と称す場合がある。
また、懸架装置1は、シリンダ71から飛び出しているピストンロッド20の外周に圧入されたバンプラバー41と、このバンプラバー41の外周部に配置されたバンプラバーカップ42と、を備えている。
減衰装置70は、図2に示すように、薄肉円筒状の外シリンダ711と、外シリンダ711内に収容される薄肉円筒状の内シリンダ712と、外シリンダ711における中心線方向の一方の端部を塞ぐ底蓋713と、を有するシリンダ71を備えている。
さらに、減衰装置70は、バンプストッパキャップ100の内側であって、ロッドガイド725に対してピストン741とは反対側に設けられ、シリンダ71内の液体の漏れやシリンダ71内への異物の混入を防ぐオイルシール729を備えている。
第1バルブ装置730は、中心線方向に形成された複数の油路を有するバルブボディ731と、バルブボディ731に形成された複数の油路のうちの一部の油路における中心線方向の一方の端部を塞ぐ第1バルブ732と、バルブボディ731に形成された複数の油路の内の一部の油路における中心線方向の他方の端部を塞ぐ第2バルブ733とを備えている。
また、第2バルブ装置740は、ピストン741と、ピストン741に形成された複数の油路の内の一部の油路における中心線方向の一方の端部を塞ぐ第1バルブ742と、ピストン741に形成された複数の油路の内の一部の油路における中心線方向の他方の端部を塞ぐ第2バルブ743とを備えている。
図3(a)は、シリンダ71から飛び出しているピストンロッド20の長さが最短となる縮み状態を示す図であり、図3(b)は、シリンダ71から飛び出しているピストンロッド20の長さが最長となる伸び状態を示す図である。
図3(a)に示すように、ピストンロッド20が、シリンダ71に対して中心線方向の一方の端部側(図3(a)においては下方)へ移動すると、シリンダ71に内蔵した減衰装置70によって圧縮行程時における減衰力が発生する。具体的には、図2に示すように、ピストン741の移動で第1油室Y1内のオイルは押され、第2バルブ装置740下面の圧力は上昇し、第2バルブ装置740に高圧が作用する。その結果、第2バルブ743が開き、オイルは油路を通って第2バルブ装置740の上方の第2油室Y2に流入する。この第1油室Y1から第2油室Y2へのオイルの流れは、第2バルブ743および油路で絞られ、圧縮行程時における減衰力を得る。
図4は、バンプストッパキャップ100周辺の構成を説明するための図である。なお、図4は、図2に示す円内の拡大図である。
また、オイルシール本体729Aは、ピストンロッド20の外径に接し、ピストンロッド20に付着しているオイルを掻き落とすオイルリップ729D、およびピストンロッド20の外径に接し、埃等の侵入を防ぐダストリップ729Eを備える。さらに、図示の例においては、オイルシール本体729Aは、ロッドガイド725の段部725Bに接するチェックリップ729F、および外シリンダ側部711Aの内径に接する外周リップ729Gを備える。
さらに、ロッドガイド725の支持部725Aは、オイルシール729の座金729Bを支持する位置に設けられ、締付リング729Cは、オイルリップ729Dの外周を締め付ける位置に設けられる。
このエンドプレート728は、オイルシール729が外シリンダ711の内周面にかしめられることにともない、オイルシール729の座金729Bが変形することを抑制する。また、エンドプレート728は、バンプストッパキャップ100を介してバンプラバー41(図1参照)により押圧されることにともない、ダストリップ729Eが損傷を受けることを抑制する。
図5は、バンプストッパキャップ100の概略構成を示す図である。なお、図5(a)はバンプストッパキャップ100の斜視図であり、図5(b)は図5(a)に示すVbからみた図である。
このバンプストッパキャップ100は、合成樹脂(熱可塑性樹脂)を用いて成形される。より具体的には、バンプストッパキャップ100は、ポリプロピレン、ABS樹脂、テフロン(登録商標)等の汎用プラスチックによって成形される。
なお、図4に示すように、貫通孔121の中心線方向における端部であって、バンプラバー41側とは反対側の端部には、貫通孔121と覆い部120の内側表面とを結ぶテーパー面121Aが形成されている。
覆い部120に第1凸部130および第2凸部135を設けることにより、覆い部120の剛性が高まる。また、詳細は後述するが、第1凸部130および第2凸部135を、覆い部120と対峙して配置される他の部材に押し付けることにより、この他の部材と覆い部120との間で間隙を形成し、液体(オイルや水等)、埃あるいはエア等を流す流路が確保される。
なお、外周凸部131は、円環部の径方向において、円環部の内周端よりも外側でありかつ側部よりも内側の位置から、少なくとも側部の位置までにわたって設けられ、円環部を押圧する押圧部の一例として捉えることができる。
なお、図示の例においては、第1凸部130および第2凸部135の組み合わせが周方向に6組設けられているが、この個数についてはなんら限定されるものではない。
なお、内周凸部132がエンドプレート728を押圧することにより、バンプストッパキャップ100がバンプラバー41(図1参照)に押圧される際に、円環部711Bが撓む量(陥没する量)が抑制される。
また、内周凸部132は、外周凸部131よりも中心線方向の高さが高い。さらに説明をすると、内周凸部132と外周凸部131との高さの差は、円環部711Bの厚さと略同一となっている。また、図示は省略するが、外周凸部131、交差凸部133および第2凸部135は、中心線方向の高さが略同一となっている。
このことにより、内周凸部132がエンドプレート728を押圧している状態において、外周凸部131、交差凸部133および第2凸部135が外シリンダ711の円環部711Bを押圧可能となる。
次に、図4乃至図7を参照しながら、バンプストッパキャップ100および外シリンダ711の配置について説明をする。
図6は、本実施の形態とは異なるバンプストッパキャップ100の外周凸部131を説明するための図である。図7は、バンプストッパキャップ100および外シリンダ711の配置を説明するための図である。
このことにより、本実施の形態においては、バンプストッパキャップ100を介してバンプラバー41(図1参照)から加わる力を、外シリンダ側部711Aが支持することが可能となる。
また、図6に示すように、本実施の形態とは異なり、外周凸部131が外シリンダ側部711Aを延長した仮想線IOよりも内側に配置される構成と比較して、本実施の形態においては、外シリンダ711がより大きな力でバンプストッパキャップ100を支持できる。このことにより、外シリンダ711の損傷を抑制し、オイルシール729の損傷が低減される。
ここで、エンドプレート728等を外シリンダ711にかしめることにより、外シリンダ711の内周端711Cが、中心線方向においてエンドプレート728から離間した位置となり得る。そして、エンドプレート728から離間した内周端711Cを、外周凸部131等が押圧すると、円環部711Bを曲げる力が加わることとなる。
なお、第1凹部130Aおよび第3凹部130Cを備えるバンプストッパキャップ100は、円環部の内周端と対峙する部分に、内周端から離間する向きに没入する凹部が形成される構成として捉えることができる。また、内周凸部132と外周凸部131とを、円環部および円環部の内周側に設けられる部材を押圧する押圧部として捉えることができる。
ここで、円環部711Bにおける外周凸部131等によって押圧される部分を力点とし、接続部711Dを支点として考えると、力点を支点側に近づけることにより、円環部711Bが支点を中心として移動する(回転する)量が抑制される。
具体的に説明をすると、図7に示すように、円環部711Bの径方向内周側および外周側では、円環部711B(第1凹部130Aおよび第3凹部130C)に沿って流路が形成される。また、径方向においては、第1凸部130および第2凸部135に挟まれる領域において流路が形成される。
これらの流路を通して、バンプストッパキャップ100内の埃あるいはエア等が外部へと排出される。
[変形例1]
次に、変形例1が適用されるバンプストッパキャップ100について説明する。なお、上述した実施形態1と同様のものについては同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図8は、変形例1のバンプストッパキャップ100の概略構成を示す図である。なお、図8(a)は、図7に対応するバンプストッパキャップ100の構成図であり、図8(b)は、図8(a)におけるVIIIb―VIIIb線の断面図であり、図8(c)は、図8(a)におけるVIIIc―VIIIc線の断面図である。また、図8(a)においては、バンプストッパキャップ100を外シリンダ711に装着した際における、外シリンダ711の各部の位置を破線で示している。
次に、変形例2が適用されるバンプストッパキャップ100について説明する。なお、上述した実施形態1と同様のものについては同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図9−1および図9−2は、変形例2のバンプストッパキャップ100の概略構成を示す図である。
なお、基部1300は、上記第1凸部130における外周凸部131に対応する部分である。さらに説明をすると、基部1300は、内周端711Cよりも径方向外側にて周方向に沿って延びる部分であり、この基部1300の一部は、外シリンダ側部711A上に位置する。
また、図9−1(c)に示すように、基部1300、およびこの基部1300の周方向両端および周方向中央部から、径方向外側に向かって延びる部分を含み、全体として略E字状に第1凸部1303を形成してもよい。
また、図9−1(e)に示すように、基部1300、およびこの基部1300の周方向中央部から、径方向内側に向かって延びる部分を含み、全体として略T字状(略L字状)に第1凸部1306を形成してもよい。なお、この略T字状における外シリンダ711の内周端711Cと対峙する部分には、内周端711Cから離間する離間部1307が設けられてもよい。
また、図9−1(g)に示すように、径方向に沿って延びる部分と、この径方向に延びる部分の径方向外側の端部が二股に分岐して延びる形状となる部分を含み、全体として略Y字状に第1凸部1311を形成してもよい。なお、この略Y字状における外シリンダ711の内周端711Cと対峙する部分には、内周端711Cから離間する離間部1312が設けられてもよい。
また、図9−2(i)に示すように、基部1300、およびこの基部1300の周方向中央部から径方向内側に向かって延びるとともに、基部1300の周方向両端部から径方向外側に向かって延びる部分を含み、全体として略エッフェル塔形状(略T字状)に第1凸部1315を形成してもよい。なお、この略塔形状における外シリンダ711の内周端711Cと対峙する部分には、内周端711Cから離間する離間部1316が設けられてもよい。
また、図9−2(k)に示すように、上述の基部1300の周方向両端部にあたる部分、および外シリンダ711の内周端711Cよりも径方向内側の部分の計3カ所に設けられた突出部分により、第1凸部1319を形成してもよい。
また、図9−2(m)に示すように、外シリンダ711の内周端711Cを挟んで径方向において並んだ計2カ所に設けられた突出部分により、第1凸部1322を形成してもよい。
次に、変形例3が適用されるバンプストッパキャップ200について説明する。なお、上述した実施形態1と同様のものについては同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図10は、変形例3のバンプストッパキャップ200の概略構成を示す図である。なお、図10(a)は、変形例3のバンプストッパキャップ200の斜視図であり、図10(b)は、図10(a)に示すXbからみた図の拡大図であり、図10(c)は、図10(a)に示すXc−Xc線の断面図である。
ここで、側部210の中心線におけるバンプラバー41側の端部において、径方向に沿って側部210を貫通する開口孔223が複数形成されている。なお、図示の例においては、開口孔223によって、覆い部220の外周側も一部切り欠かれている。
また、図10(c)に示すように、開口孔223は、第2凸部235および第3凹部230Cの面に沿う流路の流れを妨げない位置に形成されている。すなわち、中心線方向において、第2凸部235および第3凹部230Cの面の位置は、開口孔223の開口領域に含まれるように、開口孔223の位置が定められている。
また、覆い部220の外周側も一部切り欠かれていることから、径方向に加えて、中心線方向に沿う方向においても、バンプストッパキャップ200内側から外側に向けて液体等の排出を行うことが可能となる。
さらに、開口孔223は、開口孔223が形成されていない場合に、覆い部220の内側表面に沿って流れる液体等が覆い部220に突き当たり淀み得る領域を開放することにより、覆い部220の内側表面に沿う液体等の流れを促進し得る。
また、変形例3において、第1凸部230は、略Aの形状となっているが、これに限らず、変形例2(図9−1および図9−2)に示すような種々の第1凸部の形状としてもよい。
Claims (4)
- シリンダと、
前記シリンダ内に収納されたピストンと、
前記ピストンを支持するとともに一部が前記シリンダから突出するピストンロッドと、
前記シリンダにおける前記ピストンロッドが突出する側の端部を覆うカバー部材と、
を備え、
前記シリンダは、
円筒状の側部と、
前記側部の前記ピストンロッドが突出する側の端部から前記シリンダの中心線側に延びる円環部とを有し、
前記カバー部材は、
前記シリンダの前記円環部の内周端よりも径方向外側で、かつ少なくとも一部が当該シリンダの前記側部を当該シリンダの中心線に沿って延長した仮想線上に配置され、当該円環部を押圧する押圧部を有する
ことを特徴とする懸架装置。 - 前記カバー部材は、前記円環部の径方向において、当該円環部の前記内周端を挟んで前記押圧部と対峙して設けられ当該円環部の内周側に設けられる部材を押圧する他の押圧部を有し、当該押圧部と当該他の押圧部との間にて流体が流れる流路が形成されることを特徴とする請求項1記載の懸架装置。
- 前記カバー部材は、前記円環部の径方向に沿って流体が流れる径方向流路と、当該径方向流路に対する当該円環部の径方向外側にて当該円環部の径方向に貫通する貫通孔とを有することを特徴とする請求項1記載の懸架装置。
- 円筒状の側部と当該側部から当該側部の中心線側に延びる円環部とを有するシリンダのピストンロッドが突出する側の端部を覆う覆い部と、
前記覆い部に設けられるとともに、前記円環部の径方向において、当該円環部の内周端よりも外側でありかつ前記側部よりも内側の位置から、少なくとも当該側部の位置までにわたって設けられ、当該円環部を押圧する押圧部と
を有することを特徴とするカバー部材。
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