JP2014198878A - 高圧水素ガス中の耐水素脆化特性に優れた水素用鋼構造物ならびに水素用蓄圧器および水素用ラインパイプの製造方法 - Google Patents

高圧水素ガス中の耐水素脆化特性に優れた水素用鋼構造物ならびに水素用蓄圧器および水素用ラインパイプの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来鋼より高圧水素環境中での疲労き裂進展速度を低下させた、優れた耐水素脆化特性を有する水素用蓄圧器や水素用ラインパイプ等の水素用鋼構造物を提供することを目的とする。【解決手段】マルテンサイトの面積率が10〜95%であり、残部が実質的にベイナイトからなる鋼組織を有する高圧水素ガス中の耐水素脆化特性に優れた水素用鋼構造物であり、質量%で、C:0.10〜0.50%、Si:0.05〜0.5%、Mn:0.5〜2.0%、Al:0.01〜0.10%、N:0.0005〜0.008%、P:0.05%以下、S:0.01%以下、O:0.01%以下を含有する鋼組成とすることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、高圧水素環境中で優れた耐水素脆化特性を有する水素用蓄圧器や水素用ラインパイプ等の水素用鋼構造物、ならびにこれら水素用蓄圧器および水素用ラインパイプの製造方法に関する。
近年、クリーンなエネルギー源として、また、エネルギーの多様化の観点から、世界的に水素が大きく注目されている。特に、高圧水素ガスを燃料源とする燃料電池自動車に対する期待は大きく、燃料電池自動車の開発に関連した研究が世界的に広く進められており、一部では、すでに実用化試験まで行われている。
燃料電池車はガソリンの代わりに水素をタンクに積んで走行するため、燃料電池自動車の普及のためには、ガソリンスタンドに代わって燃料補給を行う水素ステーションが必要となる。水素ステーションでは水素を高圧で貯蔵する水素用容器である水素用蓄圧器から車載の水素燃料タンクへ水素を充填する。車載の水素タンクへの充填最高圧力は、現状では35MPaであるが、航続距離をガソリン車並とするために、充填最高圧力を70MPaとすることが期待されており、このような高圧水素環境下で、水素を安全に貯蔵、供給することが要求される。そのため水素ステーションの水素用蓄圧器の圧力も現状では40MPaが要求されているが、さらに充填最高圧力を70MPaに上昇する場合、水素ステーションの水素用蓄圧器の圧力は80MPaが要求されることとなり、水素ステーションの水素用蓄圧器は80MPaの環境にさらされることになる。
一方、低合金鋼に水素が侵入すると脆化することが知られている。水素圧が15MPa程度までであれば、十分な肉厚を有する低合金鋼が用いられているが、それ以上の圧力では使用中に水素脆性破壊する危険性が高まるため、低合金鋼は使用されず、低合金鋼よりも水素脆化し難いSUS316L鋼等のオーステナイト系ステンレス鋼等が用いられている。
しかし、SUS316L鋼等は鋼材のコストが高いことに加えて、強度が低いため、80MPaの水素圧に耐えうるように設計するためには、非常に肉厚が厚くなり、水素用蓄圧器そのものの価格も非常に高価となる。そのため、より低コストで80MPaの圧力に耐えうる水素ステーション用の水素用蓄圧器を開発することが要望されている。
上記問題点を解決し、低合金鋼を高圧水素蓄圧器に適用するための技術が種々検討されている。特許文献1では、鋼中水素のトラップサイトとして、MnSやCa系介在物、またはVCを活用して非拡散性水素とし、拡散性水素による脆化を抑制する高圧水素環境用鋼が提案されている。特許文献2、3では、Cr−Mo鋼の調質処理において比較的高い温度で焼戻し処理をすることで引張強度を900〜950MPaの極めて狭い範囲に制御した、耐高圧水素環境脆化特性に優れた低合金高強度鋼が提案されている。特許文献4では、V−Mo系炭化物を活用し、焼戻し温度を高めることで耐水素環境脆化特性を向上した、高圧水素環境用低合金鋼が提案され、特許文献5では、MoとVを多量に添加し、鋼板製造時に焼準処理の後に長時間の応力除去焼鈍を施すことで、(Mo,V)Cを多量に析出させた耐水素性に優れた高圧水素ガス貯蔵容器用鋼が提案されている。特許文献6では、セメンタイトの微細化により水素侵入量を低減し母材靭性を向上させることにより水素脆化を抑制する技術が、特許文献7では、粗大セメンタイトおよび島状マルテンサイト(MA)の生成を抑制することにより、水素侵入と延性低下を抑制することにより水素脆化を抑制する技術が提案されている。なお、通常の低合金鋼についての疲労き裂進展特性については、非特許文献1、2等に記載されている。
特開2005−2386号公報 特開2009−46737号公報 特開2009−275249号公報 特開2009−74122号公報 特開2010−37655号公報 特開2012−107332号公報 特開2012−107333号公報
和田洋流著:「水素エネルギーシステム」,Vol.35,No.4(2010),p.38〜44 宮本泰介ら著:「日本機械学会論文集(A編)」,78巻,788号(2012),p.531〜546
特に高圧水素環境下で使用する水素用蓄圧器では、繰り返し水素の充填を行うことにより、容器に繰返し応力がかかるため、長期間の使用寿命を確保することが難しかった。使用寿命を長期間化する上では、疲労き裂進展速度を低減することが重要である。しかしながら、上記したような従来技術では、疲労き裂進展速度を十分に低下させることはできなかった。
また、水素用パイプラインで使用される水素用ラインパイプ等、現状では必ずしも水素用蓄圧器ほどの高圧水素環境下にはない水素用鋼構造物についても、水素用蓄圧器と同程度の安全性を確保できることが望ましい。
本発明は、上記の現状に鑑み開発されたもので、従来鋼より高圧水素環境中での疲労き裂進展速度を低下させた、優れた耐水素脆化特性を有する水素用蓄圧器や水素用ラインパイプ等の水素用鋼構造物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の観点で様々な組織形態を有する水素用鋼構造物の高圧水素ガス中における耐水素脆化特性を慎重に調べた結果、鋼組織を所定量のマルテンサイトを有し残部を実質的にベイナイトとする、すなわち鋼組織を実質的にベイナイトおよびマルテンサイトの二相組織とすることによって、単相組織の従来材よりも高圧水素ガス中での耐水素脆化特性を向上でき、耐水素脆化特性に優れた水素用蓄圧器や水素用ラインパイプ等の水素用鋼構造物を得ることができることを見出した。
本発明は、かかる新たな知見に基づき、更に検討を加えてなされたものであって、以下を要旨構成とする。
[1]マルテンサイトの面積率が10〜95%であり、残部が実質的にベイナイトからなる鋼組織を有する高圧水素ガス中の耐水素脆化特性に優れた水素用鋼構造物。
[2]質量%で、C:0.10〜0.50%、Si:0.05〜0.5%、Mn:0.5〜2.0%、Al:0.01〜0.10%、N:0.0005〜0.008%、P:0.05%以下、S:0.01%以下、O:0.01%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼組成を有することを特徴とする、前記[1]に記載の水素用鋼構造物。
[3]さらに、質量%で、Cu:0.05〜1.0%、Ni:0.05〜2.0%、Cr:0.1〜2.5%、Mo:0.05〜2.0%、Nb:0.005〜0.1%、V:0.005〜0.2%、Ti:0.005〜0.1%、W:0.05〜2.0%、B:0.0005〜0.005%の一種または二種以上を含有する鋼組成を有することを特徴とする、前記[2]に記載の水素用鋼構造物。
[4]さらに、質量%で、Nd:0.005〜1.0%、Ca:0.0005〜0.005%、Mg:0.0005〜0.005%、REM:0.0005〜0.005%の一種または二種以上を含有する鋼組成を有することを特徴とする、前記[2]または[3]に記載の水素用鋼構造物。
[5]前記水素用鋼構造物が、水素用蓄圧器あるいは水素用ラインパイプである、前記[1]ないし[4]のいずれか一つに記載の水素用鋼構造物。
[6]前記[5]に記載する水素用ラインパイプの製造方法であって、前記[2]〜[4]のいずれかに記載の鋼組成を有する鋼素材を、Ac変態点以上に加熱し、熱間圧延後、引続きAr変態点以上から冷却速度1〜200℃/sで600℃以下の温度まで冷却することを特徴とする、高圧水素ガス中の耐水素脆化特性に優れた水素用ラインパイプの製造方法。
[7]前記[5]に記載する水素用ラインパイプの製造方法であって、前記[2]〜[4]のいずれかに記載の鋼組成を有する鋼素材を、Ac変態点以上に加熱し、熱間圧延後、引続きAr変態点以上から冷却速度1〜200℃/sで250℃以下の温度まで焼入れ、引続きAc変態点以下の温度で焼戻すことを特徴とする、高圧水素ガス中の耐水素脆化特性に優れた水素用ラインパイプの製造方法。
[8]前記[5]に記載する水素用蓄圧器の製造方法であって、前記[2]〜[4]のいずれかに記載の鋼組成を有する鋼材を所定の形状に成形後、Ac変態点以上に加熱し、引続きAr変態点以上から冷却速度0.5〜100℃/sで250℃以下の温度まで焼入れ、引続きAc変態点以下の温度で焼戻すことを特徴とする、高圧水素ガス中の耐水素脆化特性に優れた水素用蓄圧器の製造方法。
本発明によれば、従来よりも高圧水素ガス中の耐水素脆化特性が極めて優れる水素用蓄圧器や水素用ラインパイプ等の水素用鋼構造物を得ることができ、産業上極めて有用である。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明の水素用鋼構造物の鋼組織は、マルテンサイトの面積率が10〜95%であり、残部が実質的にベイナイトからなる。
本発明の水素用鋼構造物の鋼組織は、軟質なベイナイトと硬質のマルテンサイトが分散しており、それらの界面近傍で疲労き裂が停滞し、迂回、分岐する効果のため、疲労き裂の進展速度が低下し、優れた耐水素脆化特性を有する。
このような効果は、組織全体に対する面積率で、マルテンサイト組織の面積率を10〜95%とし、残部を基本的にベイナイトとすること、すなわち主としてマルテンサイトおよびベイナイトの二相組織とすることで、明らかな効果が認められるため、本発明では、上記水素用鋼構造物の鋼組織を、マルテンサイト組織の面積率を10〜95%とし、残部を実質的にベイナイト組織とする。好ましくはマルテンサイトの面積率は20〜95%、より好ましくは25〜95%である。ここで、ベイナイト組織とマルテンサイト組織の面積率がほぼ同じ場合、すなわちベイナイト組織とマルテンサイト組織の合計の面積率に対するマルテンサイト組織の面積率の割合である、マルテンサイト面積率比[マルテンサイト面積率比:(マルテンサイト組織の面積率)/((ベイナイト組織の面積率)+(マルテンサイト組織の面積率))]が、0.3〜0.7の場合に、最も疲労き裂進展速度が低下する。このため、マルテンサイト面積率比は0.3〜0.7とすることが好ましい。より好ましくは、マルテンサイト面積率比は0.4〜0.6である。なお、マルテンサイト組織以外の残部は、実質的にはベイナイトとするが、フェライトやパーライト等、マルテンサイトおよびベイナイト以外の組織を合計の面積率で2%以下であれば、本発明の効果に影響はないため、含有しても良い。すなわち、マルテンサイトとベイナイトの合計の面積率が98%以上であれば、その他の組織を含有しても良い。
組織分率の測定は、例えばナイタールエッチングによって、ミクロ組織を現出させ、光学顕微鏡またはSEM(Scanning Electron Microscope)を用いて組織写真を撮影し、それぞれの組織を識別して、面積率を求めればよい。
なお、高圧水素ガス中の耐水素脆化特性に優れた水素用鋼構造物とは、後述するような応力拡大係数範囲ΔK=25(MPa・m1/2)の時の疲労き裂進展速度が1.0×10−6(m/cycle)以下である水素用鋼構造物を意味し、水素用蓄圧器や水素用ラインパイプが例示される。
また、本発明の水素用鋼構造物である水素用蓄圧器は、前記したように、水素ステーションなどで使用される蓄圧器であり、例えば、タイプ1の鋼材のみを用いるタイプまたは、タイプ2およびタイプ3の鋼材に炭素繊維強化プラスチック(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastic)を巻くタイプである。なお、ここでタイプ1、タイプ2、タイプ3とは、圧縮天然ガス自動車燃料容器に関する各規格、ISO11439、ANSI/NGV、高圧ガス保安法 容器保安規則例示基準別添9などに記載される容器の構造についての区分である。また、貯蔵される水素の圧力としては、35MPa程度または70MPa程度である。また、本発明の水素用鋼構造物である水素用ラインパイプは、シームレスタイプまたはUOEタイプの鋼管であり、水素の圧力としては、5MPa以上である。
次に、本発明の水素用鋼構造物の好ましい鋼組成を上記範囲に限定した理由について、説明する。なお、成分組成を示す%は、特に断らない限り、質量%を意味する。
C:0.10〜0.50%
Cは、適度な焼入れ性を確保するために含有するが、0.10%未満ではその効果が不十分であり、一方、0.50%を超えると母材および溶接熱影響部の靭性が劣化するとともに、溶接性が著しく劣化する。従って、C含有量を0.10〜0.50%に限定する。
Si:0.05〜0.5%
Siは、製鋼段階の脱酸材および焼入れ性を確保する元素として含有するが、0.05%未満ではその効果が不十分であり、一方、0.5%を超えると粒界が脆化し、低温靭性を劣化させる。従って、Si含有量を0.05〜0.5%に限定する。
Mn:0.5〜2.0%
Mnは、焼入れ性を確保する元素として含有するが、0.5%未満ではその効果が不十分であり、一方、2.0%を超えて含有すると、粒界強度が低下し、低温靭性が劣化する。したがって、Mn含有量を0.5〜2.0%に限定する。
Al:0.01〜0.10%
Alは、脱酸材として添加されると同時に、Al系窒化物の微細析出物として加熱時にオーステナイト粒をピンニングし、粒の粗大化を抑制する効果があるが、0.01%未満の場合にはその効果が十分でなく、一方、0.10%を超えて含有すると、鋼板の表面疵が発生し易くなる。従って、Al含有量を0.01〜0.10%に限定する。
N:0.0005〜0.008%
Nは、Nb、Ti、Alなどと窒化物を形成することによって微細析出物を形成し、加熱時にオーステナイト粒をピンニングすることによって、粒の粗大化を抑制し、低温靭性を向上させる効果を有するために添加する。0.0005%未満の添加では組織の微細化効果が充分にもたらされず、一方、0.008%を超える添加は固溶N量が増加するために母材および溶接熱影響部の靭性を損なう。従って、N含有量を0.0005〜0.008%に限定する。
P:0.05%以下
不純物元素であるPは、結晶粒界に偏析しやすく、0.05%を超えると隣接結晶粒の接合強度を低下させ、低温靭性を劣化させる。従って、P含有量を0.05%以下に限定する。
S:0.01%以下
不純物元素であるSは、結晶粒界に偏析しやすく、また、非金属介在物であるMnSを生成しやすい。0.01%を超えると隣接結晶粒の接合強度が低下し、介在物の量が多くなり、低温靭性を劣化させる。従って、S含有量を0.01%以下に限定する。
O:0.01%以下
Oは、Alなどと酸化物を形成することによって、材料の加工性に影響を及ぼす。0.01%を超える含有は介在物が増加し、加工性を損なう。従って、O含有量を0.01%以下に限定する。
本発明では、上記成分組成の残部はFeおよび不可避的不純物からなる鋼組成とすることが好ましいが、所望する特性に応じて更に、Cu:0.05〜1.0%、Ni:0.05〜2.0%、Cr:0.1〜2.5%、Mo:0.05〜2.0%、Nb:0.005〜0.1%、V:0.005〜0.2%、Ti:0.005〜0.1%、W:0.05〜2.0%、B:0.0005〜0.005%の一種または二種以上、Nd:0.005〜1.0%、Ca:0.0005〜0.005%、Mg:0.0005〜0.005%、REM:0.0005〜0.005%の一種または二種以上を、個別にあるいは同時に適宜含有させることがより好ましい。
Cu:0.05〜1.0%
Cuは、焼入れ性を向上する作用を有している。0.05%未満ではその効果が充分でなく、一方、1.0%を超えると、鋼片加熱時や溶接時に熱間での割れを生じやすくする。従って、Cuを添加する場合には、その含有量を0.05〜1.0%に限定する。
Ni:0.05〜2.0%
Niは、Cuと同様に焼入れ性を向上する作用を有しており、さらに靭性を向上する作用も有する。0.05%未満ではその効果が充分ではなく、一方、2.0%を超えると、経済性が劣る。従って、Niを添加する場合には、その含有量を0.05〜2.0%に限定する。
Cr:0.1〜2.5%
Crは、焼入れ性を確保する元素として含有するが、0.1%未満ではその効果が不十分であり、一方、2.5%を超えて含有すると溶接性が劣化する。従って、Crを添加する場合には、その含有量を0.1〜2.5%に限定する。
Mo:0.05〜2.0%
Moは、焼入れ性を向上する作用を有するが、0.05%未満ではその効果が不十分であり、一方、2.0%を超える添加は経済性が劣る。従って、Moを添加する場合には、その含有量を0.05〜2.0%に限定する。
Nb:0.005〜0.1%
Nbは、焼入れ性を向上する作用を有するとともに、Nb系炭窒化物の微細析出物として加熱時にオーステナイト粒をピンニングし、粒の粗大化を抑制する。含有量が0.005%未満ではその効果が不十分であり、一方、0.1%を超える添加は溶接熱影響部の靭性を劣化させる。従って、Nbを添加する場合には、その含有量を0.005〜0.1%に限定する。
V:0.005〜0.2%
Vは、焼入れ性を向上する作用を有すると共に、V系炭化物の微細析出物として加熱時にオーステナイト粒をピンニングし、粒の粗大化を抑制する。含有量が0.005%未満ではその効果が不十分であり、一方、0.2%を超える添加は溶接熱影響部の靭性を劣化させる。従って、Vを添加する場合には、その含有量を0.005〜0.2%に限定する。
Ti:0.005〜0.1%
Tiは、焼入れ性を向上する作用を有するとともに、Ti系炭窒化物の微細析出物として加熱時にオーステナイト粒をピンニングし、粒の成長を抑制する効果がある。含有量が0.005%未満ではその効果が不十分であり、一方、0.1%を超える添加は溶接熱影響部の靭性を劣化させる。従って、Tiを添加する場合には、その含有量を0.005〜0.1%に限定する。
W:0.05〜2.0%
Wは、焼入れ性を向上する作用を有するが、0.05%未満ではその効果が不十分であり、一方、2.0%を超えると、溶接性が劣化する。従って、Wを添加する場合は、その含有量を0.05〜2.0%に限定する。
B:0.0005〜0.005%
Bは、焼入れ性を確保する元素として含有するが、0.0005%未満ではその効果が不十分であり、一方、0.005%を超えると、靭性を劣化させる。従って、Bを添加する場合には、その含有量を0.0005〜0.005%に限定する。
Nd:0.005〜1.0%
Ndは、Sを介在物として取り込み、Sの粒界偏析量を低減させ、低温靭性および耐水素脆性を向上させる作用を有している。含有量が0.005%未満ではその効果が不十分であり、一方、1.0%を超える添加は溶接熱影響部の靭性を劣化させる。従って、Ndを添加する場合には、その含有量を0.005〜1.0%に限定する。
Ca:0.0005〜0.005%
Caは、CaSを形成し、圧延によって展伸しやすい介在物であるMnSの代わりに、圧延により展伸しにくい球状介在物であるCaSへと、硫化物系介在物の形態を制御する作用を有する。含有量が0.0005%未満ではその効果は充分ではなく、一方、0.005%を超えて含有すると清浄度が低下するため、靭性などの材質が劣化する。したがって、Caを添加する場合には、その含有量を0.0005〜0.005%に限定する。
Mg:0.0005〜0.005%
Mgは、溶銑脱硫材として使用する場合がある。含有量が0.0005%未満ではその効果は充分ではなく、一方、0.005%を超える添加は、清浄度の低下を招く。従って、Mgを添加する場合には、その添加量を0.0005〜0.005%に限定する。
REM:0.0005〜0.005%
REMは、鋼中でREM(O、S)として硫化物を生成することによって結晶粒界の固溶S量を低減して耐SR割れ特性を改善する。含有量が0.0005%未満ではその効果が充分ではなく、一方、0.005%を超える添加は、沈殿晶帯にREM硫化物が著しく集積し、材質の劣化を招く。従って、REMを添加する場合には、その添加量を0.0005〜0.005%に限定する。なお、REMとはRare Earth Metalの略、であり、希土類金属である。
本発明の水素用鋼構造物は、上記鋼組織を有するものであり、好ましくは、上記の成分組成を有するものとすればよく、その製造方法は、特に限定されるものではない。以下に、本発明の水素用鋼構造物である水素用ラインパイプ、水素用蓄圧器を例示して、本発明の水素用鋼構造物の好ましい製造方法について説明する。なお、本発明の水素用鋼構造物は、上記鋼組織を有し、好ましくは上記の成分組成を有する高圧水素ガス中の耐疲労き裂進展特性に優れる薄板、厚板、パイプ、形鋼および棒鋼など種々の鋼材をそのまま使用する水素用鋼構造物、あるいは所定形状に成形した水素用鋼構造物としてもよい。
また、製造条件における温度規定は鋼材中心部のものとし、薄板、厚板、パイプ、形鋼は板厚中心、棒鋼では径方向の中心とする。但し、中心部近傍はほぼ同様の温度履歴となるので、中心そのものに限定するものではない。
本発明の水素用鋼構造物である水素用ラインパイプは、例えば鋼素材を熱間圧延して加速冷却する、あるいは直接焼入れ焼戻しすることにより製造することができる。
鋼素材
本発明の水素用ラインパイプの製造に用いる鋼素材は、上記成分組成に調整された溶鋼から鋳造する。ここで、特に鋳造条件を限定する必要はなく、いかなる鋳造条件で製造された鋼素材としてもよい。溶鋼から鋳片を製造する方法や、鋳片を圧延して鋼片を製造する方法は特に規定しない。転炉法・電気炉法等で溶製された鋼や、連続鋳造・造塊法等で製造された鋼スラブが利用できる。
加速冷却による製造
上記鋼素材を、Ac変態点以上に加熱し、熱間圧延によって所定の板厚とし、引続きAr変態点以上から、水冷などにより冷却速度を1〜200℃/sとして600℃以下の温度まで加速冷却する。加熱温度がAc変態点未満では、一部未変態オーステナイトが残存するため、熱間圧延および加速冷却後に所望の鋼組織を得ることができない。このため、熱間圧延前の加熱温度はAc変態点以上とする。また、熱間圧延後の冷却の開始温度がAr変態点未満であるとオーステナイトの一部の変態が冷却開始前に生じてしまうため、加速冷却後に所望の鋼組織を得ることができない。このため熱間圧延後、Ar変態点以上から冷却を開始する。Ar変態点以上からの冷却速度は、所望の組織を得るため、1〜200℃/sとする。なお、該冷却速度は、板厚中心での平均冷却速度である。冷却手段は特に限定する必要はなく、水冷等により行えばよい。また、該冷却を600℃超えの温度で停止すると、所望の変態が完了しないため、所望の鋼組織を得ることができない。このため、600℃以下の温度まで加速冷却する。
直接焼入れ焼戻し
上記鋼素材を、Ac変態点以上に加熱し、熱間圧延後、引続きAr変態点以上から冷却速度1〜200℃/sで250℃以下の温度まで焼入れ、引続きAc変態点以下の温度で焼戻す。加熱温度がAc変態点未満では、一部未変態オーステナイトが残存するため、熱間圧延および焼入れ、焼戻し後に所望の鋼組織を得ることができない。このため、熱間圧延前の加熱温度はAc変態点以上とする。また、熱間圧延後の焼入れの開始温度がAr変態点未満であるとオーステナイトの一部の変態が焼入れ前に生じてしまうため、焼入れ、焼戻し後に所望の鋼組織を得ることができない。このため熱間圧延後、Ar変態点以上から冷却を開始し、焼入れを行う。Ar変態点以上から焼入れる際の冷却速度は、所望の組織を得るため、1〜200℃/sとする。なお、該冷却速度は、板厚中心での平均冷却速度である。冷却手段は特に限定する必要はなく、水冷等により行えばよい。また、該焼入れを250℃超えの温度で停止すると、所望の変態が完了しないため、焼戻し後に所望の鋼組織を得ることができない。このため、250℃以下の温度まで焼入れることとする。焼入れ後は、引き続きAc変態点以下の温度で焼戻す。焼戻し温度がAc変態点を超えると、一部オーステナイトに変態するため、焼戻し後に所望の鋼組織を得ることができない。
本発明の水素用鋼構造物である水素用蓄圧器は、例えば所定の成分組成を有する鋼材を所定形状、すなわち所望する水素用蓄圧器の形状に成形後、再加熱焼入れ焼戻しすることにより製造することができる。
再加熱焼入れ焼戻し
上記の成分組成を有する鋼材を、所定形状に成形後、Ac変態点以上に加熱し、引続きAr変態点以上から冷却速度0.5〜100℃/sで250℃以下の温度まで焼入れ、引続きAc変態点以下の温度で焼戻す。ここで、Ac変態点以上に加熱する鋼材は、上記した成分組成を有するものであれば良く、鋼組織は特に規定する必要はない。所定形状に成形後の加熱温度がAc変態点未満では、一部未変態オーステナイトが残存するため、熱間圧延および焼入れ、焼戻し後に所望の鋼組織を得ることができない。このため、加熱温度はAc変態点以上とする。また、加熱後の焼入れの開始温度がAr変態点未満であるとオーステナイトの一部の変態が冷却前に生じてしまうため、焼入れ、焼戻し後に所望の鋼組織を得ることができない。このため前記加熱後に、Ar変態点以上から冷却を開始し、焼入れを行う。Ar変態点以上から焼入れる際の冷却速度は、所望の組織を得るとともに、焼割れを防止するため、0.5〜100℃/sとする。なお、該冷却速度は、板厚(蓄圧器の壁厚)中心での平均冷却速度である。冷却手段は特に限定する必要はなく、油冷や水冷等により行えばよい。また、該焼入れ、すなわち該冷却を250℃超えの温度で停止すると、所望の変態が完了しないため、焼戻し後に所望の鋼組織を得ることができない。このため、250℃以下の温度まで焼入れることとする。焼入れ後は、引き続きAc変態点以下の温度で焼戻す。焼戻し温度がAc変態点を超えると、一部オーステナイトに変態するため、焼戻し後に所望の鋼組織を得ることができない。
なお、本発明では、Ac変態点(℃)、Ar変態点(℃)およびAc変態点(℃)の求め方については特に規定しないが、例えばAc=854−180C+44Si−14Mn−17.8Ni−1.7Cr、Ar=910−310C−80Mn−20Cu−15Cr−55Ni−80Mo、Ac=723−14Mn+22Si−14.4Ni+23.3Crとして求めることができる。なお、上記式中において各元素記号は各元素の鋼中含有量(質量%)である。
以上の条件によって、所望の量のマルテンサイトを有し残部を実質的にベイナイトとする鋼組織を有する水素用鋼構造物である水素用ラインパイプあるいは水素用蓄圧器が得られる。
以下、本発明の効果を検証した実施例について、説明する。なお、以下の実施例においては、水素用ラインパイプおよび水素用蓄圧器の製造方法および特性評価を、鋼板の製造方法および特性評価でシミュレイトした。具体的には、製造方法が加速冷却あるいは直接焼入れ焼戻しの場合は、水素用ラインパイプをシミュレイトした場合であり、再加熱焼入れ焼戻しの場合は水素用蓄圧器をシミュレイトした場合である。
表1に示す化学成分の鋼A〜Hを溶製してスラブに鋳造し、表2に示す加熱温度に加熱後、熱間圧延して、表2に示す条件で水冷により加速冷却して(鋼板No.1、4)あるいは直接焼入れ焼戻して(鋼板No.2、5)鋼板を製造した。また、スラブに鋳造後、一旦鋼板とし、該鋼板を表2に示す条件にて水冷あるいは油冷により焼入れを行う再加熱焼入れ焼戻しをして(鋼板No.3、6〜15)鋼板を製造した。なお、鋼板の温度測定は、板厚中心部に挿入した熱電対によって実施した。また、表2に示す水冷の際の冷却速度は10〜50℃/s、油冷の際の冷却速度は1℃/s〜50℃/sの範囲内であった。
表2に得られた鋼板のマルテンサイト面積率、引張強さ、90MPa高圧水素ガス中における応力拡大係数範囲=25MPa・m1/2時の疲労き裂進展速度(m/cycle)を示す。材料試験および材料特性の評価法は次のとおりである。なお、表2に示す各鋼板のマルテンサイト以外の組織は主としてベイナイトであり、マルテンサイトおよびベイナイト以外の組織の合計の面積率は2%以下であった。また、疲労き裂進展速度は、1.0×10−6(m/cycle)以下を目標とし、この目標を満足する場合、耐水素脆化特性に優れるとした。
(1)鋼板の組織
3%ナイタールエッチングによって、ミクロ組織を現出させ、圧延方向に平行な断面の200〜400倍間の適切な倍率で板厚1/4位置の光学顕微鏡写真を撮影し、それぞれの組織を目視で識別して、画像解析により面積率を求めた。
(2)引張特性
JISZ2201(1980)に準拠する圧延方向を長手方向(引張方向)とする全厚引張試験片を用い、JISZ 2241に準拠して引張試験を行い評価した。
(3)疲労き裂進展試験
疲労き裂伝播特性の調査は、各鋼板から、荷重負荷方向が圧延方向と平行になるようASTM E 647に準拠したCT試験片を採取し、クリップゲージを用いて、コンプライアンス法で疲労き裂の長さを測定して、90MPa高圧水素ガス中における疲労き裂伝播速度を求めた。なお試験片は、板厚が10mm以下の場合は表面から0.5mmずつ研削して各々2mm、5mm、8mm、9mmとし、これら以外の板厚の場合はt/2(t:板厚)の位置から10mm厚さの試験片を採取し、また、き裂進展部には表裏ともに鏡面研磨を施した。この際、パリス則が成り立つ安定成長領域として、応力拡大係数範囲ΔK=25(MPa・m1/2)での疲労き裂進展速度(m/cycle)を代表値として評価した。また、疲労き裂進展速度の目標は、1.0×10−6(m/cycle)以下とした。
表2に示した鋼板No.1〜6、8、11、14は、化学成分および製造条件いずれの条件も本発明を満足し、主としてベイナイトおよびマルテンサイトの二相組織を呈し、マルテンサイト面積率は本発明の範囲を満足し、疲労き裂進展速度は1.0×10−6(m/cycle)以下であり、高圧水素ガス中の耐水素脆化特性に優れていることが判る。
一方、鋼板No.7は、加熱温度が、本発明範囲の下限(Ac)より低く、マルテンサイト面積率および疲労き裂進展速度のいずれも目標値に達していない。鋼板No.9、12は、冷却開始温度(水冷または油冷の開始温度)が、本発明範囲の下限(Ar)より低く、本発明範囲から外れており、マルテンサイト面積率および疲労き裂進展速度のいずれも目標値に達していない。鋼板No.10、13は、冷却停止温度(水冷または油冷の停止温度)が、本発明範囲の上限(250℃)より高く、本発明範囲から外れており、マルテンサイト面積率および疲労き裂進展速度のいずれも目標値に達していない。鋼板No.15は、焼戻し温度が、本発明範囲の上限(Ac)より高く、本発明範囲から外れており、マルテンサイト面積率および疲労き裂進展速度のいずれも目標値に達していない。なお、これら比較例として提示した鋼板No.7、9、10、12、13、15に関しても、主としてベイナイトおよびマルテンサイトの二相組織を呈していた。
上記結果から明らかなように、本発明例は、疲労き裂進展速度は1.0×10−6(m/cycle)以下であり、水素脆化特性に優れるものであり、耐水素脆化特性に優れる水素用蓄圧器や水素用ラインパイプ等の水素用鋼構造物を得られることがわかる。
Figure 2014198878
Figure 2014198878

Claims (8)

  1. マルテンサイトの面積率が10〜95%であり、残部が実質的にベイナイトからなる鋼組織を有する高圧水素ガス中の耐水素脆化特性に優れた水素用鋼構造物。
  2. 質量%で、C:0.10〜0.50%、Si:0.05〜0.5%、Mn:0.5〜2.0%、Al:0.01〜0.10%、N:0.0005〜0.008%、P:0.05%以下、S:0.01%以下、O:0.01%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼組成を有することを特徴とする、請求項1に記載の水素用鋼構造物。
  3. さらに、質量%で、Cu:0.05〜1.0%、Ni:0.05〜2.0%、Cr:0.1〜2.5%、Mo:0.05〜2.0%、Nb:0.005〜0.1%、V:0.005〜0.2%、Ti:0.005〜0.1%、W:0.05〜2.0%、B:0.0005〜0.005%の一種または二種以上を含有する鋼組成を有することを特徴とする、請求項2に記載の水素用鋼構造物。
  4. さらに、質量%で、Nd:0.005〜1.0%、Ca:0.0005〜0.005%、Mg:0.0005〜0.005%、REM:0.0005〜0.005%の一種または二種以上を含有する鋼組成を有することを特徴とする、請求項2または3に記載の水素用鋼構造物。
  5. 前記水素用鋼構造物が、水素用蓄圧器あるいは水素用ラインパイプである、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の水素用鋼構造物。
  6. 請求項5に記載する水素用ラインパイプの製造方法であって、請求項2〜4のいずれかに記載の鋼組成を有する鋼素材を、Ac変態点以上に加熱し、熱間圧延後、引続きAr変態点以上から冷却速度1〜200℃/sで600℃以下の温度まで冷却することを特徴とする、高圧水素ガス中の耐水素脆化特性に優れた水素用ラインパイプの製造方法。
  7. 請求項5に記載する水素用ラインパイプの製造方法であって、請求項2〜4のいずれかに記載の鋼組成を有する鋼素材を、Ac変態点以上に加熱し、熱間圧延後、引続きAr変態点以上から冷却速度1〜200℃/sで250℃以下の温度まで焼入れ、引続きAc変態点以下の温度で焼戻すことを特徴とする、高圧水素ガス中の耐水素脆化特性に優れた水素用ラインパイプの製造方法。
  8. 請求項5に記載する水素用蓄圧器の製造方法であって、請求項2〜4のいずれかに記載の鋼組成を有する鋼材を所定形状に成形後、Ac変態点以上に加熱し、引続きAr変態点以上から冷却速度0.5〜100℃/sで250℃以下の温度まで焼入れ、引続きAc変態点以下の温度で焼戻すことを特徴とする、高圧水素ガス中の耐水素脆化特性に優れた水素用蓄圧器の製造方法。
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