JP2014198696A - 含窒素芳香族複素環誘導体、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料、及び有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

含窒素芳香族複素環誘導体、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料、及び有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

Info

Publication number
JP2014198696A
JP2014198696A JP2013075268A JP2013075268A JP2014198696A JP 2014198696 A JP2014198696 A JP 2014198696A JP 2013075268 A JP2013075268 A JP 2013075268A JP 2013075268 A JP2013075268 A JP 2013075268A JP 2014198696 A JP2014198696 A JP 2014198696A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
substituted
unsubstituted
formula
ring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013075268A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6088323B2 (ja
Inventor
山本 弘志
Hiroshi Yamamoto
弘志 山本
西村 和樹
Kazuki Nishimura
和樹 西村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Idemitsu Kosan Co Ltd filed Critical Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority to JP2013075268A priority Critical patent/JP6088323B2/ja
Publication of JP2014198696A publication Critical patent/JP2014198696A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6088323B2 publication Critical patent/JP6088323B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】高い発光効率を示す有機EL素子を実現することができる含窒素芳香族複素環誘導体を提供する。
【解決手段】下記式(1−1)または(1−2)で表される含窒素芳香族複素環誘導体。
Figure 2014198696

(式(1−1)及び(1−2)において、R1〜R6は明細書に記載したとおりである。)
【選択図】なし

Description

本発明は含窒素芳香族複素環誘導体、該含窒素芳香族複素環誘導体を含む有機エレクトロルミネッセンス素子用材料(有機EL素子用材料)、及び該含窒素芳香族複素環誘導体を使用してなる有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)に関する。
ナフチリジン構造を有する化合物は高い電子輸送性能を有することが報告されている。例えば、特許文献1は、1,8−ナフチリジンの2位と7位及び/又は3位と6位に同一の置換基を有する化合物、又は2〜3個の1,8−ナフチリジン構造を含む化合物を用いた有機EL素子は、低い印加電圧で高輝度発光を示し耐久性にも優れていると記載している。その実施例には、該ナフチリジン化合物を電子輸送層又は発光/電子輸送層に含む有機EL素子が記載されている。
特許文献2には、1又は2個の1,8−ナフチリジン構造を有する化合物が高い電子輸送性能を有することが報告されており、その例示化合物にはジベンゾフラニル基が1,8−ナフチリジン構造に直結している化合物が含まれている。その実施例には該ナフチリジン化合物を含む電子輸送層を有する有機EL素子が記載されている。
特許文献3は、1,5−ナフチリジンの2位と6位及び/又は3位と7位に同一の置換基を有する化合物及び2又は3個の1,5−ナフチリジン構造を有する化合物を用いた有機EL素子が低い印加電圧で高輝度発光を示し耐久性にも優れていると記載している。その実施例には、該ナフチリジン化合物を電子輸送層又は発光/電子輸送層に含む有機EL素子が記載されている。
特開2007−001878号公報 特開2007−084458号公報 特開2008−127446号公報
ナフチリジン化合物を含有する有機EL素子がすでに提供されているが、より高い発光効率を示す有機EL素子を実現することができるナフチリジン化合物の開発が望まれている。
本発明者らは鋭意研究した結果、下記式(1−1)又は(1−2)で表される含窒素芳香族複素環誘導体を用いた有機EL素子が高発光効率を示すことを見出し、本発明を完成した。
以下に、本発明の好ましい態様を挙げるが、本発明は下記の態様に限定されるものではない。
(1)下記式(1−1)または(1−2)で表される含窒素芳香族複素環誘導体。
Figure 2014198696
(式(1−1)において、
1〜R6の少なくとも一つは下記式(A−1)、(A−2)又は(A−3)で表される基である。
1〜R6のうち、下記式(A−1)、(A−2)又は(A−3)で表されない基は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜15の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜15のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、ハロゲン原子、又はシアノ基を表す。
ただし、R1とR6が同時に下記式(A−1’)で表される基、同時に(A−2’)で表される基、又は同時に(A−3’)で表される基であることはなく、R2とR5が同時に下記式(A−1’)で表される基、同時に(A−2’)で表される基、又は同時に(A−3’)で表される基であることはない。)
Figure 2014198696
(式(1−2)において、
7〜R12の少なくとも一つは下記式(A−1)、(A−2)又は(A−3)で表される基である。
7〜R12のうち、下記式(A−1)、(A−2)又は(A−3)で表されない基は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜15の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜15のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、ハロゲン原子、又はシアノ基を表す。
ただし、R7とR10が同時に下記式(A−1’)で表される基、同時に(A−2’)で表される基、又は同時に(A−3’)で表される基であることはなく、R8とR11が同時に下記式(A−1’)で表される基、同時に(A−2’)で表される基、又は同時に(A−3’)で表される基であることはなく、R9とR12が同時に下記式(A−1’)で表される基、同時に(A−2’)で表される基、又は同時に(A−3’)で表される基であることはない。)
Figure 2014198696
(式(A−1)において、
1〜A8は、それぞれ独立に、CRまたは窒素原子であり、
Rは、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜15の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜15のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、ハロゲン原子、又はシアノ基を表す。隣接する2つのRが結合して、環の一部を形成する置換もしくは無置換の飽和もしくは不飽和の2価の基を形成してもよい。
Lは、単結合、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリーレン基又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリーレン基を表わす。)
Figure 2014198696
(式(A−2)において、
Lは前記と同様である。
Raは、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基を表す。
9〜A12のいずれか1つは*1に結合する炭素原子であり、その他のA9〜A12とA13〜A16は、A1〜A8と同様に定義される。)
Figure 2014198696
(式(A−3)において、
Lは前記と同様である。
L’は置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリーレン基又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリーレン基を表わす。
Xは酸素原子、硫黄原子、又はSiRbRcを表し、Rb及びRcは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数1〜15の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜15のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基を表す。
17〜A20のいずれか1つは*2に結合する炭素原子であり、その他のA17〜A20とA21〜A24は、A1〜A8と同様に定義される。)
Figure 2014198696
(式(A−1’)において、
1〜B8は、それぞれ独立に、CRまたは窒素原子であり、
Rは、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜15の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜15のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、ハロゲン原子、又はシアノ基を表す。隣接する2つのRが結合して、環の一部を形成する置換もしくは無置換の飽和もしくは不飽和の2価の基を形成してもよい。
Lは、単結合、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリーレン基又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリーレン基を表わす。)
Figure 2014198696
(式(A−2’)において、
Lは式(A−1’)と同様である。
Raは、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基を表す。
9〜B12のいずれか1つは*1に結合する炭素原子であり、その他のB9〜B12とB13〜B16は、B1〜B8と同様に定義される。)
Figure 2014198696
(式(A−3’)において、
Lは式(A−1’)と同様である。
L’は置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリーレン基又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリーレン基を表わす。
Xは酸素原子、硫黄原子、又はSiRbRcを表し、Rb及びRcは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数1〜15の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜15のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基を表す。
17〜B20のいずれか1つは*2に結合する炭素原子であり、その他のB17〜B20とB21〜B24は、B1〜B8と同様に定義される。)
(2)前記式(A−1)で表される基が下記式(A−1a)で表される前記(1)に記載の含窒素芳香族複素環誘導体。
Figure 2014198696
(式(A−1a)において、Lは前記と同様であり、R49〜R56は、式(A−1)のRと同様に定義される。R49〜R56の隣接する2つの基が結合して、環の一部を形成する置換もしくは無置換の飽和もしくは不飽和の2価の基を形成してもよい。)
(3)前記式(A−2)で表される基が下記式(A−2a)で表される前記(1)又は(2)に記載の含窒素芳香族複素環誘導体。
Figure 2014198696
(式(A−2a)において、L及びRaは前記と同様である。
17〜R20のいずれか一つは*1に結合する単結合を表し、その他のR17〜R20とR13〜R16は、式(A−1)のRと同様に定義される。その他のR17〜R20及びR13〜R16の隣接する2つの基が結合して、環の一部を形成する置換もしくは無置換の飽和もしくは不飽和の2価の基を形成してもよい。)
(4)前記式(A−3)で表される基が下記式(A−3a)で表される前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の含窒素芳香族複素環誘導体。
Figure 2014198696
(式(A−3a)において、L、L’及びXは前記と同様であり、
73〜R76のいずれか一つは*2に結合する単結合を表し、その他のR73〜R76とR77〜R80は、式(A−1)のRと同様に定義される。その他のR73〜R76及びR77〜R80の隣接する2つの基が結合して、環の一部を形成する置換もしくは無置換の飽和もしくは不飽和の2価の基を形成してもよい。)
(5)前記式(1−1)で表される化合物が下記式(1−1a)、(1−1b)又は(1−1c)で表され、前記式(1−2)で表される化合物が下記式(1−2a)、(1−2b)又は(1−2c)で表される前記(1)〜(4)のいずれかに記載の含窒素芳香族複素環誘導体。
Figure 2014198696
(式(1−1a)において、R1〜R3のいずれか一つは*3に結合する単結合を表し、その他のR1〜R3、R4〜R6、R49〜R56及びLは前記と同様である。
式(1−1b)において、R1〜R3のいずれか一つは*4に結合する単結合を表し、R17〜R20のいずれか一つは*1に結合する単結合を表す。その他のR1〜R3、R4〜R6、その他のR17〜R20、R13〜R16、Ra及びLは前記と同様である。
式(1−1c)において、R1〜R3のいずれか一つは*11に結合する単結合を表し、R73〜R76のいずれか一つは*2に結合する単結合を表す。その他のR1〜R3、R4〜R6、その他のR73〜R7677〜R80、L、L’及びXは前記と同様である。
式(1−2a)において、R7〜R9のいずれか一つは*3に結合する単結合を表し、その他のR7〜R9、R10〜R12、R49〜R56及びLは前記と同様である。
式(1−2b)において、R7〜R9のいずれか一つは*4に結合する単結合を表し、R17〜R20のいずれか一つは*1に結合する単結合を表す。その他のR7〜R9、R10〜R12、その他のR17〜R20、R13〜R16、Ra及びLは前記と同様である。
式(1−2c)において、R7〜R9のいずれか一つは*11に結合する単結合を表し、R73〜R76のいずれか一つは*2に結合する単結合を表す。その他のR7〜R9、R10〜R12、その他のR73〜R76、R77〜R80、L、L’及びXは前記と同様である。)
(6)前記式(A−1)又は(A−1a)で表される基が下記式(A−1b)で表される前記(1)〜(5)のいずれかに記載の含窒素芳香族複素環誘導体。
Figure 2014198696
(式(A−1b)において、Lは前記と同様であり、
49〜R52のいずれか一つは*5に結合する単結合であり、その他のR49〜R52及びR53〜R56は前記と同様である。
65〜R68のいずれか一つは*6に結合する単結合であり、その他のR65〜R68及びR69〜R72は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜15の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜15のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、ハロゲン原子、又はシアノ基を表す。その他のR65〜R68及びR69〜R72の隣接する2つの基が結合して、環の一部を形成する置換もしくは無置換の飽和もしくは不飽和の2価の基を形成してもよい。
Rfは、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基を表す。)
(7)前記式(A−2)又は(A−2a)で表される基が下記式(A−2b)で表される前記(1)〜(6)のいずれかに記載の含窒素芳香族複素環誘導体。
Figure 2014198696
(式(A−2b)において、L及びRaは前記と同様である。
17〜R20のいずれか一つは*1に結合する単結合を表し、R13〜R16のいずれか一つは*7に結合する単結合を表し、その他のR17〜R20及びその他のR13〜R16は前記と同様である。
65〜R68のいずれか一つは*8に結合する単結合を表し、その他のR65〜R68及びR69〜R72は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜15の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜15のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、ハロゲン原子、又はシアノ基を表す。その他のR65〜R68及びR69〜R72の隣接する2つの基が結合して、環の一部を形成する置換もしくは無置換の飽和もしくは不飽和の2価の基を形成してもよい。
Rfは、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基を表す。)
(8)前記式(A−3)又は(A−3a)で表される基が下記式(A−3b)で表される前記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の含窒素芳香族複素環誘導体。
Figure 2014198696
(式(A−3b)において、L、L’及びXは前記と同様である。
73〜R76のいずれか一つは*2に結合する単結合を表し、R77〜R80のいずれか一つは*9に結合する単結合を表し、その他のR73〜R76及びその他のR77〜R80は前記と同様である。
65〜R68のいずれか一つは*10に結合する単結合を表し、その他のR65〜R68及びR69〜R72は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜15の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜15のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、ハロゲン原子、又はシアノ基を表す。その他のR65〜R68及びR69〜R72の隣接する2つの基が結合して、環の一部を形成する置換もしくは無置換の飽和もしくは不飽和の2価の基を形成してもよい。
Rfは、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基を表す。)
(9)前記式(A−1)、(A−1a)又は(A−1b)で表される基が下記式(A−1c)、(A−1d)又は(A−1e)で表される前記(1)〜(8)のいずれかに記載の含窒素芳香族複素環誘導体。
Figure 2014198696
(式(A−1c)、(A−1d)および(A−1e)において、L、R49、R50、R52〜R56、R65〜R72、及びRfは前記と同様である。)
(10)前記式(A−2)、(A−2a)又は(A−2b)で表される基が下記式(A−2c)又は(A−2d)で表される前記(1)〜(9)のいずれかに記載の含窒素芳香族複素環誘導体。
Figure 2014198696
(式(A−2c)及び(A−2d)において、R13、R14、R16〜R20、R65〜R72、L、Ra、及びRfは前記と同様である。)
(11)前記式(A−3)、(A−3a)又は(A−3b)で表される基が下記式(A−3c)又は(A−3d)で表される前記(1)〜(10)のいずれかに記載の含窒素芳香族複素環誘導体。
Figure 2014198696
(式(A−3c)及び(A−3d)において、R73〜R77、R79、R80、R65〜R72、L、L’、X、及びRfは前記と同様である。)
(12)前記(1)〜(11)のいずれかに記載の含窒素芳香族複素環誘導体を含む有機エレクトロルミネッセンス素子用材料。
(13)陽極、陰極、及び陽極と陰極との間に少なくとも1層の有機薄膜層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子であって、有機薄膜層の少なくとも1層が前記(1)〜(11)のいずれかに記載の含窒素芳香族複素環誘導体を含有する有機エレクトロルミネッセンス素子。
(14)前記有機薄膜層が発光層と、該発光層と前記陰極との間に配置された陰極側有機薄膜層とを有し、該陰極側有機薄膜層が前記含窒素芳香族複素環誘導体を含有する前記(13)に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
(15)前記有機薄膜層が発光層と、該発光層と前記陰極との間に配置された電子輸送層とを有し、該電子輸送層が前記含窒素芳香族複素環誘導体を含有する前記(13)に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
(16)前記有機薄膜層が発光層を有し、該発光層が前記含窒素芳香族複素環誘導体を含有する前記(13)に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
(17)前記発光層が、さらに燐光発光材料を含有する前記(14)〜(16)のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
(18)前記燐光発光材料が、イリジウム、オスミウム又は白金のオルトメタル化錯体である前記(17)に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
(19)前記(13)〜(18)のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を具備する電子機器。
式(1−1)又は(1−2)で表される含窒素芳香族複素環誘導体を用いた有機EL素子は高発光効率を示す。
本発明の有機EL素子の一例の構成を示す概略図である。
本発明において、「置換もしくは無置換の炭素数(環形成炭素数、環形成原子数)a〜bのX基」という表現における「a〜b」は、X基が無置換である場合の炭素数又は原子数を表し、X基が有する任意の置換基の炭素及び原子は含まない。置換X基は−X−置換基を表す。
また、「水素原子」の定義には、中性子数が異なる同位体、すなわち、軽水素(protium)、重水素(deuterium)及び三重水素(tritium)が含まれる。
以下において、“置換もしくは無置換”というときの任意の置換基は、炭素数1〜50、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜5のアルキル基;環形成炭素数3〜50、好ましくは3〜6、より好ましくは5又は6のシクロアルキル基;環形成炭素数6〜50、好ましくは6〜24、より好ましくは6〜12のアリール基;環形成炭素数6〜50、好ましくは6〜24、より好ましくは6〜12のアリール基を有し、アルキル部位が炭素数1〜50、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜5であるアラルキル基;アミノ基;炭素数1〜50、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜5のアルキル基を有するモノ−又はジアルキルアミノ基;環形成炭素数6〜50、好ましくは6〜24、より好ましくは6〜12のアリール基を有するモノ−又はジアリールアミノ基;炭素数1〜50、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜5のアルキル基を有するアルコキシ基;環形成炭素数6〜50、好ましくは6〜24、より好ましくは6〜12のアリール基を有するアリールオキシ基;炭素数1〜50、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜5のアルキル基及び環形成炭素数6〜50、好ましくは6〜24、より好ましくは6〜12のアリール基から選ばれる基を有するモノ−、ジ−又はトリ置換シリル基;環形成原子数5〜50、好ましくは5〜24、より好ましくは5〜12でありヘテロ原子(窒素原子、酸素原子、硫黄原子)を1〜5個、好ましくは1〜3個、より好ましくは1〜2個含む複素環基;炭素数1〜50、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜5であり、1〜8個、好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個のハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)を有するハロアルキル基;ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子);シアノ基;ニトロ基からなる群より選ばれる基及び原子が好ましい。
上記置換基の中でも、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜5のアルキル基を有するトリアルキルシリル基、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数5又は6のシクロアルキル基、及び環形成炭素数6〜12のアリール基からなる群より選ばれる基及び原子が好ましい。
前記含窒素芳香族複素環誘導体は下記式(1−1)又は(1−2)で表される。
Figure 2014198696
式(1−1)において、R1〜R6の少なくとも1個、好ましくは1〜3個、より好ましくはR1、R3及びR6の2個、さらに好ましくはR1、R3及びR6の1個は、下記式(A−1)、(A−2)又は(A−3)、好ましくは式(A−1)又は(A−2)、より好ましくは式(A−1)で表される基である。
1〜R6のうち、下記式(A−1)、(A−2)又は(A−3)で表されない基は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜15の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜15のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、ハロゲン原子、又はシアノ基を表し、好ましくは、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜15の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜15のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、又はシアノ基を表し、より好ましくは、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜15の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、又はシアノ基を表し、さらに好ましくは、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜15の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、特に好ましくは水素原子又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基を表す。
ただし、R1とR6が同時に下記式(A−1’)で表される基、同時に(A−2’)で表される基、又は同時に(A−3’)で表される基であることはなく、R2とR5が同時に下記式(A−1’)で表される基、同時に(A−2’)で表される基、又は同時に(A−3’)で表される基であることはない。
式(1−1)で表される含窒素芳香族複素環誘導体において、R1とR6が同時に下記式(A−1’)、(A−2’)及び(A−3’)で表される基から選ばれる基ではないこと、R2とR5が同時に下記式(A−1’)、(A−2’)及び(A−3’)で表される基から選ばれる基ではないことがより好ましい。
式(1−2)において、R7〜R12の少なくとも1個、好ましくは1〜3個、より好ましくはR7、R9及びR10の2個、さらに好ましくはR7、R9及びR10の1個は、下記式(A−1)、(A−2)又は(A−3)、好ましくは式(A−1)又は(A−2)、より好ましくは式(A−1)で表される基である。
7〜R12のうち、下記式(A−1)、(A−2)又は(A−3)で表されない基はR1〜R6と同様に定義される。
ただし、R7とR10が同時に下記式(A−1’)で表される基、同時に(A−2’)で表される基、又は同時に(A−3’)で表される基であることはなく、R8とR11が同時に下記式(A−1’)で表される基、同時に(A−2’)で表される基、又は同時に(A−3’)で表される基であることはなく、R9とR12が同時に下記式(A−1’)で表される基、同時に(A−2’)で表される基、又は同時に(A−3’)で表される基であることはない。
式(1−2)で表される含窒素芳香族複素環誘導体は、R7とR10が同時に下記式(A−1’)、(A−2’)及び(A−3’)で表される基から選ばれる基ではないこと、R8とR11が同時に下記式(A−1’)、(A−2’)及び(A−3’)で表される基から選ばれる基ではないこと、及び、R9とR12が同時に下記式(A−1’)、(A−2’)及び(A−3’)で表される基から選ばれる基ではないことがより好ましい。
1、R3及びR6の1又は2個、及びR7、R9及びR10の1又は2個が水素原子以外の原子又は基であることが特に好ましい。
式(1−1)の化合物及び式(1−2)の化合物が、ナフチリジン構造に関して非対称になるようにR1〜R6及びR7〜R12をそれぞれ選択することが好ましい。
1〜R6及びR7〜R12が表す前記置換もしくは無置換の炭素数1〜15(好ましくは1〜10、より好ましくは1〜5)の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基において、該アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基(異性体基を含む)、ヘキシル基(異性体基を含む)、ヘプチル基(異性体基を含む)、オクチル基(異性体基を含む)、ノニル基(異性体基を含む)、デシル基(異性体基を含む)、ウンデシル基(異性体基を含む)、及びドデシル基(異性体基を含む)等が挙げられ、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、及びペンチル基(異性体基を含む)が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、及びt−ブチル基がより好ましく、メチル基、エチル基、イソプロピル基及びt−ブチル基が特に好ましい。
1〜R6及びR7〜R12が表す前記置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜15(好ましくは3〜6、より好ましくは5又は6)のシクロアルキル基において、該シクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、アダマンチル基などが挙げられ、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が好ましい。
1〜R6及びR7〜R12が表す前記置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30(好ましくは6〜24、より好ましくは6〜18)のアリール基において、該アリール基としては、フェニル基、ナフチルフェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、アセナフチレニル基、アントリル基、ベンゾアントリル基、アセアントリル基、フェナントリル基、ベンゾ[c]フェナントリル基、フェナレニル基、フルオレニル基、ピセニル基、ペンタフェニル基、ピレニル基、クリセニル基、ベンゾ[g]クリセニル基、s−インダセニル基、as−インダセニル基、フルオランテニル基、ベンゾ[k]フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ベンゾ[b]トリフェニレニル基及びペリレニル基等が挙げられ、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基が好ましく、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基がより好ましく、フェニル基が特に好ましい。
1〜R6及びR7〜R12が表す前記置換シリル基は前記炭素数1〜15、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜5のアルキル基及び前記環形成炭素数6〜30、好ましくは6〜24、より好ましくは6〜18のアリール基から選ばれる基を有するモノ−、ジ−又はトリ置換シリル基であり、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリブチルシリル基、ジメチルエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、ビニルジメチルシリル基、プロピルジメチルシリル基、ジメチルイソプロピルシリル基、ジメチルプロピルシリル基、ジメチルブチルシリル基、ジメチルターシャリーブチルシリル基、ジエチルイソプロピルシリル基、フェニルジメチルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、ジフェニルターシャリーブチルシリル基、トリフェニルシリル基等が挙げられ、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、ビニルジメチルシリル基、プロピルジメチルシリル基が好ましい。
1〜R6及びR7〜R12が表す前記置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30(好ましくは6〜24、より好ましくは6〜18)のヘテロアリール基において、ヘテロアリール基は少なくとも1個、好ましくは1〜5個のヘテロ原子、例えば、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子を含む。該ヘテロアリール基としては、例えば、ピロリル基、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、ピラゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、イソベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、イソベンゾチオフェニル基、インドリジニル基、キノリジニル基、キノリル基、イソキノリル基、シンノリル基、フタラジニル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズオキサゾリル基、ベンズチアゾリル基、インダゾリル基、ベンズイソキサゾリル基、ベンズイソチアゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、カルバゾリル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、フェノチアジニル基、フェノキサジニル基、及びキサンテニル基などが挙げられ、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基が好ましく、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基がより好ましい。
1〜R6及びR7〜R12が表す前記ハロゲン原子はフッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子であり、フッ素原子が特に好ましい。
式(A−1)、(A−2)及び(A−3)で表される基は下記の構造を有する。
Figure 2014198696
式(A−1)において、A1〜A8は、それぞれ独立に、CRまたは窒素原子である。A1〜A8のうち1〜4個が窒素原子でその他がCRであるのが好ましく、1〜2個が窒素原子でその他がCRであるのがより好ましく、A1〜A8のすべてがCRであるのがさらに好ましい。
Rは、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜15の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜15のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、ハロゲン原子、又はシアノ基を表し、好ましくは、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜15の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜15のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、又はシアノ基を表し、より好ましくは、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜15の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、又はシアノ基を表し、さらに好ましくは、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜15の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、特に好ましくは水素原子又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基を表す。
隣接する2つのRが結合して、環の一部を形成する置換もしくは無置換の飽和もしくは不飽和の2価の基を形成してもよい。
Lは、単結合、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリーレン基又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリーレン基を表わし、好ましくは単結合又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリーレン基であり、より好ましくは置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリーレン基である。
式(A−2)において、Lは前記と同様である。
Raは、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、好ましくは置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基を表す。
9〜A12のいずれか1つ、好ましくはA10又はA11、より好ましくはA11*1に結合する炭素原子であり、その他のA9〜A12とA13〜A16は、それぞれ独立に、CRまたは窒素原子である。その他のA9〜A12とA13〜A16のうち1〜4個が窒素原子でその他がCRであるのが好ましく、1〜2個が窒素原子でその他がCRであるのがより好ましく、その他のA9〜A12とA13〜A16のすべてがCRであるのがさらに好ましい。
隣接する2つのRが結合して、環の一部を形成する置換もしくは無置換の飽和もしくは不飽和の2価の基を形成してもよい。
式(A−3)において、Lは前記と同様である。
L’は置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリーレン基又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリーレン基、好ましくは置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリーレン基を表わす。
Xは酸素原子、硫黄原子、又はSiRbRc、好ましくは酸素原子又は硫黄原子、より好ましくは酸素原子を表す。Rb及びRcは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数1〜15の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜15のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、好ましくは置換もしくは無置換の炭素数1〜15の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、より好ましくは、置換もしくは無置換の炭素数1〜15の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基を表す。
17〜A20のいずれか1つ、好ましくはA18又はA19、より好ましくはA19*2に結合する炭素原子であり、その他のA17〜A20とA21〜A24は、それぞれ独立に、CRまたは窒素原子である。その他のA17〜A20とA21〜A24のうち1〜4個が窒素原子でその他がCRであるのが好ましく、1〜2個が窒素原子でその他がCRであるのがより好ましく、その他のA17〜A20とA21〜A24のすべてがCRであるのがさらに好ましい。
隣接する2つのRが結合して、環の一部を形成する置換もしくは無置換の飽和もしくは不飽和の2価の基を形成してもよい。
Rが表す置換のシリル基及びハロゲン原子は、R1〜R6及びR7〜R12の場合と同様に定義される。
R、Rb及びRcが表す置換もしくは無置換の炭素数1〜15の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基及び置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜15のシクロアルキル基は、R1〜R6及びR7〜R12の場合と同様に定義される。
R、Ra、Rb及びRcが表す置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基及び置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基は、R1〜R6及びR7〜R12の場合と同様に定義される。
隣接する2つのRが結合して、それらが結合している2つの炭素原子と共に形成する環としては、例えば、ピロール環、フラン環、チオフェン環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピロリン環、テトラヒドロピリジン環、シクロペンテン環、シクロヘキセン環、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、インデン環、1,1−ジメチルインデン環、インドール環、N−フェニルインドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環などが挙げられる。
L及びL’が表す置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30(好ましくは6〜24、より好ましくは6〜18)のアリーレン基において、該アリーレン基は、フェニル基、ナフチルフェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、アセナフチレニル基、アントリル基、ベンゾアントリル基、アセアントリル基、フェナントリル基、ベンゾ[c]フェナントリル基、フェナレニル基、フルオレニル基、ピセニル基、ペンタフェニル基、ピレニル基、クリセニル基、ベンゾ[g]クリセニル基、s−インダセニル基、as−インダセニル基、フルオランテニル基、ベンゾ[k]フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ベンゾ[b]トリフェニレニル基及びペリレニル基から選ばれるアリール基から1個の水素原子を除いて得られる2価の基であり、フェニレン基、ビフェニルジイル基、ターフェニルジイル基、ナフタレンジイル基が好ましく、フェニレン基、ビフェニルジイル基、ターフェニルジイル基がより好ましく、フェニレン基が特に好ましい。
L及びL’が表す置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30(好ましくは6〜24、より好ましくは6〜18)のヘテロアリーレン基において、該ヘテロアリーレン基は、少なくとも1個、好ましくは1〜5個のヘテロ原子、例えば、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子を含む芳香族複素環化合物から1個の水素原子を除いて得られる2価の基である。該芳香族複素環化合物としては、ピロール、フラン、チオフェン、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、トリアゾール、テトラゾール、インドール、イソインドール、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、インドリジン、キノリジン、キノリン、イソキノリン、シンノリン、フタラジニン、キナゾリン、キノキサリン、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、インダゾール、ベンズイソキサゾール、ベンズイソチアゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、カルバゾール、フェナントリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジン、フェノチアジン、フェノキサジン、キサンテンなどが挙げられる。該ヘテロアリーレン基としては、フラン、チオフェン、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェンの2価の残基が好ましく、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェンの2価の残基がより好ましい。
式(A−1’)、(A−2’)及び(A−3’)で表される基は下記の構造を有する。
Figure 2014198696
式(A−1’)において、
1〜B8は、それぞれ独立に、CRまたは窒素原子であり、
Rは、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜15の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜15のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、ハロゲン原子、又はシアノ基を表す。隣接する2つのRが結合して、環の一部を形成する置換もしくは無置換の飽和もしくは不飽和の2価の基を形成してもよい。
Lは、単結合、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリーレン基又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリーレン基を表わす。
式(A−2’)において、
Lは式(A−1’)と同様である。
Raは、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基を表す。
9〜B12のいずれか1つは*1に結合する炭素原子であり、その他のB9〜B12とB13〜B16は、B1〜B8と同様に定義される。
式(A−3’)において、
Lは式(A−1’)と同様である。
L’は置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリーレン基又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリーレン基を表わす。
Xは酸素原子、硫黄原子、又はSiRbRcを表し、Rb及びRcは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数1〜15の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜15のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基を表す。
17〜B20のいずれか1つは*2に結合する炭素原子であり、その他のB17〜B20とB21〜B24は、B1〜B8と同様に定義される。
式(A−1)で表される基は、好ましくは下記式(A−1a)で表される。
Figure 2014198696
式(A−1a)において、Lは式(A−1)で定義したとおりである。
49〜R56は前記CRのRと同じであり、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜15の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜15のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、ハロゲン原子、又はシアノ基を表す。
49〜R56の隣接する2つの基が結合して、前記Rに関して記載した2価の基を形成してもよい。
式(A−1)又は(A−1a)で表される基は下記式(A−1b)で表される基であってもよい。
Figure 2014198696
式(A−1b)において、Lは式(A−1)で定義したとおりである。
49〜R52のいずれか一つ、好ましくはR50又はR51、より好ましくはR50*5に結合する単結合であり、その他のR49〜R52及びR53〜R56は式(A−1a)で定義したとおりである。
65〜R68のいずれか一つ、好ましくはR66又はR67、より好ましくはR67*6に結合する単結合であり、その他のR65〜R68及びR69〜R72は式(A−1)のRと同様に定義される。
その他のR65〜R68及びR69〜R72の隣接する2つの基が結合して、前記Rに関して記載した2価の基を形成してもよい。
RfはRaと同様に定義され、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基を表す。
式(A−1)、(A−1a)又は(A−1b)で表される基は下記式(A−1c)、(A−1d)又は(A−1e)で表される基であってもよい。
Figure 2014198696
式(A−1c)、(A−1d)及び(A−1e)において、L、R49、R50、R52〜R56、R65〜R72、及びRfは前記と同様である。
式(A−2)で表される基は、好ましくは下記式(A−2a)で表される。
Figure 2014198696
式(A−2a)において、L及びRaは式(A−2)で定義したとおりである。
17〜R20のいずれか一つ、好ましくはR18又はR19、より好ましくはR18*1に結合する単結合を表し、その他のR17〜R20とR13〜R16は前記CRのRと同じであり、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜15の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜15のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、ハロゲン原子、又はシアノ基を表す。
その他のR17〜R20とR13〜R16の隣接する2つの基が結合して、前記Rに関して記載した2価の基を形成してもよい。
式(A−2)又は(A−2a)で表される基は下記式(A−2b)で表される基であってもよい。
Figure 2014198696
式(A−2b)において、L及びRaは式(A−2)で定義したとおりである。
17〜R20のいずれか一つ、好ましくはR18又はR19、より好ましくはR18*1に結合する単結合を表し、R13〜R16のいずれか一つ、好ましくはR14又はR15、より好ましくはR15*7に結合する単結合を表す。その他のR17〜R20及びその他のR13〜R16は式(A−2a)で定義したとおりである。
65〜R68のいずれか一つ、好ましくはR66又はR67、より好ましくはR67*8に結合する単結合であり、その他のR65〜R68及びR69〜R72は式(A−2)のRと同様に定義される。
その他のR65〜R68及びR69〜R72の隣接する2つの基が結合して、前記Rに関して記載した2価の基を形成してもよい。
RfはRaと同様に定義され、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基を表す。
式(A−2)、(A−2a)又は(A−2b)で表される基は下記式(A−2c)又は(A−2d)で表される基であってもよい。
Figure 2014198696
(式(A−2c)及び(A−2d)において、R13、R14、R16〜R20、R65〜R72、L、Ra、及びRfは前記と同様である。)
式(A−3)で表される基は、好ましくは下記式(A−3a)で表される。
Figure 2014198696
式(A−3a)において、L、L’及びXは式(A−3)で定義したとおりである。
73〜R76のいずれか一つ、好ましくはR74又はR75、より好ましくはR75*2に結合する単結合を表す。その他のR73〜R76とR77〜R88は前記CRのRと同じであり、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜15の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜15のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、ハロゲン原子、又はシアノ基を表す。
その他のR73〜R76及びR77〜R80の隣接する2つの基が結合して、前記Rに関して記載した2価の基を形成してもよい。
式(A−3)又は(A−3a)で表される基は下記式(A−3b)で表される基であってもよい。
Figure 2014198696
式(A−3b)において、L、L’及びXは式(A−3)で定義したとおりである。
73〜R76のいずれか一つ、好ましくはR74又はR75、より好ましくはR75*2に結合する単結合を表し、R77〜R80のいずれか一つ、好ましくはR78又はR79、より好ましくはR78*9に結合する単結合を表す。その他のR73〜R76及びその他のR77〜R80は式(A−3a)で定義したとおりである。
65〜R68のいずれか一つ、好ましくはR66又はR67、より好ましくはR67*10に結合する単結合であり、その他のR65〜R68及びR69〜R72は式(A−3)のRと同様に定義される。
その他のR65〜R68及びR69〜R72の隣接する2つの基が結合して、前記Rに関して記載した2価の基を形成してもよい。
RfはRaと同様に定義され、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基を表す。
式(A−3)、(A−3a)又は(A−3b)で表される基は下記式(A−3c)又は(A−3d)で表される基であってもよい。
Figure 2014198696
(式(A−3c)及び(A−3d)において、R73〜R77、R79、R80、R65〜R72、L、L’、X、及びRfは前記と同様である。)
式(1−1)で表される化合物は、例えば、下記式(1−1a)、(1−1b)又は‘(1−1c)で表される。式(1−2)で表される化合物は、例えば、下記式(1−2a)、(1−2b)又は(1−2c)で表される。
Figure 2014198696
式(1−1a)において、R1〜R3のいずれか一つ、好ましくはR1又はR3*3に結合する単結合を表し、その他のR1〜R3、R4〜R6、R49〜R56及びLは前記と同様である。
式(1−1b)において、R1〜R3のいずれか一つ、好ましくはR1又はR3*4に結合する単結合を表し、その他のR1〜R3、R4〜R6、R13〜R20、Ra及びLは前記と同様である。
式(1−1c)において、R1〜R3のいずれか一つ、好ましくはR1又はR3*11に結合する単結合を表し、その他のR1〜R3、R4〜R6、R73〜R80、X、L及びL’は前記と同様である。
式(1−2a)において、R7〜R9のいずれか一つ、好ましくはR7又はR9*3に結合する単結合を表し、その他のR7〜R9、R10〜R12、R49〜R56及びLは前記と同様である。
式(1−2b)において、R7〜R9のいずれか一つ、好ましくはR7又はR9*4に結合する単結合を表し、その他のR7〜R9、R10〜R12、R13〜R20、Ra及びLは前記と同様である。
式(1−2c)において、R7〜R9のいずれか一つ、好ましくはR7又はR9*11に結合する単結合を表し、その他のR7〜R9、R10〜R12、R73〜R80、X、L及びL’は前記と同様である。
式(1−1)又は(1−2)で表される含窒素芳香族複素環誘導体は、下記合成例に記載した方法及び該方法に準じた方法により合成することが出来る。
該含窒素芳香族複素環誘導体はナフチリジン構造を含むので電子注入性及び電子輸送性が高く、また、カルバゾール構造などの正孔輸送性ユニットも含むのでバイポーラ性であるので、燐光ホスト及び電子輸送層材料として好適である。該含窒素芳香族複素環誘導体を燐光ホストとして含有する発光層又は該含窒素芳香族複素環誘導体を含有する電子輸送層を有する有機EL素子は、高い発光効率を示す。
以下に、該含窒素芳香族複素環誘導体の具体例を示すが、下記化合物に限定されるものではない。
Figure 2014198696
Figure 2014198696
Figure 2014198696
Figure 2014198696
Figure 2014198696
有機EL素子
次に、本発明の有機EL素子について説明する。
本発明の有機EL素子は、陰極と陽極の間に1層以上の有機薄膜層を有する。有機薄膜層の少なくとも1層は発光層である。有機薄膜層の少なくとも一層が、式(1−1)又は(1−2)で表される含窒素芳香族複素環誘導体を含有する。
該含窒素芳香族複素環誘導体が含まれる有機薄膜層の例としては、陽極と発光層との間に設けられる陽極側有機薄膜層(正孔輸送層、正孔注入層等)、発光層、陰極と発光層との間に設けられる陰極側有機薄膜層(電子輸送層、電子注入層等)、スペース層、阻止層等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。該含窒素芳香族複素環誘導体は、上記いずれの層に含まれていてもよく、例えば、蛍光発光ユニットの発光層におけるホスト材料やドーパント材料、燐光発光ユニットの発光層におけるホスト材料、発光ユニットの正孔輸送層、正孔阻止層、電子輸送層に用いることができる。該含窒素芳香族複素環誘導体が含まれる有機薄膜層は、発光層、正孔阻止層又は電子輸送層であることが特に好ましい。
本発明の有機EL素子は、蛍光又は燐光発光型の単色発光素子であっても、蛍光/燐光ハイブリッド型の白色発光素子であってもよいし、単独の発光ユニットを有するシンプル型であっても、複数の発光ユニットを有するタンデム型であってもよく、中でも、燐光発光型であることが好ましい。ここで、「発光ユニット」とは、一層以上の有機層を含み、そのうちの一層が発光層であり、注入された正孔と電子が再結合することにより発光することができる最小単位をいう。
従って、シンプル型有機EL素子の代表的な素子構成としては、以下の素子構成を挙げることができる。
(1)陽極/発光ユニット/陰極
また、上記発光ユニットは、燐光発光層や蛍光発光層を複数有する積層型であってもよく、その場合、各発光層の間に、燐光発光層で生成された励起子が蛍光発光層に拡散することを防ぐ目的で、スペース層を有していてもよい。発光ユニットの代表的な層構成を以下に示す。
(a)正孔輸送層/発光層(/電子輸送層)
(b)正孔輸送層/第一燐光発光層/第二燐光発光層(/電子輸送層)
(c)正孔輸送層/燐光発光層/スペース層/蛍光発光層(/電子輸送層)
(d)正孔輸送層/第一燐光発光層/第二燐光発光層/スペース層/蛍光発光層(/電子輸送層)
(e)正孔輸送層/第一燐光発光層/スペース層/第二燐光発光層/スペース層/蛍光発光層(/電子輸送層)
(f)正孔輸送層/燐光発光層/スペース層/第一蛍光発光層/第二蛍光発光層(/電子輸送層)
(g)正孔輸送層/電子阻止層/発光層(/電子輸送層)
(h)正孔輸送層/発光層/正孔阻止層(/電子輸送層)
(i)正孔輸送層/蛍光発光層/トリプレット阻止層(/電子輸送層)
上記各燐光又は蛍光発光層は、それぞれ互いに異なる発光色を示すものとすることができる。具体的には、上記積層発光層(d)において、正孔輸送層/第一燐光発光層(赤色発光)/第二燐光発光層(緑色発光)/スペース層/蛍光発光層(青色発光)/電子輸送層といった層構成等が挙げられる。
なお、各発光層と正孔輸送層あるいはスペース層との間には、適宜、電子阻止層を設けてもよい。また、各発光層と電子輸送層との間には、適宜、正孔阻止層を設けてもよい。電子阻止層や正孔阻止層を設けることで、電子又は正孔を発光層内に閉じ込めて、発光層における電荷の再結合確率を高め、発光効率を向上させることができる。
タンデム型有機EL素子の代表的な素子構成としては、以下の素子構成を挙げることができる。
(2)陽極/第一発光ユニット/中間層/第二発光ユニット/陰極
ここで、上記第一発光ユニット及び第二発光ユニットとしては、例えば、それぞれ独立に上述の発光ユニットと同様のものを選択することができる。
上記中間層は、一般的に、中間電極、中間導電層、電荷発生層、電子引抜層、接続層、中間絶縁層とも呼ばれ、第一発光ユニットに電子を、第二発光ユニットに正孔を供給する、公知の材料構成を用いることができる。
図1に、本発明の有機EL素子の一例の概略構成を示す。有機EL素子1は、基板2、陽極3、陰極4、及び該陽極3と陰極4との間に配置された発光ユニット10とを有する。発光ユニット10は、燐光ホスト材料と燐光ドーパント(燐光発光材料)を含む少なくとも1つの燐光発光層を含む発光層5を有する。発光層5と陽極3との間に正孔注入層/正孔輸送層6等、発光層5と陰極4との間に電子注入層/電子輸送層7等を形成してもよい。また、発光層5の陽極3側に電子阻止層(図示せず)を、発光層5の陰極4側に正孔阻止層(図示せず)を、それぞれ設けてもよい。これにより、電子や正孔を発光層5に閉じ込めて、発光層5における励起子の生成確率を高めることができる。
なお、本明細書において、蛍光ドーパント(蛍光発光材料)と組み合わされたホストを蛍光ホストと称し、燐光ドーパントと組み合わされたホストを燐光ホストと称する。蛍光ホストと燐光ホストは分子構造のみにより区分されるものではない。すなわち、燐光ホストとは、燐光ドーパントを含有する燐光発光層を構成する材料を意味し、蛍光発光層を構成する材料として利用できないことを意味しているわけではない。蛍光ホストについても同様である。
基板
本発明の有機EL素子は、透光性基板上に作製する。透光性基板は有機EL素子を支持する基板であり、400nm〜700nmの可視領域の光の透過率が50%以上で平滑な基板が好ましい。具体的には、ガラス板、ポリマー板等が挙げられる。ガラス板としては、特にソーダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英等を原料として用いてなるものを挙げられる。またポリマー板としては、ポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルファイド、ポリサルフォン等を原料として用いてなるものを挙げることができる。
陽極
有機EL素子の陽極は、正孔を正孔輸送層又は発光層に注入する役割を担うものであり、4.5eV以上の仕事関数を有するものを用いることが効果的である。陽極材料の具体例としては、酸化インジウム錫合金(ITO)、酸化錫(NESA)、酸化インジウム亜鉛酸化物、金、銀、白金、銅等が挙げられる。陽極はこれらの電極物質を蒸着法やスパッタリング法等の方法で薄膜を形成させることにより作製することができる。発光層からの発光を陽極から取り出す場合、陽極の可視領域の光の透過率を10%より大きくすることが好ましい。また、陽極のシート抵抗は、数百Ω/□以下が好ましい。陽極の膜厚は、材料にもよるが、通常10nm〜1μm、好ましくは10〜200nmの範囲で選択される。
陰極
陰極は電子注入層、電子輸送層又は発光層に電子を注入する役割を担うものであり、仕事関数の小さい材料により形成するのが好ましい。陰極材料は特に限定されないが、具体的にはインジウム、アルミニウム、マグネシウム、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、アルミニウム−リチウム合金、アルミニウム−スカンジウム−リチウム合金、マグネシウム−銀合金等が使用できる。陰極も、陽極と同様に、蒸着法やスパッタリング法等の方法で薄膜を形成させることにより作製することができる。また、必要に応じて、陰極側から発光を取り出してもよい。
発光層
発光機能を有する有機層であって、ドーピングシステムを採用する場合、ホスト材料とドーパント材料を含んでいる。このとき、ホスト材料は、主に電子と正孔の再結合を促し、励起子を発光層内に閉じ込める機能を有し、ドーパント材料は、再結合で得られた励起子を効率的に発光させる機能を有する。
燐光素子の場合、ホスト材料は主にドーパントで生成された励起子を発光層内に閉じ込める機能を有する。
ここで、上記発光層は、例えば、電子輸送性のホストと正孔輸送性のホストを組み合わせるなどして、発光層内のキャリアバランスを調整するダブルホスト(ホスト・コホストともいう)を採用してもよい。
また、量子収率の高いドーパント材料を二種類以上入れることによって、それぞれのドーパントが発光するダブルドーパントを採用してもよい。具体的には、ホスト、赤色ドーパント及び緑色ドーパントを共蒸着することによって、発光層を共通化して黄色発光を実現する態様が挙げられる。
上記発光層は、複数の発光層を積層した積層体とすることで、発光層界面に電子と正孔を蓄積させて、再結合領域を発光層界面に集中させて、量子効率を向上させることができる。
発光層への正孔の注入し易さと電子の注入し易さは異なっていてもよく、また、発光層中での正孔と電子の移動度で表される正孔輸送能と電子輸送能が異なっていてもよい。
発光層は、例えば蒸着法、スピンコート法、LB法等の公知の方法により形成することができる。また、樹脂等の結着剤と材料化合物とを溶剤に溶かした溶液をスピンコート法等により薄膜化することによっても、発光層を形成することができる。
発光層は、分子堆積膜であることが好ましい。分子堆積膜とは、気相状態の材料化合物から沈着され形成された薄膜や、溶液状態又は液相状態の材料化合物から固体化され形成された膜のことであり、通常この分子堆積膜は、LB法により形成された薄膜(分子累積膜)とは凝集構造、高次構造の相違や、それに起因する機能的な相違により区分することができる。
発光層を形成する燐光ドーパント(燐光発光材料)は三重項励起状態から発光することのできる化合物であり、三重項励起状態から発光する限り特に限定されないが、Ir,Pt,Os,Au,Cu,Re及びRuから選択される少なくとも一つの金属と配位子とを含む有機金属錯体であることが好ましい。前記配位子は、オルトメタル結合を有することが好ましい。燐光量子収率が高く、発光素子の外部量子効率をより向上させることができるという点で、Ir,Os及びPtから選ばれる金属原子を含有する金属錯体が好ましく、イリジウム錯体、オスミウム錯体、白金錯体等の金属錯体、特にオルトメタル化錯体がより好ましく、イリジウム錯体及び白金錯体がさらに好ましく、オルトメタル化イリジウム錯体が特に好ましい。
燐光ドーパントの発光層における含有量は特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.1〜70質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましい。燐光ドーパントの含有量が0.1質量%以上であると十分な発光が得られ、70質量%以下であると濃度消光を避けることができる。
燐光ドーパントとして好ましい有機金属錯体の具体例を、以下に示す。
Figure 2014198696
Figure 2014198696
Figure 2014198696
Figure 2014198696
燐光ホストは、燐光ドーパントの三重項エネルギーを効率的に発光層内に閉じ込めることにより、燐光ドーパントを効率的に発光させる機能を有する化合物である。本発明の含窒素芳香族複素環誘導体は燐光ホストとして有用であるが、本発明の含窒素芳香族複素環誘導体以外の化合物も、燐光ホストとして、上記目的に応じて適宜選択することができる。
本発明の含窒素芳香族複素環誘導体とそれ以外の化合物を同一の発光層内の燐光ホスト材料として併用してもよいし、複数の発光層がある場合には、そのうちの一つの発光層の燐光ホスト材料として本発明の含窒素芳香族複素環誘導体を用い、別の一つの発光層の燐光ホスト材料として本発明の含窒素芳香族複素環誘導体以外の化合物を用いてもよい。また、本発明の含窒素芳香族複素環誘導体は発光層以外の有機層にも使用しうるものであり、その場合には発光層の燐光ホストとして、本発明の含窒素芳香族複素環誘導体以外の化合物を用いてもよい。
本発明の含窒素芳香族複素環誘導体以外の化合物で、燐光ホストとして好適な化合物の具体例としては、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリデン系化合物、ポルフィリン系化合物、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)誘導体、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体等の高分子化合物等が挙げられる。燐光ホストは単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。具体例としては、以下のような化合物が挙げられる。
Figure 2014198696
本発明の有機EL素子は、蛍光発光材料を含有する発光層、つまり蛍光発光層を有していてもよい。蛍光発光層としては、公知の蛍光発光材料を使用できる。該蛍光発光材料としては、アントラセン誘導体、フルオランテン誘導体、スチリルアミン誘導体及びアリールアミン誘導体から選択される少なくとも1種が好ましく、アントラセン誘導体、アリールアミン誘導体がより好ましい。特に、ホスト材料としてはアントラセン誘導体が好ましく、ドーパントとしてはアリールアミン誘導体が好ましい。具体的には、国際公開第2010/134350号や国際公開第2010/134352号に記載する好適な材料が選択される。本発明の含窒素芳香族複素環誘導体は、蛍光発光層の蛍光発光材料として用いてもよく、蛍光発光層のホスト材料として用いてもよい。
蛍光発光材料としての前記アントラセン誘導体の環形成炭素数は、好ましくは26〜100、より好ましくは26〜80、さらに好ましくは26〜60である。該アントラセン誘導体としては、より具体的には下記式(10)で表されるアントラセン誘導体が好ましい。
Figure 2014198696
(上記式(10)中、Ar31及びAr32は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基又は環形成原子数5〜50の複素環基である。
81〜R88は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の複素環基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数7〜50のアラルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールチオ基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換のシリル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基又はヒドロキシル基である。)
上記環形成炭素数6〜50のアリール基としては、いずれも、環形成炭素数6〜40のアリール基が好ましく、環形成炭素数6〜30のアリール基がより好ましい。
上記環形成原子数5〜50の複素環基としては、いずれも、環形成原子数5〜40の複素環基が好ましく、環形成原子数5〜30の複素環基がより好ましい。
上記炭素数1〜50のアルキル基としては、炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、炭素数1〜10のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜5のアルキル基がさらに好ましい。
上記炭素数1〜50のアルコキシ基としては、炭素数1〜30のアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜10のアルコキシ基がより好ましく、炭素数1〜5のアルコキシ基がさらに好ましい。
上記炭素数7〜50のアラルキル基としては、炭素数7〜30のアラルキル基が好ましく、炭素数7〜20のアラルキル基がより好ましい。
上記環形成炭素数6〜50のアリールオキシ基としては、環形成炭素数6〜40のアリールオキシ基が好ましく、環形成炭素数6〜30のアリールオキシ基がより好ましい。
上記環形成炭素数6〜50のアリールチオ基としては、環形成炭素数6〜40のアリールチオ基が好ましく、環形成炭素数6〜30のアリールチオ基がより好ましい。
上記炭素数2〜50のアルコキシカルボニル基としては、炭素数2〜30のアルコキシカルボニル基が好ましく、炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基がより好ましく、炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基がさらに好ましい。
上記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
特に、Ar31及びAr32は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基であることが好ましい。
また、式(10)で表されるアントラセン誘導体としては、下記式(10−1)で表されるアントラセン誘導体が好ましい。
Figure 2014198696
(上記式(10−1)中、Ar33は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基又は環形成原子数5〜50の複素環基である。R81〜R88は、前記定義の通りである。R89は、R81〜R88の定義と同じである。aは、1〜7の整数である。)
81〜R88は、好ましいものも前記同様である。また、R89の好ましいものも、R81〜R88と同様である。aは1〜3の整数が好ましく、1又は2がより好ましい。
Ar33が表す環形成炭素数6〜50のアリール基としては、環形成炭素数6〜40のアリール基が好ましく、環形成炭素数6〜30のアリール基がより好ましく、環形成炭素数6〜20のアリール基がさらに好ましく、環形成炭素数6〜12のアリール基が特に好ましい。
蛍光発光材料としての前記アリールアミン誘導体としては、アリールジアミン誘導体が好ましく、ピレン骨格を含有するアリールジアミン誘導体がより好ましく、ピレン骨格及びジベンゾフラン骨格を含有するアリールジアミン誘導体がさらに好ましい。
アリールジアミン誘導体としては、より具体的には、下記式(11)で表されるアリールジアミン誘導体が好ましい。
Figure 2014198696
(式(11)中、Ar34〜Ar37は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50のヘテロアリール基を表す。
21は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリーレン基又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50のヘテロアリーレン基を表す。)
上記環形成炭素数6〜50のアリール基としては、環形成炭素数6〜30のアリール基が好ましく、環形成炭素数6〜20のアリール基がより好ましく、環形成炭素数6〜12のアリール基がさらに好ましく、フェニル基、ナフチル基が特に好ましい。
上記環形成原子数5〜50のヘテロアリール基としては、環形成原子数5〜40のヘテロアリール基が好ましく、環形成原子数5〜30のヘテロアリール基がより好ましく、環形成原子数5〜20のヘテロアリール基がさらに好ましい。ヘテロアリール基としては、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基などが挙げられ、ジベンゾフラニル基が好ましい。該ヘテロアリール基の好ましい置換基としては、環形成炭素数6〜30(好ましくは6〜20、より好ましくは6〜12)のアリール基が挙げられ、フェニル基、ナフチル基がより好ましい。
上記環形成炭素数6〜50のアリーレン基としては、環形成炭素数6〜40のアリーレン基が好ましく、環形成炭素数6〜30のアリーレン基がより好ましく、環形成炭素数6〜20のアリーレン基がさらに好ましく、ピレニル基が特に好ましい。
発光層は、ダブルホスト(ホスト・コホストともいう)としてもよい。具体的に、発光層において電子輸送性のホストと正孔輸送性のホストを組み合わせることで、発光層内のキャリアバランスを調整してもよい。
また、ダブルドーパントとしてもよい。発光層において、量子収率の高いドーパント材料を2種類以上入れることによって、それぞれのドーパントが発光する。例えば、ホストと赤色ドーパント、緑色のドーパントを共蒸着することによって、黄色の発光層を実現することがある。
また、発光層は、必要に応じて正孔輸送材、電子輸送材、ポリマーバインダーを含有してもよい。
さらに、発光層の膜厚は、好ましくは5〜50nm、より好ましくは7〜50nm、最も好ましくは10〜50nmである。5nm未満では発光層形成が困難となり、色度の調整が困難となる恐れがあり、50nmを超えると駆動電圧が上昇する恐れがある。
電子供与性ドーパント
本発明の有機EL素子は、陰極と発光ユニットとの界面領域に電子供与性ドーパントを有することも好ましい。このような構成によれば、有機EL素子における発光輝度の向上や長寿命化が図られる。ここで、電子供与性ドーパントとは、仕事関数3.8eV以下の金属を含有するものをいい、その具体例としては、アルカリ金属、アルカリ金属錯体、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属、アルカリ土類金属錯体、アルカリ土類金属化合物、希土類金属、希土類金属錯体、及び希土類金属化合物等から選ばれた少なくとも一種類が挙げられる。
アルカリ金属としては、Na(仕事関数:2.36eV)、K(仕事関数:2.28eV)、Rb(仕事関数:2.16eV)、Cs(仕事関数:1.95eV)等が挙げられ、仕事関数が2.9eV以下のものが特に好ましい。これらのうち好ましくはK、Rb、Cs、さらに好ましくはRb又はCsであり、最も好ましくはCsである。アルカリ土類金属としては、Ca(仕事関数:2.9eV)、Sr(仕事関数:2.0eV〜2.5eV)、Ba(仕事関数:2.52eV)等が挙げられ、仕事関数が2.9eV以下のものが特に好ましい。希土類金属としては、Sc、Y、Ce、Tb、Yb等が挙げられ、仕事関数が2.9eV以下のものが特に好ましい。
アルカリ金属化合物としては、Li2O、Cs2O、K2O等のアルカリ酸化物、LiF、NaF、CsF、KF等のアルカリハロゲン化物等が挙げられ、LiF、Li2O、NaFが好ましい。アルカリ土類金属化合物としては、BaO、SrO、CaO及びこれらを混合したBaxSr1-xO(0<x<1)、BaxCa1-xO(0<x<1)等が挙げられ、BaO、SrO、CaOが好ましい。希土類金属化合物としては、YbF3、ScF3、ScO3、Y23、Ce23、GdF3、TbF3等が挙げられ、YbF3、ScF3、TbF3が好ましい。
アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、希土類金属錯体としては、それぞれ金属イオンとしてアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、希土類金属イオンの少なくとも一つ含有するものであれば特に限定はない。また、配位子にはキノリノール、ベンゾキノリノール、アクリジノール、フェナントリジノール、ヒドロキシフェニルオキサゾール、ヒドロキシフェニルチアゾール、ヒドロキシジアリールオキサジアゾール、ヒドロキシジアリールチアジアゾール、ヒドロキシフェニルピリジン、ヒドロキシフェニルベンゾイミダゾール、ヒドロキシベンゾトリアゾール、ヒドロキシフルボラン、ビピリジル、フェナントロリン、フタロシアニン、ポルフィリン、シクロペンタジエン、β−ジケトン類、アゾメチン類、及びそれらの誘導体などが好ましいが、これらに限定されるものではない。
電子供与性ドーパントの添加形態としては、界面領域に層状又は島状に形成すると好ましい。形成方法としては、抵抗加熱蒸着法により電子供与性ドーパントを蒸着しながら、界面領域を形成する有機化合物(発光材料や電子注入材料)を同時に蒸着させ、有機化合物に電子供与性ドーパントを分散する方法が好ましい。分散濃度はモル比で有機化合物:電子供与性ドーパント=100:1〜1:100、好ましくは5:1〜1:5である。
電子供与性ドーパントを層状に形成する場合は、界面の有機層である発光材料や電子注入材料を層状に形成した後に、還元ドーパントを単独で抵抗加熱蒸着法により蒸着し、好ましくは層の厚み0.1nm〜15nmで形成する。電子供与性ドーパントを島状に形成する場合は、界面の有機層である発光材料や電子注入材料を島状に形成した後に、電子供与性ドーパントを単独で抵抗加熱蒸着法により蒸着し、好ましくは島の厚み0.05nm〜1nmで形成する。
本発明の有機EL素子における、主成分と電子供与性ドーパントの割合は、モル比で主成分:電子供与性ドーパント=5:1〜1:5であると好ましく、2:1〜1:2であるとさらに好ましい。
電子輸送層
電子輸送層は、発光層と陰極との間に形成される有機層であって、電子を陰極から発光層へ輸送する機能を有する。電子輸送層が複数層で構成される場合、陰極に近い有機層を電子注入層と称することがある。電子注入層は、陰極から電子を効率的に有機層ユニットに注入する機能を有する。本発明の含窒素芳香族複素環誘導体は、電子輸送層に含有される電子輸送材料として用いることもできる。電子輸送層が1層または複数層で構成される場合、発光層に隣接している電子輸送層を正孔阻止層と称することがある。本発明の含窒素芳香族複素環誘導体は、正孔阻止層に含有される正孔阻止材料として用いることもできる。
電子輸送層に用いる電子輸送性材料としては、分子内にヘテロ原子を1個以上含有する芳香族ヘテロ環化合物が好ましく用いられ、特に含窒素環誘導体が好ましい。また、含窒素環誘導体としては、含窒素6員環もしくは5員環骨格を有する芳香族環、又は含窒素6員環もしくは5員環骨格を有する縮合芳香族環化合物が好ましい。
この含窒素環誘導体としては、例えば、下記式(A)で表される含窒素環金属キレート錯体が好ましい。
Figure 2014198696
式(A)におけるR2〜R7は、それぞれ独立に、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基、炭素数1〜40の炭化水素基、炭素数1〜40のアルコキシ基、炭素数数6〜50のアリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、または、環形成炭素数5〜50の芳香族複素環基であり、これらは置換されていてもよい。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
置換されていてもよいアミノ基の例としては、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アラルキルアミノ基が挙げられる。
アルキルアミノ基及びアラルキルアミノ基は−NQ12と表される。Q1及びQ2は、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数1〜20のアラルキル基を表す。Q1及びQ2の一方は水素原子又は重水素原子であってもよい。
アリールアミノ基は−NAr1Ar2と表され、Ar1及びAr2は、それぞれ独立に、炭素数6〜50の非縮合芳香族炭化水素基または縮合芳香族炭化水素基を表す。Ar1及びAr2の一方は水素原子又は重水素原子であってもよい。
炭素数1〜40の炭化水素基はアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアラルキル基を含む。
アルコキシカルボニル基は−COOY’と表され、Y’は炭素数1〜20のアルキル基を表す。
Mは、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)又はインジウム(In)であり、Inであると好ましい。
Lは、下記式(A’)又は(A”)で表される基である。
Figure 2014198696
式(A’)中、R8〜R12は、それぞれ独立に、水素原子、重水素原子、または置換もしくは無置換の炭素数1〜40の炭化水素基であり、互いに隣接する基が環状構造を形成していてもよい。また、前記式(A”)中、R13〜R27は、それぞれ独立に、水素原子、重水素原子又は置換もしくは無置換の炭素数1〜40の炭化水素基であり、互いに隣接する基が環状構造を形成していてもよい。
式(A’)及び式(A”)のR8〜R12及びR13〜R27が示す炭素数1〜40の炭化水素基は、前記式(A)中のR2〜R7が示す炭化水素基と同様である。また、R8〜R12及びR13〜R27の互いに隣接する基が環状構造を形成した場合の2価の基としては、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ジフェニルメタン−2,2’−ジイル基、ジフェニルエタン−3,3’−ジイル基、ジフェニルプロパン−4,4’−ジイル基等が挙げられる。
電子輸送層に用いられる電子伝達性化合物としては、8−ヒドロキシキノリン又はその誘導体の金属錯体、オキサジアゾール誘導体、含窒素複素環誘導体が好適である。上記8−ヒドロキシキノリン又はその誘導体の金属錯体の具体例としては、オキシン(一般に8−キノリノール又は8−ヒドロキシキノリン)のキレートを含む金属キレートオキシノイド化合物、例えばトリス(8−キノリノール)アルミニウムを用いることができる。そして、オキサジアゾール誘導体としては、下記のものを挙げることができる。
Figure 2014198696
前記式中、Ar17、Ar18、Ar19、Ar21、Ar22及びAr25は、それぞれ置換もしくは無置換の炭素数6〜50の芳香族炭化水素基又は縮合芳香族炭化水素基を示し、Ar17とAr18、Ar19とAr21、Ar22とAr25は、たがいに同一でも異なっていてもよい。芳香族炭化水素基又は縮合芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントラニル基、ペリレニル基、ピレニル基などが挙げられる。これらの置換基としては炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基又はシアノ基等が挙げられる。
Ar20、Ar23及びAr24は、それぞれ置換もしくは無置換の炭素数6〜50の2価の芳香族炭化水素基又は縮合芳香族炭化水素基を示し、Ar23とAr24は、たがいに同一でも異なっていてもよい。2価の芳香族炭化水素基又は縮合芳香族炭化水素基としては、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基、アントラニレン基、ペリレニレン基、ピレニレン基などが挙げられる。これらの置換基としては炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基又はシアノ基等が挙げられる。
これらの電子伝達性化合物は、薄膜形成性の良好なものが好ましく用いられる。そして、これら電子伝達性化合物の具体例としては、下記のものを挙げることができる。
Figure 2014198696
電子伝達性化合物としての含窒素複素環誘導体は、以下の式を有する有機化合物からなる含窒素複素環誘導体であって、金属錯体でない含窒素化合物が挙げられる。例えば、下記式(B)に示す骨格を含有する5員環もしくは6員環や、下記式(C)に示す構造のものが挙げられる。
Figure 2014198696
前記式(C)中、Xは炭素原子もしくは窒素原子を表す。Z1ならびにZ2は、それぞれ独立に含窒素ヘテロ環を形成可能な原子群を表す。
含窒素複素環誘導体は、さらに好ましくは、5員環もしくは6員環からなる含窒素芳香多環族を有する有機化合物である。さらには、このような複数窒素原子を有する含窒素芳香多環族の場合は、上記式(B)と(C)もしくは上記式(B)と下記式(D)を組み合わせた骨格を有する含窒素芳香多環有機化合物が好ましい。
Figure 2014198696
前記の含窒素芳香多環有機化合物の含窒素基は、例えば、以下の式で表される含窒素複素環基から選択される。
Figure 2014198696
前記各式中、Rは、炭素数6〜40の芳香族炭化水素基又は縮合芳香族炭化水素基、炭素数3〜40の芳香族複素環基又は縮合芳香族複素環基、炭素数1〜20のアルキル基、または炭素数1〜20のアルコキシ基であり、nは0〜5の整数であり、nが2以上の整数であるとき、複数のRは互いに同一又は異なっていてもよい。
さらに、好ましい具体的な化合物として、下記式(D1)で表される含窒素複素環誘導体が挙げられる。
HAr−L1−Ar1−Ar2 (D1)
前記式(D1)中、HArは、置換もしくは無置換の炭素数3〜40の含窒素複素環基であり、L1は単結合、置換もしくは無置換の炭素数6〜40の芳香族炭化水素基又は縮合芳香族炭化水素基又は置換もしくは無置換の炭素数3〜40の芳香族複素環基又は縮合芳香族複素環基であり、Ar1は置換もしくは無置換の炭素数6〜40の2価の芳香族炭化水素基であり、Ar2は置換もしくは無置換の炭素数6〜40の芳香族炭化水素基又は縮合芳香族炭化水素基又は置換もしくは無置換の炭素数3〜40の芳香族複素環基又は縮合芳香族複素環基である。
HArは、例えば、下記の群から選択される。
Figure 2014198696
1は、例えば、下記の群から選択される。
Figure 2014198696
Ar1は、例えば、下記式(D2)、式(D3)のアリールアントラニル基から選択される。
Figure 2014198696
前記式(D2)、式(D3)中、R1〜R14は、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜40のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数6〜40の芳香族炭化水素基又は縮合芳香族炭化水素基、または置換もしくは無置換の炭素数3〜40の芳香族複素環基又は縮合芳香族複素環基であり、Ar3は、置換もしくは無置換の炭素数6〜40の芳香族炭化水素基又は縮合芳香族炭化水素基または置換もしくは無置換の炭素数3〜40の芳香族複素環基又は縮合芳香族複素環基である。また、R1〜R8は、いずれも水素原子又は重水素原子である含窒素複素環誘導体であってもよい。
Ar2は、例えば、下記の群から選択される。
Figure 2014198696
電子伝達性化合物としての含窒素芳香多環有機化合物には、この他、下記の化合物も好適に用いられる。
Figure 2014198696
前記式(D4)中、R1〜R4は、それぞれ独立に、水素原子、重水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜20の脂肪族基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の脂肪族式環基、置換もしくは無置換の炭素数6〜50の芳香族環基、置換もしくは無置換の炭素数3〜50の複素環基を表し、X1、X2は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、またはジシアノメチレン基を表す。
また、電子伝達性化合物として、下記の化合物も好適に用いられる。
Figure 2014198696
前記式(D5)中、R1、R2、R3及びR4は互いに同一のまたは異なる基であって、下記式(D6)で表される芳香族炭化水素基又は縮合芳香族炭化水素基である。
Figure 2014198696
前記式(D6)中、R5、R6、R7、R8及びR9は互いに同一または異なる基であって、水素原子、重水素原子、飽和もしくは不飽和の炭素数1〜20のアルコキシル基、飽和もしくは不飽和の炭素数1〜20のアルキル基、アミノ基、または炭素数1〜20のアルキルアミノ基である。R5、R6、R7、R8及びR9の少なくとも1つは水素原子、重水素原子以外の基である。
さらに、電子伝達性化合物は、該含窒素複素環基または含窒素複素環誘導体を含む高分子化合物であってもよい。
本発明の有機EL素子の電子輸送層は、下記式(E)〜(G)で表される含窒素複素環誘導体を少なくとも1種含むことが特に好ましい。
Figure 2014198696
(式(E)〜式(G)中、Z1、Z2及びZ3は、それぞれ独立に、窒素原子又は炭素原子である。
1及びR2は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のハロアルキル基又は置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基である。
nは、0〜5の整数であり、nが2以上の整数であるとき、複数のR1は互いに同一でも異なっていてもよい。また、隣接する2つのR1同士が互いに結合して、置換もしくは無置換の炭化水素環を形成していてもよい。
Ar1は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50のヘテロアリール基である。
Ar2は、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のハロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50のヘテロアリール基である。
但し、Ar1、Ar2のいずれか一方は、置換もしくは無置換の環形成炭素数10〜50の縮合芳香族炭化水素環基又は置換もしくは無置換の環形成原子数9〜50の縮合芳香族複素環基である。
Ar3は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリーレン基又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50のヘテロアリーレン基である。
1、L2及びL3は、それぞれ独立に、単結合、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリーレン基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数9〜50の2価の縮合芳香族複素環基である。)
環形成炭素数6〜50のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ナフタセニル基、クリセニル基、ピレニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、トリル基、フルオランテニル基、フルオレニル基などが挙げられる。
環形成原子数5〜50のヘテロアリール基としては、ピローリル基、フリル基、チエニル基、シローリル基、ピリジル基、キノリル基、イソキノリル基、べンゾフリル基、イミダゾリル基、ピリミジル基、カルバゾリル基、セレノフェニル基、オキサジアゾリル基、トリアゾーリル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノキサリニル基、アクリジニル基、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル基、イミダゾ[1,2−a]ピリミジニル基などが挙げられる。
炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、へキシル基などが挙げられる。
炭素数1〜20のハロアルキル基としては、前記アルキル基の1又は2以上の水素原子をフッ素、塩素、ヨウ素および臭素から選ばれる少なくとも1のハロゲン原子で置換して得られる基が挙げられる。
炭素数1〜20のアルコキシ基としては、前記アルキル基をアルキル部位としては有する基が挙げられる。
環形成炭素数6〜50のアリーレン基としては、前記アリール基から水素原子1個を除去して得られる基が挙げられる。
環形成原子数9〜50の2価の縮合芳香族複素環基としては、前記ヘテロアリール基として記載した縮合芳香族複素環基から水素原子1個を除去して得られる基が挙げられる。
電子輸送層の膜厚は、特に限定されないが、好ましくは1nm〜100nmである。
また、電子輸送層に隣接して設けることができる電子注入層の構成成分として、含窒素環誘導体の他に無機化合物として、絶縁体又は半導体を使用することが好ましい。電子注入層が絶縁体や半導体で構成されていれば、電流のリークを有効に防止して、電子注入性を向上させることができる。
このような絶縁体としては、アルカリ金属カルコゲニド、アルカリ土類金属カルコゲニド、アルカリ金属のハロゲン化物及びアルカリ土類金属のハロゲン化物からなる群から選択される少なくとも一つの金属化合物を使用するのが好ましい。電子注入層がこれらのアルカリ金属カルコゲニド等で構成されていれば、電子注入性をさらに向上させることができる点で好ましい。具体的に、好ましいアルカリ金属カルコゲニドとしては、例えば、Li2O、K2O、Na2S、Na2Se及びNa2Oが挙げられ、好ましいアルカリ土類金属カルコゲニドとしては、例えば、CaO、BaO、SrO、BeO、BaS及びCaSeが挙げられる。また、好ましいアルカリ金属のハロゲン化物としては、例えば、LiF、NaF、KF、LiCl、KCl及びNaCl等が挙げられる。また、好ましいアルカリ土類金属のハロゲン化物としては、例えば、CaF2、BaF2、SrF2、MgF2及びBeF2等のフッ化物や、フッ化物以外のハロゲン化物が挙げられる。
また、半導体としては、Ba、Ca、Sr、Yb、Al、Ga、In、Li、Na、Cd、Mg、Si、Ta、Sb及びZnの少なくとも一つの元素を含む酸化物、窒化物又は酸化窒化物等の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。また、電子注入層を構成する無機化合物が、微結晶又は非晶質の絶縁性薄膜であることが好ましい。電子注入層がこれらの絶縁性薄膜で構成されていれば、より均質な薄膜が形成されるために、ダークスポット等の画素欠陥を減少させることができる。なお、このような無機化合物としては、アルカリ金属カルコゲニド、アルカリ土類金属カルコゲニド、アルカリ金属のハロゲン化物及びアルカリ土類金属のハロゲン化物等が挙げられる。
このような絶縁体又は半導体を使用する場合、その層の好ましい厚みは、0.1nm〜15nm程度である。また、本発明における電子注入層は、前述の電子供与性ドーパントを含有していても好ましい。
正孔輸送層
発光層と陽極との間に形成される有機層であって、正孔を陽極から発光層へ輸送する機能を有する。正孔輸送層が複数層で構成される場合、陽極に近い有機層を正孔注入層と定義することがある。正孔注入層は、陽極から正孔を効率的に有機層ユニットに注入する機能を有する。本発明の含窒素芳香族複素環誘導体は、正孔輸送層に含有される正孔輸送材料として用いることもできる。
正孔輸送層を形成する他の材料としては、芳香族アミン化合物、例えば、下記式(H)で表される芳香族アミン誘導体が好適に用いられる。
Figure 2014198696
前記式(H)において、Ar1〜Ar4は置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50の芳香族炭化水素基又は縮合芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の芳香族複素環基又は縮合芳香族複素環基、または、それら芳香族炭化水素基又は縮合芳香族炭化水素基と芳香族複素環基又は縮合芳香族複素環基が結合した基を表す。
また、前記式(H)において、Lは置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50の芳香族炭化水素基又は縮合芳香族炭化水素基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の芳香族複素環基又は縮合芳香族複素環基を表す。
式(H)の化合物の具体例を以下に記す。
Figure 2014198696
また、下記式(J)の芳香族アミンも正孔輸送層の形成に好適に用いられる。
Figure 2014198696
前記式(J)において、Ar1〜Ar3の定義は前記式(H)のAr1〜Ar4の定義と同様である。以下に式(J)の化合物の具体例を記すがこれらに限定されるものではない。
Figure 2014198696
本発明の有機EL素子の正孔輸送層は第1正孔輸送層(陽極側)と第2正孔輸送層(陰極側)の2層構造にしてもよい。
正孔輸送層の膜厚は特に限定されないが、10〜200nmであるのが好ましい。
本発明の有機EL素子では、正孔輸送層または第1正孔輸送層の陽極側にアクセプター材料を含有する層を接合してもよい。これにより駆動電圧の低下及び製造コストの低減が期待される。
前記アクセプター材料としては下記式(K)で表される化合物が好ましい。
Figure 2014198696
(上記式(K)中、R21〜R26は互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立にシアノ基、−CONH2、カルボキシル基、又は−COOR27(R27は炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数3〜20のシクロアルキル基を表す)を表す。ただし、R21及びR22、R23及びR24、並びにR25及びR26の1又は2以上の対が一緒になって−CO−O−CO−で示される基を形成してもよい。)
27としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
アクセプター材料を含有する層の膜厚は特に限定されないが、5〜20nmであるのが好ましい。
n/pドーピング
上述の正孔輸送層や電子輸送層においては、特許第3695714号明細書に記載されているように、ドナー性材料のドーピング(n)やアクセプター性材料のドーピング(p)により、キャリア注入能を調整することができる。
nドーピングの代表例としては、電子輸送材料にLiやCs等の金属をドーピングする方法が挙げられ、pドーピングの代表例としては、正孔輸送材料にF4TCNQ(2,3,5,6-Tetrafluoro-7,7,8,8-tetracyanoquinodimethane)等のアクセプター材料をドーピングする方法が挙げられる。
スペース層
上記スペース層とは、例えば、蛍光発光層と燐光発光層とを積層する場合に、燐光発光層で生成する励起子を蛍光発光層に拡散させない、あるいは、キャリアバランスを調整する目的で、蛍光発光層と燐光発光層との間に設けられる層である。また、スペース層は、複数の燐光発光層の間に設けることもできる。
スペース層は発光層間に設けられるため、電子輸送性と正孔輸送性を兼ね備える材料であることが好ましい。また、隣接する燐光発光層内の三重項エネルギーの拡散を防ぐため、三重項エネルギーが2.6eV以上であることが好ましい。スペース層に用いられる材料としては、上述の正孔輸送層に用いられるものと同様のものが挙げられる。スペース層用の材料として、本発明の含窒素芳香族複素環誘導体を用いることもできる。
阻止層
本発明の有機EL素子は、発光層に隣接する部分に、電子阻止層、正孔阻止層、トリプレット阻止層といった阻止層を有することが好ましい。ここで、電子阻止層とは、発光層から正孔輸送層へ電子が漏れることを防ぐ層であり、正孔阻止層とは、発光層から電子輸送層へ正孔が漏れることを防ぐ層である。正孔阻止層用の材料として、本発明の含窒素芳香族複素環誘導体を用いることもできる。
トリプレット阻止層は、発光層で生成する三重項励起子が、周辺の層へ拡散することを防止し、三重項励起子を発光層内に閉じ込めることによって三重項励起子の発光ドーパント以外の電子輸送層の分子上でのエネルギー失活を抑制する機能を有する。
トリプレット阻止層を設ける場合、燐光素子においては、発光層中の燐光発光性ドーパントの三重項エネルギーをET d、トリプレット阻止層として用いる化合物の三重項エネルギーをET TBとすると、ET d<ET TBのエネルギー大小関係であれば、エネルギー関係上、燐光発光性ドーパントの三重項励起子が閉じ込められ(他分子へ移動できなくなり)、該ドーパント上で発光する以外のエネルギー失活経路が断たれ、高効率に発光することができると推測される。ただし、ET d<ET TBの関係が成り立つ場合であってもこのエネルギー差ΔET=ET TB−ET dが小さい場合には、実際の素子駆動環境である室温程度の環境下では、周辺の熱エネルギーにより吸熱的にこのエネルギー差ΔETを乗り越えて三重項励起子が他分子へ移動することが可能であると考えられる。特に燐光発光の場合は蛍光発光に比べて励起子寿命が長いため、相対的に吸熱的励起子移動過程の影響が現れやすくなる。室温の熱エネルギーに対してこのエネルギー差ΔETは大きい程好ましく、0.1eV以上であるとさらに好ましく、0.2eV以上であると特に好ましい。一方、蛍光素子においては、国際公開WO2010/134350A1に記載するTTF素子構成のトリプレット阻止層用の材料として、本発明の含窒素芳香族複素環誘導体を用いることもできる。
また、トリプレット阻止層を構成する材料の電子移動度は、電界強度0.04〜0.5MV/cmの範囲において、10-6cm2/Vs以上であることが望ましい。有機材料の電子移動度の測定方法としては、Time of Flight法等幾つかの方法が知られているが、ここではインピーダンス分光法で決定される電子移動度をいう。
電子注入層は、電界強度0.04〜0.5MV/cmの範囲において、10-6cm2/Vs以上であることが望ましい。これにより陰極からの電子輸送層への電子注入が促進され、ひいては隣接する阻止層、発光層への電子注入も促進し、より低電圧での駆動を可能にするためである。
前記含窒素芳香族複素環誘導体を含む有機EL素子は各種電子機器に好適に用いられる。例えば、パーソナルコンピューター、モニター、テレビ、携帯電話などのディスプレイ;時計、温度計の時刻及び温度表示;オーディオ機器、ダッシュボードの動作状態表示;液晶ディスプレイ、時計、オーディオ機器、ダッシュボードなどのバックライト;光記憶媒体、電子写真複写機などの光源;家庭用照明、車内照明、商品及び展示品のライトアップなどに用いられる照明装置などとして用いられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
中間体A1の合成
Figure 2014198696
アルゴン雰囲気下、4’−ブロモアセトフェノン10g(50mmol)、カルバゾール8.4g(50mmol)、酢酸パラジウム110mg(0.5mmol)、トリ−t−ブチルホスホニウムテトラフルオロほう酸塩440mg(1.5mmol)、炭酸カリウム21g(152mmol)にキシレン300mlを混合し、約120℃で7時間加熱・還流した。水、ジクロロメタンを加え、不溶分を除去後、ジクロロメタン抽出、水洗を行った。硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を除去し、酢酸エチル−n−ヘキサンから再結晶を行うことで、中間体A1を白色固体として得た。9.6g(収率67%)
中間体A2の合成
Figure 2014198696
中間体A1の合成において、カルバゾールの代わりに3,6−ジフェニル−9H−カルバゾールを用いた以外は同様の操作を行うことにより、化合物A3を黄色固体として得た。11.6g(収率90%)。
中間体A3の合成
Figure 2014198696
中間体A1の合成において、カルバゾールの代わりに3−(9H−2−カルバゾリル)−9−フェニル−カルバゾールを用いた以外は同様の操作を行うことにより、化合物A3を白色固体として得た。12.1g(収率88%)。
中間体B1〜B4の合成
中間体B1〜B4をWO2005/9967(JANSSEN PHARMACEUTICA, N.V.)とTetrahedron Letters, 2007, vol. 48, p. 4707-4710に記載されている方法にて合成した。
中間体C1の合成
Figure 2014198696
アルゴン雰囲気下、10.0gの中間体B1、4’−ブロモアセトフェノン11.0gに水酸化カリウムエタノール溶液(水酸化カリウム8.5gをエタノール100mLに溶解)を加え、約90℃で22時間加熱撹拌した。反応終了後、塩化アンモニウム水溶液を加え、ジクロロメタン抽出、水洗を行った。硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧溜去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィにて、未反応の原料を除去し、さらに酢酸エチルで、結晶化・洗浄を行うことで、中間体C1を白色固体として得た。15.4g(収率88%)。
中間体C2の合成
Figure 2014198696
中間体C1の合成において、4’−ブロモアセトフェノンの代わりに3’−ブロモアセトフェノンを用いた以外は同様の操作を行うことにより、中間体C2を白色固体として得た。7.8g(収率86%)。
中間体C3の合成
Figure 2014198696
中間体C1の合成において、中間体B1の代わりに中間体B3を、4’−ブロモアセトフェノンの代わりにアセトフェノンを用いた以外は同様の操作を行うことにより、中間体C3を白色固体として得た。8.6g(収率66%)。
中間体C4の合成
Figure 2014198696
中間体C1の合成において、中間体B1の代わりに中間体B4を、4’−ブロモアセトフェノンの代わりにアセトフェノンを用いた以外は同様の操作を行うことにより、中間体C4を白色固体として得た。12.0g(収率92%)。
中間体C5の合成
Figure 2014198696
中間体C1の合成において、中間体B1の代わりに中間体B3を用いた以外は同様の操作を行うことにより、中間体C3を白色固体として得た。6.0g(収率76%)。
中間体C6の合成
Figure 2014198696
中間体C1の合成において、中間体B1の代わりに中間体B4を、4’−ブロモアセトフェノンの代わりに3’−ブロモアセトフェノンを用いた以外は同様の操作を行うことにより、中間体C6を白色固体として得た。7.5g(収率95%)。
合成例1:化合物1
Figure 2014198696
アルゴン雰囲気下、1.5g(7.6mmol)の中間体B1、2.2g(7.7mmol)の中間体A1に水酸化カリウムエタノール溶液(水酸化カリウム1.3gをエタノール20mLに溶解)を加え、約90℃で15時間加熱撹拌した。反応終了後、塩化アンモニウム水溶液を加え、ジクロロメタン抽出、水洗を行った。硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧溜去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィにて、未反応の原料を除去し、さらに酢酸エチルで、結晶化・洗浄を行うことで、白色固体を得た。FD−MS(フィールドディソープションマススペクトル)の測定により、得られた化合物を化合物1と同定した。1.5g(収率45%)。
合成例2:化合物2
Figure 2014198696
化合物1の合成において、中間体A1の代わりに 中間体A2を用いた以外は同様の操作を行うことにより、白色固体を得た。FD−MSの測定により、得られた化合物を化合物2と同定した。1.4g(収率41%)。
合成例3:化合物3
Figure 2014198696
化合物1の合成において、中間体A1の代わりに中間体A3を用いた以外は同様の操作を行うことにより、淡黄色固体を得た。FD−MSの測定により、得られた化合物を化合物3と同定した。1.4g(収率35%)。
合成例4:化合物4
Figure 2014198696
化合物1の合成において、中間体B1の代わりに中間体B2を用いた以外は同様の操作を行うことにより、白色固体を得た。FD−MSの測定により、得られた化合物を化合物4と同定した。1.9g(収率57%)。
合成例5:化合物1
Figure 2014198696
アルゴン雰囲気下、3.0g(8.3mmol)の中間体C1、カルバゾール1.5g(9.0mmol)、酢酸パラジウム20mg(0.09mmol)、トリ−t−ブチルホスホニウムテトラフルオロほう酸塩75mg(0.26mmol)、炭酸カリウム3.5g(25mmol)にキシレン40mlを混合し、約140℃で31時間加熱・還流した。反応終了後、塩化アンモニウム水溶液を加え、ジクロロメタン抽出、水洗を行った。硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧溜去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィにて、未反応の原料を除去し、さらに酢酸エチルで、結晶化・洗浄を行うことで、白色固体を得た。NMRの比較により、得られた化合物は合成例1で合成した化合物1と同一であることを確認した。2.4g(収率71%)。
合成例6:化合物5
Figure 2014198696
合成例5において、中間体C1の代わりに中間体C2を用いた以外は同様の操作を行うことにより、淡黄色固体を得た。FD−MSの測定により、得られた化合物を化合物5と同定した。2.1g(収率57%)。
合成例7:化合物6
Figure 2014198696
合成例5において、中間体C1の代わりに中間体C3を用いた以外は同様の操作を行うことにより、淡黄色固体を得た。FD−MSの測定により、得られた化合物を化合物6と同定した。1.9g(収率51%)。
合成例8:化合物7
Figure 2014198696
合成例5において、中間体C1の代わりに中間体C4を用いた以外は同様の操作を行うことにより、淡黄色固体を得た。FD−MSの測定により、得られた化合物を化合物7と同定した。2.9g(収率78%)。
合成例9:化合物8
Figure 2014198696
アルゴン雰囲気下、3.0g(6.8mmol)の中間体C5、カルバゾール2.5g(15mmol)、酢酸パラジウム31mg(0.14mmol)、トリ−t−ブチルホスホニウムテトラフルオロほう酸塩120mg(0.41mmol)、炭酸カリウム5.7g(41mmol)にキシレン60mlを混合し、約140℃で39時間加熱・還流した。反応終了後、塩化アンモニウム水溶液を加え、ジクロロメタン抽出、水洗を行った。硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧溜去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィにて、未反応の原料を除去し、さらに酢酸エチルで、結晶化・洗浄を行うことで、黄色固体を得た。FD−MSの測定により、得られた化合物を化合物8と同定した。2.2g(収率53%)。
合成例10:化合物9
Figure 2014198696
合成例9において、中間体C5の代わりに中間体C6を用いた以外は同様の操作を行うことにより、淡黄色固体を得た。FD−MSの測定により、得られた化合物を化合物9と同定した。3.4g(収率82%)。
合成例11:化合物3
Figure 2014198696
合成例5において、カルバゾールの代わりに3−(9H−2−カルバゾリル)−9−フェニルカルバゾールを用いた以外は同様の操作を行うことにより、淡黄色固体を得た。FD−MSの測定により、得られた化合物を化合物3と同定した。3.3g(収率99%)。
合成例12:化合物10
Figure 2014198696
合成例5において、中間体C1の代わりに中間体C2を、カルバゾールの代わりに3−(9H−2−カルバゾリル)−9−フェニルカルバゾールを用いた以外は同様の操作を行うことにより、淡黄色固体を得た。FD−MSの測定により、得られた化合物を化合物10と同定した。1.0g(収率29%)。
実施例1
(1)有機EL素子の製造
25mm×75mm×1.1mmのITO透明電極(厚さ77nm)付きガラス基板(ジオマティック株式会社製)をイソプロピルアルコール中で超音波洗浄を5分間行なった後、UVオゾン洗浄を30分間行った。
洗浄後のITO透明電極付きガラス基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、まず前記透明電極を覆うようにして下記化合物HIを蒸着して膜厚5nmの正孔注入層を形成した。
次に、正孔注入層上に、下記化合物HT−1を蒸着して膜厚65nmの第1正孔輸送層を形成した。
次に、第1正孔輸送層上に、下記化合物HT−2を蒸着して膜厚10nmの第2正孔輸送層を形成した。
さらに、第2正孔輸送層上に、化合物1(ホスト)とIr(bzq)3(燐光発光材料)を共蒸着して膜厚25nmの発光層を形成した。Ir(bzq)3の濃度はホスト化合物1とIr(bzq)3の合計量の10質量%であった。
発光層の上に、下記化合物ETを蒸着して膜厚35nmの電子輸送層を形成した。
次に、電子輸送層上に、LiFを成膜速度0.1オングストローム/minで蒸着して膜厚1nmの電子注入性電極(陰極)を形成した。
最後に、電子注入性電極上に金属Alを蒸着して膜厚80nmの金属陰極を形成し、有機EL素子を作製した。
Figure 2014198696
(2)発光効率(電流効率)の測定
以上のようにして作製した有機EL素子を直流電流駆動により発光させ、電流密度が1.00mA/cm2となるように陽極と陰極との間に通電したときの電圧(単位:V)を計測し、その時の分光放射輝度スペクトルを分光放射輝度計CS−1000(コニカミノルタ社製)で計測し、得られた分光放射輝度スペクトルから、発光効率(単位:cd/Aを算出した。結果を表1に示す。
実施例2
化合物1を化合物4に代えた以外は実施例1と同様にして各EL素子を作成し、実施例1と同様にして発光効率を測定した。結果を表1に示す。
比較例1
化合物1の代わりに下記化合物Aを用いた以外は実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。
Figure 2014198696
比較例2
化合物1の代わりに、特開2007−001878号公報記載の下記化合物Bを用いた以外は実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。
Figure 2014198696
Figure 2014198696
表1の結果より、本発明の含窒素芳香族複素環誘導体を用いた実施例1及び実施例2の有機EL素子は、比較例1及び比較例2の有機EL素子と比較して、良好な発光効率を示すことがわかる。
実施例3
(1)有機EL素子の製造
25mm×75mm×1.1mmのITO透明電極(厚さ77nm)付きガラス基板(ジオマティック株式会社製)をイソプロピルアルコール中で超音波洗浄を5分間行なった後、UVオゾン洗浄を30分間行った。
洗浄後のITO透明電極付きガラス基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、まず前記透明電極を覆うようにして上記化合物HIを蒸着して膜厚5nmの正孔注入層を形成した。
次に、正孔注入層上に、上記化合物HT−1を蒸着して膜厚85nmの第1正孔輸送層を形成した。
次に、第1正孔輸送層上に、下記化合物HT−3を蒸着して膜厚10nmの第2正孔輸送層を形成した。
さらに、第2正孔輸送層上に、下記化合物BHとBDを共蒸着して膜厚25nmの発光層を形成した。化合物BDの濃度は化合物BHとBDの合計量の5質量%であった。
発光層の上に、化合物1を蒸着して膜厚20nmの第1電子輸送層を形成した。次に、上記化合物ETを蒸着して膜厚5nmの第2電子輸送層を形成した。
次に、第2電子輸送層上に、LiFを成膜速度0.1オングストローム/minで蒸着して膜厚1nmの電子注入性電極(陰極)を形成した。
最後に、電子注入性電極上に金属Alを蒸着して膜厚80nmの金属陰極を形成し、有機EL素子を作製した。
Figure 2014198696
(2)発光効率の測定
以上のようにして作製した有機EL素子は実施例1と同様にして発光効率を測定した。結果を表2に示す。
実施例4
化合物1を化合物4に代えた以外は実施例3と同様にしてEL素子を作製し、実施例1と同様にして発光効率を測定した。結果を表2に示す。
比較例3
化合物1の代わりに上記化合物ETを用いた以外は実施例3と同様にして有機EL素子を作製し、実施例1と同様にして発光効率を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2014198696
表2の結果より、本発明の含窒素芳香族複素環誘導体を用いた実施例3及び実施例4の有機EL素子は、比較例3の有機EL素子と比較して、良好な発光効率を示すことがわかる。
1 有機エレクトロルミネッセンス素子
2 基板
3 陽極
4 陰極
5 発光層
6 正孔注入層/正孔輸送層
7 電子注入層/電子輸送層
10 発光ユニット

Claims (19)

  1. 下記式(1−1)または(1−2)で表される含窒素芳香族複素環誘導体。
    Figure 2014198696
    (式(1−1)において、
    1〜R6の少なくとも一つは下記式(A−1)、(A−2)又は(A−3)で表される基である。
    1〜R6のうち、下記式(A−1)、(A−2)又は(A−3)で表されない基は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜15の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜15のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、ハロゲン原子、又はシアノ基を表す。
    ただし、R1とR6が同時に下記式(A−1’)で表される基、同時に(A−2’)で表される基、又は同時に(A−3’)で表される基であることはなく、R2とR5が同時に下記式(A−1’)で表される基、同時に(A−2’)で表される基、又は同時に(A−3’)で表される基であることはない。)
    Figure 2014198696
    (式(1−2)において、
    7〜R12の少なくとも一つは下記式(A−1)、(A−2)又は(A−3)で表される基である。
    7〜R12のうち、下記式(A−1)、(A−2)又は(A−3)で表されない基は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜15の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜15のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、ハロゲン原子、又はシアノ基を表す。
    ただし、R7とR10が同時に下記式(A−1’)で表される基、同時に(A−2’)で表される基、又は同時に(A−3’)で表される基であることはなく、R8とR11が同時に下記式(A−1’)で表される基、同時に(A−2’)で表される基、又は同時に(A−3’)で表される基であることはなく、R9とR12が同時に下記式(A−1’)で表される基、同時に(A−2’)で表される基、又は同時に(A−3’)で表される基であることはない。)
    Figure 2014198696
    (式(A−1)において、
    1〜A8は、それぞれ独立に、CRまたは窒素原子であり、
    Rは、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜15の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜15のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、ハロゲン原子、又はシアノ基を表す。隣接する2つのRが結合して、環の一部を形成する置換もしくは無置換の飽和もしくは不飽和の2価の基を形成してもよい。
    Lは、単結合、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリーレン基又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリーレン基を表わす。)
    Figure 2014198696
    (式(A−2)において、
    Lは前記と同様である。
    Raは、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基を表す。
    9〜A12のいずれか1つは*1に結合する炭素原子であり、その他のA9〜A12とA13〜A16は、A1〜A8と同様に定義される。)
    Figure 2014198696
    (式(A−3)において、
    Lは前記と同様である。
    L’は置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリーレン基又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリーレン基を表わす。
    Xは酸素原子、硫黄原子、又はSiRbRcを表し、Rb及びRcは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数1〜15の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜15のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基を表す。
    17〜A20のいずれか1つは*2に結合する炭素原子であり、その他のA17〜A20とA21〜A24は、A1〜A8と同様に定義される。)
    Figure 2014198696
    (式(A−1’)において、
    1〜B8は、それぞれ独立に、CRまたは窒素原子であり、
    Rは、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜15の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜15のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、ハロゲン原子、又はシアノ基を表す。隣接する2つのRが結合して、環の一部を形成する置換もしくは無置換の飽和もしくは不飽和の2価の基を形成してもよい。
    Lは、単結合、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリーレン基又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリーレン基を表わす。)
    Figure 2014198696
    (式(A−2’)において、
    Lは式(A−1’)と同様である。
    Raは、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基を表す。
    9〜B12のいずれか1つは*1に結合する炭素原子であり、その他のB9〜B12とB13〜B16は、B1〜B8と同様に定義される。)
    Figure 2014198696
    (式(A−3’)において、
    Lは式(A−1’)と同様である。
    L’は置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリーレン基又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリーレン基を表わす。
    Xは酸素原子、硫黄原子、又はSiRbRcを表し、Rb及びRcは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数1〜15の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜15のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基を表す。
    17〜B20のいずれか1つは*2に結合する炭素原子であり、その他のB17〜B20とB21〜B24は、B1〜B8と同様に定義される。)
  2. 前記式(A−1)で表される基が下記式(A−1a)で表される請求項1に記載の含窒素芳香族複素環誘導体。
    Figure 2014198696
    (式(A−1a)において、Lは前記と同様であり、R49〜R56は、式(A−1)のRと同様に定義される。R49〜R56の隣接する2つの基が結合して、環の一部を形成する置換もしくは無置換の飽和もしくは不飽和の2価の基を形成してもよい。)
  3. 前記式(A−2)で表される基が下記式(A−2a)で表される請求項1又は2に記載の含窒素芳香族複素環誘導体。
    Figure 2014198696
    (式(A−2a)において、L及びRaは前記と同様である。
    17〜R20のいずれか一つは*1に結合する単結合を表し、その他のR17〜R20とR13〜R16は、式(A−1)のRと同様に定義される。その他のR17〜R20及びR13〜R16の隣接する2つの基が結合して、環の一部を形成する置換もしくは無置換の飽和もしくは不飽和の2価の基を形成してもよい。)
  4. 前記式(A−3)で表される基が下記式(A−3a)で表される請求項1〜3のいずれか1項に記載の含窒素芳香族複素環誘導体。
    Figure 2014198696
    (式(A−3a)において、L、L’及びXは前記と同様であり、
    73〜R76のいずれか一つは*2に結合する単結合を表し、その他のR73〜R76とR77〜R80は、式(A−1)のRと同様に定義される。その他のR73〜R76及びR77〜R80の隣接する2つの基が結合して、環の一部を形成する置換もしくは無置換の飽和もしくは不飽和の2価の基を形成してもよい。)
  5. 前記式(1−1)で表される化合物が下記式(1−1a)、(1−1b)又は(1−1c)で表され、前記式(1−2)で表される化合物が下記式(1−2a)、(1−2b)又は(1−2c)で表される請求項1〜4のいずれか1項に記載の含窒素芳香族複素環誘導体。
    Figure 2014198696
    (式(1−1a)において、R1〜R3のいずれか一つは*3に結合する単結合を表し、その他のR1〜R3、R4〜R6、R49〜R56及びLは前記と同様である。
    式(1−1b)において、R1〜R3のいずれか一つは*4に結合する単結合を表し、R17〜R20のいずれか一つは*1に結合する単結合を表す。その他のR1〜R3、R4〜R6、その他のR17〜R20、R13〜R16、Ra及びLは前記と同様である。
    式(1−1c)において、R1〜R3のいずれか一つは*11に結合する単結合を表し、R73〜R76のいずれか一つは*2に結合する単結合を表す。その他のR1〜R3、R4〜R6、その他のR73〜R7677〜R80、L、L’及びXは前記と同様である。
    式(1−2a)において、R7〜R9のいずれか一つは*3に結合する単結合を表し、その他のR7〜R9、R10〜R12、R49〜R56及びLは前記と同様である。
    式(1−2b)において、R7〜R9のいずれか一つは*4に結合する単結合を表し、R17〜R20のいずれか一つは*1に結合する単結合を表す。その他のR7〜R9、R10〜R12、その他のR17〜R20、R13〜R16、Ra及びLは前記と同様である。
    式(1−2c)において、R7〜R9のいずれか一つは*11に結合する単結合を表し、R73〜R76のいずれか一つは*2に結合する単結合を表す。その他のR7〜R9、R10〜R12、その他のR73〜R76、R77〜R80、L、L’及びXは前記と同様である。)
  6. 前記式(A−1)又は(A−1a)で表される基が下記式(A−1b)で表される請求項1〜5のいずれか1項に記載の含窒素芳香族複素環誘導体。
    Figure 2014198696
    (式(A−1b)において、Lは前記と同様であり、
    49〜R52のいずれか一つは*5に結合する単結合であり、その他のR49〜R52及びR53〜R56は前記と同様である。
    65〜R68のいずれか一つは*6に結合する単結合であり、その他のR65〜R68及びR69〜R72は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜15の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜15のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、ハロゲン原子、又はシアノ基を表す。その他のR65〜R68及びR69〜R72の隣接する2つの基が結合して、環の一部を形成する置換もしくは無置換の飽和もしくは不飽和の2価の基を形成してもよい。
    Rfは、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基を表す。)
  7. 前記式(A−2)又は(A−2a)で表される基が下記式(A−2b)で表される請求項1〜6のいずれか1項に記載の含窒素芳香族複素環誘導体。
    Figure 2014198696
    (式(A−2b)において、L及びRaは前記と同様である。
    17〜R20のいずれか一つは*1に結合する単結合を表し、R13〜R16のいずれか一つは*7に結合する単結合を表し、その他のR17〜R20及びその他のR13〜R16は前記と同様である。
    65〜R68のいずれか一つは*8に結合する単結合を表し、その他のR65〜R68及びR69〜R72は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜15の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜15のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、ハロゲン原子、又はシアノ基を表す。その他のR65〜R68及びR69〜R72の隣接する2つの基が結合して、環の一部を形成する置換もしくは無置換の飽和もしくは不飽和の2価の基を形成してもよい。
    Rfは、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基を表す。)
  8. 前記式(A−3)又は(A−3a)で表される基が下記式(A−3b)で表される請求項1〜7のいずれか1項に記載の含窒素芳香族複素環誘導体。
    Figure 2014198696
    (式(A−3b)において、L、L’及びXは前記と同様である。
    73〜R76のいずれか一つは*2に結合する単結合を表し、R77〜R80のいずれか一つは*9に結合する単結合を表し、その他のR73〜R76及びその他のR77〜R80は前記と同様である。
    65〜R68のいずれか一つは*10に結合する単結合を表し、その他のR65〜R68及びR69〜R72は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜15の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜15のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のシリル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、ハロゲン原子、又はシアノ基を表す。その他のR65〜R68及びR69〜R72の隣接する2つの基が結合して、環の一部を形成する置換もしくは無置換の飽和もしくは不飽和の2価の基を形成してもよい。
    Rfは、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基を表す。)
  9. 前記式(A−1)、(A−1a)又は(A−1b)で表される基が下記式(A−1c)、(A−1d)又は(A−1e)で表される請求項1〜8のいずれか1項に記載の含窒素芳香族複素環誘導体。
    Figure 2014198696
    (式(A−1c)、(A−1d)および(A−1e)において、L、R49、R50、R52〜R56、R65〜R72、及びRfは前記と同様である。)
  10. 前記式(A−2)、(A−2a)又は(A−2b)で表される基が下記式(A−2c)又は(A−2d)で表される請求項1〜9のいずれか1項に記載の含窒素芳香族複素環誘導体。
    Figure 2014198696
    (式(A−2c)及び(A−2d)において、R13、R14、R16〜R20、R65〜R72、L、Ra、及びRfは前記と同様である。)
  11. 前記式(A−3)、(A−3a)又は(A−3b)で表される基が下記式(A−3c)又は(A−3d)で表される請求項1〜10のいずれか1項に記載の含窒素芳香族複素環誘導体。
    Figure 2014198696
    (式(A−3c)及び(A−3d)において、R73〜R77、R79、R80、R65〜R72、L、L’、X、及びRfは前記と同様である。)
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の含窒素芳香族複素環誘導体を含む有機エレクトロルミネッセンス素子用材料。
  13. 陽極、陰極、及び陽極と陰極との間に少なくとも1層の有機薄膜層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子であって、有機薄膜層の少なくとも1層が請求項1〜11のいずれか1項に記載の含窒素芳香族複素環誘導体を含有する有機エレクトロルミネッセンス素子。
  14. 前記有機薄膜層が発光層と、該発光層と前記陰極との間に配置された陰極側有機薄膜層とを有し、該陰極側有機薄膜層が前記含窒素芳香族複素環誘導体を含有する請求項13に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  15. 前記有機薄膜層が発光層と、該発光層と前記陰極との間に配置された電子輸送層とを有し、該電子輸送層が前記含窒素芳香族複素環誘導体を含有する請求項13に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  16. 前記有機薄膜層が発光層を有し、該発光層が前記含窒素芳香族複素環誘導体を含有する請求項13に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  17. 前記発光層が、さらに燐光発光材料を含有する請求項14〜16のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  18. 前記燐光発光材料が、イリジウム、オスミウム又は白金のオルトメタル化錯体である請求項17に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  19. 請求項13〜18のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を具備する電子機器。
JP2013075268A 2013-03-29 2013-03-29 含窒素芳香族複素環誘導体、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料、及び有機エレクトロルミネッセンス素子 Active JP6088323B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013075268A JP6088323B2 (ja) 2013-03-29 2013-03-29 含窒素芳香族複素環誘導体、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料、及び有機エレクトロルミネッセンス素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013075268A JP6088323B2 (ja) 2013-03-29 2013-03-29 含窒素芳香族複素環誘導体、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料、及び有機エレクトロルミネッセンス素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014198696A true JP2014198696A (ja) 2014-10-23
JP6088323B2 JP6088323B2 (ja) 2017-03-01

Family

ID=52355860

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013075268A Active JP6088323B2 (ja) 2013-03-29 2013-03-29 含窒素芳香族複素環誘導体、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料、及び有機エレクトロルミネッセンス素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6088323B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2963038A1 (en) * 2014-04-29 2016-01-06 Universal Display Corporation Organic electroluminescent materials and devices
CN106083845A (zh) * 2016-06-14 2016-11-09 金陵科技学院 一种1,5‑萘啶类有机发光材料化合物及其合成方法与应用

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11329737A (ja) * 1998-03-13 1999-11-30 Taiho Ind Co Ltd 有機多層型エレクトロルミネッセンス素子及び有機多層型エレクトロルミネッセンス素子用構造体の合成方法
WO2006049013A1 (ja) * 2004-11-04 2006-05-11 Idemitsu Kosan Co., Ltd. 縮合環含有化合物及びそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2007001878A (ja) * 2005-06-21 2007-01-11 Canon Inc 1,8−ナフチリジン化合物及びそれを用いた有機発光素子
JP2007084458A (ja) * 2005-09-20 2007-04-05 Chemiprokasei Kaisha Ltd 1,8−ナフチリジン誘導体および該誘導体を含有する有機電界発光素子
JP2008127446A (ja) * 2006-11-20 2008-06-05 Canon Inc 1,5−ナフチリジン化合物及び有機発光素子
WO2008114690A1 (ja) * 2007-03-15 2008-09-25 Hodogaya Chemical Co., Ltd. 置換されたビピリジル基とピリドインドール環構造がフェニレン基を介して連結した化合物および有機エレクトロルミネッセンス素子
WO2009102016A1 (ja) * 2008-02-14 2009-08-20 Hodogaya Chemical Co., Ltd. 置換されたピリジル基が連結したピリドインドール環構造を有する化合物および有機エレクトロルミネッセンス素子
WO2009136595A1 (ja) * 2008-05-08 2009-11-12 新日鐵化学株式会社 有機電界発光素子用化合物及び有機電界発光素子
JP2010215759A (ja) * 2009-03-16 2010-09-30 Konica Minolta Holdings Inc 有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置、照明装置及び有機エレクトロルミネッセンス素子材料
WO2011014039A1 (en) * 2009-07-31 2011-02-03 Rohm And Haas Electronic Materials Korea Ltd. Novel organic electroluminescent compounds and organic electroluminescent device using the same
WO2012121101A1 (ja) * 2011-03-04 2012-09-13 コニカミノルタホールディングス株式会社 有機エレクトロルミネッセンス素子

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11329737A (ja) * 1998-03-13 1999-11-30 Taiho Ind Co Ltd 有機多層型エレクトロルミネッセンス素子及び有機多層型エレクトロルミネッセンス素子用構造体の合成方法
WO2006049013A1 (ja) * 2004-11-04 2006-05-11 Idemitsu Kosan Co., Ltd. 縮合環含有化合物及びそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2007001878A (ja) * 2005-06-21 2007-01-11 Canon Inc 1,8−ナフチリジン化合物及びそれを用いた有機発光素子
JP2007084458A (ja) * 2005-09-20 2007-04-05 Chemiprokasei Kaisha Ltd 1,8−ナフチリジン誘導体および該誘導体を含有する有機電界発光素子
JP2008127446A (ja) * 2006-11-20 2008-06-05 Canon Inc 1,5−ナフチリジン化合物及び有機発光素子
WO2008114690A1 (ja) * 2007-03-15 2008-09-25 Hodogaya Chemical Co., Ltd. 置換されたビピリジル基とピリドインドール環構造がフェニレン基を介して連結した化合物および有機エレクトロルミネッセンス素子
WO2009102016A1 (ja) * 2008-02-14 2009-08-20 Hodogaya Chemical Co., Ltd. 置換されたピリジル基が連結したピリドインドール環構造を有する化合物および有機エレクトロルミネッセンス素子
WO2009136595A1 (ja) * 2008-05-08 2009-11-12 新日鐵化学株式会社 有機電界発光素子用化合物及び有機電界発光素子
JP2010215759A (ja) * 2009-03-16 2010-09-30 Konica Minolta Holdings Inc 有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置、照明装置及び有機エレクトロルミネッセンス素子材料
WO2011014039A1 (en) * 2009-07-31 2011-02-03 Rohm And Haas Electronic Materials Korea Ltd. Novel organic electroluminescent compounds and organic electroluminescent device using the same
WO2012121101A1 (ja) * 2011-03-04 2012-09-13 コニカミノルタホールディングス株式会社 有機エレクトロルミネッセンス素子

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2963038A1 (en) * 2014-04-29 2016-01-06 Universal Display Corporation Organic electroluminescent materials and devices
US9741941B2 (en) 2014-04-29 2017-08-22 Universal Display Corporation Organic electroluminescent materials and devices
EP3626719A1 (en) * 2014-04-29 2020-03-25 Universal Display Corporation Organic electroluminescent materials and devices
CN106083845A (zh) * 2016-06-14 2016-11-09 金陵科技学院 一种1,5‑萘啶类有机发光材料化合物及其合成方法与应用

Also Published As

Publication number Publication date
JP6088323B2 (ja) 2017-03-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3010055B1 (en) Material for organic electroluminescent elements, organic electroluminescent element using same, and electronic device
JP6195828B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子用材料、及びそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子
JP5802854B2 (ja) 縮合フルオランテン化合物、これを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子用材料、並びにこれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器
JP5870045B2 (ja) ビスカルバゾール誘導体及びそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子
JP6298769B2 (ja) 含酸素縮合環アミン化合物、含硫黄縮合環アミン化合物及び有機エレクトロルミネッセンス素子
JP5993934B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子用材料及び有機エレクトロルミネッセンス素子
JP5877273B2 (ja) 複素環化合物、これを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子用材料、並びにこれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器
JP6114232B2 (ja) 複素環化合物、これを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子用材料、並びにこれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器
JP6167176B2 (ja) 縮合フルオランテン化合物、これを含む有機エレクトロルミネッセンス素子用材料、並びにこれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器
JP6298608B2 (ja) フルオランテン誘導体、有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器
WO2012165256A1 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JPWO2014069602A1 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP6182217B2 (ja) 化合物、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料、有機エレクトロルミネッセンス素子および電子機器
WO2014051004A1 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子用材料及び有機エレクトロルミネッセンス素子
WO2014054263A1 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子用材料、及びそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子
JP6088323B2 (ja) 含窒素芳香族複素環誘導体、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料、及び有機エレクトロルミネッセンス素子
JP6088324B2 (ja) 含窒素芳香族複素環誘導体、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料、及び有機エレクトロルミネッセンス素子
JP6111162B2 (ja) ベンゾトリアゾール誘導体、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料及びそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2014196252A (ja) ヘテロアレーン誘導体、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料、及び有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2014196251A (ja) ヘテロアレーン誘導体、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料、及び有機エレクトロルミネッセンス素子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151118

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160614

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160616

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160812

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20160906

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161205

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20161212

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170110

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170203

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6088323

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150