JP2014197638A - 基板処理方法、基板処理装置および記憶媒体 - Google Patents

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辺 司 渡
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居 武 彦 折
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Keisuke Egashira
頭 佳 祐 江
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戸 泰 幸 井
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Abstract

【課題】基板の疎水化効率の向上およびパターン倒壊抑制効果の向上
【解決手段】基板処理方法は、第1疎水基を有する第1疎水化剤と、第1疎水基よりも分子長の短い第2疎水基を有する第2疎水化剤とが混合された第1疎水化処理液をSiO層を含む基板に供給して、前記基板のSiO層を疎水化する第1疎水化工程と、第1疎水化工程の後に、基板を乾燥させる乾燥工程と、を備えている。
【選択図】なし

Description

本発明は、基板表面を疎水化する技術に関するものである。
半導体装置の製造工程においては、表面にパターンが形成された半導体ウエハ等の基板が薬液により処理される。薬液処理の後、リンス液としての純水を基板に供給することによりリンス処理が行われ、その後、基板を高速回転させることにより基板の振り切り乾燥が行われる。パターンの内部に入り込んだ純水を確実に取り除くため、水と相溶性があり、水より揮発性が高く、かつ水より表面張力が低いIPAを基板に供給して、基板上に残存している純水をIPAで置換した後に振り切り乾燥が行われることが多い。
しかしながら、上記のように純水をIPAで置換した場合、微細かつ高アスペクト比のパターンの倒壊を完全に防止するには十分ではない。このため、近年では、パターン表面を疎水化することにより、液の表面張力に起因するパターン倒壊を防止することが行われている(例えば特許文献1を参照)。
特許文献1には、第1の疎水化剤を基板に供給して当該基板の表面を疎水化させる第1疎水化工程と、その後に、第1の疎水化剤とは異なる第2の疎水化剤を基板に供給して当該基板の表面を疎水化させる第2疎水化工程とを行い、これら第1および第2疎水化工程を行った後に当該基板を乾燥させる基板処理方法が記載されている。しかし、当該方法においても疎水化が不十分であるか、あるいはパターンの倒壊抑制効果が不十分である場合がある。
特開2012−44065号公報
本発明は、基板の疎水化効率の向上およびパターン倒壊抑制効果の向上を達成することができる技術を提供するものである。
本発明は、第1疎水基を有する第1疎水化剤と、前記第1疎水基よりも分子長の短い第2疎水基を有する第2疎水化剤とが混合された第1疎水化処理液をSiO層を含む基板に供給して、前記基板のSiO層を疎水化する第1疎水化工程と、前記疎水化工程の後に、基板を乾燥させる乾燥工程と、を備えた基板処理方法を提供する。
また、本発明は、基板処理装置において、基板を保持して回転させることができる基板保持部と、前記基板保持部に保持された基板に疎水化処理液を供給する疎水化処理液ノズルと、前記疎水化処理液ノズルに、第1疎水基を有する第1疎水化剤と、前記第1疎水基よりも分子長の短い第2疎水基を有する第2疎水化剤とを混合してなる第1疎水化処理液を供給しうるように構成された疎水化処理液供給機構と、当該基板処理装置を制御して上記の基板処理方法を実行させる制御部と、を備えた基板処理装置を提供する。
さらに本発明は、基板処理装置を制御するためのプログラムが記憶された記憶媒体であって、当該記憶媒体に記憶されたプログラムをコンピュータからなる前記基板処理装置のコントローラで実行することにより、前記コントローラが前記基板処理装置を制御して上記の基板処理方法を実行させる、記憶媒体を提供する。
本発明によれば、分子長の異なる疎水基を含む疎水化処理液を用いることにより、基板表面が高密度で疎水基に覆われるため、パターン倒壊防止性能を向上させることができる。
基板処理装置の第1実施形態を示す概略図である。 基板処理装置の第2実施形態を示す概略図である。 基板処理装置の第3実施形態を示す概略図である。 疎水化剤について説明する図である。 疎水基による置換について説明する概略図である。 疎水化剤の性能を説明するための図表である。 疎水化剤の性能を説明するための図表である。 疎水化剤の性能を説明するための図表である。 実施形態の性能を説明するための概略図である。
次に、添付図面を参照して、発明の実施形態について説明する。まず、基板処理方法の実施に用いることができる基板処理装置の3つの実施形態について説明する。
まず、図1を参照して、基板処理装置の第1の実施形態について説明する。基板処理装置は、複数台(図中には4台)の基板処理モジュール10を有している。基板処理モジュール10は、半導体ウエハ等の基板Wを水平姿勢で保持して図示しない回転駆動機構により鉛直軸線周りに回転させる基板保持部12を有している。また、基板処理モジュール10は、基板保持部12に保持された基板Wに対して例えばDHF(希フッ酸),SC−1,SC−2等の薬液を供給する薬液ノズル14と、DIW(純水)からなるリンス液を供給するリンス液ノズル16と、IPA(イソプロピルアルコール)等のDIW及び後述する疎水化処理液に対して相溶性(混和性)を有している溶剤を供給する溶剤ノズル18と、後述する疎水化処理液を供給する疎水化処理液ノズル20とを有している。
薬液ノズル14には、薬液の供給源14aから、流量調整弁及び開閉弁等の流量制御機構14b(図では簡略化して1つのボックスで示す)が介設された供給ライン14cを介して、制御された流量で薬液を供給することができる。リンス液ノズル16には、DIWの供給源16aから、流量調整弁及び開閉弁等の流量制御機構16b(図では簡略化して1つのボックスで示す)が介設された供給ライン16cを介して、制御された流量でDIWを供給することができる。溶剤ノズル18には、IPAの供給源18aから、流量調整弁及び開閉弁等の流量制御機構18b(図では簡略化して1つのボックスで示す)が介設された供給ライン18cを介して、制御された流量でIPAを供給することができる。なお、図1に小さく描かれた下の3つの基板処理モジュール10は、代表して大きく描かれた上の1つの基板処理モジュール10と同一構成を有しており、従って、上記のノズル14,16,18及び同様の処理流体の供給機構を備えているが、表示が簡略化若しくは省略されている。
基板処理装置は、複数台の基板処理モジュール10のそれぞれの疎水化処理液ノズル20に疎水化処理液を供給する疎水化処理液供給機構24を備えている。疎水化処理液供給機構24は、疎水化処理液を貯留するタンク26と、タンク26から出発してタンク26に戻る循環ライン28を有している。循環ライン28には、循環ライン28内で疎水化処理液を循環させる循環ポンプ30が介設されている。循環ライン28から各基板処理モジュール10に向けて複数の分岐ライン32が分岐し、各分岐ライン32は疎水化処理液ノズル20に接続されている。各分岐ライン32には流量調整弁及び開閉弁等の流量制御機構34(図では簡略化して1つのボックスで示す)が設けられている。従って、流量制御機構34を適宜操作することにより、循環ライン28から分岐ライン32に制御された流量で疎水化処理液を取り込み、これを疎水化処理液ノズル20から基板Wに供給することができる。
タンク26に、第1疎水化処理液供給源36aから、流量調整弁及び開閉弁等の流量制御機構36bが介設された供給ライン36cを介して、第1疎水化剤(SA)を溶剤(D)で希釈してなる第1疎水化処理液を供給することができる。また、タンク26に、第2疎水化処理液供給源38aから、バルブ38bが介設された供給ライン38cを介して、第2疎水化剤(SB)を溶剤(D)で希釈してなる第2疎水化処理液を供給することができる。さらに、タンク26に、溶剤供給源40aから、バルブ40bが介設された供給ライン40cを介して、溶剤(D)を供給することができる。第1疎水化剤及び第2疎水化剤は、分子の長さが異なるシリル化剤とすることができ、例えば、第1疎水化剤としてオクチルジメチルシリルジメチルアミン(ODMSDMA)、第2疎水化剤としてトリメチルシリルジメチルアミン(TMSDMA)を用いることができる。使用可能な第1疎水化処理液及び第2疎水化処理液については後に詳述する。溶剤は、疎水化剤と親和性があり、かつ揮発しにくい有機溶剤であればよく、具体的にはPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を用いることができる。
次に、図2を参照して、基板処理装置の第2の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。第2実施形態では、第1疎水化処理液はタンク26に供給されるのではなく、分岐ライン32に供給される。また、溶剤供給源40a、バルブ40b及び供給ライン40cは廃止されている。循環ライン28には、第2疎水化処理液のみが通流する。第1疎水化処理液の供給ライン38cが分岐ライン32に合流点35で合流しており、この合流点35において、分岐ライン32を流れる第2疎水化処理液に供給ライン36cから供給された第1疎水化処理液が混合されて疎水化処理液ノズル20に供給される。合流点35にミキシングバルブのような混合器を設けてもよい。供給ライン36cに設けられた流量制御機構36bにより第1疎水化処理液の流量を調整することにより、第1疎水化処理液(第1疎水化剤)と第2疎水化処理液(第2疎水化剤)との混合比を調整できるようになっている。上記した点を除いて第2実施形態の構成は第1実施形態と同じである。第2実施形態を示す図2において、第1実施形態と同一部材には同一符号を付してある。
次に、図3を参照して、基板処理装置の第3の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。第3実施形態では、タンク26及び循環ライン28が廃止され、各基板処理モジュール10(図3には1つだけ示す)に個別に第1及び第2疎水化処理液が供給される。合流点39において、第1疎水化処理液の供給ライン36cが第2疎水化処理液の供給ライン38cに合流している。この合流点39において、第1疎水化処理液と第2疎水化処理液が互いに混合されて疎水化処理液ノズル20に供給される。合流点39にミキシングバルブのような混合器を設けてもよい。供給ライン36cには流量調整弁及び開閉弁等の流量制御機構36bが設けられ、供給ライン38cには流量調整弁及び開閉弁等の流量制御機構38bが設けられている。流量調整機構36b、38bを適宜調整することにより、第1疎水化処理液(第1疎水化剤)と第2疎水化処理液(第2疎水化剤)との混合比を調整できるようになっている。上記した点を除いて第3実施形態の構成は第1実施形態と同じである。第2実施形態を示す図3において、第1実施形態と同一部材には同一符号を付してある。
利用する疎水化処理液の供給シーケンス(後述)に応じて、第1〜第3の実施形態に記載した構成を適宜選択して用いるのがよい。
基板処理装置は、図1〜図3に示すように、いずれの実施形態においても、その全体の動作を統括制御するコントローラ(制御部)200を有している。コントローラ200は、基板処理装置の全ての機能部品(例えば、基板保持部10、ポンプ26、各種流量制御機構(14b、16b、18b、34など)の動作を制御する。コントローラ200は、ハードウエアとして例えば(汎用)コンピュータと、ソフトウエアとして当該コンピュータを動作させるためのプログラム(装置制御プログラムおよび処理レシピ等)とにより実現することができる。ソフトウエアは、コンピュータに固定的に設けられたハードディスクドライブ等の記憶媒体に格納されるか、あるいはCD−ROM、DVD、フラッシュメモリ等の着脱可能にコンピュータにセットされる記憶媒体に格納される。このような記憶媒体が参照符号201で示されている。プロセッサ202は必要に応じて図示しないユーザーインターフェースからの指示等に基づいて所定の処理レシピを記憶媒体201から呼び出して実行させ、これによってコントローラ200の制御の下で基板処理装置の各機能部品が動作して所定の処理が行われる。
次に、上記の基板処理装置によりコントローラ200の制御下で実行される処理シーケンスの一例について説明する。まず、基板W(例えば表面にパターンが形成されている半導体ウエハ)を基板保持部10により水平に保持し、鉛直軸線周りに回転させる。この状態で、薬液ノズル14から薬液例えばDHFを基板Wの表面に供給し、基板Wに薬液洗浄処理を施す。
所定時間薬液洗浄処理を行った後、引き続き基板Wを回転させながら、薬液ノズル14からの薬液の吐出を停止し、これとほぼ同時にリンス液ノズル16からリンス液としてDIWを基板Wに供給し、基板Wに第1リンス処理を施す。
所定時間第1リンス処理を行った後、引き続き基板Wを回転させながら、リンス液ノズル16からのリンス液の吐出を停止し、これとほぼ同時に溶剤ノズル18からIPAを基板Wに供給し、基板W上のDIWをIPAに置換する第1溶剤置換処理を行う。IPAはDIWに対して相溶性を有しているので、パターン内に入り込んだDIWがIPAにより十分に置換される。
所定時間溶剤置換処理を行った後、引き続き基板Wを回転させながら、溶剤ノズル18からのIPAの吐出を停止するとともに、これとほぼ同時に疎水化処理液ノズル20から疎水化処理液を基板Wに供給し、基板W上のIPAを疎水化処理液で置換する。IPAは疎水化処理液に対しても相溶性を有しているので、パターン内に入り込んだIPAが疎水化処理液に置換される。この疎水化処理液に含まれるシリル化剤により、パターンの凹部の表面を含む基板Wの表面を疎水化する疎水化処理が行われる。この疎水化処理については、後に詳述する。
所定時間疎水化処理を行った後、引き続き基板Wを回転させながら、疎水化処理液ノズル20からの疎水化処理液の吐出を停止するとともに、これとほぼ同時に溶剤ノズル18からIPAを基板Wに供給し、基板W上の疎水化処理液をIPAで置換する第2溶剤置換処理を行う。前述のようにIPAは疎水化処理液に対しても相溶性を有しているので、パターン内に入り込んだ疎水化処理液がIPAに置換される。
所定時間第2溶剤置換処理を行った後、引き続き基板Wを回転させながら、溶剤ノズル18からのIPAの吐出を停止するとともに、これとほぼ同時にこれとほぼ同時にリンス液ノズル16からリンス液としてDIWを基板Wに供給し、基板Wに第2リンス処理を施す。なお、上述した第1及び第2溶剤置換処理を行っている理由は、互いに相溶性を有していないDIWと疎水化処理液とを直接置換することが困難であるため、DIW及び疎水化処理液の両方に対して相溶性(混和性)を有するIPAを中間媒体として用いることによってDIWと疎水化処理液とを間接的に置換することを可能とすることにある。
所定時間第2リンス処理を行った後、リンス液ノズル16からのDIWの吐出を停止し、引き続き基板Wを回転させる。これにより基板W上のDIWを基板から振り切る振り切り乾燥を行う。パターンの凹部の表面を含む基板Wの表面が疎水化されているため、この振り切り乾燥時におけるパターン倒壊を防止することができる。なお表面の疎水化を行うことによりパターン倒壊が防止ないし抑制される原理は、当該技術分野において良く知られているため、ここでの説明は省略する。
次に、疎水化処理について説明する。
まず、疎水化剤として好適に用いることができるシリル化剤について、トリメチルシリルジメチルアミン(TMSDMA)(図4(a)参照)、ブチルジメチルシリルジメチルアミン(BDMSDMA)(図4(b)参照)及びオクチルジメチルシリルジメチルアミン(ODMSDMA)(図4(c)参照)を例にとって説明する。これら3種類のシリル化剤は、図4に示すように、ともに反応基としてジメチルアミンを有しており、疎水基として互いに分子長が異なるシリル基を有している。
TMSDMAをシリコン化合物膜(ここではSiO膜とする)に作用させると、図5に示すように、反応基としてのジメチルアミン(DMA)がSiO膜表面のOH終端部分(OH基)と反応して、OH基のHがシリル基であるトリメチルシリル基(TMS)に置換される。TMSは疎水性(撥水性)を有しているため、シリコン化合物膜の表面が疎水化され、DIW(純水)の当該シリコン化合物膜への接触角が増大する。BDMSDMA及びODMSDMAを用いた場合も、TMSDMAと同様の反応が生じ、OH基のHがブチルジメチルシリル基(BDMS)及びオクチルジメチルシリル基(ODMS)にそれぞれ置換される。
これら3種類のシリル化剤の疎水性向上性能について図6の表を参照して説明する。図6の表は、DIWに対する接触角が互いに同じ値(ここでは85度)にSi化合物膜(例えばSiO膜)を処理した場合について比較した説明図である。接触角85度を達成するのに必要な疎水化処理時間は、疎水基の分子長が最も長いODMSDMAが最も短く、疎水基の分子長が最も短いTMSDMAが最も長い。なお、図6の表中に表示された「処理時間」とは、ODMSDMAの疎水化処理時間を「1」とした場合の、相対時間を意味する(以下の全ての表において図6の表のODMSDMAの疎水化処理時間が基準とされる)。その一方で、同じ接触角85度が達成されているにも関わらず、疎水基の分子長が最も長いODMSDMAではパターン倒壊抑制性能が低く、疎水基の分子長が最も短いTMSDMAがパターンの倒壊抑制性能に優れている。
このような現象に対して発明者は以下のように考えている。疎水基の分子長が長いほど接触角が大きくなることが分かっている。図6に示すように、ODMSDMAは疎水基ODMSの分子長が長いため、少ない数のODMSがOH終端部分のHを置換しただけでも見かけ上の疎水性の指標である接触角が大きくなる。しかしながら、ODMSのサイズが大きいため、ある程度の数のODMSがSi化合物膜に付着した後は、既に付着したODMS間に別のODMSが入り込むことが困難となりそれ以上、ODMS置換を進行させることが困難になる。既に付着したODMS間にはある程度の大きさの隙間があるので、図6に示すように当該隙間に露出している終端のOH基に微小液滴は到達しうるので(微小液滴を弾くことができない)、パターン倒壊抑制性能が低くなるものと考えられる。これに対して、TMSDMAの疎水基であるTMSは分子長が短いため、接触角を大きくするには、ODMSと比較して多数のTMSをSi化合物膜に付着させなければならない。その一方で、TMSはSi化合物膜に高密度に付着させることができるので、パターン倒壊抑制性能が高くなる。
但し、図7の表に示すように、ODMSDMAの場合でも、処理時間を長く、例えば2倍にすれば、接触角は100度を超えるようになり、ある程度のパターン倒壊抑制が可能となる。しかしながら、処理時間をさらに長くしても接触角は大きくならず、パターン倒壊抑制の効果は上がらない。この場合にも、上述したように、微小液滴を弾くことができないからであると考えられる。
なお、疎水基の分子長が長いことはデメリットばかりではない。例えば図8の表に示すように、Si化合物膜の表面あるOH終端(OH基)の数が少ない場合(例えばSi化合物膜がSiN膜の場合)には、限られた数のOH基のHを分子長が長い疎水基により置換した方が明らかに有利となる。Si化合物膜の表面に高密度にOH終端が存在する場合(例えばSi化合物膜がSiOの場合)と異なり、実質的に全てのOH基のHを分子長の長いODMSにより置換することが可能だからである。置換可能なOH基の数が同じならば、疎水基の分子長が長い方が、接触角の増大及びパターン倒壊防止性能のいずれの観点からも有利である。
本実施形態では、上記の点に鑑み、分子長が長い疎水基を含む疎水化剤(例えばODMSDMA)と、分子長が短い疎水基を含む疎水化剤(例えばTMSDMA)とを混合して同時に供給することにより、一部のOH基のHを分子長が長い疎水基と置換させ、残りのOH基のHを分子長が短い疎水基と置換させることとしている。なお、混合液中のODMSDMAとTMSDMAの混合比は、例えば1:1〜1:10程度とすることができる。同じ数のOH基が疎水基で置換されるならば疎水基の平均分子長が長い方がDIWの接触角は大きくなるので、分子長が短い疎水基を有する疎水化剤のみを用いた場合と比較して、接触角を大きくすることができる。また、分子長が短い疎水基は分子長が長い疎水基の隙間に入り込んで、分子長が長い疎水基の隙間に存在するOH基を置換することができるので、未置換のOH基を無くすかあるいは大幅に減少させることができる。このため、未置換のOH基にDIWの微小液滴が到達することによって生じうるパターン倒壊の可能性を大幅に低減することができる。本実施形態において実現できる想定表面状態が図9に示されている。
なお、置換反応は反応基(本例ではジメチルアミン)の反応によって律速されるため、本実施形態のように、反応基が同じで疎水基の分子長が異なる化合物を作用させる場合には、混合させて同時に作用させた方が好ましい。分子長が長い疎水基を含む疎水化剤と、分子長が短い疎水基を含む疎水化剤とを別々に供給する場合よりも、処理時間を短縮することができる。
本実施形態における疎水化処理は、分子長が相対的に長い疎水基を有する第1疎水化剤(例えばODMSDMA)と分子長が相対的に短い疎水基を有する第2疎水化剤(例えばTMSDMA)とを含む混合液からなる第1疎水化処理液を基板Wに供給する第1疎水化工程を少なくとも有している。本実施形態における疎水化処理は、第1疎水化工程の前に、第1疎水化剤(ODMSDMA)を含み第2疎水化剤(TMSDMA)を含まない第2疎水化処理液を基板Wに供給する第2疎水化工程をさらに有していても良い。例えば、基板上のパターン(高アスペクト比の凹凸)を形成する複数の薄膜層にSiN層及びSiO層が含まれる場合には、OH終端(OH基)が少ないSiN層に分子長が相対的に短い疎水基が付着することはあまり好ましいことではないので、先行してSiN層に分子長が相対的に長い疎水基を付着させた方が好ましい。この場合、前述したように、OH基の数が少ないSiN膜を疎水化した後に、SiO膜を疎水化するので、複数の薄膜層でもOH基を疎水基に効果的に置換することができる。また、SiO膜のOH基を置換する処理時間を短縮することができる。なお、この場合、図2または図3に示す基板処理装置が必要となる。なお、基板Wの表面が十分に高密度でOH基を有しているのなら(例えば基板Wの表面の全てまたは多くの部分がSiOからなる場合)、第1疎水化工程のみを行えば十分である。
また、本実施形態における疎水化処理は、第1疎水化工程の後に、前記第1疎水化剤を含まず前記第2疎水化剤を含む第3疎水化処理液を基板Wに供給する第3疎水化工程をさらに有していても良い。この場合も、前述したように、第1疎水化工程から第3疎水化工程への移行は、第1疎水化処理液(第1疎水化剤+第2疎水化剤+溶剤)の基板Wへの供給を停止することなく、第1疎水化処理液への第1疎水化剤(第1疎水化剤+溶剤)の添加をやめることにより行うのがよい。なお、この場合、図2または図3に示す基板処理装置が必要となる。また、上記の第2疎水化工程、第1疎水化工程及び第3疎水化工程の全てを行ってよい。
上記の説明では、分子長が長い疎水基を含む疎水化剤としてシリル化剤であるODMSDMAと、分子長が短い疎水基を含む疎水化剤としてシリル化剤であるTMSDMAを用いたが、これに限定されるものではなく、他のシリル化剤を用いても良い。具体的には、「分子長が長い疎水基を含む疎水化剤としてのシリル化剤」と「分子長が短い疎水基を含む疎水化剤としてのシリル化剤」との組合せとして、例えば、TIPSDMA(トリイソプロピルシリルジメチルアミン)とBDPSDMA(ブチルジフェニルシリルジメチルアミン)などが例示される。
また、溶剤は、疎水化剤との親和性が確保できれば、揮発しやすい溶媒を用いることもできる。
10 基板保持部
20 疎水化処理液ノズル
200 コントローラ

Claims (7)

  1. 第1疎水基を有する第1疎水化剤と、前記第1疎水基よりも分子長の短い第2疎水基を有する第2疎水化剤とが混合された第1疎水化処理液をSiO層を含む基板に供給して、前記基板のSiO層を疎水化する第1疎水化工程と、
    前記疎水化工程の後に、基板を乾燥させる乾燥工程と、
    を備えた基板処理方法。
  2. 前記第1疎水化剤と前記第2疎水化剤が同じ反応基を有している、請求項1記載の基板処理方法。
  3. 前記第1疎水化剤および前記第2疎水化剤がともに前記第1および第2の疎水基としてのシリル基を有するシリル化剤である、請求項1または2記載の基板処理方法。
  4. 前記基板はSiN層を含み、
    前記第1疎水化工程の前に、前記第1疎水化剤を含まずに前記第2疎水化剤を含む第2疎水化処理液を基板に供給して、前記基板のSiN層を疎水化する第2疎水化工程を更に備えた、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  5. 前記第2疎水化工程と前記第1疎水化工程は連続的に実行され、前記第2疎水化工程から前記第1疎水化工程への移行は、第2疎水化処理液を基板に供給し続けたまま前記第2疎水化処理液に前記第1疎水化剤を混合することにより行われる、請求項4記載の基板処理方法。
  6. 基板処理装置において、
    基板を保持して回転させることができる基板保持部と、
    前記基板保持部に保持された基板に疎水化処理液を供給する疎水化処理液ノズルと、
    前記疎水化処理液ノズルに、第1疎水基を有する第1疎水化剤と、前記第1疎水基よりも分子長の短い第2疎水基を有する第2疎水化剤とを混合してなる第1疎水化処理液を供給しうるように構成された疎水化処理液供給機構と、
    当該基板処理装置を制御して請求項1〜5のいずれか一項に記載の基板処理方法を実行させるコントローラと、
    を備えた基板処理装置。
  7. 基板処理装置を制御するためのプログラムが記憶された記憶媒体であって、当該記憶媒体に記憶されたプログラムをコンピュータからなる前記基板処理装置のコントローラで実行することにより、前記コントローラが前記基板処理装置を制御して請求項1〜5のいずれか一項に記載の基板処理方法を実行させる、記憶媒体。
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