JP2014197496A - 球形炭素材 - Google Patents

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明男 坂本
智明 浦井
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智明 浦井
精二 岡崎
Seiji Okazaki
精二 岡崎
浩平 山口
Kohei Yamaguchi
浩平 山口
亙 小田
Wataru Oda
亙 小田
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Miwa Katayama
美和 片山
健太 濱井
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健太 濱井
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Abstract

【解決課題】 軽量な等方的粒子であって粒子の高密度充填が可能な結晶成長性の良い球形炭素材を提供する。
【解決手段】 平均粒径(D50)が2μm以上50μm以下であり、気体置換法により測定される密度(ρ)に対するタップ密度(ρ)の割合(ρ/ρ)が50%以上80%以下である生コークス球形炭素材及び前記生コークス球形炭素材を炭化した炭素質球形炭素材、前記生コークス球形炭素材を黒鉛化した黒鉛質球形炭素材。
【選択図】 なし

Description

本発明は球形炭素材に関するものである。
近年、特殊炭素材用途や、リチウムイオン二次電池の負極材として、球形炭素材が求められている。
特殊炭素材の場合、強度向上のために成形体の等方性が求められる。一般には、炭素材をバインダーで混練した成形物に対して、冷間静水圧(CIP)成型のような等方加圧成形を行うことで等方性の成形物を得る方法が知られている(特許文献1、2)。また、焼成とピッチ等液状炭素原料の含浸との二工程を繰り返す長い工程を経ることによっても、等方的な特殊炭素製品が製造されてきた。しかしながら、CIP成形では専用の加圧装置が必要となり、液状炭素原料の含浸による製造法では、製造期間が長期化するために、コスト面で有利とは言えない。
更に近年では、特殊な等方成形法によらず等方性炭素を得る方法も提案されており、例えばMCMBからバインダーを用いずに等方性の炭素材が得られることが報告されている(非特許文献1)。しかし、ここで挙げられているMCMBは異方性の球状の炭素材料であり、ランダムな充填がされることでバルクとして等方的な成形体を得ているものである。更に、MCMBは液状の炭素質を原料として用いる液相反応によって製造されるためにコストがかかるうえ、環境負荷が大きいという課題がある。
また、粒子そのものが等方性である材料として、モザイク構造の生コークスを粉砕し黒鉛化した、アスペクト比が1.00〜1.32である黒鉛材料(特許文献3)が示されている。しかし、この粒子は粉砕によって形状が球形に近い塊状になっただけのものであり、粒子断面の輪郭線に直線的な部分や角部を有している。このような形状の粒子は充填性に欠け、また、粒子同士の接点にムラが出来るために特殊炭素材料に必須とも言える、強度の向上が望めない。
真球に近い黒鉛粒子としては、円形度が0.92以上1.00以下である天然黒鉛粒子が報告されている(特許文献4)が、原料に天然黒鉛を使用しているために純度の点で難があり、また、球形化工程の後に平滑化工程を経る等、コスト面にも課題が多い。
特開2005−298231号公報 特開2008−59903号公報 特開2007−172901号公報 WO2012/137770号公報
藤本宏之、「メソカーボンマイクロビーズの工業的製造法とその応用」、炭素、炭素材料学会、Vol.2010、No.241、pp.10〜14
本発明の目的は、粒子の結晶構造が等方的であって、粒子内部に空隙を有するために軽量であり、粒子の高密度充填が可能な球形炭素材を提供することを目的とする。
前記技術的課題は、次のとおり本発明によって達成できる。
すなわち、本発明は、平均粒径(D50)が2μm以上50μm以下であり、気体置換法により測定される密度(ρ)に対するタップ密度(ρ)の割合(ρ/ρ)が50%以上80%以下であることを特徴とする生コークス球形炭素材である(本発明1)。
また、本発明は、タップ密度(ρ)に対するゆるめ嵩密度(ρ)の割合(ρ/ρ)が70%以上である本発明1に記載の生コークス球形炭素材である(本発明2)。
また、本発明は、平面方向の球形化率と立面方向の球形化率の平均値(Q)が60%以上であり、1200℃で5時間の加熱と2800℃で3時間の加熱を経た後の形状維持率が70%以上である、本発明1又は2に記載の生コークス球形炭素材である(本発明3)。
また、本発明は、平均粒径(D50)が1μm以上50μm以下であり、気体置換法により測定される密度(ρ)に対するタップ密度(ρ)の割合(ρ/ρ)が55%以上80%以下であることを特徴とする炭素質球形炭素材である(本発明4)。
また、本発明は、タップ密度(ρ)に対するゆるめ嵩密度(ρ)の割合(ρ/ρ)が70%以上である本発明4に記載の炭素質球形炭素材。である(本発明5)。
また、本発明は、液体置換法により測定される密度(ρ)に対する、気体置換法により測定される密度(ρ)の比(ρ/ρ)が0.9以上1.1以下である本発明4又は5に記載の炭素質球形炭素材。である(本発明6)。
また、本発明は、平面方向の球形化率と立面方向の球形化率の平均値(Q)が55%以上であり、2800℃で3時間の加熱を経た後の形状維持率が80%以上である、本発明4〜6のいずれかに記載の炭素質球形炭素材。である(本発明7)。
また、本発明は、平均粒径(D50)が1μm以上50μm以下であり、気体置換法により測定される密度(ρ)に対するタップ密度(ρ)の割合(ρ/ρ)が55%以上80%以下であることを特徴とする黒鉛質球形炭素材である(本発明8)。
また、本発明は、タップ密度(ρ)に対するゆるめ嵩密度(ρ)の割合(ρ/ρ)が70%以上である本発明8に記載の黒鉛質球形炭素材である(本発明9)。
また、本発明は、液体置換法により測定される密度(ρ)に対する、気体置換法により測定される密度(ρ)の比(ρ/ρ)が0.9以上1.1以下である本発明8又は9に記載の黒鉛質球形炭素材である(本発明10)。
また、本発明は、平面方向の球形化率と立面方向の球形化率の平均値(Q)が50%以上である本発明8〜10のいずれかに記載の黒鉛質球形炭素材である(本発明11)。
本発明に係る生コークス球形炭素材は、高度に球形化されているため、粒子が高密度に充填される粉体である。また、本発明に係る生コークス球形炭素材は、球形化処理によって粒子表面が均されているために、炭化及び/又は黒鉛化を経たときには開気孔ができにくく、粒子内部に空隙を持つ粒子を得ることができる。
本発明に係る炭素質球形炭素材は粒子内部に空隙を持つため、特殊炭素用途で用いる場合には成形体の軽量化を図ることが可能となる。また、本発明に係る炭素質球形炭素材は成形体中でも空隙を維持すると考えられるため、粒子内部の空隙が衝撃を緩和したり、亀裂伸展を阻止したりすることによって、成形体の崩壊を抑制する効果が期待できる。
本発明に係る炭素質球形炭素材をリチウムイオン二次電池用の負極活物質として用いる場合には、粒子表面の結晶構造が等方的であるために電極内の導電パスを多面的に確保できる。また、粒子内部に空隙を有するため、充放電反応による体積変化を空隙が吸収して粒子全体で緩和し電極の崩壊を防止する効果が期待できる。
本発明に係る黒鉛質球形炭素材は粒子内部に空隙を持つため、特殊炭素用途で用いる場合には成形体の軽量化を図ることが可能となる。また、本発明に係る黒鉛質球形炭素材は成形体中でも空隙を維持すると考えられるため、粒子内部の空隙が衝撃を緩和したり、亀裂伸展を阻止したりすることによって、成形体の崩壊を抑制する効果が期待できる。
本発明に係る黒鉛質球形炭素材をリチウムイオン二次電池用の負極活物質として用いる場合には、粒子表面の結晶構造が等方的であるために電極内の導電パスを多面的に確保できる。また、粒子内部に空隙を有するため、充放電反応による体積変化を空隙が吸収して粒子全体で緩和し電極の崩壊を防止する効果が期待できる。
更に、リチウムイオン二次電池用途としては、本発明に係る炭素質球形炭素材および黒鉛質球形炭素材は生コークス球形炭素材の製造過程で微細な他種原料(遷移金属の化合物など)を添加し、その沸点を超えない程度の温度で熱処理した場合、空隙を有する複合体の内部に非晶質炭素や黒鉛質炭素とは異なる相を導入することが可能であるため、電池特性を向上させる効果を付与することが可能である。
本発明に係る球形炭素材は、安価な材料を用いて短い工程での製造ができ、粒子そのものが等方的であるために成形時にも余分な工程を経る必要がなくなるため、経済的に有利である。更に、本発明に係る球形炭素材は粒子内部に空隙を有する構造であるために、黒鉛化に要する体積当たりの熱エネルギーが少なくてすみ、黒鉛化のコストを抑えることが可能である。
実施例2−1で得られた炭素質球形炭素材の断面観察像 実施例2−2で得られた炭素質球形炭素材の断面観察像 実施例3−1で得られた黒鉛質球形炭素材の断面観察像 実施例3−2で得られた黒鉛質球形炭素材の断面観察像 黒鉛質炭素材のd(002)−ρのグラフ
本発明に係る生コークス球形炭素材、炭素質球形炭素材、及び黒鉛質球形炭素材、並びに当該球形炭素材の製造方法について以下に説明する。なお、以下で説明するのは実施形態の一例であって、構成材料又は部材の形状、加工や熱処理の条件等は本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
まず、本発明に係る生コークス球形炭素材について述べる。
本発明に係る生コークス球形炭素材の平均粒径(D50)は、2μm以上50μm以下である。本発明における製造方法において、平均粒径が2μm未満の球形炭素材を製造しようとすれば、粉砕エネルギーも莫大になり、現実的でない。平均粒径が50μmを超える粒子では、成形体あるいは膜において十分な粒子を配列させることができないために、成形体材料に用いた場合には高強度な成形体が得られず、また、負極材料に用いた場合にも作製した電極に不都合が生じる。粉体のハンドリングを考えると、好ましい生コークス球形炭素材の平均粒径は5μm以上30μm以下である。
本発明に係る生コークス球形炭素材のBET比表面積は、粒子サイズによっても異なるが、0.2m/g以上10m/g以下であることが好ましい。BET比表面積が10m/gよりも大きければ、粉体のハンドリング性に悪影響を及ぼす。また、BET比表面積が10m/gよりも大きい生コークス球形炭素材は、十分な球形化処理がなされておらず、炭化又は黒鉛化を行った場合に、粒子形状が扁平化するものである。生コークス球形炭素材のBET比表面積は、0.3m/g以上5.0m/g以下であることがより好ましい。
本発明に係る生コークス球形炭素材は、気体置換法により測定される密度(ρ)が1.6g/cc以下であることが好ましく、1.4g/cc以上1.55g/cc以下であることがより好ましい。
本発明に係る生コークス球形炭素材は、ゆるめ嵩密度(ρ)が0.3g/cc以上0.9g/cc以下であることが好ましく、0.4g/cc以上0.8g/cc以下であることがより好ましい。
本発明に係る生コークス球形炭素材は、タップ密度(ρ)が0.5g/cc以上1.2g/cc以下であることが好ましく、0.6g/cc以上1.0g/cc以下であることがより好ましい。
本発明に係る生コークス球形炭素材は、気体置換法により測定される密度(ρ)に対するタップ密度(ρ)の割合(ρ/ρ)が50%以上80%以下である。ρ/ρが50%未満の粉末は、粒子が密に充填されずρが小さい粉末であり、粒子同士の間隙が大きく、均一な充填がされない。ρ/ρが80%を超える粉末は、得ることが困難である。気体置換法により測定される密度(ρ)に対するタップ密度(ρ)の割合(ρ/ρ)は好ましくは50%以上70%以下である。
また本発明に係る生コークス球形炭素材は、タップ密度(ρ)に対するゆるめ嵩密度(ρ)の割合(ρ/ρ)が70%以上であることが好ましい。ρ/ρが70%未満の粉末は、流動性が低く、自己充填性に欠けるので、充填させる為に振動や加圧等の操作が余計に必要であり、また、得られる成形体の異方性が強くなるので好ましくない。タップ密度(ρ)に対するゆるめ嵩密度(ρ)の割合(ρ/ρ)は75%以上であることがより好ましい。
本発明に係る生コークス球形炭素材は、粒子の平面方向からの球形化率(Q)、及び立面方向からの球形化率(Q)は各々60%以上であることが好ましい。球形化率が60%未満である場合には、十分な造粒がなされていない状態であり、炭化又は黒鉛化を行うことで六角網平板構造の結晶構造が発達して粒子形状が扁平化し、結晶性としては異方性が強くなる。よって、各方向における球形化率Q及びQは各々65%以上がより好ましく、70%以上が更に好ましい。
また、本発明に係る生コークス球形炭素材は、立体的な球状であるため、平面方向の球形化率(Q)と立面方向の球形化率(Q)の平均値(Q)が60%以上であることが好ましい。Qが60%未満である場合には、十分な造粒がなされていない状態であり、炭化又は黒鉛化を行うことで六角網平板構造の結晶構造が発達して粒子形状が扁平化し、結晶性としては異方性が強くなる。結晶の等方性の観点からは、生コークス球形炭素材のQは高いほど良いが、あまりに真球に近いものを製造しようとすれば、製造コストの点で問題が出てくる。よって、Qの上限は90%程度である。
本発明に係る生コークス球形炭素材は、不活性ガス中で1200℃で5時間の加熱と2800℃で3時間の加熱を経た後の形状維持率が70%以上であることが好ましい。形状維持率の求め方は後に記述する。形状維持率が70%を下回るものは、炭化又は黒鉛化を行った場合に結晶成長の異方性が強くなった結果、粒子形状が扁平化してしまったものなので好ましくない。より好ましい形状維持率は80%以上であり、更に好ましいのは90%以上である。
次に、本発明に係る炭素質球形炭素材について述べる。
本発明に係る炭素質球形炭素材の平均粒径(D50)は、1μm以上50μm以下である。本発明における製造方法において、平均粒径が1μm未満の球形炭素材を製造しようとすれば、粉砕エネルギーも莫大になり、現実的でない。平均粒径が50μmを超える粒子では、成形体あるいは膜において十分な粒子を配列させることができないために、成形体材料に用いた場合には高強度な成形体が得られず好ましくない。粉体のハンドリングを考えると、好ましい平均粒径は7μm以上30μm以下である。
本発明に係る炭素質球形炭素材のBET比表面積は、0.1m/g以上10m/g以下であることが好ましい。BET比表面積が10m/gよりも大きければ、粉体のハンドリング性にも悪影響を及ぼし、特に、リチウムイオン二次電池の負極材の場合には、表面での電解液の還元反応による不可逆容量の増大を招き、初期効率の悪化につながる。また、BET比表面積を0.2m/g未満にしようとすると、完全な球状粒子の領域になり、物理的に、あるいは、製造コスト的に現実ではない。炭素質球形炭素材のBET比表面積は0.3m/g以上5.0m/g以下であることがより好ましい。
本発明に係る炭素質球形炭素材は、気体置換法により測定される密度(ρ)が1.9g/cc以下であることが好ましい。気体置換法により測定される密度(ρ)が1.9g/ccを超える場合には、粒子内部に空隙が存在しないか非常に少ないものであり、軽量の粒子とはいえない。一方で、粒子がその形状を維持するための強度を備えるためには粒子内部の空隙が多すぎることは好ましくない。気体置換法により測定される密度(ρ)は、1.5g/cc以上1.85g/cc以下であることがより好ましい。
本発明に係る炭素質球形炭素材は、液体置換法により測定される密度(ρ)が1.9g/cc以下であることが好ましく、1.5g/cc以上1.85g/cc以下であることがより好ましい。
本発明に係る炭素質球形炭素材は、ゆるめ嵩密度(ρ)が0.5g/cc以上1.2g/cc以下であることが好ましく、0.7g/cc以上1.15g/cc以下であることがより好ましい。
本発明に係る炭素質球形炭素材は、タップ密度(ρ)が0.7g/cc以上1.5g/cc以下であることが好ましく、1.0g/cc以上1.4g/cc以下であることがより好ましい。
本発明に係る炭素質球形炭素材は、気体置換法により測定される密度(ρ)に対するタップ密度(ρ)の割合(ρ/ρ)が55%以上80%以下である。ρ/ρが55%未満の粉末は、粒子内部に空隙を含まないためにρが大きいか、粒子が密に充填されずρが小さい粉末であり、粒子同士の間隙が大きく、均一な充填がされない。ρ/ρが80%を超える粉末は得ることが困難である。気体置換法により測定される密度(ρ)に対するタップ密度(ρ)の割合(ρ/ρ)は、好ましくは60%以上75%以下である。
また、本発明に係る炭素質球形炭素材は、タップ密度(ρ)に対するゆるめ嵩密度(ρ)の割合(ρ/ρ)が70%以上であることが好ましい。ρ/ρが70%未満の粉末は、流動性が低く、自己充填性に欠けるので、充填させる為に振動や加圧等の操作が余計に必要であり、また、得られる成形体の異方性が強くなるので好ましくない。タップ密度(ρ)に対するゆるめ嵩密度(ρ)の割合(ρ/ρ)は75%以上であることがより好ましい。
本発明に係る炭素質球形炭素材は、液体置換法により測定される密度(ρ)に対する、気体置換法により測定される密度(ρ)の割合(ρ/ρw)が0.9以上1.1以下であることが好ましく、1.0以上1.05以下がより好ましい。
本発明に係る炭素質球形炭素材は、粒子内に空隙を持つ。中でも液体が内部に浸入し難い空隙を持つものが好ましく、更に気体すら内部に侵入しない空隙を持つものが好ましい。粒子内空隙は一個でも複数個でもよく、また、形状は亀裂状、球状、不定形の空隙等、特に限定しないが、図1及び図2に示す様に、粒子断面における空隙部の形状が亀裂状である場合が多い。このような炭素質球形炭素材は、下記式で求められる空孔率が3%以上となる。
空孔率[%]=((1.98−炭素質球形炭素材のρ)/1.98)×100
ここで1.98とは未造粒で同程度に炭化した粒子の真密度として仮定した値である。
本発明に係る炭素質球形炭素材粒子の平面方向からの球形化率(Q)及び立面方向からの球形化率(Q)は各々50%以上であることが好ましい。球形化率が50%未満である場合には、十分な造粒がなされていない状態であり、炭化又は黒鉛化を行うことで六角網平板構造の結晶構造が発達して粒子形状が扁平化し、結晶性としては異方性が強くなる。よって、各方向における球形化率Q及びQは各々60%以上が好ましく、70%以上が更に好ましい。
また、本発明に係る炭素質球形炭素材は、立体的な球状であるため、平面方向からの球形化率(Q)と立面方向からの球形化率(Q)の平均値(Q)が55%以上であることが好ましい。Qが55%未満である場合には、十分な造粒がなされていない状態であるか、炭化の過程で粒子形状が扁平化したものであり、黒鉛化を行った場合には、さらに六角網平板構造の結晶構造が発達して粒子形状が扁平化し、結晶性としては異方性が強くなる。結晶の等方性の観点からは炭素質球形炭素材のQは高いほど良いが、あまりに真球に近いものを製造しようとすれば、製造コストの点で問題が出てくる。よって、Qの上限は90%程度である。特殊炭素材用途に用いられる場合には、Qは80%以上90%以下であることが好ましい。一方、リチウムイオン二次電池の負極材として用いる場合、炭素質球形炭素材の球形度が高すぎると黒鉛化した球形炭素材の球形度も高くなるために、粒子間接点が少なくなり、レート特性の点で問題が生じるとともに、結晶成長が不十分となる場合があり、容量が低下する傾向が見られる。よって、リチウムイオン二次電池の負極材として用いる場合には、Qは55%以上80%以下であることが好ましい。
本発明に係る炭素質球形炭素材は、不活性ガス中で2800℃で3時間の加熱を経た後の形状維持率が80%以上であることが好ましい。形状維持率の求め方は後に記述する。形状維持率が80%を下回るものは、炭化又は黒鉛化を行った場合に結晶成長の異方性が強くなった結果、粒子形状が扁平化してしまったものなので好ましくない。より好ましい形状維持率は85%以上であり、更に好ましいのは90%以上である。
次に、本発明に係る黒鉛質球形炭素材について述べる。
本発明に係る黒鉛質炭素材の平均粒径(D50)は、1μm以上50μm以下である。本発明における製造方法において、平均粒径が1μm未満の球形炭素材を製造しようとすれば、粉砕エネルギーも莫大になり、現実的でない。平均粒径が50μmを超える粒子では成形体あるいは膜において十分な粒子を配列させることができないために、成形体材料に用いた場合には高強度な成形体が得られず、リチウムイオン二次電池の負極材として電極に使用した場合にはショートを引き起こす原因となる。粉体のハンドリング性や、最近の電極の薄層化を考えると、好ましい平均粒径は7μm以上30μm以下である。
本発明に係る黒鉛質球形炭素材のBET比表面積は、0.1m/g以上10m/gであることが好ましい。BET比表面積が10m/gよりも大きければ、粉体のハンドリング性にも悪影響を及ぼし、特に、リチウムイオン二次電池の負極材の場合には、表面での電解液の還元反応による不可逆容量の増大を招き、初期効率の悪化につながる。また、0.1m/g未満にしようとする時、完全な球状粒子の領域になり、物理的に、あるいは、製造コスト的に現実ではない。黒鉛質球形炭素材のBET比表面積は、0.3m/g以上5.0m/g以下であることがより好ましい。
本発明に係る黒鉛質球形炭素材は、気体置換法により測定される密度(ρ)が2.1g/cc以下であることが好ましい。気体置換法により測定される密度(ρ)が2.1g/ccを超える場合には、粒子内部に空隙が存在しないか非常に少ないものであり、軽量の粒子とはいえない。一方で、粒子がその形状を維持するための強度を備えるためには粒子内部の空隙が多すぎることは好ましくない。気体置換法により測定される密度(ρ)は、1.8g/cc以上2.0g/cc以下であることがより好ましい。
本発明に係る黒鉛質球形炭素材は、液体置換法により測定される密度(ρ)が2.1g/cc以下であることが好ましく、1.8g/cc以上2.0g/cc以下であることがより好ましい。
本発明に係る黒鉛質球形炭素材は、ゆるめ嵩密度(ρ)が0.6g/cc以上1.2g/cc以下であることが好ましく、0.8g/cc以上1.15g/cc以下であることがより好ましい。
本発明に係る黒鉛質球形炭素材は、タップ密度(ρ)が0.8g/cc以上1.5g/cc以下であることが好ましく、1.1g/cc以上1.4g/cc以下であることがより好ましい。
本発明に係る黒鉛質球形炭素材は、気体置換法により測定される密度(ρ)に対するタップ密度(ρ)の割合(ρ/ρ)が55%以上80%以下である。ρ/ρが55%未満の粉末は、粒子内部に空隙を含まないためにρが大きいか、粒子が密に充填されずρが小さい粉末であり、粒子同士の間隙が大きく、均一な充填がされない。ρ/ρが80%を超える粉末は得ることが困難である。気体置換法により測定される密度(ρ)に対するタップ密度(ρ)の割合(ρ/ρ)は好ましくは60%以上75%以下である。
また、本発明に係る黒鉛質球形炭素材は、タップ密度(ρ)に対するゆるめ嵩密度(ρ)の割合(ρ/ρ)が70%以上であることが好ましい。ρ/ρが70%未満の粉末は、流動性が低く、自己充填性に欠けるので、充填させる為に振動や加圧等の操作が余計に必要であり、また、得られる成形体の異方性が強くなるので好ましくない。タップ密度(ρ)に対するゆるめ嵩密度(ρ)の割合(ρ/ρ)は75%以上であることがより好ましい。
本発明に係る黒鉛質球形炭素材は、液体置換法により測定される密度(ρ)に対する、気体置換法により測定される密度(ρ)の割合(ρ/ρw)が0.9以上1.1以下であることが好ましく、1.0以上1.05以下がより好ましい。
また、本発明に係る黒鉛質球形炭素材は、粒子内に空隙を持つ。中でも液体が内部に浸入し難い空隙を持つものが好ましく、更に気体すら内部に侵入しない空隙を持つものが好ましい。粒子内空隙は一個でも複数個でもよく、また、形状は亀裂状、球状、不定形の空隙等、特に限定しないが、図3及び図4に示す様に、粒子断面における空隙部の形状が亀裂状であったり球状であったりする場合が多い。このような黒鉛質球形炭素材は、下記式で求められる空孔率が5%以上となる。
空孔率[%]=((2.26−黒鉛質球形炭素材のρ)/2.26)×100
ここで、2.26とは「American Institute of Physics Handbook」より引用した293Kにおけるグラファイトの真密度の値である。
本発明に係る黒鉛質球形炭素材は、X線回折法によって求められる面間隔d(002)が0.3355nm以上0.3379nm以下である。
ここで、本発明に係る黒鉛質球形炭素材における、面間隔d(002)と気体置換法により測定される密度(ρ)の関係について説明する。
一般に炭素材料は、結晶性の向上、すなわち炭素網面の発達に従って、d(002)は小さくなり、同時に真密度は高くなる。材料の真密度は気体置換法や液体置換法によって測定することができるが、本発明の炭素質炭素材及び黒鉛質炭素材は粒子内部に空隙を有するために、粉体そのものを例えば気体置換法で測定すると密度(ρ)は低くなる。実際に造粒工程を経ずに黒鉛化した黒鉛質炭素材並びに本発明に係る黒鉛質球形炭素材について、d(002)−ρのプロットを図5に示す。本発明の黒鉛質球形炭素材が、未造粒の黒鉛質材料と同程度の結晶性を持ちながら、ρが低い、すなわち軽量の炭素材料になっていることは明白である。
本発明に係る黒鉛質球形炭素材粒子の平面方向からの球形化率(Q)及び立面方向からの球形化率(Q)は各々50%以上であることが好ましい。球形化率が50%未満である場合には、十分な造粒がなされていない状態であり、炭化又は黒鉛化を行うことで六角網平板構造の結晶構造が発達して粒子形状が扁平化し、結晶性としては異方性が強くなる。よって、各方向における球形化率Q及びQは各々60%以上がより好ましく、70%以上が更に好ましい。
また、本発明に係る黒鉛質球形炭素材は、立体的な球状であるため、平面方向からの球形化率(Q)と立面方向からの球形化率(Q)の平均値(Q)が50%以上であることが好ましい。結晶の等方性の観点からは黒鉛質球形炭素材のQは高いほど良いが、あまりに真球に近いものを製造しようとすれば、製造コストの点で問題が出てくる。よって、Qの上限は90%程度である。特殊炭素材用途に用いられる場合には、Qは、80%以上90%以下であることが好ましい。一方、リチウムイオン二次電池の負極材として用いる場合、黒鉛質球形炭素材の球形度が高すぎると、粒子間接点が少なくなり、レート特性の点で問題が生じるとともに、結晶成長が不十分となる場合があり、容量が低下する傾向が見られる。よって、リチウムイオン二次電池の負極材として用いる場合には、Qは50%以上70%以下であることが好ましい。
次に、本発明における球形炭素材の製造方法について説明する。
本発明における炭素原料としては、石油系や石炭系の生コークス粉末が用いられ、モザイクコークス、ニードルコークス等のいずれも使用することができる。生コークスとは、重質油を例えばディレードコーカー等のコークス化設備を用い、300℃〜700℃程度に加熱して熱分解・重縮合を行うことにより得られる、揮発成分を含んだ状態のコークスを指す。
本発明において炭素原料として用いられる生コークス粉末の平均粒径は、好ましくは30μm以下である。生コークス粉末の平均粒径が30μmを超える大きさの粒子で乾式造粒を行って、十分に球形化された粒子を得ようとすると、目的とする最適な粒子サイズよりも大きくなるためである。更に、好ましい平均粒径は3μm以上30μm以下である。この理由は、生コークス粉末の平均粒径が3μmより小さいと、乾式造粒を行う際に、粒子に十分に力学的エネルギーを付与できない場合があるためである。
本発明において炭素原料として用いられる生コークス粉末は、平均粒径(D50)の1/3以下の粒径の粒子を5%以上含むものである。好ましくは、平均粒径(D50)の1/3以下の粒径の粒子を10〜30%含むものである。平均粒径(D50)の1/3より大きい粒径の粒子は、造粒時に核となり得る粒子であるために、平均粒径(D50)の1/3以下の粒径の粒子が5%未満である場合には、核粒子に複合化させる粒子が不足して十分な球形化がなされない。平均粒径(D50)の1/3以下の粒径の粒子が30%を超える場合には、核となり得る粒子の割合が少なく、微粉同士の造粒現象が見られるが所望の粒径の球形粒子は得られ難い場合がある。
また、本発明における球形炭素材の製造方法においては、造粒しながらシェル部を形成する原料粉を追加していく方法もとり得る。造粒完了までに投入した原料粉の量が多いほど、造粒粒子の中に空隙が形成され易い。この場合、後から追加する原料粉の平均粒径は、原料粉を追加する時点の造粒粒子径の1/2以下が好ましい。1/2を超える大きい粒子を追加した場合、球形化が上手く進行せず、異方性の強い結晶構造となり易いので好ましくない。原料粉の追加は造粒途中であれば一括でも分割でも良く、また、一度に投入する原料粉量は造粒を妨げない範囲であればよく、造粒完了までの総投入量を造粒開始時の生コークス粉末の30%以下に限るものではない。
更に、造粒に用いる生コークスの一部をケッチェンブラックなどの炭素材料や、遷移金属化合物を始めとする無機化合物、有機化合物などに置き換えることによって、異種材料と生コークスを複合化することも可能である。造粒を妨げない程度であれば、造粒開始時もしくは造粒途中に投入する生コークスの一部を置換しても良いし、異種材料のみを造粒途中に追加しても良い。異種材料の平均粒径は、造粒を妨げない程度であれば特に限定しないが、添加する時点の造粒粒子径の1/2以下が好ましい。
本発明においては、上記の粒度分布である生コークス粉末に対して、圧縮応力と剪断応力を付与する球形化処理を行うことによって造粒と粒子球形化を促進している。このとき、圧縮応力と剪断応力のほか、衝突、摩擦、ずり応力等も発生する。これらの応力が与える機械的エネルギーは、一般的な攪拌により得られるエネルギーより大きく、それらのエネルギーが、粒子表面に与えられることで、粒子形状の球形化や、粒子の複合化といったメカノケミカル現象と称される効果が発現する。
生コークス粉末にメカノケミカル現象を起こさせるための機械的エネルギーを与えるには、剪断、圧縮、衝突等の応力を同時にかけることができる装置を用いればよく、特に装置の構造及び原理に限定されるものではない。たとえば、回転式のボールミルなどのボール型混練機、エッジランナー等のホイール型混練機、ハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所製)、メカノフージョン(ホソカワミクロン社製)、ノビルタ(ホソカワミクロン社製)、COMPOSI(日本コークス工業社製)などがある。
圧縮剪断応力を付与する工程における製造条件は、使用する装置によっても異なるが、回転するブレードの羽根とハウジングの間隙で、粉体に強い圧密、圧縮応力が加わる構造の装置を用いることが好ましい。
COMPOSIを用いる場合には、周速度20m/s〜100m/sで、処理時間を10分〜300分とするのが好ましい。周速度が20m/sより小さいとき、もしくは10分未満では、生コークス粉末に十分な圧縮剪断応力を付与することが難しい。一方、300分を超える長い処理を行うと、製造コストが大きくなり、安価な炭素材料の供給に不利である。
また、圧縮剪断応力を付与する処理における温度は60℃〜400℃に制御することが好ましい。この温度帯で処理を行うことによって、生コークスに含まれる揮発分が好ましく作用する。400℃を超える高温になると発火などの危険があるので好ましくない。特に好ましい制御温度は100℃〜350℃である。
本発明における球形化処理は、メカノケミカル反応を利用して、粒径の小さな粒子を、核となる粒子表面に複合化する処理であり、微粉の吸収と共に球形化を進行させる処理である。従って、微粉を発生させ、粒径を小さくする粉砕ではない。本発明で原料に用いる生コークスは、揮発分を有する、比較的軟らかい粒子である。この性質が、微粉の吸収を助ける粘着性として、また、圧縮による形状変化を容易にする軟らかさとして、球形化に好ましく作用する。
本発明における球形化処理においては、生コークス球形炭素材の平均粒径が原料生コークス粉末の1.2倍〜10.0倍となるように成長させることが好ましい。生コークス球形炭素材の平均粒径が原料生コークス粉末の1.2倍未満である場合には、十分な造粒がなされていない状態であり、炭化又は黒鉛化を行うことで六角網平板構造の結晶構造が発達して粒子形状が扁平化し、結晶性としては異方性が強くなる。また、10.0倍を超える大きさに成長させるには大量の原料粉の追加投入と長時間の造粒が必要となり、好ましくない。より好ましくは生コークス球形炭素材の平均粒径が原料生コークス粉末の1.5倍〜5.0倍となるように成長させる。
本発明においては、前記で得られた生コークス球形炭素材に炭化処理を行って、炭素質球形炭素材を得ることができる。
炭化の方法は、特に限定されないが、通常は、窒素、アルゴン又はヘリウム等の不活性雰囲気下、もしくは揮発分などの非酸化雰囲気下において、最高到達温度800〜1600℃、最高到達温度での保持時間0時間〜10時間の加熱処理をする方法を挙げることができる。
本発明においては、前記で得られた生コークス球形炭素材又は炭素質球形炭素材に黒鉛化処理を行って、黒鉛質球形炭素材を得ることができる。
黒鉛化処理の方法は、特に限定されないが、通常は、窒素、アルゴン又はヘリウム等の不活性雰囲気下、もしくは揮発分などの非酸化雰囲気下において、最高到達温度2000〜3200℃、最高到達温度での保持時間0時間〜100時間の加熱処理をする方法を挙げることができる。
一般に、易黒鉛化炭素材に2000℃を超える熱エネルギーを加えると、高温でより安定な構造である炭素六角網面を形成する方向に結晶化が進行した結果、異方性が強く、また、鱗片状に剥離し易い黒鉛質材料となる。しかしながら、本発明によれば、強い剪断応力下における微粒子との複合化によって特定の方向への結晶成長を抑制し、炭化及び/又は黒鉛化を経ても球状を維持することができる。
以下、実施例及び比較例に基づき本出願に係る発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
原料である生コークス粉末と球形炭素材の平均粒径は、レーザー散乱式粒度分布測定器、LMS-2000e(マルバーン社製)を使用して測定した。
BET比表面積は、マルチソーブ(マルバーン社製)を使用して測定した。
気体置換法により測定される密度(ρ)は、ヘリウムガスを用いてマルチボリウム密度計1305型(島津製作所製)で測定した。
液体置換法により測定される密度(ρ)は、ブタノールを用いたピクノメーター法によって測定した。
ゆるめ嵩密度(ρ)はJIS K5101−12−1に記載の方法に従って測定した。
タップ密度(ρ)はタップ回数を600回とした以外は、JIS K5101−12−2に記載の方法に従って測定した。
粒子の空孔率については上記方法で求めたρと下記式から算出した。
炭素質炭素材:空孔率[%]=((1.98−炭素質球形炭素材のρ)/1.98)×100
ここで1.98とは未造粒で同程度に炭化した粒子の真密度として仮定した値である。
黒鉛質炭素材:空孔率[%]=((2.26−黒鉛質球形炭素材のρ)/2.26)×100
ここで、2.26とは「American Institute of Physics Handbook」より引用した293Kにおけるグラファイトの真密度の値である。
球形化率は、粒子が積層しないように、且つ、扁平な粒子は扁平面がシートに平行に配列するように塗布したシートについて、平面方向もしくは立面方向から、走査型電子顕微鏡(S−4800 日立ハイテク社製)によって撮影した画像をA像くん(旭化成エンジニアリング社製)で解析し、以下の式に基づいて算出した粒子300個の球形度の平均値である。
球形度[%]=(粒子の投影面積/粒子の投影像の最小外接円の面積)×100
更に、平面方向の球形化率(Q)と立面方向の球形化率(Q)との平均値(Q)をとることにより、一般に炭化又は黒鉛化によって扁平化しやすい球形炭素材を立体的に評価した。
粒子の形状維持率は、炭化又は黒鉛化による扁平化が粒子の立面方向に対して特に顕著に起こることに着目し、粒子が積層しないように、且つ扁平な粒子は扁平面がシートに平行に配列するように塗布したシートを走査型電子顕微鏡によって立面方向から撮影した画像を解析した粒子300個の(最小幅/最大長)の平均値から以下の式に基づいて算出したものである。
形状維持率[%]=((加熱後の粒子立面の最大長/最少幅)/(加熱前の粒子立面の最大長/最少幅))×100
粒子の断面図は、樹脂に埋設した粒子をクロスセクションポリッシャー(CP)で処理し、走査型電子顕微鏡(S−4800 日立ハイテク社製)で撮影した。
実施例1−1
モザイクコークスを平均粒径が10μmであって、平均粒径の1/3以下の粒径の微粉を15%含むように粉砕及び分級した生コークス粉末をCOMPOSI CP15型(日本コークス工業社製)で処理温度を135℃とし、周速80m/sにて、120分間球形化処理し、風力分級器にて5μm以下の粒子を分級して除いて、到達平均粒径29.4μmの生コークス球形炭素材を得た。平均球形化率(Q)は81.5%であり、球状であった。
実施例1−2
ニードルコークスを平均粒径が10μmであって、平均粒径の1/3以下の粒径の微粉を11.6%含むように粉砕及び分級した生コークス粉末をCOMPOSI CP15型(日本コークス工業社製)で処理温度を160℃とし、周速80m/sにて、120分間球形化処理、風力分級器にて5μm以下の粒子を分級して除いて、到達平均粒径22.0μmの生コークス球形炭素材を得た。平均球形化率(Q)は77.2%であり、球状であった。
実施例1−3
モザイクコークスを平均粒径が6.0μmであって、平均粒径の1/3以下の粒径の微粉を14%含むように粉砕及び分級した生コークス粉末をCOMPOSI CP15型(日本コークス工業社製)で処理温度を130℃とし、周速80m/sにて、240分間球形化処理し、風力分級器にて3μm以下の粒子を分級して除いて、到達平均粒径13.8μmの生コークス球形炭素材を得た。平均球形化率(Q)は77.6%であり、球状であった。
実施例1−4
ニードルコークスを平均粒径が10μmであって、平均粒径の1/3以下の粒径の微粉を12%含むように粉砕及び分級した生コークス粉末をCOMPOSI CP15型(日本コークス工業社製)で処理温度を150℃とし、周速80m/sにて、120分間球形化処理し、風力分級器にて7μm以下の粒子を分級して除いて、到達平均粒径29.5μmの生コークス球形炭素材を得た。平均球形化率(Q)は82.5%であり、球状であった。
実施例1−5
モザイクコークスを平均粒径が6.4μmであって、平均粒径の1/3以下の粒径の微粉を10%含むように粉砕及び分級した生コークス粉末をCOMPOSI CP130型(日本コークス工業社製)で処理温度を240℃とし、周速90m/sにて、120分間球形化処理し、風力分級器にて3μm以下の粒子を分級して除いて、到達平均粒径9.6μmの生コークス球形炭素材を得た。平均球形化率(Q)は70.8%であり、楕円球状であった。
実施例1−6
ニードルコークスを平均粒径が7.0μmであって、平均粒径の1/3以下の粒径の微粉のを10%含むように粉砕及び分級した生コークス粉末をCOMPOSI CP130型(日本コークス工業社製)で処理温度を340℃とし、周速90m/sにて、60分間球形化処理し、風力分級器にて3μm以下の粒子を分級して除いて、到達平均粒径9.4μmの生コークス球形炭素材を得た。平均球形化率(Q)は65.6%であり、楕円球状であった。
比較例1−1
モザイクコークスを平均粒径が8.0μmであって、平均粒径の1/3以下の粒径の微粉が○○となるように粉砕・分級を行い、平均粒径が7.9μmの生コークス粉末を得た。平均球形化率(Q)は59.7%であり、不定形であった。
比較例1−2
ニードルコークスを平均粒径が10μmであって、平均粒径の1/3以下の粒径の微粉が○○となるように粉砕・分級を行い、平均粒径が9.6μmの生コークス粉末を得た。平均球形化率(Q)は52.3%であり、不定形であった。
比較例1−3
ニードルコークスを平均粒径が12μmであって、平均粒径の1/3以下の粒径の微粉を1%含むように粉砕及び分級した生コークス粉末をCOMPOSI CP130型(日本コークス工業社製)で処理温度を170℃とし、周速80m/sにて、120分間球形化処理し、風力分級器にて3μm以下の粒子を分級して除いて、到達平均粒径14.3μmの生コークス球形炭素材を得た。平均球形化率(Q)は58.3%であり、鱗片状であった。
実施例1−1〜1−6及び比較例1−1〜1−3で得られた生コークス炭素材の特性を表1に示す。
実施例の生コークス球形化炭素材は、球形化率が高い球状であり、ρt/ρやρb/ρtが高く、高密度に充填できる、流動性の高い粉末であった。また、実施例の生コークス球形化炭素材は、炭化及び黒鉛化を経た後の形状維持率は高いものであった。
本発明の球形炭素材は、原料である生コークス粉末の粒度分布や球形化処理条件により球形化率を制御することができる。実施例1−1〜1−4の生コークス球形炭素材の粒子は、球形化率が高く、炭化及び黒鉛化を経た後の形状維持率も高いものとなった。実施例1−5、1−6の生コークス球形炭素材は、実施例1−1〜1−4に比べて造粒開始時の生コークス粉末の微粉を少なくし、造粒による粒子の成長も小さくした結果、楕円球状の粒子が得られるが、本発明の範囲であれば、滑らかな表面を持つ粒子であるために高密度に充填できる、流動性の高い粉末となった。
粉砕・分級のみによって生コークス粉末の粒度を調整した比較例1−1、1−2では、球形化率が低く、高密度に充填できる粉末が得られなかった。また、造粒開始時の生コークス粉末の微粉割合を1%として処理を行った比較例1−3では、造粒が上手く進行しないため、球形化率(Q)が58.3%、炭化及び黒鉛化を経た後の形状維持率も62%と低いものとなり、高密度に充填できる粉末が得られなかった。
実施例1−1〜1−6及び比較例1−1〜1−3で得られた生コークス炭素材を、それぞれ不活性ガス雰囲気下1000℃もしくは1200℃にて240分間炭化処理を行い、実施例2−1〜2−6及び比較例2−1〜2−3の炭素質炭素材を得た。得られた炭素質炭素材の特性を表2に示す。
実施例の炭素質球形炭素材は、球形化率が高く、特に炭化を経ても形状の変化が小さかった。また、実施例の炭素質球形炭素材は、ρ/ρやρ/ρが高く、高密度に充填できる、流動性の高い粉末であった。本発明に係る炭素質球形炭素材は、粒子内部に空隙を有するため、粉砕・分級しただけの生コークス粉末を炭化した比較例2−1及び2−2と比べてρが低く、同程度に炭化された見かけが同体積の粒子よりも軽い粒子であるといえる。
粉砕・分級しただけの生コークス粉末を炭化した比較例2−1及び2−2や、生コークス粉末の造粒が不十分であった比較例2−3では、炭化による粒子の扁平化が大きく、高密度に充填できる粉末が得られなかった。また、比較例の炭素質炭素材には粒子内部の空隙が存在しないためρが大きくなる。結果、比較例の炭素質炭素材はρ/ρが小さいものとなった。
更に、実施例2−1〜2−6及び比較例2−1〜2−3で得られた炭素質炭素材を、それぞれ不活性ガス雰囲気下で2800℃にて120分間黒鉛化処理を行い、実施例3−1〜3−6及び比較例3−1〜3−3の黒鉛質炭素材を得た。得られた黒鉛質炭素材の特性を表3に示す。
実施例の黒鉛質球形炭素材は、球形化率が高く、特に炭化及び黒鉛化を経ても形状の変化が小さかった。また、実施例の黒鉛質球形炭素材は、ρ/ρやρ/ρが高く、高密度に充填できる、流動性の高い粉末であった。本発明に係る黒鉛質球形炭素材は、粒子内部に空隙を有するため、粉砕・分級しただけの生コークス粉末を黒鉛化した比較例3−1及び3−2と比べて、d(002)が同程度であるにも関わらずρが低かった。すなわち、本発明に係る黒鉛質球形炭素材は、同程度に黒鉛化された見かけが同体積の粒子よりも軽い粒子であるといえる。
粉砕・分級しただけの生コークス粉末を黒鉛化した比較例3−1及び3−2や、生コークス粉末の造粒が不十分であった比較例3−3では、黒鉛化によって粒子の扁平化がさらに進み、高密度に充填できる粉末が得られなかった。また、比較例の黒鉛質炭素材には粒子内部の空隙が存在しないためρが大きくなる。結果、比較例の黒鉛質炭素材はρ/ρが小さいものとなった。
本発明によれば、結晶構造が等方的であって、且つ軽い粒子からなる球形炭素材を得ることができる。本発明に係る球形炭素材は粒子の高密度かつ均一な充填が可能であり、更に炭化及び/又は黒鉛化を経ても球状の粒子形状を維持することができるため、当該材料を用いることによって軽量で高い強度を持つ炭素成形体を得ることができる。
また、本発明に係る炭素質球形炭素材及び黒鉛質球形炭素材は、球状で等方的な結晶構造と、内部に空隙を併せ持つ粒子であるため、リチウムイオン二次電池用負極活物質としても好適である。

Claims (11)

  1. 平均粒径(D50)が2μm以上50μm以下であり、気体置換法により測定される密度(ρ)に対するタップ密度(ρ)の割合(ρ/ρ)が50%以上80%以下であることを特徴とする生コークス球形炭素材。
  2. タップ密度(ρ)に対するゆるめ嵩密度(ρ)の割合(ρ/ρ)が70%以上である請求項1に記載の生コークス球形炭素材。
  3. 平面方向の球形化率と立面方向の球形化率の平均値(Q)が60%以上であり、1200℃で5時間の加熱と2800℃で3時間の加熱を経た後の形状維持率が70%以上である、請求項1又は2に記載の生コークス球形炭素材。
  4. 平均粒径(D50)が1μm以上50μm以下であり、気体置換法により測定される密度(ρ)に対するタップ密度(ρ)の割合(ρ/ρ)が55%以上80%以下であることを特徴とする炭素質球形炭素材。
  5. タップ密度(ρ)に対するゆるめ嵩密度(ρ)の割合(ρ/ρ)が70%以上である請求項4に記載の炭素質球形炭素材。
  6. 液体置換法により測定される密度(ρ)に対する、気体置換法により測定される密度(ρ)の比(ρ/ρ)が0.9以上1.1以下である請求項4又は5に記載の炭素質球形炭素材。
  7. 平面方向の球形化率と立面方向の球形化率の平均値(Q)が55%以上であり、2800℃で3時間の加熱を経た後の形状維持率が80%以上である、請求項4〜6のいずれかに記載の炭素質球形炭素材。
  8. 平均粒径(D50)が1μm以上50μm以下であり、気体置換法により測定される密度(ρ)に対するタップ密度(ρ)の割合(ρ/ρ)が55%以上80%以下であることを特徴とする黒鉛質球形炭素材。
  9. タップ密度(ρ)に対するゆるめ嵩密度(ρ)の割合(ρ/ρ)が70%以上である請求項8に記載の黒鉛質球形炭素材。
  10. 液体置換法により測定される密度(ρ)に対する、気体置換法により測定される密度(ρ)の比(ρ/ρ)が0.9以上1.1以下である請求項8又は9に記載の黒鉛質球形炭素材。
  11. 平面方向の球形化率と立面方向の球形化率の平均値(Q)が50%以上である本発明8〜10のいずれかに記載の黒鉛質球形炭素材。
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