JP2014196966A - 屈折率分布測定用基準素子ならびに屈折率分布測定装置および該方法 - Google Patents

屈折率分布測定用基準素子ならびに屈折率分布測定装置および該方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、測定対象の光学素子を加工することなく、そのもの自体の屈折率分布をより正確に測定し得る屈折率分布測定用基準素子、屈折率分布測定装置および屈折率分布測定方法を提供する。【解決手段】本発明の屈折率分布測定用基準素子は、測定対象の光学素子における屈折率分布の測定に用いられる屈折率分布測定用基準素子であって、前記測定対象の光学素子を挟む一対の第1および第2基準素子を備え、前記一対の第1および第2基準素子の少なくとも一方は、一方主面が前記測定対象の光学素子の面形状と逆の面形状である。【選択図】図1

Description

本発明は、例えばレンズ等の光学素子の屈折率分布を測定する場合に用いられる屈折率分布測定用基準素子に関する。そして、本発明は、この屈折率分布測定用基準素子を用いた屈折率分布測定装置および屈折率分布測定方法に関する。
光学素子の屈折率分布は、一般に、当該光学素子の光学性能に影響する。特に、例えばガラス材料製や樹脂材料製のモールドレンズでは、モールド成形の際に発生した歪みによって屈折率分布が発生し、この発生した屈折率分布が収差等の光学性能に影響する。このため、光学素子の屈折率分布を測定する必要がある。
このような光学素子の屈折率分布を測定する技術は、例えば、特許文献1に開示されている。この特許文献1では、測定対象の光学素子(被検物)が、平板状(平行平板状)に加工され、この平板状の被検物が、各主面を互いに対向するように配設された一対の平板状の基準ガラスの間に緩挿され、各基準ガラスと被検物との隙間には、その平均屈折率と略同じ屈折率を持つ油(マッチングオイル)が充填される。これによって測定セルが形成される。そして、この測定セルが干渉計に配置され、透過波面が計測され、その波面収差および被検物の厚さ等に基づいて被検物の屈折率分布が求められる。
特開2002−188979号公報
ところで、上記特許文献1に開示の技術では、被検物(測定対象の光学素子)を平板状に加工するため、被検物がメニスカス形状である場合、有効径全体を平板状に加工することができない場合が生じ、有効径全体の屈折率分布を測定することができない。すなわち、上記特許文献1に開示の技術では、測定範囲が限定されることがある。
また、上記特許文献1に開示の技術では、被検物を平板状に加工する際に、歪みが緩和されてしまう。したがって、被検物そのものの屈折率分布と、平板状に加工後における被検物の屈折率分布とは、異なってしまう。このため、上記特許文献1に開示の技術では、被検物そのものの、本来の屈折率分布を正確に求めることができない。
一方、被検物を当該被検物の屈折率と略同じ屈折率を持つ液体に浸漬し、この状態で透過波面を計測することが考えられる。しかしながら、この手法では、被検物を浸漬することができる充分な量の液体が必要となる。このような量の液体では、流動が生じやすく、また、周囲温度(環境温度)等によって不均一な温度分布が生じてしまう。この結果、前記液体に屈折率分布が生じ、被検物の屈折率分布を正確に測定することが難しい。また、流動の防止や不均一な温度分布を防止しようとすると、測定装置が複雑となり、また大型化してしまう。
本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、その目的は、測定対象の光学素子(被検物)を加工することなく、そのもの自体の屈折率分布をより正確に測定することができる屈折率分布測定用基準素子、屈折率分布測定装置および屈折率分布測定方法を提供することである。
本発明者は、種々検討した結果、上記目的は、以下の本発明により達成されることを見出した。すなわち、本発明の一態様にかかる屈折率分布測定用基準素子は、測定対象の光学素子における屈折率分布の測定に用いられる屈折率分布測定用基準素子であって、前記測定対象の光学素子を挟む一対の第1および第2基準素子を備え、前記一対の第1および第2基準素子の少なくとも一方は、一方主面が前記測定対象の光学素子の面形状と逆の面形状であることを特徴とする。
このような屈折率分布測定用基準素子では、一対の第1および第2基準素子の少なくとも一方は、一方主面が前記測定対象の光学素子の面形状と逆の面形状であるので、前記測定対象の光学素子そのものを前記一対の第1および第2基準素子の間に挟むことができる。したがって、このような屈折率分布測定用基準素子は、前記測定対象の光学素子を加工することなく、そのもの自体の屈折率分布をより正確に測定することができる。
また、他の一態様では、上述の屈折率分布測定用基準素子において、前記面形状は、非球面であることを特徴とする。
このような屈折率分布測定用基準素子は、測定対象の光学素子が非球面を有する場合でも、測定対象の光学素子を加工することなく、そのもの自体の屈折率分布をより正確に測定することができる。
また、本発明の他の一態様にかかる屈折率分布測定装置は、所定光が入射され、前記所定光の入射位置から干渉位置までの間に2個の第1および第2光路を形成する複数の光学素子を備える干渉計と、前記2個の第1および第2光路のうちの一方に配置される上述のいずれかの屈折率分布測定用基準素子と、前記干渉計によって形成された干渉縞を測定する干渉縞測定部と、前記干渉縞測定部で測定された干渉縞に基づいて前記測定対象の光学素子の屈折率分布を求める屈折率分布演算部とを備えることを特徴とする。
また、本発明の他の一態様にかかる屈折率分布測定方法は、所定光が入射され前記所定光の入射位置から干渉位置までの間に2個の第1および第2光路を形成する複数の光学素子を備える干渉計における前記第1および第2光路のうちの一方に、測定対象の光学素子を挟んだ一対の第1および第2基準素子を配置する配置工程と、前記干渉計によって形成された干渉縞を測定する干渉縞測定工程と、前記干渉縞測定工程で測定された干渉縞に基づいて前記測定対象の光学素子の屈折率分布を求める屈折率分布演算工程とを備え、前記一対の第1および第2基準素子の少なくとも一方は、一方主面が前記測定対象の光学素子の面形状と逆の面形状であることを特徴とする。
このような屈折率分布測定装置および屈折率分布測定方法では、一対の第1および第2基準素子の少なくとも一方は、一方主面が前記測定対象の光学素子の面形状と逆の面形状であるので、前記測定対象の光学素子そのものを前記一対の第1および第2基準素子の間に挟み込んで前記測定対象の光学素子の屈折率分布を測定することができる。したがって、このような屈折率分布測定装置および該方法は、前記測定対象の光学素子を加工することなく、そのもの自体の屈折率分布をより正確に測定することができる。
本発明にかかる屈折率分布測定用基準素子、屈折率分布測定装置および屈折率分布測定方法は、測定対象の光学素子を加工することなく、そのもの自体の屈折率分布をより正確に測定することができる。
実施形態における屈折率分布測定装置の構成を示す図である。 実施形態の屈折率分布測定装置に用いられる屈折率分布測定用基準素子の構成を示す図である。 実施形態における屈折率分布測定装置の動作を示すフローチャートである。 実施形態の屈折率分布測定装置に用いられる、他の第1態様の干渉計としてトワイマングリーン干渉計の構成を示す図である。 実施形態の屈折率分布測定装置に用いられる、他の第2態様の干渉計としてマッハツェンダー干渉計の構成を示す図である。
以下、本発明にかかる実施の一形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、適宜、その説明を省略する。また、本明細書において、総称する場合には添え字を省略した参照符号で示し、個別の構成を指す場合には添え字を付した参照符号で示す。
図1は、実施形態における屈折率分布測定装置の構成を示す図である。図2は、実施形態の屈折率分布測定装置に用いられる屈折率分布測定用基準素子の構成を示す図である。図2(A)は、第1態様の基準素子21、22を示し、図2(B)は、第2態様の基準素子21、22を示す。
実施形態における屈折率分布測定装置Sは、所定光が入射され前記所定光の入射位置から干渉位置までの間に2個の第1および第2光路を形成する複数の光学素子を備える干渉計1における前記第1および第2光路のうちの一方に、測定対象である光学素子(被検物)SPを挟んだ一対の第1および第2基準素子21、22を備えた測定セル2を配置し、前記干渉計1によって形成された干渉縞に基づいて前記測定対象の光学素子SPの屈折率分布を求めるものである。干渉計1による干渉縞は、被検物SPにおける透過光の波面(透過波面)の形状に応じたものであり、そして、この透過波面の形状は、被検物SPの屈折率分布に応じたものである。したがって、被検物SPに対する干渉計1による干渉縞を測定することによって、被検物SPの屈折率分布が求められる。
このような屈折率分布測定装置Sは、例えば、図1に示すように、干渉計1(1A)と、制御演算部3と、記憶部4と、入力部5と、出力部6と、インターフェース部(IF部)7とを備える。
干渉計1は、所定光が入射され、前記所定光の入射位置から干渉位置までの間に2個の第1および第2光路を形成する複数の光学素子を備える光学装置である。干渉計1における前記第1および第2光路のうちの一方に、被検物SPを挟んだ一対の第1および第2基準素子21、22を備えた測定セル2を配置することによって、前記第1光路の第1光学的距離と前記第2光路の第2光学的距離との間に、差が生じる。この差によって、前記所定光から分配された第1および第2光における前記第1光路を伝播した第1光と前記第2光路を伝播した第2光とは、前記干渉位置で干渉し、いわゆる干渉縞を生じる。なお、光学的距離Lopは、光路の実距離Lrと屈折率nとの積によって求められる(Lop=n×Lr)。
このような干渉計1は、例えば、フィゾー干渉計、トワイマングリーン干渉計、マッハツェンダー干渉計等の任意の干渉計を用いることができるが、ここでは、フィゾー干渉計を用いた屈折率分布測定装置SAについて説明する。
フィゾー干渉計1Aは、入射光における半透鏡(ハーフミラー)で反射される第1光路の第1光と、前記入射光における前記半透鏡を透過し反射鏡で反射して再び前記半透鏡に戻って前記半透鏡を透過する第2光路の第2光とを干渉させる干渉計である。フィゾー干渉計1Aは、構成が比較的簡単で第1および第2光路に重複部分が多いため、他の干渉計に較べて、振動や温度変化等の影響が小さく、安定した干渉計である。
このようなフィゾー干渉計1Aは、図1に示すように、入射光学系12と、第1半透鏡13と、第2半透鏡(フィゾー部材)14と、反射鏡(折り返しミラー)15と、観察光学系16とを備えている。そして、図1に示す例では、フィゾー干渉計1Aは、入射光を放射する光源装置11と、第2半透鏡14を光軸方向に沿って移動する駆動装置17と、干渉縞を観測する撮像装置18とをさらに備える。
光源装置11は、制御演算部3の制御に従って、干渉計1Aに入射させ、干渉計1Aで干渉させる所定光を放射する装置であり、例えば、所定波長の短波長のレーザ光を射出するレーザ光源である。光源装置11から放射された所定光(入射光)は、入射光学系12に入射される。
入射光学系12は、光源装置11から入射された所定光の光束径を所定の径に変換する光束径変換光学系であり、1または複数の光学素子を備えて構成される。入射光学系12は、例えば、入射光を拡散して射出する拡散レンズと、拡散レンズから射出された入射光を平行光化するコリメートレンズとを備えて構成される。入射光学系12から射出された平行光の所定光は、第1半透鏡13に入射される。
第1半透鏡(ビームスプリッタ)13は、平行光の所定光を透過するとともに、第2半透鏡14から来た干渉光を撮像装置18に向けて反射する光学素子である。図1に示す例では、光源装置11の光軸と撮像装置18の光軸とが互いに直交するように、光源装置11と撮像装置18とが配置されているため、第1半透鏡13は、光源装置11の光軸と撮像装置18の光軸とが互いに直交する位置に、第1半透鏡13の法線が、光源装置11の光軸と45度で交差し、そして、撮像装置18の光軸と45度で交差するように、配置される。第1半透鏡13を透過した平行光の所定光は、第2半透鏡14に入射される。
第2半透鏡(ビームスプリッタ)14は、平行光の所定光における一部の所定光を、他方主面の半透面(フィゾー面)14aで反射し、前記平行光の所定光における他の一部の所定光を透過する光学素子である。前記一部の所定光と前記他の一部の所定光とは、等光量であることが好ましい。第2半透鏡(ビームスプリッタ)14は、前記一部の所定光と前記他の一部の所定光とに2分配(2分岐、等分配)することが好ましい。第2半透鏡14を透過した前記他の一部の所定光は、反射鏡15に入射される。前記平行光の所定光における一部の所定光は、いわゆる参照光となる。
反射鏡15は、前記他の一部の所定光を、来た光路を逆に辿って再び第2半透鏡14に戻るように、一方主面の反射面15aで反射する光学素子である。
測定セル2は、第2半透鏡14と反射鏡15との間に配置される。これら光源装置11、入射光学系12、第1半透鏡13、第2半透鏡14、測定セル2および反射鏡15は、この順で一方から他方へ配置され、光源装置11、入射光学系12、第2半透鏡14、測定セル2および反射鏡15の各光軸が互いに一致するように配置される。したがって、第2半透鏡14を透過した前記他の一部の所定光は、測定セル2を透過して反射鏡15に入射され、反射鏡15で反射される。そして、反射鏡15で反射された前記他の一部の所定光は、来た光路を逆に辿って再び測定セル2を透過して第2半透鏡14に入射される。この第2半透鏡14に戻った前記他の一部の所定光は、いわゆる測定光となる。
そして、この第2半透鏡14を透過し、測定セル2、反射鏡15、測定セル2をこの順で介して第2半透鏡14に戻った前記他の一部の所定光(測定光)は、第2半透鏡14の半透面14aで反射する前記一部の所定光(参照光)と第2半透鏡14の半透面14aで干渉し、干渉光を生じる。この干渉光は、第1半透鏡13に入射し、第1半透鏡13で観察光学系16および撮像装置18に向けて反射される。
観察光学系16は、干渉光を撮像装置18の撮像面に結像する撮像光学系であり、1または複数の光学素子を備えて構成される。観察光学系16は、例えば、集光レンズを備えて構成される。観察光学系16で結像された干渉光は、撮像装置18の撮像面に入射される。
撮像装置18は、制御演算部3の制御に従って、撮像面に結像された干渉光を撮像し、干渉光の画像信号を生成する装置である。撮像装置18で生成された干渉光の画像信号は、制御演算部3へ出力される。
駆動装置17は、制御演算部3の制御に従って、第2半透鏡(フィゾー部材)14を光軸に沿って移動させる駆動装置である。駆動装置17によって第2半透鏡14が光軸に沿って移動することによって、いわゆるフリンジスキャン法によって所定光の波長λに応じた所定の移動量(変位量)ごとに干渉縞が撮像装置18で撮像され、干渉縞の画像信号が得られる。
入力部5は、例えば、測定開始を指示するコマンド等の各種コマンド、および、例えば被検物SPにおける識別子(サンプルID)等の各種データを屈折率分布測定装置SAに入力する機器であり、例えば、テンキー等の複数の入力スイッチである。出力部6は、入力部5から入力されたコマンドやデータ、および、屈折率分布測定装置SAの制御演算部3によって求められた被検物SPの屈折率分布を出力する機器であり、例えば液晶ディスプレイ(LCD)および有機ELディスプレイ等の表示装置やプリンタ等の印刷装置等である。IF部7は、外部機器との間でデータの入出力を行う回路であり、例えば、シリアル通信方式であるRS−232Cのインターフェース回路、Bluetooth(登録商標)規格を用いたインターフェース回路、IrDA(Infrared Data Asscoiation)規格等の赤外線通信を行うインターフェース回路、および、USB(Universal Serial Bus)規格を用いたインターフェース回路等である。
なお、入力部5は、例えば抵抗膜方式や静電容量方式等の操作位置を検出して入力する位置入力装置を含み、出力部6は、表示装置であり、入力部5の前記位置入力装置と出力部6の表示装置とでタッチパネルが構成されてもよい。このタッチパネルでは、表示装置の表示面上に位置入力装置が設けられ、表示装置に入力可能な1または複数の入力内容の候補が表示され、ユーザが、入力したい入力内容を表示した表示位置を触れると、位置入力装置によってその位置が検出され、検出された位置に表示された表示内容がユーザの操作入力内容として屈折率分布測定装置SAに入力される。このようなタッチパネルでは、表示装置に表示される表示内容を変えることで、様々な入力内容を入力することができ、屈折率分布測定装置SAに対し様々な操作を行うことが可能となる。
制御演算部3は、被検物SPの屈折率分布を求めるべく、屈折率分布測定装置SAの各部を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御するものである。制御演算部3は、例えば、CPU(Central Processing Unit)およびその周辺回路を備えて構成される。制御演算部3には、被検物SPの屈折率分布を測定するための屈折率分布測定プログラムを実行することによって、機能的に、制御部31、位相分布演算部32および屈折率分布演算部33が構成される。
制御部31は、屈折率分布測定装置SA全体の制御を司るものである。位相分布演算部32は、干渉計1Aの撮像装置18で測定された干渉光の干渉縞を位相分布データに変換するものである。干渉縞のデータから位相分布データへの変換は、所定の干渉測定法に基づく公知の変換式が用いられる。屈折率分布演算部33は、位相分布演算部32で求められた位相分布データに基づいて被検物SPにおける屈折率分布を求めるものである。より具体的には、屈折率分布演算部33は、例えば、位相分布演算部32で求められた位相分布データの各データそれぞれに対し、予め設定された基準値との差を求めることによって屈折率分布を求める。前記予め設定された基準値は、任意の所定値であってよいが、例えば、被検物SPにおける光軸位置の屈折率の値であってよい。これによって光軸位置の屈折率値を基準とした被検物SPの屈折率分布が得られる。
記憶部4は、制御演算部3によって実行される種々のプログラムやその実行に必要なデータ等を予め記憶するROM(Read Only Memory)やEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の不揮発性記憶素子、制御演算部3のいわゆるワーキングメモリとなるRAM(Random Access Memory)等の揮発性記憶素子およびその周辺回路を備えて構成される。また、記憶部4は、屈折率分布演算部33で演算された被検物SPの屈折率分布のデータが記憶される。
次に、測定セル2について説明する。測定セル2は、被検物SPの屈折率分布を屈折率分布測定装置SAによって測定するために、上述のように、フィゾー干渉計1Aにおける第1および第2光路のうちの一方に、より具体的には第2半透鏡14と反射鏡15との間に、被検物SPを配置するための部材である。
測定セル2は、例えば、図2に示すように、被検物SPを挟む一対の第1および第2基準素子21、22を備える。より具体的には、一対の第1および第2基準素子21、22は、各一方主面21a、22aを互いに対向するように配設され、これら各一方主面21a、22aの間に被検物SPを緩挿する。
そして、これら一対の第1および第2基準素子21、22は、それぞれ、軸方向に所定の厚さ(高さ)を持つ中実柱形状の部材、例えば円柱形状の部材である。被検物SPにおける光軸方向の一方主面SPaに対向する、第1基準素子21における軸方向の一方主面21aは、被検物SPにおける一方主面SPaの面形状と逆の面形状であり、被検物SPにおける光軸方向の他方主面SPbに対向する、第2基準素子22における軸方向の一方主面22aは、被検物SPにおける他方主面SPbの面形状と逆の面形状である。図2に示す例では、被検物SPは、光軸方向に両面がそれぞれ突出した凸曲面形状である両凸の正レンズである。このため、第1基準素子21の一方主面21aは、被検物SPの一方主面SPaにおける光軸方向に突出した凸曲面形状と逆の、光軸方向に凹んだ凹曲面形状であり、第2基準素子22の一方主面22aは、被検物SPの他方主面SPbにおける光軸方向に突出した凸曲面形状と逆の、光軸方向に凹んだ凹曲面形状である。このように第1基準素子21の一方主面21aは、被検物SPの一方主面SPaに沿う形状であり、第2基準素子22の一方主面22aは、被検物SPの他方主面SPbに沿う形状である。すなわち、第1面形状に対する逆の面形状とは、前記第1面形状の第1面と前記逆の面形状の第2面とを互いに対向するように合わせた場合に、対向方向を法線とする、前記第1面と前記第2面との平均面が、平面となる形状である。前記平面は、屈折率分布を所望の精度で測定するために充分な程度で実質的に平坦な面であればよい。
これら各曲面形状の曲面は、屈折率分布を所望の精度で測定するために充分であって所定光の波長を応じた充分な精度で研磨される。そして、第1基準素子21の一方主面21aと被検物SPの一方主面SPaとは、面内で、軸方向に等間隔であることが好ましく、第2基準素子22の一方主面22aと被検物SPの他方主面SPbとは、面内で、軸方向に等間隔であることが好ましい。
また、第1基準素子21における軸方向の他方主面21bは、平坦面(軸方向に直交する水平面)であり、第2基準素子22における軸方向の他方主面22bは、平坦面(軸方向に直交する水平面)である。したがって、これら第1基準素子21の他方主面21bと第2基準素子22の他方主面22bとは、互いに平行となる。これら平坦面は、屈折率分布を所望の精度で測定するために充分であって所定光の波長を応じた充分な精度で研磨されることによって形成される。
なお、図2に示す例では、被検物SPが両凸レンズであるため、一対の第1および第2基準素子21、22の両方の各一方主面21a、22aが、それぞれ、被検物SPの面形状SPa、SPbと逆の面形状であるが、例えば、被検物SPが片平レンズ(片平の凸レンズや片平の凹レンズ)である場合には、一対の第1および第2基準素子21、22のうちの一方の、例えば第1基準素子21の一方主面21aが、被検物SPの面形状SPaと逆の面形状であり、一対の第1および第2基準素子21、22のうちの他方の、この例では第2基準素子22の一方主面22aは、平坦な被検物SPの他方主面SPbに応じて平坦面である。このように一対の第1および第2基準素子21、22の少なくとも一方は、一方主面が被検物SPの面形状と逆の面形状であればよい。
このような第1および第2基準素子21、22は、被検物SPの屈折率と略同じ屈折率で、かつ、屈折率分布を所望の精度で測定できる程度に均一な屈折率となるように、形成される。例えば、第1および第2基準素子21、22は、被検物SPの硝材と同じ硝材で形成される。
また、このような第1および第2基準素子21、22は、製品種類(面形状の異なる光学素子)ごとに、製造される。すなわち、特定の製品種類の被検物SPに適合するように、第1および第2基準素子21、22は、製造される。なお、屈折率分布の測定精度および所定光の波長等に応じて許容される範囲内で類似の面形状を持つ製品間では、第1および第2基準素子21、22は、転用可能である。
そして、第1基準素子21の一方主面21aとこれに対向する被検物SPの一方主面SPaとの隙間、および、第2基準素子22の一方主面22aとこれに対向する被検物SPの他方主面SPbとの隙間には、それぞれ、その平均屈折率と略同じ屈折率を持つ油(マッチングオイル)が充填される。このようなマッチングオイルは、互いに異なる種類の複数の油を適宜な比率で調合することによって得られる。
なお、被検物SPの屈折率分布は、被検物SPにおける光学素子として利用される有効領域内(例えばレンズの有効径内)が重要である。このことから、第1基準素子21の一方主面21aのうちの、被検物SPの有効領域に対応する領域内の面形状のみが、被検物SPにおける一方主面SPaの面形状と逆の面形状であってよく、第2基準素子22の一方主面22aのうちの、被検物SPの有効領域に対応する領域内の面形状のみが、被検物SPにおける他方主面SPbの面形状と逆の面形状であってよい。これによって第1および第2基準素子21、22の加工時間を短縮でき、また、その領域だけで第1および第2基準素子21、22それぞれと被検物SPとが接することになるので、屈折率分布を測定すべき範囲が明瞭化する。
例えば、図2(B)に示すように、被検物SPが、有効領域と、前記有効領域を取り囲むように前記有効領域の径方向外側に前記有効領域から延設された平坦なフランジ部分とを備える場合には、第1および第2基準素子21、22は、それぞれ、一方主面21a、22aのうちの、被検物SPの有効領域に対向する領域の面形状が被検物SPの面形状と逆になるように形成され、前記一方主面21a、22aのうちの、被検物SPのフランジ部分に対向する領域の面形状は、上述のように被検物SPを一対の第1および第2基準素子21、22で挟み込む際に障害と成らない形状であれば、任意の形状でよい。また例えば、図2(A)に示すように、被検物SPが図2(B)に示すフランジ部分を備えない場合でも、その周縁から径方向内側に所定の幅で有効領域ではない非有効領域を有する場合には、上述と同様に、第1および第2基準素子21、22は、それぞれ、一方主面21a、22aのうちの、被検物SPの有効領域に対向する領域の面形状が被検物SPの面形状と逆になるように形成され、前記一方主面21a、22aのうちの、被検物SPの非有効領域に対向する領域の面形状は、前記障害と成らない形状であれば、任意の形状でよい。
また、図2に示す例では、被検物SPは、両面SPa、SPbが球面である球面レンズであり、第1および第2基準素子21、22における各一方主面21a、22aは、これに応じた球面であるが、被検物SPは、両主面SPa、SPbのうちの少なくとも一方面が非球面である非球面レンズであってよく、第1および第2基準素子21、22における各一方主面21a、22aは、これに応じた非球面であってよい。すなわち、被検物SPの一方主面SPaが非球面である場合には、これに対向する第1基準素子21の一方主面21aが非球面であり、被検物SPの他方主面SPbが非球面である場合には、これに対向する第2基準素子22の一方主面22aが非球面であり、そして、被検物SPの両主面SPaが非球面である場合には、これに対向する第1および第2基準素子21、22の各一方主面21a、22aが非球面である。なお、非球面の形状は、面頂点を原点とし、光軸方向にX軸をとり、光軸と垂直方向の高さをhとする場合に、次式により定義できる。
X=(h/R)/[1+(1−(1+K)h/R1/2]+ΣA・h
ただし、Aiは、i次の非球面係数であり、Rは、基準曲率半径であり、そして、Kは、円錐定数である。
これら一対の第1および第2基準素子21、22は、屈折率分布測定用基準素子の一例に相当する。
次に、本実施形態の動作について説明する。図3は、実施形態における屈折率分布測定装置の動作を示すフローチャートである。
このような構成の屈折率分布測定装置SAでは、測定対象である光学素子(被検物)SPの屈折率分布を測定する場合に、まず、被検物SPが一対の第1および第2基準素子21、22間に緩挿され、各面間の隙間にマッチングオイルが充填され、測定セル2が形成される。なお、被検物SPの両主面SPa、SPbのうちの少なくとも一方が非球面形状である場合、干渉縞を目視で観察しながらいわゆるワンカラーまたは同心円状態に位置調整することで、芯合わせが可能である。
次に、この測定セル2がフィゾー干渉計1Aの第2半透鏡14と反射鏡15との間に配置される(S1)。これによって干渉計1Aにおける前記所定光の入射位置から干渉位置までの間に複数の光学素子13〜15によって形成される2個の第1および第2光路のうちの一方に測定セル2が配置される。
次に、例えば入力部5から測定開始のコマンドが入力されることによって、測定が開始され、干渉縞が測定される(S2)。より具体的には、制御演算部3の制御部31は、光源装置11を作動させ、所定光が光源装置11から放射される。この放射された所定光は、入射光学系12および第1半透鏡14を介して第2半透鏡14に入射される。この入射された所定光は、その一部が半透面(フィゾー面)14aで反射され、その他の一部が透過する。この透過した他の一部の所定光は、測定セル2を介して反射鏡15に入射され、反射鏡15の反射面15aで反射され、来た光路を逆に辿って測定セル2を介して再び第2半透鏡14に戻って入射される。この第2半透鏡14を透過し、測定セル2、反射鏡15、測定セル2をこの順で介して第2半透鏡14に戻った前記他の一部の所定光(測定光)は、第2半透鏡14の半透面14aで反射する前記一部の所定光(参照光)と第2半透鏡14の半透面14aで干渉し、干渉光を生じる。この干渉光は、第1半透鏡13に入射し、第1半透鏡13で観察光学系16および撮像装置18に向けて反射され、撮像装置18で撮像される。撮像装置18は、この撮像した干渉光の画像信号を制御演算部3へ出力する。これによってフィゾー干渉計1Aで生じた干渉光が撮像装置18で検出され、この検出した干渉光の画像信号が制御演算部3へ出力される。
そして、本実施形態では、干渉光の画像信号は、上述したようにフリンジスキャン法によって取得される。より具体的には、制御演算部3の制御部31は、上述のように光源装置11から放射された所定光をフィゾー干渉計1Aで干渉させ、干渉光の画像信号を撮像装置18からサンプリングしている間に、駆動装置17によって第2半透鏡14を光軸方向に沿って移動させる。この第2半透鏡14の移動によって所定光の波長λと第1および第2光路の媒質の屈折率等に応じて繰り返し干渉縞が生成される。これによって干渉縞の複数の画像信号がそれぞれ取得され、これら複数の画像信号が積分され、干渉縞の1個の画像信号が生成される。前記積分は、これら複数の画像信号において、互いに対応する画素同士で信号を加算することによって実行され、この加算結果の信号が、前記積分によって得られた前記1個の画像信号における当該画素の信号とされる。なお、この加算された加算結果を複数の画像信号の個数で除算した平均値が当該画素の信号とされてもよい。このように複数の干渉縞から、これらを積分することによって1個の干渉縞を生成することでSN比を向上することができる。
次に、制御演算部3の位相分布演算部32は、撮像装置18で取得された干渉縞の画像信号に用い、上述のように公知の常套手段によって、干渉縞を位相分布データに変換する。これによって位相分布が演算される(S3)。
次に、制御演算部3の屈折率分布演算部33は、位相分布演算部32で求められた位相分布データに基づいて被検物SPにおける屈折率分布を求める。例えば、屈折率分布演算部33は、位相分布演算部32で求められた位相分布データの各データそれぞれに対し、被検物SPにおける光軸位置の屈折率の値(基準値)との差を求めることによって屈折率分布を求める。これによって被検物SPの屈折率分布が演算される(S4)。
そして、制御演算部3の制御部3は、屈折率分布演算部33で求められた被検物SPの屈折率分布を記憶部4に記憶し、出力部6に出力する。また、制御部3は、必要に応じてIF部7から外部へ被検物SPの屈折率分布を出力してもよい。これによって測定者は、屈折率分布測定装置SAによって測定された被検物SPの屈折率分布を得る。
以上説明した屈折率分布測定用基準素子である第1および第2基準素子21、22では、一対の第1および第2基準素子21、22の少なくとも一方は、一方主面が前記測定対象の光学素子(被検物)SPの面形状と逆の面形状であるので、加工の必要がなく非破壊で前記測定対象の光学素子(被検物)SPそのものを前記一対の第1および第2基準素子21、22の間に挟むことができる。したがって、このような屈折率分布測定用基準素子である第1および第2基準素子21、22は、前記測定対象の光学素子(被検物)SPを加工することなく、上述のように測定範囲が制限されること無く、そのもの自体の屈折率分布をより正確に測定することができる。
また、以上説明した屈折率分布測定装置SAおよびこれに実装された屈折率分布測定方法は、この一対の第1および第2基準素子21、22を用いるので、前記測定対象の光学素子(被検物)SPを加工することなく、上述のように測定範囲が制限されること無く、そのもの自体の屈折率分布をより正確に測定することができる。また、屈折率分布測定装置SAは、上述のように流動の防止や不均一な温度分布を防止するために、複雑化および大型化することもない。
また、本実施形態の第1および第2基準素子21、22、屈折率分布測定装置SAおよび屈折率分布測定方法は、上述したように、前記測定対象の光学素子(被検物)SPそのもの自体の屈折率分布をより正確に測定することができる。この結果、光学素子の成形後のいわゆるアニール処理の条件(単位時間当たりに昇温する温度、アニール温度とその保持時間および単位時間当たりに降温する温度等)をより適切に設定することが可能となる。このため、アニール処理の適切化を図ることができ、光学素子のより高性能化を図ることができる。
なお、上述の実施形態における屈折率分布測定装置SAは、フィゾー干渉計1Aを備えたが、これに限定されるものではなく、フィゾー干渉計1Aに代え、例えばトワイマングリーン干渉計やマッハツェンダー干渉計等の任意の干渉計を用いることができる。
図4は、実施形態の屈折率分布測定装置に用いられる、他の第1態様の干渉計としてトワイマングリーン干渉計の構成を示す図である。図5は、実施形態の屈折率分布測定装置に用いられる、他の第2態様の干渉計としてマッハツェンダー干渉計の構成を示す図である。
例えば、トワイマングリーン干渉計1Bを用いた屈折率分布測定装置SBは、図4に示すトワイマングリーン干渉計1Bと、制御演算部3と、記憶部4と、入力部5と、出力部6と、インターフェース部(IF部)7とを備える。これら制御演算部3、記憶部4、入力部5、出力部6およびIF部7は、上述と同様であるので、その説明を省略する。
トワイマングリーン干渉計1Bは、第1および第2反射鏡それぞれで折り返して再び当該半透鏡に戻る第1および第2光路をそれぞれ伝播するように、入射した所定光を半透鏡(ハーフミラー)で2つに分岐し、この分岐して前記第1光路を伝播した一部の所定光と、この分岐して前記第2光路を伝播した残余の一部の所定光とを干渉させる干渉計である。より具体的には、トワイマングリーン干渉計1Bは、図4に示すように、入射光学系82と、第1反射鏡83と、半透鏡84と、第2反射鏡85と、観察光学系86とを備えている。そして、図4に示す例では、トワイマングリーン干渉計1Bは、光源装置81と、撮像装置87とをさらに備える。これら光源装置81、入射光学系82、観察光学系86および撮像装置87は、それぞれ、図1に示す光源装置11、入射光学系12、観察光学系16および撮像装置18と同様であるので、その説明を省略する。
したがって、光源装置81から放射された所定光は、入射光学系82に光束径が変換されて平行光化され、半透鏡84に入射される。半透鏡(ビームスプリッタ)84は、平行光の所定光における一部を第1反射鏡83に向けて反射するとともに、前記平行光の所定光における残余の一部を第2反射鏡85に向けて透過することによって、前記平行光の所定光を2つに分岐する光学素子である。第1反射鏡83は、半透鏡84から入射された前記一部の所定光を、来た光路を逆に辿って再び半透鏡84に戻るように反射する光学素子である。第2反射鏡85は、半透鏡84から入射された前記残余の一部の所定光を、来た光路を逆に辿って再び半透鏡84に戻るように反射する光学素子である。
図4に示す例では、光源装置81、入射光学系82および第2反射鏡85は、これらの各光軸が互いに一致するように配置され、第1反射鏡83は、その光軸がこれら光源装置81、入射光学系82および第2反射鏡85の光軸と直交するように配置される。半透鏡84は、光源装置81、入射光学系82および第2反射鏡85の光軸と第1反射鏡83の光軸とが互いに直交する位置に、半透鏡84の法線が、光源装置81、入射光学系82および第2反射鏡85の光軸と45度で交差し、そして、第1反射鏡83の光軸と45度で交差するように、配置される。
そして、半透鏡84では、半透鏡84で反射され第1反射鏡83で折り返された前記一部の所定光と、半透鏡84を透過し第2反射鏡85で折り返された前記残余の一部の所定光とが干渉し、干渉光を生じる。この干渉光は、半透鏡84で観察光学系86および撮像装置87に向けて反射され、撮像装置87で撮像(検出)される。ここで、測定セル2は、トワイマングリーン干渉計1Bにおける第1および第2光路のうちの一方に、より具体的には半透鏡84と第2反射鏡85との間に配置される。あるいは、半透鏡84と第1反射鏡85との間に測定セル2が配置されてもよい。
また例えば、マッハツェンダー干渉計1Cを用いた屈折率分布測定装置SBは、図5に示すマッハツェンダー干渉計1Cと、制御演算部3と、記憶部4と、入力部5と、出力部6と、インターフェース部(IF部)7とを備える。これら制御演算部3、記憶部4、入力部5、出力部6およびIF部7は、上述と同様であるので、その説明を省略する。
マッハツェンダー干渉計1Cは、互いに異なる経路の第1および第2光路を伝播するように、入射した所定光を半透鏡(ハーフミラー)で2つに分岐し、この分岐して前記第1光路を伝播した一部の所定光と、この分岐して前記第2光路を伝播した残余の一部の所定光とを干渉させる干渉計である。このマッハツェンダー干渉計1Cは、反射鏡による折り返しがない(光路の往復がない)ため、測定セル2を1回しか通らないシングルパスで干渉光が得られる。より具体的には、マッハツェンダー干渉計1Cは、図5に示すように、入射光学系92と、第1および第2半透鏡93、96と、第1および第2反射鏡94、95と、観察光学系97とを備えている。そして、図5に示す例では、マッハツェンダー干渉計1Cは、光源装置91と、撮像装置98とをさらに備える。これら光源装置91、入射光学系92、観察光学系97および撮像装置98は、それぞれ、図1に示す光源装置11、入射光学系12、観察光学系16および撮像装置18と同様であるので、その説明を省略する。
したがって、光源装置91から放射された所定光は、入射光学系92に光束径が変換されて平行光化され、第1半透鏡93に入射される。第1半透鏡(ビームスプリッタ)93は、平行光の所定光における一部を第1反射鏡94に向けて透過するとともに、前記平行光の所定光における残余の一部を第2反射鏡95に向けて反射することによって、前記平行光の所定光を2つに分岐する光学素子である。第1反射鏡94は、第1半透鏡93から入射された前記一部の所定光を、第2半透鏡96に向けて反射する光学素子である。第2反射鏡95は、第1半透鏡93から入射された前記残余の一部の所定光を、第2半透鏡96に向けて反射する光学素子である。
マッハツェンダー干渉計1Cは、上述したように反射鏡による折り返しがないため、光学素子の配置位置に自由度があるが、図5に示す例では、光源装置91および入射光学系92は、これらの各光軸が互いに一致するように配置され、観察光学系97および撮像装置98は、これらの各光軸が互いに一致するように配置され、そして、これら光源装置91および入射光学系92の光軸と観察光学系97および撮像装置98の光軸とが、所定の第1間隔を空けて互いに平行となるように、これら光源装置91、入射光学系92、観察光学系97および撮像装置98は、配置される。そして、第1半透鏡93および第1反射鏡94は、それら各法線が光源装置91および入射光学系92の光軸と45度でそれぞれ交差するように、所定の第2間隔を空けて配置される。したがって、第1半透鏡93の法線と第1反射鏡94の法線とは、互いに平行になる。また、第2反射鏡95は、第1半透鏡93の光軸(光源装置91および入射光学系92の光軸と直交する方向)と観察光学系97および撮像装置98の光軸と互いに直交する位置に、第2反射鏡95の法線が、第1半透鏡93の光軸と45度で交差し、そして、観察光学系97および撮像装置98の光軸と45度で交差するように、配置される。第2半透鏡96は、第2反射鏡94の光軸(光源装置91および入射光学系92の光軸と直交する方向)と観察光学系97および撮像装置98の光軸と互いに直交する位置に、第2半透鏡96の法線が、第1反射鏡94の光軸と45度で交差し、そして、観察光学系97および撮像装置98の光軸と45度で交差するように、配置される。したがって、これら第1および第2半透鏡93、96の各法線ならびに第1および第2反射鏡94、95の各法線は、互いに平行となっている。
そして、第2半透鏡96では、第1半透鏡93から第1反射鏡94を介して当該第2半透鏡96に至る第1光路を伝播した前記一部の所定光と、第1半透鏡93から第2反射鏡95を介して当該第2半透鏡96に至る第2光路を伝播した前記残余の一部の所定光と、が干渉し、干渉光を生じる。この干渉光は、第2半透鏡96で観察光学系97および撮像装置98に向けられ、撮像装置98で撮像(検出)される。ここで、測定セル2は、マッハツェンダー干渉計1Cにおける第1および第2光路のうちの一方に、より具体的には第1半透鏡93と第1反射鏡94との間に配置される。あるいは、第2反射鏡95と第2半透鏡96との間等に、測定セル2が配置されてもよい。
このようなトワイマングリーン干渉計1Bを用いた屈折率分布測定装置SBやマッハツェンダー干渉計1Cを用いた屈折率分布測定装置SCでも、上述したフィゾー干渉計1Aを用いた屈折率分布測定装置SA同様に、第1および第2光路のうちの一方の光路に測定セル2が配置されることによって第1および第2光路の間に光学的距離の差が生じ、干渉光に干渉縞が生じる。そして、この干渉縞から上述したように被検物SPの屈折率分布が求められる。
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
S、SA、SB、SC 屈折率分布測定装置
SP 測定対象の光学素子
SPa 一方主面
SPb 他方主面
1、1A、1B、1C 干渉計
2 測定セル
3 制御演算部
21 第1基準素子
21a 一方主面
22 第2基準素子
22a 一方主面
32 位相分布演算部
33 屈折率分布演算部

Claims (4)

  1. 測定対象の光学素子における屈折率分布の測定に用いられる屈折率分布測定用基準素子であって、
    前記測定対象の光学素子を挟む一対の第1および第2基準素子を備え、
    前記一対の第1および第2基準素子の少なくとも一方は、一方主面が前記測定対象の光学素子の面形状と逆の面形状であること
    を特徴とする屈折率分布測定用基準素子。
  2. 前記面形状は、非球面であること
    を特徴とする請求項1に記載の屈折率分布測定用基準素子。
  3. 所定光が入射され、前記所定光の入射位置から干渉位置までの間に2個の第1および第2光路を形成する複数の光学素子を備える干渉計と、
    前記2個の第1および第2光路のうちの一方に配置される請求項1または請求項2に記載の屈折率分布測定用基準素子と、
    前記干渉計によって形成された干渉縞を測定する干渉縞測定部と、
    前記干渉縞測定部で測定された干渉縞に基づいて前記測定対象の光学素子の屈折率分布を求める屈折率分布演算部とを備えること
    を特徴とする屈折率分布測定装置。
  4. 所定光が入射され前記所定光の入射位置から干渉位置までの間に2個の第1および第2光路を形成する複数の光学素子を備える干渉計における前記第1および第2光路のうちの一方に、測定対象の光学素子を挟んだ一対の第1および第2基準素子を配置する配置工程と、
    前記干渉計によって形成された干渉縞を測定する干渉縞測定工程と、
    前記干渉縞測定工程で測定された干渉縞に基づいて前記測定対象の光学素子の屈折率分布を求める屈折率分布演算工程とを備え、
    前記一対の第1および第2基準素子の少なくとも一方は、一方主面が前記測定対象の光学素子の面形状と逆の面形状であること
    を特徴とする屈折率分布測定方法。
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