JP2014196642A - 多重ガラス障子 - Google Patents
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Abstract
【課題】部品点数及び組み付け工数を削減することができ、組み立てを簡略化することができ、障子のスリム化を図ることができ、意匠性及び開放感が高く、更に耐湿性が向上された多重ガラス障子を提供する。【解決手段】複数枚のガラス板をその周囲において枠体により隔置した多重ガラス障子であって、前記枠体は、複数枚のガラス板の間隔を保持する内面部及び外面側部と、当該内面部及び外面側部に連設されガラス板の内側に面する側辺部と、乾燥剤を収納する空間部とを有するスペーサー部と、前記複数枚のガラス板の周縁部の内側に面する縦框部とを有する框部とを備え、前記した框部の左右一対の縦框部とスペーサー部の外面側部とにより形成される溝部の内面の少なくとも一部には透湿防止層が形成されていることを特徴とする多重ガラス障子。【選択図】図5
Description
本発明は、複数枚のガラス板を備えた多重ガラス障子に関する。
2枚のガラス板を、スペーサーを介して隔置し、中空層が形成されてなる複層ガラスは、断熱性及び防音性に優れており、住宅、その他各種建造物の窓用として広く普及している。
このタイプの複層ガラスにおいて、間隔をあけて配設した2枚のガラス板の間に、上下框及び左右の縦框を内装して構成した複層ガラス障子が特許文献1として知られている。
又、複層ガラスを用いた複層ガラス障子構造として、2枚のガラス板を、当該板ガラス間の周縁部内側に凹陥部が形成されるようにガラス板の周縁部の内側に内部スペーサーを介して、該2枚のガラス板間に中空層が形成されるようにして複層ガラスを構成し、この複層ガラスの周縁部の前記凹陥部に保持枠を取付けてなる複層ガラス障子構造が、特許文献2として知られている。
このタイプの複層ガラスにおいて、間隔をあけて配設した2枚のガラス板の間に、上下框及び左右の縦框を内装して構成した複層ガラス障子が特許文献1として知られている。
又、複層ガラスを用いた複層ガラス障子構造として、2枚のガラス板を、当該板ガラス間の周縁部内側に凹陥部が形成されるようにガラス板の周縁部の内側に内部スペーサーを介して、該2枚のガラス板間に中空層が形成されるようにして複層ガラスを構成し、この複層ガラスの周縁部の前記凹陥部に保持枠を取付けてなる複層ガラス障子構造が、特許文献2として知られている。
特許文献1に記載の複層ガラス障子は、2枚のガラス板の間に上下框及び左右の縦框を内装することにより、2枚のガラス板の間に広い空間を形成することが容易で、断熱性及び遮音性を高めることができるとともに、表裏の面のガラス板の透視領域のガラス面積の拡大化を図ることにより、美観的にも優れた複層ガラス障子が得られるとされている。
又、特許文献2に記載の複層ガラス障子構造は、框の面積が小さくされており、採光性、意匠性が改善され、開放感があり、框の面積が小さいため、熱損失も少なくすることができ、框の結露の問題も改善できるとされている。
又、特許文献2に記載の複層ガラス障子構造は、框の面積が小さくされており、採光性、意匠性が改善され、開放感があり、框の面積が小さいため、熱損失も少なくすることができ、框の結露の問題も改善できるとされている。
しかしながら、住宅、その他各種建造物の窓のデザインの多様化から、更に採光性能、意匠性及び開放感が優れ、かつ熱損失の少ない複層ガラス障子構造が望まれてきた。
又、既存の住宅、建造物等の窓の室内側にもう一つの内窓を配設し、二重窓化して、防音性、断熱性、防犯性を高める場合、内窓の障子は、より厚さが薄く、開口部が広くて開放感があり、意匠性に優れたものが要求される。
一方、従来の複層ガラスを用いて窓の障子を製作する場合、例えば、2枚のガラス板を、スペーサーを用いて隔置して中間に中空層を有する複層ガラスを製作し、この複層ガラスの周縁部に框を組付けて複層ガラス障子を製作するという複層ガラス製作工程及び框の組付け工程を経るため、部品点数が多く、又組立工数が多いという難点があった。
本発明者は、上記したような要求及び難点の改善された複層ガラス障子として、先に、第1のガラス板と第2のガラス板とをその周囲において枠体により隔置し、中空層を形成してなる多重ガラス障子であって、前記枠体は、前記第1及び第2のガラス板の間隔を保持する内面部及び外面側部と、当該内面部及び外面側部に連設されガラス板の内側に面する側辺部と、乾燥剤を収納する空間部とを有するスペーサー部と、前記第1及び第2のガラス板の周縁部の内側に面する左右一対の縦框部を有する框部とを備え、当該枠体のスペーサー部と框部とは、合成樹脂材料により一体成型されてなる多重ガラス障子に関する発明を特許出願した。
又、既存の住宅、建造物等の窓の室内側にもう一つの内窓を配設し、二重窓化して、防音性、断熱性、防犯性を高める場合、内窓の障子は、より厚さが薄く、開口部が広くて開放感があり、意匠性に優れたものが要求される。
一方、従来の複層ガラスを用いて窓の障子を製作する場合、例えば、2枚のガラス板を、スペーサーを用いて隔置して中間に中空層を有する複層ガラスを製作し、この複層ガラスの周縁部に框を組付けて複層ガラス障子を製作するという複層ガラス製作工程及び框の組付け工程を経るため、部品点数が多く、又組立工数が多いという難点があった。
本発明者は、上記したような要求及び難点の改善された複層ガラス障子として、先に、第1のガラス板と第2のガラス板とをその周囲において枠体により隔置し、中空層を形成してなる多重ガラス障子であって、前記枠体は、前記第1及び第2のガラス板の間隔を保持する内面部及び外面側部と、当該内面部及び外面側部に連設されガラス板の内側に面する側辺部と、乾燥剤を収納する空間部とを有するスペーサー部と、前記第1及び第2のガラス板の周縁部の内側に面する左右一対の縦框部を有する框部とを備え、当該枠体のスペーサー部と框部とは、合成樹脂材料により一体成型されてなる多重ガラス障子に関する発明を特許出願した。
本発明は、先に提案した上記多重ガラス障子の性能を更に改善した多重ガラス障子を提供することを目的とするものである。
本発明者は、前記目的に基づき、鋭意検討した結果、本発明に至ったものであり、下記の多重ガラス障子を提供するものである。なお、本発明の障子は、スペーサー部と框部とが一体化された枠体を用いて複数枚のガラス板を隔置して構成されているので、複層ガラス障子とは言わず、多重ガラス障子と称する。
(1)第1のガラス板と第2のガラス板とをその周囲において枠体により隔置し、中空層を形成してなる多重ガラス障子であって、
前記枠体は、
前記第1及び第2のガラス板の間隔を保持する内面部及び外面側部と、当該内面部及び外面側部に連設されガラス板の内側に面する側辺部と、乾燥剤を収納する空間部とを有するスペーサー部と、
前記第1及び第2のガラス板の周縁部の内側に面する左右一対の縦框部を有する框部と、を備え、
前記した枠体の框部の左右一対の縦框部とスペーサー部の外面側部とにより形成される溝部の内面の少なくとも一部領域には透湿防止層が形成されていることを特徴とする多重ガラス障子。
(2)前記透湿防止層が、透湿防止塗料を塗布し、硬化されてなる層であることを特徴とする上記(1)に記載の多重ガラス障子。
(3)前記透湿防止塗料がフッ素樹脂塗料であることを特徴とする上記(2)に記載の多重ガラス障子。
(4)前記透湿防止層が、透湿防止フィルム状体を貼り付けてなる層であることを特徴とする上記(1)に記載の多重ガラス障子。
(5)前記透湿防止フィルム状体が、金属被覆フィルム、セラミック被覆フィルム、金属及びセラミックの複合被覆フィルム、金属テープ、透湿防止樹脂フィルム、又は透湿防止樹脂被覆フィルムであることを特徴とする上記(4)に記載の多重ガラス障子。
(6)前記金属被覆フィルムが、アルミ被覆フィルムであることを特徴とする上記(5)に記載の多重ガラス障子。
(7)前記金属テープが、アルミ金属テープ、又はステンレス金属テープであることを特徴とする上記(5)に記載の多重ガラス障子。
(1)第1のガラス板と第2のガラス板とをその周囲において枠体により隔置し、中空層を形成してなる多重ガラス障子であって、
前記枠体は、
前記第1及び第2のガラス板の間隔を保持する内面部及び外面側部と、当該内面部及び外面側部に連設されガラス板の内側に面する側辺部と、乾燥剤を収納する空間部とを有するスペーサー部と、
前記第1及び第2のガラス板の周縁部の内側に面する左右一対の縦框部を有する框部と、を備え、
前記した枠体の框部の左右一対の縦框部とスペーサー部の外面側部とにより形成される溝部の内面の少なくとも一部領域には透湿防止層が形成されていることを特徴とする多重ガラス障子。
(2)前記透湿防止層が、透湿防止塗料を塗布し、硬化されてなる層であることを特徴とする上記(1)に記載の多重ガラス障子。
(3)前記透湿防止塗料がフッ素樹脂塗料であることを特徴とする上記(2)に記載の多重ガラス障子。
(4)前記透湿防止層が、透湿防止フィルム状体を貼り付けてなる層であることを特徴とする上記(1)に記載の多重ガラス障子。
(5)前記透湿防止フィルム状体が、金属被覆フィルム、セラミック被覆フィルム、金属及びセラミックの複合被覆フィルム、金属テープ、透湿防止樹脂フィルム、又は透湿防止樹脂被覆フィルムであることを特徴とする上記(4)に記載の多重ガラス障子。
(6)前記金属被覆フィルムが、アルミ被覆フィルムであることを特徴とする上記(5)に記載の多重ガラス障子。
(7)前記金属テープが、アルミ金属テープ、又はステンレス金属テープであることを特徴とする上記(5)に記載の多重ガラス障子。
(8)当該枠体のスペーサー部と框部とは、合成樹脂材料により一体成型されたものであることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の多重ガラス障子。
(9)当該枠体のスペーサー部と框部とは、硬質ポリ塩化ビニル材料、又はアクリロニトリル・スチレン樹脂材料により一体成型されたものであることを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれかに記載の多重ガラス障子。
(10)前記溝部の断面形状が略コの字状であることを特徴とする上記(1)〜(9)のいずれかに記載の多重ガラス障子。
(11)前記溝部の内面の、框部の左右一対の縦框部の領域及びスペーサー部の外面側部の領域に透湿防止層が形成されていることを特徴とする上記(1)〜(10)のいずれかに記載の多重ガラス障子。
(12)前記框部の縦框部及びスペーサー部の側辺部と、ガラス板とは、それらが面する部分において接着材により接着されていることを特徴とする上記(1)〜(11)のいずれかに記載の多重ガラス障子。
(13)前記枠体のスペーサー部と框部とは、合成樹脂材料により押出し成型法、又は共押出し成型法により一体成型されていることを特徴とする上記(1)〜(12)のいずれかに記載の多重ガラス障子。
(14)前記した複数枚のガラス板が矩形状であり、複数枚のガラス板がその周縁の4辺において前記した枠体により隔置されていることを特徴とする上記(1)〜(13)のいずれかに記載の多重ガラス障子。
(15)第1のガラス板と第2のガラス板とをその周囲において枠体により隔置して中空層を形成し、かつ中空層内に少なくとも1枚以上の中間板を前記第1及び第2のガラス板と隔置して配されてなる多重ガラス障子であって、
前記枠体は、
前記第1及び第2のガラス板の間隔を保持する内面部及び外面側部と、当該内面部及び外面側部に連設されガラス板の内側に面する側辺部と乾燥剤を収納する空間部とを有するスペーサー部と、
前記第1及び第2のガラス板の周縁部の内側に面する縦框部を有する框部と、を備え、
前記した枠体の框部の左右一対の縦框部とスペーサー部の外面側部とにより形成される溝部の内面の少なくとも一部領域には透湿防止層が形成されていることを特徴とする上記(1)〜(14)のいずれかに記載の多重ガラス障子。
(9)当該枠体のスペーサー部と框部とは、硬質ポリ塩化ビニル材料、又はアクリロニトリル・スチレン樹脂材料により一体成型されたものであることを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれかに記載の多重ガラス障子。
(10)前記溝部の断面形状が略コの字状であることを特徴とする上記(1)〜(9)のいずれかに記載の多重ガラス障子。
(11)前記溝部の内面の、框部の左右一対の縦框部の領域及びスペーサー部の外面側部の領域に透湿防止層が形成されていることを特徴とする上記(1)〜(10)のいずれかに記載の多重ガラス障子。
(12)前記框部の縦框部及びスペーサー部の側辺部と、ガラス板とは、それらが面する部分において接着材により接着されていることを特徴とする上記(1)〜(11)のいずれかに記載の多重ガラス障子。
(13)前記枠体のスペーサー部と框部とは、合成樹脂材料により押出し成型法、又は共押出し成型法により一体成型されていることを特徴とする上記(1)〜(12)のいずれかに記載の多重ガラス障子。
(14)前記した複数枚のガラス板が矩形状であり、複数枚のガラス板がその周縁の4辺において前記した枠体により隔置されていることを特徴とする上記(1)〜(13)のいずれかに記載の多重ガラス障子。
(15)第1のガラス板と第2のガラス板とをその周囲において枠体により隔置して中空層を形成し、かつ中空層内に少なくとも1枚以上の中間板を前記第1及び第2のガラス板と隔置して配されてなる多重ガラス障子であって、
前記枠体は、
前記第1及び第2のガラス板の間隔を保持する内面部及び外面側部と、当該内面部及び外面側部に連設されガラス板の内側に面する側辺部と乾燥剤を収納する空間部とを有するスペーサー部と、
前記第1及び第2のガラス板の周縁部の内側に面する縦框部を有する框部と、を備え、
前記した枠体の框部の左右一対の縦框部とスペーサー部の外面側部とにより形成される溝部の内面の少なくとも一部領域には透湿防止層が形成されていることを特徴とする上記(1)〜(14)のいずれかに記載の多重ガラス障子。
本発明によれば、枠体の框部の左右一対の縦框部とスペーサー部の外面側部とにより形成される溝部の内面の少なくとも一部領域に透湿防止層が形成されているので、多重ガラス障子の中空層の結露の防止を高めることができ、耐湿性に優れた多重ガラス障子を提供することができる。
又、従来の複層ガラス障子において用いられていたスペーサーと框とは、それぞれ別体となっており、その組立て作業もスペーサーとガラス板とのシール材による接着作業、又框とガラス板とのシール材による接着作業を別々に行なうことを要したが、本発明の一態様の多重ガラス障子によれば、スペーサー部と框部とが合成樹脂材料により一体成型された枠体を用いて複数枚のガラス板を隔置して多重ガラス化しているので、部品点数および組み付け工数を削減することができ、多重ガラス障子の組み立てを簡略化することができ、コスト低減化を図ることができる。
又、スペーサーと框とを一体化することにより枠体を小さくすることができ、それによって、多重ガラス障子における框及びスペーサーの占める面積を少なくすることができることにより、透視部分のガラス板の面積を大きくすることができ、その結果、眺望性の向上、開放感の向上を図ることができる。又、スペーサーと框とが一体化された枠体により、複数枚のガラス板をその周囲において隔置しているので、多重ガラス障子のスリム化を図ることができ、意匠性の向上を図ることができる。
又、従来の複層ガラス障子において用いられていたスペーサーと框とは、それぞれ別体となっており、その組立て作業もスペーサーとガラス板とのシール材による接着作業、又框とガラス板とのシール材による接着作業を別々に行なうことを要したが、本発明の一態様の多重ガラス障子によれば、スペーサー部と框部とが合成樹脂材料により一体成型された枠体を用いて複数枚のガラス板を隔置して多重ガラス化しているので、部品点数および組み付け工数を削減することができ、多重ガラス障子の組み立てを簡略化することができ、コスト低減化を図ることができる。
又、スペーサーと框とを一体化することにより枠体を小さくすることができ、それによって、多重ガラス障子における框及びスペーサーの占める面積を少なくすることができることにより、透視部分のガラス板の面積を大きくすることができ、その結果、眺望性の向上、開放感の向上を図ることができる。又、スペーサーと框とが一体化された枠体により、複数枚のガラス板をその周囲において隔置しているので、多重ガラス障子のスリム化を図ることができ、意匠性の向上を図ることができる。
次に、本発明の多重ガラス障子を図1〜図15の図面に基づいて具体的に説明する。図面は本発明の好ましい実施形態を例示したものであり、本発明は例示の図面とその説明に限定されない。
図1は、本発明に係る多重ガラス障子の正面図、図2、3、4は、本発明に係る多重ガラス障子の一部断面概略斜視図(枠体の詳細は省略)、図5は図2の円Aで示した枠体部分の概略縦断面図、図6は図3の円Aで示した枠体部分の概略縦断面図の部分の概略を示した縦断面図である。図1において、1は多重ガラス障子、2はガラス板、3は多重ガラス障子の枠体を示し、3aは上端側の枠体、3bは多重ガラス障子の側端側の枠体、3cは多重ガラス障子の下端側の枠体を示す。以下、本明細書において、上端側の枠体、側端側の枠体、及び下端側の枠体を総称する場合は、枠体3と称する。
図1は、本発明に係る多重ガラス障子の正面図、図2、3、4は、本発明に係る多重ガラス障子の一部断面概略斜視図(枠体の詳細は省略)、図5は図2の円Aで示した枠体部分の概略縦断面図、図6は図3の円Aで示した枠体部分の概略縦断面図の部分の概略を示した縦断面図である。図1において、1は多重ガラス障子、2はガラス板、3は多重ガラス障子の枠体を示し、3aは上端側の枠体、3bは多重ガラス障子の側端側の枠体、3cは多重ガラス障子の下端側の枠体を示す。以下、本明細書において、上端側の枠体、側端側の枠体、及び下端側の枠体を総称する場合は、枠体3と称する。
図2は、第1のガラス板2aと第2のガラス板2bを隔置した二重タイプの多重ガラス障子(即ち、ガラス板を2枚有し、1層の中空層4を有するタイプ)の例を示したものである。又、図3は、第1のガラス板2aと第2のガラス板2bとを隔置し、かつもう1枚の中間板5を前記した第1のガラス板2aと第2のガラス板2bとの間に配した、2枚のガラス板と1枚の中間板の合計3枚有する三重タイプの多重ガラス障子(即ち、2層の中空層4a、4bを有する多重ガラス障子)の例を示したものである。又、図4は、第1のガラス板2aと第2のガラス板2bとを隔置し、かつもう2枚の中間板5a、5bを前記した第1のガラス板2aと第2のガラス板2bとの間に配した、2枚のガラス板と2枚の中間板の合計4枚有する四重タイプの多重ガラス障子(即ち、3層の中空層4a、4b、4cを有する多重ガラス障子)の例を示したものである。
図2、3及び4に示した多重ガラス障子の枠体3は、図5、6及び図9(a)、(b)に示されるように、2枚のガラス板2a、2bの間隔を保持する内面部6及び外面側部7と、当該内面部6及び外面側部7に連設されガラス板2a、2bの内側に面する側辺部8、8と乾燥剤を収納する空間部9とを有するスペーサー部10と、前記2枚のガラス板2a、2bの周縁部の内側に面する縦框部11、11と、当該縦框部11、11に連設され前記ガラス板2a、2bの端面部に面する屈曲框部12を有する框部13とを備え、当該枠体のスペーサー部10と框部13とは、枠体形成用の合成樹脂材料により一体成型されたものである。
本発明において、一体成型とは、枠体形成用の合成樹脂材料を、押出し成型法、共押し出し成型法、あるいは射出成型法等の一体成型法により成型することを意味する。枠体形成用の合成樹脂材料としては、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリロニトリル・スチレン樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル、ブタジエン及びスチレンの共重合合成樹脂)、ポリエステル樹脂などの合成樹脂材料が好ましく使用される。又、枠体形成用の合成樹脂材料としては、一種に限らず、複数種類の材料を用いて複合構造としてもよい。例えば、異なる合成樹脂材料を共押し出し成型法により部分的に異なる合成樹脂材料からなる複合構造の枠体であってもよい。この複合構造の枠体の場合、いずれか一種の枠体形成用の合成樹脂材料により、一体成型されていればよく、又、一体成型された枠体は、部分的、あるいは全体に異なる合成樹脂材料及び/又は金属材料が接合されていてもよい。特に、硬質のポリ塩化ビニル樹脂材料、又はアクリロニトリル・スチレン樹脂によりスペーサー部10と框部13とを一体成型した枠体は、障子として用いたときに、断熱性に優れており、又、一体成型が容易で、耐久性に優れ、安価であるので好ましい。
図6に示した多重ガラス障子の枠体においては、第1のガラス板2aと第2のガラス板2bとをその周囲において枠体3により隔置して形成された中空層内に、もう1枚の中間板5が前記第1及び第2のガラス板2a、2bと隔置して配されるように、スペーサー部10の内面部6の中間部に、スペーサー部10の長手方向に沿って、1枚の中間板を挿入する溝部14が設けられている。そして、溝部14の両側には、溝部14に配された中間板5の端部を支持できるように、弾性材料からなるリップ部15、15が設けられており、溝部14の底部には、溝部14に配される中間板5の端面部を保護し、位置決めを確実にできるように、弾性材料又はクッション性材料等からなるベース部16が設けられている。なお、上記したようなリップ部による中間板の支持方式に限らず、グレージングチャンネルによる支持方式であってもよいし、又シール材、あるいはバックアップ材による支持方式であってもよい。
又、図9(a)に示した多重ガラス障子の枠体3においては、第1のガラス板2aと第2のガラス板2bとの間の中空層内に、当該第1及び第2のガラス板2a、2bとそれぞれ隔置して2枚の中間板5a、5bとが配されるように、スペーサー部10の内面部6の中間部に、スペーサー部10の長手方向に沿って、それぞれ隔置した2列の溝部14、14が設けられている。即ち、2枚のガラス板と2枚の中間板を有する合計枚数が4枚の四重タイプの多重ガラス障子(3層の中空層4a、4b、4cを有する多重ガラス障子)を示した例である。又、図9(b)は、スペーサー部10の内面部6の中間部に、スペーサー部10の長手方向に沿って、それぞれ隔置した3列の溝部14、14、14を設けて、3枚の中間板5a、5b、5cを配した2枚のガラス板と3枚の中間板を有する合計枚数が5枚の五重タイプの多重ガラス障子(4層の中空層4a、4b、4c、4dを有する多重ガラス障子)を示した例である。これらの例の溝部14の両側においても、溝部14に配された中間板5の端部を支持できるように、弾性材料からなるリップ部15、15が設けられており、又溝部14の底部には、溝部14に配される中間板5a、5b、5cの端面部を保護し、位置決めを確実にできるように、弾性材料又はクッション性材料等からなるベース部16が設けられている。
本発明の多重ガラス障子においては、第1及び第2のガラス板2a、2bが、その周辺部において上記した枠体により隔置され、2枚のガラス板の間に1層の中空層4が、又1枚ないし複数枚の中間板の配設により複数層の中空層4a、4b、4c、又は中空層4a、4b、4c、4dが形成されており、この中空層には、乾燥空気、あるいは不活性ガス等のガスが充填され、断熱性及び/又は防音性が高められ、又スペーサー部の空間部に乾燥剤を充填することにより、多重ガラス障子の中空層の結露防止性能が付与される。
本発明の多重ガラス障子の枠体3においては、框部13の縦框部11、11と、スペーサー部10の外面側部7によって囲まれる溝部17が、枠体3の長手方向に形成されている。例えば、この溝部17は、図7に示すように、枠体3の中央線B−Bに関し、略左右対称の構造であり、左右の一対の縦框部11、11の間であって、図においては、スペーサー部10の外面側部7の下方側に形成されており、当該溝部17は下方側に開口している。
本発明の多重ガラス障子の枠体3の上記溝部17の内面の少なくとも一部領域には、図5〜13に示すように、外側から水分が多重ガラス障子の中空層側に透過するのを防止する透湿防止層18が形成されていることを特徴とする。この透湿防止層18は、前記溝部17の内面の、框部13の左右一対の縦框部11の領域の少なくとも一部領域と、スペーサー部10の外面側部7の領域の少なくとも一部領域とを覆って溝部17の長手方向に形成されていることが好ましい。又、枠体3の框部13の左右一対の縦框部11の厚さ、スペーサー部10の外面側部7の厚さ、又使用する透湿防止層の透湿防止性能によっては、框部13の左右一対の縦框部11の領域及びスペーサー部10の外面側部7の領域のいずれか一方のみを覆って、溝部17の長手方向に透湿防止層18を形成してもよい。
本発明の多重ガラス障子の枠体3の上記溝部17の内面の少なくとも一部領域には、図5〜13に示すように、外側から水分が多重ガラス障子の中空層側に透過するのを防止する透湿防止層18が形成されていることを特徴とする。この透湿防止層18は、前記溝部17の内面の、框部13の左右一対の縦框部11の領域の少なくとも一部領域と、スペーサー部10の外面側部7の領域の少なくとも一部領域とを覆って溝部17の長手方向に形成されていることが好ましい。又、枠体3の框部13の左右一対の縦框部11の厚さ、スペーサー部10の外面側部7の厚さ、又使用する透湿防止層の透湿防止性能によっては、框部13の左右一対の縦框部11の領域及びスペーサー部10の外面側部7の領域のいずれか一方のみを覆って、溝部17の長手方向に透湿防止層18を形成してもよい。
本発明の多重ガラス障子においては、枠体が合成樹脂材料、例えば硬質ポリ塩化ビニル樹脂材料、又はアクリロニトリル・スチレン樹脂材料により形成されているので、素材自体として水分の透湿防止性が高いアルミニウム製の枠体と同等程度の透湿防止性を得るためには、枠体の厚さを厚くしなければならず、そのため、重量が重くなったり、枠体自体のサイズが大きくなるという難点が生じるが、本発明によれば、合成樹脂製の枠体であっても、枠体の溝部の内面に透湿防止層を形成することによって水分の透過性を低くすることができ、重量が重くなったり、枠体自体のサイズが大きくなったりするという難点を解決することができる。
かかる透湿防止層としては、多重ガラス障子の中空層内に合成樹脂製の枠体自体を通して水分が透過することを防止できる材質からなるものが選ばれる。透湿防止層としては、透湿防止塗料を塗布し、硬化されてなる層や、透湿防止フィルム状体を貼り付けてなる層が好ましい。
透湿防止塗料としては、代表的には、フッ素樹脂系塗料、ポリ塩化ビニリデン樹脂系塗料などが挙げられる。かかる透湿防止塗料の硬化膜の厚さとしては、枠体3の框部13の縦框部11の厚さ、スペーサー部10の外面側部7にもよるが、25μm以上が好ましい。透湿防止塗料の塗布により透湿防止層を形成する場合、2種以上の透湿防止塗料を塗布して2層、あるいは3層以上の複数層の構成としてもよい。
又、透湿防止フィルム状体としては、透湿防止性能をもった金属被覆フィルム、セラミック被覆フィルム、金属及びセラミックの複合被覆フィルム、金属テープ、フィルム自身が透湿防止性能をもった樹脂からなる透湿防止樹脂フィルム、又は透湿防止樹脂被覆フィルムが挙げられる。例えば、金属被覆フィルムとしては、プラスチックフィルム担体に透湿防止性能を有するアルミを真空蒸着法、スパッター法等の手段により被覆したアルミ被覆フィルムが代表的な例として挙げられる。又、セラミック被覆フィルムとしては、プラスチックフィルム担体に透湿防止性能を有する金属酸化物(例えば、SiO2)を真空蒸着法、スパッター法等の手段により被覆したセラミック被覆フィルムが代表的な例として挙げられる。又、金属テープとしては、アルミ金属テープ、ステンレス金属テープが代表的な例として挙げられる。透湿防止樹脂フィルムとしては、フッ素樹脂フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルムなどが代表的な例として挙げられる。
かかる透湿防止フィルム状体としては、枠体の框部の左右の縦框部とスペーサー部の外面側部とにより形成される溝部の内面に貼り付けることが容易となるように、透湿防止フィルム状体の上記溝部の貼り付け面側に粘着材、又は接着材が形成されているものを好ましく使用できる。又、上記溝部への貼り付けが容易であり、又透湿防止性能に優れた、ブチルゴム系接着材からなるブチルテープと、金属テープとを積層した透湿防止フィルム状体も好ましく使用することができる。これら透湿防止フィルム状体は、1種類の透湿防止フィルム状体を上記溝部に貼り付け等の手段により形成してもよいし、2種類以上を重ね合わせて上記溝部に形成してもよいし、あるいは溝部において部分的に異なる種類の透湿防止フィルム状体を形成してもよい。又、上記溝部に透湿防止フィルム状体を形成するに当たり、溝部内に補強部材、補強芯材等を設けてもよい。
又、かかる透湿防止フィルム状体の厚さとしては、枠体3の框部13の縦框部11の厚さ、スペーサー部10の外面側部7にもよるが、25μm以上が好ましい。
透湿防止塗料としては、代表的には、フッ素樹脂系塗料、ポリ塩化ビニリデン樹脂系塗料などが挙げられる。かかる透湿防止塗料の硬化膜の厚さとしては、枠体3の框部13の縦框部11の厚さ、スペーサー部10の外面側部7にもよるが、25μm以上が好ましい。透湿防止塗料の塗布により透湿防止層を形成する場合、2種以上の透湿防止塗料を塗布して2層、あるいは3層以上の複数層の構成としてもよい。
又、透湿防止フィルム状体としては、透湿防止性能をもった金属被覆フィルム、セラミック被覆フィルム、金属及びセラミックの複合被覆フィルム、金属テープ、フィルム自身が透湿防止性能をもった樹脂からなる透湿防止樹脂フィルム、又は透湿防止樹脂被覆フィルムが挙げられる。例えば、金属被覆フィルムとしては、プラスチックフィルム担体に透湿防止性能を有するアルミを真空蒸着法、スパッター法等の手段により被覆したアルミ被覆フィルムが代表的な例として挙げられる。又、セラミック被覆フィルムとしては、プラスチックフィルム担体に透湿防止性能を有する金属酸化物(例えば、SiO2)を真空蒸着法、スパッター法等の手段により被覆したセラミック被覆フィルムが代表的な例として挙げられる。又、金属テープとしては、アルミ金属テープ、ステンレス金属テープが代表的な例として挙げられる。透湿防止樹脂フィルムとしては、フッ素樹脂フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルムなどが代表的な例として挙げられる。
かかる透湿防止フィルム状体としては、枠体の框部の左右の縦框部とスペーサー部の外面側部とにより形成される溝部の内面に貼り付けることが容易となるように、透湿防止フィルム状体の上記溝部の貼り付け面側に粘着材、又は接着材が形成されているものを好ましく使用できる。又、上記溝部への貼り付けが容易であり、又透湿防止性能に優れた、ブチルゴム系接着材からなるブチルテープと、金属テープとを積層した透湿防止フィルム状体も好ましく使用することができる。これら透湿防止フィルム状体は、1種類の透湿防止フィルム状体を上記溝部に貼り付け等の手段により形成してもよいし、2種類以上を重ね合わせて上記溝部に形成してもよいし、あるいは溝部において部分的に異なる種類の透湿防止フィルム状体を形成してもよい。又、上記溝部に透湿防止フィルム状体を形成するに当たり、溝部内に補強部材、補強芯材等を設けてもよい。
又、かかる透湿防止フィルム状体の厚さとしては、枠体3の框部13の縦框部11の厚さ、スペーサー部10の外面側部7にもよるが、25μm以上が好ましい。
以下、本発明の多重ガラス障子の具体例の構造について図面を参照しながら説明する。
図5〜9は、本発明の多重ガラス障子の代表的な例を示したものであり、枠体3の框部13の縦框部11は、隔置された2枚のガラス板2a、2bの周縁部に内装された構造となっている。又、框部13の屈曲框部12は、縦框部11の、スペーサー部10の側辺部8と反対側の終端部からガラス板2a、2b側に屈曲し、横方向に延び、ガラス板の端面部を保護し、支える部分であり、更に必要に応じてガラス板の脱落を防ぐ部分であり、屈曲框部12の屈曲部分の先端の長さは、好ましくは、略ガラス板の板厚程度の長さ、あるいはガラス板の外側に若干はみ出る程度の長さとされている。上記したように、本発明の好ましい態様においては、合成樹脂により一体成型された、枠体のスペーサー部の側辺部と框部の縦框部とは連設されており、連続した面となっている。框部13の縦框部11とスペーサー部10の側辺部8とが、連続した面となっているので、この枠体3の框部13の縦框部11とスペーサー部10の側辺部8のガラス板側の色調、面状態を考慮すれば、この框部13の縦框部11及びスペーサー部10の側辺部8を多重ガラス障子の周辺部における意匠面とすることができる。
図5〜9は、本発明の多重ガラス障子の代表的な例を示したものであり、枠体3の框部13の縦框部11は、隔置された2枚のガラス板2a、2bの周縁部に内装された構造となっている。又、框部13の屈曲框部12は、縦框部11の、スペーサー部10の側辺部8と反対側の終端部からガラス板2a、2b側に屈曲し、横方向に延び、ガラス板の端面部を保護し、支える部分であり、更に必要に応じてガラス板の脱落を防ぐ部分であり、屈曲框部12の屈曲部分の先端の長さは、好ましくは、略ガラス板の板厚程度の長さ、あるいはガラス板の外側に若干はみ出る程度の長さとされている。上記したように、本発明の好ましい態様においては、合成樹脂により一体成型された、枠体のスペーサー部の側辺部と框部の縦框部とは連設されており、連続した面となっている。框部13の縦框部11とスペーサー部10の側辺部8とが、連続した面となっているので、この枠体3の框部13の縦框部11とスペーサー部10の側辺部8のガラス板側の色調、面状態を考慮すれば、この框部13の縦框部11及びスペーサー部10の側辺部8を多重ガラス障子の周辺部における意匠面とすることができる。
スペーサー部10の内面部6には、図5〜13に示されるような薄板部19を設けることが好ましい。この薄板部19は、空間部9と中空層4との間に通気可能にする通気孔を設ける加工が施されやすいように形成されたものであり、通気孔を通して乾燥剤により中空層の乾燥状態を維持し、多重ガラス障子の中空層の結露を防止することができる。
図5〜13においては、便宜上、下端側に配される枠体3の構造について具体的に説明したが、上端側の枠体及び側端側の構造も、基本的には図示した下端側に配される枠体として説明した構造と同様であるのが、部品点数の削減という点から好ましい。しかし、それぞれ配される位置、部位に対応するように、一部変更してもよい。
図5〜13においては、便宜上、下端側に配される枠体3の構造について具体的に説明したが、上端側の枠体及び側端側の構造も、基本的には図示した下端側に配される枠体として説明した構造と同様であるのが、部品点数の削減という点から好ましい。しかし、それぞれ配される位置、部位に対応するように、一部変更してもよい。
図7は、図5の枠体構造を有する多重ガラス障子の使用態様を具体的に表わした部分断面図である。各部分の符号は、図5と同様である。図5及び図7において示されるように、枠体3のスペーサー部10の側辺部8と框部13の縦框部11とは連設されており、連続した面となっている。次に説明する凹部を除いて対面するガラス板2a、2bの面と平行な面方向において、枠体3のスペーサー部10の側辺部8と框部13の縦框部11とは、ほぼ面一の構造である。
枠体3のスペーサー部10の側辺部8と框部13の縦框部11とが連設した枠体3のガラス板2a、2bと面する部分の構造は、図10、11に示すように、枠体3のスペーサー部10の側辺部8及び/又は框部13の縦框部11のガラス板2a、2bと対面する面に凹状部20が形成されていてもよい。このような凹状部27が形成されていれば、接着材層21の厚さをこの凹状部27の領域において、より厚くすることができ、接着性、封止性を高めることができる。
枠体3のスペーサー部10の側辺部8と框部13の縦框部11とが連設した枠体3のガラス板2a、2bと面する部分の構造は、図10、11に示すように、枠体3のスペーサー部10の側辺部8及び/又は框部13の縦框部11のガラス板2a、2bと対面する面に凹状部20が形成されていてもよい。このような凹状部27が形成されていれば、接着材層21の厚さをこの凹状部27の領域において、より厚くすることができ、接着性、封止性を高めることができる。
又、枠体3の框部13の構造は、図12、13に示すように、縦框部11の先端の部分(即ち、スペーサー10の外面側部7と反対側の部分)が、溝部17の内側方向に屈曲し、その先がガラス板2a、2bの先端方向に延びるような形状にしてもよい。このような屈曲先端部23を有する縦框部11の構造は、ガラス板2a、2bの周縁部分に凹状部24が形成されるので、この凹状部24に透湿性が低く、接着性が優れた封止材25を封入すれば、多重ガラス障子の接着性、封止性をより高めることができる。例えば、接着性に優れた接着材と透湿防止材を混合した封止材を用いてもよいし、又、部分的に接着性に優れた接着材と透湿防止材を塗工してもよい。なお、上記したような框部13の縦框部11の先端部に屈曲先端部23を設けず、縦框部11の先端を直線状としてもよい。これら形状は、図5〜9に例示した枠体3において、框部13の縦框部11の先端に屈曲框部12が形成されていない例である。
そして、図7、8に示されるように、枠体3は、多重ガラス障子の厚さ方向の縦断面の中央線B−Bに関し、略左右対称の構造となっており、溝部17の縦断面の形状は略コ字形状となっているのが好ましい。この溝部17には、戸車、戸車支持部材、外れ止め部品、その他の障子機能部材を設けることができ、この障子機能部材は、枠体によって、多重ガラス障子の室外側からも、室内側からも隠蔽される状態となる。ここにおいて、左右の枠体3のスペーサー部10の側辺部8、8の高さ(スペーサー部の厚さに略相当する)は、同一ないし、略同一とされているのが好ましい。又、左右の框部13の縦框部11、11の高さも、同一ないし、ほぼ同一とされているのが好ましい。枠体3のスペーサー部10の側辺部8の高さは、ガラス板2a、2bとスペーサー部10の側辺部8との接着材による接着強度、透湿防止性及び意匠性を考慮して所定の高さが選ばれ、又框部13の縦框部11の高さは、上記した障子機能部材を隠蔽することができ、かつガラス板2a、2bと框部13の縦框部11との接着材による接着強度、透湿防止性及び意匠性を考慮して所定の高さが選ばれる。具体的には、枠体のスペーサー部10の側辺部8の高さは、5mm〜15mmの範囲が好ましく、又框部13の縦框部11の高さは、15mm〜50mmの範囲が好ましい。
上記した枠体のスペーサー部10の側辺部8のガラス板2a、2b側の面の一部には、図6〜13に示すように、多重ガラス障子の製造時に、ガラス板2a、2bとスペーサー部10の側辺部8との間に注入、塗工、ないし配された接着材が、当該側辺部8の中空層側に、はみ出ないように、又、所定の接着材層21の厚さを確保できるように、所定幅の凹部20を設けることが好ましい。又、上記した框部13の縦框部11のガラス板2a、2b側の面の一部にも、上記した多重ガラス障子の製造時に、ガラス板2a、2bと框部13の縦框部11との間に注入、塗工、ないし配された接着材が、当該縦框部11の外側(即ち、ガラス板2a、2bの端面側)にはみ出ないように、また所定の接着材層21の厚さを確保できるように、所定幅の凹部22を設けることが好ましい。
図7、8に示すように、框部13の左右の一対の縦框部11の間に形成された溝部17には、端部保護カバー30を配設してもよい。この端部保護カバー30は、溝部17を多重ガラス障子の端面において塞ぐことができるような構造をしたものであれば種々の構造のものが使用される。又、端部保護カバー30は、ガラス板2a、2bの端面を支持するような構造部を有していてもよい。
図示した端部保護カバー30は、溝部17の底面を多重ガラス障子の端面の長手方向を塞ぐ底面部31と、框縦部11、11の溝部17側の下方に設けられたガイド凸条26、26に対し、横方向からスライドして装着できるように設けられた、先端がL字状に屈曲したガイドリブ部32、32と、ガラス板2a、2bの外側の端面部に面する屈曲部33とを有するものである。図示した例は、スライド装着方式の例の端部保護カバーであるが、これに限らず、溝部17に対し、図7、8においては下方向から嵌合方式で装着されるような構造としてもよく、又、その他の装着方式に対応できるような構造としたものも使用可能である。
図示した端部保護カバー30は、溝部17の底面を多重ガラス障子の端面の長手方向を塞ぐ底面部31と、框縦部11、11の溝部17側の下方に設けられたガイド凸条26、26に対し、横方向からスライドして装着できるように設けられた、先端がL字状に屈曲したガイドリブ部32、32と、ガラス板2a、2bの外側の端面部に面する屈曲部33とを有するものである。図示した例は、スライド装着方式の例の端部保護カバーであるが、これに限らず、溝部17に対し、図7、8においては下方向から嵌合方式で装着されるような構造としてもよく、又、その他の装着方式に対応できるような構造としたものも使用可能である。
多重ガラス障子の下辺側には、引き違い戸の場合、戸車を除く部分に端部保護カバーを設けてもよい。又、多重ガラス障子の上辺側、側辺側においては、端部保護カバー30を配設するのが好ましい。ガラス板が矩形形状である多重ガラス障子の4辺に上記した同じ形状の枠体をそれぞれ使用しても、上辺側、側辺側における枠体の溝部に端部保護カバー30を配設することで、溝部17を塞ぎ、実用に供することができ、多重ガラス障子の組み付け部品点数の削減に効果的である。
端部保護カバー30が、多重ガラス障子の上辺側、左側辺側、又右側辺側の溝部17に設けられる場合、上辺側、左側辺側、又右側辺側において要求される機能に応じて、端部保護カバー30の構造を変更することができる。
なお、多重ガラス障子の開閉方式がスイング方式の場合には、戸車が必要でないので、下辺側及び上辺側の端部保護カバーは、戸車に対応する構造変更は不要であり、下辺側、上辺側、左側辺側、及び右側辺側を同様の構造とすることができる。
端部保護カバー30が、多重ガラス障子の上辺側、左側辺側、又右側辺側の溝部17に設けられる場合、上辺側、左側辺側、又右側辺側において要求される機能に応じて、端部保護カバー30の構造を変更することができる。
なお、多重ガラス障子の開閉方式がスイング方式の場合には、戸車が必要でないので、下辺側及び上辺側の端部保護カバーは、戸車に対応する構造変更は不要であり、下辺側、上辺側、左側辺側、及び右側辺側を同様の構造とすることができる。
上記した第1及び第2のガラス板2a、2bの形状、板厚は、目的とされる多重ガラス障子の形状、寸法に応じて適宜、選ばれるが、通常の住宅用、その他建造物の窓に使用される場合、一般的には、矩形の平板のガラス板であり、それぞれの板厚は、0.7mm〜10mmの範囲であり、複数枚のガラス板の矩形の寸法は、ほぼ同寸法であるのが好ましい。又、複数枚のガラス板は、板厚が異なっていてもよいし、種類が異なったガラス板であってもよい。又、ガラス板の種類としては、通常、建築用として用いられているフロートガラス板、普通ガラス板のほか、ガラス板にイオン交換強化処理を施した、いわゆる化学強化ガラス板も使用することができる。化学強化ガラス板は強化処理によりその表面に圧縮応力が付与されて、破壊強度が高められているので、ガラス板の板厚を薄くすることができ、例えば0.7〜2mm程度の板厚とすることができる。従って、化学強化ガラス板を使用すれば、フロートガラス板、普通ガラス板の場合のガラス板の板厚(例えば、3〜6mm)よりも薄板化を図ることができるので、多重ガラス障子の軽量化及び薄板化を図ることができ、好ましい。複数枚のガラス板が矩形状である場合、複数枚のガラス板は、その周縁の4辺において前記した枠体(即ち、上端側、左端側、右端及び下端側の枠体)により隔置されて、多重ガラス障子が構成されるのが好ましい。なお、上端側、左端側、右端及び下端側の枠体のそれぞれが突き合わされる4角のコーナーにおいては、コーナーブロックを差し込み、それぞれの枠体が連結される。多重ガラス障子の4辺とも同じ形状の枠体を使用すれば、多重ガラス障子の組み付けにおける部品点数を少なくすることができるとともに、多重ガラス障子の周辺部の外観、意匠を同じようにすることができるので好ましい。
上記した多重ガラス障子において、第1及び第2のガラス板2a、2bの間に、当該ガラス板2a、2bと隔置して、かつ当該ガラス板2a、2bと平行に配される中間板5(5a、5b、5c)は、第1及び第2のガラス板2a、2bの間の空間部分のガスの対流を少なくし、断熱性を高めるために、また防音性能を高めるために配されるものである。そして、この中間板5(5a、5b、5c)は、第1及び第2のガラス板2a、2bの間に配されるため、外部には露出しないので、強さの要求度は第1及び第2のガラス板に比べ低く、板厚の薄い材料を使用することができ、そのため、3重タイプ、あるいはそれ以上の多重ガラス障子あっても、全体の厚さを薄く設計することが可能となる。かかる中間板としては、ガラス板、プラスチック板、プラスチックフィルム等が使用できる。中間板としては、透明板であってもよいし、着色されたものであってもよいし、模様付きのものであってもよいし、これらが組合わされたものでもよい。中間板としては、配設される場所、部位、意匠性等に応じて適宜の中間板が使用される。中間板として使用するガラス板としては、第1及び第2のガラス板2a、2bの間に配されるため、全体の厚さを薄くすることができ、板厚が2mm以下のガラス板が、好ましく使用できる。かかる板厚のガラス板は、透明性及び耐久性が高く、より剛性も高いので、枠体3のスペーサー部10の溝部14に挿入して配設する作業も容易であり、好ましい。
特に、中間板5として、板厚を薄くしても充分な強度を有する化学強化ガラス板を好ましく使用することができる。化学強化ガラス板は、ソーダライムシリケートガラス等のNa成分やLi成分を含有するガラス板を、硝酸カリウム等の溶融塩中に浸漬させ、ガラス板の表面に存在する原子径の小さなNaイオン及び/又はLiイオンと、溶融塩中に存在する原子径の大きなKイオンとを置換してガラス板の表面層に圧縮応力層を形成して強度を高めるという強化技術を利用して製造されたガラス板であり、板厚が2mm以下のガラス板でも、充分に高い破壊強度を有する。従って、中間板5として化学強化ガラス板を使用すれば、本発明の多重ガラス障子を製作する際、中間板の割れを防止することができるので、特に好ましい。
本発明の多重ガラス障子においては、枠体のスペーサー部10の側辺部8と、框部の縦框部とは、それらとガラス板2a、2bとが面する部分において、接着材層21によりガラス板2a、2bと接着され、第1及び第2のガラス板2a、2bにより形成される中空層4の気密を維持できるようにシールされている。
本発明の多重ガラス障子においては、枠体のスペーサー部10の側辺部8と、框部の縦框部とは、それらとガラス板2a、2bとが面する部分において、接着材層21によりガラス板2a、2bと接着され、第1及び第2のガラス板2a、2bにより形成される中空層4の気密を維持できるようにシールされている。
図14に示した、引き違い窓に適用された状態の本発明に係る多重ガラス障子1a、1bの下辺側の枠体3の溝部17においては、戸車40が戸車取付け部材41を介して回転自在に装着されており、窓枠43の上辺に設けられた走行レール44に沿って多重ガラス障子1a、1bが走行するように構成されている。ここにおいて、戸車取付け部材41の左右の下端部45と、縦框部11の下端との間には、それぞれ端部保護カバー30aが配されており、この端部保護カバー30aの走行レール44側には、走行レール44と接触するヒレ部46が設けられている。
なお、図14において、左右の多重ガラス障子1a、1bの戸車取付け部材41は、それぞれ異なる構造のものを例示している。
又、多重ガラス障子の上辺側の枠体3の溝部17には、窓枠43の上辺に設けられた走行レール48が納まり、走行レール48に沿って多重ガラス障子1a、1bがガイド走行できるようにヒレ部49、49を有する凹部47を有する端部保護カバー30bが装着されている。
なお、図14において、左右の多重ガラス障子1a、1bの戸車取付け部材41は、それぞれ異なる構造のものを例示している。
又、多重ガラス障子の上辺側の枠体3の溝部17には、窓枠43の上辺に設けられた走行レール48が納まり、走行レール48に沿って多重ガラス障子1a、1bがガイド走行できるようにヒレ部49、49を有する凹部47を有する端部保護カバー30bが装着されている。
図15は、図14に示した引き違い窓に適用された多重ガラス障子の召し合せ部分を説明するための図面であり、多重ガラス障子の側辺側の枠体3の溝部17に装着される端部保護カバー30cには、多重ガラス障子1a、1b同士の召し合せ部分においては相互に接触する召し合せ部気密材50と、窓枠43に当接する部分においては縦枠部気密材51が設けられている。なお、図15においては、図14における各部と同一の部分については、同一の符号をもって表示している。
本発明の多重ガラス障子において使用される枠体の各部の厚さ及び高さは、透湿防止性、断熱性、又多重ガラス障子の中空層の内部圧の変動、多重ガラス障子としての強度、耐久性等を考慮して、図5〜9に示すような構造、形状の多重ガラス障子の場合、以下の通りとするのが好ましい。
・枠体3のスペーサー部10の側辺部8の高さ:5〜15mm、
・枠体3のスペーサー部10の側辺部8の厚さ:0.7〜3.0mm、
・枠体3のスペーサー部10の内面部6及び外面側部7の厚さ:0.7〜3.0mm、
・枠体3のスペーサー部10の内面部6及び外面側部7の幅:4〜50mm、
・枠体3の框部13の縦框部11の高さ:15〜50mm、
・枠体3の框部13の縦框部11及び屈曲框部の厚さ:0.7〜3.0mm、
・第1のガラス板2aと第2のガラス板2bとの間隔(即ち、スペーサー部10の幅):4mm〜50mm。
・枠体3のスペーサー部10の側辺部8の高さ:5〜15mm、
・枠体3のスペーサー部10の側辺部8の厚さ:0.7〜3.0mm、
・枠体3のスペーサー部10の内面部6及び外面側部7の厚さ:0.7〜3.0mm、
・枠体3のスペーサー部10の内面部6及び外面側部7の幅:4〜50mm、
・枠体3の框部13の縦框部11の高さ:15〜50mm、
・枠体3の框部13の縦框部11及び屈曲框部の厚さ:0.7〜3.0mm、
・第1のガラス板2aと第2のガラス板2bとの間隔(即ち、スペーサー部10の幅):4mm〜50mm。
又、図6に示すような三重タイプの構造、形状の多重ガラス障子の場合、以下の通りとするのが好ましい。このタイプの多重ガラス障子においては、第1のガラス板2aと中間板5との間隔と、第2のガラス板2bと中間板5との間隔とは、左右対称の寸法であってもよいし、左右異なる寸法であってもよい。なお、枠体3のスペーサー部10の側辺部8の高さ及び厚さ、枠体3のスペーサー部10の内面部6及び外面側部7の厚さ並びに幅、枠体3の框部13の縦框部11の高さ、枠体3の框部13の縦框部11及び屈曲框部の厚さは、前述した通りである。
・第1のガラス板2aと第2のガラス板2bとの間隔(即ち、スペーサー部10の幅):8mm〜50mm、
・第1のガラス板2aと中間板5との間隔:4mm〜25mm、
・第2のガラス板2bと中間板5との間隔:4mm〜25mm。
・第1のガラス板2aと第2のガラス板2bとの間隔(即ち、スペーサー部10の幅):8mm〜50mm、
・第1のガラス板2aと中間板5との間隔:4mm〜25mm、
・第2のガラス板2bと中間板5との間隔:4mm〜25mm。
本発明の多重ガラス障子において使用されるガラス板2a、2bとスペーサー部10の側辺部8との間の接着に使用される接着材としては、ガラス板2a、2bとスペーサー部10の側辺部8との間の優れた接着強度、透湿防止性、耐久性、良好な接着面等が得られるように、又ガラス板2a、2bとスペーサー部10との接着工程の簡略化を考慮して、適宜の接着材が使用される。例えば、スペーサー部10の側辺部8が、硬質塩化ビニル樹脂やアクリロニトリル・スチレン樹脂等の合成樹脂材料からなる場合、接着材としては、シリコーン系接着剤、ポリサルファイド系接着剤、ブチル系接着剤、ホットメルト系接着剤、エポキシ系接着剤や、両面接着テープ、両面粘着テープなどが好ましく使用できる。又、ガラス板2a、2bと框部13の縦框部11との間の接着に使用される接着材としても、同様に、ガラス板2a、2bと框部13の縦框部11との間の優れた接着強度、透湿防止性、耐久性、良好な接着面等が得られるように、又ガラス板2a、2bと縦框部11との接着工程の簡略化を考慮して、適宜の接着材が使用される。例えば、框部13の縦框部11が、硬質塩化ビニル樹脂やアクリロニトリル・スチレン樹脂等の合成樹脂材料からなる場合、上記の例と同様に、接着材としては、シリコーン系接着剤、ポリサルファイド系接着剤、ブチル系接着剤、ホットメルト系接着剤、エポキシ系接着剤や、両面接着テープ、両面粘着テープなども好ましく使用できる。又、枠体3の框部13が、縦框部11に連接してガラス板2a、2bの端面部に面する屈曲框部12を有する形状の場合には、ガラス板2a、2bの端面部と屈曲框部12との間に間隙部を設けて、この間隙部に透湿防止性能が高い封止材を充填すれば、多重ガラス障子の透湿防止性能、密封性をより一層高めることができる。
ガラス板2a、2bとスペーサー部10の側辺部8との間の接着に使用される接着材と、ガラス板2a、2bと框部13の縦框部11との間の接着に使用される接着材とは、同様な接着材を使用するのが、上記した接着工程数が簡略化され、好ましいが、多重ガラス障子としての要求される性能によっては、異なる接着材を用いて、各要求性能に応じて機能分担させてもよい。又、使用される接着材は、透明接着材であっても、黒色系や、その他の所望に応じて適宜の色調を有する接着材であってもよい。透明接着材を使用すれば、枠体の框部の縦框部及びスペーサー部の側辺部を、前記ガラス板の周辺部において多重ガラス障子の意匠面とすることができる。又、黒色系や、その他の所望に応じて適宜の色調を有する接着材を使用すれば、この接着材層を多重ガラス障子の意匠面とすることができる。
本発明によれば、枠体の框部の左右一対の縦框部とスペーサー部の外面側部とにより形成される溝部の内面の少なくとも一部領域に透湿防止層が形成されているので、耐湿性に優れた多重ガラス障子を提供することができる。又、本発明の多重ガラス障子によれば、部品点数および組み付け工数を削減することができ、多重ガラス障子の組み立てを簡略化することができ、又眺望性、開放感の向上、断熱性の向上を図ることができるとともに、多重ガラス障子のスリム化を図ることができ、デザイン性の向上を図ることができ、住宅用、その他建造物の窓に対して有用である。
1、1a、1b:多重ガラス障子、 2、2a、2b:ガラス板、
3:多重ガラス障子の枠体、 3a:上端側の枠体、 3b:側端側の枠体、
3c:下端側の枠体、 4、4a、4b、4c、4d:中空層、
5、5a、5b、5c:中間板、 6:スペーサー部の内面部、
7:スペーサー部の外面側部、 8:スペーサー部の側辺部、
9:スペーサー部の空間部、 10:スペーサー部、 11:框部の縦框部、12:框部の屈曲框部、 13:框部、 14:スペーサー部の溝部、
15:リップ部、 16:ベース部、 17:枠体の溝部、
18:透湿防止層、 19:スペーサー部の薄板部、
20:スペーサー部の側辺部の凹部、 21:接着材層、
22:縦框部の凹部、 23:縦框部の屈曲先端部、 24:縦框部の凹状部、25:封止材、 26:框部のガイド凸条、 27:縦框部の凹状部、
30、30a、30b、30c、:端部保護カバー、 31:端部保護カバーの底面部、32:ガイドリブ部、 33:端部保護カバーの屈曲部、 40:戸車、
41:戸車取付け部材、 43:窓枠、 44、48:走行レール、
45:戸車取付け部材の下端部、 46、49:ヒレ部、
47:端部保護カバーの凹部、 50:召し合せ部気密材、
51:縦枠部気密材。
3:多重ガラス障子の枠体、 3a:上端側の枠体、 3b:側端側の枠体、
3c:下端側の枠体、 4、4a、4b、4c、4d:中空層、
5、5a、5b、5c:中間板、 6:スペーサー部の内面部、
7:スペーサー部の外面側部、 8:スペーサー部の側辺部、
9:スペーサー部の空間部、 10:スペーサー部、 11:框部の縦框部、12:框部の屈曲框部、 13:框部、 14:スペーサー部の溝部、
15:リップ部、 16:ベース部、 17:枠体の溝部、
18:透湿防止層、 19:スペーサー部の薄板部、
20:スペーサー部の側辺部の凹部、 21:接着材層、
22:縦框部の凹部、 23:縦框部の屈曲先端部、 24:縦框部の凹状部、25:封止材、 26:框部のガイド凸条、 27:縦框部の凹状部、
30、30a、30b、30c、:端部保護カバー、 31:端部保護カバーの底面部、32:ガイドリブ部、 33:端部保護カバーの屈曲部、 40:戸車、
41:戸車取付け部材、 43:窓枠、 44、48:走行レール、
45:戸車取付け部材の下端部、 46、49:ヒレ部、
47:端部保護カバーの凹部、 50:召し合せ部気密材、
51:縦枠部気密材。
Claims (15)
- 第1のガラス板と第2のガラス板とをその周囲において枠体により隔置し、中空層を形成してなる多重ガラス障子であって、
前記枠体は、
前記第1及び第2のガラス板の間隔を保持する内面部及び外面側部と、当該内面部及び外面側部に連設されガラス板の内側に面する側辺部と、乾燥剤を収納する空間部とを有するスペーサー部と、
前記第1及び第2のガラス板の周縁部の内側に面する左右一対の縦框部を有する框部と、を備え、
前記した枠体の框部の左右一対の縦框部とスペーサー部の外面側部とにより形成される溝部の内面の少なくとも一部領域には透湿防止層が形成されていることを特徴とする多重ガラス障子。 - 前記透湿防止層が、透湿防止塗料を塗布し、硬化されてなる層であることを特徴とする請求項1に記載の多重ガラス障子。
- 前記透湿防止塗料がフッ素樹脂塗料であることを特徴とする請求項2に記載の多重ガラス障子。
- 前記透湿防止層が、透湿防止フィルム状体を貼り付けてなる層であることを特徴とする請求項1に記載の多重ガラス障子。
- 前記透湿防止フィルム状体が、金属被覆フィルム、セラミック被覆フィルム、金属及びセラミックの複合被覆フィルム、金属テープ、透湿防止樹脂フィルム、又は透湿防止樹脂被覆フィルムであることを特徴とする請求項4に記載の多重ガラス障子。
- 前記金属被覆フィルムが、アルミ被覆フィルムであることを特徴とする請求項5に記載の多重ガラス障子。
- 前記金属テープが、アルミ金属テープ、又はステンレス金属テープであることを特徴とする請求項5に記載の多重ガラス障子。
- 前記枠体のスペーサー部と框部とは、合成樹脂材料により一体成型されたものであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の多重ガラス障子。
- 前記枠体のスペーサー部と框部とは、硬質ポリ塩化ビニル材料、又はアクリロニトリル・スチレン樹脂材料により一体成型されたものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の多重ガラス障子。
- 前記溝部の断面形状が略コの字状であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の多重ガラス障子。
- 前記溝部の内面の、框部の左右一対の縦框部の領域及びスペーサー部の外面側部の領域に透湿防止層が形成されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の多重ガラス障子。
- 前記框部の縦框部及びスペーサー部の側辺部と、ガラス板とは、それらが面する部分において接着材により接着されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の多重ガラス障子。
- 前記枠体のスペーサー部と框部とは、合成樹脂材料により押出し成型法、又は共押出し成型法により一体成型されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の多重ガラス障子。
- 前記した複数枚のガラス板が矩形状であり、複数枚のガラス板がその周縁の4辺において前記した枠体により隔置されていることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の多重ガラス障子。
- 第1のガラス板と第2のガラス板とをその周囲において枠体により隔置して中空層を形成し、かつ中空層内に少なくとも1枚以上の中間板を前記第1及び第2のガラス板と隔置して配されてなる多重ガラス障子であって、
前記枠体は、
前記第1及び第2のガラス板の間隔を保持する内面部及び外面側部と、当該内面部及び外面側部に連設されガラス板の内側に面する側辺部と乾燥剤を収納する空間部とを有するスペーサー部と、
前記第1及び第2のガラス板の周縁部の内側に面する縦框部を有する框部と、を備え、
前記した枠体の框部の左右一対の縦框部とスペーサー部の外面側部とにより形成される溝部の内面の少なくとも一部領域には透湿防止層が形成されていることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の多重ガラス障子。
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