JP2014196605A - 配管装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】少ない力で蓋体を脱着可能であり、且つ確実に止水を行うことが可能である配管装置を提供する。
【解決手段】配管に取り付けられる配管装置であって、流入口3及び流出口4及び挿入口5が開口する管体である接続部材2と、外周にパッキン20を有する蓋体17と、蓋体17と相対回転自在に係合し、回転させることにより蓋体17を接続部材2の挿入口5に取り付ける固定部11より成り、蓋体17が係合爪18を有し、固定部11は係合爪18よりも幅広に開口する係合部13を有し、係合爪18が係合部13内を摺動することで蓋体17が固定部11に対して所定角度のみ相対回転可能であり、取り付け時において、蓋体17外周に設けられたパッキン20が接続部材2の内側面と当接して挿入口を水密に閉塞するようにした。
【選択図】図5

Description

本発明は、設備機器からの排水流路中に配置される配管装置に関するものである。
洗面ボウルやシンク、浴槽等の使用により排水が生じる設備には、当該使用により生じた排水を下流側へと排水するための配管が備えられている。又、エアコン等の空調設備においても、使用によってドレン水が発生するため、当該ドレン水を下水側へと排出するための配管が備えられている。
当該配管には、排水トラップや逆流防止装置等下流側からの臭気を遮断するための装置の他、メンテナンス等を行うための治具等の装置が配置されることがある。
特許文献1では、横管と縦管が接続される位置に配置され、下流側からの臭気や害虫の逆流を防ぐ装置である逆流防止装置や排水トラップを開口部より取り付け/取り出し可能な配管装置が記載されている。当該特許文献1では、固定部材(蓋体)を開口部へと挿入することによって配管装置内部に配置された逆流防止装置や排水トラップを固定する。固定部材の外周にはパッキンが嵌着されており、固定部材を開口部より挿入した際、当該パッキンが固定部材の外周と開口部の内側面によって挟圧されて開口部を水密に閉塞する。 又、固定部材の外周面と開口部の内側面にはそれぞれ係合する凹凸が設けられており、当該凹凸が挿入時に係合することで固定される。
特許文献2では、縦配管の途中に配置され、当該縦配管の漏水の有無を検査する満水試験用の治具を治具挿入口より取り付け可能な配管装置が記載されている。当該特許文献2では、満水試験を行わない際において、配管の上流と下流を繋ぐ管路形成部材を内部に配置し、蓋体を回転させることで固定する。管路形成部材の外周縁にはシール部材(パッキン)が嵌着されており、蓋体を回転させた際、蓋体が管路形成部材を継手本体(接続部材)へと押し込むため、シール部材によって治具挿入口を水密に閉塞する。
特開2013−14878号公報 特許第5016375号公報
特許文献1では、固定部材の外周と開口部の内側面に設けられた凹凸の係合によって固定を行うが、当該凹凸による固定は保持力が弱く、何らかの外力が付与された際には係合が解除されてしまう。しかし、固定部材の固定を螺合によって行うと、固定部材とともにパッキンが回転してしまうため摩擦が大きくなり、固定部材の固定/解除が困難となる。
上記特許文献2では、蓋体の回転はシール部材へは伝達せず、押し方向への力のみが伝達する。従って、シール部材が継手本体側へと押し潰されて止水するのみであって、上記特許文献1に比べて固定/解除に必要な力は小さくて済む。又、螺合による固定であるため、特許文献1に比べて外力に対する耐性が高い。しかし、特許文献2に記載の構造では、管路形成部材に嵌着されたシール部材に対して均等に圧力が付与されねば止水することはできず、シール部材と管体が歪みなく当接する必要がある。さらに、蓋体が管路形成部材を押し込むにあたり、蓋体を十分に回転させた時にシール部材が押し潰される必要がある。即ち、蓋体を回転させた際、押し込み幅が小さ過ぎるとシール部材が十分に押し潰されないため止水を行うことができず、又、押し込み幅が大き過ぎると蓋体を十分に回転させることができないため管路形成部材の固定を行うことができない。又、管路形成部材が撓む素材であると、押し込み幅に関係なく止水を行うことができない。
そこで本発明は、上述した従来技術の問題に鑑み、少ない力で脱着可能であり、且つ確実に止水を行うことが可能である構造を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための請求項1に記載の本発明は、配管に取り付けられる配管装置であって、
流入口及び流出口及び挿入口が開口する管体である接続部材と、
外周にパッキンを有する蓋体と、
蓋体と相対回転自在に係合し、回転させることにより蓋体を接続部材の挿入口に取り付ける固定部より成り、
上記取り付け時において、前記蓋体外周に設けられたパッキンが接続部材の内側面と当接して挿入口を水密に閉塞することを特徴とする配管装置である。
請求項2に記載の本発明は、前記蓋体は接続部材内部に配置されて流路を形成する流路形成部を有し、
蓋体が固定部に対して、流路形成部の流路が形成可能な範囲において所定角度のみ相対回転可能であることを特徴とする請求項1に記載の配管装置である。
請求項3に記載の本発明は、前記蓋体が係合爪を有し、
固定部は前記係合爪よりも幅広に開口する係合部を有し、
係合爪が係合部内を摺動することで蓋体が固定部に対して所定角度のみ相対回転可能であることを特徴とする請求項2に記載の配管装置である。
請求項4に記載の本発明は、前記流路形成部が、下流側からの臭気や害虫の逆流を防止する逆流防止装置を備えていることを特徴とする、請求項2又は請求項3に記載の配管装置である。
請求項5に記載の本発明は、前記接続部材は、蓋体及び固定部の取り付け時において、流路形成部の位置決めを行うガイド部を備えることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか1つに記載の配管装置である。
請求項6に記載の本発明は、配管に取り付けられる配管装置であって、
流入口及び流出口が開口し、内部に排水を貯留する接続部材と、
下端が前記封水内に配置されると共に、パッキンを有する防臭パイプと、
防臭パイプと相対回転自在に係合し、回転させることにより防臭パイプを接続部材の流入口にパッキンを介して取り付ける固定部より成ることを特徴とする配管装置である。
請求項7に記載の本発明は、前記防臭パイプは接続部材内部に配置されて流路を形成する流路形成部を有し、
防臭パイプが固定部に対して、流路形成部の流路が形成可能な範囲において所定角度のみ相対回転可能であることを特徴とする請求項6に記載の配管装置である。
請求項8に記載の本発明は、前記固定部は中央に開口を有する環状であることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1つに記載の配管装置である。
請求項1に記載の本発明においては、蓋体外周に設けられたパッキンが接続部材の内側面と当接し、挟持されるため、蓋体が接続部材の挿入口に取り付けられた際に確実に挿入口を水密に閉塞することができる。
又、蓋体と固定部は相対回転可能に構成されており、固定部の回転は蓋体には伝達されない。従って、蓋体には固定部の回転に伴う押しつけ方向の力のみが伝達するため、余計な摩擦力が発生することがない。
尚、上記請求項1の内「接続部材の内側面」とは、蓋体の挿入方向に対して平行若しくは平行に近しい角度の面を指し、「蓋体外周に設けられたパッキンが接続部材の内側面と当接して」とは蓋体の外周と接続部材の内側面とでパッキンが挟持されることを指す。
請求項2に記載の本発明においては、蓋体が固定部に対して、流路形成部の流路が形成可能な範囲において所定角度のみ相対回転可能であるため、取り付け時において流路を容易に形成することができる。尚、流路形成部が流路を形成する際には、上流側(及び下流側)と適切な向きにおいて接続する必要がある。従って、固定部と蓋体が無制限に相対回転してしまうと、流路形成部の位置(向き)調整が困難となる。
請求項3に記載の本発明においては、回転角度の規制構造を明確化することができる。
請求項4に記載の本発明においては、配管装置の構造を明確化することができる。
請求項5に記載の本発明においては、取り付け時に過回転を防ぐことができる等、流路形成部の位置(向き)調整が一層容易となる。
請求項6に記載の本発明においては、固定部と防臭パイプが相対回転自在に係合しているため、固定部の回転時において防臭パイプに設けられたパッキンに捩れ/捻れが発生することが無い。
請求項7に記載の本発明においては、固定部と防臭パイプが所定角度のみ相対回転可能であるため、固定部の回転取り付け時において流路を適切に形成することができる。当該構造は、防臭パイプの流路形成部が非円形や傾斜している等、流路形成部が方向性を有する場合に特に有用である。
請求項8に記載の本発明においては、固定部が中央に開口を有する環状であるため、当該開口を通じて直接蓋体の向きを調整しながら固定を行うことができる。
第一実施形態に係る本発明の配管装置の施工状態を示す断面図である。 配管装置の要部拡大断面図である。 配管装置の斜視図である。 配管装置の平面図である。 配管装置の断面斜視図である。 配管装置の分解斜視図である。 図1のA−A'断面図である。 第二実施形態に係る本発明の配管装置の施工状態を示す断面図である。 配管装置の斜視図である。 第三実施形態に係る本発明の配管装置の施工状態を示す断面図である。 配管装置の斜視図である。 第四実施形態に係る本発明の配管装置の施工状態を示す断面図である。
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。尚、以下の説明は実施形態の理解を容易にするためのものであり、これによって本発明が制限して理解されるものではない。又、以下の説明では上下左右の位置関係は、特に断りの無い限り、図1の設置状態を基準として説明する。
図1乃至図7に示す本発明の第一実施形態に係る配管装置1は、洗面ボウルやシンク等の槽体(図示せず)に接続された配管中であって、上流側の横管100と、下流側の縦管101が接続される位置に配置される。
配管装置1は、前記横管100と縦管101を接続する接続部材2と、接続部材2に挿入される蓋体17及び弁体25と、当該蓋体17及び弁体25を固定する固定部11より構成される。尚、以降において蓋体17、弁体25、固定部11を組み合わせた部材を指す場合には「挿入部材10」と記載する。
接続部材2は略円筒状であって、流入口3、流出口4、挿入口5、突部6、ガイド部7より構成される。
流入口3は接続部材2の径方向外側に向けて突設され、上流側の横管100とロックナット及び三角パッキンによって水密に接続されている。
流出口4は接続部材2の下端において軸方向下方に向けて形成されており、下流側の縦管101とロックナット及び三角パッキンによって水密に接続されている。
挿入口5は接続部材2の上端において軸方向上方に向けて形成されており、後述する挿入部材10が挿入されていると共に、その内側面において、蓋体17の外周に嵌着されているパッキン20と当接しており、水密に閉塞されている。又、図6に示すように、挿入口5はその上端において固定部11と係合する突部6が径方向外側に向けて突設されている。突部6は180度対向する位置に2箇所設けられ、後述する固定部11の溝部12と係合して蓋体17及び弁体25を接続部材2内部に固定している。
ガイド部7は接続部材2の内側面且つ流入口3の側方近傍に設けられた突起であって、天地方向に延設されている。ガイド部7は後述する流路形成部19と当接し、固定部11の回転に伴い蓋体17が回転し過ぎることを防ぐ。
以下に、挿入部材10を構成する各部材について説明する。
固定部11は挿入部材10の上端であって、前記突部6と係合する溝部12及び後述する蓋体17の係合爪18と係合する係合部13、ツマミ部14を有している。
溝部12は上記突部6と対応して2箇所、螺旋状に設けられており、溝部12と突部6を当接させた状態で固定部11を回転させることで突部6が溝部12内を摺動し、係合することができる。
係合部13は後述する蓋体17の係合爪18と対応して2箇所設けられた開口であり、係合爪18よりも周方向において幅広に形成されている。従って、係合爪18が係合部13と係合した際、係合爪18は係合部13上を周方向に所定角度摺動可能となる。尚、当該係合爪18が摺動可能な角度は溝部12内を突部6が摺動可能な角度と略同一となっている。
ツマミ部14は固定部11の上面に設けられた平面視略S字状の把持部であって、固定部11を時計回りに回転させるのに適した形状となっている。
蓋体17は上記固定部11と係合する係合爪18と、流入口3と連続して流路を形成する流路形成部19より構成されている。又、蓋体17は側面外周においてパッキン20が嵌着されている。
係合爪18は上記固定部11の係合部13よりも周方向に幅狭に形成されており、断面視略三角形状であって、当該係合部13と係合した際に、所定角度において係合部13内を周方向に摺動可能となっている。
ここで、図4に示すように、係合爪18は係合部13内において、係合部13の一端であるP1から他端であるP2までの間において摺動可能となっている。従って、蓋体17と固定部11は係合爪18が係合部13内を摺動可能な範囲において相対回転可能となっている。尚、以降の記載では、固定部11と突部6との係合(螺合)が完了し、流路形成部19が接続部材2内の所定位置に配置された際、係合爪18が係合部13内で配置される位置をP2としてP1とP2の位置関係を定義する。従って、上記P1及びP2はそれぞれ、図4に示すように、蓋体17の平面視において、軸を中心として180度対向する位置に2箇所設けられている。又、P1に配置された係合爪18がP2まで摺動可能な角度は溝部12内を突部6が摺動可能な角度と略同一である。
流路形成部19は接続部材2内に固定された際に流入口3からの流路と連続して流路を形成する。図7に示すように、流路形成部19は流路を形成する一対の壁部21を有している。壁部21は略くの字状であって排水流路を挟んで対向する位置に、流路形成部19の中心を軸として回転対称となるように配置されている。又、流路形成部19の中心であって、前記壁部21によって上流から流入した排水が誘導される位置には孔22が開口しており、後述する弁体25へと排水を誘導する。上述の通り壁部21は流路形成部19の中心を軸として回転対称となるように配置されているため、流路形成部19が180度反転させた状態で固定されても流路を形成することができる。尚、蓋体17に設けられた流路形成部19には、接続部材2の流入口3に対して適切な方向が存在する。本実施形態の場合、図4に示す平面視のように、2つの係合爪18を結ぶ線が、流入口3の軸方向と平行となった状態が、流路形成部19が流入口3に対して適切な向き(流入口3からの流路を形成する向き)となった状態である。又、流路形成部19は下端にフランジ部を有し、後述する逆流防止装置である弁体25を備えている。
パッキン20は蓋体17の上端近傍の外周に嵌着しており、接続部材2内部において、蓋体17の外周及び接続部材2の内側面に当接している。即ち、パッキン20は蓋体17の外周及び接続部材2の内側面によって挟持されており、挿入口5を水密に閉塞している。
弁体25はシリコン等の弾性素材より形成され、平面視円形且つ側面視略三角形状であって、上記接続部材2と軸を同じくし、取付部26、突条27、傾斜面28、開閉部29より構成される。
取付部26は傾斜面28の上流側に備えられており、外周及び内周が拡径する部分を有し、弁体25は当該拡径部分によって、前記流路形成部19のフランジ部分と嵌着して取り付けられる。
突条27は上記取付部26の外周に形成された肉厚部分であり、接続部材2内において、接続部材2の内側面と当接している。即ち、突条27は流路形成部19の下端(フランジ部)外周及び接続部材2の内側面によって挟持されおり、弁体25の外部の流路を水密に閉塞するパッキンの役割をはたしている。
傾斜面28は弁体25の上方近傍より下方に向け、対向する面に対して漸次近接するように形成されており、当該傾斜面28同士が当接することによって開閉部29が形成されている。
開閉部29は上記傾斜面28同士の当接位置より下端にかけて垂設されている。即ち、開閉部29は円筒の一端を押し潰し、軸上で重ね合わせた形状をしている。当該開閉部29は内側(上流側)から圧力が付与されておらず、又、下流側からも一定の圧力(負圧)が付与されていない状態において閉塞している。
上記各部材より構成される本発明の配管装置1は、以下のように施工される。
まず、固定部11の係合部13に蓋体17の係合爪18を係合させる。この時、係合爪18の下端と係合部13が当接し、且つ固定部11の裏面と蓋体17の上端が当接するため、固定部11と蓋体17は天地方向において固定される。一方で、係合部13は係合爪18よりも周方向に幅広に形成されているため、固定部11と蓋体17は周方向おいて所定角度のみ相対的に回動可能となっている。
そして、蓋体17下端のフランジ部に弁体25を嵌着させ、挿入部材10の組み立てが完了する。
次に、接続部材2をロックナット及び三角パッキンを使用して上流側の横管100及び下流側の縦管101に水密に接続し、挿入部材10を接続部材2の挿入口5より挿入する。そして、接続部材2の上端に設けられた突部6に固定部11の溝部12を当接させた状態で、ツマミ部14若しくは固定部11の外周を把持して固定部11を時計回りに回転させる。当該回転に伴い前記突部6が螺旋状の溝部12内を摺動する(係合する)ことによって、挿入部材10は接続部材2内部に押し込められると共に、接続部材2内部に固定されて施工が完了する。この時、蓋体17の外周に嵌着されたパッキン20及び弁体25の突条27が接続部材2の内側面と当接して、蓋体17の外周及び弁体25の外周が水密状態となる。従って、挿入口5及び弁体25の外周側は水密に閉塞され、流入口3から流入する排水の流路が形成される。又、この時、蓋体17はガイド部7によって右回転が規制されると共に、係合爪18が係合部13のP2に当接して左回転が規制されている。即ち、固定部11と接続部材2の係合が完了した状態において、蓋体17は(少なくとも流路形成部19が適切な向きから逸脱しない程度には)回転不能に固定されている。
ここで、係合爪18が係合部13のP1に配置された状態において、固定部11と接続部材2の係合開始位置は、平面視において、流入口3に対して流路形成部19が適切に向かう位置となるように設計されている。又、固定部11を回転させ、2つのP2を結ぶ線が、流入口3に向かう向きとなった時、係合が完了するように設計されている。
従って、係合爪18が係合部13のP1に配置された状態で挿入部材10が挿入口5へと挿入された場合には、固定部11の回転に伴い係合爪18の位置が係合部13内をP1からP2へ移動することにより、接続部材2内部方向への押し込み力のみが蓋体17へ伝達する。そして、係合爪18がP2へ到達した時、同時に固定部11の係合(螺合)が完了する。従って、蓋体17のパッキン20及び弁体25には固定部11の回転は一切伝達しない。尚、この場合において流路形成部19は挿入時に既に適切な向きに配置されて流路を形成しているため、回転する必要がない。
一方で、係合爪18がP1以外に配置されている場合、固定部11の回転に伴い係合爪18がP2へと摺動することにより、P2に到達するまでは接続部材2の内部方向への押し込み力のみが蓋体17へ伝達する。係合爪18がP2に到達した後は、係合爪18は係合部13の端部に押圧されて、流路形成部19が適切な位置となるまで回転して固定が完了する。即ち、係合爪18がP2に到達した瞬間には、流路形成部19は挿入時には適切な向きに配置されていないが、係合部13に押圧されて適切な位置へと移行する。
即ち、係合爪18が係合部13のP1に配置されている状態で挿入した場合においては、蓋体17のパッキン20や弁体25の突条27は接続部材2に対して一切回転せず、余計な摩擦力が発生しない。従って、挿入部材10を接続部材2へと挿入する際には(P1以外に配置されていても流路を形成することは可能であるが)係合爪18が係合部13のP1に配置されている状態で挿入することが好ましい。
尚、接続部材2の突部6と固定部11の溝部12、流路形成部19はそれぞれ180度の軸対称である。従って、挿入部材10を接続部材2に対して180度反転させて取り付けても部材間の位置関係は変わらず、取り付けを行うことができる。
尚、接続部材2の内部にはガイド部7が形成されており、流路形成部19が適切な位置を超えて回転しようとした場合に流路形成部19と当接して過回転を規制する。従って、固定部11を回転させた際には、流路形成部19は確実に流入口3と連続する位置に配置される。
上記配管装置1の施工が完了した状態における排水の流れは以下のようになる。
設備機器等の使用により槽体(図示せず)に排水が発生した場合、該排水は槽体の排水口より横管100を通じて流入口3より配管装置1へと流入する。流入口3より流入した排水は壁部21に当接し、孔22に向けて流れが誘導されるとともに、渦流を生じさせながら自重によって天地方向へと流れを変化させつつ弁体25の内部へと流入する。
弁体25内部へと流入した排水は、弁体25内部より開閉部29に対して水勢(又は自重)によって圧力を加え、開閉部29を押し広げる。開閉部29は一時的に開弁状態となることによって流路を開放する。従って、弁体25内部に流入した排水は開閉部29を通過し、流出口4より下流側へと排出される。
この時、開閉部29の中央は他の部分よりも可動し易く、少ない圧力でも流路を開放することができる。
又、排水終了時には、開閉部29は自身の弾性力によって再び閉塞し、下流側からの臭気や害虫の侵入を防ぐ。
上記配管装置1のメンテナンスを行う場合は、上記ツマミ部14若しくは固定部11の外周を把持して固定部11を反時計回りに回転させる。該回転に伴い前記突部6が螺旋状の溝部12を摺動することによって、挿入部材10が接続部材2内部より取り外すことができる。
前述の通り、固定部11の係合完了時においては、係合爪18は必ず係合部13のP2に配置されている。この状態より固定部11を反時計方向へと回転させると、係合爪18の位置が係合部13のP2からP1へと移動する。又、係合爪18がP2からP1まで摺動する角度は突部6が溝部12内を摺動する角度と略同一であるため、係合爪18がP1に到達した際には、溝部12と突部6の係合は解除されている。
即ち、挿入部材10を接続部材2より取り外す際には、蓋体17は一切回転しないため、少ない力で取り外すことができる。
上記第一実施形態のようにパッキン20と弁体25の突条27の2箇所において止水を行う構造においては、蓋体17が回転した際には大きな摩擦が生じる。しかし、上記本発明の第一実施形態によれば、挿入部材10の取り付け及び取り外しの際(即ち挿入部材10の固定/解除の際)における固定部11の回転が蓋体17には伝達せず、余計な摩擦を生むことがない。従って、パッキン20等を使用した止水部分が複数存在しても少ない力で挿入部材10の固定/解除を行うことができる。
又、本発明の第一実施形態は流路形成部19を有しており、当該流路形成部19は流路を形成する際に上流側及び/若しくは下流側と適切な向きにおいて接続されなければ流路を形成することができない。従って、固定部11と蓋体17が無制限に相対回転可能となっていると、流路形成部19の向き(位置)調整が困難となる。しかし、本発明においては、固定部11と蓋体17が所定角度のみ周方向に摺動可能とで、その範囲内に適切な向きを設定することによって、流路形成部19が接続部材2内部に挿入された際の位置合わせを容易にすることができる。さらに、本発明の第一実施形態においては流入口3の側方近傍にガイド部7を有しているため、流路形成部19が過度に回転してしまうことを防いでいる。
本発明の第一実施形態に係る配管装置1は以上であるが、本発明は上記第一実施形態に係る構造に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の設計変更が可能である。
例えば、第一実施形態においては、係合爪18が係合部13のP1からP2まで摺動可能な角度は溝部12内を突部6が摺動可能な角度と略同一であったが、本発明は上記構造に限られるものではない。即ち、固定部11と接続部材2との係合が完了した状態において、流路形成部19が適切な位置に配置されていれば良く、係合爪18がP1からP2まで摺動可能な角度が溝部12内を突部6が摺動可能な角度より大きい等であっても良い。尚、この場合においても、固定部11の係合完了時には係合爪18がP2に配置され、左回転不可能に構成されていた方が良い。
又、上記第一実施形態においては、流路形成部19は流入口3と連続して流路を形成していたが、図8及び図9に示す第二実施形態のように流路形成部19が流出口4と連続して流路を形成しても良い。
又、上記第一実施形態においては、接続部材2は上流側の横管100と下流側の縦管101が接続される位置に配置されており、挿入口5は接続部材2の上端に開口している。しかし、上記第二実施形態のように、槽体の排水栓(縦管)と下流側の横管100が接続される位置に配置されており、挿入口5が接続部材2の下端より下方に向けて開口していても良い。
又、挿入口5の開口位置に関しては、図10及び図11に示す第三実施形態のように、上流側の縦管101と、下流側の縦管101が接続される位置に接続部材2が配置されており、挿入口5が接続部材2の側方において開口していても良い。
又、上記第三実施形態においては、固定部11は中央に開口が形成された環状となっており、当該開口が係合部13として機能し、係合爪18と係合している。尚、第三実施形態においては、ツマミ部14が蓋体17に形成されており、使用者は直接蓋体17の角度等を調整することができる。従って、挿入部材10を挿入する際には適宜ツマミ部14を把持しながら、蓋体17の向きを調整しつつ挿入することや、挿入後において蓋体17の向きを調整することも可能となる。
又、上記各実施形態では、配管装置1に備えられた逆流防止装置としての弁体25は全て、傾斜面28同士が当接することによって開閉部29を形成する構造であったが、スイング式やフロート式、リフト式の逆流防止装置等、種々の逆流防止装置であっても良い。
又、上記逆流防止装置に換えて、封水式排水トラップを使用してもよい。
又、図12に示す本発明の第四実施形態のように、封水式排水トラップ自体を本発明の配管装置1としても良い。第四実施形態に係る配管装置1は内部に排水を貯留する接続部材2と、略筒状の流路形成部19及び環状のパッキン20を有する防臭パイプ30と、当該防臭パイプ30を固定する固定部11より構成されている。尚、防臭パイプ30の流路形成部19下端は排水内に配置されている。従って、流路形成部19の内周及び外周の流路は排水で満たされ、封水を形成している。
上記防臭パイプ30及び固定部11はそれぞれ係合爪18及び係合部13を有しており、当該係合爪18と係合部13が係合することによって防臭パイプ30と固定部11が所定角度のみ相対回転自在となるよう形成されている。
又、防臭パイプ30の流路形成部19は下方において、防臭パイプ30に方向性を与える構成である切り欠き部分を有しており、取り付け時に当該切り欠き部分が流出口4側を向いている必要がある。
第四実施形態においては、防臭パイプ30と固定部11とを所定角度のみ相対回転自在に構成したため、防臭パイプ30の取り付け時(固定部11の回転時)において、防臭パイプ30(流路形成部19)が適切な向きに配置されると共に、防臭パイプ30に設けられたパッキン20が捻れ/捩れることによる当接不良を引き起こすことが無い。
又、本発明の配管装置は、洗面台やシンク等の槽体と連続する配管中に配置されていても良く、エアコン等の空調設備と連続する配管中に配置されていても良い。さらに、排水縦管の点検口などに本発明の構造を採用しても良く、その他配置可能な箇所であれば、用途を限定するものではない。
1 配管装置
2 接続部材
3 流入口
4 流出口
5 挿入口
6 突部
7 ガイド部
10 挿入部材
11 固定部
12 溝部
13 係合部
14 ツマミ部
17 蓋体
18 係合爪
19 流路形成部
20 パッキン
21 壁部
22 孔
25 弁体
26 取付部
27 突条
28 傾斜面
29 開閉部
30 防臭パイプ
100 横管
101 縦管

Claims (8)

  1. 配管に取り付けられる配管装置であって、
    流入口及び流出口及び挿入口が開口する管体である接続部材と、
    外周にパッキンを有する蓋体と、
    蓋体と相対回転自在に係合し、回転させることにより蓋体を接続部材の挿入口に取り付ける固定部より成り、
    上記取り付け時において、前記蓋体外周に設けられたパッキンが接続部材の内側面と当接して挿入口を水密に閉塞することを特徴とする配管装置。
  2. 前記蓋体は接続部材内部に配置されて流路を形成する流路形成部を有し、
    蓋体が固定部に対して、流路形成部の流路が形成可能な範囲において所定角度のみ相対回転可能であることを特徴とする請求項1に記載の配管装置。
  3. 前記蓋体が係合爪を有し、
    固定部は前記係合爪よりも幅広に開口する係合部を有し、
    係合爪が係合部内を摺動することで蓋体が固定部に対して所定角度のみ相対回転可能であることを特徴とする請求項2に記載の配管装置。
  4. 前記流路形成部が、下流側からの臭気や害虫の逆流を防止する逆流防止装置を備えていることを特徴とする、請求項2又は請求項3に記載の配管装置。
  5. 前記接続部材は、蓋体及び固定部の取り付け時において、流路形成部の位置決めを行うガイド部を備えることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか1つに記載の配管装置。
  6. 配管に取り付けられる配管装置であって、
    流入口及び流出口が開口し、内部に排水を貯留する接続部材と、
    下端が前記封水内に配置されると共に、パッキンを有する防臭パイプと、
    防臭パイプと相対回転自在に係合し、回転させることにより防臭パイプを接続部材の流入口にパッキンを介して取り付ける固定部より成ることを特徴とする配管装置。
  7. 前記防臭パイプは接続部材内部に配置されて流路を形成する流路形成部を有し、
    防臭パイプが固定部に対して、流路形成部の流路が形成可能な範囲において所定角度のみ相対回転可能であることを特徴とする請求項6に記載の配管装置。
  8. 前記固定部は中央に開口を有する環状であることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1つに記載の配管装置。
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