JP2014196398A - 発泡成形体表面におけるディンプルの抑制方法 - Google Patents

発泡成形体表面におけるディンプルの抑制方法 Download PDF

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尚一 福永
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正之 壁谷
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Abstract

【課題】ポリプロピレン系樹脂組成物を用いて、発泡成形を行って発泡成形体を得る際に、発泡成形体表面におけるディンプルを抑制する方法を提供する。【解決手段】ポリプロピレン系樹脂組成物(A)と発泡剤(B)とを含む発泡成形用ポリプロピレン系樹脂組成物(X)を用いて、発泡成形を行い、発泡成形体を得るに際し、ポリプロピレン系樹脂組成物(A)は、海成分となりドメインを形成する条件を満足する成分(A−1)100重量部に対して、島成分となる条件を満足する成分(A−2)3〜150重量部及び/又は島成分となる条件を満足する成分(C)1〜50重量部を含有し、かつ条件(A−i)を満足することを特徴とする発泡成形体表面におけるディンプルの抑制方法など。条件(A−i):ドメインを形成する成分(A−1)と島成分である成分(A−2)及び/又は成分(C)とからなる海島構造を有し、かつ成分(A−1)の体積に対する成分(A−2)及び/又は成分(C)の比界面積量が1.7?108[m2/m3]以上である。【選択図】なし

Description

本発明は、発泡成形体表面におけるディンプルの抑制方法に関し、さらに詳しくは、ポリプロピレン系樹脂組成物を用いて、発泡成形を行い、発泡成形体を得る際に、発泡成形体表面におけるディンプルを抑制する方法に関する。
一般にポリプロピレン系樹脂は、良好な物性および成形性を有し、またリサイクル性に優れることから、環境にやさしい材料として、急速にその使用範囲が拡大している。特に、自動車部品などでは、軽量で剛性に優れたポリプロピレン系樹脂製品が提供され、その様な製品の一つに、ポリプロピレン系樹脂の発泡成形体がある。
例えば、ポリプロピレン系樹脂の射出成形において、軽量化、コストダウン、成形体の反り・ヒケ防止を目的に、発泡を行う、いわゆる射出発泡成形が従来から行われてきた。
近年、例えば自動車分野においては、燃費向上(CO排出低減)のために、さらなる軽量化が図られており、大幅な薄肉化、例えば1〜2mm程度の薄肉部分を有する製品の成形が必要である。
しかし、線状(直鎖状)のポリプロピレン系樹脂は、メルトテンション(溶融張力)が低く、成形中に気泡が破壊され易い。その結果、内部にボイドが発生しやすく、発泡倍率を高くすることが困難であった。また、気泡の破壊によって生じた余剰の気体により、メルトフロントに、乱流や泡の巻き込みが生じてディンプルと呼ばれる微細な凹凸の外観不良が発生する。
なお、ここで言うボイドとは、内部の気泡が連通化するなどして生じる粗大な気泡で、実質その径が1.0mmを超える気泡のことをいう。
ポリプロピレン系樹脂の発泡性と外観を改良する方法として、線状のポリプロピレン系樹脂に分岐成分を導入することにより気泡の破壊を抑制する方法が挙げられる。例えば、ポリプロピレンの場合、ポリプロピレンに発泡剤と架橋助剤とを添加して、その分子を架橋させつつ発泡体を製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、この方法では、ポリプロピレンのメルトテンションの向上が不十分であり、したがってディンプルの改良効果も不十分であり、且つこの様なポリプロピレンには、架橋しない架橋助剤が残存する結果、臭気が課題となる。
また、放射線照射により長鎖分岐を導入することにより、通常の線状ポリプロピレン系樹脂に較べてメルトテンションが高く、さらに溶融物の延伸歪みの増加に伴い粘度が上昇する、いわゆる歪硬化性を示すポリプロピレン系樹脂がサンアロマー社よりHMS−PP(ハイ・メルトストレングス・ポリプロピレン)として市販されており、この様なHMS−PPを基材樹脂として射出発泡成形に使用することで発泡成形体が得られることも、知られている(特許文献2参照。)。
通常、軽量化を達成するには、軽量化前の非発泡射出成形体に対して、射出充填時の金型キャビティ・クリアランス厚み(発泡前厚み)を大幅に薄くし、高発泡させることができる。しかし、ここで使用されているHMS−PPは、メルトフローレートが4g/10分程度しかなく、溶融時の流動性が低いために、大幅な薄肉化、例えば1〜2mm程度の薄肉部分を有する成形においては、ショートショットになり易い問題がある。その場合は、気泡の破壊が促進され、ディンプルによる外観の乱れが顕著になる。
また、メルトインデックス(MI)及びキャピラリースウェル比を規定した架橋構造を有しない熱可塑性樹脂を用いることにより、良好な発泡セル制御や高外観の発泡成形体が達成されている(例えば、特許文献3参照。)。
しかし、該発泡成形体が大型化、複雑化、薄肉化するにつれ、高倍率及び発泡前厚みを薄くして発泡させた際に、セル形態を良好に保った発泡成形体を得るのは困難であり、よってこの場合は、外観も不良となる。
また、プロピレン単独重合成分や共重合体成分の極限粘度、さらにメルトフローレート(MFR)を規定した、プロピレン系多段重合体や、プロピレン系樹脂組成物を用いることにより、発泡成形性、外観に優れた射出発泡成形体が得られている(特許文献4参照。)が、該成形体が大型化、複雑化、薄肉化するにつれ、ショートショットになり易かったり、外観が不十分となる場合が多い。
また、本出願人は、直鎖状プロピレン重合体部分及び直鎖状エチレン・プロピレンランダム共重合体部分からなる直鎖状プロピレン・エチレンブロック共重合体と、その他のプロピレン系重合体からなるポリプロピレン系樹脂と、発泡剤を含有し、且つ前記直鎖状プロピレン重合体部分のメルトフローレートなどが特定の範囲にある直鎖状プロピレン・エチレンブロック共重合体とした直鎖状ポリプロピレン系樹脂組成物を提案した(特許文献5参照。)。そして、この直鎖状ポリプロピレン系樹脂組成物を射出発泡成形体に用いた場合、表面外観に優れ、射出発泡成形性が良好で、発泡倍率が高く、大幅な軽量化が可能であり、リサイクル性にも優れ、剛性などの物性も向上させることができた。
しかし、益々大型化、複雑化、薄肉化する実製品デザインの変化などが加速する中で、該樹脂組成物(射出発泡成形体)には、例えば成形バリの発生防止や、樹脂充填に伴う金型内空気の排出不十分などを起因とするいわゆる樹脂焼け(黒点)の発生防止などのために、成形時の射出率(剪断速度)を相当程度低い領域に設定した場合においては、発泡成形体の表面外観や発泡倍率を、一層向上させることが望まれる。
一方、表面外観が良好な発泡成形体を得る製造方法としては、従来より種々の方法が提案されている。例えば、狭くした金型キャビティ内にポリプロピレン系樹脂を発泡圧力以上の圧力で可動型を後退させながら射出充填してスキン層を形成させた後、充填完了後さらに可動型を後退させてコア層を発泡させる製造方法があり、これによれば、特別な装置なしに表面外観良好な発泡成形体を得ることができる(例えば、特許文献6参照。)。
しかし、ここで得られる良好な外観とはスワルマークのことであり、ディンプルが良好になる結果は、得られていない。
また、線状ポリプロピレン系樹脂、ラジカル重合開始剤及び共役ジエン化合物を溶融混練して得られる歪硬化性を示す改質ポリプロピレン系樹脂、及び発泡剤から成る材料を用いて、金型が固定型と前進及び後退が可能な可動型とから構成され、発泡前の成形体厚み(t1)よりも小さいクリアランス(t0)を有するキャビティ中に前記溶融混合物を射出充填する工程、次いで可動型を後退させて発泡前の成形体厚み(t1)に相当するクリアランスまで射出充填を完了する工程、さらに可動型を後退させて前記ポリプロピレン系樹脂を発泡させる工程とからなる射出発泡成形体の製造方法が提案されており(特許文献7参照。)、射出発泡成形性、表面外観が良好で、高発泡倍率の射出発泡成形体が得られている。しかし、該成形体が大型化、複雑化、薄肉化するに連れ、ショートショットになり易かったり、外観や発泡倍率、及びリサイクル性が不十分となる場合が多い。
こうした状況の下、従来の熱可塑性樹脂組成物の問題点を解消し、大型で、デザインが一層複雑化、薄肉化された発泡成形体、とりわけ自動車部品用射出発泡成形体、中でもトリム類、天井材、トランク周りなどの自動車内装部品用射出発泡成形体を得る際に必要な性能である、広範囲の射出率(成形剪断速度)下においても、メルトフロント(樹脂流れ先端部)に、乱流や泡の巻き込みが生じ難く、ディンプルが生じ難くなり、発泡成形体の表面外観に優れ、発泡倍率も高く、大幅な軽量化が可能であり、リサイクル性にも優れた熱可塑性樹脂組成物、発泡成形体及びその製造方法が求められている。
特公昭45−40420号公報 特開2001−26032号公報 特開2004−307665号公報 国際公開WO2005/097842号パンフレット 特開2010−150509号公報 特開2003−11190号公報 特開2005−224963号公報
本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、広範囲の射出率(成形剪断速度)下においても、メルトフロント(樹脂流れ先端部)に、乱流や泡の巻き込みが生じ難く、ディンプルが生じ難くなるなどにより、発泡成形体の表面外観に優れ、発泡倍率も高く、大幅な軽量化が可能であり、リサイクル性にも優れた、ポリプロピレン系樹脂組成物の発泡成形体及びその製造方法を提供することにあり、特に、ポリプロピレン系樹脂組成物を用いて、発泡成形を行って発泡成形体を得る際に、発泡成形体表面におけるディンプルを抑制する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ポリプロピレン系樹脂組成物(A)と発泡剤(B)とを含む発泡成形用ポリプロピレン系樹脂組成物を用いて発泡成形を行い、発泡成形体を得るに際し、用いるポリプロピレン系樹脂組成物(A)として、該樹脂組成物(A)において、海成分となり、マトリックスを形成する成分(A−1)100重量部に対して、島となる成分(A−2)3〜150重量部及び/又は成分(A−2)とは異なり島となる成分(C)1〜50重量部を含有し、かつ成分(A−1)の体積に対する成分(A−2)及び/又は成分(C)の比界面積量が1.7×10[m/m]以上であるポリプロピレン系樹脂組成物(成分A)を用いると、発泡成形時に、広範囲の射出率(成形剪断速度)下においても、メルトフロント(樹脂流れ先端部)に、乱流や泡の巻き込みが生じ難くなり、ディンプルと呼ばれる表面外観に優れ、高発泡倍率の発泡成形体が得られ、大幅な軽量化が可能であり、リサイクル性にも優れたものとなることを見出し、これらの知見に基づき、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、ポリプロピレン系樹脂組成物(A)と発泡剤(B)とを含む発泡成形用ポリプロピレン系樹脂組成物(X)を用いて、発泡成形を行い、発泡成形体を得るに際し、
ポリプロピレン系樹脂組成物(A)は、下記条件を満足する成分(A−1)100重量部に対して、下記条件を満足する成分(A−2)3〜150重量部及び/又は下記条件を満足する成分(C)1〜50重量部を含有し、かつ下記条件(A−i)を満足することを特徴とする発泡成形体表面におけるディンプルの抑制方法が提供される。
成分(A−1):ポリプロピレン系樹脂であって、ポリプロピレン系樹脂組成物(A)において海成分となり、ドメインを形成する。
成分(A−2):熱可塑性樹脂であって、ポリプロピレン系樹脂組成物(A)において島成分となる。
成分(C):成分(A−2)とは異なる熱可塑性樹脂であって、ポリプロピレン系樹脂組成物(A)において島成分となる。
条件(A−i):ドメインを形成する成分(A−1)と島成分である成分(A−2)及び/又は成分(C)とからなる海島構造を有し、かつ成分(A−1)の体積に対する成分(A−2)及び/又は成分(C)の比界面積量が1.7×10[m/m]以上である。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、成分(C)がエラストマーであることを特徴とする発泡成形体表面におけるディンプルの抑制方法が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明に係る発泡成形体表面におけるディンプルの抑制方法を用いて得られることを特徴とする発泡成形体が提供される。
本発明の発泡成形体表面におけるディンプルの抑制方法によれば、架橋変性などを行わないにもかかわらず、広範囲の射出率(成形剪断速度)下においても、メルトフロント(樹脂流れ先端部)に、乱流や泡の巻き込みが生じ難く、ディンプルが生じ難いなどにより、発泡成形体の表面外観に優れ、発泡倍率も高く、大幅な軽量化が可能で、リサイクル性にも優れた、ポリプロピレン系樹脂組成物の発泡成形体を、容易に製造することができると。
特に、得られた発泡成形体は、従来困難であった、発泡前の絶対成形肉厚が2mm未満、とりわけ1.5mm以下の領域において、成形が可能であり、均一な高発泡倍率を発現するので、大幅な軽量化が可能となる。また、架橋変成などを行わないため、リサイクル性にも優れ、環境適応性も良好である。そのため、トリム類、天井材、トランク周りなど自動車内装部品をはじめとする成形部品用途に、好適に用いることができる。
本発明の発泡成形体表面におけるディンプルの抑制方法は、ポリプロピレン系樹脂組成物(A)と発泡剤(B)とを含む発泡成形用ポリプロピレン系樹脂組成物(X)を用いて、発泡成形を行い、発泡成形体を得るに際し、
ポリプロピレン系樹脂組成物(A)は、特定の条件を満足する成分(A−1)100重量部に対して、特定の条件を満足する成分(A−2)3〜150重量部及び/又は特定の条件を満足する成分(C)1〜50重量部を含有し、かつ特定の条件(A−i)を満足することを特徴とする。
成分(A−1):ポリプロピレン系樹脂であって、ポリプロピレン系樹脂組成物(A)において海成分となり、ドメインを形成する。
成分(A−2):熱可塑性樹脂であって、ポリプロピレン系樹脂組成物(A)において島成分となる。
成分(C):成分(A−2)とは異なる熱可塑性樹脂であって、ポリプロピレン系樹脂組成物(A)において島成分となる。
条件(A−i):ドメインを形成する成分(A−1)と島成分である成分(A−2)及び/又は成分(C)とからなる海島構造を有し、かつ成分(A−1)の体積に対する成分(A−2)及び/又は成分(C)の比界面積量が1.7×10[m/m]以上である。
以下、項目毎に説明する。
[I]発泡成形用ポリプロピレン系樹脂組成物(X)
本発明において、発泡成形用ポリプロピレン系樹脂組成物(X)は、ポリプロピレン系樹脂組成物(A)と発泡剤(B)とを含む。
本発明の「発泡成形体表面におけるディンプルの抑制方法」に使用できるポリプロピレン系組成物または樹脂(A)には、特に制限はないが、軽量でかつ、成形性、耐候性に優れるという理由で、ポリプロピレン、プロピレン・エチレンブロック共重合体が好ましく、中でも耐衝撃性に優れるという理由で、プロピレン・エチレンブロック共重合体が好ましい。
特に、本発明において、樹脂(A)として、メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が50〜300g/10分であるプロピレン・エチレンブロック共重合体を用いる場合は、成分(A−1)として、メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が100〜1500g/10分であり、且つ、分子量分布値(Mw/Mn)が3.5以下であるプロピレン重合体を用いることが成形性に優れるという理由から、好ましい。
また、本発明で使用できる成分(A−1)には、特に制限はないが、軽量で耐候性の高いポリプロピレンが好ましい。ポリプロピレン系樹脂であれば、単独重合体、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体、プロピレン・α−オレフィンブロック共重合体等を使用できるが、プロピレン・α−オレフィンブロック共重合体を使用する場合は、プロピレン重合体部分が成分(A−1)に該当する。
また、本発明で使用できる成分(A−2)には、特に制限はなく、例えば、ポリエチレン、プロピレン・エチレンブロック共重合体、ブテン・エチレンブロック共重合体、ヘキセン・エチレンブロック共重合体、オクテン・エチレンブロック共重合体、などのポリオレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、スチレン系エラストマー、ウレタン系エラストマーなどを挙げることができる。これらの中でも、マトリックスであるプロピレン重合体(A−1)成分との相溶性が高いという理由から、オレフィン系エラストマーが好ましい。中でも成形性が優れて発泡倍率の高いプロピレン・エチレンブロック共重合体を用いる場合は、プロピレン・エチレンランダム共重合体部分が成分(A−2)に該当する。
特に、本発明において、樹脂(A)として、メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が50〜300g/10分であるプロピレン・エチレンブロック共重合体を用いる場合は、成分(A−2)として、メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が0.8〜55g/10分であり、且つ、プロピレン・エチレンランダム共重合体部分である成分(A−2)全量に対するエチレン含量が35〜60重量%であるプロピレン・エチレンブロック共重合体を用いることが、発泡倍率が高くなるという理由から、好ましい。
以下、ポリプロピレン系樹脂組成物(A)として、プロピレン・エチレンブロック共重合体(成分A)を使用し、成分(A−1)としてプロピレン重合体部分を使用し、かつ成分(A−2)としてプロピレン・エチレンランダム共重合体部分を使用し、成分(C)を使用しない場合を、代表例として説明する。
1.プロピレン・エチレンブロック共重合体(成分A)
本発明に係るポリプロピレン系樹脂組成物(A)で用いられる成分Aのプロピレン・エチレンブロック共重合体は、以下に述べる、プロピレン重合体部分(A−1)100重量部、プロピレン・エチレンランダム共重合体部分(A−2)3〜150重量部、好ましくは4〜100重量部、より好ましくは5〜90重量部からなり、且つ、下記の特性(i)〜(iv)を有するものである。
特性(i):プロピレン・エチレンブロック共重合体(成分A)全体のメルトフローレート(以下MFRと記す。)(230℃、2.16kg荷重)が50〜300g/10分である。
特性(ii):プロピレン重合体部分(A−1)のMFR(230℃、2.16kg荷重)が100〜1500g/10分であり、且つ、分子量分布値(Mw/Mn)が3.5以下である。
特性(iii):プロピレン・エチレンランダム共重合体部分(A−2)のMFR(230℃、2.16kg荷重)が0.8〜55g/10分であり、且つ、プロピレン・エチレンランダム共重合体部分(A−2)全量に対するエチレン含量が35〜60重量%である。
特性(iv):マトリックスを形成する成分(A−1)と、島成分である成分(A−2)とからなる海島構造を有し、成分(A−1)の体積に対する成分(A−2)の比界面積量が1.7×10[m/m]以上である。
尚、上記の特性(iv)は、前記の条件(A−i)に相当する。
上記の条件を満たす成分Aは、ポリプロピレン系樹脂組成物(A)及びその発泡成形体において、ディンプルが生じ難く、優れた表面外観を有し、高い発泡倍率を発現することができる。
(1)特性
特性(i):
本発明に用いられる成分A全体のMFR(230℃、2.16kg荷重)は、50〜300g/10分、好ましくは60〜250g/10分、より好ましくは65〜200g/10分である。MFRが50g/10分未満であると、ポリプロピレン系樹脂組成物の発泡成形体への成形時にショートショットが生じたり、大型の発泡成形体が得られなくなったりする。さらに、発泡性も阻害され、発泡倍率が低くなる。一方、300g/10分を超えると、メルトフロントにおける乱流や泡の巻き込みが生じ易くなるなどにより、ディンプルが発生するなど表面外観が悪化(低下)する。
特性(ii):
本発明に用いられる成分Aにおける、成分(A−1)のMFR(230℃、2.16kg荷重)は、100〜1500g/10分、好ましくは150〜1200g/10分、より好ましくは200〜600g/10分であり、且つ、分子量分布値(Mw/Mn)は、3.5以下、好ましくは3以下、より好ましく2〜3である。MFRが100g/10分未満であると、ポリプロピレン系樹脂組成物の発泡成形体への成形時にショートショットが生じたり、大型の発泡成形体が得られなくなったりする。さらに、発泡性も阻害され、発泡倍率が低くなる。一方、1500g/10分を超えると、メルトフロントにおける乱流や泡の巻き込みが生じ易くなるなどにより、ディンプルが発生するなど表面外観が悪化する。
また、分子量分布値(Mw/Mn)が、3.5を超えると、メルトフロントにおける乱流や泡の巻き込みが生じ易くなるなどによりディンプルが発生するなど表面外観が悪化し易くなる。
特性(iii):
本発明に用いられる成分Aにおける、成分(A−2)のMFR(230℃、2.16kg荷重)は、0.8〜55g/10分、好ましくは1〜40g/10分、より好ましくは1.5〜20g/10分であり、且つ、成分(A−2)全量に対するエチレン含量は、35〜60重量%、好ましくは39〜55重量%、より好ましくは40〜50重量%である。
MFRが0.8g/10分未満であると、ポリプロピレン系樹脂組成物の発泡成形体への成形時に、メルトフロントにおける乱流や泡の巻き込みが生じ易くなるなどにより表面外観が悪化する。一方、55g/10分を超えると、べたつき触感が生じたり、衝撃強度が低下する。
なお、この成分(A−2)のMFR値は、直接測定することは不可能のため、成分(A−1)のMFR、成分A全体のMFRを測定し、以下の式により算出する。
log(成分A全体のMFR)=(100−Wc)/100×log(成分(A−1)のMFR)+Wc/100×log(成分(A−2)のMFR)
ここで、Wcは成分A中の成分(A−2)の割合であり、後記する方法により求められる。
さらに、成分(A−2)全量に対するエチレン含量が35重量%未満であると、ポリプロピレン系樹脂組成物の発泡成形体への成形時に、成分(A−2)と成分(A−1)の相溶性変化などにより、成分(A−2)の分散形態がいわゆる玉状から扁平状などに変化したり、粘度挙動が変化するなどのため、メルトフロントにおける乱流や泡の巻き込みが生じ易くなるなどにより、ディンプルが発生するなど表面外観が悪化する。また、成分(A−2)全量に対するエチレン含量が60重量%を超えると、この場合も、表面外観が低下する。
特性(iv):比界面積量
本発明で用いられる成分(A−1)と成分(A−2)及び/又は成分(C)の比界面積量は、以下の方法で算出した。
(i)界面張力:
下記文献A〜Cから、界面張力を求めた。
・プロピレン重合体成分(A−1)とプロピレン・エチレンランダム共重合体成分(A−2)の界面張力:1.07×10−3N/m(文献A)
・プロピレン重合体成分(A−1)とエチレン・オクテンランダム共重合体(C)の界面張力:1.50×10−3N/m(文献A)
・プロピレン重合体成分(A−1)と低密度ポリエチレン(C)の界面張力:0.80×10−3N/m(文献B)
・プロピレン重合体成分(A−1)と高密度ポリエチレン(C)の界面張力:1.98×10−3N/m(文献C)
(文献A):C.J.Carriere,H.C.Silvis,Journal of Applied Polymer Science,Vol.66,1175−1181(1997)
(文献B):H.Veenstra,J.V.Dam,A.P.de Boer,Polymer,Vol.41,3037−3045(2000)
(文献C):A.M.C.Souza,N.R.Demarquette,Polymer,Vol.43,1313−1321(2002)
(ii)粘度ηの推定:
下記の粘度式から、粘度ηを推定し、求めた。
η=1200×MFR−0.6
ここでMFR:230℃、2.16kg荷重の値[単位:g/10分]である。
(iii)ドメイン径の推定:
成分(A−2),(C)のドメイン径(半径)を、下記文献Dに記載の下記数式モデルで計算した。
(文献D):S.Wu,Polymer Engineering Science,Vol.27,335−343(1987)
Figure 2014196398
ここで、Γは、界面張力を表し、またηは、成分(A)の粘度、ηは、成分(A−2)または成分(C)の粘度であり、σは、せん断速度が100s−1の時の成分(A)のせん断応力であり、次式で示される。
Figure 2014196398
(iv)比界面積の算出:
以下の式から、ドメインの表面積をドメインの体積で除することによって、比界面積を算出した。
比界面積a=4πR/(4πR/3)
(v)比界面積量の和の算出:
以下の式から、比界面積量の和を算出した。
(A−2)成分の比界面積a×体積分率+(C)成分のa×体積分率
また、成分Aは、180℃キャピラリーレオメータにおける剪断速度400〜10000/sで押出した時に、メルトフラクチャー(波立ち現象)を生じないことが好ましい。
メルトフラクチャーを生ずる場合は、ポリプロピレン系樹脂組成物及びその発泡成形体において、メルトフロントにおける乱流や泡の巻き込みが生じ易くなるなどにより、ディンプルが発生するなど表面外観が悪化する傾向がある。具体的な測定条件などは実施例に後記する。
(2)配合量比
本発明に係るポリプロピレン系樹脂組成物(A)における各種成分の配合割合は、成分Aを基準とする。なお、該成分Aは、2種以上併用することもでき、その場合は使用した合計量を基準とする。
2.発泡剤(成分B)
本発明に用いられる発泡剤(成分B)は、化学発泡剤、物理発泡剤及びマイクロカプセルなどであり、ポリプロピレン系樹脂組成物及びその発泡成形体において、発泡倍率を高め良好な表面外観を発現させる機能を有する。
(1)種類、機能など
成分Bの種類としては、例えば、化学発泡剤、物理発泡剤及びマイクロカプセルなどが挙げられ、発泡成形に通常使用できるものであれば、特に制限なく、用いることができる。
化学発泡剤としては、例えば、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウムなどの無機系化学発泡剤や、アゾジカルボンアミド(ADCA)、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ベンゼンスルホニルヒドラジド、4,4’−ジフェニルジスルホニルアジドなどの有機系化学発泡剤が挙げられる。
これらの化学発泡剤には、発泡成形体の気泡を安定的に均一微細にするなどのために、必要に応じて、気体の発生を促すクエン酸の様な有機酸や、クエン酸ナトリウムの様な有機酸金属塩などを使用、併用添加することもでき、また、タルク、炭酸リチウムの様な無機微粒子などを造核剤として添加することもできる。
化学発泡剤としては、通常の射出成形機などの各種成形機が安全に使用でき、成形体において均一微細な気泡が得られ易いなどの点から、無機系が好ましい。
前記の様に、化学発泡剤は、無機系、有機系など種々挙げられるが、好ましいものとしては、重炭酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム及びこれら二種以上の混合体が挙げられ、さらに好ましいものとして、重炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウムとクエン酸ナトリウムの組み合わせ、重炭酸ナトリウムとクエン酸の組み合わせが挙げられる。
これら化学発泡剤は、例えば、平均粒径1〜100μmの粒子に加工し、発泡成形時に、前記成分Aに、または前記成分Aと後記成分Cなどとの混練、造粒物などに、まぶして混合するなどしてから、各種成形機例えば射出成形機に供給したり、射出成形する際に、射出成形機のシリンダーの途中から注入したりして、シリンダー内などで分解して二酸化炭素などの気体を発生するものである。
また、化学発泡剤は、取り扱い性、貯蔵安定性、前記成分Aなどへの分散性などの点から、ポリオレフィン系樹脂を基材としたマスターバッチとして造粒加工した後に、使用することもできる。これにより成形機のホッパーの汚染、成形体表面への粉の付着を抑制することができる。この場合、通常10〜50重量%濃度のポリオレフィン系樹脂のマスターバッチとして使用されるのが好ましい。
また、一度化学発泡剤を添加し、ペレット化により化学発泡剤を分解させたものであってもよく、さらに、予め高濃度の化学発泡剤を分解させ、その残渣を添加してもよい。化学発泡剤は、成形機のシリンダー中で分解し、その発泡残渣が発泡核剤となり得る。
また、物理発泡剤としては、例えば、不活性ガス、低沸点有機溶剤の蒸気、ハロゲン系不活性溶剤の蒸気、空気などが挙げられる。
不活性ガスとしては、例えば、二酸化炭素、窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、アスタチンなどが挙げられ、低沸点有機溶剤の蒸気としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパン、ブタン、ペンタンなどが挙げられ、ハロゲン系不活性溶剤の蒸気としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、フロン、三フッ化窒素などが挙げられる。これらの中で、蒸気にする必要が無く、安価で、環境汚染、火災の危険性が極めて少ないことから、不活性ガスを使用することが好ましく、中でも二酸化炭素、窒素、アルゴン、ヘリウムが好ましく、二酸化炭素、窒素がより好ましい。
さらに、物理発泡剤は、超臨界状態であることが好ましく、これにより樹脂中へのガス溶融が容易になる利点がある。
物理発泡剤は、各種成形機例えば射出成形機のシリンダー内などの前記成分Aに、または前記成分Aと後記成分Cなどとの混練、造粒物などに、ガス状または超臨界流体として注入され、分散または溶解されるもので、金型内に射出後、圧力開放されることによって、発泡剤として機能するものである。
また、マイクロカプセルは、種々の熱可塑性樹脂からなるシェル内に、発泡剤(膨張剤)を内包したものである。発泡剤(膨張剤)としては、例えば、トリクロロフルオロメタン、ジクロロフルオロメタン、ジクロロフルオロエタンの様な特定フレオン類や代替フレオン類、n−ペンタン、イソペンタン、イソブタン、石油エーテルの様な炭化水素類、塩化メチル、塩化メチレン、ジクロロエチレンの様な塩素化炭化水素などが挙げられる。マイクロカプセル状発泡剤の平均粒径は、通常は2〜50μmである。
これらマイクロカプセルは、通常、前記成分Aと、または前記成分Aと後記成分Cなどとの混練、造粒物などと予め混合するなどしてから射出成形機などの各種成形機に供給され、使用される。
これら成分Bは、ポリプロピレン系樹脂組成物及びその発泡成形体において、発泡成形体の表面外観をより良好にするため、さらにより発泡倍率を高めるためなどの点から、化学発泡剤と物理発泡剤を併用することが好ましく、無機系化学発泡剤と、物理発泡剤としての炭酸ガスや窒素とを併用するのがより好ましい。
(2)配合量比
本発明に係るポリプロピレン系樹脂組成物(X)における成分Bの配合割合は、発泡剤の種類、発泡倍率、発泡成形の成形条件などを考慮して、適宜設定すればよい。例えば、化学発泡剤を用いる場合は、前記成分A100重量部に対して、通常0.001〜10重量部、好ましくは0.01〜8重量部、より好ましくは0.1〜6重量部とする。
この場合の配合割合は、発泡剤の実質濃度であり、例えば、発泡剤とポリオレフィン樹脂とのマスターバッチを用いる場合は、マスターバッチ中に含有する発泡剤濃度に基づき算出される。成分Bの配合割合が0.001重量部未満であると、ポリプロピレン系樹脂組成物が十分に発泡せず、一方、配合割合が10重量部を超えると、ポリプロピレン系樹脂組成物及びその発泡成形体の衝撃強度などの機械的強度が低下したり、二次発泡現象(過剰に残存した発泡ガスによって発泡成形体の表面が火膨れ状に膨れる現象)を生じたり、さらに経済的にも不利となる。
また、物理発泡剤を用いる場合は、例えば用いるガスの注入圧力を調整することで、適宜設定する。ガスの注入圧力が不足したり、過剰であったりすると、前記の化学発泡剤の場合と同様に、ポリプロピレン系樹脂組成物が十分に発泡しなかったり、発泡成形体の機械的強度などが低下する。なお、成分Bは、2種類以上を併用することもできる。
3.熱可塑性樹脂(成分C)
本発明にて、用いられる熱可塑性樹脂(成分C)は、島成分となる物であれば特に制限はないが、エラストマーであるのが好ましく、中でもエチレン・α−オレフィン共重合体エラストマーやスチレン系エラストマーなどであり、ポリプロピレン系樹脂組成物及びその発泡成形体において、主に、高い衝撃強度や、優れた寸法安定性などを発現させることができる。以下、エラストマーを、代表例として説明する。
(1)種類
成分Cとしては、例えば、エチレン・プロピレン共重合体エラストマー(EPR)、エチレン・ブテン共重合体エラストマー(EBR)、エチレン・ヘキセン共重合体エラストマー(EHR)、エチレン・オクテン共重合体エラストマー(EOR)などのエチレン・α−オレフィン共重合体エラストマー;エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン共重合体、エチレン・プロピレン・ブタジエン共重合体、エチレン・プロピレン・イソプレン共重合体などのエチレン・α−オレフィン・ジエン三元共重合体エラストマー;スチレン・ブタジエン・スチレントリブロック共重合体エラストマー(SBS)、スチレン・イソプレン・スチレントリブロック共重合体エラストマー(SIS)、スチレン−エチレン・ブチレン共重合体エラストマー(SEB)、スチレン−エチレン・プロピレン共重合体エラストマー(SEP)、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレン共重合体エラストマー(SEBS)、スチレン−エチレン・ブチレン−エチレン共重合体エラストマー(SEBC)、水添スチレン・ブタジエンエラストマー(HSBR)、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレン共重合体エラストマー(SEPS)、スチレン−エチレン・エチレン・プロピレン−スチレン共重合体エラストマー(SEEPS)、スチレン−ブタジエン・ブチレン−スチレン共重合体エラストマー(SBBS)、部分水添スチレン−イソプレン−スチレン共重合体エラストマー、部分水添スチレン−イソプレン・ブタジエン−スチレン共重合体エラストマーなどのスチレン系エラストマー、さらにエチレン−エチレン・ブチレン−エチレン共重合体エラストマー(CEBC)などの水添ポリマー系エラストマーなどを挙げることができる。
中でも、エチレン・オクテン共重合体エラストマー(EOR)またはエチレン・ブテン共重合体エラストマー(EBR)を単独で使用するか、これら両者を併用すると、本発明に係るポリプロピレン系樹脂組成物及びその発泡成形体において、衝撃強度や寸法安定性がより優れ、表面外観も良好で経済性にも優れる傾向にあるなどの点から好ましい。
さらに、エチレン・オクテン共重合体エラストマー(EOR)またはエチレン・ブテン共重合体エラストマー(EBR)を単独で使用するか、これら両者を併用すると、本発明に係るポリプロピレン系樹脂組成物全体のMFR(230℃、2.16kg荷重)が80〜300g/10分である場合、ポリプロピレン系樹脂組成物及びその発泡成形体において、衝撃強度、寸法安定性及び表面外観がより一段と優れる傾向にあるなどの点からより好ましく、85〜200g/10分であると、さらに好ましく、90〜150g/10分であると、とりわけ好ましい。
(2)物性
成分CのMFR(230℃、2.16kg荷重)は、通常1g/10分以上であり、2g/10分以上が好ましく、3g/10分以上がより好ましく、3〜80g/10分がさらに好ましい。
本発明の主要用途である自動車部材を考慮した場合、MFRが上記の範囲であるものが、表面外観及び衝撃強度が良好で発泡倍率が大きいポリプロピレン系樹脂組成物及びその発泡成形体を得られる場合が多い。
(3)配合量比
本発明において、用いられる成分Cの配合割合は、成分A100重量部に対して、好ましくは1〜50重量部、より好ましくは3〜45重量部、さらに好ましくは5〜40重量部である。成分Cの配合割合が1重量部未満であると、ポリプロピレン系樹脂組成物及びその発泡成形体の衝撃強度や寸法安定性が低下する傾向があり、一方、配合割合が50重量部を超えると、剛性が低下する傾向がある。なお、成分Cは2種類以上を併用することもできる。
4.フィラー(成分D)
本発明において、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、フィラー(成分D)を配合することができる。フィラー(成分D)は、無機または有機のフィラーである。成分Dは、ポリプロピレン系樹脂組成物及びその発泡成形体の表面外観、発泡倍率、剛性などの物性、寸法安定性(線膨張係数の低減)、環境適応性の各向上などを発現することに寄与するものである。
(1)種類、形状など
成分Dの具体例としては、例えば、無機フィラーとして、シリカ、ケイ藻土、バリウムフェライト、酸化ベリリウム、軽石、軽石バルンなどの酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウムなどの水酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、ドーソナイトなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸アンモニウム、亜硫酸カルシウムなどの硫酸塩または亜硫酸塩、タルク、クレー、マイカ、ガラス繊維、ガラスバルーン、ガラスビーズ、ケイ酸カルシウム、ワラストナイト、モンモリロナイト、ベントナイトなどのケイ酸塩、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素中空球などの炭素類や、硫化モリブデン、ボロン繊維、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム、塩基性硫酸マグネシウム繊維、チタン酸カリウム繊維、ホウ酸アルミニウム繊維、ケイ酸カルシウム繊維、炭酸カルシウム繊維、各種金属繊維などを挙げることができる。
一方、有機フィラーとしては、例えば、モミ殻などの殻繊維、木粉、木綿、ジュート、紙細片、セロハン片、芳香族ポリアミド繊維、セルロース繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、各種合成繊維、熱硬化性樹脂粉末などを挙げることができる。
成分Dの形状については、特に制限はなく、粒状、板状、棒状、繊維状、ウィスカー状など、いずれの形状のものも、使用することができる。
中でも板状、繊維状、ウィスカー状のものは、寸法安定性や物性などのバランスに優れた本発明のポリプロピレン系樹脂組成物及びその発泡成形体が得られやすいなどの点で好ましい。
また、ポリマー用フィラーとして市販されているものは、いずれも使用できる。これらは、一般的な粉末状の外に、取り扱いの利便性などを高めた、圧縮魂状、ペレット(造粒)状、顆粒状、チョップドストランド状などの形態で製造されることが多いが、いずれも使用することができる。中でも粉末状、圧縮魂状、顆粒状が好ましい。
前記成分Dの内、タルク、ポリエステル繊維、ウィスカー、ガラス繊維、炭素繊維、中でもタルク、ポリエステル繊維から選ばれた少なくとも一種のものは、発泡成形性、寸法安定性、剛性などの物性、経済性などのバランスに優れたポリプロピレン系樹脂組成物及びその発泡成形体が得られ易いなどの点で好ましい。ここで、例えば、ポリエステル繊維と木綿と混紡したものなど、異なる複数の繊維同士を混紡したものでもよい。
なお、ここでいうウィスカーとは、塩基性硫酸マグネシウム繊維、チタン酸カリウム繊維、ホウ酸アルミニウム繊維、ケイ酸カルシウム繊維、炭酸カルシウム繊維、極細炭素繊維などの極細(概ね2μmφ以下、とりわけ1μmφ以下)繊維状のものである。
この内、平均粒径が15μm以下、好ましくは0.5〜10μm、より好ましくは2〜8μmのタルクは、発泡成形性、寸法安定性、剛性などの物性、経済性などのバランスに特に優れたポリプロピレン系樹脂組成物及びその発泡成形体が得られ易いなどの点で好ましい。
この平均粒径は、レーザー回折散乱方式粒度分布計等を用いて測定した値であり、測定装置としては、例えば、堀場製作所LA−920型が挙げられる。また、タルクは、平均アスペクト比が4以上、特に5以上のものがより好ましい。タルクのアスペクト比の測定は、顕微鏡などにより測定された値より求められる。
これらの成分Dは、有機チタネート系カップリング剤、有機シランカップリング剤、不飽和カルボン酸、またはその無水物をグラフトした変性ポリオレフィン、脂肪酸、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステルなどによって表面処理したものを用いてもよく、また、2種以上併用して表面処理してもよい。
(2)配合量比
本発明において、用いられる成分Dの配合割合は、成分A100重量部に対して、好ましくは1〜60重量部、より好ましくは1.5〜50重量部、さらに好ましくは2〜35重量部である。成分Dの配合割合が1重量部未満であると、ポリプロピレン系樹脂組成物及びその発泡成形体の剛性や寸法安定性が低下し易い傾向がある。一方、60重量部を超えると、発泡成形性、衝撃強度や表面外観が低下する傾向がある。なお、成分Dは、2種以上併用することもできる。
5.任意添加成分(成分E)
本発明に係るポリプロピレン系樹脂組成物(X)においては、前記成分A〜成分D以外に、さらに必要に応じ、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、例えば発明効果を一層向上させたり、他の効果を付与するなどのため、任意添加成分(成分E、以下、単に成分Eともいう。)を配合することができる。
具体的には、ヒンダードアミン系などの光安定剤、ベンゾトリアゾール系などの紫外線吸収剤、ソルビトール系などの造核剤、顔料などの着色剤、フェノール系、リン系などの酸化防止剤、非イオン系などの帯電防止剤、無機化合物などの中和剤、チアゾール系などの抗菌・防黴剤、ハロゲン化合物などの難燃剤、プロセスオイル(配合油)、可塑剤、有機金属塩系などの分散剤、脂肪酸アミド系などの滑剤、窒素化合物などの金属不活性剤、非イオン系などの界面活性剤や、前記成分A〜成分D以外のポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアミドやポリエステルなどの熱可塑性樹脂、フィラーなどを挙げることができる。
これらの成分Eは、2種以上を併用してもよく、組成物に添加してもよいし、成分A〜成分Dの各成分に添加されていてもよく、夫々の成分においても2種以上併用することもできる。
光安定剤や紫外線吸収剤として、例えばヒンダードアミン化合物、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系やサリシレート系などは、ポリプロピレン系樹脂組成物及びその発泡成形体の耐候性や耐久性などの付与、向上に有効である。
具体例としては、ヒンダードアミン化合物として、コハク酸ジメチルと1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの縮合物;ポリ〔〔6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕〕;テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート;テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート;ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート;ビス−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルセバケートなどが挙げられ、ベンゾトリアゾール系としては、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどが挙げられ、ベンゾフェノン系としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン;2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノンなどが挙げられ、サリシレート系としては、4−t−ブチルフェニルサリシレート;2,4−ジ−t−ブチルフェニル3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエートなどが挙げられる。
また、造核剤として、例えば、無機系、ソルビトール系、カルボン酸金属塩系や有機リン酸塩系などは、ポリプロピレン系樹脂組成物及びその発泡成形体の剛性、耐熱性や硬度、発泡成形性などの付与、向上などに有効である。
具体例としては、無機系として、タルク;シリカなどが挙げられ、ソルビトール系として、1,3,2,4−ジベンジリデン−ソルビトール;1,3,2,4−ジ−(p−メチル−ベンジリデン)ソルビトール;1,3,2,4−ジ−(p−エチル−ベンジリデン)ソルビトール;1,3,2,4−ジ−(2’,4’−ジ−メチル−ベンジリデン)ソルビトール;1,3−p−クロロベンジリデン−2,4−p−メチル−ベンジリデン−ソルビトール;1,3,2,4−ジ−(p−プロピルベンジリデン)ソルビトールなどが挙げられ、カルボン酸金属塩系として、アルミニウム−モノ−ヒドロキシ−ジ−p−t−ブチルベンゾエート;安息香酸ナトリウム;モンタン酸カルシウムなどが挙げられ、さらに、有機リン酸塩系として、ソジウムビス(4−t−ブチルフェニル)フォスフェート;ソジウム−2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート;リチウム−2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェートなどが挙げられる。
また、着色剤として、例えば無機系や有機系の顔料などは、ポリプロピレン系樹脂組成物及びその発泡成形体の着色外観、見映え、風合い、商品価値、耐候性や耐久性などの付与、向上などに有効である。
具体例として、無機系顔料としては、酸化チタン;酸化鉄(ベンガラなど);クロム酸(黄鉛など);モリブデン酸;硫化セレン化物;フェロシアン化物及びカーボンブラックなどが挙げられ、有機系顔料としては、難溶性アゾレーキ;可溶性アゾレーキ;不溶性アゾキレート;縮合性アゾキレート;その他のアゾキレートなどのアゾ系顔料;フタロシアニンブルー;フタロシアニングリーンなどのフタロシアニン系顔料;アントラキノン;ペリノン;ペリレン;チオインジゴなどのスレン系顔料;染料レーキ;キナクリドン系;ジオキサジン系;イソインドリノン系などが挙げられる。また、メタリック調やパール調にするには、アルミフレーク;パール顔料を含有させることができる。また、染料を含有させることもできる。
また、酸化防止剤として、例えば、フェノール系、リン系やイオウ系などの酸化防止剤は、ポリプロピレン系樹脂組成物及びその発泡成形体の、耐熱安定性、加工安定性、耐熱老化性などの付与、向上などに有効である。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール;テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]−メタン;トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)イソシアヌレートなどが挙げられる。
また、リン系酸化防止剤としては、例えば、ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト;トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト;トリス(2−t−ブチル−4−メチルフェニル)フォスファイトなどが挙げられる。
また、イオウ系酸化防止剤としては、例えば、ジステアリルチオジプロピオネートなどが挙げられる。
また、帯電防止剤として、例えば、非イオン系やカチオン系などの帯電防止剤は、ポリプロピレン系樹脂組成物及びその発泡成形体の帯電防止性の付与、向上に有効である。
具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルアミン;ポリオキシエチレンアルキルアミド;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル;ステアリン酸モノグリセリド;アルキルジエタノールアミン;アルキルジエタノールアミド;アルキルジエタノールアミン脂肪酸モノエステル;テトラアルキルアンモニウム塩などが挙げられる。
[II]ポリプロピレン系樹脂組成物(X)の製造方法
本発明に係るポリプロピレン系樹脂組成物(X)の製造方法としては、前記成分Aと成分Bを混合し、さらに場合により、成分C、成分D及び成分Eを、前記配合割合で配合して、まぶしたり、ハンドブレンドするなどドライブレンドする方法、Vブレンダー、タンブラーミキサーなど各種のブレンダー、ミキサーなどを用いて混合する方法、単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ロールミキサー、ブラベンダープラストグラフ、ニーダーなど通常の混練機を用いて溶融・混練・造粒する方法、及び前記各成分を各々別個に(または一部をブレンドして)そのまゝ射出成形機などの各種成形機に直接供給する方法などを挙げることができる。
溶融・混練・造粒方法を選択する場合は、通常は二軸押出機を用いて溶融・混練・造粒するのが好ましい。この溶融・混練・造粒の際には、前記成分Aと成分B(場合により成分A〜成分Eなど)の配合物を同時に溶融・混練・造粒してもよく、また、性能向上を図るべく各成分を分割、例えば、先ず成分Aと成分Bの一部を溶融・混練・造粒し、その後に残りの成分を溶融・混練・造粒することもできる。また、成分Bの全部または一部を、発泡成形段階で溶融・混練・造粒する場合には、成分Bの全部または一部を除いた成分のみにて、溶融・混練・造粒する。
ここで、本発明に係るポリプロピレン系樹脂組成物(X)の製造において、該樹脂組成物の流動性、発泡成形性、発泡成形体の表面外観及び発泡倍率の向上などを図るなどのため、分子量降下剤を配合して混合・溶融・混練・造粒することができる。すなわち、前記成分Aと成分B(場合により成分A〜成分Eなど)の配合物を混合・溶融・混練・造粒する際、同時に分子量降下剤を適量配合して混合・溶融・混練・造粒する。この場合、混合のみで前記ポリプロピレン系樹脂組成物を製造することもできる。ここで、予め成分Aにのみ分子量降下剤を配合して混合・溶融・混練・造粒することにより、事前に成分Aの分子量を降下しておき、この分子量を降下した成分Aを、他の成分Bなどの配合成分と同時に混合・溶融・混練・造粒することができる。
また、適量の分子量降下剤を、前記成分Aと成分B(場合により成分A〜成分Eなど)の配合物とともに、射出成形機などの各種成形機などに同時にまたは個別に直接添加して成形することもできる。
分子量降下剤としては、各種の有機過酸化物や、分解(酸化)促進剤と称されるものなどが使用でき、有機過酸化物が好適である。
分子量降下剤の有機過酸化物としては、例えばベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、t−ブチルパーアセテート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジ−メチル−2,5−ジ−(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジ−メチル−2,5−ジ−(ベンゾイルパーオキシ)ヘキシン−3、t−ブチル−ジ−パーアジペート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、メチル−エチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジキュミルパーオキサイド、2,5−ジ−メチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジ−メチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス−(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、t−ブチルキュミルパーオキサイド、1,1−ビス−(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス−(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス−t−ブチルパーオキシブタン、p−メンタンハイドロパーオキサイド、ジ−イソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、p−サイメンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラ−メチルブチルハイドロパーオキサイド及び2,5−ジ−メチル−2,5−ジ−(ハイドロパーオキシ)ヘキサンのグループから選ばれる1種または2種以上からなるものを挙げることができる。なお、これらに限定されるものではない。
本発明において、分子量降下剤の配合量は、特に限定されないが、通常、前記成分A100重量部に対して、0.005〜0.5重量部程度である。分子量降下剤が0.005重量部未満の場合には、分子量低下効果に乏しく、0.5重量部を超える場合には、発泡成形体の表面外観が悪化する(ディンプルが生じたり、エラストマー成分などがブリードアウト現象が生ずるなど)ことがある。
[III]発泡成形体とその製造方法及び用途
本発明における発泡成形体の製造方法としては、特に制限されず、例えば射出成形機、射出圧縮成形機、押出成形機、シート成形機及び中空成形機などを用いる発泡成形法が挙げられる。この内、射出成形機または射出圧縮成形機を用いる射出発泡成形法が好ましい製造方法である。
本発明におけるポリプロピレン系樹脂組成物を用いた発泡成形体の製造に際して、その射出発泡成形における射出率や、押出成形などにおける成形剪断速度は、特に限定されず、比較的小さい(遅い)場合から大きい(速い)場合まで広範囲に設定できる。すなわち本発明に係るポリプロピレン系樹脂組成物は、広範囲の射出率(成形剪断速度)下においても、メルトフロント(樹脂流れ先端部)に、乱流や泡の巻き込みが生じ難く、発泡成形体の表面外観に優れ、発泡倍率が高い発泡成形体が得られるからである。
ここで、例えば、射出発泡成形に用いる射出成形機や射出圧縮成形機などにおいて、その駆動方式は、油圧式、電動式、両者を組み合わせたものが挙げられるが、いずれの方式の成形機も使用できる。因みに、これらの成形機における射出率は、射出機構が電動式である場合の方が油圧式に較べ一般的に広範囲である傾向にある。
射出発泡成形する方法としては、例えば金型キャビティ内に、化学発泡剤である成分Bを少なくとも一部に含有するポリプロピレン系樹脂組成物を、発泡圧力以上の圧力で可動型を後退させながら射出充填して、スキン層を形成させた後、充填完了後さらに可動型を後退させてコア層を発泡させる方法が挙げられる。
また、例えば、化学発泡剤である成分Bの全部または一部を除いた成分からなるポリプロピレン系樹脂組成物を射出成形機に供給し、同じく前記の物理発泡剤である成分Bを、圧縮ガス状或いは超臨界状態で直接成形機に加えて金型内に射出し、射出発泡成形体を成形する方法が挙げられる。
すなわち、化学発泡剤を含有したポリプロピレン系樹脂組成物を射出成形機に供給し、同時に物理発泡剤を同成形機に直接制御しつつ導入して、成形する方法は、可動型を後退させながら射出充填してスキン層を形成させた後、可動型を後退させてコア層を発泡させる成形方法などにおいても用いることができる。
さらに、例えば金型が固定型と前進及び後退が可能な可動型とから構成される射出装置を用いて、最終製品の形状位置に相当する金型キャビティ・クリアランス(T1)よりも小さい初期の金型キャビティ・クリアランス(T0)を有する金型キャビティに、溶融状態または半溶融状態のポリプロピレン系樹脂組成物を射出充填する射出工程と、金型キャビティ・クリアランス(T1)まで可動型を後退(コアバック)させ、発泡剤による膨張圧力によって金型キャビティの空隙を充填せしめる発泡工程とからなる型開き射出発泡成形法が挙げられる。
この成形方法は、ポリプロピレン系樹脂組成物及びその発泡成形体の表面外観及び発泡倍率を高い水準で発現できるため、好ましい方法である。本発明では、該成形方法によりポリプロピレン系樹脂組成物を射出充填する射出工程において、発泡前成形体充填容積100%に対する射出率が10〜450%/秒の条件で成形するのが好ましく、20〜300%/秒の条件で成形するのがより好ましく、20〜80%/秒の条件で成形するのがさらに好ましく、30〜60%/秒の条件で成形するのがとりわけ好ましい。射出率が10%/秒未満であると、発泡成形体の成形(生産)効率が低下する傾向があり、一方、450%/秒を超えると、発泡倍率が低下したり、成形バリの発生(過充填)や、樹脂焼け(黒点)が発生し易くなる傾向がある。
これらの条件で成形するのが好ましい理由は、前記の様に多様な成形体デザインへの適用性を保つ必要がある状況下などにおいては、高い成形効率下で、且つ高射出率成形した場合に生じ易い、成形バリや、樹脂焼けの発生を防止し、発泡成形体の表面外観及び発泡倍率をより一層高い水準で発現できるからである。
また、本発明の発泡成形体は、上記のポリプロピレン系樹脂組成物を発泡成形する方法によって得られるものであり、スキン層を有するものが好ましい。スキン層とは、発泡層の少なくとも片側の表面に形成される非発泡層のことである。
発泡層は、平均気泡径が好ましくは500μm以下、より好ましくは200μm以下であり、非発泡層は厚みが好ましくは10μm以上1000μm以下、より好ましくは100μm以上500μm以下であることが好ましい。発泡層の平均気泡径が500μmを超える場合は、優れた剛性が得られない傾向がある。また、非発泡層の厚みが10μm未満では、外観美麗な表面にならず、剛性も低下する傾向があり、1000μmを超える場合は、軽量性が得られにくいおそれがある。
さらに、本発明における発泡成形体の発泡倍率は、2倍以上10倍以下が好ましく、2.5倍以上8倍以下がより好ましく、3倍以上6倍以下がさらに好ましい。発泡倍率が2倍未満では、軽量性が得られ難い傾向があり、一方、発泡倍率が10倍を超える場合には、剛性の低下が著しくなる傾向がある。発泡倍率は、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物に発泡剤を添加しない以外は発泡成形体と同条件で成形した非発泡成形体との比重の比や、発泡成形体の板厚と初期肉厚との比などから得られる値である。
本発明に係るポリプロピレン系樹脂組成物(X)を用いた発泡成形体の用途としては、自動車部品、テレビなどの家電機器、電子製品の部品などを含む工業部品、建材部品、好ましくは自動車用内外装部品、より好ましくはトリム類、天井材、トランク周り、インストルメントパネル、ピラーなどの自動車内装部品が挙げられる。
本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
なお、実施例で用いた評価方法、分析方法及び材料は、以下の通りである。
1.評価方法
(1)発泡成形体の表面外観:
(i)目視外観:
射出発泡成形(黒着色、発泡前成形体充填容積100%に対する射出率=100%/秒)した発泡成形体(縦400mm×横200mm×1.5mm厚(初期キャビティ・クリアランス)、発泡倍率=2倍)の平面部分表面の外観を、目視観察し、下記に示す判定基準にて、段階別に判定する。この場合、段階4及び5が実用性を有すると判断される。また、段階3がボーダーラインで、段階1及び2が実用性を有さないと判断される。
なお、黒着色は、カーボンブラック濃度=30重量%の低密度ポリエチレンベース着色マスターバッチを、ポリプロピレン系樹脂組成物100重量部当たり3重量部ブレンド成形することにより行う。
(判定基準)
段階5…ディンプルが認められず、表面の凹みも無く、表面外観が良好である。
段階4…ディンプルが僅かに認められるが、表面の凹みも殆ど無く、表面外観が良好である。
段階3…ディンプルが比較的少数ではあるが明確に認められ、表面の凹みも一部に認められ、表面外観がやゝ不良である。
段階2…ディンプルが明確に認められ、表面の凹みもかなり認められ、表面外観が不良である。
段階1…ディンプルが多数明確に認められ、表面の凹みも認められ、表面外観がさらに不良である。
(2)最大発泡倍率:
初期のキャビティ・クリアランスを1.5mmに設定し、コアバック後のキャビティ・クリアランスを、3mmから0.25mm刻みに拡大して、前記射出率=100%/秒の条件下で、発泡倍率を変化(高倍率化)させ、射出発泡成形体を形成する。而して、良好な充填状態と表面外観のバランスが得られる、最大のコアバック後のキャビティ・クリアランスの条件で形成された発泡成形体における、該発泡成形体の板厚/初期肉厚により求める。
2.材料
(1)プロピレン・エチレンブロック共重合体(成分A)
(i)A−a:日本ポリプロ社製の「ノバテックPP」、以下の組成のグレードを用いた。
該材料は、プロピレン・エチレンランダム共重合体部分(A−2)の成分A全体に対する割合が27重量%、成分A全体のMFR(230℃、2.16kg荷重)が32g/10分、プロピレン重合体部分(A−1)のMFR(230℃、2.16kg荷重)が156g/10分、同部分の分子量分布値(Mw/Mn)が3.0、プロピレン・エチレンランダム共重合体部分(A−2)のMFR(算出値(230℃、2.16kg荷重))が0.3g/10分、成分A−2全量に対するエチレン含量が43重量%である。
(ii)A−b:日本ポリプロ社製「ニューコン」で、以下に示す組成のグレードを用いた。
該材料は、プロピレン・エチレンランダム共重合体部分(A−2)の成分A全体に対する割合が54重量%、成分A全体のMFR(230℃、2.16kg荷重)が0.8g/10分、プロピレン重合体部分(A−1)のMFR(230℃、2.16kg荷重)が20g/10分、同部分の分子量分布値(Mw/Mn)が3.1、プロピレン・エチレンランダム共重合体部分(A−2)のMFR(算出値(230℃、2.16kg荷重))が0.017g/10分、成分A−2全量に対するエチレン含量が37重量%である。
(2)発泡剤(成分B)
(i)B−a:化学発泡剤マスターバッチ(永和化成社製、ポリスレンEE25C、発泡剤濃度20%、発生ガス量75〜90ml/2.5g(220℃恒温下×20分))…重炭酸ナトリウム・クエン酸系、低密度ポリエチレンベース。
(3)エラストマー(成分C)
(i)C−a:エチレン・オクテン共重合体エラストマー(ダウケミカル日本社製、エンゲージ8100、MFR(230℃、2.16kg荷重)2g/10分)。
(ii)C−b:エチレン・オクテン共重合体エラストマー(ダウケミカル日本社製、エンゲージ8200、MFR(230℃、2.16kg荷重)10g/10分)。
(iii)C−c:エチレン・オクテン共重合体エラストマー(ダウケミカル日本社製、エンゲージ8137、MFR(230℃、2.16kg荷重)26g/10分)。
(iv)C−d:高密度ポリエチレン(日本ポリエチレン社製、HJ490、MFR(230℃、2.16kg荷重)40g/10分)。
3.実施例及び比較例
[実施例1〜8、比較例1〜3]
(1)ポリプロピレン系樹脂組成物の製造
成分A及び成分Cを、表1に示す割合で配合し、タンブラーにてブレンドし、製造した。
混練装置:日本製鋼所社製「TEX30α」型2軸押出機。
混練条件:温度=210℃、スクリュー回転数=300rpm。
(2)ポリプロピレン系樹脂組成物の成形
前記(1)で製造されたポリプロピレン系樹脂組成物を、下記の条件で成形した。
この際、黒着色マスターバッチ(カーボンブラック30重量%含有低密度ポリエチレンベース)も樹脂組成物全量100重量部に対し、3重量部ブレンドした。
射出成形機:FANUC社製「α−300」。
金型:縦400mm×横200mmで可動型の位置調整により厚さ可変の平板形状のキャビティを有し、その初期キャビティ・クリアランス(T0)が1.5mmのもの。
成形条件:シリンダー温度=210℃、金型温度=40℃、射出率=50%/秒(60cc/秒)、100%/秒(120cc/秒)、及び333%/秒(400cc/秒)、冷却時間=30秒。
成形方法:射出工程が、初期キャビティ・クリアランス(T0)1.5mmである金型キャビティに、溶融状態のポリプロピレン系樹脂組成物を射出充填する工程であり、発泡工程が、金型キャビティ・クリアランス(T1)3〜5mmまで可動型を後退させ、発泡剤による膨張圧力によって金型キャビティの空隙を充填せしめる工程である、型開き射出成形法で行った。なお、この成形方法で得られたすべての発泡成形体は、発泡層の上部にスキン層を有していた。
(3)評価
前記の成形したものについて、性能評価を行った。表1に従って混合した、各実施例のサンプルにおける組成比は、計算から表2の通りとなる。性能の評価結果を表3に示す。
Figure 2014196398
Figure 2014196398
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表1、2及び3に示す結果から、本発明の実施例1〜8に示す組成を持ったポリプロピレン系樹脂組成物及びその発泡成形体は、いずれも必須構成要件における各規定を満たすので、発泡成形体の表面外観に優れ、発泡倍率も高い。
そのため、これらを用いれば、いずれも大幅な軽量化が可能であり、リサイクル性や環境適応性にも優れるので、自動車部品、テレビなどの家電機器、電子製品の部品などを含む工業部品、建材部品、好ましくは自動車部品、とりわけトリム類、天井材、トランク周り、インストルメントパネル、ピラーなどの自動車内装部品などに適する性能を有している。
一方、比較例1〜3に示す組成を持ったポリプロピレン系樹脂組成物及びその発泡成形体は、これらの性能バランスが不良で、実施例1〜8のものに対して、見劣りしている。
外観および発泡倍率が見劣りする原因は、マトリックスに対する添加成分の相溶性と考えられる。相溶性は、Wuの式で整理することができ、マトリックスに対する界面張力が小さい材料を用いることで、ドメインのサイズが小さくなる、いいかえれば添加した量に対する界面積量を大きくすることで、ドメインサイズは、外観に及ぼす影響が無視できるほど小さくなる。
本発明の発泡成形体表面におけるディンプルの抑制方法及びそれを用いた発泡成形体は、広範囲の射出率(成形剪断速度)下においても、メルトフロント(樹脂流れ先端部)に、乱流や泡の巻き込みが生じ難く、ディンプル)が生じ難いなどにより、発泡成形体の表面外観に優れ、発泡倍率も高く、大幅な軽量化が可能であり、リサイクル性や環境適応性にも優れるため、自動車部品、テレビなどの家電機器、電子製品の部品などを含む工業部品、建材部品、好ましくは自動車部品、とりわけトリム類、天井材、トランク周り、インストルメントパネル、ピラーなどの自動車内装部品などに好適に用いることができる。

Claims (3)

  1. ポリプロピレン系樹脂組成物(A)と発泡剤(B)とを含む発泡成形用ポリプロピレン系樹脂組成物(X)を用いて、発泡成形を行い、発泡成形体を得るに際し、
    ポリプロピレン系樹脂組成物(A)は、下記条件を満足する成分(A−1)100重量部に対して、下記条件を満足する成分(A−2)3〜150重量部及び/又は下記条件を満足する成分(C)1〜50重量部を含有し、かつ下記条件(A−i)を満足することを特徴とする発泡成形体表面におけるディンプルの抑制方法。
    成分(A−1):ポリプロピレン系樹脂であって、ポリプロピレン系樹脂組成物(A)において海成分となり、ドメインを形成する。
    成分(A−2):熱可塑性樹脂であって、ポリプロピレン系樹脂組成物(A)において島成分となる。
    成分(C):成分(A−2)とは異なる熱可塑性樹脂であって、ポリプロピレン系樹脂組成物(A)において島成分となる。
    条件(A−i):ドメインを形成する成分(A−1)と島成分である成分(A−2)及び/又は成分(C)とからなる海島構造を有し、かつ成分(A−1)の体積に対する成分(A−2)及び/又は成分(C)の比界面積量が1.7×10[m/m]以上である。
  2. 成分(C)がエラストマーであることを特徴とする請求項1に記載の発泡成形体表面におけるディンプルの抑制方法。
  3. 請求項1又は2に記載の発泡成形体表面におけるディンプルの抑制方法を用いて得られることを特徴とする発泡成形体。
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