JP2014196282A - W/o/w型乳化組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
多価アルコールのポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)エステルを含有する油相と内
水相から成るW/O型乳化物が、ジ脂肪酸アシルグルタミン酸リシン塩を含有する外水相
に分散したW/O/W型乳化組成物。
【選択図】図3
Description
一つ目は、O/W型乳化組成物のもつ皮膚への心地よさと、W/O型乳化組成物のもつ皮膚にうるおいを与える特性を兼ね備えていることである。二つ目は、内水相に取り込まれた活性物質が緩徐に放出されることにより、活性物質の効果の持続が期待できることである。三つ目は、複数の活性物質をそれぞれ別の相に取り込むこと(区分化)ができる点である(非特許文献1:FRAGRANCE JOURNAL 9月号 第83〜86頁 1999年9月 フレグランスジャーナル社発行)。
W/O/W型乳化組成物は、内水相に有用な物質を封入することにより、化粧品、食品、医薬品をはじめ、様々な用途に応用することができる有用な剤型であるが、時間の経過にともなって内相水と外相水が融合したり、W/O型乳化物の凝集・合一が生じたりして分離しやすく、保存安定性が極めて悪いことが知られ、利用が制限されている。特に、化粧品や医薬品では長期に渡る品質保証期間がある為、その製品化が困難であった。
例えば、外水相に高分子を含有させる技術として、アルキル変性カルボキシビニルポリマーを含む外水相中にW/O型乳化物を分散させる技術(特許文献1:特開平11−33391号公報、特許文献2:特開2002−275029号公報)、多糖誘導体を含む外水相中にW/O型乳化物を分散させる技術(特許文献3:特開2007−284354号公報)が開示されている。
内水相に高分子を含有させる技術としては、W/O型乳化物の水相に酸性ムコ多糖類を含有させ、W/O/W型乳化組成物を調製する技術が開示されている(特許文献4:特許第4478264号公報)。
また、外水相に界面活性剤を含有させる技術としては、陰イオン界面活性剤を含む外水相中にW/O型乳化物を分散させる技術が開示されている(特許文献5:特開2003−275573号公報)。
しかしながら、これらのW/O/W型乳化組成物は、長期間の安定性を確保するには至っていない。
(1)多価アルコールのポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)エステルを含有する油相と内水相から成るW/O型乳化物が、ジ脂肪酸アシルグルタミン酸リシン塩を含有する外水相に分散したW/O/W型乳化組成物。
(2)多価アルコールのポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)エステルがポリエチレングリコールのジ(12−ヒドロキシステアリン酸)エステルを含む(1)記載のW/O/W型乳化組成物。
(3)ジ脂肪酸アシルグルタミン酸リシン塩が、ジラウロイルグルタミン酸リシン塩、ジミリストイルグルタミン酸リシン塩、ジステアロイルグルタミン酸リシン塩、ジリノレオイルグルタミン酸リシン塩から選ばれる一種以上である(1)又は(2)に記載のW/O/W型乳化組成物。
(4)化粧料である(1)〜(3)のいずれかに記載のW/O/W型乳化組成物。
本発明で用いる多価アルコールのポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)エステルは、多価アルコールをアルカリ存在下で、ポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)に塩化チオニル等のハロゲン化剤を用いて反応させて調製した酸クロライド化合物を反応させて得ることができる。
多価アルコ−ルとしては、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、(ポリ)グリセリン、(ポリ)プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどが好ましく、ポリエチレングリコールが特に好ましい。この場合のポリエチレングリコールのサイズは、平均分子量で400〜6000が好ましい。一方、疎水基となるポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)は、そのサイズが平均分子量1000〜3000であることが好ましい。
本発明の実施にあたっては、ポリエチレングリコールのジ(12−ヒドロキシステアリン酸)エステルを用いることが好ましい。この物質は、INCI名がジポリヒドロキシステアリン酸PEG−30の名称で収載されている。本願においてもこの名称を使用する場合がある。なお市販品としては、アラセルP−135(ユニケマ社製;商品名)、シスロールDPHS(クローダジャパン株式会社製;商品名)等が挙げられる。
ジ脂肪酸アシルグルタミン酸塩としては、ジラウロイルグルタミン酸リシン塩、ジミリストイルグルタミン酸リシン塩、ジステアロイルグルタミン酸リシン塩、ジリノレオイルグルタミン酸リシン塩が例示できる。これらの塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、トリエタノールアミン塩等の有機アミン塩、アルギニン等の塩基性アミノ酸塩が挙げられる。ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウム、ジミリストイルグルタミン酸リシンナトリウム、ジステアロイルグルタミン酸リシンナトリウム、ジリノレオイルグルタミン酸リシンナトリウムなどを用いることが好ましい。ジ脂肪酸アシルグルタミン酸リシン塩はL−リシン塩酸塩とN−脂肪酸アシル−L−グルタミン酸無水物を反応させて合成することができる。ジ脂肪酸アシルグルタミン酸リシン塩は市販品を用いることが可能であり、市販品としては旭化成ケミカルズ株式会社製のペリセアL−30(ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウム)を例示できる。ペリセアL−30は、ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウム29%、水71%から成る。
L−アスコルビン酸の市販品としては、BASFジャパン株式会社製の日本薬局方アスコルビン酸等を使用することができる。
アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム塩の市販品としては、昭和電工株式会社製のアスコルビン酸PM、日本サーファクタント工業株式会社製のNIKKOLVC−PMG等を使用することができる。アスコルビン酸2−グルコシドの市販品としては、株式会社林原製のアスコルビン酸2−グルコシド等を例示できる。
トラネキサム酸の市販品としては、第一三共株式会社製のトラネキサム酸を例示できる。
両親媒性ビタミンとしては、トコフェリルリン酸ナトリウム、パルミチン酸アスコルビルリン酸3ナトリウム等を例示できる。
アントシアニンは、植物界において広く存在する色素、アントシアン (anthocyan (果実や花の赤、青、紫を示す水溶性色素の総称)) のうち、アントシアニジン(anthocyanidin) がアグリコンとして糖や糖鎖と結びついた配糖体成分のことである。天然系色素としての利用以外にも、抗酸化作用、末梢血管の病気の治療や尿路感染予防機能などの有効な薬理学的性質が見いだされており、食品、医薬品、医薬部外品、化粧品などに幅広く使用されている。アントシアニンは、アントシアニンを含有する植物、例えばクランベリー、ビルベリー、ブルーベーリーやカシスなどの果実、果汁、花弁、葉部などを凍結乾燥法、熱風乾燥法などの常法により乾燥し、粉末としたもの、あるいは前記果実、果汁、花弁、葉部などから常法により抽出して得ることができる。
ハイドロキノンは、ハイドロキノン誘導体でもよく、ハイドロキノン誘導体としては、ハイドロキノンと糖の縮合物、ハイドロキノンに炭素数1〜4のアルキル基を一つ導入したアルキルハイドロキノンと糖の縮合物等があり、例えばアルブチン等が挙げられる。
エステル油としては、例えば、エチルヘキサン酸セチル、ジイソノナン酸1,3−ブチレングリコール、ジ2−エチルヘキサン酸1,3−ブチレングリコール、ジイソノナン酸ジプロピレングリコール、ジ2−エチルヘキサン酸ジプロピレングリコール、イソノナン酸イソノニル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリカプリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、パルミチン酸エチルヘキシル、ネオペンタン酸イソステアリル等が挙げられる。
油脂類としては、例えば、ツバキ油、月見草油、マカデミアナッツ油、オリーブ油、ナタネ油、トウモロコシ油、ゴマ油、ホホバ油、胚芽油、小麦胚芽油等の液体油脂、カカオ脂、ヤシ油、硬化ヤシ油、パーム油、パーム核油、モクロウ、モクロウ核油、硬化油、硬化ヒマシ油等の固体油脂、ミツロウ、キャンデリラロウ、綿ロウ、ヌカロウ、ラノリン、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ等のロウ類が挙げられる。
炭化水素類としては、例えば、流動パラフィン、スクワレン、スクワラン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)等が挙げられる。
高級アルコールとしては、例えば、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール等の直鎖アルコール、モノステアリルグリセリンエーテル、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、オクチルドデカノール等の分枝鎖アルコール等が挙げられる。
シリコーン油として、例えば、鎖状ポリシロキサンのジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等、環状ポリシロキサンのデカメチルシクロペンタシロキサン、シクロペンタシロキサン、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー等が挙げられる。
保湿剤としては、グリセリン、ジグリセリン、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ペンチレングリコール等が挙げられる。
塩類としては、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム等が挙げられる。
界面活性剤としては、ラウリルPEG−10ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ポリシリコーン−13等のシリコーン系界面活性剤が挙げられる。
pH調製剤としては、クエン酸、クエン酸ナトリウム、リン酸、リン酸ナトリウム、リン酸二水素カリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
防腐剤としては、フェノキシエタノール、パラベン等が挙げられる。
セラミドとしては、セチルPGヒドロキシエチルパルミタイド、セレブロシド等が挙げられる。
以下に実施例、比較例のW/O/W型乳化組成物を用いた試験例により、本発明の特徴と効果をさらに詳細に説明する。
(1)W/O/W型乳化組成物の調製方法
前述のとおり、本発明においては、まず、W/O/W型乳化組成物の内相となるW/O
型乳化組成物(一次乳化物)を調製し、次にW/O型乳化組成物(一次乳化物)を、界面
活性剤を含む水相に投入しW/O/W型乳化組成物を調製する。
表1に示す油相と水相をそれぞれ別に80℃に加熱して溶解させ、十分に攪拌・混合後、
水相を油相へ添加し、ホモミキサーで6000rpm、2分間攪拌して乳化し、その後、攪拌しながら室温まで冷却して、W/O型の一次乳化物を調製する。
次いで、表2に示す組成の外水相の各成分を混合し、80℃に加熱しながら十分に攪拌
溶解する。次に、先に調製しておいた一次乳化物を50℃まで再加温し、外水相に投入し
て撹拌乳化し、その後、攪拌しながら室温まで冷却して、W/O/W型乳化組成物を調製
する。
乳化組成物(W/O/W型乳化組成物)について、乳化状態、粘度、安定性の評価を下
記基準により行った。
OLYMPUS社製のシステム偏光顕微鏡BX−50−33P−Dを用いて乳化組成物を倍率400で観察し、下記の基準で乳化状態を判定した。
○;W/O/W型を均一に形成している
△;W/O/W型を形成しているが粒子径が均一でない
×;W/O/W型がほとんど形成されていないか、全く形成されていない
乳化組成物を直径約3cmのガラス容器に充填し25℃に保存して、翌日に粘度を測定
(B型粘度計、4号ローター、12rpm、30秒)した。
乳化組成物を、それぞれ直径約3cmのガラス容器に充填し、25℃、40℃、50℃
の恒温室に保存して、30日後に乳化状態を顕微鏡観察し、乳化安定性を以下の基準によ
り評価した。
(各温度での評価基準)
○:ほぼ、温度試験開始前に観察されたW/O/W型を維持している
△:W/O/W型を形成しているが粒子径が均一でない(合一がみられる)
×:W/O/W型がほとんど形成されていないか、全く形成されていない
表1の組成の多価アルコールのポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)エステルを含有
する油相と内水相から成るW/O型乳化物(一次乳化物1)を、ジ脂肪酸アシルグルタミ
ン酸リシン塩を含む水相に投入して乳化した表2に示す実施例の乳化組成物は、W/O/
W型を均一に形成していることが顕微鏡観察により確認できた(図1)。実施例のW/O/
W型乳化組成物を25℃、40℃、50℃の恒温室に保存して、30日後に乳化状態を顕
微鏡観察したところ、ほぼ、温度試験開始前に観察されたW/O/W型を維持していた。
図2は実施例のW/O/W型乳化組成物を25℃で30日間保管後の乳化状態(安定性)
を観察した画像である。図3は実施例のW/O/W型乳化組成物を50℃で30日間保管
後の乳化状態(安定性)を観察した画像である。いずれの画像でも、きれいにW/O/W
型が維持できていることが確認できた。
一方、表1の組成の多価アルコールのポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)エステルを含有する油相と内水相から成るW/O型乳化物(一次乳化物1)を、表2に示す比較例
の組成で調製した乳化組成物は、温度試験開始前の観察では図4に示すようにW/O/W
型乳化組成物を形成していることが確認できたが、高温(50℃)で30日保管後に観察
したところ、図6に示すように温度試験開始前のW/O/W型乳化状態が維持できておら
ず、O/W型の乳化物となっていた。比較例のW/O/W型乳化組成物は粘度が2110
0mPa・sと比較的高いが、高温保存によって合一が生じたものと考えられる。比較例の
W/O/W型乳化組成物は、製品移送時などの高温となる環境下では、製品の安定性が不
良になり、十分な品質保証が得られないことがわかった。
次に各種組成の一次乳化物2−10を調製し、この一次乳化物を用いた、実施例2−11、比較例2−10のW/O/W型乳化組成物を調製し、さらに試験1と同様に安定性試験を実施した。この結果に基づき、さらに本発明の特徴と効果を説明する。
(1)W/O/W型乳化組成物の調製方法
W/O/W型乳化組成物の内相となるW/O型乳化組成物として一次乳化物2−10を調製し、試験例1と同様にして一次乳化物を、界面活性剤を含む水相に投入しW/O/W型乳化組成物を調製する。
表3に示す油相と水相をそれぞれ別に80℃に加熱して溶解させ、十分に攪拌混合後、水相を油相へ添加し、ホモミキサーで6000rpm、2分間攪拌して乳化し、その後、攪拌しながら室温まで冷却して、W/O型の一次乳化物2−10を調製する。
なお一次乳化物2〜6は多価アルコールのポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)エステルを含む組成であり、一次乳化物7〜10は多価アルコールのポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)エステルを含まない組成である。
次いで、表4−1(実施例2〜10)、表4−2(比較例2〜10)に示す組成となるように外水相の各成分を混合し、80℃に加熱しながら十分に攪拌溶解する。次に、先に調製しておいた一次乳化物を50℃まで再加温し、外水相に投入して撹拌乳化し、その後、攪拌しながら室温まで冷却して、実施例2〜11の多価アルコールのポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)エステルの濃度を変えたW/O/W型乳化組成物を調製した。
比較例4〜8は多価アルコールのポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)エステルを含有しない一次乳化物7〜9を配合し、多価アルコールのポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)エステルを含有しないW/O/W型乳化組成物を調製したもので、多価アルコールのポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)エステルの安定性に及ぼす効果を確認するために行った。また比較例9、10は多価アルコールのポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)エステルを含有するがジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウムを含有しない場合の乳化組成物の安定性を確認したものである。
各乳化組成物(W/O/W型乳化組成物実施例2−11、比較例2−10)について、乳化状態、粘度、安定性の評価を下記基準により行った。
OLYMPUS社製のシステム偏光顕微鏡BX−50−33P−Dを用いて乳化組成物を倍率400で観察し、下記の基準で乳化状態を判定した。
○:W/O/W型を均一に形成している
△:W/O/W型を形成しているが粒子径が均一でない
×:W/O/W型がほとんど形成されていないか、全く形成されていない
乳化組成物を直径約3cmのガラス容器に充填し25℃に保存して、翌日に粘度を測定(B型粘度計、4号ローター、12rpm、30秒)した。
乳化組成物を、直径約3cmのガラス容器に充填し、25℃、40℃、50℃の恒温室にそれぞれ保存して、30日後に乳化状態を顕微鏡観察し、乳化安定性を以下の基準により評価した。
(各温度での評価基準)
○:温度試験開始前に観察されたW/O/W型を維持している
△:W/O/W型を形成しているが粒子径が均一でない(合一がみられる)
×:W/O/W型がほとんど形成されていないか、全く形成されていない
表3の組成の多価アルコールのポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)エステルを含有する油相と内水相から成るW/O型乳化物(一次乳化物2−9)を、ジ脂肪酸アシルグルタミン酸リシン塩を含む水相に投入して乳化した表4−1に示す実施例2−11の乳化組成物は、W/O/W型を均一に形成していることが顕微鏡観察により確認できた。実施例2−11のW/O/W型乳化組成物を25℃、40℃、50℃の恒温室にそれぞれ保存して、30日後に乳化状態を顕微鏡観察したところ、ほぼ、温度試験開始前に観察されたW/O/W型を維持していた。
一方、表3の組成の多価アルコールのポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)エステルを含有しないW/O型乳化物(一次乳化物7−10)を、表4−2に示す比較例2−8の組成で調製した乳化組成物は、温度試験開始前の観察では一部の組成物はW/O/W型乳化組成物を形成していることが確認できたが、高温(50℃)で30日保管後に観察したところ、W/O/W型乳化状態が維持できておらず、O/W型の乳化物となっていた。比較例のW/O/W型乳化組成物は、製品移送時などの高温となる環境下では、製品の安定性が不良になり、品質保証が十分得られないことが明らかであった。また表3の一次乳化物で多価アルコールのポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)エステルを含有する組成物を配合してもジラウロイルグルタミン酸リシンを含有しない比較例9、10の組成物はW/O/W型乳化組成物は形成するが高温での長期間安定性が不良であった。
このW/O/W型乳化組成物は、高温(50℃)の環境下でも保存安定性に優れているので製品移送時などの高温となる環境下でも品質低下が無く、様々な化粧料に応用できる。
〔処方例1〕
(1)乳液の処方
成分 配合量(質量%)
1.ジ脂肪酸アシルグルタミン酸リシン塩(ペリセアL−30) 0.5
2.ヒドロキシエチルセルロース 0.1
3.グリセリン 4
4.ペンチレングリコール 2
5.1,3−ブチレングリコール 5
6.フェノキシエタノール 0.2
7.精製水 残余
8.一次乳化物1の油中水型乳化組成物 30
成分1〜7を混合し、80℃に加熱する。先に調製しておいた成分8を50℃に加温し、成分1〜7に投入しホモミキサーで撹拌する。その後、室温まで冷却しW/O/W型乳化組成物を調製する。
(2)特性
本処方の乳液は保存安定性に優れていた。べたつきがなく優れた使用感であった。
(1)クリームの処方
成分 配合量(質量%)
1.ジ脂肪酸アシルグルタミン酸リシン塩(ペリセアL−30) 1.5
2.(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)
コポリマー 2.5
3.グリセリン 5
4.ペンチレングリコール 2
5.1,3−ブチレングリコール 3
6.フェノキシエタノール 0.2
7.精製水 残余
8.一次乳化物1の油中水型乳化組成物 30
成分1〜7を混合し、80℃に加熱する。先に調製しておいた成分8を50℃に加温し、成分1〜7に投入しホモミキサーで撹拌する。その後、室温まで冷却しW/O/W型乳化組成物を調製する。
(2)特性
本処方のクリームは保存安定性に優れていた。べたつきがなく優れた使用感であった。
Claims (4)
- 多価アルコールのポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)エステルを含有する油相と内
水相から成るW/O型乳化物が、ジ脂肪酸アシルグルタミン酸リシン塩を含有する外水相
に分散したW/O/W型乳化組成物。 - 多価アルコールのポリ(12−ヒドロキシステアリン酸)エステルがポリエチレングリ
コールのジ(12−ヒドロキシステアリン酸)エステルを含む請求項1記載のW/O/W
型乳化組成物。 - ジ脂肪酸アシルグルタミン酸リシン塩が、ジラウロイルグルタミン酸リシン塩、ジミリ
ストイルグルタミン酸リシン塩、ジステアロイルグルタミン酸リシン塩、ジリノレオイル
グルタミン酸リシン塩から選ばれる一種以上である請求項1又は2に記載のW/O/W型
乳化組成物。 - 化粧料である請求項1〜3のいずれかに記載のW/O/W型乳化組成物。
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