JP2014196042A - 駐車アシスト装置 - Google Patents

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和宏 久野
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Abstract

【課題】ユーザに煩雑な操作を強いることなくユーザの意思を反映して駐車をアシストすること。【解決手段】カメラ60の出力する画像データに基づき、CPU32では、車両10を駐車することのできる駐車可能領域を検出し、それらの中から目標駐車領域を設定する。目標駐車領域を設定すると、車両10が目標駐車領域に向けて走行するうえで推奨される領域を区画し、この領域から逸脱しようとする場合、車両10の駆動力を低減する。ユーザが推奨される領域から逸脱しようとしてアクセルペダル50の操作を継続する場合、目標駐車領域を変更し、その旨を通知する。【選択図】図1

Description

本発明は、駐車アシスト装置に関する。
たとえば下記特許文献1には、車両の現在位置から目標駐車領域までの走行軌跡を求め、その走行軌跡に沿って車両を走行させることにより、車両を目標駐車領域まで自動制御するものが提案されている。
特開2010−018074号公報
ただし、上記装置では、車両を自動制御によって走行させるため、特に駐車領域が複数ある場合には、どの駐車領域に駐車するかを予め決定する必要がある。ここで、どの駐車領域に駐車すべきかの設定をユーザに強いる場合には、ユーザの行うべき操作が煩雑化するという問題点があった。
本発明は、上記問題点を解決する過程でなされたものであり、その目的は、ユーザに煩雑な操作を強いることなくユーザの意思を反映して駐車をアシストすることのできる駐車アシスト装置を提供することにある。
課題を解決するための手段および発明の効果
請求項1記載の駐車アシスト装置では、目標駐車領域までユーザが車両を走行させるアシストがなされているときにおいて、判断手段によって目標駐車領域がユーザの意図した領域か否かを判断する。そして、目標駐車領域がユーザの意図した領域ではないと判断されることを条件に、目標変更手段によって目標駐車領域が変更され、推奨変更手段によって推奨走行領域が、変更された目標駐車領域に応じたものに変更される。そしてこの新たな推奨走行領域内を走行するようにアシストがなされるため、一旦定められた目標駐車領域がユーザの意図した領域と相違する場合であっても、これを改め、ユーザの意思を反映して駐車をアシストすることができる。さらに、目標駐車領域や推奨走行領域の変更に伴い、その旨をユーザに通知することで、アシストを変更することをユーザに知らせることができるため、アシストの変更によってユーザが混乱する事態を好適に回避することができる。
請求項2記載の駐車アシスト装置では、ゲイン低下手段を備えるため、車両が推奨走行領域を逸脱しようとする場合、アクセル操作手段の操作量の割に車両の駆動トルクが低下する。これにより、車両が推奨走行領域の境界に近づく際の車両の走行速度を抑制できるため、請求項1記載の駐車アシスト装置の効果に加えて、推奨走行領域から逸脱しようとする走行状態をユーザが余裕を持って改善することが可能となるという効果や、車両が推奨走行領域から逸脱する事態を抑制することができるという効果を奏する。さらに、アクセル操作手段の操作の割に駆動トルクが低下することをユーザに体感させることで、ユーザの行っている操作が適切な操作でないことを気づかせることができるという効果を奏する。
請求項3記載の駐車アシスト装置では、制限手段によって、車両が推奨走行領域から逸脱可能なものにゲインの低下度合いが制限されるため、ユーザが車両を推奨走行領域から逸脱させることが容易となる。そして、逸脱しようとする度合いが規定値以上となることを条件に目標駐車領域がユーザの意図した領域ではないと判断することで、請求項2記載の駐車アシスト装置の効果に加えて、ユーザの意図を好適に反映することができる。さらに、逸脱しようとする度合いが規定値以上となることでゲインの低下度合いを緩和することで、目標駐車領域の変更がなされることを、ユーザにゲインの変化を体感させることにより通知することができる。
請求項4記載の駐車アシスト装置では、推奨走行領域からの逸脱度合いが大きくなることで、ゲインの低下度合いを徐々に緩和して最終的にゲインの低下を解消する。これにより、請求項3記載の駐車アシスト装置の効果に加えて、推奨走行領域が変更されたときにゲインが急変する事態を回避することができるという効果を奏する。
請求項5記載の駐車アシスト装置では、推奨走行領域が変更されるときに該変更される推奨走行領域から車両が逸脱しようとしてゲイン低下手段によるゲイン低下処理がなされる場合、推奨走行領域の変更に伴ってゲインが急低下し、ひいては車両にショックが生じるおそれがあることに着目する。この点に鑑み、推奨走行領域が変更されるときに該変更される推奨走行領域から車両が逸脱しようとしてゲイン低下手段によるゲイン低下処理がなされると判断される場合、ゲインの低下度合いを漸減する処理を制限する。これにより、請求項4記載の駐車アシスト装置の効果に加えて、推奨走行領域の変更に伴ってゲインが急低下する事態を回避することができるという効果を奏する。
請求項6記載の駐車アシスト装置では、目標駐車領域に車両を駐車すべくユーザが車両を走行させる際に車両が推奨走行領域から外れうるため、推奨走行領域に沿った模範的な走行がなされない場合に直ちに目標駐車領域を変更したのでは、アシストを十分に行うことができないおそれがあることに着目する。この点に鑑み、ユーザが推奨走行領域から車両を逸脱させようとする操作を継続する場合に、目標駐車領域がユーザの意図した領域ではないと判断することで、請求項1または2記載の駐車アシスト装置の効果に加えて、推奨走行領域内を走行することをアシストすることと、目標駐車領域がユーザの意図した領域ではない場合にアシストを改めることとの好適な両立を図ることができるという効果を奏する。
請求項7記載の駐車アシスト装置では、抵抗増大手段を備えるため、車両が推奨走行領域を逸脱しようとする場合、ユーザは、アクセル操作手段の操作や舵角操作手段の操作に抵抗を感じる。このため、請求項1から6のいずれか1項に記載の駐車アシスト装置の効果に加えて、アクセル操作手段の操作や舵角操作手段の操作に際して抵抗を体感することで適切な操作でないことを気づかせることができるという効果を奏する。また、抵抗を付与しない場合と比較して車両を推奨走行領域から逸脱させる操作が困難となることから、車両が推奨走行領域から逸脱することを抑制することができるという効果を奏する。
請求項8記載の駐車アシスト装置では、複数の推定可能領域がある場合、舵角情報に基づき推定手段によってユーザがいずれの領域に駐車するつもりかを推定し、この推定される領域を目標駐車領域として推奨走行領域を設定することで、ユーザが駐車可能領域まで走行するのをアシストする。ここで、車両の舵角は、ユーザが駐車するつもりの領域と相関を有するパラメータであると考えられる。このため、舵角情報を用いることで、請求項1から7のいずれか1項に記載の駐車アシスト装置の効果に加えて、ユーザの意図する領域を好適に推定することができるという効果を奏する。また、こうして推定された領域に駐車するうえで推奨される領域内を車両が走行するようにアシストすることで、ユーザの意思を好適に反映しつつ駐車をアシストすることができるという効果を奏する。
請求項9記載の駐車アシスト装置では、禁止手段を備えることで、目標駐車領域や推奨走行領域を変更することで車両が障害物と接触するおそれがあると判断する場合、判断手段がユーザの意図した領域でないと判断されるか否かにかかわらず、目標駐車領域等の変更を禁止する。これにより、請求項1から8のいずれか1項に記載の駐車アシスト装置の効果に加えて、目標駐車領域の変更をより適切に行うことができるという効果を奏する。
第1の実施形態にかかるシステム構成図。 セーフティーゾーン算出処理の手順を示す流れ図。 セーフティーゾーンを例示する図。 アクセル操作ゲイン低下処理の手順を示す流れ図。 注意領域侵入度および禁止領域侵入度のそれぞれと反力との関係を示す図。 操舵アシスト処理の手順を示す流れ図。 駐車アシスト処理の手順を示す流れ図。 仮想ガイドを示す図。 ユーザの意図する駐車領域の推定手法を示す図。 目標駐車領域変更許可判定処理の手順を示す流れ図。 乗り越え用反力の設計コンセプトを示す図。 乗り越え用反力の特性を示す図。 仮想ガイドの変更処理を示す図。 第2の実施形態にかかる乗り越え用反力の特性を示す図。 第3の実施形態にかかる駐車アシスト処理の手順を示す流れ図。 上記各実施形態の変形例にかかる乗り越え用反力の特性を示す図。
<第1の実施形態>
以下、本発明にかかる駐車アシスト装置の第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施形態のシステム構成を示す。
本実施形態では、車両10として4輪車を想定しているが、図の上方においては、そのうちの操舵輪としての一対の車輪12のみを図示している。車輪12は、アクチュエータ14によって操舵される。アクチュエータ14は、操舵制御部16からの指令信号に基づき駆動されるものである。操舵制御部16には、ユーザが操舵を行うべく操作するハンドル18が接続されている。操舵制御部16は、ユーザによって操作されたハンドル18の舵角(ステアリング舵角θc)に基づき、操舵輪としての車輪12の舵角(操舵輪舵角θ)を操作するための指令信号をアクチュエータ14に出力する。すなわち、本実施形態にかかる操舵装置は、ステアバイワイヤである。ここで、ハンドル18は基準位置が定まっており、基準位置からの回転量によってステアリング舵角θcが定義される。そして、操舵制御部16では、ステアリング舵角θcに基づき、操舵輪舵角θを制御する。ちなみに、本実施形態では、操舵輪舵角θを、一対の車輪12の回転軸に直交する軸である操舵軸dtaと、車両10の前後軸fbaとのなす角度と定義する。また、ステアリング舵角θcは、ハンドル18の回転量の値ではなく、ハンドル18の回転量に応じて定まる操舵輪舵角θの値とする。
車両10は、さらに、車載主機としての電動機を内蔵した主機ユニット20を備えている。主機ユニット20は、その回転力を駆動輪に出力するものである。なお、駆動輪は、操舵輪と同一でもよく、また異なっていてもよい。
制御装置30は、車両の走行をアシストする機能を有した電子制御装置である。制御装置30は、中央処理装置(CPU)32や、ランダムアクセスメモリ(RAM)34、不揮発性メモリ36等を備えている。ここで、不揮発性メモリ36は、給電の有無にかかわらずデータを記憶保持するメモリであり、たとえばROMやフラッシュメモリ等からなる。
制御装置30には、ハンドル18の変位を検出することでステアリング舵角θcを検出する舵角センサ40の出力値や、アクセルペダル50の操作量ACCPを検出するアクセルセンサ52の出力値等が入力される。また、制御装置30は、車両10の周囲の画像データを生成するカメラ60の出力値を取り込む。
制御装置30は、上記各センサの出力値やカメラ60の出力値に基づき、車両10の走行をアシストすべく、主機ユニット20や操舵制御部16を操作する。すなわち、主機ユニット20にトルク指令値Trq*を出力することで、主機ユニット20に、内蔵の電動機のトルクをトルク指令値Trq*に制御させる。また、ハンドル抵抗Tsを操舵制御部16に出力することで、ハンドル18の操作にハンドル抵抗Tsを付与させる。
制御装置30の上記アシスト機能は、基本的には、アクセルペダル50の操作によって車両の駆動に対する要求トルクが指示されたり、ハンドル18が操作されることで車両10の走行方向が指示されたりして、車両10がユーザによって運転されているときにおいて、その走行が適切なものとならない事態を回避するためにアシスト処理を実行する機能である。このアシスト処理は、具体的には、車両10の周囲にセーフティーゾーンを設け、セーフティーゾーンに障害物等が侵入する事態となった場合に、その事態を解消するためのアシストを行うというものである。
図2に、セーフティーゾーンの算出処理の手順を示す。この処理は、制御装置30によって、たとえば所定周期で繰り返し実行される。詳しくは、この処理は、不揮発性メモリ36に記憶されたプログラムをCPU32が実行することで行われる。
この一連の処理では、まずS10において、操舵輪舵角θを取得する。なお、本実施形態では、操舵制御部16によって操舵輪舵角θがステアリング舵角θcに制御されるため、操舵輪舵角θの値は、舵角センサ40の出力値に基づくステアリング舵角θcによって代用される。次に、操舵輪舵角θに基づき、注意領域CAおよび禁止領域PAを順次算出する(S12,S14)。ここで、禁止領域PAは、図3に示すように、車両10を包含する領域である。これに対し、注意領域CAは、禁止領域PAの周囲の領域である。詳しくは、本実施形態では、禁止領域PAは、車両10が現在の操舵輪舵角θで規定距離だけ前進した場合に車両10が占有する領域と後退した場合に車両10が占有する領域との和集合とする。また、注意領域CAは、車両10が現在の操舵輪舵角θで規定距離よりも長い所定距離だけ前進した場合に車両10が占有する領域と後退した場合に車両10が占有する領域との和集合から禁止領域PAを除いた領域とする。
続いてCPU32は、上記カメラ60(図1参照)の出力値に基づき、車両10の周囲の障害物等を検出する(図2のS16)。そしてCPU32は、障害物の検出結果に基づき、車両10や障害物等の位置を、制御装置30の認識する所定の座標上にプロットすることで、車両10の走行可能領域を設定する(S18)。ここで、走行可能領域は、障害物を含まない領域である。また、車線がある場合、反対車線を含まない領域である。車線については、S16の処理におけるカメラ60の出力値を用いて把握することができる。ちなみに、走行可能領域の設定処理は、実際には、障害物や反対車線等、走行不可能な領域を設定(記憶)する処理としてもよい。これによって、走行可能領域は、走行不可能な領域として設定(記憶)されている領域以外の領域として定義されることとなる。
なお、CPU32は、走行可能領域の設定処理が完了する場合(S18)、この一連の処理を一旦終了する。
このように、注意領域CA、禁止領域PA、走行可能領域を設定することで、走行可能領域から注意領域CAや禁止領域PAが逸脱する場合、車両10が走行可能領域から逸脱しようとしていると判断することができる。そして、車両10が走行可能領域から逸脱しようとしている場合、車両10が走行可能領域内を走行するようにアシストすることが可能となる。以下、アシスト処理について詳述する。
図4に、本実施形態にかかるアシスト処理の1つであるアクセル操作ゲイン低下処理の手順を示す。この処理は、走行可能領域から逸脱しようとする車両10の走行状態をユーザが余裕を持って改善することを可能とすることなどを狙ったものである。この処理は、制御装置30によって、たとえば所定周期で繰り返し実行される。詳しくは、この処理は、不揮発性メモリ36に記憶されたプログラムをCPU32が実行することで行われる。
この一連の処理では、CPU32は、上記カメラ60(図1参照)の出力値に基づき、たとえば注意領域CAに障害物が侵入する度合い等、注意領域CAが走行可能領域から逸脱する度合いを定量化した注意領域侵入度DCAを算出する(S20)。注意領域侵入度DCAは、たとえば、注意領域CA内部における走行が可能でない領域の任意の点と、注意領域CAの境界との距離についての最大値とすればよい。
続いてCPU32は、上記カメラ60(図1参照)の出力値に基づき、たとえば禁止領域PAに障害物が侵入する度合い等、禁止領域PAが走行可能領域から逸脱する度合いを定量化した禁止領域侵入度DPAを算出する(S22)。禁止領域侵入度DPAは、たとえば、禁止領域PA内部における走行が可能でない領域の任意の点と、禁止領域PAの境界との距離についての最大値とすればよい。
続いてCPU32は、注意領域侵入度DCAや禁止領域侵入度DPAに基づき、アクセルペダル50の操作量ACCPに対する車両10の駆動力の比であるゲインを低下させるための反力Trqrを算出する(S24)。詳しくは、図5(a)に示す注意領域侵入度DCAと反力Trqrとの関係や、図5(b)に示す禁止領域侵入度DPAと反力Trqrとの関係に基づき反力Trqrを算出する。
図5(a)は、注意領域侵入度DCAが大きくなるにつれて反力Trqrが漸増する関係を示している。詳しくは、反力Trqrが注意領域侵入度DCAに比例する関係を示している。また、図5(b)は、反力Trqrが最大値Trqmaxとなるまでの間、禁止領域侵入度DPAが大きくなるにつれて反力Trqrが漸増する特性を示している。詳しくは、反力Trqrが最大値Trqmaxとなるまでの間、反力Trqrが禁止領域侵入度DPAに比例する関係を示している。図5(a)に示す注意領域侵入度DCAと反力Trqrとの関係や、図5(b)に示す禁止領域侵入度DPAと反力Trqrとの関係は、マップとして不揮発性メモリ36に予め記憶されている。
なお、注意領域CAおよび禁止領域PAの双方が走行可能領域から逸脱している場合、注意領域侵入度DCAに応じた反力Trqrと、禁止領域侵入度DPAに応じた反力Trqrとの合計を、反力Trqrとすればよい。またこれに代えて、注意領域侵入度DCAに応じた反力Trqrと、禁止領域侵入度DPAに応じた反力Trqrとのうち、大きい方を採用してもよい。
こうして反力Trqrを算出すると、CPU32は、アクセルペダル50の操作量ACCPに基づき、ユーザが要求する駆動トルク(ユーザ要求トルクTrqc)を算出する(S26)。続いて、ユーザ要求トルクTrqcから反力Trqrを減算することで、指令トルクTrq*を算出する(S28)。これにより、ユーザ要求トルクTrqcに対する指令トルクTrq*の比は、反力Trqrが大きいほど小さくなる。ここで、ユーザ要求トルクTrqcは、アクセルペダルの操作量ACCPによって必ずしも一義的に定まるものとする必要はないが、アクセルペダルの操作量ACCPとユーザ要求トルクTrqcとの間には、正の相関がある。このため、アクセルペダルの操作量ACCPに対する指令トルクTrq*の比(ただし、アクセルペダル50が解放されているときの基準となる操作量ACCPである操作量ACCPの最小値をゼロよりも大きい値と定義する)であるゲインは、指令トルクTrq*を定めるうえでの条件が走行可能領域から逸脱しようとしている度合いを除いて同一なら、反力Trqrが大きいほど低下する。そして、注意領域侵入度DCAと反力Trqrとの間に上述した関係があることから、アクセルペダルの操作量ACCPに対する指令トルクTrq*の比であるゲインは、指令トルクTrq*を定めるうえでの条件が走行可能領域から逸脱しようとしている度合いを除いて同一なら、注意領域侵入度DCAが大きくなるにつれて漸減する。同様に、禁止領域侵入度DPAと反力Trqrとの間に上述した関係があることから、アクセルペダルの操作量ACCPに対する指令トルクTrq*の比であるゲインは、指令トルクTrq*を定めるうえでの条件が走行可能領域から逸脱しようとしている度合いを除いて同一なら、禁止領域侵入度DPAが大きくなるにつれて漸減する。
なお、S28の処理では、ユーザ要求トルクTrqcを絶対値として扱っており、反力Trqrについても絶対値を扱っている。これにより、この図4に示す処理に限っては、指令トルクTrq*は、要求トルクTrqcと同一符号の場合に正となる値とされている。指令トルクTrq*は、反力Trqrがユーザ要求トルクTrqcを上回らない限り、ゼロ以上の値となる。ただし、禁止領域侵入度DPAに応じて定まる反力Trqrの最大値Trqmax(図5(b))は、ユーザ要求トルクTrqcの絶対値の最大値を上回る値に設定されている。このため、指令トルクTrq*は、負となりうる。換言すれば、ユーザ要求トルクTrqcとは逆符号となりうる。そしてこの場合、ゲインの符号も負となる。
ちなみに、反力Trqrを用いた指令トルクTrq*の算出は、注意領域侵入度DCAや禁止領域侵入度DPAが増加する方向に車両10を走行させようとしている場合に行われる。すなわち、先の図5に示した関係からすれば反力Trqrがゼロよりも大きい値を有する場合であっても、注意領域侵入度DCAや禁止領域侵入度DPAを減少させる方向に車両10を走行させようとしている場合には、反力Trqrをトルク指令値Trq*の算出に使用しない。これは、車両10が走行可能領域から逸脱しようとする状態をユーザが改善しようとしている場合に、反力Trqによって改善の試みが妨げられる事態を回避するためである。
CPU32は、指令トルクTrq*を算出すると、車両10の走行速度(車速Vv)がゼロであって且つ、指令トルクTrq*が車速Vvをゼロに保つ上で必要な値である下限トルクTrqthよりも小さいか否かを判断する(S30)。ここで、下限トルクTrqthは、車両10の路面の勾配等に基づきCPU32によって算出される。すなわち、たとえば、路面の勾配がゼロである場合には、下限トルクTrqthをゼロとすればよい。またたとえば、路面が上り坂である場合には、車両10が上り坂で停止可能なトルクとすればよい。なお、路面の勾配の検出手法については周知のため、勾配を検出するためのセンサ等についての説明は省略する。
CPU32は、指令トルクTrq*が下限トルクTrqthよりも小さいと判断する場合(S30:Yes)、指令トルクTrq*を下限トルクTrqthとする(S32)。これにより、指令トルクTrq*には、下限トルクTrqthによって下限ガード処理が施されることとなる。この処理は、アクセル操作ゲイン低下処理によって車両10の進行方向が、ユーザの意図していた方向とは反転する状況を回避するためのものである。すなわち、本実施形態にかかるアクセル操作ゲイン低下処理は、車両10がユーザの意図する方向とは逆方向に変位することを回避するという制約のもとで、アクセルペダル50の操作量ACCPに対する指令トルクTrq*の比であるゲインを低下させるものである。
なおCPU32は、指令トルクTrq*が下限トルクTrqth以上であると判断する場合(S30:No)や、指令トルクTrq*に対する下限ガード処理を施した場合(S32)にはこの一連の処理を終了する。
本実施形態では、アシスト処理として、さらに、操舵のアシスト処理をも実行する。
図6に、操舵アシスト処理の手順を示す。この処理は、制御装置30によって、たとえば所定周期で繰り返し実行される。詳しくは、この処理は、不揮発性メモリ36に記憶されたプログラムをCPU32が実行することで行われる。
この一連の処理では、CPU32は、まずS40において、上記舵角センサ40(図1参照)の出力値を取り込むことで、ステアリング舵角θcを取得する。続いてCPU32は、上記カメラ60(図1参照)の出力値に基づき、車両10が走行可能領域内を走行するうえで許容される舵角の範囲である許容舵角範囲を算出する(S42)。次に、ステアリング舵角θcが許容舵角範囲内にあるか否かを判断する(S44)。そしてCPU32は、許容舵角の解が存在するにもかかわらず許容舵角範囲内にないと判断する場合(S44:No)、ステアリング舵角θcが許容舵角範囲から離脱する度合いである離脱度Δθを算出する(S46)。なお、S44においては、S42における処理において許容舵角範囲の解がない場合には、肯定判断されることとする。
CPU32は、離脱度Δθの算出処理が完了すると、操舵制御部16を操作することでハンドル18に抵抗を付与する処理であるハンドル抵抗Tsの付与処理を実行する(S48)。この処理は、ハンドル18が離脱度Δθを大きくする側に変位することに対し抵抗を付与する処理とする。本実施形態では、ハンドル抵抗Tsは、離脱度Δθが大きくなるにつれてハンドル抵抗Tsが漸増する設定としている。具体的には、ハンドル抵抗Tsを、離脱度Δθに比例させている。ちなみに、ハンドル抵抗Tsは、アシストのためにあえて付与する抵抗力の値を示しており、ハンドル抵抗Tsがゼロである場合にハンドル18の操作に要する力が略ゼロであることを意味していない。
なおCPU32は、ハンドル抵抗Ts付与処理が完了する場合(S48)や、ステアリング舵角θcが許容舵角範囲内にあるか許容舵角範囲の解がない場合(S44:Yes)には、この一連の処理を一旦終了する。
上記ゲイン低下処理や操舵アシスト処理によれば、ユーザが車両10を運転するに際し、障害物等に誤って衝突する事態を回避するアシストを行うことができる。ところで、先の図2に示した処理によって設定される走行可能領域は、車両10が障害物に衝突したり、車両10が車線を乗り越えて反対車線に入ったりすることを回避するための領域としてのみならず、制御装置30側で推奨する領域として用いることができる。そこで本実施形態では、ユーザが駐車場において車両10を駐車するに際して、車両10が走行することを推奨する領域(推奨走行領域)として走行可能領域を設定することで、駐車をアシストする処理をも行う。以下、これについて詳述する。
図7に、駐車アシスト処理の手順を示す。この処理は、制御装置30によって、たとえば所定周期で繰り返し実行される。詳しくは、この処理は、不揮発性メモリ36に記憶されたプログラムをCPU32が実行することで行われる。
この一連の処理では、まずCPU32は、駐車可能領域を検出する処理を行う(S50)。この処理は、カメラ60の出力値に基づき、車両10の周囲の画像データを解析することで行うことができる。なお、この処理は、車速Vvが規定速度以下の低速度となっているときに限って行ってもよい。続いて、CPU32は、上記検出する処理の結果に基づき、駐車可能領域があるか否かを判断する(S52)。そしてCPU32は、駐車可能領域がないと判断する場合(S52:No)、この一連の処理を一旦終了する一方、駐車可能領域があると判断する場合(S52:Yes)、駐車可能領域に駐車するうえで走行することが推奨される領域(推奨走行領域)を区画するための仮想ガイドを生成する処理を実行する(S54)。
図8に、隣接する3つの駐車可能領域EA1,EA2,EA3がある場合において、駐車可能領域EA1に駐車するうえで走行することが推奨される領域(推奨走行領域AA)を区画するための仮想ガイドg1を例示する。S54の処理では、駐車可能領域EA1,EA2,EA3のそれぞれについて、仮想ガイドが生成される。
次にCPU32は、目標駐車領域が設定された旨を示す目標設定フラグF1が「0」であるか否かを判断する(S56)。ここで、目標設定フラグF1は、「1」である場合に目標駐車領域が設定されたことを示し、「0」である場合に目標駐車領域が未だ設定されていないことを示す。なお、目標設定フラグF1の値は、この一連の処理によって逐次更新され、先の図1に示したRAM34に記憶される。CPU32は、目標設定フラグF1が「0」であると判断する場合(S56:Yes)、検出された駐車可能領域の中から目標駐車領域を設定する処理を行い、さらに、これに応じて仮想ガイドを選択し、目標設定フラグF1を「1」とし(S58)、この一連の処理を一旦終了する。なお、仮想ガイドが選択されると、仮想ガイドによって区画される領域(図8の推奨走行領域AA)が、走行可能領域として設定される。
目標駐車領域は、操舵輪舵角θに基づき設定される。詳しくは、図9(a)に示すように、現在の操舵輪舵角θを維持したまま車両10を駐車可能領域まで走行させたと仮定した場合の車両10の到達位置に基づき、目標駐車領域を設定する。ここでは、まず、車両10を駐車可能領域EA1,EA2,EA3の中央に停車させたとした場合に車両10の進行方向側の車輪の軸として、基準線L1を設定する。そして、車両10の進行方向側の一対の車輪の軸のうちそれら一対の車輪にて挟まれる中点Pと基準線L1との交点を算出する。図9(a)では、操舵輪舵角θがθ1である場合、上記交点が駐車可能領域EA1内の点x1となり、操舵輪舵角θがθ2である場合、上記交点が駐車可能領域EA2内の点x2となり、操舵輪舵角θがθ3である場合、上記交点が駐車可能領域EA3内の点x3となることを例示した。本実施形態では、交点を含む領域を目標駐車領域とする。すなわち、交点がx1である場合、目標駐車領域を駐車可能領域EA1とし、交点がx2である場合、目標駐車領域を駐車可能領域EA2とし、交点がx3である場合、目標駐車領域を駐車可能領域EA3とする。
図9(b)には、現在の操舵輪舵角θを維持したまま走行することで車両10が駐車可能領域EA1,EA2,EA3のいずれにも到達することなく車両10が駐車可能領域EA1,EA2,EA3から遠ざかる場合を示す。この場合、本実施形態では、駐車可能領域EA1,EA2,EA3の両端の領域(駐車可能領域EA1,EA3)のうち、現在の操舵輪舵角θを維持したまま走行することで車両10に近くなる方を目標駐車領域とする。すなわち、操舵輪舵角θがθ1である場合、駐車可能領域EA1を目標駐車領域とし、操舵輪舵角θがθ2である場合、駐車可能領域EA3を目標駐車領域とし、操舵輪舵角θがθ3である場合、駐車可能領域EA1を目標駐車領域とし、操舵輪舵角θがθ4である場合、駐車可能領域EA1を目標駐車領域とし、操舵輪舵角θがθ5である場合、駐車可能領域EA3を目標駐車領域とする。
CPU32は、先の図7に示したS56の処理において、目標設定フラグF1が「0
」でないと判断する場合(S56:No)、仮想ガイドによって車両10が停車して且つ、仮想ガイドを超えて車両10が走行しても障害物がないか否かを判断する(S60)。この処理は、上記S58の処理によって選択された目標駐車領域や仮想ガイドが適切であったか否かの判断や、適切でないと判断する場合に仮想ガイドを変更する処理を行うための条件を設定するためのものである。ここで、仮想ガイドで車両10が停車していることを条件とするのは、注意領域CA等に仮想ガイドが侵入することでゲイン低下処理がなされていても、車両10が停車する前にその進行方向を変える場合には、車両10が走行可能領域から逸脱しそうになったものの、進行方向を変えることで走行可能領域内を走行すると考えられるためである。すなわち、仮想ガイドが、走行可能領域内の走行をアシストするという本来の役割を果たしているに過ぎないと考えられるからである。一方、仮想ガイドを超えて車両10が走行しても障害物がない旨の条件は、仮想ガイドが障害物を回避する機能を果たしている場合には、これを変更することが適切でないからである。
CPU32は、仮想ガイドによって車両10が停車していないか、仮想ガイドを超えて車両10が走行することで障害物に衝突するおそれがあると判断する場合(S60:No)、仮想ガイド等の変更を許可しないとして、この一連の処理を一旦終了する。これに対しCPU32は、仮想ガイドによって車両10が停車して且つ、仮想ガイドを超えて車両10が走行しても障害物がないと判断する場合(S60:Yes)、目標駐車領域変更許可判定処理を実行する(S62)。この処理については、図10を参照しつつ後に詳述する。
そしてCPU32は、目標駐車領域変更許可判定処理によって、変更が許可されたか否かを判断する(S64)。そしてCPU32は、変更が許可されていないと判断する場合(S64:No)、この一連の処理を一旦終了する一方、変更が許可されたと判断する場合(S64:Yes)、選択可能な駐車可能領域があるか否かを判断する(S66)。そしてCPU32は、駐車可能領域があると判断する場合(S66:Yes)、目標駐車領域を変更する(S68)。本実施形態では、この処理を、目標駐車領域としていたものに最も近い位置にある駐車可能領域を新たに目標駐車領域とする処理とする。そしてCPU32は、目標駐車領域を変更すると、駐車が完了するか否かを判断する(S70)。
そしてCPU32は、駐車が完了していないと判断する場合(S70:No)、この一連の処理を一旦終了する。これに対しCPU32は、駐車が完了したと判断する場合(S70:Yes)や、駐車可能領域がないと判断する場合(S66:No)、目標駐車領域および仮想ガイドを消去するとともに、目標設定フラグF1を「0」とする(S72)。ここで、駐車可能領域がないと判断する場合(S66:No)には、目標駐車領域が適切でないと考えられる一方で、CPU32がほかに駐車可能領域を把握できないため、駐車をアシストすることができないことが、目標駐車領域および仮想ガイドを消去する理由となっている。なおCPU32は、この処理を完了する場合には、この一連の処理を一旦終了する。
図10に、上記目標駐車領域変更許可判定処理(S62)の詳細を示す。
この一連の処理では、まずCPU32は、乗り越え用反力Trqr1が未使用であるか否かを判断する(S80)。ここで、乗り越え用反力Trqr1とは、本実施形態において仮想ガイドを変更するに際し先の図5に示したものに代用して用いる専用の反力のことである。そしてCPU32は、乗り越え用反力Trqr1を未使用であると判断する場合(S80:Yes)、アクセルペダル50の操作量ACCPが規定値Ath以上である状態が規定時間Tth以上継続したか否かを判断する(S82)。この処理は、乗り越え用反力Trqr1への変更の許可条件が成立したか否かを判断するためのものである。
そしてCPU32は、アクセルペダル50の操作量ACCPが規定値Ath以上である状態が規定時間Tth以上継続したと判断する場合(S82:Yes)、先の図5に示した反力Trqrから乗り越え用反力Trqr1への切り替え処理を行う(S84)。
ここで、乗り越え用反力Trqr1は、先の図5に示したものと比較して小さく、仮想ガイドを車両10が比較的簡易に横切ることができるものとする。すなわち、乗り越え用反力Trqr1への切り替え前には、図11(a)に示すように、乗り越えが不可能なガイドLg1によって走行可能領域が区画されていたのが、乗り越え用反力Trqr1に切り替えられることで、図11(b)に示すように、車両10が乗り越えることが可能なガイドLg2によって走行可能領域が区画されていることを、反力Trqrの設計によってモデル化する。これにより、ユーザに、アクセルペダル50の操作を通じて、図11(b)に示すガイドLg2を車両10が乗り越える乗り越え感を与える。
図12に、本実施形態にかかる乗り越え用反力Trqr1の特性を示す。
図示されるように、本実施形態では、車両10の進行方向に乗り越え可能な障害物cgがある場合に、車両10に加わる反力を模擬して乗り越え用反力を設計する。ここで、本実施形態では、障害物cgのモデルを、車両10の進行方向の断面が台形形状となるものとした。そして、車両10が障害物cgの斜面を登るStage1に対応する禁止領域侵入度DPAが小さい領域では、反力Trqrを漸増させる。また、車両10が障害物cgの上部を走行するStage2からStage3に対応する禁止領域侵入度DPAが中程度の領域では、反力Trqrを一定値とする。さらに、車両10が障害物cgの斜面を下るStage4に対応する禁止領域侵入度DPAが大きい領域においては、反力Trqrがゼロに向けて漸減するように設計する。なお、反力Trqrの設計は、障害物cgを実際に乗り越える場合に生じる反力を正確に表現するものではなく、乗り越えるイメージを表現したものである。すなわち、Stage2に近づくにつれてアクセルペダル10の操作の割に車両10が進まなくなり、その後、Stage2とStage3との間において、アクセルペダル50の操作の割に車両10が最も進まない状態となった後、Stage4に進むにつれてアクセルペダル50の操作に応じて車両10が加速されるようになる。これにより、障害物cgを乗り越えるような乗り越え感をユーザに与えることを狙う。
ここで、乗り越え用反力Trqr1の最大値は、先の図5(b)に示した反力Trqrの最大値よりも十分に小さい。これにより、アクセルペダル50の操作量ACCPに対する駆動力の比であるゲインの低下度合いは、先の図5(b)に示した反力等を用いる場合と比較して緩和されることとなる。乗り越え用反力Trqr1の値は、走行方向とは逆側の力を感じつつも、仮想ガイドを横切ることができる値に設定される。
なお、本実施形態では、乗り越え用反力Trqr1を禁止領域侵入度DPAのみに対して定義する。そして乗り越え用反力Trqr1を用いる場合には、注意領域CAは無効とする。
続いてCPU32は、仮想ガイドを乗り越えたか否かを判断する(図10のS86)。この処理は、禁止領域侵入度DPAが大きくなることで乗り越え用反力Trqr1がゼロとなったか否かの判断とする。そしてCPU32は、仮想ガイドを乗り越えたと判断する場合(S88:Yes)、目標駐車領域の変更を許可する一方(S88)、乗り越えていないと判断する場合(S88:No)、目標駐車領域の変更を禁止する(S90)。すなわち、本実施形態では、仮想ガイドを乗り越えたことを、現在設定されている目標駐車領域がユーザの意図した領域ではないと判断する条件としている。
なおCPU32は、目標駐車領域の変更を許可するか(S88)、禁止するか(S90)を決定することで、先の図7のS62の処理を一旦完了する。
図13に、上記一連の処理における駐車のアシストの一例を示す。
図13(a)は、目標駐車領域を駐車可能領域EA1として車両10の駐車をアシストしたところ、駐車可能領域EA1に駐車するうえで走行することが推奨される領域を区画する仮想ガイドg1に車両10が接近することで上記ゲイン低下処理によって停車した例を示している。すなわち、上記禁止領域PAに仮想ガイドg1が侵入し反力Trqr1が大きくなることで、アクセルペダル50の操作量ACCPの大きさにかかわらず車両10の駆動トルクが得られなくなったために車両10が停車した例を示している。この状態で、アクセルペダル50の操作量ACCPが規定値Ath以上である状態が継続すると、まず反力が乗り越え用反力に変更される。そして、車両10が仮想ガイドg1を乗り越えることで、図13(b)に示すように、隣接する駐車可能領域EA2に目標駐車領域が変更され、仮想ガイドg1についても、新たな目標駐車領域に駐車するうえで走行することが推奨される領域を区画する仮想ガイドg2に変更される。これにより、ユーザは、車両10を仮想ガイドg2によって区画された領域内を走行することができる。
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)目標駐車領域を設定し、ユーザが目標駐車領域に向かって走行するのをアシストするに際し、目標駐車領域がユーザの意図した領域か否かを判断し、目標駐車領域がユーザの意図した領域ではないと判断される場合(図10のS86:Yes)、目標駐車領域を変更した。これにより、一旦定められた目標駐車領域がユーザの意図した領域と相違する場合であっても、これを改め、ユーザの意思を反映して駐車をアシストすることができる。
(2)先の図4に示したアクセル操作ゲイン低下処理を実行した。これにより、車両10が走行可能領域の境界に向けて走行する際の車速Vvを抑制することができる。このため、車両10が目標駐車領域に応じた仮想ガイドによって区画される領域を逸脱しようとする場合、逸脱しようとする車両10の走行状態をユーザが余裕を持って改善することが可能となる。また、車両10が上記区画される領域から逸脱する事態を好適に抑制することができる。さらに、アクセルペダル50の操作量ACCPの割に駆動トルクが低下することをユーザに体感させることで、ユーザに操作が適切なものでないことを気づかせることができる。
(3)アクセルペダル50の操作量ACCPの割に駆動トルクを低下させる処理を、車両10の進行方向を反転させることがない範囲で行った(図4のS30,S32)。ここで、ユーザのアクセル操作に伴って車両10に駆動力が付与されることで車両10が走行する際の車両10の進行方向は、ユーザの意思による進行方向であると考えられる。このため、車両10の進行方向を反転させることがない範囲で駆動トルクを低減することで、ユーザの意思を好適に反映しつつも車両10が走行可能領域から逸脱しないようにアシストすることができる。
(4)走行可能領域(推奨走行領域)からの逸脱しようとする度合いが大きくなることで(図7のS60)、ゲインの低下度合いを乗り越え用反力Trqr1によって実現されるものに制限した(図10のS84)。これにより、ユーザが車両10を推奨走行領域から逸脱させることが可能となる。そして、逸脱度合いがさらに大きくなる場合に(図10のS86)、目標駐車領域がユーザの意図した領域ではないと判断することで、ユーザの意図を好適に反映することができる。さらに、逸脱しようとする度合いが規定値以上(図12のStage3)に大きくなることで、乗り越え用反力Trqr1を小さくすることで(Stage3〜Stage4)、仮想的な障害物cgを乗り越えた乗り越え感をユーザに体感させることにより目標駐車領域の変更がなされることを通知することができる。
(5)乗り越え用反力Trqr1を、推奨走行領域からの逸脱しようとする度合いが大きくなるにつれて漸減させてゼロとした。これにより、推奨走行領域が変更されたときにはゲインの低下が解消していることに鑑みれば、乗り越え用反力Trqr1が使用されている期間および使用終了時において、ゲインが急変する事態を回避することができる。
(6)先の図6に示したアシスト処理を行った。これにより、ハンドル18が車両10を走行可能領域から逸脱させるように操作される場合、ユーザに、ハンドル18の操作に抵抗を感じさせることができる。このため、抵抗を体感することで、ハンドル18の操作が適切でないことをユーザに気づかせることができる。
(7)操舵輪舵角θに基づき、ユーザがいずれの領域に駐車するつもりかを推定し、この推定される領域を目標駐車領域とした(図7:S58)。操舵輪舵角θは、ユーザが駐車するつもりの領域と相関を有するパラメータであると考えられるため、操舵輪舵角θを用いることで、ユーザの意思を好適に反映しつつ目標駐車領域を設定することができる。
(8)複数の駐車可能領域を検出できた時点でユーザの意図する領域を推定した(図7のS58)。これにより、ユーザの指示を待つことなくユーザの意図する領域の推定がなされるため、ユーザの走行操作の煩雑化を回避できる。
(9)目標駐車領域や仮想ガイドを変更する条件に、現在の仮想ガイドを超えて車両10が走行しても障害物がない旨の条件を含めた(図7のS60)。これにより、仮想ガイドを変更することで車両10が障害物に当たる事態を好適に回避することができる。
<第2の実施形態>
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。なお、第2の実施形態において、第1の実施形態で説明した部材と同一のものについては同一の符号を付している。
本実施形態では、乗り越え用反力Trqr1を、基本的には、予め設定されたパターンに従うものとしつつも、車両10が仮想ガイドを乗り越えた際に変更後の仮想ガイドが注意領域CAや禁止領域PAに侵入することで反力Trqrを受けると想定される場合には、変更後の仮想ガイドが注意領域CAや禁止領域PAに侵入することで受ける反力Trqrに応じて乗り越え用反力Trqr1を補正する。以下、これについて図14に基づき説明する。
図14(a)は、目標駐車領域として駐車可能領域EA1が設定され仮想ガイドg1を設定したところ、車両10がこれを乗り越えようとするところを例示している。この図では、車両10が仮想ガイドg1を完全に乗り越えた時点で、図14(b)に示すように、仮想ガイドg2が注意領域CAに侵入し、車両10に反力が生じると考えられる。この場合、先の図12(b)に示したように乗り越え用反力を設計したのでは、ユーザが、乗り越え完了とともに大きな反力を体感するおそれがある。特に、本実施形態にかかるゲイン低下処理は、指令トルクTrq*が負となりうるものである(図4のS30,S32)ため、この問題は深刻である。
そこでこの場合、図14(c)に示すように、変更後の仮想ガイドg2が注意領域CAに侵入することで生成される反力Trqrと変更前の乗り越え用反力Trqr1との差が閾値以下となるように、下限値TrqrLを設定し、乗り越え用反力Trqr1に下限ガード処理を施す。
こうした処理によれば、仮想ガイドg1から仮想ガイドg2への切り替え時に反力が急増し、車両10にショックが生じる事態を回避することができる。
<第3の実施形態>
以下、第3の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。なお、第3の実施形態において、第1の実施形態で説明した部材と同一のものについては同一の符号を付している。
本実施形態では、乗り越え用反力Trqr1を用いることなく、目標駐車領域の変更に際して、その旨を音声や視覚情報を利用して通知する処理を行う。
図15に、駐車アシスト処理の手順の一部を示す。この処理は、制御装置30によって、たとえば所定周期で繰り返し実行される。詳しくは、この処理は、不揮発性メモリ36に記憶されたプログラムをCPU32が実行することで行われる。なお、図14の処理において、先の図7に示した処理に対応する処理については、便宜上同一のステップ番号を付している。
この一連の処理では、CPU32は、仮想ガイドによって車両10が停車して且つ、仮想ガイドを超えて車両10が走行しても障害物がないと判断する場合(S60:Yes)、アクセルペダル50の操作量ACCPが規定値Ath以上である状態が規定時間Tth以上継続したか否かを判断する(S100)。この処理は、走行可能領域から逸脱しようとしてアクセルペダル50が操作される状態が継続するか否かを判断するものであり、これにより、目標駐車領域がユーザの意図した領域ではないか否かを判断する。そしてCPU32は、アクセルペダル50の操作量ACCPが規定値Ath以上である状態が規定時間Tth以上継続すると判断する場合(S100:Yes)、選択可能な駐車可能領域があるか否かを判断する(S66)。そしてCPU32は、駐車可能領域があると判断する場合(S66:Yes)、目標駐車領域を変更するとともに、その旨をユーザに通知する(S68a)。ここで、通知処理は、音声や視覚情報を用いて行うことができる。すなわち、音声を用いるのであれば、たとえば、予め定められた警報音を発したり、「目標駐車領域を変更しました」と発音したりすればよい。また、視覚情報を用いる場合には、たとえば、車載表示器において、予め定められた表示をしたり、「目標駐車領域を変更しました」との文字表示をしたりすればよい。
<その他の実施形態>
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。各実施形態は、それぞれ、他の実施形態が有する構成の一部または複数部分を、その実施形態に追加し或いはその実施形態の構成の一部または複数部分と交換等することにより、その実施形態を変形して構成するようにしてもよい。以下、上記実施形態の変形例としての実施形態を記載する。
「領域設定手段について」
上記各実施形態では、障害物がある場合、これを回避しつつ目標駐車領域まで走行することが推奨される領域を区画すべく仮想ガイドを設定したがこれに限らない。たとえば、障害物を無視しつつ仮想ガイドを定めてもよい。この場合であっても、車両10が仮想ガイドによって区画される領域内を走行中、注意領域CAに障害物が侵入する場合、車両10の駆動力を低下させるなどすることで、駐車を好適にアシストすることができる。ちなみに、この場合の推奨走行領域は、仮想ガイドによって区画される領域のうち、障害物が注意領域CAや禁止領域PAに侵入しない領域である。もっとも、たとえば他者の車両等の移動物体が占める領域については、これを推奨走行領域から除く処理を行わないものであってもよい。こうした場合であっても、推奨走行領域内を走行するようにアシストする処理は、たとえば駐車可能領域まで車両を適切に走行させるのに不安を覚えている運転の初心者等にとって有効である。
なお、車両10に搭載されて且つ車両10の周囲の画像データを生成する手段(カメラ60)の出力するデータに基づき走行可能領域(推奨走行領域)を設定するものに限らず、たとえばナビゲーションシステムからの情報に基づき推奨可能領域を設定するものであってもよい。
また、図7のS54では、駐車可能領域の全てについて仮想ガイドを設定したが、これに限らない。たとえば、目標駐車領域を設定した後、これに対応する仮想ガイドのみを設定するものであってもよい。すなわち、この場合、S54の処理を削除し、S58の処理において、仮想ガイドを設定することとなる。
「乗り越え用反力について」
乗り越え用反力Trqr1のパターンとしては、図13(b)に例示したものに限らない。たとえば、図16(a)に示すように、禁止領域侵入度PCAが大きくなるにつれて反力Trqr1を漸増させ、禁止領域侵入度PCAが第1規定値d1となることで反力Trqr1をゼロとするものであってもよい。またたとえば、図16(b)に示すように、禁止領域侵入度PCAが大きくなるにつれて反力Trqr1を漸増させ、禁止領域侵入度PCAが第1規定値d1となることで反力Trqr1を中間値Mtrqまで減少させ、第1規定値d1から第2規定値d2までは、反力Trqr1を中間値Mtrqに固定し、第2規定値d2より大きい領域では、反力Trqr1を漸減させてもよい。またたとえば、図16(c)に示すように、禁止領域侵入度PCAが大きくなるにつれて反力Trqr1を漸減させ、禁止領域侵入度PCAが第1規定値d1から第2規定値d2までは、反力Trqr1を中間値Mtrqに固定し、第2規定値d2より大きい領域では、反力Trqr1を漸減させてもよい。さらにたとえば、図16(d)に示すように、禁止領域侵入度PCAがゼロから第1規定値d1までの間、反力Trqr1を最大値MAXに固定し、第1規定値d1から第2規定値d2までは、反力Trqr1を中間値Mtrqに固定し、第2規定値d2より大きい領域では、反力Trqr1をゼロとしてもよい。さらにたとえば、図16(e)に示すように、禁止領域侵入度PCAがゼロから第1規定値d1までの間、反力Trqr1を最大値MAXに固定し、第1規定値d1から第2規定値d2までは、反力Trqr1を漸減させ、第2規定値d2から第3規定値d3までの間は、反力Trqr1を第2規定値d2における値よりも大きい中間値Mtrqとし、第3規定値d3よりも大きい領域では、反力Trqr1をゼロとしてもよい。
乗り越え用反力Trqr1としては、禁止領域PAに対して定義されるものに限らず、注意領域CAに対して定義されるものであってもよい。
また、乗り越え用反力Trqr1を、禁止領域PAに対して定義される反力や注意領域CAに対して定義される反力とするものに限らず、たとえば、仮想ガイドの変更を行うか否かを判断する場合に、専用の領域に対する仮想ガイドの侵入度として乗り越え用反力Trqr1を定義してもよい。
乗り越え用反力Trqr1のパターンを、特定の領域の侵入度に対して定義する代わりに、車両10が仮想ガイドで停車しているときの位置を初期位置と定義し、そこからの侵入度に応じた値を定めるものとしてもよい。
「判断手段について」
先の図10のS86では、図12のStage4となることで、現在の目標駐車領域がユーザの意図する領域ではないと判断したがこれに限らない。たとえば、Stage3とSTage4との間となることで、ユーザの意図した領域ではないと判断してもよい。
乗り越え反力付与時において推奨走行領域から逸脱しようとする度合いが規定値以上となることを条件に、目標駐車領域がユーザの意図した領域ではないと判断する手段としては、先の図10に例示した処理に限らない。たとえば、仮想ガイドを超えても障害物との衝突はない場合には、ゲイン低下処理で用いる反力を、はじめから乗り越え用のものとしてもよい。
アクセルペダル50の操作を入力として目標駐車領域がユーザの意図した領域ではないと判断する手段に限らない。例えば、ハンドル18の操作を入力として目標駐車領域がユーザの意図した領域ではないと判断する手段であってもよい。これはたとえば、仮想ガイド付近で反力のために停止しているときにおいて、ハンドル18を仮想ガイドを乗り越えようとする側に継続して操作する場合に、目標駐車領域がユーザの意図した領域ではないと判断することで実現することができる。なお、ハンドル18の操作の入力は、ハンドル18の変位量の検出値(ステアリング舵角θcの値)を直接的な入力とするものに限らず、たとえば、操舵輪舵角θの検出値を入力とするものであってもよい。
さらに、アクセルペダル50の操作とハンドル18の操作との双方を入力とするものであってもよい。
なお、アシスト手段によるアシストにもかかわらず、推奨走行領域から車両10を逸脱させようとする操作が継続する場合に、目標駐車領域がユーザの意図した領域でないと判断する手法は、ゲイン低下手段を備えることを前提としない。たとえば、抵抗付与手段のみを備えるものにあっても、抵抗の付与にかかわらず推奨走行領域から車両10を逸脱させようとする操作が継続する場合に、目標駐車領域がユーザの意図した領域でないと判断することは有効である。
また、アクセルペダル50やハンドル18の操作を入力とするものにも限らず、たとえば、仮想ガイドの変更を促すためにユーザによって操作される専用の手段(ボタン等)を車両10に搭載し、その操作を入力としてもよい。
加えて、推奨走行領域の境界(仮想ガイド)を超えて外に出ようとすることを条件とするものに限らない。たとえば、目標駐車領域の設定後、操舵情報に基づき、目標駐車領域がユーザの意図した領域か否かを判断するものであってもよい。
「通知手段について」
先の図10のS88の処理において、視覚情報や音を用いた通知をあわせて行ってもよい。これにより、目標駐車領域が変更されたことをユーザがより適切に確実することができる。
「目標変更手段、推奨変更手段について」
たとえば先の図7の処理においては、仮想ガイドを超えて車両10が走行しても障害物がない旨の条件(S60:Yes)が成立しない場合、現在の目標駐車領域がユーザの意図する領域ではないか否かの判断処理(S62)を行わなかったがこれに限らない。たとえば、S60においては車両10が仮想ガイドで停車しているか否かのみを判断し、S64の後に、仮想ガイドを超えて車両10が走行しても障害物がないか否かを判断するようにしてもよい。
「ゲイン低下手段について」
先の図5においては、反力Trqrを、注意領域侵入度DCAに比例させて且つ、最大値Trqmax以下の領域において禁止領域侵入度DPAに比例させたがこれに限らない。たとえば、注意領域侵入度DCAに比例させて且つ、禁止領域侵入度DPAに関しては、これがゼロでなくなることで、反力Trqrを最大値Trqmaxにステップ状に増加させるものであってもよい。
またたとえば、注意領域侵入度DCAが大きくなるにつれて反力Trqrを漸増させる手法としては、反力Trqrを、注意領域侵入度DCAに比例させるものに限らず、たとえば、注意領域侵入度DCAを独立変数とする2次関数の従属変数としてもよい。もっとも、注意領域侵入度DCAが大きくなるにつれて反力Trqrを連続的に増加させることも必須ではない。たとえば、注意領域侵入度DCAが大きくなるにつれて反力Trqrを段階的に増加させるもの等であってもよい。
同様、禁止領域侵入度DPAが大きくなるにつれて反力Trqrを漸増させる手法としては、反力Trqrを、禁止領域侵入度DPAに比例させるものに限らず、禁止領域侵入度DPAを独立変数とする2次関数の従属変数としてもよい。もっとも、禁止領域侵入度DPAが大きくなるにつれて反力Trqrを連続的に増加させることも必須ではない。たとえば、禁止領域侵入度DPAが大きくなるにつれて反力Trqrを段階的に増加させるもの等であってもよい。
反力Trqrの算出手法としては、1次元の量として定量化された注意領域侵入度DCAや禁止領域侵入度DPAを入力とするものに限らない。たとえば、2次元の量として定量化された侵入度を入力とするものであってもよい。これはたとえば、注意領域CAを車両10の横方向に複数に分割し、分割された各領域毎に、部分侵入度を定義して先の図5(a)に示した要領で反力を計算し、それら反力の合計値を反力Trqrとすることで実現できる。この場合、部分侵入度の集合を、2次元の量として定量化された侵入度とみなすことができる。
また、反力Trqを算出するものに限らず、たとえば、指令トルクTrq*に補正係数K(<1)を乗算するものであってもよい。この場合、補正係数Kを、注意領域侵入度DCAや禁止領域侵入度DPAに応じて漸減させるものであることが望ましい。
アクセルペダル50の操作量ACCPに対する駆動力の比(ただし、アクセルペダル50が解放されているときの基準となる操作量ACCPである操作量ACCPの最小値をゼロよりも大きい値と定義する)であるゲインを低下させる手段としては、車両10が進行方向を反転させない範囲で、駆動力(指令トルクTrq*)の符号が車両10の進行方向とは逆側の加速度を付与するものとなることを許容するものにも限らない。たとえば、駆動力(指令トルクTrq*)がゼロ以上であるとの条件の下、アクセルペダル50の操作量ACCPに対する駆動力の比であるゲインを低下させるものであってもよい。
なお、たとえば障害物自体が変位して車両10に近づく場合、車両10を停止させるのみならず、車両10の停止前の進行方向とは逆方向に進行させる機能を搭載することも可能である。
「抵抗増大手段について」
先の図7に例示した処理では、ハンドル抵抗Tsをステアリング舵角θcが許容舵角範囲から離脱する度合い(離脱度Δθ)に比例させたが、離脱度Δθが大きくなるにつれてハンドル抵抗Tsを漸増させる手法としては、これに限らない。たとえば、ハンドル抵抗Tsを、離脱度Δθを独立変数とする2次関数の従属変数としてもよい。もっとも、離脱度Δθが大きくなるにつれてハンドル抵抗Tsを連続的に増加させることも必須ではない。たとえば、離脱度Δθが大きくなるにつれてハンドル抵抗Tsを段階的に増加させるもの等であってもよい。
先の図7に例示した処理では、ユーザが許容舵角範囲から離脱する側にハンドル18を変位させようとする場合にハンドル抵抗Tsを付与したが、これに限らない。たとえば、許容舵角範囲に戻す側のトルクを付与してもよい。
抵抗の付与対象とされるマンマシーンインターフェースとしては、ハンドル18に限らない。たとえば、アクセルペダル50であってもよい。これは、たとえば注意領域CAに障害物が侵入するほどアクセルペダル50の踏み込み量(操作量)を大きくすることが困難となる抵抗を付与することで実現することができる。
「アシスト手段について」
アシスト手段としては、ゲイン低下手段および抵抗増大手段の双方を備えるものに限らず、たとえばゲイン低下手段のみを備えるものであったり、抵抗増大手段のみを備えるものであってもよい。
また、ゲイン低下手段や抵抗増大手段にも限らない。たとえば、注意領域CAが走行可能領域から逸脱しようとすることでその旨を音声や視覚情報で通知するものであってもよい。これはたとえば、注意領域CAの右側前方が走行可能領域から逸脱しようとする場合、車載表示装置の画面右側に点滅表示等の危険表示を行い、且つ警報音を発することで行うことができる。なお、注意領域CAが走行可能領域から逸脱しようとすることで視覚情報等で通知する場合であっても、禁止領域PAが推奨走行領域から逸脱しようとする場合には、ゲイン低下手段を用いることが望ましい。
また、注意領域CAや禁止領域PAを、車両10が前進した場合の占有領域と後退した場合の占有領域との和集合とするものに限らない。たとえば、車両10の進行方向に規定距離(所定距離)だけ進行した場合に占有する領域としてもよい。
また、注意領域CAや禁止領域PAを車両10の周囲に定義するものに限らない。たとえば障害物や仮想ガイド、車線の直近を禁止領域PAとして且つ、禁止領域PAに隣接して注意領域CAを設定してもよい。この場合、車両10が注意領域CAや禁止領域PAに侵入することで、走行可能領域から車両10が逸脱しようとしていると判断すればよい。
なお、アシスト手段としては、駐車可能領域を検出する前から、車両を、障害物等のない走行可能領域内を走行するようアシストするものに限らず、駐車可能領域を検出する前には、アシストを行わないものであってもよい。
上記各実施形態では、ユーザによってアシストが指示されるボタン等の指示手段を車両10に備えることなく、アシスト手段によるアシストがなされることを想定したが、これに限らない。たとえば指示手段を介した指示がなされる場合に限ってアシストを行うものであってもよい。
上記各実施形態では、走行可能領域から逸脱しようとしていることを、上記カメラ60(図1参照)の出力値を入力として把握したが、これに限らない。たとえばナビゲーションシステムからの情報を入力としてもよい。
「推定手段について」
先の図9においては、操舵輪舵角θを維持しつつ車両10が走行すると仮定した場合に基準線L1と交わる点に基づき、ユーザが駐車するつもりの領域を推定したがこれに限らない。たとえば、操舵輪舵角θを維持しつつ車両10が駐車可能領域の端まで走行すると仮定した場合に、複数の駐車可能領域のうち車両10が侵入した面積が最も大きくなる領域を、ユーザが駐車するつもりの領域として推定してもよい。
「目標設定手段について」
舵角情報に基づき推定手段によって推定される領域を目標駐車領域とするものに限らない。たとえば、複数の駐車可能領域がある場合、車両10の初期位置にとって最も近い位置にある駐車可能領域を暫定的に目標駐車領域に設定するものであってもよい。この場合であっても、仮想ガイドで停止する場合には、ユーザの意図した領域ではないと判断でき、これに応じて目標駐車領域を変更することで、ユーザの意思を反映しつつ駐車をアシストすることができる。
「舵角操作手段について」
ステアバイワイヤ装置に限らず、例えば電動パワーステアリング装置を用いてもよい。また、ハンドル18に限らず、たとえばジョイスティックであってもよい。さらに、手によって操作されるものにも限らない。
「アクセル操作手段について」
アクセルペダル50に限らず、たとえばユーザが手によって操作する部材であってもよい。
「そのほか」
車載主機としては、主機ユニット20内蔵の電動機に限らず、たとえば内燃機関であってもよい。また、車輪の駆動方式としては、2WDに限らず、4WDであってもよい。さらに、車両10が4輪車であることも必須ではない。
10…車両、18…ハンドル(舵角操作手段)、50…アクセルペダル(アクセル操作手段)、S18…領域設定手段、S20〜S32…アシスト手段(ゲイン低下手段),S40〜S48…アシスト手段(抵抗増大手段)、S58…推定手段、目標設定手段、領域設定手段、S60…禁止手段、S62…判断手段、S68…目標変更手段、推奨変更手段、S84…制限手段、通知手段、S68a…目標変更手段、推奨変更手段、変更手段、EA1,EA2,EA3…駐車可能領域、AA…推奨走行領域、g1,g2…仮想ガイド。

Claims (9)

  1. ユーザによる舵角操作手段の操作に応じて操舵がなされる車両について、ユーザによる駐車をアシストする駐車アシスト装置において、
    前記車両の駐車可能領域が複数存在する場合、該複数の駐車可能領域の1つを目標駐車領域として設定する目標設定手段と、
    前記目標駐車領域に駐車するうえで走行することが推奨される領域である前記車両の推奨走行領域を設定する領域設定手段と、
    前記ユーザが前記舵角操作手段を操作しつつ前記駐車可能領域まで車両を走行させるに際し、前記車両が前記推奨走行領域内を走行するようにアシストするアシスト手段と、
    前記目標駐車領域がユーザの意図した領域か否かを判断する判断手段とを備え、
    前記目標設定手段は、前記判断手段によってユーザの意図した領域でないと判断されることを条件に、前記目標駐車領域を変更する目標変更手段を備え、
    前記領域設定手段は、前記目標変更手段によって変更がなされる場合、前記変更された目標駐車領域に基づき前記推奨走行領域を変更する推奨変更手段を備え、
    前記アシスト手段は、前記推奨変更手段によって推奨走行領域が変更される場合、前記変更された推奨走行領域に基づき、前記アシストを実行するものであり、
    前記推奨変更手段によって推奨走行領域が変更される場合、その旨をユーザに通知する通知手段を備える
    ことを特徴とする駐車アシスト装置。
  2. 前記車両は、ユーザによる要求トルクの指示がなされるアクセル操作手段を備え、
    前記アシスト手段は、前記車両が前記推奨走行領域から逸脱しようとする場合、ユーザによるアクセル操作手段の操作量に対する前記車両の実際の駆動トルクの比であるゲインを低下させるゲイン低下手段を備える
    ことを特徴とする請求項1記載の駐車アシスト装置。
  3. 前記ゲイン低下手段は、前記ゲインの低下度合いを、前記車両が前記推奨走行領域から逸脱可能な値に制限する制限手段を備え、
    前記制限手段は、前記逸脱可能な値に制限されているときに前記車両が前記推奨走行領域を逸脱しようとする度合いが規定値以上となることで、該規定値未満の場合と比較して前記ゲインの低下度合いを緩和するものであり、
    前記判断手段は、前記制限手段による制限がなされているときに前記車両が前記推奨走行領域を逸脱しようとする度合いが前記規定値以上となることを条件に、前記目標駐車領域がユーザの意図した領域でないと判断するものであり、
    前記通知手段は、前記制限手段によって構成されることを特徴とする請求項2記載の駐車アシスト装置。
  4. 前記制限手段は、前記推奨走行領域から前記車両が逸脱しようとする度合いが前記規定値より大きくなるにつれて前記ゲインの低下度合いを前記ゲインの低下が解消するまで漸減させることを特徴とする請求項3記載の駐車アシスト装置。
  5. 前記制限手段は、前記推奨変更手段によって前記推奨走行領域が変更されるときに該変更される推奨走行領域から前記車両が逸脱しようとして前記ゲイン低下手段によるゲインを低下させる処理がなされると判断される場合、前記ゲインの低下度合いを漸減させる処理を制限することを特徴とする請求項4記載の駐車アシスト装置。
  6. 前記判断手段は、前記アシスト手段によるアシストにもかかわらず、前記推奨走行領域から前記車両を逸脱させようとする操作が継続される場合に、前記目標駐車領域がユーザの意図した領域でないと判断することを特徴とする請求項1または2記載の駐車アシスト装置。
  7. 前記車両は、ユーザによる要求トルクの指示がなされるアクセル操作手段を備え、
    前記アシスト手段は、前記舵角操作手段および前記アクセル操作手段のうちの少なくとも一方について、ユーザによる操作が前記車両を前記推奨走行領域から逸脱させようとするものである場合、該逸脱させようとする操作に対する抵抗力を増大させる抵抗増大手段を備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の駐車アシスト装置。
  8. 前記車両の駐車可能領域が複数存在する場合、前記車両の舵角情報に基づき、前記駐車可能領域のうちのいずれの領域にユーザが駐車するつもりかを推定する推定手段を備え、
    前記目標設定手段は、前記推定された駐車可能領域を目標駐車領域として設定することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の駐車アシスト装置。
  9. 前記目標駐車領域を変更することで前記車両が障害物と接触するおそれがある場合、前記目標駐車領域の変更を禁止する禁止手段を備えることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の駐車アシスト装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020128211A (ja) * 2015-12-08 2020-08-27 パナソニックIpマネジメント株式会社 駐車支援装置、駐車支援方法及び駐車支援プログラム

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