JP2014196039A - 走行アシスト装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ユーザによるハンドル18の操作に応じて操舵がなされる車両10について、ユーザがハンドル18から手を離した場合、ハンドル18を握るようユーザに注意を喚起すること。
【解決手段】車両10が狭路を走行中、ハンドル18から手を離したことが触覚センサ42によって検出されると、制御装置30は、車両10が障害物に当たらないようにするうえで適切な舵角(推奨舵角θ*)を操舵制御部16に出力する。これにより、実際の舵角である操舵輪舵角θに加えて、ハンドル18の舵角であるステアリング舵角θcが推奨舵角θ*とされる。ただし、狭路の終端となるに先立ち、主機ユニット20への指令トルクTrq*を低減することで、ユーザにハンドル18を握るよう注意を喚起する。
【選択図】図1
【解決手段】車両10が狭路を走行中、ハンドル18から手を離したことが触覚センサ42によって検出されると、制御装置30は、車両10が障害物に当たらないようにするうえで適切な舵角(推奨舵角θ*)を操舵制御部16に出力する。これにより、実際の舵角である操舵輪舵角θに加えて、ハンドル18の舵角であるステアリング舵角θcが推奨舵角θ*とされる。ただし、狭路の終端となるに先立ち、主機ユニット20への指令トルクTrq*を低減することで、ユーザにハンドル18を握るよう注意を喚起する。
【選択図】図1
Description
本発明は、走行アシスト装置に関し、特にユーザの意思に応じて車両を走行させるアシストをする走行アシスト装置に関する。
たとえば下記特許文献1には、道路区分線で区画される車線の中央(レーン)から車両が逸脱しそうになる場合、逸脱するのを回避すべく、操舵のためのアクチュエータにアシストトルクを付与する走行アシスト装置も提案されている。特に、この装置では、ユーザによるハンドルの操作をアシストするアシストトルクと上記アクチュエータに付与されるアシストトルクとの干渉を回避するように、上記アクチュエータに付与されるアシストトルクを適合している。
ただし、たとえば狭路を走行している状況においては、ユーザが進行方向を操舵によって選択する余地はなく、ユーザは、車両を狭路に沿って走行させるために操舵をすることしかできない。しかし、狭路に沿って走行させるべくハンドルを常時握っているのはユーザにとって煩わしく感じられることがある。ここで、ユーザがハンドル(舵角操作手段)から手を離した場合、狭路から退出するなどして走行可能領域が拡大すると、車両の走行方向の自由度が拡大するため、ユーザがどこに進みたいのかを特定することができないという問題があった。上記特許文献1においては、ユーザの意思に沿った制御を行うためにはいかなる処理が適切かについて何ら開示がない。
本発明は、上記問題を解決する過程でなされたものであり、その目的は、ユーザによる舵角操作手段の操作に応じて操舵がなされる車両について、舵角操作手段が解放状態とされた場合に、舵角操作手段を通じた操舵を行うようにユーザに注意を喚起することができる車両の走行アシスト装置を提供することにある。
請求項1記載の走行アシスト装置では、少なくとも舵角操作手段が解放状態とされている場合、設定手段の設定する走行可能領域を走行するように、補助操舵手段によって、舵角が操作される。この場合、走行可能領域が規定領域以上に拡大すると、車両の走行方向の自由度が拡大するため、ユーザがどこに進みたいのかを特定することができない。この点に鑑み、喚起手段を備えることで、舵角操作手段を通じた操舵を行うようにユーザに注意を喚起することができる。そしてユーザが舵角操作手段を通じた操舵を再開するなら、走行可能領域のうちのどの領域に車両を走行させるかについてのユーザの意思を反映することができる。
なお、補助操舵手段による補助操舵処理は、解放判断手段の判断結果を入力として、すなわち、解放判断手段によって解放状態であると判断されることを条件に実行されるものであってもよいが、これに限らない。たとえば、車両が走行可能領域内を走行するための舵角とするうえで変位させることが望ましい方向の力が操舵操作手段に常時付与されるものであってもよく、この場合、解放状態となることで自然に補助操舵処理がなされることとなる。ただし、喚起手段の喚起処理については、補助操舵処理がなされていることを把握するために、解放判断手段の判断結果を入力とする。
請求項2記載の走行アシスト装置では、アクセル操作手段の操作によって車両の駆動力が変更されたとしても補助操舵処理を継続可能であるため、請求項1記載の走行アシスト装置の効果に加えて、あくまでもユーザによる車両の走行を主として且つ、代行舵角処理によって、ユーザによる車両の走行をアシストすることができるという効果を奏する。
請求項3記載の走行アシスト装置では、アクセル操作手段の操作がなされているときにおいて補助操舵処理を実行開始可能であるため、請求項1または2記載の走行アシスト装置の効果に加えて、ユーザが車両を走行させているときにふと操舵操作手段を解放状態とした場合等に、補助操舵処理の実行をユーザが特に指示する必要がないため、補助操舵処理を円滑に行うことができるという効果を奏する。このため、ユーザの意思に応じた走行を極力妨げることなく、車両の走行をアシストすることができるという効果を奏する。
請求項4記載の走行アシスト装置では、駆動力低減手段を備えるため、走行可能領域が拡大するのに先立って、駆動力を低減することができる。このため、請求項1から3のいずれか1項に記載の走行アシスト装置の効果に加えて、ユーザに車両の駆動力の変化を体感させることを通じて、舵角操舵手段を通じた操舵を行うように注意を喚起することができるという効果を奏する。
請求項5記載の走行アシスト装置では、速度低減手段を備えるため、走行可能領域が拡大するのに先立って、車両の走行速度を低減することができる。このため、請求項1から4のいずれか1項に記載の走行アシスト装置の効果に加えて、ユーザに車両の走行速度の変化を体感させることを通じて、舵角操舵手段を通じた操舵を行うように注意を喚起することができるという効果を奏する。
請求項6記載の走行アシスト装置では、走行可能領域が拡大する地点に近づくほど低減処理の低減度合いを大きくすることで、請求項4または5記載の走行アシスト装置の効果に加えて、走行可能領域が拡大する地点に近づくことで注意をより強く喚起したり、拡大する地点における走行速度を制限したりすることができるという効果を奏する。
請求項7記載の走行アシスト装置では、本来、操舵操作手段がユーザによって操作されるべきものであり、これが解放されることで補助操舵処理がなされるのは、ユーザによる車両の運転にとって本来のあるべき姿ではないことに着目する。そしてこの点に鑑み、上限ガード処理手段を備えることで、請求項1から6のいずれか1項に記載の走行アシスト装置の効果に加えて、補助操舵処理がなされているときの車両の走行速度をユーザによって舵角操作手段の操作がなされているときと比較して制限することができるという効果を奏する。
請求項8記載の走行アシスト装置では、走行可能領域が拡大するのは、車両の進行方向の側方の領域が新たに走行可能領域になる場合であることに着目する。この点に鑑み、進行方向の両側の規定の領域が走行可能領域か否かを判断する判断手段を備えることで、請求項1から7のいずれか1項に記載の走行アシスト装置の効果に加えて、さらに、走行可能領域が拡大するか否かを的確に判断できるという効果を奏する。
<第1の実施形態>
以下、本発明にかかる走行アシスト装置の第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
以下、本発明にかかる走行アシスト装置の第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施形態のシステム構成を示す。
本実施形態では、車両10として4輪車を想定しているが、図の上方においては、そのうちの操舵輪としての一対の車輪12のみを図示している。車輪12は、アクチュエータ14によって操舵される。アクチュエータ14は、操舵制御部16からの指令信号に基づき駆動されるものである。操舵制御部16には、ユーザが操舵を行うべく操作するハンドル18が接続されている。操舵制御部16は、ユーザによって操作されたハンドル18の舵角(ステアリング舵角θc)に基づき、操舵輪としての車輪12の舵角(操舵輪舵角θ)を操作するための指令信号をアクチュエータ14に出力する。すなわち、本実施形態にかかる操舵装置は、ステアバイワイヤである。ここで、ハンドル18は基準位置が定まっており、基準位置からの回転量によってステアリング舵角θcが定義される。そして、操舵制御部16では、ステアリング舵角θcに基づき、操舵輪舵角θを制御する。ちなみに、本実施形態では、操舵輪舵角θを、一対の車輪12の回転軸に直交する軸である操舵軸dtaと、車両10の前後軸fbaとのなす角度と定義する。また、ステアリング舵角θcは、ハンドル18の回転量の値ではなく、ハンドル18の回転量に応じて定まる操舵輪舵角θの値とする。
車両10は、さらに、車載主機としての電動機を内蔵した主機ユニット20を備えている。主機ユニット20は、その回転力を駆動輪に出力するものである。なお、駆動輪は、操舵輪と同一でもよく、また異なっていてもよい。
制御装置30は、車両の走行をアシストする機能を有した電子制御装置である。制御装置30は、中央処理装置(CPU)32や、ランダムアクセスメモリ(RAM)34、不揮発性メモリ36等を備えている。ここで、不揮発性メモリ36は、給電の有無にかかわらずデータを記憶保持するメモリであり、たとえばROMやフラッシュメモリ等からなる。
制御装置30には、ハンドル18の変位を検出することでステアリング舵角θcを検出する舵角センサ40の出力値や、ハンドル18にユーザの手が接触していることを感知する触覚センサ42の出力値、アクセルペダル50の操作量ACCPを検出するアクセルセンサ52の出力値等が入力される。また、制御装置30は、車両10の周囲の画像データを生成するカメラ60の出力値を取り込む。
制御装置30は、上記各センサの出力値やカメラ60の出力値に基づき、車両10の走行をアシストすべく、主機ユニット20や操舵制御部16を操作する。すなわち、主機ユニット20に、トルク指令値Trq*を出力することで、主機ユニット20に、内蔵の電動機のトルクをトルク指令値Trq*に制御させる。また、推奨舵角θ*を操舵制御部16に出力することで、ステアリング舵角θcや操舵輪舵角θを推奨舵角θ*に制御させる。さらに、ハンドル抵抗Tsを操舵制御部16に出力することで、ハンドル18の操作にハンドル抵抗Tsを付与させる。
制御装置30の上記アシスト機能は、基本的には、アクセルペダル50の操作によって車両の駆動に対する要求トルクが指示されたり、ハンドル18が操作されることで車両10の走行方向が指示されたりして、車両10がユーザによって運転されているときにおいて、その走行が適切なものとならない事態を回避するためにアシスト処理を実行する機能である。このアシスト処理は、具体的には、車両10の周囲にセーフティーゾーンを設け、セーフティーゾーンに障害物等が侵入する事態となった場合に、その事態を解消するためのアシストを行うというものである。
図2に、セーフティーゾーンの算出処理の手順を示す。この処理は、制御装置30によって、たとえば所定周期で繰り返し実行される。詳しくは、この処理は、不揮発性メモリ36に記憶されたプログラムをCPU32が実行することで行われる。
この一連の処理では、まずS10において、操舵輪舵角θを取得する。なお、本実施形態では、操舵制御部16によって操舵輪舵角θがステアリング舵角θcに制御されるため、操舵輪舵角θの値は、舵角センサ40の出力値に基づくステアリング舵角θcによって代用される。次に、操舵輪舵角θに基づき、注意領域CAおよび禁止領域PAを順次算出する(S12,S14)。ここで、禁止領域PAは、図3に示すように、車両10を包含する領域である。これに対し、注意領域CAは、禁止領域PAの周囲の領域である。詳しくは、本実施形態では、禁止領域PAは、車両10が現在の操舵輪舵角θで規定距離だけ前進した場合に車両10が占有する領域と後退した場合に車両10が占有する領域との和集合とする。また、注意領域CAは、車両10が現在の操舵輪舵角θで規定距離よりも長い所定距離だけ前進した場合に車両10が占有する領域と後退した場合に車両10が占有する領域との和集合から禁止領域PAを除いた領域とする。
続いてCPU32は、上記カメラ60(図1参照)の出力値に基づき、車両10の周囲の障害物等を検出する(図2のS16)。そしてCPU32は、障害物の検出結果に基づき、車両10や障害物等の位置を、制御装置30の認識する所定の座標上にプロットすることで、車両10の走行可能領域を設定する(S18)。ここで、走行可能領域は、少なくとも車体に当たりうる高さを有した障害物を含まない領域である。また、車線がある場合、反対車線を含まない領域である。車線については、S16の処理におけるカメラ60の出力値を用いて把握することができる。ちなみに、走行可能領域の設定処理は、実際には、障害物や反対車線等、走行不可能な領域を設定(記憶)する処理としてもよい。これによって、走行可能領域は、走行不可能な領域として設定(記憶)されている領域以外の領域として定義されることとなる。
なお、CPU32は、走行可能領域の設定処理が完了する場合(S18)、この一連の処理を一旦終了する。
このように、注意領域CA、禁止領域PA、走行可能領域を設定することで、走行可能領域から注意領域CAや禁止領域PAが逸脱する場合、車両10が走行可能領域から逸脱しようとしていると判断することができる。そして、車両10が走行可能領域から逸脱しようとしている場合、車両10が走行可能領域内を走行するようにアシストすることが可能となる。以下、アシスト処理について詳述する。
図4に、本実施形態にかかるアシスト処理の1つであるアクセル操作ゲイン低下処理の手順を示す。この処理は、走行可能領域から逸脱しようとする車両10の走行状態をユーザが余裕を持って改善することを可能とすることなどを狙ったものである。この処理は、制御装置30によって、たとえば所定周期で繰り返し実行される。詳しくは、この処理は、不揮発性メモリ36に記憶されたプログラムをCPU32が実行することで行われる。
この一連の処理では、CPU32は、上記カメラ60(図1参照)の出力値に基づき、たとえば注意領域CAに障害物が侵入する度合い等、注意領域CAが走行可能領域から逸脱する度合いを定量化した注意領域侵入度DCAを算出する(S20)。注意領域侵入度DCAは、たとえば、注意領域CA内部における走行が可能でない領域の任意の点と、注意領域CAの境界との距離についての最大値とすればよい。
続いてCPU32は、上記カメラ60(図1参照)の出力値に基づき、たとえば禁止領域PAに障害物が侵入する度合い等、禁止領域PAが走行可能領域から逸脱する度合いを定量化した禁止領域侵入度DPAを算出する(S22)。禁止領域侵入度DPAは、たとえば、禁止領域PA内部における走行が可能でない領域の任意の点と、禁止領域PAの境界との距離についての最大値とすればよい。
続いてCPU32は、注意領域侵入度DCAや禁止領域侵入度DPAに基づき、アクセルペダル50の操作量ACCPに対する車両10の駆動力の比であるゲインを低下させるための反力Trqrを算出する(S24)。詳しくは、図5(a)に示す注意領域侵入度DCAと反力Trqrとの関係や、図5(b)に示す禁止領域侵入度DPAと反力Trqrとの関係に基づき反力Trqrを算出する。
図5(a)は、注意領域侵入度DCAが大きくなるにつれて反力Trqrが漸増する関係を示している。詳しくは、反力Trqrが注意領域侵入度DCAに比例する関係を示している。また、図5(b)は、反力Trqrが最大値Trqmaxとなるまでの間、禁止領域侵入度DPAが大きくなるにつれて反力Trqrが漸増する特性を示している。詳しくは、反力Trqrが最大値Trqmaxとなるまでの間、反力Trqrが禁止領域侵入度DPAに比例する関係を示している。図5(a)に示す注意領域侵入度DCAと反力Trqrとの関係や、図5(b)に示す禁止領域侵入度DPAと反力Trqrとの関係は、マップとして不揮発性メモリ36に予め記憶されている。
なお、注意領域CAおよび禁止領域PAの双方が走行可能領域から逸脱している場合、注意領域侵入度DCAに応じた反力Trqrと、禁止領域侵入度DPAに応じた反力Trqrとの合計を、反力Trqrとすればよい。またこれに代えて、注意領域侵入度DCAに応じた反力Trqrと、禁止領域侵入度DPAに応じた反力Trqrとのうち、大きい方を採用してもよい。
こうして反力Trqrを算出すると、CPU32は、アクセルペダル50の操作量ACCPに基づき、ユーザ要求トルクTrqcを算出する(S26)。続いて、ユーザ要求トルクTrqcから反力Trqrを減算することで、指令トルクTrq*を算出する(S28)。これにより、ユーザ要求トルクTrqcに対する指令トルクTrq*の比は、反力Trqrが大きいほど小さくなる。ここで、ユーザ要求トルクTrqcは、アクセルペダルの操作量ACCPによって必ずしも一義的に定まるものとする必要はないが、アクセルペダルの操作量ACCPとユーザ要求トルクTrqcとの間には、正の相関がある。このため、アクセルペダルの操作量ACCPに対する指令トルクTrq*の比(ただし、アクセルペダル50が解放されているときの基準となる操作量ACCPである操作量ACCPの最小値をゼロよりも大きい値と定義する)であるゲインは、指令トルクTrq*を定めるうえでの条件が走行可能領域から逸脱しようとしている度合いを除いて同一なら、反力Trqrが大きいほど低下する。そして、注意領域侵入度DCAと反力Trqrとの間に上述した関係があることから、アクセルペダルの操作量ACCPに対する指令トルクTrq*の比であるゲインは、指令トルクTrq*を定めるうえでの条件が走行可能領域から逸脱しようとしている度合いを除いて同一なら、注意領域侵入度DCAが大きくなるにつれて漸減する。同様に、禁止領域侵入度DPAと反力Trqrとの間に上述した関係があることから、アクセルペダルの操作量ACCPに対する指令トルクTrq*の比であるゲインは、指令トルクTrq*を定めるうえでの条件が走行可能領域から逸脱しようとしている度合いを除いて同一なら、禁止領域侵入度DPAが大きくなるにつれて漸減する。
なお、S28の処理では、ユーザ要求トルクTrqcを絶対値として扱っており、反力Trqrについても絶対値を扱っている。これにより、この図4に示す処理に限っては、指令トルクTrq*は、要求トルクTrqcと同一符号の場合に正となる値とされている。指令トルクTrq*は、反力Trqrがユーザ要求トルクTrqcを上回らない限り、ゼロ以上の値となる。ただし、禁止領域侵入度DPAに応じて定まる反力Trqrの最大値Trqmax(図5(b))は、ユーザ要求トルクTrqcの絶対値の最大値を上回る値に設定されている。このため、指令トルクTrq*は、負となりうる。換言すれば、ユーザ要求トルクTrqcとは逆符号となりうる。そしてこの場合、ゲインの符号も負となる。
ちなみに、反力Trqrを用いた指令トルクTrq*の算出は、注意領域侵入度DCAや禁止領域侵入度DPAが増加する方向に車両10を走行させようとしている場合に行われる。すなわち、先の図5に示した関係からすれば反力Trqrがゼロよりも大きい値を有する場合であっても、注意領域侵入度DCAや禁止領域侵入度DPAを減少させる方向に車両10を走行させようとしている場合には、反力Trqrをトルク指令値Trq*の算出に使用しない。これは、車両10が走行可能領域から逸脱しようとする状態をユーザが改善しようとしている場合に、反力Trqによって改善の試みが妨げられる事態を回避するためである。
CPU32は、指令トルクTrq*を算出すると、車両10の走行速度(車速Vv)がゼロであって且つ、指令トルクTrq*が車速Vvをゼロに保つ上で必要な値である下限トルクTrqthよりも小さいか否かを判断する(S30)。ここで、下限トルクTrqthは、車両10の路面の勾配等に基づきCPU32によって算出される。すなわち、たとえば、路面の勾配がゼロである場合には、下限トルクTrqthをゼロとすればよい。またたとえば、路面が上り坂である場合には、車両10が上り坂で停止可能なトルクとすればよい。なお、路面の勾配の検出手法については周知のため、勾配を検出するためのセンサ等についての説明は省略する。
CPU32は、指令トルクTrq*が下限トルクTrqthよりも小さいと判断する場合(S30:Yes)、指令トルクTrq*を下限トルクTrqthとする(S32)。これにより、指令トルクTrq*には、下限トルクTrqthによって下限ガード処理が施されることとなる。この処理は、アクセル操作ゲイン低下処理によって車両10の進行方向が、ユーザの意図していた方向とは反転する状況を回避するためのものである。すなわち、本実施形態にかかるアクセル操作ゲイン低下処理は、車両10がユーザの意図する方向とは逆方向に変位することを回避するという制約のもとで、アクセルペダル50の操作量ACCPに対する指令トルクTrq*の比であるゲインを低下させるものである。
なおCPU32は、指令トルクTrq*が下限トルクTrqth以上であると判断する場合(S30:No)や、指令トルクTrq*に対する下限ガード処理を施した場合(S32)にはこの一連の処理を終了する。
本実施形態では、アシスト処理として、さらに、操舵のアシスト処理をも実行する。特に、本実施形態では、操舵のアシスト処理として、ハンドル18がユーザによって操作されているときの処理と、ハンドル18が解放されているときの処理との2種類の処理を有する。以下、これについて説明する。
図6に、上記2種類の処理を使い分けるための手放し判断処理の手順を示す。この処理は、制御装置30によって、たとえば所定周期で繰り返し実行される。詳しくは、この処理は、不揮発性メモリ36に記憶されたプログラムをCPU32が実行することで行われる。
この一連の処理では、CPU32は、まずS40において、車両10が狭路を走行中であるか否かを判断する。この判断は、ハンドル18が解放されているときのアシストの実行条件の1つが成立しているか否かを判断するためのものである。ここで、狭路を走行中であることを実行条件に含めているのは、狭路においては、ユーザがハンドル18を解放したときにおけるユーザの意思が狭路に沿って車両10の走行を継続することであると考えられる一方、狭路以外を走行中である場合、ユーザがハンドル18を解放すると、ユーザの意思を把握することが困難な事態も生じうるためである。このため、ハンドル18が解放されているときのアシストの実行条件として、ユーザの意思に応じて車両を走行させるアシストを行うべく、狭路を走行中である旨の条件を含めた。なお、狭路とは、反対方向に走行する車両とのすれ違いができない程度の道とする。狭路であるか否かの判断は、上記カメラ60(図1参照)の画像データに基づき実行される。
そしてCPU32は、狭路を走行中であると判断する場合(S40:Yes)、手放しフラグF1が「1」であるか否かを判断する。手放しフラグF1は、ユーザがハンドル18から手を離すことで「1」とされ、ユーザがハンドル18を握ることで「0」とされる。なお、手放しフラグF1は、この一連の処理によってその値が逐次更新され、先の図1に示したRAM34に記憶される。
CPU32は、手放しフラグF1が「1」でないと判断する場合(S42:No)、上記触覚センサ42(図1参照)の出力値に基づき、ユーザがハンドル18から手を離すハンドル18の解放状態となっているか否かを判断する(S44)。そしてCPU32は、ハンドル18の解放状態であると判断する場合(S44:Yes)、手放しフラグF1を「1」とする(S46)。
そしてCPU32は、手放しフラグF1が「1」であると判断する場合(S42:Yes)や、手放しフラグF1を「1」とする場合(S46)には、上記触覚センサ42(図1参照)の出力値に基づき、ハンドル18が握られたか否かを判断する(S48)。そしてCPU32は、ハンドル18が握られたと判断する場合(S48:Yes)や、狭路を走行中ではないと判断する場合(S40:No)、さらにはハンドル18の解放状態ではないと判断される場合(S44:No)には、手放しフラグF1を「0」とする(S49)。なお、CPU32は、S48においてハンドル18が握られていないと判断する場合(S48:No)や、手放しフラグF1を「0」とする場合(S49)には、この一連の処理を一旦終了する。
図7に、ユーザがハンドルを握っているときにおける操舵アシスト処理の手順を示す。この処理は、制御装置30によって、たとえば所定周期で繰り返し実行される。詳しくは、この処理は、不揮発性メモリ36に記憶されたプログラムをCPU32が実行することで行われる。
この一連の処理では、CPU32は、まずS50において、手放しフラグF1が「0」であるか否かを判断する。そしてCPU32は、手放しフラグF1が「0」であると判断する場合(S50:Yes)、上記舵角センサ40(図1参照)の出力値を取り込むことで、ステアリング舵角θcを取得する(S52)。続いて、上記カメラ60(図1参照)の出力値に基づき、車両10が走行可能領域内を走行するうえで許容される舵角の範囲である許容舵角範囲を算出する(S54)。次に、ステアリング舵角θcが許容舵角範囲内にあるか否かを判断する(S56)。そしてCPU32は、許容舵角の解が存在するにもかかわらず許容舵角範囲内にないと判断する場合(S56:No)、ステアリング舵角θcが許容舵角範囲から離脱する度合いである離脱度Δθを算出する(S58)。なお、S56においては、S54における処理において許容舵角範囲の解がない場合には、肯定判断されることとする。
CPU32は、離脱度Δθの算出処理が完了すると、操舵制御部16を操作することでハンドル18に抵抗を付与する処理であるハンドル抵抗Tsの付与処理を実行する(S60)。この処理は、ハンドル18が離脱度Δθを大きくする側に変位することに対し抵抗を付与する処理とする。本実施形態では、ハンドル抵抗Tsは、離脱度Δθが大きくなるにつれてハンドル抵抗Tsが漸増する設定としている。具体的には、ハンドル抵抗Tsを、離脱度Δθに比例させている。ちなみに、ハンドル抵抗Tsは、アシストのためにあえて付与する抵抗力の値を示しており、ハンドル抵抗Tsがゼロである場合にハンドル18の操作に要する力が略ゼロであることを意味していない。
なおCPU32は、ハンドル抵抗Ts付与処理が完了する場合(S60)や、手放しフラグF1が「0」ではないと判断される場合(S50:No)、さらには、ステアリング舵角θcが許容舵角範囲内にあるか許容舵角範囲の解がない場合(S56:Yes)には、この一連の処理を一旦終了する。
図8に、ハンドル18の解放状態におけるアシスト処理である補助操舵処理の手順を示す。この処理は、制御装置30によって、たとえば所定周期で繰り返し実行される。詳しくは、この処理は、不揮発性メモリ36に記憶されたプログラムをCPU32が実行することで行われる。
この一連の処理では、CPU32は、まずステップS70において、手放しフラグF1が「1」であるか否かを判断する(S70)。そしてCPU32は、手放しフラグF1が「1」であると判断する場合(S70:Yes)、車両10が走行可能領域内を走行することが可能な舵角である推奨舵角θ*を算出する(S72)。ここで、推奨舵角θ*は、上記注意領域CAや禁止領域PAが走行可能領域から極力逸脱しない値に設定される。そしてCPU32は、推奨舵角θ*を算出すると、操舵制御部16に推奨舵角θ*を出力する(S74)。これにより、操舵制御部16によって、操舵輪舵角θのみならずステアリング舵角θcが推奨舵角θ*に制御される。これは、ステアリング舵角θcと操舵輪舵角θとの対応関係を維持するための設定である。
続いてCPU32は、狭路の終端が検出されたか否かを判断する(S76)。すなわち、図9(a)や図9(b)に例示するように、車両10の進行方向において、車両10の近くに車両の走行可能領域が規定領域以上に拡大する領域がある場合、狭路の終端を検出することができる。ここで、規定領域とは、ユーザによる操舵がなされない場合にはユーザの意図する車両10の走行経路を把握できなくなるほど広い領域である。なお、この処理は、カメラ60の出力値を入力とし、車両10の進行方向における画像データを解析することで実行される。そして、狭路の終端が検出されると、終端との距離情報を定量化した終端到達度Δx/Lを算出する(S78)。本実施形態では、終端到達度Δx/Lを、図9(a)に例示するように、車両10の進行方向右側の右前方領域RAと、車両10の進行方法左側の左前方領域LAとのそれぞれが狭路からはみ出す度合いとして算出する。ここで、図9(a)に示す例では、右前方領域RAと左前方領域LAとのそれぞれについての車両10の進行方向の長さLを等しい長さとする例が示されており、終端到達度Δx/Lは、右前方領域RAと左前方領域LAとのそれぞれのうち狭路からはみ出す領域の車両10の進行方向における長さΔxに対する上記長さLの比「Δx/L」として定義される。
一方、図9(b)は、狭路が曲がっているため、車両10が旋回している状況を示している。この場合、狭路NRを過ぎても狭路NRに沿って車両10が旋回を続けると仮定して右前方領域RAと左前方領域LAとを定義する。ここで、右前方領域RAと左前方領域LAとは、それぞれ車両10を規定量だけ旋回させる際に車両10の側方の領域として定義されるため、車両10の進行方向における長さLが互いに相違している。この場合、終端到達度Δx/Lは、右前方領域RAと左前方領域LAとのそれぞれの長さLに対する走行可能領域の占める長さΔxの比「Δx/L」のうち大きい方とする。なお、図9(a)に例示するように狭路NAが直進道路である場合であっても、狭路NAの終端で左右のうちの一方のみが走行可能領域になるなど、右前方領域RAと左前方領域LAとで比「Δx/L」が相違する場合、比「Δx/L」が大きい方を終端到達度Δx/Lとする。
なお、右前方領域RAと左前方領域LAとのそれぞれの横幅(車両10の進行方向に直行する方向の幅)は、狭路の横幅がわずかに拡大した場合に、その部分を狭路の終端よりも先の領域であると誤判断しない程度に大きい値に設定する。
続いてCPU32は、図8のS80において、終端到達度Δx/Lに基づき、ユーザにハンドル18を操作して操舵を行うよう注意を喚起するための反力Trqr1を算出する。ここで、反力Trqr1は、S78において算出された終端到達度Δx/Lが大きくなるにつれて漸増するように設定される。特に本実施形態では、反力Trqr1を終端到達度Δx/Lに比例させる。なお、狭路の終端に到達したときの反力Trqr1、すなわち、終端到達度Δx/Lが「1」となるときの反力Trqr1は、車両10を確実に停止させることができる値とする。
続いてCPU32は、トルク指令値Trq*を、反力Trqr1だけ減少補正する(S82)。そして、車速Vvがゼロであって且つ、減少補正されたトルク指令値Trq*が上記下限トルクTrqthよりも小さいか否かを判断する(S84)。そしてCPU32は、下限トルクTrqthよりも小さいと判断する場合(S84:Yes)、トルク指令値Trq*を下限トルクTrqthとする(S86)。すなわち、S84,S86では、トルク指令値Trq*に対して下限トルクTrqthによる下限ガード処理を施す。これにより、ユーザにハンドル18を操作して操舵を行うよう注意を喚起すべく車両10の駆動力を低減する処理は、車両10の進行方向を反転させることがないとの条件で行われることとなる。
なお、CPU32は、下限ガード処理を完了する場合(S84,S86)や、手放しフラグF1が「1」ではないと判断される場合(S70:No)、さらには狭路の終端を検出しない場合(S76:No)には、この一連の処理を一旦終了する。
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)狭路においてユーザがハンドル18を解放する場合、補助操舵処理を行った(図8)。ここで、狭路においては、ユーザがハンドル18を解放したときにおけるユーザの意思は、狭路に沿って車両10の走行を継続することであると考えられる。このため、狭路に沿って車両10の走行を継続する補助操舵処理を行うことで、ユーザの意思を反映した走行のアシストを行うことができる。
(2)狭路の終端に到達するに先立って、車両10の駆動力を低減させた(図8のS82)。ここで、狭路が終わる場合、走行可能領域が拡大するため、車両10の走行方向の自由度が拡大する。このため、ユーザがどこに進みたいのかを特定することができない。この点に鑑み、ユーザに車両10の駆動力の変化を体感させることを通じて、ハンドル18の操作を通じた操舵を行うように注意を喚起することで、ユーザによるハンドル18の操作による意思表示を促すことができる。
(3)図6に示した処理から明らかなように、手放しフラグF1が「1」となるのは、車両10が狭路を走行して且つハンドル18の解放状態が検出された場合であるため、ユーザがアクセルペダル50の操作をしているときや、アクセルペダル50の操作量ACCPが変化しているときであっても、図8に示した補助操舵処理は継続される。このため、基本的には、ユーザによる通常の操作を尊重しつつ、車両10の走行を継続したままハンドル18から手を離したいときにこれを許容可能とするアシストを行うことができる。
(4)図6に示した処理から明らかなように、手放しフラグF1が「1」となるのは、車両10が狭路を走行して且つハンドル18の解放状態が検出された場合であるため、ユーザがアクセルペダル50の操作をしているときや、アクセルペダル50の操作量ACCPが変化しているときであっても、図8に示した補助操舵処理は開始される。このため、基本的には、ユーザによる通常の操作を尊重しつつ、車両10の走行を継続したままユーザがハンドル18から手を離したいときにこれを許容可能とするアシストを行うことができる。
(5)狭路の終端に近づくほど車両10の駆動力の低減度合いを大きくした(図8:S80)。これにより、狭路の終端に近づくことで注意をより強く喚起したり、狭路の終端における車速Vvを制限したりすることができる。
(6)右前方領域RAと左前方領域LAとのうち、走行可能領域の占める割合によって、終端到達度Δx/Lを定量化した。ここで、狭路の終端においては、車両10の進行方向の側方の領域が新たに走行可能領域になるため、こうした定量化によれば、狭路の終端までの距離を好適に定量化することができる。
(7)右前方領域RAにおいて走行可能領域の占める割合と、左前方領域LAにおいて走行可能領域の占める割合とのそれぞれを定量化し、それらのうち大きい方を、狭路の終端までの距離の定量化に用いた(図8:S78)。これにより、車両10の進行方向右側と進行方向左側とで対称性が崩れている場合であっても、狭路の終端までの距離を精度よく定量化することができる。
(8)ユーザによってハンドル18が操作されているときにおいても、先の図4および図7に示したアシスト処理を行った。これにより、ハンドル18がユーザによって操作されているときと解放状態とされているときとの双方において、ユーザの意思を反映しつつ走行をアシストすることができる。
(9)アシスト処理として、ハンドル18が操作されているか解放状態であるかにかかわらず、先の図4の処理を行った。これにより、車両10が走行可能領域を逸脱しようとする場合、アクセルペダル50の操作の割に駆動トルクを低下させることで、走行可能領域から逸脱しようとする車両10の走行状態をユーザが余裕を持って改善することが可能となる。また、車両10が走行可能領域の境界に向かって進む際の車速Vvを制限することができる。さらに、アクセルペダル50の操作の割に駆動トルクが低下することをユーザに体感させることで、現在の車両10の走行のための操作が適切な操作でないことを気づかせることができる。
(10)アクセルペダル50の操作量ACCPの割に駆動トルクを低下させる処理を、車両10の進行方向を反転させることがない範囲で行った。ここで、ユーザのアクセル操作に伴って車両10に駆動力が付与されることで車両10が走行する際の車両10の進行方向は、ユーザの意思による進行方向であると考えられる。このため、車両10の進行方向を反転させることがない範囲で駆動トルクを低減することで、ユーザの意思を好適に反映しつつも車両10が走行可能領域から逸脱しないようにアシストすることができる。
(11)ハンドル18が操作されているときのアシスト処理として、先の図7に示した処理を行った。これにより、ハンドル18が車両10を走行可能領域から逸脱させるように操作される場合、ユーザに、ハンドル18の操作に抵抗を感じさせることができる。このため、抵抗を体感することで、ハンドル18の操作が適切でないことをユーザに気づかせることができる。
<第2の実施形態>
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
上記第1の実施形態では、ハンドル18の操作を通じた操舵を行うように注意を喚起すべく、車両10の駆動力を反力Trqr1によって低減した。これに対し、本実施形態では、注意を喚起すべく、車速Vvに上限ガード処理を施す。
図10に、ハンドル18の解放状態におけるアシスト処理である補助操舵処理の手順を示す。この処理は、制御装置30によって、たとえば所定周期で繰り返し実行される。詳しくは、この処理は、不揮発性メモリ36に記憶されたプログラムをCPU32が実行することで行われる。なお、図10において、先の図8に示した処理に対応する処理については、便宜上同一のステップ番号を付している。
図示されるように、本実施形態では、CPU32は、狭路の終端が検出されるか否かにかかわらず、補助操舵処理がなされる期間において、終端到達度Δx/Lを算出する(S78)。ここで、狭路の終端が検出されない場合には、終端到達度Δx/Lはゼロとされる。CPU32は、終端到達度Δx/Lを算出すると、これに基づき車両10の上限速度Vvthを算出する(S90)。ここで、上限速度Vvthは、終端到達度Δx/Lがゼロのとき最大値VHをとり、終端到達度Δx/Lが大きくなるにつれて漸減し、下限値VLに達するとその値を維持するものである。ここで、最大値VHは、補助操舵処理の実行時における車速Vvの上限値を規定するものである。
上限速度Vvthが算出されると、車両10の走行速度を上限速度Vvth以下とすべくトルク指令値Trq*の補正処理がなされる(S92)。
以上説明した本実施形態によれば、上記第1の実施形態の上記(1),(3)〜(11)の効果に準じた効果に加えて、さらに以下の効果が得られる。
(12)狭路の終端に到達するに先立って、車速Vvに対して上限速度Vvthによる上限ガード処理を施した。これにより、ユーザに車速Vvの変化を体感させることを通じて、ハンドル18の操作を通じた操舵を行うように注意を喚起することができる。
(13)上限速度Vvthを目標値として車速Vvをこれに制御する代わりに、車速Vvが上限速度Vvth以下となるように上限ガード処理を施した。これにより、ユーザによる運転をあくまで尊重しつつ走行をアシストすることができる。
(14)補助操舵処理がなされる場合、狭路の終端が近いか否かにかかわらず、車速Vvを上限速度Vvthによる上限ガード処理によって制限した。これは、本来、ハンドル18がユーザによって操作されるべきものであり、ハンドル18が解放されることで補助操舵処理がなされるのは、ユーザによる車両10の運転にとって本来のあるべき姿ではないとのスタンスに従ったものである。このように、補助操舵処理がなされているときの車速Vvをユーザによってハンドル18の操作がなされているときと比較して制限することで、ユーザが補助操舵処理に頼って車速Vvが過度に高くされる事態を好適に回避することができる。
<第3の実施形態>
以下、第3の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
以下、第3の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
上記第1の実施形態では、ハンドル18の操作を通じた操舵を行うように注意を喚起すべく、車両10の駆動力を反力Trqr1によって低減した。これに対し、本実施形態では、注意を喚起するための処理として、上記駆動力の低減処理に加えて、視覚情報や音声を利用した処理を行なう。
図11に、ハンドル18の解放状態におけるアシスト処理である補助操舵処理の手順を示す。この処理は、制御装置30によって、たとえば所定周期で繰り返し実行される。詳しくは、この処理は、不揮発性メモリ36に記憶されたプログラムをCPU32が実行することで行われる。なお、図11において、先の図8に示した処理に対応する処理については、便宜上同一のステップ番号を付している。
図示されるように、本実施形態では、CPU32は、終端到達度Δx/Lを算出すると(S78)、終端到達度Δx/Lがゼロよりも大きいか否かを判断し(S100)、ゼロよりも大きいと判断される場合(S100:Yes)、ユーザにハンドル18の操作を通じた操舵を行うように注意を喚起すべく、視覚情報や音声による警報を発する(S102)。ここで、視覚情報としては、たとえば車載表示器において何らかの警告表示をすればよく、音声としては、たとえばブザー音等を発したり、「ハンドルを握ってください」とのアナウンスをしたりすればよい。
この処理によれば、視覚情報や音声によって、ユーザにハンドル18の操作を通じた操舵を行うように注意を喚起することができるため、車両10の駆動力が低減することを体感した場合に、これが注意を喚起するためになされたものであるとユーザが認識しやすいというメリットがある。
<その他の実施形態>
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。各実施形態は、それぞれ、他の実施形態が有する構成の一部または複数部分を、その実施形態に追加し或いはその実施形態の構成の一部または複数部分と交換等することにより、その実施形態を変形して構成するようにしてもよい。以下、上記実施形態の変形例としての実施形態を記載する。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。各実施形態は、それぞれ、他の実施形態が有する構成の一部または複数部分を、その実施形態に追加し或いはその実施形態の構成の一部または複数部分と交換等することにより、その実施形態を変形して構成するようにしてもよい。以下、上記実施形態の変形例としての実施形態を記載する。
「駆動力低減手段について」
先の図8の処理においては、終端到達度Δx/Lが「1」となるときまでに車両10を確実に停止させるべく、終端到達度Δx/Lが「1」となるときの反力Trqr1を、車両10を確実に停止させることができる値に設定したが、これに限らず、たとえば、補助操舵処理がなされる際に想定される最大の駆動力と等しい値としてもよい。
先の図8の処理においては、終端到達度Δx/Lが「1」となるときまでに車両10を確実に停止させるべく、終端到達度Δx/Lが「1」となるときの反力Trqr1を、車両10を確実に停止させることができる値に設定したが、これに限らず、たとえば、補助操舵処理がなされる際に想定される最大の駆動力と等しい値としてもよい。
先の図8の処理においては、反力Trqr1を終端到達度Δx/Lに正比例させたが、反力Trqr1を終端到達度Δx/Lが大きくなるにつれて漸増させる手法としては、これに限らない。たとえば、反力Trqr1を、終端到達度Δx/Lを独立変数とする2次関数の従属変数としてもよい。これは、終端到達度Δx/Lが大きくなるほど反力Trqr1の増大量を大きくする一手法である。また、反力Trqr1を終端到達度Δx/Lが大きくなるにつれて連続的に増加させるものに限らず、たとえば終端到達度Δx/Lが大きくなるにつれて反力Trqr1を段階的に増大させるものであってもよい。
反力Trqr1を算出するものに限らず、指令トルクTrq*に補正係数K(<1)を乗算するものであってもよい。ここで、補正係数Kは、終端到達度Δx/Lが大きくなるにつれて漸減させることが望ましい。
「速度低減手段について」
先の図10のS90の処理においては、上限速度Vvthの下限値VLをゼロよりも大きい値としたが、これに限らず、ゼロとしてもよい。また、終端到達度Δx/Lが大きくなるにつれて上限速度Vvthを漸減させる手法としては、終端到達度Δx/Lが大きくなるのに比例して上限速度Vvthを低下させるものに限らず、たとえば、終端到達度Δx/Lに反比例して上限速度Vvthを低下させるものであってもよい。
先の図10のS90の処理においては、上限速度Vvthの下限値VLをゼロよりも大きい値としたが、これに限らず、ゼロとしてもよい。また、終端到達度Δx/Lが大きくなるにつれて上限速度Vvthを漸減させる手法としては、終端到達度Δx/Lが大きくなるのに比例して上限速度Vvthを低下させるものに限らず、たとえば、終端到達度Δx/Lに反比例して上限速度Vvthを低下させるものであってもよい。
また、終端到達度Δx/Lがゼロであるときから上限速度Vvthを設定するものに限らず、たとえば終端到達度Δx/Lがゼロよりも大きくなった場合に上限速度Vvthを設定するものであってもよい。
さらに、車速Vvの上限ガード処理を行うものに限らず、たとえば終端到達度Δx/Lがゼロよりも大きくなることをトリガとして、車速Vvを目標速度に制御するものであってもよい。ここで、目標速度は、終端到達度Δx/Lが大きくなるにつれて漸減するものであることが望ましい。
「上限ガード処理手段について」
先の図10に示した処理においては、終端到達度Δx/Lがゼロよりも大きい場合とゼロである場合との双方における上限ガード処理を、S90によって実行したが、これに限らない。たとえば、先の図8に示した処理においても、補助操舵処理がなされることをトリガとして、車速Vvの上限ガード処理を実行してもよい。この場合、上限ガード値は、終端到達度Δx/Lがゼロよりも大きい場合とゼロである場合とで共通としてよい。
先の図10に示した処理においては、終端到達度Δx/Lがゼロよりも大きい場合とゼロである場合との双方における上限ガード処理を、S90によって実行したが、これに限らない。たとえば、先の図8に示した処理においても、補助操舵処理がなされることをトリガとして、車速Vvの上限ガード処理を実行してもよい。この場合、上限ガード値は、終端到達度Δx/Lがゼロよりも大きい場合とゼロである場合とで共通としてよい。
「判断手段について」
先の図9では、終端到達度Δx/Lを、右前方領域RAの長さに対する走行可能領域となる部分の占める長さの比と、左前方領域LAの長さに対する走行可能領域となる部分の長さの比とのうち、大きい方と定義したがこれに限らない。たとえば上記一対の比の平均値としてもよい。
先の図9では、終端到達度Δx/Lを、右前方領域RAの長さに対する走行可能領域となる部分の占める長さの比と、左前方領域LAの長さに対する走行可能領域となる部分の長さの比とのうち、大きい方と定義したがこれに限らない。たとえば上記一対の比の平均値としてもよい。
また、車両10の周囲の画像データを生成する手段(カメラ60)の出力するデータに基づき、終端到達度Δx/Lを算出する手段にも限らず、たとえばナビゲーションシステムからの情報に基づき、終端到達度Δx/Lを取得するものであってもよい。
「喚起手段について」
先の図11のS100,S102の処理では、終端到達度Δx/Lがゼロよりも大きくなることで、音声や視覚情報による報知(警報)を行ったが、これに限らない。たとえば、反力Trqr1の付与に先立って報知を行ってもよい。この場合、反力Trqr1の付与に伴って報知を終了してもよい。また、音声や視覚情報による報知を行うものにおいて、駆動力については制限しないようにしてもよい。さらに、先の図10に示す処理と、音声や視覚情報による報知処理とを併用してもよい。
先の図11のS100,S102の処理では、終端到達度Δx/Lがゼロよりも大きくなることで、音声や視覚情報による報知(警報)を行ったが、これに限らない。たとえば、反力Trqr1の付与に先立って報知を行ってもよい。この場合、反力Trqr1の付与に伴って報知を終了してもよい。また、音声や視覚情報による報知を行うものにおいて、駆動力については制限しないようにしてもよい。さらに、先の図10に示す処理と、音声や視覚情報による報知処理とを併用してもよい。
喚起処理を、狭路の終端に到達するに先立って行う等、走行可能領域が規定領域以上に拡大するのに先立って行うものに限らない。たとえば、走行可能領域が規定領域以上に拡大する時点において行うものであってもよい。これにより、走行可能領域が拡大するか否かを判断する処理を簡素化することができる。
「補助操舵手段について」
上記各実施形態では、アクセルペダル50の操作に応じて車両10に駆動力が付与されることで車両10が走行しているときに補助操舵処理を実行したがこれに限らない。たとえば、車両10に現在の車速Vvを維持する指示をするスイッチを備え、このスイッチによって現在の車速Vvを維持することが指示された状態で補助操舵処理を行ってもよい。
上記各実施形態では、アクセルペダル50の操作に応じて車両10に駆動力が付与されることで車両10が走行しているときに補助操舵処理を実行したがこれに限らない。たとえば、車両10に現在の車速Vvを維持する指示をするスイッチを備え、このスイッチによって現在の車速Vvを維持することが指示された状態で補助操舵処理を行ってもよい。
狭路を走行していると判断される場合に補助操舵処理を実行するものに限らない。たとえば、片道1車線ずつからなる双方向の走行が可能な道路を走行しているときであってもよい。この場合、走行可能領域は、車線によって定めることができる。
ハンドル18を離したことを検出することをトリガとして実行するものに限らないことについては、「解放判断手段について」の欄に記載したとおりである。
なお、上記各実施形態では、補助操舵処理の実行条件にユーザの許可を含めなかったが、これに限らず、たとえば、ボタン等の指示手段を車両10に備え、指示手段を介した許可が予めなされている場合に限って補助操舵処理の実行を可能としてもよい。
「解放判断手段について」
上記各実施形態では、ユーザがハンドル18を握っているか否かを触覚センサ42の出力に基づき判断したが、これに限らない。たとえば、ハンドル18にユーザが加えるトルクの大小によって判断してもよい。またたとえば、車両10に距離画像センサを搭載し、これによって、ハンドル18とユーザの手との距離を測定することで、ユーザがハンドル18を離しているか否かを判断してもよい。
上記各実施形態では、ユーザがハンドル18を握っているか否かを触覚センサ42の出力に基づき判断したが、これに限らない。たとえば、ハンドル18にユーザが加えるトルクの大小によって判断してもよい。またたとえば、車両10に距離画像センサを搭載し、これによって、ハンドル18とユーザの手との距離を測定することで、ユーザがハンドル18を離しているか否かを判断してもよい。
なお、解放判断手段の判断結果が補助操舵手段による補助操舵処理の入力となることが必須ではないことについては、「補助操舵手段について」の欄に記載したとおりである。
「設定手段について」
車両10の周囲の画像データを生成する手段(カメラ60)の出力するデータに基づき、走行可能領域を設定するものに限らず、たとえばナビゲーションシステムからの情報に基づき走行可能領域を設定するものであってもよい。
車両10の周囲の画像データを生成する手段(カメラ60)の出力するデータに基づき、走行可能領域を設定するものに限らず、たとえばナビゲーションシステムからの情報に基づき走行可能領域を設定するものであってもよい。
「ゲイン低下手段について」
先の図5においては、反力Trqrを、注意領域侵入度DCAに比例させて且つ、最大値Trqmax以下の領域において禁止領域侵入度DPAに比例させたがこれに限らない。たとえば、注意領域侵入度DCAに比例させて且つ、禁止領域侵入度DPAに関しては、これがゼロでなくなることで、反力Trqrを最大値Trqmaxにステップ状に増加させるものであってもよい。
先の図5においては、反力Trqrを、注意領域侵入度DCAに比例させて且つ、最大値Trqmax以下の領域において禁止領域侵入度DPAに比例させたがこれに限らない。たとえば、注意領域侵入度DCAに比例させて且つ、禁止領域侵入度DPAに関しては、これがゼロでなくなることで、反力Trqrを最大値Trqmaxにステップ状に増加させるものであってもよい。
またたとえば、注意領域侵入度DCAが大きくなるにつれて反力Trqrを漸増させる手法としては、反力Trqrを、注意領域侵入度DCAに比例させるものに限らず、たとえば、注意領域侵入度DCAを独立変数とする2次関数の従属変数としてもよい。もっとも、注意領域侵入度DCAが大きくなるにつれて反力Trqrを連続的に増加させることも必須ではない。たとえば、注意領域侵入度DCAが大きくなるにつれて反力Trqrを段階的に増加させるもの等であってもよい。
同様、禁止領域侵入度DPAが大きくなるにつれて反力Trqrを漸増させる手法としては、反力Trqrを、禁止領域侵入度DPAに比例させるものに限らず、禁止領域侵入度DPAを独立変数とする2次関数の従属変数としてもよい。もっとも、禁止領域侵入度DPAが大きくなるにつれて反力Trqrを連続的に増加させることも必須ではない。たとえば、禁止領域侵入度DPAが大きくなるにつれて反力Trqrを段階的に増加させるもの等であってもよい。
反力Trqrの算出手法としては、1次元の量として定量化された注意領域侵入度DCAや禁止領域侵入度DPAを入力とするものに限らない。たとえば、2次元の量として定量化された侵入度を入力とするものであってもよい。これはたとえば、注意領域CAを車両10の横方向に複数に分割し、分割された各領域毎に、部分侵入度を定義して先の図5(a)に示した要領で反力を計算し、それら反力の合計値を反力Trqrとすることで実現できる。この場合、部分侵入度の集合を、2次元の量として定量化された侵入度とみなすことができる。
また、反力Trqrを算出するものに限らず、たとえば、指令トルクTrq*に補正係数K(<1)を乗算するものであってもよい。この場合、補正係数Kを、注意領域侵入度DCAや禁止領域侵入度DPAに応じて漸減させるものであることが望ましい。
アクセルペダル50の操作量ACCPに対する駆動力の比(ただし、アクセルペダル50が解放されているときの基準となる操作量ACCPである操作量ACCPの最小値をゼロよりも大きい値と定義する)であるゲインを低下させる手段としては、車両10が進行方向を反転させない範囲で、駆動力(指令トルクTrq*)の符号が車両10の進行方向とは逆側の加速度を付与するものとなることを許容するものにも限らない。たとえば、駆動力(指令トルクTrq*)がゼロ以上であるとの条件の下、アクセルペダル50の操作量ACCPに対する駆動力の比であるゲインを低下させるものであってもよい。
なお、たとえば障害物自体が変位して車両10に近づく場合、車両10を停止させるのみならず、車両10の停止前の進行方向とは逆方向に進行させる機能を搭載することも可能である。
「抵抗増大手段について」
先の図7に例示した処理では、ハンドル抵抗Tsをステアリング舵角θcが許容舵角範囲から離脱する度合い(離脱度Δθ)に比例させたが、離脱度Δθが大きくなるにつれてハンドル抵抗Tsを漸増させる手法としては、これに限らない。たとえば、ハンドル抵抗Tsを、離脱度Δθを独立変数とする2次関数の従属変数としてもよい。もっとも、離脱度Δθが大きくなるにつれてハンドル抵抗Tsを連続的に増加させることも必須ではない。たとえば、離脱度Δθが大きくなるにつれてハンドル抵抗Tsを段階的に増加させるもの等であってもよい。
先の図7に例示した処理では、ハンドル抵抗Tsをステアリング舵角θcが許容舵角範囲から離脱する度合い(離脱度Δθ)に比例させたが、離脱度Δθが大きくなるにつれてハンドル抵抗Tsを漸増させる手法としては、これに限らない。たとえば、ハンドル抵抗Tsを、離脱度Δθを独立変数とする2次関数の従属変数としてもよい。もっとも、離脱度Δθが大きくなるにつれてハンドル抵抗Tsを連続的に増加させることも必須ではない。たとえば、離脱度Δθが大きくなるにつれてハンドル抵抗Tsを段階的に増加させるもの等であってもよい。
先の図7に例示した処理では、ユーザが許容舵角範囲から離脱する側にハンドル18を変位させようとする場合にハンドル抵抗Tsを付与したが、これに限らない。たとえば、許容舵角範囲に戻す側のトルクを付与してもよい。この場合、ユーザのハンドル18に加える力が小さいなら、ステアリング舵角θcが、戻す側のトルクによって変更されることとなる。こうした処理を行うなら、補助操舵処理は、ハンドル18の解放状態の検知とは無関係に実現される。ただし、この場合であっても、狭路の終端に先立ってユーザに注意を喚起する処理を行う上では、ハンドル18の解放状態の検知が必要である。
抵抗の付与対象とされるマンマシーンインターフェースとしては、ハンドル18に限らない。たとえば、アクセルペダル50であってもよい。これは、たとえば注意領域CAに障害物が侵入するほどアクセルペダル50の踏み込み量(操作量)を大きくすることが困難となる抵抗を付与することで実現することができる。
「アシスト手段について」
アシスト手段としては、ゲイン低下手段および抵抗増大手段の双方を備えるものに限らず、たとえばゲイン低下手段のみを備えるものであったり、抵抗増大手段のみを備えるものであってもよい。
アシスト手段としては、ゲイン低下手段および抵抗増大手段の双方を備えるものに限らず、たとえばゲイン低下手段のみを備えるものであったり、抵抗増大手段のみを備えるものであってもよい。
また、ゲイン低下手段や抵抗増大手段にも限らない。たとえば、注意領域CAが走行可能領域から逸脱しようとすることでその旨を音声や視覚情報で通知するものであってもよい。これはたとえば、注意領域CAの右側前方が走行可能領域から逸脱しようとする場合、車載表示装置の画面右側に点滅表示等の危険表示を行い、且つ警報音を発することで行うことができる。なお、注意領域CAが走行可能領域から逸脱しようとすることで視覚情報等で通知する場合であっても、禁止領域PAが走行可能領域から逸脱しようとする場合には、ゲイン低下手段を用いることが望ましい。
また、注意領域CAや禁止領域PAを、車両10が前進した場合の占有領域と後退した場合の占有領域との和集合とするものに限らない。たとえば、車両10の進行方向に規定距離(所定距離)だけ進行した場合に占有する領域としてもよい。
また、注意領域CAや禁止領域PAを車両10の周囲に定義するものに限らない。たとえば障害物や車線の直近を禁止領域PAとして且つ禁止領域PAに隣接して注意領域CAを設定してもよい。この場合、車両10が注意領域CAや禁止領域PAに侵入することで、走行可能領域から車両10が逸脱しようとしていると判断すればよい。
なお、上記各実施形態では、ユーザによってアシストが指示されるボタン等の指示手段を車両10に備えることなく、アシスト手段によるアシストがなされることを想定したが、これに限らない。たとえば指示手段を介した指示がなされる場合に限ってアシストを行うものであってもよい。
ちなみに、補助操舵手段を備える車両にとって、アシスト手段を備えることは必須ではない。
上記各実施形態では、走行可能領域から逸脱しようとしていることを、上記カメラ60(図1参照)の出力値を入力として把握したが、これに限らない。たとえばナビゲーションシステムからの情報を入力としてもよい。
「舵角操作手段について」
ステアバイワイヤ装置に限らず、例えば電動パワーステアリング装置を用いてもよい。また、ハンドル18に限らず、たとえばジョイスティックであってもよい。さらに、手によって操作されるものにも限らない。
ステアバイワイヤ装置に限らず、例えば電動パワーステアリング装置を用いてもよい。また、ハンドル18に限らず、たとえばジョイスティックであってもよい。さらに、手によって操作されるものにも限らない。
「アクセル操作手段について」
アクセルペダル50に限らず、たとえばユーザが手によって操作する部材であってもよい。
アクセルペダル50に限らず、たとえばユーザが手によって操作する部材であってもよい。
「そのほか」
車載主機としては、電動機に限らず、たとえば内燃機関であってもよい。また、車輪の駆動方式としては、2WDに限らず、4WDであってもよい。さらに、車両10が4輪車であることも必須ではない。
車載主機としては、電動機に限らず、たとえば内燃機関であってもよい。また、車輪の駆動方式としては、2WDに限らず、4WDであってもよい。さらに、車両10が4輪車であることも必須ではない。
10…車両、18…ハンドル(舵角操作手段)、50…アクセルペダル(アクセル操作手段)、S18…設定手段、S20〜S32…アシスト手段(ゲイン低下手段),S40〜S49…アシスト手段(抵抗増大手段)、S44…解放判断手段、S70〜86…補助操舵手段、S78…領域判断手段、S82〜86…喚起手段(駆動力低減手段),S90,S92…喚起手段(速度低減手段、上限ガード処理手段)、S102…喚起手段、RA…右前方領域(規定の領域)、LA…左前方領域(規定の領域)。
Claims (8)
- ユーザによる舵角操作手段の操作に応じて操舵がなされる車両について、ユーザによる走行をアシストする車両の走行アシスト装置において、
前記車両の走行時、前記舵角操作手段をユーザが保持していない解放状態としているか否かを判断する解放判断手段と、
前記車両の走行可能領域を定める設定手段と、
前記設定手段によって定められる前記車両の走行可能領域内を前記車両が走行するように前記車両の舵角を操作する補助操舵処理を行う補助操舵手段と、
前記補助操舵処理がなされているときに前記車両の走行に伴って前記走行可能領域が規定領域以上に拡大する場合、ユーザに前記舵角操作手段を通じた操舵を行うように注意を喚起する喚起処理を行う喚起手段と、を備え、
前記喚起手段による前記喚起処理は、前記解放判断手段の判断結果を入力とし、前記解放状態としていると判断される場合に実行されることを特徴とする車両の走行アシスト装置。 - 前記車両は、ユーザによる要求トルクの指示がなされるアクセル操作手段を備え、
前記補助操舵処理は、前記アクセル操作手段の操作によって前記車両の駆動力が変更されたとしても継続可能である
ことを特徴とする請求項1記載の走行アシスト装置。 - 前記車両は、ユーザによる要求トルクの指示がなされるアクセル操作手段を備え、
前記補助操舵処理は、前記アクセル操作手段の操作によってユーザにより前記車両の要求トルクが指示されている状態で実行開始可能である
ことを特徴とする請求項1または2記載の走行アシスト装置。 - 前記車両は、ユーザによる要求トルクの指示がなされるアクセル操作手段を備え、
前記補助操舵手段による補助操舵処理は、前記アクセル操作手段の操作に応じて前記車両に付与される駆動力によって前記車両が走行している状態でなされるものであり、
前記喚起手段は、前記喚起処理として、前記アクセル操作手段の操作から定まる前記車両の駆動力よりも実際の駆動力を低減する低減処理を行う駆動力低減手段を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の走行アシスト装置。 - 前記喚起手段は、前記喚起処理として、前記車両の走行速度を低減する低減処理を行なう速度低減手段を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の走行アシスト装置。
- 前記喚起手段は、前記走行可能領域が拡大する地点に近づくほど前記低減処理の低減度合いを大きくすることを特徴とする請求項4または5記載の走行アシスト装置。
- 前記補助操舵処理がなされる場合、前記補助操舵処理がなされない場合と比較して、前記車両の走行速度の最大値を低下させるべく走行速度の上限ガード処理を行なう上限ガード処理手段を備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の走行アシスト装置。
- 前記喚起手段は、
前記車両の進行方向の両側のそれぞれに設けられた規定の領域が走行可能領域であるか否かを判断する領域判断手段を備え、
前記領域判断手段の判断結果に基づき、前記走行可能領域が拡大するか否かを判断することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の走行アシスト装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013072489A JP2014196039A (ja) | 2013-03-29 | 2013-03-29 | 走行アシスト装置 |
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2013
- 2013-03-29 JP JP2013072489A patent/JP2014196039A/ja active Pending
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