JP2014195922A - 積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温の環境下に置かれてもアウトガスが発生しにくいうえに、再剥離性にも優れる粘着剤層を備えた積層体を提供する。【解決手段】基材と、基材の一の面上に積層された粘着剤層とを備えた積層体であって、粘着剤層は、シリコーン系粘着剤組成物から形成されたものであり、シリコーン系粘着剤組成物は、シロキサン結合を主骨格としビニル基を含有する付加型のオルガノポリシロキサンを構成成分として含むシリコーンゴムと、シリコーンゴム100質量部あたり0.01質量部以上3質量部以下の白金触媒と、シリコーンゴム100質量部あたり15質量部以上100質量部以下のシリコーンレジンとを含み、粘着剤層を構成する材料を、空気雰囲気内で、23℃から200℃まで5℃/分で加熱したときの、40℃における材料の質量に対する200℃における材料の質量の減少率が0.20質量%以下である。【選択図】 なし

Description

本発明は、基材と、この基材の一方の主面上に積層された粘着剤層とを備えた積層体に関する。
粘着剤層を備える積層体は、表示デバイスの製造分野、半導体関連部材の製造分野、電気・電子部品の製造分野などに広く使用されている。表示デバイスの製造分野では、かかる積層体の具体例としてガラス基板(マザーガラス)と粘着剤層との積層体(本明細書において、「GP積層体」ともいう。)が挙げられ、使用にあたり、カバーガラスなどが被着体としてGP積層体の粘着剤層側の面に積層される。半導体関連部材の製造分野では、かかる積層体の具体例として半導体加工テープが挙げられ、使用にあたり、半導体ウェハなどが被着体としてこの積層体の粘着剤層側の面に積層され、半導体ウェハに加工が施される。電気・電子部品の製造分野では、かかる積層体の具体例として、フレキシブル印刷回路基板と粘着剤層との積層体(本明細書において、「FP積層体」ともいう。)が挙げられ、使用にあたり、筺体などが被着体としてFP積層体の粘着剤層側の面に積層される。
こうした積層体は、そのままの状態で、または被着体が積層された状態で、高温の環境(本明細書において、「高温の環境」とは、室温(23℃)より高い温度の環境を意味する。)下に置かれる場合がある。上記の例を用いて具体的に説明すれば、GP積層体はガラス面上に透明導電膜が形成される際に温度が高まる場合がある。半導体加工テープはダイシングテーブルなどに固定するために加熱される場合がある。FP積層体は筺体内の他の部品(例えばモータ)の動作によって高温の環境下に置かれる場合がある。
このような高温の環境下に置かれたときに、積層体が備える粘着剤層からアウトガス(積層体の保管中および/または使用中に、積層体の粘着剤層から放出された気体成分)が発生し、粘着剤層を構成する材料や基材を構成する材料が劣化したり、発生したアウトガスが被着体を含む積層体の周辺の部材を汚染したりすることが問題となる場合がある。
かかる問題を解決するために、特許文献1には、つぎのa〜e五成分;
a)アルキル基の炭素数が2〜14個である(メタ)アクリル酸アルキルエステル70〜100重量%と、これと共重合可能なモノエチレン性不飽和単量体30〜0重量%とからなる単量体100重量部
b)ラジカル連鎖禁止剤0.1〜5重量部
c)交叉結合剤としての多官能(メタ)アクリレート0.02〜5重量部
d)光重合開始剤0.005〜1重量部
e)シランカップリング剤0.01〜10重量部
を含む組成物の光重合物からなり、ヘイズ値が1%以下、全光線透過率が90%以上である粘着剤層が開示されている。
特開2009−102647号公報
しかし、特許文献1の粘着剤層では、200℃以上という過酷な使用条件では、アウトガスの発生を十分に抑えることができず、そのような環境での被着体の露出面側への表面処理を好適に行うことができなかった。
ところで、上記の積層体は、その製造過程や使用過程において、被着体から剥離させたり、再度被着体に積層(貼付)したりすることが求められる場合もある。また、用途によっては、この積層体を構成する基材と粘着剤層とを最終的に剥離する場合もある。これらの場合には、基材や被着体から粘着剤層を剥離させたときに、粘着剤層の構成材料が基材や被着体に残着する可能性が低減されている、すなわち、再剥離性に優れていることが好ましい。特に、粘着剤層は、高温の環境下に置かれる熱履歴を経た場合には、物理的・化学的な理由により、基材や被着体に対する粘着性が高まる場合があり、このような場合には、かかる熱履歴を経た後も、粘着剤層が基材や被着体に対して優れた再剥離性を有していることが好ましい。
本発明は、高温の環境下に置かれてもアウトガスが発生しにくいうえに、高温の環境下に置かれる熱履歴を経た後であっても被着体を汚染せず、再剥離性に優れる粘着剤層を備えた積層体を提供することを課題とする。
上記目的を達成するために提供される本発明は、第1に、基材と、前記基材の一の面上に積層された粘着剤層とを備えた積層体であって、前記粘着剤層は、シリコーン系粘着剤組成物から形成されたものであり、前記シリコーン系粘着剤組成物は、シロキサン結合を主骨格としアルケニル基を含有する付加型のオルガノポリシロキサンを構成成分として含むシリコーンゴムと、前記シリコーンゴム100質量部あたり0.01質量部以上3質量部以下の白金触媒と、前記シリコーンゴム100質量部あたり15質量部以上100質量部以下のシリコーンレジンとを含み、前記粘着剤層を、空気雰囲気内で、23℃から200℃まで5℃/分で加熱したときの、40℃における質量に対する200℃における質量の減少率が0.20質量%以下であることを特徴とする積層体を提供する(発明1)。
かかる積層体は、上記のように粘着剤層の質量減少率が低いため、本実施形態に係る積層体が高温環境下に置かれた場合でも、アウトガス量を安定的に低減させることが可能となる。また、粘着剤層が上記のシリコーン系粘着剤組成物から形成されるため、上記の積層体の粘着剤層を被着体に貼付した後、加熱処理を経ても、その後剥離する際には、粘着剤層が凝集破壊を起こさずに基材または被着体にのみ粘着剤層が残り、他方に粘着剤層が残らない。
上記発明(発明1)において、前記粘着剤層は、前記シリコーン系粘着剤組成物からなる粘着剤組成物層が表出した状態で200℃以上の温度の空気雰囲気内に60分間以上置く工程を含むアニール処理を経たものであることが好ましい(発明2)。
上記発明(発明1、2)において、前記積層体の前記粘着剤層側の面に被着体が積層された状態で、前記粘着剤層が加熱される処理が施されることが好ましい(発明3)。
上記発明(発明3)において、前記粘着剤層が加熱される処理は、前記被着体の前記粘着剤層に対向する面と反対側の面に対する表面処理であることが好ましい(発明4)。
上記発明(発明4)において、前記表面処理は、透明導電膜を形成する処理を含むことが好ましい(発明5)。
本発明に係る積層体は、高温の環境下に置かれてもアウトガスが発生しにくいうえに、再剥離性にも優れる。これにより高温下での被着体への作業精度を向上させると共に、作業後の被着体への粘着剤層の残着等を防止できる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
1.積層体
本発明の一実施形態に係る積層体は、基材と、この基材の一の面上に積層された粘着剤層とを備える。
(1)基材
本実施形態に係る積層体の基材は、耐熱性を有し、かつ後述する粘着剤層が適切に密着しうる限り、その組成および構造は特に限定されない。
基材における粘着剤層に対向する面を構成する材料の一具体例として、表示デバイスに使用されるガラス基板が挙げられる。
基材がガラス基板である場合において、そのガラス基板を構成する材料の具体的な種類は、特に限定されることなく、例えば、化学強化ガラス、無アルカリガラス、石英ガラス、ソーダライムガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、アルミノケイ酸ガラス、鉛ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス等が挙げられる。ガラス基板の厚さは、特に限定されないが、通常は0.1〜5mmであり、好ましくは0.2〜2mmである。
基材は、耐熱性のプラスチック材料から構成されていてもよい。基材が耐熱性のプラスチックフィルムからなる場合において、その具体例としては、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリサルフォンフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリアリレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、液晶ポリマーフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム;これらの2種以上の積層体などを挙げることができる。プラスチックフィルムは、一軸延伸または二軸延伸されたものでもよい。
(2)粘着剤層
(2−1)組成
本実施形態に係る積層体が備える粘着剤層は、次に説明する成分を含有するシリコーン系粘着剤組成物から形成されたものである。シリコーン系粘着剤組成物は他の種類の粘着剤組成物、例えばアクリル系の粘着剤組成物に比べて耐熱性に優れるため、シリコーン系粘着剤組成物から形成された粘着剤層は、加熱されたときに浮き、剥がれ、発泡といった不具合が生じにくい。
本実施形態に係るシリコーン系粘着剤組成物は、シロキサン結合を主骨格としアルケニル基を有する付加型のオルガノポリシロキサンを構成成分として含むシリコーンゴムを含有する。かかるシリコーンゴムを含有することにより、粘着剤層の剥離力を比較的低くすることが可能となる。それゆえ、基材や被着体から粘着剤層を容易に剥離することが可能であり、かつ、粘着剤層の凝集破壊に基づく粘着剤層を構成する材料の基材や被着体への残着を極めて僅少にすることができる。したがって、かかるシリコーンゴムを含有する本実施形態に係るシリコーン系粘着剤組成物から形成された粘着剤層は、再剥離性に優れたものとなり得る。
前記アルケニル基の具体例として、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基等が挙げられる。さらに、付加反応性を有さない有機基を有していてもよい。そのような有機基の具体例として、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、フェニル基等などのアリール基などが挙げられる。
上記のシリコーンゴムに含まれるオルガノポリシロキサンの重合度は特に制限されないが、通常500以上10000以下、さらには2000以上8000以下であることが好ましい。
本実施形態に係るシリコーン系粘着剤組成物は白金触媒を含有する。この白金触媒は、上記のアルケニル基の付加反応を開始させる機能や当該付加反応を促進する機能を有する。この白金触媒の種類として、白金黒、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸と1価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテート等を例示することができる。本実施形態に係るシリコーン系粘着剤組成物中の白金触媒の含有量は、シリコーンゴム100質量部あたり0.01質量部以上3質量部以下である。この範囲とすることで、白金触媒の機能が安定的に発揮される。白金触媒の機能をより安定的に発揮させる観点から、シリコーン系粘着剤組成物中の白金触媒の含有量は、シリコーンゴム100質量部あたり0.05質量部以上2.00質量部以下であることが好ましく、0.10質量部以上1.00質量部以下であることがより好ましい。
本実施形態に係るシリコーン系粘着剤組成物は、シリコーンレジン、すなわち、分子中に分岐状オルガノポリシロキサンを含有する。かかるシリコーンレジンを含有することにより、粘着剤層の基材や被着体に対する粘着性を高めることができる。この粘着性の程度を適切に設定するとともに、アウトガスが発生する可能性を低減させる観点から、本実施形態に係るシリコーン系粘着剤組成物中のシリコーンレジンの含有量は、シリコーンゴム100質量部あたり10質量部以上100質量部以下とする。上記の粘着性を適切に設定したり、アウトガスが発生する可能性をより低減させたりすることを安定的に達成する観点から、シリコーン系粘着剤組成物中のシリコーンレジンの含有量は、シリコーンゴム100質量部あたり15質量部以上75質量部以下とすることが好ましく、20質量部以上50質量部以下とすることがより好ましい。
本実施形態に係るシリコーン系粘着剤組成物は、粘着剤層が所望の機能を発揮できる限り、各種の成分を含有することができる。例えば、ヒドロシリル基を有する架橋剤;架橋促進剤;染料、顔料等の着色材料;アニリド系、フェノール系等の酸化防止剤;ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤;タルク、二酸化チタン、シリカ、でんぷん等のフィラー成分;可塑剤;酸化防止剤;光安定剤;分散剤;レベリング剤などが例示される。ただし、これらの成分はアウトガスを発生させにくいものであることが好ましい。また、本実施形態に係るシリコーン系粘着剤組成物がヒドロシリル基を有する架橋剤を含有する場合には、その含有量は、シリコーンゴム100質量部あたり1.0質量部以上10.0質量部以下とすることが好ましい。
ここで、本実施形態に係る粘着剤層は、前述のシリコーン系粘着剤組成物を塗布、乾燥することにより粘着剤組成物層を形成し、当該層にアニール処理を施すことにより得られる。詳細は後述する。
(2−2)耐質量減少性
本実施形態に係る粘着剤層は、空気雰囲気内で、23℃から200℃まで5℃/分で加熱したときの、40℃における質量に対する200℃における質量の減少率(本明細書において「質量減少率」ともいう。)が0.20質量%以下である。すなわち、本実施形態に係る粘着剤層は優れた耐質量減少性を有する。
粘着剤層が優れた耐質量減少性を有することにより、本実施形態に係る積層体が高温環境下に置かれた場合でも、アウトガス量を安定的に低減させることが可能となる。このアウトガス量をより安定的に低減させる観点から、上記の粘着剤層の質量減少率は0.01質量%以下であることが好ましく、粘着剤層を加熱する際の最高到達温度(上記の場合には200℃)を250℃としたときの粘着剤層の質量減少率が0.5質量%以下であることがより好ましく、上記の最高到達温度を300℃としたときの粘着剤層の質量減少率が1.0質量%以下であることが特に好ましい。
(2−3)再剥離性
本実施形態に係る積層体の粘着剤層は、基材や被着体に対する再剥離性に優れる。ここで、本明細書において、「再剥離性に優れる」とは、本実施形態に係る積層体の粘着剤層を被着体に貼付した後、加熱処理を経ても、その後剥離する際には、粘着剤層が凝集破壊を起こさずに基材または被着体にのみ粘着剤層が残り、他方に粘着剤層が残らないことを意味する。本実施形態に係る積層体の粘着剤層が再剥離性に優れる場合には、本実施形態に係る積層体と被着体とからなる積層構造体に対して加熱等の処理を行った後、本実施形態に係る積層体から処理後の被着体を剥離して別の工程に供する際に、処理後の被着体に粘着剤が残着する不具合が生じにくい。また、本実施形態に係る積層体と被着体とを貼合する工程(本明細書において「貼付工程」ともいう。)の貼付作業において貼り直しが可能となるため、作業負荷が軽減され、貼付工程の作業性が向上する。さらに、貼り直しが可能となるため、不良品の発生率が低下する。したがって、本実施形態に係る積層体を含む製品の製造コストが低減することも期待される。加えて、本実施形態に係る積層体と被着体とを貼合して得られる積層構造体に対して基材を剥離するなどの工程を行ったときに、粘着剤層が基材に残着しにくいため、基材を再使用することが容易になる(例えば、洗浄工程の負荷が高まりにくいことが挙げられる。)ことも期待される。
本実施形態に係る積層体の粘着剤層は、本実施形態に係る積層体と被着体とを貼合して得られる積層構造体の状態で粘着剤層が高温の環境下に置かれた場合であっても、基材や被着体に対して優れた再剥離性を有していることが好ましい。この点に関し、本実施形態に係る粘着剤層は、アニール処理をしていない粘着剤組成物層に対する粘着力(いずれの粘着力についても、測定方法は実施例において詳述する。)の比率が、50%以上200%以下であることが好ましい。
(2−4)厚さ
粘着剤層の厚さは特に限定されない。粘着剤層が過度に薄い場合には、基材や被着体に対する粘着性が、必要とされる程度まで得られにくくなるおそれがある。この適切な程度の粘着性を得やすくする観点から、粘着剤層の厚さは2μm以上であることが好ましく、5μm以上であることがより好ましく、10μm以上であることが特に好ましい。一方、粘着剤層の厚さの上限は、その用途に応じて適宜設定されるべきものであり、通常、200μm以下とされ、100μm以下とすることが好ましく、50μm以下とすることがより好ましい。
2.積層体の製造方法
本実施形態に係る積層体の製造方法は特に限定されない。一例として、次に説明するように、粘着シートをまず用意し、その粘着シートを用いて本実施形態に係る積層体を製造することが挙げられる。
(1)粘着シート
本実施形態に係る粘着シートは、2枚の剥離シートと、それら2枚の剥離シートの剥離面と接するように当該2枚の剥離シートに挟持された粘着剤組成物層とから構成される。かかる粘着シートは次の方法で製造することができる。
まず、本実施形態に係るシリコーン系粘着剤組成物またはこれに溶媒を加えてなる塗工液を用意する。溶媒を用いる際に、その種類や塗工液の固形分濃度はシリコーン系粘着剤組成物の組成、塗工条件、目的とする粘着剤層の厚さなどを考慮して適宜設定すればよい。溶媒としては、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチルなどが例示され、固形分濃度は10質量%以上40質量%程度の範囲が例示される。
次に、剥離シートを2枚用意する。剥離シートとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン酢酸ビニルフィルム、アイオノマー樹脂フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム等が用いられる。また、これらの架橋フィルムも用いられる。さらに、これらの積層フィルムであってもよい。
上記剥離シートの剥離面(特に粘着剤組成物層と接する面)には、剥離処理が施されていることが好ましい。なお、本明細書における剥離シートの剥離面とは、剥離シートにおいて剥離性を有する面をいい、剥離処理を施した面および剥離処理を施さなくても剥離性を示す面のいずれをも含むものである。
剥離処理に使用される剥離剤としては、例えば、アルキッド系、シリコーン系、フッ素系、不飽和ポリエステル系、ポリオレフィン系、ワックス系の剥離剤が挙げられる。塗工液がシリコーン系粘着剤組成物を含有することから、剥離処理は、フッ素系の剥離処理であることが好ましい。フッ素系の剥離処理がフッ素系の剥離剤(例えば、フッ化シリコーン)を塗布することにより行われる場合には、剥離剤の塗布量は限定されず、通常、0.02〜2.0g/cmであり、好ましくは0.2〜1.0g/cmである。
粘着剤組成物層の剥離不良を防止する観点から、2枚の剥離シートは異なる種類とすることによりそれらの剥離シートの剥離力に所定の差が生じるようにして、一方の剥離シートを重剥離型剥離シートとし、他方の剥離シートを軽剥離型剥離シートとすることが好ましい。なお、剥離力は、剥離剤層の組成および架橋度、ならびにフィルム厚等により適宜調節することができる。
剥離シートの厚さについては特に制限はないが、通常20〜150μm程度である。
用意した一方の剥離シートの剥離面に、上記の塗工液を塗布し、乾燥処理(加熱する場合もある。)を行って塗布層を形成した後、その塗布層に他方の剥離シートの剥離面を重ね合わせる。養生期間が必要な場合は養生期間をおくことにより、養生期間が不要な場合はそのまま、上記塗布層が粘着剤組成物層となる。これにより、本実施形態に係る粘着シートが得られる。なお、2枚の剥離シートが重剥離型剥離シートと軽剥離型剥離シートとからなる場合には、上記の塗工液が塗布される剥離シートは重剥離型剥離シートであることが、製造を容易にしたり、得られる粘着シートの品質を安定させる観点から好ましい。
上記の塗工液を塗布する方法としては、例えばバーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法等を利用することができる。
乾燥処理の条件の具体的な一例として、80℃以上140℃程度の温度の環境に30秒間以上4分間以下程度置くことが挙げられる。
(2)積層体
上記の粘着シートの一方の剥離シート(剥離シートの種類が異なる場合には、軽剥離型剥離シートに相当する剥離シートであることが好ましい。)を剥離して粘着剤組成物層の面を表出させ、その面を基材の一の面に積層させる。続いて、粘着剤組成物層に貼着する剥離シート(剥離シートの種類が異なる場合には、重剥離型剥離シートに相当する剥離シートであることが好ましい。)を粘着剤組成物層から剥離して、基材と粘着剤組成物層とを備えた積層体を得る。以下、この積層体を「第一の積層体」ともいう。
(3)アニール処理
第一の積層体に対して次のようなアニール処理を行って、粘着剤層に前述の耐質量減少性を付与して、第一の積層体を本実施形態に係る積層体とする。以下の説明では、基材がガラス基板からなる場合を具体例とする。
アニール処理では、第一の積層体を加熱して、その積層体の粘着剤層の内部に残留する揮発性成分を粘着剤組成物層から除去する。具体的な一実施形態では、アニール処理は、第一の積層体を、その粘着剤組成物層の面が表出した状態で、200℃以上の温度の環境に60分間以上置く工程を含む。このアニール処理における温度(本明細書において「アニール温度」ともいう。)を200℃以上とすることで、アニール処理を経て得られた積層体の粘着剤層が、前述の耐質量減少性を有することが安定的に実現される。上記の粘着剤層が前述の耐質量減少性を有することをより安定的に実現させる観点から、アニール温度は220℃以上とすることが好ましく、240℃以上とすることがより好ましい。アニール温度の上限は、上記の粘着剤層に耐質量減少性を付与する観点からは設定されない。アニール温度が過度に高い場合には、粘着剤層や基材が熱的に変質することに基づく不具合が生じやすくなるおそれがあるため、アニール温度は350℃以下とすることが好ましく、300℃以下とすることがより好ましい。なお、アニール処理におけるアニール温度から室温への冷却は、特に限定されず、常温の空気雰囲気内にて放冷するなど常法に従えばよい。
アニール処理を経て得られた積層体の粘着剤層側の面に対して剥離シートの剥離面を貼付して、被着体に貼付されるまでの間この粘着剤層側の面を保護していてもよい。この場合の剥離シートの剥離面は、前述のように、シリコーン系以外の剥離処理、具体的にはフッ素系の剥離処理が施された面であることが好ましい。
3.被着体
本実施形態に係る積層体の被着体は、特に限定されない。被着体として、半導体ウェハ、パッケージ等の半導体関連部材;カバーガラス、保護シート、偏光フィルム、位相差フィルム等の表示デバイス関連部材;ガラスエポキシ材料などによる回路基板、筺体等の電気・電子部品関連部材などが例示される。また、本実施形態に係る積層体上に複数の被着体が配置されていてもよい。この場合において、互いに近位な被着体同士が、本実施形態に係る積層体の粘着剤層の面の面内方向に離間していてもよい。
被着体の具体的な例として、基材の具体例と同様に、ガラス基板や耐熱性のプラスチックフィルムが挙げられる。被着体がガラス基板である場合おいて、被着体をなすガラス基板の材料は、特に限定されることなく、例えば、化学強化ガラス、無アルカリガラス、石英ガラス、ソーダライムガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、アルミノケイ酸ガラス、鉛ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス等が挙げられる。ガラス基板の厚さも基材の場合と同様に限定されず、通常は0.1〜5mmであり、好ましくは0.2〜2mmであることが例示される。
本実施形態に係る積層体の粘着剤層側の面に被着体が積層された状態で、粘着剤層が加熱される処理(本明細書において「加熱処理」ともいう。)が施されても、本実施形態に係る積層体の粘着剤層を構成する材料は前述の耐質量減少性を有するため、その積層体からのアウトガス量は低減されている。それゆえ、本実施形態に係る積層体を用いることにより、被着体がアウトガスで汚染されることや、被着体の周囲に存在する部品等がアウトガスで汚染されることを抑制することができる。
ここで、上記の加熱処理の具体的な内容は特に限定されず、本実施形態に係る積層体および被着体の少なくとも一方を加熱することが目的であってもよいし、本実施形態に係る積層体および被着体の少なくとも一方に加熱を目的としない処理を行った結果、粘着剤層が加熱される場合であってもよい。さらには、本実施形態に係る積層体および被着体の近傍に位置する部材が動作した結果として本実施形態に係る積層体および被着体の雰囲気温度が高まり、粘着剤層が加熱された状態に至る場合であってもよい。
上記の加熱処理の例として、被着体の一の面に対する膜状体の形成、被着体や形成された膜状体の除去加工などを具体例とする、表面処理が挙げられる。表面処理のさらに具体的な例として、蒸着やスパッタリングによる、スズドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化亜鉛にアルミニウムやガリウムが添加された酸化亜鉛系材料(AZO、GZO)などの透明導電膜の形成が例示される。
この透明導電膜が形成される対象は、基材であってもよいし、被着体であってもよい。透明導電膜が形成される対象がガラス基板であり、透明導電膜の形成が表示デバイスの製造過程で行われる場合を具体例とすれば、光学的特性、特に透過率を高める観点から、このガラス基板の厚さは、通常、厚さ5mm以下とされる。したがって、ガラス基板の一の主面に対して透明導電膜を形成する工程が施されると、透明導電膜の形成に伴い、ガラス基板(基材であってもよいし、被着体であってもよい。)が加熱され、これに接するように配置される粘着剤層も加熱されることがある。透明導電膜がスパッタリングにより形成される場合には粘着剤層の加熱が生じやすく、特に、スパッタリングにより生成した高い運動エネルギーを有する物質が粘着剤層に直接到達しうる構成の場合には、この傾向が顕著となりやすい。このような場合であっても、本実施形態に係る積層体を用いる場合には、形成された透明導電膜がアウトガスにより汚染されることが抑制される。
透明導電膜が形成されたガラス基板のその後の取り扱いは特に限定されない。粘着剤層がそのまま貼着していることが求められる場合には、ガラス基板と粘着剤層とからなる本実施形態に係る積層体を、これに貼着していた部材(基材である場合もあれば被着体である場合もある。)から剥離して、次の工程に供すればよい。透明導電膜が形成されたガラス基板だけが必要とされる場合には、本実施形態に係る積層体と被着体との積層構造体において、透明導電膜が形成されたガラス基板と粘着剤層との間で剥離を行って、透明導電膜が形成されたガラス基板を次の工程に供してもよい。あるいは、透明導電膜が形成されたガラス基板と粘着剤層とからなる本実施形態に係る積層体を上記の積層構造体から剥離して、その後、さらに透明導電膜が形成されたガラス基板から粘着剤層を剥離して、得られた透明導電膜が形成されたガラス基板を次の工程に供してもよい。透明導電膜が形成されたガラス基板に対する工程数が少ない観点から、上記の積層構造体から透明導電膜が形成されたガラス基板を剥離させる前者の方法の方が好ましい。
なお、上記の積層構造体における透明導電膜が形成されたガラス基板以外の構成要素は、廃棄してもよいが、構成要素の少なくとも一つを再利用することが好ましい。基材がマザーガラスである場合を例として具体的に説明すれば、前述の粘着テープを用いてマザーガラス上に粘着剤層を貼付して、必要に応じアニール処理を行って本実施形態に係る積層体を得て、その積層体の粘着剤層にガラス基板を貼付し、ガラス基板上に透明導電膜を形成して、透明導電膜が形成されたガラス基板と粘着剤層との間で剥離して透明導電膜が形成されたガラス基板を得るだけでなく、基材をなすマザーガラスからも粘着剤層を剥離して、マザーガラスを必要に応じ洗浄した後、再び前述の粘着テープを用いて基材としてのマザーガラスと粘着剤層とを備えた本実施形態に係る積層体を得て、さらなる透明導電膜が形成されたガラス基板を得るために使用することが好ましい。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
例えば、上記の説明では基材や被着体はガラス基板である場合を具体例としたが、これに限定されない。基材を構成する材料は、ポリイミドなどの有機系材料であってもよい。この場合における基材の具体例として、ダイシングシート用基材フィルム、保護シート、最外層が樹脂層からなるフレキシブル印刷回路基板、塗膜を最表層に有する筺体などが挙げられる。基材を構成する材料は、アルミニウム、鉄合金、シリコン、セラミックスなど、ガラス材料以外の無機系材料であってもよい。この場合における基材の具体例として、シリコンウェハー、アルミナ基板、アルミニウム系合金製筐体、めっき鋼板製筺体などが挙げられる。基材を構成する材料は、ガラスエポキシ材料のように、有機材系材料と無機系材料との複合材料であってもよい。
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
〔実施例1〕
(1)塗工液の調製
付加硬化型のシリコーンゴム(信越化学工業社製、商品名:KS−847H)100質量部に、シリコーンレジン(東レ・ダウコーニング社製、製品名:SD4587L)30質量部、および白金触媒(東レ・ダウコーニング社製、製品名:SRX−212)0.6質量部を加え、メチルエチルケトンで固形分濃度が25質量%に調整された塗工液を用意した。
(2)粘着シートの作製
ポリエチレンテレフタレート製基材フィルムの一方の主面上に、フッ化シリコーンからなる剥離剤を塗布することを含む剥離処理を施して、重剥離型剥離シートとした。また、ポリエチレンテレフタレート製基材フィルムの一方の主面上に、フッ化シリコーンからなる剥離剤を塗布することを含む剥離処理を施して、軽剥離型剥離シートとした。
上記の重剥離型剥離シートの剥離面上に上記の塗工液をナイフコーターにて塗布し、120℃で1分間乾燥して、厚さ25μmの塗布層を得た。この塗布層と重剥離型剥離シートとからなる積層体の塗布層に上記の軽剥離型剥離シートの剥離面を貼合して、重剥離型剥離シート、粘着剤組成物層および軽剥離型剥離シートがこの順に配置されてなる粘着シートを得た。
(3)積層体の作製
この粘着シートの軽剥離型剥離シートを剥離して、無アルカリガラスからなるガラス基板(コーニング社製、製品名:イーグルXG)からなる基材の一方の主面に貼付し、重剥離型剥離シートを剥離して、基材と粘着剤組成物層とを備えた第一の積層体を得た。
この第一の積層体に対して、温度が240℃の空気雰囲気を保持するオーブン内に投入し、60分間この雰囲気内に置いた後オーブンから取り出し、23℃、相対湿度50%の空気雰囲気内にて23℃まで放冷するアニール処理を行って、試験対象としての積層体を得た。
〔比較例1〕
実施例1における第一の積層体をそのまま試験対象としての積層体とした。すなわち、アニール処理を行っていない粘着剤組成物層を有する積層体である。
〔試験例1〕 粘着力の評価
実施例および比較例に係る試験対象としての積層体のそれぞれについて、次の方法で、粘着剤層の基材に対する粘着力を測定した。なお、比較例に係る積層体の場合、実施例の粘着剤層と対比されるのは、粘着剤組成物層であるが、以下、簡易的に粘着剤層と称して説明する場合がある。
各積層体の粘着剤層の面を、ポリイミドフィルム(東レデュポン社製、製品名:カプトン100H)の一方の主面に貼合した後、ポリイミドフィルムおよび粘着剤層を切断してトリミングすることにより、ガラス基板上に、25mm幅、100mm長の粘着剤層とポリイミドフィルムとからなる積層体が配置されたサンプルを作製した。このサンプルをJIS Z0237:2009を準じて、引張試験機(オリエンテック社製、製品名:テンシロン)を用い、剥離速度300mm/分、剥離角度180°の条件で、粘着剤層とポリイミドフィルムとからなる積層体を剥離した。これにより、実施例の粘着剤層及び比較例の粘着剤組成物層の基材であるガラス基板に対する粘着力(mN/25mm)を測定した。測定結果を表1に示す。
〔試験例2〕 再剥離性の評価
実施例および比較例に係る試験対象としての積層体のそれぞれについて、粘着剤層の面を、被着体としての無アルカリガラスからなるガラス基板(コーニング社製、製品名:イーグルXG)の一方の主面に貼付することにより、再剥離性の評価のための構造体を得た。この構造体を、相対湿度50%、23℃の空気雰囲気内に24時間放置した後、被着体をなすガラスを粘着剤層と基材とからなる積層体から剥離させた。その後、被着体の粘着剤層に対向していた側の主面を目視で観察して、粘着剤層を構成する材料が残着しているか否かによって、加熱処理なしの場合の再剥離性の程度を評価した。なお、目視では残着が確認できなかった場合を○とし、確認された場合を×とした。
上記の加熱処理なしの場合の再剥離性の評価に供したのと同様の構造体を別途用意した。この構造体に対して、240℃の空気雰囲気内に60分間放置する加熱処理を行い、さらに相対湿度50%、23℃の空気雰囲気内に24時間放置した後、粘着剤層と基材とからなる積層体から被着体をなすガラス基板を剥離させた。被着体の粘着剤層に対向していた側の主面を目視で観察して、粘着剤層を構成する材料が残着しているか否かによって、加熱処理ありの場合の再剥離性の程度を評価した。評価基準は、加熱処理なしの場合と同様である。評価結果を表1に示す。
〔試験例3〕 質量減少率の測定
実施例および比較例に係る試験対象としての積層体のそれぞれについて、ガラス板からなる基材上の粘着剤層からこれを構成する材料を削り取り、示差熱・熱重量同時測定装置(島津製作所社製、製品名:DTG60)を用いて、室温(23℃)から300℃まで5℃/分で昇温し、40℃のときの質量に対する、200℃、250℃および300℃のそれぞれのときの質量の減少率(単位:質量%)を測定した。測定結果を表1に示す。
〔試験例4〕 アウトガスの影響評価
実施例および比較例に係る試験対象としての積層体のそれぞれについて、粘着剤層の面を、被着体としての厚さ0.5mmの無アルカリガラスからなるガラス基板(コーニング社製、製品名:イーグルXG)の一方の主面に貼付した。その後、被着体の粘着剤層に対向する面と反対側の面上にスパッタリングによりITO膜を形成した。形成されたITO膜の抵抗値を、4点法により測定した。測定の結果得られた抵抗率が50Ω/□以下である場合に、アウトガスの影響が軽微であり良好であると判定した。評価結果を表1に示す。
Figure 2014195922
表1に示されるように、本発明の条件を満たす実施例の積層体は、粘着剤を構成する材料の200℃における質量減少率が0.20質量%以下であり、積層体が加熱されてもアウトガスに基づく不具合が発生しにくいうえに、優れた再剥離性を有する。
本発明の積層体は、加熱処理が施されてもアウトガスが発生する可能性が低減されているとともに、優れた再剥離性を有し、例えば、ガラス基板にITO膜を形成する際に好適に使用される。

Claims (5)

  1. 基材と、前記基材の一の面上に積層された粘着剤層とを備えた積層体であって、
    前記粘着剤層は、シリコーン系粘着剤組成物から形成されたものであり、
    前記シリコーン系粘着剤組成物は、シロキサン結合を主骨格としアルケニル基を含有する付加型のオルガノポリシロキサンを構成成分として含むシリコーンゴムと、前記シリコーンゴム100質量部あたり0.01質量部以上3質量部以下の白金触媒と、前記シリコーンゴム100質量部あたり15質量部以上100質量部以下のシリコーンレジンとを含み、
    前記粘着剤層を、空気雰囲気内で、23℃から200℃まで5℃/分で加熱したときの、40℃における質量に対する200℃における質量の減少率が0.20質量%以下であること
    を特徴とする積層体。
  2. 前記粘着剤層は、前記シリコーン系粘着剤組成物からなる粘着剤組成物層が表出した状態で200℃以上の温度の空気雰囲気内に60分間以上置く工程を含むアニール処理を経たものである、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記積層体の前記粘着剤層側の面に被着体が積層された状態で、前記粘着剤層が加熱される処理が施される、請求項1または2に記載の積層体。
  4. 前記粘着剤層が加熱される処理は、前記被着体の前記粘着剤層に対向する面と反対側の面に対する表面処理である、請求項3に記載の積層体。
  5. 前記表面処理は、透明導電膜を形成する処理を含む、請求項4に記載の積層体。
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