JP2014194481A - 光配向露光装置 - Google Patents

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敏成 新井
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Abstract

【課題】額縁領域が比較的広い額縁幅と比較的狭い額縁幅を有する場合に、比較的狭い額縁幅内に進入する散乱光を抑制することで、この額縁幅内における表面変質を効果的に抑制する。
【解決手段】光配向露光装置1は、光源20と偏光子21と走査手段3を備えている。被露光基板Mは、液晶パネルの個別パネル表示領域が複数形成された多面取り基板であって、個別パネル表示領域の外側の額縁領域が被露光基板Mの一方向において比較的狭い額縁幅を有している。光源20は、2次元的な集光機能を有する短光源20Uが複数配列された短光源群20Ugを備え、走査方向Sに複数配列された短光源20Uは、その中心軸20Pが被露光基板Mの近傍で交差するように配置され、被露光基板Mの一方向に複数配置された短光源20Uは、その中心軸20Pが略平行に配置されており、被露光基板Mの近傍には、額縁上に遮光部が配置されて個別パネル表示領域を選択的に露光する遮光マスク4が配置される。
【選択図】図3

Description

本発明は、パネル基板上に配向膜を形成するための光配向露光装置に関するものである。
一対の基板間に液晶層を封入する液晶パネルの基板には、液晶層の液晶分子を所定の方向に配向させるための配向膜が形成されている。この配向膜の形成には、近年、光配向処理が採用されている。光配向処理は、選択された波長(紫外線等の短波長)の光を直線偏光にして配向膜となる感光性樹脂膜を露光することで行われる。
このような光配向処理を行う光配向露光装置は、図1に示すように、光源J1、光源J1から出射される光を直線偏光にする偏光子J2、偏光子J2を通して光源J1から出射される光を被露光基板Mに照射する光学系J3、光源J1の移動或いは被露光基板Mの搬送を行う走査手段(図示省略)などを一般に備えている。そして、複数の液晶パネルを同時生産するための多面取り基板100を被露光基板Mとするものが知られている(下記特許文献1参照)。多面取り基板100は一つの基板内に個々の液晶パネルの表示領域となる個別パネル表示領域101が複数形成されたものである。
この従来技術は、光源J1が多面取り基板100の一方向の幅全体を一度に露光する長尺ランプ(ロングアークランプ)J10を備えており、この長尺ランプJ10から放出される光を集光鏡J11で1次元的に(線状に)集光して出射している。そして、例えば被露光基板Mを矢印で示す方向に搬送することで、多面取り基板100の一方向の幅全体に亘る光照射範囲J4を矢印と逆方向に走査させて被露光基板Mの全面を露光している。
特開2010−96795号公報
個別パネル表示領域101を複数配列した多面取り基板100は、図2に示すように、個別パネル表示領域101の外側に額縁領域102が形成されており、液晶層の封止後に額縁領域102内をカットすることで個別の液晶パネルが形成される。ここで、光配向露光装置によって露光すべき多面取り基板100の表面は、配向膜を形成する必要がある個別パネル表示領域101の表面であり、額縁領域102は、表示領域の外側であって配向膜を形成する必要が無い領域であると共にその後に基板間の貼り合わせや回路実装に用いられる領域であることから光照射による表面の変質を避けることが望ましい領域であるといえる。このような観点からすると、光配向露光装置には、前述した額縁領域102の露光を避けて個別パネル表示領域101のみを選択的に露光する遮光マスクを設けることが望ましい。
近年の液晶パネルは、個々のパネル内の有効表示面積をできるだけ拡大するという要求から、額縁領域102は狭くなる傾向(狭額縁化の傾向)があるが、矩形パネルの一方向の額縁幅t2は回路実装などに用いるためにある程度広い領域を確保せざるを得ないので、それと直交する方向の額縁幅t1を極力狭くする設定がなされている。
これに対して、前述した従来技術は、長尺ランプの長手方向は集光鏡による光の集束作用が働かないので、長手方向に沿った散乱光が存在することになり、前述した額縁幅t1の方向が長尺ランプの長手方向と一致した場合には、非常に狭い幅に規定されている額縁幅t1内に遮光マスクで遮光されない散乱光が進入することになり、この光の進入によって額縁幅t1内の表面を変質させてしまう問題があった。
本発明は、このような問題に対処することを課題の一例とするものである。すなわち、個別パネル表示領域を複数備える多面取り基板を被露光基板とする光配向露光装置において、個別パネル表示領域内を選択的に露光することで個別パネル表示領域外側の額縁領域の表面変質を抑制すること、額縁領域が比較的広い額縁幅と比較的狭い額縁幅を有する場合に、比較的狭い額縁幅内に進入する散乱光を抑制することで、この額縁幅内における表面変質を効果的に抑制すること、等が本発明の目的である。
このような目的を達成するために、本発明による光配向露光装置は、以下の構成を少なくとも具備するものである。
液晶表示パネルの配向膜が形成される被露光基板を直線偏光の光で露光する光配向露光装置であって、前記被露光基板の一方向の幅全体に亘る光照射領域を形成する光源と、該光源から出射した光を直線偏光にして前記被露光基板に出射する偏光子と、前記光照射領域を前記被露光基板の一方向に交差する走査方向に向けて走査する走査手段を備え、前記被露光基板は、液晶パネルの個別パネル表示領域が複数形成された多面取り基板であって、前記個別パネル表示領域の外側の額縁領域が前記被露光基板の一方向において比較的狭い額縁幅を有し、前記光源は、2次元的な集光機能を有する短光源が前記被露光基板の一方向及び前記走査方向に複数配列された短光源群を備え、前記走査方向に複数配列された前記短光源は、その中心軸が前記被露光基板の近傍で交差するように配置され、前記被露光基板の一方向に複数配置された前記短光源は、その中心軸が略平行に配置されており、前記被露光基板の近傍には、前記額縁上に遮光部が配置されて前記個別パネル表示領域を選択的に露光する遮光マスクが配置されることを特徴とする光配向露光装置。
このような特徴を備える本発明は、個別パネル表示領域を複数備える多面取り基板を被露光基板とする光配向露光装置において、被露光基板の近傍に遮光マスクを配置して個別パネル表示領域内を選択的に露光することで、個別パネル表示領域外側の額縁領域の表面変質を抑制することができる。その際に、走査方向を比較的広い額縁幅の方向に向け、走査方向と交差する被露光基板の一方向を比較的狭い額縁幅の方向に向けて、被露光基板の一方向に複数配置した短光源をその中心軸が略平行になるように配置したので、比較的狭い額縁幅内に進入する光を抑制することができ、この額縁幅内における表面変質を効果的に抑制することができる。
従来技術の説明図である。 多面取り基板の額縁幅を示した説明図である。 本発明の一実施形態に係る光配向露光装置の全体構成を示した説明図であって、(a)は側面説明図であり、(b)は正面説明図である。 被露光基板となる多面取り基板の形態と遮光マスクの形態を示した説明図である。 本発明の他の実施形態に係る光配向露光装置の構成を示した説明図である。 本発明の他の実施形態に係る光配向露光装置の構成を示した説明図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。以下の図においては、Y方向を走査方向、Z方向を鉛直方向、それらに直交する方向をX方向として示している。図3は、本発明の一実施形態に係る光配向露光装置の全体構成を示した説明図であって、図3(a)は側面説明図であり、図3(b)は正面説明図である。
光配向露光装置1は、液晶表示パネルの配向膜が形成される被露光基板Mを直線偏光の光で露光するものであり、光照射手段2、走査手段3、遮光マスク4を備えている。光照射手段2は、被露光基板Mの一方向(図示X方向)の幅全体に亘る光照射領域Eを形成する光源20と、光源20から出射した光を直線偏光にして被露光基板Mに出射する偏光子21を備えている。走査手段3は、光照射領域Eを被露光基板Mの一方向に交差する走査方向(矢印S:図示Y方向)に向けて走査するものであり、図示の例では、光源20と偏光子21を一体にした光照射手段2を図示Y方向に移動させる例を示しているが、これに限らず、光照射手段2を固定し、被露光基板Mと遮光マスク4とを一体にして移動させるものであってもよい。
光源20は、2次元的な集光機能を有する集光鏡20Aと短光源ランプ(ショートアークランプ)20Bからなる短光源20Uが被露光基板Mの一方向(図示X方向)及び走査方向(図示Y方向)に複数配列された短光源群20Ugを備えている。ここでの短光源ランプ20Bは、点状ランプ或いは短尺状ランプなどを含むものであり、例えば水銀ランプなどで構成することができる。
短光源群20Ugは、前述したように2次元的に複数の短光源20Uを配置したものであり、走査方向S(図示Y方向)に複数配列された短光源20Uは、その中心軸20Pが被露光基板Mの近傍で交差するように配置され、被露光基板Mの一方向(図示X方向)に複数配置された短光源20Uは、その中心軸20Pが略平行に配置されている。ここでいう中心軸20Pとは短光源20Uの出射強度分布の中心位置を連ねた軸線を指している。
光源20における短光源20Uの数は、短光源20Uの1個で照射できる照射エネルギーと光配向処理に必要な積算照射エネルギーと走査速度によって設定され、短光源20Uの数を増やすことでより大きな照射エネルギーを得ることができるので、走査速度を高めて処理時間を短くすることができる。一般に、短光源ランプ20Bとして用いることができる水銀ランプは、光配向処理に必要となる300nm以下の短波長のエネルギーが従来技術のようなロングアークランプに比べて弱いが、短光源群20Ugにおける短光源20Uの数を増やすことで、ロングアークランプと同等の照射エネルギーを得ることができる。
図4は、被露光基板となる多面取り基板の形態と遮光マスクの形態を示した説明図である。被露光基板Mは、図4(a)に示すように、液晶パネルの個別パネル表示領域101が複数形成された多面取り基板100である。この多面取り基板100は、個別パネル表示領域101の外側の額縁領域102が被露光基板Mの一方向(図示X方向)において比較的狭い額縁幅t1を有しており、被露光基板Mの一方向と交差する走査方向(図示Y方向)において比較的広い額縁幅t2を有している。
そして、被露光基板Mの近傍に配置される遮光マスク4は、被露光基板Mにおける額縁領域102上に遮光部4Aが配置されるように、開口部4Bのパターンが個別パネル表示領域101の形成パターンと一致し、遮光部4Aのパターンが額縁領域102の形成パターンと一致している。遮光マスク4を介して光照射領域Eを走査方向Sに走査する露光を行うことで、被露光基板M(多面取り基板100)の個別パネル表示領域101を選択的に露光することが可能になる。
このような光配向露光装置1によると、光源20が2次元的な集光機能を有する短光源20Uによって構成されているので、走査方向S(図示Y方向)と走査方向Sに交差する被露光基板Mの一方向(図示X方向)の両方向において、散乱光が規制された露光を行うことができる。そして、短光源群20Ugにおける短光源20Uの配列を、被露光基板Mの一方向(図示X方向)においては中心軸20Pが略平行になるように配列し、その方向(図示X方向)と額縁領域102の額縁幅t1の方向が合うように被露光基板Mを配置しているので、比較的狭い幅に設定されている額縁幅t1の内側には散乱光や斜め進行の光が進入することがなく、この方向における額縁領域102の表面変質を精度良く抑制することができる。
また、短光源群20Ugにおける短光源20Uの配列を、走査方向(図示Y方向)においては中心軸20Pが被露光基板Mの近傍で交差するように配置しているので、走査方向において複数の短光源20Uの照射エネルギーを集中させることができ、短波長のエネルギーが比較的低い短光源20Uを用いる場合にも走査速度をある程度速めた走査露光が可能になる。そして、ここでは中心軸20Pが交差するように短光源20Uを配列する方向を比較的広い額縁幅t2の方向に合わせているので、遮光マスク4のエッジを斜めに通過して額縁幅t2の内側に進入する光の存在は避けられないが、このように斜めに進入する光の角度は光源20から被露光基板Mまでの光路長を十分に長く設定することで最小限に抑えることができる。また、走査方向Sにおいても額縁領域102に深く張り込む散乱光は抑制されているので、額縁幅t2の幅を比較的広くすることで、進入する光による表面変質の影響は最小限に抑えられる。
図5は、本発明の他の実施形態に係る光配向露光装置の構成を示した説明図であり、ここでは偏光子の構成例を示している。偏光子21は、複数の偏光子単体21Uを走査方向Sに交差する被露光基板Mの一方向(図示X方向)に沿って連結配置している。この偏光子単体21Uは、例えば、ワイヤーグリッド偏光子や偏光ビームスプリッタであり、光源20から出射された光を直線偏光にして被露光基板Mに照射するものである。
ここで、短光源群20Ugにおける短光源20Uの配列を、被露光基板Mの一方向(図示X方向)においては中心軸20Pが略平行になるように配列しているので、偏光子単体21U相互の繋ぎ目の投影によって未露光箇所が生じないように、図5(a)に示すように偏光子単体21U相互の連結面を走査方向Sに対して傾斜した状態にしている。これによると、繋ぎ目の投影箇所も走査露光によって全て露光されることになる。図5(b)に示した例は、走査方向に沿って2列の光源20を配列し、そのそれぞれに複数の偏光子単体21Uを連結配置した偏光子21を配備している。この例では、偏光子単体21Uの繋ぎ目がずれるように2列の偏光子21を配置することで、繋ぎ目の投影による未露光を確実に排除している。
図6は、本発明の他の実施形態に係る光配向露光装置の構成を示した説明図である(前述した実施形態と共通する箇所は同一符号を付して重複説明を省略する)。この光配向露光装置1(1A)は、短光源群20Ugが走査方向Sに沿って複数配置され、それぞれの短光源群20Ugに偏光子21が個別に配置されている。また、この例では、それぞれの短光源群20Ugから出射された光はミラー5(5A,5B)によって光路が折り曲げられて被露光基板M上に照射されており、一対の短光源群20Ug,ミラー5,偏光子21が被露光基板Mの表面及び走査方向Sに垂直な面に対して面対称な位置に配置されている。
このように複数の短光源群20Ugを走査方向Sに沿って配置し、各短光源群20Ugから出射された光を走査方向Sにおける被露光基板M上の一箇所に照射することで、単位時間当たりの照射エネルギーを2倍,3倍,…に増やすことができる。それによって走査速度を速めることができるので、処理時間の短縮化が可能になる。
また、複数の短光源群20Ugのそれぞれに個別に偏光子21を配置しているので、各短光源群20Ugから被露光基板Mに向けた光の角度をどのように設定しても、偏光子21への入射角度を個別に設定することができ、入射角度依存性がある偏光子21においても適正な消光比を得ることができる。
以上説明したように、本発明の実施形態に係る光配向露光装置1(1A)は、個別パネル表示領域101を複数備える多面取り基板100を被露光基板Mとする際に、被露光基板Mの近傍に遮光マスク4を配置して個別パネル表示領域101内を選択的に露光することで、個別パネル表示領域101外側の額縁領域102の表面変質を抑制することができる。その際に、走査方向Sを比較的広い額縁幅t2の方向に向け、走査方向Sと交差する被露光基板Mの一方向(図示X方向)を比較的狭い額縁幅t1の方向に向けて、被露光基板Mの一方向(図示X方向)に複数配置した短光源20Uをその中心軸20Pが略平行になるように配置したので、比較的狭い額縁幅t1内に進入する光を抑制することができ、この額縁幅t1内における表面変質を効果的に抑制することができる。
本発明の実施形態に係る光配向露光装置1(1A)は、TN(Twisted Nematic)方式、VA(Virtical Alignment)方式、IPS(In-Place-Switching)方式などの各種液晶パネル駆動方式における配向膜の形成に適用可能であるが、プレチルト角の付与が不要なIPS方式の液晶パネルにおいて特に有効である。
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。また、上述の各実施の形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。
1,1A:光配向露光装置,2:光照射手段,3:走査手段,
4:遮光マスク,4A:遮光部,4B:開口部,5,5A,5B:ミラー,
20:光源,20U:短光源,20A:集光鏡,20B:短光源ランプ,
20Ug:短光源群,20P:中心軸,21:偏光子,21U:偏光子単体,
100:多面取り基板,101:個別パネル表示領域,102:額縁領域,
M:被露光基板,S:走査方向,E:光照射領域,t1,t2:額縁幅

Claims (3)

  1. 液晶表示パネルの配向膜が形成される被露光基板を直線偏光の光で露光する光配向露光装置であって、
    前記被露光基板の一方向の幅全体に亘る光照射領域を形成する光源と、該光源から出射した光を直線偏光にして前記被露光基板に出射する偏光子と、前記光照射領域を前記被露光基板の一方向に交差する走査方向に向けて走査する走査手段を備え、
    前記被露光基板は、液晶パネルの個別パネル表示領域が複数形成された多面取り基板であって、前記個別パネル表示領域の外側の額縁領域が前記被露光基板の一方向において比較的狭い額縁幅を有し、
    前記光源は、2次元的な集光機能を有する短光源が前記被露光基板の一方向及び前記走査方向に複数配列された短光源群を備え、
    前記走査方向に複数配列された前記短光源は、その中心軸が前記被露光基板の近傍で交差するように配置され、前記被露光基板の一方向に複数配置された前記短光源は、その中心軸が略平行に配置されており、
    前記被露光基板の近傍には、前記額縁上に遮光部が配置されて前記個別パネル表示領域を選択的に露光する遮光マスクが配置されることを特徴とする光配向露光装置。
  2. 前記偏光子は、複数の偏光子単体を前記被露光基板の一方向に沿って連結配置しており、前記偏光子単体相互の連結面が前記走査方向に対して傾斜していることを特徴とする請求項1記載の光配向露光装置。
  3. 前記短光源群が前記走査方向に沿って複数配置され、それぞれの前記短光源群に前記偏光子が個別に配置されることを特徴とする請求項1又は2記載の光配向露光装置。
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