JP2014194216A - バイナリー発電装置の運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】バイナリー発電装置において低圧の蒸気を用いて安定した発電を行う。
【解決手段】本発明のバイナリー発電装置1の運転方法は、蒸気を熱源として作動媒体を蒸発させる蒸発器2と、気体の作動媒体を膨張させて回転駆動力を発生する膨張機3と、気体の作動媒体を凝縮する凝縮器4と、凝縮器4から蒸発器2に向って作動媒体を循環させる循環ポンプ5とを備えた装置の運転方法であって、蒸発器2の入側の蒸気圧力を計測する入側蒸気圧力計19と、蒸発器2の出側の蒸気圧力を計測する出側蒸気圧力計20と、蒸発器2内に溜まったドレインを強制的に排出する強制ドレイン排出手段と、を設けておき、出側蒸気圧力計20で計測された蒸気圧力Pが、入側蒸気圧力計19で計測された蒸気圧力Pより大きくなった場合に、強制ドレイン排出手段を作動させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、低圧の蒸気を熱源として用いたバイナリー発電装置の運転方法に関するものである。
従来、工場などから排出される排蒸気のような低温の熱源から熱を回収して発電を行うものとして、バイナリー発電装置が存在する。このバイナリー発電装置は、作動媒体として水でなく低沸点の有機化合物などを用いており、通常の蒸気タービンを用いた発電装置に比べて低温の熱源であっても発電が可能なものとなっている。
上述したバイナリー発電装置のように蒸気を熱源とする発電装置では、蒸発器の内部で蒸気が凝縮してドレイン(排水)が発生する場合があり、蒸発器内に溜まったドレインを強制的に蒸発器の外部に排出するドレイン排出手段が設けられるのが一般的である。
例えば、特許文献1には、熱交換器を通過した蒸気が流通する蒸気配管に切替弁(負圧正圧切替弁)を設けておき、切替弁に加わる蒸気の圧力が正圧であるときはスチームトラップに蒸気を送り、切替弁に加わる蒸気の圧力が負圧であるときは復水回収手段にドレインを送るドレイン排出手段を備えた空気加熱装置が開示されている。
また、特許文献2には、蒸発器(熱交換器)に蒸気を供給する蒸気供給管に、蒸気供給管を流れる蒸気の作用で吸引力を発生させる蒸気エゼクタを設け、分岐管を経由して液体圧送部材内に蓄えられた復水(ドレイン)を蒸気エゼクタの吸引室に吸引することにより、熱交換容器内の蒸気を対流させるドレイン排出手段を備えた熱交換器が開示されている。
特開2004−163050公報 特許第4594270号公報
ところで、一般に発電などに用いられる蒸気には0.2〜0.8MPaG程度の高圧の蒸気が用いられる。工場などから排出される排蒸気の中には、0.2MPaG以下の低圧の蒸気もあるが、こういった低圧の蒸気は再利用されることなく破棄されることが多い。しかし、蒸気は作動媒体の中でも潜熱が大きく、低圧の蒸気にも発電に利用可能な潜熱が十分に残されている。つまり、低圧の蒸気であっても、再利用して発電に用いることは十分に可能である。
ただ、低圧の蒸気は、十分な潜熱を有しているとはいえ、飽和状態の蒸気に対して圧力や温度を若干高くした程度のものに過ぎない。それゆえ、蒸発器に供給される蒸気の圧力や温度が少しでも変動すると、蒸気が蒸発器の内部で凝縮しやすく、蒸発器の内部にドレイン(凝縮水)が溜まりやすくなる。このドレインが蒸発器の内部に多量に発生すると、蒸気配管が閉塞して蒸発器の熱交換能力が大きく低下し、バイナリー発電装置の発電が不安定となってしまう。それゆえ、上述した低圧の蒸気を用いてバイナリー発電装置で安定して発電を行う場合には、蒸発器の内部にドレインが溜まったことを早急に検知し、蒸気配管に閉塞したドレインを外部に効率良く排出する手段を設けることがより重要になる。
ところが、上述した特許文献1や特許文献2のドレイン排出手段では、ドレインを強制的に排出させることはできても、蒸発器の内部にドレインが溜まったことを正確に検知することはできないし、ドレインによる蒸気配管の閉塞を迅速に解消することはできず、上述した低圧の蒸気を用いたバイナリー発電装置の問題を解決できるものとはなっていなかった。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、ドレインによる蒸発器の閉塞を迅速に検知すると共に解消することができ、低圧の蒸気を再利用しても安定した発電を行うことができるバイナリー発電装置の運転方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明のバイナリー発電装置の運転方法は以下の技術的手段を講じている。
即ち、本発明のバイナリー発電装置の運転方法は、蒸気を熱源として作動媒体を蒸発させる蒸発器と、前記蒸発器で蒸発した気体の作動媒体を膨張させて回転駆動力を発生する膨張機と、前記膨張機で膨張した気体の作動媒体を液体に凝縮する凝縮器と、前記凝縮器から蒸発器に向って作動媒体を循環させる循環ポンプとを備えるバイナリー発電装置の運転方法であって、前記蒸発器の入側の蒸気圧力を計測する入側蒸気圧力計と、前記蒸発器の出側の蒸気圧力を計測する出側蒸気圧力計と、前記蒸発器内に溜まったドレインを蒸気配管外に強制的に排出する強制ドレイン排出手段と、を設けておき、前記出側蒸気圧力計で計測された蒸気圧力Pが、入側蒸気圧力計で計測された蒸気圧力Pより大きくなった場合に、前記強制ドレイン排出手段を作動させることを特徴とする。
なお、好ましくは、前記出側蒸気圧力計で計測された蒸気圧力Pが、入側蒸気圧力計で計測された蒸気圧力Pより小さくなった場合に、前記強制ドレイン排出手段を停止させるとよい。
なお、好ましくは、前記強制ドレイン排出手段では、前記蒸発器の入側の蒸気圧力を駆動力に用いて前記蒸気のドレインを蒸発器外に強制的に排出するとよい。
なお、好ましくは、前記強制ドレイン排出手段は、ドレイン排送時の圧損が大きな第1ドレイン配管と、ドレイン排送時の圧損が第1ドレイン配管より小さな第2ドレイン配管とを有しており、前記出側蒸気圧力計で計測された蒸気圧力Pが、入側蒸気圧力計で計測された蒸気圧力Pより大きくなった場合に、前記第2ドレイン配管を用いて、ドレインを排出し、前記出側蒸気圧力計で計測された蒸気圧力Pが、入側蒸気圧力計で計測された蒸気圧力Pより小さくなった場合に、前記第1ドレイン配管を用いて、ドレインを排出するとよい。
なお、好ましくは、前記蒸発器の出側において、前記作動媒体の圧力を計測する出側媒体圧力計と、前記作動媒体の温度を計測する出側媒体温度計とを設けておき、前記出側媒体圧力計で計測された蒸気の圧力及び出側媒体温度計で計測された蒸気の温度に基づいて、蒸発器の出側における作動媒体の過熱度を算出し、算出された過熱度が、予め定められた過熱度の許容範囲内に含まれるように、前記循環ポンプによる作動媒体の循環量と圧力を制御するとよい。
なお、好ましくは、前記蒸発器の出側に位置する前記蒸気配管をドレイン主流配管とドレイン分岐配管に分岐すると共に、前記分岐される位置にドレインの流出先を前記ドレイン主流配管と前記ドレイン分岐配管とに切り換えるドレイン冷却・排出切替弁を設け、前記ドレイン分岐配管には、流通するドレインを冷却するドレイン冷却手段を設け、前記ドレイン冷却手段より下流側で、前記ドレイン分岐配管と前記ドレイン主流配管と合流させてドレイン合流配管を形成し、前記ドレイン合流配管を、前記強制ドレイン排出手段に接続し、さらに、前記ドレイン合流配管にはドレインの温度を計測するドレイン温度計測手段を設け、前記ドレイン冷却手段に導入される冷却水の流量を調整可能なドレイン冷却水流量調整弁を設けておき、前記ドレイン温度計測手段で計測される前記ドレインの温度に基づいて、前記ドレイン冷却水流量調整弁の弁開度を調整するとよい。
なお、好ましくは、前記凝縮器で前記作動媒体の凝縮に用いられる冷却水の一部を前記ドレイン冷却手段に導入するとよい。
本発明のバイナリー発電装置の運転方法によれば、ドレインによる蒸発器の閉塞を迅速に検知すると共に解消することができ、低圧の蒸気を再利用しても安定した発電を行うことができる。
第1実施形態のバイナリー発電装置を示した図である。 第2実施形態のバイナリー発電装置を示した図である。 第3実施形態のバイナリー発電装置を示した図である。 第4実施形態のバイナリー発電装置を示した図である。 ドレイン冷却・排出切替弁の「ON状態」と「OFF状態」とをを示した図である。 第4実施形態のバイナリー発電装置の運転方法を示したフローチャートである。
[第1実施形態]
以下、本発明のバイナリー発電装置1及びこのバイナリー発電装置1の運転方法の実施形態を、図面に基づき詳しく説明する。
図1は、第1実施形態のバイナリー発電装置1を模式的に示したものである。
図1に示すように、バイナリー発電装置1は、蒸気を熱源として液体の作動媒体を蒸発させる蒸発器2と、蒸発器2で蒸発した気体の作動媒体を膨張させて回転駆動力を発生する膨張機3と、膨張機3で膨張した気体の作動媒体を液体に凝縮する凝縮器4と、凝縮器4から蒸発器2に向って作動媒体を循環させる循環ポンプ5とを備えている。これらの蒸発器2、膨張機3、凝縮器4及び循環ポンプ5は作動媒体を循環させる閉ループ状の循環配管6により接続されていて、作動媒体を循環配管6の一方向(蒸発器2→膨張機3→凝縮器4→循環ポンプ5の順番に循環して蒸発器2に帰還する方向)に沿って流通できるようになっている。
次に、バイナリー発電装置1を構成する蒸発器2、膨張機3、凝縮器4及び循環ポンプ5について説明する。
蒸発器2は、1次側に供給された蒸気と、2次側に供給された作動媒体との熱交換を行う熱交換器であり、蒸気の熱を利用して液体の作動媒体を気化させるものである。蒸発器2の1次側には、この蒸発器2内に蒸気を供給する蒸気配管7が設けられており、この蒸気配管7を介して、例えば温泉などで発生した蒸気(後述する低圧の蒸気)が蒸発器2の内部に供給されている。また、蒸発器2の2次側には、上述した循環配管6を介して液体の作動媒体が供給され、1次側の蒸気との間で熱交換がなされる。1次側の蒸気との熱交換で加熱された作動媒体は、循環配管6を介して凝縮器4に向かって移送される。
蒸発器2の入側の蒸気配管7には蒸発器2に供給される蒸気圧力を減圧可能な減圧弁8が設けられており、蒸発器2の出側の蒸気配管7には蒸発器2に溜まったドレイン(凝縮水)を取り除くスチームトラップ9(強制ドレイン排出手段)が設けられている。なお、減圧弁8及びスチームトラップ9については、後ほど詳しく述べる。
蒸発器2から膨張機3に向かう循環配管6には、膨張機3に用いられるタービンなどに潤滑油を供給する潤滑手段14が設けられている。潤滑手段14は、蒸発器2から膨張機3に向かう循環配管6上に設けられてこの循環配管6を流通する作動媒体から潤滑油を分離する油分離器15と、油分離器15で作動媒体から分離された潤滑油を膨張機3(膨張機3のタービン)に供給する潤滑油供給配管16とを備えている。
膨張機3は、蒸発器2で気化した作動媒体を用いて回転駆動力を発生させるものであり、タービンなどで構成されている。膨張機3には、膨張機3で得られた回転駆動力を伝達する駆動軸18と、駆動軸18を介して伝達された回転駆動力を用いて発電を行う発電機13とが設けられている。また、膨張機3には、上述した潤滑手段14の潤滑油供給配管16を介して潤滑油が供給されており、潤滑油により十分に潤滑された状態でタービンなどを回転できるようになっている。膨張機3を通過した気体の作動媒体は、循環配管6を通じて凝縮器4に送られる。
凝縮器4は、1次側に供給された冷却水と、2次側に供給された気体の作動媒体との間に熱交換を行って、気体の作動媒体を凝縮(液化)させるものである。凝縮器4の1次側には、冷却塔10(チラ−)で冷却された冷却水を供給する冷却水配管11と、冷却水配管11に沿って冷却水を流通させる冷却水ポンプ12とが設けられている。また、凝縮器4の2次側には、膨張機3から送られてきた気体の作動媒体が循環配管6を経由して供給されており、凝縮器4の内部で凝縮した液体の作動媒体を循環ポンプ5に移送できるようになっている。
循環ポンプ5は、凝縮器4で凝縮された液体の作動媒体を循環配管6に沿って蒸発器2に圧送するものであり、後述するインバータ23を介して回転数、電圧、あるいは電流などの運転条件を調整可能とされている。
また、循環ポンプ5から蒸発器2に向かう循環配管6上には、蒸発器2の負荷を下げるために液体の作動媒体を予め加熱する(予熱する)予熱器17が設けられている。この予熱器17には、外部から温水が供給されていて、温水との間に熱交換を行うことで液体の作動媒体を予熱できる構成となっている。
上述したバイナリー発電装置1に用いられる作動媒体には、代替フロンやペンタンなどのような水より低沸点の有機化合物が用いられており、熱源である蒸気から供給される熱を用いて発電を行うことが可能となっている。
また、蒸発器2に供給される蒸気には、圧力が0.2MPaG以下の低圧の蒸気が用いられる。なお、この熱源である蒸気については、後ほど詳しく述べる。
図1に示すバイナリー発電装置1で発電を行う際には、まず蒸発器2の1次側に蒸気(低圧の蒸気)を供給すると共に蒸発器2の2次側に液体の作動媒体を導いて、蒸発器2内で両者の間に熱交換を行って、作動媒体を気化させる。
このようにして蒸発器2で作動媒体が気化したら、気化した作動媒体を膨張機3に送って、膨張機3を駆動させる。膨張機3で発生した回転駆動力は駆動軸18を経由して発電機13に送り、発電機13で発電を行う。一方、膨張機3の駆動に用いられた気体の作動媒体は凝縮器4に送られ、凝縮器4において冷却水との間に熱交換が行われて、気体の作動媒体は液体に戻る(凝縮される)。凝縮器4で凝縮された液体の作動媒体は循環ポンプ5で圧送され、予熱器17を経由して再び蒸発器2に帰還する。予熱器17では、外部から供給された温水の作用で液体の作動媒体が予熱され、予熱された作動媒体がさらに蒸発器2で加熱されて、液体の作動媒体は気体の作動媒体に変化する(気化する)。このようにしてバイナリー発電装置1では、作動媒体を循環させつつランキンサイクルを利用して発電が行われるのである。
ところで、本発明のバイナリー発電装置1の場合、通常あれば発電に用いられない低圧の蒸気、言い換えれば、通常は利用されずに破棄される蒸気が利用される。この低圧の蒸気は、一般に発電に供される0.2〜0.8MPaGの範囲よりも低い圧力を備えた蒸気であり、0.2MPaG以下の圧力とされている。なお、本発明では、この低圧の蒸気を「蒸気」と呼び、0.2〜0.8MPaGの高圧蒸気と区別して表現する。
上述した0.2MPaG以下の圧力を有する蒸気は、通常の発電に使用される高圧蒸気に比べれば「低圧」であるものの、多くの熱エネルギ(潜熱)を内包しており、十分に発電に用いることができる。ただ、この低圧な蒸気は、飽和状態の蒸気に対して圧力や温度を若干高くした程度のものに過ぎないため、蒸発器の内部で容易に凝縮し、蒸発器の内部にドレイン(凝縮水)が溜まりやすくなる。ドレインが蒸発器の内部に発生すると、蒸気配管が閉塞して蒸発器の熱交換能力が大きく低下し、バイナリー発電装置の発電が不安定となる可能性(ストール現象が起こる可能性)がある。それゆえ、上述した低圧な蒸気を熱源として用いる場合は、ドレインが蒸発器2の内部に発生しやすくなるので、ドレインによる蒸気配管7の閉塞をいち早く検知してスチームトラップ9(強制ドレイン排出手段)を迅速に作動させる必要がある。
そこで、本発明のバイナリー発電装置1の運転方法では、蒸発器2の出側の蒸気配管7を流れる蒸気圧力と、蒸発器2の入側の蒸気配管7を流れる蒸気圧力とを比較し、出側の蒸気圧力が入側の蒸気圧力より大きくなった場合に、スチームトラップ9を作動させる構成を採用している。つまり、ドレインによる蒸発器2の閉塞が起こると、通常は蒸発器2の入側より低圧となる蒸発器2の出側の蒸気圧力が、蒸発器2の入側の蒸気圧力より高くなることを、本発明者は知見している。それゆえ、このような蒸発器2の入側と出側の蒸気圧力差に基づいてドレインによる蒸気配管7の閉鎖をいち早く検知することができれば、スチームトラップ9を作動させて発生したドレインを迅速に排除することが可能となる。
具体的には、上述したバイナリー発電装置1では、蒸発器2の入側の蒸気配管7に、蒸
発器2の入側の蒸気圧力を計測する入側蒸気圧力計19が配備されており、また蒸発器2の出側の蒸気配管7に、蒸発器2の出側の蒸気圧力を計測する出側蒸気圧力計20が配備されている。さらに、蒸発器2の入側の蒸気配管7には、上述した入側蒸気圧力計19の更に上流側の蒸気配管7に減圧弁8が設けられており、減圧弁8の上流側の蒸気配管7には、減圧弁8に供給される蒸気の圧力を計測する減圧弁入側圧力計21が設けられている。これらの圧力計19〜21で計測された蒸気圧力はドレイン制御部24に送られる。また、蒸発器2の出側の蒸気配管7には、蒸発器2の内部に発生したドレインを排出するスチームトラップ9が設けられており、ドレイン制御部24からの指令で作動できるようになっている。
次に、第1実施形態のバイナリー発電装置1に設けられるスチームトラップ9、各圧力計、減圧弁8及びドレイン制御部24について、くわしく説明する。
図1に示すように、第1実施形態のスチームトラップ9は、図示は省略するが、蒸発器2の出側の蒸気配管7内を流通するドレインを貯留(トラップ)するトラップ部と、トラップ部にトラップされたドレインを強制的に排出可能なポンプ部とを備えている。このトラップ部は、気体である蒸気の通過を規制しつつ、液体であるドレインを貯留・排除できるようになっており、例えば液体と気体との比重差を利用して液体のドレインだけを選別して貯留する構成となっている。また、ポンプ部は、ドレイン制御部24からの指令によってトラップ部に貯留されたドレインを吸引力などにより強制的に蒸発器2の外部に排出するものであり、電動式や圧力式で駆動するポンプなどが用いられる。なお、第1実施形態のポンプ部は、電動式のポンプを用いている。
上述した入側蒸気圧力計19、出側蒸気圧力計20、及び減圧弁入側圧力計21は、いずれも蒸気配管7を流通する蒸気の圧力を計測するものである。具体的には、入側蒸気圧力計19で計測された蒸気圧力は「入側蒸気圧力P」、出側蒸気圧力計20で計測された蒸気圧力は「出側蒸気圧力P」、減圧弁入側圧力計21で計測された蒸気圧力は「減圧弁入側圧力P」としていずれもドレイン制御部24に送られる。
なお、上述した減圧弁8は、減圧弁入側圧力計21で計測された減圧弁入側圧力Pが蒸気バイナリー発電システムが正常に動作する所定の圧力(0.000〜0.169MPaGの範囲)になるように圧力を調整している。
ドレイン制御部24は、スチームトラップ9の作動状態を制御するものであり、パソコンやシーケンサで構成されている。ドレイン制御部24は、内部に記憶されたプログラムに従って、出側蒸気圧力Pが入側蒸気圧力Pより大きくなった場合に、スチームトラップ9を作動させ、出側蒸気圧力Pが入側蒸気圧力Pより小さくなった場合に、スチームトラップ9を停止させる構成となっている。
次に、ドレイン制御部24で行われる信号処理、言い換えれば本発明のバイナリー発電装置1の運転方法について説明する。
まず、上述した入側蒸気圧力計19で入側蒸気圧力Pを計測すると共に、出側蒸気圧力計20で出側蒸気圧力Pを計測する。それぞれの圧力計で計測された蒸気圧力はドレイン制御部24に送られる。
ドレイン制御部24では、入側蒸気圧力Pと出側蒸気圧力Pとを比較し、比較の結果、出側蒸気圧力Pが入側蒸気圧力Pより小さい場合は、蒸発器2内にドレインが発生していないと判断して、スチームトラップ9のポンプ部は停止させたままとしておく。しかし、出側蒸気圧力Pが入側蒸気圧力Pより大きい場合には、蒸発器2内にドレインが発生している(ドレインにより蒸発器2が閉塞している)と判断してスチームトラップ9のポンプ部を作動させ、ドレインを強制的に排出する。このようにすれば、ドレインによる蒸気配管7の閉塞をいち早く把握すると共に閉塞を迅速に解消することも可能となり、ドレインが発生しやすい低圧の蒸気を熱源に用いても安定した発電を行うことが可能となる。
なお、上述した排出機構を採用してドレインを頻繁に排出すると、蒸発器2内で蒸気側から作動媒体側に移動する熱量も頻繁に変化し、蒸発器2から入ってくる熱量の変化に合わせて作動媒体の循環量も追従性良く制御することが安定した発電を継続するために必要
となる。
そのため、本発明のバイナリー発電装置1では、次のような過熱度制御部25を設けて、作動媒体の循環量を応答性良く適正なものに制御するようにしている。
つまり、上述したバイナリー発電装置1には、蒸発器2の出側の循環配管6に、作動媒体の圧力を計測する出側媒体圧力計26と、作動媒体の圧力を計測する出側媒体温度計27とが設けられている。そして、ドレイン制御部24以外に、出側媒体圧力計26で計測された蒸気の圧力及び出側媒体温度計27で計測された蒸気の温度に基づいて、蒸発器2の出側における作動媒体の過熱度を算出し、算出された過熱度が、予め定められた過熱度の許容範囲内に含まれるように、循環ポンプ5による作動媒体の循環量と圧力を制御する過熱度制御部25が設けられている。
つまり、作動媒体の循環配管6には、蒸発器2から膨張機3(油分離器15)までの間に、作動媒体の圧力を計測する出側媒体圧力計26と、作動媒体の温度を計測する出側媒体温度計27とが設けられている。そして、過熱度制御部25では、出側媒体圧力計26で計測された蒸気の圧力Pに基づいて、蒸気の圧力がPのときの飽和温度Tを算出し、算出された飽和温度Tと出側媒体温度計27で計測された蒸気の温度Tとに基づいて作動媒体の過熱度を算出している。さらに、過熱度制御部25では、算出された作動媒体の過熱度が、予め設定された過熱度の範囲となるように、インバータ23を介して循環ポンプ5に指令を送っている。
例えば、算出された作動媒体の過熱度が予め設定された過熱度より大きくなった場合には、インバータ23を介して循環ポンプ5の回転数、電圧または電流などを大きくし、作動媒体の循環量と圧力を大きくする。また、算出された作動媒体の過熱度が予め設定された過熱度より小さくなった場合には、インバータ23を介して循環ポンプ5の回転数、電圧または電流などを小さくし、作動媒体の循環量と圧力を小さくする。このような過熱度制御部25を用いれば、蒸発器2の出側における作動媒体の過熱度が予め設定された過熱度となるように、作動媒体の循環量と圧力を適宜調整することが可能となり、蒸発器2での熱交換を安定して行った上で、さらにバイナリー発電装置1の発電効率をも効率良いものとすることが可能となる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態のバイナリー発電装置1について説明する。
図2に示すように、第2実施形態のバイナリー発電装置1は、蒸発器2内に発生したドレインをポンプなどを用いて強制的に排出するものではなく、ドレインの発生の有無に応じてドレインや蒸気が流通する経路を適宜切り替える構成を採用している。
すなわち、第2実施形態の強制ドレイン排出手段は、ドレイン排送時の圧損が大きな第1ドレイン配管28と、ドレイン排送時の圧損が第1ドレイン配管28より小さな第2ドレイン配管29と、を有している。そして、ドレイン制御部24は、出側蒸気圧力計20で計測された蒸気圧力Pが、入側蒸気圧力計19で計測された蒸気圧力Pより大きくなった場合に、低圧損の第2ドレイン配管29を用いてドレインを排出し、出側蒸気圧力計20で計測された蒸気圧力Pが、入側蒸気圧力計19で計測された蒸気圧力Pより小さくなった場合に、高圧損の第1ドレイン配管28を用いてドレインを排出する構成とされている。
具体的には、第1ドレイン配管28としては以下のものが該当する。
例えば、バイナリー発電装置1の熱源が地下から噴出する蒸気や湧出する熱水源から発生する蒸気である場合は、回収したドレインを再び地下の熱水源に帰還させたり、2次利用のために遠隔地にある温泉地の浴場などに送ったりする場合がある。このような場合は、ドレインを再び地下に帰還させるために、あるいは遠隔地までパイプなどで送るためにある程度大きな圧損が発生する。それゆえ、このドレインを再び地下に帰還させる配管や遠隔地まで移送するパイプなどが第1ドレイン配管28に該当する。
一方、第2ドレイン配管29は、このような第1ドレイン配管28よりもドレインを排送する際の圧損が小さな配管である。この第2ドレイン配管29には、ドレインを蒸気配管7外に直接放出する、言い換えれば大気開放するものを用いることができる。
上述した第1ドレイン配管及び第2ドレイン配管29は、蒸発器2より下流側の蒸気配管7を分岐して形成されている。つまり、分岐した一方の蒸気配管7が第1ドレイン配管28とされ、分岐したもう一方の蒸気配管7が第2ドレイン配管29とされていて、第1ドレイン配管28と第2ドレイン配管29との分岐場所には、蒸気やドレインの配送先を切り替え可能な切り替えバルブ30が設けられている。この切り替えバルブ30は、上述したドレイン制御部24からの指令により、蒸気やドレインの配送先を第1ドレイン配管28と第2ドレイン配管29との間で切り替え可能とされている。
上述した第2実施形態のドレイン制御部24では、出側蒸気圧力計20で計測された蒸気圧力Pが、入側蒸気圧力計19で計測された蒸気圧力Pより小さくなった場合には、蒸発器2内にドレインが発生していないと判断して切り替えバルブ30に指令を送り、第1ドレイン配管28を介してドレインを排送する。しかし、蒸気圧力Pが蒸気圧力Pより大きくなった場合には、蒸発器2内にドレインが発生していると判断して切り替えバルブ30に指令を送って経路を切り替え、第1ドレイン配管28よりも圧損が小さな第2ドレイン配管29を介してドレインを排送する。このようにすれば、ドレインを強制的に排出する手段としてポンプなどのような複雑な機構を採用しなくても済み、ドレインの排出機構としてより簡単な構成を採用することが可能となる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態のバイナリー発電装置1について説明する。
図3に示すように、第3実施形態のバイナリー発電装置1は、蒸気配管7を流通する蒸気の圧力を利用して駆動するスチームトラップ9を用いたものである。
具体的には、第3実施形態のスチームトラップ9には、蒸発器2の入側の蒸気配管7に、より正確には減圧弁8より上流側の蒸気配管7に、この蒸気配管7を流れる蒸気の一部を引き込む駆動用蒸気配管31が設けられている。そして、この駆動用蒸気配管31のもう一方の端部は蒸気の圧力で吸引力を発生させる蒸気駆動式のポンプ(ポンプ部)に連結されている。また、この駆動用蒸気配管31には、配管を流れる蒸気の流通を遮断可能な遮断弁32が設けられており、遮断弁32は上述したドレイン制御部24からの指令で開閉可能とされている。
それゆえ、上述した第3実施形態のドレイン制御部24から指令を送って遮断弁32を閉鎖状態にしておけば、駆動源の蒸気が供給されないのでスチームトラップ9は作動しない。
しかし、ドレイン制御部24から指令を送って遮断弁32を開動すれば、駆動用蒸気配管31を介してポンプ部に蒸気が流れ込み、スチームトラップ9のポンプ部で吸引力が発生してドレインを強制的に排出することができる。
なお、第3実施形態における上述したもの以外の構成、作用、効果については、第1実施形態と同様である。それゆえ、詳しい説明については省略する。
「第4実施形態」
次に、第4実施形態のバイナリー発電装置1について説明する。
図4に示すように、第4実施形態のバイナリー発電装置1は、第1〜第3実施形態に対して、蒸発器2を通過したドレインの温度を調整可能となっている点が異なっている。つまり、第4実施形態のバイナリー発電装置1でも、第1〜第3実施形態と同様に、蒸発器2で作動媒体との熱交換に用いられた蒸気は、蒸気配管7を通じて強制ドレイン排出手段(図1〜図3の例であればスチームトラップ9が強制排出手段となっているが、本実施形態では図4に符号39で示される部材が強制排出手段となっている)に送られ、この強制ドレイン排出手段39で強制的に外部に排出される。
ただ、強制ドレイン排出手段39で排出されるドレインの温度が非常に高温である場合、排出後のドレインの再利用が困難になる場合があるため、外部に排出されるドレインの温度はある程度低い温度に温度調節(冷却)されているのが好ましい。
そこで、第4実施形態のバイナリー発電装置1では、蒸発器2の出側に位置する蒸気配管7をドレイン分岐配管35とドレイン主流配管36とに2つに分岐している。そして、この蒸気配管7が分岐される位置にドレインの流出先を2つの蒸気配管35、36の間で
切り換えるドレイン冷却・排出切替弁37を設けている。これら2つに分岐された蒸気配管のうち、一方の蒸気配管であるドレイン分岐配管35には、このドレイン分岐配管35を流通するドレインを冷却するドレイン冷却手段38が設けられている。また、他方の蒸気配管であるドレイン主流配管36は後述する強制ドレン排出手段39に直接接続している。それゆえ、ドレイン冷却・排出切替弁37をドレイン分岐配管35側に切り替えて、ドレインをドレイン冷却手段38に案内してドレインを冷却すれば、高温のドレインがそのまま強制ドレイン排出手段39に送られることを抑制することが可能となる。
このようにドレイン冷却手段38で冷却されたドレインは、ドレイン分岐配管35を通じて下流側に送られる。そして、ドレイン冷却手段38の下流側で、分岐されたドレイン分岐配管35とドレイン主流配管36とが再び合流して1本の蒸気配管7(以下、ドレイン合流配管47という)になる。
ドレイン合流配管47は、ドレインを強制的に排出する強制ドレン排出手段39に接続されている。そして、ドレイン合流配管47には、このドレイン合流配管47を流れるドレインの温度を計測するドレイン温度計測手段40が設けられている。このドレイン温度計測手段40で計測されたドレインの温度は後述するドレイン温度制御用コントローラ43(第1〜第3実施形態のドレイン制御部24に相当する)に送られる。
一方、第4実施形態のバイナリー発電装置1でも、第1〜第3実施形態と同様に、凝縮器4で作動媒体の凝縮に用いられる冷却水、つまり熱交換器を構成する凝縮器4の1次側に供給された冷却水は、冷却水ポンプ12の作用により冷却水配管11を通じて冷却塔10(チラ−)に送られる。第4実施形態のバイナリー発電装置1が第1〜第3実施形態と異なっている点は、冷却塔10(チラ−)に向かう冷却水配管11が2つに分岐しており、分岐されたドレイン冷却水配管41を通じて冷却水配管11を流れる冷却水の一部がドレイン冷却手段38に導入されている点である。
具体的には、このドレイン冷却水配管41は、凝縮器4から冷却塔10に向かう冷却水配管11の中途側から分岐し、冷却水配管11を流れる冷却水の一部をドレイン冷却手段38に導入している。このようにしてドレイン冷却手段38に導入された冷却水は冷却塔10に送られて、この冷却塔10で再度冷却される。
また、このドレイン冷却水配管41には、ドレイン冷却水配管41を流通する冷却水の流量を調整するドレイン冷却水流量調整弁42と、このドレイン冷却水配管41を流通する冷却水の温度を計測するドレイン冷却水温度計46とが設けられている。このドレイン冷却水流量調整弁42は、分岐元の冷却水配管11と、ドレイン冷却手段38との間のドレイン冷却水配管41に設けられており、弁開度がドレイン温度制御用コントローラ43の指令により制御可能な電磁弁などから構成されており、ドレイン冷却手段38に導入される冷却水の流量を調整可能となっている。また、ドレイン冷却水温度計46で計測された冷却水の温度は後述するドレイン温度制御用コントローラ43に送られている。
なお、第4実施形態のバイナリー発電装置1では、蒸発器2の入側に位置する蒸気配管7に、この入側の蒸気配管7を流れる蒸気の温度を計測する入側蒸発温度計44と、入側の蒸気の圧力を計測する入側蒸発圧力計19とが設けられている。また、蒸発器2の出側に位置する蒸気配管7には、この出側の蒸気配管7を流れる蒸気の温度を計測する出側蒸発温度計45と、出側の蒸気の圧力を計測する出側蒸発圧力計20とが設けられている。これらの温度計及び圧力計で計測された温度及び圧力は蒸発器2の過熱度を制御している蒸気バイナリ本体コントローラー25(第1〜第3実施形態の過熱度制御部に相当する)に送られ、この蒸気バイナリ本体コントローラー25からドレインの温度を制御しているドレイン温度制御用コントローラ43(第1〜第3実施形態のドレイン制御部24に相当する)に送られている。
上述したドレイン温度制御用コントローラ43は、ドレイン温度計測手段40で計測されるドレインの温度に基づいて、上述したドレイン冷却水流量調整弁42の開度を調整しており、ドレイン冷却水配管41を流通する冷却水の流量を調整可能となっている。このドレイン温度制御用コントローラ43には、例えば設備に付属したパソコンやプロコンなどが用いられている。
次に、ドレイン温度制御用コントローラ43の内部で行われる信号処理、言い換えれば第4実施形態のバイナリー発電装置の運転方法について説明する。
図6に示すように、第4実施形態のバイナリー発電装置では、まず蒸発器2の入側の蒸気配管7に設けられる入側蒸気圧力計19で、蒸発器2の入側におけるドレインの圧力PS1が計測される。また、蒸発器2の出側の蒸気配管7に設けられる出側蒸気圧力計20で、蒸発器2の出側におけるドレインの圧力PS3が計測される。このようにして計測された蒸発器2の入側におけるドレインの圧力PS1及び、蒸発器2の出側におけるドレインの圧力PS3は、過熱度制御部25に送られる。
この過熱度制御部25では、蒸発器2入側のドレインの圧力PS1と、蒸発器2出側のドレインの圧力PS3とを比較し(S001)、圧力PS3が圧力PS1より大きな場合は、蒸発器2の内部にドレインが滞留していると考えて、強制ドレイン排出手段39を作動させてドレインを強制的に排出する(S002)。なお、このドレインの強制排出は、圧力PS3が圧力PS1より小さくなると停止する(S003)。また、このドレインの強制排出の信号は、ドレイン温度制御用コントローラ43にも送られる。
このようにドレインの強制排出が行われた場合は、ドレイン温度制御用コントローラ43で、まず蒸発器2に供給される蒸気の圧力が下がっていないかどうかが判断される(S004)。
つまり、蒸発器2に供給される蒸気は、蒸気の供給源の状態などにより一時的に低下する場合があり、このような蒸気の圧力低下時にも蒸発器2内でドレインが閉塞し、熱交換が十分に行えなくなるなどの問題が発生する可能性がある。そこで、本実施形態のバイナリー発電装置1では、入側蒸気圧力計19で計測された圧力PS1が予め定められた圧力の最小値PS1minより小さいかどうかから、蒸気の圧力低下を判断している。
具体的には、入側蒸気圧力計19の圧力PS1が、予め定められた圧力の最小値PS1min以下である場合は、蒸発器2に供給される蒸気の圧力が下がったと判断して、ドレイン冷却・排出切替弁37を「ON状態」に切り替える(S005)。また、圧力PS1が圧力の最小値PS1minより大きな場合は、蒸発器2に供給される蒸気の圧力が十分高い、言い換えれば蒸発器2で十分な熱交換が行われていると判断して、ドレイン冷却・排出切替弁37を「OFF状態」に切り替える(S006)。
上述したドレイン冷却・排出切替弁37では、図5に示すように、ドレイン冷却・排出切替弁37が「ON状態」にある場合は、ドレイン分岐配管35が閉鎖され、ドレイン主流配管36が開放される。それゆえ、蒸気配管7のドレインは、ドレイン分岐配管35のドレイン冷却手段38で冷却されることなく、ドレインが強制ドレイン排出手段39に送られる。一方、ドレイン冷却・排出切替弁37が「OFF状態」にある場合は、ドレイン分岐配管35が開放され、ドレイン主流配管36が閉鎖される。それゆえ、蒸気配管7のドレインは、ドレイン分岐配管35のドレイン冷却手段38で冷却され、ドレインに対する温度調整、つまりドレインの冷却が行われる。
次に、蒸発器2の出側の蒸気配管7におけるドレインの温度TS2を出側蒸気温度計45で計測し、出側蒸気温度計45で計測されたドレインの温度TS2が予め定められたTDmax以上である場合は、ドレイン冷却水配管41のドレイン冷却水流量調整弁42を開く(S007)。そうすると、ドレイン冷却水配管41を冷却水が流通し、ドレインがドレイン分岐配管35のドレイン冷却手段38で冷却されるようになる。その結果、ドレイン冷却手段38でドレインが冷却され、強制ドレイン排出手段39に送られるドレインの温度を低くすることが可能となる。
また、出側蒸気温度計45で計測されたドレインの温度TS2が予め定められたTDmaxより小さい場合は、ドレイン冷却水配管41のドレイン冷却水流量調整弁42を閉じる(S008)。そうすると、ドレイン冷却水配管41を流通する冷却水の流量が減少し、ドレイン冷却手段38でドレインが冷却されなくなる。なお、図6のフローチャートでは、ドレイン冷却水配管41を流通する冷却水の流量を減少させた上で、処理の最初に戻るようになっている。
なお、出側蒸気温度計45で計測されたドレインの温度TS2が予め定められたTDma
x以上であるとの判断が行われた場合は、合流後の蒸気配管7に設けられたドレイン温度計測手段40でドレインの温度TD1を計測する。そして、ドレイン温度計測手段40で計測されたドレインの温度TD1が予め定められたTDmax±αより高いか低いかを判断する(S009)。
つまり、ドレインの温度TD1が予め定められたTDmax+α以上である場合は、ドレイン冷却水配管41のドレイン冷却水流量調整弁42の開度を上げ(S010)、ドレイン冷却手段38でドレインをより冷却するようにする。このようにすればドレイン合流配管47を流通するドレインの温度が低くなり、強制ドレイン排出手段39に送られるドレインの温度を低く抑えることが可能となる。
一方、ドレインの温度TD1が予め定められたTDmax−α以下である場合は、ドレイン冷却水配管41のドレイン冷却水流量調整弁42の開度を下げ(S011)、ドレイン冷却手段38でのドレインの冷却を抑えるようにする。このようにすればドレイン合流配管47を流通するドレインの温度が高くなり、強制ドレイン排出手段39に送られるドレインの温度を上昇させることが可能となる。
なお、ドレインの温度TD1に、上述したTDmax±αのような値を用いれば、ドレインの温度を(TDmax−α)〜(TDmax+α)の範囲で温度管理することが可能となり、ドレインの温度TD1に対してより細密な温度管理を行うことが可能となる。また、蒸発器2に供給される蒸気の圧力が低下した際に、蒸発器2の内部にドレインが閉塞することを抑制することも可能となる。
また、上述した実施形態では冷却塔10(チラ−)に向かう冷却水の一部をドレイン冷却手段38に導入する構成を挙げたが、ドレイン冷却水配管41を工場用水等の別の水源に接続し、その水源の冷却水をドレイン冷却手段38に導入する構成を採用することもできる。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
1 バイナリー発電装置
2 蒸発器
3 膨張機
4 凝縮器
5 循環ポンプ
6 循環配管
7 蒸気配管
8 減圧弁
9 スチームトラップ
10 冷却塔
11 冷却水配管
12 冷却水ポンプ
13 発電機
14 潤滑手段
15 油分離器
16 潤滑油供給配管
17 予熱器
18 駆動軸
19 入側蒸気圧力計
20 出側媒体圧力計
21 減圧弁入側圧力計
23 インバータ
24 ドレイン制御部
25 過熱度制御部
26 出側媒体圧力計
27 出側媒体温度計
28 第1ドレイン配管
29 第2ドレイン配管
30 切り替えバルブ
31 駆動用蒸気配管
32 遮断弁
35 ドレイン分岐配管
36 ドレイン主流配管
37 ドレイン冷却・排出切替弁
38 ドレイン冷却手段
39 強制ドレン排出手段
40 ドレイン温度計測手段
41 ドレイン冷却水配管
42 ドレイン冷却水流量調整弁
43 ドレイン温度制御用コントローラ
44 入側蒸発温度計
45 出側蒸発温度計
46 ドレイン冷却水温度計
47 ドレイン合流配管

Claims (7)

  1. 蒸気を熱源として作動媒体を蒸発させる蒸発器と、前記蒸発器で蒸発した気体の作動媒体を膨張させて回転駆動力を発生する膨張機と、前記膨張機で膨張した気体の作動媒体を液体に凝縮する凝縮器と、前記凝縮器から蒸発器に向って作動媒体を循環させる循環ポンプとを備えるバイナリー発電装置の運転方法であって、
    前記蒸発器の入側の蒸気圧力を計測する入側蒸気圧力計と、前記蒸発器の出側の蒸気圧力を計測する出側蒸気圧力計と、前記蒸発器内に溜まったドレインを蒸気配管外に強制的に排出する強制ドレイン排出手段と、を設けておき、
    前記出側蒸気圧力計で計測された蒸気圧力Pが、入側蒸気圧力計で計測された蒸気圧力Pより大きくなった場合に、前記強制ドレイン排出手段を作動させることを特徴とするバイナリー発電装置の運転方法。
  2. 前記出側蒸気圧力計で計測された蒸気圧力Pが、入側蒸気圧力計で計測された蒸気圧力Pより小さくなった場合に、前記強制ドレイン排出手段を停止させることを特徴とする請求項1に記載のバイナリー発電装置の運転方法。
  3. 前記強制ドレイン排出手段では、前記蒸発器の入側の蒸気圧力を駆動力に用いて前記蒸気のドレインを蒸発器外に強制的に排出することを特徴とする請求項1または2に記載のバイナリー発電装置の運転方法。
  4. 前記強制ドレイン排出手段は、ドレイン排送時の圧損が大きな第1ドレイン配管と、ドレイン排送時の圧損が第1ドレイン配管より小さな第2ドレイン配管とを有しており、
    前記出側蒸気圧力計で計測された蒸気圧力Pが、入側蒸気圧力計で計測された蒸気圧力Pより大きくなった場合に、前記第2ドレイン配管を用いて、ドレインを排出し、
    前記出側蒸気圧力計で計測された蒸気圧力Pが、入側蒸気圧力計で計測された蒸気圧力Pより小さくなった場合に、前記第1ドレイン配管を用いて、ドレインを排出することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のバイナリー発電装置の運転方法。
  5. 前記蒸発器の出側において、前記作動媒体の圧力を計測する出側媒体圧力計と、前記作動媒体の温度を計測する出側媒体温度計とを設けておき、
    前記出側媒体圧力計で計測された蒸気の圧力及び出側媒体温度計で計測された蒸気の温度に基づいて、蒸発器の出側における作動媒体の過熱度を算出し、算出された過熱度が、予め定められた過熱度の許容範囲内に含まれるように、前記循環ポンプによる作動媒体の循環量と圧力を制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のバイナリー発電装置の運転方法。
  6. 前記蒸発器の出側に位置する前記蒸気配管をドレイン主流配管とドレイン分岐配管に分岐すると共に、前記分岐される位置にドレインの流出先を前記ドレイン主流配管と前記ドレイン分岐配管とに切り換えるドレイン冷却・排出切替弁を設け、
    前記ドレイン分岐配管には、流通するドレインを冷却するドレイン冷却手段を設け、
    前記ドレイン冷却手段より下流側で、前記ドレイン分岐配管と前記ドレイン主流配管と合流させてドレイン合流配管を形成し、
    前記ドレイン合流配管を、前記強制ドレイン排出手段に接続し、
    さらに、前記ドレイン合流配管にはドレインの温度を計測するドレイン温度計測手段を設け、
    前記ドレイン冷却手段に導入される冷却水の流量を調整可能なドレイン冷却水流量調整弁を設けておき、
    前記ドレイン温度計測手段で計測される前記ドレインの温度に基づいて、前記ドレイン冷却水流量調整弁の弁開度を調整することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の
    バイナリー発電装置の運転方法。
  7. 前記凝縮器で前記作動媒体の凝縮に用いられる冷却水の一部を前記ドレイン冷却手段に導入することを特徴とする請求項6に記載のバイナリー発電装置の運転方法。
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