JP2014193858A - (r)−5−(2−アミノエチル)−1−(6,8−ジフルオロクロマン−3−イル)−1,3−ジヒドロイミダゾール−2−チオンの製造方法 - Google Patents

(r)−5−(2−アミノエチル)−1−(6,8−ジフルオロクロマン−3−イル)−1,3−ジヒドロイミダゾール−2−チオンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】(R)-5-(2-アミノエチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン、及びその医薬として許容し得る塩の製造方法の提供。
【解決手段】L−セリンメチルエステル塩酸塩から出発して、そのN−トリチル誘導体と2,4−ジフルオロフェノールとを光延条件下で縮合し、続いて、脱保護し、生じたアミノ酸のエトキシカルボニル化、N−保護された誘導体のフリーデル−クラフツ環化、及びエトキシカルボニルアミノケトンの還元によって合成できる。エチルカルバマートのアルカリ加水分解によって得られる化合物8を中間体として使用する。
Figure 2014193858

【選択図】なし

Description

本発明は、(R)-5-(2-アミノエチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1,3-ジヒド
ロイミダゾール-2-チオン及びその医薬として許容し得る塩、特に、その塩酸塩の製造方
法に関する。また、本発明は、前記化合物の形成に有用な中間体の製造方法、及びその中
間体自体に関する。
(R)-5-(2-アミノエチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1,3-ジヒドロイミダゾ
ール-2-チオン塩酸塩は、WO2004/033447に記載されており、ドーパミンからノルアドレナ
リンへのヒドロキシル化の低減が治療上有益である場合に、疾患の治療のための薬剤とし
て有用である。このような疾患には、例えば、高血圧及び慢性心不全などの心血管障害が
含まれる。
本発明は、形態A及び形態Cの(R)-5-(2-アミノエチル)-l-(6,8-ジフルオロクロマン-3-
イル)-l,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン塩酸塩の製造方法を提供する。
(R)-5-(2-アミノエチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン塩酸塩の結晶形態Aは、4.9、8.3、12.9、15.0、16.2、19.8、21.8、22.9、及び24.2、26.8±0.2 °2θにピークを伴うXRPDパターンを有する。該XRPDパターンを図1に示す。 さらに、 (R)-5-(2-アミノエチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン塩酸塩の結晶形態Aは、3053.30、2939.70、1599.80、1491.90、1448.30、1406.10、1330.70、1287.60、1244.50、1220.70、1194.00、1117.50、1039.50、985.50、851.80、747.00、及び713.70cm-1に特徴的なFT-IRピークを有する。該FT-IRスペクトルを図2に示す。 (R)-5-(2-アミノエチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン塩酸塩の結晶形態Cは、13.9、15.3、16.2、16.7、17.7、18.1、20.2、21.0、22.1、24.2、25.1、及び25.7にピークを伴うXRPDパターンを有する。該XRPDパターンを図3に示す。 さらに、 (R)-5-(2-アミノエチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン塩酸塩の結晶形態Cは、3041.70、1596.50、1492、1403.40、1333.80、1290.90、1220.2、1173.20、1117.4、1078.10、1033.4、984.90、845.2、792.6、750.1、及び713.20cm-1に特徴的なFT-IRピークを有する。該FT-IRスペクトルを図4に示す。
本発明の一態様により、式14の化合物の製造方法が提供され:
Figure 2014193858
式8の化合物:
Figure 2014193858
と式13の化合物:
Figure 2014193858
及び水溶性チオシアン酸塩、並びに有機酸とを、反応させることを含む。
化合物8は、L-セリンメチルエステル塩酸塩から出発して、そのN-トリチル誘導体と2,4
-ジフルオロフェノールとを光延条件下で縮合し、続いて、脱保護し、生じたアミノ酸の
エトキシカルボニル化、N-保護された誘導体のフリーデル−クラフツ環化、及びエトキシ
カルボニルアミノケトンの還元によって合成できる。エチルカルバマートのアルカリ加水
分解によって8が得られる。
Figure 2014193858
式13の化合物の生成方法は、Gall及びKamdarの論文((1981)J. Org. Chem. 46, 1575-1
585)に記載されている。
好ましくは、該反応は105℃〜110℃の温度で行われる。
該水溶性チオシアン酸塩は、アルカリ金属チオシアン酸塩、好ましくは、チオシアン酸
カリウムであってもよい。
該有機酸を、該反応のための溶媒として作用させてもよく、必要であれば、さらなる不
活性溶媒を使用してよい。好ましくは、該有機酸は酢酸である。
該方法は、式14の化合物を精製する工程を含むのが好ましい。
本発明の別の態様により、式1の化合物の製造方法が提供され:
Figure 2014193858
式14の化合物:
Figure 2014193858
とアルカリ金属水素化ホウ素塩とを、溶媒の存在下で反応させること、続いて、塩酸と反
応させることを含む。
好ましくは、該アルカリ金属水素化ホウ素塩は水素化ホウ素ナトリウムである。或いは
、第四級アンモニウムボロヒドリドを使用してもよい。
該溶媒を、適当な不活性溶媒として使用してもよく、好ましくは、アルコール、特に、
C1〜C6のアルコールであり、又は塩素系溶媒、或いはそれらの混合物であり、任意に、水
を組合わせる。より好ましくは、該溶媒は水、2-プロパノール、及びジクロロメタンの混
合物である。
一つの好ましい実施態様において、式1の化合物の結晶形態Aを生成するのに適当な条件
下で、塩酸との反応が行われる。
別の好ましい実施態様において、式1の化合物の結晶形態Cを生成するのに適当な条件下
で、塩酸との反応が行われる。
塩酸塩以外の医薬として許容し得る塩を形成するために、塩酸以外の酸が選択され得る
ことに留意されたい。適当な酸及び条件の選択は、当業者の知識の範囲内であり、過度の
実験を要求しない。或いは、例えば、塩酸塩などの塩は、遊離塩基に変換し、単離でき、
又は任意に、一層さらに医薬として許容し得る塩に変換できる。
本発明の別の態様により、式14の化合物が提供される。
Figure 2014193858
ここで、下記実施例を参照する。
(R)-2-{2-[3-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-2-チオキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イミダ
ゾール-4-イル]エチルイソインドール-l,3-ジオン(14)の製造
Figure 2014193858
Figure 2014193858
反応器に固形試薬を充填し、酢酸を一度に加え、混合物を撹拌しながら窒素下で105〜1
10℃まで加熱し、上記条件下で2時間保った。約90℃に加熱しながら水(24mL)をゆっく
りと加え(結晶化が起こった)、懸濁液を撹拌しながらアイスバス中で冷却し、氷中で0.
5時間撹拌し、水(24mL)をゆっくりと加え、1時間撹拌を続けた。沈殿物を集めて、AcOH
-水(1:1v/v)、水で洗浄し、真空中50〜60℃で乾燥させた。生じた固形物(5.25g、99%
)を還流下でIPA(48mL)とDCM(72mL)との混合物に溶解させ、不溶性物質(Kタータレ
ート)を濾過して取除き、濾液をロータバップにて約50℃及び500mbarで結晶化が起こる
まで蒸発させ、次いで、加熱を止めて、残留DCMが除去されるまで蒸発を続けた。懸濁液
を冷蔵庫中に一晩放置し、結晶を集めて、IPAで洗浄し、真空中50℃で乾燥させた。収量3
.40g(64%)。
(実施例2)
(R)-5-(2-アミノエチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1,3-ジヒドロイミダゾ
ール-2-チオン塩酸塩(BIA 5-453)(1)の製造、形態A製造のための改良
Figure 2014193858
Figure 2014193858
2-プロパノール、水、及びDCMの混合物中の化合物14の懸濁液に、NaBH4を撹拌しながら
1分間に18℃で分けて加えた(温度は1時間で27.5℃に上昇した)。混合物を18〜20℃で16
時間撹拌した(1時間でほぼ透明溶液)。混合物をアイスバス中で冷却し、温度を10℃以
下に保ちながら、6NのHCl(39.6mL、237.6mmol)を液滴で添加した。混合物を15分間撹拌
し、固形物を濾過して取除き、濾過ケーキをDCM(300mL)で洗浄した(4.9gの固形物が得
られた)。母液に5NのNaOH(60mL)を加え、混合物を15分間撹拌し、有機物の上層を分離
し、鹹水で洗浄し、最小量の固形物を濾過して取除いた。生じた透明溶液に6NのHCl(40m
l)を加え、蒸気温度が76〜78℃に達するまでDCMを蒸留して取除き、混合物を還流下で1.
5時間撹拌し、室温まで冷却した。水(300mL)を加えて、IPAをロータバップで除去し(4
20mL収集した)、残渣をEtOAc-石油エーテル(2:1v/v)混合物(200及び10OmL)で洗浄し
た。二度目の洗浄後、水相中で結晶化が始まった。6NのHCl(40mL)を加え、懸濁液を撹
拌しながら氷中で1時間冷却し、沈殿物を集めて、冷たい3NのHCl(75mL)、冷たいIPA(5
0mL)で洗浄し、真空中50℃で乾燥させた。収量11.58g(73%)。
(実施例3)
(R)-5-(2-アミノエチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1,3-ジヒドロイミダゾ
ール-2-チオン塩酸塩(BIA 5-453)(1)の製造、形態C製造のための改良
Figure 2014193858
Figure 2014193858
2-プロパノール、水、及びDCMの混合物中の化合物14の懸濁液に、NaBH4を撹拌しながら
1分間に20℃で分けて加えた(温度は22℃に上昇した)。混合物を20℃で16時間撹拌し(0
.5時間で透明溶液)、6NのHClを液滴で添加した。上部温度(head temperature)が76〜7
8℃に達するまでDCMを蒸留して取除き、混合物を還流下で1.5時間撹拌し、室温まで冷却
した。水(30mL)を加え、2-プロパノールをロータバップで除去し、残渣をEtOAc-石油エ
ーテル(2:1v/v)混合物(2x20mL)で洗浄した。水層にDCM溶液(40mL)中の10%の2-プロ
パノールを撹拌しながら加え、続いて、5NのNaOHをpH9〜10まで加えた。有機層を分離し
、乾燥させ(MgSO4)、蒸発乾固した。残渣を、無水EtOH(15mL)と無水EtOH中の3MのHCl
(1.5mL、混合物のpH約2)との混合物に加熱しながら溶解させた。生じた溶液を65〜70℃
で2時間撹拌し、結晶を集めて、EtOHで洗浄し、真空中40℃で乾燥させた。収量1.12g(71
%)。
(実施例4)
(R)-5-(2-アミノエチル)-l-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-l,3-ジヒドロイミダゾ
ール-2-チオン
(R)-5-(2-アミノエチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1,3-ジヒドロイミダゾ
ール-2-チオン塩酸塩(9.64g、27.72mmol)を40〜45℃で撹拌しながら水(160ml)に溶解
させた。生じた溶液に2-プロパノール(64ml)を加え、混合物を35〜38℃まで冷却し、ジ
クロロメタン(256ml)を加え、続いて、1NのNaOH(28ml、28mmol)を加え、10〜15分間
撹拌を続けた。下層の有機相を分離し、MgSO4で乾燥させ、減圧下でおよそ40mlまで蒸発
させた。生じた懸濁液を石油エーテル(200ml)で希釈し、沈殿物を集めて、石油エーテ
ルを用いて濾過し、真空中で乾燥させた。収量7.8g(91%)、融点192〜5℃(分解)。
遊離塩基は、当業者に公知の技術を用いて、所望の塩に変換することができる。
(R)-5-(2-アミノエチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン塩酸塩の結晶形態Aは、4.9、8.3、12.9、15.0、16.2、19.8、21.8、22.9、24.2、及び26.8±0.2 °2θにピークを伴うXRPDパターンを有する。該XRPDパターンを図1に示す。 さらに、 (R)-5-(2-アミノエチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン塩酸塩の結晶形態Aは、3053.30、2939.70、1599.80、1491.90、1448.30、1406.10、1330.70、1287.60、1244.50、1220.70、1194.00、1117.50、1039.50、985.50、851.80、747.00、及び713.70cm-1に特徴的なFT-IRピークを有する。該FT-IRスペクトルを図2に示す。 (R)-5-(2-アミノエチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン塩酸塩の結晶形態Cは、13.9、15.3、16.2、16.7、17.7、18.1、20.2、21.0、22.1、24.2、25.1、及び25.7±0.2 °2θにピークを伴うXRPDパターンを有する。該XRPDパターンを図3に示す。 さらに、 (R)-5-(2-アミノエチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン塩酸塩の結晶形態Cは、3041.70、1596.50、1492、1403.40、1333.80、1290.90、1220.2、1173.20、1117.4、1078.10、1033.4、984.90、845.2、792.6、750.1、及び713.20cm-1に特徴的なFT-IRピークを有する。該FT-IRスペクトルを図4に示す。

Claims (16)

  1. 式14の化合物の製造方法であって:
    Figure 2014193858
    式8の化合物:
    Figure 2014193858
    と式13の化合物:
    Figure 2014193858
    及び水溶性チオシアン酸塩、並びに有機酸とを、反応させることを含む、前記方法。
  2. 前記反応が105℃〜110℃の温度で行われる、請求項1記載の方法。
  3. 前記水溶性チオシアン酸塩がアルカリ金属チオシアン酸塩である、請求項1又は2記載の
    方法。
  4. 前記アルカリ金属チオシアン酸塩がチオシアン酸カリウムである、請求項3に記載の方
    法。
  5. 前記有機酸が酢酸である、請求項1、2、3、又は4記載の方法。
  6. 式14の化合物の精製工程をさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項記載の方法。
  7. 式1の化合物の製造方法であって:
    Figure 2014193858
    式14の化合物:
    Figure 2014193858
    とアルカリ金属水素化ホウ素塩とを、溶媒の存在下で反応させること、続いて、HClと反
    応させることを含む、前記方法。
  8. 前記アルカリ金属水素化ホウ素塩が水素化ホウ素ナトリウムである、請求項7記載の方
    法。
  9. 前記溶媒が水、2-プロパノール、及びジクロロメタンの混合物である、請求項7又は8記
    載の方法。
  10. 式1の化合物の結晶形態Aを生成するのに適当な条件下で、塩酸との反応を行うことを含
    む、請求項7、8、又は9記載の方法。
  11. 式1の化合物の結晶形態Cを生成するのに適当な条件下で、塩酸との反応を行うことを含
    む、請求項7、8、又は9記載の方法。
  12. 前記式14の化合物が、請求項1〜6のいずれか一項の方法に従って生成される、請求項7
    〜11のいずれか一項記載の方法。
  13. 式1の化合物の遊離塩基を製造する方法であって:
    Figure 2014193858
    式14の化合物:
    Figure 2014193858
    とアルカリ金属水素化ホウ素塩とを、溶媒の存在下で反応させること、続いて、HClと反
    応させること、続いて、適当な塩基と反応させて、式1の化合物の遊離塩基を生成するこ
    とを含む、前記方法。
  14. 前記式14の化合物が、請求項1〜6のいずれか一項の方法に従って生成される、請求項13
    記載の方法。
  15. 式14の化合物:
    Figure 2014193858
  16. 実施例を参照にして、実質的に本明細書に記載された方法。
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