JP2014193835A - リポ蛋白リパーゼ、肝性トリグリセリドリパーゼ活性化剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】LPL、HTGL活性化作用を有する成分及び該組成物を提供し、ひいては該成分及び組成物を含有する飲食物又は医薬品を提供する。
【解決手段】ゴーヤ抽出物に顕著なLPL、HTGL活性化作用があることを見出した。
【選択図】図1
【解決手段】ゴーヤ抽出物に顕著なLPL、HTGL活性化作用があることを見出した。
【選択図】図1
Description
本発明は、生体中のリポ蛋白リパーゼ(以下、LPLと略すことがある。)および肝性トリグリセリドリパーゼ(以下、HTGLと略すことがある。)の活性化作用を有する成分及び該成分を含有する組成物並びに該成分を含有する飲食品、又は医薬品に関する。
近年、食の欧米化や食生活の乱れ、運動不足、喫煙、飲酒、精神的ストレスなどにより、生活習慣病の患者が増加している。生活習慣病の一番の危険因子は肥満であり、肥満を予防・改善することが重要である。肥満は大きく分けて内臓に脂肪が蓄積する内臓脂肪型肥満と皮膚の下に脂肪が蓄積する皮下脂肪型肥満の2種類があり、特に内臓脂肪は種々の生理活性物質を分泌し、生活習慣病の進展に中心的に働いていることから、内臓脂肪型肥満は皮下脂肪型肥満に比べ、糖尿病、脂質異常症、高血圧等の生活習慣病を発症しやすく、さらにメタボリックシンドロームを引き起こす原因となっている。そして生活習慣病が悪化することにより、致死的な脳梗塞、心筋梗塞などの動脈硬化性疾患を引き起こす可能性が高まる。これらの危険因子でもある肥満を予防・改善するために抗肥満作用を有する効果の高い食品素材が求められている。
LPLは肝臓以外の脂肪組織や筋肉の血管内皮細胞表面に存在しており、体内に吸収された中性脂肪を含むリポタンパク質の代謝に関与している。またHTGLは肝臓の血管内皮細胞表面に存在し、これもリポタンパク質代謝に関与している。これら体内に存在するリパーゼの活性化は、高脂質血症、肥満等の予防または治療に有効であると言われている。
ゴーヤ(学名:Momordica charantia)はウリ科ツルレイシ属であり、主に熱帯アジア地域に分布し、日本では南西諸島、南九州地方で栽培されているが現在では関東圏まで広い範囲で食用栽培がなされている。つる性の植物で雄花・雌花は黄色、果実は細長く、20〜50cmまでに成長し、果皮は細かいイボで覆われている。
ゴーヤの抗肥満に関しては、ゴーヤの乳酸菌発行物及びマグネシウム塩併用による内臓脂肪低減(特許文献1)、ゴーヤ抽出物による脂肪細胞の脂肪蓄積抑制(非特許文献1及び2、3)、ラットにおける高脂肪食による体重増加抑制(非特許文献4)が報告されている。
しかしながら、ゴーヤの抽出物に関してLPL、HTGLの活性化作用(脂肪代謝促進作用)についての報告はまだされていない。発明者等はゴーヤの抽出物を動物に経口投与すると、LPLおよびHTGLを有意に活性化することを見出し本発明を完成させた。
しかしながら、ゴーヤの抽出物に関してLPL、HTGLの活性化作用(脂肪代謝促進作用)についての報告はまだされていない。発明者等はゴーヤの抽出物を動物に経口投与すると、LPLおよびHTGLを有意に活性化することを見出し本発明を完成させた。
Popovich DG,Lee Y,Li L,Zhang W.(2011)J Med Food,14(3),201−8.
Nerurkar PV,Lee YK,Nerurkar VR.(2010)BMC Complement Altern Med,10,34.
Popovich DG,Li L,Zhang W.(2010)Food Chem Toxicol,48(6),1619−26.
Huang HL,Hong YW,Wong YH,Chen YN,Chyuan JH,Huang CJ,Chao PM.(2008)Br J Nutr,99(2),230−9.
本発明は、LPL、HTGL活性化作用を有する成分及び該組成物を提供し、ひいては該成分及び組成物を含有する飲食物又は医薬品を提供することにある。
上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、ゴーヤ抽出物に顕著なLPL、HTGL活性化作用があることを見出した。すなわち本発明は、以下の構成を有する。
(1)ゴーヤ由来の成分を含有することを特徴とするLPL、HTGL活性化剤及び該成 分を含有する組成物
(2)ゴーヤ由来の成分が脂溶性成分である前記1記載のLPL、HTGL活性化剤及び該成分を含有する組成物
(3)前記1及び2記載の成分を含有する飲食品又は医薬品
(1)ゴーヤ由来の成分を含有することを特徴とするLPL、HTGL活性化剤及び該成 分を含有する組成物
(2)ゴーヤ由来の成分が脂溶性成分である前記1記載のLPL、HTGL活性化剤及び該成分を含有する組成物
(3)前記1及び2記載の成分を含有する飲食品又は医薬品
本発明により、ゴーヤの成分を含有することを特徴とするLPL、HTGL活性化組成物、及び該組成物を含有する飲食物又は医薬品を提供することができる。
本発明においてゴーヤは、果実、又は可食部をそのまま用いてもよく、これらを乾燥した乾燥体、もしくは乾燥後粉砕した粉末を用いることもできる。また、これらをアルコールなどの有機溶媒で抽出した抽出物を用いることもできる。
本発明に関わるLPL、HTGL活性化剤を製造するには、上記の方法で製造したゴーヤの成分を用いることができ、本発明に関わるLPL、HTGL活性化剤は、種々の剤型での投与が可能であり、例えば、経口投与剤としては錠剤、顆粒剤、散在、カプセル剤、ソフトカプセル剤等の固形剤、溶液剤、懸濁剤、乳化剤等の液剤、凍結乾燥剤等があげられ、これらの製剤は製剤上の常套手段により調製することができる。上記医薬品無毒性担体としては、例えば、グルコース、乳糖、ショ糖、でんぷん、マンニトール、デキストリン、脂肪酸グリセリド、ポリエチレングリコール、ヒドロキシエチルでんぷん、エチレングリコール、ポリエキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アミン酸、アルブミン、水、生理食塩水等が挙げられる。また、必要に応じて安定化剤、滑沢剤、懸濁剤、乳化剤、結合剤等の慣用の添加剤を適宜添加することができる。本研究に関わるLPL、HTGL活性化剤(脂肪代謝促進剤)においてLPL、HTGL活性化剤(脂肪代謝促進剤)の成分の投与量は、患者の年齢、体重、症状、疾患の程度、投与スケジュール、製剤形態等により、適宜選択され、決定されるが、例えば、一日当たり生薬等価量として0.01mg〜10g/kg体重程度とされ、一日数回に分けて投与してもよい。
また、ゴーヤは、毒性を有することは報告されていないことから、LPL、HTGL活性化を目的とした飲食品として摂取することもできる。ゴーヤの成分は、特定保健用食品、栄養機能食品、又は健康食品等として位置付けることができる。機能性食品としては、例えば、ゴーヤの成分に適当な助剤を添加した後、慣用の手段を用いて、食品に適した状態、例えば、顆粒状、粒状、錠剤、カプセル剤、ソフトカプセル剤、ペースト状等に形成したものを用いることができる。この飲食品は、そのまま食用に供してもよく、また種々の食品(例えばハム、ソーセージ、かまぼこ、ちくわ、パン、バター、粉乳、菓子等)に添加して使用したり、水、酒類、果汁、牛乳、清涼飲料水等の飲物に添加して使用してもよい。かかる食品の形態における本発明のゴーヤの成分の摂取量は、年齢、体重、症状、疾患の程度等により適宜選択・決定されるが、例えば、一日当たり生薬等価量として0.01mg〜10g/kg体重程度とされ、一日数回に分けて投与してもよい。
以下に本発明を詳細に説明するために実施例を挙げるが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。
ゴーヤ抽出物の調製
ゴーヤの果実500グラムを3mm幅で輪切りに切り、中身の綿と種子を取り除き、乾燥機(45℃)で1日乾燥した。乾燥したものにクロロホルム:メタノール=2:1、300mlを加え、2日間室温で静置した。濾過により固形分を除去した抽出後に1/3容の精製水を加え、分液ロートで下層を分取した。本抽出液をロータリーエバポレーターにより減圧乾固し固形分0.65グラムを得た。
ゴーヤの果実500グラムを3mm幅で輪切りに切り、中身の綿と種子を取り除き、乾燥機(45℃)で1日乾燥した。乾燥したものにクロロホルム:メタノール=2:1、300mlを加え、2日間室温で静置した。濾過により固形分を除去した抽出後に1/3容の精製水を加え、分液ロートで下層を分取した。本抽出液をロータリーエバポレーターにより減圧乾固し固形分0.65グラムを得た。
ゴーヤ抽出物のLPL、HTGL活性に及ぼす影響
ゴーヤ抽出物をマウスに7週間連続投与におけるLPL、HTGLへの影響について検討を行った。5週齢、雌のddYマウス(n=6)にSTD群:標準食(自由摂取)と4%アラビアガム溶液(8ml/kg)経口投与、HFD群:高脂肪食(自由摂取)と4%アラビアガム溶液(8ml/kg)経口投与、Sample群:高脂肪食(自由摂取)とゴーヤ抽出物(1000mg/8ml/kg)経口投与した。実験開始後48日目に体内のLPLとHTGLを測定するためにヘパリンを尾静脈より投与し、15分後に尾採血により血漿を採取し、下記の方法によってLPL,HTGL活性を測定した。96wellプレートの各ウエルにHTGL+LPLの活性測定にアポ−CIIを加えた反応液1[ジオレイルグリセロール0.7mM(ラウリルジメチルアミノベタイン0.03%),ATP3mM,MgCl23mM,CaCl21.5mM、モノグリセリドリパーゼ0.75U/ml,グリセロールキナーゼ0.75U/ml,グリセロール3リン酸オキシダーゼ37.5U/ml,N,N−ビス−(4−スルホブチル)−3−メチルアニリン−2Na0.05%,ペルオキシダーゼ3U/ml,アスコルビン酸オキシダーゼ10U/ml,アポC−II2mg/ml]40μl、またHTGLのみの活性測定にアポ−CIIを添加していない反応液1試薬40μlに血漿サンプル2μlを加え混和し、37℃、5分間インキュベートした。その後、反応液2[50mMトリス−塩酸緩衝液(pH9.5)、0.15%の4−アミノアンチピリン]20μlを加え、37℃、10分間インキュベートした後、反応停止液として2%SDS溶液0.2mlを加え、反応を停止させ、550nmのキノンイミン色素の吸光度を測定した。吸光度から、血漿サンプルのLPL,HTGL活性(U/L)を計算した。
ゴーヤ抽出物をマウスに7週間連続投与におけるLPL、HTGLへの影響について検討を行った。5週齢、雌のddYマウス(n=6)にSTD群:標準食(自由摂取)と4%アラビアガム溶液(8ml/kg)経口投与、HFD群:高脂肪食(自由摂取)と4%アラビアガム溶液(8ml/kg)経口投与、Sample群:高脂肪食(自由摂取)とゴーヤ抽出物(1000mg/8ml/kg)経口投与した。実験開始後48日目に体内のLPLとHTGLを測定するためにヘパリンを尾静脈より投与し、15分後に尾採血により血漿を採取し、下記の方法によってLPL,HTGL活性を測定した。96wellプレートの各ウエルにHTGL+LPLの活性測定にアポ−CIIを加えた反応液1[ジオレイルグリセロール0.7mM(ラウリルジメチルアミノベタイン0.03%),ATP3mM,MgCl23mM,CaCl21.5mM、モノグリセリドリパーゼ0.75U/ml,グリセロールキナーゼ0.75U/ml,グリセロール3リン酸オキシダーゼ37.5U/ml,N,N−ビス−(4−スルホブチル)−3−メチルアニリン−2Na0.05%,ペルオキシダーゼ3U/ml,アスコルビン酸オキシダーゼ10U/ml,アポC−II2mg/ml]40μl、またHTGLのみの活性測定にアポ−CIIを添加していない反応液1試薬40μlに血漿サンプル2μlを加え混和し、37℃、5分間インキュベートした。その後、反応液2[50mMトリス−塩酸緩衝液(pH9.5)、0.15%の4−アミノアンチピリン]20μlを加え、37℃、10分間インキュベートした後、反応停止液として2%SDS溶液0.2mlを加え、反応を停止させ、550nmのキノンイミン色素の吸光度を測定した。吸光度から、血漿サンプルのLPL,HTGL活性(U/L)を計算した。
図1から明らかなように、ゴーヤ抽出物を長期間投与することにより、高脂肪食摂取によるLPL活性の減少を抑制(活性化)することが認められた。また、図2から明らかなようにゴーヤ抽出物を長期間投与することにより、HTGLを活性化することが認められた。この結果から、ゴーヤ可食部抽出物はLPL、HTGLの活性化に有効であることが明らかになった。
本発明により、ゴーヤの成分を含有することを特徴とするLPL、HTGL活性化組成物及び該組成物を含有する飲食品又は医薬品を提供することが可能となった。
Claims (3)
- ゴーヤ由来の成分を含有することを特徴とするリポ蛋白リパーゼ、肝性トリグリセリドリパーゼ活性化剤及び該成分を含有する組成物
- ゴーヤ由来の成分が脂溶性成分である請求項1記載のリポ蛋白リパーゼ、肝性トリグリセリドリパーゼ活性化剤及び該成分を含有する組成物
- 請求項1及び2記載の成分を含有する飲食品又は医薬品
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JP2013084311A JP2014193835A (ja) | 2013-03-28 | 2013-03-28 | リポ蛋白リパーゼ、肝性トリグリセリドリパーゼ活性化剤 |
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