JP2014193830A - 腸管バリア機能改善剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】安全に摂取できる腸管バリア機能改善剤を提供すること。
【解決手段】ラクチュロースを、炎症性腸疾患のような腸管バリア機能の破綻に関連する疾患の治療用及び/又は予防用の薬剤の有効成分とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、腸管バリア機能改善剤に関する。腸管バリア機能改善剤は、医薬、及び食品、飼料として利用することができる。
腸管上皮細胞は、食品中に含まれる各種栄養素を取り込むための吸収機能に加えて、有害微生物や毒素、アレルゲン等から生体を守るバリア機能を有している。この腸管バリア機能が破綻すると、細菌やアレルゲン等の異物が生体に透過、侵入しやすくなり、炎症性腸疾患、肝疾患や食物アレルギーなどの疾患を引き起こす可能性がある。
腸管バリアはタイトジャンクションが主な役割を担っており、タンパク質、イオン等の選択的物質透過性を有している。そこで、栄養素の輸送担体やタイトジャンクションなどを発現するCaco−2細胞が小腸上皮細胞モデルとして広く使用されている(非特許文献1)。そして、同細胞を用いてアレルゲン腸管透過抑制活性を有する物質の検討が行われている(非特許文献1)。また、Caco−2細胞を用いた研究により、乳酸菌ラクトバチルス・ラムノーサス(特許文献1)や、ケストース等のフラクトオリゴ糖(特許文献2)が腸管バリア機能を亢進することが報告されている(特許文献1、2)。
さらに、腸管バリア機能の改善については、ポリ−γ−グルタミン酸が腸内ビフィズス菌増殖促進作用及び腸管バリア機能改善作用を有すること(特許文献3)、あるいは、L−セリン、メチオニン等のメチル供与体(特許文献4)、ガラクト−オリゴ糖及びポリフルクトース(特許文献5)、オリゴ糖を含むごぼう由来抽出物(特許文献6)、ラクトバチルス・ブレビス(特許文献7)、及び、ビフィドバクテリウム属またはラクトバチルス属に属する細菌等の微生物の生細胞、又は同細胞とフルクトース又はそれを構成糖とするオリゴ糖との組み合わせ(特許文献8)が、腸管バリア機能の改善、増大、又は低下抑制作用を有することが報告されている。また、プレバイオティクスの投与により、腸内菌叢の変化を介して腸管バリアが改善されることが知られている(非特許文献2)。
また、オリゴ糖については、胃腸管機能の疾患を解消することを目的とするオリゴ糖混合物が知られている(特許文献9)。さらに、ガラクトフルクトース及びフルクトオリゴ糖が腸管輸送機能を補助することが知られている(特許文献10)。
前記のように、腸管バリア機能が低下すると疾患が引き起こされるリスクが高くなるが、特に乳児においては、早産児などに多く見られる低出生体重児では組織や免疫が未発達であり、外界から病原菌やアレルゲンへの防御が不十分である。したがって、腸管バリア機能の向上はこれらのリスクへの防御のために重要である。
育児粉乳中にはフルクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、ラクチュロース、ラフィノース等のオリゴ糖が配合されているが、上記したように種々のオリゴ糖が腸管に対して何らかの効果が確認されているものの、腸管バリアに対する直接的な評価がなされているものは少ない。
ラクチュロースについては、水溶性食物繊維成分等の成分とラクチュロースを含む整腸及び/又は便通改善のための組成物(特許文献11)、高純度のオリゴ糖を有効成分とするビフィズス菌増殖促進物質(特許文献12)、ラフィノースを有効成分として含有する、例えば腸管内のカンジダ菌を抑制する組成物(特許文献13)、及び、ラクチトール及びラクチュロースの混合物を飼料混合物と共に含む動物の生育と腸管機能を促進する飼料(特許文献14)が知られている。さらに、ラクチュロースが、腐敗菌により産生されるアンモニアの腸管からの吸収を阻害することが知られている(特許文献15)。しかしながら、ラクチュロースと腸管バリア機能との関係については報告されていない。
特許第5046684号公報 特開2012−176907号公報 特開2011−178764号公報 特表2005−529980号公報 特表2007−538067号公報 特開2012−025691号公報 特開2010−83881号公報 国際公開2011/027875号パンフレット 特表2003−516412号公報 特表2013−500028号公報 特開2009−167172号公報 特開2000−060541号公報 特開平11−240837号公報 欧州特許公開第04664362号公報 特開平10−194975号公報
小林彰子ら、アレルゲン腸管透過抑制活性の評価系構築と活性成分、New Food Industry, 2003, 45(9):33-38 Cani, P.D. et al., Curr. Pharm. Des. 2009, 15(13):1546-1558
本発明は、安全に摂取できる腸管バリア機能改善剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、ラクチュロースが腸管バリア機能改善作用を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ラクチュロースを有効成分として含有する腸管バリア機能改善剤を提供する。
本発明の腸管バリア機能改善剤は、腸管バリア機能の破綻に関連する疾患の治療用及び/又は予防用であることを好ましい態様としている。
また、本発明の腸管バリア機能改善剤は、前記疾患が炎症性腸疾患であることを好ましい態様としている。
本発明によれば、腸管バリア機能改善剤が提供される。本発明の腸管バリア機能改善剤は、医薬として利用することができる。また、本発明の腸管バリア機能改善剤の有効成分であるラクチュロースは、乳糖由来のオリゴ糖であり、既に乳児用の調製粉乳や、成人、高齢者用食品等に利用されており、その安全性は知られている。
Caco−2細胞を用いた上皮細胞モデルの経上皮電気抵抗値(TEER)に与える試料の影響を示す図。None:無添加、lact:ラクチュロース、GOS:ガラクトオリゴ糖。#、##、###は、無添加に対するラクチュロースのt検定におけるp値が、各々p<0.1、p<0.05、及びp<0.01であることを示す。また、*、**、***は、GOSに対するラクチュロースのt検定におけるp値が、各々p<0.1、p<0.05、及びp<0.01であることを示す。縦軸はTEER(Ω・cm2)、横軸は培養の日数を示す。
以下、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の好ましい実施形態に限定されず、本発明の範囲内で自由に変更することができるものである。
本発明の腸管バリア機能改善剤は、ラクチュロースを有効成分として含有する。
ラクチュロースは、フラクトースとガラクトースからなる二糖類であり、公知の方法、例えば、特開平3−169888号公報及び特開平6−228179号公報に開示された方法により、次のとおり製造することができる。
市販乳糖の10%水溶液に、水酸化ナトリウムを添加し、該混合液を70℃の温度で30分間加熱し、冷却し、のち冷却した溶液をイオン交換樹脂により精製し、濃縮し、冷却し、結晶化し、未反応の乳糖を除去し、固形分含量約68%(固形分中ラクチュロースを約79%含有する。)のラクチュロース水溶液を得る。この水溶液をイオン交換樹脂カラムに通液し、ラクチュロースを含む画分を採取し、濃縮し、固形分含量約68%(固形分中ラクチュロース約86%を含有する。)の精製ラクチュロース水溶液を得る(特開平3−169888号公報記載の方法)。
更に、前記の方法により得たラクチュロース水溶液(シロップ)を固形分含量約72%に濃縮し、この濃縮液を15℃に冷却し、ラクチュロース三水和物結晶を種晶として添加し、攪拌しながら7日間を要して5℃まで徐々に冷却し、結晶を生成させ、10日後に上澄液の固形分含量が約61%に低下した結晶を含む液から濾布式遠心分離器により結晶を分離し、5℃の冷水で洗浄し、乾燥させ、純度95%以上のラクチュロースの結晶を得ることができる(特開平6−228179号公報記載の方法)。
また、ラクチュロースは、市販されているものを使用することもできる。
ラクチュロースは、そのまま腸管バリア機能改善剤(以下、「本発明の薬剤」とも記載する)として、または飲食品もしくは飼料の有効成分として利用することが可能である。
尚、ラクチュロースは、無水物であってもよく、水和物であってもよい。
本発明の薬剤は、一態様として、医薬又はその有効成分として利用することができる。本発明の薬剤は、ラクチュロースをそのまま、又はラクチュロースを製剤学的に許容される製剤担体と組み合わせて、経口的にヒトを含む哺乳動物に投与することができる。
本発明の薬剤の製剤形態は特に限定されず、錠剤(糖衣錠、腸溶性コーティング錠、バッカル錠を含む)、散剤、カプセル剤(腸溶性カプセル、ソフトカプセルを含む。)、顆粒剤(コーティングしたものを含む。)、丸剤、トローチ剤、封入リポソーム剤、液剤、又はこれらの製剤学的に許容され得る徐放製剤等を例示することができる。製剤化にあたっては製剤成分として通常の経口薬剤に汎用される、担体、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯味矯臭剤、希釈剤、界面活性剤、溶剤等の添加剤を使用できる。また、本発明の効果を損なわない限り、ラクチュロースと、公知の、もしくは将来的に見出される腸管バリア機能改善作用を有する薬剤、又は医薬組成物とを併用してもよい。併用する医薬組成物は、本発明の薬剤中に有効成分の一つとして含有させてもよいし、本発明の薬剤中には含有させずに別個の薬剤として組み合わせて商品化してもよい。
上記の製剤に用いる担体及び賦形剤としては、乳糖、ブドウ糖、白糖、マンニトール、馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、結晶セルロース、カンゾウ末、ゲンチアナ末等を、結合剤としては例えば澱粉、ゼラチン、シロップ、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等を、それぞれ例示することができる。
また、崩壊剤としては、澱粉、寒天、ゼラチン末、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、結晶セルロース、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、及びアルギン酸ナトリウム等を例示することができる。
更に、滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、水素添加植物油、及びマクロゴール等、着色剤としては医薬品に添加することが許容されている赤色2号、黄色4号、及び青色1号等を例示することができる。
錠剤及び顆粒剤は、必要に応じ、白糖、ヒドロキシプロピルセルロース、精製セラック、ゼラチン、ソルビトール、グリセリン、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、フタル酸セルロースアセテート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メチルメタクリレート、及びメタアクリル酸重合体等により被膜することもできる。
本発明の一態様は、腸管バリア機能改善用の医薬の製造における、ラクチュロースの使用である。また、本発明の他の態様は、腸管バリア機能改善に用いられるラクチュロースである。また、本発明の他の態様は、ラクチュロースを動物に投与する、腸管バリア機能改善法である。
本発明の薬剤中に含まれるラクチュロースの量は、特に限定されず適宜選択すればよいが、例えば、好ましくは1質量%以上、より好ましくは10質量%以上とするのがよい。ラクチュロースの含有量の上限は特に制限されないが、例えば50質量%以下、又は30質量%以下であってよい。尚、これらの数値は、ラクチュロースが水和物の場合は、無水物に換算した値である。以下の記載でも同様である。
本発明の薬剤は、腸管バリア機能改善作用を有している。腸管バリア機能とは、各種栄養素は吸収する一方、有害微生物、毒素、及びアレルゲン等の異物の侵入を阻止するという、腸管が持つ機能をいう。腸管には、大腸及び小腸が含まれる。腸管バリア機能改善には、低下した腸管バリア機能を高めること、バリア機能の低下を抑制すること、正常な腸管が持つバリア機能をさらに高めること、及び、バリア機能の低下を予防することが含まれる。
本発明の薬剤は、上記作用により、腸管バリア機能の改善が有効又は必要な疾患、例えば腸管バリア機能の破綻に関連する疾患の治療又は予防に使用することができる。腸管バリア機能の破綻に関連する疾患としては、腸管バリア機能の破綻に起因する疾患、又は腸管バリア機能の破綻を伴う疾患が挙げられる。腸管バリア機能の破綻に関連する疾患としては、例えば、潰瘍性大腸炎、クローン病のような炎症性腸疾患、バクテリアルトランスロケーションによる敗血症、感染症などが挙げられる。尚、「腸管バリア機能の破綻」には、腸管バリア機能が正常に機能しない場合に加え、症状の有無にかかわらず腸管バリア機能が低下した状態も含まれる。
前記のとおり、プレバイオティクスの投与により、腸内菌叢の変化を介して腸管バリア
が改善されることが知られている(Cani, P.D. et al., Curr. Pharm. Des. 2009, 15(13):1546-1558)。それに対し、本発明の腸管バリア機能改善剤は、実施例に示すようにその作用はそのような菌叢変化を介さないことが確認されていることから、新生児用、又は乳幼児用に、特に好適である。
本発明の薬剤の投与時期は特に限定されず、投与対象の状態に応じて適宜選択することが可能である。
本発明の薬剤の投与量は、投与対象の年齢、性別、状態、その他の条件等により適宜選択される。ラクチュロースの量として、好ましくは10〜500(mg/kg/日)、より好ましくは、80〜200(mg/kg/日)の範囲となる量を目安とするのが良い。
投与期間にかかわらず、薬剤は1日1回又は複数回に分けて投与することができる。
本発明の薬剤、又はその有効成分であるラクチュロースは、飲食品(飲料又は食品)に含有させることもできる。
また、ラクチュロース、又は本発明の薬剤を有効成分として飲食品に含有させ、腸管バリア機能改善剤の一態様として、腸管バリア機能改善作用を有する飲食品として加工することも可能である。
飲食品としては、ラクチュロースの効果を損なわず、経口摂取できるものであれば形態や性状は特に制限されず、ラクチュロースを含有させること以外は、通常飲食品に用いられる原料を用いて通常の方法によって製造することができる。
上記のような食品としては、液状、ペースト状、ゲル状固体、粉末等の形態を問わず、錠菓、流動食等のほか、例えば、パン、マカロニ、スパゲッティ、めん類、ケーキミックス、から揚げ粉、パン粉等の小麦粉製品;即席めん、カップめん、レトルト・調理食品、調理缶詰め、電子レンジ食品、即席スープ・シチュー、即席みそ汁・吸い物、スープ缶詰め、フリーズ・ドライ食品、その他の即席食品等の即席食品類;農産缶詰め、果実缶詰め、ジャム・マーマレード類、漬物、煮豆類、農産乾物類、シリアル(穀物加工品)等の農産加工品;水産缶詰め、魚肉ハム・ソーセージ、水産練り製品、水産珍味類、つくだ煮類等の水産加工品;畜産缶詰め・ペースト類、畜肉ハム・ソーセージ等の畜産加工品;加工乳、乳飲料、ヨーグルト類、乳酸菌飲料類、チーズ、アイスクリーム類、調製粉乳類、クリーム、その他の乳製品等の乳・乳製品;バター、マーガリン類、植物油等の油脂類;しょうゆ、みそ、ソース類、トマト加工調味料、みりん類、食酢類等の基礎調味料;調理ミックス、カレーの素類、たれ類、ドレッシング類、めんつゆ類、スパイス類、その他の複合調味料等の複合調味料・食品類;素材冷凍食品、半調理冷凍食品、調理済冷凍食品等の冷凍食品;キャラメル、キャンディー、チューインガム、チョコレート、クッキー、ビスケット、ケーキ、パイ、スナック、クラッカー、和菓子、米菓子、豆菓子、デザート菓子、ゼリー、その他の菓子などの菓子類;炭酸飲料、天然果汁、果汁飲料、果汁入り清涼飲料、果肉飲料、果粒入り果実飲料、野菜系飲料、豆乳、豆乳飲料、コーヒー飲料、お茶飲料、粉末飲料、濃縮飲料、スポーツ飲料、栄養飲料、アルコール飲料、その他の嗜好飲料等の嗜好飲料類、ベビーフード、ふりかけ、お茶潰けのり等のその他の市販食品等;育児用調製粉乳;経腸栄養食;機能性食品(特定保健用食品、栄養機能食品)等が挙げられる。
さらに、ラクチュロース、又は本発明の薬剤を有効成分として飼料中に含有させ、腸管バリア機能改善剤の一態様として、腸管バリア機能改善作用を有する飼料として加工することも可能である。
飼料の形態としては特に制限されず、例えば、トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦、マ
イロ等の穀類;大豆油粕、ナタネ油粕、ヤシ油粕、アマニ油粕等の植物性油粕類;フスマ、麦糠、米糠、脱脂米糠等の糠類;コーングルテンミール、コーンジャムミール等の製造粕類;魚粉、脱脂粉乳、ホエイ、イエローグリース、タロー等の動物性飼料類;トルラ酵母、ビール酵母等の酵母類;第三リン酸カルシウム、炭酸カルシウム等の鉱物質飼料;油脂類;単体アミノ酸;糖類等を配合することにより製造できる。飼料の形態としては、例えば、ペットフード、家畜飼料、養魚飼料等が挙げられる。
本発明の飲食品(飼料を含む)中に含まれるラクチュロースの量は、特に限定されず適宜選択すればよいが、例えば、ラクチュロースの量として、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは2.5質量%以上とするのが良い。ラクチュロースの含有量の上限は特に制限されないが、例えば10質量%以下、又は5質量%以下であってよい。
また、本発明の飲食品(飼料を含む)は、単回摂取あたり、ラクチュロースを、500mg以上、好ましくは2500mg以上含むことが望ましい。
以下に、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
グルコースを含まないD−MEM培地(GIBCO社)を用いて、ヒト結腸がん由来の細胞株Caco−2(ATCC HTB−37)を培養した。D−MEMには、ウシ胎児血清(fetal bovine serum、GIBCO社)を100ml/L、Pen Strep(GIBCO社、ペニシリン10000U/ml、ストレプトマイシン10000μg/mlの混合物)を1%となるようにそれぞれ添加した。この培地(コントロール)、及び、同培地にガラクトオリゴ糖(GOS)を1g/L、又は、同培地にラクチュロースを1g/L
となるように添加したものを用いて、それぞれCaco−2を培養した。
なお、ラクチュロースは、特開平3−169888号公報、及び特開平6−228179号公報の実施例等に記載された方法で製造されたものを使用した。また、GOSは、市販のガラクトオリゴ糖(ヤクルト社製オリゴメイト。オリゴメイトは同社の商標)からゲルろ過カラムを用いて分離した2糖画分、及び3糖画分を使用した。
培養は、ポアサイズ直径0.4μmのトランスウェル(12ウェル、コーニング社)内で、下層1500μl、上層500μlの培地を用いて行った。Caco−2細胞は、メンブレンフィルター上に0.5×105細胞/ウェルで播種し、15日間培養した。培養
は37℃、5%CO2の条件で行い、培地の交換は2日に1度行った。
New Food Industry, 2003, 45(9):33-38に記載の方法に準じて、Millicell-ERS抵抗値
測定システム(Millipore社)を用い、トランスウェルの上層−下層間の電気抵抗値(経
上皮電気抵抗;TEER)を経時的に測定した。TEER値が高ければ、上皮細胞モデルのバリア機能が高いことを示す。
結果を図1に示す。ラクチュロース添加条件では、無添加(コントロール)条件、及びGOS添加条件より、有意に高いTEERが観察され、バリア機能の改善効果が示された。
菌叢を介さない腸管バリア機能の強化が観察されたことから、新生児におけるビフィズス菌など有用菌が定着する前の腸内菌叢が不安定な状態においても、ラクチュロースがビフィズス菌の早期定着を促すだけでなく、直接的な腸管バリア機能を強化する作用を発揮し、感染症などのリスク低減に効果があるものと考えられる。

Claims (3)

  1. ラクチュロースを有効成分として含有する腸管バリア機能改善剤。
  2. 腸管バリア機能の破綻に関連する疾患の治療用及び/又は予防用である、請求項1に記載の腸管バリア機能改善剤。
  3. 前記疾患が炎症性腸疾患である、請求項2に記載の腸管バリア機能改善剤。
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Non-Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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MEDICAL HYPOTHESIS, vol. Vol. 76, JPN6016045292, 2011, pages p. 325-327 *
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