JP2004083526A - 抗ウイルス組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】安全性に優れ、日常的に長期間にわたり服用・摂取が可能であって、ヒトを含む動物の感染症の原因となる病原性ウイルスに対して抗ウイルス作用を有する抗ウイルス組成物を提供する。
【解決手段】バナバ葉抽出物を有効成分として含有することを特徴とする抗ウイルス組成物であって、以下の1)〜3)の記載を望ましい態様とする。
1)バナバ葉抽出物が、抽出溶媒として水、有機溶媒又はこれらの混合物を用いて得られた抽出物を有効成分として含有する抗ウイルス組成物であること。
2)抗ウイルス組成物が、RSウイルスに対する抗ウイルス作用を有すること。
3)抗ウイルス組成物が、医薬組成物、飲食品組成物又は飼料組成物であること。
【選択図】 なし
【解決手段】バナバ葉抽出物を有効成分として含有することを特徴とする抗ウイルス組成物であって、以下の1)〜3)の記載を望ましい態様とする。
1)バナバ葉抽出物が、抽出溶媒として水、有機溶媒又はこれらの混合物を用いて得られた抽出物を有効成分として含有する抗ウイルス組成物であること。
2)抗ウイルス組成物が、RSウイルスに対する抗ウイルス作用を有すること。
3)抗ウイルス組成物が、医薬組成物、飲食品組成物又は飼料組成物であること。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バナバ葉抽出物を有効成分として含有することを特徴とする抗ウイルス組成物、及び該抗ウイルス組成物が医薬組成物、飲食品組成物又は飼料組成物であることに関する。さらに詳しくは、RSウイルスに対して抗ウイルス作用を有し、感染したヒトおよび動物の感染症による症状を改善させる作用を有する抗ウイルス組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自然界には、ヒトや動物に感染症を引き起こす種々の微生物が存在する。それらの微生物は、細菌、マイコプラズマ、リケッチア、クラミジア、真菌、原虫、ウイルスに分類される。ウイルスの遺伝物質はデオキシリボ核酸(DNA)あるいはリボ核酸(RNA)であるが、細菌やその他の微生物がエネルギー代謝系を持ち、従属栄養で増殖するのに対し、ウイルスは、宿主細胞に寄生することによってのみ増殖が可能である〔医科ウイルス学、改訂第2版、大里外誉郎編、南江堂発行、第15〜24ページ、2000年〕。
【0003】
RNAウイルスであるRSウイルス(Respiratory Syncytial virus)は、乳幼児が高頻度に感染し、上部呼吸器感染の主要な原因となる重篤な呼吸器症状を呈する危険な病原ウイルスとして知られている。
【0004】
微生物による感染症のなかでも、特に細菌感染症に対しては抗生物質が開発されており、効果的な治療が行なわれているが、ウイルス感染症には抗生物質が作用しない。抗生物質による化学療法の急速な進歩に比べると、ウイルス感染症の治療薬としての抗ウイルス組成物の開発は、現在でもそれほど進んでいないのが現状である。いままでに開発された抗ウイルス組成物には、ウイルス核酸の複製をターゲットとする核酸類似体のアシクロビル、アジドチミジンやリバビリン、ノイラミニダーゼ阻害剤のザナミビル(4−グアニジノノイラミン酸)、プロテアーゼ阻害剤のインジナビルなどがある。これらの医薬品としての抗ウイルス組成物は、薬効が強いものの、投与による副作用は臨床上の大きな問題点を有していた。このような状況から、安全で副作用が少なく、日常の食生活から長期間にわたって摂取することが可能な抗ウイルス作用を含有する有効成分の探究が続けられてきた。
【0005】
RSウイルスに対しては、特開平4−273826号公報(以下、従来技術1と記載する。)においてアミノ酸3個からなるトリペプチドを有効成分とする抗RSウイルス剤が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
RSウイルスは乳幼児に感染しやすいことから、代謝能力が未発達であり、抵抗力の弱い乳幼児へ投与する薬剤の選択の問題、摂取方法の問題など、解決されなければならない課題は多く、低毒性且つ安全性が高く、また食品など摂取しやすい素材への適用が可能であり、乳幼児にも使用できる、RSウイルスに対して有効な抗ウイルス組成物の開発が希求されていた。
【0007】
従来技術1は前記課題を解決すべく開発された抗ウイルス組成物であるが、有効成分であるペプチドの合成方法の煩雑さや目的物の収率において改良すべき問題点が残されており、乳幼児への投与に関する安全性についても不十分であり、実用的な抗ウイルス組成物とは言いがたいものであった。
【0008】
本発明者等は、前記の事情に鑑み、RSウイルスに対して抗ウイルス作用を有し、主に食品として経口的に摂取することが可能な有効成分について鋭意探索を行っていたところ、フトモモ目ミソハギ科に属し、別名オオバナサルスベリと呼ばれるバナバ(Lagerstroemia speciosa)の葉の抽出物にRSウイルスに対する抗ウイルス作用を見出し、本発明を完成させた。
【0009】
本発明の目的は、低毒性且つ安全性が高く、食品などの摂取しやすい素材への適用が可能であり、乳幼児にも使用できる、RSウイルスに対して抗ウイルス作用を有する抗ウイルス組成物を提供することである。
【0010】
本発明の他の目的は、前記抗ウイルス組成物を有効成分とする医薬組成物、及び飲食品組成物、飼料組成物を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決する本発明は、バナバ葉抽出物を有効成分として含有することを特徴とする抗ウイルス組成物であって、以下の1)〜3)の記載を望ましい態様とする。
【0012】
1)バナバ葉抽出物が、抽出溶媒として水、有機溶媒又はこれらの混合物を用いて得られた抽出物を有効成分として含有する抗ウイルス組成物であること。
2)抗ウイルス組成物が、RSウイルスに対する抗ウイルス作用を有すること。
3)抗ウイルス組成物が、医薬組成物、飲食品組成物又は飼料組成物であること。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の好ましい実施態様について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の好ましい実施態様に限定されず、本発明の範囲内で自由に変更することができるものである。尚、本明細書において百分率は特に断りのない限り質量による表示である。
【0014】
本発明において、抗ウイルス作用とは、ヒトや動物の感染症の原因となる病原性ウイルスの感染性を不活性化する作用、あるいは既にヒトおよび動物細胞に感染したウイルスの細胞内における増殖を抑制する作用を意味する。
【0015】
本発明において、抗ウイルス組成物とは、ヒトや動物に感染症を引き起こす病原性ウイルスの感染性を不活性化させる作用を持つ成分、あるいは既に病原性ウイルスに感染したヒトおよび動物の感染症による症状を改善させる作用を持つ成分を含有していることをいい、ヒトに対する安全性が高く、日常的に摂取することによってウイルスに対する感染防御効果が発揮される特徴を併せ持つ。
【0016】
本発明の組成物は、バナバ葉抽出物それ自体であってもよいし、バナバ葉抽出物以外の成分を含有してもよい。バナバ葉抽出物以外の成分は、組成物の形態に応じて適宜選択できる。
【0017】
本発明の抗ウイルス組成物の有効成分であるバナバ葉の抽出物は、特開平5−310587号公報、又は特開平7−228538号公報、特開平7−228539号公報に記載の抽出方法に従って調製することが可能である。具体的には、乾燥し粉砕したバナバ葉を、60〜100℃、好ましくは95〜100℃の熱水で抽出するか、又はメタノールまたはエタノールなどの有機溶媒で抽出するか、又は前記有機溶媒と水との混合溶液で抽出、若しくは前記熱水抽出後の残渣をさらに有機溶媒又は有機溶媒と水の混合溶液で抽出して抽出物を得ることができる。このとき、熱水、有機溶媒、又は有機溶媒と水との混合溶液の量は、乾燥させたバナバ葉質量に対して1:10〜1:100、中でも特に1:25が好適である。抽出溶液は常法により濃縮し、殺菌した後に、凍結乾燥等を行うことによって、バナバ葉抽出粉末を得ることができる。
【0018】
また、食品成分、食品原料、健康食品等として入手可能な市販のバナバ葉抽出粉末を、本発明の抗ウイルス組成物の有効成分として使用することも可能である。
【0019】
本発明の抗ウイルス組成物の抗ウイルス活性は常法により、例えば動物培養細胞を用いたプラーク抑制法により測定することができる。例えば、ウイルスを加えない培養系、及びウイルスを加えるが抗ウイルス組成物を加えない培養系をコントロールとし、プラーク形成数を測定して、コントロールに対する割合(%)が50%以下に抑制された場合に、抗ウイルス活性ありと判定することが可能である〔(アンチバイラル・リサーチ(Antiviral Research)、第22巻、第175〜188ページ、1993年)、(ジャーナル・オブ・ジェネラル・バイロロジー(Journal of General Virology)、第71巻、第2149〜2155ページ、1990年)〕。
【0020】
本発明の抗ウイルス組成物の有効成分であるバナバ葉抽出物による、病原性ウイルス感染細胞における、ウイルス増殖に対する抑制効果は、少なくとも0.001mg/ml以上の濃度で有効であり、特に0.01〜1.0mg/mlが好適である。また、本発明の抗ウイルス組成物は、RSウイルスに特に好適に抗ウイルス作用を示し、RSウイルスが原因の感染症による症状を改善させる作用を有する。
【0021】
本発明の組成物の形態は特に限定されるものではなく、本発明の組成物の形態としては、例えば、医薬組成物、飲食品組成物、飼料組成物等が挙げられる。
【0022】
本発明の医薬組成物は、例えば、バナバ葉抽出物を、薬学的に許容され得る賦形剤その他任意の添加剤を用いて製剤化することにより製造でき、製剤化したバナバ葉抽出物は抗ウイルス剤等として使用することができる。製剤化する場合、製剤中のバナバ葉抽出物の含有量は、通常0.01〜20質量%、好ましくは0.1〜10質量%である。本医薬組成物は、経口、経腸等の投与方法により適宜使用することが可能であり、投与形態としては、特に限定が無く必要に応じて適宜選択して使用され、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤等の経口剤、注射剤、坐剤等の非経口剤が挙げられる。
【0023】
経口剤は、例えばデンプン、乳糖、白糖、マンニット、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、無機塩類等を用いて常法に従って製造される。この種の製剤には、適宜前記賦形剤の他に、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、流動性促進剤、矯味剤、着色剤、香料等を使用することができる。それぞれの具体例は以下に示す如くである。
【0024】
[結合剤]デンプン、デキストリン、アラビアゴム末、ゼラチン、ヒドロキシプロピルスターチ、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、エチルセルロース、ポリビニルピロリドン、マクロゴール。
【0025】
[崩壊剤]デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロース、低置換ヒドロキシプロピルセルロース。
【0026】
[界面活性剤]ラウリル硫酸ナトリウム、大豆レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、ポリソルベート80。
【0027】
[滑沢剤]タルク、ロウ類、水素添加植物油、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ポリエチレングリコール。
【0028】
[流動性促進剤]軽質無水ケイ酸、乾燥水酸化アルミニウムゲル、合成ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム。
【0029】
また、本発明の有効成分は、懸濁液、エマルジョン剤、シロップ剤、エリキシル剤としても投与することができ、これらの各種剤形には、矯味矯臭剤、着色剤を含有してもよい。
【0030】
経口剤として所望の抗ウイルス効果を発揮するためには、摂取する人の年齢、体重、疾患の程度にもよるが、通常の成人で本発明の有効成分の重量として一日当たり、5mg〜1gを摂取することが好ましい。
【0031】
本発明の飲食品組成物は、例えば、バナバ葉抽出物にデキストリン、澱粉等の糖類;乳蛋白質、大豆蛋白質、ゼラチン等の蛋白質;アラニン、グルタミン、イソロイシン等のアミノ酸類;セルロース、ローカストビーンガム、キサンタンガム等の多糖類;大豆油、中鎖脂肪酸トリグリセリド等の油脂類等を配合することにより製造することができる。
【0032】
飲食品組成物の形態としては、粉乳、加工乳、発酵乳、チーズ、バター、クリーム等の乳製品;乳酸飲料、清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、果汁飲料等の飲料;アイスクリーム、シャーベット、氷菓等の冷菓類;そば、うどん等の麺類;飴、チューインガム、キャンディー、チョコレート、錠菓、ビスケット、ゼリー、ジャム、焼き菓子類等の菓子類;マーガリン、バター、ショートニング、ドレッシング等の油脂及び油脂加工食品;スープ、サラダ、パン、;経腸栄養剤:機能性食品等が例示される。
【0033】
本発明の飼料組成物は、例えば、バナバ葉抽出物に、トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦等の穀類;大豆油粕、菜種油粕等の植物性油粕;フスマ、麦糠、米糠等の糠類;脱脂粉乳、ホエー、魚粉等の動物性飼料類;ビール酵母等の酵母類;第三リン酸カルシウム、炭酸カルシウム等の鉱物質飼料;油脂類;アミノ酸類;糖類等を配合することにより製造することが可能である。飼料組成物の形態としては、ペットフード、家畜飼料、養魚飼料等が挙げられる。
【0034】
これによって、慢性ウイルス感染症患者、体調不良によってウイルス感染症の回帰発症の危険性が高いヒトを含む動物、特定のウイルス感染症が流行する時期のヒトを含む動物、乳幼児や高齢者等のウイルス感染症の予防および抗ウイルス治療薬服用時の補助的な食品等として抗ウイルス効果を享受することができる。
【0035】
尚、バナバ葉抽出物は、医薬品や飲食品、飼料中の他の抗ウイルス成分と組み合わせて使用することも可能である。即ち、バナバ葉抽出物は、他の抗ウイルス成分を使用する際に併用して、その抗ウイルス効果を一層高めるという使用形態も可能であり、この場合は、実際の商品としては、医薬品及び飲食品、飼料中の他の抗ウイルス成分とバナバ葉抽出物を組み合わせて一つの抗ウイルス組成物とすることも可能であり、また、該抗ウイルス組成物を有効成分として含有する医薬品、及び飲食品、飼料を製造することも可能である。
【0036】
次に試験例を示して本発明を詳細に説明する。
[試験例1]
本試験は、本発明の有効成分であるバナバ葉抽出物におけるRSウイルスに対する感染性不活性化作用を調べるために行った。
【0037】
(1)試料の調製
バナバ葉粉末(ユース・テクノコーポレーション社製)は、精製水に1ml当り10mgの粉末を添加し、30分間振盪して抽出した後に、遠心機にかけて残渣を除いた。この水抽出液を、ポアサイズが0.2μmのフィルターで濾過滅菌して試験試料とした。供試ウイルスとして、パラミクソウイルス科(エンベロープを有する一本鎖RNAウイルス)に属するRSウイルスA2株を使用した。培養動物細胞として、Hep2細胞を使用した。Hep2細胞は、血清添加イーグルMEM培地(日水製薬社製)を用いて直径60mmのディッシュ中で単層になるまで培養した。
【0038】
(2)試験方法
RSウイルスは、血清添加イーグルMEM培地0.2ml中に100PFU(プラーク形成単位:plaque−forming unit)となるように添加した。これに試験試料2μlを添加して、37℃で1時間インキュベートした。コントロールには精製水2μlだけを添加し、同じく37℃で1時間インキュベートした。このウイルス処理液の全量を、直径60mmのディッシュで単層に培養した動物細胞に添加し、37℃で1時間インキュベートした。次に、リン酸緩衝生理食塩水でディッシュを洗浄した。RSウイルス処理液を添加した培養細胞に、0.8%メチルセルロース添加培地5mlを重層して3日間培養した。培養終了後の単層培養動物細胞は、5%ホルマリン溶液で固定し、0.03%メチレンブルー溶液で染色した。単層培養動物細胞に検出されたプラーク形成数を測定し、コントロールに対する割合(%)を求めた。なお、これらの実験操作は、2回実施して平均値を算出した。
【0039】
(3)試験結果
本試験の結果は表1に示すとおりである。バナバ葉抽出物のコントロールに対するプラーク形成率は、RSウイルスに対して4.4%を示した。したがって、バナバ葉抽出物はプラーク形成を50%以下に有意に抑制することから、RSウイルスの感染性を不活性化することが判明した。
【0040】
【表1】
【0041】
次に実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0042】
【実施例】
[実施例1]
抽出タンクにバナバ葉粉末(ユース・テクノコーポレーション社製)250gと熱水10kgを加え、90〜95℃で30分間抽出した。冷却後、セライト(セライト社製)で濾過し、逆浸透膜(旭化成社製)で濃縮し、凍結乾燥機(ラブコンコ社製)で凍結乾燥して12gのバナバ葉抽出物を調製した。このバナバ葉抽出物10g、ラクチュロース粉末(森永乳業社製)100g、マルツデキストリン(松谷化学工業社製)865g、ステビア甘味料(三栄源エフ・エフ・アイ社製)1g、グリセリン脂肪酸エステル製剤(理研ビタミン社製)24gの各粉末を添加して均一に混合し、打錠機(畑鉄鋼所社製)を使用して、錠剤1錠当たり0.5gとし、12錠/分の打錠速度、9.8kPaの圧力で前記混合粉末を連続的に打錠し、抗ウイルス作用を有するバナバ葉抽出物含有タブレット1800錠(約900g)を製造した。
【0043】
[実施例2]
抽出タンクに緑茶100g(伊藤園社製)と熱水10kgを加え、70℃で10分間抽出した。得られた緑茶抽出液を冷却し、セライト(セライト社製)で濾過した後、実施例1と同様の方法で調製したバナバ葉抽出物10gを添加し、攪拌してバナバ葉抽出物含有緑茶飲料約10kgを製造した。
【0044】
【発明の効果】
以上詳記したとおり、本発明は、日常的に摂取可能な安全性の高いバナバ葉抽出物を有効成分として含有することを特徴とする抗ウイルス組成物、及びこれを含有する医薬組成物、飲食品組成物又は飼料組成物に関するものであり、本発明により奏される効果は次の通りである。
(1)既に病原性ウイルスに感染したヒトおよび動物の感染症による症状を改善させることが可能である。
(2)ヒトに対する安全性が高く、日常的に摂取することによってウイルスに対する感染防御効果を高めることができる。
(3)抗ウイルス作用を有する医薬品、及び飲食品、飼料を製造することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、バナバ葉抽出物を有効成分として含有することを特徴とする抗ウイルス組成物、及び該抗ウイルス組成物が医薬組成物、飲食品組成物又は飼料組成物であることに関する。さらに詳しくは、RSウイルスに対して抗ウイルス作用を有し、感染したヒトおよび動物の感染症による症状を改善させる作用を有する抗ウイルス組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自然界には、ヒトや動物に感染症を引き起こす種々の微生物が存在する。それらの微生物は、細菌、マイコプラズマ、リケッチア、クラミジア、真菌、原虫、ウイルスに分類される。ウイルスの遺伝物質はデオキシリボ核酸(DNA)あるいはリボ核酸(RNA)であるが、細菌やその他の微生物がエネルギー代謝系を持ち、従属栄養で増殖するのに対し、ウイルスは、宿主細胞に寄生することによってのみ増殖が可能である〔医科ウイルス学、改訂第2版、大里外誉郎編、南江堂発行、第15〜24ページ、2000年〕。
【0003】
RNAウイルスであるRSウイルス(Respiratory Syncytial virus)は、乳幼児が高頻度に感染し、上部呼吸器感染の主要な原因となる重篤な呼吸器症状を呈する危険な病原ウイルスとして知られている。
【0004】
微生物による感染症のなかでも、特に細菌感染症に対しては抗生物質が開発されており、効果的な治療が行なわれているが、ウイルス感染症には抗生物質が作用しない。抗生物質による化学療法の急速な進歩に比べると、ウイルス感染症の治療薬としての抗ウイルス組成物の開発は、現在でもそれほど進んでいないのが現状である。いままでに開発された抗ウイルス組成物には、ウイルス核酸の複製をターゲットとする核酸類似体のアシクロビル、アジドチミジンやリバビリン、ノイラミニダーゼ阻害剤のザナミビル(4−グアニジノノイラミン酸)、プロテアーゼ阻害剤のインジナビルなどがある。これらの医薬品としての抗ウイルス組成物は、薬効が強いものの、投与による副作用は臨床上の大きな問題点を有していた。このような状況から、安全で副作用が少なく、日常の食生活から長期間にわたって摂取することが可能な抗ウイルス作用を含有する有効成分の探究が続けられてきた。
【0005】
RSウイルスに対しては、特開平4−273826号公報(以下、従来技術1と記載する。)においてアミノ酸3個からなるトリペプチドを有効成分とする抗RSウイルス剤が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
RSウイルスは乳幼児に感染しやすいことから、代謝能力が未発達であり、抵抗力の弱い乳幼児へ投与する薬剤の選択の問題、摂取方法の問題など、解決されなければならない課題は多く、低毒性且つ安全性が高く、また食品など摂取しやすい素材への適用が可能であり、乳幼児にも使用できる、RSウイルスに対して有効な抗ウイルス組成物の開発が希求されていた。
【0007】
従来技術1は前記課題を解決すべく開発された抗ウイルス組成物であるが、有効成分であるペプチドの合成方法の煩雑さや目的物の収率において改良すべき問題点が残されており、乳幼児への投与に関する安全性についても不十分であり、実用的な抗ウイルス組成物とは言いがたいものであった。
【0008】
本発明者等は、前記の事情に鑑み、RSウイルスに対して抗ウイルス作用を有し、主に食品として経口的に摂取することが可能な有効成分について鋭意探索を行っていたところ、フトモモ目ミソハギ科に属し、別名オオバナサルスベリと呼ばれるバナバ(Lagerstroemia speciosa)の葉の抽出物にRSウイルスに対する抗ウイルス作用を見出し、本発明を完成させた。
【0009】
本発明の目的は、低毒性且つ安全性が高く、食品などの摂取しやすい素材への適用が可能であり、乳幼児にも使用できる、RSウイルスに対して抗ウイルス作用を有する抗ウイルス組成物を提供することである。
【0010】
本発明の他の目的は、前記抗ウイルス組成物を有効成分とする医薬組成物、及び飲食品組成物、飼料組成物を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決する本発明は、バナバ葉抽出物を有効成分として含有することを特徴とする抗ウイルス組成物であって、以下の1)〜3)の記載を望ましい態様とする。
【0012】
1)バナバ葉抽出物が、抽出溶媒として水、有機溶媒又はこれらの混合物を用いて得られた抽出物を有効成分として含有する抗ウイルス組成物であること。
2)抗ウイルス組成物が、RSウイルスに対する抗ウイルス作用を有すること。
3)抗ウイルス組成物が、医薬組成物、飲食品組成物又は飼料組成物であること。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の好ましい実施態様について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の好ましい実施態様に限定されず、本発明の範囲内で自由に変更することができるものである。尚、本明細書において百分率は特に断りのない限り質量による表示である。
【0014】
本発明において、抗ウイルス作用とは、ヒトや動物の感染症の原因となる病原性ウイルスの感染性を不活性化する作用、あるいは既にヒトおよび動物細胞に感染したウイルスの細胞内における増殖を抑制する作用を意味する。
【0015】
本発明において、抗ウイルス組成物とは、ヒトや動物に感染症を引き起こす病原性ウイルスの感染性を不活性化させる作用を持つ成分、あるいは既に病原性ウイルスに感染したヒトおよび動物の感染症による症状を改善させる作用を持つ成分を含有していることをいい、ヒトに対する安全性が高く、日常的に摂取することによってウイルスに対する感染防御効果が発揮される特徴を併せ持つ。
【0016】
本発明の組成物は、バナバ葉抽出物それ自体であってもよいし、バナバ葉抽出物以外の成分を含有してもよい。バナバ葉抽出物以外の成分は、組成物の形態に応じて適宜選択できる。
【0017】
本発明の抗ウイルス組成物の有効成分であるバナバ葉の抽出物は、特開平5−310587号公報、又は特開平7−228538号公報、特開平7−228539号公報に記載の抽出方法に従って調製することが可能である。具体的には、乾燥し粉砕したバナバ葉を、60〜100℃、好ましくは95〜100℃の熱水で抽出するか、又はメタノールまたはエタノールなどの有機溶媒で抽出するか、又は前記有機溶媒と水との混合溶液で抽出、若しくは前記熱水抽出後の残渣をさらに有機溶媒又は有機溶媒と水の混合溶液で抽出して抽出物を得ることができる。このとき、熱水、有機溶媒、又は有機溶媒と水との混合溶液の量は、乾燥させたバナバ葉質量に対して1:10〜1:100、中でも特に1:25が好適である。抽出溶液は常法により濃縮し、殺菌した後に、凍結乾燥等を行うことによって、バナバ葉抽出粉末を得ることができる。
【0018】
また、食品成分、食品原料、健康食品等として入手可能な市販のバナバ葉抽出粉末を、本発明の抗ウイルス組成物の有効成分として使用することも可能である。
【0019】
本発明の抗ウイルス組成物の抗ウイルス活性は常法により、例えば動物培養細胞を用いたプラーク抑制法により測定することができる。例えば、ウイルスを加えない培養系、及びウイルスを加えるが抗ウイルス組成物を加えない培養系をコントロールとし、プラーク形成数を測定して、コントロールに対する割合(%)が50%以下に抑制された場合に、抗ウイルス活性ありと判定することが可能である〔(アンチバイラル・リサーチ(Antiviral Research)、第22巻、第175〜188ページ、1993年)、(ジャーナル・オブ・ジェネラル・バイロロジー(Journal of General Virology)、第71巻、第2149〜2155ページ、1990年)〕。
【0020】
本発明の抗ウイルス組成物の有効成分であるバナバ葉抽出物による、病原性ウイルス感染細胞における、ウイルス増殖に対する抑制効果は、少なくとも0.001mg/ml以上の濃度で有効であり、特に0.01〜1.0mg/mlが好適である。また、本発明の抗ウイルス組成物は、RSウイルスに特に好適に抗ウイルス作用を示し、RSウイルスが原因の感染症による症状を改善させる作用を有する。
【0021】
本発明の組成物の形態は特に限定されるものではなく、本発明の組成物の形態としては、例えば、医薬組成物、飲食品組成物、飼料組成物等が挙げられる。
【0022】
本発明の医薬組成物は、例えば、バナバ葉抽出物を、薬学的に許容され得る賦形剤その他任意の添加剤を用いて製剤化することにより製造でき、製剤化したバナバ葉抽出物は抗ウイルス剤等として使用することができる。製剤化する場合、製剤中のバナバ葉抽出物の含有量は、通常0.01〜20質量%、好ましくは0.1〜10質量%である。本医薬組成物は、経口、経腸等の投与方法により適宜使用することが可能であり、投与形態としては、特に限定が無く必要に応じて適宜選択して使用され、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤等の経口剤、注射剤、坐剤等の非経口剤が挙げられる。
【0023】
経口剤は、例えばデンプン、乳糖、白糖、マンニット、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、無機塩類等を用いて常法に従って製造される。この種の製剤には、適宜前記賦形剤の他に、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、流動性促進剤、矯味剤、着色剤、香料等を使用することができる。それぞれの具体例は以下に示す如くである。
【0024】
[結合剤]デンプン、デキストリン、アラビアゴム末、ゼラチン、ヒドロキシプロピルスターチ、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、エチルセルロース、ポリビニルピロリドン、マクロゴール。
【0025】
[崩壊剤]デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロース、低置換ヒドロキシプロピルセルロース。
【0026】
[界面活性剤]ラウリル硫酸ナトリウム、大豆レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、ポリソルベート80。
【0027】
[滑沢剤]タルク、ロウ類、水素添加植物油、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ポリエチレングリコール。
【0028】
[流動性促進剤]軽質無水ケイ酸、乾燥水酸化アルミニウムゲル、合成ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム。
【0029】
また、本発明の有効成分は、懸濁液、エマルジョン剤、シロップ剤、エリキシル剤としても投与することができ、これらの各種剤形には、矯味矯臭剤、着色剤を含有してもよい。
【0030】
経口剤として所望の抗ウイルス効果を発揮するためには、摂取する人の年齢、体重、疾患の程度にもよるが、通常の成人で本発明の有効成分の重量として一日当たり、5mg〜1gを摂取することが好ましい。
【0031】
本発明の飲食品組成物は、例えば、バナバ葉抽出物にデキストリン、澱粉等の糖類;乳蛋白質、大豆蛋白質、ゼラチン等の蛋白質;アラニン、グルタミン、イソロイシン等のアミノ酸類;セルロース、ローカストビーンガム、キサンタンガム等の多糖類;大豆油、中鎖脂肪酸トリグリセリド等の油脂類等を配合することにより製造することができる。
【0032】
飲食品組成物の形態としては、粉乳、加工乳、発酵乳、チーズ、バター、クリーム等の乳製品;乳酸飲料、清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、果汁飲料等の飲料;アイスクリーム、シャーベット、氷菓等の冷菓類;そば、うどん等の麺類;飴、チューインガム、キャンディー、チョコレート、錠菓、ビスケット、ゼリー、ジャム、焼き菓子類等の菓子類;マーガリン、バター、ショートニング、ドレッシング等の油脂及び油脂加工食品;スープ、サラダ、パン、;経腸栄養剤:機能性食品等が例示される。
【0033】
本発明の飼料組成物は、例えば、バナバ葉抽出物に、トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦等の穀類;大豆油粕、菜種油粕等の植物性油粕;フスマ、麦糠、米糠等の糠類;脱脂粉乳、ホエー、魚粉等の動物性飼料類;ビール酵母等の酵母類;第三リン酸カルシウム、炭酸カルシウム等の鉱物質飼料;油脂類;アミノ酸類;糖類等を配合することにより製造することが可能である。飼料組成物の形態としては、ペットフード、家畜飼料、養魚飼料等が挙げられる。
【0034】
これによって、慢性ウイルス感染症患者、体調不良によってウイルス感染症の回帰発症の危険性が高いヒトを含む動物、特定のウイルス感染症が流行する時期のヒトを含む動物、乳幼児や高齢者等のウイルス感染症の予防および抗ウイルス治療薬服用時の補助的な食品等として抗ウイルス効果を享受することができる。
【0035】
尚、バナバ葉抽出物は、医薬品や飲食品、飼料中の他の抗ウイルス成分と組み合わせて使用することも可能である。即ち、バナバ葉抽出物は、他の抗ウイルス成分を使用する際に併用して、その抗ウイルス効果を一層高めるという使用形態も可能であり、この場合は、実際の商品としては、医薬品及び飲食品、飼料中の他の抗ウイルス成分とバナバ葉抽出物を組み合わせて一つの抗ウイルス組成物とすることも可能であり、また、該抗ウイルス組成物を有効成分として含有する医薬品、及び飲食品、飼料を製造することも可能である。
【0036】
次に試験例を示して本発明を詳細に説明する。
[試験例1]
本試験は、本発明の有効成分であるバナバ葉抽出物におけるRSウイルスに対する感染性不活性化作用を調べるために行った。
【0037】
(1)試料の調製
バナバ葉粉末(ユース・テクノコーポレーション社製)は、精製水に1ml当り10mgの粉末を添加し、30分間振盪して抽出した後に、遠心機にかけて残渣を除いた。この水抽出液を、ポアサイズが0.2μmのフィルターで濾過滅菌して試験試料とした。供試ウイルスとして、パラミクソウイルス科(エンベロープを有する一本鎖RNAウイルス)に属するRSウイルスA2株を使用した。培養動物細胞として、Hep2細胞を使用した。Hep2細胞は、血清添加イーグルMEM培地(日水製薬社製)を用いて直径60mmのディッシュ中で単層になるまで培養した。
【0038】
(2)試験方法
RSウイルスは、血清添加イーグルMEM培地0.2ml中に100PFU(プラーク形成単位:plaque−forming unit)となるように添加した。これに試験試料2μlを添加して、37℃で1時間インキュベートした。コントロールには精製水2μlだけを添加し、同じく37℃で1時間インキュベートした。このウイルス処理液の全量を、直径60mmのディッシュで単層に培養した動物細胞に添加し、37℃で1時間インキュベートした。次に、リン酸緩衝生理食塩水でディッシュを洗浄した。RSウイルス処理液を添加した培養細胞に、0.8%メチルセルロース添加培地5mlを重層して3日間培養した。培養終了後の単層培養動物細胞は、5%ホルマリン溶液で固定し、0.03%メチレンブルー溶液で染色した。単層培養動物細胞に検出されたプラーク形成数を測定し、コントロールに対する割合(%)を求めた。なお、これらの実験操作は、2回実施して平均値を算出した。
【0039】
(3)試験結果
本試験の結果は表1に示すとおりである。バナバ葉抽出物のコントロールに対するプラーク形成率は、RSウイルスに対して4.4%を示した。したがって、バナバ葉抽出物はプラーク形成を50%以下に有意に抑制することから、RSウイルスの感染性を不活性化することが判明した。
【0040】
【表1】
【0041】
次に実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0042】
【実施例】
[実施例1]
抽出タンクにバナバ葉粉末(ユース・テクノコーポレーション社製)250gと熱水10kgを加え、90〜95℃で30分間抽出した。冷却後、セライト(セライト社製)で濾過し、逆浸透膜(旭化成社製)で濃縮し、凍結乾燥機(ラブコンコ社製)で凍結乾燥して12gのバナバ葉抽出物を調製した。このバナバ葉抽出物10g、ラクチュロース粉末(森永乳業社製)100g、マルツデキストリン(松谷化学工業社製)865g、ステビア甘味料(三栄源エフ・エフ・アイ社製)1g、グリセリン脂肪酸エステル製剤(理研ビタミン社製)24gの各粉末を添加して均一に混合し、打錠機(畑鉄鋼所社製)を使用して、錠剤1錠当たり0.5gとし、12錠/分の打錠速度、9.8kPaの圧力で前記混合粉末を連続的に打錠し、抗ウイルス作用を有するバナバ葉抽出物含有タブレット1800錠(約900g)を製造した。
【0043】
[実施例2]
抽出タンクに緑茶100g(伊藤園社製)と熱水10kgを加え、70℃で10分間抽出した。得られた緑茶抽出液を冷却し、セライト(セライト社製)で濾過した後、実施例1と同様の方法で調製したバナバ葉抽出物10gを添加し、攪拌してバナバ葉抽出物含有緑茶飲料約10kgを製造した。
【0044】
【発明の効果】
以上詳記したとおり、本発明は、日常的に摂取可能な安全性の高いバナバ葉抽出物を有効成分として含有することを特徴とする抗ウイルス組成物、及びこれを含有する医薬組成物、飲食品組成物又は飼料組成物に関するものであり、本発明により奏される効果は次の通りである。
(1)既に病原性ウイルスに感染したヒトおよび動物の感染症による症状を改善させることが可能である。
(2)ヒトに対する安全性が高く、日常的に摂取することによってウイルスに対する感染防御効果を高めることができる。
(3)抗ウイルス作用を有する医薬品、及び飲食品、飼料を製造することができる。
Claims (4)
- バナバ葉抽出物を有効成分として含有することを特徴とする抗ウイルス組成物。
- バナバ葉抽出物が抽出溶媒として水、有機溶媒又はこれらの混合物を用いて得られた抽出物であることを特徴とする請求項1に記載の抗ウイルス組成物
- 前記組成物がRSウイルスに対する抗ウイルス作用を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の抗ウイルス組成物。
- 前記組成物が医薬組成物、飲食品組成物又は飼料組成物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の抗ウイルス組成物。
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