JP2014192820A - 無線通信機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 第1及び第2の無線通信機器が通信可能な状態に復帰し得る技術を開示すること。
【解決手段】 MFP10は、アドホック接続を利用して、CD50から、CD50の成功設定(即ちIP層成功値)及び現行設定(即ちリンク層現行値+IP層現行値)を取得する。MFP10は、MFP10の成功設定及び現行設定と、CD50の成功設定及び現行設定と、を用いて、複数個の候補設定を決定する。MFP10は、アドホック接続を利用して、複数個の候補設定に含まれるCD50の各候補設定200,220を、CD50に供給する。MFP10は、複数個の候補設定に含まれるMFP10の各候補設定210,220を順次利用して、CD50と無線通信を実行することを試行する。
【選択図】図7

Description

本明細書では、第1及び第2の無線通信機器が無線通信を実行するための技術を開示する。
一対の無線通信機器が無線通信を実行するための様々な技術が知られている。例えば、一対の無線通信機器がアクセスポイントを介した無線通信を実行するための技術(即ち、インフラストラクチャ方式の無線通信技術)が知られている。また、例えば、一対の無線通信機器がアクセスポイントを介さない無線通信を実行するための技術(即ち、アドホック方式の無線通信技術)が知られている。
特開2011−205581号公報 特開2008−182439号公報 特開2007−81497号公報 特開2005−218035号公報
本明細書では、仮に、第1の無線通信機器及び第2の無線通信機器が無線通信を実行不可能な状態になっても、第1の無線通信機器及び第2の無線通信機器が無線通信を実行可能な状態に復帰させ得る技術を提供する。
本明細書によって開示される第1の無線通信機器は、取得部と、決定部と、供給部と、試行部と、を備える。取得部は、特定の無線通信方式に従った無線通信を実行して、第2の無線通信機器から、第2の無線通信機器に保持されたN個(Nは1以上の整数)の通信設定を取得する。決定部は、N個の通信設定と、第1の無線通信機器に保持されたM個(Mは1以上の整数)の通信設定と、を用いて、複数個の候補設定を決定する。複数個の候補設定のそれぞれは、第1の無線通信機器に設定されるべき通信設定の候補である第1種の候補設定と、第2の無線通信機器に設定されるべき通信設定の候補である第2種の候補設定と、を含む。供給部は、特定の無線通信方式に従った無線通信を実行して、複数個の候補設定に含まれる複数個の第2種の候補設定を第2の無線通信機器に供給する。試行部は、複数個の候補設定に含まれる複数個の第1種の候補設定のそれぞれを順次利用して、第2の無線通信機器と無線通信を実行することを試行する。
上記の構成では、第1の無線通信機器は、第2の無線通信機器からN個の通信設定を取得し、第1の無線通信機器に保持されたM個の通信設定及び第2の無線通信機器に保持されたN個の通信設定を用いて、複数個の候補設定を決定する。そして、第1の無線通信機器は、複数個の候補設定に含まれる複数個の第2種の候補設定を第2の無線通信機器に供給する。これにより、第2の無線通信機器は、複数個の第2種の候補設定を順次利用し得る。また、第1の無線通信機器は、複数個の候補設定に含まれる複数個の第1種の候補設定を順次利用して、第2の無線通信機器と無線通信を実行することを試行する。この結果、第1の無線通信機器及び第2の無線通信機器は、複数個の候補設定のうちのいずれかの候補設定を利用して、無線通信を実行し得る。本技術によると、第1の無線通信機器及び第2の無線通信機器が無線通信を実行可能な状態に復帰させ得る。
上記の第1の無線通信機器を実現するための制御方法、コンピュータプログラム、及び、当該コンピュータプログラムを格納するコンピュータ読取可能記録媒体も、新規で有用である。また、上記の第1及び第2の無線通信機器を備えるシステムも、新規で有用である。
無線通信システムの構成を示す。 MFP(即ち多機能機)の修復処理のフローチャートを示す。 MFPのリンク層候補決定処理のフローチャートを示す。 MFPのIP層候補決定処理のフローチャートを示す。 図4の続きのフローチャートを示す。 CD(即ち通話デバイス)の修復処理のフローチャートを示す。 MFP及びCDの動作の一例を表わすシーケンス図を示す。 AP(即ちアクセスポイント)が再起動されるケースAの説明のための図を示す。 AP及びMFPのパスワードが変更されるケースBの説明のための図を示す。 MFPで設定リセット操作が実行されるケースCの説明のための図を示す。 MFPで設定リセット操作が実行されるケースDの説明のための図を示す。 MFPのIPアドレスが変更されるケースEの説明のための図を示す。 MFPのIP設定手法が変更されるケースFの説明のための図を示す。 APのアドレス空間が変更されるケースGの説明のための図を示す。 AP及びMFPのアドレス空間が変更されるケースHの説明のための図を示す。
(無線通信システム2の構成)
図1に示されるように、無線通信システム2は、多機能機10と、通話デバイス50と、アクセスポイント100と、FAX(Facsimileの略)装置110と、を備える。多機能機10、通話デバイス50、及び、アクセスポイント100は、例えば、家庭内に設置される。FAX装置110は、例えば、他の家庭内に設置される。以下では、記載の簡単化のために、多機能機、通話デバイス、アクセスポイントのことを、それぞれ、「MFP(Multi-Function Peripheralの略)」、「CD(Call Device)」、「AP(Access Pointの略)」と呼ぶ。
MFP10及びCD50は、AP100を介して、又は、AP100を介さずに、相互に無線通信を実行可能である。即ち、MFP10及びCD50は、AP100を介するインフラストラクチャの無線通信(以下では「インフラ通信」と呼ぶ)を実行可能であると共に、AP100を介さないアドホックの無線通信(以下では「アドホック通信」と呼ぶ)を実行可能である。通話デバイス50及びFAX装置110は、PSTN(Public Switched Telephone Networkの略)を介して、FAXデータの通信を実行することができる。
(MFP10の構成)
MFP10は、印刷機能及びスキャン機能を含む多機能を実行可能な周辺機器(即ち、図示省略のPC(Personal Computerの略)等の周辺機器)である。MFP10は、操作部12と、表示部14と、無線LAN(Local Area Networkの略)インターフェース20と、印刷実行部22と、スキャン実行部24と、制御部30と、を備える。各部12〜30は、バス線(符号省略)に接続されている。以下では、インターフェースのことを「I/F」と呼ぶ。
操作部12は、複数のキーを備える。ユーザは、操作部12を操作することによって、様々な指示をMFP10に入力することができる。表示部14は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。無線LANI/F20は、無線通信を実行するためのI/Fである。印刷実行部22は、インクジェット方式、レーザ方式等の印刷機構である。スキャン実行部24は、CCD方式、CIS方式等のスキャン機構である。
制御部30は、CPU32と、メモリ34と、を備える。CPU32は、メモリ34に記憶されているプログラムに従って、様々な処理を実行する。メモリ34は、揮発性記憶領域、不揮発性記憶領域、ハードディスク等によって構成される。メモリ34は、上記のプログラムのみならず、様々な通信設定(後述の初期設定、現行設定、成功設定)を記憶することができる。
(CD50の構成)
CD50は、無線LANI/F60と、PSTNI/F62と、制御部70と、ハンドセット80と、を備える。各部60〜70は、バス線(符号省略)に接続されている。各部60〜70は、図示省略の筐体内に設けられている。ハンドセット80は、上記の筐体に対して着脱可能である。
無線LANI/F60は、無線通信を実行するためのI/Fである。PSTNI/F62は、一般公衆回線網であるPSTNに接続される。より具体的に言うと、PSTNI/F62には、PSTNのためのケーブルの一端が接続される。当該ケーブルの他端は、例えば、家庭内のPSTN用ソケットに接続される。
制御部70は、CPU72と、メモリ74と、を備える。CPU72は、メモリ74に記憶されているプログラムに従って、様々な処理を実行する。メモリ74は、揮発性記憶領域、不揮発性記憶領域、ハードディスク等によって構成される。メモリ74は、上記のプログラムのみならず、様々な通信設定(後述の初期設定、現行設定、成功設定)を記憶することができる。
ハンドセット80は、マイク82と、スピーカ84と、を備える。ハンドセット80は、さらに、図示省略のCPU、操作部、表示部を備える。また、図示省略しているが、ハンドセット80及びCD50の上記の筐体のそれぞれは、DECT(Digital Enhanced Cordless Telecommunicationの略)規格に従って、音声データの無線通信を実行するためのインターフェースを備える。ユーザは、上記の筐体からハンドセット80が離脱した状態で、ハンドセット80を利用して、上記の筐体のPSTNI/62を介して、図示省略の電話機(即ちPSTNに接続されている電話機)と電話通信を実行することができる。
(FAX機能)
MFP10及びCD50が協働して処理を実行することによって、FAX機能が実現される。例えば、CD50は、FAX装置110からPSTNI/F62を介してFAXデータを受信する場合に、無線LANI/F60を介してFAXデータをMFP10に送信する。MFP10は、CD50から無線LANI/F20を介してFAXデータを受信する場合に、FAXデータによって表わされる画像の印刷を印刷実行部22に実行させる。これにより、FAX受信動作が実現される。
また、MFP10は、例えば、FAX装置110がFAXデータの送信先として指定される場合に、原稿のスキャンを実行することによって得られるFAXデータを、無線LANI/F20を介してCD50に送信する。CD50は、MFP10から無線LANI/F60を介してFAXデータを受信する場合に、PSTNI/F62を介してFAX装置110にFAXデータを送信する。これにより、FAX送信動作が実現される。
上述したように、MFP10は、PSTNから受信されるFAXデータによって表わされる画像を印刷する機能(即ち印刷実行部22)を備えているが、CD50は、当該機能を備えていない。また、MFP10は、原稿のスキャンを実行して、PSTNに送信されるべきFAXデータを生成する機能(即ちスキャン実行部24)を備えているが、CD50は、当該機能を備えていない。従って、MFP10の全体のサイズは、CD50の全体のサイズよりも大きい。
仮に、PSTNのためのケーブルをCD50ではなくMFP10に接続しなければならない構成(即ち、PSTNI/FをMFP10に設ける構成)を採用すると、以下の理由で、ユーザの利便性が損なわれ得る。即ち、家庭内では、PSTN用ソケットの位置が予め決められている。そして、MFP10が比較的に大きいサイズを有するために、PSTN用ソケットの近傍にスペースが少ない環境では、PSTN用ソケットの近傍にMFP10を設置するのが困難である。このような状況では、ユーザは、長いケーブルを利用すれば、PSTN用ソケットから離れた位置にMFP10を設置することができる。しかしながら、家庭内の見栄えが損なわれるので、ユーザは、通常、長いケーブルを利用することを好まない。
これに対し、本実施例では、比較的に小さいサイズを有するCD50にPSTNI/F62が設けられている。従って、PSTN用ソケットの近傍にスペースが少ない環境でも、PSTN用ソケットの近傍にCD50を容易に設置して、CD50をPSTNに接続することができる。そして、MFP10及びCD50がFAXデータの無線通信を実行可能であるので、ユーザは、PSTN用ソケットから離れた位置にMFP10を自由に設置することができる。
(AP100の構成)
ユーザは、図示省略のPCを利用して、AP100にアクセスすることができる。そして、ユーザは、PCを介して、AP100に通信設定を入力することができる。この場合、AP100は、当該通信設定を記憶することができ、当該通信設定を利用して、無線LANを形成することができる。これにより、通信機器(例えば、MFP10、CD50)は、AP100と接続を確立して、無線LANに参加することができる。
AP100の通信設定は、OSI(Open Systems Interconnectionの略)参照モデルのリンク層に関する通信設定値(以下では「リンク層設定値」と呼ぶ)と、OSI参照モデルのIP層に関する通信設定値(以下では「IP層設定値」と呼ぶ)と、を含む。AP100のリンク層設定値は、認証方式を示す値と、暗号化方式を示す値と、パスワードと、を含む。
AP100のIP層設定値の内容を説明する前に、AP100が実行可能な機能について説明しておく。AP100は、AP100によって形成されている無線LANで利用されるプライベートIPアドレスと、WAN(即ちインターネット)で利用されるグローバルIPアドレスと、の間の変換(即ちNAT(Network Address Translationの略))を実行するためのルータ機能を備える。AP100のルータ機能は、AP100がルータ機能を実行するON状態と、AP100がルータ機能を実行しないOFF状態と、の間で、切り替えられる。なお、この切り替えは、例えば、ユーザが図示省略のPCを利用することによって行われる。
AP100のルータ機能がON状態に設定されると、さらに、ユーザがPCを利用することによって、AP100のIPアドレス及びサブネットマスクがAP100に設定される。即ち、AP100のルータ機能がON状態である場合には、AP100のIP層設定値は、IPアドレスと、サブネットマスクと、を含む。
また、AP100のルータ機能がOFF状態である場合には、IPアドレス及びサブネットマスクがAP100に設定されない。即ち、AP100のルータ機能がOFF状態である場合には、AP100のIP層設定値は、IPアドレス及びサブネットマスクを含まない。
また、AP100は、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocolの略)機能を備える。即ち、AP100は、IPアドレス割り当てサーバとして機能することができる。AP100のDHCP機能は、AP100がDHCP機能を実行するON状態と、AP100がDHCP機能を実行しないOFF状態と、の間で切り替えられる。
AP100のDHCP機能がON状態に設定されると、さらに、ユーザがPCを利用することによって、AP100が割り当て可能なIPアドレスの数値範囲(以下では「IP数値範囲」と呼ぶ)と、AP100が割り当て可能なサブネットマスクと、がAP100に入力される。AP100は、無線LANに所属している通信機器からの要求に応じて、IP数値範囲の中から当該通信機器のIPアドレスを決定して、決定済みのIPアドレス及び上記のサブネットマスクを当該通信機器に供給する。AP100のDHCP機能がON状態である場合には、AP100のIP層設定値は、IP数値範囲及びサブネットマスクを含む。ただし、AP100のDHCP機能がOFF状態である場合には、AP100のIP層設定値は、IP数値範囲及びサブネットマスクを含まない。
(通信設定)
続いて、MFP10及びCD50のメモリ34,74に記憶される通信設定について説明する。通信設定は、初期設定と、現行設定と、成功設定と、を含む。
(初期設定)
初期設定は、MFP10及びCD50の出荷段階からメモリ34,74のそれぞれに予め記憶されている通信設定である。MFP10のメモリ34内の初期設定と、CD50のメモリ74内の初期設定と、は同じである。初期設定は、MFP10及びCD50がFAXデータのアドホック通信を実行するための通信設定である。初期設定は、リンク層に関する通信設定値(以下では「リンク層初期値」と呼ぶ)と、IP層に関する通信設定値(以下では「IP層初期値」と呼ぶ)と、を含む。
リンク層初期値は、モードを示す値と、認証方式を示す値と、暗号化方式を示す値と、を含む。リンク層初期値に含まれるモードを示す値、認証方式を示す値、暗号化方式を示す値は、それぞれ、「Adhoc」、「Open」、「None」である。本実施例では、パスワードを利用したデータの暗号化が実行されない暗号化方式「None」を採用しているので、リンク層初期値は、パスワードを含まない。
IP層初期値は、IPアドレスを取得して利用(即ち設定)するための手法(以下では「IP設定手法」と呼ぶ)を示す値を含む。IP層初期値に含まれるIP設定手法を示す値は、「Auto」である。「Auto」は、通信機器(例えばMFP10)が自動的に割り当てられるIPアドレスを取得して利用する手法である。例えば、MFP10(即ちCPU32)は、初期設定(即ちAuto)を利用する場合には、DHCPサーバ等のIPアドレス割り当てサーバによって割り当てられるIPアドレス(さらにはサブネットマスク)を取得する。ただし、IPアドレス割り当てサーバが存在しない環境では、MFP10は、APIPA(Automatic Private IP Addressingの略)に従って自動的に割り当てられるIPアドレス(さらにはサブネットマスク)を決定する。同様に、CD50(即ちCPU72)は、初期設定(即ちAuto)を利用する場合には、IPアドレス割り当てサーバ又はAPIPAに従ってIPアドレス及びサブネットマスクを決定する。
なお、MFP10のメモリ34の不揮発性記憶領域に初期設定が記憶され、CD50のメモリ74の不揮発性記憶領域に初期設定が記憶される。従って、MFP10又はCD50の電源がOFFされても、初期設定は、メモリ34又はメモリ74から消去されない。また、MFP10の操作部12は、通信設定をリセット(即ち消去)するための設定リセットボタンを備える。ただし、MFP10の設定リセットボタンが操作されても、初期設定は、メモリ34から消去されない。CD50も、図示省略の設定リセットボタンを備える。CD50の設定リセットボタンが操作されても、初期設定は、メモリ74から消去されない。
(現行設定)
MFP10の現行設定は、FAXデータの無線通信をCD50と実行するために利用されるべき通信設定として、MFP10で現在利用されている通信設定である。CD50の現行設定は、FAXデータの無線通信をMFP10と実行するために利用されるべき通信設定として、CD50で現在利用されている通信設定である。MFP10及びCD50のそれぞれの現行設定は、リンク層に関する通信設定値(以下では「リンク層現行値」と呼ぶ)と、IP層に関する通信設定値(以下では「IP層現行値」と呼ぶ)と、を含む。
MFP10及びCD50のそれぞれのリンク層現行値は、モードを示す値と、認証方式を示す値と、暗号化方式を示す値と、を含む。また、MFP10及びCD50のそれぞれのIP層現行値は、IP設定手法を示す値と、IPアドレスと、サブネットマスクと、を含む。以下では、MFP10及びCD50のそれぞれの現行設定がメモリ34,74に記憶される様子の一例を説明する。
MFP10及びCD50の出荷後に、MFP10及びCD50のそれぞれの電源が最初にONされる状況を想定する。この場合、MFP10(即ちCPU32)は、MFP10の現行設定として、上記の初期設定を利用することを決定する。即ち、MFP10のリンク層現行値は、「Adhoc」と「Open」と「None」とを含む。また、MFP10は、IPアドレス割り当てサーバからIPアドレス及びサブネットマスクを取得することを試行し、IPアドレス割り当てサーバが存在しない環境では、APIPAに従ってIPアドレス及びサブネットマスクを決定する。そして、MFP10のIP層現行値は、「Auto」とIPアドレスとサブネットマスクとを含む。
また、MFP10の場合と同様に、CD50(即ちCPU72)も、上記の初期設定を利用することを決定する。従って、CD50のリンク層現行値は、「Adhoc」と「Open」と「None」とを含む。また、CD50のIP層現行値は、「Auto」とIPアドレスとサブネットマスクとを含む。
また、MFP10及びCD50が初期設定を利用している状況、即ち、MFP10及びCD50のそれぞれのリンク層現行値が「Adhoc」を含む状況を想定する。このような状況において、ユーザは、AP100によって形成されている無線LANにMFP10を参加させることを望む場合には、MFP10の操作部12を操作して、MFP10のモードを「アドホック」から「インフラ」に変更するためのモード変更指示をMFP10に入力する。この場合、ユーザは、MFP10の操作部12を操作して、さらに、AP100で現在利用されている認証方式(例えばWPA(Wi-Fi Protected Accessの略))、暗号化方式(例えばTKIP(Temporal Key Integrity Protocolの略))、及び、パスワードを指定する。即ち、ユーザは、MFP10の操作部12を操作して、AP100のリンク層設定値に含まれる各値を指定する。
続いて、ユーザは、MFP10の操作部12を操作して、さらに、MFP10で利用されるべきIP設定手法として、「Auto」及び「Static」の中から1個の手法を選択する。IP設定手法「Static」は、通信機器(例えばMFP10)がユーザによって指定されるIPアドレスを取得して設定する手法である。
ユーザによって「Auto」が選択される場合には、MFP10は、IPアドレス割り当てサーバからMFP10のIPアドレス及びサブネットマスクを取得する。例えば、AP100のDHCP機能がON状態である場合には、MFP10は、AP100からMFP10のIPアドレス及びサブネットマスクを取得する。なお、上記のIPアドレス割り当てサーバは、DHCPサーバに限られず、RARP(Reverse Address Resolution Protocolの略)サーバであってもよいし、BOOTP(Bootstrap Protocolの略)サーバであってもよい。また、IPアドレス割り当てサーバが設置されていない環境では、MFP10は、IPアドレス割り当てサーバからMFP10のIPアドレス及びサブネットマスクを取得することができない。この場合、MFP10は、APIPAに従って、MFP10のIPアドレス及びサブネットマスクを決定してもよい。
また、ユーザによって「Static」が選択される場合には、MFP10は、ユーザがMFP10の操作部12を操作することによって指定されるIPアドレス及びサブネットマスクを取得する。
続いて、MFP10は、ユーザによって指定された各情報に従って、MFP10の新たな現行設定をメモリ34に記憶させる。即ち、MFP10の新たな現行設定に含まれるリンク層現行値は、モードを示す値として「Infra」を含み、さらに、ユーザによって指定されたリンク層に関する各値(即ち、認証方式、暗号化方式、パスワード)を含む。ユーザによって指定されたIP設定手法が「Auto」である場合には、MFP10の新たな現行設定に含まれるIP層現行値は、「Auto」を含み、さらに、IPアドレス割り当てサーバから取得されたIPアドレス及びサブネットマスク(あるいはAPIPAのIPアドレス及びサブネットマスク)を含む。また、ユーザによって指定されたIP設定手法が「Static」である場合には、MFP10の新たな現行設定に含まれるIP層現行値は、「Static」を含み、さらに、ユーザによって指定されたMFP10のIPアドレス及びサブネットマスクを含む。
MFP10の場合と同様に、ユーザは、CD50のハンドセット80に設けられている図示省略の操作部を操作して、モード変更指示をCD50に入力し、さらに、認証方式、暗号化方式、パスワード、IP設定手法等を指定する。この場合、CD50は、ユーザによって指定された各情報に従って、CD50の新たな現行設定をメモリ74に記憶させる。これにより、MFP10及びCD50のそれぞれは、新たな現行設定を利用して、AP100と接続を確立することができ、AP100によって形成されている無線LANに参加することができる。この結果、MFP10及びCD50は、AP100を介して、FAXデータの無線通信を実行することができる。
なお、上述したように、本実施例では、ユーザは、CD50の操作部を操作することによって、CD50に設定されるべき認証方式等を指定する。これに代えて、変形例では、CD50に設定されるべき認証方式等は、アドホック通信を利用して、MFP10からCD50に送信されてもよい。この構成によると、ユーザは、CD50において、認証方式等を指定せずに済む。
(成功設定)
MFP10の成功設定は、MFP10及びCD50の間でAP(例えばAP100)を介したFAXデータの通信が成功した際(以下では「FAX通信成功時」と呼ぶ)のMFP10の現行設定に含まれるIP層現行値を含む。CD50の成功設定は、FAX通信成功時のCD50の現行設定に含まれるIP層現行値を含む。
MFP10は、FAX通信成功時に、メモリ34内のMFP10の成功設定を消去して、メモリ34内のMFP10の現行設定に含まれるIP層現行値を、MFP10の新たな成功設定としてメモリ34に記憶させる。同様に、CD50は、FAX通信成功時に、メモリ74内のCD50の成功設定を消去して、メモリ74内のCD50の現行設定に含まれるIP層現行値を、CD50の新たな成功設定としてメモリ74に記憶させる。これにより、MFP10及びCD50のそれぞれは、最新の成功設定をメモリ34,74に記憶させることができる。
なお、本実施例では、MFP10及びCD50のそれぞれの成功設定は、FAX通信成功時のIP層現行値(以下では「IP層成功値」と呼ぶ)を含むが、FAX通信成功時のリンク層現行値(以下では「リンク層成功値」と呼ぶ)を含まない。これは、後述の図3において、リンク層成功値を用いてリンク層候補値が決定されないからである。ただし、変形例では、MFP10の成功設定は、MFP10のリンク層成功値及びIP層成功値の双方を含んでいてもよいし、CD50の成功設定は、CD50のリンク層成功値及びIP層成功値の双方を含んでいてもよい。
なお、MFP10のメモリ34の不揮発性記憶領域に現行設定及び成功設定が記憶され、CD50のメモリ74の不揮発性記憶領域に現行設定及び成功設定が記憶される。従って、MFP10又はCD50の電源がOFFされても、メモリ34又はメモリ74から現行設定及び成功設定が消去されない。ただし、MFP10の設定リセットボタンが操作されると、メモリ34から現行設定及び成功設定が消去される。この場合、MFP10は、MFP10の新たな現行設定として、上記の初期設定をメモリ34に記憶させる。また、CD50の設定リセットボタンが操作されると、メモリ74から現行設定及び成功設定が消去される。この場合、CD50は、CD50の新たな現行設定として、上記の初期設定をメモリ74に記憶させる。
また、変形例では、リンク層に関する通信設定値(即ち、リンク層初期値、リンク層現行値)は、上記の3個の値(モード、認証方式、暗号化方式)のみならず、SSID(Service Set Identifierの略)、BSSID(Basic SSIDの略)等の他の値を含んでいてもよい。また、変形例では、IP層に関する通信設定値(即ち、IP層初期値、IP層現行値、IP層成功値)は、上記の3個の値(IP設定手法、IPアドレス、サブネットマスク)のみならず、ゲートウェイアドレス等の他の値を含んでいてもよい。
(MFP10の修復処理;図2)
続いて、図2を参照して、MFP10のCPU32が実行する修復処理について説明する。後述の様々なケースA〜ケースH(図8〜図15参照)で詳しく説明するが、MFP10及びCD50は、様々な原因に起因して、FAXデータの無線通信を実行することができなくなり得る。ユーザは、このような状況において、MFP10の操作部12に設けられている図示省略の修復ボタンを操作する。これにより、MFP10のCPU32は、S10でYESと判断して、S12以降の各処理を実行する。
例えば、無線LANI/F20のチップの状態が不安定な状態であることに起因して、MFP10のリンク状態がリンクダウン状態になる可能性がある。MFP10のリンク状態がリンクダウン状態である状況では、MFP10は、無線LANI/F20を介した無線通信を実行することができず、この結果、FAXデータの無線通信をCD50と実行することができない。このように、無線LANI/F20のチップの状態が不安定な状態である可能性があることに鑑みて、本実施例では、S12の処理を実行する。
即ち、S12では、CPU32は、無線LANI/F20をリセット(即ち再起動)する。これにより、無線LANI/F20のチップの状態が不安定な状態から解消され得る。そして、CPU32は、MFP10の現行設定に含まれるリンク層現行値を利用して、他のデバイス(例えば、AP100、CD50)とリンク層の接続を確立することを試行する。ここで、リンク層の接続が確立される場合には、MFP10のリンク状態がリンクダウン状態からリンクアップ状態になる。
次いで、S14では、CPU32は、MFP10の現在のリンク状態(即ち、リンクアップ状態又はリンクダウン状態)を示すリンク情報を、メモリ34に記憶させる。
続いて、S16では、CPU32は、メモリ34内のMFP10の現行設定に代えて、メモリ34内の初期設定を一時的に利用する。ただし、メモリ34内のMFP10の現行設定は、消去されずに維持される。そして、CPU32は、IPアドレス割り当てサーバからIPアドレス及びサブネットマスクを取得するか、APIPAに従ってIPアドレス及びサブネットマスクを決定する。
詳しくは後述するが、ユーザは、MFP10の修復ボタンを操作するのみならず、CD50に設けられている図示省略の修復ボタンも操作する(図6のS110でYES)。これにより、CD50も、メモリ74内のCD50の現行設定に代えて、メモリ74内の初期設定を一時的に利用する。従って、MFP10及びCD50の双方が初期設定を利用する状態になるので、通常、MFP10及びCD50の間にアドホック通信を実行するための接続(以下では「アドホック接続」と呼ぶ)が確立される。
そして、CD50は、アドホック接続(即ち初期設定)を利用して、特定情報をMFP10に送信する(図6のS116)。特定情報は、メモリ74内のCD50のリンク情報(即ち、リンクアップ状態又はリンクダウン状態)と、メモリ74内のCD50の現行設定(即ち、CD50のリンク層現行値及びIP層現行値)と、を少なくとも含む。また、メモリ74にCD50の成功設定が記憶されている場合には、特定情報は、さらに、メモリ74内のCD50の成功設定(即ち、CD50のIP層成功値)を含む。
なお、CD50のIP層現行値が「Static」を示す場合には、特定情報は、CD50のIP層現行値に含まれるIPアドレス及びサブネットマスクを含む。ただし、CD50のIP層現行値が「Auto」を示す場合には、特定情報は、CD50のIP層現行値に含まれるIPアドレス及びサブネットマスクを含まない。CD50のIP層現行値が「Auto」を示す場合には、CD50のIP層現行値に含まれるIPアドレス及びサブネットマスクは、後述の図4及び図5の処理で利用されないからである。同様に、CD50のIP層成功値が「Auto」を示す場合には、特定情報は、CD50のIP層成功値に含まれるIPアドレス及びサブネットマスクを含ない。
S16では、CPU32は、アドホック接続(即ち初期設定)を利用して、CD50から特定情報(即ち、CD50のリンク情報、CD50の現行設定等)を受信するのか否かを判断する。CPU32は、CD50から特定情報を受信(即ち取得)する場合には、S16でYESと判断して、S30に進む。一方において、CPU32は、所定時間が経過しても、CD50から特定情報を受信しない場合には、S16でNOと判断して、MFP10の修復処理を終了する。例えば、MFP10の修復ボタンが操作されたが、CD50の修復ボタンが操作されなかった場合には、S16でNOと判断され得る。
(リンク層候補決定処理;図3)
図2のS30では、CPU32は、リンク層候補決定処理を実行する。図3に示されるように、S31では、CPU32は、メモリ34内のMFP10のリンク情報がリンクダウン状態を示し、かつ、CD50から受信した特定情報に含まれるCD50のリンク情報がリンクダウン状態を示すのか否かを判断する。CPU32は、MFP10のリンク情報とCD50のリンク情報との双方がリンクダウン状態を示すと判断する場合(S31でYES)には、エラーENDとしてリンク層候補決定処理を終了する。一方において、CPU32は、MFP10のリンク情報とCD50のリンク情報とのうちの少なくとも一方がリンクアップ状態を示すと判断する場合(S31でNO)には、S32に進む。
S32では、CPU32は、MFP10のリンク情報とCD50のリンク情報との双方がリンクアップ状態を示すのか否かを判断する。2つのリンク情報の双方がリンクアップ状態を示すと判断される場合(S32でYES)には、S33に進み、2つのリンク情報とのうちの一方がリンクダウン状態を示すと判断される場合(S32でNO)には、S34に進む。
S33では、CPU32は、メモリ34内のMFP10の現行設定に含まれるリンク層現行値(例えば、Infra、WPA、TKIP、XXXXX(パスワード))と、CD50から受信したCD50の現行設定に含まれるリンク層現行値と、が一致するのか否かを判断する。CPU32は、2つのリンク層現行値が一致すると判断される場合(S33でYES)には、S35に進み、2つのリンク層現行値が一致しないと判断される場合(S33でNO)には、S36に進む。
S35では、CPU32は、リンク層候補値として、MFP10のリンク層現行値、即ち、CD50のリンク層現行値を決定する。一方において、S36では、CPU32は、第1のリンク層候補値として、MFP10のリンク層現行値を決定すると共に、第2のリンク層候補値として、CD50のリンク層現行値を決定する。
また、S34が実行される状況では、MFP10のリンク情報及びCD50のリンク情報のうちの一方のみがリンクアップ状態を示し、他方がリンクダウン状態を示す。S34では、CPU32は、MFP10のリンク情報のみがリンクアップ状態を示すのか否かを判断する。CPU32は、MFP10のリンク情報のみがリンクアップ状態を示すと判断する場合(S34でYES)には、S37に進み、CD50のリンク情報のみがリンクアップ状態を示すと判断する場合(S34でNO)には、S38に進む。
S37では、CPU32は、リンク層候補値として、MFP10のリンク層現行値を決定する。一方において、S38では、CPU32は、リンク層候補値として、CD50のリンク層現行値を決定する。
上述したように、S35、S37、又は、S38では、CPU32は、リンクアップ状態が得られている1個のリンク層現行値を、リンク層候補値として決定することができる。また、S36では、CPU32は、リンクアップ状態が得られている異なる2個のリンク層現行値のそれぞれを、リンク層候補値として決定することができる。そして、CPU32は、S35〜S38のいずれかを終了すると、通常ENDとしてリンク層候補決定処理を終了する。
CPU32は、図2のS30のリンク層候補決定処理が終了すると、S40において、リンク層候補決定処理(図3)を通常ENDとして終了したのか否かを判断する。CPU32は、リンク層候補決定処理を通常ENDとして終了したと判断する場合(S40でYES)には、S50に進み、リンク層候補決定処理をエラーENDとして終了したと判断する場合(S40でNO)には、S42に進む。
S42では、CPU32は、アドホック接続(即ち初期設定)を利用して、確定通知をCD50に送信する。当該確定通知は、CD50の新たな現行設定として初期設定を利用すべきことを、CD50に指示するための通知である。
次いで、S44では、CPU32は、メモリ34内のMFP10の現行設定を消去して、MFP10の新たな現行設定として、初期設定(即ち、Adhoc、Open、None、Auto)と、APIPAのIPアドレス(S16参照)と、APIPAのサブネットマスク(S16参照)と、をメモリ34に記憶させる。CPU32は、S44が終了すると、MFP10の修復処理を終了する。
詳しくは後述するが、CD50は、S42でMFP10から送信される確定通知を受信すると、メモリ74内のCD50の現行設定を消去して、CD50の新たな現行設定として、メモリ74内の初期設定をメモリ74に記憶させる(図6のS144)。これにより、MFP10及びCD50のそれぞれが、新たな現行設定として、初期設定を利用する状態になる。このために、MFP10及びCD50は、アドホック通信を利用して、AP100を介さずに、FAXデータの無線通信を実行することができる。
(IP層候補決定処理;図4)
図2のS50では、CPU32は、IP層候補決定処理を実行する。図4に示されるように、S52では、CPU32は、メモリ34内のMFP10のIP層成功値が「Static」を示し、かつ、図2のS16でCD50から受信した特定情報に含まれるCD50のIP層成功値が「Static」を示すのか否かを判断する。CPU32は、MFP10のIP層成功値とCD50のIP層成功値との双方が「Static」を示すと判断する場合(S52でYES)には、S52Aに進む。
S52Aでは、CPU32は、MFP10の第1のIP層候補値として、MFP10のIP層成功値を決定すると共に、CD50の第1のIP層候補値として、CD50のIP層成功値を決定する。なお、変形例では、S52Aでは、CPU32は、MFP10のIP層候補値として、CD50のIP層成功値を決定すると共に、CD50のIP層候補値として、MFP10のIP層成功値を決定してもよい。S52Aが終了すると、図5のS60に進む。
一方において、CPU32は、MFP10のIP層成功値がメモリ34に記憶されていない場合、MFP10のIP層成功値が「Auto」を示す場合、CD50のIP層成功値がCD50から受信した特定情報に含まれない場合、又は、CD50のIP層成功値が「Auto」を示す場合には、S52でNOと判断して、S54に進む。
S54では、CPU32は、MFP10のIP層成功値とCD50のIP層成功値とのうちの少なくとも一方が「Auto」を示すのか否かを判断する。CPU32は、MFP10のIP層成功値とCD50のIP層成功値とのうちの少なくとも一方が「Auto」を示すと判断する場合(S54でYES)には、S54Aに進む。
S54Aでは、CPU32は、MFP10の第1のIP層候補値として「Auto」を決定すると共に、CD50の第1のIP層候補値として「Auto」を決定する。S54Aが終了すると、図5のS60に進む。
一方において、CPU32は、MFP10のIP層成功値がメモリ34に記憶されておらず、かつ、CD50のIP層成功値がCD50から受信した特定情報に含まれない第1の場合には、S54でNOと判断して、S56に進む。このような状況としては、例えば、MFP10及びCD50の間でAPを介したFAXデータの通信が一度も実行されていない状況を挙げることができる。また、CPU32は、MFP10のIP層成功値が「Static」を示し、かつ、CD50のIP層成功値が特定情報に含まれない第2の場合には、S54でNOと判断して、S56に進む。このように、MFP10のIP層成功値が存在するが、CD50のIP層成功値が存在しない状況としては、例えば、CD50の設定リセットボタンが操作されたことに起因して、CD50のIP層成功値がメモリ74から消去された状況を挙げることができる。また、CPU32は、MFP10のIP層成功値がメモリ34に記憶されておらず、かつ、CD50のIP層成功値が「Static」を示す第3の場合には、S54でNOと判断して、S56に進む。このように、CD50のIP層成功値が存在するが、MFP10のIP層成功値が存在しない状況としては、例えば、MFP10の設定リセットボタンが操作されたことに起因して、MFP10のIP層成功値がメモリ34から消去された状況を挙げることができる。
S56では、CPU32は、CD50のIP層成功値が特定情報に含まれない状況において、MFP10のIP層成功値が「Static」を示すのか否かを判断する。CPU32は、上記の状況において、MFP10のIP層成功値が「Static」を示すと判断する場合(S56でYES)には、S56Aに進む。
S56Aでは、CPU32は、MFP10のIP層成功値を用いて、アドレス情報を生成する。具体的に言うと、CPU32は、まず、MFP10のIP層成功値に含まれるIPアドレス及びサブネットマスクを用いて、ネットワークアドレスを算出する。例えば、IPアドレスが「192.168.0.2」であり、サブネットマスクが「255.255.255.0」である場合には、ネットワークアドレスは「192.168.0」である。次いで、CPU32は、算出済みのネットワークアドレス「192.168.0」を含む新たなIPアドレス(例えば「192.168.0.3」)を決定する。ここで決定される新たなIPアドレス「192.168.0.3」は、MFP10のIP層成功値に含まれるIPアドレス「192.168.0.2」とは異なる値を有する。そして、CPU32は、決定済みの新たなIPアドレス「192.168.0.3」と、MFP10のIP層成功値に含まれるサブネットマスク「255.255.255.0」と、を含むアドレス情報を生成することができる。なお、CPU32は、新たなIPアドレス「192.168.0.3」が他のデバイスによって使用されていないことを確認し、他のデバイスによって使用されている場合には、他の新たなIPアドレス「192.168.0.4」を決定する。
次いで、S56Bでは、CPU32は、MFP10の第1のIP層候補値として、MFP10のIP層成功値(即ち、「Static」、「192.168.0.2」、「255.255.255.0」)を決定すると共に、CD50の第1のIP層候補値として、「Static」と、S56Aで生成されたアドレス情報(即ち、「192.168.0.3」、「255.255.255.0」)と、を決定する。S56Bが終了すると、図5のS60に進む。
第1の変形例では、S56Bにおいて、CPU32は、MFP10の第1のIP層候補値として、「Static」と、S56Aで生成されたアドレス情報(即ち、「192.168.0.3」、「255.255.255.0」)と、を決定すると共に、CD50の第1のIP層候補値として、MFP10のIP層成功値(即ち、「Static」、「192.168.0.2」、「255.255.255.0」)を決定してもよい。
また、第2の変形例では、S56Aにおいて、CPU32は、MFP10のIP層成功値に含まれるIPアドレス「192.168.0.2」及びサブネットマスク「255.255.255.0」を用いて、ネットワークアドレス「192.168.0」を算出すると、当該ネットワークアドレスを含む2個のIPアドレス(例えば、「192.168.0.5」、「192.168.0.6」)を決定してもよい。当該2個のIPアドレスのそれぞれは、MFP10のIP層成功値に含まれるIPアドレスとは異なる値を有する。そして、S56Bにおいて、CPU32は、MFP10の第1のIP層候補値として、「Static」と、上記の2個のIPアドレスのうちの一方のIPアドレス「192.168.0.5」と、サブネットマスク「255.255.255.0」と、を決定すると共に、CD50の第1のIP層候補値として、「Static」と、上記の2個のIPアドレスのうちの他方のIPアドレス「192.168.0.6」と、サブネットマスク「255.255.255.0」と、を決定してもよい。
本実施例の手法でも、上記の第1及び第2の変形例の手法でも、CPU32は、同一のネットワークアドレスを有する2個のIPアドレスを準備することができる。そして、CPU32は、上記の2個のIPアドレスのうちの一方のIPアドレスを含むMFP10のIP層候補値を決定すると共に、上記の2個のIPアドレスのうちの他方のIPアドレスを含むCD50のIP層候補値を決定することができる。なお、上記の第1及び第2の変形例の手法は、IPアドレス及びサブネットマスクからネットワークアドレスを算出して、他のIPアドレスを決定するための後述の各処理(例えば、図4のS58A,58B、図5の62B,62C,64B,64C)にも同様に適用することができる。
一方において、CPU32は、MFP10のIP層成功値がメモリ34に記憶されておらず、かつ、CD50のIP層成功値がCD50から受信した特定情報に含まれていない場合には、S56でNOと判断して、S58に進む。また、CPU32は、MFP10のIP層成功値がメモリ34に記憶されておらず、かつ、CD50のIP層成功値が「Static」を示す場合には、S56でNOと判断して、S58に進む。
S58では、CPU32は、MFP10のIP層成功値がメモリ34に記憶されていない状況において、CD50のIP層成功値が「Static」を示すのか否かを判断する。CPU32は、上記の状況において、CD50のIP層成功値が「Static」を示すと判断する場合(S58でYES)には、S58Aに進む。
S58Aでは、CPU32は、CD50のIP層成功値を用いて、アドレス情報を生成する。S58Aの処理は、CD50のIP層成功値に含まれるIPアドレス及びサブネットマスクが利用される点を除くと、S56Aと同様である。
次いで、S58Bでは、CPU32は、MFP10の第1のIP層候補値として、「Static」と、S58Aで生成されたアドレス情報と、を決定すると共に、CD50の第1のIP層候補値として、CD50のIP層成功値を決定する。S58Bが終了すると、図5のS60に進む。
一方において、CPU32は、MFP10のIP層成功値がメモリ34に記憶されておらず、かつ、CD50のIP層成功値がCD50から受信した特定情報に含まれない場合には、S58でNOと判断して、図5のS60に進む。この場合、MFP10の第1のIP層候補値と、CD50の第1のIP層候補値と、は決定されない。
(IP層候補決定処理;図5(図4の続き))
図4に続く図5のS60では、CPU32は、図4のS54Aの処理(即ち、MFP10の第1のIP層候補値=Auto、CD50の第1のIP層候補値=Auto)が実行されたのか否かを判断する。CPU32は、S54Aの処理が実行されたと判断する場合(S60でYES)には、S60AをスキップしてS62に進み、S54Aの処理が実行されなかったと判断する場合(S60でNO)には、S60Aに進む。
S60Aでは、CPU32は、図4のS54Aと同様の処理を実行する。即ち、CPU32は、MFP10の第2のIP層候補値として「Auto」を決定すると共に、CD50の第2のIP層候補値として「Auto」を決定する。S60Aが終了すると、S62に進む。
S62では、CPU32は、メモリ34内のMFP10のIP層現行値が「Static」を示すのか否かを判断する。CPU32は、MFP10のIP層現行値が「Static」を示すと判断する場合(S62でYES)には、S62Aに進み、MFP10のIP層現行値が「Auto」を示すと判断する場合(S62でNO)には、S62A〜S62CをスキップしてS64に進む。
S62Aでは、CPU32は、まず、MFP10のIP層現行値に含まれるIPアドレス及びサブネットマスクを用いて、MFP10のネットワークアドレスを算出する。さらに、CPU32は、図2のS16でCD50から受信した特定情報に含まれるCD50のIP層現行値が「Static」を示す場合には、CD50のIP層現行値に含まれるIPアドレス及びサブネットマスクを用いて、CD50のネットワークアドレスを算出する。そして、CPU32は、MFP10のネットワークアドレスとCD50のネットワークアドレスとが一致するのか否かを判断する。
CPU32は、MFP10のネットワークアドレスとCD50のネットワークアドレスとが一致すると判断する場合(S62AでYESの場合)には、S62B及びS62CをスキップしてS64に進み、MFP10のネットワークアドレスとCD50のネットワークアドレスとが一致しないと判断する場合(S62AでNOの場合)には、S62Bに進む。なお、CPU32は、CD50のIP層現行値が「Auto」を示す場合には、S62AでNOと判断して、S62Bに進む。
S62Bでは、CPU32は、MFP10のIP層現行値を用いて、アドレス情報を生成する。S62Bの処理は、MFP10のIP層現行値に含まれるIPアドレス及びサブネットマスクが利用される点を除くと、図4のS56A、S58Aと同様である。
次いで、S62Cでは、CPU32は、MFP10の第3のIP層候補値として、MFP10のIP層現行値を決定すると共に、CD50の第3のIP層候補値として、「Static」と、S62Bで生成されたアドレス情報と、を決定する。S62Cが終了すると、S64に進む。
S64では、CPU32は、CD50のIP層現行値が「Static」を示すのか否かを判断する。CPU32は、CD50のIP層現行値が「Static」を示すと判断する場合(S64でYES)には、S64Aに進み、CD50のIP層現行値が「Auto」を示すと判断する場合(S64でNO)には、S64A〜S64CをスキップしてIP層候補決定処理を終了する。
S64Aでは、CPU32は、S62Aと同様の処理を実行する。即ち、CPU32は、MFP10のネットワークアドレスとCD50のネットワークアドレスとが一致するのか否かを判断する。CPU32は、MFP10のネットワークアドレスとCD50のネットワークアドレスとが一致すると判断する場合(S64AでYESの場合)には、S64B及びS64CをスキップしてIP層候補決定処理を終了し、MFP10のネットワークアドレスとCD50のネットワークアドレスとが一致しないと判断する場合(S64AでNOの場合)には、S64Bに進む。なお、CPU32は、MFP10のIP層現行値が「Auto」を示す場合には、S64AでNOと判断して、S64Bに進む。
S64Bでは、CPU32は、CD50のIP層現行値を用いて、アドレス情報を生成する。S64Bの処理は、CD50のIP層現行値に含まれるIPアドレス及びサブネットマスクが利用される点を除くと、図4のS56A、58A、図5のS62Bと同様である。
次いで、S64Cでは、CPU32は、MFP10の第4のIP層候補値として、「Static」と、S64Bで生成されたアドレス情報と、を決定すると共に、CD50の第4のIP層候補値として、CD50のIP層現行値を決定する。S64Cが終了すると、IP層候補決定処理が終了する。
上述したように、図4及び図5のIP層候補決定処理が実行されると、図4のS52A、S54A、S56B、S58Bのいずれかにおいて、1組のIP層候補値(即ち、MFP10の第1のIP層候補値、CD50の第1のIP層候補値)が決定され得る。また、図5のS60A、S62C、S64Cのそれぞれにおいて、1組のIP層候補値が決定され得る。従って、最大で4組のIP層候補値が決定される。
(図2のS70以降の処理)
CPU32は、図2のS50のIP層候補決定処理(図4、図5)が終了すると、S70に進む。S70では、CPU32は、まず、1個以上の候補設定を決定する。上述したように、S30のリンク層決定処理(図3参照)では、最大で2個のリンク層候補値が決定される。また、S50のIP層決定処理(図4、図5参照)では、最大で4組のIP層候補値が決定される。CPU32は、1個のリンク層候補値と1組のIP層候補値との組み合わせを特定することによって、1個の候補設定を決定する。従って、CPU32は、2個のリンク層候補値が存在し、かつ、4組のIP層候補値が存在する場合には、8個の候補設定を決定する。S70では、さらに、CPU32は、決定済みの1個以上の候補設定の中から1個の候補設定を選択する。
上述したように、図2のS16において、MFP10及びCD50の間に初期設定に従ったアドホック接続が確立されている。S72では、CPU32は、アドホック接続を利用して、S70で選択された1個の候補設定に含まれるCDの候補設定(即ち、リンク層候補値+CD50のIP層候補値)をCD50に送信する。詳しくは後述するが、S72でCD50の候補設定がMFP10からCD50に送信されると、CD50は、初期設定に代えて、CD50の候補設定を一時的に利用する(図6のS172)。
次いで、S74では、CPU32は、初期設定に代えて、S70で選択された1個の候補設定に含まれるMFP10の候補設定(即ち、リンク層候補値+MFP10のIP層候補値)を一時的に利用して、リンク層の通信及びIP層の通信を試行する。なお、ここでMFP10の候補設定が利用されても、メモリ34内のMFP10の現行設定は、消去されずに維持される。CPU32は、MFP10の候補設定を利用して、CD50と通信可能であるのか否かを判断する。より具体的に言うと、CPU32は、以下の処理を実行する。
MFP10の候補設定に含まれるIP層候補値が「Static」を示す場合には、CPU32は、当該IP層候補値に含まれるIPアドレス及びサブネットマスクを、MFP10のIPアドレス及びサブネットマスクとして一時的に利用して、IP層の通信を試行する。また、MFP10の候補設定に含まれるIP層候補値が「Auto」を示す場合には、CPU32は、IPアドレス割り当てサーバ(例えばAP100)から取得されるIPアドレス及びサブネットマスク(もしくはAPIPAのIPアドレス及びサブネットマスク)を、MFP10のIPアドレス及びサブネットマスクとして一時的に利用して、IP層の通信を試行する。
CPU32がMFP10の候補設定に含まれるリンク層候補値を利用すると、MFP10と他の機器(例えば、AP100、CD50)との間に無線接続が確立され得る。MFP10と他の機器との間に無線接続が確立されるということは、MFP10と当該他の機器との間でリンク層の通信を実行可能であることを意味する。例えば、MFP10の候補設定に含まれるリンク層候補値に一致するリンク層設定値がAP100に設定されている場合には、MFP10及びAP100の間に接続(以下では「インフラ接続」と呼ぶ)が確立され得る。また、例えば、MFP10の候補設定に含まれるリンク層候補値がリンク層初期値に一致する場合には、MFP10及びCD50の間にアドホック接続が確立され得る。
CPU32は、MFP10の候補設定を利用することに起因して、MFP10と他の機器との間に接続が確立される場合には、当該接続を利用して、確認信号をCD50に送信することを試行する。ここで、確認信号の送信元IPアドレスは、上記の一時的に利用されるMFP10のIPアドレスである。また、S72で送信されたCD50の候補設定に含まれるIP層候補値が「Static」を示す場合には、確認信号の送信先IPアドレスは、当該IP層候補値に含まれるIPアドレスである。即ち、この場合、CPU32は、確認信号をユニキャストする。一方において、S72で送信されたCD50の候補設定に含まれるIP層候補値が「Auto」を示す場合には、CPU32は、CD50に設定されるべきIPアドレスを知らないので、メモリ34に予め記憶されているCD50のデバイスIDを含む確認信号をブロードキャストする。
CPU32は、CD50から応答信号を受信しない場合には、S74でNOと判断してS76に進む。また、CPU32は、MFP10の候補設定を利用して、MFP10と他の機器との間に接続が確立されなかった場合には、確認信号の送信を試行することなく、S74でNOと判断してS76に進む。
S76では、CPU32は、S70で決定された1個以上の候補設定の全てが選択済みであるのか否かを判断する。CPU32は、1個以上の候補設定の全てが選択済みであると判断する場合(S76でYES)には、S42及びS44を実行して、MFP10の修復処理を終了する。一方において、CPU32は、1個以上の候補設定の全てが選択済みでないと判断する場合(S76でNO)には、S70に戻る。これにより、CPU32は、1個以上の候補設定の中から、未だに選択されていない1個の候補設定を選択し、S72以降の処理を再び実行する。従って、CPU32は、S70で複数個の候補設定が決定される場合には、複数個の候補設定に含まれるCD50の各候補設定をCD50に順次供給することができる。
一方において、CPU32は、CD50から確認信号に対する応答信号を受信する場合には、S74でYESと判断してS80に進む。CD50から応答信号を受信するということは、MFP10とCD50との間でIP層の通信を実行可能であることを意味する。S80では、CPU32は、MFP10と他の機器との間に現在確立されている接続を利用して(即ち、MFP10の候補設定を利用して)、確定通知をCD50に送信する。当該確定通知は、CD50の新たな現行設定としてCD50の候補設定(即ち、CD50で最後に受信された候補設定)を利用すべきことを、CD50に指示するための通知である。
次いで、S82では、CPU32は、メモリ34内のMFP10の現行設定を消去して、MFP10の新たな現行設定として、S70で選択されたMFP10の候補設定(即ち、最後に選択されたMFP10の候補設定)をメモリ34に記憶させる。S82が終了すると、MFP10の修復処理が終了する。
詳しくは後述するが、CD50は、S80でMFP10から送信される確定通知を受信すると、メモリ74内のCD50の現行設定を消去して、CD50の新たな現行設定として、CD50の候補設定をメモリ74に記憶させる(S182)。これにより、MFP10及びCD50のそれぞれが、新たな現行設定として、候補設定を利用する状態になる。そして、当該候補設定を利用した通信を実行可能であることは、図2のS74で確認されている。このために、MFP10及びCD50は、新たな現行設定(即ち候補設定)を利用して、AP100を介して又はAP100を介さずに、FAXデータの無線通信を実行することができる。
(CD50の修復処理;図6)
続いて、図6を参照して、CD50のCPU72が実行する修復処理について説明する。上述したように、ユーザは、MFP10の修復ボタンを操作し、さらに、CD50の修復ボタンを操作する。これにより、CD50のCPU72は、S110でYESと判断して、S112以降の各処理を実行する。
CPU72は、無線LANI/F60をリセット(即ち再起動)する。これにより、無線LANI/F60のチップの状態が不安定な状態から解消され得る。そして、CPU72は、CD50の現行設定に含まれるリンク層現行値を利用して、他のデバイス(例えば、AP100、MFP10)とリンク層の接続を確立することを試行する。ここで、リンク層の接続が確立される場合には、CD50のリンク状態がリンクダウン状態からリンクアップ状態になる。
次いで、S114では、CPU72は、CD50の現在のリンク状態(即ち、リンクアップ状態又はリンクダウン状態)を示すリンク情報を、メモリ74に記憶させる。
続いて、S116では、CPU72は、メモリ74内のCD50の現行設定に代えて、メモリ74内の初期設定を一時的に利用する。ただし、メモリ74内のCD50の現行設定は、消去されずに維持される。そして、CPU72は、APIPAに従ってIPアドレス及びサブネットマスクを取得する。
上述したように、MFP10の修復ボタンが操作されると、MFP10は、初期設定を一時的に利用する(図2のS16)。これにより、通常、MFP10及びCD50の間にアドホック接続が確立される。CPU72は、アドホック接続が確立される場合には、アドホック接続(即ち初期設定)を利用して、メモリ74内のCD50のリンク情報と、メモリ74内のCD50の現行設定と、を少なくとも含む特定情報を、MFP10に送信する。メモリ74にCD50の成功設定が記憶されている場合には、特定情報は、さらに、メモリ74内のCD50の成功設定を含む。
CPU72は、特定情報をMFP10に送信した場合には、S116でYESと判断して、S142に進む。一方において、CPU72は、所定時間が経過しても、アドホック接続が確立されない場合には、S116でNOと判断して、CD50の修復処理を終了する。例えば、CD50の修復ボタンが操作されたが、MFP10の修復ボタンが操作されなかった場合には、S116でNOと判断され得る。
S142では、CPU72は、アドホック接続を利用して、MFP10から確定通知を受信するのか否かを判断する。上述したように、図2のS42において、MFP10は、アドホック接続を利用して、確定通知をMFP10に送信し得る。CD50のCPU72は、MFP10から確定通知を受信する場合には、S142でYESと判断してS144に進み、MFP10から確定通知を受信しない場合には、S142でNOと判断してS172に進む。
S144では、CPU72は、メモリ74内のCD50の現行設定を消去して、CD50の新たな現行設定として、初期設定と、APIPAのIPアドレス(S116参照)と、APIPAのサブネットマスク(S116参照)と、をメモリ74に記憶させる。CPU72は、S144が終了すると、CD50の修復処理を終了する。
S172では、CPU72は、アドホック接続を利用して、MFP10からCD50の候補設定を受信するのか否かを判断する。上述したように、図2のS72において、MFP10は、アドホック接続を利用して、CD50の候補設定をCD50に送信する。CPU72は、MFP10からCD50の候補設定を受信する場合には、S172でYESと判断してS180に進み、MFP10からCD50の候補設定を受信しない場合には、S172でNOと判断してS142に戻る。
S180では、CPU72は、初期設定に代えて、S172で受信されたCD50の候補設定(即ち、リンク層候補値+CD50のIP層候補値)を一時的に利用する。なお、ここでCD50の候補設定が利用されても、メモリ74内のCD50の現行設定は、消去されずに維持される。
CD50の候補設定に含まれるIP層候補値が「Static」を示す場合には、CPU72は、当該IP層候補値に含まれるIPアドレス及びサブネットマスクを、CD50のIPアドレス及びサブネットマスクとして一時的に利用して、IP層の通信を試行する。また、CD50の候補設定に含まれるIP層候補値が「Auto」を示す場合には、CPU72は、IPアドレス割り当てサーバ(例えばAP100)から取得されるIPアドレス及びサブネットマスク(もしくはAPIPAのIPアドレス及びサブネットマスク)を、CD50のIPアドレス及びサブネットマスクとして一時的に利用して、IP層の通信を試行する。
上述したように、図2のS74において、MFP10は、確認信号をCD50に送信することを試行する。図6では図示省略しているが、CPU72は、CD50のIPアドレスが送信先IPアドレスとして指定されているユニキャストの確認信号、又は、CD50のデバイスIDを含むブロードキャストの確認信号を受信すると、確認信号に対する応答信号をMFP10に送信する。この結果、図2のS80において、MFP10は、確定通知をCD50に送信する。
CPU72は、MFP10から確定通知を受信する場合には、S180でYESと判断してS182に進み、所定時間を経過してもMFP10から確定通知を受信しない場合には、S180でNOと判断してS142に戻る。S142では、CPU72は、CD50の候補設定に代えて、初期設定を再び利用する。そして、CPU72は、アドホック接続(即ち初期設定)を利用して、MFP10から確定通知又はCD50の候補設定を受信することを再び監視する(S142、S172)。
S182では、CPU72は、メモリ74内のCD50の現行設定を消去して、CD50の新たな現行設定として、S172で最後に受信されたCD50の候補設定をメモリ74に記憶させる。S182が終了すると、CD50の修復処理が終了する。
(MFP10及びCD50の動作の一例;図7)
続いて、図7を参照して、図2〜図6の各処理によって実現されるMFP10及びCD50の動作の一例を説明する。図7のシーケンスが実行される前の段階では、MFP10及びCD50は、AP100によって形成されている無線LANに参加しており、AP100を介してFAXデータの無線通信を実行可能であった。ただし、何らかの原因で、MFP10及びCD50の間でFAXデータの無線通信を実行することができなくなったので、ユーザは、MFP10及びCD50のそれぞれの修復ボタンを操作する(図2のS10でYES、図6のS110でYES)。
MFP10及びCD50のそれぞれは、無線LANI/F20,60をリセットする(図2のS12、図6のS112)。MFP10及びCD50のそれぞれのリンク状態は、リンクアップ状態である。次いで、MFP10及びCD50のそれぞれは、初期設定を利用する(図2のS16、図6のS116)。これにより、MFP10及びCD50の間にアドホック接続が確立される。
CD50は、アドホック接続を利用して、リンクアップ状態を示すリンク情報と、CD50のIP層成功値と、CD50のリンク層現行値と、CD50のIP層現行値と、を含む特定情報を、MFP10に送信する(図6のS116)。
MFP10は、アドホック接続を利用して、CD50から特定情報を受信すると(図2のS16でYES)、リンク層候補決定処理(S30)と、IP層候補決定処理(S50)と、を実行する。本ケースでは、リンク層候補決定処理(S30)において、AP100に設定されているリンク層設定値に一致する1個のリンク層候補値のみが決定される。また、IP層候補決定処理において、例えば、図4のS52A及び図5のS60Aが実行されて、2組のIP層候補値が決定される。
従って、MFP10は、1個のリンク層候補値と、2組のIP層候補値と、を組み合わせて、2個の候補設定を決定する(S70)。そして、MFP10は、2個の候補設定のうちの第1の候補設定を選択する(S70)。
次いで、MFP10は、アドホック接続を利用して、第1の候補設定に含まれるCD50の候補設定200をCD50に送信する(S72)。続いて、MFP10は、初期設定に代えて、第1の候補設定に含まれるMFP10の候補設定210を利用する(S74)。この結果、MFP10及びAP100の間にインフラ接続が確立される。
また、CD50は、アドホック接続を利用して、MFP10からCD50の候補設定2
00を受信すると(図6のS172でYES)、初期設定に代えて、CD50の候補設定200を利用する(S180)。この結果、CD50及びAP100の間にインフラ接続が確立される。即ち、MFP10及びCD50で同じリンク層の設定(即ち、AP100に設定されているリンク層設定値に一致するリンク層候補値)が利用されるので、MFP10及びCD50の双方がAP100とインフラ接続を確立することができる。
MFP10は、インフラ接続を利用して(即ちMFP10の候補設定210を利用して)、AP100を介して、確認信号をCD50に送信することを試行する(図2のS74)。ただし、本ケースでは、例えば、MFP10及びCD50で利用されるネットワークアドレスと、AP100で利用されるネットワークアドレスと、が異なる。換言すると、MFP10及びAP100のIP層の設定が整合しない。このために、AP100は、MFP10から確認信号を受信しても、当該確認信号をCD50に送信しない。
従って、MFP10は、CD50から応答信号を受信しないと判断し(S74でNO)、上記の2個の候補設定のうちの第2の候補設定を選択する(S70)。そして、MFP10は、MFP10の候補設定210に代えて、初期設定を利用する(S72)。これにより、MFP10及びAP100の間のインフラ接続が切断されて、MFP10は、アドホック接続の確立を試行する。
また、CD50は、MFP10から確定通知を受信しないと判断し(図6のS180でNO)、CD50の候補設定200に代えて、初期設定を利用する(S142)。この結果、CD50及びAP100の間のインフラ接続が切断されて、CD50は、アドホック接続の確立を試行する。そして、MFP10及びCD50の間にアドホック接続が再び確立される。
次いで、MFP10は、アドホック接続を利用して、第2の候補設定に含まれるCD50の候補設定220をCD50に送信する(S72)。続いて、MFP10は、初期設定に代えて、第2の候補設定に含まれるMFP10の候補設定230を利用する(S74)。この結果、MFP10及びAP100の間にインフラ接続が再び確立される。
また、CD50は、アドホック接続を利用して、MFP10からCD50の候補設定2
20を受信すると(図6のS172でYES)、初期設定に代えて、CD50の候補設定220を利用する(S180)。この結果、CD50及びAP100の間にインフラ接続が再び確立される。
MFP10は、インフラ接続を利用して(即ちMFP10の候補設定230を利用して)、AP100を介して、確認信号をCD50に送信することを試行する(図2のS74)。本ケースでは、MFP10及びAP100のIP層の設定が整合するので、確認信号は、AP100を介して、CD50に送信される。このために、MFP10は、CD50から、AP100を介して、応答信号を受信する(S74でYES)。
次いで、MFP10は、AP100を介して、確定通知をCD50に送信する(S80)。そして、MFP10は、メモリ34内のMFP10の現行設定を消去して、MFP10の新たな現行設定として、MFP10の候補設定230をメモリ34に記憶させる(S82)。
また、CD50は、MFP10から、AP100を介して、確定通知を受信する(図6のS180でYES)。この場合、CD50は、メモリ74内のCD50の現行設定を消去して、CD50の新たな現行設定として、CD50の候補設定220をメモリ74に記憶させる(S182)。
以上の各動作が実行されると、MFP10及びCD50がAP100を介した無線通信を実行不可能な状態(以下では「通信不可能状態」と呼ぶ)から、MFP10及びCD50がAP100を介した無線通信を実行可能な状態(以下では「通信可能状態」と呼ぶ)に、自動的に修復される。即ち、ユーザは、様々な値(例えば、認証方式、暗号化方式、パスワード、IPアドレス等)をMFP10及びCD50に入力しなくても、MFP10及びCD50のそれぞれの修復ボタンを操作すれば、通常不可能状態から通信可能状態に容易に修復することができる。
(具体的なケース)
続いて、図8〜図15を参照して、MFP10及びCD50のそれぞれの修復ボタンが操作される場合に実現される具体的なケースA〜ケースHについて説明する。図8〜図15において、「成功値」の欄は、MFP10及びCD50の間でAP100を介したFAXデータの通信が過去に成功した際に、MFP10、CD50、AP100のそれぞれに設定されていた通信設定を示す。即ち、「成功値」のうちの「MFP」、「CD」の欄は、それぞれ、MFP10の成功設定(即ちMFP10のIP層成功値)、CD50の成功設定(即ちCD50のIP層成功値)を示す。
また、「現行値」の欄は、MFP10及びCD50のそれぞれの修復ボタンが操作された際に、MFP10、CD50、AP100のそれぞれに設定されていた通信設定を示す。即ち、「現行値」のうちの「MFP」の欄、「現行値」のうちの「CD」の欄は、それぞれ、MFP10の現行設定(即ちMFP10のリンク層現行値及びIP層現行値)、CD50の現行設定(即ちCD50のリンク層現行値及びIP層現行値)を示す。なお、「現行値」の欄のうちの塗りつぶしの部分は、「成功値」の欄のうちの対応する部分の値とは異なる値を有する部分である。
また、図8〜図15において、「IP数値範囲」は、AP100のDHCP機能がON状態である場合に、AP100が割り当て可能なIPアドレスの数値範囲を示す。即ち、「IP数値範囲」の欄にIPアドレスの数値範囲が記述されている場合には、AP100のDHCP機能がON状態であることを意味する。また、以下では、特に明示されない限り、AP100のルータ機能がON状態である状況を想定している。
(ケースA;図8)
ケースAでは、ユーザが、AP100に設けられている再起動ボタンを操作して、AP100を再起動させる状況を想定している。AP100は、再起動を実行すると、予め決められているデフォルトの通信設定を利用する。この結果、AP100は、AP100のパスワードを「XXXXX」からデフォルトの「ZZZZZ」に変更する。これにより、MFP10及びCD50のIP層現行値に含まれるパスワード「XXXXX」が、再起動後のAP100のパスワード「ZZZZZ」に一致しなくなる。
従って、MFP10及びCD50のそれぞれは、AP100とインフラ接続を確立することができず、リンクダウン状態になる。また、MFP10及びCD50は、DHCPサーバとして機能しているAP100からIPアドレス及びサブネットマスクを取得することができなくなる。このように、AP100が再起動されると、通信可能状態から通信不可能状態に変化する。
MFP10及びCD50のそれぞれは、リンクダウン状態を示すリンク情報をメモリ34,74に記憶させる(図2のS14、図6のS114)。次いで、MFP10は、アドホック接続(即ち初期設定)を利用して、リンクダウン状態を示すリンク情報と、CD50のIP層成功値(Auto)と、CD50のリンク層現行値(Infra、WPA、TKIP、XXXXX)と、CD50のIP層現行値(Auto)と、を含む特定情報を、CD50から受信する(図2のS16、図6のS116)。
次いで、MFP10は、リンク層候補決定処理を実行して(図2のS30)、MFP10のリンク情報がリンクダウン状態を示し、かつ、CD50のリンク情報がリンクダウン状態を示すと判断する(図3のS31でYES、エラーEND)。そして、MFP10は、アドホック接続を利用して、確定通知をCD50に送信する(図2のS40でYES、S42)。この結果、MFP10及びCD50のそれぞれは、新たな現行設定として、初期設定を利用する(図2のS44、図6のS144)。
上述したように、ケースAによると、AP100の再起動が実行されることに起因して、通信可能状態から通信不可能状態に変化する場合に、MFP10及びCD50は、新たな現行設定として、初期設定を利用することができる。この結果、MFP10及びCD50は、アドホック接続を利用して、AP100を介さずに、FAXデータの無線通信を実行することができる。
(ケースB;図9)
ケースBでは、ユーザが、例えば、図示省略のPCを利用して、AP100のパスワードを「XXXXX」から「YYYYY」に変更する状況を想定している。そして、ユーザは、MFP10の操作部12を操作して、MFP10のパスワードを「XXXXX」から「YYYYY」に変更するが、CD50の操作部を操作して、CD50のパスワードを変更しない。これにより、CD50のパスワード「XXXXX」が、AP100の変更後のパスワード「YYYYY」に一致しなくなる。
従って、CD50は、AP100とインフラ接続を確立することができず、リンクダウン状態になる。また、CD50は、DHCPサーバとして機能しているAP100からIPアドレス及びサブネットマスクを取得することができなくなる。このように、MFP10及びAP100のそれぞれのパスワードが変更されるが、CD50のパスワードが変更されないと、通信可能状態から通信不可能状態に変化する。
MFP10は、リンクアップ状態を示すリンク情報をメモリ34に記憶させ(図2のS14)、CD50は、リンクダウン状態を示すリンク情報をメモリ34に記憶させる(図6のS114)。次いで、MFP10は、アドホック接続(即ち初期設定)を利用して、リンクダウン状態を示すリンク情報と、CD50のIP層成功値(Auto)と、CD50のリンク層現行値(Infra、WPA、TKIP、XXXXX)と、CD50のIP層現行値(Auto)と、を含む特定情報を、CD50から受信する(図2のS16、図6のS116)。
次いで、MFP10は、リンク層候補決定処理を実行して(図2のS30)、MFP10のリンク情報がリンクアップ状態を示し、かつ、CD50のリンク情報がリンクダウン状態を示すと判断する(図3のS34でYES)。このために、MFP10は、MFP10のリンク層現行値(Infra、WPA、TKIP、YYYYY)を、リンク層候補値として決定する(S37)。即ち、1個のリンク層候補値のみが決定される。
次いで、MFP10は、IP層候補決定処理を実行して(図2のS50)、MFP10のIP層成功値及びCD50のIP層成功値のうちの少なくとも一方が「Auto」を示すと判断する(図4のS54でYES)。このために、MFP10は、MFP10のIP層候補値として「Auto」を決定すると共に、CD50のIP層候補値として「Auto」を決定する(S54A)。MFP10は、S54Aを実行したので、図5のS60でYESと判断し、S60Aを実行しない。また、MFP10は、MFP10及びCD50のそれぞれのIP層現行値が「Auto」を示すので、S62及びS64でNOと判断し、S62C及びS64Cを実行しない。即ち、1組のIP層候補値(即ち、MFP10のIP層候補値=Auto、CD50のIP層候補値=Auto)のみが決定される。
MFP10は、1個のリンク層候補値と1組のIP層候補値とを組み合わせて、1個の候補設定(図9の第1の候補参照)のみを決定する(図2のS70)。そして、MFP10は、アドホック接続を利用して、第1の候補に含まれるCD50の候補設定(Infra、WPA、TKIP、YYYYY、Auto)をCD50に送信する(S72)。
次いで、MFP10は、第1の候補に含まれるMFP10の候補設定(Infra、WPA、TKIP、YYYYY、Auto)を利用する(図2のS74)。MFP10の候補設定に含まれるリンク層候補値(Infra、WPA、TKIP、YYYYY)は、AP100に現在設定されているリンク層設定値に一致するので、MFP10及びAP100の間にインフラ接続が確立される。また、MFP10は、DHCPサーバとして機能するAP100から、MFP10のIPアドレス及びサブネットマスクを取得する。
一方において、CD50は、MFP10から第1の候補に含まれるCD50の候補設定を受信すると(図6のS172でYES)、CD50の候補設定を利用する(図6のS180)。CD50の候補設定に含まれるリンク層候補値(Infra、WPA、TKIP、YYYYY)は、AP100に現在設定されているリンク層設定値に一致するので、CD50及びAP100の間にインフラ接続が確立される。また、CD50は、DHCPサーバとして機能するAP100から、CD50のIPアドレス及びサブネットマスクを取得する。
従って、MFP10及びCD50は、AP100を介して、確認信号及び応答信号を通信することができ(図2のS74でYES)、この結果、AP100を介して、確定通知の通信を実行する(図2のS80、図6のS180でYES)。これにより、MFP10は、新たな現行設定として、第1の候補に含まれるMFP10の候補設定を利用する(図2のS182)。また、CD50は、新たな現行設定として、第1の候補に含まれるCD50の候補設定を利用する(図6のS182)。
上述したように、本ケースでは、MFP10及びAP100のパスワードが変更されたことに起因して、通信可能状態から通信不可能状態に変化する場合に、MFP10は、AP100とインフラ接続を確立することが不可能なCD50の現行設定を、AP100とインフラ接続を確立することが可能な新たな現行設定に、自動的に変更することができる。このために、MFP10及びCD50は、通信不可能状態から通信可能状態に自動的に復帰することができる。
(ケースC;図10)
ケースCでは、ユーザが、MFP10の設定リセットボタンを操作する状況を想定している。ただし、ユーザは、CD50の設定リセットボタンを操作しない。MFP10の設定リセットボタンが操作されると、MFP10は、メモリ34内の現行設定を消去して、新たな現行設定として、初期設定を利用する。このために、MFP10のリンク層現行値は、「Adhoc」、「Open」、及び、「None」を含む。従って、MFP10は、AP100とインフラ接続を確立することができない。このように、MFP10の設定リセットボタンが操作されると、通信可能状態から通信不可能状態に変化する。なお、本実施例では、MFP10のモードが「Adhoc」である状況では、MFP10と他の通信機器との間にアドホック接続が確立されているのか否かに関わらず、MFP10のリンク状態は、リンクアップ状態である。
MFP10は、リンク層候補決定処理を実行して(図2のS30)、MFP10のリンク情報がリンクアップ状態を示し、かつ、CD50のリンク情報がリンクアップ状態を示すと判断する(図3のS32でYES)。そして、MFP10は、MFP10のリンク層現行値(Adhoc、Open、None)と、CD50のリンク層現行値(Infra、WPA、TKIP、XXXXX)と、が一致しないと判断する(S33でNO)。このために、MFP10は、MFP10及びCD50のそれぞれのリンク層現行値をリンク層候補値として決定する(S36)。即ち、2個のリンク層候補値が決定される。
図9のケースBと同様に、MFP10は、IP層候補決定処理を実行して(図2のS50)、MFP10のIP層候補値として「Auto」を決定すると共に、CD50のIP層候補値として「Auto」を決定する(S54A)。即ち、1組のIP層候補値(即ち、MFP10=Auto、CD50=Auto)のみが決定される。
MFP10は、2個のリンク層候補値と1組のIP層候補値とを組み合わせて、2個の候補設定(図10の第1及び第2の候補参照)を決定する(図2のS70)。そして、MFP10は、第1及び第2の候補のうちの第1の候補を選択し(S70)、アドホック接続を利用して、第1の候補に含まれるCD50の候補設定(Infra、WPA、TKIP、XXXXX、Auto)をCD50に送信する(S72)。
なお、図2のS70の説明では記載を省略したが、S70では、MFP10(即ちCPU32)は、「Infra」を示す候補設定(例えば図10の第1の候補)と、「Adhoc」を示す候補設定(例えば図10の第2の候補)と、が存在する場合には、「Infra」を示す候補設定を優先的に選択する。MFP10及びCD50のそれぞれを初期設定に戻すのは最終的な手段であり、MFP10及びCD50のそれぞれをAP100に接続することを優先したいからである。
次いで、MFP10は、第1の候補に含まれるMFP10の候補設定(Infra、WPA、TKIP、XXXXX、Auto)を利用する(図2のS74)。また、CD50は、第1の候補に含まれるCD50の候補設定を利用する(図6のS180)。これにより、MFP10及びCD50は、AP100を介して、確認信号等を通信することができる(図2のS74でYES、S80、図6のS180でYES)。従って、MFP10は、新たな現行設定として、第1の候補に含まれるMFP10の候補設定を利用することを決定する(図2のS82)。また、CD50は、新たな現行設定として、第1の候補に含まれるCD50の候補設定を利用することを決定する(図6のS182)。
上述したように、本ケースでは、MFP10の設定リセットボタンが操作されたことに起因して、通信可能状態から通信不可能状態に変化する場合に、MFP10は、AP100とインフラ接続を確立することが不可能なMFP10の現行設定を、AP100とインフラ接続を確立することが可能な新たな現行設定に、自動的に変更することができる。このために、MFP10及びCD50は、通信不可能状態から通信可能状態に自動的に復帰することができる。
(ケースD;図11)
ケースDでは、図10のケースCと同様に、ユーザが、MFP10の設定リセットボタンを操作する状況を想定している。ただし、ケースCでは、MFP10及びCD50のそれぞれのIP層成功値が「Auto」を示すが、本ケースでは、MFP10及びCD50のそれぞれのIP層成功値が「Static」を示す。
ケースCと同様に、MFP10は、リンク層候補決定処理を実行して(図2のS30)、MFP10及びCD50のそれぞれのリンク層現行値をリンク層候補値として決定する(図3のS36)。即ち、本ケースでも、2個のリンク層候補値が決定される。
MFP10の設定リセットボタンの操作に起因して、MFP10のIP層成功値が消去される。従って、MFP10は、IP層候補決定処理において、MFP10のIP層成功値が存在しない状況で、CD50のIP層成功値が「Static」を示すと判断する(図4のS58でYES)。このために、MFP10は、CD50のIP層成功値に含まれるIPアドレス「192.168.0.3」及びサブネットマスク「255.255.255.0」を用いて、アドレス情報を生成する(S58A)。
具体的に言うと、MFP10は、IPアドレス「192.168.0.3」及びサットマスク「255.255.255.0」を用いて、ネットワークアドレス「192.168.0」を算出する。そして、MFP10は、ネットワークアドレス「192.168.0」を含むIPアドレス「192.168.0.4」と、サブネットマスク「255.255.255.0」と、を含むアドレス情報を生成する。次いで、MFP10は、MFP10のIP層候補値として、「Static」と、生成済みのアドレス情報(「192.168.0.4」、「255.255.255.0」)と、を決定すると共に、CD50のIP層候補値として、CD50のIP層成功値(「Static」、「192.168.0.3」、「255.255.255.0」)を決定する(S58B)。
本ケースでは、MFP10は、図4のS54Aを実行しないので、図5のS60でNOと判断する。このために、MFP10は、さらに、MFP10のIP層候補値として「Auto」を決定すると共に、CD50のIP層候補値として「Auto」を決定する(S60A)。
また、MFP10は、MFP10のIP層現行値が「Auto」を示すので、S62でNOと判断し、S62Cを実行しない。また、MFP10は、CD50のIP層現行値が「Static」を示すので、S64でYESと判断する。そして、MFP10は、MFP10のIP層現行値が「Auto」を示すので、MFP10のIP層現行値のネットワークアドレスと、CD50のIP層現行値のネットワークアドレスと、が一致しないと判断し(S64AでNO)、S64B及びS64Cに進む。
ただし、本ケースでは、図4のS58Bで決定されるIP層候補値のネットワークアドレス「192.168.0」と、図5のS64Bでアドレス情報を生成する際に利用されるCD50のIP層現行値のネットワークアドレス「192.168.0」と、が一致する。従って、図4のS58Bで決定されるIP層候補値のネットワークアドレスと、図5のS64Cで決定されるIP層候補値のネットワークアドレスと、が一致する。このような状況では、一方のIP層候補値を利用して通信不可能状態が解消するのであれば、通常、他方のIP層候補値を利用しても通信不可能状態が解消する。従って、図4のS58Bで決定されるIP層候補値と、図5のS64Cで決定されるIP層候補値と、のそれぞれを、IP層候補値として採用する必要がないので、MFP10は、S64Cで決定されるIP層候補値を採用しない。このように、図4及び図5の説明では記載を省略したが、MFP10(即ちCPU32)は、先の処理で決定されるIP層候補値のネットワークアドレスと、後の処理で決定されるIP層候補値のネットワークアドレスと、が一致する場合には、後の処理で決定されるIP層候補値を採用しない。
本ケースでは、図4のS58Bで決定されるIP層候補値(MFP10=Static、CD50=Static)と、図5のS60Aで決定されるIP層候補値(MFP10=Auto、CD50=Auto)と、を含む2組のIP層候補値が決定される。
MFP10は、2個のリンク層候補値と2組のIP層候補値とを組み合わせて、4個の候補設定(図11の第1〜第4の候補参照)を決定する(図2のS70)。そして、MFP10は、第1〜第4の候補のうちの第1の候補を選択し(S70)、アドホック接続を利用して、第1の候補に含まれるCD50の候補設定(即ち、Infra、WPA、TKIP、XXXXX、Static、192.168.0.3等)をCD50に送信する(S72)。
なお、図2のS70では説明を省略したが、S70では、MFP10(即ちCPU32)は、複数組のIP層候補値を含む複数個の候補設定(例えば図11の第1及び第2の候補)が存在する場合には、複数個の候補設定のうち、図4及び図5の処理で早く決定されるIP層候補値を含む候補設定(例えば図11の第1の候補)を優先的に選択する。ただし、変形例では、MFP10は、複数個の候補設定のうち、図4及び図5の処理で遅く決定されるIP層候補値を含む候補設定(例えば図11の第2の候補)を優先的に選択してもよい。
次いで、MFP10は、第1の候補に含まれるMFP10の候補設定(即ち、Infra、WPA、TKIP、XXXXX、Static、192.168.0.4等)を利用する(図2のS74)。また、CD50は、第1の候補に含まれるCD50の候補設定(即ち、Infra、WPA、TKIP、XXXXX、Static、192.168.0.3等)を利用する(図6のS180)。これにより、MFP10及びCD50は、AP100を介して、確認信号等を通信することができる(図2のS74でYES、S80、図6のS180でYES)。従って、MFP10は、新たな現行設定として、第1の候補に含まれるMFP10の候補設定を利用する(図2のS82)。また、CD50は、新たな現行設定として、第1の候補に含まれるCD50の候補設定を利用する(図6のS182)。
上述したように、本ケースでは、MFP10の設定リセットボタンが操作されたことに起因して、通信可能状態から通信不可能状態に変化する場合に、MFP10は、AP100とインフラ接続を確立することが不可能なMFP10の現行設定を、AP100とインフラ接続を確立することが可能な新たな現行設定に、自動的に変更することができる。このために、MFP10及びCD50は、通信不可能状態から通信可能状態に自動的に復帰することができる。
(ケースE;図12)
ケースEでは、ユーザが、MFP10の操作部12を操作して、MFP10のIP設定手法を「Auto」から「Static」に変更し、さらに、IPアドレス「092.168.0.2」を新たに指定する状況を想定している。この場合、MFP10で利用されるネットワークアドレス「092.168.0」と、AP100及びCD50で利用されるネットワークアドレス「192.168.0」と、が一致しない。このために、通信可能状態から通信不可能状態に変化する。
MFP10は、リンク層候補決定処理において、MFP10のリンク層現行値(Infra、WPA、TKIP、XXXXX)、即ち、CD50のリンク層現行値を、リンク層候補値として決定する(図3のS35)。即ち、1個のリンク層候補値のみが決定される。
MFP10は、IP層候補決定処理において、MFP10のIP層成功値及びCD50のIP層成功値のうちの少なくとも一方が「Auto」を示すと判断する(図4のS54でYES)。このために、MFP10は、MFP10のIP層候補値として「Auto」を決定すると共に、CD50のIP層候補値として「Auto」を決定する(S54A)。MFP10は、S54Aを実行したので、図5のS60でYESと判断し、S60Aを実行しない。
また、MFP10は、MFP10のIP層現行値が「Static」を示すので、S62でYESと判断する。そして、MFP10は、CD50のIP層現行値が「Auto」を示すので、MFP10のIP層現行値のネットワークアドレスと、CD50のIP層現行値のネットワークアドレスと、が一致しないと判断する(S62AでNO)。このために、MFP10は、MFP10のIP層成功値に含まれるIPアドレス「092.168.0.3」及びサブネットマスク「255.255.255.0」を用いて、アドレス情報(「092.168.0.4」、「255.255.255.0」)を生成する(S62B)。次いで、MFP10は、MFP10のIP層候補値として、MFP10のIP層現行値(「Static」、「092.168.0.2」、「255.255.255.0」)を決定すると共に、CD50のIP層候補値として、「Static」と、生成済みのアドレス情報(「092.168.0.4」、「255.255.255.0」)と、を決定する(S62C)。
また、MFP10は、CD50のIP層現行値が「Auto」を示すので、S64でNOと判断し、S64Cを実行しない。本ケースでは、図4のS54Aで決定されるIP層候補値(MFP10=Auto、CD50=Auto)と、図5のS62Cで決定されるIP層候補値(MFP10=Static、CD50=Static)と、を含む2組のIP層候補値が決定される。
MFP10は、1個のリンク層候補値と2組のIP層候補値とを組み合わせて、2個の候補設定(図12の第1及び第2候補参照)を決定する(図2のS70)。そして、MFP10は、第1及び第2の候補のうちの第1の候補を選択し(S70)、アドホック接続を利用して、第1の候補に含まれるCD50の候補設定(Infra、WPA、TKIP、XXXXX、Auto)をCD50に送信する(S72)。
次いで、MFP10は、第1の候補に含まれるMFP10の候補設定(Infra、WPA、TKIP、XXXXX、Auto)を利用する(図2のS74)。また、CD50は、第1の候補に含まれるCD50の候補設定を利用する(図6のS180)。これにより、MFP10及びCD50は、AP100を介して、確認信号等を通信することができる(図2のS74でYES、S80、図6のS180でYES)。従って、MFP10は、新たな現行設定として、第1の候補に含まれるMFP10の候補設定を利用する(図2のS82)。また、CD50は、新たな現行設定として、第1の候補に含まれるCD50の候補設定を利用する(図6のS182)。
上述したように、本ケースでは、MFP10のIP設定手法が「Auto」から「Static」に変更されたことに起因して、通信可能状態から通信不可能状態に変化する場合に、MFP10は、CD50及びAP100のネットワークアドレスとは異なるネットワークアドレスを有するMFP10の現行設定を、CD50及びAP100のネットワークアドレスに一致するネットワークアドレスを有する新たな現行設定に、自動的に変更することができる(即ち、MFP10のIP設定手法が「Auto」から「Static」に変更される前のMFP10の現行設定に戻すことができる)。このために、MFP10及びCD50は、通信不可能状態から通信可能状態に自動的に復帰することができる。
(ケースF;図13)
ケースFでは、ユーザが、MFP10の操作部12を操作して、MFP10のIP設定手法を「Static」から「Auto」に変更する状況を想定している。本ケースでは、AP100のDHCP機能及びルータ機能が、それぞれ、OFF状態である。MFP10のIP設定手法が「Static」から「Auto」に変更されると、MFP10は、IPアドレス割り当てサーバからIPアドレス及びサブネットマスクを取得することを試行する。ただし、AP100のDHCP機能がOFF状態であるので、MFP10は、IPアドレス割り当てサーバからIPアドレス及びサブネットマスクを取得することができず、APIPAに従ってIPアドレス(例えば「169.254.0.1」)及びサブネットマスク(例えば「255.255.0.0」)を決定する。この場合、MFP10で利用されるネットワークアドレス「169.254」と、CD50で利用されるネットワークアドレス「192.168.0」と、が一致しない。このために、通信可能状態から通信不可能状態に変化する。
リンク層候補決定処理は、図12のケースEと同様である。即ち、1個のリンク層候補値(Infra、WPA、TKIP、XXXXX)のみが決定される(図3のS35)。
MFP10は、IP層候補決定処理において、MFP10のIP層成功値が「Static」を示し、かつ、CD50のIP層成功値が「Static」を示すと判断する(図4のS52でYES)。このために、MFP10は、MFP10のIP層候補値として、MFP10のIP層成功値(「Static」、「192.168.0.2」、「255.255.255.0」)を決定すると共に、CD50のIP層候補値として、CD50のIP層成功値(「Static」、「192.168.0.3」、「255.255.255.0」)を決定する(S52A)。
本ケースでは、MFP10は、図4のS54Aを実行しないので、図5のS60でNOと判断する。このために、MFP10は、さらに、MFP10のIP層候補値として「Auto」を決定すると共に、CD50のIP層候補値として「Auto」を決定する(S60A)。
また、MFP10は、MFP10のIP層現行値が「Auto」を示すので、S62でNOと判断し、S62Cを実行しない。また、MFP10は、CD50のIP層現行値が「Static」を示すので、S64でYESと判断する。そして、MFP10は、MFP10のIP層現行値が「Auto」を示すので、MFP10のIP層現行値のネットワークアドレスと、CD50のIP層現行値のネットワークアドレスと、が一致しないと判断し(S64AでNO)、S64B及びS64Cに進む。
ただし、本ケースでは、図4のS52Aで決定されるIP層候補値のネットワークアドレス「192.168.0」と、S64Bでアドレス情報を生成する際に利用されるCD50のIP層現行値のネットワークアドレス「192.168.0」と、が一致する。従って、図4のS52Aで決定されるIP層候補値のネットワークアドレス「192.168.0」と、図5のS64Cで決定されるIP層候補値のネットワークアドレス「192.168.0」と、が一致する。このような状況では、図11のケースDで説明したのと同様の理由で、MFP10は、S64Cで決定されるIP層候補値を採用しない。即ち、本ケースでは、図4のS52Aで決定されるIP層候補値(MFP10=Static、CD50=Static)と、図5のS60Aで決定されるIP層候補値(MFP10=Auto、CD50=Auto)と、を含む2組のIP層候補値が決定される。
MFP10は、1個のリンク層候補値と2組のIP層候補値とを組み合わせて、2個の候補設定(図13の第1及び第2候補参照)を決定する(図2のS70)。そして、MFP10は、第1及び第2の候補設定のうちの第1の候補設定を選択し(S70)、アドホック接続を利用して、第1の候補に含まれるCD50の候補設定(即ち、Infra、WPA、TKIP、XXXXX、Static、192.168.0.3等)をCD50に送信する(S72)。
次いで、MFP10は、第1の候補に含まれるMFP10の候補設定(即ち、Infra、WPA、TKIP、XXXXX、Static、192.168.0.2等)を利用する(図2のS74)。また、CD50は、第1の候補に含まれるCD50の候補設定(即ち、Infra、WPA、TKIP、XXXXX、Static、192.168.0.3等)を利用する(図6のS180)。これにより、MFP10及びCD50は、AP100を介して、確認信号等を通信することができる(図2のS74でYES、S80、図6のS180でYES)。従って、MFP10は、新たな現行設定として、第1の候補に含まれるMFP10の候補設定を利用する(図2のS82)。また、CD50は、新たな現行設定として、第1の候補に含まれるCD50の候補設定を利用する(図6のS182)。
上述したように、本ケースでは、MFP10のIP設定手法が「Static」から「Auto」に変更されたことに起因して、通信可能状態から通信不可能状態に変化する場合に、MFP10は、CD50のネットワークアドレスとは異なるネットワークアドレスを有するMFP10の現行設定を、CD50のネットワークアドレスに一致するネットワークアドレスを有する新たな現行設定に、自動的に変更することができる(即ち、MFP10のIP設定手法が「Static」から「Auto」に変更される前のMFP10の現行設定に戻すことができる)。このために、MFP10及びCD50は、通信不可能状態から通信可能状態に自動的に復帰することができる。
(ケースG;図14)
ケースGでは、ユーザが、例えば、図示省略のPCを利用して、AP100のアドレス空間を変更する状況を想定している。即ち、ユーザは、AP100のIPアドレスを「192.168.0.1」から「192.168.100.1」に変更する。ユーザは、さらに、AP100のDHCP機能をOFF状態からON状態に変更し、AP100が割り当て可能なIPアドレスの数値範囲として「192.168.100.2-32」を指定する。このように、AP100のアドレス空間が変更されると、MFP10及びCD50で利用されるネットワークアドレス「192.168.0」と、AP100で利用されるネットワークアドレス「192.168.100」と、が一致しない。このために、通信可能状態から通信不可能状態に変化する。
リンク層候補決定処理は、図12のケースEと同様である。即ち、1個のリンク層候補値(Infra、WPA、TKIP、XXXXX)のみが決定される(図3のS35)。
MFP10は、IP層候補決定処理において、MFP10のIP層成功値が「Static」を示し、かつ、CD50のIP層成功値が「Static」を示すと判断する(図4のS52でYES)。このために、MFP10は、MFP10のIP層候補値として、MFP10のIP層成功値(「Static」、「192.168.0.2」、「255.255.255.0」)を決定すると共に、CD50のIP層候補値として、CD50のIP層成功値(「Static」、「192.168.0.3」、「255.255.255.0」)を決定する(S52A)。
MFP10は、図4のS54Aを実行しないので、図5のS60でNOと判断する。このために、MFP10は、さらに、MFP10のIP層候補値として「Auto」を決定すると共に、CD50のIP層候補値として「Auto」を決定する(S60A)。
また、MFP10は、MFP10のIP層現行値及びCD50のIP層現行値のそれぞれが「Static」を示すので、S62及びS64でYESと判断する。ただし、MFP10は、MFP10のIP層現行値のネットワークアドレス「192.168.0」と、CD50のIP層現行値のネットワークアドレス「192.168.0」と、が一致すると判断するので(S62AでYES、S64AでYES)、S62C及びS64Cを実行しない。
即ち、本ケースでは、図4のS52Aで決定されるIP層候補値(MFP10=Static、CD50=Static)と、図5のS60Aで決定されるIP層候補値(MFP10=Auto、CD50=Auto)と、を含む2組のIP層候補値が決定される。
MFP10は、1個のリンク層候補値と2組のIP層候補値とを組み合わせて、2個の候補設定(図14の第1及び第2の候補参照)を決定する(図2のS70)。そして、MFP10は、第1及び第2の候補設定のうちの第1の候補設定を選択し(S70)、アドホック接続を利用して、第1の候補に含まれるCD50の候補設定(即ち、Infra、WPA、TKIP、XXXXX、Static、192.168.0.3等)をCD50に送信する(S72)。
次いで、MFP10は、第1の候補に含まれるMFP10の候補設定(即ち、Infra、WPA、TKIP、XXXXX、Static、192.168.0.2等)を利用する(図2のS74)。また、CD50は、第1の候補に含まれるCD50の候補設定(即ち、Infra、WPA、TKIP、XXXXX、Static、192.168.0.3等)を利用する(図6のS180)。ただし、MFP10及びCD50で利用されるネットワークアドレス「192.168.0」と、AP100で利用されるネットワークアドレス「192.168.100」と、が一致しない。このために、MFP10及びCD50は、AP100を介して、確認信号等を通信することができない(図2のS74でNO、図6のS180でNO)。
従って、MFP10は、図2のS70を再び実行して、第1及び第2の候補設定のうちの第2の候補設定を選択する。そして、MFP10は、アドホック接続を利用して、第2の候補に含まれるCD50の候補設定(即ち、Infra、WPA、TKIP、XXXXX、Auto)をCD50に送信する(S72)。
次いで、MFP10は、第2の候補に含まれるMFP10の候補設定(即ち、Infra、WPA、TKIP、XXXXX、Auto)を利用する(図2のS74)。また、CD50は、第2の候補に含まれるCD50の候補設定を利用する(図6のS180)。これにより、MFP10及びCD50は、それぞれ、DCHPサーバとして機能しているAP100から、AP100のアドレス空間に適合しているIPアドレス及びサブネットマスクを取得することができる。この結果、MFP10及びCD50は、AP100を介して、確認信号等を通信することができる(図2のS74でYES、S80、図6のS180でYES)。従って、MFP10は、新たな現行設定として、第2の候補に含まれるMFP10の候補設定を利用する(図2のS82)。また、CD50は、新たな現行設定として、第2の候補に含まれるCD50の候補設定を利用する(図6のS182)。
上述したように、本ケースでは、AP100のアドレス空間が変更されたことに起因して、通信可能状態から通信不可能状態に変化する場合に、MFP10は、MFP10及びCD50のそれぞれの現行設定(即ち、AP100のアドレス空間に適合しない現行設定)を、AP100のアドレス空間に適合するIPアドレスを取得可能な新たな現行設定に、自動的に変更することができる。このために、MFP10及びCD50は、通信不可能状態から通信可能状態に自動的に復帰することができる。
(ケースH;図15)
ケースHでは、図14のケースGと同様に、ユーザが、AP100のアドレス空間を変更する状況を想定している。ただし、ユーザは、AP100のDHCP機能をOFF状態で維持している。ユーザは、さらに、MFP10の操作部12を操作して、MFP10のアドレス空間を変更する。即ち、ユーザは、MFP10のIPアドレスを「192.168.0.2」から「192.168.100.2」に変更する。ただし、ユーザは、CD50のアドレス空間を変更しない。MFP10及びAP100のアドレス空間が変更されると、MFP10及びAP100で利用されるネットワークアドレス「192.168.100」と、CD50で利用されるネットワークアドレス「192.168.0」と、が一致しない。このために、通信可能状態から通信不可能状態に変化する。
リンク層候補決定処理は、図12のケースEと同様である。即ち、1個のリンク層候補値(Infra、WPA、TKIP、XXXXX)のみが決定される(図3のS35)。
MFP10は、IP層候補決定処理において、MFP10のIP層成功値が「Static」を示し、かつ、CD50のIP層成功値が「Static」を示すと判断する(図4のS52でYES)。このために、MFP10は、MFP10のIP層候補値として、MFP10のIP層成功値(「Static」、「192.168.0.2」、「255.255.255.0」)を決定すると共に、CD50のIP層候補値として、CD50のIP層成功値(「Static」、「192.168.0.3」、「255.255.255.0」)を決定する(S52A)。
MFP10は、図4のS54Aを実行しないので、図5のS60でNOと判断する。このために、MFP10は、さらに、MFP10のIP層候補値として「Auto」を決定すると共に、CD50のIP層候補値として「Auto」を決定する(S60A)。
また、MFP10は、MFP10のIP層現行値が「Static」を示すので、S62でYESと判断する。次いで、MFP10は、MFP10のIP層現行値のネットワークアドレス「192.168.100」と、CD50のIP層現行値のネットワークアドレス「192.168.0」と、が一致しないと判断し(S62AでNO)、S62B及びS62Cを実行する。即ち、MFP10は、MFP10のIP層成功値に含まれるIPアドレス「192.168.100.2」及びサブネットマスク「255.255.255.0」を用いて、アドレス情報(「「192.168.100.3」、「255.255.255.0」)を生成する(S62B)。そして、MFP10は、MFP10のIP層候補値として、MFP10のIP層現行値(「Static」、「192.168.100.2」、「255.255.255.0」)を決定すると共に、CD50のIP層候補値として、「Static」と、生成済みのアドレス情報(「192.168.100.3」、「255.255.255.0」)と、を決定する(S62C)。
また、MFP10は、CD50のIP層現行値が「Static」を示すので、S64でYESと判断し、さらに、S64AでNOと判断して、S64B及びS64Cを実行する。ただし、図11のケースDで説明したのと同様の理由で、MFP10は、S64Cで決定されるIP層候補値を採用しない。
本ケースでは、図4のS52Aで決定されるIP層候補値(MFP10=Static、CD50=Static)と、図5のS60Aで決定されるIP層候補値(MFP10=Auto、CD50=Auto)と、図5のS62Cで決定されるIP層候補値(MFP10=Static、CD50=Static)と、を含む3組のIP層候補値が決定される。
MFP10は、1個のリンク層候補値と3組のIP層候補値とを組み合わせて、3個の候補設定(図15の第1〜第3の候補参照)を決定する(図2のS70)。そして、MFP10は、第1〜第3の候補設定のうちの第1の候補設定を選択する(S70)。ただし、図14のケースGの第1の候補と同様の理由で、MFP10及びCD50は、AP100を介して、確認信号等を通信することができない(図2のS74でNO、図6のS180でNO)。
従って、MFP10は、図2のS70を再び実行して、第1〜第3の候補設定のうちの第2の候補設定を選択する。そして、MFP10は、アドホック接続を利用して、第2の候補に含まれるCD50の候補設定(即ち、Infra、WPA、TKIP、XXXXX、Auto)をCD50に送信する(S72)。
次いで、MFP10は、第2の候補に含まれるMFP10の候補設定(即ち、Infra、WPA、TKIP、XXXXX、Auto)を利用する(図2のS74)。また、CD50は、第2の候補に含まれるCD50の候補設定を利用する(図6のS180)。AP100のDHCP機能がOFF状態であるので、MFP10及びCD50は、それぞれ、APIPAに従ってIPアドレス及びサブネットマスクを取得する。この場合、MFP10及びCD50で利用されるネットワークアドレス「169.254」と、AP100で利用されるネットワークアドレス「192.168.100」と、が一致しない。この結果、MFP10及びCD50は、AP100を介して、確認信号等を通信することができない(図2のS74でNO、図6のS180でNO)。
従って、MFP10は、図2のS70を再び実行して、第1〜第3の候補設定のうちの第3の候補設定を選択する。そして、MFP10は、アドホック接続を利用して、第3の候補に含まれるCD50の候補設定(即ち、Infra、WPA、TKIP、XXXXX、Static、192.168.100.3等)をCD50に送信する(S72)。
次いで、MFP10は、第3の候補に含まれるMFP10の候補設定(Infra、WPA、TKIP、XXXXX、Static、192.168.100.2等)を利用する(図2のS74)。また、CD50は、第3の候補に含まれるCD50の候補設定(即ち、Infra、WPA、TKIP、XXXXX、Static、192.168.100.3等)を利用する(図6のS180)。この場合、MFP10、CD50、及び、AP100が、同じネットワークアドレス「192.168.100」を利用するので、MFP10及びCD50は、AP100を介して、確認信号等を通信することができる(図2のS74でYES、S80、図6のS180でYES)。従って、MFP10は、新たな現行設定として、第3の候補に含まれるMFP10の候補設定を利用する(図2のS82)。また、CD50は、新たな現行設定として、第3の候補に含まれるCD50の候補設定を利用する(図6のS182)。
上述したように、本ケースでは、MFP10及びAP100のアドレス空間が変更されたことに起因して、MFP10及びCD50が通信不可能な状態になる場合に、MFP10は、MFP10及びAP100のアドレス空間に適合しないCD50の現行設定を、MFP10及びAP100のアドレス空間に適合する新たな現行設定に、自動的に変更することができる。このために、MFP10及びCD50は、通信不可能状態から通信可能状態に自動的に復帰することができる。
(本実施例の効果)
本実施例によると、MFP10及びCD50のそれぞれの修復ボタンが操作される場合に、MFP10は、アドホック接続を利用して(即ち初期設定を利用して)、CD50からCDの現行設定及び成功設定を取得する(図2のS16)。そして、MFP10は、MFPの現行設定及び成功設定と、CDの現行設定及び成功設定と、を用いて、複数個の候補設定(例えば、図15のケースHでは第1〜第3の候補)を決定する(S30、S50、S70)。例えば、図15のケースHでは、MFP10は、第1〜第3の候補に含まれるCDの各候補設定をCD50に順次供給する(S72)。これにより、CD50は、CDの各候補設定を順次利用する。そして、MFP10は、第1〜第3の候補に含まれるMFPの各候補設定を順次利用して、AP100を介した確認信号及び応答信号の無線通信をCD50と実行することを試行する(S74)。この結果、MFP10及びCD50は、確認信号及び応答信号の無線通信が成功する第3の候補設定を利用することを適切に決定することができる(図2のS82、図6のS182)。
上述したように、本実施例によると、様々な原因(即ち、図8〜図15のケースA〜ケースHに示される原因)に起因して、MFP10及びCD50が通信不可能状態になる場合に、MFP10及びCD50は、通信不可能状態から通信可能状態に自動的に復帰することができる。
(対応関係)
MFP10、CD50、FAXデータが、それぞれ、「第1の無線通信機器」、「第2の無線通信機器」、「対象データ」の一例である。アドホック方式の無線通信方式、初期設定が、それぞれ、「特定の無線通信方式」、「所定の通信設定」の一例である。MFP10の現行設定及び成功設定が、「M個の通信設定」の一例である。CD50の現行設定及び成功設定が、「N個の通信設定」の一例である。MFP10の成功設定、CD50の成功設定が、それぞれ、「第1の成功設定」、「第2の成功設定」の一例である。MFP10の現行設定、CD50の現行設定が、それぞれ、「第1の現行設定」、「第2の現行設定」の一例である。MFP10のリンク情報、CD50のリンク情報が、それぞれ、「第1のリンク情報」、「第2のリンク情報」の一例である。「Static」、「Auto」が、それぞれ、「第1の値」、「第2の値」の一例である。
例えば、図15のケースHでは、第1〜第3の候補設定が、「複数個の候補設定」の一例である。そして、第1〜第3の候補設定に含まれるMFP10の各候補設定、第1〜第3の候補設定に含まれるCD50の各候補設定が、それぞれ、「複数個の第1種の候補設定」、「複数個の第2種の候補設定」の一例である。また、MFP10のIP層成功値に含まれるIPアドレス「192.168.0.2」、CD50のIP層成功値に含まれるIPアドレス「192.168.0.3」が、それぞれ、「第1のIPアドレス」、「第2のIPアドレス」の一例である。
図4のS52Aで決定されるIP層候補値を含む候補設定が、「第1の候補設定」の一例である。なお、MFP10及びCD50のそれぞれのIP層成功値が「Auto」を示す場合(図4のS54でYESの場合)に、図4のS54Aで決定されるIP層候補値を含む候補設定も、「第1の候補設定」の一例である。図4のS56Bで決定されるIP層候補値を含む候補設定、図4のS58Bで決定されるIP層候補値を含む候補設定が、それぞれ、「第2の候補設定」、「第3の候補設定」の一例である。図5のS62Cで決定されるIP層候補値を含む候補設定、図5のS64Cで決定されるIP層候補値を含む候補設定が、それぞれ、「第4の候補設定」、「第5の候補設定」の一例である。MFP10のリンク層現行値に一致するリンク層候補値(図3のS35、S36、S37参照)を含む候補設定が、「第6の候補設定」の一例である。CD50のリンク層現行値に一致するリンク層候補値(図3のS36、S38参照)を含む候補設定が、「第7の候補設定」の一例である。図5のS60Aで決定されるIP層候補値を含む候補設定が、「特定の候補設定」の一例である。
図2のS16の処理が、「取得部」によって実行される処理の一例である。S30〜S70の処理が、「決定部」によって実行される処理の一例である。S72の処理、S74の処理が、それぞれ、「供給部」、「試行部」によって実行される処理の一例である。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
(変形例1)上記の実施例では、MFP10は、リンク層候補決定処理(図2のS30)と、IP層候補決定処理(図2のS50)と、の双方を実行して、複数個の候補設定を決定する。即ち、上記の実施例では、リンク層に関する設定に起因する通信不可能状態を修復することが可能であると共に、IP層に関する設定に起因する通信不可能状態を修復することが可能である。これに代えて、MFP10(即ちCPU32)は、リンク層候補決定処理(図2のS30)を実行するが、IP層候補決定処理(図2のS50)を実行しなくてもよい。この場合、MFP10は、図3の処理を実行すれば、2個のリンク層候補値を決定し得る(S36参照)。そして、図2のS70では、MFP10は、2個のリンク層候補値のうちの第1のリンク層候補値をCD50に送信し、S74でNOと判断される場合に、2個のリンク層候補値のうちの第2のリンク層候補値をCD50に送信してもよい。本変形例は、IP層に関する設定に起因する通信不可能状態を修復することを目的とせず、リンク層に関する設定に起因する通信不可能状態を修復することを目的とするシステムにおいて、適切に機能する。本変形例では、2個のリンク層候補値が、「複数個の候補設定」の一例である。
(変形例2)また、MFP10(即ちCPU32)は、IP層候補決定処理(図2のS50)を実行するが、リンク層候補決定処理(図2のS30)を実行しなくてもよい。この場合、MFP10は、図4及び図5の処理を実行すれば、複数組のIP層候補値を決定し得る。そして、図2のS70では、MFP10は、複数組のIP層候補値のうちの第1組のIP層候補値に含まれるCD50のIP層候補値をCD50に送信し、S74でNOと判断される場合に、複数組のIP層候補値のうちの第2組のIP層候補値に含まれるCD50のIP層候補値をCD50に送信してもよい。本変形例は、リンク層に関する設定に起因する通信不可能状態を修復することを目的とせず、IP層に関する設定に起因する通信不可能状態を修復することを目的とするシステムにおいて、適切に機能する。本変形例では、複数組のIP層候補値が、「複数個の候補設定」の一例である。
(変形例3)上記の実施例では、MFP10(即ちCPU32)は、S72で1個の候補設定に含まれるCDの候補設定をCD50に送信し、その後、S74でNOの場合に、S72で他の1個の候補設定に含まれるCDの候補設定をCD50に送信する。即ち、MFP10は、複数個の候補設定に含まれるCDの各候補設定をCD50に順次供給する。これにより、CD50は、CDの各候補設定を順次利用することができる。これに代えて、MFP10は、複数個の候補設定に含まれるCDの各候補設定を一括でCD50に送信してもよい。この際に、MFP10は、CD50が各候補設定を利用すべき順序を示す情報をCD50に送信する。CD50は、MFP10から指示される順序に従って、CDの各候補設定を順次利用することができる。本変形例でも、MFP10及びCD50は、新たな現行設定として、適切な候補設定を利用することができる。即ち、「供給部」は、複数個の第2種の候補設定を第2の無線通信機器に順次供給してもよいし、一括して供給してもよい。
(変形例4)「第1の無線通信機器」、「第2の無線通信機器」は、それぞれ、MFP10、CD50に限られず、他の機器(プリンタ、スキャナ、コピー機、携帯端末、PC、サーバ等)であってもよい。そして、「第1の無線通信機器」及び「第2の無線通信機器」の間で通信される対象データは、FAXデータに限られず、音声データ、文書ファイル、画像ファイル等であってもよい。
(変形例5)上記の実施例では、MFP10のCPU32がメモリ34内のプログラム(即ちソフトウェア)を実行することによって、図2〜図5の各処理が実現される。また、CD50のCPU72がメモリ74内のプログラム(即ちソフトウェア)を実行することによって、図6の各処理が実現される。これに代えて、図2〜図6の各処理のうちの少なくとも1つの処理は、論理回路等のハードウェアによって実現されてもよい。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2:通信システム、10:多機能機(MFP)、12:操作部、14:表示部、20:無線LANI/F、22:印刷実行部、24:スキャン実行部、30:制御部、32:CPU、34:メモリ、50:通話デバイス(CD)、60:無線LANI/F、62:PSTNI/F、70:制御部、72:CPU、74:メモリ、80:ハンドセット、82:マイク、84:スピーカ、100:AP、110:FAX装置、200,220:CDの候補設定、210,230:MFPの候補設定

Claims (13)

  1. 第1の無線通信機器であって、
    特定の無線通信方式に従った無線通信を実行して、第2の無線通信機器から、前記第2の無線通信機器に保持されたN個(前記Nは1以上の整数)の通信設定を取得する取得部と、
    前記N個の通信設定と、前記第1の無線通信機器に保持されたM個(前記Mは1以上の整数)の通信設定と、を用いて、複数個の候補設定を決定する決定部であって、前記複数個の候補設定のそれぞれは、前記第1の無線通信機器に設定されるべき通信設定の候補である第1種の候補設定と、前記第2の無線通信機器に設定されるべき通信設定の候補である第2種の候補設定と、を含む、前記決定部と、
    前記特定の無線通信方式に従った無線通信を実行して、前記複数個の候補設定に含まれる複数個の前記第2種の候補設定を前記第2の無線通信機器に供給する供給部と、
    前記複数個の候補設定に含まれる複数個の前記第1種の候補設定のそれぞれを順次利用して、前記第2の無線通信機器と無線通信を実行することを試行する試行部と、
    を備える第1の無線通信機器。
  2. 前記第1の無線通信機器に保持された前記M個の通信設定のそれぞれは、IP層に関する通信設定値であるIP層通信設定値を含み、
    前記第2の無線通信機器に保持された前記N個の通信設定のそれぞれは、IP層に関する通信設定値であるIP層通信設定値を含み、
    前記第1の無線通信機器に設定されるべき前記複数個の第1種の候補設定のそれぞれは、IP層に関する通信設定値の候補であるIP層候補設定値を含み、
    前記第2の無線通信機器に設定されるべき前記複数個の第2種の候補設定のそれぞれは、IP層に関する通信設定値の候補であるIP層候補設定値を含む、請求項1に記載の第1の無線通信機器。
  3. 前記第1の無線通信機器に保持された前記M個の通信設定は、前記第1及び第2の無線通信機器の間でアクセスポイントを介した通信が過去に成功した際に、前記第1の無線通信機器に設定されていた通信設定である第1の成功設定を含み、
    前記第2の無線通信機器に保持された前記N個の通信設定は、前記第1及び第2の無線通信機器の間で前記アクセスポイントを介した通信が過去に成功した際に、前記第2の無線通信機器に設定されていた通信設定である第2の成功設定を含み、
    前記決定部は、前記第1の無線通信機器に保持された前記第1の成功設定が、前記IP層通信設定値として、複数個のIPアドレス設定手法のうちの第1のIPアドレス設定手法を示す第1の値を含み、かつ、前記第2の無線通信機器に保持された前記第2の成功設定が、前記IP層通信設定値として、前記第1の値を含む場合に、第1の候補設定を含む前記複数個の候補設定を決定し、
    前記第1の候補設定に含まれる前記第1の無線通信機器に設定されるべき前記第1種の候補設定及び前記第2の無線通信機器に設定されるべき前記第2種の候補設定のそれぞれは、前記IP層候補設定値として、前記第1の値を含む、請求項2に記載の第1の無線通信機器。
  4. 前記第1の無線通信機器に保持された前記第1の成功設定は、前記IP層通信設定値として、ユーザによって指定されるIPアドレスを設定する手法である前記第1のIPアドレス設定手法を示す前記第1の値と、第1のIPアドレスと、を含み、
    前記第2の無線通信機器に保持された前記第2の成功設定は、前記IP層通信設定値として、前記第1の値と、第2のIPアドレスと、を含み、
    前記第1の候補設定に含まれる前記第1の無線通信機器に設定されるべき前記第1種の候補設定は、前記IP層候補設定値として、前記第1の値と、前記第1及び第2のIPアドレスのうちの一方と、を含み、
    前記第1の候補設定に含まれる前記第2の無線通信機器に設定されるべき前記第2種の候補設定は、前記IP層候補設定値として、前記第1の値と、前記第1及び第2のIPアドレスのうちの他方と、を含む、請求項3に記載の第1の無線通信機器。
  5. 前記第1の無線通信機器に保持された前記M個の通信設定は、前記第1及び第2の無線通信機器の間でアクセスポイントを介した通信が過去に成功した際に、前記第1の無線通信機器に設定されていた通信設定である第1の成功設定を含み、
    前記決定部は、前記第1の成功設定が、前記IP層通信設定値として、複数個のIPアドレス設定手法のうち、ユーザによって指定されるIPアドレスを設定する手法である第1のIPアドレス設定手法を示す第1の値と、特定のIPアドレスと、を含む場合に、前記特定のIPアドレスを用いて、前記特定のIPアドレスと同じネットワークアドレスを有する2個のIPアドレスを準備して、第2の候補設定を含む前記複数個の候補設定を決定し、
    前記第2の候補設定に含まれる前記第1の無線通信機器に設定されるべき前記第1種の候補設定は、前記IP層候補設定値として、前記第1の値と、前記2個のIPアドレスのうちの一方と、を含み、
    前記第2の候補設定に含まれる前記第2の無線通信機器に設定されるべき前記第2種の候補設定は、前記IP層候補設定値として、前記第1の値と、前記2個のIPアドレスのうちの他方と、を含む、請求項2に記載の第1の無線通信機器。
  6. 前記第2の無線通信機器に保持された前記N個の通信設定は、前記第1及び第2の無線通信機器の間で前記アクセスポイントを介した通信が過去に成功した際に、前記第2の無線通信機器に設定されていた通信設定である第2の成功設定を含み、
    前記決定部は、前記第2の成功設定が、前記IP層通信設定値として、複数個のIPアドレス設定手法のうち、ユーザによって指定されるIPアドレスを設定する手法である第1のIPアドレス設定手法を示す第1の値と、特定のIPアドレスと、を含む場合に、前記特定のIPアドレスを用いて、前記特定のIPアドレスと同じネットワークアドレスを有する2個のIPアドレスを準備して、第3の候補設定を含む前記複数個の候補設定を決定し、
    前記第3の候補設定に含まれる前記第1の無線通信機器に設定されるべき前記第1種の候補設定は、前記IP層候補設定値として、前記第1の値と、前記2個のIPアドレスのうちの一方と、を含み、
    前記第3の候補設定に含まれる前記第2の無線通信機器に設定されるべき前記第2種の候補設定は、前記IP層候補設定値として、前記第1の値と、前記2個のIPアドレスのうちの他方と、を含む、請求項2に記載の第1の無線通信機器。
  7. 前記第1の無線通信機器に保持された前記M個の通信設定は、前記第1及び第2の無線通信機器の間で対象データの無線通信を実行するための通信設定として、前記第1の無線通信機器に現在設定されている第1の現行設定を含み、
    前記決定部は、前記第1の現行設定が、前記IP層通信設定値として、複数個のIPアドレス設定手法のうち、ユーザによって指定されるIPアドレスを設定する手法である第1のIPアドレス設定手法を示す第1の値と、特定のIPアドレスと、を含む場合に、前記特定のIPアドレスを用いて、前記特定のIPアドレスと同じネットワークアドレスを有する2個のIPアドレスを準備して、第4の候補設定を含む前記複数個の候補設定を決定し、
    前記第4の候補設定に含まれる前記第1の無線通信機器に設定されるべき前記第1種の候補設定は、前記IP層候補設定値として、前記第1の値と、前記2個のIPアドレスのうちの一方と、含み、
    前記第4の候補設定に含まれる前記第2の無線通信機器に設定されるべき前記第2種の候補設定は、前記IP層候補設定値として、前記第1の値と、前記2個のIPアドレスのうちの他方と、を含む、請求項2から6のいずれか一項に記載の第1の無線通信機器。
  8. 前記第2の無線通信機器に保持された前記N個の通信設定は、前記第1及び第2の無線通信機器の間で前記対象データの無線通信を実行するための通信設定として、前記第2の無線通信機器に現在設定されている第2の現行設定を含み、
    前記決定部は、前記第2の現行設定が、前記IP層通信設定値として、複数個のIPアドレス設定手法のうち、ユーザによって指定されるIPアドレスを設定する手法である第1のIPアドレス設定手法を示す第1の値と、特定のIPアドレスと、を含む場合に、前記特定のIPアドレスと同じネットワークアドレスを有する2個のIPアドレスを準備して、第5の候補設定を含む前記複数個の候補設定を決定し、
    前記第5の候補設定に含まれる前記第1の無線通信機器に設定されるべき前記第1種の候補設定は、前記IP層候補設定値として、前記第1の値と、前記2個のIPアドレスのうちの一方と、を含み、
    前記第5の候補設定に含まれる前記第2の無線通信機器に設定されるべき前記第2種の候補設定は、前記IP層候補設定値として、前記第1の値と、前記2個のIPアドレスのうちの他方と、を含む、請求項2から7のいずれか一項に記載の第1の無線通信機器。
  9. 前記決定部は、特定の候補設定をさらに含む前記複数個の候補設定を決定し、
    前記特定の候補設定に含まれる前記第1の無線通信機器に設定されるべき前記第1種の候補設定及び前記第2の無線通信機器に設定されるべき前記第2種の候補設定のそれぞれは、前記IP層候補設定値として、前記複数個のIPアドレス設定手法のうち、自動的に割り当てられるIPアドレスを設定する手法である第2のIPアドレス設定手法を示す第2の値を含む、請求項4〜8のいずれか一項に記載の第1の無線通信機器。
  10. 前記第1の無線通信機器に保持された前記M個の通信設定は、前記第1及び第2の無線通信機器の間で対象データの無線通信を実行するための通信設定として、前記第1の無線通信機器に現在設定されている第1の現行設定を含み、
    前記第2の無線通信機器に保持された前記N個の通信設定は、前記第1及び第2の無線通信機器の間で前記対象データの無線通信を実行するための通信設定として、前記第2の無線通信機器に現在設定されている第2の現行設定を含み、
    前記第1の現行設定及び前記第2の現行設定のそれぞれは、リンク層に関する通信設定値であるリンク層通信設定値を含み、
    前記第1の無線通信機器に設定されるべき前記複数個の第1種の候補設定のそれぞれは、リンク層に関する通信設定値の候補であるリンク層候補設定値を含み、
    前記第2の無線通信機器に設定されるべき前記複数個の第2種の候補設定のそれぞれは、リンク層に関する通信設定値の候補であるリンク層候補設定値を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の第1の無線通信機器。
  11. 前記取得部は、さらに、前記第2の無線通信機器から、前記第2の無線通信機器が前記第2の現行設定を利用する際のリンク状態を示す第2のリンク情報を取得し、
    前記決定部は、
    前記第1の無線通信機器が前記第1の現行設定を利用する際のリンク状態を示す第1のリンク情報と、前記第2のリンク情報と、の双方がリンクアップ状態を示し、かつ、前記第1の現行設定に含まれる前記リンク層通信設定値と、前記第2の現行設定に含まれる前記リンク層通信設定値と、が一致しない場合に、第6の候補設定と第7の候補設定とを含む前記複数個の候補設定を決定し、
    前記第1のリンク情報と前記第2のリンク情報との双方がリンクアップ状態を示し、かつ、前記第1の現行設定に含まれる前記リンク層通信設定値と、前記第2の現行設定に含まれる前記リンク層通信設定値と、が一致する場合に、前記第6の候補設定を含む前記複数個の候補設定を決定し、
    前記第1のリンク情報がリンクアップ状態を示し、かつ、前記第2のリンク情報がリンクダウン状態を示す場合に、前記第6の候補設定を含む前記複数個の候補設定を決定し、
    前記第1のリンク情報がリンクダウン状態を示し、かつ、前記第2のリンク情報がリンクアップ状態を示す場合に、前記第7の候補設定を含む前記複数個の候補設定を決定し、
    前記第6の候補設定に含まれる前記第1の無線通信機器に設定されるべき前記第1種の候補設定及び前記第2の無線通信機器に設定されるべき前記第2種の候補設定のそれぞれは、前記リンク層候補設定値として、前記第1の現行設定に含まれる前記リンク層通信設定値と同じ値を含み、
    前記第7の候補設定に含まれる前記第1の無線通信機器に設定されるべき前記第1種の候補設定及び前記第2の無線通信機器に設定されるべき前記第2種の候補設定のそれぞれは、前記リンク層候補設定値として、前記第2の現行設定に含まれる前記リンク層通信設定値と同じ値を含む、請求項10に記載の第1の無線通信機器。
  12. 前記決定部は、さらに、前記第1のリンク情報と前記第2のリンク情報との双方がリンクダウン状態を示す場合に、前記第1及び第2の無線通信機器の間で前記対象データの無線通信を実行するための通信設定として、前記特定の無線通信方式に従った無線通信を実行するための所定の通信設定を決定する、請求項10又は11に記載の第1の無線通信機器。
  13. 第1の無線通信機器のためのコンピュータプログラムであって、
    前記コンピュータプログラムは、前記第1の無線通信機器に搭載されるコンピュータに、以下の各処理、即ち、
    特定の無線通信方式に従った無線通信を実行して、第2の無線通信機器から、前記第2の無線通信機器に保持されたN個(前記Nは1以上の整数)の通信設定を取得する取得処理と、
    前記N個の通信設定と、前記第1の無線通信機器に保持されたM個(前記Mは1以上の整数)の通信設定と、を用いて、複数個の候補設定を決定する決定処理であって、前記複数個の候補設定のそれぞれは、前記第1の無線通信機器に設定されるべき通信設定の候補である第1種の候補設定と、前記第2の無線通信機器に設定されるべき通信設定の候補である第2種の候補設定と、を含む、前記決定処理と、
    前記特定の無線通信方式に従った無線通信を実行して、前記複数個の候補設定に含まれる複数個の前記第2種の候補設定を前記第2の無線通信機器に供給する供給処理と、
    前記複数個の候補設定に含まれる複数個の前記第1種の候補設定のそれぞれを順次利用して、前記第2の無線通信機器と無線通信を実行することを試行する試行処理と、
    を実行させるコンピュータプログラム。
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