JP2014192468A - 熱電変換材料 - Google Patents

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【課題】Mg2SiにSn及びSbを添加したものの熱電変換特性をより高める。
【解決手段】本発明の熱電変換材料は、組成式Mgx(Si1-ySny1-zSbz(但し、エネルギー分散型X線分光測定の組成分析値でxが1.93以上2.00以下、yが0.05以上0.35以下、zが0.010以上0.035以下の範囲である)で表される化合物を主成分として含むものである。この基本組成式において、yが0.10以上0.30以下であることが好ましく、0.15以上0.25以下であることがより好ましい。また、この基本組成式において、zが0.012以上0.030以下であることが好ましく、0.015以上0.025以下であることがより好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱電変換材料に関する。
熱電変換材料は、熱エネルギーと電気エネルギーとを直接変換するものであり、物質から生じるゼーベック効果を用いて相互エネルギー変換を行うものである。このような熱電変換が可能なp型、n型の素子を組み合わせたモジュールを用いて、廃棄されている熱エネルギーを利用して発電することにより、エネルギー効率の改善を図る方法が期待されている。このような使用を目的とする熱電変換材料は、無次元の性能指数ZTと呼ばれる指標により特性が評価されている。性能指数ZTは、ZT=σ・S2・T/κ(σ:電気伝導率、S:ゼーベック係数、T:絶対温度、κ:熱伝導率)という式で算出され、ZTの値が大きいほど変換効率が高い。したがって、電気伝導率が高く、ゼーベック係数が高く、熱伝導率が低い材料が好適である。上述した式において、σ・S2は、出力因子と呼ばれ、高いZTを得るには出力因子が高いことが望ましい。
このような熱電変換材料としては、Sn及びAlを添加したマグネシウムシリサイド(Mg2Si)が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この材料では、組成式Mg2(Si1-ySny1-zAlzにおいて、0≦y≦0.2、0.005≦z≦0.03の範囲において、ゼーベック係数が良好になるとしている。また、熱電変換材料としては、Sn及びSbを添加したマグネシウムシリサイドが提案されている(例えば、非特許文献1参照)。この材料では、組成式Mg2Si0.7Sn0.3Sbz(0≦z≦0.0085)について検討し、y=0.0055において650Kで出力因子1.6×10-3W/m/K2、ZT=0.55を得ている。
特開2012−190984号公報
Journal of Electronic Materials,Vol.40,No.5,830−834(2011)
しかしながら、この特許文献1に記載された熱電変換材料では、Mg2SiにSn及びAlを添加するものであるが、Sbを添加する点については詳細に検討されていなかった。また、非特許文献1では、Mg2SiにSn及びSbを添加する点について検討しているが、まだ十分でなく、熱電変換特性をより高めることが望まれていた。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、熱電変換特性をより高めることができる熱電変換材料を提供することを主目的とする。
上述した主目的を達成するために鋭意研究したところ、本発明者らは、マグネシウムシリサイド(Mg2Si)に所定の範囲でSn及びSbを加えたものとすると、熱電変換特性をより高めることができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の熱電変換材料は、組成式Mgx(Si1-ySny1-zSbz(但し、エネルギー分散型X線分光測定の組成分析値でxが1.93以上2.00以下、yが0.05以上0.35以下、zが0.010以上0.035以下の範囲である)で表される化合物を主成分として含むものである。
本発明の熱電変換材料は、熱電変換特性をより高めることができる。この理由は、以下のように推察される。一般的に、キャリアの濃度を変化させることにより、熱電変換特性を変更することが可能である。例えば、キャリア濃度増加に伴い、電気伝導率は単調増加し、ゼーベック係数は単調減少することから、出力因子は、ある範囲のキャリア濃度で極大値を持つことがある。高い出力因子を得るためにはドーピングによりキャリア濃度を最適値に調節することが有効とされている。また、熱伝導率は、ドーピング、ナノボイド導入、格子欠陥導入などにより乱れた構造を作ることでフォノンを散乱させることにより、より低減することができ、有効とされている。このように、熱電変換特性を高めるには、より好適なキャリアの濃度範囲とすることが重要である。組成式Mgx(Si1-ySny1-zSbzの化合物において、例えば、Snドープ量の増加に伴い、Mg欠損の増加が認められることがある。Mg欠損はホールを供給することから、この場合はキャリア(電子)が減少する。一方、通常考えられるよりもより高い濃度でSbをドープすると、キャリア濃度をより高めることができる。本発明では、組成式Mgx(Si1-ySny1-zSbz化合物において、エネルギー分散形X線分光測定の組成分析値でxが1.93以上2.00以下の範囲、yが0.05以上0.35以下の範囲、zが0.010以上0.035以下の範囲とすることにより、出力因子をより向上することができる。
Mg(Si1-ySn1-zSbのy値、z値と熱電変換特性との関係図。 粒内Sn濃度(at%)と粒内Mg/(Si+Sn+Sb)比との関係図。 Mg2.05(Si0.8Sn0.20.98Sb0.02(仕込み比)焼結体粉末のXRDパターン。
本発明の熱電変換材料は、マグネシウムシリサイド(Mg2Si)にSn及びSbを含んでいる。この熱電変換材料は、組成式Mgx(Si1-ySny1-zSbzで表される化合物を主成分として含むものである。この組成式において、xは、エネルギー分散形X線分光測定の組成分析値で、1.93以上2.00以下の範囲を満たす。また、yは、エネルギー分散形X線分光測定の組成分析値で、0.05以上0.35以下の範囲を満たす。また、zは、エネルギー分散形X線分光測定の組成分析値で、0.010以上0.035以下の範囲を満たす。この範囲では、出力因子が比較的高く、熱伝導率が比較的低く、より高い性能指数ZTを示す。ここで、「主成分」とは、異相成分を含むものとしてもよい趣旨であり、例えば、全体の半分以上を占めるものとしてもよく、90mol%以上を占めるものとしてもよい。例えば、異相としては、MgOなどが挙げられる。なお、本発明の熱電変換材料は、異相が少ないことが好ましく、異相を含まないものとすることがより好ましい。
本発明の熱電変換材料は、上記組成式において、xが1.93以上2.00以下であることがより好ましい。Snドープ量が増加するとMg欠損が増加するため、yの最適範囲である0.05以上0.35以下にした場合、xは1.93以上2.00以下の値となる。
本発明の熱電変換材料は、上記基本組成式において、yが0.10以上0.30以下であることがより好ましい。この範囲では、熱伝導率がより低く、より高い性能指数ZTを示す。Snドープ量であるyの値は、熱伝導率をより低下させる観点からは、より大きい方が好ましい。一方、yの値は、より増加するとMg欠損が増加することから、Mg欠損の抑制の観点からは、より小さい方が好ましい。このyの値は、0.15以上0.25以下であることが更に好ましい。
本発明の熱電変換材料は、上記基本組成式において、zが0.012以上0.030以下であることがより好ましい。この範囲では、出力因子がより高く、より高い性能指数ZTを示す。Sbドープ量であるzの値は、出力因子を向上する観点からは、より大きい方が好ましい。一方、zの値は、より増加すると熱伝導率が上昇することから、熱伝導率の抑制の観点からは、より小さい方が好ましい。このzの値は、0.015以上0.025以下であることが更に好ましい。
本発明の熱電変換材料は、Mg2Siの粒内にSn及びSbが固溶しているものとしてもよい。ここで、Sn及びSbのMg2Siの粒内への固溶は、例えば、XRDパターンを測定し、Mg2Siピークの低角側へのシフトを検出することにより、確認することができる。この固溶量は、組成式Mgx(Si1-ySny1-zSbzにおいて、yが0.05以上0.35以下、zが0.010以上0.035以下の範囲である。
次に、本発明の熱電変換材料の製造方法について説明する。この製造方法は、金属Mgと、金属Siと、金属Snと、金属Sbとを配合して混合し混合材料を得る混合工程と、混合材料を熱処理することで目的化合物を得る合成工程と、目的化合物の合成粉末を焼成することで緻密体を得る焼成工程と、を含むものとしてもよい。混合工程では、組成式Mgx(Si1-ySny1-zSbzにおいて、xが1.93以上2.10以下、yが0.05以上0.35以下、zが0.010以上0.035以下の範囲となるように原料を調合する。Mgは高温で蒸発しやすく、合成工程、焼成工程で飛散し、組成がずれやすいため、目的組成よりxを0〜10mol%程度多く仕込むものとしてもよい。この工程では、例えば、金属Mgは平均粒径が0.1μm以上200μm以下の範囲、金属Siは平均粒径が0.1μm以上50μm以下の範囲、金属Snは平均粒径が0.1μm以上50μm以下の範囲、金属Sbは平均粒径が0.1μm以上50μm以下の範囲のものを用いることが好ましい。なお、原料粒子における平均粒径は、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置を用い測定したメディアン径(D50)をいうものとする。また、混合工程では、自動乳鉢、遊星ミル、ポットミルなどを用いて原料粒子を混合するものとしてもよい。
合成工程では、混合材料を熱処理することによって、目的化合物であるMgx(Si1-ySny1-zSbzを得る。合成工程は、例えば、真空雰囲気や不活性雰囲気で行ってもよい。不活性雰囲気での熱処理は、常圧下で行ってもよいし、加圧下で行ってもよいし、減圧下で行ってもよい。不活性雰囲気としては、例えば、Ar雰囲気、N2雰囲気、He雰囲気などが挙げられる。熱処理温度は、例えば、600℃以上1150℃以下が好ましく、700℃以上900℃以下がより好ましい。次に、得られたバルク体を粉砕することで目的化合物の合成粉末を得る。粉砕方法は、例えば、自動乳鉢、遊星ミル、ポットミルなどを用いてバルク体を粉砕してもよい。
焼成工程では、合成粉末を成形したのちに焼成することが好ましい。成形方法は、例えば、一軸プレスや、静水圧プレス、ホットプレス、押出成形などを用いることができる。成形する形状は、角柱状、円柱状など望まれる形状とすればよい。焼成方法は、例えば、真空雰囲気や不活性雰囲気で行ってもよい。不活性雰囲気での焼成は、常圧下で行ってもよいし、加圧下で行ってもよいし、減圧下で行ってもよい。不活性雰囲気には、例えば、Ar雰囲気、N2雰囲気、He雰囲気などが挙げられる。また、焼成方法としては、例えば、ホットプレスにより焼成してもよい。焼成温度は、例えば、700℃以上1050℃以下が好ましく、700℃以上950℃以下がより好ましい。このようにして、熱電変換材料を作製することができる。
以上詳述した本実施形態の熱電変換材料では、例えば、無次元性能指数(ZT)など、熱電変換特性をより高めることができる。この理由は、以下のように推察される。例えば、Mgx(Si1-ySny1-zSbzにおいて、Snドープ量の増加に伴い、Mg欠損(ホール)の増加が認められ、この場合はキャリア(電子)が減少する。一方、より高い濃度でSbをドープすると、キャリア濃度をより高めることができる。本発明では、より好適なyの範囲、zの範囲とすることにより、出力因子や性能指数ZTをより向上することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
以下には、本発明の熱電変換材料を具体的に製造した例を実施例として説明する。
[実施例1]
高純度化学製のMg(MGE02PB、純度99.5%、粒径180μm以下)、Si(SIE20PB、純度99.99%以上、粒径45μm以下)、Sn(SNE08PB、純度99.99%、粒径38μm以下)、Sb(SBE07PB、純度99.9%以上、粒径45μm以下)を原料とした。この原料を仕込み組成としてMg2.05(Si0.8Sn0.20.99Sb0.01(x=2.05、y=0.2、z=0.01)のモル比で秤量し、乳棒・乳鉢を用いて混合した。この混合粉末を700℃で2時間保持することにより合成を行った。次に、得られたバルク体を粉砕し、粉末を得た。この粉末を直径20mmの円筒型の型に詰め、一軸加圧100kgf/cm2で成形を行った。得られた成形体は直径20mm、厚さ8mm程度の円板状であった。この成形体をカーボン製の加圧焼結用治具に装填し、0.1MPa、Ar雰囲気下で、焼結圧力20〜70MPaとなるように荷重を加えた。荷重を加えたまま、860℃で12h保持することにより焼結を行った。
[実施例2〜7]
表1の組成となるように、原料組成を変更した以外は、実施例1と同様の処理を行い、得られたものを実施例2〜7の熱電変換材料とした。なお、仕込み組成Mgx(Si1-ySny1-zSbzにおいて、実施例1〜5は、x=2.05、y=0.2であり、zがそれぞれ0.01、0.013、0.0165、0.02、0.03である。また、実施例6は、x=2.05、y=0.1であり、zが0.01である。また、実施例7は、x=2.05、y=0.3であり、zが0.01である。
[比較例1〜3]
表1の組成となるように、原料組成を変更して得られたものを比較例1〜3の熱電変換材料とした。なお、仕込み組成Mgx(Si1-ySny1-zSbzにおいて、比較例1は、x=2.05、y=0.2であり、zが0である。比較例2、3は、x=2.0、y=0であり、zがそれぞれ0.01、0.015である。比較例2,3は、合成方法と焼結方法が実施例1と異なる。これらの合成は、700℃で2時間保持したあと、1110℃で15分間保持することにより行った。焼結は、0.1MPa、Ar雰囲気下で、焼結圧力20MPaとなるように荷重を加えたまま、1040℃で2時間保持することにより行った。比較例1〜3において、その他の試料作製方法、評価方法は実施例1と同様である。
(評価試験)
得られた焼結体から試験片を切り出し、電気伝導率、ゼーベック係数、熱伝導率、XRD、微構造(組成像とEDS)を評価した。電気伝導率σ(S/m)は、真空中でVan der Pauw法にて測定した。また、ゼーベック係数S(μV/K)は、真空中で定常直流法(試料の両端に温度差を発生させ熱起電力を測定する方法)にて測定した。熱伝導率κ(W/K/m)は、Ar雰囲気中で示差走査熱量測定(DSC)法にて測定した比熱:Cp(J/kg/K;JIS−R1672参照)と、真空雰囲気中でレーザーフラッシュ法にて測定した熱拡散率:α(m2/s)と、アルキメデス法で測定した密度:ρ(kg/m3;JIS−R1634参照)とから、熱伝導率の算出式:κ=α×Cp×ρの式に従い算出した(JIS−R1611参照)。これらの結果と温度T(K)とを用い、ZTの算出式:ZT=(S2×σ/κ)・Tに従い、無次元性能指数(ZT)を算出した。
(XRD測定)
作製した実施例及び比較例の評価として、XRD回折装置(Bruker AXS社製D8ADVANCE)を用い、熱電変換材料の焼結体粉末に対してX線を照射したときのXRD回折パターンを測定した。測定は、Cukα線を用い、スキャンスピード1.8deg/minで行った。
(走査型電子顕微鏡(SEM)観察、エネルギー分散型X線分光測定(EDS))
作製した実施例及び比較例の評価として、断面のSEM撮影を行った。SEM撮影は、走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製JSM−5410)を用いた。試料は、断面に沿って研磨し、倍率1000〜5000倍で観察した。500倍で観察した視野中で、粒界に存在するMgOや気孔の部分を除いたMgx(Si1-ySny1-zSbzの粒内部分に対して、ランダムに10箇所以上を選んでEDSスポット分析を行い、その平均値より粒内組成を算出した。EDS分析条件は加速電圧20kV、ワーキングディスタンス10mm、収集時間60秒/箇所とした。
(結果と考察)
評価試験を200〜600℃で行った測定結果を表1に示す。図1は、Mgx(Si1-ySny1-zSbzのy値、z値と600℃での熱電変換特性との関係図である。表1には、組成比、出力因子(W/m/K2)、熱伝導率(W/m/K)、性能指数ZT(−)をまとめて示した。図3は、Mg2.05(Si0.8Sn0.20.98Sb0.02焼結体粉末のXRDパターンである。図3に示すように、焼結体は、わずかなMgO異相を除いてほぼMg2Siの単相であり、SnおよびSb由来の異相が認められなかった。また、SnとSbとがSiサイトに固溶することによりMg2Siピークの低角側へのシフトが認められた。実施例1〜3、5〜7の焼結体についても同様であり、XRDの測定結果より、ほぼMg2Siの単相であり、わずかにMgOの異相が認められた。実施例1〜7はMgOが5〜10mol%程度含まれると見積もられた。実施例1〜7の焼結体の密度は、相対密度97%以上であった。表2に示すように、EDSの組成分析からMg2Siの粒内には所定量のSn、Sbが固溶していることが確認された。実施例の性能指数ZTは、図1、表1に示すように、仕込み組成Mgx(Si1-ySny1-zSbzにおいて、0.05≦y≦0.35、0.01≦z≦0.035の範囲で、ZT=0.55以上と良好であった。また、0.15≦y≦0.25、0.015≦z≦0.025の範囲で、ZT=0.80以上と更に良好であった。
図2は、粒内Sn濃度(at%)と粒内Mg/(Si+Sn+Sb)比との関係図である。粒内Sn濃度は、XRDの測定結果の格子定数と、文献(Eds.G.Effenberg, F.Aldinger and P.Rogl:TernaryAlloys Vol.18,P604-607)の値から算出した。また、粒内Mg/(Si+Sn+Sb)比は、EDSの粒内スポット分析の平均値より算出した。Sn及びSbをドープしたMg2Siの微構造観察及びEDS組成分析結果から、図2に示すように、粒内のMg/(Si+Sn+Sb)比は、Snドープ量が増加するに伴い減少することがわかった。これはSnドープ量の増加に伴い、Mg欠損が増加することを示している。Mg欠損はホールを供給することから、キャリア(電子)が減少するものと考えられる。この結果から、SnドープMg2Siにおいて、キャリア減少分を補うことが必要と考えられる。上述した非特許文献1(Journal of Electronic Materials Vol.40, No.5, 830-834 (2011))では、Sbの添加量が、z≦0.0085であり、Sbの添加効果を得るには不十分であった。なお、非特許文献1では、z=0.0055においてZTが極大値を有する。即ち、非特許文献1の記載から、当業者は、z=0.0055よりも大きい範囲では良好な結果が得られないものと理解する。本発明では、非特許文献1に反して、通常考えられるよりもより高濃度のSbをドープした結果、キャリア濃度を最適に調節することができ、高い出力因子、高い性能指数ZTを示すものとすることができることがわかった。

Claims (5)

  1. 組成式Mgx(Si1-ySny1-zSbz(但し、エネルギー分散型X線分光測定の組成分析値でxが1.93以上2.00以下、yが0.05以上0.35以下、zが0.010以上0.035以下の範囲である)で表される化合物を主成分として含む、熱電変換材料。
  2. 前記yが0.10以上0.30以下である、請求項1に記載の熱電変換材料。
  3. 前記yが0.15以上0.25以下である、請求項1又は2に記載の熱電変換材料。
  4. 前記zが0.012以上0.030以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱電変換材料。
  5. 前記zが0.015以上0.025以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱電変換材料。
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