JP2014191904A - 電極およびそれを用いた二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶融塩を電解質として用いた二次電池において、低温域における充放電容量を高めることが可能な電極、およびそれを用いた二次電池の提供。
【解決手段】活物質と、細孔を有する多孔体と、溶融塩電解質とを含み、前記多孔体が、前記細孔内に前記溶融塩電解質を有する電極を用いることにより、溶融塩の融点に近い低温域でも、電極間の電解質層に含まれる溶融塩電解質と電極との濡れ性を向上することができ、低温域における充放電容量の低下が抑制された二次電池が得られる。前記多孔体の平均細孔径が、1〜10nmである電極。
【選択図】なし

Description

本発明は、二次電池の電極およびそれを用いた二次電池に関する。
近年、二次電池は、携帯電話やノートPCだけでなく、電気自動車用バッテリーや住宅・店舗用の大型蓄電池としてもその用途を広げている。
特に、風力や太陽光発電などの電圧安定化や貯蔵、夜間に蓄電した電力を日中に供給して電力負荷を平準化するなどの目的に利用する、数kWから数MWの大容量を有する定置用の大型蓄電池の要求が高まっており、このような大型蓄電池を構築可能なものとして、リチウムイオン電池や鉛蓄電池、ナトリウム硫黄電池をはじめとした種々の蓄電デバイスが検討されている。
そのうち、不燃性材料である溶融塩電解質を用いた溶融塩電池(たとえば、特許文献1を参照)は、有機電解液等を用いた従来の二次電池において重大な課題であった安全性を向上することができる電池として注目されている。また、特許文献2には、その電池容量を上げる手法として、電極の厚膜化を図るとともに、集電体や電極自体に空隙を有する電極を作製する方法が開示されている。
国際公開第2011/036907号公報 国際公開第2011/135967号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている溶融塩電池は、通常70℃〜190℃の温度範囲で動作させるが、特に電池の起動時など溶融塩電解質の融点に近い低温域での運転においては、電解液の粘度が高く電極内部でのイオン伝導率が低いため、電極の内部抵抗が高くなり十分な充放電特性を得ることができないという課題があった。
また、特許文献2に記載されているような連続気孔を有する電極においても、電極の気孔内部に存在する電解液のイオン伝導性が低いため、電極の内部抵抗が高くなるという課題があった。
本発明は、上記の課題を鑑みてなされたもので、溶融塩を電解質として用いた二次電池において、低温域における充放電容量を高めることが可能な電極、およびそれを用いた二次電池を提供することを目的とする。
本発明の電極は、活物質と、細孔を有する多孔体と、溶融塩電解質とを含み、前記多孔体が、前記細孔内に前記溶融塩電解質を有することを特徴とする。
本発明の二次電池は、正極、負極、および前記正極と前記負極との間に非水電解質を備え、前記正極および前記負極のうち少なくともいずれか一方として、上述の電極を用いたことを特徴とする。
本発明によれば、溶融塩を電解質として用いた二次電池において、低温域における充放電容量を高めることが可能な電極、およびそれを用いた二次電池を提供できる。
二次電池の概略断面図である。 二次電池の外観を示す斜視図である。 本発明の一実施形態である電極の断面を示す模式図である。
本発明の一実施形態である二次電池について、図1〜3に基づいて説明する。本実施形態の二次電池は、正極1Pと負極1Nとの間に電解質層2を有し、これらは発電要素4を構成している。また、正極1Pおよび負極1Nの電解質層2に面する側とは反対側の面には、それぞれ正極側集電層5Pおよび負極側集電層5Nが設けられている。電解質層2としては、溶融塩電解質をセパレータに含浸させたものや、溶融塩電解質自体を用いる。
図1に示した発電要素4を、図2に示すような電池ケースに収納することにより二次電池が形成される。電池ケースの形態はラミネートタイプやチューブ型、コイン型、箱型など多種多様であるが、いずれの形態であっても良い。図2に示す6Nおよび6Pは、それぞれ外部回路と負極1Pおよび正極1Nとを電気的に接続する負極端子および正極端子であり、7はケース本体である。
電極である正極1Pや負極1Nは、図3に示すように、活物質1aの他に細孔を有する多孔体1bを含んでおり、多孔体1bは細孔内に溶融塩電解質を有している。このように、電極がその構成要素である多孔体1bの細孔内に溶融塩電解質を有することにより、溶融塩電池として動作可能な温度範囲のうち、溶融塩の融点に近い低温域でも、電解質層2に含まれている溶融塩電解質と電極との濡れ性を向上することができ、低温域における充放電容量の低下を抑制することができる。なお、電極は、空隙1cを含んでいてもよい。
多孔体1bとしては、たとえば、ゼオライト、メソポーラスシリカ、活性炭、カーボンナノチューブなどが挙げられる。また、多孔体1bの形状は、図3に示した粒子状のほか、針状、層状、網目状などの形状であってもよい。
電極中における多孔体1bの含有量は、電極の断面において多孔体1bが占める面積比率(以下、多孔体1bの面積比率ともいう)にして0.4〜17%の範囲であることが好ましい。このような範囲とすることで、電極としての充放電容量を充分維持しつつ、電極と溶融塩電解質との濡れ性を向上することができ、イオン伝導性が向上して充放電容量を向上させることができる。多孔体1bの面積比率は、たとえば、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて電極の断面写真を撮影し、画像解析することにより算出できる。
さらに、多孔体1bは、その平均細孔径が1〜10nmの範囲にあることが好ましい。多孔体1bの平均細孔径をこのような範囲とすることにより、多孔体1bの細孔径が溶融塩電解質のクラスターよりも小さくなるため、溶融塩電解質が多孔体1bの細孔内に保持される。したがって、通常、電池の起動時には溶融塩電解質である電解液の粘度が高いために電解液が浸透しにくい電極内部においても、多孔体1bの細孔内に保持された溶融塩電解質を通じて活物質によるイオンの挿入・脱離が可能となり、電極内部でのイオン伝導性が向上する。これは、特に電極の厚さを厚くした場合において、顕著な効果を発揮する。
このような平均細孔径を有する多孔体1bとしては、たとえば、メソポーラスシリカや
メソポーラスアルミノシリケート、メソポーラスカーボンなどの多孔質ガラスや、MOF(Metal-Organic Framework)またはPCP(Porous Coordination Polymer)とも呼ばれる多孔性配位高分子が挙げられる。多孔性配位高分子の具体例としては、Zn(MeIM)、Al(OH)[BDC]、Zn(DOBDC)などが挙げられる。なお、上述の化学式で用いた略号は、以下のようなものである。
HMeIM:2−メチルイミダゾール
BDC:1,4−ベンゼンジカルボン酸
DOBDC:2,5−ジヒドロキシテレフタル酸
なお、多孔体1bの平均細孔径は、たとえばガス吸着法などの細孔径分布測定から得られる。この場合、細孔内の溶融塩固体電解質や吸着物を洗浄・除去した後に測定する。なお、多孔性配位高分子の細孔は結晶構造に由来するため、X線構造解析により得られる結晶構造から求めることもできる。
正極1Pは、リチウムイオンまたはナトリウムイオンを吸蔵・放出できる正極活物質を含有している。正極活物質としては、コバルト、マンガン、ニッケル、クロム、鉄およびバナジウムからなる元素群のうち、少なくとも一種を含むリチウム複合酸化物およびナトリウム複合酸化物が挙げられる。具体的には、リチウム含有コバルト複合酸化物、リチウム含有ニッケルコバルト複合酸化物、リチウム含有ニッケル複合酸化物、リチウムマンガン複合酸化物、リチウム鉄複合酸化物や、ナトリウムマンガン複合酸化物、ナトリウム鉄複合酸化物、ナトリウムクロム複合酸化物、ナトリウムバナジウム複合酸化物などのカルコゲン化合物などが例示できる。中でも、ナトリウムバナジウム複合物、リチウムマンガン複合酸化物、リチウム含有ニッケルコバルト複合酸化物、リチウム含有コバルト複合酸化物などは、充放電電位が高い値を有するため、高い電池容量を実現でき、望ましい。
負極1Nは、正極1Pと同様にリチウムイオンまたはナトリウムイオンを吸蔵・放出できるとともに、これらのイオンの吸蔵・放出を、正極1Pに用いる正極活物質よりも卑な電位で行うことができる負極活物質を含有している。このような負極活物質としては、リチウム金属やナトリウム金属、人造および天然黒鉛、難黒鉛化カーボン、易黒鉛化低温焼成カーボン等の炭素質材料、チタン酸リチウム、チタン酸ナトリウム、硫化鉄、酸化コバルト、スズ酸化物などが挙げられる。特に、充放電電位が金属ナトリウムや金属リチウムの電位に対して0.01Vよりも貴となる負極活物質を選択することにより、負極活物質の表面における副反応による劣化、すなわち負極活物質の表面に析出した金属が溶融塩電解質と反応して不導体被膜を形成し、イオンの挿入脱離を阻害することによる充放電特性の劣化や、析出金属による短絡等の不具合を抑制することができる。
本実施形態の電極は、以下のようにして作製すればよい。本実施形態の電極には、活物質1aのほか、細孔内に溶融塩電解質を有する多孔体1bが含まれている。そこで、細孔内に溶融塩電解質を有する多孔体1bを作製する。まず、多孔体1bの細孔内に吸着した分子やイオンを除去する。洗浄方法としては、水やメタノール、エタノールなどを洗浄液として吸着した分子やイオンを洗い流す方法や、高温での加熱処理、真空加熱処理などによって吸着した分子やイオンを脱離させる方法などがある。
次に、多孔体1bの細孔内に溶融塩電解質を注入する。注入方法としては、たとえば、溶融塩電解質を融点以上の温度に加熱して液体とし、その中に多孔体1bを浸す方法が挙げられる。このとき、液体となった溶融塩電解質を撹拌することで溶融塩電解質の多孔体1bの細孔内への浸入を促進することができる。多孔体1bの種類によっては超音波をあてることも効果的である。また、多孔体1bが粒子状や針状の場合は、多孔体1bの粒子と溶融塩電解質との混合物を静置してもよい。これにより、溶融塩電解質が多孔体1bの細孔内に拡散し、溶融塩電解質を細孔内に有する多孔体1bが得られる。なお、溶誘電電
解質の多孔体1b内部への拡散を促進するため、混合物を例えば100〜200℃程度の温度環境下に静置してもよい。なお、上述の注入処理は、細孔内や溶融塩電解質に水分等が吸着しないよう、例えば真空中や、露点−20℃以下の乾燥雰囲気中で行うことが好ましい。さらに、多孔体1bや溶融塩電解質の酸化還元などの化学反応を防止するため、真空中や、窒素、アルゴンなどの不活性雰囲気中で注入処理を行うことがさらに好ましい。
溶融塩電解質を細孔内に有する多孔体1bと、余剰の溶融塩電解質との分離が必要な場合は、たとえば吸引ろ過や、溶剤を用いた洗浄により多孔体1bの外表面に付着した溶融塩電解質を洗い流すなどの方法により、溶融塩電解質を細孔内に有する多孔体1bのみを取り出すことができる。なお、多孔体1bの細孔内部に溶融塩電解質が存在することは、たとえば、多孔体1bまたは多孔体1bを含む電極をウルトラミクロトームなどの手段で断面加工し、透過型電子顕微鏡(TEM)およびエネルギー分散型X線分析(EDS)を用いて、多孔体1bの細孔内部の局所元素分析により確認すればよい。
このようにして得られた、溶融塩電解質を細孔内に有する多孔体(以下、溶融塩電解質を含む多孔体という場合もある)1bを用いて、電極を作製する。たとえば、活物質1aの粉末を80質量%、導電助剤としてアセチレンブラックを10質量%、および結着剤としてのポリアミドイミド樹脂と溶融塩電解質を含む多孔体1bの粉末とを合計で10質量%に、さらに溶媒として、これらの合量に対し15質量%のNMP(N−メチルピロリドン)を添加してスラリーを作製する。作製したスラリーを、ドクターブレード法などの周知のシート成形法により、たとえばAl箔上に塗布し溶剤を乾燥することで、活物質1a、溶融塩電解質を含む多孔体1b、導電助剤および結着剤を含む電極を作製できる。なお、電極全体に対する溶融塩電解質を含む多孔体1bの割合は、0.1〜7質量%の範囲とすることが好ましい。
また、活物質1aの粉末と溶融塩電解質を含む多孔体1bと、必要に応じ導電助剤とを用いて、押し出し成形やロールコンパクション法などの成形法によって圧粉体を作製し、電極を形成してもよい。
バインダーは、ポリアミドイミド樹脂以外にも、たとえばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリイミド樹脂(PI)、ポリアミド樹脂など、用途によって適したものを選んで使用できる。
また、導電助剤も、アセチレンブラックの代わりにケッチェンブラックやカーボンナノチューブ、黒鉛、ハードカーボン、金属(アルミニウム、金、白金など)の粉末など、溶融塩を用いた二次電池の使用電圧範囲において化学的に安定で導電性を示すものであれば、その材料はいずれでも良い。また、多孔体1bとして導電性を有する活性炭、カーボンナノチューブ等を用いる場合は、必ずしもこれらの導電助剤を用いる必要はない。
また、電極中における活物質1aの粒子の平均粒径は、これを用いる二次電池の電圧範囲や温度などの使用条件に応じて、たとえば0.1〜50μmの範囲から適正な範囲を選んで調整すればよい。たとえば高出力が必要な二次電池用途に用いる場合、活物質1aの粒子の平均粒径は0.5〜1.0μmの比較的微小な範囲とすることが好ましい。
なお、電極中における活物質1aの粒子の平均粒径の制御は、シート成形や圧粉体により電極を形成する場合には、活物質1aの粉末の粒度調整により行うことができる。電極中における活物質1aの粒子の平均粒径は、たとえば電極の断面において、走査型電子顕微鏡(SEM)と波長分散型X線分析(WDS)により活物質1aの粒子を判別し、撮影した写真を画像解析して算出するなどして求めることができる。
電解質層2として、溶融塩電解質をセパレータに含浸させたものを用いる場合、セパレータには、イオンを通し、かつ正負極のショートを防止することが求められる。このようなセパレータの材料としては、たとえばガラスフィルター、セラミックの多孔質材料などを用いることができる。
溶融塩電解質は、イミダゾリウム塩、ピロリジニウム塩、ピリジニウム塩、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩、スルホニウム塩などの溶融塩と、必要に応じてリチウム塩、ナトリウム塩などのアルカリ金属塩とからなる。溶融塩を形成するカチオンは、特に限定されるものではないが、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−メチル−3−プロピルイミダゾリウム、1−メチル−3−イソプロピルイミダゾリウム、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、N−プロピルピリジニウム、N−ブチルピリジニウムなどの芳香族4級アンモニウム系イオンから1種以上を用いることができる。特に、イミダゾリウム骨格を有するカチオンを用いると粘度の低い溶融塩を得ることができ、電解質として用いたときに高い電池出力特性を得ることができるのでより望ましい。さらに、負極活物質として、充放電電位が電気伝導を担うイオンの金属に対して0.01Vよりも貴となる活物質(たとえばリチウムイオンを用いる場合はチタン酸リチウムなど)を用いると、前記イミダゾリウム骨格を有するカチオンを含む溶融塩においても負極1N上での副反応が抑制され、貯蔵性やサイクル性に優れた二次電池を得ることができる。
前記リチウム塩やナトリウム塩としては、テトラフルオロホウ酸リチウム(LiBF)、ヘキサフルオロ酸リチウム(LiPF)、ヘキサフルオロメタンスルホン酸リチウム、ビスフルオロスルフォニルイミドリチウム(LiFSI)、ビストリフルオロメタンスルホニルイミドリチウム(LiTFSI)、リチウムジシアナミド(LiDCI)、テトラフルオロホウ酸ナトリウム(NaBF)、ヘキサフルオロ酸ナトリウム(NaPF)、ヘキサフルオロメタンスルホン酸ナトリウム、ビスフルオロスルフォニルアミドナトリウム(NaFSI)、ビストリフルオロメタンスルホニルイミドナトリウム(NaTFSI)、ナトリウムジシアナミド(NaDCI)などから1種以上を用いることができる。これらは、他のアルカリ金属塩と混合して一定温度以上の環境で使用することで、溶融塩として用いることができる。
正極側集電層5Pには、正極1Pの電位において溶解などの反応が発生しない耐食性を有する材料を用いればよい。このような材料としては、たとえば、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン、金、白金等を含む金属材料や合金、黒鉛、ハードカーボン、ガラス状炭素等の炭素質材料、ITOガラス、酸化すずなどの無機導電性酸化物材料などを用いることができる。その中でもアルミニウム、金、白金は耐食性に優れ、容易に入手できるため好ましい。特にアルミニウムは、表面に酸化被膜を形成して不動態化し、高い電位においても耐食性に優れる点から好ましい。
負極側集電層5Nには、負極1Nの電位においてリチウムやナトリウムとの合金化などの副反応が発生しない材料を用いればよい。このような材料としては、たとえば、銅、ニッケル、真鍮、亜鉛、アルミニウム、ステンレス、タングステン、金、白金等を含む金属材料や合金、黒鉛、ハードカーボン、ガラス状炭素等の炭素質材料、ITOガラス、酸化すずなどの無機導電性酸化物材料などを用いることができる。特に、導電性が高く比較的安価な点から、アルミニウムまたはニッケルを用いることが好ましい。特にアルミニウムは、銅やニッケルと同様に導電性が高く比較的安価であり、リチウムに対しては合金を形成するため使用できないが、ナトリウムに対しては不活性であるため、正極および負極のいずれにも集電体として用いることが可能である。
正極側集電層5Pおよび負極側集電層5Nは、これらの金属材料からなる金属箔やメッシュを用いてもよいし、金属材料、炭素質材料またはITOガラスや酸化すずなどの無機
導電性酸化物材料などをフィラーとした導電性インクなどを電極材料表面に塗布し、乾燥させたものを用いてもよい。また、白金やアルミニウム、チタンなどの金属を電極材料表面に蒸着したものであってもよい。
なお、金属箔またはメッシュを用いる場合、その厚みは5〜20μmとすることが好ましい。また、金属箔を使用する場合は、電極材料との接着力向上のために、金属箔の表面を粗面化処理したものを用いてもよい。この場合、金属箔の表面粗さは、算術平均粗さ(Ra)にして0.5〜2μmであることが好ましい。金属箔の表面粗さは、触針式、光干渉式等の表面粗さ計や、レーザー顕微鏡、原子間力顕微鏡(AFM)等を用いて測定する。一般的に使用される触針式表面粗さ計を用いる場合は、JIS B0601に基づいて、たとえば、触針先端径を2μm、測定長を4.8mm、カットオフ値を0.8mmという条件で測定すればよい。
以上、本実施形態の二次電池について説明したが、本発明は本実施形態に限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲で種々変更したものにも適用することができる。
以下、本発明の二次電池について、実施例に基づき詳細に説明する。まず、正極活物質として、ナトリウムマンガン複合酸化物であるNa0.7MnOを合成した。素原料として炭酸ナトリウム粉末(関東化学:試薬特級)、および三二酸化マンガン(III)粉末(高純度化学:3N)を用いた。これらの素原料を所定量配合し、イソプロピルアルコール(IPA)を溶媒としてスラリー化し、ZrOボールを用いてボールミルにて20時間混合した。混合後のスラリーを乾燥した後、900℃で10時間の熱処理を行い、ナトリウムマンガン複合酸化物を合成した。
合成したナトリウムマンガン複合酸化物に含まれる結晶相を、CuKα線を用いてX線回折(XRD)測定を行い確認した。得られたX線回折パターンを解析した結果、ナトリウムマンガン複合酸化物の結晶相がNa0.7MnOであることを確認した。
次に、多孔体に溶融塩電解質を注入し、細孔内に溶融塩電解質を有する多孔体を作製した。溶融塩電解質としては、ビスフルオロスルフォニルアミドナトリウム(以下、NaFSIという)の粉末(三菱マテリアル製)と、ビスフルオロスルフォニルアミドカリウム(以下、KFSIという)の粉末(三菱マテリアル製)とを混合して用いた。この混合溶融塩電解質の融点は67℃である。多孔体としては、表1に示すような平均細孔径を有するメソポーラスシリカ(SIGMA ALDRICH社製)の粉末を用いた。まず、NaFSI粉末とKFSI粉末のモル比が1:1となるように溶融塩を配合・混合し、さらにメソポーラスシリカ粉末を加え混合した。これらを、80℃に熱したホットプレート上で溶融塩電解質を溶融させるとともに、スターラーを用いて回転数60回/分で30分間撹拌することで、多孔体の細孔内部に溶融塩電解質を注入した。これを常温に冷却して塊状の溶融塩電解質と多孔体との混合物を得た。この混合物を、乳鉢と乳棒を用いて粉砕し、細孔内部に溶融塩電解質を有するメソポーラスシリカを取り出した。メソポーラスシリカの細孔内部に溶融塩電解質が存在することは、透過型電子顕微鏡(TEM)とエネルギー分散型X線分析(EDS)を用いて細孔内部の局所的な元素分析を行い確認した。
次に、正極活物質として合成したナトリウムマンガン複合酸化物と、細孔内に溶融塩電解質を有するメソポーラスシリカとを用いて正極を作製した。ナトリウムマンガン複合酸化物の粉末を80質量%、導電助剤としてアセチレンブラックを10質量%、およびバインダーとしてのポリアミドイミド樹脂と、細孔内に溶融塩電解質を有するメソポーラスシリカとを合計で10質量%を配合し、さらに溶媒として、これらの合量に対して15質量%のNMP(N−メチルピロリドン)を添加してスラリーを作製した。このスラリーを、
正極側集電層となるアルミニウム箔上にドクターブレード法により塗布し、溶媒を乾燥することにより、厚さが300μmの正極活物質層を形成した。
得られた正極活物質層の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察して多孔体を判別するとともに写真を撮影し、240×180μmの領域3箇所について、多孔体の面積比率を画像解析により算出した。結果を表1に示す。
得られた正極活物質層を、正極側集電層であるアルミニウム箔と共に10×10cmの正方形状に切断して正極を作製した。さらにアルミニウム箔の正極活物質層が形成されていない側の面の端部に、正極端子となるアルミニウム箔をスポット溶接で取り付けた。
負極活物質にはナトリウム金属を用いた。負極側集電層となるアルミニウム箔上に、負極活物質層となるナトリウム箔をプレスにより圧着し、これを10×10cmの正方形状に切断して負極を作製した。さらに、アルミニウム箔のナトリウム箔を圧着していない側の面の端部に負極端子となるアルミニウム箔をスポット溶接で取り付けた。
作製した正極および負極の間に、溶融塩電解質を含んだポリプロピレン/ポリエチレン製多孔質膜のセパレータを配置し、発電要素を作製した。溶融塩電解質は、上述したNaFSIとKFSIの混合物を用いた。
作製した発電要素を、外装体(電池ケース)である袋状のアルミラミネートフィルムに、固体状態の溶融塩電解質とともに収納し、正極端子および負極端子の端部が外装体の開口部から露出した状態で外装体の開口部を熱溶着により密閉し、二次電池とした。
作製した二次電池について、以下のような条件で充放電試験を行い、電池特性を確認した。
充放電電圧範囲:上限4.0V、下限1.5V
充放電電流値 :1mA/cm(定電流充放電)
測定温度 :70℃
Figure 2014191904
試料No.2〜12は、正極が、細孔内に溶融電解質を有する多孔質体を含むことから
、溶融塩電解質の融点近傍である70℃という低温域においても、100mAh/g以上という高い放電容量を示した。特に、試料No.2〜9、12は、正極に含まれる多孔体の平均細孔径が1〜10nmであるとともに、正極の断面において多孔体の占める面積比率が0.4〜17%であり、放電容量が105mAh/g以上と優れたものであった。なお、試料No.2〜12については、溶融塩電解質の融点である67℃においても充放電が可能であることを確認した。
1P・・・正極
1N・・・負極
1a・・・活物質
1b・・・多孔体
1c・・・空隙
2・・・・電解質層
4・・・・発電要素
5・・・・集電層
5N・・・負極側集電層
5P・・・正極側集電層
6N・・・負極端子
6P・・・正極端子
7・・・・電池ケース本体

Claims (5)

  1. 活物質と、細孔を有する多孔体と、溶融塩電解質とを含み、前記多孔体が、前記細孔内に前記溶融塩電解質を有することを特徴とする電極。
  2. 前記電極の断面において、前記多孔体が占める面積比率が0.4〜17%であることを特徴とする請求項1に記載の電極。
  3. 前記多孔体の平均細孔径が、1〜10nmであることを特徴とする請求項1または2に記載の電極。
  4. 正極、負極、および前記正極と前記負極との間に非水電解質を備え、前記正極および前記負極のうち少なくともいずれか一方として、請求項1乃至3のいずれかに記載の電極を用いたことを特徴とする二次電池。
  5. 前記非水電解質が、溶融塩電解質であることを特徴とする請求項4に記載の二次電池。
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