JP2014190240A - 燃料ポンプの駆動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】消費電力の悪化を抑制してフィルミングを除去しつつ、ブラシ付きモータを低電圧駆動できる燃料ポンプの駆動制御装置を提供する。
【解決手段】この燃料ポンプの駆動制御装置1は、ブラシ付きモータ7dで燃料噴射装置3aへの燃料送給を行うものであり、ブラシ付きモータ7dが所定電圧Vaよりも低い電圧で駆動される時間がカウンタのカウント値Ncで算出されると共に、燃料ポンプ7の燃料送給状態が正常範囲から外れているか否かの判定が行われ、カウント値Ncが第1所定値N1以上であり且つ前記燃料送給状態が正常範囲から外れている場合は、ブラシ付きモータ7dが所定電圧Vaよりも高い電圧で駆動される。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両などのエンジンの燃料噴射装置に燃料を送給する燃料ポンプを駆動制御する駆動制御装置に関し、特に、ブラシ付きモータを駆動源とする燃料ポンプを駆動制御する技術に関する。
一般に、ブラシ付きモータが低電圧で長時間駆動されると、ブラシ付きモータのブラシと整流子との間に絶縁被膜が形成され(この現象をフィルミングと呼ぶ)、その絶縁被膜によりブラシ付きモータに導電不良が発生する。特許文献1には、このフィルミングを除去する技術として、ブラシ付きモータが低電圧で一定時間駆動される毎に高電圧駆動され、この高電圧による整流火花でフィルミングを除去する技術が開示されている。
特開昭59−136094号公報
特許文献1では、ブラシ付きモータの低電圧駆動時間だけで、フィルミングの成長状態を把握するので、フィルミングの成長状態を十分に把握できない(即ち、ブラシ付きモータでフィルミングによる導電不良が発生しているか否かを正確に把握できない)場合がある。
即ち、フィルミングは一定時間毎に規則正しく成長するとは限らないので、フィルミングが成長していない場合(即ち、ブラシ付きモータでフィルミングによる導電不良が発生していない場合)でも、ブラシ付きモータが高電圧駆動される場合がある。この場合の高電圧駆動は無駄になるので、この無駄な高電圧駆動により消費電力が悪化するという問題がある。
特に、フィルミングを十分に除去するために、1回の高電圧駆動時間が長めに設定されると、無駄な高電圧駆動時間が長くなり、消費電力が一層悪化するという問題がある。
そこで、本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、消費電力の悪化を抑制してフィルミングを除去しつつ、ブラシ付きモータを低電圧駆動できる燃料ポンプの駆動制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の燃料ポンプの駆動制御装置は、ブラシ付きモータで燃料噴射装置への燃料送給を行う燃料ポンプの駆動制御装置において、前記ブラシ付きモータが所定電圧よりも低い電圧で駆動される時間がカウンタのカウント値で算出されると共に、前記燃料ポンプの燃料送給状態が正常範囲から外れているか否かの判定が行われ、前記カウント値が第1所定値以上であり且つ前記燃料送給状態が正常範囲から外れている場合は、前記ブラシ付きモータが前記所定電圧よりも高い電圧で駆動されることを特徴とする。
上記の構成によれば、カウント値が第1所定値以上であり且つ燃料送給状態が正常範囲から外れている場合は、ブラシ付きモータが所定電圧よりも高い電圧で駆動される(即ち
フィルミング除去が行われる)。即ち、カウント値(即ちブラシ付きモータの低電圧駆動時間)と燃料ポンプの燃料送給状態との両方に基づいて、ブラシ付きモータを高電圧駆動させるタイミングが制御される。
そのため、ブラシ付きモータの低電圧駆動時間だけでブラシ付きモータを高電圧駆動させるタイミングが制御される従来技術と比べて、より正確に、フィルミングによる導電不良が発生している場合だけ、ブラシ付きモータを高電圧駆動でき、無駄な高電圧駆動(即ち消費電力の悪化)を低減できる。これにより、消費電力の悪化を抑制してフィルミングを除去しつつ、ブラシ付きモータを低電圧駆動できる。
また、本発明の燃料ポンプの駆動制御装置は、上記に記載の燃料ポンプの駆動制御装置であって、前記燃料噴射装置の燃料噴射量は、目標空燃比を実現するためのフィードバック制御が行われており、前記カウント値が前記第1所定値以下の値である第2所定値以下の場合の前記フィードバック制御の補正量が正常時の補正量として保存され、前記カウント値が前記第1所定値以上の場合に、この場合の前記フィードバック制御の補正量から前記正常時の補正量を減算した差分値が求められ、前記差分値が第3所定値よりも大きい場合は、前記燃料ポンプの燃料送給状態が正常範囲から外れていると判定されることを特徴とする。
上記の構成によれば、カウント値が第1所定値以下の値である第2所定値以下の場合のフィードバック制御の補正量が正常時の補正量として保存され、カウント値が第1所定値以上の場合に、この場合のフィードバック制御の補正量から正常時の補正量を減算した差分値が求められ、差分値が第3所定値よりも大きい場合は、燃料ポンプの燃料送給状態が正常範囲から外れていると判定される。よって、燃料噴射量のフィードバック制御の補正量を用いて、容易に、燃料ポンプの燃料送給状態が正常範囲から外れているか否かを判定できる。
また、本発明の燃料ポンプの駆動制御装置は、上記に記載の燃料ポンプの駆動制御装置であって、前記ブラシ付きモータが前記所定電圧よりも高い電圧で駆動される場合に、前記差分値が前記第3所定値以下の値である第4所定値よりも小さくなると、前記ブラシ付きモータが前記所定電圧よりも低い電圧で駆動可能になることを特徴とする。
上記の構成によれば、ブラシ付きモータが所定電圧よりも高い電圧で駆動される場合に、差分値が第3所定値以下の値である第4所定値よりも小さくなる(即ち燃料噴射量のフィードバック制御の補正量が正常範囲内に戻る)と、ブラシ付きモータが所定電圧よりも低い電圧で駆動可能になる。即ち、補正量が正常範囲内に戻ることで、フィルミング除去の完了が確認されると、ブラシ付きモータが低電圧駆動可能な状態に戻される。そのため、フィルミング除去に必要な最小限度の時間だけ、ブラシ付きモータを高電圧駆動でき、無駄な高電圧駆動を低減できる。
また、本発明の燃料ポンプの駆動制御装置は、上記に記載の燃料ポンプの駆動制御装置であって、前記燃料ポンプから前記燃料噴射装置への送給燃料の燃圧が第1所定燃圧以下の低燃圧である場合は、前記燃料ポンプの燃料送給状態が正常範囲から外れていると判定されることを特徴とする。
上記の構成によれば、燃料ポンプから燃料噴射装置への送給燃料の燃圧が第1所定燃圧以下の低燃圧である場合は、燃料ポンプの燃料送給状態が正常範囲から外れていると判定される。よって、燃圧を用いて、容易に、燃料ポンプの燃料送給状態が正常範囲から外れているか否かを判定できる。
また、本発明の燃料ポンプの駆動制御装置は、上記に記載の燃料ポンプの駆動制御装置であって、前記ブラシ付きモータが前記所定電圧よりも高い電圧で駆動される場合は、その駆動時間の経過に伴って前記カウンタのカウント値がカウントダウンされることを特徴とする。
上記の構成によれば、ブラシ付きモータが所定電圧よりも高い電圧で駆動される場合は、その駆動時間の経過に伴ってカウンタのカウント値がカウントダウンされるので、カウント値(即ち高電圧駆動開始時のカウント値から現時点のカウント値との差)でブラシ付きモータの高電圧駆動時間をカウントできる。
また、本発明の燃料ポンプの駆動制御装置は、上記に記載の燃料ポンプの駆動制御装置であって、前記ブラシ付きモータが前記所定電圧よりも高い電圧で駆動される場合に、前記カウント値が前記第1所定値以下の値である第2所定値以下になり且つ前記燃圧が前記第1所定燃圧以上の値である第2所定燃圧よりも大きくなると、前記ブラシ付きモータが前記所定電圧よりも低い電圧で駆動されることを特徴とする。
上記の構成によれば、ブラシ付きモータが所定電圧よりも高い電圧で駆動される場合に、カウント値が第1所定値以下の値である第2所定値以下になり(即ちブラシ付きモータの高電圧駆動が一定時間行われ)且つ燃圧が第1所定燃圧以上の値である第2所定燃圧以上になる(即ち燃圧が正常範囲内に戻る)と、ブラシ付きモータが所定電圧よりも低い電圧で駆動可能になる。即ち、ブラシ付きモータの高電圧駆動が一定時間行われて燃圧が正常範囲内に戻ることで、フィルミング除去の完了が確認されると、ブラシ付きモータが低電圧駆動可能な状態に戻される。そのため、フィルミング除去に必要な最小限度の時間だけ、ブラシ付きモータを高電圧駆動でき、無駄な高電圧駆動を低減できる。
また、本発明の燃料ポンプの駆動制御装置は、上記に記載の燃料ポンプの駆動制御装置であって、前記カウンタのカウント値のカウントアップ速度は、前記ブラシ付きモータへの印加電圧が低いほど速くなることを特徴とする。
一般に、ブラシ付きモータへの印加電圧が低いほど、フィルミングは成長し易いという特性がある。上記の構成によれば、カウンタのカウント値のカウントアップ速度は、ブラシ付きモータへの印加電圧が低いほど速くなるので、当該特性を考慮して、カウント値を算出できる。これにより、カウント値によるフィルミングによる絶縁被膜の成長度合いの推定精度を向上できる。
また、本発明の燃料ポンプの駆動制御装置は、上記に記載の燃料ポンプの駆動制御装置であって、前記カウンタのカウント値のカウントダウン速度は、前記ブラシ付きモータへの印加電圧が高いほど速いことを特徴とすることを特徴とする。
一般に、ブラシ付きモータへの印加電圧が高いほど、フィルミングは除去され易いという特性がある。上記の構成によれば、カウンタのカウント値のカウントダウン速度は、ブラシ付きモータへの印加電圧が高いほど速くなるので、当該特性を考慮して、カウント値を算出できる。これにより、カウント値によるフィルミングによる絶縁被膜の成長度合いの推定精度を向上できる。
本発明の燃料ポンプの駆動制御装置によれば、消費電力の悪化を抑制してフィルミングを除去しつつ、ブラシ付きモータを低電圧駆動できる。
本発明の第1および第2実施形態に係る燃料ポンプの駆動制御装置の構成概略図である。 本発明の第1実施形態での制御装置の構成概略図である。 カウントアップ速度とブラシ付きモータへの印加電圧との関係を示した図である。 カウントダウン速度とブラシ付きモータへの印加電圧との関係を示した図である。 本発明の第1および第2実施形態に係る燃料ポンプの駆動制御装置のフラグON/OFF設定動作を説明するフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係る燃料ポンプの駆動制御装置の下限値制御動作を説明するフローチャートである。 本発明の第1実施形態での下限値Vmin、カウント値Nc、フラグFのON/OFF状態、および、空燃比学習値FBの各々の時間変化の一例を示した図である。 本発明の第2実施形態での制御装置の構成概略図である。 本発明の第2実施形態に係る燃料ポンプの駆動制御装置の下限値制御動作を説明するフローチャートである。 本発明の第2実施形態での下限値Vmin、カウント値Nc、フラグFのON/OFF状態、および、燃圧Pの各々の時間変化の一例を示した図である。
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
≪第1実施形態≫
<構成説明>
図1は、本発明の第1実施形態に係る燃料ポンプの駆動制御装置の構成概略図である。図2は、本発明の第1実施形態での制御装置の構成概略図である。
この実施形態に係る燃料ポンプの駆動制御装置1は、図1に示すように、車両などのエンジン3の燃料噴射装置3aへの燃料送給をブラシ付きモータ7dで行う燃料ポンプ7を駆動制御するものである。この燃料ポンプの駆動制御装置1は、ブラシ付きモータ7dの低電圧駆動時間(ここではカウンタ9cのカウント値Nc)と燃料ポンプ7の燃料送給状態(ここでは空燃比学習値FBの状態)との両方に基づいて、ブラシ付きモータ7dへの印加電圧Vmをフィルミング除去用の高電圧に切り換えるタイミングを制御する点に特徴がある。以下、この燃料ポンプの駆動制御装置1について詳細に説明する。
この燃料ポンプの駆動制御装置1は、図1に示すように、エンジン3と、エンジン3の燃料噴射装置3aへの燃料送給用の燃料送給路4と、エンジン3の燃料(例えばガソリン)を貯留する燃料タンク5と、燃料タンク5内の燃料を燃料送給路4に送給する燃料ポンプ7と、エンジン3および燃料ポンプ7を制御する制御装置9を備えている。
エンジン3は、例えば、V型の気筒配列を有した8気筒の内燃機関であり、その左右バンクにそれぞれ4個の気筒を有している。エンジン3には、各気筒毎に、燃料噴射装置3aが配設されている。各燃料噴射装置3aは、電磁式の燃料噴射弁として構成されている。各燃料噴射装置3aは、例えばエンジン3の各気筒の吸気ポート付近に配置されており、制御装置9の制御に応じて、燃料送給路4から送給される燃料を各気筒に噴射供給する。
燃料ポンプ7は、制御装置9の制御に応じて、燃料タンク5内の燃料を燃料送給路4に吐出するものであり、例えば燃料タンク5内に配置されている。燃料ポンプ7は、吸込口7aと、吐出口7bと、燃料送給用のタービン7cと、タービン7cを回転駆動させるブ
ラシ付きモータ7dと、制御装置9の制御に応じてブラシ付きモータ7dへの印加電圧Vmを制御(例えばPWM制御)する駆動回路7eとを備えている。吐出口7bには、燃料送給路4が接続されている。
ブラシ付きモータ7dは、例えば直流電圧で駆動する直流モータである。駆動回路7eは、制御装置9の制御に応じて、直流電源(図示省略)から供給される直流電圧を調整してブラシ付きモータ7dに印加する。
この燃料ポンプ7では、ブラシ付きモータ7dの回転動力によりタービン7cが回転される。この回転により、燃料タンク5内の燃料が、吸込口7aから燃料ポンプ7内に吸い込まれて吐出口7bから吐出される。これにより、燃料タンク5内の燃料が燃料送給路4を介して各燃料噴射装置3aに送給される。
燃料送給路4は、エンジン3の左右バンクに対応して配置された2個のデリバリパイプ4L,4Rと、各デリバリパイプ4L,4Rを相互接続する連通管4aと、デリバリパイプ4Lと燃料ポンプ7の吐出口7bとを接続する燃料配管4bと、デリバリパイプ4Rと燃料タンク5とを接続するリターン配管4cと、リターン配管4cに配設された調圧弁4dとを備えている。
デリバリパイプ4Lは、燃料ポンプ7から送給される燃料を、一時的に貯留して、左バンクの各気筒毎に配設された各燃料噴射装置3aに供給するものである。デリバリパイプ4Rは、燃料ポンプ7から送給される燃料を、一時的に貯留して、右バンクの各気筒毎に配設された各燃料噴射装置3aに供給するものである。調圧弁4dは、各デリバリパイプ4L,4R内の燃圧Pを所定燃圧に維持するものであり、例えば機械式の調圧弁として構成されている。調圧弁4dは、弾性体により閉弁方向に付勢されており、各デリバリパイプ4L,4R内の燃圧Pが所定燃圧を超えると、開弁する。
この燃料送給路4では、燃料ポンプ7から吐出された燃料が、順に燃料配管4b、デリバリパイプ4R、連通管4aおよびデリバリパイプ4Lへと流れて、各デリバリパイプ4L,4Rに送給される。そして、各デリバリパイプ4L,4Rから各燃料噴射装置3aに燃料が送給される。そして、各デリバリパイプ4L,4R内の燃圧Pが所定燃圧を超えると、調圧弁4dが開弁して、デリバリパイプ4R内の燃料がリターン配管4cを介して燃料タンク5に戻される。これにより、各デリバリパイプ4L,4R内の燃圧Pが所定燃圧に維持される(従って、各燃料噴射装置3aに送給される燃料の燃圧Pも所定燃圧に維持される)。
制御装置9には、各種のセンサとして、エンジン回転速度センサ11、吸入空気量センサ13、燃圧センサ15、空燃比センサ17等が接続されている。
エンジン回転速度センサ11は、エンジン3のクランクシャフト(図示省略)付近に配設されて、クランクシャフトの回転速度(即ちエンジン回転速度)NEを検出する。吸入空気量センサ13は、各気筒の吸気路に配設されて各気筒が吸入する空気量GAを検出する。燃圧センサ15は、例えばデリバリパイプ4R内に配設されて、各デリバリパイプ4L,4R内の燃圧(即ち燃料噴射装置3aへの送給燃料の燃圧)Pを検出する。空燃比センサ17は、燃料噴射装置3aの噴射燃料の空燃比AFを検出する。空燃比センサ17は、エンジン3の排気マニホルド(図示省略)に配設されて、排気マニホルド中の排出ガスに含まれる酸素濃度に基づいて空燃比AFを検出する。これらの検出値NE,GA,P,AFは、制御装置9に出力される。
制御装置9は、例えば各センサ11,13,15,17の検出値NE,GA,P,AF
等に基づいて、エンジン3および燃料ポンプ7を制御するものである。制御装置9は、図2に示すように、目標燃料噴射量算出部9aと、エンジン制御部9bと、カウンタ9cと、フラグ設定部9dと、空燃比学習値保存部9eは、差分値演算部9fと、第1比較部9gと、第2比較部9hと、下限値設定部9iと、印加電圧決定部9jと、ポンプ制御部9kとを備えている。
目標燃料噴射量算出部9aは、空燃比AFおよび吸入空気量GA等に基づいて目標燃料噴射量Q*を算出するものである。エンジン制御部9bは、吸入空気量GAに対して目標空燃比を実現するために必要な燃料噴射量(要求燃料噴射量)とベース燃料噴射量との偏差を空燃比学習値FBとして算出し、その空燃比学習値FBを空燃比AFと目標空燃比との偏差に応じて増減し、その増減した空燃比学習値FBをベース燃料噴射量に反映して、目標燃料噴射量Q*を算出する。従って、空燃比AFが目標空燃比よりも薄くなる場合は、目標空燃比を実現するために、空燃比学習値FBは増大される。
ここでは、ブラシ付きモータ7dでのフィルミングによる導電不良により燃料ポンプ7の燃料吐出量が低下すると、燃料ポンプ7の送給燃料の燃圧Pが低下して燃料噴射装置3aの燃料噴射量Qが低下し、空燃比AFが目標空燃比よりも薄くなる。この空燃比AFの薄化を補正するために、空燃比学習値FBが増大される。
このように、目標燃料噴射量Q*(従って燃料噴射量Q)には、目標空燃比を実現するためのフィードバック制御が適用されており、空燃比学習値FBは、そのフィードバック制御の補正量として機能している。
エンジン制御部9bは、例えば、各燃料噴射装置3aの噴射燃料量Qを目標燃料噴射量Q*に一致するように制御すると共に、エンジン回転速度NEに基づいてエンジン3の各気筒の点火装置(図示省略)の点火時期を制御する。
カウンタ9cは、ブラシ付きモータ7dが所定電圧Vaよりも低い電圧で駆動(以後、低電圧駆動と呼ぶ)される時間をカウント値Ncで積算する(即ち、その低電圧駆動時間の経過に伴ってカウント値Ncをカウントアップする)。また、カウンタ9cは、ブラシ付きモータ7dが所定電圧Vaよりも高い電圧で駆動(以後、高電圧駆動と呼ぶ)される場合は、その高電圧駆動時間の経過に伴ってカウント値Ncをカウントダウンする。
このように、カウント値Ncは、ブラシ付きモータ7dの低電圧駆動時間が長いほど大きくなり、ブラシ付きモータ7dの高電圧駆動時間が長いほど小さくなる。また、低電圧駆動時間が長いほどフィルミングによる絶縁被膜が発生し易くなり、高電圧駆動時間が長いほどフィルミングによる絶縁被膜が除去され易くなる。このため、カウント値Ncは、フィルミングによる絶縁被膜の成長度合いを示す指標として機能する。
なお、フィルミングとは、ブラシ付きモータ7dの低電圧駆動により、ブラシ付きモータ7dの整流子とブラシとの間に酸化被膜等の絶縁被膜が発生する現象である。このフィルミングによる絶縁被膜が発生すると、整流子とブラシとの間が導電不良になり、ブラシ付きモータ7dの回転速度が低下して燃料ポンプ7の燃料吐出量が低下する。フィルミングによる絶縁被膜は、ブラシ付きモータ7dへの印加電圧Vmが高いほど、また、高電圧駆動時間が長いほど、除去(即ちクリーニング)され易くなる。また、フィルミングによる絶縁被膜は、ブラシ付きモータ7dへの印加電圧Vmが低いほど、また、低電圧駆動時間が長いほど、成長し易くなる。
このように、ブラシ付きモータ7dへの印加電圧Vmに応じて、フィルミングによる絶縁被膜の成長速度および除去速度が変化するので、ここでは、ブラシ付きモータ7dへの
印加電圧Vmに応じて、カウンタ9cは、カウント値Ncのカウントアップ速度Vupおよびカウントダウン速度Vdownを変化させる。
具体的には、カウントアップ速度Vupは、例えば図3に示すように、ブラシ付きモータ7dへの印加電圧Vmが低いほど速くなる。また、カウントダウン速度Vdownは、例えば図4に示すように、ブラシ付きモータ7dへの印加電圧Vmが高いほど速くなる(図4では、カウントダウン速度Vdownは、印加電圧Vmが所定値Vo未満では一定値となり、所定値Vo以上で、印加電圧Vmが高いほど速くなる)。これにより、カウント値Ncによるフィルミングによる絶縁被膜の成長度合いの推定精度が向上される。
フラグ設定部9dは、カウンタ9cのカウント値Ncに基づいて、ブラシ付きモータ7dでフィルミングによる導電不良が発生している可能性が大きいか否かの判定を行い、その判定結果に応じて、導電不良が発生している可能性が大きいことを示すフラグ(導電不良発生可能性大フラグ)FのON/OFFを設定する。
即ち、フラグ設定部9dは、カウント値Ncが第1所定値N1以上の場合は、導電不良が発生している可能性が大きいと判定して、フラグFをON設定する。また、フラグ設定部9dは、カウント値Ncが第2所定値N2(≦N1)以下の場合は、導電不良が発生している可能性が小さいと判定して、フラグFをOFF設定する。また、フラグ設定部9dは、カウント値Ncが第1所定値N1未満で且つ第2所定値N2よりも大きい場合は、フラグFの現在のON/OFF状態を維持する。
空燃比学習値保存部9eは、フラグFがOFF状態のときに、そのOFF状態での空燃比学習値(即ちブラシ付きモータ7dでフィルミングによる導電不良が発生していない状態の空燃比学習値)FB(以後、FBoffと呼ぶ)を目標燃料噴射量算出部9aから取得して保存する。
差分値演算部9fは、フラグFがON状態のときに、定期的に、そのON状態の空燃比学習値FB(以後、FBonと呼ぶ)を目標燃料噴射量算出部9aから取得する。そして、差分値演算部9fは、そのON状態の空燃比学習値FBonを取得する毎に、そのON状態の空燃比学習値FBonと空燃比学習値保存部9eに保存中の空燃比学習値FBoffとの差分値ΔFB(=FBon−FBoff)を算出する。
第1比較部9gは、差分値ΔFBと第3所定値N3との大小比較を行うものである。また、第2比較部9hは、差分値ΔFBと第4所定値N4(≧N3)との大小比較を行うものである。
下限値設定部9iは、第1比較部9gおよび第2比較部9hの各比較結果に応じて、ブラシ付きモータ7dへの印加電圧Vmの使用可能電圧範囲ΔVの下限値Vminを制御する。即ち、下限値設定部9iは、差分値ΔFBが第3所定値N3よりも大きい場合は、空燃比学習値FBが正常範囲から外れている(即ちブラシ付きモータ7dでフィルミングによる導電不良が発生している)と判定して、下限値Vminを所定電圧Vaよりも高い所定電圧Vbに制御させる。これにより、ブラシ付きモータ7dへの印加電圧Vmが所定電圧Vb以上の電圧(即ち所定電圧Vaよりも高い電圧)に制御されて、フィルミングの除去が行われる。
また、下限値設定部9iは、差分値ΔFBが第4所定値N4未満の場合は、空燃比学習値FBは正常範囲内にある(即ちブラシ付きモータ7dでフィルミングによる導電不良は発生していない)と判定して、下限値Vminを所定電圧Vaよりも低い所定電圧Vcに制御させる。これにより、ブラシ付きモータ7dへの印加電圧Vmが所定電圧Vaよりも低
い電圧に制御可能になり、フィルミングの除去は行われない。
また、下限値設定部9iは、差分値ΔFBが第3所定値N3以下で且つ第4所定値N4以上の場合は、下限値Vminを現在の値に維持する。
印加電圧決定部9jは、下限値がVminである使用可能電圧範囲ΔV内で、目標燃料噴射量Q*に基づいてブラシ付きモータ7dの目標印加電圧Vm*を決定する。ここでは、目標印加電圧Vm*は、使用可能電圧範囲ΔV内で、調圧弁4dが閉弁するのに必要な最小限度の大きさの電圧に決定される。これにより、燃料ポンプ7の耐久性の向上、駆動音の低減、および、消費電力の節減が図られる。
ポンプ制御部9kは、ブラシ付きモータ7dへの印加電圧Vmが目標印加電圧Vm*に一致するように、燃料ポンプ7の駆動回路7eを制御する。
この実施形態では、下限値Vminが所定電圧Vbから所定電圧Vcに低下されてフィルミング除去が終了すると、カウンタ9cはカウント値Ncを値0にリセットし、フラグ設定部9dはフラグFをOFFに戻すものとする。
また、この実施形態では、下限値設定部9iにより下限値Vminが所定電圧Vaよりも高い所定電圧Vbに制御されることで、ブラシ付きモータ7dへの印加電圧Vmが所定電圧Vaよりも高い電圧に制御されている。
また、この実施形態では、下限値設定部9iにより空燃比学習値FBの状態が監視されることで、燃料ポンプ7の燃料送給状態が監視されている。即ち、下限値設定部9iにより空燃比学習値FBが正常範囲から外れているか否かおよび正常範囲内にあるか否かの判定が行われることで、燃料ポンプ7の燃料送給状態が正常範囲から外れている否かおよび正常範囲内にあるか否かの判定が行われている。
<動作説明>
次に図5に基づいて、この燃料ポンプの駆動制御装置1のフラグON/OFF設定動作を説明する。図5は、第1実施形態に係る燃料ポンプの駆動制御装置のフラグON/OFF設定動作を説明するフローチャートである。
ステップS1では、使用可能電圧範囲ΔVの下限値Vminは、初期的に、所定電圧Vc(<Va)に設定されている。制御装置9は、印加電圧決定部9jにおいて、使用可能電圧範囲ΔV内で目標燃料噴射量Q*に基づいて目標印加電圧Vm*を決定し、ポンプ制御部9kにおいて、燃料ポンプ7のブラシ付きモータ7dへの印加電圧Vmが目標印加電圧Vm*になるように、燃料ポンプ7を制御する。
この制御状態で、ブラシ付きモータ7dへの印加電圧Vmが所定電圧Vaよりも低い電圧の場合(即ちブラシ付きモータ7dが低電圧駆動されている場合)は、処理がステップS2に進む。他方、ブラシ付きモータ7dへの印加電圧Vmが所定電圧Vaよりも高い電圧の場合(即ちブラシ付きモータ7dが高電圧駆動されている場合)は、処理がステップS3に進む。
ステップS2では、制御装置9は、カウンタ9cにおいて、ブラシ付きモータ7dの低電圧駆動時間の経過に伴ってカウント値Ncをカウントアップする。その際、カウントアップ速度Vupは、ブラシ付きモータ7dへの印加電圧Vmが低いほど、速く制御される。そして、処理がステップS4に進む。
他方、ステップS3では、制御装置9は、カウンタ9cにおいて、ブラシ付きモータ7dの高電圧駆動時間の経過に伴ってカウント値Ncをカウントダウンする。その際、カウントダウン速度Vdownは、ブラシ付きモータ7dへの印加電圧Vmが高いほど、速く制御される。そして、処理がステップS4に進む。
ステップS4では、カウント値Ncが第1所定値N1以上の場合は、処理がステップS5に進み、制御装置9は、フラグ設定部9dにおいて、フラグFをON設定する。そして、処理がステップS1に戻る。他方、カウント値Ncが第1所定値N1未満の場合は、処理がステップS6に進む。
ステップS6では、カウント値Ncが第2所定値N2以下の場合は、処理がステップS7に進み、制御装置9は、フラグ設定部9dにおいて、フラグFをOFF設定する。そして、処理がステップS1に戻る。他方、カウント値Ncが第1所定値N1未満で且つ第2所定値N2よりも大きい場合は、処理がステップS8に進み、制御装置9は、フラグ設定部9dにおいて、フラグFを現在のON/OFF状態に維持する。そして、処理がステップS1に戻る。
次に図6に基づいて、この燃料ポンプの駆動制御装置1の下限値制御動作を説明する。図6は、第1実施形態に係る燃料ポンプの駆動制御装置の下限値制御動作を説明するフローチャートである。
ステップS9では、制御装置9は、空燃比学習値保存部9eにおいて、フラグFがOFF状態のときに(例えばステップS7でフラグFがOFF設定されたときに)、そのOFF状態の空燃比学習値FBoffを目標燃料噴射量算出部9aから取得して保存する。そして、処理がステップS10に進む。
ステップS10では、制御装置9は、差分値演算部9fにおいて、フラグFがON状態のときに、定期的に、そのON状態の空燃比学習値FBonを目標燃料噴射量算出部9aから取得する。
そして、制御装置9は、差分値演算部9fにおいて、空燃比学習値FBonを取得する毎に、その空燃比学習値FBonと空燃比学習値保存部9eに保存中の空燃比学習値FBoffとの差分値ΔFB(=FBon−FBoff)を算出する。そして、その差分値ΔFBが第3所定値N3よりも大きい場合は、処理がステップS11に進み、制御装置9は、下限値設定部9iにおいて、下限値Vminを所定電圧Vaよりも高い所定電圧Vbに上昇させる。
この上昇により、制御装置9は、印加電圧決定部9jにおいて、ブラシ付きモータ7dの目標印加電圧Vm*を所定電圧Vb以上の電圧(即ち所定電圧Vaよりも高い電圧)に制御する。そして、制御装置9は、ポンプ制御部9kにおいて、ブラシ付きモータ7dの印加電圧Vmが目標印加電圧Vm*に一致するように(即ち、ブラシ付きモータ7dの印加電圧Vmが所定電圧Vaよりも高い電圧になるように)、燃料ポンプ7を制御する。これにより、ブラシ付きモータ7dにおいて、整流子とブラシとの間に発生する火花によりフィルミングの除去が行われる。そして、処理が終了する。他方、差分値ΔFBが第3所定値N3以下の場合は、処理がステップS12に進む。
ステップS12では、差分値ΔFBが第4所定値N4よりも小さい場合は、処理がステップS13に進み、制御装置9は、下限値設定部9iにおいて、下限値Vminを所定電圧Vaよりも低い所定電圧Vcに低下させる。
この低下により、制御装置9は、印加電圧決定部9jにおいて、ブラシ付きモータ7d
の目標印加電圧Vm*を所定電圧Vaよりも低い電圧に制御可能になり、ポンプ制御部9kにおいて、ブラシ付きモータ7dの印加電圧Vm*が所定電圧Vaよりも低い電圧に制御可能になる。これにより、フィルミングの除去が終了する。そして、制御装置9は、フィルミングの除去が終了すると、カウンタ9cのカウント値Ncを値0にリセットすると共に、フラグ設定部9dにおいてフラグFをOFF設定させる。そして、処理が終了する。
他方、ステップS12において、差分値ΔFBが第3所定値N3以下で且つ第4所定値N4以上の場合は、処理がステップS13に進み、制御装置9は、下限値設定部9iにおいて、下限値Vminを現在の値に維持する。これにより、フィルミング除去の実行中の場合は、そのフィルミング除去が継続され、他方、フィルミング除去が実行されていない場合は、その状態が継続される。そして、処理が終了する。
次に、図5および図6の動作を図7のタイミングチャートに適用して、この燃料ポンプの駆動制御装置1の動作を説明する。図7は、下限値Vmin、カウント値Nc、フラグFのON/OFF状態、および、空燃比学習値FBの各々の時間変化の一例を示した図である。
以下では、説明便宜上、下限値Vminが所定電圧Vaよりも低い所定電圧Vcに制御されている間は、ブラシ付きモータ7dへの印加電圧Vmは、所定電圧Vaよりも低い電圧に制御される(即ちブラシ付きモータ7dは低電圧駆動される)ものとする。また、時刻t=t0では、下限値Vminは、初期的に、所定電圧Vaよりも低い所定電圧Vcに制御されているものとする。
時刻tがt0≦t≦t1の期間では、ブラシ付きモータ7dは低電圧駆動されており、カウント値Ncはカウントアップされている。また、カウント値Ncは第2所定値N2以下であるので、フラグFはOFF設定され、そのOFF状態の空燃比学習値FBoffが保存される。この期間では、ステップS1→S2→S4→S6→S7→S1の流れが繰り返されると共に、ステップS9が実行される。
そして、時刻tがt1<t<t2の期間では、カウント値Ncは第2所定値N2よりも大きく且つ第1所定値N1未満であるので、フラグFは現在のOFF状態が維持される。この期間では、ステップS1→S2→S4→S6→S8→S1の流れが繰り返される。
そして、時刻tがt2≦t<t3の期間では、カウント値Ncは第1所定値N1以上であるので、フラグFはON設定され、そのON状態の空燃比学習値FBonと保存中の空燃比学習値FBoffとの差分値ΔFB(=FBon−FBoff)が算出される。この期間では、差分値ΔFBは、所定値N3以下で且つ所定値N4以上であるので、下限値Vminは現在の値Vcに維持される。この期間では、ステップS1→S2→S4→S5→S1の流れが繰り返されると共に、定期的に、ステップS10→S12→S14の流れが実行される。
なお、この期間(t2≦t<t3)では、フラグFはON状態である(即ちブラシ付きモータ7dにおいてフィルミングによる導電不良が発生している可能性は高い)が、差分値ΔFBは所定値N3よりも大きくない(即ち空燃比学習値FBは正常範囲から外れていない)ので、ブラシ付きモータ7dでフィルミングによる導電不良は発生していないと判定され、下限値Vminが所定電圧Vc(<Va)に制御される(即ちフィルミングの除去は行われない)。
そして、時刻t=t3で、差分値ΔFBが所定値N3よりも大きくなると、下限値Vminは、所定電圧Vaよりも高い所定電圧Vbに上昇される。この上昇により、ブラシ付き
モータ7dは高電圧駆動されて、ブラシ付きモータ7dでフィルミングの除去が行われる。この時刻では、ステップS1→S2→S4→S5の流れが実行されると共に、ステップS10→S11の流れが実行される。
なお、この時刻t3では、フラグFがON状態で(即ちブラシ付きモータ7dでフィルミングによる導電不良が発生している可能性が高く)、且つ、差分値ΔFBが所定値N3よりも大きい(即ち空燃比学習値FBが正常範囲から外れている)ので、ブラシ付きモータ7dでフィルミングによる導電不良は発生していると判定され、下限値Vminが所定電圧Vbに制御されて、フィルミングの除去が行われる。
即ち、ブラシ付きモータ7dでフィルミングによる導電不良が発生している可能性が高く、更に、空燃比学習値FBが正常範囲から外れている(即ち燃料噴射装置3aの燃料噴射量が低下している(即ち燃料ポンプ7の燃料吐出量が低下している)という実害が発生したときだけ、下限値Vminが所定電圧Vbに上昇されて、フィルミングの除去が行われる。
そして、時刻tがt3<t<t4の期間では、ブラシ付きモータ7dは高電圧駆動されるので、カウント値Ncは、その高電圧駆動時間の経過に伴ってカウントダウンされて低下する。また、カウント値Ncは第1所定値N1以上であるので、フラグFはON設定され、そのON状態の空燃比学習値FBonと保存中の空燃比学習値FBoffとの差分値ΔFBが算出される。この期間では、差分値ΔFBは、所定値N3よりも大きいので、下限値Vminが所定電圧Vaよりも高い所定電圧Vbに維持されて、フィルミングの除去が継続される。この期間では、ステップS1→S3→S4→S5→S1の流れが繰り返されると共に、定期的に、ステップS10→S11の流れが実行される。
そして、時刻tがt4≦t≦t5の期間では、差分値ΔFBは所定値N3以下で且つ所定値N4以上であるので、下限値Vminは所定電圧Vaよりも高い所定電圧Vbに維持されて、ブラシ付きモータ7dが高電圧駆動されて、フィルミングの除去が継続される。この期間では、ステップS1→S3→S4→S5→S1の流れが繰り返されると共に、定期的に、ステップS10→S12→S14の流れが実行される。
そして、時刻tがt5<t<t6の期間では、カウント値Ncは第1所定値N1より小さく且つ第2所定値N2よりも大きいので、フラグFの現在のON状態が維持され、そのON状態の空燃比学習値FBonと保存中の空燃比学習値FBoffとの差分値ΔFBが算出される。この期間では、差分値ΔFBは所定値N3以下で且つ所定値N4以上であるので、下限値Vminは所定電圧Vaよりも高い所定電圧Vbに維持されて、ブラシ付きモータ7dが高電圧駆動されて、フィルミングの除去が継続される。この期間では、ステップS1→S3→S4→S6→S8→S1の流れが繰り返されると共に、定期的に、ステップS10→S12→S14の流れが実行される。
そして、時刻t=t6で、差分値ΔFBが所定値N4よりも小さくなると、下限値Vminが所定電圧Vaよりも低い所定電圧Vcに低下される。これにより、ブラシ付きモータ7dが低電圧駆動されて、フィルミングの除去が終了する。そして、カウント値Ncが値0にリセットされると共にフラグFがOFF設定される。そして、処理が終了する。この期間では、ステップS1→S3→S4→S6→S8の流れが実行されると共に、ステップS10→S12→S13の流れが実行される。
<主要な効果>
以上のように、この実施形態によれば、カウント値Ncが第1所定値N1以上であり(即ちフラグFがON状態であり)且つ燃料ポンプ7の燃料送給状態(ここでは空燃比学習
値FBの状態)が正常範囲から外れている場合は、ブラシ付きモータ7dが所定電圧Vaよりも高い電圧で駆動される(即ちフィルミング除去が行われる)。即ち、カウント値Nc(即ちブラシ付きモータ7dの低電圧駆動時間)と燃料ポンプ7の燃料送給状態との両方に基づいて、ブラシ付きモータ7dを高電圧駆動させるタイミングが制御される。
そのため、ブラシ付きモータ7dの低電圧駆動時間だけでブラシ付きモータ7dを高電圧駆動させるタイミングが制御される従来技術と比べて、より正確に、フィルミングによる導電不良が発生している場合だけ、ブラシ付きモータ7dを高電圧駆動でき、無駄な高電圧駆動(即ち消費電力の悪化)を低減できる。これにより、消費電力の悪化を抑制してフィルミングを除去しつつ、ブラシ付きモータ7dを低電圧駆動できる。
また、カウント値Ncが第1所定値N1以下の値である第2所定値以下の場合のフィードバック制御の補正量(空燃比学習値FB)が正常時の補正量(空燃比学習値FBoff)として保存され、カウント値Ncが第1所定値N1以上の場合に、この場合のフィードバック制御の補正量(空燃比学習値FBon)から正常時の補正量(空燃比学習値FBoff)を減算した差分値ΔFBが求められ、差分値ΔFBが第3所定値N3よりも大きい場合は、燃料ポンプ7の燃料送給状態が正常範囲から外れていると判定される。よって、燃料噴射量のフィードバック制御の補正量(空燃比学習値FB)を用いて、容易に、燃料ポンプ7の燃料送給状態が正常範囲から外れているか否かを判定できる。
また、ブラシ付きモータ7dが所定電圧Vaよりも高い電圧で駆動される場合に、差分値ΔFBが第3所定値N3以下の値である第4所定値N4よりも小さくなる(即ち燃料噴射量のフィードバック制御の補正量(空燃比学習値FB)が正常範囲内に戻る)と、ブラシ付きモータ7dが所定電圧Vaよりも低い電圧で駆動可能になる。即ち、補正量(空燃比学習値FB)が正常範囲内に戻ることで、フィルミング除去の完了が確認されると、ブラシ付きモータ7dが低電圧駆動可能な状態に戻される。そのため、フィルミング除去に必要な最小限度の時間だけ、ブラシ付きモータ7dを高電圧駆動でき、無駄な高電圧駆動を低減できる。
また、一般に、ブラシ付きモータ7dへの印加電圧が低いほど、フィルミングは成長し易いという特性がある。この実施形態によれば、カウンタ9cのカウント値Ncのカウントアップ速度Vupは、ブラシ付きモータ7dへの印加電圧が低いほど速くなるので、当該特性を考慮して、カウント値Ncを算出できる。これにより、カウント値Ncによるフィルミングによる絶縁被膜の成長度合いの推定精度を向上できる。
また、一般に、ブラシ付きモータ7dへの印加電圧が高いほど、フィルミングは除去され易いという特性がある。この実施形態によれば、カウンタ9cのカウント値Ncのカウントダウン速度Vdownは、ブラシ付きモータ7dへの印加電圧が高いほど速くなるので、当該特性を考慮して、カウント値Ncを算出できる。これにより、カウント値Ncによるフィルミングによる絶縁被膜の成長度合いの推定精度を向上できる。
この実施形態において、更に、下限値Vminが所定電圧Vbに上昇された時点(即ちフィルミング除去の開始時点)から所定時間経過後に自動的に下限値Vminが所定電圧Vcに低下される(即ちフィルミング除去が終了する)ようにしてもよい。これにより、カウント値Ncによるフィルミングの成長度合いの推定外れ、誤判定および誤動作などでフィルミング除去が開始されても、確実にフィルミング除去を終了できる。更に、この場合、差分値ΔFBが第4所定値N4未満になると下限値Vminを所定電圧Vcに低下させてフィルミング除去を終了させる処理を省略して、常に、フィルミング除去開始時から所定時間経過後に自動的にフィルミング除去を終了させてもよい。
≪第2実施形態≫
第1実施形態では、燃料ポンプ7の燃料送給状態として空燃比学習値FBの状態が用いられたが、この実施形態では、燃料ポンプ7の燃料送給状態として、燃料噴射装置3aへの送給燃料の燃圧Pの状態が用いられる。以下、図1および図8に基づいて、この実施形態に係る燃料ポンプの駆動制御装置について詳細に説明する。
<構成説明>
図1は、本発明の第2実施形態に係る燃料ポンプの駆動制御装置の構成概略図である。図8は、本発明の第2実施形態での制御装置の構成概略図である。
この実施形態に係る燃料ポンプの駆動制御装置1Bは、第1実施形態に係る燃料ポンプの駆動制御装置1と比べて、制御装置9Bが下記のように構成される点で相違している。
この実施形態での制御装置9Bは、図8に示すように、目標燃料噴射量算出部9aと、エンジン制御部9bと、カウンタ9cと、フラグ設定部9dと、下限値設定部9mと、印加電圧決定部9jと、ポンプ制御部9kとを備えている。
目標燃料噴射量算出部9a、エンジン制御部9b、カウンタ9c、フラグ設定部9d、印加電圧決定部9jおよびポンプ制御部9kは、第1実施形態の場合と同様に構成されている。
下限値設定部9mは、燃料噴射装置3aへの送給燃料の燃圧(燃圧センサ15の検出値)Pの状態とフラグFのON/OFF状態に応じて、ブラシ付きモータ7dへの印加電圧Vmの使用可能電圧範囲ΔVの下限値Vminを制御する。
より詳細には、下限値設定部9mは、フラグFがON状態で且つ燃圧Pが第1所定燃圧P1以下の場合(第1の場合)は、ブラシ付きモータ7dでフィルミングによる導電不良が発生していると判定して、下限値Vminを所定電圧Vaよりも高い所定電圧Vbに上昇させる。これにより、ブラシ付きモータ7dへの印加電圧Vmが所定電圧Vb以上の電圧(即ち所定電圧Vaよりも高い電圧)に制御されて、フィルミングの除去が行われる。
また、下限値設定部9mは、フラグFがOFF状態で且つ燃圧Pが第2所定燃圧P2(≧P1)以上の場合(第2の場合)は、ブラシ付きモータ7dでフィルミングによる導電不良は発生していないと判定して、下限値Vminを所定電圧Vaよりも低い所定電圧Vcに低下させる。これにより、ブラシ付きモータ7dへの印加電圧Vmが所定電圧Vaよりも低い電圧に制御可能になり、フィルミングの除去は行われない。
また、下限値設定部9mは、前記第1の場合および前記第2の場合以外の場合は、下限値Vminを現在の値に維持する。
なお、この実施形態では、下限値設定部9iにより燃圧Pの状態が監視されることで、燃料ポンプ7の燃料送給状態が監視されている。即ち、燃圧Pが第1所定燃圧P1以下の場合は、燃圧Pは正常範囲から外れている(即ち燃料ポンプ7の燃料送給状態が正常範囲から外れている)と判定されている。また、燃圧Pが第2所定燃圧P2以上の場合は、燃圧Pは正常範囲内である(即ち燃料ポンプ7の燃料送給状態は正常範囲内である)と判定されている。
なお、この実施形態の他の構成要素については、第1実施形態と同様に構成されているので、図1および図8において、第1実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付して説明を省略する。
<動作説明>
この燃料ポンプの駆動制御装置1BのフラグFのON/OFF設定動作については、第1実施形態の場合(図5)と同じであるので、その説明は省略する。
次に図9に基づいて、この燃料ポンプの駆動制御装置1Bの下限値制御動作を説明する。図9は、第2実施形態に係る燃料ポンプの駆動制御装置の下限値制御動作を説明するフローチャートである。
ステップS15では、制御装置9Bは、下限値設定部9mにおいて、フラグFがON状態であり且つ燃圧(即ち燃圧センサ15の検出値)Pが第1所定燃圧P1以下であるか否かの判定を行う。その判定結果が肯定(Yes)である場合は、処理がステップS16に進み、制御装置9は、下限値設定部9mにおいて、下限値Vminを所定電圧Vaよりも高い所定電圧Vbに上昇させる。
この上昇により、制御装置9Bは、印加電圧決定部9jにおいて、ブラシ付きモータ7dの目標印加電圧Vm*を所定電圧Vb以上の電圧(即ち所定電圧Vaよりも高い電圧)に制御する。そして、制御装置9Bは、ポンプ制御部9kにおいて、ブラシ付きモータ7dの印加電圧Vmが目標印加電圧Vm*に一致するように(即ち、ブラシ付きモータ7dの印加電圧Vmが所定電圧Vaよりも高い電圧になるように)、燃料ポンプ7を制御する。これにより、ブラシ付きモータ7dにおいて、整流子とブラシとの間に発生する火花によりフィルミングの除去が行われる。そして、処理が終了する。他方、ステップS15の判定結果が否定(N0)である場合は、処理がステップS17に進む。
ステップS17では、制御装置9Bは、下限値設定部9mにおいて、フラグFがOFF状態であり且つ燃圧Pが第2所定燃圧P2(≧P1)以上であるか否かの判定を行う。そして、その判定結果が肯定(Yes)である場合は、処理がステップS18に進み、制御装置9は、下限値設定部9mにおいて、下限値Vminを所定電圧Vaよりも低い所定電圧Vcに低下させる。
この低下により、制御装置9Bは、印加電圧決定部9jにおいて、ブラシ付きモータ7dの目標印加電圧Vm*を所定電圧Vaよりも低い電圧に制御可能になり、ポンプ制御部9kにおいて、ブラシ付きモータ7dの印加電圧Vm*が所定電圧Vaよりも低い電圧に制御可能になる。これにより、フィルミング除去が終了する。そして、処理が終了する。
他方、ステップS17の判定結果が否定(No)である場合は、処理がステップS19に進み、制御装置9Bは、下限値設定部9mにおいて、下限値Vminを現在の値に維持する。これにより、フィルミング除去の実行中の場合は、そのフィルミング除去が継続され、他方、フィルミング除去が実行されていない場合は、その状態が継続される。そして、処理が終了する。
次に、図5および図8の動作を図10のタイミングチャートに適用して、この燃料ポンプの駆動制御装置1Bの動作を説明する。図10は、下限値Vmin、カウント値Nc、フラグFのON/OFF状態、および、燃圧Pの各々の時間変化の一例を示した図である。
以下では、説明便宜上、下限値Vminが所定電圧Vaよりも低い所定電圧Vcに制御されている間は、ブラシ付きモータ7dへの印加電圧Vmは、所定電圧Vaよりも低い電圧に制御される(即ちブラシ付きモータ7dは低電圧駆動される)ものとする。また、時刻t=t0では、下限値Vminは、初期的に、所定電圧Vaよりも低い所定電圧Vcに制御されているものとする。
時刻tがt0≦t≦t1の期間では、ブラシ付きモータ7dは低電圧駆動されており、カウント値Ncはカウントアップされている。また、カウント値Ncは第2所定値N2以下であるので、フラグFはOFF設定される。また、燃圧Pは、第2所定燃圧P2以上である。よって、下限値Vminは所定電圧Vaよりも低い所定電圧Vcに維持される(即ちフィルミングの除去は行われない)。この期間では、ステップS1→S2→S4→S6→S7→S1の流れが繰り返されると共に、定期的に、ステップS15→S17→S18が実行される。
そして、時刻tがt1<t<t2の期間では、カウント値Ncは第2所定値N2よりも大きく且つ第1所定値N1未満であるので、フラグFは現在のOFF状態が維持される。また、燃圧Pは、第2所定燃圧P2以上である。よって、下限値Vminは所定電圧Vaよりも低い所定電圧Vcに維持される。この期間では、ステップS1→S2→S4→S6→S8→S1の流れが繰り返されると共に、定期的に、ステップS15→S17→S18が実行される。
そして、時刻tがt2≦t<t3の期間では、カウント値Ncは第1所定値N1以上であるので、フラグFはON設定されるが、燃圧Pは第1所定燃圧P1以下ではないので、下限値Vminは現在の値Vcに維持される。この期間では、ステップS1→S2→S4→S5→S1の流れが繰り返されると共に、定期的に、ステップS15→S17→S19の流れが実行される。
なお、この期間(t2≦t<t3)では、フラグFはON状態である(即ちブラシ付きモータ7dでフィルミングによる導電不良が発生している可能性は高い)が、燃圧Pが第1所定燃圧P1以下でない(即ち燃圧Pは正常範囲から外れていない)ので、ブラシ付きモータ7dでフィルミングによる導電不良は発生していないと判定され、下限値Vminが所定電圧Vcに維持されて、フィルミングの除去は行われない。
そして、時刻t=t3で、燃圧Pが第1所定燃圧P1以下になると、下限値Vminは、所定電圧Vaよりも高い所定電圧Vbに上昇される。この上昇により、ブラシ付きモータ7dは高電圧駆動されて、ブラシ付きモータ7dでフィルミングの除去が行われる。この時刻では、ステップS1→S2→S4→S5の流れが実行されると共に、定期的に、ステップS15→S16の流れが実行される。
なお、この時刻t3では、フラグFがON状態で(即ちブラシ付きモータ7dでフィルミングによる導電不良が発生している可能性が高く)、且つ、燃圧Pが第1所定燃圧P1以下である(即ち燃圧Pが正常範囲から外れている)ので、ブラシ付きモータ7dでフィルミングによる導電不良は発生していると判定され、下限値Vminが所定電圧Vbに上昇されて、フィルミングの除去が行われる。
即ち、ブラシ付きモータ7dでフィルミングによる導電不良が発生している可能性が高く、更に、燃圧Pが正常範囲から外れている(即ち燃料ポンプ7の燃料吐出量が低下している)という実害が発生したときだけ、下限値Vminが所定電圧Vbに上昇されて、フィルミングの除去が行われる。
そして、時刻tがt3<t<t4の期間では、ブラシ付きモータ7dは高電圧駆動されるので、カウント値Ncはカウントダウンされて低下するが、カウント値Ncは第1所定値N1以上であるので、フラグFはON設定される。また、燃圧Pは第1所定燃圧P1以下である。よって、下限値Vminは現在の値Vbに維持されて、フィルミングの除去が継続される。この期間では、ステップS1→S3→S4→S5→S1の流れが繰り返される
と共に、周期的に、ステップS15→S16の流れが実行される。
そして、時刻tがt4≦t<t5の期間では、カウント値Ncは第1所定値N1未満で且つ第2所定値N2より大きいので、フラグFは現在のON状態が維持される。また、燃圧Pは第1所定燃圧P1よりも大きく且つ第2所定燃圧P2よりも小さいので、下限値Vminは現在の値Vbに維持されて、フィルミングの除去が継続される。この期間では、ステップS1→S3→S4→S6→S8→S1の流れが繰り返されると共に、周期的に、ステップS15→S17→S19の流れが実行される。
そして、時刻tがt5≦t<6の期間では、カウント値Ncは第2所定値N2以下になるので、フラグFはOFF設定される。また、燃圧Pは第1所定燃圧P1よりも大きく且つ第2所定燃圧P2よりも小さいので、下限値Vminは現在の値Vbに維持されて、フィルミングの除去が継続される。この期間では、ステップS1→S3→S4→S6→S7→S1の流れが繰り返されると共に、定期的に、ステップS15→S17→S19の流れが実行される。
そして、時刻t=t7で、燃圧Pが第2所定燃圧P2以上になると、下限値Vminが所定電圧Vaよりも低い所定電圧Vcに低下される。これにより、ブラシ付きモータ7dが低電圧駆動されて、フィルミングの除去が終了する。そして、カウント値Ncが値0にリセットされる。この期間では、ステップS1→S3→S4→S6→S7の流れが実行されると共に、周期的に、ステップS15→S17→S18の流れが実行される。
<主要な効果>
以上のように、この実施形態によれば、カウント値Ncが第1所定値N1以上であり(即ちフラグFがON状態であり)且つ燃料ポンプ7の燃料送給状態(ここでは燃圧Pの状態)が正常範囲から外れている場合は、ブラシ付きモータ7dが所定電圧Vaよりも高い電圧で駆動される(即ちフィルミング除去が行われる)。即ち、カウント値Nc(即ちブラシ付きモータ7dの低電圧駆動時間)と燃料ポンプ7の燃料送給状態との両方に基づいて、ブラシ付きモータ7dを高電圧駆動させるタイミングが制御される。よって、第1実施形態と同様に、消費電力の悪化を抑制してフィルミングを除去しつつ、ブラシ付きモータ7dを低電圧駆動できる。
また、燃料ポンプ7から燃料噴射装置3aへの送給燃料の燃圧Pが第1所定燃圧P1以下の低燃圧である場合は、燃料ポンプ7の燃料送給状態が正常範囲から外れていると判定される。よって、燃圧Pを用いて、容易に、燃料ポンプ7の燃料送給状態が正常範囲から外れているか否かを判定できる。
また、ブラシ付きモータ7dが所定電圧Vaよりも高い電圧で駆動される場合は、その駆動時間の経過に伴ってカウンタ9cのカウント値Ncがカウントダウンされるので、カウント値Nc(即ち高電圧駆動開始時のカウント値Ncから現時点のカウント値Ncとの差)でブラシ付きモータ7dの高電圧駆動時間をカウントできる。
また、ブラシ付きモータ7dが所定電圧Vaよりも高い電圧で駆動される場合に、カウント値Ncが第1所定値N1以下の値である第2所定値N2以下になり(即ちブラシ付きモータ7dの高電圧駆動が一定時間行われ)且つ燃圧Pが第1所定燃圧P1以上の値である第2所定燃圧P2以上になる(即ち燃圧Pが正常範囲内に戻る)と、ブラシ付きモータ7dが所定電圧Vaよりも低い電圧で駆動可能になる。即ち、ブラシ付きモータ7dの高電圧駆動が一定時間行われて燃圧Pが正常範囲内に戻ることで、フィルミング除去の完了が確認されると、ブラシ付きモータ7dが低電圧駆動可能な状態に戻される。そのため、フィルミング除去に必要な最小限度の時間だけ、ブラシ付きモータ7dを高電圧駆動でき
、無駄な高電圧駆動を低減できる。
この実施形態では、燃圧Pが第1所定燃圧P1以下で且つフラグFがON状態の場合に、下限値Vminが所定電圧Vbに上昇される(即ちフィルミング除去が開始される)が、この代わりに、燃圧Pが第1所定燃圧P1以下の場合に、下限値Vminが所定電圧Vbに上昇されてもよい。
≪付帯事項≫
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は斯かる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと解される。
また、第1および第2実施形態を組み合わせた発明についても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと解される。
本発明は、車両などのエンジンの燃料噴射装置に燃料を送給する燃料ポンプを駆動制御する駆動制御装置であって、ブラシ付きモータを駆動源とする燃料ポンプを駆動制御する駆動制御装置への適用に最適である。
1,1B 燃料ポンプの駆動制御装置
3a 燃料噴射装置
7 燃料ポンプ
7d ブラシ付きモータ
FB 空燃比学習値(補正量)
FBon フラグON状態の空燃比学習値
FBoff フラグOFF状態の空燃比学習値
N1 第1所定値
N2 第2所定値
N3 第3所定値
N4 第4所定値
Nc カウント値
P 燃圧
P1 第1所定燃圧
P2 第2所定燃圧
Q 燃料噴射量
Va 所定電圧
Vup カウントアップ速度
Vdown カウントダウン速度
ΔFB 差分値

Claims (8)

  1. ブラシ付きモータで燃料噴射装置への燃料送給を行う燃料ポンプの駆動制御装置において、
    前記ブラシ付きモータが所定電圧よりも低い電圧で駆動される時間がカウンタのカウント値で算出されると共に、前記燃料ポンプの燃料送給状態が正常範囲から外れているか否かの判定が行われ、前記カウント値が第1所定値以上であり且つ前記燃料送給状態が正常範囲から外れている場合は、前記ブラシ付きモータが前記所定電圧よりも高い電圧で駆動されることを特徴とする燃料ポンプの駆動制御装置。
  2. 請求項1に記載の燃料ポンプの駆動制御装置であって、
    前記燃料噴射装置の燃料噴射量は、目標空燃比を実現するためのフィードバック制御が行われており、
    前記カウント値が前記第1所定値以下の値である第2所定値以下の場合の前記フィードバック制御の補正量が正常時の補正量として保存され、前記カウント値が前記第1所定値以上の場合に、この場合の前記フィードバック制御の補正量から前記正常時の補正量を減算した差分値が求められ、前記差分値が第3所定値よりも大きい場合は、前記燃料ポンプの燃料送給状態が正常範囲から外れていると判定されることを特徴とする燃料ポンプの駆動制御装置。
  3. 請求項2に記載の燃料ポンプの駆動制御装置であって、
    前記ブラシ付きモータが前記所定電圧よりも高い電圧で駆動される場合に、前記差分値が前記第3所定値以下の値である第4所定値よりも小さくなると、前記ブラシ付きモータが前記所定電圧よりも低い電圧で駆動可能になることを特徴とする燃料ポンプの駆動制御装置。
  4. 請求項1に記載の燃料ポンプの駆動制御装置であって、
    前記燃料ポンプから前記燃料噴射装置への送給燃料の燃圧が第1所定燃圧以下の低燃圧である場合は、前記燃料ポンプの燃料送給状態が正常範囲から外れていると判定されることを特徴とする燃料ポンプの駆動制御装置。
  5. 請求項4に記載の燃料ポンプの駆動制御装置であって、
    前記ブラシ付きモータが前記所定電圧よりも高い電圧で駆動される場合は、その駆動時間の経過に伴って前記カウンタのカウント値がカウントダウンされることを特徴とする燃料ポンプの駆動制御装置。
  6. 請求項5に記載の燃料ポンプの駆動制御装置であって、
    前記ブラシ付きモータが前記所定電圧よりも高い電圧で駆動される場合に、前記カウント値が前記第1所定値以下の値である第2所定値以下になり且つ前記燃圧が前記第1所定燃圧以上の値である第2所定燃圧よりも大きくなると、前記ブラシ付きモータが前記所定電圧よりも低い電圧で駆動されることを特徴とする燃料ポンプの駆動制御装置。
  7. 請求項1〜6の何れか1つに記載の燃料ポンプの駆動制御装置であって、
    前記カウンタのカウント値のカウントアップ速度は、前記ブラシ付きモータへの印加電圧が低いほど速くなることを特徴とすることを特徴とする燃料ポンプの駆動制御装置。
  8. 請求項5または6に記載の燃料ポンプの駆動制御装置であって、
    前記カウンタのカウント値のカウントダウン速度は、前記ブラシ付きモータへの印加電圧が高いほど速いことを特徴とすることを特徴とする燃料ポンプの駆動制御装置。
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