JP2014189431A - 繊維状カーボン材料の回収システムおよび回収方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】触媒担持体の表面に繊維状カーボン材料が形成された合成粒子から回収された繊維状カーボン材料中に不純物として含まれる、粒子状基材から剥がれ落ちた触媒の一部を除去して、繊維状カーボン材料を効率よく回収することが可能な、繊維状カーボン材料の回収システムを提供する。
【解決手段】回収システムは、粒子状基材に金属を含む触媒を担持してなる触媒担持体の表面に繊維状カーボン材料が形成された合成粒子1の第1分散液5を得るための撹拌槽3と、第1分散液5に振動を付与して、分散媒中において、合成粒子1から繊維状カーボン材料を分離するための振動付与手段と、振動付与後の第1分散液を通過させて、当該第1分散液から粒子状基材、および金属を含む触媒の大部分を分離し、第2分散液を得るための多孔部材8と、第2分散液中に不純物として残存する金属を含む触媒を分離するための磁力を有する部材9と、を備える。
【選択図】図2
【解決手段】回収システムは、粒子状基材に金属を含む触媒を担持してなる触媒担持体の表面に繊維状カーボン材料が形成された合成粒子1の第1分散液5を得るための撹拌槽3と、第1分散液5に振動を付与して、分散媒中において、合成粒子1から繊維状カーボン材料を分離するための振動付与手段と、振動付与後の第1分散液を通過させて、当該第1分散液から粒子状基材、および金属を含む触媒の大部分を分離し、第2分散液を得るための多孔部材8と、第2分散液中に不純物として残存する金属を含む触媒を分離するための磁力を有する部材9と、を備える。
【選択図】図2
Description
本発明は、粒子状基材に金属を含む触媒を担持してなる触媒担持体の表面に繊維状カーボン材料が形成された合成粒子より繊維状カーボン材料を回収するシステムおよび方法に関する。
従来から、粒子状基材に金属を含む触媒を担持してなる粒子状の触媒担持体を、反応ガスと接触させて、触媒担持体の表面に繊維状カーボン材料が形成された合成粒子を得る手法が広く用いられている(特許文献1)。この手法には、化学気相成長法(CVD法)等が用いられる。
しかし、上記の合成粒子から繊維状カーボン材料を分離し、回収する際に、粒子状基材の表面から触媒の一部が剥がれ落ちてしまう。このため、回収された繊維状カーボン材料中に、剥がれ落ちた触媒の一部(触媒殻)が不純物として含まれてしまうという不具合を生じる。
そこで、本発明は、上記従来の問題を解決するため、触媒担持体の表面に繊維状カーボン材料が形成された合成粒子から繊維状カーボン材料を分離し、回収する際に、回収された繊維状カーボン材料中に不純物として含まれる、粒子状基材から剥がれ落ちた触媒の一部を除去して、繊維状カーボン材料を効率よく回収することが可能な、繊維状カーボン材料の回収システムおよび回収方法を提供することを目的とする。
本発明は、粒子状基材に金属を含む触媒を担持してなる触媒担持体の表面に繊維状カーボン材料が形成された合成粒子から繊維状カーボン材料を回収するシステムに関する。
本発明の請求項1に係る回収システムは、
合成粒子と、所定の分散媒とを投入し、撹拌して、合成粒子の第1分散液を得るための撹拌槽と、
第1分散液を撹拌しながら、第1分散液に振動を付与して、分散媒中において、合成粒子から繊維状カーボン材料を分離するための振動付与手段と、
振動付与後の第1分散液を通過させて、当該第1分散液から粒子状基材、および金属を含む触媒の大部分を分離し、第2分散液を得るための多孔部材と、
第2分散液中に不純物として残存する金属を含む触媒を分離するための磁力を有する部材と、
を備えることを特徴とする。
本発明の請求項1に係る回収システムは、
合成粒子と、所定の分散媒とを投入し、撹拌して、合成粒子の第1分散液を得るための撹拌槽と、
第1分散液を撹拌しながら、第1分散液に振動を付与して、分散媒中において、合成粒子から繊維状カーボン材料を分離するための振動付与手段と、
振動付与後の第1分散液を通過させて、当該第1分散液から粒子状基材、および金属を含む触媒の大部分を分離し、第2分散液を得るための多孔部材と、
第2分散液中に不純物として残存する金属を含む触媒を分離するための磁力を有する部材と、
を備えることを特徴とする。
本発明の請求項2に係る回収システムは、請求項1に記載の回収システムにおいて、
振動付与手段が、第1分散液に超音波を照射する手段であることを特徴とする。
振動付与手段が、第1分散液に超音波を照射する手段であることを特徴とする。
本発明の請求項3に係る回収システムは、請求項1または2に記載の回収システムにおいて、
磁力を有する部材が、電磁石であり、
さらに、電磁石が所定の磁場を有するように、電磁石を構成する磁性材料の芯の周りを捲回する導線に供給する電流の大きさを制御するコントローラを備えることを特徴とする。
本発明の請求項4に係る回収システムは、請求項1〜3のいずれか1項に記載の回収システムにおいて、
触媒が、Feを含み、
繊維状カーボン材料が、カーボンナノコイルであることを特徴とする。
磁力を有する部材が、電磁石であり、
さらに、電磁石が所定の磁場を有するように、電磁石を構成する磁性材料の芯の周りを捲回する導線に供給する電流の大きさを制御するコントローラを備えることを特徴とする。
本発明の請求項4に係る回収システムは、請求項1〜3のいずれか1項に記載の回収システムにおいて、
触媒が、Feを含み、
繊維状カーボン材料が、カーボンナノコイルであることを特徴とする。
また、本発明は、粒子状基材に金属を含む触媒を担持してなる触媒担持体の表面に繊維状カーボン材料が形成された合成粒子から繊維状カーボン材料を回収する方法に関する。
本発明の請求項5に係る回収方法は、
(1)合成粒子を所定の分散媒に投入して、合成粒子の第1分散液を得る工程と、
(2)第1分散液を撹拌しながら第1分散液に振動を付与して、分散媒中において、合成粒子から繊維状カーボン材料を分離する工程と、
(3)工程(2)後の第1分散液を、所定の多孔部材に通過させて、当該第1分散液から粒子状基材、および金属を含む触媒の大部分を分離し、第2分散液を得る工程と、
(4)第2分散液を、金属を含む触媒を吸着可能な磁力を有する部材の間に通過させて、第2分散液から不純物として残存する金属を含む触媒を分離し、第3分散液を得る工程と、
(5)第3分散液から繊維状カーボン材料を回収する工程と、
を含むことを特徴とする。
本発明の請求項5に係る回収方法は、
(1)合成粒子を所定の分散媒に投入して、合成粒子の第1分散液を得る工程と、
(2)第1分散液を撹拌しながら第1分散液に振動を付与して、分散媒中において、合成粒子から繊維状カーボン材料を分離する工程と、
(3)工程(2)後の第1分散液を、所定の多孔部材に通過させて、当該第1分散液から粒子状基材、および金属を含む触媒の大部分を分離し、第2分散液を得る工程と、
(4)第2分散液を、金属を含む触媒を吸着可能な磁力を有する部材の間に通過させて、第2分散液から不純物として残存する金属を含む触媒を分離し、第3分散液を得る工程と、
(5)第3分散液から繊維状カーボン材料を回収する工程と、
を含むことを特徴とする。
本発明の請求項6に係る回収方法は、請求項5に記載の回収方法において、超音波を照射することで、分散液に振動を付与することを特徴とする。
本発明の請求項7に係る回収方法は、請求項5または6に記載の回収方法において、
磁力を有する部材が、電磁石であり、
さらに、電磁石が所定の磁場を有するように、電磁石を構成する磁性材料の芯の周りを捲回する導線に供給する電流の大きさを制御する工程を含むことを特徴とする。
磁力を有する部材が、電磁石であり、
さらに、電磁石が所定の磁場を有するように、電磁石を構成する磁性材料の芯の周りを捲回する導線に供給する電流の大きさを制御する工程を含むことを特徴とする。
本発明の請求項8に係る回収方法は、請求項5〜7のいずれか1項に記載の回収方法において、
工程(3)にて、第1分散液を上方より吸い上げながら多孔部材に通過させることを特徴とする。
工程(3)にて、第1分散液を上方より吸い上げながら多孔部材に通過させることを特徴とする。
本発明の請求項9に係る回収方法は、請求項5〜7のいずれか1項に記載の回収方法において、
工程(3)にて、遠心分離法により、第1分散液中の金属を含む触媒の大部分、および粒子状基材を下方に沈殿させることを特徴とする。
工程(3)にて、遠心分離法により、第1分散液中の金属を含む触媒の大部分、および粒子状基材を下方に沈殿させることを特徴とする。
本発明の請求項10に係る回収方法は、請求項5〜9のいずれか1項に記載の回収方法において、
工程(5)にて、第3分散液から繊維状カーボン材料が回収された後のものを、工程(1)の分散媒に用いることを特徴とする。
本発明の請求項11に係る回収方法は、請求項5〜10のいずれか1項に記載の回収方法において、
触媒が、Feを含み、
繊維状カーボン材料が、カーボンナノコイルであることを特徴とする。
工程(5)にて、第3分散液から繊維状カーボン材料が回収された後のものを、工程(1)の分散媒に用いることを特徴とする。
本発明の請求項11に係る回収方法は、請求項5〜10のいずれか1項に記載の回収方法において、
触媒が、Feを含み、
繊維状カーボン材料が、カーボンナノコイルであることを特徴とする。
本発明によれば、触媒担持体の表面に繊維状カーボン材料が形成された合成粒子から繊維状カーボン材料を分離し、回収する際に、回収された繊維状カーボン材料中に不純物として含まれる、粒子状基材から剥がれ落ちた触媒の一部を除去して、繊維状カーボン材料を効率よく回収することが可能な、繊維状カーボン材料の回収システムおよび回収方法を提供する。
本発明は、粒子状基材に金属を含む触媒を担持してなる触媒担持体の表面に繊維状カーボン材料が形成された合成粒子から繊維状カーボン材料を回収するシステムに関する。繊維状カーボン材料としては、例えば、カーボンナノファイバー(CNF)、カーボンナノチューブ(CNT)、カーボンナノコイル(CNC)が挙げられる。粒子状基材の表面を覆う触媒は、繊維状カーボン材料の作製時にある程度炭化するが、Fe等の金属を含んでいる。
本発明の回収システムは、
合成粒子と、所定の分散媒とを投入し、撹拌して、合成粒子の第1分散液を得るための撹拌槽と、
第1分散液を撹拌しながら、第1分散液に振動を付与して、分散媒中において、合成粒子から繊維状カーボン材料を分離するための振動付与手段と、
振動付与後の第1分散液を通過させて、当該第1分散液から粒子状基材、および金属を含む触媒の大部分を分離し、第2分散液を得るための多孔部材と、
第2分散液中に不純物として残存する金属を含む触媒を分離するための磁力を有する部材と、
を備える。
合成粒子と、所定の分散媒とを投入し、撹拌して、合成粒子の第1分散液を得るための撹拌槽と、
第1分散液を撹拌しながら、第1分散液に振動を付与して、分散媒中において、合成粒子から繊維状カーボン材料を分離するための振動付与手段と、
振動付与後の第1分散液を通過させて、当該第1分散液から粒子状基材、および金属を含む触媒の大部分を分離し、第2分散液を得るための多孔部材と、
第2分散液中に不純物として残存する金属を含む触媒を分離するための磁力を有する部材と、
を備える。
振動付与は、例えば、超音波照射により行われる。超音波照射には、市販の超音波照射装置を用いればよい。例えば、(株)サワーコーポレーションの「サワーナノコレクター」が用いられる。
超音波の照射時間は、好ましくは1〜600秒間、より好ましくは20〜60秒間である。超音波の照射回数は、好ましくは1〜100回、より好ましくは3〜30回である。超音波の照射強度は、好ましくは100〜3000W、より好ましくは300〜1500Wである。超音波の周波数は、好ましくは1〜400kHz、より好ましくは10〜200kHzである。
超音波の照射回数(照射時間)、照射強度、周波数を変えることで、回収される繊維状カーボン材料の繊維長さを調整することができる。超音波の照射回数(照射時間)および照射強度を増やすことで、繊維状カーボン材料の収率を高めることができる。
超音波の照射回数(照射時間)、照射強度、周波数を変えることで、回収される繊維状カーボン材料の繊維長さを調整することができる。超音波の照射回数(照射時間)および照射強度を増やすことで、繊維状カーボン材料の収率を高めることができる。
多孔部材は、繊維状カーボン材料を通過し、触媒担持体を通さないサイズの多数の孔を有する。多孔部材の孔径は、好ましくは10〜500μm、より好ましくは30〜100μmである。多孔部材には、例えば、金属メッシュのような網状部材が用いられる。
振動付与により、粒子状基材の大部分が触媒で覆われた状態で、合成粒子から繊維状カーボン材料が分離されるが、触媒の一部は、繊維状カーボン材料の分離の際、粒子状基材から剥がれ落ちる。粒子状基材から剥がれ落ちた触媒(触媒殻)の一部は、繊維状カーボン材料とともに多孔部材を通過して、第2分散液中に不純物として含まれる。
第2分散液中に不純物として含まれる触媒殻はFe等の金属を含むので、その触媒殻を、磁力を有する部材に吸着させることで、第2分散液から触媒殻を効率良く除去することができる。その結果、合成粒子から繊維状カーボン材料を効率良く回収することができる。
第2分散液中に不純物として含まれる触媒殻はFe等の金属を含むので、その触媒殻を、磁力を有する部材に吸着させることで、第2分散液から触媒殻を効率良く除去することができる。その結果、合成粒子から繊維状カーボン材料を効率良く回収することができる。
磁力を有する部材としては、電磁石、永久磁石が用いられる。永久磁石としては、例えば、アルニコ磁石、フェライト磁石、サマリウムコバルト磁石、ネオジム磁石、KS鋼、MK鋼が挙げられる。
また、本発明は、合成粒子から繊維状カーボン材料を回収する方法に関する。
本発明の繊維状カーボン材料の回収方法は、
(1)合成粒子を所定の分散媒に投入して、合成粒子の第1分散液を得る工程と、
(2)第1分散液を撹拌しながら第1分散液に振動を付与して、分散媒中において、合成粒子から繊維状カーボン材料を分離する工程と、
(3)工程(2)後の第1分散液を、所定の多孔部材に通過させて、当該第1分散液から粒子状基材、および金属を含む触媒の大部分を分離し、第2分散液を得る工程と、
(4)第2分散液を、金属を含む触媒を吸着可能な磁力を有する部材の間に通過させて、第2分散液から不純物として残存する金属を含む触媒を分離し、第3分散液を得る工程と、
(5)第3分散液から繊維状カーボン材料を回収する工程と、
を含む。
本発明の繊維状カーボン材料の回収方法は、
(1)合成粒子を所定の分散媒に投入して、合成粒子の第1分散液を得る工程と、
(2)第1分散液を撹拌しながら第1分散液に振動を付与して、分散媒中において、合成粒子から繊維状カーボン材料を分離する工程と、
(3)工程(2)後の第1分散液を、所定の多孔部材に通過させて、当該第1分散液から粒子状基材、および金属を含む触媒の大部分を分離し、第2分散液を得る工程と、
(4)第2分散液を、金属を含む触媒を吸着可能な磁力を有する部材の間に通過させて、第2分散液から不純物として残存する金属を含む触媒を分離し、第3分散液を得る工程と、
(5)第3分散液から繊維状カーボン材料を回収する工程と、
を含む。
工程(2)において、粒子状基材の大部分が触媒で覆われた状態で、合成粒子から繊維状カーボン材料が分離されるが、触媒の一部は、繊維状カーボン材料の分離の際、粒子状基材から剥がれ落ちる。よって、工程(3)において、粒子状基材から剥がれ落ちた触媒(触媒殻)の一部は、繊維状カーボン材料とともに多孔部材を通過して、第2分散液中に不純物として含まれる。
第2分散液中に不純物として含まれる触媒殻はFe等の金属を含むので、工程(4)において、その触媒殻を、磁力を有する部材に吸着させることで、第2分散液から触媒殻を効率良く除去することができる。その結果、工程(5)において繊維状カーボン材料を効率良く回収することができる。
不純物(触媒殻)をより確実に除去するためには、工程(4)を繰り返し実施するのが好ましい。
第2分散液中に不純物として含まれる触媒殻はFe等の金属を含むので、工程(4)において、その触媒殻を、磁力を有する部材に吸着させることで、第2分散液から触媒殻を効率良く除去することができる。その結果、工程(5)において繊維状カーボン材料を効率良く回収することができる。
不純物(触媒殻)をより確実に除去するためには、工程(4)を繰り返し実施するのが好ましい。
上記の合成粒子は、公知のものであればよく、公知の手法により作製すればよい。
例えば、公知の手法により、粒子状基材としてのアルミナ粒子(例えば、粒径0.1〜10mm程度)に所定の金属を含む触媒を担持してなる触媒担持体を、所定の流動床方式のCVD炉内に投入し、一定の条件下で、700〜800℃で加熱しながら所定の反応ガスを供給することで、例えば、図5に示すような、粒子状の触媒担持体の表面にCNCが形成された合成粒子が得られる。
ここで、図6および7は、図5に示すCNC合成粒子に対して、本発明の回収システムおよび回収方法を用いた場合における、第2分散液を濾過して得られた回収物(工程(4)を実施する前の回収物)および第3分散液を濾過して得られた回収物(工程(4)を実施した後の回収物)のSEM像を示す。図6に示すように、工程(4)を実施する前の第2分散液からの回収物中には不純物として触媒殻が含まれるが、図7に示すように、工程(4)を実施した後の第3分散液からの回収物中には不純物として触媒殻が含まれず、工程(4)の実施により、図8に示すように触媒殻が不純物として除去されていることがわかる。
例えば、公知の手法により、粒子状基材としてのアルミナ粒子(例えば、粒径0.1〜10mm程度)に所定の金属を含む触媒を担持してなる触媒担持体を、所定の流動床方式のCVD炉内に投入し、一定の条件下で、700〜800℃で加熱しながら所定の反応ガスを供給することで、例えば、図5に示すような、粒子状の触媒担持体の表面にCNCが形成された合成粒子が得られる。
ここで、図6および7は、図5に示すCNC合成粒子に対して、本発明の回収システムおよび回収方法を用いた場合における、第2分散液を濾過して得られた回収物(工程(4)を実施する前の回収物)および第3分散液を濾過して得られた回収物(工程(4)を実施した後の回収物)のSEM像を示す。図6に示すように、工程(4)を実施する前の第2分散液からの回収物中には不純物として触媒殻が含まれるが、図7に示すように、工程(4)を実施した後の第3分散液からの回収物中には不純物として触媒殻が含まれず、工程(4)の実施により、図8に示すように触媒殻が不純物として除去されていることがわかる。
CNCの作製に対して用いられる触媒は、少なくともFeを含むのが好ましく、Feと、InおよびSnの少なくとも一方と、を含むのがより好ましい。また、触媒には、例えば、Fe、In、Sn、およびCを含む合金微粒子が用いられる。この合金微粒子における混合比は、モル数で、Feが3、Snが0〜2.0、Inが0〜2.0、Cが0.5〜2.0であるのが好ましい。ここで、SnとInとの比は、モル数で、0:1〜1:0である。合金微粒子における混合比は、Feが3、Snが0.8〜1.2、Inが0.8〜1.2、Cが0.8〜1.5であるのがより好ましい。ここで、SnとInとの比は、モル数で、1:0〜0.2:0.8である。
触媒担持体を用いてCNCを作製した後の合成粒子からCNCを回収する際に、不純物として除去された触媒殻の1つについて、走査透過型電子顕微鏡(STEM)を用いて観察し、触媒殻中に含まれるFe等の各成分の重量比を調べた。触媒には、Fe、In、Sn、およびCを、Fe:In:Sn:C=3:0.8〜1.2:0.8〜1.2:0.8〜1.5のモル比で含む合金微粒子を用いた。その結果、合成粒子から剥がれ落ちた、炭化した触媒殻は、Fe、In、C、およびOを、Fe:In:C:O=48.47:0.67:22.69:4.07の重量比で含み、Snをわずかに含み、触媒殻中のFeの含有比率が高いことが確かめられた。磁力を有する部材を用いて不純物である触媒殻を回収する本発明の回収システムおよび回収方法は、触媒がFeのような磁性を有する成分を多く含む場合に好適に用いられる。
以下、本発明の繊維状カーボン材料の回収システムの一例を、図1および2を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。
図1および2に示すように、回収システムは、
合成粒子1と、所定の分散媒2aとを投入し、撹拌して、合成粒子1の第1分散液5を得るための撹拌槽3と、
第1分散液5を撹拌しながら、第1分散液5に振動を付与して、第1分散液5中にて合成粒子1から繊維状カーボン材料を分離するための超音波照射手段(振動付与手段)と、
振動付与後の第1分散液5を通過させて、第1分散液5から粒子状基材、および金属を含む触媒の大部分を分離し、第2分散液を得るための網状部材8(多孔部材)と、
第2分散液中に不純物として残存する金属を含む触媒を分離して、第3分散液を得るための電磁石9(磁力を有する部材)と、
を備える。
図1および2に示すように、回収システムは、
合成粒子1と、所定の分散媒2aとを投入し、撹拌して、合成粒子1の第1分散液5を得るための撹拌槽3と、
第1分散液5を撹拌しながら、第1分散液5に振動を付与して、第1分散液5中にて合成粒子1から繊維状カーボン材料を分離するための超音波照射手段(振動付与手段)と、
振動付与後の第1分散液5を通過させて、第1分散液5から粒子状基材、および金属を含む触媒の大部分を分離し、第2分散液を得るための網状部材8(多孔部材)と、
第2分散液中に不純物として残存する金属を含む触媒を分離して、第3分散液を得るための電磁石9(磁力を有する部材)と、
を備える。
分散媒2aには、有機系分散媒、水、またはこれらの混合分散媒が用いられる。
有機系分散媒には、例えば、イソプロピルアルコール、エタノール、グリセリンエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトールのような1価または多価のアルコールが用いられる。また、有機系分散媒には、ベンゼン、ヘキサン、クロロホルム、アセトン等を用いてもよい。
水には、例えば、イオン交換水が用いられる。
混合分散媒中の有機系分散媒の濃度は、20〜70重量%が好ましい。
有機系分散媒には、例えば、イソプロピルアルコール、エタノール、グリセリンエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトールのような1価または多価のアルコールが用いられる。また、有機系分散媒には、ベンゼン、ヘキサン、クロロホルム、アセトン等を用いてもよい。
水には、例えば、イオン交換水が用いられる。
混合分散媒中の有機系分散媒の濃度は、20〜70重量%が好ましい。
回数システムは、分散媒貯蔵タンク2と、有機系分散媒貯蔵タンク15と、水貯蔵タンク16と、を備える。
回収システムは、
分散媒貯蔵タンク2から撹拌槽3へ分散媒2aを供給するための配管と、その配管内を流れる分散媒の流量を調整するバルブV1と、
撹拌槽3から振動付与槽6へ第1分散液5を供給するための配管と、その配管内を流れる第1分散液3の流量を調整するバルブV2と、
有機系分散媒貯蔵タンク15から分散媒貯蔵タンク2へ有機系分散媒を供給するための配管と、その配管内を流れる有機系分散媒の流量を調整するバルブV3と、
水貯蔵タンク16から分散媒貯蔵タンク2へ水を供給するための配管と、その配管内を流れる水の流量を調整するバルブV4と、
を備える。
分散媒貯蔵タンク2から撹拌槽3へ分散媒2aを供給するための配管と、その配管内を流れる分散媒の流量を調整するバルブV1と、
撹拌槽3から振動付与槽6へ第1分散液5を供給するための配管と、その配管内を流れる第1分散液3の流量を調整するバルブV2と、
有機系分散媒貯蔵タンク15から分散媒貯蔵タンク2へ有機系分散媒を供給するための配管と、その配管内を流れる有機系分散媒の流量を調整するバルブV3と、
水貯蔵タンク16から分散媒貯蔵タンク2へ水を供給するための配管と、その配管内を流れる水の流量を調整するバルブV4と、
を備える。
回収システムは、
分散媒貯蔵タンク2から撹拌槽3へ供給される分散媒2aの流量が所定量となるように、バルブV1の開度を制御し、
撹拌槽3から振動付与槽6へ供給される第1分散液5の流量が所定量となるように、バルブV2の開度を制御し、
分散媒貯蔵タンク2内の分散媒2a中の有機系分散媒の濃度C1に応じて、有機系分散媒貯蔵タンク15から分散媒貯蔵タンク2へ供給される有機系分散媒の流量が所定量となるように、バルブV3の開度を制御し、
分散媒貯蔵タンク2内の分散媒2a中の有機系分散媒の濃度C1に応じて、水貯蔵タンク16から分散媒貯蔵タンク2へ供給される水の流量が所定量となるように、バルブV4の開度を制御する、
コントローラ17を備える。
分散媒貯蔵タンク2から撹拌槽3へ供給される分散媒2aの流量が所定量となるように、バルブV1の開度を制御し、
撹拌槽3から振動付与槽6へ供給される第1分散液5の流量が所定量となるように、バルブV2の開度を制御し、
分散媒貯蔵タンク2内の分散媒2a中の有機系分散媒の濃度C1に応じて、有機系分散媒貯蔵タンク15から分散媒貯蔵タンク2へ供給される有機系分散媒の流量が所定量となるように、バルブV3の開度を制御し、
分散媒貯蔵タンク2内の分散媒2a中の有機系分散媒の濃度C1に応じて、水貯蔵タンク16から分散媒貯蔵タンク2へ供給される水の流量が所定量となるように、バルブV4の開度を制御する、
コントローラ17を備える。
回収システムは、撹拌槽3内の第1分散液5を撹拌する撹拌装置4を備える。
コントローラ17は、さらに、撹拌槽3への合成粒子1の投入量;撹拌時間および撹拌速度等の撹拌槽3での撹拌条件;超音波の照射回数(時間)、照射強度、および周波数等の超音波の照射条件;を制御可能である。
コントローラ17は、さらに、撹拌槽3への合成粒子1の投入量;撹拌時間および撹拌速度等の撹拌槽3での撹拌条件;超音波の照射回数(時間)、照射強度、および周波数等の超音波の照射条件;を制御可能である。
超音波照射は、第1分散液5を、撹拌槽3から振動付与槽6へ移動させて行う。
回収システムは、振動付与槽6内の第2分散液を撹拌する撹拌装置7を備える。
回収システムは、振動付与槽6内の第2分散液を撹拌する撹拌装置7を備える。
網状部材8は、振動付与槽6内の第1分散液5の上面付近に設けられている。
回収システムは、網状部材8を通してポンプ等により第1分散液5を上方へ吸い上げ可能に構成されている。網状部材8を通過した後の第2分散液は、配管を経由して上方より不純物除去容器10内へ送られる。
回収システムは、網状部材8を通してポンプ等により第1分散液5を上方へ吸い上げ可能に構成されている。網状部材8を通過した後の第2分散液は、配管を経由して上方より不純物除去容器10内へ送られる。
不純物除去容器10内に棒状の電磁石9が複数設置されている。電磁石9により対象物を引き付ける力は、例えば0.01〜5kgf、好ましくは0.5〜3kgfである。複数の電磁石9が、その長手方向が上下方向に向くように並列に配置されている。互いに隣り合う電磁石9同士は、N極とS極とが対向するように配置する。
上方より不純物容器10内へ投入された第2分散液は、電磁石9が配置された領域(互いに隣り合う電磁石9の間)を通過して、不純物容器10の下方より送り出される。
コントローラ17は、電磁石9が所定の磁場を有するように、電磁石9を構成する磁性材料の芯の周りに巻かれた導線に供給する電流の大きさを制御可能である。コントローラ17により、不純物の量およびサイズに応じて磁場の強さを調整することができる。
上方より不純物容器10内へ投入された第2分散液は、電磁石9が配置された領域(互いに隣り合う電磁石9の間)を通過して、不純物容器10の下方より送り出される。
コントローラ17は、電磁石9が所定の磁場を有するように、電磁石9を構成する磁性材料の芯の周りに巻かれた導線に供給する電流の大きさを制御可能である。コントローラ17により、不純物の量およびサイズに応じて磁場の強さを調整することができる。
システムは、第3分散液を不純物除去容器10に繰り返し投入可能なように、不純物除去容器10の下方より送り出された第3分散液を、不純物除去容器10の上方より再度投入するための、ポンプを備えた配管(図示しない)を備えるのが好ましい。
第3分散液を不純物除去容器10に繰り返し投入する場合、コントローラ17により、第3分散液の投入する回数に応じて電流の大きさ(磁場の強さ)を変えることで、幅広いサイズの不純物を効率良く除去することができる。
第3分散液を不純物除去容器10に繰り返し投入する場合、コントローラ17により、第3分散液の投入する回数に応じて電流の大きさ(磁場の強さ)を変えることで、幅広いサイズの不純物を効率良く除去することができる。
回収システムは、第3分散液を濾過して、第3分散液から繊維状カーボン材料を分離および回収するための所定の濾過膜13と、濾過膜13を収納する濾過容器11と、不純物回収容器10の下方から送り出された第3分散液を濾過容器11の上方より投入するための、ポンプ12を備えた配管と、を備える。
回収システムでは、第3分散液から繊維状カーボン材料が回収された後の濾液14が、撹拌槽3に投入される分散媒2aとして用いられる。回収システムは、第3分散液から繊維状カーボン材料が回収された後の濾液14を貯蔵する回収タンクを別途設けてもよい。
以下、回収システムの動作を説明する。
撹拌槽3に投入する所定量の合成粒子1を準備し、撹拌槽3の分散媒2a中に所定量の合成粒子1を投入する(S1)。コントローラ17を用いて、分散媒貯蔵タンク2から撹拌槽3へ供給される分散媒2aの流量が所定量となるように、バルブV1の開度を制御する(L1)。コントローラ17を用いて、撹拌槽3への合成粒子1の投入量を制御する(L5)。
撹拌装置4を用いて、合成粒子1の第1分散液5を撹拌する(S2)。
コントローラ17を用いて、撹拌時間および撹拌速度等の撹拌槽3での撹拌条件を制御する(L6)。
撹拌槽3に投入する所定量の合成粒子1を準備し、撹拌槽3の分散媒2a中に所定量の合成粒子1を投入する(S1)。コントローラ17を用いて、分散媒貯蔵タンク2から撹拌槽3へ供給される分散媒2aの流量が所定量となるように、バルブV1の開度を制御する(L1)。コントローラ17を用いて、撹拌槽3への合成粒子1の投入量を制御する(L5)。
撹拌装置4を用いて、合成粒子1の第1分散液5を撹拌する(S2)。
コントローラ17を用いて、撹拌時間および撹拌速度等の撹拌槽3での撹拌条件を制御する(L6)。
撹拌槽3から振動付与槽6へ第1分散液5を供給する。コントローラ17を用いて、撹拌槽3から振動付与槽6へ供給される第1分散液5の流量が所定量となるように、バルブV2の開度を制御する(L2)。
振動付与槽6に供給された第1分散液5を撹拌しながら第1分散液5に超音波を照射して、分散媒中において、合成粒子1から繊維状カーボン材料を分離する(S3)。コントローラ17を用いて、超音波の照射回数(照射時間)、照射強度、および周波数等の超音波の照射条件を制御する(L7)。
(S3)の後の第1分散液5を、ポンプ等により上方より吸い上げて、所定の網状部材8に通過させて、第1分散液5から粒子状基材、および金属を含む触媒の大部分を分離し、第2分散液を得る(S4)。
(S4)において、粒子状基材の大部分は触媒で覆われた状態で(触媒担持体として)分離されるが、触媒の一部は、繊維状カーボン材料の分離に伴い、粒子状基材から剥がれ落ちる。
粒子状基材から剥がれ落ちた触媒(触媒殻)のうち、比較的重い(大きな)ものは、粒子状基材(触媒担持体)とともに下方へ移動するため、繊維状カーボン材料と分離できる。
粒子状基材から剥がれ落ちた触媒(触媒殻)のうち、比較的重い(大きな)ものは、粒子状基材(触媒担持体)とともに下方へ移動するため、繊維状カーボン材料と分離できる。
また、(S4)の代わりに、遠心分離法により、(S3)後の第1分散液において、触媒殻のうち比較的重いもの、および粒子状基材(触媒担持体)を下方に沈殿させた後、上方の分散液(触媒殻のうち比較的軽いもの、および繊維状カーボン材料を含む分散液)を、網状部材8に通すことで第2分散液を得てもよい。
触媒殻のうち比較的軽い(小さい)ものは、繊維状カーボン材料とともに上方へ移動し、網状部材8を通過する。よって、第2分散液は、不純物として触媒殻を含む。
第2分散液を電磁石9の間に通過させて、第2分散液から不純物(触媒殻)を分離し、第3分散液を得る(S5)。ここで、(S5)を繰り返し実施する、すなわち、第3分散液を不純物除去容器10内に再度投入する工程を繰り返すのが好ましい(S8)。
コントローラ17を用いて、電磁石9が所定の磁場を有するように、電磁石9を構成する磁性材料の芯の周りに巻かれた導線に供給する電流の大きさを制御する(L8)。第3分散媒を不純物除去容器10に繰り返し投入する場合、その投入する回数に応じてコントローラ17により電流値(磁場の強さ)を変えることで、幅広いサイズの不純物を効率良く除去することができる。
コントローラ17を用いて、電磁石9が所定の磁場を有するように、電磁石9を構成する磁性材料の芯の周りに巻かれた導線に供給する電流の大きさを制御する(L8)。第3分散媒を不純物除去容器10に繰り返し投入する場合、その投入する回数に応じてコントローラ17により電流値(磁場の強さ)を変えることで、幅広いサイズの不純物を効率良く除去することができる。
第3分散液を濾過容器11内に投入し(S6)、繊維状カーボン材料を回収した後、乾燥する(S7)。濾過容器11内の濾過膜13で第3分散液を濾過して、第3分散液から繊維状カーボン材料を分離する。乾燥方法は、自然乾燥でも、加熱乾燥でもよい。
(S6)において、第3分離液から繊維状カーボン材料が回収された後の廃液(濾液14)を、(S2)で撹拌槽3に投入する分散媒2aに用いる(S9)。
また、分散媒貯蔵タンク2での分散媒2aの調製は、以下の工程を含む。
有機系分散媒貯蔵タンク15内の有機系分散媒を分散媒貯蔵タンク2へ供給する。コントローラ17を用いて、分散媒貯蔵タンク2内の分散媒2a中の有機系分散媒の濃度C1に応じて、有機系分散媒貯蔵タンク15から分散媒貯蔵タンク2へ供給される有機系分散媒の流量が所定量となるように、バルブV3の開度を制御する(L3)。
水貯蔵タンク16内の水を分散媒貯蔵タンク2へ供給する。コントローラ17を用いて、分散媒貯蔵タンク2内の分散媒2a中の有機系分散媒の濃度C1に応じて、水貯蔵タンク16から分散媒貯蔵タンク2へ供給される水の流量が所定量となるように、バルブV4の開度を制御する(L4)。
有機系分散媒貯蔵タンク15内の有機系分散媒を分散媒貯蔵タンク2へ供給する。コントローラ17を用いて、分散媒貯蔵タンク2内の分散媒2a中の有機系分散媒の濃度C1に応じて、有機系分散媒貯蔵タンク15から分散媒貯蔵タンク2へ供給される有機系分散媒の流量が所定量となるように、バルブV3の開度を制御する(L3)。
水貯蔵タンク16内の水を分散媒貯蔵タンク2へ供給する。コントローラ17を用いて、分散媒貯蔵タンク2内の分散媒2a中の有機系分散媒の濃度C1に応じて、水貯蔵タンク16から分散媒貯蔵タンク2へ供給される水の流量が所定量となるように、バルブV4の開度を制御する(L4)。
ここで、図3は、本発明の回収システムおよび回収方法を用いて、図5に示すCNC合成粒子からCNCを回収する場合における、超音波の照射回数と、単位面積あたりの触媒殻数との関係を示す。
超音波照射1回あたりの照射時間30秒間とし、照射回数を変えた以外は、所定の同じ条件で、図1および2の回収システムを用いてCNCを回収し、回収されたCNCを、電子走査顕微鏡(SEM)を用いて観察した。単位面積あたりの触媒殻数は、SEMで観察した約500μm×350μmの単位面積内に、不純物として存在する触媒殻の数を指す。
13回目までは触媒殻がわずかに存在したが、16回目からは、触媒殻は存在しないことがわかる。この結果は、超音波をある程度繰り返し照射することで、不純物をより確実に除去できることを示す。
10回目で触媒殻の数が最も多くなったが、これは、超音波の照射回数がある程度に達するまでは、回数が増えるにつれて、粒子状基材から剥がれる触媒の量が多くなったためと考えられる。
超音波照射1回あたりの照射時間30秒間とし、照射回数を変えた以外は、所定の同じ条件で、図1および2の回収システムを用いてCNCを回収し、回収されたCNCを、電子走査顕微鏡(SEM)を用いて観察した。単位面積あたりの触媒殻数は、SEMで観察した約500μm×350μmの単位面積内に、不純物として存在する触媒殻の数を指す。
13回目までは触媒殻がわずかに存在したが、16回目からは、触媒殻は存在しないことがわかる。この結果は、超音波をある程度繰り返し照射することで、不純物をより確実に除去できることを示す。
10回目で触媒殻の数が最も多くなったが、これは、超音波の照射回数がある程度に達するまでは、回数が増えるにつれて、粒子状基材から剥がれる触媒の量が多くなったためと考えられる。
また、図4は、超音波の照射回数と、回収されたCNCのコイル質および収率との関係を示す。
CNCの収率は、CNC合成粒子の重量に対する回収されたCNC量の割合を指す。また、コイル質の数値は、回収されたCNCのSEM像を用いて、CNCの繊維長さ、その形状のばらつき(均一性)、および不純物の存在割合を調べ、その結果に基づいて得られる値である。任意の10箇所について調べ、それらの値を平均したものである。コイル質の数値が大きいほど、CNCが長く、その形状のばらつきが大きく、不純物の存在割合が多いことを示す。
超音波の照射回数(照射時間)が増大するにつれて、CNCの収率が増大するが、CNCが短くなる傾向がみられる。この結果は、超音波の照射回数(照射時間)によりコイルの長さを調整することができることを示す。
CNCの収率は、CNC合成粒子の重量に対する回収されたCNC量の割合を指す。また、コイル質の数値は、回収されたCNCのSEM像を用いて、CNCの繊維長さ、その形状のばらつき(均一性)、および不純物の存在割合を調べ、その結果に基づいて得られる値である。任意の10箇所について調べ、それらの値を平均したものである。コイル質の数値が大きいほど、CNCが長く、その形状のばらつきが大きく、不純物の存在割合が多いことを示す。
超音波の照射回数(照射時間)が増大するにつれて、CNCの収率が増大するが、CNCが短くなる傾向がみられる。この結果は、超音波の照射回数(照射時間)によりコイルの長さを調整することができることを示す。
1 合成粒子
2 分散媒貯蔵タンク
2a 分散媒
3 撹拌槽
4、7 撹拌装置
5 第1分散液
6 振動付与槽
8 網状部材
9 電磁石
10 不純物除去容器
11 濾過容器
12 ポンプ
13 濾過膜
14 濾液
15 有機系分散媒貯蔵タンク
16 水貯蔵タンク
17 コントローラ
2 分散媒貯蔵タンク
2a 分散媒
3 撹拌槽
4、7 撹拌装置
5 第1分散液
6 振動付与槽
8 網状部材
9 電磁石
10 不純物除去容器
11 濾過容器
12 ポンプ
13 濾過膜
14 濾液
15 有機系分散媒貯蔵タンク
16 水貯蔵タンク
17 コントローラ
Claims (11)
- 粒子状基材に金属を含む触媒を担持してなる触媒担持体の表面に繊維状カーボン材料が形成された合成粒子から繊維状カーボン材料を回収するシステムであって、
合成粒子と、所定の分散媒とを投入し、撹拌して、合成粒子の第1分散液を得るための撹拌槽と、
第1分散液を撹拌しながら、第1分散液に振動を付与して、分散媒中において、合成粒子から繊維状カーボン材料を分離するための振動付与手段と、
振動付与後の第1分散液を通過させて、当該第1分散液から粒子状基材、および金属を含む触媒の大部分を分離し、第2分散液を得るための多孔部材と、
第2分散液中に不純物として残存する金属を含む触媒を分離するための磁力を有する部材と、
を備えることを特徴とする繊維状カーボン材料の回収システム。 - 振動付与手段が、第1分散液に超音波を照射する手段であることを特徴とする請求項1に記載の繊維状カーボン材料の回収システム。
- 磁力を有する部材が、電磁石であり、
さらに、電磁石が所定の磁場を有するように、電磁石を構成する磁性材料の芯の周りを捲回する導線に供給する電流の大きさを制御するコントローラを備える、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の繊維状カーボン材料の回収システム。 - 触媒が、Feを含み、
繊維状カーボン材料が、カーボンナノコイルである、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の繊維状カーボン材料の回収システム。 - 粒子状基材に金属を含む触媒を担持してなる触媒担持体の表面に繊維状カーボン材料が形成された合成粒子から繊維状カーボン材料を回収する方法であって、
(1)合成粒子を所定の分散媒に投入して、合成粒子の第1分散液を得る工程と、
(2)第1分散液を撹拌しながら第1分散液に振動を付与して、分散媒中において、合成粒子から繊維状カーボン材料を分離する工程と、
(3)工程(2)後の第1分散液を、所定の多孔部材に通過させて、当該第1分散液から粒子状基材、および金属を含む触媒の大部分を分離し、第2分散液を得る工程と、
(4)第2分散液を、金属を含む触媒を吸着可能な磁力を有する部材の間に通過させて、第2分散液から不純物として残存する金属を含む触媒を分離し、第3分散液を得る工程と、
(5)第3分散液から繊維状カーボン材料を回収する工程と、
を含むことを特徴とする繊維状カーボン材料の回収方法。 - 超音波を照射することで、分散液に振動を付与することを特徴とする請求項5に記載の繊維状カーボン材料の回収方法。
- 磁力を有する部材が、電磁石であり、
さらに、電磁石が所定の磁場を有するように、電磁石を構成する磁性材料の芯の周りを捲回する導線に供給する電流の大きさを制御する工程を含むことを特徴とする請求項5または6に記載の繊維状カーボン材料の回収方法。 - 工程(3)において、第1分散液を上方より吸い上げながら多孔部材に通過させることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の繊維状カーボン材料の回収方法。
- 工程(3)において、遠心分離法により、第1分散液中の金属を含む触媒の大部分、および粒子状基材を下方に沈殿させることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の繊維状カーボン材料の回収方法。
- 工程(5)において、第3分散液から繊維状カーボン材料が回収された後のものを、工程(1)の分散媒に用いることを特徴とする請求項5〜9のいずれか1項に記載の繊維状カーボン材料の回収方法。
- 触媒が、Feを含み、
繊維状カーボン材料が、カーボンナノコイルである、
ことを特徴とする請求項5〜10のいずれか1項に記載の繊維状カーボン材料の回収方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013065293A JP2014189431A (ja) | 2013-03-27 | 2013-03-27 | 繊維状カーボン材料の回収システムおよび回収方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Family
ID=51836073
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JP2013065293A Pending JP2014189431A (ja) | 2013-03-27 | 2013-03-27 | 繊維状カーボン材料の回収システムおよび回収方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2014189431A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017154529A1 (ja) * | 2016-03-08 | 2017-09-14 | 学校法人早稲田大学 | 繊維状炭素ナノ構造体製造装置及び繊維状炭素ナノ構造体製造方法 |
KR20200061892A (ko) * | 2018-11-26 | 2020-06-03 | 주식회사 엘지화학 | 탄소나노튜브의 가공 방법 및 그 탄소나노튜브의 가공 장치 |
-
2013
- 2013-03-27 JP JP2013065293A patent/JP2014189431A/ja active Pending
Cited By (5)
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CN108778992A (zh) * | 2016-03-08 | 2018-11-09 | 学校法人早稻田大学 | 纤维状碳纳米结构体制造装置以及纤维状碳纳米结构体制造方法 |
JPWO2017154529A1 (ja) * | 2016-03-08 | 2019-01-17 | 学校法人早稲田大学 | 繊維状炭素ナノ構造体製造装置及び繊維状炭素ナノ構造体製造方法 |
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