JP2014187528A - 表示装置の画素構造及びその作製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】映像表示素子と発音体とが画素レベルで同一基板上に集積された音源一体型表示装置及びその作製方法を提供する。
【解決手段】発音体として熱音響効果に基づく発音体を使用し、発音体の断熱層と映像表示素子の基板材料とを兼用させることにより、映像表示素子と熱音響効果に基づく発音体とが基板上に一体形成された音源一体型表示装置を作製する。基板は、高分子フィルムからなる柔軟性を有する基板であってよい。
【選択図】図1

Description

本発明は、映像と音声を提供する装置に関し、特に、映像表示素子と発音体とが画素レベルで同一基板上に集積された音源一体型表示装置及びその作製方法に関するものである。
映像・情報表示用ディスプレイの大画面・高精細・スリム化に伴い、ディスプレイは、液晶、有機EL(Electroluminescence)素子などを用いて薄型化が進められている。近年、超薄型・軽量で携帯性・収納性に優れたディスプレイの実現を目指して、薄いプラスチックフィルム上に比較的低温で形成可能な有機半導体(有機薄膜トランジスターや有機EL)を用いた「フレキシブルディスプレイ」を始めとするシート型表示装置の研究が加速している。
テレビ用のディスプレイにするためには、映像のみならず音声の出力も不可欠であり、スピーカ(音源)の薄膜化・柔軟化・一体化も求められる。しかし従来の音源は機械的な振動部を有し、フレキシブルディスプレイのようなシート型表示装置に直接形成して使用した場合、ディスプレイ自体が薄膜・軽量のため振動が生じ、画面が揺れてしまうという問題があった。また構造上完全な薄膜化音源の作製は難しい。したがって、従来の機械的な振動部を有するスピーカは、表示画面上に画素と一体形成することが不可能であり、シート型の音源一体型表示装置の実現を困難にしていた。
機械的振動のない音源と表示部が一体形成できれば、その優れた構造を活かして大画面シート型テレビの実現可能性が大きく高まることになる。さらに画面内の映像表示と空間的に同期して音声が出せれば、これまで以上に臨場感ある全く新しい超薄型ディスプレイが可能になる。このような背景から、近年、機械的振動を伴わない音源の研究開発も同時に進められている。
これまでに、機械的振動を伴わない音源の一例として、熱の上昇・下降を空気の疎密波に変換する「熱誘起超音波放出素子」が報告されている(非特許文献1)。この「熱誘起超音波放出素子」は、熱音響効果に基づく発音体である。
具体化された熱音響効果に基づく発音体としては、単結晶シリコン基板を用いるものがある(特許文献1)。単結晶シリコン基板の表面を多孔質化して、多孔度が75%以上のナノ結晶シリコン層を形成し、この熱物性の大きく異なるナノ結晶シリコン層を断熱層として、その上に金属膜からなる表面電極を設けて発熱体薄膜とする。表面電極に電流を流し、発生した熱の変化を効率的に素子表面の空気に伝え、空気の疎密変化を得ることで音波を発生している。しかし、単結晶シリコンは大面積での形成が困難で、非常に硬いため、扱う際に壊れやすいというデメリットを持つ。さらに単結晶シリコンは非常に高価であり、作製にも非常に高い温度(900℃以上)が必要になる。
そこで上記のナノ結晶シリコン層に代わり、比較的低温で形成可能な柔軟性のある有機材料を用いた薄膜音波出力装置が提案されている(特許文献2)。この装置は、厚みが0.01〜0.1mm程度のアルミニウムや熱伝導率の高いプラスチック薄膜等を基板とし、この薄膜基板上に熱伝導率の小さい有機材料から構成された有機薄膜層を形成して熱絶縁層とし、さらにこの有機薄膜層上に表面電極を形成して発熱体とし、熱音響効果に基づく発音体である素子を構成している。このような素子構造を有しているため、装置は非常に薄く、柔軟性に優れている。しかし、高分子フィルムを用いたフレキシブルディスプレイのようなシート型表示装置と、完全な一体化ができる構造とはなっていない。
特開2005−73197号公報 特開2012−54762号公報
H. Shinoda, et al.,"Thermally induced ultrasonic emission from porous silicon", Nature, vol.400, pp.853-855, 1999年
これまで、映像表示素子と発音体とが画素レベルで同一基板上に集積された音源一体型表示装置は実現されていない。また、これまで提案された熱音響効果に基づく発音体は、薄膜化が可能であるものの、フレキシブルディスプレイのようなシート型表示装置と完全な一体化できる構造を有しておらず、また、市販されている高分子フィルムの上に形成できる構造を有していないので、コスト的に高価なものにならざるを得なかった。
従って、上記のような問題点に鑑みてなされた本発明の目的は、低コストで容易に実現できる、映像表示素子と発音体とが同一基板上に一体形成された音源一体型表示装置の構造と作製方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、映像表示素子と熱音響効果に基づく発音体とが基板上に一体形成された音源一体型表示装置において、前記基板が発音体の断熱層として機能することを特徴とする。
また、前記発音体が、断熱層として機能する前記基板と、前記基板の一方の面上に形成された放熱層と、前記基板の他方の面上に形成された駆動信号により発熱する薄膜電極、とからなることが好ましい。
また、前記発音体の前記放熱層が前記映像表示素子の封止層として機能することが好ましい。
また、前記基板が、柔軟性を有することが好ましい。
また、前記基板が、高分子フィルムであることが好ましい。
また、前記映像表示素子の各画素に前記発音体が形成されていることが好ましい。
また、本発明は、映像表示素子と熱音響効果に基づく発音体とが基板上に一体形成された音源一体型表示装置の作製方法において、前記発音体の駆動信号により発熱する薄膜電極を、前記発音体の断熱層として機能する前記基板上に直接形成する工程を含むことを特徴とする。
また、前記基板が、高分子フィルムであることが好ましい。
本発明によれば、非常に簡単な構造で、機械的振動を伴わない薄膜音源が一体化された表示装置を容易に作製できる。また、既に市販されている高分子フィルムを基板兼断熱層として用いることができ、低コスト・低環境負荷での作製が可能となる。また、画素レベルで音源と表示部が一体形成された表示装置により、画面内の映像表示と空間的に同期して音声を出力させることができ、これまで以上に臨場感ある全く新しい超薄型ディスプレイが可能になる。さらに、基板として薄膜フィルムを用いれば、全工程をロール形成プロセスで作製可能であり、柔軟性に優れた音源一体型表示装置を実現できる。
本発明の一実施形態に係る、薄膜基板に形成された音源一体型画素構造を有する表示装置の一例である。 熱音響効果に基づく発音体の構成の一例である。 表示部と音源部が画素レベルで集積された画素構造の例である。 ボトムエミッション型表示部を有する音源一体型表示装置の構造及び作製方法の一例である。 トップエミッション型表示部を有する音源一体型表示装置の構造及び作製方法の一例である。 音源一体型表示装置の信号駆動部の一例である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る、薄膜基板に形成された音源一体型画素構造を有する表示装置の一例を示す図である。図1(A)は音源一体型表示装置の表示側(発光側)表面から見た平面図、図1(B)は音源一体型表示装置の断面構造図を示す。本装置は、薄膜基板1、画素駆動部2、表示部3、音源部4、放熱部5、封止部6により構成されている。ただし、図1においては、放熱部5と封止部6は、共通の材料で構成され、実質的に一つの部材として取り扱われている。また、画素駆動部2と表示部3はそれぞれ独立のものであって、実際には、積層配置或いは隣接配置されるが、図面上は区別せずに一体のものとして記載している。
図1において、画素駆動部2及び表示部3は、三原色(以下、R,G,Bで記述)を一つの組とする画素として表されているが、画素構造はこれに限定されるものではない。図1の音源一体型表示装置は、基板1の下面から発光する、いわゆるボトムエミッション型の表示装置の例である。
図1(B)から明らかなように、薄膜基板1に対して、画素駆動部2及び表示部3と、音源部4(表面電極41)とは、互いに反対の表面に配置されている。表示部3の三原色(R,G,B)が配置されていない領域に対応して、音源部4(表面電極41)が配置され、図1(A)の平面図に示されるように、表示部3の三原色(R,G,B)と音源部4(音源素子として、Aで記述)とが組み合わされて、音源一体型画素を構成している。本発明の音源一体型表示装置の一例は、この音源一体型画素を縦横に繰り返し配置して構成することができる。なお、図1では中間の繰り返しの構造は省略して描かれている。
図2に、音源部4である熱音響効果に基づく発音体40の構成の一例と動作原理を示す。熱音響効果を用いた発音体40は、表面電極41と、断熱層42と、薄膜放熱部43と、電極44とを備える。表面電極41は、例えば金属薄膜であり、アルミニウム、金などの薄膜により形成することができる。断熱層42は、表面電極41で発生する熱に対する断熱材として作用する。本発明においては、断熱層42が薄膜基板1となり、表面電極41は、例えば蒸着やスパッタリングなどにより断熱層42上に形成される。また、薄膜放熱部43は、断熱層42に対して表面電極41と反対の面に形成される。電極44は、表面電極41に電気的に接続しており、断熱層42の表面側又は断熱層42を貫通して形成される。
電極44に駆動信号(電流・電圧)が印加されると、表面電極41においてジュール熱が発生して表面電極41は高温になる。このとき、表面電極41に接触した空気は熱エネルギーを受け取り膨張する。このため、印加する駆動信号により表面電極41で発生するジュール熱を変化させて疎密波を発生させることにより、熱音響効果を用いた発音体40は、いわゆるスピーカとして発音することが可能となる。
なお、熱音響効果を用いた発音体40の駆動方法としては、熱音響効果を用いた発音体に一般的なスピーカと同じように交流の音響信号a(t)を印加した場合、交流信号の正負符号に関わりなく信号の振幅値に応じた発熱が起きてしまうため、負の成分が正側に折り返された音波、すなわち|a(t)|として出力されてしまう。この問題を解決するために、入力信号を正負どちらかの符号に制限する目的で、直流バイアス電流dに音響信号a(t)を重畳した信号d+a(t)>0を用いて、熱音響効果を用いた発音体を駆動する方法がある。
また、音響信号をコンバータでデルタシグマ変調信号に変換し、パルス発生器で前記デルタシグマ変調信号に基づく駆動信号を発生させて、例えばPulse Width Modulation(PWM)変調信号やPulse Density Modulation(PDM)変調信号のパルス列として、発音体40の電極に印加する方法もある。このとき、前記コンバータは、前記音響信号を1ビットのデルタシグマ変調信号や、さらに量子化雑音の影響を低減したDirect Stream Digital(DSD)信号に変換することが好ましい。
これらの駆動方法は、いずれも本発明の音源一体型表示装置の音源部の駆動方法として使用できる。
図1と図2の対応関係は、音源一体型表示装置の薄膜基板1が発音体40の断熱層42に相当し、音源部4の符号で示される発熱電極が表面電極41に相当し、放熱部5が薄膜放熱部43に相当する。このように、音源部4は、発熱電極(表面電極41)、薄膜基板1(断熱層42)及び放熱部5(薄膜放熱部43)から構成される。
次に、図1に戻って、音源一体型表示装置の動作について説明する。表示装置は外部からの画像信号入力により、画素駆動部2が動作し、表示部3を駆動することによって映像を表示する。音源部4は外部からの音声信号入力により、薄膜基板1の裏面上にある表面電極41で発生したジュール熱の変化により、薄膜基板1(断熱層42)の存在で、効率的に素子表面の空気温度が変化することによってその密度が変化し、音波として放出される。したがって、画素単位で、映像の表示領域と隣接した場所から音声が出力される。
次に図1の装置を構成する材料を示す。薄膜基板1の材料としては、例えば厚みが0.10〜200μm程度のポリイミドフィルムやポリプロピレンフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルムやポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリパラキシリレン系フィルム、オレフィン系フィルム、フッ素系フィルム、シリコーン系フィルム、アクリル系フィルムなど有機材料を用いた熱伝導率の低い多くの高分子フィルムが適用できる。ここで、熱伝導率が低いとは、発熱電極である金属の熱伝導率の1/100以下、望ましくは1/1000以下の熱伝導率をいう。例えば、1W/m・K以下の熱伝導率を有する高分子フィルムが好適に用いられる。これは、本発明の薄膜基板1が、音源部4の断熱層42を兼用するためである。
また、音源一体型表示装置の使用形態を考慮すると、薄膜基板1は、柔軟性を有する材料を選択することが望ましい。これにより、フレキシブルディスプレイを実現できる。なお、図1のように、ボトムエミッション型の表示装置である場合は、薄膜基板1は、透明な材料又は発光波長の透過性が高い材料を選択することが必要である。
表面電極41には、厚みが10〜500nm程度のアルミニウム、タングステン、タンタル、クロム、モリブデン、白金、金、銀、銅など、そのほかの金属薄膜が使用できる。また、表面電極41は、金属薄膜に限定されず、導電性を有する薄膜であれば良く、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物等の透明導電性膜、有機物および無機物の高分子からなる導電性薄膜により形成することができる。したがって、表面電極41は、薄膜電極であるといえる。
画素駆動部2は、外部から電気信号や電源を供給する金属配線、及び画素を選択し表示部3を駆動するための薄膜トランジスタ(TFT)などにより構成される。金属配線には、厚みが10〜500nm程度の薄膜金属、TFTの半導体には厚みが10〜300nm程度のシリコン系(アモルファスシリコン、ポリシリコン等)、酸化物系(IGZO[InGaZnO]等)、有機系などの各半導体材料が用いられる。なお、TFTを有しないパッシブな素子構造としても良い。
さらに表示部3は、液晶や有機ELなどの任意の表示素子により構成される。
放熱部5としては、薄膜基板1を境にして、発熱電極(表面電極41)側とは反対側の面に熱伝導率の高いフィルムを形成できる。例えばグラファイト等の炭素系薄膜からなるシートや、熱伝導率の高い有機フィルム、さらに、素子との絶縁性が確保されれば金属薄膜又は金属箔を用いても良く、或いはこれらの積層膜などが利用できる。なお、放熱部5は、封止部6と兼用することができる。封止性を高めるためには、複数種類の材料からなるフィルムを積層した密封性の高いシートを用いても良い。放熱部5を構成する部材は、フィルム或いはシート状のものを接着しても良いが、流動性の高い材料で構成すれば、図1(B)において、表示部3の各画素(R,G,Bの組)の間を放熱部5で埋めることができ、放熱性が高まることにより、音源部4の素子性能が向上する。
封止部6は、上記のように放熱部5と兼用することができるが、放熱部5と別の部材として、ガスバリア性の高い部材を用い、放熱部5を覆うように形成しても良い。なお、ガスバリア性の高い部材としては、有機膜・無機膜・金属膜等を複数積層した部材を用いることができる。
図3に、表示部と音源部が画素レベルで集積された画素構造(平面配置)の例を示す。画素駆動部2及び表示部3によって形成される画素の三原色(R,G,B)に加えて、音を発生させる音源素子(A)が集積されている。
図3(A)は、画素の各三原色(R,G,B)と音源素子(A)の領域をほぼ均等な大きさとして、4つを並列に並べた例である。
図3(B)は、画素の各三原色(R,G,B)を並列に配置し、音源素子(A)を画素の三原色(R,G,B)に隣接させて、且つ、音源素子(A)の長手方向が画素の長手方向と垂直になるように配置した例である。
図3(C)は、画素の各三原色(R,G,B)を並列に配置し、音源素子(A)を画素の三原色(R,G,B)の周囲に隣接させて配置した例である。
なお、図3においては、画素駆動部2が図示されていないが、走査線と信号線により画素が選択されて、映像信号及び音声信号が供給されるように、それぞれに必要な配線が接続されて、電気信号による駆動を行う。有機EL素子を表示部3として用いる場合などは、さらに必要な電源線などを加えてよい。配線層は薄膜基板1の表面側に形成しても裏面側に形成してもよく、また、必要に応じて薄膜基板1を貫通して接続する等、画素駆動部2及び音源部4の構成及び配置に基づいて、適宜設計できる。
図3においては、各画素の三原色(R,G,B)の一組に、音源素子(A)一つを対応させて配置しているが、音源素子(A)の配置はこれらに限られるものではなく、画素の三原色(R,G,B)の複数組に音源素子(A)一つを対応させて配置させたり、表示画面の複数個所に音源素子(A)を分散配置したり、様々な配置設計が可能であることは言うまでもない。
図4に、音源一体型表示装置の構造及び作製方法の一例を示す。このディスプレイの構造は、透明な基板を通して表示を見る「ボトムエミッション型」である。
まず、最初の工程(図4(A))として、透明な薄膜基板1を準備する。
次の工程(図4(B))として、薄膜基板1上に画素駆動部2を形成する。これらは主に従来の真空プロセスによる各種薄膜の成膜およびフォトリソグラフィーを用いた微細加工により形成される。また真空プロセスだけでなく、コーティング法などの塗布・印刷方法を用いて成膜や加工を行っても良い。この様にして、配線やTFTを微細にマトリクスアレイ状に形成していく。なお画素駆動部2に、TFTを用いないパッシブ型の表示素子の場合には、電極の配線だけを作製すれば良い。次に表示部3を形成する。この部分には従来の液晶素子だけではなく、薄膜で高効率な有機EL素子を用いても良い。
次の工程(図4(C))として、基板の裏側(反対側)に音源部4に必要な発熱電極や配線などを形成する。この場合も真空成膜プロセスや塗布・印刷プロセスが使用できる。
最後の工程(図4(D))として、音源部4の放熱層として、発熱電極とは反対側の面に放熱部5を形成する。その後、画素駆動部2や表示部3の封止層として、ガスバリア性のあるフィルムなどを貼り合わせるなどして封止部6を形成する。なお、音源部4に用いる放熱部5と封止部6は兼用しても良い。上記の作製方法によって、音源一体型表示装置が完成する。
なお、図4に示した製造工程は、基板の裏側(反対側)に音源部4を形成した後に、基板表面に放熱部5及び封止部6を形成したが、図4(C)の工程と図4(D)の工程を反対にして、表示部3を形成後に直ちに放熱部5及び封止部6を形成し、最後に基板の裏側(反対側)に音源部4に必要な発熱電極や配線などを形成することもできる。
図5に、音源一体型表示装置の構造及び作製方法の別の例を示す。このディスプレイの構造は、素子を形成した基板表面から発光する「トップエミッション型」である。
前述したように、図4の表示装置は、薄膜基板1を通して光を外部へ取り出すボトムエミッション型であるため、使用する薄膜基板1は透明である必要があり、音源部4も表示部とは逆の面に作り込む必要がある。これに対し、表示部3から薄膜基板1を通さずに光を取り出すトップエミッション型の場合は、薄膜基板1は透明である必要はない。また、表示部3と音源部4とを基板の同じ表面に形成することができる。そこで、図5のような構造及び製造方法も実現できる。
まず、最初の工程(図5(A))として、薄膜基板1を準備する。この薄膜基板1は透明である必要はなく、材料の選択肢が広くなる。
次の工程(図5(B))として、薄膜基板1上に画素駆動部2及び表示部3を形成する。この製造に際しては、図4で説明したとおり、各種の成膜方法や微細加工方法を用いることができる。
次の工程(図5(C))として、薄膜基板1の画素駆動部2及び表示部3を形成した面と同じ表面に、音源部4(発熱電極・薄膜電極)を形成する。なお、音源部4を駆動するための信号線等も形成する。
最後の工程(図5(D))として、画素駆動部2及び表示部3、音源部4を覆う封止部6を形成する。この時、発熱電極(表面電極41)上の封止部6を一部除去して開孔を形成し、音波を放出できるようにする。また、薄膜基板1の裏面側(表面電極41の反対側の面)に放熱部5を形成することによって、音源一体型表示装置が完成する。
なお、図5に示した製造工程は、薄膜基板1上に画素駆動部2及び表示部3を形成した後に、音源部4を形成したが、図5(B)の工程と図5(C)の工程を反対にして、薄膜基板1上に音源部4を形成した後に、画素駆動部2及び表示部3を形成することもできる。
図6に、音源一体型表示装置の信号駆動部の一例を示す。本発明の音源一体型表示装置は、画面内のあらゆる部分から音声を出すことができることから、映像と音声を画面上で空間的に同期させることが可能である。そこで図6の様に、従来の映像用の走査線及びその駆動回路7と、信号線及びその駆動回路8に加えて、音声用の信号線及び駆動回路9を用いることによって映像に同期した音声を出すことができる。すなわち、走査線の画素の選択に併せて音源部4も選択し、それに同期して必要な部分に駆動回路9からの信号線を通じて音声信号を音源部4に入力する。これを走査線ごとあるいは画像に併せて複数の走査線ごとに信号伝達を行い、映像に同期した音響出力を得ることができる。これにより、例えば、映像に表れた人物を表示する表示部3の近傍の音源部4から当該人物の声を出力する等、単なるステレオシステムを超えた、臨場感の高い映像と音声を提供できる。
以上、本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。
1:基板(薄膜基板)
2:画素駆動部
3:表示部
4:音源部
40:発音体
41:表面電極
42:断熱層
43:薄膜放熱部
44:電極
5:放熱部
6:封止部
7:走査線駆動回路
8:表示部データ(映像信号)線駆動回路
9:音源部データ(音声信号)線駆動回路

Claims (8)

  1. 映像表示素子と熱音響効果に基づく発音体とが基板上に一体形成された音源一体型表示装置において、前記基板が前記発音体の断熱層として機能することを特徴とする音源一体型表示装置。
  2. 前記発音体が、断熱層として機能する前記基板と、前記基板の一方の面上に形成された放熱層と、前記基板の他方の面上に形成された駆動信号により発熱する薄膜電極、とからなる請求項1に記載の音源一体型表示装置。
  3. 前記発音体の前記放熱層が前記映像表示素子の封止層として機能することを特徴とする請求項2に記載の音源一体型表示装置。
  4. 前記基板が、柔軟性を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の音源一体型表示装置。
  5. 前記基板が、高分子フィルムであることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の音源一体型表示装置。
  6. 前記映像表示素子の各画素に前記発音体が形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の音源一体型表示装置。
  7. 映像表示素子と熱音響効果に基づく発音体とが基板上に一体形成された音源一体型表示装置の作製方法において、前記発音体の駆動信号により発熱する薄膜電極を、前記発音体の断熱層として機能する前記基板上に直接形成する工程を含むことを特徴とする音源一体型表示装置の作製方法。
  8. 前記基板が、高分子フィルムであることを特徴とする請求項7に記載の音源一体型表示装置の作製方法。
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