JP2014187441A - 恒温槽付水晶発振器 - Google Patents

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Hiroyuki Mitome
博之 見留
Manabu Ito
学 伊藤
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Abstract

【課題】本発明は、水晶振動子を効率よく加熱できる恒温槽付水晶発振器を提供する。
【解決手段】恒温槽付水晶発振器は、水晶振動子(120)と、水晶振動子を発振させる発振回路と、加熱素子(153、154)及びサーミスタ(152)を有し水晶振動子を所定の温度に制御する温度制御回路と、サーミスタ、加熱素子、及び発振回路を配置するプリント基板(110)と、プリント基板に配置されプリント基板からの熱を放熱する放熱シート(150)と、放熱シートと水晶振動子との間に配置され熱分散板(151)と、を備え、放熱シートのサーミスタに対応する箇所に第1貫通孔(150a)及び加熱素子に対応する箇所に第2貫通孔(150b)が形成され、熱分散板の第1貫通孔に対応する箇所に第3貫通孔(151a)及び第2貫通孔に対応する箇所は貫通しない溝部(151b)が形成される。
【選択図】図2

Description

本発明は水晶振動子を用いた温度制御型の水晶発振器(以下、恒温槽付水晶発振器という。)に関する。特にプリント基板と水晶発振子とに配置された熱分散板の形状に関する。
恒温槽付水晶発振器は、特に水晶振動子の動作温度を一定に維持して、周波数温度特性に依存した周波数変化を引き起こすことなく、高安定の発振周波数を得ている。例えば、SCカットの水晶振動子を使用する場合には80〜90℃の温度に、ITカットの水晶振動子を使用する場合には95〜105℃の温度に維持している。
特許文献1は、恒温槽付水晶発振器の周囲温度が変化に応じて、温度制御が容易に且つ消費電力が少なくなる技術を開示する。具体的には、特許文献1は、抵抗発熱体に電流を流しそのジュール熱を利用する加熱抵抗及び電力増幅に使用されるパワートランジスタをほぼ同じ位置にプリント基板に実装する技術を開示する。加熱抵抗及びパワートランジスタは、垂直方向(プリント基板の表面の法線方向)及び水平方向(プリント基板の表面方向)に熱を発散する。そして、それらの熱が放熱シート及び金属板である熱分散板を介して水晶振動子に伝達される。
特開2011−077963号公報
しかし、加熱抵抗及びパワートランジスタが配置された位置において、放熱シート及び金属板は、垂直方向は孔が空いている。このため、加熱抵抗及びパワートランジスタの垂直方向に発散された熱は、カバー及び金属ベースで囲まれた空間に逃げてしまう。これでは、加熱抵抗及びパワートランジスタから発散された熱が十分に使い切れておらず、効率が悪い。
そこで、本発明は、水晶振動子の周囲温度を精度に効率よく加熱できる恒温槽付水晶発振器の提供を目的とする。
第1観点の恒温槽付水晶発振器は、所定の底面外周を有し所定周波数で振動する水晶振動子と、水晶振動子を所定周波数で発振させる発振回路と、温度を加熱する加熱素子及び温度を測定するサーミスタを有し水晶振動子を所定の温度に制御する温度制御回路と、サーミスタ、加熱素子、及び発振回路を配置するプリント基板と、プリント基板に配置されプリント基板からの熱を放熱する放熱シートと、放熱シートと水晶振動子との間に配置され所定外周よりも大きな外周を有するとともに加熱素子及び放熱シートからの熱を分散させる熱分散板と、を備え、放熱シートがサーミスタに対応する箇所に第1貫通孔が形成されるとともに加熱素子に対応する箇所に第2貫通孔が形成され、熱分散板が第1貫通孔に対応する箇所に第3貫通孔が形成されるとともに第2貫通孔に対応する箇所は貫通しない溝部が形成される。
第2観点の恒温槽付水晶発振器は、第1観
点において、発振回路が、水晶振動子が所定周波数以外で発振する不要モードを抑制するインダクタを有する。
第3観点の恒温槽付水晶発振器は、第1観点及び第2観点において、水晶振動子が、その外周が金属カバーで覆われており、プリント基板と金属カバーの底面との間に、第3貫通孔が形成される。
第4観点の恒温槽付水晶発振器は、第1観点から第3観点において、加熱素子が、1つのパワートランジスタと1つの加熱抵抗とを含む。
第5観点の恒温槽付水晶発振器は、第1観点から第4観点において、熱分散板及び水晶振動子の金属カバーが、プリント基板の法線方向から見て円形であり、熱分散板及び金属カバーの中心は一致しており、熱分散板及び金属カバーの中心に対応するプリント基板にサーミスタが配置され、サーミスタから一定距離に加熱素子が配置される。
第6観点の恒温槽付水晶発振器は、第1観点から第4観点において、熱分散板が、プリント基板の法線方向から見て四角形であり、水晶振動子の金属カバーが、プリント基板の法線方向から見て円形であり、熱分散板及び金属カバーの中心は一致しており、熱分散板及び金属カバーの中心に対応するプリント基板にサーミスタが配置され、サーミスタから一定距離に加熱素子が配置される。
本発明によれば、水晶振動子を効率よく加熱できる恒温槽付水晶発振器を提供することができる。
中が透過して示された恒温槽付水晶発振器100の概略斜視図である。 プリント基板110及び水晶振動子120の分解斜視図である。 (a)は、放熱シート150が載置されたプリント基板110の平面図である。 (b)は、熱分散板151が載置されたプリント基板110の平面図である。 (a)は、熱分散板151に水晶振動子120が載置されたプリント基板110の概略断面図である。 (b)は、図4(a)の点線183の拡大図である。 (a)は、放熱シート250が載置されたプリント基板110の平面図である。 (b)は、熱分散板251が載置されたプリント基板110の平面図である。 (c)は、熱分散板251に水晶振動子120が載置されたプリント基板110の概略断面図である。 (a)は、放熱シート350が載置されたプリント基板110の平面図である。 (b)は、熱分散板351が載置されたプリント基板110の平面図である。 (c)は、熱分散板351に水晶振動子120が載置されたプリント基板110の概略断面図である。 (a)は、放熱シート450が載置されたプリント基板110の平面図である。 (b)は、熱分散板451が載置されたプリント基板110の平面図である。 (c)は、熱分散板451に水晶振動子120が載置されたプリント基板110の概略断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明の範囲は以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
(第1実施形態)
<恒温槽付水晶発振器100の構成>
図1は、中が透過して示された恒温槽付水晶発振器100の概略斜視図である。恒温槽付水晶発振器100は主に、プリント基板110、水晶振動子120、ベース板130、及びカバー140により形成されている。以下の説明では、ベース板130の長辺が伸びる方向をX軸方向、短辺が伸びる方向をZ軸方向とし、X軸方向及びZ軸方向に垂直な方向、すなわちベース板130の主面に垂直な方向をY軸方向として説明する。
プリント基板110の−Y軸側の面には、水晶振動子120が配置されている。また、カバー140の内側にはキャビティ141が形成されており、プリント基板110がキャビティ141に載置されている。キャビティ141は、ベース板130がカバー140の−Y軸側の面に配置されることにより塞がれている。プリント基板110には例えば6本のリード端子111が備えられており、各リード端子111がベース板130を貫通してベース板130の−Y軸側の面にまで伸びることによりベース板130にプリント基板110が固定される。各リード端子111はまた、プリント基板110とベース板130の−Y軸側の面とを電気的に接続している。プリント基板110には、水晶振動子120の他にも水晶振動子120を所定周波数で発振させる発振回路(不図示)等が形成されている。
図2は、プリント基板110及び水晶振動子120の分解斜視図である。水晶振動子120は、外形が金属カバーにより形成され、その中に例えばSCカットの水晶振動片(不図示)が載置されることにより形成される。SCカットの水晶振動片は振動周波数に対する温度安定度が高い。そのため、SCカットの水晶振動片は、例えば恒温槽等の水晶発振器の温度を一定に保つための温度制御機能を有する恒温槽付水晶発振器(Oven Controlled Crystal(X’tal) Oscillator)等と共に用いられることで、更に振動周波数が安定させられる場合が多い。恒温槽付水晶発振器100は、プリント基板110に加熱素子、サーミスタ、及び温度制御回路が取り付けられており、恒温槽付水晶発振器としての機能を有している。
水晶振動子120は、プリント基板110の−Y軸側の面に配置される放熱シート150、及び放熱シート150の−Y軸側の面に配置される熱分散板151を介してプリント基板110に載置される。放熱シート150は、正方形に形成されたシートの中心に第1貫通孔150a、及び正方形の各辺の中心に接する第2貫通孔150bが開けられている。熱分散板151は、正方形に形成された導熱板であり、中心に第1貫通孔150aにY軸方向に重なるように第3貫通孔151aが形成されている。また、熱分散板151の+Y軸側の面の各辺には、放熱シート150の第2貫通孔150bにY軸方向に重なるように−Y軸側に凹んだ溝部151bが形成されている。熱分散板151の−Y軸側の面には、水晶振動子120が載置される。図2では、熱分散板151上の水晶振動子120が載置される位置が、水晶振動子120の底面(+Y軸側の面)の外周に相当する点線181で示されている。水晶振動子120の底面の外周が熱分散板151の+Y軸側の面内に入っていることから、熱分散板151の外周は水晶振動子120の底面の外周よりも大きいことになる。
第1貫通孔150aにはサーミスタ152が配置される。また、各第2貫通孔150bには、水晶振動子120を加熱するための加熱素子として、一対に形成された加熱抵抗153及びパワートランジスタ154がそれぞれ配置されている。サーミスタ152、加熱抵抗153、及びパワートランジスタ154は、プリント基板110に配置される温度制御回路(不図示)に接続されている。水晶振動子120の温度が変化してサーミスタ152がこれを検出した場合には、温度制御回路によって加熱抵抗153及びパワートランジスタ154の発熱量が調整されることにより水晶振動子120の温度が一定に保たれる。
加熱抵抗153及びパワートランジスタ154は、ともに水晶振動子120を加熱するための素子であるが、周囲の温度が変化したときの消費電力の特性が異なる。加熱抵抗153は、所定の温度を維持するために必要な消費電力が周囲の温度が低下するに従って上昇する。これに対して、パワートランジスタ154は、周囲の温度が約25度のときに消費電力及び発熱量が最大となる。このように電力の特性が異なる2種類の加熱をするための素子を用い、互いの素子の特徴を生かした温度制御をすることで効率的及び高精度な温度制御が可能となる。しかし、このような消費電力の特性が異なる2種類の加熱をするための素子を用いた場合には、プリント基板の全体的な温度分布が不均一になり複雑な温度分布が形成される可能性がある。恒温槽付水晶発振器100では、各第2貫通孔150bにそれぞれ一つの加熱抵抗153及びパワートランジスタ154が配置されることにより、一つの第2貫通孔150bを一つの加熱をするための素子とみなすことができる。また、各第2貫通孔150bがサーミスタ152及び水晶振動子120に対して回転対称に配置されている。これらのことにより、サーミスタ152及び水晶振動子120の温度分布が均一になりやすく、ひいてはプリント基板110の温度分布も均一に制御しやすい。
また、プリント基板110上には発振回路(不図示)の一部を形成するインダクタ155が配置される。インダクタ155はプリント基板110上のどの位置に配置されていても良いが、恒温槽付水晶発振器100では、プリント基板110の−Y’軸側の面の放熱シート150の−X軸側に配置されている。SCカットの水晶振動片にはCモードと呼ばれる主振動の10%程度高い領域にBモードと呼ばれる副振動モードが存在するが、このBモードはCモードの安定な発振を阻害する不要モードであるため抑圧されることが望ましい。インダクタ155は、このようなBモードを抑圧している。
図3(a)は、放熱シート150が載置されたプリント基板110の平面図である。図3(a)では、放熱シート150の第1貫通孔150aにサーミスタ152が配置され、第2貫通孔151bに加熱抵抗153及びパワートランジスタ154が配置されている状態が示されている。また、図3(a)では、水晶振動子120の底面の外周と放熱シート150とがY軸方向に重なる位置を示すために、水晶振動子120の底面の外周が点線182で示されている。図3(a)に示されるように、恒温槽付水晶発振器100では、点線182の円内に形成される全ての加熱抵抗153及びパワートランジスタ154が配置されている。放熱シート150は、加温素子によって加熱されたプリント基板110の熱を熱分散板151に放熱している。熱分散板151はその熱を水晶振動子120に伝えることにより、水晶振動子120が加温される。
図3(b)は、熱分散板151が載置されたプリント基板110の平面図である。熱分散板151は、放熱シート150の+Y軸側の面に重なるように配置される。熱分散板151は、中心に第3貫通孔151aが形成されており、各辺の中央に各辺に沿って溝部151bが形成されている。図3(b)では、熱分散板151の+Y軸側の面に形成される溝部151bの位置が破線で示されている。恒温槽付水晶発振器100では、放熱シート150と熱分散板151との外形及び大きさが等しく、第1貫通孔150aと第3貫通孔151aとがY軸方向に重なり、第2貫通孔150bと溝部151bとがY軸方向に重なる。
図4(a)は、熱分散板151に水晶振動子120が載置されたプリント基板110の概略断面図である。図4(a)は、図3(a)及び図3(b)のA−A断面を含んだ断面図である。図4(a)では、プリント基板110に形成されるリード端子111、温度制御回路、及び発振回路などの記載が省かれている。プリント基板110の−Y軸側の面には放熱シート150が形成され、放熱シート150の−Y軸側に熱分散板151が形成され、熱分散板151の−Y軸側に水晶振動子120が載置されている。プリント基板110と水晶振動子120との間には、水晶振動子120とプリント基板110とに挟まれ、第1貫通孔150aと第3貫通孔151aとが重なり合うことにより第1空間156aが形成される。また、第2貫通孔150bと溝部151bとが重なり合うことにより第2空間156bが形成される。第1空間156aにはサーミスタ152が配置され、第2空間156bには加熱抵抗153及びパワートランジスタ154が配置される。
第1空間156aは、水晶振動子120の+Y軸側の面に接するように形成されている。そのため、第1空間156aに配置されているサーミスタ152は、水晶振動子120の温度を正確に測定することができる。また、第2空間156bは、+Y軸側でプリント基板110に接し、−Y軸側で熱分散板151に接している。
図4(b)は、図4(a)の点線183の拡大図である。従来の恒温槽付水晶発振器では、加熱抵抗153及びパワートランジスタ154と水晶振動子120との間の空間(主に点線184の範囲)は空気で満たされていた。空気の熱伝導率は約0.02W/m・kと低く、この場合、加熱抵抗153及びパワートランジスタ154から発せられる熱が水晶振動子120に伝わり難かった。また、第2空間156bに伝熱性シリコーン又は伝熱性エポキシ接着剤等を塗布して空間を埋めることも考えられるが、これらの熱伝導率はせいぜい2W/m・kであり、これでも不十分であった。さらに、熱分散板151を薄く形成し、加熱抵抗153及びパワートランジスタ154と水晶振動片120との間の距離を短くすることも考えられるが、プリント基板110と水晶振動子120との間にはサーミスタ152等の他の素子があり、これらの素子との高さを調整する必要があること、及び熱分散板151は水晶振動子120をプリント基板110に固定する役割を担っているため熱分散板151がある程度の強度を持つことが必要であること、などの理由により、熱分散板151を薄く形成することが困難であった。
恒温槽付水晶発振器100では、図4(b)に示されるように、加熱抵抗153及びパワートランジスタ154と水晶振動子120との間の空間(主に点線184の範囲)に熱分散板151が形成される。熱分散板151は、例えば、アルミニウムにより形成されることができる。アルミニウムの熱伝導率は約200W/m・kであり、空気の熱伝導率よりも約1万倍高い。そのため、従来の恒温槽付水晶発振器よりも、加熱抵抗153及びパワートランジスタ154から発せられる熱を効率的に水晶振動子120に伝えることができる。
また、熱分散板151は熱伝導率が良いため、加熱抵抗153及びパワートランジスタ154から発せられた熱は、熱分散板151のXZ平面内に伝達されやすい。そのため、熱分散板151の水晶振動子120に接する−Y軸側の面の温度分布が均一になり易く、水晶振動子120の+Y軸側の面を均等に加熱することができる。これにより、水晶振動子120が局所的に加温されることが防がれるため、水晶振動子120の温度制御が容易になっている。
また、恒温槽付水晶発振器100では、図3(a)に示されるように、全ての加熱抵抗153及びパワートランジスタ154は、水晶振動子120とY軸方向に重なるように配置されている。これにより、加熱抵抗153及びパワートランジスタ154の熱が水晶振動子120へ伝わり易くなっている。
(第2実施形態)
恒温槽付水晶発振器では、第2空間が様々な位置及び形状に形成されることができる。以下に、恒温槽付水晶発振器に放熱シート250及び熱分散板251が用いられた場合、放熱シート350及び熱分散板351が用いられた場合、放熱シート350及び熱分散板351が用いられた場合、についてそれぞれ説明する。また、以下の説明では、第1実施形態で説明した部分と同じ部分に関しては同じ番号を付してその説明を省略する。
<放熱シート250及び熱分散板251が用いられた場合>
図5(a)は、放熱シート250が載置されたプリント基板110の平面図である。放熱シート250では、正方形のシートの中心に第1貫通孔150aが開けられ、シートの四隅の角に第2貫通孔250bが開けられている。第1貫通孔150aにはサーミスタ152が配置される。また、各第2貫通孔250bには一対に形成された加熱抵抗153及びパワートランジスタ154がそれぞれ配置されている。図5(a)では、水晶振動子120がプリント基板110に載置された場合に放熱シート250とY軸方向に重なる位置が点線182で示されている。点線182の円内にはプリント基板110上に全ての加熱抵抗153及びパワートランジスタ154が配置されている。
図5(b)は、熱分散板251が載置されたプリント基板110の平面図である。放熱シート250の+Y軸側の面には、正方形の熱分散板251が重なるように配置される。熱分散板251は、中心に第3貫通孔151aが形成されている。また熱分散板251の+Y軸側の面には、放熱シート250の第2貫通孔250bにY軸方向に重なるように、四隅の角に−Y軸側に凹んだ溝部251bが形成されている。
図5(c)は、熱分散板251に水晶振動子120が載置されたプリント基板110の概略断面図である。図5(c)は、図5(a)及び図5(b)のB−B断面を含んだ断面図である。プリント基板110の−Y軸側の面には放熱シート250が形成され、放熱シート250の−Y軸側に熱分散板251が形成され、熱分散板251の−Y軸側に水晶振動子120が載置されている。プリント基板110と水晶振動子120との間には、第1貫通孔150aと第3貫通孔151aとが重なり合うことにより第1空間156a(不図示)が形成される。また、第2貫通孔250bと溝部251bとが重なり合うことにより第2空間256bが形成される。第1空間156aにはサーミスタ152が配置され、第2空間256bには加熱抵抗153及びパワートランジスタ154が配置される。
図5(c)に示されるように、加熱抵抗153及びパワートランジスタ154と水晶振動子120との間に熱分散板251が形成されるため、恒温槽付水晶発振器100と同じように加熱抵抗153及びパワートランジスタ154から発生する熱を水晶振動子120に効率的に伝えることができる。
<放熱シート350及び熱分散板351が用いられた場合>
図6(a)は、放熱シート350が載置されたプリント基板110の平面図である。放熱シート350では、正方形のシートの中心に第1貫通孔150aが開けられ、正方形のシートの各辺から内側に入った位置に長方形の第2貫通孔350bが開けられている。第1貫通孔150aにはサーミスタ152が配置され、各第2貫通孔350bには一対に形成された加熱抵抗153及びパワートランジスタ154がそれぞれ配置されている。図6(a)では、水晶振動子120がプリント基板110に載置された場合に放熱シート350とY軸方向に重なる位置が点線182で示されている。全ての加熱抵抗153及びパワートランジスタ154は、点線182の円内に配置されている。
図6(b)は、熱分散板351が載置されたプリント基板110の平面図である。放熱シート350の+Y軸側の面には、正方形の熱分散板351が重なるように配置される。熱分散板351は、中心に第3貫通孔151aが形成されている。また熱分散板351の+Y軸側の面には、放熱シート350の各第2貫通孔350bにY軸方向に重なるように、−Y軸側に凹んだ溝部351bが形成されている。
図6(c)は、熱分散板351に水晶振動子120が載置されたプリント基板110の概略断面図である。図6(c)は、図6(a)及び図6(b)のC−C断面を含んだ断面図である。プリント基板110の−Y軸側の面には放熱シート350が形成され、放熱シート350の−Y軸側に熱分散板351が形成され、熱分散板351の−Y軸側に水晶振動子120が載置されている。プリント基板110と水晶振動子120との間には、第1貫通孔150aと第3貫通孔151aとが重なり合うことにより第1空間156aが形成される。また、第2貫通孔350bと溝部351bとが重なり合うことにより第2空間356bが形成される。第1空間156aにはサーミスタ152が配置され、第2空間356bには加熱抵抗153及びパワートランジスタ154が配置される。
第2空間356bは、プリント基板110、放熱シート350、及び熱分散板351で囲まれている。そのため、加熱抵抗153及びパワートランジスタ154から発生する熱をキャビティ141(図1参照)に逃すことがなく、効率的に水晶振動子120を加温することができる。また、恒温槽付水晶発振器100と同じように、加熱抵抗153及びパワートランジスタ154と水晶振動子120との間に熱分散板351が形成されることによっても、水晶振動子120に加熱抵抗153及びパワートランジスタ154の熱を効率的に伝えることができる。
<放熱シート450及び熱分散板451が用いられた場合>
図7(a)は、放熱シート450が載置されたプリント基板110の平面図である。放熱シート450では、円形のシートの中心に第1貫通孔150aが開けられ、第1貫通孔150aを囲むようにリング状の第2貫通孔450bが開けられている。第1貫通孔150aにはサーミスタ152が配置される。また、各第2貫通孔450bには、4つの加熱抵抗153及び4つのパワートランジスタ154が第1貫通孔150aの周りを囲うように交互に配置されている。水晶振動子120はプリント基板110に載置された場合に放熱シート450の外形とY軸方向に重なるように配置される。
図7(b)は、熱分散板451が載置されたプリント基板110の平面図である。放熱シート450の+Y軸側の面には、円形の熱分散板451が重なるように配置される。熱分散板451は、中心に第3貫通孔151aが形成されている。また熱分散板451の+Y軸側の面には、放熱シート450の第2貫通孔450bにY軸方向に重なるように、リング状の−Y軸側に凹んだ溝部451bが形成されている。
図7(c)は、熱分散板451に水晶振動子120が載置されたプリント基板110の概略断面図である。図7(c)は、図7(a)及び図7(b)のD−D断面を含んだ断面図である。プリント基板110の−Y軸側の面には放熱シート450が形成され、放熱シート450の−Y軸側に熱分散板451が形成され、熱分散板451の−Y軸側に水晶振動子120が載置される。また、放熱シート450、熱分散板451、及び水晶振動子120の中心が一致するように配置されている。プリント基板110と水晶振動子120との間には、第1貫通孔150aと第3貫通孔151aとが重なり合うことにより第1空間156aが形成される。また、第2貫通孔450bと溝部451bとが重なり合うことにより第2空間456bが形成される。第1空間156aにはサーミスタ152が配置され、第2空間456bには加熱抵抗153及びパワートランジスタ154が配置される。
第2空間456bは、プリント基板110、放熱シート450、及び熱分散板451で囲まれている。そのため、加熱抵抗153及びパワートランジスタ154から発生する熱をキャビティ141(図1参照)に逃すことがなく、効率的に水晶振動子120を加温することができる。また、恒温槽付水晶発振器100と同じように、加熱抵抗153及びパワートランジスタ154と水晶振動子120との間に熱分散板451が形成されることによっても、水晶振動子120に加熱抵抗153及びパワートランジスタ154の熱を効率的に伝えることができる。さらに、加熱抵抗153及びパワートランジスタ154が第1空間156aに対してそれぞれ回転対称に配置されることにより、水晶振動子120を均一に加温することができる。
以上、本発明の最適な実施形態について詳細に説明したが、当業者に明らかなように、本発明はその技術的範囲内において実施形態に様々な変更・変形を加えて実施することができる。
例えば、水晶振動子120には、SCカットの水晶振動片と同様に振動周波数の安定度が高いITカットの水晶振動片が用いられても良い。
また、上記の実施形態では、第1空間156aにはサーミスタ152のみが配置されていても良く、加熱抵抗153又はパワートランジスタ154のどちらか一方のみがプリント基板110に配置されていても良い。さらに、全ての加温素子の全ての部分が水晶振動子120とY軸方向に重なっていなくても良い。
100 … 恒温槽付水晶発振器
110 … プリント基板
111 … リード端子
120 … 水晶振動子
130 … ベース板
140 … カバー
141 … キャビティ
150、250、350、450 … 放熱シート
150a … 第1貫通孔
150b、250b、350b、450b … 第2貫通孔
151、251、351、451 … 熱分散板
151a … 第3貫通孔
151b、251b、351b、451b … 溝部
152 … サーミスタ
153 … 加熱抵抗
154 … パワートランジスタ
155 … インダクタ
156a … 第1空間
156b、256b、356b、456b … 第2空間

Claims (6)

  1. 所定の底面外周を有し、所定周波数で振動する水晶振動子と、
    前記水晶振動子を所定周波数で発振させる発振回路と、
    温度を加熱する加熱素子及び温度を測定するサーミスタを有し、前記水晶振動子を所定の温度に制御する温度制御回路と、
    前記サーミスタ、前記加熱素子、及び前記発振回路を配置するプリント基板と、
    前記プリント基板に配置され前記プリント基板からの熱を放熱する放熱シートと、
    前記放熱シートと前記水晶振動子との間に配置され、前記所定外周よりも大きな外周を有するとともに、前記加熱素子及び前記放熱シートからの熱を分散させる熱分散板と、
    を備え、
    前記放熱シートは、前記サーミスタに対応する箇所に第1貫通孔が形成されるとともに、前記加熱素子に対応する箇所に第2貫通孔が形成され、
    前記熱分散板は、前記第1貫通孔に対応する箇所に第3貫通孔が形成されるとともに前記第2貫通孔に対応する箇所は貫通しない溝部が形成される恒温槽付水晶発振器。
  2. 前記発振回路は、前記水晶振動子が前記所定周波数以外で発振する不要モードを抑制するインダクタを有する請求項1に記載の恒温槽付水晶発振器。
  3. 前記水晶振動子は、その外周が金属カバーで覆われており、
    前記プリント基板と前記金属カバーの底面との間に、前記第3貫通孔が形成される請求項1又は請求項2に記載の恒温槽付水晶発振器。
  4. 前記加熱素子は、1つのパワートランジスタと1つの加熱抵抗とを含む請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の恒温槽付水晶発振器。
  5. 前記熱分散板及び前記水晶振動子の前記金属カバーは、前記プリント基板の法線方向から見て円形であり、前記熱分散板及び前記金属カバーの中心は一致しており、前記熱分散板及び前記金属カバーの中心に対応する前記プリント基板に前記サーミスタが配置され、前記サーミスタから一定距離に前記加熱素子が配置される請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の恒温槽付水晶発振器。
  6. 前記熱分散板は、前記プリント基板の法線方向から見て四角形であり、前記水晶振動子の前記金属カバーは、前記プリント基板の法線方向から見て円形であり、前記熱分散板及び前記金属カバーの中心は一致しており、前記熱分散板及び前記金属カバーの中心に対応する前記プリント基板に前記サーミスタが配置され、前記サーミスタから一定距離に前記加熱素子が配置される請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の恒温槽付水晶発振器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017538299A (ja) * 2014-10-22 2017-12-21 応達利電子股▲ふん▼有限公司Interquip Electronics (Shenzhen) Co., Ltd 圧電石英結晶共振器及びその作製方法
JP2018006808A (ja) * 2016-06-27 2018-01-11 セイコーエプソン株式会社 発振器、電子機器および移動体
JP2018196105A (ja) * 2017-05-18 2018-12-06 セイコーエプソン株式会社 発振器、および電子機器

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