JP2014186291A - 現像剤担持体及び現像装置及びプロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

現像剤担持体及び現像装置及びプロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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寿男 小池
Tomoya Omura
知也 大村
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山田  正明
Hiroaki Okamoto
啓明 岡本
Yoshio Hattori
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Yoshiyuki Fukuda
善行 福田
Sho Akiyama
翔 穐山
Toshio Kojima
敏男 小島
Kyota Hizuka
恭太 肥塚
Masayuki Osawa
正幸 大澤
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紀行 神谷
Yasunobu Shimizu
保伸 清水
Yuki Moro
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Abstract

【課題】本発明は、直前画像のトナー消費履歴の影響を受けることなく、安定したトナー量で現像し、色再現性に優れた均一な画像を長期にわたり得る。
【解決手段】本発明に係る現像剤担持体50は、像担持体1に形成されている静電潜像に対してトナーとキャリアを含む二成分現像剤Gを供給するとともに、回転可能な筒状の現像剤支持手段51と、現像剤支持手段に内包され、固定された磁界発生手段55を有し、現像剤支持手段51は、その表面51aにサンドブラスト処理が施され、当該表面の平均表面粗さRaを4.0μm以上8.0μm以下とした。
【選択図】図3

Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の電子写真方式を用いた画像形成装置と、それに設置される現像装置とこれに用いる現像剤担持体及びプロセスカートリッジに関する。
電子写真方式の画像形成装置では、像担持体上に静電潜像を形成し、この静電潜像に対して、帯電したトナーを付着させて現像することでトナー像を形成した後、該トナー像を紙等の記録媒体に転写して定着することで出力画像を得ている。このような画像形成装置で使用される現像方式には、一成分現像方式、二成分現像方式、ハイブリッド現像方式などがあるが、色再現性に優れ、均一で鮮明なフルカラー画像を得るためには、像担持体上のトナー量を静電潜像に忠実に保つ必要がある。
トナーを用いる現像方式の場合、像担持体上のトナー量が変動すると記録媒体上で画像濃度が変わったり、画像の色調が変動してしまう。像担持体上のトナー量が変動する原因としては、トナー帯電量の変動などの要因もあるが、例えば、特許文献1に記載されたハイブリッド現像においては、前画像履歴を次画像が引き継ぐ現象(ゴースト現象)が報告されている。特許文献1に示すゴースト現象は、ハイブリッド現像方式固有の課題であり、像担持体上のトナー量が、直前画像のトナー消費パターンに応じて変化するために、次画像の画像濃度が変動する現象である。これは、ハイブリッド現像方式では、常に一定量のトナーが像担持体へ供給されるため、像担持体上のトナー量がトナー供給を受ける回数によって変動してしまうことに起因する。
即ち、前画像がトナー消費の少ない画像を印刷時には、像担持体上の残トナー量は多く、トナー供給後には像担持体上のトナー量は更に多くなってしまい画像濃度は濃くなる。一方、トナー消費の多い画像を印刷後には、像担持体上の残トナー量が少なく、トナー供給後には像担持体上のトナー量が少なくなり画像濃度が薄くなる。
以上のように、ハイブリッド現像におけるゴースト現像は、二成分現像剤から像担持体上にトナーを転移させるときに、トナーが現像され像担持体上からトナーが無くなった部分と、トナーが現像されず像担持体上のトナーがそのまま残る部分のトナー量を均一になるように再塗布することが困難で、直前画像の履歴に応じて次画像印刷時の像担持体上のトナー量が変動してしまうことに起因している。
これらを解決するために、例えば、特許文献1〜3では、像担持体上の残トナーを現像後かつトナー再供給前にスクレーパーやトナー回収ロールにより掻きとることが提案されている。また、特許文献4には、コピーとコピーの間や紙間を利用して、像担持体上の残トナーを電位差により磁気ロールに回収し、像担持体上のトナー量を安定させる方法が提案されている。特許文献5には、磁気ブラシを用いた履歴現象の対応策として、磁気ロールの磁束密度の半値幅領域を広く設定することにより、現像ロール上のトナーの回収と供給を図る提案がなされている。特許文献6には、二成分現像剤用のキャリアとして非球形状のキャリアを使用することで、磁気ブラシ先端のキャリアまで電荷注入し、現像剤担持体と像担持体との実質的な間隔を狭めることで、像担持体への一回でのトナー供給量を増やし、像担持体上のトナー飽和量までトナーを供給することで、直前画像の履歴の影響を受けずに、像担持体上のトナー量を一定に保つ方法が提案されている。
特許文献7には、二成分現像方式におけるゴースト現象について記載されているが、二成分現像方式でゴースト現象が発生する理由について、発明者等は、二成分現像方式における現像剤離れ不良が原因であると推察している。
一般に二成分現像方式においては、回転可能な筒状の現像剤支持手段となる現像スリーブと、現像スリーブに内包され、固定された磁界発生手段としてのマグローラを有する現像剤担持体を用いて、像担持体にトナーを供給することで静電潜像を現像している。すなわち、トナーとキャリアを備えた二成分現像剤の現像スリーブからの剥離は、現像スリーブ内にマグローラにマグネットを奇数個配置し、現像スリーブの回転軸よりも下側の位置に同極のマグネット対を設けて磁力が殆どゼロとなる剥離領域を作り、その領域で重力を用いて現像後の現像剤を自然落下させることにより剥離を行っている。
しかし、直前画像でのトナー消費量時にキャリアにカウンターチャージが発生することで、キャリア/現像剤担持体間に鏡像力が発生し、剤離れ極において正常に剤離れされず、トナー消費によりトナー濃度の低下した現像剤が再度現像領域に搬送されることで、現像能力が低下し画像濃度が薄くなる現象である。即ち現像剤支持手段となる現像スリーブの一周分は正常濃度であるのに対し、二周目以降は濃度が薄くなる問題である。
これらを解決するために、特許文献7には、内部にマグネットを有した汲上ロールを現像スリーブ上の剥離領域付近に配置し、その磁力をもって現像後の現像剤の剥離を行う構成が記載されている。剥離された現像剤は、さらにもう1本の汲上ロールによって汲み上げられた後、スクリュを有した現像剤攪拌室に搬送され、トナー濃度の再調整とトナーの帯電が行われる構成となっている。
一方、現像スリーブの表面をサンドブラス加工による処理で粗す方法が、各種目的で使われている。特許文献8では、一成分現像方式で用いる現像剤担持体としての現像ローラの表面コートを剥がれにくくするために、表面にサンドブラスト処理を行っている。特許文献9では、安定した現像剤規制と、現像スリーブの表面へのトナー樹脂の不規則な融着を防ぐために均一なサンドブラスト処理を行っている。
本発明が課題とする二成分現像剤を供えた現像装置におけるゴースト現象は、上記のいずれのゴースト現象とは発生メカニズムが異なる。この発生メカニズムについて、本発明者らは、以下のように推察している。
直前の画像履歴に応じ現像スリーブ上へトナーが付着し、現像スリーブ上に付着したトナーが持つ電荷による電位に応じ、次画像のトナー現像量が変動する。つまり、直前の画像履歴によって次画像のトナー現像量が変動する。
ベタ画像を現像する際、現像領域では像担持体側(感光体側)にトナーが移動する現像バイアスが印加されるため、現像スリーブ上に付着したトナーのうち正規の電荷を持っているトナーは現像時に現像剤中に再付着されるため、現像スリーブはトナーで汚れていない状態になる。
この状態で引き続きベタ画像が現像されると、現像スリーブが一周して現像されるときに、トナー汚れ分の現像バイアスのかさ上げがなく、トナー現像量が通常どおりになる(非画像部より現像量が低下する)。白ベタ後の黒ベタ、用紙間直後のベタでは上記の過程が発生するために、ベタの進行方向先端が現像スリーブ一周に相当する距離だけ画像濃度が濃くなる。
本発明は、直前画像のトナー消費履歴の影響を受けることなく、安定したトナー量で現像し、色再現性に優れた均一な画像を長期にわたり得ることを、その目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る現像剤担持体は、像担持体に形成されている静電潜像に対してトナーとキャリアを含む二成分現像剤を供給するとともに、回転可能な筒状の現像剤支持手段と、現像剤支持手段に内包され、固定された磁界発生手段を有し、現像剤支持手段は、その表面にサンドブラスト処理が施され、その平均表面粗さRaが4.0μm以上8.0μm以下であることを特徴としている。
本発明によれば、固定された磁界発生手段に対して回転可能な筒状の現像剤支持手段の表面をサンドブラスト処理して平均表面粗さRaを4.0μm以上8.0マイクロm以下としたので、現像剤支持手段の表面が適度に粗く、二成分現像剤を構成するキャリアとの接触確率(接触面積)が多くなる。このため、現像剤支持手段の表面に付着したトナーがキャリアに再付着されやすくなり、現像バイアスを嵩さ上げしないので、直前画像のトナー消費履歴の影響を受けず、安定したトナー量で現像を行え、色再現性に優れた均一な画像を長期にわたり得ることができる。
本発明に係る画像形成装置の一実施形態を示す概略図。 本発明に係る画像形成装置が備えるプロセスカートリッジの一構成例を示す拡大断面図。 本発明の第1の実施形態に係る現像スリーブを備えた現像装置の一実施形態の構成を示す拡大図。 本発明に係る現像装置の構成を示す平面視図であり、(a)は現像装置内の供給スクリュと回収スクリュ間での現像剤の流れを示す図、(b)は現像剤担持体から回収スクリュへの現像剤の流れを示す図。 本発明に係る現像装置内での現像剤の流れを模式的に示した図。 本発明に係る現像装置の構成と現像剤担持体の磁力の作用を示す拡大図。 現像剤担持体の現像スリーブの平均表面粗さと画像濃度差の関係を示す図。 ゴースト画像の評価方法を示す図。 トナーとキャリアと現像スリーブの付着関係を示す図であり、(a)はトナーと現像スリーブの吸着状態を示す拡大図、(b)はトナーとキャリアの吸着状態を計測した拡大図。 現像スリーブの平均表面粗さと現像スリーブの表面電位の関係を示す図。 サンドブラスト処理をしていない現像スリーブ表面の状態を示す拡大図。 サンドブラスト処理をした現像スリーブ表面の状態を示す拡大図。 現像スリーブの平均表面粗さの算出式を示す図。 (a)、(b)はスリーブ表面の平均表面粗さの違いによるキャリアの付着状態の違いを示す図。 現像スリーブの平均表面粗さとゴースト画像濃度差の関係を示す図。 二成分現像剤を構成するキャリアの径とゴースト画像濃度差の関係を示す図。 キャリアの径とキャリア付着個数の関係を示す図。 キャリアの抵抗とゴースト画像濃度差の関係を示す図。 キャリア抵抗とキャリア付着個数の関係を示す図。 キャリアの体積固有抵抗の計測に用いるキャリアの保持状態を示す斜視図。 本発明の第2の実施形態に係る現像スリーブの構成を示す斜視図。 第2の実施形態に係る現像スリーブに形成した楕円形状の凹部の構成とサイズを示す図であり、(a)は凹部の平面視図、(b)は凹部の断面図。 凹部の有無による印刷枚数と現像剤汲み上げ量の関係を示す図 印刷枚数と現像スリーブの平均表面粗さの変化を示す図。 本発明の第3の実施形態に係る現像スリーブの構成を示す斜視図。 第3の実施形態に係る現像スリーブに形成した溝部の構成とサイズを示す断面図。 本発明の第4の実施形態に係る現像スリーブの構成を示す斜視図。 第4の実施形態に係る現像装置の構成示す拡大図。 現像装置が備える現像剤規制部材近傍の構成を示す図であり、(a)は比較例1の構成を示す拡大図、(b)は比較例2の構成示す拡大図、(c)は第4の実施形態の構成を示す拡大図。 比較例2と第4の実施形態の現像装置におけるドクタギャップと汲み上げ量の関係を示す図。 比較例1と第4の実施形態の現像装置におけるドクタギャップと汲み上げ量の関係を示す図。 第4の実施形態と比較例1における白スジ発生枚数を比較した図。 第4の実施形態と比較例1、2日における印刷枚数と画像濃度の関係を示す図。 トナー飛散発生メカニズムを説明する図であり、(a)は現像剤汲み上げ量が十分な場合、(b)は現像剤汲み上げ量が不十分な場合を示す。 本発明の第5の実施形態に係る現像スリーブを用いた現像装置の構成と現像剤担持体の磁力の作用を示す拡大図。 負荷長さ率を説明するための図。 本発明の第5の実施形態に係る現像スリーブを用いた負荷長さ率と現像剤の汲み上げ量変化率の関係を示す図。 (a)〜(c)は第5の実施形態に係る現像スリーブの表面の状態(負荷長さ率)を説明する図。 研磨機の一形態を示す概略図。 本発明の第6の実施形態に係る現像スリーブの構成を示す斜視図。 本発明の第6の実施形態に係る現像スリーブを用いた負荷長さ率と現像剤の汲み上げ量変化率の関係を示す図。
以下、本発明に係る実施形態について図面を用いて説明する。各形態において同一部材または同一機能を有する部材には、同一の符号を付し、後段の実施形態においてはその説明を省略する。なお、以下の記載は例であり、特許請求の範囲を限定するものではない。また当業者は本発明の特許請求の範囲内で変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であるが、これらの変更・修正は当然この特許請求の範囲に含まれる。
最初に画像形成装置とプロセスカートリッジについて説明し、その後に現像装置の実施形態を順次説明する。
図1に示す画像形成装置は、電子写真方式でタンデム型のカラー複写機である。複写機の装置本体100の上部には、原稿を原稿読込部に搬送して読み取る原稿読取部32が配置され、装置本体100の下部には、転写紙等の記録媒体Pが収容される給紙部26と、給紙部26から記録媒体Pを給紙する給紙ローラ27が配置されている。原稿読取部32の下方には、画像形成されたプリント物が積載される排紙トレイ30が配置されている。装置本体100の内部には、各色(イエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックBK)のトナー像がそれぞれ形成される像担持体としての感光体ドラム1Y、1M、1C、1BKを備えた作像部としてプロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6BKが配置されている。なお、Y、M、C、BKは各色に対応した構成部材に付す添え字であり、適宜省力する。各感光体ドラムの周囲には、各感光体ドラムを帯電する帯電手段4Y、4M、4C、4BKと、各感光体ドラム上に形成される静電潜像を現像して各色のトナー像とする現像装置5Y、5M、5C、5BKと、中間転写体としての中間転写ベルト8と、各感光体ドラムを清掃するドラムクリーニング手段2Y、2M、2C、2BKと、図示しない除電手段が配置されている。
中間転写ベルト8は、複数のローラ間に巻き掛けられていて、図中反時計周りに回転移動する。ループ状の中間転写ベルト8の、各感光体ドラムと対向するループ内には、各感光体ドラム上に形成されたトナー像を中間転写ベルト8上に転写する1次転写部を形成する1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9BKが配置されている。中間転写ベルト8の外側には、中間転写ベルト8上に転写されたトナー像を記録媒体P上に一括転写する2次転写部を形成する2次転写部材としての2次転写バイアスローラ19が配置されている。2次転写バイアスローラ19と給紙ローラ27の間には、給紙部26から給紙された記録媒体Pを2次転写部でトナー像と合うタイミングで送り出すレジストローラ28が配置されている。2次転写バイアスローラ19と排紙トレイ30の間には、2次転写部で記録媒体P上に転写された未定着のトナー像を熱と圧力で定着する定着装置20が配置されている。符号31Y、31M、31C、31BKは各色(イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック)のトナー(トナー粒子)を現像装置5に供給する各色のトナー容器を示す。
以下、画像形成装置における、通常のカラー画像形成時の動作について説明する。なお、感光体ドラム1Y、1M、1C、1BK上で行なわれる作像プロセスについては、図2も参照する。
原稿は、原稿読取部32において画像情報が光学的に読み取られる。詳しくは、原稿読取部32は、コンタクトガラス上の原稿の画像に対して、照明ランプから発した光を照射しながら走査させる。そして、原稿にて反射した光を、ミラー群及びレンズを介して、カラーセンサに結像する。原稿のカラー画像情報は、カラーセンサにてRGB(レッド、グリーン、ブルー)の色分解光ごとに読み取られた後に、電気的な画像信号に変換される。さらに、RGBの色分解画像信号をもとにして画像処理部で色変換処理、色補正処理、空間周波数補正処理等の処理をおこない、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのカラー画像情報を得る。
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像情報は、図示しない書込み部に送信される。この書込み部からは、各色の画像情報に基づいたレーザ光Lが、それぞれ対応する感光体ドラム1Y、1M、1C、1BK上に向けて照射される。
一方、4つの感光体ドラム1Y、1M、1C、1BKは、それぞれ、図1の時計周り方向に回転している。これら感光体ドラム1Y、1M、1C、1BKの表面は、帯電手段4Y、4M、4C、4BKとの対向部で、一様に帯電される(帯電工程)。こうして、感光体ドラム1Y、1M、1C、1BK上には、帯電電位が形成される。その後、帯電された感光体ドラム1Y、1M、1C、1BKの表面は、それぞれのレーザ光Lの照射位置に達する。書込み部において、4つの光源から画像信号に対応したレーザ光Lが各色に対応してそれぞれ射出される。各レーザ光Lは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過することになる(露光工程)。
イエロー成分に対応したレーザ光は、紙面左側から1番目の感光体ドラム1Y表面に照射される。このとき、イエロー成分のレーザ光は、高速回転するポリゴンミラーにより、感光体ドラム1Yの回転軸方向(主走査方向)に走査される。こうして、帯電手段4Yにて帯電された後の感光体ドラム1Y上には、イエロー成分に対応した静電潜像が形成される。
同様に、マゼンタ成分に対応したレーザ光は、紙面左から2番目の感光体ドラム1M表面に照射されて、マゼンタ成分に対応した静電潜像が形成される。シアン成分のレーザ光は、紙面左から3番目の感光体ドラム1C表面に照射されて、シアン成分の静電潜像が形成される。ブラック成分のレーザ光は、紙面左から4番目の感光体ドラム1BK表面に照射されて、ブラック成分の静電潜像が形成される。
その後、各色の静電潜像が形成された感光体ドラム1Y、1M、1C、1BKの表面は、それぞれ、現像装置5Y、5M、5C、5BKとの対向位置に達する。そして、各現像装置から感光体ドラム1Y、1M、1C、1BK上に各色のトナーがそれぞれ供給されて、感光体ドラム1Y、1M、1C、1BK上の潜像が各色のトナー像として現像される(現像工程)。
現像工程後の感光体ドラム1Y、1M、1C、1BKの表面は、それぞれ中間転写ベルト8との対向部としての1次転写部に達し、感光体ドラム1Y、1M、1C、1BK上に形成された各色のトナー像が、中間転写ベルト8上に順次重ねて転写される(1次転写工程)。
転写工程後の感光体ドラム1Y、1M、1C、1BKの表面は、それぞれドラムクリーニング手段2Y、2M、2C、2BKとの対向位置に達し、各ドラムクリーニング手段で、感光体ドラム1Y、1M、1C、1BK上に残存する未転写トナーが回収される(クリーニング工程)。その後、感光体ドラム1Y、1M、1C、1BKの表面は、図示しない除電手段との対向部を通過して、感光体ドラム1Y、1M、1C、1BKにおける一連の作像プロセスが終了する。
他方、感光体ドラム1Y、1M、1C、1BKから各色のトナーが重ねて転写(担持)された中間転写ベルト8は、図中の反時計方向に回転移動して、2次転写バイアスローラ19との対向位置に達する。そして、2次転写バイアスローラ19との対向位置で、記録媒体P上に中間転写ベルト8上に担持されたカラーのトナー像が一括転写される(2次転写工程)。その後、中間転写ベルト8の表面は、図示しない中間転写ベルトクリーニング部の位置に達し、中間転写ベルト8上に付着した未転写トナーが中間転写ベルトクリーニング部に回収されて、中間転写ベルト8における一連の転写プロセスが終了する。
ここで、中間転写ベルト8と2次転写バイアスローラ19との間(2次転写ニップ)に搬送される記録媒体Pは、給紙部26からレジストローラ28等を経由して搬送されたものである。詳しくは、記録媒体Pを収納する給紙部26から、給紙ローラ27により給送された記録媒体Pが、搬送ガイドを通過した後に、レジストローラ28に導かれる。レジストローラ28に達した記録媒体Pは、タイミングを合わせて2次転写部に向けて搬送される。
フルカラーのトナー像が転写された記録媒体Pは、定着装置20に導かれる。定着装置20では、定着ローラと加圧ローラとの定着ニップにて、フルカラーのトナー像が記録媒体P上に定着される。定着工程後の記録媒体Pは、排紙ローラ29によって装置本体外にプリント物として排出されて、排紙トレイ30上にスタックされて、一連の画像形成プロセスが完了する。
図2、図3を用いて、本実施形態における各色プロセスカートリッジと各色の現像装置について説明する。なお、各プロセスカートリッジ及び各現像装置の構成は、使用する現像剤の色が異なる以外は同一構成であるので、図2、図3においては、1つのプロセスカートリッジ及び現像装置の構成を用いて説明し、トナーの色を識別するための添え字であるY、M、C、BKは省略する。
図2において、プロセスカートリッジ6は、ドラムクリーニング手段2、帯電手段4、現像装置5が1つのケーシングによって一体的に保持されたものであり、装置本体100に対して着脱自在とされている。
現像装置5は、現像剤担持体としての現像ローラ50と、現像剤規制部材としてのドクタブレード52と、供給手段としての供給スクリュ53、回収手段としての回収スクリュ54を備え、これらがケーシング58によって支持されている。ケーシング58内には、トナーとキャリアを含む二成分現像剤(以下、「現像剤」と記す)Gが充填されている。現像装置5には、現像ローラ50の表面を感光体ドラム1の表面(以下「ドラム表面」と記す)1aに接触する接触帯電方式が用いられている。
現像ローラ50は、感光体ドラム1に形成されている静電潜像に対して現像剤中のトナーを供給するものである。現像ローラ50は、図3にも示すように、回転可能な筒状の現像剤支持手段としての現像スリーブ51と、現像スリーブ51に内包されてケーシング58に固定された磁界発生手段としての磁石を有するマグローラ55を有している。現像スリーブ51はアルミ製の筒状スリーブで構成され、マグローラ55は固定部に極性が異なる永久磁石を複数配置したものである。本実施形態において、現像ローラ50の表面とは、現像スリーブ51の表面51a(以下「スリーブ表面」と記す)である。現像スリーブ51は、マグローラ55の外周面上を図中半時計周り方向に回転移動するように構成されている。
ドクタブレード52は、現像ローラ50(スリーブ表面51a)に担持された現像剤の層厚を一定に規制するものである。供給スクリュ53は、現像ローラ50へ現像剤を供給するものであり、回収スクリュ54は、現像を終えた現像剤を回収するとともに攪拌するものである。
供給スクリュ53、回収スクリュ54は互いに平行に配置されていて、図示しない駆動源によって例えば600rpmで回転駆動するように構成されている。現像装置5では、この両者の回転によって、補給後のトナー攪拌と搬送を同時に行い、トナーとキャリアの均一混合と帯電付与を行っている。均一混合された現像剤は、図3に示すように、現像スリーブ51に近接して平行に設けられた供給スクリュ53により現像スリーブ51に内包された周知のマグローラ55のP5磁力によってスリーブ表面51aに搬送される。搬送された現像剤は、現像スリーブ51が図中矢印方向に回転することによってドラム表面1aとスリーブ表面51aによって作られる現像領域に運ばれる。そして、図示しない電源による現像電界を形成することによって現像剤G中のトナーがドラム表面1a上の潜像を現像する。現像後の現像剤Gは、現像スリーブ51の回転に伴って現像装置5内に回収されるようになっており、供給スクリュ53と回収スクリュ54の間に形成された仕切り板(回収ガイド)57を介して回収スクリュ54に回収されるように構成されている。図3中破線矢印は現像剤Gの流れを示す。
図4(a)は現像装置5を上方(第3図中の矢印A方向)より投影した状態の図(現像容器上壁を取り除いた状態)である。図4(b)に示すように、下段の供給スクリュ53と上段の回収スクリュ54の端部に位置する領域a及びbでは、回収スクリュ54と供給スクリュ53による攪拌室が上下に連通している。領域aでは上段から下段へ、領域bでは下段から上段へ現像剤Gがそれぞれ搬送されるように構成されている。連通部における各スクリュの形状は、パドルや逆巻きのスクリュを設けており、搬送方向に対して垂直方向への搬送能力を持たせている。
図5は、現像装置5中における現像剤Gの堆積の様子を示す図である。図5に示す構成の場合、供給スクリュ53にて攪拌搬送を行いつつ現像スリーブ51に現像剤Gの供給を行い、回収スクリュ54にすべて回収する方式を取っている。このため、現像剤Gの堆積状態が、スクリュ軸線方向において斜めになる(供給スクリュ53中の現像剤量が下流方向に従って減少する)。供給スクリュ53の径、ピッチと回転数から求まる現像剤搬送量能力:Wmと現像スリーブ51上の現像剤搬送量:Wsの関係がWm>Wsとした場合、現像剤Gが一様に現像スリーブ51上に搬送されるようになる。この条件が成立しないと供給スクリュ53の下流側において現像剤Gが不足してしまい現像スリーブ51への現像剤Gの供給が不可能となってしまう。
図3に示すように、本実施形態における現像装置5は、回収スクリュ54が上、供給スクリュ53が下に配置され、ドクタブレード52(ドクタブレード52)を現像ローラ50の下方に設けている。このため、現像装置5の上部に転写部材(中間転写ベルト8)を設ける形態において、現像に使用した現像剤Gを供給路に戻さない現像剤一方向循環を実現し、かつ感光体ドラム1に対し現像スリーブ51が互いの対向部(現像領域)で順方向に回転する現像方式(ウィズ現像)を成立させる事が出来る構造となっている。
次に図6を用いて、現像ローラ50の磁気パターンを説明する。図6において、現像スリーブ51は、図中反時計回り方向に回転するが、この回転によって現像剤Gが搬送される。なお、図6の現像ローラ50に付した放射状の線分は、P1極〜P5極のそれぞれの磁力がピークになる位置を示すものである。マグローラ55の法線方向磁気パターンは、P1(N)極が現像極であり感光体ドラム1とマグローラ55の中心を結ぶ直線eから半値中央角度−5度でピーク磁力100mT、P2(S)極は同じく半値中央角度58度の位置でピーク磁力85mT、P3(N)極は120度の位置でピーク磁力52mT、P4(S)極は205度の位置でピーク磁力70mT、P5(S)極は280度の位置でピーク磁力78mTである。P4極は仕切り板57の下部に具備された磁性板、または磁石などの磁性体59と略対向する位置にある。本実施形態において、マグローラ55の磁束密度は、ある範囲で任意に設定可能であるが、高くし過ぎると現像スリーブ51上でトルクアップや剤劣化を促進してしまう。
本実施形態のスリーブ表面51aとドラム表面1aとの現像領域での最近接距離は0.3mm、現像剤の単位面積あたりの搬送量は40mg/cm、現像ローラ50と感光体ドラム1の線速比は1.7に設定されている。
現像装置5は、トナーとキャリアからなり、7wt%に均一混合した現像剤Gが225g、ケーシング58内に充填されており、並列に配置した供給スクリュ53と回収スクリュ54内を600rpmで回転させている。これにより、補給後のトナー攪拌と搬送を同時に行い、トナーとキャリアの均一混合と帯電付与を行っている。均一混合された現像剤Gは、現像スリーブ51に近接して平行に設けられた供給スクリュ53により搬送されて現像スリーブ51に供給される。そして、現像スリーブ51に内包されたマグローラ55のP5磁力によってスリーブ表面51aで、マグローラ55の磁力で現像スリーブ51上にトナー及びキャリア(磁性粒子)からなる現像剤穂としてブラシ状に担持される。現像剤穂(磁気ブラシ)中のトナーは、キャリアと混合されることで規定の帯電量を得る。トナーとキャリアの摩擦帯電は、回収スクリュ54、供給スクリュ53の回転・搬送によるトナーの均一化や、現像スリーブ51とドクタブレード52とのギャップを磁界に保持されつつ搬送されることによる摺擦力よって行われ、トナーに帯電が付与される。トナーの帯電量としては、−10〜−50[μC/g]の範囲が好適であり、本実施形態のトナーの帯電量は、実験室で数10枚の画像を印刷した後では−35[μC/g]であった。
実施形態に使用するトナーとしては下記のものが挙げられる。
使用される結着樹脂としては、従来公知の樹脂が全て使用可能である。例えば、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体)、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。また単独使用も可能であるが、二種類以上併用しても良い。また、これら樹脂の製造方法も特に限定されるものではなく、塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合いずれも使用できる。
外添剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。本実施形態におけるトナーの外添剤は、シリカ1.0重量%、酸化チタン0.5重量%である。またオイルレス定着のため離型剤としては、酸化ライスワックス、低分子量ポリプロピレンワックス、カルナウバワックス等が使用できる。必要に応じて帯電制御剤を含有してもよい。本実施形態では、ポリエステル樹脂を主成分としたトナー(粒径・粒径分布としては、体積平均粒径が6μm、5μm以下が60〜80個数%)を用いた。
実施形態に使用するキャリアとしては下記のものが挙げられる。
本実施形態においては、重量平均粒径35μmのフェライト粒子を芯剤とした。キャリアの芯剤としてはマグネタイトのコーティングキャリアでも使用できる。小粒径キャリアを用いることで感光体ドラム1上の潜像を忠実に再現できる。また、小粒径キャリアを用いることでトナーのキャリア被覆率に余裕ができるため、より小粒径のトナーを用いることが可能になり、さらなる高画質の画像を得られる。
キャリアの表層はトナーと摩擦帯電による電荷付与を効率的に行うためにトナーと逆極性に帯電し易い材料をコーティングしている。具体的にはシリコン樹脂及び二酸化アンモニウムを含む材料等を挙げることができる。また更にスチレン−アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、ブチラール樹脂、スチロール樹脂を上挙げられる。ベースになるフェライト系材料は、1250〜1300℃で3〜5時間焼成され、クラッシャー等で粉砕され、求める粒径分布を有するようにするものである。
磁性粒子は鉄、クロム、ニッケル、コバルト、亜鉛、銅、などの金属、或いはそれらの化合物や合金、例えばγ−酸化第二鉄、二酸化クロム、酸化マンガン、フェライトといった強磁性体や常磁性体の球形化された粒子、又はそれら磁性体粒子表面をシリコーン樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、エチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステルなどの樹脂で球状に被覆する。
<キャリア製造例>
湿式法により作成したマグネタイト100重量部に対してポリビニルアルコール2重量部、水60重量部をボールミルに入れ12時間混合してマグネタイトのスラリーを調整した。更にこの中に粒子径80[nm]の鉄、SUS等の金属粒子に表面をシリコンコーティングしたものを10重量部混合する。このスラリーをスプレードライヤーにて噴霧造粒し、平均粒径25〜40μmの休憩粒子とした。この粒子を窒素雰囲気中で1000℃の温度で3時間焼成後冷却し、核体粒子1を得た。
シリコーン樹脂溶液 100重量部
トルエン 100重量部
γ −アミノプロピルトリメトキシシラン 6重量部
カーボンブラック 10重量部
上記混合物をホモミキサーで20分間分散し、被覆層形成液を調整した。この被覆層形成液を、流動床型コーティング装置を用いて核体粒子1を1000重量部の表面にコーティングして、シリコーン樹脂被覆キャリアを得た。
(第1の実施形態)
本実施形態は、トナーが現像スリーブ51に付着することで発生するゴースト画像の抑制に対し、スリーブ表面51aを、サンドブラスト加工によりサンドブラスト処理して粗して凹凸状として、ゴースト画像の改善を図るものである。
図7を用いて第1の実施形態に係る現像スリーブ51とゴースト画像の濃度差との関係について説明する。図7は、サンドブラスト処理されていない現像スリーブ(アルミ粗管)とサンドブラスト処理して粗した現像スリーブ51(粗さを2水準)でのゴースト画像を比較したものである。
サンドブラスト処理は、メディアを現像スリーブ51の材料であるアルミ製のスリーブに、空気と一緒に吹き付けて当てることで行われる。メディアはアルミナ質の粒子(平均径180μm)の研削材を空気圧2〜6kg/cm2、粒子噴射部からスリーブ表面51aまでの距離を100〜200mmとしてドライサンドブラストにて行った。
現像スリーブ51の平均表面粗さRaの測定は、キーエンス社製超深度カラー3D形状測定顕微鏡VK−8501で行った。この測定顕微鏡が備えている150倍の対物レンズを用いて、300×300μmの測定範囲において0.01μmの高さ方向の精度にて表面形状を測定した。測定対象である現像スリーブ51(アルミ製のスリーブ)を観察ステージ上へ載せ、ピントを合わせて白黒長深度測定モードにて測定を行った。測定ピッチは0.01μmを選択した。測定後に得られた表面形状データについて線粗さ測定を行い、現像スリーブ51のスリーブ表面51aの平均表面粗さRaを、図13に示す式で算出した。図13に示す式は、算術平均表面粗さ(Ra)を求めるものである。この式では、平均線から絶対値偏差の平均値を算出し、平均表面粗さ(Ra)としている。
現像スリーブのスリーブ表面の水準は次のとおりである。
サンドブラスト処理ナシ(平均表面粗さRa:2.1μm)
サンドブラスト処理アリ(平均表面粗さRa:6.2μm)
メディア粒度:F60 /射出圧:4kgf/cm2
サンドブラスト処理アリ(平均表面粗さRa:5.5μm)
メディア粒度:F80 /射出圧:4kgf/cm2
サンドブラスト処理アリ(平均表面粗さRa:4.0μm)
メディア粒度:F180 /射出圧:4kgf/cm2
※サンドブラスト処理のグレード:昭和電工 モランダム A−40
現像剤 imagio MP C5000現像剤 (シアン)
平均キャリアの直径 35μm トナー濃度 9wt% Q/M 22μC/g
<ゴースト画像の評価方法>
ゴーストについては、市販のデジタルフルカラー複写機(リコー社製 imagio MP C5000)を改造し、本実施形態の現像装置に上記現像剤(シアン)をセットし、画像面積5%のチャートを20K枚出力後に、図8に示す縦帯チャートを記録媒体Pに印刷し、スリーブ一周分(a)と一周後(b)の濃度差を、反射分光濃度計X−Rite939(X−Rite社製)により、センター、リア、フロントの3箇所測定の平均濃度差をΔIDとし、以下のようにランク分けした。
◎:非常に良好、○:良好、△:許容、×:実用上使用できないレベル
◎、○、△を合格とし×を不合格とした。
◎:0.01≦ΔID
○:0.01<ΔID≦0.03
△:0.03<ΔID≦0.06
×:0.06<ΔID
上記ゴースト画像評価方法に基づいて、ゴースト画像の判定を行なうと表1のような結果となった。この結果、スリーブ表面51aの平均表面粗さRaが4.0μm以上において、合格となり、現像スリーブ51にサンドブラスト処理をすることで、ゴースト画像が改善することが判る。
Figure 2014186291
スリーブ表面にサンドブラスト処理したものと、しないものにおいて、各現像スリーブ上の現像剤を図9(a)に示す状態から剥ぎ取って除去して、図9(b)の状態になった現像スリーブにトナーが同量付着している(現像スリーブ表面のトナー付着量:0.35mg/cm2)ときの表面電位を表面電位計で測定した測定した結果を図10に示す。
図10は、縦軸を現像スリーブの表面電位、横軸を現像スリーブの平均表面粗さRaとしたものである。図10の計測結果より、サンドブラスト処理をした現像スリーブ51方がサンドブラスト処理しない方よりも、表面電位が小さいことがわかった。また、現像スリーブ51の平均表面粗さRaとトナーの付着している現像スリーブ51の表面電位には、直線的な関係があることがわかった。
次に、図11、図12を用いてサンドブラスト処理によるゴースト画像改善メカニズムについて説明する。図11は、サンドブラスト処理をしない現像スリーブと現像剤Gの関係を示し、図12は、サンドブラスト処理をした現像スリーブ51と現像剤Gの関係を示している。
図11において、符号Tで示すトナーが付着している現像スリーブ51の表面電位の結果より、ゴースト画像はスリーブ表面51aに付着しているトナーTが符号Kで示すキャリアと現像スリーブ51にトナー層を形成し、そのトナー層が電位を嵩さ上げすることで、画像濃度差が発生するということが分った。
しかし、サンドブラスト処理をした現像スリーブ51の場合、図12に示すように、トナーTはサンドブラスト処理されたスリーブ表面51aの凹部に入り込んで付着する。しかし、キャリアKはその大きさから、この凹部には入り込めない。ここでキャリアKと現像スリーブ51に接点が生じ易くなり、現像スリーブ51に印加しているバイアスを直接キャリアにかけることができるため、トナー層の介在による電位を嵩さ上げが少なくなると推察する。また、スリーブ表面51aの平均表面粗さRaが4μm未満になると、サンドブラスト処理で形成された凹部にトナーTが入り込めず、トナー層を形成してしまうことで、ゴースト画像が発生または悪化すると推察する。
図14は、平均表面粗さの違いによるキャリアとスリーブ表面の付着状態を拡大したものである。図14(a)はサンドブラスト処理して平均表面粗さRa5.67μmとしたスリーブ表面とキャリアKの関係を示し、図14(b)はサンドブラスト処理なしで平均表面粗さRa2.99μmとしたスリーブ表面とキャリアKの関係を示す。
すなわち、本実施形態において、スリーブ表面51aの平均表面粗さRaは、4.0μm以上としている。これは、平均表面粗さRa4.0以上でスリーブ表面51aは適度に粗いため、図14(a)に示すようにキャリアKとの接触確率(接触面積)が多くなり、図12に示すように現像スリーブ51に付着した正規帯電トナーがキャリアに再付着され易くなる。低帯電トナーはスリーブ汚れとして残るが、低電荷のため現像バイアスを嵩上げすることがないと推察する。
これに対し、平均表面粗さRa4.0未満であると、図14(b)に示すようにキャリアKとの接触確率(接触面積)が少なくなり、図11に示すように現像スリーブ51に付着した正規帯電トナーがキャリアに再付着され難くなると推察する。
図15は、キャリア直径40μm、キャリア抵抗14乗の実施形態における現像スリーブ51の平均表面粗さRaとゴースト画像の濃度差の関係を示す。画像濃度差の目標値は、表1の結果を踏まえて0.03とした。このとき、平均表面粗さRa4.0以上とすると、この目標値である0.03以下を達成していることがわかる。なお、ゴースト画像の濃度差は、本実施形態の画像形成装置において、ベタ画像を1枚通紙し、先端の画像濃度と現像スリーブ一周目以降の画像濃度との差を計算して求めた。
また、平均表面粗さRaが大きくなり過ぎると、逆にキャリアKがスリーブ表面51aの凹凸に嵌まり込んだトナーを清掃することができなくなり、そこに熱がかかるとスリーブ表面51aにトナー固着が発生し画像に濃度差が生じることが想定される。表2に平均表面粗さRaと現像スリーブ51へのトナー固着との関係を試験した結果を示す。
Figure 2014186291
トナー固着は、リコーimagioMP−C5000に本実施形態の現像装置を改造して装着し、ドクタブレード52とスリーブ表面51aとのギャップを通常の設定の1/2に狭め、高温高湿環境にて両面5000枚通紙後、一昼夜放置する加速条件にて画像濃度差の発生有無の試験を行なって判断した。この試験結果から、スリーブ粗さRaは8μm以下で発生しないことがわかる。
すなわち、サンドブラスト処理が施されていない現像スリーブの表面とキャリアの間にはトナーが挟み込まれてしまうことで、現像バイアスが、挟み込まれたトナーの電荷分の電位だけ嵩さ上げられてしまう。しかし、本実施形態のように、サンドブラスト処理されたスリーブ表面51aは、微小な凹凸状となり、凹部にトナーは入り込めるが、キャリアは入り込めなくなる。このため、凸部の頂点部が直接キャリアと接触できることから、現像バイアスは電位の嵩さ上げ分を加味することなく現像することができ、この結果、ゴースト画像を低減することができると、推察することができる。
<現像剤Gのキャリア直径>
本実施形態において、現像剤Gのキャリア直径は25μm以上40μm以下とした。これは、キャリアの直径が小さいことで現像スリーブ51との接触面積が増加し、帯電したトナーが取られ易くなることでゴースト画像の発生を抑えることが可能になった。この点について図16、図17を用いて説明する。
図16にキャリア直径とゴースト画像の画像濃度差の関係を示す。図16において、縦軸はゴースト画像の濃度差、横軸はキャリア直径(μm)を示す。ここでは、キャリア抵抗14乗、現像スリーブ51の平均表面粗さRa:4μmとしている。濃度差の目標値は、上述のように0.03とする。図16によれば、キャリア直径40μm以下で画像濃度差の目標値0.03以下となっていることがわかる。
図17は、キャリア直径(μm)とキャリア付着(個数/A3)の関係を示す図である。図17において縦軸はキャリア付着(個数/A3)、横軸はキャリア直径(μm)である。キャリア付着(個数/A3)とは、JIS規格A3サイズの記録媒体Pに付着したキャリア数を示す。キャリア付着は、本実施形態の画像形成装置で非画像部の感光体ドラム上をルーペにて観察して計数した。本実施形態では、キャリア付着の目標値を200とした。これは、ある条件下で加速評価したキャリア付着の目標値が200個/A3以下に収まれば、市場要求を満たすためである。
図17に示すように、キャリア直径を20μm以上にすると、キャリア付着の目標値200個/A3以下を達成できることがわかった。すなわち、キャリア直径が小さいことで現像スリーブ51との接触面積が増加し、帯電したトナーが取られやすくなる事でゴースト画像の発生が抑えられる推定される。このため、キャリア直径を20μm以上にすることでキャリア付着を抑えられる。
<現像剤Gのキャリア抵抗>
本実施形態では、キャリアの抵抗を9乗〜14乗とした。現像スリーブ51のトナー汚れが同程度で汚れトナーの帯電量が同程度でも、現像剤Gの抵抗が低い場合には現像スリーブ51近傍の、キャリアKと現像スリーブ51との間の電界が小さくなるため、キャリア付着の発生を抑えることができ、ゴースト画像濃度差としては小さくなる。この点について図18、図19を用いて説明する。
図18は、キャリア抵抗(logΩcm)とゴースト画像の画像濃度差の関係を示す。図18において、キャリア直径40μm、スリーブ表面51aの平均表面粗さ:Ra4μmとしている。この場合、キャリア抵抗14乗以下で画像濃度差の目標値0.03以下を達成することがわかる。
図19は、キャリア抵抗(logΩcm)とキャリア付着(個数/A3)の関係を示す。図19において、縦軸はキャリア付着(個数/A3)、横軸はキャリア抵抗(logΩcm)をそれぞれ示す。図19では、キャリア直径25μmの場合を示す。この場合、キャリア抵抗9乗以上で、キャリア付着の目標値200個/A3以下を達成できることが観察された。
すなわち、キャリア直径としては、キャリア付着の目標値以下となる25μmを最低値とし、ゴースト画像の画像濃度差が目標値以下となる40μmとするのが好ましい。
キャリアの体積固有抵抗は、図20に示すように、電極間距離2mm、表面積2×4cmの電極12a、電極12bを収容したフッ素樹脂製容器からなるセル11にキャリア13を充填し、三協パイオテク社製:タッピングマシンPTM−1型を用いて、タッピングスピード30回/minにて1分間タッピング操作を行う。そして両電極間に1000Vの直流電圧を印加し、ハイレジスタンスメーター4329A(4329A+LJK5HVLVWDQFH 0HWHU:横川ヒューレットパッカード株式会社製)により直流抵抗を測定して電気抵抗率RΩ・cmを求め、LogRを算出した。
このような構成の現像剤Gを用いて、現像スリーブ51の表面の平均表面粗さRaを、4.0μm以上8.0μm以下とした現像ローラ50を有する現像装置5、プロセスカートリッジ6を備えると、現像装置5の交換が容易で、直前画像のトナー消費履歴の影響を受けることなく、安定したトナー量で現像し、色再現性に優れた均一な画像を長期にわたり得ることができる。
(第2の実施形態)
本実施形態では、サンドブラスト処理して微細な凹凸状とし、平均表面粗さRaを所定の範囲を4.0μm以上8.0μm以下に規定した現像スリーブ151に表面151aに、図21に示すように、複数の凹部152が互いに重ならないように間隔をあけて多数設けている。この現像スリーブ151は、第1の実施形態で説明した現像スリーブ51に代えて、マグローラ55の外周面で回転移動するように構成されている。現像スリーブ151を用いる現像装置としては、第1の実施形態と同一構成を用いるものとする。
(経時汲み上げ量変動)
第1の実施形態では、現像スリーブ51のスリーブ表面51aにサンドブラスト処理を行なったが、スリーブ表面51aに形成された凹凸が非常に細かいため、現像剤Gなどにより該凹凸が徐々に削られることが想定される。したがって、前述したサンドブラスト処理が施された現像スリーブ51は、徐々に現像剤Gの搬送量が減少して、形成した画像が徐々に薄くなる傾向となる。
図23は、縦軸を現像スリーブによる現像剤の汲み上げ量(mg/cm)、横軸を印刷枚数(枚)とした現像剤の汲み上げ量の変化を測定した結果をプロットした図である。図23において、□で示したプロットは、サンドブラスト処理だけの場合の測定結果を示す。このプロットから明らかなように、印刷枚数が増加するに従い、汲み上げ量が低減することがわかる。具体的には、印刷開始時に40mg/cmあった現像像剤搬送量が60000枚印刷時には、29mg/cmにまで減少し、20%以上の低減率となる。
一般に、経時の現像剤搬送量が20%以内であれば、画像形成装置の画像濃度の制御などで画像濃度を保つことが可能であるが、サンドブラスト処理だけの場合だと、制御だけでは画像濃度を維持することは難しい。
サンドブラスト処理が施された現像スリーブ51のスリーブ表面51aの耐久性は、たとえばアルミ材ではなく、ステンレス鋼で現像スリーブを形成することで向上することができるが、加工性やコスト面では望ましくない。
そこで、本実施形態では、図21に示したように、サンドブラスト処理によって形成される凹凸よりもさらに深くて大きい複数の凹部152を、互いに重ならないように間隔をあけて多数、スリーブ表面151aに形成した。凹部152の形状は、図22に示すように、スリーブ表面151aを平面視したときの平面形状が楕円形状であり、スリーブ軸線方向に一列で規則的に並べたものをスリーブ周方向に多数列配置した。凹部152は、その長手方向が現像スリーブ151の長手方向と平行になるように形成した。
図23において、◇で示したプロットは、サンドブラスト処理+凹部152の場合の測定結果を示す。このプロットから明らかなように、印刷枚数が増加するに従い、凹部152を設けた場合でも、汲み上げ量は低減する。これは、スリーブ素材としてアルミを用いているので、経時での摩耗は避けられない。しかし、その低減率は、サンドブラスト処理だの場合よりも少ない。これは凹部152による汲み上げ量が確保されているためであると推察される。具体的には、印刷開始時に40mg/cmあった現像像剤搬送量が60000枚印刷時には、36mg/cmであり、その低減率は、10%程度と少ない。このため、サンドブラスト処理+凹部152とした現像スリーブ151を用いることで、経時の現像剤搬送量の低下を防ぐことができる。
図24は、縦軸をスリーブ表面の平均表面粗さRa、横軸を印刷枚数(枚)とした平均表面粗さRaの変化を測定した結果をプロットした図である。この平均表面粗さRaの変化は、リコーimagioMP−C5000に本実施形態の現像スリーブ151を備えた現像装置を改造して装着し、記録媒体Pを通紙して印刷し、所定枚数毎に平均表面粗さRaを測定した。
図24から明らかなように、現像スリーブ151のスリーブ表面151aの平均表面粗さRaは、印刷開始時においては5.6μmであり、60000枚印刷したときにおいても、凡そ4.5μmあった。このため、平均表面粗さRaが4μm以上に維持されているので、第1の実施形態で説明したようにゴースト画像の発生も防止することができる。
よって、スリーブ表面151aに予め楕円形状の凹部152を互いに重ならないように間隔をあけて多数配置し、凹部152の長手方向が現像スリーブ151の長手方向と平行に配置するように形成するとともに、サンドブラスト処理を施した現像スリーブ151を用いることで、経時の現像剤搬送量の低下を抑制して画像濃度を維持しながら、ゴースト画像のない安定した画像を長期わたって得ることができる。
図22(a)に示すように、第2の実施形態において、楕円形状の凹部152の長手幅L1は1.15mm、図22(b)に示すように、スリーブ表面151aからの深さDは0.045mmとし、楕円形状の凹部152の短手幅L2は0.5mmとしたが、これら範囲に限定されるものでない。長手幅L1の範囲としては、加工性を考慮すると、1mm〜2.3mmが好ましく、短手幅L2の範囲としては、0.3mm〜0.7mmが好ましい。深さDの範囲はとしては、0.02mm〜0.15mmである。要は,スリーブ表面151aの摩耗により低下する汲み上げ量を補える量の現像剤量を確保できる容量を凹部152が添えていればよい。
現像スリーブ51や現像スリーブ151の材質としては、アルミニウム合金、真鍮、ステンレス鋼(SUS)、導電性の樹脂などの非磁性材料が挙げられる。アルミニウム合金は、加工性、軽さの面で優れている。アルミニウム合金としては、JIS記号A6063、A5056及びA3003の材質が挙げられる。ステンレス鋼を用いる場合には、JIS記号SUS303、SUS304及びSUS316を用いるのが、耐摩耗性に優れるので好ましい。
金属ではなく、導電性の樹脂部材で現像スリーブを形成してもよい。樹脂製の場合、スリーブ重量を軽減でき、マグローラ55上を回転移動する際の現像スリーブのフリクションが低減するとともに、成形方法によっては、凹部152を一体成形することも可能であるので、コスト面で有利になる。
(凹部形成方法)
現像スリーブ151のスリーブ表面151aに凹部152を形成する製造装置については、例えば、特開2009‐080447号公報の段落「0099」〜「0145」に記載の装置を用いることで形成することができる。本実施形態では多数の楕円形状の凹部152を規則的に配置しているが、不規則に配置したものであってもよいし、あるいは、楕円ではなく平面視において円形であってもよい。
本実施形態では、スリーブ表面151aに凹部152が形成されているので、スリーブ表面151aによって汲み上げた現像剤Gがスリーブ表面151aから脱落しにくくなり、長期の使用によりスリーブ表面151aが摩耗した場合でも、現像剤の汲み上げ量を確保することができる。また、凹部152の部位から現像剤穂がスリーブ表面152aに形成されるため、現像剤穂の位置が安定するので好ましい。これは、サンドブラスト処理をしたスリーブ表面であっても.凹部152が形成されていない場合、現像剤穂がランダムにスリーブ表面に形成される。このため、キャリアはスリーブ表面上で滑ってしまい現像剤穂が不安定となることがある。これに対し凹部152が形成されていると、この凹部152内にキャリアが位置することで、その位置が安定した現像剤穂をスリーブ表面152aに形成することができる。現像剤穂はキャリアとトナーで形成されているため、キャリアの位置が不安定であると、最終的にはトナー供給量のバラツキにつながるため、現像剤穂の位置が安定することは、画像濃度の安定化を図る点で好ましい。
(第3の実施形態)
第2の実施形態では、サンドブラスト処理されたスリーブ表面に平面視で楕円形状の凹部152を形成して現像スリーブ151を構成したが、本実施形態では図25に示すように、凹部152ではなく、サンドブラスト処理されたスリーブ表面251aに溝部252を形成した現像スリーブ251を形成した。この現像スリーブ251は、第1の実施形態で説明した現像スリーブ51に代えて、マグローラ55の外周面で回転移動するように構成されている。現像スリーブ251を用いる現像装置としては、第1の実施形態と同一構成を用いるものとする。
溝部252は、スリーブ表面251aに、スリーブ長手方向と平行に直線的に延在し、周方向に複数形成した。溝部としては、複数ではなく、少なくも一つ形成されていればよい。スリーブ長手方向から見た溝部252の断面形状は、図26に示すように、V字形状としている。
このため、現像スリーブ251で汲み上げられる現像剤Gをスリーブ長手方向に沿って保持することができるので、現像スリーブ251が回転しても、汲み上げた現像剤Gがスリーブ表面251aから脱落しにくくなる。よって、スリーブ表面251aが摩耗した場合でも現像剤Gの汲み上げ量を確保することができる。また、本実施形態の場合、溝部252に沿って現像剤穂がスリーブ表面251aに形成されるため、現像剤穂の位置が安定するので好ましい。このため、溝部252内にキャリアが位置することで、現像剤穂の位置が安定した現像剤穂をスリーブ表面に形成することができる。よって、本実施形態の場合でも、経時の現像剤搬送量の低下を抑制して画像濃度を維持しながら、ゴースト画像のない安定した画像を長期わたり得ることができる。なお、スリーブ表面251aに形成する溝部252の断面形状としては、V字形状ではなく、断面円弧形状でもよい。
溝部252の具体的な寸法としては、スリーブ長手方向から見たときの断面形状がV字形状の場合、図26に示すように符号Wで示す幅が0.13mm、スリーブ表面251aからの深さDを0.1mmとし、V字の開き角度θを65度とした。この場合、現像スリーブ251の直径は25mmとし、スリーブ表面251aの周方向に100本形成した。無論、サンドブラスト処理も施している。
溝部を有する現像スリーブの形態としては、スリーブ長手方向に直線的に延在するように形成するのではく、図27に示すように、スリーブ長手方向に傾斜して形成した溝部352を有する現像スリーブ351としてもよい。この場合、溝部352はスリーブ表面351aに螺旋状に形成してもよいし、不規則に形成してもよい。形成する方向としては、異なる方向であってもよいが、現像剤穂の立つ方向性を考慮するとも同一方向であるのが好ましい。
このような構成の場合でも、現像スリーブ351で汲み上げられる現像剤Gを保持することができるので、現像スリーブ351が回転しても、汲み上げた現像剤Gがスリーブ表面351aから脱落しにくくなり、よって、スリーブ表面351aが摩耗した場合でも現像剤Gの汲み上げ量を確保することができる。また、本実施形態の場合、溝部352に沿って現像剤穂がスリーブ表面351aに形成されるため、現像剤補の位置が安定するので好ましい。このため、溝部352内にキャリアが位置することで、現像剤補の位置が安定した現像剤穂をスリーブ表面に形成することができる。よって、本実施形態の場合でも、経時の現像剤搬送量の低下を抑制して画像濃度を維持しながら、ゴースト画像のない安定した画像を長期にわたりえることができる。なお、スリーブ表面351aに形成する溝部352の断面形状としては、V字形状ではなく断面円弧形状のいずれであっても良い。
上記各形態では、各現像スリーブのスリーブ表面に対し、サンドブラスト処理を施して平均表面粗さを祖にして凹凸状にすることで、ゴースト画像の低減を図るようにした。しかし、サンドブラスト処理が強くなると、現像スリーブの筒状形状の変形が大きくなってしまい、現像スリーブのピッチムラが発生することが想定される。そこで、粒度と射出圧を変更してサンドブラスト処理を行い、現像スリーブの平均表面粗さRaを変化させたときのピッチムラの発生状況を測定した結果を表3に示す。
Figure 2014186291
(注1)サンドブラスト処理ナシ
このように、現像スリーブの平均表面粗さRaが8μmよりも大きくなるようにサンドブラスト処理を行なうと現像スリーブが変形し、ピッチムラが発生する。この点からも、現像スリーブの平均表面粗さRaの上限は8μm以下が好ましい。
(第4の実施形態)
本実施形態は、サンドブラスト処理された現像スリーブ51又はサンドブラスト処理されるとともに、凹部152や溝部252、352が形成された現像スリーブ151,251、351を備えた現像装置を前提としている。
例えば、図28に示す現像装置5Aでは、第1の実施形態で説明した現像スリーブ51を備えていて、スリーブ表面51aに担持された現像剤Gの層厚を規制する非磁性体で構成されたドクタブレード52と、ドクタブレード52の現像剤進入方向から見て、上流側の面52aに沿って固定された第一の磁性板63と、ドクタブレード52の上流側の面52aから現像剤進入方向側に突出している第二の磁性板62を有している。そして、第一の磁性板63は、第二の磁性板62の突出部62aよりも現像スリーブ51側にその一端63aが位置するように配置されている。
このような構成であると、現像剤ムラの発生を抑制できる効果を有しながら、現像スリーブ51とドクタブレード52の間の距離となるドクタギャップDGを広くすることができるので、凝集体がドクタギャップDGを通過しやすくなり、白スジ異常画像の発生を抑制することができる。
以下、この原理について図29(a)〜図29(c)を用いて説明する。なお、本実施形態では、現像スリーブ51を備えた現像装置5を例に説明するが、現像スリーブ151や現像スリーブ251、351を備えた現像装置であっても、現像スリーブ51の場合同様の構成であるので、これらを備えた現像装置の構成については省略する。
図29(c)は、現像スリーブ51を備えた現像装置5において、ドクタブレード52近傍を、スリーブ軸線方向から見たときの拡大図である。本実施形態では、磁性体部材として第一の磁性板63と第2の磁性板62がドクタブレード52に対して、現像スリーブ51による現像剤搬送方向上流(以下、単に「上流」という。)側であり、現像剤進入方向側に配置されている。図29(a)は、第2の磁性体62を単独で備えた構成、図29(b)は第1の磁性体63を単独で備えた構成をスリーブ軸線方向から見たときの拡大図である。図29(a)、図29(b)は、本実施形態の構成に対する比較例1,2として記載している。
図29(b)は、薄い平板状の第1の磁性体63が、ドクタブレード52の現像剤搬送方向上流側の面52aに接合して、同磁性体63の端面63aが、マグローラ55の現像剤汲み上げ極P5に向かうように構成したものである。図29(b)では、ドクタブレード上流側領域の現像剤Gが、現像剤汲み上げ極の磁力によって穂立ちする。そのため、ドクタブレード上流側領域の現像剤Gは疎な状態となる。図29(b)に示す構成は、第1の磁性体63と現像剤汲み上げ極との間に形成される磁界集中領域が狭い。すなわち、ドクタブレード上流側領域における第1の磁性体63と現像剤汲み上げ極P5との間の磁界集中領域の長さX2(現像スリーブ51による現像剤搬送方向の長さ)が短く、また現像剤Gは疎な状態なので、トナー濃度偏差が顕著な現像剤Gが磁界集中領域に搬送されることとなる。このような状態の現像剤Gが磁界集中領域に搬送されてきても、トナー濃度偏差が均されずドクタギャップDCを通過してしまい、画像濃度ムラが発生する。
図29(a)では、第2の磁性体62の磁極対向面62bが現像汲み上げ極P5と対向して配置されており、磁極対向面62bと現像剤汲み上げ極P5との間に広い磁界集中領域を形成する。すなわち、ドクタブレード上流側領域における磁極対向面62bと現像剤汲み上げ極との間の磁界集中領域の長さX1(現像スリーブによる現像剤搬送方向の長さ)が長い。そのため、図29(a)に示す比較例1の構成の場合、ドクタブレード上流側領域の磁界集中領域に進入した現像剤Gは、この磁界集中領域で既に拘束されている現像剤と衝突したり、その磁界集中領域中の磁界に拘束されたりして、その進行を妨げられながら磁界集中領域中を移動する。その結果、トナー濃度偏差が顕著な現像剤Gが磁界集中領域に搬送され、磁界集中領域を通過した後は、そのトナー濃度偏差が均され、その偏差が少なくなった状態に改善できる。
しかし、図29(a)に示す構成を備えた比較例1の現像装置と、図29(b)に示す構成を備えた比較例2の現像装置においてドクタギャップDGの距離を変えながら汲み上げ量を測定したところ、図30に示す結果を得られた。図30は、縦軸を現像剤の汲み上げ量(mg/cm)、横軸をドクタギャップDGとしたものである。図30の計測結果から、図29(a)に示す比較例1の現像装置の方が同じドクタギャップDGに対する汲み上げ量が図29(b)に示す比較例2の現像装置の場合よりも多くなる。
これは、ドクタブレード上流側領域における各磁性体と現像剤汲み上げ極との間の磁界集中領域に拘束されている現像剤Gが、図29(a)に示す現像装置の方が多く、また、図29(b)に示す現像装置だと現像剤Gは疎の状態であるため、図30の結果になったと推察される。図30から明らかなように図29(a)に示す現像装置の方が、所望の現像剤汲み上げ量(40−50(mg/cm)を得るための現像スリーブ51とドクタブレード52のドクタギャップDGが狭くなる。
このように、ドクタギャップDGが狭いと、次のような課題がある。
ドクタブレード52で現像剤を規制している規制位置近傍では、ドクタブレード52と現像剤との摩擦、スリーブ表面と現像剤との摩擦、現像剤同士の摩擦によって熱が発生する。この熱による現像剤の温度上昇は、現像剤中にトナーの凝集体を発生させたり、トナーの軟化による磁性キャリアへのトナースペントを促進して現像剤Gの寿命を短くしたりする不具合が発生する。
トナーに添加した外添剤が軟化したトナーに埋没して磁性キャリア同士が直に接触する機会が増えることにより、磁性キャリアの形状が変化して現像剤が劣化するという不具合も発生する。
現像剤中のトナーの温度上昇は、スリーブ表面上のトナーフィルミングの原因にもなる。すなわち、上記規制位置でトナーの温度が上昇すると、トナーが軟らかくなり、最終的にはトナーが溶融してしまう場合がある。この場合、トナーの溶融物が現像スリーブ51の表面にフィルム状に付着し、トナーフィルミングを発生させる。また、上述したようにトナーの温度上昇によりトナー凝集体が発生しやすくなると、そのトナー凝集体がドクタギャップDGに挟まってしまい、記録媒体P上にプリントされる画像上に白スジなどの異常画像の発生が多くなってしまう。
また、現像スリーブをスリーブ表面にサンドブラスト処理を施すことや、凹部、溝部を形成すると、スリーブ表面で保持する現像剤量が多くなるので、単位面積当たりの現像剤付着量(保持量)が大きくなるが、均一ではない。このため、サンドブラスト処理や凹部、溝部が形成されていない現像スリーブの場合と同様のドクタギャップDGとすると、ドクタギャップDGを通過する現像剤Gの総量が多くなるため、ドクタギャップDGを狭める方向となる。しかし、ドクタギャップDGを狭めると、白スジが発生し易くなる。
これに対し、図29(c)に示す本実施形態にかかる現像装置5Aの構成であると、ドクタブレード52の現像剤進入方向から見て、上流側の面に沿って固定された第一の磁性板63と、ドクタブレード52の現像剤進入方向から見て、上流側の面から突出している第二の磁性板62とを有している。そして、第一の磁性板63は、第二の磁性板62の突出部62aよりも現像スリーブ51側にその一端63aを有している。
このため、第二の磁性板62と現像剤汲み上げ極との間に広い磁界集中領域を形成するので、トナー濃度偏差が顕著な現像剤Gが磁界集中領域に搬送されてきても、磁界集中領域を通過した後は、そのトナー濃度偏差が均され、画像濃度ムラが無い画像が得られる。さらに、第一の磁性板63により、磁界集中領域に存在する現像剤Gからドクタブレード52を通過する現像剤を拘束するので、ドクタブレード52から現像領域に搬送される現像剤総量を減少させることができる。
図29(a)に示す比較例1の現像装置と、図29(c)に示す本実施形態の構成を備えた現像装置においてドクタギャップDGの距離を変えながら汲み上げ量を測定したところ、図31に示す結果を得られた。
図31から明らかなように、図29(c)に示す本実施形態に係る現像装置の構成とすると、所望の現像剤汲み上げ量(40−50(mg/cm)を得るためのドクタギャップDGを、図29(a)を備えた比較例1の現像装置よりも広くすることができる。その結果、画像濃度ムラが無く、さらに凝集体や異物等がドクタギャップDGに詰まらないので、画像上白スジなどの異常画像の発生がない良好な画像が得られる。
図32は、図29(c)に示す本実施形態の構成の現像装置5Aと、図29(a)の比較例1の現像装置とで10000枚のベタ画像を出力した時に白スジの異常画像が出力された枚数を比較したグラフである。図29(a)の比較例1の現像装置では、異常画像が500[枚]出力されたにもかかわらず、図29(c)に示す本実施形態の現像装置では、白スジを含んだ異常画像は1枚も出力されなかった。
表4は、図29(c)に示す本実施形態の現像装置と、図29(a),図29(b)に示した比較例1、2の現像装置とで、1000枚のベタ画像を出力した時に、画像濃度ムラの判定を行った結果である。
判定基準は、○:良好、△:許容、×:実用上使用できないレベル とした。
Figure 2014186291
図33は、図29(a)〜図29(c)の現像装置で出力したベタ画像の長手方向の10箇所を、上述した反射分光濃度計X−Rite939(X−Rite社製)で測定し、最も高い画像濃度IDを示した結果である。なお、図29(a)〜図29(c)の現像装置で出力した全ての画像において、同位置の点で画像濃度IDを測定した。
図29(c)に示す本実施形態の構成や、図29(a)に示す比較例1の構成のように、第2の磁性体62があり、磁界集中領域がスリーブ移動方向に広いと、1000枚ベタ画像を出力しても画像濃度ムラが無い良好な画像が得られるが、図29(b)の比較例2のように、スリーブ移動方向に磁界集中領域が狭いと、早い段階で良好な画像が得られなくなる。これは、トナー濃度が高くなった現像剤Gが磁界集中領域に供給されたとき、磁界集中領域でトナー濃度が均されずに現像領域に搬送されてしまったために、画像濃度IDが高く出てしまったと考えられる。
このようなことから、図29(c)に示す本実施形態の構成を備えた現像装置5Aをプロセスカートリッジや画像形成装置に用いると、ゴースト画像の発生を抑えることができるとともに、現像剤Gを多く保持可能な現像スリーブを用いても、画像濃度ムラが無く、さらにトナー凝集や異物がドクタギャップDGに詰まることによる白スジ発生の異常画像を防止することができる。

国内優先に関する内容
(第5の実施形態)
第1の実施形態では、現像スリーブ51のスリーブ表面51aにサンドブラスト処理を行なったが、スリーブ表面51aに形成された凹凸が非常に細かいため、現像剤Gなどにより該凹凸が徐々に削られることが想定される。したがって、前述したサンドブラスト処理が施された現像スリーブ51は、徐々に現像剤Gの搬送量(汲み上げ量)が減少するため、現像能力が低下し、形成した画像が徐々に薄くなる傾向となる。このため、第2の実施形態では、スリーブ表面151aに複数の凹部152が互いに重ならないように間隔をあけて多数設けて、現像剤Gの搬送量を確保できるようにした。
また、現像スリーブ51の現像剤Gの搬送量が減少すると、現像装置5のケース58と現像スリーブ上の現像剤Gにより、ポンプ効果(現像装置内へ吸い込み気流を発生させる)が低下し、トナー飛散の発生などの不具合が懸念される。トナー飛散が懸念されると、画像形成装置内を汚すことや、飛散量が多い場合には画像形成装置外まで汚してしまう。
ここで、現像剤Gの搬送量(汲み上げ量)が少なくなることで、現像装置5外にトナーが飛散するトナー飛散発生メカニズムについて図34(a)、図34(b)を用いて説明する。
トナーとキャリアからなる2成分現像方式では、通常、現像ローラ50のマグローラ55には、図5に示したように、P1極〜P5極の5つの磁極が形成されており、5つの磁極が形成されたマグローラ55の周囲を現像スリーブ51が回転することで、その回転にともない現像剤Gが現像スリーブ51の表面上を移動することになる。このときドクタブレード52で規制された現像ローラ50上の現像剤の量(以降、汲み上げ量とする)を各画像形成装置に最適になるように設定しているが、経時で汲み上げ量が大きく低下する場合は、トナー飛散が発生する。トナー飛散は、現像スリーブ51上の現像剤中の弱帯電トナーがキャリアから離れることで発生する。しかし、図34(a)に示すように、現像装置5の現像部よりも下流側のケース58の内面に現像剤Gが接触している場合は、現像剤Gが現像装置5内に空気を送り込むことで現像装置5内に吸い込み気流が発生するので、現像スリーブ51上の現像剤Gから離れた弱帯電トナーもその気流に乗って、現像装置5内に回収されるので、トナー飛散は発生しない。しかし、現像スリーブ51上の現像剤Gの汲み上げ量が低下すると、図34(b)に示すように、現像装置5の現像部よりも下流側のケース58の内面に現像剤Gが接触しなくなる。このように現像剤Gがケース58の内面と接触しなくなると、現像装置5内と現像装置5外は同じ気圧となることから、気流が発生せずに、現像装置5外にトナーが飛散してしまう。
そこで、本実施形態では、図35に示すように、サンドブラスト処理して微細な凹凸状とし、平均表面粗さRaを所定の範囲を4.0μm以上8.0μm以下に規定した現像スリーブ451の表面451aを、初期の負荷長さ率tp50%(凹凸の最大高さRyの高さ50%で切ったときの長さ)が50%以上80%以下とした。この現像スリーブ451は、第1の実施形態で説明した現像スリーブ51に代えて、マグローラ55の外周面で回転移動するように構成されている。現像スリーブ451を用いる現像装置としては、第1の実施形態と同一構成を用いるものとする。
ここでいう負荷長さ率tpとは、図36に示すように、粗さ曲線から、その平均線の方向に基準長さLだけ抜き取り、この抜き取り部分の粗さ曲線を山頂線に平行な切断レベルで切断したときに得られる切断長さの和(負荷長さηp)の基準長さLに対する比を百分率で表したものである。負荷長さ率tpを求める数式を下記に記載する。
Figure 2014186291
ここで、ηpはb1+b2+b3・・+bn(切断長さの和)、Lは基準長さを示す。
そこで、初期の現像スリーブ51の表面粗さtp(50%)を振ったときの経時の汲み上げ変動量とそのときのトナー飛散発生状況を確認した。今回の負荷長さ率tp(50%)を振った現像スリー部451は、アルミ製の現像スリーブ451にサンドブラスト処理をしたのち、テープ研磨処理を行い、ラッピングテープの粗さとテープ張力を変えることで作製した。このときの作製条件とスリーブ表面粗さRaと負荷長さ率tp(50%)(%)を表5に示す。
Figure 2014186291
サンドブラスト処理した現像スリーブ451の表面451aの負荷長さ率を振った現像装置をimagio MP c5000 改造機にて60000枚印刷したときの径時の汲み上げ変動率を図37に示す。そして、60000印刷後のトナー飛散の状況をトナーが現像装置外に付着しているか否かで確認した。トナーが付着していない若しくはわずかな場合は○、トナー飛散により現像装置が汚れている場合は×とし、表6に示す。
Figure 2014186291
表6の結果より、初期の現像スリーブ451の負荷長さ率tp(50%)が50%以上80%以下であれば、経時の汲み上げ量低下を低減でき、トナー飛散による汚れなどが発生せず、表面粗さRaが4μmを維持できている。このため、このような構成の現像スリーブ451を用いることで、経時の現像剤搬送量の低下を抑制して画像濃度を維持しながら、ゴースト画像のない安定した画像を長期わたって得ることができる。
しかし、負荷長さ率tp(50%)が80%以上になると、表面粗さRaが4.0μm以上を満たすことができないことから、80%以上はゴーストが発生すると考えられる。
次に、現像スリーブ451の表面形状について図38(a)〜図38(c)を用いて説明する。図38(a)は負荷長さ率tp(50%)が30%、図38(b)は負荷長さ率tp(50%)が50%、図38(c)は負荷長さ率tp(50%)が75%のときの模式図である。
表面にサンドブラストなどの粗す処理を行なった現像スリーブ451の表面451aは、図38(a)に示すように負荷長さ率tp(50%)が30%の場合、先端がとがった状態となっている。この場合、先端部は細く、現像剤Gとの摺擦により磨耗しやすい。しかし、図38(b)、図38(c)に示すように、表面451aを研磨処理して現像スリーブ451の初期から、予め磨耗する部分を除去して、負荷長さ率tp(50%)を50%や負荷長さ率tp(50%)を75%とすることで、経時での磨耗量を低減でき、現像剤Gの搬送量の変動を抑えることができる。
現像スリーブ451の表面451をサンドブラスト処理後に研磨処理を行なうことで、サンドブラストの微小な先端部を除去することができることによって、現像スリーブ451の経時での磨耗による汲み上げ量低下を低減することができる。図39に現像スリーブ451の表面451aの研磨方法の一例を示す。この研磨方法に用いる研磨機500は、複数の押し付けコロ501,502にラッピングテープ503が巻き掛けられたものである。現像スリーブ451は、回転駆動される保持部504に保持部504と一体回転するように装着されて保持される。
現像スリーブ451の表面451を研磨する場合、押し付けコロ501,502に巻き掛けられたラッピングテープ503を、押し付けコロ501,502にて現像スリーブ451の表面451aに押圧し、保持部504を回転駆動して現像スリーブ451を回転させながら摺擦することで研磨処理を行う。なお、ラッピングテープ503による研磨処理だけでなく、ほかの研磨処理手段を用いても無論構わない。
研磨方法
処理条件
ラッピングテープ張力 0.1〜0.15MPa
スリーブ回転数 1520rpm
テープ移動速度 60mm/sec
(第6の実施形態)
本実施形態は、図40に示すように、第2の実施形態と第5の実施形態とを1つの現像スリーブ551の表面551aに適用したものである。この現像スリーブ551は、第1の実施形態で説明した現像スリーブ51に代えて、マグローラ55の外周面で回転移動するように構成されている。現像スリーブ551を用いる現像装置としては、第1の実施形態と同一構成を用いるものとする。
本実施形態に係る現像スリーブ551は、経時の現像剤Gの汲み上げ量変動率をより低減するために現像スリーブ551の外表面である表面551aに、平面視で円形又は楕円形状とした凹みが、互いに重ならないように間隔をあけて多数配置した。本実施形態では、複数の凹部152が互いに重ならないように間隔をあけて多数設けている。
図41に、サンドブラスト処理した現像スリーブ551の表面551aの負荷長さ率を振っり、さらに、楕円形の凹部152を形成した現像スリーブ551を用いた現像装置をimagio MP c5000 改造機にて60000枚印刷したときの径時の汲み上げ変動率を示す。そして、60000枚印刷後のトナー飛散の状況をトナーが現像装置5外に付着しているかで確認した。評価は、トナーが付着していない若しくは僅か場合は○、トナー飛散により、現像装置が汚れている場合は×とし表7に示した。
条件
本体 imagio MP C5000 改造機
画像 画像面積率5%
現像装置 現像スリーブ
直径 20mm
材質 アルミ
表面処理 サンドブラスト処理アリ
粒度:F80 /射出圧:4kgf/cm2
※サンドブラスト処理のグレード:昭和電工 モランダム A−40
凹部:あり
ここでは、現像スリーブ551の表面551aには楕円形状の凹み152が互いに重ならないように間隔をあけて、規則的に又は不規則的に多数配置されて、凹み152の長手方向が現像スリーブ551の長手方向と平行に配置した。
形状:楕円形状
長手幅:1.15mm
深さ: 0.045mm
初期汲み上げ量 40mg/cm(トナー濃度7wt%)
現像スリーブとケースのギャップ 1.2mm
Figure 2014186291
この結果より、初期において現像スリーブ551の負荷長さ率tp(50%)は50%から80%の範囲でトナー飛散の発生を抑制することができている。トナー飛散が発生しない負荷長さ率tp(50%)は、第5の実施形態と同じとなってしまったが、汲み上げ量の変動量が第5の実施形態よりも低減できていることから、現像スリーブ551の表面551aに凹部152を配置することで、汲み上げ量変動の余裕度を向上することができ、トナー飛散の余裕度も増していると考えられる。
なお、第6の実施形態では、現像スリーブ551の表面551aに第2の実施形態で説明した楕円形の凹部152を形成したが、凹部152の寸法については、第2の実施形態と同様に変更することができる。また、現像スリーブ551の表面551aには、楕円形の凹部152ではなく、第3の実施形態で説明した溝部252、溝部352を形成してもよい。
また、第5、第6の実施形態に係る現像スリーブ451,551を備えた現像装置に、第4の実施形態の内容を追加して構成したものであってもよい。
1(Y、M、C、K) 像担持体
5(Y、M、C、K)5A 現像装置
6(Y、M、C、K) プロセスカートリッジ.
50 現像剤担持体
51、151、251、351、451、551 現像剤支持手段
51a、151a、251a、351a、451a、551a 現像剤支持手段の表面
52 現像剤規制部材
52a 上流側の面
55 磁界発生手段
62 第二の磁性板
63 第一の磁性板
63a 第一の磁性板の一端
152 凹部
252、352 溝部
G 二成分現像剤
K キャリア
Ra 平均表面粗さ
T トナー
tp 負荷長さ率
特許3356948号 特開2005−157002号 特開平11−231652号 特開平7−72733号 特開平7−128983号 特開平7−92813号 特開平11−65247号公報 特許第3501512号 特開平06−019322号

Claims (13)

  1. 像担持体に形成されている静電潜像に対してトナーとキャリアを含む二成分現像剤を供給するとともに、回転可能な筒状の現像剤支持手段と、前記現像剤支持手段に内包され、固定された磁界発生手段を有する現像剤担持体において、
    前記現像剤支持手段は、その表面にサンドブラスト処理が施され、当該表面の平均表面粗さRaが4.0μm以上8.0μm以下であることを特徴とする現像剤担持体。
  2. 前記現像剤支持手段の表面は、初期の負荷長さ率tp50%が50%以上80%以下であることを特徴とする請求項1記載の現像剤担持体。
  3. 前記現像剤支持手段の表面は、サンドブラスト処理したのちに、研磨処理をなされて構成されていることを特徴とする請求項2記載の現像剤担持体。
  4. 前記現像剤支持手段の表面に、複数の凹部が互いに重ならないように間隔をあけて、規則的に又は不規則的に多数設けられていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の現像剤担持体。
  5. 前記凹部が、平面視で楕円形状に形成され、かつ、その長手方向が前記現像剤支持手段の長手方向と平行になるように配置されていることを特徴とする請求項4に記載の現像剤担持体。
  6. 前記現像剤支持手段の表面に溝部が形成されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の現像剤担持体。
  7. 前記溝部の前記現像剤支持手段の周方向の断面形状が、V字状に形成されていることを特徴とする請求項6記載の現像剤担持体。
  8. 請求項1乃至7に記載の現像剤担持体を有することを特徴とする現像装置。
  9. 前記現像剤担持体の表面に担持された二成分現像剤の層厚を規制する現像剤規制部材と、
    前記現像剤規制部材の現像剤進入方向から見て、上流側の面に沿って固定された第一の磁性板と、
    前記現像剤規制部材の上流側の面から前記現像剤進入方向側に突出している第二の磁性板を有し、
    前記第一の磁性板は、前記第二の磁性板の突出部よりも現像剤担持体側にその一端を有することを特徴とする請求項8記載の現像装置。
  10. 前記キャリアの直径が25μm以上40μm以下であることを特徴とする請求項8又は9記載の現像装置。
  11. 前記キャリアの抵抗が、9乗から14乗であることを特徴とする請求項8、9又は10記載の現像装置。
  12. 請求項8乃至11の何れか1項に記載の現像装置を備えたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
  13. 請求項12記載のプロセスカートリッジを備えたことを特徴とする画像形成装置。
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