JP2014185797A - 薬剤供給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】薬注処理の実行中に開始されたブローダウン処理により、薬剤が無駄に消費されるのを抑制できる薬剤供給装置を提供する。
【解決手段】薬剤供給装置300は、薬剤投入時間及びブロー処理と薬剤投入時間との重複時間を計時する計時手段312と、ブロー処理中に薬剤投入時間が計時された場合には薬注処理を待機し、ブロー処理後に、重複時間に応じた投入量の薬剤で薬注処理を実行し、当該薬注処理の実行中に次のブロー処理が実行された場合には薬注処理を中断し、次のブロー処理の実行後に、一つ前のブロー処理中に供給されなかった薬剤の投入量分と、次のブロー処理中における重複時間に応じた薬剤の投入量とを合計した量の薬剤で薬注処理を実行させる薬注制御部311と、を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、産業用設備に設けられた循環水系に薬剤を供給する薬剤供給装置に関する。
従来、商業ビル、工業プラント等には、循環水系を有する各種の産業用設備が設置されている。例えば、循環水系を有する産業用設備として冷却塔が知られている。この冷却塔には、空調機や冷凍機に組み込まれた熱交換器等の被冷却装置が接続されている。循環水系には、これら装置を冷却するための冷却水が循環する。冷却水は、冷却塔で冷却されながら、循環水系を循環する(以下、循環する冷却水を「循環水」ともいう)。すなわち、循環水は、循環水系を介して冷却塔と被冷却装置との間を循環する。
循環水が冷却塔で冷却される際に、循環水の一部は蒸発する。そのため、循環水を継続的に循環させると、循環水の濃縮度が徐々に高くなり、水質が悪化する。そこで、循環水の水質を改善するために、ブローダウン処理が実行される。ブローダウン処理は、外部から定期的に新鮮な補給水を供給すると共に、濃縮度の高い循環水の一部を外部に排出して循環水を希釈する処理である。また、ブローダウン処理が実行された際には、循環水又は補給水に、スケール防止剤や防食剤等の薬剤を供給する処理(以下、「薬注処理」ともいう)も実行される。
従来、予め設定された時間において薬注処理を実行する薬注制御装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
実用新案登録第3049405号公報
上述した特許文献1に記載の薬注制御装置のように、予め設定された時間において薬注処理を実行する方式では、ブローダウン処理の実行中に薬注処理が開始される場合がある。従来、ブローダウン処理の実行中に薬注処理が開始された場合には、ブローダウン処理が終了するまで薬注処理の実行を停止させ、ブローダウン処理の終了後に薬注処理を実行させることが行われている。
しかし、ブローダウン処理の終了後、停止させた薬注処理を実行している間に、更に次のブローダウン処理が実行されることがある。その場合、従来の薬注制御装置では、次のブローダウン処理において、薬注処理で供給された薬剤が直ちに循環水の一部と共に系外に排出されてしまい、薬剤の無駄が発生するおそれがあった。
従って、本発明は、停止させた薬注処理の実行中に開始されるブローダウン処理により、薬剤が無駄に消費されるのを抑制できる薬剤供給装置を提供することを目的とする。
本発明は、循環水が循環する循環水系に薬剤を供給する薬剤供給処理を実行可能な薬剤供給手段と、前記循環水系に薬剤が供給される薬剤投入時間、前記循環水系に薬剤が供給されない薬剤投入間隔、及び補給水を前記循環水系に供給しながら、当該循環水系を流通する循環水の一部を外部に排出するブローダウン処理と前記薬剤投入時間との重複時間を計時する計時手段と、前記計時手段の計時する前記薬剤投入時間の期間中に、当該薬剤投入時間に応じた投入量の薬剤が前記循環水系に供給されるように、前記薬剤供給手段において前記薬剤供給処理を実行させる薬剤供給制御部と、を備え、前記薬剤供給制御部は、(i)前記ブローダウン処理の実行中に、前記計時手段による前記薬剤投入時間の計時が開始された場合には、前記薬剤供給処理の実行を待機させ、前記ブローダウン処理の終了後に、前記計時手段で計時された前記重複時間に応じた投入量の薬剤が前記循環水系に供給されるように、前記薬剤供給手段において前記薬剤供給処理を実行させ、(ii)待機させた前記薬剤供給処理の実行中に、次のブローダウン処理が実行された場合には、前記薬剤供給処理を中断させ、前記次のブローダウン処理の終了後に、中断した前記薬剤供給処理を再開させて、一つ前の前記ブローダウン処理の実行期間中に前記循環水系に供給されなかった薬剤の投入量分と、前記次のブローダウン処理の実行期間中に前記計時手段で計時された重複時間に応じた薬剤の投入量とを合計した量の薬剤が前記循環水系に供給されるように、前記薬剤供給手段において前記薬剤供給処理を実行させる薬剤供給装置に関する。
また、前記薬剤供給制御部は、前記循環水系を循環水が循環し、且つ前記計時手段の計時する薬剤投入時間中に、予め設定された投入量の薬剤が前記循環水系に供給されるように、前記薬剤供給手段において前記薬剤供給処理を実行させることが好ましい。
本発明によれば、薬注処理の実行中に開始されたブローダウン処理により、薬剤が無駄に消費されるのを抑制できる薬剤供給装置を提供することができる。
実施形態の冷却システム1を示す概略構成図である。 実施形態の冷却システム1の制御に係る機能ブロック図である。 薬剤供給装置300の概略構成図である。 インターバル薬注により薬注処理を実行するタイミングを示すタイムチャートである。 システム制御ユニット100においてブローダウン処理を実行する場合の処理手順を示すフローチャートである。 薬剤供給装置300において薬注処理を実行する場合の処理手順を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。この実施形態では、本発明に係る薬剤供給装置を適用した冷却システムについて説明する。図1は、本実施形態の冷却システム1を示す概略構成図である。図2は、冷却システム1の制御に係る機能ブロック図である。図3は、薬剤供給装置300の概略構成図である。
図1に示すように、本実施形態の冷却システム1は、空調機や冷凍機に組み込まれた熱交換器等の被冷却装置131を冷却するために、循環水W2(冷却水)を循環させるシステムである。冷却システム1の運転中、循環水W2は、冷却塔120で冷却されながら循環して用いられる。循環水W2は、蒸発、飛散及びブローダウン処理(後述)等により減少した分が外部から補給される。本実施形態において、産業用設備としての冷却塔120は、いわゆる開放式冷却塔である。
本実施形態の冷却システム1は、主な構成として、冷却塔120と、被冷却装置131と、循環水ポンプ132と、電気伝導率センサ133と、補給水バルブ136と、システム制御ユニット100と、薬剤供給装置300と、を備える。また、冷却システム1は、主なラインとして、循環水ラインL110と、補給水ラインL120と、を備える。「ライン」とは、流路、経路、管路等の流体の流通が可能なラインの総称である。図1(及び図3)では、電気的な接続の経路を破線で示している。
冷却塔120は、補給水W1が供給されると共に、この補給水W1を循環水W2として被冷却装置131へ供給し、被冷却装置131から回収(返送)される循環水W2を冷却する設備である。冷却塔120は、塔本体121と、貯留部122と、を備える。冷却塔120は、循環水ラインL110と共に循環水系を構成する。
塔本体121は、冷却塔120の外郭を形成する筐体である。塔本体121は、散水部、ファン、開口部、ルーバー、充填材等からなる循環水冷却部(不図示)を有する。循環水W2は、循環水冷却部により冷却され、貯留部122に落下する。
貯留部122は、循環水冷却部で冷却された循環水W2を貯留する部位である。貯留部122は、塔本体121の下部に設けられている。貯留部122の底部には、循環水ラインL110の循環水供給ラインL111(後述)が接続されている。貯留部122に貯留された循環水W2は、循環水供給ラインL111を介して被冷却装置131へ供給される。なお、貯留部122には、ブローダウン処理において使用される給水栓137及びオーバーフロー口138が設けられている。
循環水ラインL110は、冷却塔120と被冷却装置131との間で循環水W2を循環させるラインである。循環水ラインL110は、循環水供給ラインL111と、循環水回収ラインL112と、を有する。
循環水供給ラインL111は、貯留部122と被冷却装置131との間を接続する。貯留部122内の循環水W2は、循環水供給ラインL111を介して被冷却装置131に供給される。
循環水供給ラインL111の途中には、循環水ポンプ132が設けられている。循環水ポンプ132は、循環水ラインL110(循環水供給ラインL111、循環水回収ラインL112)の上流側から下流側へ向けて、循環水W2を送り出すことができる。循環水ポンプ132は、システム制御ユニット100と電気的に接続されている。循環水ポンプ132の運転(駆動及び停止)は、システム制御ユニット100から出力されるポンプ運転信号により制御される。
循環水回収ラインL112は、被冷却装置131と塔本体121との間を接続するラインである。被冷却装置131において熱交換により加温された循環水W2は、循環水回収ラインL112を介して塔本体121の循環水冷却部(不図示)に回収される。
被冷却装置131は、循環水W2による冷却が必要な熱交換器等の各種装置である。被冷却装置131は、例えば、各種の化学プラントのターボ冷凍機や吸収冷凍機、建築物の空調用冷却機、食品工場の冷水製造機や真空冷却機等である。
被冷却装置131において、循環水流路の一方の端部には、循環水供給ラインL111の下流側の端部が接続されている。また、被冷却装置131において、循環水流路の他方の端部には、循環水回収ラインL112の上流側の端部が接続されている。
電気伝導率センサ(以下、「ECセンサ」ともいう)133は、貯留部122内の循環水W2の水質を測定して、検出電気伝導率値として出力する装置である。ECセンサ133は、システム制御ユニット100と電気的に接続されている。ECセンサ133で測定された検出電気伝導率値(以下、「電気伝導率EC」ともいう)は、システム制御ユニット100へ送信される。ECセンサ133は、リアルタイムで循環水W2の電気伝導率を測定し、システム制御ユニット100へ電気伝導率ECを送信する。
薬剤供給装置300は、貯留部122内の循環水W2に、スケール防止剤、防食剤、殺菌剤等の薬剤を供給する薬注処理を実行可能な装置である。薬剤供給装置300は、薬剤供給ラインL140を介して貯留部122に接続されている。薬剤供給装置300は、システム制御ユニット100と電気的に接続されている。薬剤供給装置300の構成については、後に詳細に説明する。
スケール防止剤は、水中でのスケールの成長、或いは配管表面等へのスケールの堆積を防止するために用いられる化合物である。防食剤は、主に配管系等における全面腐食、或いはピッチング等の部分腐食の発生を抑制するために用いられる化合物である。殺菌剤は、水中における微生物の繁殖を抑制するために用いられる化合物であり、スライムコントロール剤とも呼ばれる。本実施形態では、スケール防止剤、防食剤、及び殺菌剤を総称して「薬剤」又は「薬剤W3」という。
スケール防止剤、防食剤、及び殺菌剤は、例えば一液型のマルチ薬剤として提供され、薬剤タンク330、薬剤供給ポンプ350及び薬剤供給ラインL140(いずれも後述)から貯留部122に供給される。
薬剤供給ラインL140は、薬剤W3を貯留部122へ供給するラインである。薬剤供給ラインL140の上流側の端部は、薬剤供給ポンプ350(後述)の吐出口に接続されている。薬剤供給ラインL140の下流側の端部は、貯留部122に接続されている。
また、冷却塔120には、補給水ラインL120が接続されている。補給水ラインL120は、補給水W1を貯留部122へ補給するラインである。補給水ラインL120は、上流側に第1補給水ラインL121を備え、下流側に第2補給水ラインL122及び第3補給水ラインL123を備える。第1補給水ラインL121は、水道水や工業用水等の補給水W1の供給源(不図示)に接続されている。補給水ラインL120は、分岐部J1において、第2補給水ラインL122及び第3補給水ラインL123に分岐している。分岐部J1は、補給水W1の供給源と冷却塔120との間に配置されている。
第2補給水ラインL122の下流側の端部は、塔本体121に接続されている。第2補給水ラインL122において、分岐部J1と冷却塔120との間には、補給水バルブ136が設けられている。
補給水バルブ136は、第2補給水ラインL122を開閉することができる。第2補給水ラインL122を開くことにより、補給水W1を貯留部122に強制的に供給することができる。補給水バルブ136は、システム制御ユニット100と電気的に接続されている。補給水バルブ136の開閉状態は、システム制御ユニット100(ブローダウン処理制御部200)から出力されるバルブ駆動信号により制御される。補給水バルブ136を開状態とすることにより、第2補給水ラインL122を開くことができる。補給水バルブ136を閉状態とすることにより、第2補給水ラインL122を閉じることができる。
第3補給水ラインL123の下流側の端部は、塔本体121に接続されている。第3補給水ラインL123の下流側の端部には、給水栓137が設けられている。給水栓137は、貯留部122内の循環水W2の水位(すなわち、水量)を管理するボールタップ式の給水設備である。循環水W2の蒸発及び飛散により貯留部122の水位が低下すると、給水栓137のボールタップが作動し、第3補給水ラインL123を流通する補給水W1が貯留部122に補給される。
排水ラインL130は、貯留部122の内部に略垂直に取り付けられている。排水ラインL130は、貯留部122から更に下方に延びている。排水ラインL130の上流側の端部は、循環水W2のオーバーフロー口138を形成する。オーバーフロー口138は、給水栓137の管理水位よりも上方に開口する。一方、排水ラインL130の下流側の端部は、貯留部122の外部に通じている。排水ラインL130は、後述するブローダウン処理において、補給水バルブ136が開状態となり、補給水W1を強制的に供給した場合に、貯留部122から溢れた循環水W2を系外に排出するラインである。
上記構成において、補給水バルブ136を開状態とすることにより、補給水W1を冷却塔120に補給しながら、循環水W2の一部を冷却塔120から外部に排出するブローダウン処理を実行させることができる。
次に、図2を参照して、冷却システム1の制御に係る機能について説明する。
システム制御ユニット100は、冷却システム1における各部の動作を制御する。図2に示すように、システム制御ユニット100は、例えば、循環水ポンプ132、薬剤供給装置300、及び補給水バルブ136と電気的に接続される。
また、システム制御ユニット100は、冷却システム1の各測定装置と電気的に接続され、これら測定装置から測定情報を受信する。例えば、システム制御ユニット100は、測定装置としてのECセンサ133と電気的に接続される。システム制御ユニット100において、ECセンサ133を含む各測定装置から受信した最新の測定情報は、適宜、メモリ210に記憶される。
システム制御ユニット100は、ブローダウン処理制御部200と、メモリ210と、を備える。システム制御ユニット100におけるブローダウン処理制御部200の機能は、CPU及び内部メモリ含むマイクロプロセッサ(不図示)により実現される。
ブローダウン処理制御部200は、ECセンサ133で検出された循環水W2の電気伝導率ECが、予め設定された上限閾値ECb1以上となった場合に、補給水バルブ136を制御して循環水W2のブローダウン処理を実行させる。上限閾値ECb1は、例えば、スケール防止剤及び防食剤の効果の持続性を担保できる濃縮倍数を考慮して決定される。
ブローダウン処理制御部200は、ブローダウン処理として、循環水W2の排水及び補給水W1の補給を同時に(又は連続して)実施する。具体的には、ブローダウン処理制御部200は、電気伝導率EC≧上限閾値ECb1となった場合、すなわち循環水W2の水質が悪化した場合には、補給水バルブ136を開状態として、第2補給水ラインL122を通じて新鮮な補給水W1を貯留部122に強制的に補給する。補給水W1が補給されると、貯留部122の水位が上昇するため、オーバーフロー口138から溢れた循環水W2が排水ラインL130を通じて外部に排出される。すなわち、ブローダウン処理が実行されると、濃縮の進んだ循環水W2の一部が補給水W1と入れ替わる。そのため、循環水ラインL110を流通する循環水W2は、全体として電気伝導率ECが低下する。
そして、ブローダウン処理制御部200は、補給水バルブ136を開状態とした後、電気伝導率EC≦下限閾値ECb2となった場合、すなわち循環水W2の水質が回復した場合には、補給水バルブ136を閉状態として、補給水W1の補給を停止させる。なお、当然ながら、ブローダウン処理の開始点である上限閾値ECb1とブローダウン処理の終了点である下限閾値ECb2との関係は、上限閾値ECb1>下限閾値ECb2である。
ブローダウン処理制御部200は、ブローダウン処理を実行する際に、薬剤供給装置300に外部停止信号(インターロック信号)を出力する。外部停止信号は、ブローダウン処理の実行(開始)を通知するための信号である。また、ブローダウン処理制御部200は、ブローダウン処理が終了した際に、薬注供給装置300への外部停止信号の出力を停止する。
メモリ210は、ブローダウン処理等に関する各種のデータを記憶する記憶装置である。例えば、メモリ210には、ECセンサ133で測定された電気伝導率EC(更新値)、ブローダウン処理の開始点である上限閾値ECb1(設定値)、ブローダウン処理の終了点である下限閾値ECb2(設定値)、ブローダウン処理を実行させるための制御プログラム等が記憶される。
次に、図3を参照して、薬剤供給装置300の構成について詳細に説明する。
図3に示すように、薬剤供給装置300は、主な構成として、薬注制御ユニット310と、薬剤タンク330と、薬剤供給ポンプ350と、を備える。このうち、薬剤タンク330及び薬剤供給ポンプ350は、本発明における薬剤供給手段を構成する。
まず、薬剤供給装置300の制御系の構成について説明する。薬注制御ユニット310は、薬剤供給制御部としての薬注制御部311と、計時手段としての計時部312と、メモリ320と、を備える。薬注制御ユニット310における薬注制御部311及び計時部312の各機能は、CPU及び内部メモリ含むマイクロプロセッサ(不図示)により実現される。なお、本実施形態において、システム制御ユニット100は、薬剤供給装置300に搭載されており、システム制御ユニット100と薬注制御ユニット310の間で各種の測定値や制御状態等の情報を共有する。
薬注制御部311は、薬剤投入時間(後述)の期間中に、当該薬剤投入時間に応じた投入量(後述するQ)の薬剤が循環水W2に供給されるように、薬剤供給ポンプ350において薬注処理(インターバル薬注)を実行させる。
薬注制御部311は、ブローダウン処理の実行中に、計時部312による薬剤投入時間の計時が開始された場合には、薬注処理の実行を待機(停止)する。そして、薬注制御部311は、ブローダウン処理の終了後に、計時部312で計時された重複時間Tに応じた投入量の薬剤が循環水W2に供給されるように、薬剤供給ポンプ350において薬注処理を実行させる。重複時間Tとは、ブローダウン処理と薬剤投入時間とが重複する時間である。重複時間Tは、計時部312により計時される。
薬注制御部311は、ブローダウン処理制御部200から外部停止信号が出力されたときには、ブローダウン処理が開始(実行)されたと判定して、薬注処理の実行を待機する。また、薬注制御部311は、ブローダウン処理制御部200から外部停止信号の出力が停止したときには、ブローダウン処理が終了したと判定する。
また、薬注制御部311は、待機した薬注処理の実行中に、次のブローダウン処理が実行された場合には、薬注処理を中断(停止)し、次のブローダウン処理の終了後に、中断した薬注処理を再開する。そして、薬注制御部311は、一つ前のブローダウン処理の実行期間中に循環水W2に供給されなかった薬剤の投入量分と、次のブローダウン処理の実行期間中に計時部312で計時された重複時間Tに応じた薬剤の投入量とを合計した量の薬剤が循環水W2に供給されるように、薬剤供給ポンプ350において薬注処理を実行させる。
なお、薬注制御部311は、薬注処理の実行中に次のブローダウン処理が実行され、薬注処理の実行を中断させた場合には、一つ前のブローダウン処理の実行期間中に循環水W2に供給されなかった薬剤の投入量分、及び次のブローダウン処理の実行期間中に計時部312で計時された重複時間Tをメモリ320に記憶させる。
そして、薬注制御部311は、次のブローダウン処理の終了後に、メモリ320に記憶された薬剤の投入量分と、次のブローダウン処理の実行期間中に計時部312で計時された重複時間Tに応じた薬剤の投入量分とを合計した量(以下、「合計量」ともいう)の薬剤が循環水W2に供給されるように、薬剤の合計量に対応したパルス幅を有するポンプ駆動信号を薬剤供給ポンプ350に出力する。
薬注制御部311において、上述した薬注処理は、冷却塔120の運転中で、且つ計時部312の計時する薬剤投入時間中に実行される。薬注制御部311は、システム制御ユニット100から循環水ポンプ132へ出力されるポンプ運転信号に基づいて、冷却塔120の運転状態を判定する。すなわち、薬注制御部311は、システム制御ユニット100から循環水ポンプ132へポンプ運転信号が出力されている場合には、冷却塔120が運転中であると判定する。また、薬注制御部311は、システム制御ユニット100から循環水ポンプ132へポンプ運転信号が出力されていない場合には、冷却塔120が運転停止中であると判定する。なお、ポンプ運転信号は、システム制御ユニット100から薬注制御部311にも送信される。
計時部312は、予め設定された薬剤投入時間及び薬剤投入間隔を交互に計時する。薬剤投入時間とは、循環水W2に薬剤を供給する時間、すなわち薬剤供給ポンプ350の運転時間である。薬剤投入間隔とは、循環水W2に薬剤を供給しない期間、すなわち薬剤供給ポンプ350の運転を停止している期間である。
計時部312は、ポンプ駆動信号が出力されたことを薬注制御部311から通知されると、薬剤投入時間の計時をスタートする。また、計時部312は、ポンプ駆動信号の出力が停止したことを薬注制御部311から通知されると、薬剤投入時間の計時をストップする。計時部312は、計時した薬剤投入時間をメモリ320に記憶させる。
計時部312は、ポンプ駆動信号の出力が停止したことを薬注制御部311から通知されると、薬剤投入間隔の計時をスタートする。また、計時部312は、ポンプ駆動信号が出力されたことを薬注制御部311から通知されると、薬剤投入時間の計時をストップする。計時部312は、計時した薬剤投入間隔をメモリ320に記憶させる。
また、計時部312は、ブローダウン処理と薬剤投入時間との重複時間Tを計時する。計時部312は、ブローダウン処理の実行中に、薬剤投入時間の計時をスタートした場合には、同時に重複時間Tの計時をスタートする。そして、計時部312は、ブローダウン処理が終了したときに、重複時間Tの計時をストップする。計時部312は、計時した重複時間Tを、メモリ320に記憶させる。なお、ブローダウン処理中、薬注処理は実行されない。言い換えると、ブローダウン処理中は、薬剤投入時間の計時をスタートしても、実際には薬注処理は実行されない。そのため、重複時間Tは、実質的にブローダウン処理により薬剤が供給されなかった時間を意味する。
メモリ320は、薬注処理に関する各種のデータを記憶する記憶装置である。例えば、メモリ320には、薬剤投入時間、薬剤投入間隔、ブローダウン処理と薬剤投入時間との重複時間T、中断させた薬注処理又は補助薬注処理において循環水W2に供給されなかった薬剤の投入量分Q、薬注処理を実行させるための制御プログラム等が記憶される。
次に、図3に示す薬剤供給装置300において、循環水W2に薬剤W3を供給するライン及びその周辺設備の構成について説明する。
薬剤タンク330は、内部に薬剤を貯留可能な容器である。薬剤タンク330の内部には、レベルセンサ340が設けられている。また、薬剤タンク330には、薬剤供給ポンプ350が接続されている。
レベルセンサ340は、薬剤タンク330内の薬剤の液位(すなわち、液量)を検出する機器である。レベルセンサ340は、薬注制御ユニット310と電気的に接続されている。レベルセンサ340は、薬剤タンク330内の薬剤の液位に応じたレベル信号を出力する。レベルセンサ340から出力されたレベル信号は、薬注制御ユニット310に送信される。薬注制御ユニット310は、レベル信号が満水液位Aから減少して、設定液位Bに満たなくなると、例えば、警報器に警報を一定時間発生させて、管理者に薬剤の補充を促す。
薬剤供給ポンプ350は、薬剤タンク330内の薬剤W3を、薬剤供給ラインL140を介して貯留部122に向けて送出する装置である。本実施形態の薬剤供給ポンプ350は、電磁駆動ダイアフラム式の定量ポンプである。薬剤供給ポンプ350として、電磁駆動ダイアフラム式の定量ポンプを用いた場合、ダイアフラム弁(不図示)が往復運動することにより、薬剤W3が断続的に薬剤供給ラインL140へ押し込まれる。その結果、薬剤供給ラインL140の上流側では圧力が上昇するため、薬剤W3は、薬剤供給ラインL140の下流側から貯留部122に吐出される。
薬剤供給ポンプ350は、ダイアフラム弁の1ストローク当たりの吐出量[mL/ストローク]を所定値に設定し、且つストローク数[ストローク/分]を増減することにより、薬剤の吐出流量[mL/分]を調節できる。ストローク数とは、単位時間当たりにダイアフラム弁が往復運動する回数をいい、1往復が1ストロークに相当する。薬剤供給ポンプ350は、薬注制御部311(薬注制御ユニット310)と電気的に接続されている。薬剤供給ポンプ350は、薬注制御部311からポンプ駆動信号(パルス信号)が出力されると、そのパルス幅の期間(以下、「運転時間」ともいう)に亘って、指定されたストローク数での薬剤の投入を実行する。
なお、本実施形態では、スケール防止剤、防食剤、及び殺菌剤を配合した一液型のマルチ薬剤を、一つの薬剤供給装置300から貯留部122に供給する例について説明する。化合物の特性により一液に配合することが困難な場合には、スケール防止剤、防食剤、及び殺菌剤を、それぞれ個別の薬剤供給装置から貯留部122に供給してもよい。
薬剤供給ラインL140には、フローチェッカ141及びチェックバルブ142が設けられている。
フローチェッカ141は、薬剤供給ラインL140における薬剤W3の流通状態を検出する機器である。フローチェッカ141は、薬注制御ユニット310と電気的に接続されている。フローチェッカ141は、薬剤供給ラインL140を薬剤W3が適正に流通していないことを検出した場合、薬注制御ユニット310に検出信号を送信する。例えば、薬剤供給ラインL140に気泡や固形物が混入し、一時的に薬剤W3の流通が滞った場合には、フローチェッカ141から薬注制御ユニット310に閉塞検出信号が送信される。フローチェッカ141は、薬剤供給ラインL140において、薬剤タンク330とチェックバルブ142との間に設けられている。
チェックバルブ142は、薬剤の流通方向を規制する弁である。チェックバルブ142は、薬剤タンク330から貯留部122に向けて薬剤W3が圧送されるときには、弁体が開き、貯留部122から逆流が起こったときには、弁体が閉じる。チェックバルブ142は、薬剤供給ラインL140と貯留部122との接続部分に設けられている。
次に、薬剤供給装置300において、薬注処理(インターバル薬注)を実行するタイミングについて、図4を参照しながら説明する。
図4(A)は、ブローダウン処理の実行中に薬剤投入時間の計時が開始された場合のタイムチャートである。また、図4(B)は、薬注処理の実行中に次のブローダウン処理が実行された場合のタイムチャートである。
なお、図4おいて、「ブローダウン動作」は、ブローダウン処理の実行時間(補給水バルブ136の開時間)を示す。「薬注動作」は、薬剤供給ポンプ350(薬剤供給装置300)の運転時間を示す。なお、図3に示す波形は、それぞれの時間間隔を概念的な長さで示しており、実際の時間間隔とは対応していない。また、薬注動作においては、循環水W2に供給される薬剤の投入量Q(Q、Q等)を、その投入量に比例したパルス幅(時間)で示す。
図4(A)の薬注動作のタイムチャートに示すように、薬注制御部311は、薬剤投入時間Tの期間で薬注処理を実行し、薬剤投入間隔Tの期間で薬注処理を停止する、という制御を交互に繰り返す。なお、図4(A)において、薬剤投入時間Tに応じた薬剤の投入量をQとする。
薬注制御部311は、図4(A)に示すように、ブローダウン処理Aの実行中に、計時部312による薬剤投入時間Tの計時がスタートした場合には、薬注処理aの実行を待機(停止)する。なお、薬注処理aの実行を待機している間も、計時部312による薬剤投入時間Tの計時は継続する。また、計時部312は、ブローダウン処理Aの実行中に、薬剤投入時間Tの計時をスタートした場合には、同時に重複時間Tの計時をスタートする。
そして、薬注制御部311は、ブローダウン処理Aの終了後に、計時部312で計時された重複時間T(図中、斜線部)に応じた投入量Qの薬剤が循環水W2に供給されるように、薬剤供給ポンプ350において薬注処理aを実行させる。すなわち、薬注制御部311は、ブローダウン処理Aの終了後に、ブローダウン処理Aの実行により循環水W2に供給されなかった投入量Qの薬剤が循環水W2に供給されるように、投入量Qを含む所定の投入量に対応したパルス幅を有するポンプ駆動信号を薬剤供給ポンプ350に出力する。
薬注処理aは、通常は薬剤投入間隔Tの経過後に開始されるが、この場合には、ブローダウン処理Aの終了後に開始される。また、薬注処理aは、通常は薬剤投入時間Tに合わせて終了するが、この場合には、薬剤投入時間Tの経過後に、更に投入量Qの薬剤が循環水W2に供給される。
次に、図4(B)に示すように、薬注処理aの実行中に、次のブローダウン処理Bが実行された場合、薬注制御部311は、ブローダウン処理Bが終了するまで薬剤供給ポンプ350へのポンプ駆動信号の出力を停止して、薬注処理aの実行を中断(停止)する。なお、薬注処理aの実行を中断している間も、計時部312による薬剤投入時間Tの計時は継続する。また、計時部312は、ブローダウン処理Bが実行されたときに、薬剤投入時間Tの計時が継続している場合には、重複時間Tの計時をスタートする。
そして、薬注制御部311は、ブローダウン処理Bの終了後に、一つ前のブローダウン処理Aの実行期間中に循環水W2に供給されなかった薬剤の投入量Qと、次のブローダウン処理Bの実行期間中に計時された重複時間Tに応じた薬剤の投入量Qとを合計した量の薬剤が循環水W2に供給されるように、薬剤の合計量Q+Qに対応したパルス幅を有するポンプ駆動信号を薬剤供給ポンプ350に出力する。これにより、薬剤供給装置300において、薬注処理aが薬注処理a´として実行される。
なお、図4(B)に示すように、薬注処理aにおいて、ブローダウン処理AとBとの間に循環水W2に供給された薬剤の投入量Qとすると、ブローダウン処理Bの終了後に、薬剤の合計量Q+Qによる薬注処理a´が実行されることにより、循環水W2には、薬剤投入時間Tに応じた投入量Qの薬剤がすべて供給されることになる。
次に、本実施形態の冷却システム1において実行されるブローダウン処理及び薬注処理の動作を、図5及び図6に示すフローチャートを参照して説明する。
まず、ブローダウン処理について説明する。図5は、システム制御ユニット100においてブローダウン処理を実行する場合の処理手順を示すフローチャートである。図5に示すフローチャートの処理は、メモリ210に記憶された制御プログラムに基づいて、ブローダウン処理制御部200により実行される。また、図5に示すフローチャートの処理は、冷却システム1の運転中において、繰り返し実行される。
図5に示すステップST101において、ブローダウン処理制御部200は、ECセンサ133で測定された循環水W2の電気伝導率EC、及びブローダウン処理の開始点である上限閾値ECb1をメモリ210から取得する。
ステップST102において、ブローダウン処理制御部200は、電気伝導率ECが上限閾値ECb1以上か否かを判定する。このステップST102において、ブローダウン処理制御部200により、電気伝導率EC≧上限閾値ECb1である(YES)と判定された場合には、循環水W2の濃縮度が所定の濃縮度に達したため、処理はステップST103へ移行する。また、ステップST102において、ブローダウン処理制御部200により、電気伝導率EC<上限閾値ECb1である(NO)と判定された場合には、循環水W2の濃縮度が所定の濃縮度に達していないため、処理はステップST101へ戻る。
ステップST103(ステップST102:YES)において、ブローダウン処理制御部200は、補給水バルブ136を開状態として、ブローダウン処理を開始する。
ステップST103においてブローダウン処理を実行させることにより、補給水W1が貯留部122に強制的に補給される一方、貯留部122内の循環水W2の一部が排水ラインL130から外部に排出されるため、循環水W2の電気伝導率ECは徐々に低下する。
ステップST104において、ブローダウン処理制御部200は、ECセンサ133で測定された循環水W2の電気伝導率EC、及びブローダウン処理の終了点である下限閾値ECb2をメモリ210から取得する。
ステップST105において、ブローダウン処理制御部200は、電気伝導率ECが下限閾値ECb2以下か否かを判定する。このステップST105において、ブローダウン処理制御部200により、電気伝導率EC≦下限閾値ECb2である(YES)と判定された場合には、循環水W2の濃縮度が十分に低下したと考えられるため、処理はステップST106へ移行する。また、ステップST105において、ブローダウン処理制御部200により、電気伝導率EC>下限閾値ECb2である(NO)と判定された場合には、循環水W2の濃縮度が未だ低下していないと考えられるため、処理はステップST104へ戻る。
ステップST106(ステップST105:YES)において、ブローダウン処理制御部200は、補給水バルブ136を閉状態として、ブローダウン処理を終了する。これにより、本フローチャートの処理は終了する(ステップST101へリターンする)。
次に、通常薬注処理について説明する。図6は、薬剤供給装置300において薬注処理を実行する場合の処理手順を示すフローチャートである。図6に示すフローチャートの処理は、メモリ320に記憶された制御プログラムに基づいて、薬注制御ユニット310(薬注制御部311、計時部312)により実行される。また、図5に示すフローチャートの処理は、冷却システム1の運転中において、繰り返し実行される。なお、計時部312による薬剤投入時間T及び薬剤投入間隔Tの計時は、冷却システム1の運転中においては、ブローダウン処理の有無に係わらず継続して実行される。
図6に示すステップST201において、薬注制御部311は、循環水ポンプ132へのポンプ運転信号の出力があるか否か(冷却塔120の運転中か否か)を判定する。このステップST201において、薬注制御部311により、循環水ポンプ132へのポンプ運転信号の出力がある(YES)と判定された場合に、処理はステップST202へ移行する。また、ステップST201において、薬注制御部311により、循環水ポンプ132へのポンプ運転信号の出力がない(NO)と判定された場合に、処理はステップST201へ戻る。
ステップST202(ステップST201:YES)において、薬注制御部311は、計時部312により薬剤投入時間Tの計時が開始されたか否かを判定する。このステップST202において、計時部312により薬剤投入時間Tの計時が開始された(YES)と判定された場合に、処理はステップST203へ移行する。また、ステップST202において、計時部312により薬剤投入時間Tの計時が開始されていない(NO)と判定された場合に、処理はステップST202へ戻る。
ステップST203(ステップST202:YES)において、薬注制御部311は、ブローダウン処理が開始(実行)されたか否かを判定する。薬注制御部311は、ブローダウン処理制御部200から出力される外部停止信号の有無により、ブローダウン処理が開始されたか否かを判定することができる。
このステップST203において、薬注制御部311により、ブローダウン処理が開始された(YES)と判定された場合に、処理はステップST204へ移行する。また、ステップST203において、薬注制御部311により、ブローダウン処理が開始されていない(NO)と判定された場合に、処理はステップST209へ移行する。
ステップST204(ステップST203:YES)において、計時部312は、ブローダウン処理と薬剤投入時間Tとが重複する重複時間Tの計時をスタートする。
ステップST205において、薬注制御部311は、ブローダウン処理が終了したか否かを判定する。薬注制御部311は、ブローダウン処理制御部200から出力される外部停止信号の有無により、ブローダウン処理が終了したか否かを判定することができる。このステップST205において、薬注制御部311により、ブローダウン処理が終了した(YES)と判定された場合に、処理はステップST206へ移行する。また、ステップST205において、薬注制御部311により、ブローダウン処理が終了していない(NO)と判定された場合に、処理はステップST205へ戻る。
ステップST206(ステップST205:YES)において、計時部312は、重複時間Tの計時をストップし、計時した重複時間Tをメモリ320に記憶させる。その後、計時した重複時間Tは、計時部312においてリセットされる。
ステップST207において、薬注制御部311は、重複時間Tをメモリ320から読み出し、薬剤投入時間Tに引き続いて重複時間Tに応じた投入量Qの薬剤が循環水W2に供給されるように、薬剤供給ポンプ350において薬注処理を実行させる(図4(A)参照)。ここで、薬注制御部311は、投入量Qを含む所定の投入量に対応したパルス幅を有するポンプ駆動信号を薬剤供給ポンプ350に出力する。
ステップST208において、薬注制御部311は、薬注処理が終了したか否かを判定する。このステップST208において、薬注制御部311により、薬注処理が終了した(YES)と判定された場合に、本フローチャートの処理は終了する(ステップST201へリターンする)。また、ステップST208において、薬注処理が終了していない(NO)と判定された場合に、処理はステップST210へ移行する。
一方、ステップST209(ステップST203:NO)において、薬注制御部311は、薬剤投入時間Tの期間中に、薬剤投入時間Tに応じた投入量Qの薬剤が循環水W2に供給されるように、薬剤供給ポンプ350において薬注処理を実行させる。ここで、薬注制御部311は、投入量Qに対応したパルス幅を有するポンプ駆動信号を薬剤供給ポンプ350に出力する。
ステップST210(ステップST209の終了/ステップST208:NO)において、薬注制御部311は、ブローダウン処理が開始(実行)されたか否かを判定する。このステップST210において、薬注制御部311により、ブローダウン処理が開始された(YES)と判定された場合に、処理はステップST211へ移行する。また、ステップST210において、薬注制御部311により、ブローダウン処理が開始されていない(NO)と判定された場合に、処理はステップST208へ移行する。
ステップST211(ステップST210:YES)において、薬注制御部311は、薬剤供給ポンプ350へのポンプ駆動信号の出力を停止して、薬注処理を中断させる。
ステップST212において、計時部312は、ブローダウン処理と薬剤投入時間Tとが重複する重複時間Tの計時をスタートする。
ステップST213において、薬注制御部311は、ブローダウン処理が終了したか否かを判定する。このステップST213において、薬注制御部311により、ブローダウン処理が終了した(YES)と判定された場合に、処理はステップST214へ移行する。また、ステップST213において、薬注制御部311により、ブローダウン処理が終了していない(NO)と判定された場合に、処理はステップST213へ戻る。
ステップST214(ステップST213:YES)において、計時部312は、重複時間Tの計時をストップし、計時した重複時間Tをメモリ320に記憶させる。その後、計時した重複時間Tは、計時部312においてリセットされる。
ステップST215において、薬注制御部311は、一つ前のブローダウン処理の実行期間中に循環水W2に供給されなかった薬剤の投入量Qと、次のブローダウン処理の実行期間中に計時された重複時間Tに応じた薬剤の投入量Qとを合計した量の薬剤が循環水W2に供給されるように、薬剤の合計量Q+Qに対応したパルス幅を有するポンプ駆動信号を薬剤供給ポンプ350に出力する(図4(B)参照)。これにより、薬剤供給装置300において薬注処理が実行(再開)される。このステップST215における薬注処理が終了すると、本フローチャートの処理は終了する(ステップST201へリターンする)。
上述した本実施形態の薬剤供給装置300によれば、例えば、以下のような効果が奏される。
薬剤供給装置300は、ブローダウン処理の実行中においては、薬注処理の実行を待機(停止)させ、また薬注処理の実行中にブローダウン処理が実行されたときには、薬注処理の実行を中断(停止)させる。そのため、ブローダウン処理と薬注処理とが同時期に実行されることが回避され、薬注処理において供給された薬剤が直ちに循環水W2の一部と共に系外に排出されることがない。従って、薬剤供給装置300によれば、停止させた薬注処理の実行中に開始される次のブローダウン処理により、薬剤が無駄に消費されるのを抑制することができる。
また、薬剤供給装置300において、ブローダウン処理により薬注処理を中断させた場合には、そのブローダウン処理の終了後に、一つ前のブローダウン処理の実行期間中に循環水W2に供給されなかった薬剤の投入量分と、次のブローダウン処理の実行期間中に計時部312で計時された重複時間Tに応じた薬剤の投入量とを合計した量の薬剤が循環水W2に供給される。従って、薬剤供給装置300によれば、停止させた薬注処理の実行中に次のブローダウン処理が実行された場合でも、そのブローダウン処理の終了後に、必要量の薬剤を速やかに循環水W2に供給することができる。
また、冷却システム1において、薬剤は、循環水系としての循環水ラインL110を循環水W2が循環している間に供給される。そのため、循環水W2に供給された薬剤が、循環水ラインL110の一部に滞留することがなく、薬剤を効率良く循環水系の全体に行き渡らせることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
本実施形態では、循環水系を有する産業用設備として、循環水ラインL110を有する冷却塔120を例に説明した。この例に限らず、循環水系を有する産業用設備は、例えば、ボイラ装置や逆浸透膜装置であってもよい。
ボイラ装置の場合、例えば、多管式の貫流ボイラでは、ボイラ本体で発生した気水混合物を上部ヘッダに連結された気水分離器で蒸気と飽和水とに分離し、飽和水を降水管(循環水系)により下部ヘッダに戻すように構成されている。従って、この種のボイラ装置において、循環水系を流通する水の一部を排出すると共に、外部から供給される補給水をボイラ本体に導入する処理を、ブローダウン処理と看做すことができる。
また、逆浸透膜装置の場合、一次側の膜表面での流速を確保するため、一般に、膜モジュールの外に排出される濃縮水の一部を、濃縮水返送ライン(循環水系)を介して加圧ポンプの原水吸込側に戻す、クロスフロー方式が採用されている。従って、クロスフロー方式の逆浸透膜装置において、循環水系を流通する濃縮水の一部を排出すると共に、外部から供給される原水を逆浸透膜装置に導入する処理を、ブローダウン処理と看做すことができる。
本実施形態では、薬剤を貯留部122に供給する例について説明した。しかし、薬剤を循環水系(塔本体121及び循環水ラインL110)に供給することができれば、薬剤を供給する位置はこの例に限定されない。例えば、薬剤を塔本体121の散水部(不図示)に供給してもよいし、循環水供給ラインL111又は循環水回収ラインL112に供給してもよい。また、薬剤を補給水W1に供給してもよいし、補給水W1及び循環水W2の両方に供給してもよい。
本実施形態では、ブローダウン処理として、補給水W1を強制的に冷却塔120へ供給することにより、循環水W2の一部を冷却塔120から系外に排出する例(強制補給)について説明した。このほかのブローダウン処理として、例えば、排水ラインL130に排水バルブを設け、この排水バルブを開いて循環水W2を冷却塔120から強制的に系外に排出することにより、補給水W1を冷却塔120へ供給させてもよい(強制排水)。この場合、排水ラインL130の上流側の端部は、貯留部122(図1参照)の底部に接続される。
また、ブローダウン処理として、循環水W2の一部を循環水ラインL110から系外に排出してもよい。また、ブローダウン処理として、循環水W2の一部を冷却塔120及び循環水ラインL110の両方から系外に排出してもよい。
本実施形態では、ECセンサ133を貯留部122に配置する例について説明した。これに限らず、ECセンサ133を循環水回収ラインL112に配置してもよい。また、本実施形態では、ECセンサ133で検出された電気伝導率ECが上限閾値ECb1以上となった場合にブローダウン処理を実行させる例について説明した。このほか、冷却塔120の蒸発損失量を検出し、検出した蒸発損失量に基づいて循環水W2の濃縮度を推定することにより、ブローダウン処理の実行の可否を判定するようにしてもよい。
本実施形態では、薬剤供給装置300の薬剤供給ポンプ350として、電磁駆動ダイアフラム式の定量ポンプを用いる例について説明した。この例に限らず、薬剤供給ポンプ350として、プランジャーポンプ、ベローズポンプ等の定量吐出ポンプを用いてもよい。
本実施形態では、冷却塔120を開放式冷却塔として構成した例について示した。この例に限らず、冷却塔120を密閉式冷却塔として構成してもよい。
1 冷却システム
100 システム制御ユニット
120 冷却塔
131 被冷却装置
132 循環水ポンプ
133 ECセンサ(電気伝導率センサ)
136 補給水バルブ
137 給水栓
138 オーバーフロー口
200 ブローダウン処理制御部
210 メモリ
300 薬剤供給装置
310 薬注制御ユニット
311 薬注制御部(薬剤供給制御部)
312 計時部
320 メモリ
330 薬剤タンク(薬剤供給手段)
350 薬剤供給ポンプ(薬剤供給手段)
L110 循環水ライン
L120 補給水ライン
L130 排水ライン
L140 薬剤供給ライン
W1 補給水
W2 循環水
W3 薬剤

Claims (2)

  1. 循環水が循環する循環水系に薬剤を供給する薬剤供給処理を実行可能な薬剤供給手段と、
    前記循環水系に薬剤が供給される薬剤投入時間、前記循環水系に薬剤が供給されない薬剤投入間隔、及び補給水を前記循環水系に供給しながら、当該循環水系を流通する循環水の一部を外部に排出するブローダウン処理と前記薬剤投入時間との重複時間を計時する計時手段と、
    前記計時手段の計時する前記薬剤投入時間の期間中に、当該薬剤投入時間に応じた投入量の薬剤が前記循環水系に供給されるように、前記薬剤供給手段において前記薬剤供給処理を実行させる薬剤供給制御部と、を備え、
    前記薬剤供給制御部は、(i)前記ブローダウン処理の実行中に、前記計時手段による前記薬剤投入時間の計時が開始された場合には、前記薬剤供給処理の実行を待機させ、前記ブローダウン処理の終了後に、前記計時手段で計時された前記重複時間に応じた投入量の薬剤が前記循環水系に供給されるように、前記薬剤供給手段において前記薬剤供給処理を実行させ、(ii)待機させた前記薬剤供給処理の実行中に、次のブローダウン処理が実行された場合には、前記薬剤供給処理を中断させ、前記次のブローダウン処理の終了後に、中断した前記薬剤供給処理を再開させて、一つ前の前記ブローダウン処理の実行期間中に前記循環水系に供給されなかった薬剤の投入量分と、前記次のブローダウン処理の実行期間中に前記計時手段で計時された重複時間に応じた薬剤の投入量とを合計した量の薬剤が前記循環水系に供給されるように、前記薬剤供給手段において前記薬剤供給処理を実行させる、
    薬剤供給装置。
  2. 前記薬剤供給制御部は、前記循環水系を循環水が循環し、且つ前記計時手段の計時する薬剤投入時間中に、予め設定された投入量の薬剤が前記循環水系に供給されるように、前記薬剤供給手段において前記薬剤供給処理を実行させる、
    請求項1に記載の薬剤供給装置。
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