JP2014062695A - 水処理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】ブロー位置と薬注位置との距離に応じて、薬注処理における薬剤の無駄な消費を出来る限り抑制することができる水処理システムを提供する。
【解決手段】冷却塔と、薬剤供給手段134と、水質検出手段133と、循環水ラインと、ブロー手段136と、ブロー処理制御部201と、ブロー処理と連動して、予め設定された薬剤注入必要量の薬剤が補給水及び/又は循環水に供給されるように薬剤供給処理を実行させる薬剤供給制御部202と、設定情報取得手段400と、を備え、薬剤供給制御部202は、設定情報取得手段400により取得された設定情報に基づいて、ブロー手段136におけるブロー処理の実行と同時に薬剤供給処理の実行を開始させる制御、又はブロー処理が開始されてから、遅延時間の経過後に薬剤供給処理の実行を開始させると共に、ブロー処理が制限時間を超過した場合には薬剤供給処理の実行を停止させる制御のいずれかを実行する。
【選択図】図2

Description

本発明は、冷却塔と被冷却装置との間で循環水を循環させる循環水系を有する水処理システムに関する。
従来、商業ビル、工業プラント等には、空調機や冷凍機に組み込まれた熱交換器等の被冷却装置(冷却負荷装置)を冷却するために、冷却水が用いられる。冷却水は、その節約を図る観点から、冷却塔で冷却しながら循環して用いられる(以下、循環する冷却水を「循環水」ともいう)。水処理システムにおいて、循環水は、循環水系としての循環水ラインを介して、冷却塔と被冷却装置との間を循環する。
循環水は、冷却塔で冷却される際にその一部が蒸発する。そのため、循環水を継続的に循環させると、循環水の濃縮度が徐々に高くなり、水質が悪化する。そこで、循環水の水質を改善するために、外部から定期的に新鮮な水(補給水)を補給すると共に、濃縮度の高い循環水の一部を外部に排出して循環水を希釈する、いわゆるブロー処理が実行される。また、循環水又は補給水に、スケール防止剤や防食剤等の薬剤を供給する処理(以下、「薬注処理」ともいう)も実行される。
上述した薬注処理として、例えば、ブロー処理で排出される循環水の流量、すなわち補給水の補給水量に比例した量の薬剤を循環水に供給する薬注処理が知られている(特許文献1参照)。この薬注処理では、ブロー処理により薬剤の一部が排出されるタイミングに合わせて、新たな薬剤の供給を実行することで、循環水中の薬剤濃度を一定に保つようにしている。
特開2008−249275号公報
ところで、ブロー処理の際に循環水の一部を外部に排出する位置(以下、「ブロー位置」ともいう)と、薬注処理の際に薬剤を供給する位置(以下、「薬注位置」ともいう)との距離が近い場合において、ブロー処理と同期して薬注処理を実行すると、供給された薬剤の一部が直ちに循環水と共に系外に排出されてしまい、薬剤が無駄に消費されることが考えられる。施工上の理由等により、ブロー位置と薬注位置との距離を離すことが難しい場合もある。そのため、ブロー位置と薬注位置との距離に応じて、薬剤の無駄な消費を出来る限り抑制することが求められている。
従って、本発明は、ブロー位置と薬注位置との距離に応じて、薬注処理における薬剤の無駄な消費を出来る限り抑制することができる水処理システムを提供することを目的とする。
本発明は、補給水が供給されると共に、当該補給水を循環水として被冷却装置へ供給し、前記被冷却装置から返送される循環水を冷却する冷却塔と、補給水及び/又は循環水に薬剤を供給する薬剤供給処理を実行可能な薬剤供給手段と、循環水の水質を検出水質値として出力する水質検出手段と、循環水を前記冷却塔と前記被冷却装置との間で循環させる循環水ラインと、補給水を前記冷却塔内に補給しながら、循環水の一部を前記冷却塔及び/又は前記循環水ラインから排出するブロー処理を実行可能なブロー手段と、前記水質検出手段における検出水質値に応じて、前記ブロー手段においてブロー処理を実行させるブロー処理制御部と、前記ブロー手段における前記ブロー処理の実行と連動して、予め設定された薬剤注入必要量の薬剤が補給水及び/又は循環水に供給されるように前記薬剤供給手段において前記薬剤供給処理を実行させる薬剤供給制御部と、ユーザにより入力された設定情報を取得可能な設定情報取得手段と、を備え、前記薬剤供給制御部は、前記設定情報取得手段により取得された制御に関する設定情報に基づいて、前記ブロー手段における前記ブロー処理の実行と同時に前記薬剤供給手段において前記薬剤供給処理の実行を開始させる制御、又は、前記ブロー手段における前記ブロー処理の実行が開始されてから、予め設定された遅延時間の経過後に前記薬剤供給手段において前記薬剤供給処理の実行を開始させる制御のいずれかを実行させると共に、前記薬剤供給処理の実行時間が予め設定された制限時間を超過した場合には、前記薬剤供給手段において前記薬剤供給処理の実行を停止させる制御を実行する水処理システムに関する。
また、前記薬剤供給制御部は、前記設定情報取得手段により取得された時間に関する設定情報に基づいて、前記遅延時間及び前記制限時間を設定することが好ましい。
また、前記薬剤供給制御部は、前記ブロー手段による前記ブロー処理が予め設定された許容待機時間を超過しても実行されない場合に、予め設定された薬剤注入必要量の薬剤が補給水及び/又は循環水に供給されるように前記薬剤供給手段において前記薬剤供給処理を実行させることが好ましい。
本発明によれば、ブロー位置と薬注位置との距離に応じて、薬注処理における薬剤の無駄な消費を出来る限り抑制することができる水処理システムを提供することができる。
実施形態の水処理システム1を示す概略構成図である。 実施形態の水処理システム1の制御に係る機能ブロック図である。 水処理システム1において薬注処理を実行するタイミングを示すタイムチャートである。 水処理システム1において薬注処理の実行中にブロー制限時間を超過した場合における薬注処理のタイミングを示すタイムチャートである。 水処理システム1において補助薬注処理を実行するタイミングを示すタイムチャートである。 制御部200においてブロー処理の制御を実行する場合の処理手順を示すフローチャートである。 制御部200において薬注処理の制御を実行する場合の処理手順を示すフローチャートである。 制御部200において補助薬注処理の制御を実行する場合の処理手順を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して、本実施形態の水処理システム1の概略構成について説明する。図1は、本実施形態の水処理システム1を示す概略構成図である。図2は、水処理システム1の制御に係る機能ブロック図である。
図1に示すように、本実施形態の水処理システム1は、空調機や冷凍機に組み込まれた熱交換器等の被冷却装置131を冷却するために、循環水W2(冷却水)を循環させるシステムである。循環水W2は、その節約を図る観点から、冷却塔120で冷却しながら循環して用いられる。本実施形態において、産業用設備としての冷却塔120は、いわゆる開放式冷却塔である。
本実施形態の水処理システム1は、主な構成として、冷却塔120と、被冷却装置131と、水質検出手段としての電気伝導率センサ133と、薬剤供給手段としての薬剤供給装置134と、システム制御装置100と、を備える。また、水処理システム1は、主なラインとして、循環水系としての循環水ラインL110と、補給水ラインL120と、を備える。なお、「ライン」とは、流路、経路、管路等の流体の流通が可能なラインの総称である。また、図1では、電気的な接続の経路を破線で示している。
冷却塔120は、補給水W1が供給されると共に、この補給水W1を循環水W2として被冷却装置131へ供給し、被冷却装置131から回収(返送)される循環水W2を冷却する設備である。冷却塔120は、塔本体121と、貯留部122と、を備える。また、冷却塔120は、循環水ラインL110と共に循環水系を構成する。
塔本体121は、冷却塔120の外郭を形成する筐体である。塔本体121は、散水部、ファン、開口部、ルーバー等からなる循環水冷却部(不図示)を有する。循環水W2は、循環水冷却部により冷却され、貯留部122に落下する。塔本体121の下部には、貯留部122が設けられている。
貯留部122は、循環水冷却部で冷却された循環水W2を貯留する部位である。貯留部122は、塔本体121の下部に設けられている。貯留部122の底部には、循環水ラインL110の循環水供給ラインL111(後述)が接続されている。貯留部122に貯留された循環水W2は、循環水供給ラインL111を介して被冷却装置131へ供給される。なお、貯留部122には、後述するブロー手段としての給水栓137及び流入口138が設けられている。
循環水ラインL110は、冷却塔120と被冷却装置131との間で循環水W2を循環させるラインである。循環水ラインL110は、循環水供給ラインL111と、循環水回収ラインL112と、を有する。
循環水供給ラインL111は、冷却塔120の貯留部122と被冷却装置131との間を接続する。貯留部122に貯留された循環水W2は、循環水供給ラインL111を介して被冷却装置131に供給される。
循環水供給ラインL111の途中には、循環水ポンプ132が設けられている。循環水ポンプ132は、循環水ラインL110(循環水供給ラインL111、循環水回収ラインL112)の上流側から下流側へ向けて、循環水W2を送り出すことができる。循環水ポンプ132は、システム制御装置100と電気的に接続されている。循環水ポンプ132の運転(駆動及び停止)は、システム制御装置100から出力されるポンプ運転信号により制御される。
循環水回収ラインL112は、被冷却装置131と冷却塔120との間を接続するラインである。被冷却装置131において熱交換により加温された循環水W2は、循環水回収ラインL112を介して冷却塔120の循環水冷却部(不図示)に回収される。
被冷却装置131は、循環水W2による冷却が必要な熱交換器等の各種装置である。被冷却装置131は、例えば、各種の化学プラントのターボ冷凍機や吸収冷凍機、建築物の空調用冷却機、食品工場の冷水製造機や真空冷却機等である。
被冷却装置131において、循環水流路の一方の端部には、循環水供給ラインL111の下流側の端部が接続されている。また、被冷却装置131において、循環水流路の他方の端部には、循環水回収ラインL112の上流側の端部が接続されている。
電気伝導率センサ133は、循環水ラインL110を流通する循環水W2の水質を測定して、検出電気伝導率値(検出水質値)として出力する装置である。電気伝導率センサ133は、接続部J1において循環水供給ラインL111に接続されている。接続部J1は、循環水ポンプ132と被冷却装置131との間に配置されている。電気伝導率センサ133は、システム制御装置100と電気的に接続されている。電気伝導率センサ133で測定された検出電気伝導率値(以下、「電気伝導率EC」ともいう)は、システム制御装置100へ送信される。電気伝導率センサ133は、所定の時間間隔(又はリアルタイム)で循環水W2の電気伝導率を測定し、システム制御装置100へ電気伝導率ECを送信する。
薬剤供給装置134は、循環水W2へ薬剤としてのスケール防止剤、防食剤、及び殺菌剤を供給する薬注処理を実行可能な装置である。薬剤供給装置134は、接続部J2において循環水供給ラインL111に接続されている。接続部J2は、接続部J1と被冷却装置131との間に配置されている。
スケール防止剤は、水中でのスケールの成長、或いは配管表面等へのスケールの堆積を防止するために用いられる薬品である。防食剤は、主に配管系等における全面腐食、或いはピッチング等の部分腐食の発生を抑制するために用いられる薬品である。殺菌剤は、水中における微生物の繁殖を抑制するために用いられる薬品であり、スライムコントロール剤とも呼ばれる。本実施形態では、スケール防止剤、防食剤、及び殺菌剤を総称して「薬剤」という。
スケール防止剤、防食剤、及び殺菌剤は、それぞれの薬剤タンク及び薬剤供給ポンプ(不図示)から循環水供給ラインL111に供給される。薬剤供給ポンプは、各薬剤タンクに貯留された薬剤を同時に循環水供給ラインL111へ送り出す設備である。
本実施形態の薬剤供給ポンプは、電磁駆動ダイアフラム式の定量ポンプである。薬剤供給ポンプとして、電磁駆動ダイアフラム式の定量ポンプを用いた場合、ダイアフラムの弁体が往復運動することにより、薬剤が断続的に循環水W2に供給される。
薬剤供給ポンプは、1ストローク当たりの吐出量[mL/ストローク]を所定値に設定し、且つストローク数[ストローク/分]を増減することにより、薬剤の吐出流量[mL/分]を制御できる。ストローク数とは、単位時間当たりに弁体が往復運動する回数をいい、弁体の1往復が1ストロークに相当する。薬剤供給ポンプは、システム制御装置100と電気的に接続されている。薬剤供給ポンプは、システム制御装置100からポンプ駆動信号(パルス信号)が出力されると、そのパルス幅の期間(以下、「運転時間」ともいう)に亘って、指定されたストローク数での薬剤の投入を実行する。
なお、本実施形態では、一つの薬剤供給装置134からスケール防止剤、防食剤、及び殺菌剤を配合した複合薬剤を供給する例について説明するが、スケール防止剤及び防食剤と、殺菌剤とをそれぞれ個別の薬剤供給装置で供給してもよい。
また、冷却塔120には、補給水ラインL120が接続されている。補給水ラインL120は、補給水W1を冷却塔120の貯留部122へ補給するラインである。補給水ラインL120の上流側は、水道水や工業用水等の補給水W1の供給源(不図示)に接続された第1補給水ラインL121である。一方、補給水ラインL120の下流側は、分岐部J3において、第2補給水ラインL122及び第3補給水ラインL123に分岐している。分岐部J3は、補給水W1の供給源と冷却塔120との間に配置されている。
第2補給水ラインL122の下流側の端部は、冷却塔120の塔本体121に接続されている。第2補給水ラインL122において、分岐部J3と冷却塔120との間には、補給水バルブ136が設けられている。
補給水バルブ136は、第2補給水ラインL122を開閉することにより、貯留部122に対して補給水W1を強制的に供給する給水設備である。補給水バルブ136は、システム制御装置100と電気的に接続されている。補給水バルブ136における弁体の開閉状態(開状態/閉状態)は、システム制御装置100(ブロー処理制御部201)から出力されるバルブ駆動信号により制御される。
第3補給水ラインL123の下流側の端部は、冷却塔120の塔本体121に接続されている。第3補給水ラインL123の下流側の端部には、給水栓137が設けられている。給水栓137は、貯留部122に貯留される循環水W2の水位(すなわち、水量)を管理するボールタップ式の給水設備である。循環水W2の蒸発損失及び飛散損失により貯留部122の水位が低下すると、給水栓137のボールタップが作動し、第3補給水ラインL123を流通する補給水W1が貯留部122に補給される。
排水ラインL130は、貯留部122の内部に立設され、下方に延びている。排水ラインL130の上流側の端部は、循環水W2の流入口138を形成する。流入口138は、給水栓137の管理水位よりも上方に開口している。一方、排水ラインL130の下流側の端部は、貯留部122の外部に通じている。排水ラインL130は、後述するブロー処理において、補給水バルブ136が開状態となり補給水W1が強制的に供給された場合に、冷却塔120の貯留部122から溢れた循環水W2を、水処理システム1の系外に排出するラインである。
本実施形態において、補給水バルブ136及び流入口138は、補給水W1を冷却塔120に補給しながら、循環水W2の一部を冷却塔120から排出するブロー処理を実行可能なブロー手段を構成する。
次に、図2を参照して、本実施形態の水処理システム1の制御に係る機能について説明する。
システム制御装置100は、本実施形態の水処理システム1における各部の動作を制御する。図2に示すように、システム制御装置100は、例えば、循環水ポンプ132、薬剤供給装置134、及び補給水バルブ136に電気的に接続される。
また、システム制御装置100は、水処理システム1の測定装置(不図示を含む)と電気的に接続され、これら測定装置から測定情報を受信する。例えば、システム制御装置100は、測定装置としての電気伝導率センサ133と電気的に接続される。また、システム制御装置100は、設定情報取得手段としての設定情報入力装置400、及び警報装置(不図示)と電気的に接続される。システム制御装置100において、各装置から受信した最新の測定情報や設定情報は、適宜、メモリ300に記憶される。
システム制御装置100は、制御部200と、メモリ300と、を備える。制御部200は、ブロー処理制御部201と、薬剤供給制御部としての薬注制御部202と、計時部203と、を有する。制御部200におけるブロー処理制御部201、薬注制御部202、及び計時部203の機能は、CPU及び内部メモリ含むマイクロプロセッサ(不図示)により実現される。
ブロー処理制御部201は、冷却塔120の運転中において、電気伝導率センサ133で検出された循環水W2の電気伝導率ECが、予め設定された許容水質値としての上限閾値ECb1以上となった場合には、補給水バルブ136を開状態として、冷却塔120において循環水W2のブロー処理を実行させる。上限閾値ECb1は、例えば、スケール防止剤及び防食剤の効果の持続性を担保できる濃縮倍数を考慮して決定される。
ブロー処理制御部201は、ブロー処理として、循環水W2の排水及び補給水W1の補給を同時に(又は連続して)実施する。具体的には、ブロー処理制御部201は、電気伝導率EC≧上限閾値ECb1となった場合、すなわち循環水W2の水質が悪化した場合に、補給水バルブ136を開状態として、第2補給水ラインL122を通じて新鮮な補給水W1を貯留部122に強制的に補給する。補給水W1が補給されると、貯留部122の水位が上昇するため、流入口138から溢れた循環水W2が排水ラインL130を通じて外部に排出される。すなわち、ブロー処理が実行されると、濃縮の進んだ循環水W2の一部が補給水W1と入れ替わるため、循環水ラインL110における循環水W2の電気伝導率ECが全体的に低下する。
そして、ブロー処理制御部201は、補給水バルブ136を開状態とした後、電気伝導率EC≦下限閾値ECb2となった場合、すなわち循環水W2の水質が回復した場合に、補給水バルブ136を閉状態として、補給水W1の補給を停止させる。なお、当然ながら、ブロー処理の開始点である上限閾値ECb1とブロー処理の終了点である下限閾値ECb2との関係は、上限閾値ECb1>下限閾値ECb2である。
ブロー処理制御部201は、ブロー処理を開始する際に、薬注制御部202に外部開始信号を出力する。外部開始信号は、ブロー処理の実行を通知するための信号である。また、ブロー処理制御部201は、ブロー処理が終了した際に、薬注制御部202への外部開始信号の出力を停止する。
薬注制御部202は、ブロー処理制御部201によるブロー処理の実行と連動して(ブロー処理の実行と同期又は遅延時間Tの経過後に)、ブロー処理の実行時間と同じ時間に亘って薬剤が循環水W2に供給されるように、薬剤供給装置134において薬注処理を実行させる。
薬注制御部202は、薬剤供給装置134において薬注処理を実行させる場合には、ブロー処理の実行時間と同期間の運転時間に亘ってポンプ駆動信号を薬剤供給装置134に出力する。これにより、薬剤供給装置134の薬剤供給ポンプ(不図示)では、薬注制御部202から出力されたポンプ駆動信号のパルス幅の期間(運転時間)に亘って、指定されたストローク数で薬剤の投入が実行され、必要量の薬剤が循環水W2に供給される。
なお、薬注制御部202は、ブロー処理制御部201から外部開始信号が出力されたときには、ブロー処理が開始されたと判定し、ブロー処理制御部201から外部開始信号の出力が停止したときには、ブロー処理が終了したと判定する。
薬注制御部202は、設定情報入力装置400において取得された設定情報(後述)に基づいて、ブロー処理制御部201によるブロー処理の実行と同時に薬剤供給装置134において薬注処理の実行を開始させる制御、又は、ブロー処理制御部201によるブロー処理の実行が開始されてから、予め設定された遅延時間T(後述)の経過後に薬剤供給装置134において薬注処理の実行を開始させる制御のいずれかを実行させると共に、薬注処理の実行時間(以下、「薬注実行時間」ともいう)Tが予め設定された薬注制限時間Tを超過した場合には、薬剤供給装置134において薬注処理の実行を停止させる制御を実行する。薬注制限時間Tは、ブロー手段を構成する補給水バルブ136及び流入口138、並びに電気伝導率センサ133に異常がない場合に、ブロー処理の開始から終了までに要すると考えられる最大時間に基づいて設定され、薬注処理の実行が開始された時を起点とする。
薬注実行時間Tは、計時部203(後述)により計時される。薬注制御部202は、薬注処理の実行が開始されてから経過した時間を、計時部203に薬注実行時間Tとして計時させる。
そして、薬注制御部202は、計時部203が計時する薬注実行時間Tが予め設定された薬注制限時間Tを超過した場合には、薬剤供給装置134において薬注処理の実行を停止させる。また、薬注制御部202は、薬注処理の実行を強制的に停止させたこと、及びブロー処理が薬注制限時間Tを超過して実行されていることを、警報装置(不図示)を介してユーザに通知する。薬注制御部202は、ユーザへの通知として、例えば、警報音や警報メッセージの発呼、警報ランプ(不図示)の点灯/点滅、表示パネル(不図示)へのメッセージの表示等を実行する。
また、薬注制御部202は、冷却塔120の運転中において、補給水バルブ136が閉状態となりブロー処理が実行されていない期間(後述する滞留時間T)が予め設定された許容滞留時間Tを超過した場合には、薬剤供給装置134において薬注処理(以下、「補助薬注処理」ともいう)を実行させる。補助薬注処理では、予め設定された投入量の薬剤が循環水W2に供給される。
薬注制御部202は、システム制御装置100から循環水ポンプ132へ出力されるポンプ運転信号に基づいて、冷却塔120の運転状態を判定する。すなわち、薬注制御部202は、システム制御装置100から循環水ポンプ132へポンプ運転信号が出力されている場合には、冷却塔120が運転中であると判定する。また、薬注制御部202は、システム制御装置100から循環水ポンプ132へポンプ運転信号が出力されていない場合には、冷却塔120が運転停止中であると判定する。
ブロー処理が実行されていない期間(滞留時間T)は、計時部203(後述)により計時される。薬注制御部202は、補給水バルブ136が閉状態となってから経過した時間を、計時部203に滞留時間Tとして計時させる。そして、薬注制御部202は、計時部203の計時する滞留時間Tが予め設定された許容滞留時間Tを超過した場合に、所定の投入量の薬剤が循環水W2に供給されるように、薬剤供給装置134において補助薬注処理を実行させる。
薬注制御部202は、補給水バルブ136が閉状態となった後、計時部203を起動して、滞留時間Tの計時をスタートさせる。また、薬注制御部202は、計時部203の計時する滞留時間Tが予め設定された許容滞留時間Tを超過する前に、補給水バルブ136が開状態となった場合には、計時部203における滞留時間Tの計時をリセットさせる。なお、薬注制御部202は、ブロー処理制御部201から補給水バルブ136へ出力されるバルブ駆動信号により、補給水バルブ136の弁体の開閉状態を判定する。
計時部203は、ブロー処理の実行が開始されてからの経過時間である待機時間Tを計時する。また、計時部203は、ブロー処理が実行されていない期間を滞留時間Tとして計時する。また、計時部203は、薬注制御部202による薬注処理が開始されてからの経過時間である薬注実行時間Tを計時する。
メモリ300は、ブロー処理及び薬注処理に関する各種のデータを記憶する記憶装置である。例えば、メモリ300には、電気伝導率EC(更新値)、ブロー処理の開始点である上限閾値ECb1(設定値)、ブロー処理の終了点である下限閾値ECb2(設定値)、待機時間T(計時値)、遅延時間T(設定値)、薬注実行時間T(計時値)、薬注制限時間T(設定値)、滞留時間T(計時値)、許容滞留時間T(設定値)等が記憶される。
設定情報入力装置400は、ユーザにより入力された設定情報を取得可能な装置である。設定情報入力装置400としては、例えば、システム制御装置100の操作盤が挙げられる。なお、ユーザにより入力された設定情報を取得可能な装置であれば、設定情報入力装置400は操作盤に限定されない。
本実施形態において、設定情報とは、ブロー処理の実行が開始されてから薬注処理の実行を開始するまでの遅延時間T、及び薬注処理を継続して実行させる場合の上限となる薬注制限時間Tである。ユーザは、設定情報入力装置400を介して、所定の時間範囲内(例えば、0分0秒〜59分59秒)において、任意の遅延時間T及び薬注制限時間Tを入力することができる。設定情報入力装置400において取得された設定情報としての遅延時間T及び薬注制限時間Tは、メモリ300に記憶される。
なお、遅延時間Tは、例えば、以下のようにして設定される。循環水系において、ブロー位置と薬注位置との距離が離れている場合には、ブロー処理と同期して薬注処理を実行しても、供給された薬剤の一部が直ちに循環水W2と共に系外に排出される割合が低い。その場合、ユーザは、遅延時間Tとして短い(又はゼロの)時間を入力すればよい。一方、ブロー位置と薬注位置との距離が近い場合には、ブロー処理と同期して薬注処理を実行したときに、供給された薬剤の一部が直ちに循環水W2と共に系外に排出される割合が高くなる。その場合、ユーザは、遅延時間Tとして、ブロー位置と薬注位置との距離に応じた時間を入力すればよい。
次に、水処理システム1において、上述した薬注処理及び補助薬注処理を実行するタイミングについて説明する。
まず、薬注処理を実行する場合における薬注制御部202の動作について、図3を参照して説明する。図3は、水処理システム1において、薬注処理を実行するタイミングを示すタイムチャートである。
なお、図3おいて、「ブロー動作」は、ブロー処理の実行時間(補給水バルブ136の開時間)を示す。また、図3において、「薬注動作」は、薬剤供給装置134(薬剤供給ポンプ)の運転時間を示す。なお、図3に示す波形は、それぞれの時間間隔を概念的な長さで示しており、実際の時間間隔とは対応していない。後述する図4及び図5についても同じである。
図3において、薬注動作aは、遅延時間Tとしてゼロ(遅延なし)が入力された場合における薬注処理の実行タイミングを示す。遅延時間Tとしてゼロが入力された場合には、ブロー処理Aの実行と同時に、薬剤供給装置134において薬注処理aが実行される。
一方、図3において、薬注動作bは、遅延時間Tとして5分が入力された場合における薬注処理の実行タイミングを示す。遅延時間Tとして5分が入力された場合には、ブロー処理Aの開始時点から5分経過後に、薬剤供給装置134において薬注処理bが実行される。
次に、薬注処理の実行中に薬注制限時間Tを超過した場合における薬注制御部202の動作について、図4を参照して説明する。図4は、薬注処理の実行中に薬注制限時間Tを超過した場合における薬注処理のタイミングを示すタイムチャートである。
図4に示すように、薬注実行時間Tが薬注制限時間Tを超過した場合、薬注制御部202は、薬剤供給装置134において薬注処理aの実行を停止させる。図4において、薬注処理aは、ブロー処理Aの実行から遅延時間Tの経過後に実行が開始され、通常(薬注制限時間Tが設定されていない場合)であれば、ブロー処理Aの実行時間と同期間、すなわちハッチングで示す範囲まで実行される。しかし、予め薬注制限時間Tが設定されている場合には、薬注実行時間Tが薬注制限時間Tを超過した時点で薬注処理aは強制的に停止される。
なお、本実施形態においては、薬注実行時間Tが薬注制限時間Tを超過して薬注処理aが強制的に停止されても、ブロー処理Aは継続して実行される。これは、循環水W2の濃縮が進行している場合には、通常よりブロー処理に時間がかかっても、循環水W2の濃縮度を下げないと、被冷却装置131におけるスケールや腐食の発生、スライム等の増加によるトラブルが誘発される可能性があるからである。
次に、補助薬注処理を実行する場合における薬注制御部202の動作について、図5を参照して説明する。図5は、水処理システム1において、補助薬注処理を実行するタイミングを示すタイムチャートである。補助薬注処理は、冷却塔120の運転中において実行される。
図5に示すように、ブロー処理Aの実行後、ブロー処理が実行されていない期間(滞留時間T)が予め設定された許容滞留時間Tを超過した場合、薬注制御部202は、薬剤供給装置134において補助薬注処理cを実行させる。補助薬注処理cでは、予め設定された投入量の薬剤が循環水W2に供給される。
次に、本実施形態の水処理システム1において、制御部200により実行されるブロー処理及び薬注処理の動作を、図6〜図8に示すフローチャートを参照して説明する。
まず、ブロー処理の制御について説明する。図6は、制御部200においてブロー処理の制御を実行する場合の処理手順を示すフローチャートである。図5に示すフローチャートの制御は、メモリ300に記憶された制御プログラムに基づいて、制御部200のブロー処理制御部201により実行される。また、図6に示すフローチャートの処理は、水処理システム1の運転中において、繰り返し実行される。
図6に示すステップST101において、ブロー処理制御部201は、電気伝導率センサ133で測定された循環水W2の電気伝導率EC、及びブロー処理の開始点である上限閾値ECb1をメモリ300から取得する。
ステップST102において、ブロー処理制御部201は、電気伝導率ECが上限閾値ECb1以上か否かを判定する。このステップST102において、ブロー処理制御部201により、電気伝導率EC≧上限閾値ECb1である(YES)と判定された場合には、循環水W2の濃縮倍率が所定の濃縮倍率に達したため、処理はステップST103へ移行する。また、ステップST102において、ブロー処理制御部201により、電気伝導率EC<上限閾値ECb1である(NO)と判定された場合には、循環水W2の濃縮倍率が所定の濃縮倍率に達していないため、処理はステップST101へ戻る。
ステップST103(ステップST102:YES)において、ブロー処理制御部201は、補給水バルブ136を開状態として、ブロー処理を開始する。
ステップST103においてブロー処理を実行することにより、補給水W1が冷却塔120の貯留部122に強制的に補給される一方、貯留部122に滞留する循環水W2の一部が排水ラインL130から外部に排出されるため、循環水W2の電気伝導率ECは徐々に低下する。
ステップST104において、ブロー処理制御部201は、電気伝導率センサ133で測定された循環水W2の電気伝導率EC、及びブロー処理の終了点である下限閾値ECb2をメモリ300から取得する。
ステップST105において、ブロー処理制御部201は、電気伝導率ECが下限閾値ECb2以下か否かを判定する。このステップST105において、ブロー処理制御部201により、電気伝導率EC≦下限閾値ECb2である(YES)と判定された場合には、循環水W2の濃縮倍率が十分に低下したと考えられるため、処理はステップST106へ移行する。また、ステップST105において、ブロー処理制御部201により、電気伝導率EC>下限閾値ECb2である(NO)と判定された場合には、循環水W2の濃縮倍率が低下していないと考えられるため、処理はステップST104へ戻る。
ステップST106(ステップST105:YES)において、ブロー処理制御部201は、補給水バルブ136を閉状態として、ブロー処理を終了する。これにより、本フローチャートの処理は終了する(ステップST101へリターンする)。
次に、薬注処理の制御について説明する。図7は、制御部200において薬注処理の制御を実行する場合の処理手順を示すフローチャートである。図7に示すフローチャートの制御は、メモリ300に記憶された制御プログラムに基づいて、制御部200の薬注制御部202により実行される。また、図7に示すフローチャートの処理は、水処理システム1の運転中において、繰り返し実行される。
図7に示すステップST201において、薬注制御部202は、ブロー処理が開始(実行)されたか否かを判定する。薬注制御部202は、ブロー処理制御部201から出力される外部停止信号の有無により、ブロー処理が開始されたか否かを判定することができる。
このステップST201において、薬注制御部202により、ブロー処理が開始された(YES)と判定された場合に、処理はステップST202へ移行する。また、ステップST201において、薬注制御部202により、ブロー処理が開始されていない(NO)と判定された場合に、処理はステップST201へ戻る。
ステップST202において、薬注制御部202は、遅延時間Tをメモリ300から取得する。
ステップST203において、薬注制御部202は、遅延時間Tがゼロか否かを判定する。このステップST203において、薬注制御部202により、遅延時間Tがゼロである(YES)と判定された場合に、処理はステップST204へ移行する。また、ステップST203において、薬注制御部202により、遅延時間Tがゼロではない(NO)と判定された場合に、処理はステップST206へ移行する。
ステップST204(ステップST203:YES)において、薬注制御部202は、計時部203を起動して、薬注実行時間Tの計時をスタートさせる。
ステップST205において、薬注制御部202は、ブロー処理の実行時間と同じ時間に亘って薬剤が循環水W2に供給されるように、薬剤供給装置134において薬注処理を実行させる。
一方、ステップST206(ステップST203:NO)において、薬注制御部202は、計時部203を起動して、待機時間Tの計時をスタートさせる。
ステップST207において、薬注制御部202は、計時部203で計時されている待機時間Tが、設定情報としての遅延時間Tに達したか否かを判定する。このステップST207において、薬注制御部202により、待機時間Tが遅延時間Tに達した(YES)と判定された場合に、処理はステップST208へ移行する。また、ステップST207において、薬注制御部202により、待機時間Tが遅延時間Tに達していない(NO)と判定された場合に、処理はステップST207へ戻る。
ステップST208(ステップST207:YES)において、薬注制御部202は、計時部203における待機時間Tの計時をリセットさせる。
ステップST208の処理が終了すると、処理はステップST204へ移行する。これにより、ステップST205においては、ブロー処理の実行が開始されてから、遅延時間Tの経過後に、薬剤供給装置134において薬注処理が実行される。
ステップST209において、薬注制御部202は、薬注処理が終了したか否かを判定する。このステップST209において、薬注制御部202により、薬注処理が終了した(YES)と判定された場合に、本フローチャートの処理は終了する(ステップST201へリターンする)。また、ステップST209において、薬注制御部202により、薬注処理が終了していない(NO)と判定された場合に、処理はステップST210へ移行する。
ステップST210(ステップST209:NO)において、薬注制御部202は、計時部203で計時されている薬注実行時間Tが設定情報としての薬注制限時間Tを超過したか否かを判定する。このステップST210において、薬注制御部202により、薬注実行時間Tが薬注制限時間Tを超過した(YES)と判定された場合に、処理はステップST211へ移行する。また、ステップST210において、薬注制御部202により、薬注実行時間Tが薬注制限時間Tを超過していない(NO)と判定された場合に、処理はステップST209へ戻る。
ステップST211(ステップST210:YES)において、薬注制御部202は、計時部203における薬注実行時間Tの計時をリセットさせる。
ステップST212において、薬注制御部202は、薬剤供給装置134において薬注処理の実行を停止させる。
ステップST213において、薬注制御部202は、薬注処理の停止及び薬注制限時間Tの超過を、警報装置(不図示)を介してユーザに通知する。
次に、補助薬注処理の制御について説明する。図8は、制御部200において補助薬注処理の制御を実行する場合の処理手順を示すフローチャートである。図8に示すフローチャートの制御は、メモリ300に記憶された制御プログラムに基づいて、制御部200の薬注制御部202により実行される。また、図8に示すフローチャートの処理は、水処理システム1の運転中において、繰り返し実行される。
図8に示すステップST301において、薬注制御部202は、循環水ポンプ132へのポンプ運転信号の出力があるか否か(冷却塔120の運転中か否か)を判定する。このステップST301において、薬注制御部202により、循環水ポンプ132へのポンプ運転信号の出力がある(YES)と判定された場合に、処理はステップST302へ移行する。また、ステップST301において、薬注制御部202により、循環水ポンプ132へのポンプ運転信号の出力がない(NO)と判定された場合に、処理はステップST301へ戻る。
ステップST302(ステップST301:YES)において、薬注制御部202は、ブロー処理制御部201からの外部開始信号に基づき、薬注処理が終了したか否かを判定する。このステップST302において、薬注制御部202により、ブロー処理が終了した(YES)と判定された場合に、処理はステップST303へ移行する。また、ステップST302において、薬注制御部202により、ブロー処理が終了していない(NO)と判定された場合に、処理はステップST302へ戻る。
ステップST303(ステップST302:YES)において、薬注制御部202は、計時部203を起動して、滞留時間Tの計時をスタートさせる。滞留時間Tは、ブロー処理の終了、すなわち補給水バルブ136が閉状態とされてからの経過時間である。
ステップST304において、薬注制御部202は、計時部203で計時されている滞留時間Tが許容滞留時間Tを超過したか否かを判定する。薬注制御部202は、許容滞留時間Tをメモリ300から取得する。このステップST304において、薬注制御部202により、滞留時間T>許容滞留時間Tである(YES)と判定された場合に、処理はステップST305へ移行する。また、ステップST304において、薬注制御部202により、滞留時間T≦許容滞留時間Tである(NO)と判定された場合に、処理はステップST307へ移行する。
ステップST305(ステップST304:YES)において、薬注制御部202は、計時部203による滞留時間Tの計時をリセットさせる。
ステップST306において、薬注制御部202は、予め設定された投入量の薬剤が循環水W2に供給されるように、薬剤供給装置134において補助薬注処理を実行させる。ステップST306における薬注処理が終了すると、本フローチャートの処理は終了する(ステップST301へリターンする)。
一方、ステップST307(ステップST304:NO)において、薬注制御部202は、ブロー処理制御部201からの外部開始信号に基づいて、ブロー処理が開始(実行)されたか否かを判定する。このステップST307において、薬注制御部202により、ブロー処理が開始された(YES)と判定された場合に、処理はステップST308へ移行する。また、ステップST307において、薬注制御部202により、ブロー処理が開始されていない(NO)と判定された場合に、処理はステップST304へ戻る。
ステップST308(ステップST307:YES)において、薬注制御部202は、計時部203による滞留時間Tの計時をリセットさせる。これにより、本フローチャートの処理は終了する(ステップST301へリターンする)。滞留時間Tが許容滞留時間Tに達する前にブロー処理が実行された場合には、補助薬注処理を実行しないためである。
上述した本実施形態の水処理システム1によれば、例えば、以下のような効果を奏する。
水処理システム1によれば、予め設定された遅延時間Tの経過後に薬剤供給装置134において薬注処理の実行が開始される。そのため、ユーザは、ブロー位置と薬注位置との距離に応じて遅延時間Tを入力することにより、ブロー処理の実行と連動した薬注処理の実行タイミングを適切に制御することができる。例えば、ブロー位置と薬注位置との距離が近い場合において、数分〜数十分の時間を遅延時間Tとして入力すれば、ブロー処理の実行から数分〜数十分遅れて薬注処理が実行されるため、供給された薬剤の一部が直ちに循環水W2と共に系外に排出される割合を低くすることができる。従って、水処理システム1によれば、ブロー位置と薬注位置との距離に応じて、薬注処理における薬剤の無駄な消費を出来る限り抑制することができる。
また、薬注実行時間Tが薬注制限時間Tを超過した場合には、薬剤供給装置134において薬注処理の実行が停止される。ブロー処理が通常よりも長く実行された場合、その間に供給された薬剤の一部がそのまま循環水W2と共に系外に排出され、薬剤が無駄に消費される可能性が高くなる。しかし、水処理システム1においては、薬注実行時間Tが薬注制限時間Tを超過した場合には、薬注処理の実行が停止されるので、薬剤の無駄な消費を抑制することができる。
また、水処理システム1において、薬注制御部202は、設定情報入力装置400により取得された時間に関する設定情報に基づいて遅延時間T及び薬注制限時間Tを設定する。そのため、ユーザは、設定情報入力装置400において、分及び秒単位で遅延時間Tを入力すれば、より正確な実行タイミングで薬注処理を開始させることができる。また、ユーザは、設定情報入力装置400において、分及び秒単位で薬注制限時間Tを入力すれば、より正確な実行タイミングで薬注処理を停止させることができる。
また、水処理システム1においては、冷却塔120の運転中であり、且つ補給水バルブ136によるブロー処理が実行されない滞留時間Tが許容滞留時間Tを超過した場合には、薬剤供給装置134において補助薬注処理が実行される。そのため、水処理システム1は、被冷却装置131の負荷が低く、ブロー処理の実行間隔が長期に亘る場合等において、循環水W2の水質の悪化を効果的に抑制することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
本実施形態では、薬注実行時間Tが薬注制限時間Tを超過した場合に、薬注処理の実行のみを停止させる例について説明した。この例に限らず、薬注処理とブロー処理とを同時に停止させてもよい。例えば、電気伝導率センサ133の故障等により、ブロー処理が長期間に亘って継続する場合がある。その場合には、ブロー処理を強制的に停止させることにより、循環水W2が無駄に系外に排出されるのを抑制することができる。
本実施形態では、薬注処理において、ブロー処理の実行時間と同じ時間に亘って薬剤を循環水W2に供給する例について説明した。この例に限らず、薬注処理において、予め設定された投入量の薬剤を循環水W2に供給するようにしてもよいし、ブロー処理の実行時間に比例した投入量の薬剤が循環水W2に供給されるようにしてもよい。また、薬注処理における薬剤の投入量を、ブロー処理中に冷却塔120に供給された補給水W1の補給水量に基づいて算出してもよい。補給水W1の補給水量は、例えば、第1補給水ラインL121に流量センサを設けることにより計測することができる。
本実施形態では、薬剤を循環水供給ラインL111に供給する例について説明した。しかし、薬剤を供給する位置はこの例に限定されない。例えば、薬剤を冷却塔120の散水部(不図示)、貯留部122又は循環水回収ラインL112に供給してもよい。また、薬剤を補給水W1に供給してもよいし、補給水W1及び循環水W2の両方に供給してもよい。
本実施形態では、ブロー処理として、補給水W1を強制的に冷却塔120へ供給することにより、循環水W2の一部を冷却塔120から系外に排出する例(強制補給)について説明した。このほかのブロー処理として、例えば、排水ラインL130に排水バルブを設け、この排水バルブを開いて循環水W2を冷却塔120から強制的に系外に排出することにより、補給水W1を冷却塔120へ供給させてもよい(強制排水)。この場合、排水ラインL130の上流側の端部は、貯留部122(図1参照)の底部に接続される。
また、ブロー処理として、循環水W2の一部を循環水ラインL110から系外に排出してもよい。また、ブロー処理として、循環水W2の一部を冷却塔120及び循環水ラインL110の両方から系外に排出してもよい。
本実施形態では、設定情報として、遅延時間T及び薬注制限時間Tを例に挙げて説明したが、これに限らず、許容滞留時間Tであってもよい。また、本実施形態において、薬注制限時間Tは、薬注処理の実行が開始された時を起点とする例について説明したが、この例に限らず、ブロー処理の実行が開始された時を起点としてもよい。
本実施形態では、水質検出手段としての電気伝導率センサ133を循環水供給ラインL111に接続する例について説明した。これに限らず、電気伝導率センサ133を循環水回収ラインL112に接続してもよく、或いは貯留部122内に配置してもよい。
本実施形態では、薬剤供給装置134の薬剤供給ポンプ(不図示)として、電磁駆動ダイアフラム式の定量ポンプを用いる例について説明した。この例に限らず、薬剤供給ポンプとして、プランジャーポンプ、ベローズポンプ等の定量吐出ポンプを用いてもよい。
本実施形態では、冷却塔120を開放式冷却塔として構成した例について示した。この例に限らず、冷却塔120を密閉式冷却塔として構成してもよい。
1 水処理システム
100 システム制御装置
120 冷却塔
131 被冷却装置
132 循環水ポンプ
133 電気伝導率センサ(水質検出手段)
134 薬剤供給装置(薬剤供給手段)
136 補給水バルブ(ブロー手段)
137 給水栓(ブロー手段)
138 流入口(ブロー手段)
200 制御部
201 ブロー処理制御部
202 薬注制御部(薬剤供給制御部)
203 計時部
300 メモリ
400 設定情報入力装置(設定情報取得手段)
L110 循環水ライン
L120 補給水ライン
L130 排水ライン
W1 補給水
W2 循環水

Claims (3)

  1. 補給水が供給されると共に、当該補給水を循環水として被冷却装置へ供給し、前記被冷却装置から返送される循環水を冷却する冷却塔と、
    補給水及び/又は循環水に薬剤を供給する薬剤供給処理を実行可能な薬剤供給手段と、
    循環水の水質を検出水質値として出力する水質検出手段と、
    循環水を前記冷却塔と前記被冷却装置との間で循環させる循環水ラインと、
    補給水を前記冷却塔内に補給しながら、循環水の一部を前記冷却塔及び/又は前記循環水ラインから排出するブロー処理を実行可能なブロー手段と、
    前記水質検出手段における検出水質値に応じて、前記ブロー手段においてブロー処理を実行させるブロー処理制御部と、
    前記ブロー手段における前記ブロー処理の実行と連動して、予め設定された薬剤注入必要量の薬剤が補給水及び/又は循環水に供給されるように前記薬剤供給手段において前記薬剤供給処理を実行させる薬剤供給制御部と、
    ユーザにより入力された設定情報を取得可能な設定情報取得手段と、を備え、
    前記薬剤供給制御部は、前記設定情報取得手段により取得された制御に関する設定情報に基づいて、前記ブロー手段における前記ブロー処理の実行と同時に前記薬剤供給手段において前記薬剤供給処理の実行を開始させる制御、又は、前記ブロー手段における前記ブロー処理の実行が開始されてから、予め設定された遅延時間の経過後に前記薬剤供給手段において前記薬剤供給処理の実行を開始させる制御のいずれかを実行させると共に、前記薬剤供給処理の実行時間が予め設定された制限時間を超過した場合には、前記薬剤供給手段において前記薬剤供給処理の実行を停止させる制御を実行する、
    水処理システム。
  2. 前記薬剤供給制御部は、前記設定情報取得手段により取得された時間に関する設定情報に基づいて、前記遅延時間及び前記制限時間を設定する、
    請求項1に記載の水処理システム。
  3. 前記薬剤供給制御部は、前記ブロー手段による前記ブロー処理が予め設定された許容待機時間を超過しても実行されない場合に、予め設定された薬剤注入必要量の薬剤が補給水及び/又は循環水に供給されるように前記薬剤供給手段において前記薬剤供給処理を実行させる、
    請求項1又は2に記載の水処理システム。
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