JP2014185651A - 車両アシスト装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電動アクチュエータに係る部品数の低減および省スペース化を図った車両アシスト装置を提供する。
【解決手段】電気モータ2と、指令信号S1を受信して駆動制御信号S2を出力し電気モータ2のモータ駆動軸を駆動制御する制御回路を備えた制御装置1と、により電動アクチュエータ10を構成する。モータ駆動軸には、減速機20に対し一方向供給流路3a,一方向吸入流路3bを介してオイルを循環させる電動ポンプ機構3のポンプPと、パーキングギヤ21をロックまたはアンロックするパーキングロック機構4のロック手段Rと、がそれぞれ駆動力伝達手段3c,4aを介して接続され、モータ駆動力がポンプPとロック手段Rとに各々伝達される。電気モータ2の駆動軸とパーキングロック機構4の駆動力伝達手段4aとの間には駆動力切替機構6が介在しモータ駆動力の伝達を断続するように構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、電動ポンプ機構およびパーキングロック機構を含む車両アシスト装置に関する。
電動アクチュエータを用いた車両アシスト装置としては、電動アクチュエータによりポンプを駆動して諸特性を有する流体(冷却性や潤滑性を有するオイル等)を車両駆動源に係る変速機や減速機等の流体供給対象に供給して循環させる電動ポンプ機構が挙げられ、流体供給対象の状況(例えば温度状況等)に応じて当該流体供給対象に諸特性を付与(例えば流体供給対象を冷却や潤滑)する技術が知られている(例えば特許文献1,2)。
さらに、変速機の出力軸等に設けられたパーキングギヤをロックまたはアンロック(解除)するロック手段、例えば車両停車時にパーキングギヤに対してパーキングポールを嵌合させて車両の駆動輪の回転をロックしたり、当該パーキングポールをパーキングギヤから離脱させてアンロックするロック手段を備えたパーキングロック機構が挙げられ、そのロック手段の駆動(例えばパーキングポールの嵌合・離脱操作)を電動アクチュエータにより行う技術が知られている(例えば特許文献3)。
特開2012−197842号公報 特開平11−190417号公報 特開平8−216844号公報 特開平9−264339号公報
しかしながら、前述のような車両アシスト装置の電動ポンプ機構やパーキングロック機構は、それぞれ異なる状況に応じて駆動するものであるため、それら状況に応じた個別の電動アクチュエータが各々適用されていた。そして、各電動アクチュエータに電気モータや制御装置をそれぞれ構成した場合には、車両アシスト装置の部品数の増加や大型化を招く虞があった。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、電動アクチュエータに係る部品数の低減および省スペース化を図った車両アシスト装置を提供することにある。
この発明に係る電子制御装置は、前記の課題を解決できる創作であり、その一態様は、ポンプにより流体を流体供給対象に対して供給し循環する電動ポンプ機構と、パーキングギヤをロックまたはアンロックするロック手段を備えたパーキングロック機構と、を含む車両アシスト装置であって、制御装置を介して駆動軸が回転駆動制御される電気モータを有し当該駆動軸の回転駆動力により前記電動ポンプ機構のポンプとパーキングロック機構のロック手段とを駆動する電動アクチュエータを備えたことを特徴とする。
以上示したように本発明によれば、電動ポンプ機構およびパーキングロック機構に係る部品数の低減および小型化を図ることが可能となる。
本実施形態における車両アシスト装置の一例を示す概略ブロック図(実施例1)。 本実施形態における車両アシスト装置の一例を示す概略ブロック図(実施例2)。 本実施形態における車両アシスト装置の一例を示す概略ブロック図(実施例3)。 本実施形態における車両アシスト装置の一例を示す概略ブロック図(実施例4)。 本実施形態における車両アシスト装置の一例を示す概略ブロック図(実施例4)。 従来の車両アシスト装置の一例を示す概略ブロック図。 左右輪に適用した場合の車両アシスト装置の動作例を示す一覧図(従来)。 左右輪に適用した場合の車両アシスト装置の動作例を示す一覧図(本実施形態)。
本発明の実施形態の車両アシスト装置は、異なる車両状況に合わせて動作する電動ポンプ機構やパーキングロック機構に対し単に当該車両状況に合わせた個別の電動アクチュエータを各々適用するのではなく、電動ポンプ機構のポンプとパーキングロック機構のロック手段とを同じ電動アクチュエータで駆動するものであり、その電動アクチュエータとして、制御装置を介して駆動軸が回転駆動制御される電気モータを有したものを適用することを特徴とする。
従来の車両アシスト装置の場合、例えば図6に示すように、流体供給対象20に対し供給流路(本実施形態では後述の一方向供給流路)3aを介して流体を供給し吸入流路(本実施形態では後述の一方向吸入流路)3bを介して吸入して当該流体を循環させるポンプPを備えた電動ポンプ機構3においては、流体供給対象20の状況に応じた指令信号を受信して演算処理する制御回路を備えた制御装置1aが用いられ、その制御装置1aを介して駆動軸が回転駆動制御される電気モータ2aを有し当該駆動軸の回転駆動力により前記ポンプPを駆動する電動アクチュエータ10aが用いられていた。また、パーキングギヤ(例えば変速機等の出力軸30に設けられるパーキングギヤ)21をロック手段R(例えばパーキングポールR1等)によりのロックまたはアンロックし駆動輪50の回転をロックまたはアンロックするパーキングロック機構4においては、車両の状況に応じた指令信号を受信して演算処理する制御回路を備えた制御装置1bが用いられ、その制御装置1bを介して駆動軸が回転駆動制御される電気モータ2bを有し当該駆動軸の回転駆動力により前記ロック手段Rを駆動する電動アクチュエータ10bが用いられていた。
このように従来の車両アシスト装置においては、電動ポンプ機構3,パーキングロック機構4に対し個別の電動アクチュエータ10a,10bが適用され、これにより各々の電気モータ2a,2bや制御装置1a,1b等を必要とし、車両アシスト装置の部品数の増加や大型化を招くことになっていた。
一方、本実施形態の車両アシスト装置においては、電動ポンプ機構,パーキングロック機構が電気モータの駆動軸(以下、モータ駆動軸)の回転駆動力(以下、モータ駆動力)により駆動するという共通点に着目し、それら電動ポンプ機構,パーキングロック機構が異なる状況に応じて駆動するものであっても同一の電動アクチュエータが適用可能であることを見出してなされたものであり、従来と比較して、部品数を低減し省スペース化にも貢献することが可能である。
本実施形態の車両アシスト装置は、前述のように、電動ポンプ機構のポンプとパーキングロック機構のロック手段とを同じ電動アクチュエータで駆動する構成であれば、以下に示すように車両アシスト装置の分野、例えば電動ポンプ機構(例えば特許文献1,2),パーキングロック機構(例えば特許文献3),駆動力切替機構等の分野に限られず各種分野の周知技術を適宜適用することができ、有用な作用効果を奏することが可能である。
<電動アクチュエータ>
電動アクチュエータは、前述のように制御装置を介してモータ駆動軸が回転駆動制御される電気モータを備え、そのモータ駆動軸を介して電動ポンプ機構のポンプとパーキングロック機構のロック手段とを駆動できる構成であれば、使用目的に応じて種々の形態のものを適宜適用することが可能である。
例えば、電気モータにおいては、前記のポンプやロック手段を駆動するために必要なモータ駆動力を発揮できるものを適宜適用することが挙げられる。また、モータ駆動軸が一方向に駆動(正転駆動)するものに限定されず、ニ方向に駆動(正転駆動,反転駆動)するものを適用しても良い。このニ方向に駆動する電気モータを適用する場合には、モータ駆動軸の正転駆動時および反転駆動時の両方において流体供給対象に対して流体を供給する一方向供給流路や、当該正転駆動時および反転駆動時の両方において流体供給対象から流体を吸入(還流)する一方向吸入流路等の逆流を防止する構成(詳細を後述)を適用したり、駆動力切替機構(詳細を後述)を用いることにより、流体供給対象に対する流体の循環方向が所定の順方向となるように制御し、当該循環方向が逆流(例えばモータ駆動軸の反転駆動時の逆流)にならないように防止することが好ましい。
前述のように駆動力切替機構や逆流を防止する手段(以下、逆流防止手段)を用いた構成であれば、例えば車両において左右対称に配置される左車輪,右車輪に対して、それぞれ同一の仕様の車両アシスト装置を適用することも可能となる。具体例を挙げて説明すると、例えば左車輪に適用した車両アシスト装置がニ方向に駆動する電気モータを有するものであって、前述の駆動力切替機構や逆流防止手段を持たず、図7に示すようにモータ駆動軸の正転駆動により流体が順方向で循環しロック手段がロックし反転駆動により逆流方向で循環しロック手段がアンロックとなる構成の場合、その左車輪用の車両アシスト装置を右車輪に適用すると図7に示すようにモータ駆動軸の正転駆動により流体が順方向で循環しながらロック手段がアンロックとなってしまう。一方、左車輪用の車両アシスト装置が前述のような駆動力切替機構や逆流防止手段を備えていれば、たとえ右車輪に適用した場合であっても、モータ駆動軸を反転駆動することにより、図8に示すように流体を順方向で循環させながらロック手段をロックすることが可能となる。
制御装置においては、モータ駆動軸を駆動制御可能なものであれば良く、運転者による操作指令信号(例えば車両をパーキングレンジやドライブレンジ等に切り替えるセレクトレバーによる操作指令)や車両状況を示すセンサ信号(例えば流体供給対象や駆動輪等から検出されるセンサ信号)等の各種指令信号を受信し、その指令信号に応じてモータ駆動軸を駆動制御する制御回路を備えたものが挙げられる。また、後述の駆動力切替機構を備えた場合には、前記の制御回路において、駆動力切替機構の断続の切り替え制御可能なものを適用することが挙げられる。さらに、制御回路においては、例えば電動ポンプ機構やパーキングロック機構の駆動において安全性を得るために、電気モータが所定範囲のモータ駆動力で駆動するように閾値や補正値を設定することが考えられる。
<駆動力伝達手段>
モータ駆動軸と電動ポンプ機構のポンプとの間や、当該モータ駆動軸とパーキングロック機構のロック手段との間においては、それらポンプやロック手段に対してモータ駆動力を伝達するために、それぞれ互いに直接的に接続しても良いが、例えば歯車機構(各種ギヤを単体あるいは複数組み合わせて成る機構)やリンク機構(例えばシャフトを用いた機構)等の駆動力伝達手段を用いて間接的に接続することが挙げられ、その駆動力伝達手段については種々のものを適宜適用することが可能である。前記の歯車機構のギヤ比においては、モータ駆動力等を考慮して適宜設定できるものであるが、例えばモータ駆動軸とロック手段との間に介在する歯車機構の場合、ロック手段側のギヤ比が高くなるように設定することにより、ロック手段において急激なロック・アンロック操作を防止することが挙げられる。
また、前記の駆動力伝達手段として、モータ駆動力の断続を切り替えることが可能な駆動力切替機構(例えば機械式クラッチ,電磁式クラッチ(例えば特許文献4),2WAYクラッチ等の各種クラッチを単体あるいは複数組み合わせて成る機構)を適用した場合には、電動ポンプ機構のポンプとパーキングロック機構のロック手段との両方を同時に駆動する他に、何れか一方を駆動させずに他方のみを駆動することができる。すなわち、たとえ電気モータを駆動させた状態であっても、駆動力伝達対象側であるポンプやロック手段等を選択的に駆動したり停止することが可能となる。例えば、電動ポンプ機構側において流体供給対象に対する流体の循環が困難な場合(例えば極低温環境下で循環困難な場合)や、パーキングロック機構側においてロックやアンロックする場合には、前述の駆動力切替機構を遮断することが一例として挙げられる。さらに、駆動力切替機構においては、前記制御装置により駆動制御可能なものを適用することが挙げられる。
<電動ポンプ機構>
電動ポンプ機構においては、前述の電動アクチュエータにより駆動するポンプを備え流体供給対象に対する流体を循環できる構成であれば種々の形態を適宜適用することが可能であるが、その流体の循環方向は一定の方向に固定されたものであることが好ましい。例えばポンプと流体供給対象との間において、モータ駆動軸の正転駆動時および反転駆動時の両方において流体供給対象に対して流体を供給する一方向供給流路と、当該正転駆動時および反転駆動時の両方において流体供給対象から流体を吸入する一方向吸入流路と、を介在させることが挙げられる。この一方向供給流路や一方向吸入流路のように、循環方向の逆流を防止する構成としては、一方向弁(逆止弁等)やバイパス路を備えた構成(例えば後述の流路制限機構を備えた構成)が挙げられる。また、プランジャポンプ等のように、前記の一方向供給流路や一方向吸入流路の機能を持ったポンプを適用しても良い。
<パーキングロック機構>
パーキングロック機構においては、変速機の出力軸等に設けられたパーキングギヤをロックまたはアンロックできるロック手段を備え、そのロック手段が前述の電動アクチュエータにより駆動できる構成であれば、種々の形態を適宜適用することができる。例えば、ロック手段は、車両停車時にパーキングギヤに対してパーキングポールを嵌合させて車両の駆動輪の回転をロックしたり、当該パーキングポールをパーキングギヤから離脱させてアンロックする構成が挙げられる。
次に、車両駆動源用電気モータ(図1では符号51で示す駆動源)のトルクを増加する減速機を備え当該減速機の歯車機構に設けられたパーキングギヤをパーキングロックするパーキングロック機構を備えた車両において、本実施形態の車両アシスト装置を適用した一例(実施例1〜4)を図面に基づいて説明する。なお、図6に示したものと同様のものについて、同一符号等を用いて詳細な説明を適宜省略する。
<実施例1>
図1に示す車両アシスト装置の電動アクチュエータ10は、電気モータ2と、運転者による操作指令信号や車両状況(減速機20や駆動輪50等の状況)を示すセンサ信号等の指令信号S1を受信し当該指令信号S1に応じて駆動制御信号S2を出力して電気モータ2のモータ駆動軸(図示省略)を駆動制御する制御回路を備えた制御装置1と、を構成している。この電気モータ2のモータ駆動軸には、車両駆動源用電気モータ51のトルクを増加する減速機20に対し一方向供給流路3a,一方向吸入流路3bを介して冷却・潤滑用オイルを循環させる電動ポンプ機構3のポンプPと、減速機20の出力軸等に設けられたパーキングギヤ21をロックまたはアンロックするパーキングロック機構4のロック手段Rと、がそれぞれ駆動力伝達手段3c,4aを介して接続され、電気モータ2のモータ駆動力がポンプPとロック手段Rとに各々伝達されるように構成されている。また、電気モータ2の駆動軸とパーキングロック機構4の駆動力伝達手段4aとの間には駆動力切替機構6が介在し、前記の駆動制御信号S2によりロック手段Rに対するモータ駆動力の伝達を断続するように構成されている。
この図1のように構成された車両アシスト装置では、例えば車両走行中で減速機20がオイルの循環を必要とする状況を示す指令信号S1を制御装置1で受信した場合、その指令信号S1に基づいて駆動制御信号S2(例えばモータ駆動制御信号S2a,クラッチ制御信号S2b)を出力し、駆動力切替機構6を遮断して電気モータ2を駆動(例えば正転駆動)しモータ駆動力をポンプ機構3のポンプPのみに伝えることにより、減速機20に対してオイルを循環する循環制御を行うことができる。
また、車両停止時等においてパーキングギヤ21をロックする指令を示す指令信号S1を受信した場合、その指令信号S1に基づいて駆動制御信号S2を出力し、駆動力切替機構6を接続して電気モータ2を駆動(例えば正転駆動)しモータ駆動力をパーキングロック機構4のロック手段Rに伝えることにより、パーキングギヤ21をロックするロック制御を行うことができる。さらに、前記のようにロックされたパーキングギヤ21をアンロックする指令を示す指令信号S1を受信した場合、その指令信号S1に基づいて駆動制御信号S2を出力し、駆動力切替機構6を接続して電気モータ2を駆動(例えば反転駆動)しモータ駆動力をパーキングロック機構4のロック手段Rに伝えることにより、パーキングギヤ21をアンロックするアンロック制御を行うことができる。
本実施例1のロック制御時およびアンロック制御時において、減速機20に対するオイルの循環が不要の場合であっても、電気モータ2の駆動軸に接続されているポンプPが駆動することになるが、この駆動により減速機20内をオイルが循環すること自体は、その減速機20に対して大きな影響を及ぼすものではないものと考えられる。
なお、電動ポンプ機構3が電気モータ2の駆動軸2cの回転駆動方向によらずオイルを供給可能な構成(例えば後述の実施例2,4)の場合には、当該回転駆動方向がいずれであっても(正転駆動,反転駆動の何れであっても)、減速機20内には順方向でオイルが循環することになる。
また、モータ駆動軸2cとポンプPとの間に図外の駆動力切替機構を介在させた場合には、ポンプPに対するモータ駆動力を選択的に断続できるため、例えば車両停止時において電気モータ2を駆動させながらオイル循環を停止することが可能、すなわち電動ポンプ機構3とパーキングロック機構4とを選択的に駆動できることになる。
このように電動ポンプ機構3とパーキングロック機構4とを選択的に駆動できる構成の車両アシスト装置の場合、車両高速走行後の急停止時,急発進時,フェールセーフ制御等により、電動ポンプ機構3を駆動してオイルを循環する循環制御指令と、パーキングロック機構4を駆動してパーキングギヤ21をロックするロック制御指令(またはアンロックするアンロック制御指令)とが同時に起こった場合でも、以下に示すように対応可能であることが一例として挙げられる。
例えば、車両高速走行後の場合、まずロック制御を優先し、車両を安全に停止させた後に循環制御に移行する。この際、ロック制御の優先により循環制御が遅れた分については、オイルの循環流量を多くして強制的に循環させるように循環制御することが考えられる。また、モータ駆動軸2cの駆動方向において、パーキングギヤ21をアンロックする場合と、減速機20に対してオイルを循環(順方向で循環)させる場合と、を同じモータ駆動軸2cの駆動方向(正転駆動方向または反転駆動方向)で駆動するように一致させておくことにより、例えばアンロック制御の優先によりパーキングギヤ21をアンロックしている最中に減速機20に対してオイルを循環させつつ、そのパーキングギヤ21のアンロック後においては循環制御に移行し、オイル循環が続行するように循環制御することが考えられる。
<実施例2>
図2に示す車両アシスト装置は、入力軸6a,出力回転軸6bを有する電磁クラッチ式の駆動力切替機構6を備え、その駆動力切替機構6や当該駆動力切替機構6の出力回転軸6bに接続された駆動力伝達ギヤ6cおよび駆動力伝達手段4aを介して、電気モータ2のモータ駆動力がパーキングロック機構4のロック手段Rに伝わるように構成されている。電気モータ2においては、例えば円柱状のロータ2aの外周側にステータ2bが配設されたモータであって、前記ロータ2aの両端から当該ロータ2aの軸心方向に突出したモータ駆動軸2cを有するものが適用され、モータ駆動軸2cの一端側は前記駆動力機構6の入力軸6aに接続され、モータ駆動軸2cの他端側は電動ポンプ機構3のポンプPに接続される。また、電動ポンプ機構3は、モータ駆動軸2cの正転駆動時および反転駆動時の両方において減速機20に対し一方向供給流路3a,一方向吸入流路3bを介して順方向でオイルを循環させる流路制限機構3dが備えられている。
この図2のように構成された車両アシスト装置では、例えば車両走行中で減速機20がオイルの循環を必要とする状況を示す指令信号S1を制御装置1で受信した場合、その指令信号S1に基づいて駆動制御信号S2(例えばモータ駆動制御信号S2a,クラッチ制御信号S2b)を出力し、駆動力切替機構6の入力軸6aと出力回転軸6bとを遮断し、電気モータ2を駆動(例えば正転駆動または反転駆動)してモータ駆動力をポンプ機構3のポンプPのみに伝えることにより、減速機20に対してオイルを循環する循環制御を行うことができる。この際、電気モータ2の駆動が正転駆動,反転駆動のいずれであっても、流路制限機構3により、減速機20に対してオイルが順方向で循環することになる。
また、車両停止時等においてパーキングギヤ21をロックする指令を示す指令信号S1を受信した場合、その指令信号S1に基づいて駆動制御信号S2(例えばモータ駆動制御信号S2a,クラッチ制御信号S2b)を出力し、駆動力切替機構6の入力軸6aと出力回転軸6bとを接続した状態で電気モータ2を駆動(例えば正転駆動)してモータ駆動力をパーキングロック機構4のロック手段Rに伝えることにより、パーキングギヤ21をロックするロック制御を行うことができる。さらに、前記のようにロックされたパーキングギヤ21をアンロックする指令を示す指令信号S1を受信した場合、その指令信号S1に基づいて駆動制御信号S2(例えばモータ駆動制御信号S2a,クラッチ制御信号S2b)を出力し、駆動力切替機構6を接続した状態で電気モータ2を駆動(例えば反転駆動)しモータ駆動力をパーキングロック機構4のロック手段Rに伝えることにより、パーキングギヤ21をアンロックするアンロック制御を行うことができる。
本実施例2のロック制御時およびアンロック制御時においては、実施例1で説明したように、電気モータ2の駆動軸2cに接続されているポンプPが駆動することになるが、図2に示したように流路切替機構3dを備えていれば、電気モータ2の駆動が正転駆動,反転駆動の何れであっても、減速機20内には順方向でオイルが循環することになる。したがって、例えば車両の急停止時や急発進時等において循環制御とロック制御(またはアンロック制御)とが同時に要求される場合であっても、電気モータ2の駆動軸2cの回転駆動方向によらずオイルを順方向で循環させることが可能となる。
なお、モータ駆動軸2cとポンプPとの間に図外の駆動力切替機構を介在させた場合には、ポンプPに対するモータ駆動力を選択的に断続できるため、実施例1で説明したように電動ポンプ機構3とパーキングロック機構4とを選択的に駆動できることになる。
<実施例3>
図3に示す車両アシスト装置は、図2に示した駆動力切替機構6の他に、当該駆動力切替機構6と同様に入力軸,出力回転軸(図2の入力軸6a,出力回転軸6b(図3では図示省略))を有する電磁クラッチ式の駆動力切替機構60を併用した構成である。そして、駆動力切替機構6に接続された駆動力伝達ギヤ6cおよび駆動力伝達手段4aを介して、または駆動力切替機構60に接続された反転ギヤ60d,駆動力伝達ギヤ60cおよび駆動力伝達手段4aを介して、電気モータ2のモータ駆動力がパーキングロック機構4のロック手段Rに伝わるように構成されている。
この図3のように構成された車両アシスト装置では、例えば車両走行中で減速機20がオイルの循環を必要とする状況を示す指令信号S1を制御装置1で受信した場合、その指令信号S1に基づいて駆動制御信号S2(例えばモータ駆動制御信号S2a、駆動力切替機構6,60のクラッチ制御信号S2b,S2c)を出力し、駆動力切替機構6,60を遮断し、電気モータ2を駆動(例えば正転駆動)してモータ駆動力をポンプ機構3のポンプPのみに伝えることにより、減速機20に対するオイルの循環を行うことができる。
また、車両停止時等においてパーキングギヤ21をロックする指令を示す指令信号S1を受信した場合、その指令信号S1に基づいて駆動制御信号S2(例えばモータ駆動制御信号S2a、駆動力切替機構6,60のクラッチ制御信号S2b,S2c)を出力し、例えば駆動力切替機構6を接続し駆動力切替機構60を遮断した状態で電気モータ2を駆動(例えば正転駆動)してモータ駆動力をパーキングロック機構4のロック手段Rに伝えることにより、パーキングギヤ21をロックするロック制御を行うことができる。さらに、前記のようにロックされたパーキングギヤ21をアンロックする指令を示す指令信号S1を受信した場合、その指令信号S1に基づいて駆動制御信号S2(例えばモータ駆動制御信号S2a、駆動力切替機構6,60のクラッチ制御信号S2b,S2c)を出力し、例えば駆動力切替機構6を遮断し駆動力切替機構60を接続した状態で電気モータ2を駆動(例えば正転駆動)してモータ駆動力をパーキングロック機構4のロック手段Rに伝えることにより、パーキングギヤ21をアンロックするアンロック制御を行うことができる。
本実施例3のロック制御時およびアンロック制御時においては、実施例1で説明したように、電気モータ2の駆動軸2cに接続されているポンプPが駆動することになるが、前記のように2つの駆動力切替機構を用いたことにより、循環制御時,ロック制御時,アンロック制御時における電気モータの駆動方向をそれぞれ同一方向にすることができるため、図2のような流路制限機構を備えていなくても、ロック制御時やアンロック制御時に減速機20内に対して順方向でオイルが循環されるように設定することができる。したがって、例えば車両の急停止時や急発進時等において循環制御とロック制御(またはアンロック制御)とが同時に要求される場合であっても、電気モータ2の駆動軸2cの回転駆動方向によらずオイルを順方向で循環させることが可能となる。
なお、モータ駆動軸2cとポンプPとの間に図外の駆動力切替機構を介在させた場合には、ポンプPに対するモータ駆動力を選択的に断続できるため、実施例1で説明したように電動ポンプ機構3とパーキングロック機構4とを選択的に駆動できることになる。
<実施例4>
図4(電気モータ2が正転駆動の場合),図5(電気モータ2が反転駆動の場合)に示す車両アシスト装置は、図2に示すものと同様の構成であって、流路制限機構3dにおいて逆止弁,バイパス路を備えたものである。この図3,図4の流路制限機構3dにおいては、一方向供給流路3a側,一方向吸入流路3b側それぞれに逆止弁31a,31bが設けられている。また、逆止弁31aの下流側と逆止弁31bの下流側との間をバイパスするバイパス路32と、逆止弁31aの上流側と逆止弁31bの上流側との間をバイパスするバイパス路33と、が設けられている。前記のバイパス路32,33には、一方向吸入流路3b側から一方向供給流路3a側のみに循環させる逆止弁32a,33aが備えられている。
このような流路制限機構3dを構成したことにより、実施例2と同様に循環制御,ロック制御,アンロック制御が行われることになる。図4の流路制限機構3d(例えば正転駆動の場合)においては、例えばポンプP,逆止弁31a,一方向供給流路3aの順で減速機20内に供給されたオイルが、一方向吸入流路3b,逆止弁31b,ポンプPの順で還流することになる。また、図5の流路制限機構3d(例えば反転駆動の場合)においては、例えばポンプP,バイパス路32(および逆止弁32a),一方向供給流路3aの順で減速機20内に供給されたオイルが、一方向吸入流路3b,バイパス路33(および逆止弁33a),ポンプPの順で還流することになる。
本実施例4のロック制御時およびアンロック制御時においては、実施例1で説明したように、電気モータ2の駆動軸2cに接続されているポンプPが駆動することになるが、図4,5に示したように流路切替機構3dを備えていれば、電気モータ2の駆動が正転駆動,反転駆動の何れであっても、減速機20内には順方向でオイルが循環することになる。したがって、例えば車両の急停止時や急発進時等において循環制御とロック制御(またはアンロック制御)とが同時に要求される場合であっても、電気モータ2の駆動軸2cの回転駆動方向によらずオイルを順方向で循環させることが可能となる。
なお、モータ駆動軸2cとポンプPとの間に図外の駆動力切替機構を介在させた場合には、ポンプPに対するモータ駆動力を選択的に断続できるため、実施例1で説明したように電動ポンプ機構3とパーキングロック機構4とを選択的に駆動できることになる。
以上、本発明において、記載された具体例に対してのみ詳細に説明したが、本発明の技術思想の範囲で多彩な変更等が可能であることは、当業者にとって明白なことであり、このような変更等が特許請求の範囲に属することは当然のことである。例えば、図1〜図5では減速機を流量供給対象とし当該減速機に設けられたパーキングギヤをロックまたはアンロックする構成を示したが、これに限られるものではなく、パーキングギヤを備えた変速機に実施例1〜4のような車両アシスト装置を適用しても良く、同様の作用効果を奏することができる。
1…制御装置
10…電動アクチュエータ
2…電気モータ
21…パーキングギヤ
3…電動ポンプ機構
3a…一方向供給流路
3b…一方向吸入流路
3d…流路制限機構
4…パーキングロック機構
6…駆動力切替機構
P…ポンプ
R…ロック手段
20…流路供給対象

Claims (3)

  1. ポンプにより流体を流体供給対象に対して供給し循環する電動ポンプ機構と、
    パーキングギヤをロックまたはアンロックするロック手段を備えたパーキングロック機構と、を含む車両アシスト装置であって、
    制御装置を介して駆動軸が回転駆動制御される電気モータを有し当該駆動軸の回転駆動力により前記電動ポンプ機構のポンプとパーキングロック機構のロック手段とを駆動する電動アクチュエータを備えたことを特徴とする車両アシスト装置。
  2. 前記電気モータの駆動軸とポンプとの間および当該駆動軸とロック手段との間のうち少なくとも何れか一方に対し、駆動軸の回転駆動力の断続が切り替わる駆動力切替機構を備えたことを特徴とする請求項1記載の車両アシスト装置。
  3. 前記電動ポンプ機構は、電気モータの駆動軸の回転駆動方向によらず流体を流体供給対象に供給可能な構成であることを特徴とする請求項1または2記載の車両アシスト装置。
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