JP2014185124A - エキソ型ノルボルネン化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子材料や光学材料用モノマー類の原料前駆体として有用なエキソ体を多く含む(エキソ富化体)ノルボルネン化合物、特に2−アシル−5−ノルボルネン類の製造方法を提供すること。
【解決手段】2位にアシル基を有するエンド型ノルボルネン化合物(A)に、2級アミノ化合物(B)を接触させることを特徴とするエキソ型ノルボルネン化合物の製造方法を用いる。
【選択図】なし
【解決手段】2位にアシル基を有するエンド型ノルボルネン化合物(A)に、2級アミノ化合物(B)を接触させることを特徴とするエキソ型ノルボルネン化合物の製造方法を用いる。
【選択図】なし
Description
本発明は、エキソ型ノルボルネン化合物の製造方法に関する。
2−アシル−5−ノルボルネン類は、例えば電子材料や光学材料用モノマー類の原料前駆体として有用であり、還元してメチロール基としたり、酸化してカルボン酸やエステルあるいは酸ハロゲン化物等に誘導して利用されている。特にエキソ体はエンド体に比べて重合特性や光学特性に優れていることが知られている(特許文献1〜4参照)。
2−置換−5−ノルボルネン類はディールス−アルダー反応により製造されるものであり、該反応ではエンド付加体が優先的に得られることがよく知られている(非特許文献1参照)。このエンドリッチ付加体を水酸化アルカリ溶液や金属アルコラート溶液中でエピメリ化反応によりエキソ富化しようとする試みがなされてきた(特許文献5及び非特許文献2〜4参照)。しかしながら、これらの固体塩基類を用いた場合には、反応を円滑に進めるため溶媒で希釈溶解した反応系にするという工業的不利益の他に、アルデヒド基の場合(R=H)には塩基性が強過ぎてアセタール化反応、アルドール縮合反応、重合反応、樹脂化等の副反応を引き起こし高収率でエキソ(富化)体が得られないという欠点もあった。
J.Furukawa等,J.Am.Chem.Soc.,92,6548(1970)
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J.G.Dinwiddie等,J.Org.Chem.,30,766(1965)
本発明の目的は、電子材料や光学材料用モノマー類の原料前駆体として有用なエキソ体を多く含む(エキソ富化体)ノルボルネン化合物、特に2−アシル−5−ノルボルネン類の安価な製造方法を提供することにある。
本発明者は、かかる課題に鑑み鋭意検討した結果、エキソ体を多く含む(エキソ富化)ノルボルネン化合物を安価に製造する方法を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、2位にアシル基を有するエンド型ノルボルネン化合物(A)に、2級アミノ化合物(B)を接触させることを特徴とするエキソ型ノルボルネン化合物の製造方法に関する。
本発明によれば、電子材料や光学材料用モノマー類の原料前駆体として有用なエキソ体を多く含むエキソ型ノルボルネン化合物、特に2−アシル−5−ノルボルネン類を安価に効率的に提供することができる。
本発明は、2位にアシル基を有するエンド型ノルボルネン化合物(A)(以下、成分(A)という)に、2級アミノ化合物(B)(以下、成分(B)という)を接触させることを特徴とする。
本発明の製造に用いられる成分(A)は、特に限定されないが、通常は一般式(1)
本発明の製造に用いられる成分(A)は、特に限定されないが、通常は一般式(1)
(式中、Rは水素または置換基を有していてもよいアルキル基もしくはフェニル基を表す。)で表わされる。成分(A)は、公知の方法によりアクロレインあるいはビニルケトン類(CH2=CH−CO−R)(式中、Rは水素または置換基を有していてもよいアルキル基もしくはフェニル基を表す。)とシクロペンタジエンとのディールス−アルダー反応によって調製される。
本エピメリ化(異性化)反応は、通常は非水系で成分(B)を用いる。なお、反応の際には溶剤を用いてもよい。溶剤としては、成分(A)と反応し得る一級アミン類や成分(B)の窒素と反応する化合物や酸性物質等以外のものであれば、通常の炭化水素系溶剤の他、アルコール系溶剤、エステル系溶剤、アセトニトリルやジメチルスルホキシド(DMSO)等の極性有機溶剤を使用して反応することもできる。
成分(B)としては、2級アミノ基を有する化合物であれば特に限定されず公知の物を使用することができるが、炭素−窒素間が単結合で、置換基を有してよい鎖状炭化水素基からなる化合物(b1)(以下、成分(b1)という)または炭素−窒素間が単結合で置換基を有してもよい環状または複素環状2級アミノ化合物(b2)(以下、成分(b2)という)を用いることがエピメリ化(異性化)速度が速くなり、容易に平衡値に到達することができる点から好ましい。成分(b1)としては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジデシルアミン、ジドデシルアミン、ジステアリルアミン、ジイソプロピルアミン、ジイソブチルアミン、ジ(2−ブチルアミン)、ジ(t−ブチル)アミン、ジ(2−エチルヘキシル)アミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N´−ジメチルエチレンジアミン、N,N´−ジエチルエチレンジアミン、N−メチルエチルアミン、N−メチルプロピルアミン、N−メチルブチルアミン、N−メチルヘキシルアミン、N−メチルオクチルアミン、N−メチルデシルアミン、N−メチルドデシルアミン、N−メチルシクロヘキシルアミン、N−エチルプロピルアミン、N−エチルブチルアミン、N−エチルヘキシルアミン、N−エチルオクチルアミン、N−エチルデシルアミン、N−エチルドデシルアミン、N−エチルシクロヘキシルアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミンなどが挙げられる。成分(b2)としては、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−アザビシクロ[2.1.1]ヘキサン、7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン、2,7−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンなどが挙げられる。これらの中でも特に、ジオクチルアミンを用いることが、成分(A)と成分(B)の沸点差が大きくなるため、蒸留時に成分(B)の留出がなく、触媒を追加する必要がないことや性状が液体であり取扱容易であり、精留塔や冷却機での析出による閉塞の危険性も回避できる点で好ましい。使用量は、成分(A)に対して成分(B)が0.1〜20モル%程度が適量であり、好ましくは0.5〜10モル%がより適量である。
反応温度は通常−60〜140℃であり、好ましくは−20〜100℃、より好ましくは0〜80℃である。140℃を超えると熱異性化平衡とともに熱分解・熱重合等の副反応が複雑に起こってしまい、収率が低下することがある。
反応時間は通常1分〜24時間であるが、触媒量及び反応温度を調整することにより適宜変更可能である。
得られた反応液を、必要に応じて精製することで、エキソ型ノルボルネン化合物を得ることができる。精製方法としては特に限定されないが、反応液を蒸留することが、低沸点のエキソ型ノルボルネン化合物を選択的に取り出し、反応液系内にはエンド型ノルボルネン化合物を残存させて更にエピメリ化(異性化)平衡反応を継続して行える反応場を提供できる点から好ましい。
反応液には成分(B)が含まれていてもよく、成分(B)を接触させつつ反応液を蒸留することが、低沸点のエキソ型ノルボルネン化合物を選択的に取り出し、反応液系内にはエンド型ノルボルネン化合物と成分(B)を残存させて更にエピメリ化(異性化)平衡反応を継続して行うので連続的にエキソ型ノルボルネン化合物を製造できる点から好ましい。
なお、成分(A)に、成分(B)を接触させつつ反応液を移すことなくそのまま蒸留するとともに成分(A)必要に応じて成分(B)を連続的または分割して追加供給しながら反応と蒸留を継続することで連続的にエキソ型ノルボルネン化合物を製造することができる。
上記方法で得たエキソ型ノルボルネン化合物に成分(B)またはその分解生成物等の塩基性化合物や酸性化合物が混入していた場合には再びエピメリ化が起こる可能性があり、長期の保存安定性を確実なものとするためこれらの化合物を、吸着剤を用いて除去する等の処置を施しておくことが好ましい。
吸着剤としては、シリカゲル、活性アルミナ、活性炭、活性白土、イオン交換樹脂、珪藻土及びセルロ−スから選択される少なくとも1種類を用いることができる。吸着剤の使用量は特に限定されないが、エピメリ化後蒸留精製して得られたエキソ型ノルボルネン化合物に対し1重量%から100重量%を、好ましくは5〜50重量%を、より好ましくは10〜25重量%である。処理方法は特に限定されないが、通常、得られたエキソ型ノルボルネン化合物に吸着剤を加え、10分〜120分間混合攪拌した後、濾過するかまたは該吸着剤の充填塔にエピメリ化後蒸留精製したエキソ体を通して長期保存可能なエキソ体を得ることができる。
以下、実施例、比較例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例示に限定されるものではない。
[2−ホルミル−5−ノルボルネン(一般式(1)でR=H)の例]
実施例1
攪拌機、温度計、窒素導入口を装備した50mL四口フラスコにエンドリッチ2−ホルミル−5−ノルボルネン(A)12.22g(100ミリモル)を仕込み、25℃の恒温槽に浸し、窒素雰囲気攪拌下にエンドリッチ2−ホルミル−5−ノルボルネン(A)に対しピロリジン0.36g(5ミリモル≒0.42mL)を注入してエピメリ化反応を開始した。25℃で2時間、50℃で2時間段階的に昇温して反応を継続した。反応追跡はガスクロマトグラフィー(GC)を用いて行った(装置:(株)島津製作所製GC17A;検出器:FID;カラム:DB5使用)。反応液の一部を2及び4時間でサンプリング、そのGC分析結果を表1に示した。なお、原料のエンドリッチ2−ホルミル−5−ノルボルネン(A)の組成はエキソ体19.7%、エンド体75.6%、エキソ/エンド比は0.26であった。
実施例1
攪拌機、温度計、窒素導入口を装備した50mL四口フラスコにエンドリッチ2−ホルミル−5−ノルボルネン(A)12.22g(100ミリモル)を仕込み、25℃の恒温槽に浸し、窒素雰囲気攪拌下にエンドリッチ2−ホルミル−5−ノルボルネン(A)に対しピロリジン0.36g(5ミリモル≒0.42mL)を注入してエピメリ化反応を開始した。25℃で2時間、50℃で2時間段階的に昇温して反応を継続した。反応追跡はガスクロマトグラフィー(GC)を用いて行った(装置:(株)島津製作所製GC17A;検出器:FID;カラム:DB5使用)。反応液の一部を2及び4時間でサンプリング、そのGC分析結果を表1に示した。なお、原料のエンドリッチ2−ホルミル−5−ノルボルネン(A)の組成はエキソ体19.7%、エンド体75.6%、エキソ/エンド比は0.26であった。
実施例2〜10及び比較例1〜2
使用したアミン種を表2のように25℃で2時間、50℃で2時間、75℃で2時間、100℃で2時間段階的に昇温して反応を継続した他は実施例1と同様に行った。結果を表2に示した。なお、表2の各欄の数値はエキソ体/エンド体比を記した。
使用したアミン種を表2のように25℃で2時間、50℃で2時間、75℃で2時間、100℃で2時間段階的に昇温して反応を継続した他は実施例1と同様に行った。結果を表2に示した。なお、表2の各欄の数値はエキソ体/エンド体比を記した。
表1及び表2の25℃から順次段階昇温した実施例1〜10及び比較例1〜2より、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ジオクチルアミン、N−メチルオクチルアミン、ジエチルアミン、N,N´−ジメチルエチレンジアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン及び2−メチルイミダゾールを用いた実施例1〜10ではエピメリ化(異性化)反応が容易に進行し、エキソ体/エンド体比が1.2前後の平衡値に到達するのに対し、炭素−窒素間が二重結合を有するピリジンあるいは芳香族環に直結したアミノ基を有する1,8−ビス(ジメチルアミノ)ナフタレン(表2ではプロトンスポンジと略記した。)の比較例1〜2では反応温度にかかわりなくほとんどエピメリ化(異性化)が進行しないことが分かった。
実施例11〜15
使用したピロリジン量を表3のように変化した他は実施例1と同様に行った。25℃で2時間、50℃で2時間、75℃で2時間段階的に昇温して反応を継続したエキソ体/エンド体比の結果を表3に示した。
使用したピロリジン量を表3のように変化した他は実施例1と同様に行った。25℃で2時間、50℃で2時間、75℃で2時間段階的に昇温して反応を継続したエキソ体/エンド体比の結果を表3に示した。
表3の結果より2級アミノ化合物(B)のピロリジン量が原料のエンドリッチ2−ホルミル−5−ノルボルネン(A)の0.5モル%以上(実施例11、12、13)であれば2時間後(25℃)または4時間後(50℃)以降ほぼ一定の値となりエピメリ化(異性化)平衡に到達していることが分かった。
実施例16〜20
2級アミノ化合物(B)種をN−メチルオクチルアミンに変更し、使用量を表3のピロリジン量と同様に変化させた他は実施例1と同様に行った。25℃で2時間、50℃で2時間、75℃で2時間、100℃で2時間段階的に昇温して反応を継続したエキソ体/エンド体比の結果を表4に示した。
2級アミノ化合物(B)種をN−メチルオクチルアミンに変更し、使用量を表3のピロリジン量と同様に変化させた他は実施例1と同様に行った。25℃で2時間、50℃で2時間、75℃で2時間、100℃で2時間段階的に昇温して反応を継続したエキソ体/エンド体比の結果を表4に示した。
表4の結果より2級アミノ化合物(B)のN−メチルオクチルアミン量が原料のエンドリッチ2−ホルミル−5−ノルボルネン(A)の0.5モル%以上(実施例16、17、18)であれば4時間後(50℃)または6時間後(75℃)以降ほぼ一定の値となりエピメリ化(異性化)平衡に到達していることが分かった。
実施例21
温度計、窒素導入毛細管及びディクソンパッキン充填精留塔(100cm、約10段)を装備した300mLナシ型四口フラスコにエンドリッチ2−ホルミル−5−ノルボルネン(A)122.2g(1モル)を仕込み、フラスコ内を窒素置換した後、室温下にジオクチルアミン12.1g(0.05モル)を添加して窒素置換した。その後減圧下に窒素バブリング開始し、80℃の油浴に浸し液温70℃1000Pa前後の減圧度で2時間維持した後、減圧度を350〜400Paまで高め還流比10:1(戻し:留出弁開放時間比)で沸点49〜51℃の留分を分取した。蒸留結果を表5に示した。
温度計、窒素導入毛細管及びディクソンパッキン充填精留塔(100cm、約10段)を装備した300mLナシ型四口フラスコにエンドリッチ2−ホルミル−5−ノルボルネン(A)122.2g(1モル)を仕込み、フラスコ内を窒素置換した後、室温下にジオクチルアミン12.1g(0.05モル)を添加して窒素置換した。その後減圧下に窒素バブリング開始し、80℃の油浴に浸し液温70℃1000Pa前後の減圧度で2時間維持した後、減圧度を350〜400Paまで高め還流比10:1(戻し:留出弁開放時間比)で沸点49〜51℃の留分を分取した。蒸留結果を表5に示した。
保存安定性試験1
実施例21で得た留分2を10.0gとり、シリカゲル2.0gを充填したカラムに通したものを5℃及び25℃で保管し、所定時間毎にサンプリングしたものをGC分析してエキソ/エンド比を求めて保存安定性(エピメリ化)の有無を調べた。その結果を表6に示した。なお、試験直前に測定したエキソ体/エンド体比は24.3であった。
実施例21で得た留分2を10.0gとり、シリカゲル2.0gを充填したカラムに通したものを5℃及び25℃で保管し、所定時間毎にサンプリングしたものをGC分析してエキソ/エンド比を求めて保存安定性(エピメリ化)の有無を調べた。その結果を表6に示した。なお、試験直前に測定したエキソ体/エンド体比は24.3であった。
保存安定性試験2〜4及び比較保存安定性試験1
シリカゲルに替えて吸着剤をアルミナ、活性炭、活性白土及び吸着剤未処理のままで保存安定性試験1と同様に行った。それらの結果を表5に示した。
シリカゲルに替えて吸着剤をアルミナ、活性炭、活性白土及び吸着剤未処理のままで保存安定性試験1と同様に行った。それらの結果を表5に示した。
表6の結果より、いずれの吸着剤も未処理の場合に比べてエピメリ化の進行度合いは少なく安定であり、効果のあることが分かった。
[2−アセチル−5−ノルボルネン(一般式(1)でR=Me)の例]
実施例22
攪拌機、温度計、窒素導入口を装備した50mL四口フラスコにエンドリッチ2−アセチル−5−ノルボルネン(A)13.6g(100ミリモル)を仕込み、50℃の恒温槽に浸し、窒素雰囲気下に(A)に対し2級アミノ化合物(B)として5モル%に相当するピロリジン0.39g(5ミリモル≒0.45mL)を注入してエピメリ化反応を開始した。50℃で2時間反応後(エキソ体/エンド体比は0.49)、75℃に昇温し2時間(エキソ体/エンド体比は1.16)、100℃に昇温し2時間(エキソ体/エンド体比は1.24)反応させた。反応追跡はガスクロマトグラフィーを用いて行った(装置:(株)島津製作所製GC17A;検出器:FID;カラム:DB5使用)。反応液の一部を2,4,6時間でサンプリング、そのGC分析結果を表6に示した。なお、原料(A)の組成はエキソ体18.7%、エンド体79.7%であった(エキソ体/エンド体比は0.23)。
実施例22
攪拌機、温度計、窒素導入口を装備した50mL四口フラスコにエンドリッチ2−アセチル−5−ノルボルネン(A)13.6g(100ミリモル)を仕込み、50℃の恒温槽に浸し、窒素雰囲気下に(A)に対し2級アミノ化合物(B)として5モル%に相当するピロリジン0.39g(5ミリモル≒0.45mL)を注入してエピメリ化反応を開始した。50℃で2時間反応後(エキソ体/エンド体比は0.49)、75℃に昇温し2時間(エキソ体/エンド体比は1.16)、100℃に昇温し2時間(エキソ体/エンド体比は1.24)反応させた。反応追跡はガスクロマトグラフィーを用いて行った(装置:(株)島津製作所製GC17A;検出器:FID;カラム:DB5使用)。反応液の一部を2,4,6時間でサンプリング、そのGC分析結果を表6に示した。なお、原料(A)の組成はエキソ体18.7%、エンド体79.7%であった(エキソ体/エンド体比は0.23)。
[2−ベンゾイル−5−ノルボルネン(一般式(1)でR=Ph)の例]
実施例23 攪拌機、温度計、窒素導入口を装備した50mL四口フラスコにエンドリッチ2−ベンゾイル−5−ノルボルネン(A)19.8g(100ミリモル)を仕込み、50℃の恒温槽に浸し、窒素雰囲気下にエンドリッチ2−ベンゾイル−5−ノルボルネン(A)に対し2級アミノ化合物(B)として5モル%に相当するピロリジン0.39g(5ミリモル≒0.45mL)を注入してエピメリ化反応を開始した。50℃で2時間反応後(エキソ体/エンド体比は0.91)、75℃に昇温し2時間(エキソ体/エンド体比は1.00)、100℃に昇温し6時間(エキソ体/エンド体比は1.29)反応させた。反応追跡はガスクロマトグラフィーを用いて行った(装置:(株)島津製作所製GC17A;検出器:FID;カラム:DB5使用)。反応液の一部を2,4,6,8,10時間でサンプリング、そのGC分析結果を表8に示した。なお、原料(A)の組成はエキソ体45.8%、エンド体52.1%であった(エキソ体/エンド体比は0.88)。
実施例23 攪拌機、温度計、窒素導入口を装備した50mL四口フラスコにエンドリッチ2−ベンゾイル−5−ノルボルネン(A)19.8g(100ミリモル)を仕込み、50℃の恒温槽に浸し、窒素雰囲気下にエンドリッチ2−ベンゾイル−5−ノルボルネン(A)に対し2級アミノ化合物(B)として5モル%に相当するピロリジン0.39g(5ミリモル≒0.45mL)を注入してエピメリ化反応を開始した。50℃で2時間反応後(エキソ体/エンド体比は0.91)、75℃に昇温し2時間(エキソ体/エンド体比は1.00)、100℃に昇温し6時間(エキソ体/エンド体比は1.29)反応させた。反応追跡はガスクロマトグラフィーを用いて行った(装置:(株)島津製作所製GC17A;検出器:FID;カラム:DB5使用)。反応液の一部を2,4,6,8,10時間でサンプリング、そのGC分析結果を表8に示した。なお、原料(A)の組成はエキソ体45.8%、エンド体52.1%であった(エキソ体/エンド体比は0.88)。
本発明のエキソ体を多く含む(エキソ富化)2−アシル−5−ノルボルネン類の製造方法は、電子材料及び光学材料用脂環系ポリマーを効率的に製造する方法として有用である。
Claims (9)
- 2位にアシル基を有するエンド型ノルボルネン化合物(A)に、2級アミノ化合物(B)を接触させることを特徴とするエキソ型ノルボルネン化合物の製造方法。
- 2級アミノ化合物(B)が、炭素−窒素間が単結合で、置換基を有してよい鎖状炭化水素基からなる化合物(b1)または炭素−窒素間が単結合で置換基を有してもよい環状または複素環状2級アミノ化合物(b2)である請求項1または2に記載のエキソ型ノルボルネン化合物の製造方法。
- 2位にアシル基を有するエンド型ノルボルネン化合物(A)に、2級アミノ化合物(B)を接触させて得られた反応液を蒸留することによりエキソ型ノルボルネン化合物を得ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のエキソ型ノルボルネン化合物の製造方法。
- 2位にアシル基を有するエンド型ノルボルネン化合物(A)に、2級アミノ化合物(B)を接触させつつ反応液を蒸留することによりエキソ型ノルボルネン化合物を得ることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のエキソ型ノルボルネン化合物の製造方法。
- 2位にアシル基を有するエンド型ノルボルネン化合物(A)に、2級アミノ化合物(B)を接触させつつ反応液を蒸留するとともに2位にアシル基を有するエンド型ノルボルネン化合物を連続的または分割して追加供給しながら反応と蒸留を継続することによりエキソ型ノルボルネン化合物を得ることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のエキソ型ノルボルネン化合物の製造方法。
- 2位にアシル基を有するエンド型ノルボルネン化合物(A)に、2級アミノ化合物(B)を接触させつつ反応液を蒸留するとともに2位にアシル基を有するエンド型ノルボルネン化合物(A)と2級アミノ化合物(B)を同時あるいは別々に連続的または分割して追加供給しながら反応と蒸留を継続することによりエキソ型ノルボルネン化合物を得ることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のエキソ型ノルボルネン化合物の製造方法。
- 蒸留により得られたエキソ型ノルボルネン化合物を吸着剤に接触させることを特徴とする請求項4〜7に記載のエキソ型ノルボルネン化合物の製造方法。
- 吸着剤がシリカゲル、活性アルミナ、活性炭、活性白土、イオン交換樹脂、珪藻土及びセルロ−スからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項8に記載のエキソ型ノルボルネン化合物の製造方法。
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