JP5811948B2 - リモネンジアミンの製造方法。 - Google Patents

リモネンジアミンの製造方法。 Download PDF

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本発明は各種樹脂原料や樹脂添加剤として有用なジアミンのうち、リモネンジアミンの製造方法に関するものである。
ジアミン類は各種樹脂原料や樹脂添加剤として利用されている。化学的或いは物理的に性質の異なるジアミンを使用することにより樹脂性能、樹脂製造工程などの改良を図ることが可能であることから様々なジアミン類の開発が行われている。リモネンジアミンについては特許文献1にその製造方法に関する記載がある。即ち,リモネンモノアルデヒドやリモネンから得られるリモネンジアルデヒドを原料に還元的アミノ化反応を行うことによりリモネンジアミンが得られる旨が記載されている。
特開昭59−51244号公報
従来技術である特許文献1ではリモネンジアルデヒドをアンモニアと水素を使用して140バール(約14MPa)という高圧条件でリモネンジアミンに変換している(387頁,実施例1)。リモネンジアミンを工業的に製造するためには製造コストの低減が不可欠であるが,特許文献1記載の技術は高圧対応の反応設備を必要とするため製造コストが高くなる。
また,本発明者等が検討したところ特許文献1のようにリモネンジアルデヒドとアンモニアを一旦反応させた後に水素を添加する製造方法では重合性の副生物が多量に生成することが判明した。このように,従来技術ではリモネンジアミンを工業的に製造することは困難であり,より反応圧力が低く工業的に実施可能な製造プロセスの確立が求められていた。
本発明者等は上記課題を解決すべく鋭意検討した結果,以下に示す項目によって解決可能なことを見出し本発明を完成するに至った。
[1]リモネンジアルデヒドを金属触媒とアンモニアと水素と不活性ガスとを使用して加圧条件下でリモネンジアミンに変換することを特徴とするリモネンジアミンの製造方法。
[2]リモネンジアルデヒドをリモネンジアミンに変換する際の反応圧力が4〜8MPaであることを特徴とする[1]記載のリモネンジアミンの製造方法。
[3]水素と不活性ガスとのモル比(水素/不活性ガス)が0.2〜20.0の範囲であることを特徴とする[1]又は[2]記載のリモネンジアミンの製造方法。
[4]不活性ガスがヘリウム,窒素,アルゴンまたはそれらの混合物の何れかであることを特徴とする[2]又は[3]記載のリモネンジアミンの製造方法。
[5]溶媒として1価アルコールを使用することを特徴とする[2]から[4]記載のリモネンジアミンの製造方法。
[6]1価アルコールの炭素数が3〜8であることを特徴とする[5]記載のリモネンジアミンの製造方法。
本発明に基づく製造方法によれば,反応条件が大幅に緩和されると共に重合性副生物を産することなくリモネンジアミンを製造することが可能であり,製造設備や製造プロセスの経済的負荷が軽減されるため経済的且つ工業的な実施が可能である。
本発明のリモネンジアミンの製造方法は、リモネンジアルデヒドを金属触媒とアンモニアと水素と不活性ガスとを使用して加圧条件下でリモネンジアミンに変換することを特徴とする方法である。
本発明で出発原料として使用されるリモネンジアルデヒドは種々の方法で製造することが可能である。例えばリモネンを遷移金属錯体触媒の存在下に一酸化炭素/水素混合ガスと反応させる公知のヒドロホルミル化反応により得ることが可能である(リモネンは柑橘類に多量に含まれていることが知られている。光学活性なd体,l体の他,ジペンテンとも呼称される光学不活性なラセミ体が知られている)。一例としては先行技術文献の特許文献1(特開昭59−51244)に記載されている。このようにして得られるリモネンジアルデヒドは分子内のホルミル基の位置および環構造に対する向きが種々異なる異性体混合物であるが,本発明における原料としては何ら問題なく使用することが可能である。
使用される金属触媒としては、公知の水素還元能を有するニッケル、コバルト、ルテニウム、パラジウム、ロジウム、白金等の周期律表VIII族元素、および銅-クロム、銅-亜鉛等の金属触媒が挙げられる。
中でもニッケルおよびコバルトを含有する触媒が好ましく,活性や操作性の点からスポンジニッケル触媒やニッケル珪藻土触媒、スポンジコバルト触媒が,より好ましい。
本発明を実施する上で好適な反応温度は50〜120℃であり,より好ましくは70〜110℃である。これら範囲で反応温度を制御することにより良好な反応速度で反応を実施することが可能となり,反応中間体であるリモネンモノアミンモノアルデヒドや蒸留分離しにくいリモネンモノアミンモノオールの副生が抑制され,目的物であるリモネンジアミンを高収率,且つ高純度で製造することが可能となる。
本発明を実施する上で好適な反応時間は1〜5時間である。この範囲で反応時間を制御することにより,反応中間体であるリモネンモノアミンモノアルデヒドの混入や,蒸留分離しにくいリモネンモノアミンモノオールの副生が抑制され,目的物であるリモネンジアミンを高収率,且つ高純度で製造することが可能となる。
本発明を実施する上で好適なアンモニアの使用量は,基質であるリモネンジアルデヒドに対して10〜60倍モルであり,より好ましくは20〜40倍モルである。これら範囲でアンモニアを使用することにより,リモネンジアミンを収率よく製造することが可能となる。リモネンジアミンの収率低下要因の一つに重合性物質の副生が挙げられるが,これらの副生は反応に使用した触媒を分離する上でも障害となり,ひいては触媒の循環再使用が出来なくなり経済的にも不利となる。こうした課題を克服する上でも本範囲でアンモニアを使用することが好ましい。
本発明を実施する上で反応圧力は4〜8MPaであることが好ましい。また水素と不活性ガスとのモル比率(水素/不活性ガス)が0.2〜20.0の範囲にあることが好ましい。
これらの圧力,および水素/不活性ガスのモル比率で反応を行うことにより,副生物の極めて少ない,高収率なリモネンジアミン製造を行うことが可能となる。特に不活性ガスを使用せずに水素のみで反応を行った場合には副生物が多量に生成する。
例えば,不活性ガスを使用せずに反応圧力が4MPa未満の場合には中間体であるリモネンモノアミンモノアルデヒドとリモネンモノアミンモノイミン,或いはリモネンモノアミンモノイミン同士の反応による重合性副生物の生成が進行しやすくなる。
一方,不活性ガスを使用せずに反応圧力が8MPaよりも高い場合にはリモネンモノアミンモノアルデヒドのホルミル基が水素化されたリモネンモノアミンモノオールの副生が多くなる。
不活性ガス共存による効果の詳細は不明であるが,不活性ガス共存により反応系内の全圧が高まり,結果として液相部のアンモニア濃度および水素濃度が高まることにより所期の反応が進行すること,また,気相部の水素濃度が低くなり副反応が進行しにくくなるものと推察している。
尚、使用される不活性ガスとしては、例えばヘリウム,窒素,アルゴン等が挙げられ、単独又はこれらの混合物を用いることが出来る。
本発明を実施する上で溶媒の使用は必ずしも必須ではないが,反応後の触媒分離を考慮し溶媒を使用することが可能である。溶媒を使用する場合は1価アルコールが好適に使用され,特に炭素数3〜8の1価アルコールが好適である。メタノールやエタノールは基質であるリモネンジアルデヒドとアセタール類を形成し易く,これらアセタール類は重合性副生物生成の原因となるため好ましくない。
以下,実施例に沿って本発明をより具体的に説明するが,本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
300mlステンレス製オートクレーブにリモネンジアルデヒド20.0g(102mmol),1−ブタノール100g,スポンジコバルト触媒5mlを加えた(スポンジコバルト触媒は1−ブタノールで溶媒置換した後,デカンテーションにより1−ブタノールを除去してから使用した)。液体アンモニア52g(3053mmol)を加えた後,室温で内圧2.5MPaまで水素を充填し,更に窒素を充填し,内圧を5.0MPaに調整した。撹拌しながらオートクレーブを90℃に昇温し,90℃に到達した後,内圧が6MPaになるよう水素を適宜充填し3時間反応を行った(水素/窒素モル比=1)。冷却後,水素およびアンモニアをパージしてから反応液をろ過しスポンジコバルト触媒を除去した。得られた反応液のガスクロマトグラフによる分析を行いリモネンジアミン19.2g(97mmol),リモネンモノアミンモノアルデヒド0.6g(3mmol)が含まれていることを確認した。
実施例2
300mlステンレス製オートクレーブにリモネンジアルデヒド20.1g(102mmol),1−ブタノール100g,スポンニッケル触媒6mlを加えた(スポンジニッケル触媒は1−ブタノールで溶媒置換した後,デカンテーションにより1−ブタノールを除去してから使用した)。液体アンモニア51g(2995mmol)を加えた後,室温で内圧2.5MPaまで水素を充填し,更に窒素を充填し,内圧を5.0MPaに調整した。撹拌しながらオートクレーブを90℃に昇温し,90℃に到達した後,内圧が6MPaになるよう水素を適宜充填し3時間反応を行った(水素/窒素モル比=1)。冷却後,水素およびアンモニアをパージしてから反応液をろ過しスポンジニッケル触媒を除去した。得られた反応液のガスクロマトグラフによる分析を行いリモネンジアミン19.1g(96mmol),リモネンモノアミンモノアルデヒド0.8g(4mmol)が含まれていることを確認した。
実施例3
300mlステンレス製オートクレーブにリモネンジアルデヒド20.0g(102mmol),1−ブタノール100g,スポンジコバルト触媒5mlを加えた(スポンジコバルト触媒は1−ブタノールで溶媒置換した後,デカンテーションにより1−ブタノールを除去してから使用した)。液体アンモニア51g(2995mmol)を加えた後,室温で内圧0.8MPaまで水素を充填し,更に窒素を充填し,内圧を4.8MPaに調整した。撹拌しながらオートクレーブを90℃に昇温し,90℃に到達した後,内圧が6MPaになるよう水素を適宜充填し3時間反応を行った(水素/窒素モル比=0.23)。冷却後,水素およびアンモニアをパージしてから反応液をろ過しスポンジコバルト触媒を除去した。得られた反応液のガスクロマトグラフによる分析を行いリモネンジアミン18.6g(94mmol),リモネンモノアミンモノアルデヒド1.2g(6mmol)が含まれていることを確認した。
実施例4
300mlステンレス製オートクレーブにリモネンジアルデヒド19.9g(101mmol),1−ブタノール100g,スポンジコバルト触媒5mlを加えた(スポンジコバルト触媒は1-ブタノールで溶媒置換した後,デカンテーションにより1-ブタノールを除去してから使用した)。液体アンモニア51g(2995mmol)を加えた後,室温で内圧4.6MPaまで水素を充填し,更に窒素を充填し,内圧を4.85MPaに調整した。撹拌しながらオートクレーブを90℃に昇温し,90℃に到達した後,内圧が6MPaになるよう水素を適宜充填し3時間反応を行った(水素/窒素モル比=18.70)。冷却後,水素およびアンモニアをパージしてから反応液をろ過しスポンジコバルト触媒を除去した。得られた反応液のガスクロマトグラフによる分析を行いリモネンジアミン18.7g(94mmol),リモネンモノアミンモノアルデヒド0.2g(1mmol),リモネンモノアミンモノオール0.8g(4mmol)が含まれていることを確認した。
実施例5
300mlステンレス製オートクレーブにリモネンジアルデヒド19.2g(98mmol),1−ブタノール100g,スポンジコバルト触媒5mlを加えた(スポンジコバルト触媒は1−ブタノールで溶媒置換した後,デカンテーションにより1−ブタノールを除去してから使用した)。液体アンモニア50g(2936mmol)を加えた後,室温で内圧1.6MPaまで水素を充填し,更に窒素を充填し,内圧を3.3MPaに調整した。撹拌しながらオートクレーブを90℃に昇温し,90℃に到達した後,内圧が4MPaになるよう水素を適宜充填し5時間反応を行った(水素/窒素モル比=1)。冷却後,水素およびアンモニアをパージしてから反応液をろ過しスポンジコバルト触媒を除去した。得られた反応液のガスクロマトグラフによる分析を行いリモネンジアミン18.0g(91mmol),リモネンモノアミンモノアルデヒド1.0g(5mmol)が含まれていることを確認した。
実施例6
300mlステンレス製オートクレーブにリモネンジアルデヒド20g(102mmol),1−プロパノール100g,スポンジコバルト触媒5mlを加えた(スポンジコバルト触媒は1-プロパノールで溶媒置換した後,デカンテーションにより1-プロパノールを除去してから使用した)。液体アンモニア52g(3053mmol)を加えた後,室温で内圧2.5MPaまで水素を充填し,更に窒素を充填し,内圧を5.0MPaに調整した。撹拌しながらオートクレーブを90℃に昇温し,90℃に到達した後,内圧が6MPaになるよう水素を適宜充填し3時間反応を行った(水素/窒素モル比=1)。冷却後,水素およびアンモニアをパージしてから反応液をろ過しスポンジコバルト触媒を除去した。得られた反応液のガスクロマトグラフによる分析を行いリモネンジアミン19.0g(96mmol),リモネンモノアミンモノアルデヒド0.6g(3mmol)が含まれていることを確認した。
実施例7
300mlステンレス製オートクレーブにリモネンジアルデヒド19.4g(99mmol),1−ブタノール100g,スポンジコバルト触媒5mlを加えた(スポンジコバルト触媒は1−ブタノールで溶媒置換した後,デカンテーションにより1−ブタノールを除去してから使用した)。液体アンモニア51g(2995mmol)を加えた後,室温で内圧2.3MPaまで水素を充填し,更に窒素を充填し,内圧を4.6MPaに調整した。撹拌しながらオートクレーブを110℃に昇温し,110℃に到達した後,内圧が6MPaになるよう水素を適宜充填し2.5時間反応を行った(水素/窒素モル比=1)。冷却後,水素およびアンモニアをパージしてから反応液をろ過しスポンジコバルト触媒を除去した。得られた反応液のガスクロマトグラフによる分析を行いリモネンジアミン18.2g(92mmol),リモネンモノアミンモノアルデヒド0.2g(1mmol),リモネンモノアミンモノオール0.8g(4mmol)が含まれていることを確認した。
実施例8
リモネンジアミンを単離するため,実施例1において取得した触媒ろ過後の反応液を蒸留した。Dixonパッキンを充填した蒸留塔および窒素導入キャピラリー管を備え付けた蒸留装置を使用し窒素雰囲気下での減圧蒸留を行った。目的とするリモネンジアミン15.7g(純度99wt%)を主留として取得した。尚,初留および釜残からはリモネンジアミン3.5gに相当する量がガスクロマトグラフ分析により検出され,蒸留に伴う変質は見られなかった。
実施例9
300mlステンレス製オートクレーブにリモネンジアルデヒド19.8g(101mmol),1−ブタノール99g,スポンジコバルト触媒5mlを加えた(スポンジコバルト触媒は1−ブタノールで溶媒置換した後,デカンテーションにより1−ブタノールを除去してから使用した)。液体アンモニア52g(3026mmol)を加えた後,室温で内圧0.4MPaまで水素を充填し,更に窒素を充填し,内圧を4.8MPaに調整した。撹拌しながらオートクレーブを90℃に昇温し,90℃に到達した後,内圧が6MPaになるよう水素を適宜充填し3時間反応を行った(水素/窒素モル比=0.12)。冷却後,水素およびアンモニアをパージしてから反応液をろ過しスポンジコバルト触媒を除去した。得られた反応液のガスクロマトグラフによる分析を行いリモネンジアミン17.4g(88mmol),リモネンモノアミンモノアルデヒド2.2g(11mmol)が含まれていることを確認した。
実施例10
300mlステンレス製オートクレーブにリモネンジアルデヒド20.1g(102mmol),1−ブタノール100g,スポンジコバルト触媒5mlを加えた(スポンジコバルト触媒は1−ブタノールで溶媒置換した後,デカンテーションにより1−ブタノールを除去してから使用した)。液体アンモニア52g(3062mmol)を加えた後,室温で内圧4.6MPaまで水素を充填し,更に窒素を充填し,内圧を4.8MPaに調整した。撹拌しながらオートクレーブを90℃に昇温し,90℃に到達した後,内圧が6MPaになるよう水素を適宜充填し3時間反応を行った(水素/窒素モル比=23.6)。冷却後,水素およびアンモニアをパージしてから反応液をろ過しスポンジコバルト触媒を除去した。得られた反応液のガスクロマトグラフによる分析を行いリモネンジアミン18.3g(92mmol),リモネンモノアミンモノアルデヒド0.2g(1mmol),リモネンモノアミンモノオール1.4g(7mmol)が含まれていることを確認した。
比較例1
300mlステンレス製オートクレーブにリモネンジアルデヒド19.8g(101mmol),1−ブタノール101g,スポンジコバルト触媒5mlを加えた(スポンジコバルト触媒は1−ブタノールで溶媒置換した後,デカンテーションにより1−ブタノールを除去してから使用した)。液体アンモニア52g(3053mmol)を加えた後,室温で内圧5.0MPaまで水素を充填した。撹拌しながらオートクレーブを90℃に昇温し,90℃に到達した後,内圧が6MPaになるよう水素を適宜充填し3時間反応を行った(不活性ガス不使用(水素/窒素モル比=∞))。冷却後,水素およびアンモニアをパージしてから反応液を取り出したところ,重合物である白色固体を含む反応液を取得した。ろ過により白色固体を除去した後,反応液のガスクロマトグラフによる分析を行った。リモネンジアミン12.6g(64mmol),リモネンモノアミンモノアルデヒド0.4g(2mmol),リモネンモノアミンモノオール2.2g(11mmol)が含まれていることを確認した。
比較例2
300mlステンレス製オートクレーブにリモネンジアルデヒド20.0g(102mmol),1−ブタノール100g,スポンジコバルト触媒5mlを加えた(スポンジコバルト触媒は1−ブタノールで溶媒置換した後,デカンテーションにより1−ブタノールを除去してから使用した)。液体アンモニア52.4g(3077mmol)を加えた後,室温で内圧4.7MPaまで水素を充填した。撹拌しながらオートクレーブを110℃に昇温し,110℃に到達した後,内圧が6MPaになるよう水素を適宜充填し3時間反応を行った(不活性ガス不使用(水素/窒素モル比=∞))。冷却後,水素およびアンモニアをパージしてから反応液を取り出したところ,重合物である白色固体を含む反応液を取得した。ろ過により白色固体を除去した後,反応液のガスクロマトグラフによる分析を行った。リモネンジアミン11.3g(57mmol),リモネンモノアミンモノオール2.6g(13mmol)が含まれていることを確認した。
比較例3
300mlステンレス製オートクレーブにリモネンジアルデヒド19.7g(100mmol),1−ブタノール98g,スポンジコバルト触媒5mlを加えた(スポンジコバルト触媒は1−ブタノールで溶媒置換した後,デカンテーションにより1−ブタノールを除去してから使用した)。液体アンモニア51g(2971mmol)を加えた後,室温で内圧7.4MPaまで水素を充填した。撹拌しながらオートクレーブを90℃に昇温し,90℃に到達した後,内圧が9MPaになるよう水素を適宜充填し3時間反応を行った(不活性ガス不使用(水素/窒素モル比=∞))。冷却後,水素およびアンモニアをパージしてから反応液を取り出したところ,重合物である白色固体を含む反応液を取得した。ろ過により白色固体を除去した後,反応液のガスクロマトグラフによる分析を行った。リモネンジアミン11.7g(59mmol),リモネンモノアミンモノアルデヒド0.2g(1mmol),リモネンモノアミンモノオール3.8g(19mmol)が含まれていることを確認した。
比較例4
300mlステンレス製オートクレーブにリモネンジアルデヒド20.3g(103mmol),1−ブタノール100g,スポンジコバルト触媒5mlを加えた(スポンジコバルト触媒は1−ブタノールで溶媒置換した後,デカンテーションにより1−ブタノールを除去してから使用した)。液体アンモニア53g(3092mmol)を加えた後,室温で内圧7.0MPaまで水素を充填した。撹拌しながらオートクレーブを110℃に昇温し,110℃に到達した後,内圧が9MPaになるよう水素を適宜充填し3時間反応を行った(不活性ガス不使用(水素/窒素モル比=∞))。冷却後,水素およびアンモニアをパージしてから反応液を取り出したところ,重合物である白色固体を含む反応液を取得した。ろ過により白色固体を除去した後,反応液のガスクロマトグラフによる分析を行った。リモネンジアミン10.9g(55mmol),リモネンモノアミンモノオール4.3g(22mmol)が含まれていることを確認した。
本発明によれば樹脂原料や樹脂添加剤として有用なリモネンジアミンを工業的に有利に製造することが可能である。

Claims (6)

  1. リモネンジアルデヒドを金属触媒とアンモニアと水素と不活性ガスとを使用して加圧条件下でリモネンジアミンに変換することを特徴とするリモネンジアミンの製造方法。
  2. リモネンジアルデヒドをリモネンジアミンに変換する際の反応圧力が4〜8MPaであることを特徴とする請求項1記載のリモネンジアミンの製造方法。
  3. 水素と不活性ガスとのモル比(水素/不活性ガス)が0.2〜20の範囲であることを特徴とする請求項1又は2記載のリモネンジアミンの製造方法。
  4. 不活性ガスがヘリウム,窒素,アルゴンまたはそれらの混合物の何れかであることを特徴とする請求項2又は3記載のリモネンジアミンの製造方法。
  5. 溶媒として1価アルコールを使用することを特徴とする請求項2から4記載のリモネンジアミンの製造方法。
  6. 1価アルコールの炭素数が3〜8であることを特徴とする請求項5記載のリモネンジアミンの製造方法。
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