JP5811948B2 - リモネンジアミンの製造方法。 - Google Patents
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Description
[1]リモネンジアルデヒドを金属触媒とアンモニアと水素と不活性ガスとを使用して加圧条件下でリモネンジアミンに変換することを特徴とするリモネンジアミンの製造方法。
[2]リモネンジアルデヒドをリモネンジアミンに変換する際の反応圧力が4〜8MPaであることを特徴とする[1]記載のリモネンジアミンの製造方法。
[3]水素と不活性ガスとのモル比(水素/不活性ガス)が0.2〜20.0の範囲であることを特徴とする[1]又は[2]記載のリモネンジアミンの製造方法。
[4]不活性ガスがヘリウム,窒素,アルゴンまたはそれらの混合物の何れかであることを特徴とする[2]又は[3]記載のリモネンジアミンの製造方法。
[5]溶媒として1価アルコールを使用することを特徴とする[2]から[4]記載のリモネンジアミンの製造方法。
[6]1価アルコールの炭素数が3〜8であることを特徴とする[5]記載のリモネンジアミンの製造方法。
中でもニッケルおよびコバルトを含有する触媒が好ましく,活性や操作性の点からスポンジニッケル触媒やニッケル珪藻土触媒、スポンジコバルト触媒が,より好ましい。
これらの圧力,および水素/不活性ガスのモル比率で反応を行うことにより,副生物の極めて少ない,高収率なリモネンジアミン製造を行うことが可能となる。特に不活性ガスを使用せずに水素のみで反応を行った場合には副生物が多量に生成する。
例えば,不活性ガスを使用せずに反応圧力が4MPa未満の場合には中間体であるリモネンモノアミンモノアルデヒドとリモネンモノアミンモノイミン,或いはリモネンモノアミンモノイミン同士の反応による重合性副生物の生成が進行しやすくなる。
一方,不活性ガスを使用せずに反応圧力が8MPaよりも高い場合にはリモネンモノアミンモノアルデヒドのホルミル基が水素化されたリモネンモノアミンモノオールの副生が多くなる。
不活性ガス共存による効果の詳細は不明であるが,不活性ガス共存により反応系内の全圧が高まり,結果として液相部のアンモニア濃度および水素濃度が高まることにより所期の反応が進行すること,また,気相部の水素濃度が低くなり副反応が進行しにくくなるものと推察している。
尚、使用される不活性ガスとしては、例えばヘリウム,窒素,アルゴン等が挙げられ、単独又はこれらの混合物を用いることが出来る。
300mlステンレス製オートクレーブにリモネンジアルデヒド20.0g(102mmol),1−ブタノール100g,スポンジコバルト触媒5mlを加えた(スポンジコバルト触媒は1−ブタノールで溶媒置換した後,デカンテーションにより1−ブタノールを除去してから使用した)。液体アンモニア52g(3053mmol)を加えた後,室温で内圧2.5MPaまで水素を充填し,更に窒素を充填し,内圧を5.0MPaに調整した。撹拌しながらオートクレーブを90℃に昇温し,90℃に到達した後,内圧が6MPaになるよう水素を適宜充填し3時間反応を行った(水素/窒素モル比=1)。冷却後,水素およびアンモニアをパージしてから反応液をろ過しスポンジコバルト触媒を除去した。得られた反応液のガスクロマトグラフによる分析を行いリモネンジアミン19.2g(97mmol),リモネンモノアミンモノアルデヒド0.6g(3mmol)が含まれていることを確認した。
300mlステンレス製オートクレーブにリモネンジアルデヒド20.1g(102mmol),1−ブタノール100g,スポンニッケル触媒6mlを加えた(スポンジニッケル触媒は1−ブタノールで溶媒置換した後,デカンテーションにより1−ブタノールを除去してから使用した)。液体アンモニア51g(2995mmol)を加えた後,室温で内圧2.5MPaまで水素を充填し,更に窒素を充填し,内圧を5.0MPaに調整した。撹拌しながらオートクレーブを90℃に昇温し,90℃に到達した後,内圧が6MPaになるよう水素を適宜充填し3時間反応を行った(水素/窒素モル比=1)。冷却後,水素およびアンモニアをパージしてから反応液をろ過しスポンジニッケル触媒を除去した。得られた反応液のガスクロマトグラフによる分析を行いリモネンジアミン19.1g(96mmol),リモネンモノアミンモノアルデヒド0.8g(4mmol)が含まれていることを確認した。
300mlステンレス製オートクレーブにリモネンジアルデヒド20.0g(102mmol),1−ブタノール100g,スポンジコバルト触媒5mlを加えた(スポンジコバルト触媒は1−ブタノールで溶媒置換した後,デカンテーションにより1−ブタノールを除去してから使用した)。液体アンモニア51g(2995mmol)を加えた後,室温で内圧0.8MPaまで水素を充填し,更に窒素を充填し,内圧を4.8MPaに調整した。撹拌しながらオートクレーブを90℃に昇温し,90℃に到達した後,内圧が6MPaになるよう水素を適宜充填し3時間反応を行った(水素/窒素モル比=0.23)。冷却後,水素およびアンモニアをパージしてから反応液をろ過しスポンジコバルト触媒を除去した。得られた反応液のガスクロマトグラフによる分析を行いリモネンジアミン18.6g(94mmol),リモネンモノアミンモノアルデヒド1.2g(6mmol)が含まれていることを確認した。
300mlステンレス製オートクレーブにリモネンジアルデヒド19.9g(101mmol),1−ブタノール100g,スポンジコバルト触媒5mlを加えた(スポンジコバルト触媒は1-ブタノールで溶媒置換した後,デカンテーションにより1-ブタノールを除去してから使用した)。液体アンモニア51g(2995mmol)を加えた後,室温で内圧4.6MPaまで水素を充填し,更に窒素を充填し,内圧を4.85MPaに調整した。撹拌しながらオートクレーブを90℃に昇温し,90℃に到達した後,内圧が6MPaになるよう水素を適宜充填し3時間反応を行った(水素/窒素モル比=18.70)。冷却後,水素およびアンモニアをパージしてから反応液をろ過しスポンジコバルト触媒を除去した。得られた反応液のガスクロマトグラフによる分析を行いリモネンジアミン18.7g(94mmol),リモネンモノアミンモノアルデヒド0.2g(1mmol),リモネンモノアミンモノオール0.8g(4mmol)が含まれていることを確認した。
300mlステンレス製オートクレーブにリモネンジアルデヒド19.2g(98mmol),1−ブタノール100g,スポンジコバルト触媒5mlを加えた(スポンジコバルト触媒は1−ブタノールで溶媒置換した後,デカンテーションにより1−ブタノールを除去してから使用した)。液体アンモニア50g(2936mmol)を加えた後,室温で内圧1.6MPaまで水素を充填し,更に窒素を充填し,内圧を3.3MPaに調整した。撹拌しながらオートクレーブを90℃に昇温し,90℃に到達した後,内圧が4MPaになるよう水素を適宜充填し5時間反応を行った(水素/窒素モル比=1)。冷却後,水素およびアンモニアをパージしてから反応液をろ過しスポンジコバルト触媒を除去した。得られた反応液のガスクロマトグラフによる分析を行いリモネンジアミン18.0g(91mmol),リモネンモノアミンモノアルデヒド1.0g(5mmol)が含まれていることを確認した。
300mlステンレス製オートクレーブにリモネンジアルデヒド20g(102mmol),1−プロパノール100g,スポンジコバルト触媒5mlを加えた(スポンジコバルト触媒は1-プロパノールで溶媒置換した後,デカンテーションにより1-プロパノールを除去してから使用した)。液体アンモニア52g(3053mmol)を加えた後,室温で内圧2.5MPaまで水素を充填し,更に窒素を充填し,内圧を5.0MPaに調整した。撹拌しながらオートクレーブを90℃に昇温し,90℃に到達した後,内圧が6MPaになるよう水素を適宜充填し3時間反応を行った(水素/窒素モル比=1)。冷却後,水素およびアンモニアをパージしてから反応液をろ過しスポンジコバルト触媒を除去した。得られた反応液のガスクロマトグラフによる分析を行いリモネンジアミン19.0g(96mmol),リモネンモノアミンモノアルデヒド0.6g(3mmol)が含まれていることを確認した。
300mlステンレス製オートクレーブにリモネンジアルデヒド19.4g(99mmol),1−ブタノール100g,スポンジコバルト触媒5mlを加えた(スポンジコバルト触媒は1−ブタノールで溶媒置換した後,デカンテーションにより1−ブタノールを除去してから使用した)。液体アンモニア51g(2995mmol)を加えた後,室温で内圧2.3MPaまで水素を充填し,更に窒素を充填し,内圧を4.6MPaに調整した。撹拌しながらオートクレーブを110℃に昇温し,110℃に到達した後,内圧が6MPaになるよう水素を適宜充填し2.5時間反応を行った(水素/窒素モル比=1)。冷却後,水素およびアンモニアをパージしてから反応液をろ過しスポンジコバルト触媒を除去した。得られた反応液のガスクロマトグラフによる分析を行いリモネンジアミン18.2g(92mmol),リモネンモノアミンモノアルデヒド0.2g(1mmol),リモネンモノアミンモノオール0.8g(4mmol)が含まれていることを確認した。
リモネンジアミンを単離するため,実施例1において取得した触媒ろ過後の反応液を蒸留した。Dixonパッキンを充填した蒸留塔および窒素導入キャピラリー管を備え付けた蒸留装置を使用し窒素雰囲気下での減圧蒸留を行った。目的とするリモネンジアミン15.7g(純度99wt%)を主留として取得した。尚,初留および釜残からはリモネンジアミン3.5gに相当する量がガスクロマトグラフ分析により検出され,蒸留に伴う変質は見られなかった。
300mlステンレス製オートクレーブにリモネンジアルデヒド19.8g(101mmol),1−ブタノール99g,スポンジコバルト触媒5mlを加えた(スポンジコバルト触媒は1−ブタノールで溶媒置換した後,デカンテーションにより1−ブタノールを除去してから使用した)。液体アンモニア52g(3026mmol)を加えた後,室温で内圧0.4MPaまで水素を充填し,更に窒素を充填し,内圧を4.8MPaに調整した。撹拌しながらオートクレーブを90℃に昇温し,90℃に到達した後,内圧が6MPaになるよう水素を適宜充填し3時間反応を行った(水素/窒素モル比=0.12)。冷却後,水素およびアンモニアをパージしてから反応液をろ過しスポンジコバルト触媒を除去した。得られた反応液のガスクロマトグラフによる分析を行いリモネンジアミン17.4g(88mmol),リモネンモノアミンモノアルデヒド2.2g(11mmol)が含まれていることを確認した。
300mlステンレス製オートクレーブにリモネンジアルデヒド20.1g(102mmol),1−ブタノール100g,スポンジコバルト触媒5mlを加えた(スポンジコバルト触媒は1−ブタノールで溶媒置換した後,デカンテーションにより1−ブタノールを除去してから使用した)。液体アンモニア52g(3062mmol)を加えた後,室温で内圧4.6MPaまで水素を充填し,更に窒素を充填し,内圧を4.8MPaに調整した。撹拌しながらオートクレーブを90℃に昇温し,90℃に到達した後,内圧が6MPaになるよう水素を適宜充填し3時間反応を行った(水素/窒素モル比=23.6)。冷却後,水素およびアンモニアをパージしてから反応液をろ過しスポンジコバルト触媒を除去した。得られた反応液のガスクロマトグラフによる分析を行いリモネンジアミン18.3g(92mmol),リモネンモノアミンモノアルデヒド0.2g(1mmol),リモネンモノアミンモノオール1.4g(7mmol)が含まれていることを確認した。
300mlステンレス製オートクレーブにリモネンジアルデヒド19.8g(101mmol),1−ブタノール101g,スポンジコバルト触媒5mlを加えた(スポンジコバルト触媒は1−ブタノールで溶媒置換した後,デカンテーションにより1−ブタノールを除去してから使用した)。液体アンモニア52g(3053mmol)を加えた後,室温で内圧5.0MPaまで水素を充填した。撹拌しながらオートクレーブを90℃に昇温し,90℃に到達した後,内圧が6MPaになるよう水素を適宜充填し3時間反応を行った(不活性ガス不使用(水素/窒素モル比=∞))。冷却後,水素およびアンモニアをパージしてから反応液を取り出したところ,重合物である白色固体を含む反応液を取得した。ろ過により白色固体を除去した後,反応液のガスクロマトグラフによる分析を行った。リモネンジアミン12.6g(64mmol),リモネンモノアミンモノアルデヒド0.4g(2mmol),リモネンモノアミンモノオール2.2g(11mmol)が含まれていることを確認した。
300mlステンレス製オートクレーブにリモネンジアルデヒド20.0g(102mmol),1−ブタノール100g,スポンジコバルト触媒5mlを加えた(スポンジコバルト触媒は1−ブタノールで溶媒置換した後,デカンテーションにより1−ブタノールを除去してから使用した)。液体アンモニア52.4g(3077mmol)を加えた後,室温で内圧4.7MPaまで水素を充填した。撹拌しながらオートクレーブを110℃に昇温し,110℃に到達した後,内圧が6MPaになるよう水素を適宜充填し3時間反応を行った(不活性ガス不使用(水素/窒素モル比=∞))。冷却後,水素およびアンモニアをパージしてから反応液を取り出したところ,重合物である白色固体を含む反応液を取得した。ろ過により白色固体を除去した後,反応液のガスクロマトグラフによる分析を行った。リモネンジアミン11.3g(57mmol),リモネンモノアミンモノオール2.6g(13mmol)が含まれていることを確認した。
300mlステンレス製オートクレーブにリモネンジアルデヒド19.7g(100mmol),1−ブタノール98g,スポンジコバルト触媒5mlを加えた(スポンジコバルト触媒は1−ブタノールで溶媒置換した後,デカンテーションにより1−ブタノールを除去してから使用した)。液体アンモニア51g(2971mmol)を加えた後,室温で内圧7.4MPaまで水素を充填した。撹拌しながらオートクレーブを90℃に昇温し,90℃に到達した後,内圧が9MPaになるよう水素を適宜充填し3時間反応を行った(不活性ガス不使用(水素/窒素モル比=∞))。冷却後,水素およびアンモニアをパージしてから反応液を取り出したところ,重合物である白色固体を含む反応液を取得した。ろ過により白色固体を除去した後,反応液のガスクロマトグラフによる分析を行った。リモネンジアミン11.7g(59mmol),リモネンモノアミンモノアルデヒド0.2g(1mmol),リモネンモノアミンモノオール3.8g(19mmol)が含まれていることを確認した。
300mlステンレス製オートクレーブにリモネンジアルデヒド20.3g(103mmol),1−ブタノール100g,スポンジコバルト触媒5mlを加えた(スポンジコバルト触媒は1−ブタノールで溶媒置換した後,デカンテーションにより1−ブタノールを除去してから使用した)。液体アンモニア53g(3092mmol)を加えた後,室温で内圧7.0MPaまで水素を充填した。撹拌しながらオートクレーブを110℃に昇温し,110℃に到達した後,内圧が9MPaになるよう水素を適宜充填し3時間反応を行った(不活性ガス不使用(水素/窒素モル比=∞))。冷却後,水素およびアンモニアをパージしてから反応液を取り出したところ,重合物である白色固体を含む反応液を取得した。ろ過により白色固体を除去した後,反応液のガスクロマトグラフによる分析を行った。リモネンジアミン10.9g(55mmol),リモネンモノアミンモノオール4.3g(22mmol)が含まれていることを確認した。
Claims (6)
- リモネンジアルデヒドを金属触媒とアンモニアと水素と不活性ガスとを使用して加圧条件下でリモネンジアミンに変換することを特徴とするリモネンジアミンの製造方法。
- リモネンジアルデヒドをリモネンジアミンに変換する際の反応圧力が4〜8MPaであることを特徴とする請求項1記載のリモネンジアミンの製造方法。
- 水素と不活性ガスとのモル比(水素/不活性ガス)が0.2〜20の範囲であることを特徴とする請求項1又は2記載のリモネンジアミンの製造方法。
- 不活性ガスがヘリウム,窒素,アルゴンまたはそれらの混合物の何れかであることを特徴とする請求項2又は3記載のリモネンジアミンの製造方法。
- 溶媒として1価アルコールを使用することを特徴とする請求項2から4記載のリモネンジアミンの製造方法。
- 1価アルコールの炭素数が3〜8であることを特徴とする請求項5記載のリモネンジアミンの製造方法。
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JP2012114565A JP5811948B2 (ja) | 2012-05-18 | 2012-05-18 | リモネンジアミンの製造方法。 |
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