JP2014185013A - 電線繰出し装置 - Google Patents

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司 相曽
Yukinori Uchiyama
幸典 内山
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Abstract

【課題】 構成の簡略化、製造の容易化を図ることが可能な電線繰出し装置を提供すること。
【解決手段】 基台と、上記基台上に設けられその外周に沿って電線が繰り出される電線繰出し体と、上記電線繰出し体の外周側に載置された電線押えリングと、を具備し、上記基台上であって上記電線繰出し体の外周に巻回状態の電線を設置し、その先端を上記電線繰出し体と上記押えリングとの間を通して上方に引き出すようにし、電線繰出し装置としての構成の簡略化を図ったもの。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電線繰出し装置に係り、特に、巻回状態にある電線を絡ませることなく円滑に繰り出して、例えば、電線端末処理装置に断続的に供給することができるように構成されたものにあって、その構成の簡略化、製造の容易化を図ることができるように工夫したものに関する。
電線繰出し装置の構成を開示したものとしては、例えば、特許文献1、特許文献2がある。
特許文献1に開示されている電線繰出し装置は、概略次のような構成をなしている。まず、円柱状に形成された本体部があり、この本体部に電線が巻き付けられている。上記本体部はベースに対して回転可能に取り付けられている。又、本体部の上部には鍔部が設けられていて、この鍔部の外縁には複数本のヒゲが放射状に突設されている。
上記構成によると、本体部がベースに対して回転しながら電線が繰り出されていく。その際、電線はヒゲに接触しながら適宜の抵抗を付与された状態で繰り出されていくことになり、それによって、電線の過剰な繰り出しや絡みを防止するようにしている。
一方、特許文献2に開示されている電線繰出し装置は、概略次のような構成をなしている。まず、載置部があり、この載置部にはガイド筒が立設されている。このガイド筒の上端にはガイド片が回転可能に設置されている。上記載置部には巻回状態の電線が設置されていて、その先端は上記ガイド筒の外周に沿って引き出され、上記ガイド片を通って上方に繰り出されていく。
上記構成によると、上記電線は上記ガイド片を回転させながら繰り出されていくことになり、その際、ガイド片の作用によって、電線の過剰な繰り出しや絡みを防止するようにしている。
特開2009−4315号公報 特開平6−309973号公報
上記従来の構成によると次のような問題があった。
まず、電線繰出し装置の構成が複雑あるとともにその製造が面倒であるという問題があった。
例えば、特許文献1に開示されている電線繰出し装置の場合には、まず、本体部をベース部に対して回転可能に設置しなければならず、また、その本体部に複数のヒゲを放射状に設けなければならず、面倒であった。
又、特許文献2に記載された電線繰出し装置の場合には、ガイド筒の上端にガイド片を回転可能な状態で設けなければならず、同様に面倒であった。
本願発明はこのような点に基づいてなされたものでその目的とするところは、構成の簡略化、製造の容易化を図ることが可能な電線繰出し装置を提供することにある。
上記課題を解決するべく本願の請求項1による電線繰出し装置は、基台と、 上記基台上に設けられその外周に沿って電線が繰り出される電線繰出し体と、上記電線繰出し体の外周側に載置された電線押えリングと、を具備し、上記基台上であって上記電線繰出し体の外周に巻回状態の電線を設置し、その先端を上記電線繰出し体と上記押えリングとの間を通して上方に引き出すようにしたことを特徴とするものである。
又、請求項2による電線繰出し装置は、請求項1記載の電線繰出し装置において、上記電線繰出し体は、下端から上端に向かって徐々に縮径された状態で設けられていることを特徴とするものである。
又、請求項3による電線繰出し装置は、請求項1又は請求項2記載の電線繰出し装置において、上記電線繰出し体は、上記基台上に円周状に所定のピッチで配置された複数本のリブから構成されていることを特徴とするものである。
又、請求項4による電線繰出し装置は、請求項3記載の電線繰出し装置において、上記複数本のリブは、その下端が自由端であって上記巻回状態の電線が上記基台上に設置されることにより所定径の円周状に配置され、その下端から上方に向かって上記円周の中心に向かうように湾曲状に絞られた状態で設置されていることを特徴とするものである。
又、請求項5による電線繰出し装置は、請求項3又請求項4記載の電線繰出し装置において、上記基台の中心位置には支柱が立設されていて、この支柱の上端には支持部材が取り付けられていて、上記複数本のリブの上端はこの支持部材に固定されていることを特徴とするものである。
又、請求項6による電線繰出し装置は、請求項1〜請求項5の何れかに記載の電線繰出し装置において、上記電線押えリングは上記電線繰出し体の高さ方向の略中間位置に留まるような径で構成されていることを特徴とするものである。
又、請求項7による電線繰出し装置は、請求項1〜請求項6の何れかに記載の電線繰出し装置において、上記電線押えリングは1個設置されていることを特徴とするものである。
以上述べたように本願の請求項1による電線繰出し装置によると、基台と、 上記基台上に設けられその外周に沿って電線が繰り出される電線繰出し体と、上記電線繰出し体の外周側に載置された電線押えリングと、を具備し、上記基台上であって上記電線繰出し体の外周に巻回状態の電線を設置し、その先端を上記電線繰出し体と上記押えリングとの間を通して上方に引き出すようにしたので、電線繰出し装置としての構成の簡略化を図ることができる。特に、電線の過剰な繰出しを防止するための電線押えリングは文字通り単純なリングであり、且つ、単に電線繰出し体の上に載っているだけであるので、電線繰出し装置の製造も容易である。
又、請求項2による電線繰出し装置によると、請求項1記載の電線繰出し装置において、上記電線繰出し体は、下端から上端に向かって徐々に縮径された状態で設けられているので、上記電線の繰出しを円滑なものとすることができる。
又、請求項3による電線繰出し装置によると、請求項1又は請求項2記載の電線繰出し装置において、上記電線繰出し体は、上記基台上に円周状に所定のピッチで配置された複数本のリブから構成されているので、上記効果をより確かなものとすることができ、特に、電線繰出し体を複数本のリブから構成したので、物量の低減、軽量化等を効果的に図ることができる。
又、請求項4による電線繰出し装置によると、請求項3記載の電線繰出し装置において、上記複数本のリブは、その下端が自由端であって上記巻回状態の電線が上記基台上に設置されることにより所定径の円周状に配置され、その下端から上方に向かって上記円周の中心に向かうように湾曲状に絞られた状態で設置されているので、巻回状態の電線を複数本のリブの下端によって適度の弾性復帰力で弾性保持することができ、上記電線の繰出しをより安定化させることができる。
又、請求項5による電線繰出し装置によると、請求項3又請求項4記載の電線繰出し装置において、上記基台の中心位置には支柱が立設されていて、この支柱の上端には支持部材が取り付けられていて、上記複数本のリブの上端はこの支持部材に固定されているので、上記効果をより確実なものとすることができる。
又、請求項6による電線繰出し装置によると、請求項1〜請求項5の何れかに記載の電線繰出し装置において、上記電線押えリングは上記電線繰出し体の高さ方向の略中間位置に留まるような径で構成されているので、繰り出される電線を最適な位置で押さえることができ、電線の過剰な繰出しや絡みを効果的に防止することができる。
又、請求項7による電線繰出し装置によると、請求項1〜請求項6の何れかに記載の電線繰出し装置において、上記電線押えリングは1個設置されているので、構成のますますの簡略化を図ることができる。
本発明の一実施の形態を示す図で、電線端末処理設備に電線繰出し装置を組み込んだ構成を示す斜視図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、電線繰出し装置を一部切り欠いて示す正面図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、電線繰出し装置の平面図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、電線押えリングの斜視図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、使用時の作用を説明するための電線繰出し装置の斜視図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、使用状態を説明するための平面図である。
以下、図1乃至図6を参照して本発明の一実施の形態を説明する。図1は本実施の形態による電線繰出し装置1を、電線端末処理設備3に組み込んだ状態を示す斜視図である。
電線端末処理装置3は、電線引込機構5、電線矯正機構7、電線切断機構9等から構成されている。上記電線引込機構5は、一対の電線引込ローラ11、12と、これら一対の電線引込ローラ11、12を回転駆動する図示しない駆動モータ等から構成されている。
上記電線矯正機構7は、電線矯正ローラ機構13、電線矯正ローラ機構15とから構成されている。上記電線矯正ローラ機構13は、対向・配置された複数の矯正ローラ17、複数の矯正ローラ19、これら複数の矯正ローラ17、複数の矯正ローラ19を回転駆動する図示しない駆動モータ等から構成されている。
又、上記電線矯正ローラ機構15は、対向・配置された複数の矯正ローラ21、複数の矯正ローラ23、これら複数の矯正ローラ21、複数の矯正ローラ23を回転駆動する図示しない駆動モータ等から構成されている。
上記電線引込機構5により引き込まれた電線25は、電線矯正ローラ機構13、電線矯正ローラ機構15によって、その曲がりを矯正される。曲がりを矯正された電線25は、電線切断機構9に導入されて、その先端が切断される。
尚、電線端末処理設備3は、これら電線引込機構5、電線矯正機構7、電線切断機構9以外に、図示しない端子圧着部、別の電線切断機構等を備えていて、例えば、所定の長さの電線の両端に端子を圧着したワイヤーハーネス用のケーブルを製造するものである。
上記電線繰出し装置1は次のような構成になっている。まず、基台31があり、この基台31は、例えば、鋼材から構成されていて、略四角形をなしている。又、図2に示すように、内部は中空になっている。上記基台31には複数本(この実施の形態の場合には16本)のリブ33が設置されている。これら複数本のリブ33が電線繰出し体に相当する。上記複数本のリブ33の下端は自由端となっていて、巻回状態の電線25が基台31上に載置されることにより、所定径の円周状に配置されることになる。
上記基台31の中心位置には支柱35が立設されている。すなわち、上記基台31の中心位置にはナット39が、例えば、溶接により固着されていて、一方、上記支柱35の下端部には雄ねじ部37が設けられている。上記雄ねじ部37を上記ナット39に螺合することにより、上記支柱35が上記基台31上に立設されている。
上記支柱35の上端部には支持部材41が固定されている。すなわち、上記支持部材41の中心部には図示しない貫通孔が穿孔されていて、上記支柱35の上端部はこの貫通孔を貫通されている。又、支柱35の上端部には図示しない雄ねじ部が形成されていて、この雄ねじ部にはナット43が螺合されており、それによって、支柱35の上端部に支持部材41が固定されているものである。
そして、上記複数本のリブ33の上端はこの支持部材41の外周部に固定されている。上記複数本のリブ33は外側に膨らんだ湾曲形状で設置されていて、全体として略円錐状の鳥籠形状をなしている。又、下端から上端に向かってその径が絞られた構成をなしている。
又、既に説明した基台31には、上記支柱35の周りに、複数のスリット31a、開口部31bが放射状に形成されている。
上記複数本のリブ33の外周側には電線押えリング51が載置されている。この電線押えリング51は、所定径の被覆電線から構成されていて、上記複数本のリブ33の上方から被冠されることにより、複数本のリブ33の高さ方向の略中間位置に留まるような径に設定されている。
尚、上記電線押えリング51は、上記複数本のリブ33の上に載っているだけである。
又、図1〜図5では、1基の電線端末処理設備3と1基の電線繰出し装置1を示して説明したが、図6に示すように、2つの電線端末処理設備3、電線端末処理設備3を設置し、各電線端末処理設備3に対して、2基の電線繰出し装置1を対応させることが考えられる。この場合には、電線端末処理設備3に接続されている電線繰出し装置1の電線25が全て繰り出された時点で、後方に配置されている別の電線繰出し装置1が接続されることになる。
尚、その使用形態は図示したものに限定されず様々なケースが想定される。
以上の構成を基にその作用を説明する。
電線引込機構5によって電線25の引き込みが開始されると、電線繰出し装置1側に設置されている電線25が順次繰り出されていく。電線25は、複数本のリブ33と電線押えリング51との間を通って、上記電線引込機構5に引き込まれていく。その際、繰り出される電線25は、常時押えリング51によって押さえられていて、電線25に適宜の抵抗が付与されることになる。それによって、電線25の過剰な繰出しや絡みが効果的に防止されることになる。
詳細にみていくと、図5に示すように、電線25は、実線の状態から図5中左方向に徐々に移動しながら繰り出されていく(その様子を仮想線で示す。)。その際、電線25は、押えリング51とリブ33とによって間欠的に挟まれた状態となり、それによって、既に説明した抵抗が付与されることになる。上方からみると、電線25の先端が複数本のリブ33の外側を回転しながら上方に繰り出されていく。
電線繰出し装置1から繰り出された電線25は、電線端末処理設備3側において、矯正、先端の切断、先端への端子圧着、後端の切断、後端への端子圧着等の処理が施され、最終的には、所定長さの電線25の両端に端子がそれぞれ圧着された、ワイヤーハーネス用のケーブルが製造されることになる。
以上、本実施の形態によると次のような効果を奏することができる。
まず、本実施の形態による電線繰出し装置1は、基台31と 、複数本のリブ33と、電線押えリング51からなる極めて簡単な構成をなしているので、電線繰出し装置1としての構成の簡略化を図ることができる。又、その製造も簡単である。特に、電線押えリング51は複数本のリブ51上に単に載っているだけであり、又、回転するような構成部材も存在しないので、その製造も容易である。
又、電線25の過剰な繰出しを防止するための電線押えリング51は単純なリングであるので、それ自体の製造も容易である。
又、上記基台31の中心位置には支柱35が立設されていて、この支柱35の上端には支持部材41が取り付けられていて、複数本のリブ33の上端はこの支持部材41に固定されているので、複数本のリブ33が安定した状態で設置されることになる。
又、上記電線押えリング51は複数本のリブ33の高さ方向の略中間位置に留まるような径で構成されているので、繰り出される電線25を最適な位置で押さえることができ、電線25の過剰な繰出しや絡みを効果的に防止することができる。
又、本実施の形態の場合には、1個の電線押えリング51が設置された構成になっているので、構成の益々の簡略化を図ることができる。
又、複数本のリブ33の下端は自由端となっていて、巻回状態の電線25が設置されることにより、所定径の円周状に配置されることになる。つまり、巻回状態の電線25を適宜弾性復帰力で保持した状態になり、それが電線25の安定した繰出しに大きく寄与することになる。
尚、本発明は前記一実施の形態に限定されるものではない。
まず、前記一実施の形態では、1個の電線押えリングを使用したが、これを2本以上使用した構成も想定される。
リブの本数、太さ等はこれを特に限定するものではない。
前記一実施の形態では、複数本のリブを使用した構成の電線繰出し体を例に挙げて説明したが、外側に膨らんだ状態で略円錐形状をなす筒体でも良く、又、それ以外にも様々な構成の電線繰出し体が想定される。
その他、図示した構成はあくまで一例である。
本発明は、電線繰出し装置に係り、特に、巻回状態にある電線を絡ませることなく円滑に繰り出して供給することができるように構成されたものにあって、その構成の簡略化、製造の容易化を図ることができるように工夫したものに関し、例えば、電線端末処理設備に組み込まれる電線繰出し装置に好適である。
1 電線繰出し装置
25 電線
31 基台
33 リブ(電線繰出し体)
35 支柱
51 電線押えリング

Claims (7)

  1. 基台と、
    上記基台上に設けられその外周に沿って電線が繰り出される電線繰出し体と、
    上記電線繰出し体の外周側に載置された電線押えリングと、
    を具備し、
    上記基台上であって上記電線繰出し体の外周に巻回状態の電線を設置し、その先端を上記電線繰出し体と上記押えリングとの間を通して上方に引き出すようにしたことを特徴とする電線繰出し装置。
  2. 請求項1記載の電線繰出し装置において、
    上記電線繰出し体は、下端から上端に向かって徐々に縮径された状態で設けられていることを特徴とする電線繰出し装置。
  3. 請求項1又は請求項2記載の電線繰出し装置において、
    上記電線繰出し体は、上記基台上に円周状に所定のピッチで配置された複数本のリブから構成されていることを特徴とする電線繰出し装置。
  4. 請求項3記載の電線繰出し装置において、
    上記複数本のリブは、その下端が自由端であって上記巻回状態の電線が上記基台上に設置されることにより所定径の円周状に配置され、その下端から上方に向かって上記円周の中心に向かうように湾曲状に絞られた状態で設置されていることを特徴とする電線繰出し装置。
  5. 請求項3又請求項4記載の電線繰出し装置において、
    上記基台の中心位置には支柱が立設されていて、この支柱の上端には支持部材が取り付けられていて、上記複数本のリブの上端はこの支持部材に固定されていることを特徴とする電線繰出し装置。
  6. 請求項1〜請求項5の何れかに記載の電線繰出し装置において、
    上記電線押えリングは上記電線繰出し体の高さ方向の略中間位置に留まるような径で構成されていることを特徴とする電線繰出し装置。
  7. 請求項1〜請求項6の何れかに記載の電線繰出し装置において、
    上記電線押えリングは1個設置されていることを特徴とする電線繰出し装置。
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