JP2014184756A - 運転支援システム - Google Patents

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宏樹 小林
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Abstract

【課題】 周辺車両の走行状態を考慮しつつ、周辺車両を含めた全体の環境コストが最小となる自車両の加速方法を提示することで、省エネルギーを実現する。
【解決手段】
本発明に係る運転支援システムは、自車両情報取得部11、周辺車両情報取得部12、地図情報取得部13、環境コスト推定部14、自車両最適加速パターン算出部15、走行シミュレータ16を備え、自車両及び周辺車両の夫々が消費する単位時間当たりの燃料消費量を所定の環境コストに換算した環境コスト特性を保持する環境コスト特性DB22を参照し、特定車両の減速により特定車両が消費する環境コストの増加を考慮したうえで、周辺車両が消費する環境コストを含めた全体の環境コストが最小となる自車両の最適加速パターンを求める。走行シミュレータ16は、自車両の加速に伴って特定車両の減速が必要になるかを予測する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自車両と同じまたは交差する道路上を周辺車両が走行し、当該周辺車両の走行状態により自車両の加速ないし減速を必要とする場合に、省エネルギーの観点から運転者に適切な加速方法を提供する運転支援システムに関する。
現在、地球環境問題に関心が高まる中、急な加減速を避ける事、或いはアイドリングストップを実践する事等により燃料消費量、ひいてはCO排出量を抑え、環境にやさしい運転を行うことが、所謂「エコドライブ」として認知されている。最近の自動車の中には、燃費等の運転者によるエコドライブの状況をリアルタイムでダッシュボードに表示するものや、最適な加速となるようにアクセル開度や変速のタイミングを自動制御するものがある。
さらに、ガソリン自動車から、より環境負荷の少ないハイブリッド自動車(HEV)、電気自動車(EV)、或いは燃料電池自動車(FCV)への移行が現在進行中である。
一方で、先進安全自動車(ASV:Advanced Safety Vehicle)についての研究開発が進められている(例えば、非特許文献1を参照)。かかるASVは、自動車自身が周囲の障害物や周辺車両、或いは路面の状態等の走行環境を認識して、運転者に情報提供や警報を行ったり、自動で危険回避を行ったり、車間距離維持や車線維持に運転操作の負荷を軽減したりする技術である。とくに、車‐車間で直接、或いは道路を介した車路車間通信を行い、各車両の運転操作状態を情報交換し、車間距離の維持や危険回避に利用する方法の実用化に向けた研究が進められている。
例として、特許文献1では、路車間通信を行い信号の切り替わりタイミングを取得し、信号が青から赤に、又は赤から青に切り替わるタイミングにおいて運転支援を行い、衝突事故を防止することが開示されている。
特開2010−256982号公報
「先進安全自動車(運転負荷軽減技術)に関する特許出願技術動向調査」、特許庁、平成15年
車両による環境負荷を低減すると言う点では、運輸部門が果たす役割は極めて大きいと考えられる。しかしながら、運輸部門において大多数を占める大型トラックや大型バス等の大型車両においては、ガソリン車(又はディーゼル車)から、より環境負荷の少ないハイブリッド自動車(HEV)、電気自動車(EV)、或いは燃料電池自動車(FCV)への移行は未だ実現が困難な状況である。
一方、非特許文献1及び特許文献1に示すASV技術では、周辺車両の走行或いは障害物の存在を検知し、危険を予測し、衝突事故を回避することを主な目的としており、環境負荷の低減は考慮されていない。また、事故回避のために、主として車両を減速させる自動運転制御を行うことが想定されている。
しかしながら、車両全体の環境負荷を考えた場合、各車両が穏やかな加速を行い、エコドライブを実践したとしても、これにより各車両が加える全体の環境負荷が最小にならない場合がある。換言すると、むしろ強い加速を行ったほうが、周辺車両を含めた全体の環境負荷を低減できる場合がある。
例えば、複数の周辺車両が走行している道路上を自車両が左折合流する場合を考える。自車両が穏やかな加速を行って周辺車両の流れに乗るとした場合、周辺車両のうち自車両の後を走行する後続車両との車間距離が一時的に短くなるため、後続車両が減速を強いられる場合がある。この結果、後続車両が加減速を伴うことにより、後続車両が消費する環境負荷が増大する結果となる。
一方、自車両が強い加速を行って周辺車両の流れに乗るとした場合、自車両が消費する環境負荷はこれにより増大するが、後続車両が消費する環境負荷は変化しない。したがって、自車両が強い加速を行ったことにより自車両が消費する環境負荷の増加量が、自車両が穏やかな加速を行った場合に後続車両が消費する環境負荷の増加量よりも小さければ、自車両が強い加速を行ったほうが、周辺車両を含めた全体の環境負荷は最適化される。
具体的には、例えば自車両が電気自動車で、後続車両が大型トラックである場合、大型トラックに減速させないように自車両が加速した方が、自車両が消費する環境負荷は増加するものの、全体としての環境負荷は最少になることがある。
逆に、自車両が大型トラックで、後続車両が電気自動車である場合には、自車両は自己の環境負荷が最小となるような穏やかな加速を行いつつ、後続車両に(急ブレーキにならない範囲で)減速してもらった方が、全体としての環境負荷が最適化される場合も有ると考えられる。
このように、特に加減速に対して環境負荷の少ない優れたハイブリッド自動車、電気自動車、或いは燃料電池自動車と、従来のガソリン車やディーゼル車が混在して走行している現状では、自車両のみを考慮して環境負荷を部分的に最適化しても、それが全体の最適化にならない場合があり、真の省エネルギーに至ってはいない。
上記の状況を鑑み、本発明は、周辺車両の走行状態を考慮しつつ、周辺車両を含めた全体の環境負荷が最適化される自車両の加速方法を提示することで、省エネルギーを実現する運転支援システムを提供することをその目的とする。
上記目的を達成するための本発明に係る運転支援システムは、複数の車両が道路上を走行する場合に、前記複数の車両全体でみて省エネルギーとなる各車両の運転方法を提供する運転支援システムであって、
自車両の現在位置及び速度を取得する自車両情報取得部と、
前記自車両の付近を走行する周辺車両の現在位置、速度、及び車種情報を取得する周辺車両情報取得部と、
前記自車両及び前記周辺車両の夫々が消費する単位時間当たりの燃料消費量を所定の環境コストに換算した環境コスト特性を、前記自車両及び前記周辺車両の車種毎、速度毎、及び、加速度毎に保持する環境コスト特性データベースと、
地図データベースを参照し、前記自車両が走行する道路の地理的情報を取得する地図情報取得部と、
前記地図情報取得部が取得した前記地理的情報、及び、前記環境コスト特性データベースを参照し、前記自車両が初期速度から前記加速度の時間変化を示す加速パターンで加速を行う場合に、前記自車両が前記加速パターンで加速を開始後、前記自車両と前記周辺車両の少なくとも一部の特定車両の全てが定速走行に至るまでに消費する燃料消費量の合計を前記環境コストに換算し、当該換算された前記環境コストの、前記自車両および前記特定車両が所定の走行状態で走行した場合に消費する前記環境コストを基準とした総増加コスト量を推定する環境コスト推定部と、
前記総増加コスト量を最適化し、最適な前記自車両の前記加速パターンである自車両最適加速パターンを算出する自車両最適加速パターン算出部を備え、
前記環境コスト推定部は、
前記地図情報取得部が取得した前記地理的情報を参照し、前記自車両が前記初期速度から前記加速パターンで加速を行う場合に、前記特定車両は減速が必要になるか否かを予測する走行シミュレータを備え、
前記走行シミュレータによる予測結果に基づき、前記自車両が加速を開始後、全ての前記特定車両が加減速を伴い前記定速走行に戻るまでに前記特定車両の夫々が消費する前記環境コストの、全ての前記特定車両が前記所定の走行状態で走行した場合に消費する前記環境コストを基準とした特定車両増加コスト量を算出または前記走行シミュレータを介して取得する第1ステップと、
前記自車両が前記初期速度から前記自車両の前記加速パターンで加速を行い前記定速走行に至るまでに消費する前記環境コストの、前記自車両が前記所定の走行状態で走行した場合に消費する前記環境コストを基準とした自車両増加コスト量を、前記環境コスト特性データベースを参照して算出する第2ステップと、
前記第1ステップにおいて取得または算出された前記特定車両増加コスト量と、前記第2ステップにおいて算出された前記自車両増加コスト量を合計し、前記総増加コスト量を算出する第3ステップと、を実行し、
前記自車両最適加速パターン算出部は、
前記自車両の前記加速パターンを変えながら、前記環境コスト推定部に前記第1〜第3ステップを複数回実行させ、前記自車両最適加速パターンを求める第4ステップを実行することを第1の特徴とする。
上記第1の特徴の本発明に係る運転支援システムは、更に、
前記環境コスト特性データベースに代えて、又は、前記環境コスト特性データベースと併せて、前記自車両および前記周辺車両の夫々が初期速度から加減速を伴い前記定速走行に至るまでに消費する燃料消費量を前記環境コストに換算した環境コスト消費量を、前記自車両及び前記周辺車両の車種毎、前記初期速度毎、及び、前記加速パターン毎に保持する環境コスト消費量データベースを備え、
前記特定車両増加コスト量、及び、前記自車両増加コスト量が、前記環境コスト特性データベースに代えて、前記環境コスト消費量データベースを参照して算出されることを第2の特徴とする。
上記第1又は第2の特徴の本発明に係る運転支援システムは、更に、
前記走行シミュレータは、
前記自車両が初期速度から前記加速パターンで加速を行う場合に、前記特定車両増加コスト量が最小となる前記特定車両の前記加速パターンである特定車両最適加速パターンを予測し、
前記環境コスト推定部は、前記第1ステップにおいて、前記走行シミュレータに前記特定車両最適加速パターンを予測させ、前記走行シミュレータから前記特定車両増加コスト量を取得することを第3の特徴とする。
上記第1乃至第3の何れかの特徴の本発明に係る運転支援システムは、更に、
前記自車両最適加速パターン算出部は、
前記自車両の前記加速パターンとして前記特定車両が存在しないとした場合に前記自車両が消費する前記環境コストが最適化される標準加速パターンを設定する初期加速パターン設定ステップを、前記第4ステップの前に実行し、
前記第4ステップにおいて、前記標準加速パターンを前記自車両の前記加速パターンとして前記環境コスト算出部に前記第1ステップを実行させた結果、前記走行シミュレータによる予測結果が前記特定車両の減速を伴わないものである場合、前記環境コスト推定部に前記第2及び第3ステップを実行させず、前記標準加速パターンを前記自車両最適加速パターンとすることを第4の特徴とする。
上記第1乃至第4の何れかの特徴の本発明に係る運転支援システムは、更に、
前記走行シミュレータは、
前記特定車両が、同一方向を走行する車両からなる車列であって、その走行が前記自車両の走行により妨げられる車列のうち車間距離が最も近い先頭車両であり、且つ、前記自車両の加速に伴って変化する前記車間距離の最小値が前記特定車両の速度に応じた所定の距離よりも短い場合、当該特定車両は減速が必要であると予測する影響車両判定ステップを実行することを第5の特徴とする。
上記第5の特徴の本発明に係る運転支援システムは、更に、
前記走行シミュレータは、
前記自車両との前記車間距離が前記先頭車両よりは遠く、且つ前記先頭車両と同一方向を走行する前記特定車両に対しては、前記車列の当該特定車両よりも前記先頭車両側に位置し、且つ当該特定車両との距離が最も近い前記特定車両の前記加速パターンを前記自車両の前記加速パターンとみなして前記影響車両判定ステップを再帰的に実行し、当該特定車両は減速が必要であるか否かを予測することを第6の特徴とする。
上記第1乃至第6の何れかの特徴の本発明に係る運転支援システムは、更に、
前記自車両最適加速パターン算出部にて算出された前記自車両最適加速パターンを現実の前記自車両の加速パターンと比較し、比較結果を前記自車両の運転者に通知する通知部を備えることが好ましい。
上記第4の特徴の本発明に係る運転支援システムは、更に、
前記自車両最適加速パターンにおける前記総増加コスト量と、前記自車両が前記標準加速パターンで加速した場合の前記総増加コスト量との差を算出し、前記自車両の運転者に表示する表示部を備えることが好ましい。
上記第1乃至第6の何れかの特徴の本発明に係る運転支援システムは、更に、
前記環境コストが、前記燃料消費量に相当する取得費用であることができる。
上記第1乃至第6の何れかの特徴の本発明に係る運転支援システムは、更に、
前記環境コストが、CO排出量であることができる。
上記第1乃至第6の何れかの特徴の本発明に係る運転支援システムは、更に、
前記環境コスト特性データベースが、少なくとも一車種のガソリン車の前記環境コスト特性と、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、及び、燃料電池自動車(FCV)のうち少なくとも何れかに該当する少なくとも一車種の前記環境コスト特性を保持しているか、又は、
前記環境コスト消費量データベースが、少なくとも一車種のガソリン車の前記環境コスト消費量と、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、及び、燃料電池自動車(FCV)のうち少なくとも何れかに該当する少なくとも一車種の前記環境コスト消費量を保持していることができる。
上記第1乃至第6の何れかの特徴の本発明の運転支援システムによれば、自車両が消費するコスト消費量が最適化される自車両の加速パターンを求めるに際し、加速パターン毎に、自車両がかかる加速パターンで加速する結果、周辺車両である特定車両に減速を伴うかを予測し、特定車両の減速により特定車両が消費する環境コストの増加を考慮したうえで、周辺車両が消費する環境コストを含めた全体の環境コストが最小となる自車両の最適加速パターンを求める。
これにより、道路上を自車両に加えて複数の周辺車両が、例えば加減速に対して環境負荷の少ない車両と環境負荷の多い車両が混在した状態で走行している状況であっても、周辺車両の走行状況を考慮し全体で最適な自車両の加速方法を提示でき、省エネルギーを推進できる。
一般に、車両が走行により消費する環境コストは、車両走行時の速度Vおよび加速度Aに依存すると考えられる。車両の加速度変化をA(t)、車両の速度変化をV(t)とし、車両走行時に消費する単位時間当たりの環境コストを環境コスト特性F(V,A)とすると、時刻t1からt2までに車両が消費する環境コスト消費量Cは、下記の数1で表すことができる。
ここで、環境コスト特性F(V,A)は、車両の環境コスト消費量の加減速に対する依存性を反映し、車種毎に異なる特性を有している。自車両Pが、時刻t1から時刻t2までの間に、速度V1からV2までに加速したとすれば、自車両Pが時刻t1から時刻t2までの間に消費する環境コストC(P)は、自車両Pの車種をMP、環境コスト特性をFMP(V,A)として、下記の数2で表される。
さらに、周辺車両(特定車両)をQi(i=1〜N)とする。周辺車両Qiは、時刻t1から時刻s1までの間、速度V2で定速走行していたが、自車両Pの存在により減速の必要が生じ、時刻s1から時刻s2までの間加減速を行い、時刻s2において速度V2の定速走行に復帰したとする。この場合、周辺車両Qiが時刻t1から時刻s2までの間に消費する環境コスト消費量C(Qi)は、周辺車両Qiの車種をMQi、環境コスト特性をFMQi(VQi,AQi)として、下記の数3で表される。


本発明では、上記の自車両の環境コスト消費量C(P)と周辺車両の環境コスト消費量C(Qi)の総和を算出し、かかる総和が最適化される加速度の時間変化(加速パターン)A(t)を求める。ただし、上述の説明において、自車両Pが速度V2の定速走行となる時刻s2は、加速パターンA(t)に依存するため、単純に比較することができない。例えば、ある加速パターンA(t)では時刻s2で速度V2の定速走行に移行するが、別の加速パターンA’(t)では時刻s2’で速度V2の定速走行に移行するとする。s2’>s2とすると、環境コストの計算対象とする期間を一致させるため、加速パターンA(t)の場合の環境コスト消費量C(P)に、s2からs2’までの定速走行している環境コスト消費量F(V2,0)・(s2’−s2)を加えたものを、加速パターンA’(t)の場合の環境コスト消費量C’(P)と比較する必要が生じる。
そこで、時刻t1(=0)から十分な時間が経過後、任意の加速パターンについて自車両Pが定速走行に移行している時刻Tを想定する。そして、加速完了後は、時刻Tまで自車両Pが定速走行を維持しているとして、下記の数4に示すように、時刻t1から時刻Tまでに自車両が消費する環境コスト消費量C(P)を求める。
或いは、より好ましくは、下記数4に示す環境コスト消費量C(P)に対し、時刻t1から時刻Tまでずっと定速走行を仮定した場合に消費する環境コストを基準とした自車両の増加コスト量ΔC(P)を算出すればよい。ΔC(P)は、下記の数5で表される。

周辺車両Qiについても同様に、周辺車両Qiが減速を行う期間s1〜s2は、自車両の加速パターンA(t)に依存する。さらに、周辺車両Qiが加減速を行う期間s1〜s2は、他の周辺車両Qj(i≠j)の加速パターンAQj(t)にも依存しうる。したがって、周辺車両Qiが消費する環境コスト消費量C(Qi)についても、全ての周辺車両Qiが定速走行に復帰している時刻Tを想定し、下記の数6に示すように、時刻t1から時刻Tまでに周辺車両が消費する環境コスト消費量C(Qi)を求める必要がある。さらに、より好ましくは、下記数6に示す環境コスト消費量C(Qi)に対し、時刻t1から時刻Tまでずっと定速走行を維持していた場合に消費する環境コストを基準とした周辺車両毎の増加コスト量ΔC(Qi)を算出すればよい。ΔC(Qi)は、下記の数7で表される。

なお、上記数4に示す環境コスト消費量C(P)、及び数6に示す環境コスト消費量C(Qi)は、夫々、自車両又は周辺車両が時刻t1から時刻Tまで停止していた場合に消費する環境コストを基準とした増加コスト量とみなせる。
本発明の一実施形態では、上記数4〜数7に基づき、上記数4に示すC(P)と数6に示すC(Qi)を合計した総増加コスト量C(P)+ΣC(Qi)が最小となる加速パターンA opt(t)を求める。或いは、上記数4に示すC(P)を数5に示すΔC(P)で、又は、上記数6に示すC(Qi)を数7に示すΔC(Qi)で置き換えた総増加コスト量が最小となる加速度パターンA opt(t)を求めてもよい。本発明では、環境コスト算出部が、走行シミュレータと連携し、加速パターンA(t)の最適化処理を行う。
走行シミュレータは、本発明の一実施形態において、自車両Pが加速パターンA(t)で加速する場合に、周辺車両Qiに減速が必要になるか否かを予測する。減速が必要でない場合、VQi(t)=V2、AQi(t)=0であり、数7のΔC(Qi)は0となる。一方、減速が必要であると予測された場合、与えられた自車両Pの加速パターンA(t)に対して、周辺車両Qiの増加コスト量ΣC(Qi)又はΣΔC(Qi)が最小となる周辺車両の加速パターンAQi opt(t)を求める。環境コスト特性データベースには、環境コスト特性F(V、A)が、速度V、加速度A、及び、車種M毎に保持されており、走行シミュレータは、環境コスト特性データベースを参照して上記数4〜数7に示す積分計算を行う。
このような構成により、自車両Pにとって最適な加速パターンA opt(t)を、周辺車両の走行状態を反映しつつ求めることが可能となる。
上述の通り、本発明では、加速パターンA(t)を変分関数とし、加速前後の速度差、つまりA(t)を積分した値が与えられている拘束条件で、総増加コスト量が最小となる加速パターンを求める変分問題を解くことになる。さらに、運転者(同乗者を含む)が急加速又は急減速を感じないように、加速パターンA(t)は、加速度の最大値に上限が、および加速度の最小値に下限が存在するとする。最適化処理を行うにあたって、例えば、加速パターンA(t)を、微小時間Δt毎に細分化し、加速度の時系列{A(t)、A(t)、…、A(tn−1)、A(t)}(t−tn−1=Δt)に対して、A(t)…A(t)を夫々変化させながら、総増加コスト量を求め、総増加コスト量が最小となる最適加速パターンの時系列Aopt(t)…Aopt(t)を探索することができる。しかしながら、この方法では、最適加速パターンの算出にかなりの計算量を必要とする。
周辺車両の走行状態は時々刻々と変化するものであるため、上記の自車両の最適加速パターンA opt(t)の算出はリアルタイム処理が必要であり、短時間(例えば、1秒以内)に算出することが要求される。このため、最適加速パターンA opt(t)の算出にあっては、予め自車両の加速パターンA(t)、及び周辺車両の加速パターンAQi(t)を複数設定しておき、有限個の加速パターンA(t)、AQi(t)の中から、最も総コスト量または総増加コスト量が最小となる加速パターンを選択するとよい。加速パターンA(t)、AQi(t)に対し、予め上記数4〜数7に示す積分計算を行った結果を環境コスト消費量データベースに保持しておくことで、計算量を大幅に低減できる。
また、周辺車両の選択にあっては、環境コストC(Qi)を考慮する車両を、周辺車両の一部の特定車両に制限することができる。例えば、かかる特定車両に、最大車両数を設定してもよい。或いは、自車両との距離に基づいて、自車両との距離が設定範囲内にある周辺車両を特定車両として設定することもできる。
あるいは、自車両および特定車両の加減速方法について、等加速度による加減速を仮定した加速パターンA(t)、AQi(t)を設定することも好ましい。
さらに、周辺車両の加速パターンAQi(t)を最適化する代わりに、周辺車両の減速が必要な場合には、常にある一定の標準加速パターンを割り当て、環境コストC(Qi)を算出することも可能である。この場合、減速が必要と予測された周辺車両Qiに対しては、数6のC(Qi)又は数7のΔC(Qi)は、周辺車両(特定車両)の加速パターンに依らず、速度V2に応じた所定値を割り当てることとなる。
このようにして算出された最適加速パターンA opt(t)に基づき、自車両の運転を自動制御することができる。或いは、最適加速パターンA opt(t)に基づき評価値を算出し、評価結果を運転者に通知することで、最適な加速方法を運転者に提示することができる。
このとき、さらに、実際に運転者が行った加速方法と、最適加速パターンを比較評価し、比較結果を運転者に通知することで、運転者は、アクセルを踏み込んでより強い加速を行うべきか、それとも、アクセルを緩めて加速の程度を緩めるべきかを、加速しながら知ることができる。これにより、本発明の運転支援システムは、運転者が最適加速パターンに合わせた加速を行うことを支援できる。
本発明の一実施形態に係る運転支援システムの一例を示す構成ブロック図 本発明の一実施形態に係る運転支援システムにおいて、自車両最適加速パターンの算出方法を示すフローチャート 自車両最適加速パターンの算出に用いる加速パターンの例 自車両最適加速パターンの算出に用いる加速パターンの例 自車両最適加速パターンの算出に用いる加速パターンの例 走行シミュレータによる特定車両の減速予測方法を説明するための図であり、周辺車両が走行する道路上に自車両が合流する様子を示す 走行シミュレータによる特定車両の減速予測方法を説明するための自車両と特定車両の走行距離と時間の関係を示すグラフ 自車両及び特定車両の加速パターンの一例を示す 自車両最適加速パターンを運転者に表示する一例
〈第1実施形態〉
以下に、本発明の一実施形態に係る運転支援システム(以降、適宜「本発明システム1」と称す)につき、図面を参照して説明する。図1は、本発明システム1の構成の一例を示す図である。図1に示すように、本発明システム1は、自車両情報取得部11、周辺車両情報取得部12、地図情報取得部13、環境コスト推定部14、自車両最適加速パターン算出部15、走行シミュレータ16、環境コスト消費量DB(データベース)17、通知部18、及び、表示部19を備えてなる。
ここで、環境コスト消費量DB17は、車内(自車両内)に設置され、コンピュータ内に設けられた、或いはローカルネットワークを介してアクセス可能な記憶装置の所定の記憶領域に構築されている。また、自車両情報取得部11、周辺車両情報取得部12、地図情報取得部13、環境コスト推定部14、自車両最適加速パターン算出部15、走行シミュレータ16、通知部18、及び、表示部19は、夫々、かかる車内に設置されたコンピュータのハードウェア資源(CPUや各種記憶装置等、及び、ダッシュボード内に設けられた表示装置)及びソフトウェア資源(OS、各種ドライバ、データベース管理ソフト等)を使用して演算処理を行う機能的手段であり、当該演算処理の実行が、CPUによりその実行が制御されるプログラムを実行することによりソフトウェア的に実現される。また、当該演算処理を行うに際して必要な情報を一時的に保持するための記憶手段を適宜備えている。
一方、環境コスト消費量登録部21、及び、環境コスト特性DB(データベース)22が、車外に設けられた別のコンピュータ30のハードウェア資源(CPUや各種記憶装置等)及びソフトウェア資源(OS、各種ドライバ、データベース管理ソフト等)を用いて構築されている。環境コスト消費量登録部21、及び、環境コスト特性DB(データベース)22は、本発明システム1とネットワークを介して接続している。環境コスト消費量登録部21、及び、環境コスト特性DB22は、本発明システム1と同様、車内に設けても構わない。環境コスト消費量登録部21は、上記のハードウェア資源及びソフトウェア資源を使用して演算処理を行う機能的手段であり、当該演算処理の実行が、CPUによりその実行が制御されるプログラムを実行することによりソフトウェア的に実現される。
自車両情報取得部11は、自車両(本発明システム1が搭載されている車両)の現在位置及び速度(走行方向を含む)を取得する。かかる現在位置及び速度は、GPS(Global Positioning System)を介して取得することが可能である。その後、かかる取得した自車両の現在位置、速度、及び車種情報を外部に設けられた車両情報サーバ20に送信し、車両情報サーバ20に登録しておく。
周辺車両情報取得部12は、自車両の付近を走行する周辺車両の現在位置、速度、及び車種情報を取得する。具体的には、例えば、車両情報サーバ20にアクセスし、自車両からの距離が一定範囲内にある車両を周辺車両として抽出し、周辺車両が送信した周辺車両の現在位置、速度、及び車種情報を取得する。
或いは、現在研究開発が進められている先進安全自動車(ASV)では、車両同士で直接通信(車車間通信)、又は道路を介して通信(車路車間通信)を行い、車両の運転状態を情報交換し、危険回避に利用する。かかる車車間通信、或いは車路車間通信により、周辺車両の現在位置、速度、及び車種情報を取得することが可能となる。
地図情報取得部13は、地図DB(データベース)(図示せず)を参照し、自車両が走行する道路の地理的情報を取得する。ここで、地図DBは、自車両内の記憶装置内に設けられているが、車外に設けられ、無線通信等を介してアクセス可能に構成されていても構わない。
環境コスト特性DB22には、自車両及び周辺車両の夫々が消費する単位時間当たりの燃料消費量を所定の環境コストに換算した環境コスト特性F(V,A)を、自車両及び周辺車両の車種M毎、速度V毎、及び、加速度A毎に保持している。環境コストとは、例えば、燃料消費に伴って発生するCOの排出量である。例えば電気自動車(EV)の場合、走行中にCOが排出されることはないが、走行で消費する電力量の生産に必要な発電コストをCO排出量に換算したものを用いる。或いは、燃料消費に必要な燃料の取得費用を金額に換算したものであってもよい。ガソリン車であれば、燃料消費量に燃料価格を乗じて、電気自動車であれば、消費した電力量を電力会社が提示する標準的な電気料金表に従って、取得費用に換算する。環境コスト特性DB22は、少なくとも一車種のガソリン車の環境コスト特性と、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、及び、燃料電池自動車(FCV)のうち少なくとも何れかに該当する少なくとも一車種の環境コスト特性を保持している。
環境コスト消費量登録部21は、自車両、又は、周辺車両の少なくとも一部の特定車両に対し、ある加速度の時間変化パターン(加速パターン)A(t)又はAQi(t)が与えられたときに、環境コスト特性DB22から対応する車種の環境コスト特性F(V,A)を読み出し、自車両の場合上記数5の右辺第1項、特定車両の場合上記数7の右辺第1項に示す積分計算を行い、初期速度から加減速を伴い定速走行に至るまでに消費する環境コスト消費量を算出する。そして、算出された環境コスト消費量を、車種、加速直前の初期速度、及び、加速パターンとともに環境コスト消費量DB17に予め登録しておく。
この結果、環境コスト消費量DB17には、かかる環境コスト消費量が、自車両及び周辺車両の車種毎、初期速度毎、及び、加速パターン毎に保持される。環境コスト消費量DB17は、少なくとも一車種のガソリン車の前記環境コスト消費量と、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、及び、燃料電池自動車(FCV)のうち少なくとも何れかに該当する少なくとも一車種の環境コスト消費量を保持している。
環境コスト推定部14は、地図情報取得部13が取得した地理的情報を参照し、自車両が初期速度から出発してある加速パターンA(t)で加速を行うとき、加速開始後、自車両と周辺車両の少なくとも一部の特定車両の全てが定速走行に至るまでに消費する燃料消費量の合計を環境コストに換算し、当該換算された環境コストの、自車両および特定車両が所定の走行状態で走行した場合に消費する環境コストを基準とした総増加コスト量を推定する。つまり、上記数4及び数6における環境コスト消費量を合計した環境コスト消費量C(P)+ΣC(Qi)の、自車両および特定車両が所定の走行状態で走行した場合に消費する環境コストとの差を求める。本実施形態では、かかる所定の走行状態として、特定車両が減速せずに定速走行を維持しており、自車両も特定車両と同様の定速走行をしていた場合を想定する。この場合、環境コスト推定部14は、上記数5及び数7における環境コスト消費量を合計した環境コスト消費量ΔC(P)+ΣΔC(Qi)を、総増加コスト量として推定する。
なお、所定の走行状態として、自車両及び特定車両が停止していた場合を想定することもできる。その場合には、環境コスト推定部14は、上記のC(P)+ΣC(Qi)を、総増加コスト量として推定する。
また、環境コスト推定部14は、走行シミュレータ16を備えており、地図情報取得部13が取得した地理的情報を参照し、自車両が初期速度から出発してある加速パターンA(t)で加速を行う場合に、特定車両は減速が必要になるか否かを予測する。なお、かかる減速予測方法については、後述する。
自車両最適加速パターン算出部15は、上述の総増加コスト量ΔC(P)+ΣΔC(Qi)またはC(P)+ΣC(Qi)が最小となる自車両の加速パターンを、自車両最適加速パターンA opt(t)として算出する。
通知部18は、自車両最適加速パターン算出部15で算出された自車両最適加速パターンA opt(t)を現実の自車両の加速パターンと比較し、比較結果を自車両の運転者に通知する。例えば、自車両最適加速パターンA opt(t)を数値評価し、評価値を算出する。同様に、現実の自車両の加速パターンを数値評価し、評価値を算出することができる。双方の評価値の比較結果を運転者に通知することで、運転者は、更に加速するためアクセルを踏み込むべきであるのか、減速するためアクセルを緩めるべきであるのかを加速しながら知ることができる。
なお、かかる評価結果の通知方法は、車両のダッシュボード等に視覚的に表示する場合に限られるものではなく、音により聴覚的な方法で知らせても構わない。
表示部19は、自車両が自車両最適加速パターンA opt(t)で加速した場合に消費する総増加コスト量と、後述する標準加速パターンA std(t)で加速した場合に消費する総増加コスト量との差を算出し、運転者に表示する。標準加速パターンA std(t)は、後述するが、自車両だけを考慮した場合に環境コスト消費量が最適化される加速パターンである。かかる総増加コスト量の差を表示することで、むしろ標準加速パターンよりも強い加速を行うことで、周辺車両を含めた全体としてどれだけの環境コスト消費を削減できるのかを運転者に伝えることができる。
以下に、本発明システム1の自車両最適加速パターン算出部15による自車両最適加速パターンの算出方法について、詳細に説明する。図2は、本発明システム1の自車両最適加速パターンの算出方法を示すフローチャートである。
《1.加速パターンの設定》
先ず、自車両最適加速パターンの算出に先立って、本発明システム1では、複数の自車両の加速パターンA(t)、複数の特定車両の加速パターンAQi(t)を予め設定しておく。自車両最適加速パターン算出部15は、かかる自車両の加速パターンA(t)と特定車両の加速パターンAQi(t)の複数の組み合わせの中から、総増加コスト量が最小となる加速パターンの組み合わせを探索し、自車両最適加速パターンA opt(t)を算出する。図3〜図5に、かかる加速パターンの例を示す。
図3(a)〜図3(d)は、車両が初期速度V1からV2に加速する場合の加速パターンであり、自車両の加速パターンA(t)に用いる。図のt1からt2までを積分した値が、加速の前と後における速度差V2−V1となる。このうち図3(a)は、自車両が等加速度で加速するとした場合の加速パターンである。
図3(b)〜図3(d)は、夫々V1からV2まで加速するのに必要な加速時間(t2−t1)が異なっている。図3(b)は、強い加速を行う場合、図3(d)は、穏やかな加速を行う場合、図3(c)は、その中間の場合である。一般に、図3(b)よりも図3(c)の方が、図3(c)よりの図3(d)の方が、環境にかける負担は小さいと考えられる。
特に、図3(d)は、他の車両の存在を考慮しない場合に環境コスト消費量が最適化される加速パターンであり、標準加速パターンA std(t)と呼ぶことにする。図3(b)及び図3(c)についても、加速前後の速度差(V2−V1)、及び加速時間(t2−t1)を一定とした条件下で、他の車両の存在を考慮しない場合に環境コスト消費量が最適化される加速パターンを予め求めておき、加速パターンに設定しておくことが好ましい。
また、図4(a)〜図4(d)は、図3と逆に、車両が初期速度V2からV3に減速する場合の加速パターン(減速パターン)であり、図のt1からt2までを積分した値の絶対値が、減速の前と後における速度差V2−V3となる。このうち図4(a)は、自車両が等加速度で加速するとした場合の加速パターン(減速パターン)である。
図4(b)〜図4(d)は、夫々V2からV3まで減速するのに必要な減速時間(t4−t3)が異なっている。図4(b)は、強い減速を行う場合、図4(d)は、穏やかな減速を行う場合、図4(c)は、その中間の場合である。一般に、図4(b)よりも図4(c)の方が、図4(c)よりの図4(d)の方が、環境にかける負担は小さいと考えられる。
特に、図4(d)は、他の車両の存在を考慮しない場合に環境コスト消費量が最適化される加速パターン(標準減速パターン)であり、ブレーキを踏まずに所謂エンジンブレーキをかけた場合に相当する。図4(b)及び図4(c)についても、減速前後の速度差、及び減速時間を一定とした条件下で、他の車両の存在を考慮しない場合に環境コスト消費量が最適化される加速度の時間変化を予め求めておき、加速パターン(減速パターン)に設定しておくことが好ましい。
図5(a)〜図5(c)は、図3と図4に示す加速パターンを組み合わせたものであり、初期速度V2で走行していた車両が一旦速度V3まで減速後、再び加速して速度V2の定速走行に戻る場合の加速パターンであり、特定車両の加速パターンAQi(t)に用いることができる。図5(a)〜図5(c)に示す加速パターンは、時刻t3〜t4までの減速部分の加速パターンと、時刻t5からt6までの加速部分の加速パターンからなり、かかる部分の面積は、共にV2−V3で等しい。
なお、図3〜図5において、加速パターンの夫々は、急加速または急減速とならないように、その加速度の絶対値の最大値が所定値以内に収まるように設定されている。
環境コスト消費量登録部21は、上述の通り、このようして予め設定された加速パターンに従って加減速を行うとした場合に消費する環境コスト消費量を算出する。算出された環境コスト消費量は、車種、加速直前の初期速度、及び、加速パターンとともに環境コスト消費量DB17に予め登録されている。
《2.初期加速パターンの設定》
図2に戻って、自車両最適加速パターン算出部15は、先ず上記図3(d)に示す標準加速パターンA std(t)を加速パターンに設定する(ステップS101:初期加速パターン設定ステップ)。その後、自車両最適加速パターン算出部15は、かかる標準加速パターンA std(t)を加速パターンとして、総増加コスト量を算出するよう、環境コスト推定部14に指示する。
環境コスト推定部14は、走行シミュレータ16に、自車両が加速パターンA std(t)で加速を行った場合に、特定車両の減速が必要になるか否かを予測させる。
《3.走行シミュレータによる影響車両判定》
以下に、走行シミュレータ16による特定車両の減速予測方法について、具体的に説明する。具体例として、図6に示すように、自車両Pが複数の周辺車両Q〜Qが走行する道路上を左折により合流する場合を考える。図6において、周辺車両Q〜Qが左車線を共に一定速度V2で走行している。このとき、自車両が速度V1で道路上に進入し、車両Q〜Qからなる車列と車両Q、Qからなる車列の間に合流する場合を考える。
ここで、周辺車両Q、Qについては、自車両との車間距離が自車両が加速しないとした場合に遠ざかる方向にあるため、自車両の加速に伴って周辺車両Q、Qに減速が必要になることはない。また、反対車線を走行する周辺車両Qについては、自車両の加速により周辺車両Qの走行が妨げられることはなく、当然に自車両の影響を受けない。一方、周辺車両Q〜Qは、自車両との車間距離が自車両が加速しないとした場合に近づく方向にあり、自車両との車間距離次第では、自車両の加速に伴って周辺車両Q〜Qに減速が必要になる場合がある。走行シミュレータ16は、周辺車両Q〜Qのうち、Q〜Qを特定車両として、自車両が加速パターンA std(t)で加速を行った場合に、特定車両Q〜Qの減速が必要になるか否かを予測する。
まず、走行シミュレータ16は、特定車両Q〜Qのうち最も自車両との車間距離が近い先頭車両Qを選択し(ステップS102)、特定車両Qに対して、自車両が初期速度V1から標準加速パターンA std(t)で加速を行った場合に、自車両と特定車両Qの車間距離の時間変化を求める。そして、かかる車間距離の最小値が所定の安全を考慮して必要な車間距離よりも短くなる場合に、特定車両Qの減速が必要であると予測する(ステップS103:影響車両判定ステップ)。
図7に、自車両Pと特定車両Qの走行距離の時間変化を示す。自車両Pの走行距離の時間変化を示す曲線をLで、自車両Pを考慮しない場合に特定車両Qの走行距離の時間変化を示す直線をLで示す。時刻t1において、自車両Pが特定車両Q〜Qが走行する道路に進入し、時刻t2に至るまで自車両は加速を行って、時刻t2で速度V2の定速走行に至るとする。速度V2で定速走行している特定車両Qに対し、安全上必要な自車両Pの車間距離をD(V2)とする。
自車両Pの走行曲線LをD(V2)だけ特定車両Q側に平行移動させた曲線を、図7の破線で示す曲線LP’に示す。時刻t1〜t2の間に、自車両は、下記の数8に示すd1だけ進む。したがって、時刻t1における自車両Pと特定車両Qとの車間距離d0が、D(V2)+V2(t2−t1)−d1以上であれば、曲線LP’と曲線Lが交差しないから、時刻t1以降において車間距離d0がD(V2)未満となることはない。したがって、特定車両Qは減速の必要はないと予測できる。
なお、ここで、車間距離d0は、自車両Pと特定車両Q間の直線距離ではなく、道路の曲率等を考慮した道路に沿った距離であり、地図情報取得部13を介して取得した地理的情報を参照して算出される。
特定車両Qの減速の必要がなければ、特定車両Q、Qについても減速の必要はない。走行シミュレータ16は、自車両Pが標準加速パターンA std(t)で加速するに際し、特定車両Q〜Qの減速は必要でないと予測する。かかる走行シミュレータ16による予測結果に基づき、環境コスト推定部14は、標準加速パターンA std(t)が自車両最適加速パターンであるとして、自車両最適加速パターン算出部15に送信する。
一方、時刻t1における自車両Pと特定車両Qとの車間距離d0が、D(V2)+V2(t2−t1)−d1未満の場合、曲線LP’と曲線Lが交差し、時刻t1以降において車間距離d0がD(V2)未満となることがある。したがって、特定車両Qは減速の必要があると予測される。
この場合において、走行シミュレータ16は、特定車両Qに対し、速度V2から一旦減速後、再度加速して、速度V2の定速走行に戻る図5の例に示す加減速パターンAQ1(t)を割り当てる(ステップS104)。
ここで、特定車両Qの加減速については、例えば、以下の条件(1)−(4)を満足するように加減速を行うと仮定し、条件を満たす加速パターンAQ1(t)を割り当てることができる。
(1)時刻t3(>t1)において、特定車両Qは減速を開始する。このとき、自車両Pと特定車両Qとの車間距離はD(V2)よりも離れている。
(2)その後、時刻t4まで減速を行い、特定車両Qは速度V3(V1<V3<V2)まで減速する。その後、時刻t5まで、特定車両Qは速度V3の定速走行を維持する。
(3)時刻t5(<t2)において、自車両Pの速度がV3に達するとともに、自車両Pと特定車両Qの車間距離がD(V2)になる。特定車両Qは、自車両Pとの車間距離としてD(V2)を維持したまま、自車両Pに追随し、自車両Pと同じ加速パターンで加速を開始する。
(4)その後、時刻t2において、自車両P及び特定車両Qともに、速度V2の定速走行に移行する。
上記(1)−(4)を満たす特定車両Qの走行距離の時間変化を、図7の曲線LQ’に示す。上記の速度V3は、加速パターンAQ1(t)の減速部分のパターンを時間積分した値がV3−V2になっているから、容易に求まる。自車両の速度がV3となる時刻t5、及び、時刻t5における自車両Pの走行距離d2を下記数9より求めると、時刻t1〜t5までに特定車両Qが走行する距離d3は、d3=d0+d2−D(V2)となる。同様に、時刻t3〜t4の期間に特定車両Qが走行する距離d4を、加速パターンAQ1(t)から求めると、これに時刻t1〜t3の間に特定車両Qが走行する距離V2(t3−t1)、及び、時刻t4〜t5の間に特定車両Qが走行する距離V3(t5−t4)を合計したものがd3に一致する。t4−t3は、加速パターンAQ1(t)から与えられているので、これにより、t3とt4が一意に定まる。
この場合の自車両と特定車両の加速パターンを図8に示す。図8の斜線部分に示す特定車両Qの加速パターンAQ1(t)は、t3〜t4までの減速部分のパターンと、t5〜t2までの加速部分のパターンからなり、加速部分のパターンについては、図8の点線に示す自車両の加速パターンA(t)の一部と一致する。
特定車両Qの加速パターンAQ1(t)を割り当てると、走行シミュレータ16は、次に、特定車両Qの後方を走行する特定車両Qを選択し(ステップS106)、特定車両Qが加速パターンAQ1(t)で加減速を行った場合に、特定車両Qの減速が必要であるかを予測する。具体的には、特定車両QとQ間の車間距離の時間変化を求め、かかる車間距離の最小値が安全上必要な車間距離D(V2)よりも短くなると、特定車両Qの減速が必要であると予測する(ステップS107:影響車両判定ステップ)。
そして、特定車両Qは減速の必要があると予測された場合(ステップS107でYES分枝)、走行シミュレータ16は、特定車両Qに対し、同様に速度V2から一旦減速後、再度加速して、速度V2の定速走行に戻る加速パターンAQ2(t)を割り当てる(ステップS108)。このとき、特定車両Qについては、特定車両Qを自車両Pとみなして、上記の条件(1)−(4)を満たす加速パターンAQ2(t)を割り当てることができる。換言すると、これは、特定車両Qの加速パターンAQ1(t)を自車両Pの加速パターンA(t)とみなして、上記の影響車両判定ステップを再帰的に実行していることと同じである。
あるいは、時刻t1における自車両Pと特定車両Qとの車間距離が、2*D(V2)+V2(t2−t1)−d1以上であれば、特定車両Qの減速は必要ないと予測してもよい。自車両Pから数えてN台目の後方にいる特定車両については、時刻t1における自車両Pとの車間距離が、N*D(V2)+V2(t2−t1)−d1以上であれば、特定車両の減速は必要ないと予測できる。
その後、特定車両Qの減速が必要な場合は、さらに後方を走行する特定車両Qを選択し、特定車両Qが加速パターンAQ2(t)で加減速を行った場合に、特定車両Qの減速が必要であるかを予測する。走行シミュレータ16は、かかる予測処理を、全ての特定車両について(ステップS105でYES分枝)、あるいは、減速の必要がない特定車両が予測されるまで(ステップS107でNO分枝)繰り返し、減速の必要な特定車両については、加速パターンを割り当てる処理を行う。
《4.特定車両最適加速パターンの導出》
このようにして得られた特定車両の加速パターンの組み合わせ{AQi(t)}に対し、走行シミュレータ16は、環境コスト消費量DB17を参照し、数7に示すΔC(Qi)を特定車両毎に求め、その和をとり、特定車両増加コスト量ΣΔC(Qi)を算出する(ステップS109)。
ここで、上記の例では、特定車両の加速パターンAQi(t)は、加速部分のパターンについては、自車両Pの加速パターンA(t)の一部と一致する。この場合、加速部分による環境コスト消費量は、V1からV2まで加速する場合の加速パターンA(t)と、かかる加速パターンA(t)と同じ加速度の立ち上がりパターンでV1からV3まで加速する加速パターンの2つを考え、両方の加速パターンに対して、特定車両がかかる加速パターンで加速した場合の環境コスト消費量を、夫々、特定車両の車種を考慮し、環境コスト消費量DB17を参照して求め、両者の差をとることで算出できる。
その後、走行シミュレータ16は、異なる特定車両の加速パターンの組み合わせ{AQi(t)}を割り当て(ステップS110)、同様に特定車両増加コスト量ΣΔC(Qi)を算出する。そして、複数の特定車両の加速パターンの組み合わせ{AQi(t)}から、特定車両増加コスト量ΣΔC(Qi)が最小となる組み合わせを探し、特定車両最適加速パターンを予測する(ステップS111)。
なお、上記特定車両Q〜Qの影響車両判定(ステップS103、S107)にあっては、走行シミュレータ16は、先ず特定車両Qの加速パターンAQ1(t)として図4(d)に示す標準減速パターンを減速部分に含む加速パターンAQ1(t)を仮設定し、上記の条件(1)−(4)を満たすことができるかを判断し、条件を満たす場合に、かかる標準減速パターンを含む加速パターンを特定車両Qの加速パターンAQ1(t)に設定して、特定車両Q〜Qの影響車両判定を行うことが好ましい。ステップS107において特定車両Qの減速が必要でないと予測された加速パターンがあれば、このうち最も減速時の速度V3が大きいものが特定車両最適加速パターンであると予測できる。
《5.特定車両による増加コスト消費量の取得》
その後、環境コスト推定部14は、走行シミュレータ16が予測した特定車両最適加速パターンにおける特定車両増加コスト量ΣΔC(Qi)を走行シミュレータ16から取得する(ステップS112:環境コスト推定の第1ステップ)。
《6.自車両による増加コスト消費量の算出》
次に、環境コスト推定部14は、自車両の標準加速パターンA std(t)について、
上記数5に基づいて、自車両の増加コスト量ΔC(P)を、環境コスト消費量DB17を参照して算出する(ステップS113:環境コスト推定の第2ステップ)。
《7.自車両および特定車両による総増加コスト消費量の算出》
次に、環境コスト推定部14は、上記の第1及び第2ステップで算出した増加コスト量を合計し、自車両の標準加速パターンA std(t)における総増加コスト量ΔC(P)+ΣΔC(Qi)を算出する(ステップS114:環境コスト推定の第3ステップ)。
このようにして、自車両最適加速パターン算出部15は、自車両の標準加速パターンA std(t)における総増加コスト量を、環境コスト推定部14から取得する。
《8.総増加コスト消費量の最適化・自車両最適加速パターンの導出》
その後、自車両最適加速パターン算出部15は、標準加速パターンA std(t)とは異なる複数の自車両の加速パターンA(t)を設定し(ステップS115)、走行シミュレータ16に上述の影響車両判定ステップ、環境コスト推定部14に上述の第1〜第3ステップを実行させ(即ち、ステップS102〜S114を実行し)、夫々の加速パターンA(t)における総増加コスト量を算出・取得する(ステップS116)。そして、最も総増加コスト量の小さい加速パターンを、自車両最適加速パターンA opt(t)として選択する(ステップS117)。
なお、上記の説明において、走行シミュレータ16が、先頭車両である特定車両Qの減速は必要ないと予測した場合(ステップS103でNO分枝)は、標準加速パターンA std(t)が自車両最適加速パターンA opt(t)となる。この場合、特定車両増加コスト量ΣΔC(Qi)はゼロである。
このようにして算出された自車両最適加速パターンA opt(t)を運転者に表示する構成とすることで、周辺車両の走行状況を考慮し全体で最適な自車両の加速方法を運転者に提示でき、この結果、省エネルギーを推進できる。
《9.自車両最適加速パターンの表示方法》
図9に、通知部18及び表示部19による自車両最適加速パターンA opt(t)の表示の様子を示す。なお、図9は車内のダッシュボード内に設けられた表示画面の一部を示している。
通知部18により現実の自車両の加速パターンを数値評価した値が、図9の右方向に伸びる棒グラフ、及び図中の▲印で示されている。同様に、通知部18により自車両最適加速パターンA opt(t)を数値評価した値が▼印で、標準加速パターンA std(t)を数値評価した値が▽印で示されている。棒グラフの右隣には、自車両が自車両最適加速パターンA opt(t)で加速した場合に消費する総増加コスト量と、標準加速パターンA std(t)で加速した場合に消費する総増加コスト量との差(ここでは、CO排出量の差)がg(グラム)単位で表示されている。運転者は、図9の▼印が▲印よりも左側にあることから、現実の加速が自車両最適加速パターンよりも弱いことが分かる。
これにより、運転者は、省エネルギーのためには今よりも加速すべきか、それとも減速すべきかを知ることができるとともに、削減可能な環境コスト消費量を知ることができることにより、周辺車両を含めた全体の省エネルギーを推進できる。
以上、本発明システム1に依れば、道路上を自車両に加えて複数の周辺車両が走行している状況において、周辺車両の走行状況を考慮して全体で最適な自車両の加速方法を運転者に提示でき、省エネルギーを推進できる。
〈別実施形態〉
以下に、別実施形態について説明する。
〈1〉上記実施形態の本発明システム1では、自車両の加速に伴って特定車両が加減速を行うに際し、速度V2から減速後の再加速については、図9に示すように、自車両の加速パターンと一部一致するような条件で加速すると走行シミュレータ16が予測しているが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば図5に示すような減速部分及び加速部分を有する加速パターンを割り当て、最適な特定車両の加速パターンを予測してもよい。
〈2〉上記実施形態の本発明システム1では、走行シミュレータ16が、自車両の加速に伴って自車両と特定車両との車間距離の最小値が所定の安全上必要な車間距離D(V2)よりも短くなる場合に、特定車両は減速の必要があると予測し、かかる安全上必要な車間距離は特定車両の速度V2に依存するとしている。しかしながら、特定車両の速度V2のほか、走行する道路の状態、例えばアルファルト道か砂利道かの違いや、雨で濡れているか、凍結又は積雪しているかの違い、下り坂か否かの違い(傾斜情報)、見通しが良いか否か、又は車体重量によっても必要な車間距離は変化すると考えられる。
このため、上記の道路状態、傾斜情報、地理的情報、又は車両重量に応じて安全上必要な車間距離Dを変化させることが好ましい。道路状態については例えば車両情報サーバ20を介して、下り坂か否か、或いは見通しが良いか否かについては地図情報取得部13が取得した地理的情報から知ることができる。車両重量については、車種毎に車両重量を保持する車体重量DBを備えることで、特定車両の車種から車体重量を知ることができる。必要車間距離DBを備え、速度に加えて、道路状態、傾斜情報、地理的情報毎に必要車間距離を保持することにより、安全上必要な車間距離を状況に応じて変化させることができる。
〈3〉上記実施形態の本発明システム1では、自車両が周辺車両を走行する道路上に左折合流する場合を例として、自車両最適加速パターンを算出する場合を説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、本発明は、対向車線を周辺車両が走行している道路上を右折する場合にも適用可能である。或いは、図6において、交差点に信号が設けられていない場合に、周辺車両Q〜Qが走行する道路を横切って直進する場合にも適用可能である。
本発明は、周辺車両の走行状態を考慮しつつ、周辺車両を含めた全体の環境コストが最小となる自車両の加速方法を提示し、これにより省エネルギーを実現する運転支援システムとしての利用が可能である。
1: 本発明に係る運転支援システム(本発明システム)
11: 自車両情報取得部
12: 周辺車両情報取得部
13: 地図情報取得部
14: 環境コスト推定部
15: 自車両最適加速パターン算出部
16: 走行シミュレータ
17: 環境コスト消費量DB
18: 通知部
19: 表示部
20: 車両情報サーバ
21: 環境コスト消費量登録部
22: 環境コスト特性DB
30: コンピュータ

Claims (11)

  1. 複数の車両が道路上を走行する場合に、前記複数の車両全体でみて省エネルギーとなる各車両の運転方法を提供する運転支援システムであって、
    自車両の現在位置及び速度を取得する自車両情報取得部と、
    前記自車両の付近を走行する周辺車両の現在位置、速度、及び車種情報を取得する周辺車両情報取得部と、
    前記自車両及び前記周辺車両の夫々が消費する単位時間当たりの燃料消費量を所定の環境コストに換算した環境コスト特性を、前記自車両及び前記周辺車両の車種毎、速度毎、及び、加速度毎に保持する環境コスト特性データベースと、
    地図データベースを参照し、前記自車両が走行する道路の地理的情報を取得する地図情報取得部と、
    前記地図情報取得部が取得した前記地理的情報、及び、前記環境コスト特性データベースを参照し、前記自車両が初期速度から前記加速度の時間変化を示す加速パターンで加速を行う場合に、前記自車両が前記加速パターンで加速を開始後、前記自車両と前記周辺車両の少なくとも一部の特定車両の全てが定速走行に至るまでに消費する燃料消費量の合計を前記環境コストに換算し、当該換算された前記環境コストの、前記自車両および前記特定車両が所定の走行状態で走行した場合に消費する前記環境コストを基準とした総増加コスト量を推定する環境コスト推定部と、
    前記総増加コスト量を最適化し、最適な前記自車両の前記加速パターンである自車両最適加速パターンを算出する自車両最適加速パターン算出部を備え、
    前記環境コスト推定部は、
    前記地図情報取得部が取得した前記地理的情報を参照し、前記自車両が前記初期速度から前記加速パターンで加速を行う場合に、前記特定車両は減速が必要になるか否かを予測する走行シミュレータを備え、
    前記走行シミュレータによる予測結果に基づき、前記自車両が加速を開始後、全ての前記特定車両が加減速を伴い前記定速走行に戻るまでに前記特定車両の夫々が消費する前記環境コストの、全ての前記特定車両が前記所定の走行状態で走行した場合に消費する前記環境コストを基準とした特定車両増加コスト量を算出または前記走行シミュレータを介して取得する第1ステップと、
    前記自車両が前記初期速度から前記自車両の前記加速パターンで加速を行い前記定速走行に至るまでに消費する前記環境コストの、前記自車両が前記所定の走行状態で走行した場合に消費する前記環境コストを基準とした自車両増加コスト量を、前記環境コスト特性データベースを参照して算出する第2ステップと、
    前記第1ステップにおいて取得または算出された前記特定車両増加コスト量と、前記第2ステップにおいて算出された前記自車両増加コスト量を合計し、前記総増加コスト量を算出する第3ステップと、を実行し、
    前記自車両最適加速パターン算出部は、
    前記自車両の前記加速パターンを変えながら、前記環境コスト推定部に前記第1〜第3ステップを複数回実行させ、前記自車両最適加速パターンを求める第4ステップを実行することを特徴とする運転支援システム。
  2. 前記環境コスト特性データベースに代えて、又は、前記環境コスト特性データベースと併せて、前記自車両および前記周辺車両の夫々が初期速度から加減速を伴い前記定速走行に至るまでに消費する燃料消費量を前記環境コストに換算した環境コスト消費量を、前記自車両及び前記周辺車両の車種毎、前記初期速度毎、及び、前記加速パターン毎に保持する環境コスト消費量データベースを備え、
    前記特定車両増加コスト量、及び、前記自車両増加コスト量が、前記環境コスト特性データベースに代えて、前記環境コスト消費量データベースを参照して算出されることを特徴とする請求項1に記載の運転支援システム。
  3. 前記走行シミュレータは、
    前記自車両が初期速度から前記加速パターンで加速を行う場合に、前記特定車両増加コスト量が最小となる前記特定車両の前記加速パターンである特定車両最適加速パターンを予測し、
    前記環境コスト推定部は、前記第1ステップにおいて、前記走行シミュレータに前記特定車両最適加速パターンを予測させ、前記走行シミュレータから前記特定車両増加コスト量を取得することを特徴とする請求項1又は2に記載の運転支援システム。
  4. 前記自車両最適加速パターン算出部は、
    前記自車両の前記加速パターンとして前記特定車両が存在しないとした場合に前記自車両が消費する前記環境コストが最適化される標準加速パターンを設定する初期加速パターン設定ステップを、前記第4ステップの前に実行し、
    前記第4ステップにおいて、前記標準加速パターンを前記自車両の前記加速パターンとして前記環境コスト算出部に前記第1ステップを実行させた結果、前記走行シミュレータによる予測結果が前記特定車両の減速を伴わないものである場合、前記環境コスト推定部に前記第2及び第3ステップを実行させず、前記標準加速パターンを前記自車両最適加速パターンとすることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の運転支援システム。
  5. 前記走行シミュレータは、
    前記特定車両が、同一方向を走行する車両からなる車列であって、その走行が前記自車両の走行により妨げられる車列のうち車間距離が最も近い先頭車両であり、且つ、前記自車両の加速に伴って変化する前記車間距離の最小値が前記特定車両の速度に応じた所定の距離よりも短い場合、当該特定車両は減速が必要であると予測する影響車両判定ステップを実行することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の運転支援システム。
  6. 前記走行シミュレータは、
    前記自車両との前記車間距離が前記先頭車両よりは遠く、且つ前記先頭車両と同一方向を走行する前記特定車両に対しては、前記車列の当該特定車両よりも前記先頭車両側に位置し、且つ当該特定車両との距離が最も近い前記特定車両の前記加速パターンを前記自車両の前記加速パターンとみなして前記影響車両判定ステップを再帰的に実行し、当該特定車両は減速が必要であるか否かを予測することを特徴とする請求項5に記載の運転支援システム。
  7. 前記自車両最適加速パターン算出部にて算出された前記自車両最適加速パターンを現実の前記自車両の加速パターンと比較し、比較結果を前記自車両の運転者に通知する通知部を備えることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の運転支援システム。
  8. 前記自車両最適加速パターンにおける前記総増加コスト量と、前記自車両が前記標準加速パターンで加速した場合の前記総増加コスト量との差を算出し、前記自車両の運転者に表示する表示部を備えることを特徴とする請求項4に記載の運転支援システム。
  9. 前記環境コストが、前記燃料消費量に相当する取得費用であることを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載の運転支援システム。
  10. 前記環境コストが、CO排出量であることを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載の運転支援システム。
  11. 前記環境コスト特性データベースが、少なくとも一車種のガソリン車の前記環境コスト特性と、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、及び、燃料電池自動車(FCV)のうち少なくとも何れかに該当する少なくとも一車種の前記環境コスト特性を保持しているか、又は、
    前記環境コスト消費量データベースが、少なくとも一車種のガソリン車の前記環境コスト消費量と、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、及び、燃料電池自動車(FCV)のうち少なくとも何れかに該当する少なくとも一車種の前記環境コスト消費量を保持していることを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載の運転支援システム。
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