JP2014184697A - 成形型およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】成形型内に温調用金属管を配置した場合であっても、温調用金属管の溶損および変形を抑えるとともに、温調用金属管による温調機能を向上させることができる成形型の製造方法を提供する。
【解決手段】成形面11Aが外面に形成された金属筐体10Aと、金属筐体10A内に配置され、成形面11Aの温度を調整するための温調用媒体Fが通過する温調用金属管20Aと、を備えた成形型1Aの製造方法である。金属筐体10A内に温調用金属管20Aと共に金属粉末30Pを封入する工程と、温調用金属管20Aと共に封入された金属粉末30Pを、熱間等方圧加圧処理により成形する工程と、を含む。
【選択図】図3
【解決手段】成形面11Aが外面に形成された金属筐体10Aと、金属筐体10A内に配置され、成形面11Aの温度を調整するための温調用媒体Fが通過する温調用金属管20Aと、を備えた成形型1Aの製造方法である。金属筐体10A内に温調用金属管20Aと共に金属粉末30Pを封入する工程と、温調用金属管20Aと共に封入された金属粉末30Pを、熱間等方圧加圧処理により成形する工程と、を含む。
【選択図】図3
Description
本発明は、温調用金属管を内蔵した金属製の成形型およびその製造方法に関する。
従来から、金属またはプラスチックなどの材料を成形する成形型(成形用金型)には、成形品の品質向上、安定的に生産を向上させるため、成形型に形成された成形面の温度調整(加熱または冷却)を可能とした温度調整機構が採用されている。
具体的には、このような温度調整機構として、成形型の内部に温調用媒体(加熱媒体または冷却媒体)を通過させ、成形型の成形表面の温度制御を行なっている。そこで、このような温調用媒体を通過させるための通路を、成形型内に形成するために、たとえば、成形型の内部にドリル加工などの機械加工により通路を形成することがなされている。
しかしながら、このような機械加工により通路を形成する場合、その加工に多大な時間と費用を要するばかりでなく、通路自体を直線孔の組合せにより形成することになる。たとえば成形面の形状に応じた所望の形状の通路を、成形型内に設けることが難しく、成形型内のうち加熱または冷却を要する箇所まで加熱媒体または冷却媒体が通過する通路を形成することができないことがある。このような結果、実操業時に成形型内において局所的な温度上昇が生じやすく、成形型に不均一な膨張・収縮が生じ、成形型の寿命を大幅に低下させることがあった。
このような点を鑑みて、たとえば、成形型の成形面の形状に応じて湾曲または屈曲するように前記通路が形成された温調用金属管を、内部に配置した成形型が開示されている(たとえば、特許文献1または2参照)。このような成形型は、温調用金属管を成形型の母材金属となる溶湯で鋳包むことにより製造される。このようにして、成形型の成形面の形状に応じた通路を、成形型内に形成することができる。
しかしながら、成形型の母材となる金属の溶湯で温調用金属管を鋳包んだ場合、溶湯の熱により温調用金属管が溶損したり、変形したりすることがあった。特に、温調用金属管の鋳包み性および温調用金属管との接合性を向上させようとした場合、溶湯をより高温に加熱することが行われるが、このような場合、上述した温調用金属管の溶損および変形はより顕著なものとなる。そこで、鋳込み時に温調用金属管の周りに例えば耐熱性の塗料等を被覆することも考えられるが、このような塗料は成形型の熱伝導を妨げ、温調用金属管による温調機能を低下させることがある。
さらに、成形型の母材となる金属の溶湯で温調用金属管を鋳包んで、溶湯を凝固させる際には、成形型の母材が冷却と共に収縮したり(ヒケが発生したり)、鋳造された成形型に、ピンホール(巣)が生成されることもある。このような結果、成形型の構造によっては、その熱伝導性が局所的に低下し、この場合も温調用金属管による温調機能を低下させることがある。
本発明は、このような点を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、成形型内に温調用金属管を配置した場合であっても、温調用金属管の溶損および変形を抑えるとともに、温調用金属管による温調機能を向上させることができる成形型およびその製造方法を提供することにある。
本発明は、このような課題を鑑みてなされたものであり、本発明に係る成形型の製造方法は、成形面が外面に形成された金属筐体と、該金属筐体内に配置され、前記成形面の温度を調整するための温調用媒体が通過する温調用金属管と、を備えた成形型の製造方法であって、前記金属筐体内に前記温調用金属管と共に金属粉末を封入する工程と、前記温調用金属管と共に封入された該金属粉末を、熱間等方圧加圧処理により成形する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、金属筐体内に温調用金属管と共に金属粉末を封入した後、熱間等方圧加圧処理により金属粉末を温調用金属管と一体成形することができる。より具体的には、金属粉末の金属(金型の母材となる金属)と温調用金属管の金属が、熱間等方圧加圧処理により固相拡散反応により接合されるので、成形型の熱伝導効率が向上し、温調用金属管による温調機能を向上させることができる。また、金属粉末の金属と温調用金属管の金属との固相拡散接合により、たとえこれらの金属同士が熱膨張係数の異なる金属材料であっても、金属粉末と温調用金属管と間において剥離が生じ難く、これらの界面において隙間が形成され難い。さらに、成形型の母材となる金属の溶湯で温調用金属管を鋳包む際に生じるピンホール(巣)などが発生しないため、成形型の強度のバラツキのない、熱伝導性に優れた成形型を得ることができる。
ここで、封入される金属粉末に、全て同じ金属からなる金属粉末を用いてもよく、複数種の金属を用いてもよい。このような場合のより好ましい態様としては、前記金属粉末を封入する工程において、熱伝導率の異なる金属粉末からなる複数の金属粉末層が形成されるように、前記金属粉末を封入する。さらにより好ましい態様としては、前記温調用金属管は、前記成形面の温度を調整する温調管部を有しており、前記金属粉末を封入する工程において、温調管部を、前記成形面が形成された壁部の内面に沿って配置し、前記複数の金属粉末層のうち、前記温調管部に接する金属粉末層に、熱伝導率が最も大きい金属粉末を用いる。
この態様によれば、熱伝導率の異なる金属粉末からなる複数の金属粉末層を形成することにより、より高い熱伝導性を要求される箇所に、これらのうち熱伝導率の高い金属粉末層を配置することができる。特に、前記複数の金属粉末層のうち、前記温調管部に接する金属粉末層に、熱伝導率が最も高い金属粉末を用いることにより、前記温調管部から成形面が形成された壁部への熱伝導性をより一層高めることができる。
上述した前記金属粉末を封入する工程において、金属筐体内に温調用金属管を配置した状態で、金属筐体の残りの空間に、金属粉末を全て封入してもよいが、より好ましい態様としては、前記金属粉末を封入する工程において、前記金属筐体内に、金属塊をさらに配置する。
この態様によれば、成形体を成形する工程において、金属粉末の封入量を減らすことができる。熱間等方圧加圧処理により金属粉末を成形する際には、金属ブロックを配置することで金属粉末の圧縮量を減少させることができる。また、金属筐体の一部の空間に金属粉末の代わりに金属塊を配置することにより、安価に成形型を製造することができる。
本願では、本発明として、さらに成形型を開示する。本発明に係る成形型は、成形面が外面に形成された金属筐体と、該金属筐体内に配置され、前記成形面の温度を調整するための温調用媒体が通過する温調用金属管と、を備えた成形型であって、前記金属筐体と前記金属筐体内に封入したと金属粉末と前記温調用金属管とを、熱間等方圧加圧処理により、一体成形させたことを特徴とする。
本発明によれば、金属筐体内には、熱間等方圧加圧処理により前記温調用金属管とともに金属粉末が封入されているので、金属粉末の金属(金型の母材となる金属)と温調用金属管の金属が、固相拡散反応により接合されている。これにより、成形型の熱伝導効率が向上し、温調用金属管による温調機能を向上させることができる。
また、金属粉末の金属と温調用金属管の金属とが熱膨張係数の異なる金属であっても、これらは固相拡散接合されているので、金型の母材と温調用金属管と間において剥離が生じ難く、これらの界面において隙間が形成され難い。さらに、成形型の母材となる金属の溶湯で温調用金属管を鋳包む際に生じるピンホール(巣)などが発生しないため、成形型の強度のバラツキのない、熱伝導性に優れたものとなる。さらに、金属筐体の金属と金属粉末の金属も、固相拡散反応により接合されているので、これらの界面において隙間が形成され難く、成形型の熱伝導効率を向上させることができる。
ここで、金属粉末を成形した金属は同じ金属であってもよく、複数種の金属であってもよい。しかしながら、より好ましい態様としては、前記金属粉末を成形した金属は、熱伝導率の異なる複数の金属層となっており、さらにより好ましくは、前記温調用金属管は、前記成形面が形成された壁部の内面に沿って配置された温調管部を備えており、前記温調管部に接する金属層は、前記複数の金属層のうち、熱伝導率が最も高い金属からなる層である。
この態様によれば、熱伝導率の異なる金属からなる複数の金属層を形成することにより、より高い熱伝導性を要求される箇所に、これらのうち熱伝導率の高い金属層を配置することができる。特に、前記複数の金属層のうち、前記温調管部に接する金属層を、熱伝導率が最も大きい金属層とすることにより、前記温調管部から成形面が形成された壁部への熱伝導性をより一層高めることができる。
ここで、成形体の金属と、温調用金属管の金属は、温調用金属管の温調機能を阻害しないものであり、かつ後述するような製造方法により製造することができるものであれば、特に限定されるものではない。しかしながら、より好ましい態様としては、前記金属粉末または前記金属層の融点は、前記温調用金属管の融点以上である。
この態様によれば、前記金属粉末または前記金属層の融点を、前記温調用金属管の融点以上にしても、温調用金属管を溶損させずに温調用金属管とともに金属粉末を一体成形することができばかりでなく、金属粉末に高温強度が高い材料を容易に選定することができ、さらに温調用金属管に温調機能の高い金属を容易に選定することができる。
たとえば、前記金属筐体又は金属粉末には高温強度を有する鋳鉄材を用い、前記金属管には熱伝導性の高い銅を用いることができる。この場合、鋳鉄材は融点が1200℃程度であり、銅は融点が1100℃程度となる。さらに、高温強度を確保するために前記金属筐体又は金属粉末に鋳鋼材や、前記金属管の耐腐食性を向上させるためにステンレス材等を組み合わせることが容易となる。この場合、鋳鋼材は融点が1450℃程度、ステンレス材は融点が1400℃程度である。
たとえば、前記金属筐体又は金属粉末には高温強度を有する鋳鉄材を用い、前記金属管には熱伝導性の高い銅を用いることができる。この場合、鋳鉄材は融点が1200℃程度であり、銅は融点が1100℃程度となる。さらに、高温強度を確保するために前記金属筐体又は金属粉末に鋳鋼材や、前記金属管の耐腐食性を向上させるためにステンレス材等を組み合わせることが容易となる。この場合、鋳鋼材は融点が1450℃程度、ステンレス材は融点が1400℃程度である。
本発明によれば、成形型内に温調用金属管を配置した場合であっても、温調用金属管の溶損および変形を抑えるとともに、温調用金属管による温調機能を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る成形型の模式的断面図である。
本実施形態に係る成形型1Aは、樹脂または金属を成形するために用いられる成形型である。成形型1Aは、樹脂または金属を成形する際の成形型そのものであってもよく、その一部を構成していてもよい。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る成形型の模式的断面図である。
本実施形態に係る成形型1Aは、樹脂または金属を成形するために用いられる成形型である。成形型1Aは、樹脂または金属を成形する際の成形型そのものであってもよく、その一部を構成していてもよい。
図1に示すように、成形型1Aは、その外面に成形面11Aが形成された金属筐体10Aと、金属筐体10A内において成形面11Aの温度を調整するための温調用媒体Fが通過する温調用金属管20Aと、を少なくとも備えている。
金属筐体10A内には、温調用金属管20Aを収容する収容凹部12Aが形成されており、収容凹部12Aの開口12aを覆うように、金属蓋体13Aが配置されている。成形面11Aは、成形される樹脂品または鋳造品などの成形品に対応した形状(ニアネット・シェイプ)となっている。金属筐体10Aを構成する壁部のうち、成形面11Aが形成された壁部15Aの内面15aは、温度変化をより与えたい箇所ほど壁部15Aの肉厚を薄くし、成形面11Aを均一に温度調整する場合には、壁部15Aの肉厚が均一となるように、成形面11Aの形状に応じた表面形状とすることが好ましい。これにより、温調用金属管20Aにより成形面11Aの温度調整をより正確に行うことができる。
温調用金属管20Aは、温調用媒体Fを金属筐体10Aに導入する導入管部21Aと、導入管部21Aに連通し、直接的に成形面11Aの温度調整を行う温調管部22Aと、温調管部22Aに連通し、温調管部22Aを通過した温調用媒体Fを排出する排出管部23Aとを有する。
温調用金属管20Aは、金属筐体10Aの内面10aに対して、一定の間隔を空けて配置されている。温調管部22Aは、成形面11Aが形成された壁部15Aの内面15aと対向する位置において、内面15aに沿って配置されている。温調管部22Aは、直接的に成形面11Aの温度調整を行うための金属管であり、成形面11Aが形成された壁部15Aの内面15aの形状に応じて湾曲または屈曲している。
さらに、金属筐体10A内に温調用金属管20Aとともに金属粉末30P(後述する図4(a)参照)を封入して、熱間等方圧加圧処理によりこれらが一体成形されており、金属粉末30Pは成形体30Aとして金属筐体10A内に配置される。より具体的には、成形体30Aは、金属筐体10Aの収容凹部12A内において、金属粉末で熱間等方圧加圧処理により温調用金属管20Aを覆うように、温調用金属管20Aと共に一体成形されている。温調用金属管20Aは、金属筐体10Aの内面10aに対して、間隔を空けて配置されていることから、温調用金属管20Aは、内面10aと直接的には非接触の状態となる。
ここで、金属筐体10A、温調用金属管20A、および成形体30Aの金属は、温調用金属管の温調機能を阻害しないものであり、かつ、後述するような製造方法により製造することができるものあれば、特に限定されるものではない。
たとえば、本実施形態では、成形体30A(金属粉末30P)の金属の融点は、温調用金属管20Aの金属の融点以上の金属を用いている。具体的には、成形体30A(金属粉末30P)の金属が、鋳鋼(融点:たとえば1450℃)の場合、温調用金属管20Aの金属にステンレス鋼(融点たとえば1400℃)、アルミニウム(融点たとえば660℃)、銅(融点たとえば1100℃)、または黄銅(融点たとえば1050℃)などの材料を挙げることができる。また、成形体30Aと温調用金属管20Aの金属材料が同じであってもよい。具体的にはステンレス鋼、銅、黄銅、アルミニウム等があげられる。
なお、金属筐体10Aの金属は、後述する製造方法により変形が無く、熱伝導性、熱衝撃性および耐摩耗性に優れた材料が好ましく、たとえば、金属筐体10Aの金属として、鋳鉄、鋳鋼などを挙げることができ、成形体30Aの金属と同じ金属であってもよい。また、金属蓋体13Aも、金属筐体10Aを同じ金属からなってもよい。
以下に、上述した成形型1Aの製造方法を説明する。図2は、図1に示す成形型を構成する金属筐体の製造方法を説明するための模式的断面図であり、(a)は、金属筐体を鋳造する鋳造装置を説明するための断面図であり、(b)は、(a)の鋳造装置により鋳造された金属筐体の断面図である。
まず、図2(a)に示すように、成形型1Aを構成する金属筐体10Aを、鋳造装置40により製造する。具体的には、鋳造装置40には、上述した金属筐体10Aの形状に応じた鋳型(たとえば砂型)内のキャビティ41が形成されている。キャビティ41よりも上方には、溶湯Mをキャビティ41に供給する供給部43が湯道44を介して形成されている。
このような鋳造装置40を用いて、金属筐体10Aをニアネット鋳造する。具体的には、金属筐体10Aとなる金属の溶湯Mを供給部43から注湯し、キャビティ41内に溶湯Mを充填する。溶湯Mを充填後、キャビティ41内の溶湯Mを凝固させて、これを取り出し、図2(b)に示すような金属筐体10Aを得ることができる。このようにして、溶湯Mを用いて、ニアネット鋳造を行うことにより、成形品の表面に対応した精度の高い成形面11Aを金属筐体10Aに形成することができる。
本実施形態では、金属筐体10Aを鋳造法により製造したが、図2(b)に示す金属筐体10Aを製造することができるのであれば、その方法は特に限定されるものではなく、たとえば金属ブロックを機械加工することにより金属筐体10Aを製造してもよい。
また、図3(a),(b)に示すように、金属筐体10Aを製造してもよい。図3(a)は、図1に示す成形型を構成する金属筐体の変形例を示した断面図であり、(b)は、図1に示す成形型を構成する金属筐体の別の変形例を示した断面図である。
図3(a)に示すように、金属筐体10Aの壁部15Aに相当する底壁部材15A’と、金属筐体10Aの側壁部となる側壁部材10A’は、個別に鋳造した鋳造材を用いたり、個別に鍛造した鍛造材を用いたりすることもできる。これらを溶接により接合し、金属筐体10Aを製造してもよい。
また、図3(b)に示すように、金属筐体10Aの壁部15Aに相当する底壁部材15A’’を、鍛造材とし、金属筐体10Aの側壁部となる側壁部材10A’’を金属板もしくは鋳造材とし、これらを溶接により接合することで、金属筐体10Aを製造してもよい。金属筐体10Aの壁部15Aに相当する底壁部材15A’’を鍛造材とすることにより、成形面11Aの耐摩耗性を向上させることができる。
図4は、本発明に係る成形型の製造方法を説明するための図であり、(a)は金属筐体内に金属粉末を封入する工程を説明するための図であり、(b)は、熱間等方圧加圧処理により前記金属粉末を成形する工程を説明するための断面図である。
図4(a)に示すように、得られた金属筐体10Aに温調用金属管20Aと共に金属粉末30Pを封入する。具体的には、金属筐体10A内に温調用金属管20Aを配置するとともに、温調用金属管20Aを覆うように金属筐体10A内に金属粉末30Pを隙間無く充填する。金属粉末30Pは、上述した成形体30Aの金属からなる粉末を用いる。ここで、金属粉末30Pを充填する際には、後述する成形体30Aへの成形時に、金属粉末30Pが収縮するのに伴い金属筐体10Aが収縮するので、この収縮量を見越して、金属筐体10Aのサイズを設計する必要がある。
また、温調用金属管20Aが金属筐体10Aの内面10aに直接的に接触しない配置ができ、金属筐体10Aの収容凹部12Aに隙間なく金属粉末30Pを封入(充填)することができるのであれば、温調用金属管20Aの配置と、金属粉末30Pの充填の順序は特に限定されるものではない。例えば、収容凹部12A内へ所定量の金属粉末を供給後、温調用金属管20Aを配置し、その後残りの空間にさらに金属粉末を供給することで、温調用金属管20Aと共に金属粉末30Pを封入してもよい。
次に、図4(b)に示すように、金属筐体10A内において、温調用金属管20Aと共に封入された金属粉末30Pを、金属蓋体13Aで密閉し、熱間等方圧加圧処理(HIP)により成形体30Aに成形する。これにより、金属粉末30Pから成形された成形体30Aは、温調用金属管20Aおよび金属筐体10Aと一体的に成形される。
このようにして、金属粉末30Pの金属(成形型1Aの母材となる金属)と、温調用金属管20Aの金属と、金属筐体10Aの金属とが、熱間等方圧加圧処理により固相拡散反応により接合されるので、成形型1Aの熱伝導効率が向上し、温調用金属管20Aによる温調機能を向上させることができる。
金属粉末30Pの金属と温調用金属管20Aの金属と金属筐体10Aの金属の固相拡散接合により、たとえこれらの金属同士が熱膨張係数の異なる金属材料であっても、成形体30Aの母材と温調用金属管20Aと金属筐体10Aの間において剥離が生じ難く、これらの界面において隙間が形成され難い。さらに、金属筐体10Aの鋳造時に生じる内部のピンホール(巣)は熱間等方圧加圧により消滅するため、成形型1Aの強度のバラツキのない、熱伝導性に優れた成形型を得ることができる。
さらに、熱間等方圧加圧処理(HIP)により成形体30Aするため、金属粉末30Pの金属の融点を温調用金属管20Aの金属の融点以上としたので、金属粉末に高温強度が高い材料を容易に選定することができ、さらに温調用金属管に温調機能の高い金属を容易に選定することができる。
〔第2実施形態〕
図5は、本発明の第2実施形態に係る成形型説明するための模式的断面図であり、(a)は成形型の断面図であり、(b)は、金属筐体内に金属粉末を封入する工程を説明するための断面図である。
図5は、本発明の第2実施形態に係る成形型説明するための模式的断面図であり、(a)は成形型の断面図であり、(b)は、金属筐体内に金属粉末を封入する工程を説明するための断面図である。
図5(a),(b)に示す成形型が、第1実施形態の成形型と相違する点は、成形体の金属(用いた金属粉末)である。従って、第1実施形態の成形型に係る部材および部位と同じ構成の部材および部位は、末尾のアルファベットAをBに変更してその詳細な説明を省略する。
図5(a),(b)に示すように、本実施形態では、金属粉末を成形した金属は、熱伝導率の異なる複数の金属層31,32(具体的には本図では二層としているが、三層以上としてもよい)となっている。複数の金属層において、どの層に熱伝導率の高いものを用いて成形してもよいが、好ましい形態としては、温調管部22Bに接する金属層31が、熱伝導率が最も高い層となることである。すなわち、金属層31の金属は、金属層32の金属よりも、熱伝導率が高い。
このような金属層31,32を設けるには、まず、図5(b)に示すように、金属粉末を封入する工程において、熱伝導率の異なる金属粉末からなる複数の金属粉末層(具体的には二層)31P,32Pが形成されるように、金属粉末を封入する。具体的には、複数の金属粉末層31P,32Pのうち、温調管部22Bに接する(具体的には覆う)金属粉末層31Pに、熱伝導率が最も大きい金属粉末(金属粉末層32Pよりも熱伝導率が大きい)を用いる。金属粉末層31Pは、温調管部22Bの表面と成形面11Bが形成された壁部15Bの内面15aと間に形成される空間を埋めるように形成されており、これらの表面に対して拡散接合されている。
ここで、たとえば金属粉末層32P(金属層32)の金属が、鉄またはステンレス鋼などの金属からなる場合には、金属粉末層31P(金属層31)の金属は、銅、黄銅、またはアルミニウムなどの金属を挙げることができる。
このようにして、熱伝導率の異なる金属粉末からなる複数の金属粉末層31P,32Pを形成することにより、より高い熱伝導性を要求される箇所に、これらのうち熱伝導率の高い金属粉末層31Pを配置することができる。金属粉末層32Pよりも熱伝導率が大きい金属粉末層31Pを設けたことにより、温調管部22Bから成形面11Bが形成された壁部15Bへの熱伝導性をより一層高めることができる。
図6(a)は、図5(a)に示す成形型の変形例を示した断面図であり、図6(b)は、図5(a)に示す成形型の別の変形例を示した断面図である。なお、これらの変形例において、図5(a)に示す成形型と同じ機能を有するものは、同一の形状を付してその詳細な説明を省略する。
図5(a)に示す成形型1Aでは、成形面11Aが形成された壁部15Aの内面15aは、壁部15Aの肉厚が均一となるように、成形面11Aの形状に応じた表面形状となっていた。しかながら、第2の実施形態では、金属層31の金属は、金属層32の金属よりも、熱伝導率を高くしたので、図6(a)に示す如く、成形型1Bの成形面11Bが形成された壁部15Bの内面15a’をフラット面としても、温度調節機能を発揮できる例である。
さらに、図1に示す成形型1Aでは、温調用金属管20Aは、成形面11Aが形成された壁部15Aの内面15aの断面形状に応じて湾曲または屈曲していた。しかしながら、第2の実施形態では、金属層31の金属は、金属層32の金属よりも、熱伝導率を高くしたので、図6(b)に示す如く、温調管部22B’がストレート形状の金属管としても、温度調節機能を発揮できる例である。
また、図示していないが、成形型1Bの成形面11Bが形成された壁部15Bの内面15a’がフラット面となり、かつ、温調管部22B’がストレート形状の金属管となっていてもよい。
〔第3実施形態〕
図7は、本発明の第3実施形態に係る成形型説明するための模式的断面図であり、図7(a)は成形型の断面図であり、図7(b)は、金属筐体内に金属粉末を封入する工程を説明するための断面図であり、図8は、図7(a)に示す成形型の変形例を示した断面図である。
図7は、本発明の第3実施形態に係る成形型説明するための模式的断面図であり、図7(a)は成形型の断面図であり、図7(b)は、金属筐体内に金属粉末を封入する工程を説明するための断面図であり、図8は、図7(a)に示す成形型の変形例を示した断面図である。
図7(a)に示す成形型が、第1実施形態の成形型と相違する点は、金属筐体内に金属塊をさらに備えた点であり、図8に示す成形型は、これに加えて第2実施形態と同じ金属粉末層を設けた点である。従って、第1実施形態の成形型に係る部材および部位と同じ構成の部材および部位は、末尾のアルファベットAをCに変更してその詳細な説明を省略する。
図7(a)に示す成形型1Cに示すように、本実施形態では、金属筐体10C内において、温調用金属管20Cの導入管部21Cと排出管部23Cとの間に金属塊50が配置され、金属塊50は成形体30Cと一体成形されている。成形型1Cを製造するにあたっては、金属粉末30Cを封入する工程において、金属筐体10C内の金属塊50をさらに配置する。ここで金属塊50は、金属粉末30Cと同じ金属からなってもよい。また、金属筐体10Cと同じ金属となってもよい。
ここで、金属筐体10C内に温調用金属管20Cと共に金属粉末30Pを封入する際に、導入管部21Cと排出管部23Cとの間に形成された空間に金属塊50を配置する。これにより、熱間等方圧加圧処理により金属粉末30Pを成形する際には、金属粉末の封入量を減らすことができる。さらに、熱間等方圧加圧処理により金属粉末30Pを成形する際には、金属塊50を配置することで金属粉末の圧縮量を減少させることができる。また、金属筐体10Cの一部の空間に金属粉末の代わりに金属塊50を配置することにより、安価に成形型を製造することができる。また、図8に示す如く、第2実施形態に係る図5(b)に示す製造工程において、金属塊50を配置し、金属筐体10C内に金属塊50を成形体30C’と一体成形してもよい。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
第2実施形態では、複数の金属粉末層として二層の金属粉末層を設けたが、層数はこれに限定さえるものではなく、例えば、図5(b)に示す金属粉末層31Pのうち成形面側の金属粉末層にさらに熱伝導率の高い金属粉末を用いてもよい。
また、第2および第3実施形態では、図2(b)に示す金属筐体を用いたが、たとえば、図3(a),(b)等に示す金属筐体を用いてもよい。
また、第2実施形態の変形例で、成形型の成形面が形成された壁部の内面をフラット面とし、または、温調用金属管がストレート形状の金属管となっていたが、このような構造を第1および第2に係る成形型に適用してもよい。
1A,1B,1C:成形型
10A,10B,10C:金属筐体
10A’,10A’’:側壁部材
11A,11B,11C:成形面
12A,12B,12C:収容凹部
13A,13B,13C:金属蓋体
15A,15B,15C:壁部
15a:内面
15A’、15A’’:底壁部材
20A,20B,20C:温調用金属管
21A,21B,21C:導入管部
22A,22B,22C:温調管部
23A,23B,23C:排出管部
30A,30B,30C:成形体
30P:金属粉末
31,32:金属層
31P,32P:金属粉末層
40:鋳造装置
41:キャビティ
43:供給部
44:湯道
50:金属塊
M:溶湯
F:温調用媒体
10A,10B,10C:金属筐体
10A’,10A’’:側壁部材
11A,11B,11C:成形面
12A,12B,12C:収容凹部
13A,13B,13C:金属蓋体
15A,15B,15C:壁部
15a:内面
15A’、15A’’:底壁部材
20A,20B,20C:温調用金属管
21A,21B,21C:導入管部
22A,22B,22C:温調管部
23A,23B,23C:排出管部
30A,30B,30C:成形体
30P:金属粉末
31,32:金属層
31P,32P:金属粉末層
40:鋳造装置
41:キャビティ
43:供給部
44:湯道
50:金属塊
M:溶湯
F:温調用媒体
Claims (8)
- 成形面が外面に形成された金属筐体と、該金属筐体内に配置され、前記成形面の温度を調整するための温調用媒体が通過する温調用金属管と、を備えた成形型の製造方法であって、
前記金属筐体内に前記温調用金属管と共に金属粉末を封入する工程と、
前記温調用金属管と共に封入された該金属粉末を、熱間等方圧加圧処理により成形する工程と、を含むことを特徴とする成形型の製造方法。 - 前記金属粉末を封入する工程において、熱伝導率の異なる金属粉末からなる複数の金属粉末層が形成されるように、前記金属粉末を封入することを特徴とする請求項1に記載の成形型の製造方法。
- 前記温調用金属管は、前記成形面の温度を調整する温調管部を有しており、
前記金属粉末を封入する工程において、前記温調管部を、前記成形面が形成された壁部の内面に沿って配置し、
前記複数の金属粉末層のうち、前記温調管部に接する金属粉末層に、熱伝導率が最も高い金属粉末を用いることを特徴とする請求項2に記載の成形型の製造方法。 - 前記金属粉末を封入する工程において、前記金属筐体内に、金属塊をさらに配置することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の成形型の製造方法。
- 成形面が外面に形成された金属筐体と、該金属筐体内に配置され、前記成形面の温度を調整するための温調用媒体が通過する温調用金属管と、を備えた成形型であって、
前記金属筐体と前記金属筐体内に封入した金属粉末と前記温調用金属管とを、熱間等方圧加圧処理により、一体成形させたことを特徴とする成形型。 - 前記金属粉末を成形した金属は、熱伝導率の異なる複数の金属層となっていることを特徴とする請求項5に記載の成形型。
- 前記温調用金属管は、前記成形面が形成された壁部の内面に沿って配置された温調管部を備えており、
前記温調管部に接する金属層は、前記複数の金属層のうち、熱伝導率が最も高い金属からなる層であることを特徴とする請求項6に記載の成形型。 - 前記金属粉末または前記金属層の融点は、前記温調用金属管の融点以上であることを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載の成形型。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013062905A JP2014184697A (ja) | 2013-03-25 | 2013-03-25 | 成形型およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2013062905A JP2014184697A (ja) | 2013-03-25 | 2013-03-25 | 成形型およびその製造方法 |
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ID=51832714
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-
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- 2013-03-25 JP JP2013062905A patent/JP2014184697A/ja active Pending
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