JP2014183726A - モータ取付構造 - Google Patents

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Daisuke Toyama
大輔 外山
Nobuhiko Takeda
伸彦 武田
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Abstract

【課題】複数の駆動対象物に対しモータを効率的に配設可能なモータの取付構造を提供する。
【解決手段】車両本体に設置された複数の駆動対象物に各別に設けられ、夫々の駆動対象物に駆動力を伝達する一方、駆動対象物からの外力によっては動作しないように構成された駆動力伝達部10と、駆動力伝達部10の夫々に対応して車両本体に設けられた給電端子18と、車両本体に設けた被嵌合部17に対して車両本体と相対回転しない状態に取付けられる着脱自在な嵌合部32を備えると共に、駆動力伝達部10と係脱する入力軸31および給電端子18に接続される受電端子33を有するモータ30と、を備えた。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両本体に設置された駆動対象物の駆動源となるモータの取付構造に関する。
車両には、モータによって駆動可能な駆動対象物(例えばパワーシート装置のスライド機構,リクライニング機構等)が多数存在する。これら複数の駆動対象物の夫々にはモータが設けられ、各駆動対象物が独立的に駆動される。
一方、複数の駆動対象物は、必ずしも同時には駆動されない。例えば前述のパワーシート装置では、シートの前後方向のスライド移動と、背凭れ部の角度変更とは通常同時に行われない。このため、単一のモータを用いてパワーシート装置のスライド機構やリクライニング機構等を選択的に駆動する構成も存在する。ただし、この場合には、モータによって駆動する駆動対象物と同数の電磁クラッチと従動回転体とを設ける必要がある(例えば特許文献1)。
特開平8−188073号公報
車両に設置される複数の駆動対象物にモータを備えた場合、モータの稼働率が低く、コスト高となって効率的とはいえない。一方、単一のモータで複数の駆動対象物を選択的に駆動させる場合には、電磁クラッチが駆動対象物の数だけ必要になるため、やはり装置全体としてコスト高になる。
そこで、本発明の目的は、複数の駆動対象物に対しモータを効率的に配設可能なモータの取付構造を提供することにある。
本発明に係るモータ取付構造の第1特徴構成は、車両本体に設置された複数の駆動対象物に各別に設けられ、夫々の前記駆動対象物に駆動力を伝達する一方、前記駆動対象物からの外力によっては動作しないように構成された駆動力伝達部と、
前記駆動力伝達部の夫々に対応して前記車両本体に設けられた給電端子と、
前記車両本体に設けた被嵌合部に対して前記車両本体と相対回転しない状態に取付けられる着脱自在な嵌合部を備えると共に、前記駆動力伝達部と係脱する入力軸および前記給電端子に接続される受電端子を有するモータと、を備えた点にある。
本構成によれば、車両本体に設けた被嵌合部に対してモータの嵌合部が着脱自在であり、車両本体側の給電端子にモータ側の受電端子が接続されるので、車両本体に設けられた複数の駆動対象物のうち、任意の駆動対象物にモータを容易に取り付けることができる。車両において全ての駆動対象物が同時に操作されることはなく、頻繁に作動される駆動対象物は限られる場合が多い。そこで、本構成のように、複数の駆動力伝達部に対して一つモータを兼用して着脱することで駆動力伝達部の構成を簡略化することができる。その結果、車両の総重量を軽量化しつつ、コストの低減を図ることができる。
本発明に係るモータ取付構造の第2特徴構成は、前記モータの前記嵌合部が前記被嵌合部に対して前記入力軸の延出方向に沿って押し込み可能であり、前記給電端子および前記受電端子が当該押し込みによって接続するように構成した点にある。
本構成にように、被嵌合部に対してモータの嵌合部を押し込むことで、車両本体に対するモータの取付けと、給電端子に対する受電端子の接続が同時に行うことがきる。これにより、モータを取付ける際の操作性が向上する。
本発明に係るモータ取付構造の第3特徴構成は、前記嵌合部および前記被嵌合部が、相対回転不能となるよう非円形の断面形状を有する凸部および凹部に形成した点にある。
駆動対象物に取付けられたモータは、駆動時に車両本体によって駆動反力を確保する必要ある。
本構成であれば、非円形の断面形状を有する凸部および凹部により、車両本体に対するモータの回転移動は阻止される。また、非円形の断面形状によってモータの給電端子と受電端子との位置も決定するため、車両本体に対するモータの装着が容易になる。
本発明に係るモータ取付構造の第4特徴構成は、前記被嵌合部に対して前記嵌合部を押し込み、その状態で前記嵌合部を前記入力軸の周りに回転させることで互いに係合する係合部と被係合部とを前記嵌合部と前記被嵌合部とに各別に設けた点にある。
本構成のように、被嵌合部に対して嵌合部を押し込み、その状態で嵌合部を入力軸の周りに回転させることにより、車両本体に対するモータの固定はさらに強固なものとなり、モータの抜け止め効果が確実に向上する。
本発明に係るモータ取付構造の第5特徴構成は、前記駆動力伝達部が、前記駆動対象物の側に設けられたウォームホイールと、前記入力軸と連結されるよう設けられたウォームギアとで構成した点にある。
本構成のように、ウォームギアを入力軸側にしてウォームホイールを駆動対象物の側に設ける構成にすると、駆動対象物に外力が作用しウォームホイールが回転しようとしても、ウォームホイールとウォームギアとのギア比によってウォームギアが回転することはない。また、駆動対象物は小さい入力負荷によって動作させることができる。その結果、駆動対象物を駆動させるために必要なモータを小型化することができる。
パワーシートの全体を示す斜視図である。 モータを車両本体に取付けた状態を示す要部断面図である。 図2のIII−III矢視断面図である。 モータを車両本体に取付ける際の状態を示す要部断面図である。 別形態のモータの取付構造を示す斜視図である。
本発明に係るモータの取付構造を図面に基づいて説明する。
車両本体に設置された駆動対象物には、モータによって駆動されるものが多数存在する。例えば、図1に示すパワーシート装置においては、シート1を動作させるための複数の駆動対象物が存在する。シート1を前後方向にスライドさせるスライド機構A、シート1の前側の高さを調整する前側上下調整機構B,シート1の後側の高さを調整する後側上下調整機構C、背凭れ部2の角度を調整するリクライニング機構Dは、それぞれモータ30によって駆動可能な駆動対象物である。
これら駆動対象物A〜Dの夫々には、外部の駆動源から駆動力が伝達される駆動力伝達部が設けられ、各駆動力伝達部に対しモータ30が着脱自在に構成されている。
以下、複数の駆動対象物A〜Dに各別に設けられた駆動力伝達部に対するモータ30の取付構造を説明する。
図2に示すように、駆動力伝達部10は、駆動対象物(例えばシート1のスライド機構A)の側に設けられたウォームホイール11と、モータ30の入力軸31に連結されるよう設けられたウォームギア12と、を備える。ウォームギア12は、モータ30の側の端部13が駆動力伝達部10の内面に設けられた第1軸受部15に軸受されており、モータ30とは反対の側の端部14が駆動力伝達部10の内面に設けられた第2軸受部16に軸受されている。ウォームギア12の端部13には軸係合部19が備えられており、軸係合部19にモータ30の入力軸31が係合する。これにより、モータ30の駆動力はウォームギア12に入力され、ウォームホイール11を介して駆動対象物に伝達される。
このように、駆動力伝達部10がウォームホイール11とウォームギア12とを備えることで、駆動力伝達部10は夫々の駆動対象物に駆動力を伝達する一方、駆動対象物からの外力によっては動作しないよう構成されている。すなわち、駆動対象物に外力が作用しウォームホイール11が回転しようとした場合でも、ウォームホイール11とウォームギア12とのギア比によって、ウォームギア12が回転することはない。また、ウォームギア12を入力軸31側に設け、ウォームホイール11を駆動対象物の側に設けてあるので、駆動対象物は小さい入力負荷によって動作させることができる。
駆動力伝達部10には凹状の被嵌合部17が設けられている。被嵌合部17には駆動力伝達部10の夫々に対応した給電端子18が設けられている。モータ30は、被嵌合部17に対して駆動力伝達部10と相対回転しない状態に取付けられる着脱自在な嵌合部32を備える。この嵌合部32には、駆動力伝達部10の軸係合部19と係脱する入力軸31と給電端子18に接続される受電端子33とを有する。軸係合部19及び入力軸31には夫々例えばスプライン加工が施され、入力軸31の先端部は錐形状に形成されている。これにより、入力軸31と軸係合部19との係合を容易にしている。
駆動力伝達部10にモータ30を取付けるには、図3に示す状態から、モータ30の嵌合部32を駆動力伝達部10の被嵌合部17に対してモータ30の入力軸31の延出方向(図3の矢印方向)に沿って押し込む。この押し込みによって、給電端子18および受電端子33も同時に接続される。嵌合部32の外周面には抜け止め用突起34が形成されており、被嵌合部17の内周面には抜け止め用突起34に当接する当接用突起20がモータ30の径方向に形成されている。被嵌合部17からモータ30を脱着する場合には、入力軸31の延出方向(図3の矢印方向)に沿ってモータ30を引き抜くことで、駆動力伝達部10からモータ30を簡単に取り外すことができる。
このように、駆動力伝達部10に設けた被嵌合部17に対してモータ30の嵌合部32が着脱自在であり、車両本体側の給電端子18にモータ30側の受電端子33が接続される。よって、車両本体に設けられた複数の駆動対象物(例えばA〜D)のうち、任意の駆動対象物(例えばシート1のスライド機構A)にモータを容易に取り付けることができる。車両において全ての駆動対象物が同時に操作されることはほとんどなく、頻繁に作動される駆動対象物は限られる場合が多い。よって、複数の駆動力伝達部10に対してそれよりも数の少ないモータ30を兼用して着脱することで駆動力伝達部10の構成を簡略化することができる。その結果、車両の総重量を軽量化しつつ、コストの低減を図ることができる。
図4に示すように、モータ30の嵌合部32が非円形の断面形状を有する凸部35に形成されおり、駆動力伝達部10の被嵌合部17も嵌合部32に対応する非円形状の凹部21に形成されている。ここで、例えば断面形状が円形の嵌合部32の外周面の一部に外方に向けて盛り上がる隆起部36が形成され、被嵌合部17には隆起部36に対応する受部22が形成されている。
これにより、モータ30が、駆動時に車両本体に対して回転移動するのが阻止される。また、非円形の断面形状によって車両本体に対するモータ30の挿入方向も決定するため、駆動力伝達部10に対するモータ30の装着が容易になる。
〔別実施形態〕
図5に示す例では、モータ30の嵌合部32の外縁部には、係合部として180度変位する位置に矩形状の第1鍔部37及び第2鍔部38が嵌合部32の径方向外方に向けて延設されている。第1鍔部37の長さL1は第2鍔部38の長さL2よりも短くなるよう設定されている。これにより、車両本体側の給電端子とモータ側の受電端子の接続位置が適切に決定される。駆動力伝達部10側には、被嵌合部17の奥側にモータ30を挿入する側からみて第1鍔部37及び第2鍔部38が時計周りに移動可能な第1溝部23及び第2溝部24が形成されている。なお、駆動力伝達部10側の給電端子(図示しない)は被嵌合部17の底面または側面に設けられている。また、モータ30側の受電端子(図示しない)は、給電端子に対向する位置に設けられ、給電端子に接続された状態でモータ30の回転(入力軸31周り)を許容する溝部によって構成されている。
嵌合部32が被嵌合部17に押し込まれた後、その状態で嵌合部32がモータ30の入力軸31周りに回転(時計周り)されることで、第1鍔部37及び第2鍔部38(係合部)は、第1溝部23及び第2溝部24(被係合部)に係合する。
この構成であれば、被嵌合部17からのモータ30の抜け出しがより確実に阻止できる。なお、モータ30を駆動するときにモータ30に作用する反トルクによって係合部(第1鍔部37及び第2鍔部38)が緩まないように、嵌合部32と被嵌合部17との間にロック機構を設けるとよい。
また、嵌合部32及び被嵌合部17に別途位置合わせ用の目印等が存在する場合には、第1鍔部37の長さL1と第2鍔部38の長さL2は同じにしてもよい。鍔部(係合部)の数は2つに限定されることはなく、3つ以上であってもよい。
〔その他の実施形態〕
(1)上記の実施形態では、駆動力伝達部10において駆動対象物からの外力によっては動作しない構成の例として、ウォームホイール11とウォームギア12とを備える構成を示したが、モータ30が取り外された時に回転ギアをロックし、モータ30が取付けられると回転ギアのロックが解除されるギアロック機構を備える構成であってもよい。
(2)上記の実施形態では、駆動力伝達部10に被嵌合部17を設ける例を示したが、被嵌合部17は駆動力伝達部10ではなく車両本体に設けてもよい。
(3)上記の実施形態では嵌合部32及び被嵌合部17が形成される凸部35及び凹部21の断面を非円形にする例として、嵌合部32の外周面に隆起部36を設けたが、別形態として、円形の外周部の一部を切断して全体として非円形にしてもよいし、楕円状や角形等にしてもよい。
(4)車両において駆動対象物が多くなると、どの駆動対象物にモータ30が取付けられているかの確認が困難になる。そこで、駆動対象物に取付けられたモータ30を簡易に確認するために、モータ30に車両本体と識別可能な赤、黄、青等の色付けを行っても良い。また、モータ30が駆動力伝達部10に取付けられたか否かを電気的接続状態や機械的接続状態等によって検知し、各駆動対象物に対するモータの取付状況を操作パネル等に表示するよう構成してもよい。
(5)上記の実施形態では、嵌合部32及び被嵌合部17が形成される凸部35及び凹部21の断面を非円形にし、車両本体に対するモータ30の回転移動を阻止する例を示ししたが、給電端子18と受電端子33との接続部分を車両本体に対するモータ30の回転移動に対し所定の抵抗力になるよう構成してもよい。この場合には、凸部35及び凹部21の断面は円形であってもよい。
(6)車両本体における駆動力伝達部10の向きは、モータ30の取付け易さやモータ30に代えて手動によって駆動対象物を駆動する場合(別途手動操作体を取付ける場合)等を考慮した上で、適宜変更される。
(7)上記の実施形態では、駆動対象物としてパワーシート装置の駆動部を例に説明したが、駆動対象物はパワーシート装置に限定されず、例えば、ステアリングコラムにおける前後左右の位置調整、パワーウィンドウ、サンルーフの開閉等であってもよい。
本発明は、各種車両に設けられた駆動対象物へのモータの取付けに広く利用可能である。
10 駆動力伝達部
11 ウォームホイール
12 ウォームギア
17 被嵌合部
18 給電端子
19 軸係合部
20 当接用突起
21 凹部
22 受部
23 第1溝部
24 第2溝部
30 モータ
31 入力軸
32 嵌合部
33 受電端子
34 抜け止め用突起
35 凸部
36 隆起部
37 第1鍔部
38 第2鍔部
A,B,C,D 駆動対象物

Claims (5)

  1. 車両本体に設置された複数の駆動対象物に各別に設けられ、夫々の前記駆動対象物に駆動力を伝達する一方、前記駆動対象物からの外力によっては動作しないよう構成された駆動力伝達部と、
    前記駆動力伝達部の夫々に対応して前記車両本体に設けられた給電端子と、
    前記車両本体に設けた被嵌合部に対して前記車両本体と相対回転しない状態に取付けられる着脱自在な嵌合部を備えると共に、前記駆動力伝達部と係脱する入力軸および前記給電端子に接続される受電端子を有するモータと、を備えたモータ取付構造。
  2. 前記モータの前記嵌合部が前記被嵌合部に対して前記入力軸の延出方向に沿って押し込み可能であり、前記給電端子および前記受電端子が当該押し込みによって接続するように構成してある請求項1に記載のモータ取付構造。
  3. 前記嵌合部および前記被嵌合部が、相対回転不能となるよう非円形の断面形状を有する凸部および凹部に形成してある請求項2に記載のモータ取付構造。
  4. 前記被嵌合部に対して前記嵌合部を押し込み、その状態で前記嵌合部を前記入力軸の周りに回転させることで互いに係合する係合部と被係合部とを前記嵌合部と前記被嵌合部とに各別に設けてある請求項2に記載のモータ取付構造。
  5. 前記駆動力伝達部が、前記駆動対象物の側に設けられたウォームホイールと、前記入力軸と連結されるよう設けられたウォームギアとで構成してある請求項1から4の何れか一項に記載のモータ取付構造。
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