JP2014183021A - 金属―空気電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】陰イオン交換膜への電解液の浸透性を抑制した金属‐空気電池を提供すること。
【解決手段】アルカリ電解液3がゲル化されている。
【選択図】図4
【解決手段】アルカリ電解液3がゲル化されている。
【選択図】図4
Description
本発明は、リチウム―空気電池、亜鉛―空気電池、アルミニウム―空気電池等の金属―空気電池に関する。
電池の正極活物質として空気中の酸素を利用する空気電池は、電池の高エネルギー密度化に有利である。その空気電池の種類として負極活物質に亜鉛やアルミニウムやリチウム等を用いる金属―空気電池(一次電池及び二次電池)や燃料電池が知られており、一部実用化されている。これらの空気電池の基本構造は正極側が大気中へ開放された構造をしている。これらの空気電池の放電時には、正極では酸素の還元反応が起こる。この場合、酸素の還元反応は、水系の電解液中で、さらには、アルカリ性の溶液中で速く起こることが知られており、アルカリ性水溶液が電池の電解液として通常用いられる。
アルカリ性の電解液中での正極の放電反応は、下記の反応式(1)に基づき、負極での放電反応は、下記の反応式(2)に基づく。
正極反応: 1/4 O2 + 1/2 H2O + e- → OH- 反応式(1)
負極反応: M → Mn++ ne- 反応式(2)
ここで、MがLiの場合n=1、Znの場合n=2、Alの場合n=3、である。
正極反応: 1/4 O2 + 1/2 H2O + e- → OH- 反応式(1)
負極反応: M → Mn++ ne- 反応式(2)
ここで、MがLiの場合n=1、Znの場合n=2、Alの場合n=3、である。
空気電池を充電可能な二次電池として用いる場合、充電時における正極及び負極の電極反応は、以下のようになる。
正極反応: OH- →1/4 O2 + 1/2 H2O + e- 反応式(3)
負極反応: Mn+ + n e- → M 反応式(4)
ここで、MがLiの場合n=1、Znの場合n=2、Alの場合n=3、である。
正極反応: OH- →1/4 O2 + 1/2 H2O + e- 反応式(3)
負極反応: Mn+ + n e- → M 反応式(4)
ここで、MがLiの場合n=1、Znの場合n=2、Alの場合n=3、である。
金属-空気電池の内、負極に例えば金属リチウムを用いるLi-空気二次電池は、非常に高い理論エネルギー密度を有する為、近年非常に注目されている。Li-空気二次電池は、電解液に非水系電解液を用いる場合と、水系電解液を用いる場合の二通りが有る。 水系電解液を用いる水系Li-空気二次電池の負極として用いられるLi金属は、水系の電解液と接すると反応する問題がある。しかしながら、図1に示した様に、リチウム金属負極を、Li1 + x(M, Al, Ga)x(Ge1 - yTiy )2 -x (PO4)3(ここで、X≦0.8と0≦Y≦1.0とを満たし、MがNd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Ybからなる群から選択される元素)および/あるいはLi1+x+y Qx Ti2 - x Siy P3 - yO12 (ここで0 < X≦0.4 と0 < Y≦ 0.6とを満たし、QがAlあるいはGaである)で表わされる水不透過性のリチウムイオン導電性ガラスセラミック(以下、LATPとして省略)を保護層として用いる事で、水系の電解液を用いる事が可能になってきている(例えば、特許文献1参照。)。
この水系Li-空気二次電池の場合、負極反応で生成するLi+の移動速度が、正極反応で生成するOH-イオンの移動速度と比較して高いので、Li+イオンがセル内で正極の方向へ移動し、正極表面で放電生成物であるLiOHを生成する。その為、電解液として、Li+イオン導電性が高い電解液が好ましい。
電解液として、これまでHCl、H2SO4、H3PO4、酢酸/酢酸Li、LiOH、海水、LiCl、LiBr、LiI、NH4Cl、NH4Br、過酸化水素の酸性〜アルカリ性の電解液が例示されている(例えば、特許文献1参照。)が、酸性〜中性の電解液を用いた場合でも、放電反応の進行と共に、LiOHが生成し、電解液は、より強いアルカリ性へと変化していく。その為、負極に金属亜鉛や金属アルミ等を用いる他の金属―空気電池と同様に電解液と大気中のCO2が反応し、水に難溶性で、且つ、電気化学的に不活性な炭酸塩が生成されると言う問題(問題P1)がある。
さらに、リチウム金属負極の保護層として用いるLATPが強アルカリ性で腐食すると言う問題がある(例えば、非特許文献1参照。)ため、LiOHより電離溶解し易いLiClを電解液中に共存させ、放電生成物であるLiOHの電離を防止し、電解液が強アルカリ性になるのを防止する技術(例えば、非特許文献2参照。)を応用することが考えられるが、空気極表面で析出する放電生成物であるLiOHによる、空気極触媒表面の被覆やガス拡散層の細孔を封止する問題(問題P2)を解決する必要がある。
電気化学的に不活性な炭酸塩の生成の問題(問題P1)を解決する方法としては、電池の外部や電池の正極内部に水酸化カルシウム等のCO2と反応する材料(CO2吸収材料)を配置し、電解液にCO2が混入する事を防止する技術(例えば、特許文献2、3参照。)が知られている。しかしながら、これらの技術の場合、CO2吸収材料が反応して消費されるので、定期的な交換や再生を行う必要あると言う問題がある。
一方、大気中のCO2と電解液との反応を防止する(問題P1を解決する)為に、図2に示した様に、空気極とアルカリ性の電解液の間に陰イオン交換膜を配置する技術(例えば、特許文献4参照。)が知られている。
Satoshi Hasegawa et al., "Study on lithium/air secondary batteries Stability of NASICON-type lithium ion conducting glass ceramics with water", Journal of Power Sources, vol. 189(1), p371-377(2009)
石原達己編、「金属・空気2次電池の開発と最新技術」、技術教育出版社、2011年4月、p.91−104
上記のように、従来の空気極と電解液の間に陰イオン交換膜を配置する技術は、大気中のCO2と電解液との反応を防止する(問題P1を解決する)が、もう一つの問題である放電生成物が空気極触媒表面の被覆やガス拡散層の細孔を閉塞する問題(問題P2)も解決することができると考えられる。
すなわち、図3に示すように、陰イオン交換膜が配置されていると、炭酸塩(LiOH)の生成を空気極表面から陰イオン交換膜表面へ移動させることができるため、炭酸塩によるガス拡散電極の細孔の閉塞が抑制される。
ところで、陰イオン交換膜は一般的に、高分子鎖中に4級アンモニウムやピリジン環等の正の電荷に帯電した官能基を有し、その静電反発により、膜内への陽イオン(Li‐空気電池の場合、Li+イオン、Zn-空気電池の場合、Zn2+イオン、Al-空気電池の場合、Al3+イオン)の侵入を防止する効果がある。 しかしながら、実際には、水溶液中で電離していないLiOH等の電解質が無電荷の状態で、陰イオン交換膜を透過したり、電離したLi+イオン、Zn2+イオン、Al3+イオンの一部が、静電反発を受けながら、陰イオン交換膜を透過する場合がある。このように実際には、正極側への電解液の浸透を完全に防止することができない。そのため、陰イオン交換膜を透過した、例えばLi+イオンは、図3中の正極表面に到達し、その表面で放電反応が起こり、LiOHを析出する。また、陰イオン交換膜に浸透した電解液は大気中のCO2と反応し、電気化学的に不活性なLi2CO3が生成される恐れがあり、金属‐空気電池を長時間使用することができなくなる。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、陰イオン交換膜への電解液の浸透性を抑制した金属‐空気電池を提供することを課題とする。
課題を解決するためになされた本発明の金属―空気電池は、負極活物質として金属を用いる負極と、正極活物質として酸素を用いる正極と、前記負極及び前記正極の間に介在するアルカリ電解液と、前記正極の前記負極に対向する面に配置された陰イオン交換膜と、を有する金属―空気電池であって、前記アルカリ電解液は、ゲル化されていることを特徴とする。
電解液がゲル化されているので、電離した金属イオンや電解液が陰イオン交換膜に浸入することを抑制することができる。
上記の金属‐空気電池において、前記電解液はゲル化剤が添加されてゲル化されたものであり、前記ゲル化剤が添加前の電解液の電気抵抗をR0、添加後の電解液の電気抵抗をRとすると、前記ゲル化剤の添加量は下記(1)式を満たすように調整されるとよい。
R<10R0 (1)
ゲル化剤が添加されてゲル化された電解液の電気抵抗がゲル化される前の電気抵抗の10倍未満であるので、電解液のイオン導電性の低下が抑制される。
R<10R0 (1)
ゲル化剤が添加されてゲル化された電解液の電気抵抗がゲル化される前の電気抵抗の10倍未満であるので、電解液のイオン導電性の低下が抑制される。
電解液がゲル化されているので、電解液が陰イオン交換膜に浸透することを抑制することができる。
以下、発明を実施する形態を図面に基づき詳細に説明する。
(実施形態1)
本実施形態の金属‐空気電池は、図4に示すように、負極活物質として金属Liを用いる負極1と、正極活物質として酸素を用いる正極2と、負極1及び正極2の間に介在するゲル化されているアルカリ電解液3と、正極2の負極1に対向する面に配置された陰イオン交換膜4と、を備えている。負極1の正極2に対向する面にはリチウム保護膜100が配置されている。リチウム保護膜100は、水不透過性リチウムイオン伝導性ガラスセラミックス(LATP)層101と、反応防止層102からなる。
本実施形態の金属‐空気電池は、図4に示すように、負極活物質として金属Liを用いる負極1と、正極活物質として酸素を用いる正極2と、負極1及び正極2の間に介在するゲル化されているアルカリ電解液3と、正極2の負極1に対向する面に配置された陰イオン交換膜4と、を備えている。負極1の正極2に対向する面にはリチウム保護膜100が配置されている。リチウム保護膜100は、水不透過性リチウムイオン伝導性ガラスセラミックス(LATP)層101と、反応防止層102からなる。
負極1は、例えば金属リチウムリボンである。正極2は、カーボン等の導電性材料と触媒と撥水性材料より形成されている。 触媒として、貴金属系触媒や酸化物系触媒を使用する事が出来、貴金属触媒の例として、白金、パラジウム、銀等を例示する事が出来る。酸化物触媒の材料として、イリジウムやルテニウム及びそれらの酸化物、La1-xStxMO3(M=Co, Fe, Mn等)等を例示することができ、それを単独又は、カーボンブラック(CB)やゼオライト等の担体上に担持して用いてもよい。撥水性材料は、放電時の酸素の供給性と放電時の酸素の排出性を向上する為に、添加され、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を例示する事が出来る。
LATP層101は、Li1 + x(M, Al, Ga)x(Ge1 - yTiy)2 -x (PO4)3(ここで、X≦0.8と0≦Y≦1.0とを満たし、MがNd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Ybからなる群から選択される元素)および/あるいはLi1+x+y Qx Ti2 - x Siy P3 - y O12 (ここで0 < X≦ 0.4 と0 < Y≦ 0.6とを満たし、QがAlあるいはGaである)で表わされる水不透過性のリチウムイオン導電性ガラスセラミックである。
反応防止層102としては、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリフッ化ビニリデン等に、例えば、Li(CF3SO2)2N (LiTFSI)のLi塩等を溶解して作製したLiイオン導電性ポリマー電解質膜であり、負極1とLATP層101のLiイオン導電性を確保しつつ、電子伝導を防止している。
陰イオン交換膜4としては、陰イオンのOH-を透過し、陽イオンのLi+などの金属イオンを遮蔽することができる、陰イオン交換基を有する高分子膜を使用する。陰イオン交換膜の種類は特に限定されないが、例えば、四級アンモニウム基、ピリジニウム基、イミダゾリウム基、ホスホニウム基、スルホニウム基などの陰イオン交換基を有する炭化水素系樹脂(例えば、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレン、ポリベンズイミダゾール、ポリイミド、ポリアリーレンエーテル等)やフッ素系樹脂などの高分子化合物からなる陰イオン交換膜を用いることができる。
ゲル化されているアルカリ性電解液3は、例えばイオン交換水にLiOHやリチウム塩(LiCl,LiNO3,Li2SO4等)が添加されたアルカリ性電解液に、ゲル化剤が所定量添加されたものである。ゲル化剤としては、ポリアクリル酸、ポリビニールアルコール、ペクチン、グアーガム、カラギーナン、カルボキシメチルセルロース(CMC)を例示することができる。
ゲル化剤の添加量は、(1)式を満たすように調整されるとよい。ゲル化剤が添加されてゲル化された電解液の電気抵抗がゲル化される前の電気抵抗の10倍未満であるので、電解液のイオン導電性の低下が抑制される。
例えば、5.3mol/L LiOH+10mol/L LiClの電解液に、ポリアクリル酸を添加する場合、(1)式を満たすためのゲル化剤の添加量は、好ましくは3〜30wt%、より好ましくは5〜20wt%である。
本実施形態のLi-空気電池は、電解液がゲル化されているので、Li+や電解液3が陰イオン交換膜4に浸入することが抑制され、電池の長寿命化が図られる。
(実施形態2)
本実施形態の金属―空気電池は亜鉛―空気電池又はアルミ-空気電池であり、図5に示すように、負極活物質として亜鉛又はアルミニウムを用いる負極1Aと、空気が供給される正極2Aと、負極1Aと正極2Aとの間に介在するゲル化されたアルカリ電解液3と、正極2Aの負極1Aに対向する面に配置された陰イオン交換膜4を有する。
本実施形態の金属―空気電池は亜鉛―空気電池又はアルミ-空気電池であり、図5に示すように、負極活物質として亜鉛又はアルミニウムを用いる負極1Aと、空気が供給される正極2Aと、負極1Aと正極2Aとの間に介在するゲル化されたアルカリ電解液3と、正極2Aの負極1Aに対向する面に配置された陰イオン交換膜4を有する。
負極1Aは、例えば亜鉛リボン又はアルミニウムリボンである。正極2Aは、微細化カーボンでできたガス拡散層21Aと空気極触媒層21Bとからなる。
空気極触媒層21Bの材料として、白金、パラジウム、銀等の貴金属やイリジウムやルテニウム及びそれらの酸化物、La1-xStxMO3(M=Co, Fe, Mn等)等を例示することができ、それを単独又は、カーボンブラック(CB)やゼオライト等の担体上に担持して用いてもよい。また、充電時に発生した酸素を排出し易くするため、PTFE等の粉末を混合することが好ましい。
電解液3と、陰イオン交換膜4は、実施形態1と同じであるので、説明を省略する。
本実施形態の金属-空気電池は、電解液がゲル化されているので、Zn2+、或いはAl3+や電解液3が陰イオン交換膜4に浸入することが抑制され、電池の長寿命化が図られる。
次に、本発明に係るゲル化された電解液(実施例の電解液)と従来の電解液(比較例の電解液)の評価試験について説明する。
(比較例)
イオン交換水中に、5.3mol/L-LiOHおよび10mol/L-LiCl(共に、和光純薬製 特級試薬)を添加、攪拌し比較例の電解液とした。
イオン交換水中に、5.3mol/L-LiOHおよび10mol/L-LiCl(共に、和光純薬製 特級試薬)を添加、攪拌し比較例の電解液とした。
(実施例1)
比較例の電解液に、ゲル化剤アロンビスAH-305X(東亜合成株式会社製)を、電解液重量に対して、5wt%添加し、室温(23±2℃)で一昼夜攪拌することによって、ゲル化し、実施例1の電解液とした。
比較例の電解液に、ゲル化剤アロンビスAH-305X(東亜合成株式会社製)を、電解液重量に対して、5wt%添加し、室温(23±2℃)で一昼夜攪拌することによって、ゲル化し、実施例1の電解液とした。
(実施例2)
比較例の電解液に、ゲル化剤アロンビスAH-305X(東亜合成株式会社製)を、電解液重量に対して、10wt%添加し、室温(23±2℃)で一昼夜攪拌することによって、ゲル化し、実施例2の電解液とした。
比較例の電解液に、ゲル化剤アロンビスAH-305X(東亜合成株式会社製)を、電解液重量に対して、10wt%添加し、室温(23±2℃)で一昼夜攪拌することによって、ゲル化し、実施例2の電解液とした。
(実施例3)
比較例の電解液に、ゲル化剤アロンビスAH-305X(東亜合成株式会社製)を、電解液重量に対して、20wt%添加し、室温(23±2℃)で一昼夜攪拌することによって、ゲル化し、実施例1の電解液とした。
比較例の電解液に、ゲル化剤アロンビスAH-305X(東亜合成株式会社製)を、電解液重量に対して、20wt%添加し、室温(23±2℃)で一昼夜攪拌することによって、ゲル化し、実施例1の電解液とした。
<電解液の陰イオン交換膜透過性評価試験>
図6に示す電解液透過性評価装置を使用して、本発明に係るゲル化された電解液(実施例の電解液)と従来の電解液(比較例の電解液)の陰イオン交換膜透過性の評価試験を行った。
図6に示す電解液透過性評価装置を使用して、本発明に係るゲル化された電解液(実施例の電解液)と従来の電解液(比較例の電解液)の陰イオン交換膜透過性の評価試験を行った。
直径60mmの陰イオン交換膜(Neosepta AHA:アストム社製)を、0.5mol/L-HClで洗浄し、1mol/L-LiOHで洗浄した後、図6に示すように、ガラス製のU字管300内にセットしてA槽300AとB槽300Bに分割した。A槽300Aに超純水:100mLを入れ、その後、B槽300Bに比較例の電解液、実施例の電解液をそれぞれ100mL注入した際のA槽300Aの経過時間に対するpH変化を、堀場社製pHメーターF52で測定した。
測定結果は図7に示す通りである。図7において、曲線aはB槽300Bに実施例1の電解液が注入された場合、曲線bは実施例2の電解液が注入された場合、曲線cは実施例3の電解液が注入された場合、曲線dは比較例の電解液が注入された場合である。
ゲル化剤が添加されてない比較例の電解液(曲線d)の場合、比較例の電解液をB槽300Bに注入すると、A槽300AのpHは、中性付近のpHから、一旦、弱酸性のpH(より、低いpH)に変化する。これは、陰イオン交換膜中のOH-イオンがB槽300Bの中のCl-イオンとイオン交換し、陰イオン交換膜内に拡散し、A層300A中のOH-イオンとイオン交換する事で、
H2O(A槽内) + Cl-(膜内) → HCl(A槽内) + OH-(膜内)
の反応が起こり、A槽の酸性化が一旦発生するためと考えられる。その後、B槽300Bの電解液中から、LiCl及びLiOHが陰イオン交換膜を透過して、A槽300Aに混入し(アルカリ性のLiOHの混入により)、A槽300Aはアルカリ性となりpHは急激に上昇する。
H2O(A槽内) + Cl-(膜内) → HCl(A槽内) + OH-(膜内)
の反応が起こり、A槽の酸性化が一旦発生するためと考えられる。その後、B槽300Bの電解液中から、LiCl及びLiOHが陰イオン交換膜を透過して、A槽300Aに混入し(アルカリ性のLiOHの混入により)、A槽300Aはアルカリ性となりpHは急激に上昇する。
一方、電解液をゲル化した、実施例の電解液(曲線a、b、c)の場合は、ゲル化剤の濃度が高くなるほど、初期段階の中性から弱酸性に変化する速度とその後、アルカリ性に変化する速度が顕著に遅くなる傾向が見られ、電解液のゲル化により、陰イオン交換膜を通過する電解液量が大幅に低下する事が判る。
<粘性評価試験>
100mLのビーカーに比較例の電解液及び実施例の電解液をそれぞれ100mL入れ、株式会社トキメテック社製B型粘度計を用いて、室温(23±2℃)での粘度を測定した。
100mLのビーカーに比較例の電解液及び実施例の電解液をそれぞれ100mL入れ、株式会社トキメテック社製B型粘度計を用いて、室温(23±2℃)での粘度を測定した。
測定結果は表1に示す通りである。表1から、比較例の電解液にゲル化剤を添加した実施例の電解液は、比較例の電解液と比べてその粘度が10倍以上増加している事が判る。このことから実施例の電解液は粘度上昇により、電解質や水分子の移動が抑制され、図7のような結果がもたらされたものと推定された。
<インピーダンス評価試験>
電解液をゲル化すると、粘度が上昇し、電解質の移動性を抑制する効果が期待できるが、反面、電解液のLiイオン導電性を減少させる恐れがある。そこで、インピーダンスを測定することにした。
電解液をゲル化すると、粘度が上昇し、電解質の移動性を抑制する効果が期待できるが、反面、電解液のLiイオン導電性を減少させる恐れがある。そこで、インピーダンスを測定することにした。
100mLのビーカーに比較例の電解液及び実施例の電解液をそれぞれ70mL入れ、2つの1cm×1cmの矩形白金メッシュを対向して設置し、白金メッシュ間のインピーダンスを、評価温度 室温(23±2℃)、周波数領域0.1 Hz 〜 10M Hzとして、インピーダンスアナライザー(SI-1260・1287:ソーラートロン社製)を用いて、測定した。
測定結果は表2に示す通りである。ゲル化剤を添加した実施例の電解液は、ゲル化剤が未添加の比較例の電解液よりも、インピーダンスは増加しているものの、今回、実施した最もゲル化剤の濃度が高濃度である実施例3の電解液でも、比較例の電解液よりも1.8倍の抵抗上昇に過ぎず、電池の充放電性能への影響は小さいと考えられる。
1、1A・・・・・負極
2、2A・・・・・正極
3・・・・・・・・アルカリ電解液
4・・・・・・・・陰イオン交換膜
2、2A・・・・・正極
3・・・・・・・・アルカリ電解液
4・・・・・・・・陰イオン交換膜
Claims (2)
- 負極活物質として金属を用いる負極と、正極活物質として酸素を用いる正極と、前記負極及び前記正極の間に介在するアルカリ電解液と、前記正極の前記負極に対向する面に配置された陰イオン交換膜と、を有する金属―空気電池であって、
前記アルカリ電解液は、ゲル化されていることを特徴とする金属―空気電池。 - 前記電解液はゲル化剤が添加されてゲル化されたものであり、前記ゲル化剤が添加前の電解液の電気抵抗をR0、添加後の電解液の電気抵抗をRとすると、前記ゲル化剤の添加量は下記(1)式を満たすように調整される請求項1に記載の金属―空気電池。
R<10R0 (1)
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