JP2014182486A - 紙幣処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】紙幣束を結束して結束紙幣を作成する紙幣処理装置において、異なる幅のテープに対応可能な構成を実現する。
【解決手段】紙幣処理装置100は、結束紙幣を作成するように構成された結束手段と、テープリール91が回転可能にセットされるように構成されたテープセット部910と、テープセット部から引き出したテープ90を、結束手段に供給するように構成されたテープ供給部920と、を備える。テープ供給部は、結束手段に供給する送り方向と、当該送り方向とは逆方向の戻し方向との双方に走行するテープの走行位置を、当該テープの幅方向について規制するテープ規制部材922を有していて、テープセット部にセットされたテープの幅に応じて、テープ規制部材の規制位置を変更する。
【選択図】図5

Description

本発明は、紙幣処理装置に関し、特に紙幣束の所定位置をテープで結束することによって結束紙幣を作成する紙幣処理装置に関する。
特許文献1には、所定枚数の紙幣の束を結束した小束紙幣を作成すると共に、所定束の小束紙幣を結束した大束紙幣を作成する紙幣結束装置において、小束紙幣用の結束帯(つまり、テープ)の幅と、大束紙幣のテープの幅とを異ならせることが記載されている。
また特許文献2には、正券紙幣の束を結束した正券束と、損券紙幣の束を結束した損券束とで、テープを結束する位置を異ならせたり、結束するテープの数を異ならせたりすることが可能な紙幣処理装置が記載されている。
特許第4301180号公報 国際公開第2009/110077号
ところで、特許文献2にも記載されているように、例えば中国において紙幣束を結束するためのテープの幅は、20mmに設定されている一方で、米国ではテープの幅は30mmに設定されている。このように、紙幣束を結束するためのテープ幅は、国によって異なる。
従来、結束紙幣を作成するように構成された紙幣整理機や紙幣結束装置等の紙幣処理装置を製造する際には、仕向け先の国に応じて、当該国に対応するテープ幅が使用できるように個別に製造を行っていた。具体的には、テープリールをセットしたテープセット部から引き出したテープを、紙幣束の結束を行う結束手段に供給するテープ供給部を、仕向け先の国に応じて個別に、設計及び製造を行っていた。
しかしながら近年のグローバル化に伴い、同じ製品を各国に展開することが増え、従来のように仕向け先の国毎に、個別に設計及び製造を行っていたのでは、各国展開をする上で不利である。
ここに開示する技術は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、紙幣束を結束して結束紙幣を作成する紙幣処理装置において、異なる幅のテープに対応可能な構成を実現することにある。
ここに開示する紙幣処理装置は、紙幣束の所定位置をテープで結束することによって結束紙幣を作成するように構成された結束手段と、前記テープがロール状に巻かれたテープリールが回転可能にセットされるように構成されたテープセット部と、前記テープセット部から引き出したテープを、前記結束手段に供給するように構成されたテープ供給部と、を備える。
そして、前記テープ供給部は、前記結束手段に供給する送り方向と、当該送り方向とは逆方向の戻し方向との双方に走行する前記テープの走行位置を、当該テープの幅方向について規制するテープ規制部材を有していて、前記テープセット部にセットされた前記テープの幅に応じて、前記テープ規制部材の規制位置を変更するように構成されている。
この構成によると、紙幣束を結束するためのテープを、テープセット部から結束手段へと供給するためのテープ供給部は、テープの走行位置を、その幅方向について規制するテープ規制部材を有している。テープの走行位置を規制することは、結束手段に対するテープの供給位置を、所定の位置にすることを可能にする。これによってテープは、結束手段に確実に供給される。また、結束手段に供給するテープの位置が所定の位置で変わらないため、その供給されたテープの位置に対し、紙幣束の相対位置を変更することによって、紙幣束に対するテープの結束位置を変更することが可能になる。このことは、例えば紙幣束の正損等に応じて結束位置を変更することに対応可能になる。
そうして、前記の構成では、テープセット部にセットされたテープの幅に応じて、テープ規制部材の規制位置を変更するように構成されている。テープの幅の大きさに拘わらず、テープ供給部でのテープの走行位置を規制することが可能になる。その結果、異なる幅のテープに対応可能な構成が実現する。
前記テープ供給部は、前記テープに対し情報を付加するように構成された情報付加手段をさらに有し、前記情報付加手段は、前記テープ規制部材が前記テープの走行位置を規制している箇所において、前記テープに前記情報を付加する、としてもよい。
ここで、情報付加手段は、走行しているテープに対して物理的に情報を付加する手段であり、テープの表面に印字を行う印字手段(例えばドットプリンタ等)や、テープの表面にスタンプを押すスタンプ手段を例示することができる。
テープ規制部材がテープの走行位置を規制することで、テープは所定の位置を走行することになる。このため、当該箇所において、情報付加手段がテープの情報を付加することは、テープに対して確実に情報を付加することを可能にする。また、テープの幅に応じてテープ規制部材の規制位置を変更することによって、テープの幅の大きさに拘わらず、テープが走行する位置を特定することが可能になる。従って、テープ規制部材がテープの走行位置を規制する箇所において情報を付加する構成は、異なる幅のテープに対応可能にする上で特に有用である。
前記テープ規制部材は、その配置位置を変更可能に構成されており、前記テープ供給部は、前記テープの幅に応じて、前記テープ規制部材を配置する位置を変更する、としてもよい。
こうすることで、テープセット部にセットされるテープの幅に応じて、後述のように異なる種類のテープ規制部材を取り付けるのではなく、同じテープ規制部材を、その配置位置を変更する。このことによって、異なる幅のテープそれぞれについて走行位置を規制することが可能になる。例えば紙幣処理装置の製造時に、当該紙幣処理装置の仕向け先の国に応じて、テープ規制部材の取付位置を変更すればよい。このことは、異なる幅のテープに対する対応を、容易に実現する。
前記テープ規制部材は、各々のテープの幅に対応する複数種類を含んでおり、前記複数種類のテープ規制部材は、前記テープ供給部に対して択一的に取り付け可能に構成され、前記テープ供給部には、前記テープの幅に対応する前記テープ規制部材が取り付けられている、としてもよい。
こうすることで、テープセット部にセットされるテープの幅に応じて、その幅に対応する種類のテープ規制部材を取り付けることによって、異なる幅のテープそれぞれについて、走行位置を規制することが可能になる。
前記テープ供給部は、前記テープ規制部材の配置位置を変更させるよう構成された変更手段をさらに有しており、前記変更手段は、前記テープセット部にセットされた前記テープの幅に応じて、前記テープ規制部材の配置位置を自動的に変更する、としてもよい。
テープ規制部材の配置位置を自動的に変更する機構を含んでいるため、紙幣処理装置の製造時に、当該紙幣処理装置の仕向け先の国に応じた処置を行わなくてもよい。つまり、紙幣処理装置を使用する際に、テープセット部にセットしたテープリールのテープ幅に応じて、テープ規制部材の取付位置が自動的に変更されるようになる。
前記紙幣処理装置は、前記テープセット部にセットされた前記テープの幅を検知するように構成された検知手段をさらに備え、前記変更手段は、前記検知手段が検知した前記テープの幅に応じて前記テープ規制部材の配置位置を自動的に変更する、としてもよい。
こうすることで、紙幣処理装置のオペレータがテープセット部にテープリールをセットすることだけで、テープ規制部材の配置位置が自動的に変更され、ユーザーの利便性が高まる。
前記紙幣処理装置は、前記テープセット部にセットした前記テープの幅を入力可能に構成された入力手段をさらに備え、前記変更手段は、前記入力手段に入力された前記テープの幅に応じて前記テープ規制部材の配置位置を自動的に変更する、としてもよい。
紙幣処理装置のオペレータが、テープセット部にセットしたテープの幅を手入力することによって、テープ規制部材の配置位置が自動的に変更される。
前記情報付加手段は、前記テープの幅方向について所定位置に配置されており、前記テープ供給部は、前記情報付加手段が前記テープの幅方向の中央又は一側寄りの位置に情報を付加するよう、前記テープの幅に応じて前記規制部材の規制位置を変更する、としてもよい。
こうすることで、テープの幅に拘わらず、その幅方向の中央又は一側寄りの位置、つまり、幅方向に対し所定の同じ位置に情報が付加されることになるため、テープに対する情報の付加を、確実にかつ、安定して行うことが可能になる。
前記情報付加手段が前記テープに対して情報を付加する位置よりも、前記テープの前記送り方向の下流側の位置には、前記テープを走行させるためのローラが配設されており、前記ローラのローラ面は、前記テープに付加された情報の位置からずれている、としてもよい。
こうすることで、前述したように、例えば印字やスタンプ等によってテープに対して情報を付加した直後に、ローラ面がテープに付加した情報に触れてしまうことが回避され、ローラ面への転写が防止される。
前記の紙幣処理装置によれば、紙幣束の所定位置をテープで結束することによって結束紙幣を作成する紙幣処理装置において、異なる幅のテープに対応することが可能になる。
紙幣処理装置の外観図である。 紙幣処理装置の概略構成図である。 結束スタッカの一部を省略した平面図である。 紙幣処理装置の概略構成を示すブロック図である。 テープセット部及びテープ供給部の構成を示す平面図である。 (a)テープが幅広のときのテープ規制部材の配置、(b)テープが幅狭のときのテープ規制部材の配置をそれぞれ示す図である。 テープセット部及びテープ供給部の変形例を示す図5対応図である。 テープ規制部材の変形例を示す図である。
以下、実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
〈紙幣処理装置の概略構成〉
図1は、紙幣処理装置100の外観図を示し、図2は、紙幣処理装置100の概略構成図を示す。
紙幣処理装置100は、例えば銀行のテラーカウンタに設置され、オペレータによって使用される。紙幣処理装置100は、バラ状態の紙幣を取り込み、所定の種類の紙幣を集積し、該紙幣を所定の結束枚数で結束して投出する。
紙幣処理装置100は、紙幣が載置され、該紙幣を取り込むホッパ部2と、紙幣を識別する識別部3と、結束対象の紙幣を集積する結束スタッカ4と、結束対象でない紙幣を集積する非結束スタッカ5と、リジェクト紙幣を集積するリジェクトスタッカ6と、ホッパ部2から取り込まれた紙幣を、識別部3、結束スタッカ4、非結束スタッカ5及びリジェクトスタッカ6に搬送する前段搬送部7と、結束スタッカ4に集積された紙幣を所定の位置まで搬送する後段搬送部8と、後段搬送部8により搬送された紙幣を結束する結束部9と、結束された紙幣(以下、「結束紙幣」という)を投出する投出部10と、識別部3、結束スタッカ4、非結束スタッカ5、リジェクトスタッカ6、前段搬送部7、後段搬送部8及び結束部9を収容する箱状の筐体11とを備えている。
筐体11は、上面111と、下面112と4つの側面とを有している。筐体11は、卓上型である。つまり、筐体11の下面112には、キャスタ等が設けられておらず、卓上に設置される構造となっている。
筐体11の4つの側面のうちの1つの側面である第1側面113には、ホッパ部2及び投出部10が設けられている。4つの側面のうちの1つの側面である第2側面114には、詳しくは後述する結束スタッカ4の第1取出口46及び非結束スタッカ5の第2取出口53が設けられている。第1側面113と第2側面114とは、隣接している。
筐体11の内部は、紙幣の識別及び分類に関する処理を行う第1処理部115と、結束対象の種類の紙幣の結束に関する処理を行う第2処理部116とに別れている。第2処理部116は、第1処理部115の上方に設けられている。第1処理部115には、ホッパ部2、識別部3、非結束スタッカ5及びリジェクトスタッカ6が含まれる。第2処理部116には、結束スタッカ4、後段搬送部8及び結束部9が含まれる。前段搬送部7の大部分は、第1処理部115に含まれている。
結束スタッカ4は、第1結束スタッカ4Aと第2結束スタッカ4Bとの2つのスタッカを含んでいる。第1結束スタッカ4Aと第2結束スタッカ4Bはともに、結束対象の紙幣を集積する。詳しくは後述するが、結束対象の紙幣として集積する紙幣は、適宜設定することができる。結束対象の紙幣は、所定の種類の紙幣である。所定の種類は、金種、正券か損券か、紙幣の表裏、紙幣の向き、新券か旧券かなどによって特定される。ここでは、結束対象の紙幣は、所定の金種(例えば、100元)であって且つ正券の紙幣である。ここで、識別部3によって正常な紙幣として識別された紙幣を「正常紙幣」と、識別部3で正常な紙幣として識別されなかった紙幣を「異常紙幣」と、斜行や重送等により搬送状態が異常な紙幣を「搬送異常紙幣」と称する。例えば、正常な紙幣か否かを判断する条件の1つとしては、記番号が識別可能であるか否かが挙げられる。ただし、それとは異なる条件をもって正常な紙幣か否かを判断してもよいし、それに別の条件を加えて正常な紙幣か否かを判断してもよい。また、正常紙幣であっても搬送先(結束スタッカ、非結束スタッカ等)が指定されていない種類の紙幣を「指定外紙幣」と称する。「指定外紙幣」、「異常紙幣」及び「搬送異常紙幣」を併せて「リジェクト紙幣」と称する。また、正常紙幣のうち、汚れや破れ等が比較的少ない状態の紙幣を「正券」と、正常紙幣のうち、汚れや破れ等が比較的多い状態の紙幣を「損券」と称する。
第1及び第2結束スタッカ4A,4Bは、第2処理部116内において上下方向に並んで配置されている。第1結束スタッカ4Aは、第2結束スタッカ4Bの上方に位置している。第1結束スタッカ4Aと第2結束スタッカ4Bとは、同様の構成をしている。2つのスタッカを区別しないときには、単に「結束スタッカ4」と称する。結束スタッカ4の詳細な構成については後述する。
非結束スタッカ5は、第1及び第2非結束スタッカ5A,5Bの2つのスタッカを含んでいる。第1及び第2非結束スタッカ5A,5Bは、第1処理部115内において実質的に水平方向に並んで配置されている。第2非結束スタッカ5Bの方が第1非結束スタッカ5Aよりもホッパ部2に近い位置に配置されている。2つのスタッカを区別しないときには、単に「非結束スタッカ5」と称する。非結束スタッカ5の詳細な構成については後述するが、非結束スタッカ5に集積する紙幣は適宜設定することができる。ここでは、第1非結束スタッカ5Aは、前記所定の金種であって且つ損券を集積する。第2非結束スタッカ5Bは、前記所定の金種以外の金種の紙幣を集積する。
リジェクトスタッカ6は、リジェクト紙幣を集積する。リジェクトスタッカ6は、第1及び第2非結束スタッカ5A,5Bよりもホッパ部2に近接している。リジェクトスタッカ6は、第1及び第2非結束スタッカ5A,5Bよりも少し上方に位置している。リジェクトスタッカ6の詳細な構成については後述する。
ホッパ部2は、第1側面113のうち第1処理部115に対応する部分に設けられ、投出部10は、第1側面113のうち第2処理部116に対応する部分に設けられている。詳しくは、第1側面113の上部と下部の2箇所に窪みが形成され、上部の窪みに投出部10が設けられ、下部の窪みにホッパ部2が設けられている。投出部10とホッパ部2との間には段差が形成されている。
ホッパ部2は、紙幣が載置される載置台21と、載置台21上に載置された紙幣を案内する2つのガイド部22,22と、取込ローラ23と、紙幣を取り込む取込口24と、載置台21上の紙幣を検知する紙幣センサ25とを有している。本実施形態では、紙幣が短手方向に取り込まれていくように、紙幣がホッパ部2に載置される。
取込口24は、図1に示すように、載置台21と第1側面113とが交わる隅部に形成されている。載置台21は、取込口24に近づくに従って下方に位置するように傾斜している。これにより、載置台21上の紙幣は、自然と取込口24の方へ向かうようになっている。載置台21上に載置された紙幣は、取込口24から筐体11内へ取り込まれる。
また、紙幣センサ25は、取込口24の近傍に設けられている。紙幣センサ25は、光を送信する送信部と光を受信する受信部とを有し、送信部から出射されて受信部に到達する光が遮断されることによって紙幣を検知する。尚、後述する紙幣センサ45、集積センサ52、集積センサ62、通過センサ74、通過センサ103も同様の構成をしている。紙幣センサ25は、載置台21上に載置された紙幣により光が遮断されるように配置されている。つまり、紙幣センサ25は、光が遮断されることによって、載置台21上に紙幣が載置されていることを検知することができる。
ガイド部22,22は、その間隔を調整可能に構成されている。つまり、ガイド部22,22の間隔は、載置台21上に載置された紙幣に合わせて調整される。
取込ローラ23は、キッカローラ23aと、フィードローラ23bと、ゲートローラ23cとを有している。キッカローラ23aは、部分的に載置台21から露出しており、載置台21上の紙幣のうち一番下の紙幣と接触している。キッカローラ23aは、載置台21上に載置された紙幣のうち一番下の紙幣を取込口24へ送り込む。こうして、紙幣が1枚ずつ取込口24から取り込まれていく。取込口24から送り込まれた紙幣は、フィードローラ23bとゲートローラ23cとで1枚ずつに分離されて、筐体11内へ取り込まれる。取り込まれた紙幣は、前段搬送部7へ送られる。
投出部10は、結束紙幣が投出される投出口101と、投出口101から投出された結束紙幣が載置されるステージ102と、結束紙幣の投出口101の通過を検知する通過センサ103とを有している。投出口101からは、結束紙幣が紙幣の短手方向に投出される。
ステージ102は、投出口101から離れるに従って上方に位置するように傾斜している。ステージ102は、上下に移動可能に構成されると共に、付勢バネ(図示省略)により上方に付勢されている。ステージ102は、結束紙幣が載置されていない状態においては、投出口101の直下に位置する。ステージ102上に結束紙幣が載置されると、ステージ102は、結束紙幣の重さによって下方に移動する。ステージ102は、少なくとも、ステージ102上の最も上の紙幣が投出口101より下方に位置する位置まで移動する。つまり、投出口101と同じ高さには結束紙幣が存在していない。そのため、投出口101から投出される結束紙幣は、先にステージ102上に載置された結束紙幣の上に順次載置されていく。通過センサ103は、紙幣センサ25と同様の構成をしている。通過センサ103は、投出口101に設けられ、投出口101を通過する紙幣を検出する。
前段搬送部7は、搬送ベルト等で構成されている。前段搬送部7は、主搬送路71と、主搬送路71から分岐する4つの分岐路72,72,…と、主搬送路71からの分岐箇所に設けられた振り分け機構73と、紙幣の通過を検知する複数の通過センサ74とを有している。前段搬送部7は、紙幣をその短手方向に搬送していく。
主搬送路71は、取込ローラ23から第1結束スタッカ4Aまで延びている。4つの分岐路72,72,…は、それぞれを区別するときには、上流側から順に第1分岐路72a、第2分岐路72b、第3分岐路72c、第4分岐路72dと称する。第1分岐路72aは、リジェクトスタッカ6まで延びている。第2分岐路72bは、第2非結束スタッカ5Bまで延びている。第3分岐路72cは、第1非結束スタッカ5Aまで延びている。第4分岐路72dは、第2結束スタッカ4Bまで延びている。
振り分け機構73は、ソレノイド(図示省略)によって駆動される。振り分け機構73は、主搬送路71を搬送された紙幣を分岐路72へ導くか否かを振り分ける。各振り分け機構73の上流側には、通過センサ74が設けられている。通過センサ74は、紙幣センサ25と同様の構成をしている。つまり、通過センサ74の受信部における光の受信が中断され、その後に光の受信が再開されたことをもって、紙幣の通過を検知することができる。振り分け機構73は、紙幣を分岐路72へ導く際には、その直上流の通過センサ74が紙幣の通過を検知したことをもって作動する。
識別部3は、主搬送路71のうち第1分岐路72aよりも上流側に設けられている。識別部3は、搬送される紙幣の一枚一枚について、その金種、真偽及び正損を識別するように構成されている。具体的には、識別部3は、ラインセンサ31及び磁気センサ32を有し、紙幣の特徴を取得する。識別部3は、紙幣の特徴が、記憶している各種紙幣の特徴と一致するかを判定し、金種、真偽、及び正損を識別する。
尚、識別部3は、紙幣の特徴を取得するためのセンサであれば、ラインセンサ及び磁気センサに限られず、赤外線センサ及び紫外線センサ等のセンサを有していてもよい。ラインセンサ31は、紙幣に印字されている記番号を光学的に読み取る機能も有している。尚、識別部3におけるセンサ以外の機能を、後で述べる制御部120が行ってもよい。
後段搬送部8は、結束スタッカ4に集積された紙幣を把持して、該紙幣を結束が行われる所定の位置まで搬送する。後段搬送部8は、紙幣を把持する搬送ユニット82と、搬送ユニット82を水平方向に移動させる水平移動機構83と、搬送ユニット82を上下方向に移動させる上下移動機構84と、搬送された紙幣が載置されるステージ85と、ステージ85上の結束紙幣を投出口101へ押し出す押出機構86とを有している。
搬送ユニット82は、上ハンド部81aと下ハンド部81bとを含むハンド部81と、上ハンド部81aを上下方向に移動させる移動機構87とを有している。移動機構87は、上ハンド部81aを上下方向に移動可能に支持すると共に、駆動モータ及び駆動ベルトによって上ハンド部81aを上下方向に移動させる。尚、下ハンド部81bは、移動不能に固定されている。搬送ユニット82は、上ハンド部81aを移動機構87により上下方向に移動させることによって、上ハンド部81aと下ハンド部81bとで紙幣を把持することができる。
水平移動機構83は、搬送ユニット82を水平方向であって、結束スタッカ4に近接又は離反する方向に移動可能に支持している。また、水平移動機構83は、駆動モータ及び駆動ベルトによって搬送ユニット82を水平方向に移動させる。
上下移動機構84は、水平移動機構83を上下方向に移動可能に支持するガイド軸84aと、水平移動機構83をガイド軸84aに沿って駆動する駆動ベルト84bとを有している。水平移動機構83が上下に移動することによって、搬送ユニット82も上下に移動する。
ステージ85は、略水平に設けられており、一端部は投出口101に繋がっている。結束部9により紙幣を結束する際、該紙幣はステージ85上に載置される。
押出機構86は、ステージ85上の結束紙幣を投出口101に向かって押し出すように構成されている。
結束部9は、ステージ85上の紙幣を結束帯により結束する。具体的には、結束部9は、結束帯を収容する結束帯リール91と、結束帯リール91から引き出された結束帯の先端を把持する結束帯止め部92と、結束帯止め部92を紙幣周りに旋回させることで結束帯を紙幣に巻回する旋回アーム93と、紙幣に巻回した結束帯の他端を切断するカッタ94と、切断された結束帯の他端を熱溶着するヒータ95とを有している。結束帯止め部92、旋回アーム93、カッタ94及びヒータ95は、結束手段の一例である。尚、結束部9の構成は、ここで説明した構成には限定されない。結束部9として、例えば結束帯の輪を予め作成し、その輪の中に紙幣束を挿入して結束するような構成を採用することも可能である。
筐体11の第2側面114には、紙幣処理装置100への情報を入力する操作部であり且つ紙幣処理装置100の情報を表示する表示部であるタッチパネル17が設けられている。詳しくは、タッチパネル17は、第2非結束スタッカ5Bの第2取出口53bの上方であって、第2結束スタッカ4Bの第1取出口46の側方に設けられている。タッチパネル17は、紙幣処理装置100を操作するオペレータに対するヒューマンインターフェース部分である。
〈結束スタッカ4の詳細構成〉
図3は、結束スタッカ4の一部を省略した平面図である。
結束スタッカ4は、紙幣を積み重ねて集積する。結束スタッカ4は、紙幣を集積する容器40と、容器40内に配置され、紙幣が載置されるステージ41と、搬送されてきた紙幣を容器40へ搬入する羽根車42(図2のみに図示)と、後述する第1取出口46を開閉する扉43(図1,3で図示)と、集積された紙幣の端部を揃える整列機構44(図3のみに図示)と、容器40内の紙幣を検知する紙幣センサ45(図2のみに図示)とを有している。
容器40は、紙幣の搬送方向における前側の前壁部40aが搬送方向において前後に移動可能に構成されている。前壁部40aは、結束対象に設定された紙幣に応じて、その位置が調整される。すなわち、容器40の搬送方向の寸法が、紙幣の短手方向寸法に応じて調整される。具体的には、容器40内に搬入される紙幣が前壁部40aに当たって、そのまま容器40の底に落下していき、最終的に紙幣が前壁部40aに当接した状態で集積される位置に前壁部40aが配置される。また、前壁部40aは、上下に開閉するように構成されている。前壁部40aは、集積された紙幣を後段搬送部8により搬送する際に開いた状態となる。
また、容器40は、筐体11の第2側面114に開口している。つまり、第2側面114には、結束スタッカ4に集積された紙幣を筐体11の外部に取り出すための第1取出口46が設けられている。
扉43は、結束スタッカ4ごとに個別に設けられている。扉43は、第1取出口46を開放する開状態と第1取出口46を閉鎖する閉状態との間で所定の回転軸回りに回動自在に構成されている。扉43は、外部から内部を目視可能な材料で構成されている。例えば、扉43は、透明又は半透明な材料(例えば、ガラスや樹脂)で構成されている。
扉43は、手動で開閉される。ただし、扉43には、ロック機構47(図3にのみ図示)が設けられている。ロック機構47は、扉43を閉状態で拘束する拘束状態と、扉43を開閉自在にする解除状態との間で切換可能に構成されている。具体的には、ロック機構47は、筐体11側に設けられたピン47aと、ピン47aを駆動するソレノイド等を含む駆動機構47bと、扉43に設けられ、ピン47aが係合する被係合部47cとを有している。ロック機構47は、後述する制御部120により、結束スタッカ4ごとに個別に制御される。
扉43の内側には、紙幣の短辺が当接するストッパ43a(図1では省略)が設けられている。ストッパ43aは、外部から内部を目視可能な材料で構成されている。例えば、ストッパ43aは、透明又は半透明な材料(例えば、ガラスや樹脂)で構成されている。
羽根車42は、可撓性を有する複数の羽を有しており、紙幣が容器40内に搬入されるときに回転駆動される。羽根車42は、容器40内に落下する紙幣の、搬送方向後側の端部を叩いて、紙幣の落下を促進させる役割を有している。紙幣が容器40内に連続的に搬入される場合であっても、後の紙幣が先の紙幣の後端部に入り込むことを防止し、紙幣を1枚ずつ順に上方に積み重ねていくことができる。
整列機構44は、容器40において、第1取出口46とは反対側に設けられている。整列機構44は、紙幣の搬送方向及び紙幣の集積方向の両方に直交する方向(以下、幅方向という)の紙幣の端部を揃える。本実施形態では、紙幣が短手方向に搬送されるので、幅方向は紙幣の長手方向に相当する。すなわち、整列機構44は、紙幣の短辺を揃える。整列機構44は、容器40の第1取出口46とは反対側の端部において紙幣の集積方向に延びる回転軸回りに回転自在に設けられたアーム44aと、アーム44aを回転させるステッピングモータ44bとを有している。整列機構44は、容器40内に集積された紙幣の前記幅方向の一端部(即ち、一方の短辺)を該幅方向の扉43側に向けてアーム44aにより押圧することによって紙幣の該幅方向の他端部(即ち、他方の短辺)をストッパ43aに当接させる。こうすることによって、容器40内の紙幣は、ストッパ43aに当接した状態に整列させられる。
紙幣センサ45は、1つの結束スタッカ4につき複数設けられている。本実施形態では、容器40内において紙幣の搬送方向における異なる位置に2つの紙幣センサ45が設けられている。各紙幣センサ45は、容器40内の紙幣の集積方向に光を送信するように配置されている。つまり、紙幣センサ45は、光が遮断されることによって、容器40内に紙幣が存在することを検知することができる。また、搬送方向の異なる位置に2つの紙幣センサ45を設けることによって、容器40内において搬送方向における紙幣の位置にばらつきがあったとしても、何れかの紙幣センサ45により紙幣の存在を検知することができる。尚、紙幣センサ45は、紙幣の搬送方向及び紙幣の厚み方向の両方に直交する方向(図2における紙面奥行き方向)における異なる位置に複数設けられていてもよい。
〈非結束スタッカ5の詳細構成〉
第1非結束スタッカ5Aと第2非結束スタッカ5Bとは同じ構成であるので、以下では、両者を区別することなく、非結束スタッカ5として説明する。尚、非結束スタッカ5ごとに区別する場合には、第1非結束スタッカ5Aの構成については符号の最後に「a」を、第2非結束スタッカ5Bの構成については符号の最後に「b」を付す。
非結束スタッカ5は、紙幣を積み重ねて集積する。非結束スタッカ5は、紙幣を集積する容器50と、搬送されてきた紙幣を容器50内へ搬入する羽根車51と、紙幣の有無を検知する集積センサ52とを有している。
非結束スタッカ5の容器50の底部は、傾斜している。これにより、容器50へ搬入された紙幣は、底部の低い方の端部へ集まる。
集積センサ52は、容器50の底部の低い方の端部に設けられている。集積センサ52は、紙幣センサ25と同様の構成をしており、光が遮断されることによって容器50内の紙幣を検知する。集積センサ52は、容器50内の紙幣により光が遮断されるように配置されている。
羽根車51は、複数の羽を有しており、搬送されてきた紙幣を羽の間で保持して、容器50内へ搬入する。紙幣は、容器50の底部近傍において羽根車51の羽から離脱し、容器50内に集積される。
容器50は、筐体11の第2側面114に開口している。すなわち、第2側面114には、非結束スタッカ5に集積された紙幣を筐体11の外部に取り出すための第2取出口53が設けられている。第2取出口53には、扉が設けられておらず、開放されている。第1非結束スタッカ5Aの第2取出口53aと第2非結束スタッカ5Bの第2取出口53bとは、第2側面114において水平方向に並んで開口している。
また、非結束スタッカ5には、集積された紙幣を第2取出口53の方へ押し出すための押出機構54が設けられている。押出機構54は、容器50の奥側(第2取出口53と反対側)に設けられており、奥側から手前側(第2取出口53の側)に紙幣を押し出すように構成されている。
〈リジェクトスタッカ6の詳細構成〉
リジェクトスタッカ6は、紙幣を積み重ねて集積する。リジェクトスタッカ6は、紙幣を集積する容器60と、搬送されてきた紙幣を容器60内へ搬入する羽根車61と、紙幣の有無を検知する集積センサ62と、容器60内の紙幣が外部へ排出されることを防止するストッパ64,64とを有している。
詳しくは、リジェクトスタッカ6の容器60は、筐体11の第1側面113及び第2側面114に開口している。すなわち、第1側面113及び第2側面114には、リジェクトスタッカ6に集積された紙幣を筐体11の外部に取り出すためのリジェクト取出口63が設けられている。リジェクト取出口63は、第1側面113において、取込口24の上方であって、投出口101の下方に開口している。詳しくは、リジェクト取出口63は、ホッパ部2と投出部10との間の段差の直下に開口している。リジェクト取出口63には、扉が設けられておらず、開放されている。
容器60の底部は、第1側面113から離れるに従って下方に位置するように傾斜している。そのため、容器60内の紙幣は、第1側面113から内側へ入り込んだ位置に集積されていく。これにより、容器60内に搬入された紙幣が、そのまま第1側面113のリジェクト取出口63から外部へ排出されることを防止することができる。
さらに、2つのストッパ64,64は、容器60の底部のうち、第1側面113側の端縁に設けられている。ストッパ64は、底部の第1側面113側の端縁と平行に延びる軸回りに回動自在に支持されると共に、付勢バネ(図示省略)で付勢されて、容器60の底部に対して立ち上がった状態となっている。これらストッパ64,64によっても、容器60内の紙幣が第1側面113のリジェクト取出口63から外部へ排出されることを防止することができる。尚、リジェクトスタッカ6に集積された紙幣をリジェクト取出口63から抜き出すときには、ストッパ64,64を付勢バネの弾性力に抗して倒すことによって、紙幣を抜き出すことができる。
羽根車61は、可撓性を有する複数の羽を有しており、容器60内に落下する紙幣の、搬送方向後側の端部を叩き落とす役割を有している。紙幣が容器60内に連続的に搬入される場合であっても、後の紙幣が先の紙幣の後端部に入り込むことを防止し、紙幣を1枚ずつ順に上方に積み重ねていくことができる。
集積センサ62は、紙幣センサ25と同様の構成をしており、光が遮断されることによって容器60内の紙幣を検知する。集積センサ62は、容器60内の紙幣により光が遮断されるように配置されている。
〈紙幣処理装置のシステム構成〉
図4は、紙幣処理装置100の概略構成を示すブロック図である。
紙幣処理装置100は、例えば周知のマイクロコンピュータをベースとした制御部120を備えている。制御部120には、前述したホッパ部2、識別部3、結束スタッカ4、非結束スタッカ5、リジェクトスタッカ6、前段搬送部7、後段搬送部8、結束部9、投出部10及びタッチパネル17が、信号の送受信可能に接続されている。また、制御部120には、紙幣センサ25、紙幣センサ45、集積センサ52、集積センサ62、通過センサ74及び通過センサ103が接続され、それらの検出信号が入力されるように構成されている。制御部120は、タッチパネル17からの入力信号及び各種センサからの検知信号等に基づいて制御信号を生成し、ホッパ部2等へ該制御信号を出力する。ホッパ部2等は、その制御信号に従って動作する。例えば、結束スタッカ4を例に挙げると、容器40の前壁部40a、ステージ41、羽根車42、扉43のロック機構47、及び整列機構44のステッピングモータ44bが制御部120により制御される。
〈紙幣処理装置の動作説明〉
以下、紙幣処理装置100の入金処理について説明する。入金処理においては、バラ状態の紙幣が分類され、所定のスタッカに集積され、さらには、所定の紙幣については結束される。以下では、結束対象の所定の一種類の紙幣を第1及び第2結束スタッカ4A,4Bに所定枚数ずつ交互に集積し、該所定枚数集積した紙幣を順次、結束部9により結束する同一種類結束処理について説明する。
紙幣処理装置100は、テラーカウンタ上であって、オペレータがテラーカウンタを挟んで顧客と正対したときにオペレータの少し左側(顧客の右側)に設置される。このとき、紙幣処理装置100は、筐体11の第1側面113が顧客の方を向くように設置される。この状態においては、筐体11の第2側面114は、オペレータの方を向いている。ただし、紙幣処理装置100はオペレータの少し左側に位置するので、顧客も第2側面114を視認することができる。
以下では、結束対象の紙幣を第1及び第2結束スタッカ4A,4Bに所定枚数ずつ交互に集積し、該所定枚数集積した紙幣を順次、結束部9により結束する連続結束処理について説明する。
まず、オペレータは顧客から入金すべきバラ状態の紙幣を受け取り、該紙幣をホッパ部2へ載置する。このとき、バラ状態の紙幣に複数種類の紙幣が混在していたとしても、それらを分類することなく、ホッパ部2へ載置する。オペレータは、紙幣の寸法に合わせて、ガイド部22を調整する。続いて、オペレータは、タッチパネル17を操作して、紙幣の取込を開始する。尚、紙幣センサ25がホッパ部2への紙幣の載置を検知すると、紙幣処理装置100が自動的に紙幣の取込を開始するようにしてもよい。
ホッパ部2に載置された紙幣は、取込ローラ23が作動することにより1枚ずつ取込口24から、筐体11内へ取り込まれていく。取り込まれた紙幣は、前段搬送部7により搬送され、識別部3を通過する。識別部3は、通過する紙幣の紙幣種別を取得し、その紙幣種別を制御部120へ通知する。
制御部120は、紙幣の種類に応じて、紙幣に対応する搬送先を決定する。具体的には、紙幣が結束対象の所定金種の紙幣であって且つ正券紙幣であるときには、制御部120は、搬送先を結束スタッカ4(4A及び4Bの何れか一方)とする。紙幣が結束対象の所定金種の紙幣であって且つ損券紙幣であるときには、制御部120は、搬送先を第1非結束スタッカ5Aとする。紙幣が所定金種以外の金種の紙幣であるときには、制御部120は、搬送先を第2非結束スタッカ5Bとする。紙幣がリジェクト紙幣であるときには、制御部120は、搬送先をリジェクトスタッカ6とする。
制御部120は、紙幣が搬送先となるスタッカに搬送されるように前段搬送部7を制御する。具体的には、制御部120は、搬送先となるスタッカへ繋がる分岐路72に対応する振り分け機構73を該紙幣が主搬送路71から該分岐路72へ導かれるように制御する。制御部120は、該分岐路72の直前の通過センサ74が紙幣を検知したときに、該振り分け機構73を切り替える。さらに、制御部120は、搬送先となるスタッカの羽根車42又は羽根車51を制御して、紙幣をスタッカ内に搬入する。
結束スタッカ4に搬送される紙幣は、2つの結束スタッカ4のうち一方の結束スタッカ4へ搬送される。一方の結束スタッカ4に集積された紙幣の枚数が所定の結束枚数(例えば、100枚)に達すると、それ以降の紙幣は、他方の結束スタッカ4へ搬送される。ここでは、紙幣がまず第1結束スタッカ4Aへ搬送されるものとする。
第1結束スタッカ4Aにおいては、紙幣が搬送されてくると、羽根車42の回転によって、紙幣が1枚ずつ上方に重ねられていく。容器40内に搬入された紙幣は前壁部40aに当接することによって、それぞれの長辺が揃った状態となる。
第1結束スタッカ4Aに集積された紙幣が結束枚数に達すると、制御部120は、整列機構44を作動させて、紙幣の短辺を揃える。尚、制御部120は、容器40内に紙幣が搬入される度に整列機構44を作動させて、紙幣の短辺を揃えるようにしてもよい。次に、制御部120は、後段搬送部8を制御し、ハンド部81により第1結束スタッカ4A内の紙幣を把持し、該紙幣をステージ85へ搬送する。その後、制御部120は、結束部9を制御して、ステージ85上の紙幣を結束帯で結束する。
尚、第1結束スタッカ4Aに集積された紙幣が結束枚数に達すると、それ以降の紙幣は第2結束スタッカ4Bに集積される。その後、第2結束スタッカ4Bに集積された紙幣が結束枚数に達したときには、それ以降の紙幣は再び第1結束スタッカ4Aに集積されるようになる。このときまでには、第1結束スタッカ4A内の紙幣の結束処理が完了しているので、第1結束スタッカ4A内は空の状態になっている。このように、2つの結束スタッカ4を設けることによって、紙幣の集積を連続して行いつつ、結束処理を行うことができる。
続いて、制御部120は、押出機構86によりステージ85上の結束紙幣を押し出して、投出口101からステージ102上へ投出する。結束紙幣がステージ102へ投出されると、ステージ102は、結束紙幣の重さにより、投出口101の水平方向外側に結束紙幣が位置しない位置まで沈み込む。こうして、ステージ102は、次の結束紙幣の投出に備える。
所定金種の紙幣であって且つ損券紙幣は、第1非結束スタッカ5Aへ搬送される。第1非結束スタッカ5Aにおいては、紙幣が搬送されてくると、羽根車51aの回転によって、紙幣を容器50a内に積み重ねていく。こうして、所定金種の紙幣であって且つ損券紙幣は、第1非結束スタッカ5Aに集積される。同様に、所定金種以外の金種の紙幣は、第2非結束スタッカ5Bへ搬送され、第2非結束スタッカ5Bに集積される。リジェクト紙幣も、リジェクトスタッカ6へ搬送され、リジェクトスタッカ6に集積される。
以上の処理が、ホッパ部2に載置された紙幣が無くなるまで続けられる。ホッパ部2の紙幣の有無は、紙幣センサ25によって検知される。
ホッパ部2に載置された紙幣の処理が完了すると、リジェクト紙幣の取込及び識別を再度行う。つまり、オペレータは、リジェクト紙幣をリジェクトスタッカ6から抜き出して、ホッパ部2へ載置し、再び取込を行う。リジェクト紙幣は、何らかの理由で正常な紙幣として識別されなかった紙幣であるので、再び取込及び識別を試みる。それでも尚、リジェクト紙幣として識別される紙幣は、再びリジェクトスタッカ6に集積される。オペレータは、再び集積された紙幣を顧客に返却する。
尚、第1及び第2非結束スタッカ5A,5Bに集積された紙幣については、再度の取込を行わない。
こうして、ホッパ部2に載置された紙幣の処理とリジェクト紙幣の再処理が完了すると、同一種類結束処理が完了し、顧客から渡された入金すべき紙幣の計数及び分別が終了する。タッチパネル17には、計数された金額が表示される。オペレータは、顧客からその金額の承認を得るか、又は、その金額と顧客が記載した入金伝票に記載された金額との一致を確認すると、タッチパネル17により入金額の確定操作を行う。確定操作が行われると、確定した入金額が上位装置(図示省略)へ通知され、入金処理が完了する。
入金処理の完了後は、オペレータは、投出部10に集積されている結束紙幣、結束スタッカ4に集積されている紙幣及び非結束スタッカ5に集積されている紙幣を取り出して所定の収納場所に収納する。
以上の処理により、複数種類の紙幣が混在し且つバラ状態であった紙幣は、所定金種の正券紙幣と、所定金種の損券紙幣と、所定金種以外の金種の紙幣と、リジェクト紙幣とに分類され、所定金種の正券紙幣については結束枚数ごとに結束された状態となる。
以上の説明では、第1及び第2結束スタッカ4A,4Bには、所定の金種であって正券の紙幣が集積され、第1非結束スタッカ5Aには、所定の金種であって損券の紙幣が集積され、第2非結束スタッカ5Bには、所定の金種以外の金種の紙幣が集積される。
しかしながら、紙幣処理装置100は、第1及び第2結束スタッカ4A,4B並びに第1及び第2非結束スタッカ5A,5Bに集積する紙幣を適宜設定することができるように構成されている。
〈結束部におけるテープ供給構造〉
次に、結束部9における結束帯(以下においては、テープと称する)の供給構造について、図5、6を参照しながら説明する。前述した結束部9の結束帯リール91は、テープ90をロール状に巻いて構成されており(つまり、テープリール91)、結束部9は、テープリール91を、上下方向に延びる回転軸周りに回転可能にセットするテープセット部910と、テープリール91から引き出したテープ90を、結束帯止め部92(つまり、結束手段)に供給するテープ供給部920と、をさらに備えている。
テープセット部910は、テープリール91が載置されるリール台911と、リール台911に対して、ベルトにより駆動連結されるリールモータ912とを備えている。リールモータ912が駆動することによって、リール台911上のテープリール91は、テープ90を繰り出す方向である正転方向(図5の反時計回り方向)、及び、テープ90を巻き取る方向である逆転方向(図5の時計回り方向)に回転をする。
テープセット部910はまた、テープリール91に巻かれているテープ90が無くなったことを検知するエンプティセンサ930を備えている。エンプティセンサ930は、テープリール91の外周面に当接するように付勢されることで、テープリール91のテープ90の量に応じて、上下方向に延びる軸周りに回動する検出レバー931と、その検出レバー931が、図5に一点鎖線で示すように、テープ90が無くなる位置にまで回動したことを検知するリミットスイッチ932と、を備えて構成されている。リミットスイッチ932は、図5では図示を省略する制御部120に接続されており、検知信号を制御部120に出力する。
テープ供給部920は、テープリール91から引き出したテープ90の走行方向を変換する変換ローラ921と、変換ローラ921よりも走行方向の下流側で、結束手段に供給するテープ90の走行位置を規制するテープ規制部材922と、テープ90を走行させるための搬送機構923と、テープ90に対して情報を付加する情報付加手段924、925と、を少なくとも備えている。
テープ規制部材922は、結束帯止め部92に向かって走行するテープ90の幅方向の両側それぞれにおいて、テープの走行方向に延びて配置されかつ、テープ90の幅方向の各側部を案内する一対の規制片9221、9221を有している。各規制片9221は、その長手方向の両端部それぞれに設けられたねじ穴にねじが挿入されることで、基板901に対して取り付け固定されている。各規制片9221に設けられたねじ穴は、図5から明らかなように、テープ90の幅方向に延びる長孔に構成されている。この構成により、各規制片9221、9221は、その取付位置をテープ90の幅方向に変更することが可能にされている。各規制片9221、9221の取付位置を変更することにより、規制片9221、9221の間隔が変更される。テープ規制部材922が、テープ90の走行位置を規制することにより、結束手段(つまり、結束帯止め部92)に対するテープ90の供給位置を、テープ90の幅の大きさに拘わらず一定の位置に維持することが可能になる。
搬送機構923は、一対の規制片9221、9221に対して軸支された第1ローラ9231及び第2ローラ9232と、第1及び第2ローラ9231、9232を駆動する搬送モータ9233と、を備えている。第1ローラ及び第2ローラ9231、9232は共に、詳細な図示は省略するが、テープ90を厚み方向に挟んで駆動するローラ対である。また、第1ローラ及び第2ローラ9231、9232は、前述したように、規制片9221の取り付け位置が変更されて、一対の規制片9221、9221の間隔が変更された場合であっても、この一対の規制片9221、9221に常に軸支されるように、そのローラ軸の長さが設定されている。第1及び第2ローラ9231、9232は、ベルト9234によって互いに駆動連結されていると共に、第1ローラ9231は、搬送モータ9233に対し、ベルト9235によって駆動連結されている。搬送モータ9233を、テープセット部910のリールモータ912と同期して駆動することにより、テープリール91から引き出したテープ90を、一対の規制片9221、9221の間で、結束帯止め部92に供給する送り方向(図5の紙面左から右の方向)と、その送り方向とは逆方向の戻し方向との双方に走行させることができる。
情報付加手段924、925は、金融機関名、結束した日付、正損別等の、結束する紙幣束に関する情報等を、テープ90に付加する手段である。この内、情報付加手段924は、走行しているテープ90の上面に印字を行う印字手段としてのワイヤドットプリンタ924であり、情報付加手段925は、同じく走行しているテープ90の上面に、スタンプを押すスタンプ機構925である。
ワイヤドットプリンタ924は、図5では理解容易のために、その一部のみを仮想的に示しているが、第1ローラ及び第2ローラの間に配設されている。ワイヤドットプリンタ924は、一対の規制片9221、9221によって走行位置が規制されながら、送り方向に走行しているテープ90に対し印字を行う。ワイヤドットプリンタ924は、図5、6に破線で示すように、テープ90の幅方向の中央位置に印字を行うように構成されている。ワイヤドットプリンタ924は、基板901に対して固定されている。
ここで、ワイヤドットプリンタ924に対し、テープ90の送り方向の下流側に位置する第2ローラ9232には、テープ90の印字部分に触れないように、その中央部に凹部が設けられている。これにより、第2ローラ9232に、テープ90の印字内容が転写されてしまうことが回避される。尚、第2ローラ9232に凹部を設ける代わりに、第2ローラを、テープ幅方向の両側に位置する分割構造としてもよい。
スタンプ機構925は、図5では理解容易のために、その一部のみを仮想的に示しているが、第2ローラ9232よりもテープ90の送り方向の下流側に配設されている。スタンプ機構925は、ワイヤドットプリンタ924と同様に、一対の規制片9221、9221によって走行位置が規制されながら、送り方向に走行しているテープ90に対しスタンプを押す。スタンプ機構925は、図5、6に破線で示すように、テープ90の幅方向の中央位置にスタンプを押すように構成されている。スタンプ機構925は、基板901に対して固定されている。
このスタンプ機構925よりも、テープ90の送り方向の下流側には、送りローラ926が配置されている。送りローラ926にも、第2ローラ9232と同様に、その中央部に凹部が設けられている。これによって、送りローラ926に、テープ90に押したスタンプが転写されてしまうことが回避される。尚、この送りローラも、凹部を設ける代わりに、テープの幅方向の両側に位置する分割構造としてもよい。
このように構成されたテープ供給構造では、前述の通り、テープ供給部920のテープ規制部材922を構成する一対の規制片9221、9221が、取り付け位置を変更することによって、その間隔を変更可能に構成されている。この一対の規制片9221、9221の間隔は、テープセット部910にセットされるテープ90の幅に応じて変更される。具体的に、例えば図6(a)に示すように、相対的に幅の広い(W1)のテープ90が、テープセット部910にセットされたときには、一対の規制片9221、9221の間隔が広くなるように、各規制片9221を基板901に取り付ける。このときに、一対の規制片9221、9221の取り付け位置は、幅広のテープ90の幅方向の中央に、印字やスタンプが押されるような位置に設定される。
一方、例えば図6(b)に示すように、相対的に幅の狭い(W2<W1)のテープ90が、テープセット部910にセットされたときには、一対の規制片9221、9221の間隔が狭くなるように、各規制片9221を基板901に取り付ける。このときの一対の規制片9221、9221の取り付け位置も、幅狭のテープ90の幅方向の中央に、印字やスタンプが押されるような位置に設定される。このように、一対の規制片9221、9221によって構成されるテープ規制部材922は、テープ90の幅が変更された場合でも、その規制片9221の取り付け位置を変更することによって対応可能であると共に、テープ90の幅に拘わらず、印字位置やスタンプ位置を、テープ90の幅方向の中央に設定することを可能にする。
従って、紙幣処理装置100の仕向け先の国に従い、当該国で使用されるテープ90の幅に応じて、紙幣処理装置100の製造時に、規制片9221の取り付けの位置を調整すればよい。このように、規制片9221の取り付け位置の調整だけで各国への対応が可能になる。
また、テープ規制部材922によってテープ90の走行位置を規制している箇所において、ワイヤドットプリンタ924及びスタンプ機構925が、テープ90に対して印字及びスタンプを行うことと、テープ規制部材922が、テープの幅方向の中央に印字やスタンプが押されるよう、テープ90の走行位置を規制していることとが組み合わせることによって、テープ90に対する情報付加を、テープ90の幅の大きさに拘わらず、安定的にかつ確実に行うことが可能になる。
さらに、テープ規制部材922によって、異なる幅のテープ90の走行位置を、それぞれ規制し、結束帯止め部92に対するテープ90の供給位置を所定位置に維持しているから、紙幣束を結束する際に、テープ90の供給位置に対する、ステージ85上の紙幣束の相対位置を調整することによって、結束位置を変更することが可能になる。このことは、例えば紙幣束の正損等に応じて結束位置を変更することに対応可能になる。
〈テープ供給構造に関する変形例〉
図7は、テープ供給構造に関する変形例を示している。図5に示すテープ供給構造に実質的に対応する構成については、同じ符号を付して、その説明を省略する場合がある。この変形例は、テープセット部910にセットしたテープ90の幅に応じて、テープ規制部材922の規制片の間隔が自動的に変更するように構成されている。
この変形例では、テープセット部910にセットされたテープリール91のテープ幅を検出する幅検知手段927が設けられている。幅検知手段927は、水平方向に延びる軸周りに回動すると共に、新品のテープリール91、つまり、所定の外径を有するテープリール91の外周縁における上端に当接する検出レバー9271と、その検出レバー9271の回動角度を検知することによって、テープリール91のテープ幅を検知するロータリーエンコーダ9272とを備えて構成されている。つまり、この幅検知手段927は、水平方向に対する、検出レバー9271の回動角度が大きいほどテープ幅が広いことを検知し、回動角度が小さいほどテープ幅が狭いことを検知する。幅検知手段927は、回動角度に対応する信号を制御部120に出力する。検出レバー9271とロータリーエンコーダ9272とを含む幅検知手段927は、検知手段の一例である。
この変形例において、テープ供給部920は、テープ規制部材922が、一対の規制片を備えているものの、そのうちの一方の規制片(図7における紙面下側の規制片)は、基板901に対し移動不能に固定されている固定片9222である。これに対し、他方の規制片(図7における紙面上側の規制片)は、基板901に対して移動可能に取り付けられている可動片9223である。具体的に、可動片9223は、後述するカム9228に当接する当接部9224が一体に設けられている。この当接部9224に、それぞれテープ90の幅方向に延びる2つの長孔9225、9225が、テープ90の走行方向に並んで形成されている。各長孔9225には、基板901に固定されたピン9226が内挿される。この構成により、可動片9223は、ピン9226が長孔9225に係合した状態で、テープ90の幅方向に平行に移動することが可能である。可動片9223はまた、当接部9224を挟んだ両側それぞれに引っ張りばね9227、9227の一端が取り付けられており、各引っ張りばね9227の他端が基板901に対して固定されることで、可動片9223は、固定片9222に対して離間する方向に付勢されている。
可動片9223の当接部9224は、その先端面がカム9228に当接する部分である。一方、カム9228は、円盤が偏心軸に取り付けられた円盤カムであり、円盤カム9228の回動位置が変化することに伴い、固定片9222に対して離間する方向に付勢されている可動片9223が、固定片9222の側に押される。このことで、図7に矢印で示すように、固定片9222と可動片9223との間隔が変更する。円盤カム9228は、変更手段の一例である。円盤カム9228の回動位置は、制御部120によって制御される。つまり、幅検知手段927によって検知されるテープ幅に対応付けられて、円盤カム9228の回動位置が予め設定されており、制御部120は、幅検知手段927の検知結果に応じて円盤カム9228の回動位置を変更する。このことにより、固定片9222と可動片9223との間隔を、テープセット部910にセットされたテープ90の幅に対応する間隔にする。この変形例に係る構成では、テープセット部910にセットしたテープリール91のテープ幅に応じて、テープ供給部920におけるテープ規制部材922の間隔が自動的に変更されるため、紙幣処理装置の製造時に、仕向け先の国に応じた変更は不要になる。つまり、紙幣処理装置100の使用時に、オペレータがテープリール91をテープセット部910にセットすることだけで、テープ規制部材922の間隔が自動的に変更される。
尚、この構成では、固定片9222の位置を固定した上で、テープ90の幅に応じて可動片9223の位置を変更するため、テープ90の幅方向の中央と、ワイヤドットプリンタ924の印字位置及びスタンプ機構925のスタンプ位置との相対的な位置は、テープ90の幅の大きさに応じて変化することになる。つまり、ワイヤドットプリンタ924の印字位置及びスタンプ機構925のスタンプ位置を、相対的に幅の狭いテープ90における幅方向中央に設定した場合は、相対的に幅の広いテープ90をテープセット部910にセットしたときに、印字位置やスタンプ位置は、その幅広のテープ90の中央からずれることになる。但し、印字位置やスタンプ位置の、テープ90の幅方向の一側(つまり、固定片9222)の縁部から距離は、テープ90の幅の大きさに拘わらず一定になる。
尚、図示は省略するが、ワイヤドットプリンタ924の印字位置やスタンプ機構925のスタンプ位置を、可動片9223の移動量に同期して変更するように構成してもよい。この構成は、印字位置及びスタンプ位置を、テープ90の幅の大きさに拘わらずテープ90の幅方向の中央にすることを可能にする。
図8は、一対の規制片の間隔を自動的に変更する構成についての変形例を示している。この変形例では、一対の規制片のそれぞれが、前述した可動片9223と同様に、テープの幅方向に移動可能な可動片9223に構成されている。つまり、各可動片9223には、それぞれテープの幅方向に延びる2つの長孔9225、9225が、テープ90の走行方向に並んで形成されている。各長孔9225には、基板901に固定されたピン9226が内挿される。こうして、各可動片9223は、ピン9226が長孔9225に係合した状態で、テープ90の幅方向に平行に移動することが可能である。一対の可動片9223はまた、長孔9225とピン9226との係合箇所を挟んで、テープ90の走行方向に所定間隔を空けて配置された2つの引っ張りばね9227、9227によって互いに連結されており、この2つの引っ張りばね9227、9227は、一対の可動片9223、9223を互いに近接する方向に付勢している。
一対の可動片9223の間には、楕円形に構成されたカム9228が配設されている一方で、各可動片9223には、このカム9228に当接する当接部9229が固定されている。カム9228の回動位置が変化することに伴い、互いに近接する方向に付勢されている一対の可動片9223、9223が、互いに離れる方向の押されるようになり、このことで、一対の可動片9223、9223の間隔が変更する。カム9228の回動位置も、図8では図示を省略する制御部120によって制御され、制御部120は、幅検知手段927の検知結果に応じてカム9228の回動位置を変更することにより、一対の可動片9223、9223の間隔を、テープセット部910にセットしたテープ90の幅に対応する間隔にする。
この構成では、テープ90の幅方向の両側に位置する一対の可動片9223、9223を近接させたり、離間させたりして、その間隔を変更するため、走行しているテープ90の幅方向の中央位置を、テープ90の幅の大きさに拘わらず一定の位置に維持することが可能になる。このため、テープ90の幅方向に大きさに拘わらず、印字やスタンプを、テープ90の幅方向の中央に行うことが可能になる。
図7、8に示す構成では、テープセット部910にセットしたテープ90の幅を、幅検知手段927が検知するようにしているが、この幅検知手段927を省略する一方で、テープセット部910にセットしたテープ90の幅を、オペレータが手入力するようにしてもよい。例えば、図示は省略するが、タッチパネル17に、テープセット部910にセットしているテープ90の幅を入力する画面を表示し、オペレータが、タッチパネル17を操作することによって、テープ90の幅を入力するようにしてもよい。タッチパネル17は、入力手段の一例である。この構成では制御部120は、手入力されたテープ90の幅に応じて、カム9228の回動位置を調整することで、テープ規制部材922の間隔を、テープ90の幅に対応する間隔に変更することが可能になる。このようなテープ幅の手入力は、例えば紙幣処理装置100を設置する初期設定時に行えばよい。
尚、前記の構成では、テープ規制部材922の配設位置を変更可能に構成しているが、これとは異なり、テープ幅に応じた複数種類のテープ規制部材を予め用意しておき、紙幣処理装置100の製造時に、仕向け先の国に対応するテープ規制部材を組み付けるようにしてもよい。また、テープ規制部材だけでなく、ワイヤドットプリンタ等を含めたテープ供給部の全体をユニット化すると共に、そのユニットを、テープ幅に応じて複数種類用意しておいてもよい。この場合、紙幣処理装置の製造時には、仕向け先の国に対応するユニットを組み付けることになる。
尚、前述した各構成は、可能な範囲で組み合わせることが可能である。例えば図5、6に示す構成において、図7に示す構成の一部を組み合わせてもよい。すなわち、図5、6に示す構成において、一対の規制片9221の内のいずれか一方のみを、その取付位置が変更可能となるように構成してもよい。
また、ここに開示する技術は、前述した構成の紙幣処理装置100に適用する他にも、様々な構成の紙幣処理装置に適用することが可能である。つまり、紙幣を分類しながら計数する紙幣整理機や、紙幣を結束する結束装置等に、この技術を適用してもよい。
100 紙幣処理装置
120 制御部
17 タッチパネル(入力手段)
90 テープ
910 テープセット部
92 結束帯止め部(結束手段)
920 テープ供給部
922 テープ規制部材
9228 カム(変更手段)
9232 第2ローラ(ローラ)
924 ワイヤドットプリンタ(情報付加手段)
925 スタンプ機構(情報付加手段)
926 送りローラ(ローラ)
927 幅検知手段
93 旋回アーム(結束手段)
94 カッタ(結束手段)
95 ヒータ(結束手段)

Claims (9)

  1. 紙幣束の所定位置をテープで結束することによって結束紙幣を作成するように構成された結束手段と、
    前記テープがロール状に巻かれたテープリールが回転可能にセットされるように構成されたテープセット部と、
    前記テープセット部から引き出したテープを、前記結束手段に供給するように構成されたテープ供給部と、を備え、
    前記テープ供給部は、前記結束手段に供給する送り方向と、当該送り方向とは逆方向の戻し方向との双方に走行する前記テープの走行位置を、当該テープの幅方向について規制するテープ規制部材を有していて、前記テープセット部にセットされた前記テープの幅に応じて、前記テープ規制部材の規制位置を変更するように構成されている紙幣処理装置。
  2. 前記テープ供給部は、前記テープに対し情報を付加するように構成された情報付加手段をさらに有し、
    前記情報付加手段は、前記テープ規制部材が前記テープの走行位置を規制している箇所において、前記テープに前記情報を付加する請求項1に記載の紙幣処理装置。
  3. 前記テープ規制部材は、その配置位置を変更可能に構成されており、
    前記テープ供給部は、前記テープの幅に応じて、前記テープ規制部材を配置する位置を変更する請求項1又は2に記載の紙幣処理装置。
  4. 前記テープ規制部材は、各々のテープの幅に対応する複数種類を含んでおり、前記複数種類のテープ規制部材は、前記テープ供給部に対して択一的に取り付け可能に構成され、
    前記テープ供給部には、前記テープの幅に対応する前記テープ規制部材が取り付けられている請求項1又は2に記載の紙幣処理装置。
  5. 前記テープ供給部は、前記テープ規制部材の配置位置を変更させるよう構成された変更手段をさらに有しており、
    前記変更手段は、前記テープセット部にセットされた前記テープの幅に応じて、前記テープ規制部材の配置位置を自動的に変更する請求項1又は2に記載の紙幣処理装置。
  6. 前記テープセット部にセットされた前記テープの幅を検知するように構成された検知手段をさらに備え、
    前記変更手段は、前記検知手段が検知した前記テープの幅に応じて前記テープ規制部材の配置位置を自動的に変更する請求項5に記載の紙幣処理装置。
  7. 前記テープセット部にセットした前記テープの幅を入力可能に構成された入力手段をさらに備え、
    前記変更手段は、前記入力手段に入力された前記テープの幅に応じて前記テープ規制部材の配置位置を自動的に変更する請求項5に記載の紙幣処理装置。
  8. 前記情報付加手段は、前記テープの幅方向について所定位置に配置されており、
    前記テープ供給部は、前記情報付加手段が前記テープの幅方向の中央又は一側寄りの位置に情報を付加するよう、前記テープの幅に応じて前記規制部材の規制位置を変更する請求項2〜7のいずれか1項に記載の紙幣処理装置。
  9. 前記情報付加手段が前記テープに対して情報を付加する位置よりも、前記テープの前記送り方向の下流側の位置には、前記テープを走行させるためのローラが配設されており、
    前記ローラのローラ面は、前記テープに付加された情報の位置からずれている請求項2〜8のいずれか1項に記載の紙幣処理装置。
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