JP2014182103A - 膜式ガスメータ及びその検査方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】膜式ガスメータ及びその検査方法において、ダイヤフラムの劣化状態を簡単且つ正確に判定することができる技術を提供する。
【解決手段】計量室4に、温度履歴により光学的物性が変化する温度履歴表示部Iを設けた膜式ガスメータ100を検査対象とし、ダイヤフラム11の実際の使用時間である実使用時間を取得する実使用時間取得工程と、温度履歴表示部Iの光学的物性を測定して、当該測定結果をダイヤフラム11の実際の温度履歴である実温度履歴を取得する実温度履歴取得工程と、実使用時間と実温度履歴とから、ダイヤフラム11の劣化状態を判定する判定工程とを行う。
【選択図】図4
【解決手段】計量室4に、温度履歴により光学的物性が変化する温度履歴表示部Iを設けた膜式ガスメータ100を検査対象とし、ダイヤフラム11の実際の使用時間である実使用時間を取得する実使用時間取得工程と、温度履歴表示部Iの光学的物性を測定して、当該測定結果をダイヤフラム11の実際の温度履歴である実温度履歴を取得する実温度履歴取得工程と、実使用時間と実温度履歴とから、ダイヤフラム11の劣化状態を判定する判定工程とを行う。
【選択図】図4
Description
本発明は、外装ケーシングの内部に形成された計量室を区画すると共に当該計量室へのガスの給排により往復動するゴム製のダイヤフラムを備え、当該ダイヤフラムの往復動を検出してガスの供給量を計量する膜式ガスメータ及びその検査方法に関する。
一般家庭用のガスメータとして主流の膜式ガスメータは、通常、外装ケーシングの内部の計量室をダイヤフラムにより区画し、これら区画された夫々の計量室の一方側にガスを供給すると共に他方側からガスを排出する状態を、これら供給側と排出側とを交互に切り替えながら繰り返し行い、その切り替えに伴うダイヤフラムの往復動の回数を検出することで、ガスメータを通過して家屋等に供給されるガスの供給量を計量するように構成されている。
この種のガスメータは、計量法に規定される特定計量器であり、部品等の劣化による計量制度の低下を抑制するためには、所定の検定有効期間毎に回収され、新規のものに交換される。そして、回収したガスメータの一部の部品については再利用(リユース)される場合がある。
ガスメータは、計量器であるのに加えて、地震やガス漏れなどの異常を感知する機能をもつ保安機器でもあるので、リユース品でも新品と同等の品質が要求される。特に、膜式ガスメータの主要部品であるダイヤフラムは、計量制度に大きく影響を与えるため、その寿命は適切に見極める必要がある。
ガスメータは、計量器であるのに加えて、地震やガス漏れなどの異常を感知する機能をもつ保安機器でもあるので、リユース品でも新品と同等の品質が要求される。特に、膜式ガスメータの主要部品であるダイヤフラムは、計量制度に大きく影響を与えるため、その寿命は適切に見極める必要がある。
このような膜式ガスメータのダイヤフラムの寿命評価には、従来、規定されている最大流量で数千時間駆動して、ダイヤフラムの膨張と収縮とを繰り返して行い、その前後の計量性能を確認する駆動耐久試験が採用されてきた。
しかしながら、この駆動耐久性試験を経た後の膜式ガスメータが示す器差(計量性能の変化)は、駆動耐久試験前の計量性能に対してマイナス側に変化する所謂マイナス器差を示すものとなり、プラス側に変化するプラス器差を示す現実的な計量性能の変化を必ずしも再現するものではなかった。よって、この駆動耐久試験を基準にダイヤフラムの寿命を判断することは必ずしも適切であるとは言えなかった。
しかしながら、この駆動耐久性試験を経た後の膜式ガスメータが示す器差(計量性能の変化)は、駆動耐久試験前の計量性能に対してマイナス側に変化する所謂マイナス器差を示すものとなり、プラス側に変化するプラス器差を示す現実的な計量性能の変化を必ずしも再現するものではなかった。よって、この駆動耐久試験を基準にダイヤフラムの寿命を判断することは必ずしも適切であるとは言えなかった。
そこで、ダイヤフラムの寿命をできるだけ正確に見極めるために、回収した膜式ガスメータのダイヤフラムの劣化状態を判定する検査方法として、外装ケーシングの外表面に温度の影響により光学的物性が変化する温度履歴表示部を設け、その温度履歴表示部の光学的物性からダイヤフラムの劣化状態を判定する方法が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
また、別の検査方法として、ダイヤフラムの厚さ方向における電気的特性を計測し、その計測結果からダイヤフラムの劣化状態を判定する方法が知られている(例えば、特許文献2を参照。)。
また、別の検査方法として、ダイヤフラムの厚さ方向における電気的特性を計測し、その計測結果からダイヤフラムの劣化状態を判定する方法が知られている(例えば、特許文献2を参照。)。
特許文献1に記載の検査方法では、温度履歴表示部が外装ケーシングの外表面に設けられているので、ダイヤフラムの劣化状態が同じであっても、膜式ガスメータの設置場所における気温や日照条件等が異なると、その温度履歴表示部の光学的物性が異なるものとなってしまい、その光学的特性がダイヤフラムの劣化状態を正確に示すものではなくなる場合があるという問題があった。
また、特許文献2に記載の検査方法では、ダイヤフラムの電気的特性を計測するために、ダイヤフラムを一旦分解してその縁部に電極等を設けというような煩雑な作業が必要になるという問題があった。
また、特許文献2に記載の検査方法では、ダイヤフラムの電気的特性を計測するために、ダイヤフラムを一旦分解してその縁部に電極等を設けというような煩雑な作業が必要になるという問題があった。
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、膜式ガスメータ及びその検査方法において、ダイヤフラムの劣化状態を簡単且つ正確に判定することができる技術を提供する点にある。
この目的を達成するための本発明に係る膜式ガスメータの検査方法は、
外装ケーシングの内部に形成された計量室を区画すると共に当該計量室へのガスの給排により往復動するゴム製のダイヤフラムを備え、当該ダイヤフラムの往復動を検出してガスの供給量を計量する膜式ガスメータの検査方法であって、
その第1特徴構成は、
前記計量室に、温度履歴により光学的物性が変化する温度履歴表示部を設けた膜式ガスメータを検査対象とし、
実際の使用時間である実使用時間を取得する実使用時間取得工程と、
前記温度履歴表示部の光学的物性を測定して、当該測定結果を前記計量室の実際の温度履歴である実温度履歴を取得する実温度履歴取得工程と、
前記実使用時間と前記実温度履歴とから、前記ダイヤフラムの劣化状態を判定する判定工程とを行う点にある。
外装ケーシングの内部に形成された計量室を区画すると共に当該計量室へのガスの給排により往復動するゴム製のダイヤフラムを備え、当該ダイヤフラムの往復動を検出してガスの供給量を計量する膜式ガスメータの検査方法であって、
その第1特徴構成は、
前記計量室に、温度履歴により光学的物性が変化する温度履歴表示部を設けた膜式ガスメータを検査対象とし、
実際の使用時間である実使用時間を取得する実使用時間取得工程と、
前記温度履歴表示部の光学的物性を測定して、当該測定結果を前記計量室の実際の温度履歴である実温度履歴を取得する実温度履歴取得工程と、
前記実使用時間と前記実温度履歴とから、前記ダイヤフラムの劣化状態を判定する判定工程とを行う点にある。
また、この目的を達成するための本発明に係る膜式ガスメータは、本発明に係る膜式ガスメータの検査方法で使用され、外装ケーシングの内部に形成された計量室を区画すると共に当該計量室へのガスの給排により往復動するゴム製のダイヤフラムを備え、当該ダイヤフラムの往復動を検出してガスの供給量を計量する膜式ガスメータであって、
その第1特徴構成は、
前記計量室に、温度履歴により光学的物性が変化する温度履歴表示部を備えた点にある。
その第1特徴構成は、
前記計量室に、温度履歴により光学的物性が変化する温度履歴表示部を備えた点にある。
上記第1特徴構成によれば、ダイヤフラムが設けられた計量室に温度履歴表示部が設けられた膜式ガスメータを検査対象とする。従って、この検査対象の膜式ガスメータの計量室に設けられた温度履歴表示部の光学的特性は、同じく計量室に設けられたダイヤフラムが受けた温度履歴を正確に示すものとなる。よって、かかる検査対象の膜式ガスメータに対する検査方法では、上記実温度履歴取得工程において、その温度履歴表示部の光学的物性を測定して、当該測定結果を計量室並びにそこに設けられたダイヤフラムの実際の温度履歴である実温度履歴として取得することができる。
更に、このように取得した実温度履歴に加えて、上記実使用時間取得工程で取得した実使用時間を用いることで、ダイヤフラムが使用されていた実際の環境条件における温度履歴と使用時間とを正確に把握できるので、上記判定工程において、ダイヤフラムの温度履歴に起因する劣化状態を簡単且つ正確に判定することができる。
従って、本発明により、ダイヤフラムの劣化状態を簡単且つ正確に判定することができる膜式ガスメータ及びその検査方法を実現することができる。
更に、このように取得した実温度履歴に加えて、上記実使用時間取得工程で取得した実使用時間を用いることで、ダイヤフラムが使用されていた実際の環境条件における温度履歴と使用時間とを正確に把握できるので、上記判定工程において、ダイヤフラムの温度履歴に起因する劣化状態を簡単且つ正確に判定することができる。
従って、本発明により、ダイヤフラムの劣化状態を簡単且つ正確に判定することができる膜式ガスメータ及びその検査方法を実現することができる。
本発明に係る膜式ガスメータの検査方法の第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、
前記判定工程において、前記ダイヤフラムを構成するゴム中における所定の添加剤の残存量が許容値以下になるときの限界放置時間と当該ゴムの温度履歴との相関関係を用いて、前記実使用時間と前記実温度履歴とから、前記ダイヤフラムの余寿命を前記劣化状態として判定する点にある。
前記判定工程において、前記ダイヤフラムを構成するゴム中における所定の添加剤の残存量が許容値以下になるときの限界放置時間と当該ゴムの温度履歴との相関関係を用いて、前記実使用時間と前記実温度履歴とから、前記ダイヤフラムの余寿命を前記劣化状態として判定する点にある。
上記第2特徴構成によれば、ダイヤフラムの劣化状態が、ダイヤフラムを構成するゴム中における可塑剤などの所定の添加剤の残存量に依存することから、その残存量が例えばリユース可能と判断できる許容値以下になるときの限界放置時間と当該ゴムの温度履歴との相関関係を、予め試験等により求めておけば、上記判定工程において、その相関関係を用いて、実温度履歴と実使用時間とからダイヤフラムの劣化状態を一層正確に判定することができる。
本発明に係る膜式ガスメータの検査方法の第3特徴構成は、上記第2特徴構成に加えて、
前記相関関係を、複数の温度履歴の条件において前記ゴム中における添加剤の残存量の放置時間に対する推移を計測する熱加速試験の結果を用いてアレニウス則により算出する点にある。
即ち、上記第3特徴構成によれば、上記のような熱加速試験を予め行い、その結果を用いて、上記第2特徴構成で用いる限界放置時間と温度履歴との相関関係を簡単に算出することができる。
前記相関関係を、複数の温度履歴の条件において前記ゴム中における添加剤の残存量の放置時間に対する推移を計測する熱加速試験の結果を用いてアレニウス則により算出する点にある。
即ち、上記第3特徴構成によれば、上記のような熱加速試験を予め行い、その結果を用いて、上記第2特徴構成で用いる限界放置時間と温度履歴との相関関係を簡単に算出することができる。
本発明に係る膜式ガスメータの検査方法の第4特徴構成は、上記第1乃至第3特徴構成の何れかに加えて、
所定の検定有効期間使用された膜式ガスメータを検査対象として回収し、
前記実使用時間取得工程が、前記検定有効期間を前記実使用時間として取得する点にある。
所定の検定有効期間使用された膜式ガスメータを検査対象として回収し、
前記実使用時間取得工程が、前記検定有効期間を前記実使用時間として取得する点にある。
上記第4特徴構成によれば、10年等の所定の検定有効期間使用された膜式ガスメータを検査対象として回収する場合には、上記実使用時間取得工程において、その検定有効期間を実使用時間として簡単に取得することができるので、実使用時間を計測するための手段等を設ける必要がない。
本発明に係る膜式ガスメータ及びその検査方法の実施形態を図面に基づいて説明する。
尚、説明に際しては、先ず、膜式ガスメータ100の構成に関して説明した後に、その膜式ガスメータ100の検査方法に関して説明する。
尚、説明に際しては、先ず、膜式ガスメータ100の構成に関して説明した後に、その膜式ガスメータ100の検査方法に関して説明する。
〔膜式ガスメータ〕
膜式ガスメータ100は、図1に示すように、ガス供給口1及びガス排出口2を備えた外装ケーシングCを備え、ガス供給口1及びガス排出口2を、住宅等のガス需要先にガスを供給するガス供給管(図示省略)の途中に接続して、ガス供給管を流れるガスの流量を計測し、外装ケーシングCの外部に設けた表示部3に計測したガス流量を表示する。
膜式ガスメータ100は、図1に示すように、ガス供給口1及びガス排出口2を備えた外装ケーシングCを備え、ガス供給口1及びガス排出口2を、住宅等のガス需要先にガスを供給するガス供給管(図示省略)の途中に接続して、ガス供給管を流れるガスの流量を計測し、外装ケーシングCの外部に設けた表示部3に計測したガス流量を表示する。
図3及び図5に示すように、外装ケーシングC内には、計量室4へのガスの給排を制御するスライド弁機構V、計量室4へのガスの給排により往復動する計量膜部F、その計量膜部Fの1往復で1回転するように、計量膜部Fにリンク機構Lにて連動連結された回転部R、その回転軸芯から径方向に離れた位置に位置して、計量膜部Fの往復動に伴って、その回転軸芯周りに回転するように設けられた磁石5、その磁石5が特定回転位相に回転したときに動作するリードスイッチ6、及び、そのリードスイッチ6からの信号と前記設定計測基準流量とに基づいて流量を求めると共に求めた流量を上述の表示部3に表示させる制御部7が、夫々設けられている。
外装ケーシングCは、図1、図2に示すように、下ケーシングC1及び上ケーシングC2から成る。周知であるので詳細な説明並びに図示は省略するが、上ケーシングC2内には、上述の制御部7の他に、図示は省略するが、膜式ガスメータ100に供給されるガス圧力を検出する圧力センサ、地震の震動を検出する感震器、及び、ガス供給遮断弁などが設けられている。
図2及び図3に示すように、下ケーシングC1の内部は、その中央部が仕切り壁9にて仕切られており、その仕切り壁9の両側それぞれに仕切り壁9を底部とする概ね円筒形状の計量室形成用空間が形成されている。更に、この各計量室形成用空間の中央部が計量膜部Fにて仕切られており、各計量室形成用空間の開口部が蓋10にて閉じられて、各計量膜部Fの両側夫々に計量室4が形成されている。即ち、計量膜部Fが1対設けられ、計量室4が4室形成されている。
計量膜部Fは、図2、図3、図4に示すように、計量室4を形成する下ケーシングC1に枠状の整膜板14により周縁部を固定した状態で設けたダイヤフラム(具体的にはゴム膜で構成される)11と、そのダイヤフラム11の両面夫々の中央部に保持した円形の膜板12とで構成されており、外側の膜板12の中央には丁番台13が設けられている。
即ち、計量膜部Fを構成するダイヤフラム11は、外装ケーシングCの内部に形成された計量室4を区画すると共に、当該計量室4へのガスの給排により往復動するように構成されている。
このダイヤフラム11は、可撓性を有するゴムと基布とからなる複合材で構成されている。
ダイヤフラム11を構成するゴムの主成分は、ニトリルブタジエンゴム(NBR)とエピクロロヒドリンゴムであり、NBRは耐油性、耐摩耗性及び耐熱劣化性に優れ、エピクロロヒドリンゴムは耐寒性に優れることが一般的に知られている。また、このゴムには、可塑剤等の添加剤が含まれている。
一方、ダイヤフラム11を構成する基布の主成分は耐熱性及び強度に優れるPETであり、ダイヤフラム11の往復動における反転時の変形挙動を安定化させる機能を担っている。
このダイヤフラム11は、可撓性を有するゴムと基布とからなる複合材で構成されている。
ダイヤフラム11を構成するゴムの主成分は、ニトリルブタジエンゴム(NBR)とエピクロロヒドリンゴムであり、NBRは耐油性、耐摩耗性及び耐熱劣化性に優れ、エピクロロヒドリンゴムは耐寒性に優れることが一般的に知られている。また、このゴムには、可塑剤等の添加剤が含まれている。
一方、ダイヤフラム11を構成する基布の主成分は耐熱性及び強度に優れるPETであり、ダイヤフラム11の往復動における反転時の変形挙動を安定化させる機能を担っている。
図4に示すように、翼軸16が、その軸心を上下方向に向けて上端側を下ケーシングC1の上部壁に形成した孔に気密状に貫通させた状態で回動自在に支承され、その翼軸16に翼15が支持されている。つまり、翼15が翼軸16により下ケーシングC1に揺動自在に支承されている。
下ケーシングC1の上部壁の貫通部位には、この部位に螺合される翼軸ボックス160が設けられており、このボックス160内を翼軸16が貫通する構成が採用されている。翼軸ボックス160の上側にはシール用のゴム材161が嵌め込まれており、気密状態が保たれる。
下ケーシングC1の上部壁の貫通部位には、この部位に螺合される翼軸ボックス160が設けられており、このボックス160内を翼軸16が貫通する構成が採用されている。翼軸ボックス160の上側にはシール用のゴム材161が嵌め込まれており、気密状態が保たれる。
翼軸に接続された翼15の先端に支持した丁番軸26が、その軸心周りに相対回転自在に丁番台13に挿通され、計量膜部Fの往復動に伴って翼15が揺動するように、計量膜部Fと翼15とが連結されている。丁番台13には、挿通孔形成部分13a及び丁番軸挿通孔13bが設けられている。
図3及び図5に示すように、リンク機構Lは、端部同士を互いに枢支連結した大肘金17と小肘金18との組を2組備えて構成されている。そして、各翼軸16の上端部が、各大肘金17の一端に固定連結されている。
図3及び図5に示すように、回転部Rは、下ケーシングC1の上部壁上に取り付けた支持台19に上下方向の軸心周りで回転自在に支持したクランク軸20と、そのクランク軸20の上端に同軸芯状に取り付けた回転円板21とを備えて構成されている。このクランク軸20には、その径方向外方に突出する状態でクランクアーム22が取り付けられている。
回転円板21の上面の外周側に磁石5が設けられており、リードスイッチ6が、その回転円板21の外周に位置する状態で支持台19に支持されている。
回転円板21の上面の外周側に磁石5が設けられており、リードスイッチ6が、その回転円板21の外周に位置する状態で支持台19に支持されている。
図3及び図5に示すように、スライド弁機構Vは、計量膜部Fの往復動にて開閉操作されて4室の計量室4のガスの給排を制御するように、下ケーシングC1の上部壁に設けられている。
スライド弁機構Vについて説明を加えると、下ケーシングC1の上部壁には、計量膜部Fを介して対向する2室の計量室4に各別に連通する2個のガス給排口Xが、間隔を隔てて並設され、2個のガス給排口Xが並ぶガス給排口Xの組が2組設けられている。更に、各組のガス給排口Xの間には、ガス排出口Yが設けられている。つまり、ガス排出口Yの両側に、2個のガス給排口Xが並ぶ給排用開口部列が2列形成されていることになる。
スライド弁機構Vについて説明を加えると、下ケーシングC1の上部壁には、計量膜部Fを介して対向する2室の計量室4に各別に連通する2個のガス給排口Xが、間隔を隔てて並設され、2個のガス給排口Xが並ぶガス給排口Xの組が2組設けられている。更に、各組のガス給排口Xの間には、ガス排出口Yが設けられている。つまり、ガス排出口Yの両側に、2個のガス給排口Xが並ぶ給排用開口部列が2列形成されていることになる。
各給排用開口部列のガス排出口Yは、下ケーシングC1の上部壁に設けたガス排出用接続口Zに対して、ガス排出路(図示省略)にて接続されている。このガス排出用接続口Zは、下ケーシングC1上に上ケーシングC2を設けた状態で、上ケーシングC2内に設けたガス排出路(図示省略)にてガス排出口2に接続されている。
各給排用開口部列の上部には、扇状の弁体23が、上下方向の軸部にて給排用開口部列の開口部並び方向に揺動自在に支持されている。
弁体23は、各揺動端に位置する状態で、揺動端側のガス給排口Xとガス排出口Yとを裏面に形成された連通用凹部(図示省略)により接続すると共に揺動端と反対側のガス給排口Xを開口し、一方、揺動方向の中央に位置する状態で、両方のガス給排口Xを閉じるように構成されている。
弁体23は、各揺動端に位置する状態で、揺動端側のガス給排口Xとガス排出口Yとを裏面に形成された連通用凹部(図示省略)により接続すると共に揺動端と反対側のガス給排口Xを開口し、一方、揺動方向の中央に位置する状態で、両方のガス給排口Xを閉じるように構成されている。
図5に示すように、クランク台24の一端を、クランクアーム22の先端に軸心が上下方向を向くように設けた軸部22aに枢支し、各翼軸16の上端部に、各大肘金17の一端を枢支し、両方の小肘金18の一端をクランク台24におけるクランクアーム22に対する枢支軸芯から偏芯させた位置に枢支している。このことにより、計量膜部Fと回転部Rとが連動連結され、クランクアーム22の軸部22aに連結した2本のクランクロッド25夫々が各弁体23に連結される。
そして、1対の計量膜部Fが1往復すると、各翼軸16が所定角度で回動し、その回動に伴って、リンク機構Lにより回転部Rが1回転して、各弁体23が揺動し、4個の計量室4に対するガスの給排が制御される。
つまり、スライド弁機構Vは、2個の弁体23、各弁体23に夫々対応する2列の給排用開口部列(ガス排出口Yの両側に2個のガス給排口Xが並ぶもの)を備え、2個の弁体23夫々の揺動によって4室の計量室4へのガスの給排が行われるように構成されている。
そして、スライド弁機構Vが計量膜部Fの往復動にて開閉操作されるように、翼軸16とスライド弁機構Vとが、リンク機構L及びクランク軸20とクランクアーム22とからなる回転部Rに連結されている。
そして、スライド弁機構Vが計量膜部Fの往復動にて開閉操作されるように、翼軸16とスライド弁機構Vとが、リンク機構L及びクランク軸20とクランクアーム22とからなる回転部Rに連結されている。
以上のように構成された膜式ガスメータ100には、ダイヤフラムの劣化状態を簡単且つ正確に判定するために、計量室4に、温度履歴により光学的物性が変化する温度履歴表示部Iが設けられており、その詳細について以下に説明を加える。
図2、図3、図4に示すように、計量室4に面しダイヤフラム11の中央部に保持された膜板12の表面に、温度履歴により光学的物性が変化する温度履歴表示部Iが形成されている。
図2、図3、図4に示すように、計量室4に面しダイヤフラム11の中央部に保持された膜板12の表面に、温度履歴により光学的物性が変化する温度履歴表示部Iが形成されている。
この温度履歴表示部Iは、ダイヤフラム11が収容されている計量室4の温度履歴によって色度や光反射率等の光学的物性が目視又は測定機器による測定により認識可能な程度に変化するものとして構成されている。
かかる温度履歴表示部Iに利用する材料としては、特定温度まで温度上昇したときに変色して再び温度下降しても元の色に戻らない公知の不可逆性示温材が利用されている。
そして、かかる不可逆性示温材の塗料を膜板12の表面の全体又は一部に塗装したり、当該塗料を塗布したテープ材を膜板12の表面に貼り付けるなどの形態で、上記温度履歴表示部Iが膜板12の表面に設けられている。
尚、本実施形態では、公知の不可逆性示温材を温度履歴表示部Iに利用するが、ポリエステル樹脂やアクリルウレタン樹脂等のような劣化変色しやすい樹脂材料と酸化防止剤とを組み合わせた材料についても、温度履歴によって光学的物性が変化する温度履歴表示部Iとして利用することができる。
かかる温度履歴表示部Iに利用する材料としては、特定温度まで温度上昇したときに変色して再び温度下降しても元の色に戻らない公知の不可逆性示温材が利用されている。
そして、かかる不可逆性示温材の塗料を膜板12の表面の全体又は一部に塗装したり、当該塗料を塗布したテープ材を膜板12の表面に貼り付けるなどの形態で、上記温度履歴表示部Iが膜板12の表面に設けられている。
尚、本実施形態では、公知の不可逆性示温材を温度履歴表示部Iに利用するが、ポリエステル樹脂やアクリルウレタン樹脂等のような劣化変色しやすい樹脂材料と酸化防止剤とを組み合わせた材料についても、温度履歴によって光学的物性が変化する温度履歴表示部Iとして利用することができる。
そして、このように計量室4に面する膜板12の表面に設けた温度履歴表示部Iの光学的物性は、同じく計量室4に面するダイヤフラム11の温度履歴を正確に示すものとなる。
よって、詳細については後述するが、その膜式ガスメータ100の検査方法において、その温度履歴表示部Iの光学的物性の変化程度、具体的には色度や光反射率の低下程度を目視や計測機器等により測定することにより、ダイヤフラム11の劣化状態を簡単且つ正確に判定することができるようになる。
また、温度履歴表示部Iの光学的物性と、所定の検定有効期間使用されたダイヤフラム11の劣化状態との相関関係を予め把握しておくことができる場合には、その相関関係に基づいて、温度履歴表示部Iの光学的物性の変化程度から、当該検定有効期間使用されたダイヤフラム11の劣化状態を一層正確に判定することができる。
よって、詳細については後述するが、その膜式ガスメータ100の検査方法において、その温度履歴表示部Iの光学的物性の変化程度、具体的には色度や光反射率の低下程度を目視や計測機器等により測定することにより、ダイヤフラム11の劣化状態を簡単且つ正確に判定することができるようになる。
また、温度履歴表示部Iの光学的物性と、所定の検定有効期間使用されたダイヤフラム11の劣化状態との相関関係を予め把握しておくことができる場合には、その相関関係に基づいて、温度履歴表示部Iの光学的物性の変化程度から、当該検定有効期間使用されたダイヤフラム11の劣化状態を一層正確に判定することができる。
更に、この温度履歴表示部Iは、膜板12に対して着脱自在に設けられており、膜式ガスメータ100の設置時又は交換時に新設される。よって、設置又は交換された直後の膜式ガスメータ100には、温度履歴を受けていない新たな温度履歴表示部Iが設けられることになるので、その温度履歴表示部Iの光学的物性の変化程度が、その設置時又は交換時からのダイヤフラム11に対する温度履歴を正確に示すものとなる。
〔検査方法〕
以上が膜式ガスメータ100の構成に関する説明であるが、この膜式ガスメータ100に対する検査方法は、例えば10年間等の検定有効期間が経過して回収された膜式ガスメータ(以下、「検満メータ」と呼ぶ。)100を検査対象とし、その検満メータ100に設けられているダイヤフラム11の実際の使用時間を実使用時間として取得する実使用時間取得工程と、温度履歴表示部Iの光学的物性を示す光学的物性値を測定し、当該測定した光学的物性値を計量室4の実際の温度履歴である実温度履歴として取得する実温度履歴取得工程と、夫々取得した実使用時間と実温度履歴とから、検満メータ100に設けられていたダイヤフラム11の劣化状態を判定する判定工程とを行うものである。
以上が膜式ガスメータ100の構成に関する説明であるが、この膜式ガスメータ100に対する検査方法は、例えば10年間等の検定有効期間が経過して回収された膜式ガスメータ(以下、「検満メータ」と呼ぶ。)100を検査対象とし、その検満メータ100に設けられているダイヤフラム11の実際の使用時間を実使用時間として取得する実使用時間取得工程と、温度履歴表示部Iの光学的物性を示す光学的物性値を測定し、当該測定した光学的物性値を計量室4の実際の温度履歴である実温度履歴として取得する実温度履歴取得工程と、夫々取得した実使用時間と実温度履歴とから、検満メータ100に設けられていたダイヤフラム11の劣化状態を判定する判定工程とを行うものである。
具体的には、図6に示すように、先ず、検満メータ100の下ケーシングC1の蓋10を開放して、計量膜部Fの膜板12に設けられた温度履歴表示部Iを取り出す(ステップ#1)。
次に、その取り出した温度履歴表示部Iの光学的物性としての色度又は光反射率の光学的物性値を、色度測定器又は光反射率測定器等の光学機器などにより測定して(ステップ#2)、この測定した温度履歴表示部Iの光学的特性を、当該温度履歴表示部Iと同じように計量室4に面する状態で設けられたダイヤフラム11の実際の温度履歴である実温度履歴として取得する実温度履歴取得工程を実行する(ステップ#3)。
次に、その取り出した温度履歴表示部Iの光学的物性としての色度又は光反射率の光学的物性値を、色度測定器又は光反射率測定器等の光学機器などにより測定して(ステップ#2)、この測定した温度履歴表示部Iの光学的特性を、当該温度履歴表示部Iと同じように計量室4に面する状態で設けられたダイヤフラム11の実際の温度履歴である実温度履歴として取得する実温度履歴取得工程を実行する(ステップ#3)。
また、ダイヤフラム11の実際の使用時間である実使用時間として取得する実使用時間取得工程を実行する(ステップ#4)。尚、本実施形態では、この実使用時間は、10年当の検査有効期間に相当する時間とされる。
そして、上記のように取得した実使用時間tと実温度履歴nとから、上記実温度履歴nを使用時間の関数として予め設定された閾値N(t)と比較する形態で、ダイヤフラム11の劣化状態を判定する判定工程を実行する(ステップ#5)。
そして、実温度履歴nが閾値N(t)以上である場合には、ダイヤフラム11の劣化状態が進行して寿命が尽きたと判断して、対応する検満メータ100のダイヤフラム11を含む計量膜部Fを新品に交換し(ステップ#5)、逆に、実温度履歴nが閾値N(t)未満である場合には、ダイヤフラム11の劣化状態が進行しておらず余寿命が十分にあると判断して、対応する検満メータ100のダイヤフラム11を含む計量膜部Fを交換せずにリユースに供する。
そして、実温度履歴nが閾値N(t)以上である場合には、ダイヤフラム11の劣化状態が進行して寿命が尽きたと判断して、対応する検満メータ100のダイヤフラム11を含む計量膜部Fを新品に交換し(ステップ#5)、逆に、実温度履歴nが閾値N(t)未満である場合には、ダイヤフラム11の劣化状態が進行しておらず余寿命が十分にあると判断して、対応する検満メータ100のダイヤフラム11を含む計量膜部Fを交換せずにリユースに供する。
上記ステップ#5の判定工程で用いる閾値N(t)は、ダイヤフラム11を構成するゴム中における可塑剤などの添加剤の残存量が許容値以下になるときの限界放置時間と当該ゴムの温度履歴との相関関係から予め試験等により導出することができ、以下に、その試験方法の詳細を説明する。
先ず、膜式ガスメータ100の設置環境下におけるダイヤフラム11の20年相当の熱加速試験を行う。この熱加速試験のパラメータとしては、ダイヤフラム11を構成するゴム中における添加剤の残存量(含有率)及びダイヤフラム11のガラス転移温度に着目し、これらの値が20年使用品と同等になるように、熱加速試験の条件を特定する。
ゴム中における添加剤の残存量を検討するにあたり、ダイヤフラム11の周辺部から幅15mm長さ30mmの平板状試験片を基布の織り方向に対してバイアス方向で採り、試験片を60℃、70℃、80℃の恒温槽に放置した後に膨潤試験を行ってゴム中の添加剤の残存量を求めた。尚、試験片の放置時間は、各温度で200時間、500時間、1000時間、2000時間、4000時間、6000時間、8000時間とし、サンプル数は各5とした。
上記膨潤試験では、試験片を20℃24時間トルエンに浸漬し、手早く濾紙でふき取った後に24時間室温放置する過程において、試験片の試験前の重量a、トルエン浸漬直後の重量b及び取出後24時間放置後の重量cを電子天秤で測定し、それら測定値から、下記の式(1)及び(2)で表される重量変化率(%)を算出した。尚、式(1)式はゴム中における添加剤に関連し、値が大きいほどゴム中に添加剤が多く残存することを意味する。式(2)はゴムの架橋度に関連し、値が大きいほどゴムの架橋度が小さいことを意味する。
(a−c)/a×100 ・・・(1)
b/c×100 ・・・(2)
b/c×100 ・・・(2)
また、ダイヤフラム11のガラス転移温度の検討では、ダイヤフラム11の周辺部分から幅5mm長さ40mmの平板状試験片を基布の織り方向に対してバイアス方向で採り、試験片を70℃の恒温槽に放置した後に動的粘弾性測定を行った。試験片の放置時間は1000時間、2000時間、4000時間である。サンプル数は各1とした。
かかる熱加速試験結果として、当該熱加速試験でのゴム中における添加剤の残存量の推移を示すグラフ図を、図7に示す。
この結果から、温度の影響により可塑剤等の添加物の揮発が促進され、ゴム中における添加剤の残存量が減少する様子が確認できる。
また、20年使用されて回収された膜式ガスメータ100では、ゴム中における添加剤の残存量の最小値は、9.2%であった。そして、この最小値を許容値とし、ゴム中の所定の添加剤の残存量が当該許容値以下になるときの使用限界時間は、当該ゴムの温度履歴である温度毎に夫々、60℃で約6000時間(L60)、70℃で約2000時間(L70)、80℃で約500時間(L80)であることがわかった。
この結果から、温度の影響により可塑剤等の添加物の揮発が促進され、ゴム中における添加剤の残存量が減少する様子が確認できる。
また、20年使用されて回収された膜式ガスメータ100では、ゴム中における添加剤の残存量の最小値は、9.2%であった。そして、この最小値を許容値とし、ゴム中の所定の添加剤の残存量が当該許容値以下になるときの使用限界時間は、当該ゴムの温度履歴である温度毎に夫々、60℃で約6000時間(L60)、70℃で約2000時間(L70)、80℃で約500時間(L80)であることがわかった。
また、この熱加速試験結果をアレニウス則でプロットしたグラフ図を、図8に示す。
このグラフ図は、60℃、70℃、80℃の絶対温度標記の逆数(1/T)に対し、ゴム中における添加剤の残存量が9.2%になる熱加速時間L60、L70、L80の自然対数(lnL)をプロットしたものであり、ダイヤフラム11を構成するゴム中の添加剤の残存量が許容値以下になるときの使用限界時間と当該ゴムの温度履歴との相関関係を示すものとなる。
このグラフ図から、上記熱加速試験で得られた結果である3点は直線でよく近似できていることがわかる。そして、この直線の傾きを読み取り、見かけ上の活性化エネルギーを算出すると1.26eVであることがわかる。
そして、上記ステップ#5の判定工程で用いる閾値N(t)は、上記アレニウス則でプロットした直線から求めることができる。
このグラフ図は、60℃、70℃、80℃の絶対温度標記の逆数(1/T)に対し、ゴム中における添加剤の残存量が9.2%になる熱加速時間L60、L70、L80の自然対数(lnL)をプロットしたものであり、ダイヤフラム11を構成するゴム中の添加剤の残存量が許容値以下になるときの使用限界時間と当該ゴムの温度履歴との相関関係を示すものとなる。
このグラフ図から、上記熱加速試験で得られた結果である3点は直線でよく近似できていることがわかる。そして、この直線の傾きを読み取り、見かけ上の活性化エネルギーを算出すると1.26eVであることがわかる。
そして、上記ステップ#5の判定工程で用いる閾値N(t)は、上記アレニウス則でプロットした直線から求めることができる。
また、上記熱加速試験とは別に、20年使用されて回収された膜式ガスメータ100のダイヤフラム11に対し、引張試験を行い、荷重変位曲線から最大荷重、破断伸び、ヤング率を求めた結果を、以下に簡単に説明する。
各項目ともに、新品と回収品とで顕著な値の変化は確認されなかった。その理由として、ダイヤフラム11はゴムと基布の複合部材であり、試験片の破断時にはゴムよりも基布の影響を強く受けたためと推測される。即ち、引張試験は、ダイヤフラムのゴムの経年劣化の評価パラメータとして適切でないことがわかった。
各項目ともに、新品と回収品とで顕著な値の変化は確認されなかった。その理由として、ダイヤフラム11はゴムと基布の複合部材であり、試験片の破断時にはゴムよりも基布の影響を強く受けたためと推測される。即ち、引張試験は、ダイヤフラムのゴムの経年劣化の評価パラメータとして適切でないことがわかった。
〔その他の実施形態〕
最後に、本発明のその他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用されるものに限られず、矛盾が生じない限り、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
最後に、本発明のその他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用されるものに限られず、矛盾が生じない限り、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1) 上記実施形態では、温度履歴表示部Iを、ダイヤフラム11と略同じ温度履歴を受ける膜板12の表面に設けたが、別に、ダイヤフラム11が面する計量室4であれば、温度履歴表示部Iを別の位置に設けても構わない。
また、膜板12などのような計量室4に面する構成部品そのものを温度履歴表示部Iとして構成しても構わない。
また、膜板12などのような計量室4に面する構成部品そのものを温度履歴表示部Iとして構成しても構わない。
(2) 上記実施の形態では、光学機器により温度履歴表示部Iの色度や光反射率の光学的物性を測定したが、目視によりその光学的物性を測定しても構わない。また、目視により測定する場合には、検定有効期間満了時での夫々の劣化状態を示す温度履歴表示部Iの光学的物性を示す見本を準備し、その見本との比較により、ダイヤフラム11の交換又はリユースを判断することができる。
(3) 上記実施の形態では、図6のステップ#5の判定工程で用いる閾値を、使用時間の関数として予め設定された閾値N(t)としたが、検定有効期間から取得される実使用時間が常に10年等に相当する一定の時間に固定されている場合には、閾値N(t)にその固定された実使用時間を代入して得られる固定値を、判定工程で実温度履歴nとの比較で用いる閾値として利用しても構わない。
また、この場合、ステップ#4の実使用時間取得工程は、その閾値として用いられる固定値を算出する際に実行されるものと解釈できる。
また、この場合、ステップ#4の実使用時間取得工程は、その閾値として用いられる固定値を算出する際に実行されるものと解釈できる。
本発明は、外装ケーシングの内部に形成された計量室を区画すると共に当該計量室へのガスの給排により往復動するゴム製のダイヤフラムを備え、当該ダイヤフラムの往復動を検出してガスの供給量を計量する膜式ガスメータ及びその検査方法として好適に利用可能である。
4 :計量室
11 :ダイヤフラム
12 :膜板
100 :膜式ガスメータ
C :外装ケーシング
F :計量膜部
I :温度履歴表示部
11 :ダイヤフラム
12 :膜板
100 :膜式ガスメータ
C :外装ケーシング
F :計量膜部
I :温度履歴表示部
Claims (5)
- 外装ケーシングの内部に形成された計量室を区画すると共に当該計量室へのガスの給排により往復動するゴム製のダイヤフラムを備え、当該ダイヤフラムの往復動を検出してガスの供給量を計量する膜式ガスメータの検査方法であって、
前記計量室に、温度履歴により光学的物性が変化する温度履歴表示部を設けた膜式ガスメータを検査対象とし、
実際の使用時間である実使用時間を取得する実使用時間取得工程と、
前記温度履歴表示部の光学的物性を測定して、当該測定結果を前記計量室の実際の温度履歴である実温度履歴を取得する実温度履歴取得工程と、
前記実使用時間と前記実温度履歴とから、前記ダイヤフラムの劣化状態を判定する判定工程とを行う膜式ガスメータの検査方法。 - 前記判定工程において、前記ダイヤフラムを構成するゴム中における所定の添加剤の残存量が許容値以下になるときの限界放置時間と当該ゴムの温度履歴との相関関係を用いて、前記実使用時間と前記実温度履歴とから、前記ダイヤフラムの余寿命を前記劣化状態として判定する請求項1に記載の膜式ガスメータの検査方法。
- 前記相関関係を、複数の温度履歴の条件において前記ゴム中における添加剤の残存量の放置時間に対する推移を計測する熱加速試験の結果を用いてアレニウス則により算出する請求項2に記載の膜式ガスメータの検査方法。
- 所定の検定有効期間使用された膜式ガスメータを検査対象として回収し、
前記実使用時間取得工程が、前記検定有効期間を前記実使用時間として取得する請求項1〜3の何れか1項に記載の膜式ガスメータの検査方法。 - 請求項1〜4の何れか1項に記載の膜式ガスメータの検査方法で使用され、外装ケーシングの内部に形成された計量室を区画すると共に当該計量室へのガスの給排により往復動するゴム製のダイヤフラムを備え、当該ダイヤフラムの往復動を検出してガスの供給量を計量する膜式ガスメータであって、
前記計量室に、温度履歴により光学的物性が変化する温度履歴表示部を備えた膜式ガスメータ。
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JP2005283463A (ja) * | 2004-03-30 | 2005-10-13 | Osaka Gas Co Ltd | 膜式流量計の性能評価方法 |
JP2011169826A (ja) * | 2010-02-19 | 2011-09-01 | Osaka Gas Co Ltd | 計量装置 |
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2013
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