JP7134028B2 - ガスメータの検定方法 - Google Patents
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Description
また、これまでの方法では、検定の前の環境(例えば、ガスメータの内部温度)が安定しているかどうかについて、詳細な検証は行われておらず、この点に関しても改善の余地があった。
内部のガス通流路を通流するガスの流量を計測する流量計測部を有するガスメータの検定方法であって、その特徴構成は、
検定対象の前記ガスメータが、前記ガス通流路を通流するガスの温度を計測する温度計測部を備えたものであり、
検定を行う検定室において前記ガスメータを所定の待機時間待機させる待機工程と、当該待機工程の終了後に前記ガス通流路に所定流量の流体を通流させる準備作業工程と、前記準備作業工程の終了後に前記ガスメータの検定を行う検定工程と、
前記準備作業工程の開始前の前記待機工程中に、前記温度計測部にて計測される温度が所定の第1判定期間に亘って一定温度であることを条件とする第1条件と、前記検定工程の開始前で前記準備作業工程の終了後に、前記温度計測部にて計測される温度が所定の第2判定期間に亘って一定温度であることを条件とする第2条件と、前記準備作業工程の開始から終了に亘って前記温度計測部にて計測される温度が所定の温度変化幅に収まっていることを条件とする第3条件との少なくとも何れか一つを満たすことを判定する判定工程と、
前記判定工程による判定結果を前記ガスメータに備えられる出力部から外部に出力する出力工程とを実行する点にある。
当該判定工程では、準備作業工程の開始前の前記待機工程中に、温度計測部にて計測される温度が所定の第1判定期間に亘って一定温度であることを条件とする第1条件と、検定工程の開始前で準備作業工程の終了後に、温度計測部にて計測される温度が所定の第2判定期間に亘って一定温度であることを条件とする第2条件と、準備作業工程の開始から終了に亘って温度計測部にて計測される温度が所定の温度変化幅に収まっていることを条件とする第3条件との少なくとも何れか一つを満たすことを判定する。
第1条件~第3条件は、何れも、検定工程の開始前において、ガスメータの内部の温度が安定しているかどうかの判定を行うものであり、当該判定工程の判定結果を出力工程にて出力部から外部へ出力するから、例えば、検定工程を行う検定員は、出力部から出力される内容が、第1条件~第3条件の何れか一つを満たすときには、ガスメータの内部温度が安定していると判断でき、その後に、ガスメータが安定した環境にあることを前提として、検定工程を行うことができる。
更に、説明を追加すると、第1条件に関しては、判定工程において第1条件が満たされていると判定した場合、待機工程で待機時間を待機することなく、待機工程から準備作業工程へ移行することが好ましい。
これにより、待機工程においてこれまで比較的長時間を要していた待機時間を短縮することができる場合があり、検定の時短による効率化を図ることができる。
また、第1~3条件を満たしていることで、検定工程の前に、ガスメータの内部温度が安定していることを客観的に判断することができ、例えば、検定工程にて不具合が連続する場合等にその原因を客観的に判断する指標とすることができる。
以上より、検定を含む一連の処理を効率化できたり、検討の環境の安定性を客観的に知ることができ、場合によってはその結果に基づいた環境の再調整も行い得るガスメータの検定方法を実現できる。
前記ガスメータに設けられる前記出力部としての表示部、及び外部に設けられる監視センターと通信可能な前記出力部としての通信部との少なくとも何れか一方にて、前記出力工程を実行する点にある。
前記判定工程において、前記第1条件と前記第2条件と前記第3条件の何れも満たされないと判定された場合、再度、前記待機工程を実行した後に、前記検定工程を実行する点にある。
前記ガスメータが前記温度計測部にて計測された温度を表示する表示部を備えるものであり、前記判定工程は、前記温度計測部にて計測された温度を前記表示部にリアルタイムに表示する点にある。
以下、図面に基づいて本発明のガスメータ50の検定方法について説明する。
当該実施形態においては、図1~4に示すように、ガスメータ50として膜式メータを採用している。
図1~4に示すように、ガスメータ50は、筐体C内に、ガスが計量される計量室4と、計量室4(ガス通流路の一例)へガスを導入するガス導入路1と、計量室4からガスを排出するガス排出路2と、ガス導入路1から計量室4へのガスの導入及び計量室4からガス排出路2へのガスの排出を制御する弁部Vと、計量室4へのガスの供給及び計量室4からのガスの排出により往復運動する膜部Mと、膜部Mの往復運動にて弁部Vを開閉操作するリンク機構Lとを備える。また、ガスメータ50は、後述する制御部40を備える。
図2に示すように、ガスメータ50は、計量室4へのガスの給排を制御する弁部V、計量室4へのガスの給排により往復運動する膜部M、その膜部Mの1往復で1回転するように、膜部Mにリンク機構Lにて連動連結された回転体R、その回転軸芯から径方向に離れた位置に位置して、膜部Mの往復動に伴って、その回転軸芯周りに回転するように設けられた磁石5、その磁石5が特定回転位相に回転したときに動作するリードスイッチ6、及びそのリードスイッチ6からの信号と設定計測基準流量とに基づいて流量を求めると共に求めた流量を上述の表示部3に表示させる制御部40を、筐体C内に組み付けて構成してある。
尚、当該表示部3は、後述する判定工程での判定結果をLEDやセグメントディスプレイ等により表示可能に構成されている。
回転体Rは、下筐体C1の上部壁上に取り付けた支持台22に上下方向の軸心周りで回転自在に支持したクランク軸23と、そのクランク軸23の上端に同軸芯状に取り付けた回転円板24とを備えて構成し、クランク軸23には、その径方向外方に突出する状態でクランクロッド25を取り付けてある。
磁石5は、回転円板24の上面の外周側に設けて、リードスイッチ6は、回転円板24の外周に位置させて、支持台22に支持させて設けてある。
筐体Cの内部には、計量室4としてのガス通流路を通流するガスの温度を計測する温度センサ45(温度計測部の一例)、制御部が有する各種情報(例えば、後述する判定工程の判定結果)を外部の監視センタKに対しネットワーク回線Nを介して送信する通信部51、及びマイコンを用いて構成される制御部40等が装備されている。
尚、判定工程では、温度センサ45にて計測された温度を表示部3にリアルタイムに表示する。
当該実施形態における検定方法では、まずもって、比較的室内温度が安定している検定室(図示せず)に、検定対象の複数のガスメータ50が配設され、当該検定室にて決められた待機時間だけ待機する(#01)。
次に、判定工程が第1条件、第2条件、及び第3条件の少なくとも何れか一つの条件を判定する。具体的には、#02及び#03のステップ、#04及び#05のステップ、#06及び#07のステップの少なくとも一つを実行することで、判定工程が実行される。
当該第1条件に基づく判定のみを判定工程にて実行する場合、ガスメータ50の内部温度が第1判定期間に亘って一定温度に維持されているという合理的な基準が満たされていれば、待機時間が短縮される。このため、検定工程を行う安定した状態となっていることを担保しながらも、待機時間を短縮して検定全体の効率化を図ることができる。
尚、ここで、フロー図への記載は省略するが、判定工程において、第1条件と第2条件と第3条件とのいずれの条件も満足しない判定結果が出力された場合、検定員は、再度待機工程を実行した後に、検定工程を実行するように構成しても構わない。
(1)上記実施形態において、ガスメータ50は、膜式メータとして説明したが、例えば超音波メータ等の他のガスメータであっても、本発明はその効果を良好に発揮する。
また、逆に、判定結果を、監視センタKに送信し、ガスメータ50の表示部3に表示しない出力工程を採用しても構わない。
4 :計量室
45 :温度センサ
50 :ガスメータ
51 :通信部
K :監視センタ
Claims (5)
- 内部のガス通流路を通流するガスの流量を計測する流量計測部を有するガスメータの検定方法であって、
検定対象の前記ガスメータが、前記ガス通流路を通流するガスの温度を計測する温度計測部を備えたものであり、
検定を行う検定室において前記ガスメータを所定の待機時間待機させる待機工程と、当該待機工程の終了後に前記ガス通流路に所定流量の流体を通流させる準備作業工程と、前記準備作業工程の終了後に前記ガスメータの検定を行う検定工程と、
前記準備作業工程の開始前の前記待機工程中に、前記温度計測部にて計測される温度が所定の第1判定期間に亘って一定温度であることを条件とする第1条件と、前記検定工程の開始前で前記準備作業工程の終了後に、前記温度計測部にて計測される温度が所定の第2判定期間に亘って一定温度であることを条件とする第2条件と、前記準備作業工程の開始から終了に亘って前記温度計測部にて計測される温度が所定の温度変化幅に収まっていることを条件とする第3条件との少なくとも何れか一つを満たすことを判定する判定工程と、
前記判定工程による判定結果を前記ガスメータに備えられる出力部から外部に出力する出力工程とを実行する、ガスメータの検定方法。 - 前記判定工程において前記第1条件が満たされていると判定した場合、前記待機工程で前記待機時間を待機することなく、前記待機工程から前記準備作業工程へ移行する請求項1に記載のガスメータの検定方法。
- 前記ガスメータに設けられる前記出力部としての表示部、及び外部に設けられる監視センターと通信可能な前記出力部としての通信部との少なくとも何れか一方にて、前記出力工程を実行する請求項1又は2に記載のガスメータの検定方法。
- 前記判定工程において、前記第1条件と前記第2条件と前記第3条件の何れも満たされないと判定された場合、再度、前記待機工程を実行した後に、前記検定工程を実行する請求項1~3の何れか一項に記載のガスメータの検定方法。
- 前記ガスメータが前記温度計測部にて計測された温度を表示する表示部を備えるものであり、
前記判定工程は、前記温度計測部にて計測された温度を前記表示部にリアルタイムに表示する請求項1~4の何れか一項に記載のガスメータの検定方法。
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