JP2005283463A - 膜式流量計の性能評価方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 計量室を形成するケーシングに周縁部が固定された状態で設けられ、前記計量室へのガスの給排により往復動する膜部を、流量検出部に備えた膜式流量計の性能評価するに、膜式流量計を、常温より高い熱環境内に、200時間以上4000時間以下の評価時間放置し、放置後の膜式流量計の性能である放置後性能から膜式流量計を評価する。
【選択図】 図8
Description
前記自由姿勢においては膜材は膨張していない自由状態にあり、前記膨張姿勢において、前記膜材は膨張した状態である。
以上説明した動作は、特許文献1あるいは2に記載される従来技術に属する膜式流量計でも同様である。
膜部(計量膜)の状態においても、市場回収品ではしわが発生している場合が多いが、駆動耐久試験では、そのしわの状態を必ずしも再現できていなかった。
前記膜式流量計を、常温より高い熱環境内に、200時間以上4000時間以下の評価時間放置し、前記放置後の膜式流量計の性能である放置後性能から、前記膜式流量計を評価することにある。
この方法にあっては、膜式流量計を所定の熱環境下に放置し、放置後に膜式流量計が示す性能から評価を行うこととなる。
このようにしわが発生した状態にある膜材では、図8に◇付実線で示すように、計量室の体積がその減少傾向で発生し、結果的に計量性能誤差は◆付実線で示すように増加傾向を示す。
従って、従来型の駆動耐久試験では再現できなかった、プラス側に器差が変動する実際の挙動を代表できることとなり、評価方法の信頼性を向上させることができる。
ここで、放置時間が200時間に満たないと評価にあたいする性能変化が発生しない場合がある。一方、4000時間より長いと評価時間がかかりすぎる。
この温度範囲にあっては、放置時間を過度に大きく取る必要がなく、膜材をなす材料に直接影響する状態もないためである。
説明に際しては、先ず、本願が対象とする膜式流量計である膜式ガスメータの構成、その動作原理等を説明した後、本願の膜式流量計の性能評価方法に関して説明する。
膜式ガスメータは、図1に示すように、ガス供給口1及びガス排出口2を備えたケーシングCを用いて組み付けて構成してあり、ガス供給口1及びガス排出口2により、住宅等のガス需要先にガスを供給するガス供給管(図示省略)の途中に接続して、ガス供給管を流れるガスの流量を計測して、ケーシングCの外部に設けた表示部3に計測したガス流量を表示するように構成してある。
図1において、8は、前記ガス供給遮断弁の遮断状態を解除するための復帰軸(図示せず)の操作部を覆う復帰軸キャップである。
この様に、丁番軸26と丁番台13とを、膜面沿い軸心交差方向の相対移動を許容しながらも、膜部往復動方向での相対移動を極力抑制することで、膜部Fの往復動範囲のバラツキを極力小さくして、流量計測の信頼性を一層向上することができる。
そして、各翼軸16の上端部は、各大肘金17の一端を固定連結してある。
前記磁石5は、回転円板21の上面の外周側に設けて、前記リードスイッチ6は、回転円板21の外周に位置させて、支持台19に支持させて設けてある。
図6に基づいて弁部Vについて説明を加えると、下ケーシングC1の上部壁には、膜部Fを介して対向する2室の計量室4に各別に連通する2個のガス給排口Xを間隔を隔てて並べて設けることにより、2個のガス給排口Xが並ぶガス給排口Xの組を2組設けると共に、各組のガス給排口Xの間にはガス排出口Yを設けてある。つまり、ガス排出口Yの両側に2個のガス給排口Xが並ぶ給排用開口部列を2列形成してある。
揺動バルブ23の裏面には連通用凹部(図示省略)を設けてあり、揺動バルブ23は、各揺動端に位置する状態で、揺動端側のガス給排口Xとガス排出口Yとを前記連通用凹部にて接続し且つ揺動端と反対側のガス給排口Xを開口し、揺動方向の中央に位置する状態で、両方のガス給排口Xを閉じるように構成してある。
以上が膜式流量計100の構成に関する説明であるが、この評価装置200は、評価対象である膜式流量計100を恒温装置201内に収納する構成で、さらに、評価対象である膜式流量計100内を所定のフローパターンでガスを流すことが可能なように構成されている。
さらに、ガスフローパターンとしては、例えば、日単位で流量を最小流量から最大流量まで、さらに最大流量から最小流量まで順次変える等の流量パターンとするものである。
評価は、1 初期性能評価、2 熱放置試験、3 熱放置試験後の性能評価の順に行う。
評価対象の性能は、計量性能誤差(器差)、圧力損失および圧力変動であり、膜材の化学劣化の比較も対象とする。
1 初期性能評価
熱放置試験を行う前に、上記評価対象の性能各々に関して作業者は性能評価を実行する。
2 熱放置試験
評価対象の膜式流量計を試験装置に取り付け、試験条件を制御装置203に入力する。試験条件は、環境温度、試験時間及びガスを流量計内に流す場合はそのフローパターンである。
具体的には、環境温度は60〜75℃の範囲内の温度、試験時間は200時間〜4000時間の範囲内の温度とする。さらに具体的には、500〜1000時間が好ましい。
ガスフローパターンとしては、先に説明した流量パターンである。
3 熱放置試験後の性能評価
この評価も評価対象の性能各々に関して作業者は評価試験を実行する。
イ 計量性能誤差(器差)
熱放置時間を200時間以上4000時間以下とする場合に、放置後性能において、器差が基準出力流量に対する比において、法律で定める基準、若しくは評価者が決定する所定の範囲内にあるときに、評価対象とされる膜式流量計を正常と判断する。
評価対象の膜式流量計において、市場から回収された膜式流量計に発生しているしわと、熱放置試験後のしわの状態を比較して同程度であれば正常と判断する。発明者らの試験では、標準的なメータでは、60℃、500時間の熱放置試験を行った後の膜式流量計に発生するしわは、5年程度市場で使用された膜式流量計に発生するしわに、外観が酷似していた。即ち、発生するしわの評価においては、熱放置試験をこの程度の時間実行するだけで評価可能となる。
この試験においては、膜材を良溶媒で膨潤させ、膜材内にある溶媒可溶成分を抽出し、その前後の重量を比較することにより溶媒抽出成分量を得る。
図9に、熱放置時間と溶媒抽出成分(試験開始時の成分量を1とする相対値)を示した。さらに、同図に横端線付の縦線で市場回収品の分布域を示した。この図からも判明するように、200時間以上、4000時間以下の熱放置で、ほぼ市場回収品のゴム膜の劣化状態を再現することが可能であることが判る。
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
(イ) 上記の実施形態においては、回転体Rに設けた磁石5によりリードスイッチ6を動作させるようにして、リードスイッチ6からの信号に基づいて流量を計測するように構成したが、これに代えて、カウンタを回転体Rにより操作されるように設けて、そのカウンタにて流量を表示するように構成しても良い。
例えば、上記の実施形態においては、揺動操作することにより2室の計量室4に対するガスの給排を制御する揺動バルブ23を2個備えて弁部Vを構成した膜式ガスメータに適用する場合について例示したが、回転操作することにより4室の計量室4に対するガスの給排を制御するロータリーバルブを備えて弁部Vを構成した膜式ガスメータにも適用可能である。
あるいは、上記の実施形態においては、計量室4を4室設け、膜部Fを一対設けた膜式ガスメータ適用する場合について例示したが、計量室4を2室設け、膜部Fを1個設けた膜式ガスメータにも適用可能である。
13 丁番台
13a 挿通孔形成部分
13b 丁番軸挿通孔
15 翼
16 翼軸
16a 翼軸段差部
26 丁番軸
160 翼軸ボックス
160a 翼軸ボックス段差部
160b 緩衝リング
161 ゴム材
C1 ケーシング
F 膜部
Claims (3)
- 計量室を形成するケーシングに周縁部が固定された状態で設けられ、前記計量室へのガスの給排により往復動する膜部を、流量検出部に備えた膜式流量計の性能評価方法であって、
前記膜式流量計を、常温より高い熱環境内に、200時間以上4000時間以下の評価時間放置し、前記放置後の膜式流量計の性能である放置後性能から、前記膜式流量計を評価する膜式流量計の性能評価方法。 - 前記膜式流量計の性能が、基準となる膜式流量計の出力流量からの評価対象とされる膜式流量計の出力流量の差である器差、評価対象とされる膜式流量計で発生する圧力損失または圧力変動、あるいは前記膜部の溶媒抽出成分量のいずれか一種以上である請求項1記載の膜式流量計の性能評価方法。
- 前記常温より高い熱環境の温度が、60〜75℃の範囲内の温度である請求項1又2項記載の膜式流量計の性能評価方法。
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