JP2014182037A - 揮発分解成分捕集回収装置、液体クロマトグラフおよび揮発分解成分分析方法 - Google Patents

揮発分解成分捕集回収装置、液体クロマトグラフおよび揮発分解成分分析方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来のガスクロマトグラフ(GC)では分析困難であった揮発分解成分も含めて、揮発分解成分をほぼ漏れなく液体クロマトグラフで分析可能とする揮発分解成分捕集回収装置を提供する。
【解決手段】本発明の揮発分解成分捕集回収装置は、キャリアーガスの流路中に試料を保持する試料ホルダーと、試料ホルダーに保持された試料を加熱する加熱手段と、試料ホルダーの下流端部に着脱自在な上開口部とこの上開口部から延在する延在部と延在部の下流側にある下開口部とを有し、揮発分解成分を上開口部から下開口部へ誘導するかまたは内壁に付着させる誘導付着管と、誘導付着管の上開口部を試料ホルダーの下流端部に着設する第一ポジションと誘導付着管の上開口部を試料ホルダーの下流端部から離脱して誘導付着管内へ溶媒を供給する第二ポジションとを切り替え得る切替弁と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、従来のガスクロマトグラフ(GC)では分析困難であった揮発分解成分も分析可能とする揮発分解成分捕集回収装置と、これを用いた液体クロマトグラフ(LC)および揮発分解成分分析方法に関する。
樹脂材料(ポリマー材料)を用いた高性能・高機能材料の開発などには微細な化学構造や成分組成などを明らかにすることが必要である。更には、屋内や車室内等の空気清浄化の要求が高く、微細な塵、埃、細菌、ウイルス等の浮遊物の除去以外に、種々の樹脂材料(ポリマー材料)から放出され得る揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds:VOC)等を高精度で分析する必要が生じている。
このような分析には、従来、試料対象を加熱等して生じた生成物である揮発分解成分をカラムで分離しつつ、検出器で検出する(熱分解)ガスクロマトグラフ(GC)が用いられてきた。GCは、VOCの分析に限らず、ポリマー材料の優れた解析手法として、各分野で広く利用されている。このようなGCに関する記載が例えば下記の特許文献1にある。
但し、GCでは、移動相であるキャリアーガスにより運ばれる揮発分解成分でなければ分析できないため、それら以外の成分を分析する際には、移動相に液体を用いる(高速)液体クロマトグラフ(HPLC)が利用される。このようなGCに関する記載が例えば下記の特許文献2にある。
特開平5−346424号公報 特開平5−157743号公報
もっとも一般的には、HPLCよりもGCによってポリマー材料(樹脂材料)の分析がなされることが多い。ところが、ポリマー材料等を熱分解させてGCで分析する場合、当初、500〜600℃程度に加熱した試料から気相の揮発分解成分が発生していても、この揮発分解成分はカラム等の配管を通過する際に温度が300〜400℃程度まで低下するため、その一部は途中で液化や固化して検出されなくなる。その結果、これまでのGCでは、試料に関する有用な構造情報を有している可能性が高い高沸点、高分子量または高極性等の成分を有効に検出して分析することができていなかった。このような状況では、分子レベルの微細化学構造の解明が必要となる高性能先端ポリマー材料等を有効に分析できない。
本発明はこのような事情に鑑みて為されたものであり、従来のGCでは分析困難であった高沸点成分等も含めて、試料から生じるほぼ全ての生成物の分析を可能とする液体クロマトグラフ、それに用いる揮発分解成分捕集回収装置およびこれを用いた揮発分解成分分析方法を提供することを目的とする。
本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究し、試行錯誤を重ねた結果、試料を加熱して生じた生成物のうち、高揮発性の低沸点成分等(これを適宜「揮発性成分」という。)はそのまま捕集、回収すると共に、低揮発性の高沸点成分等(これを適宜「難揮発性成分」という。)は内壁面に一時的に付着(凝集、凝着または吸着等を含む)させて捕集し、その後にそれを溶媒で溶解させて回収することを着想した。これを実際に試したところ、ポリマー材料(試料)から生じるほぼ全ての生成物を分析することに成功した。この成果を発展させることにより、以降に述べる本発明を完成するに至った。
《揮発分解成分捕集回収装置》
本発明の揮発分解成分捕集回収装置は、キャリアーガスが流入するガス流路中に試料を保持すると共に該試料から発生した揮発分解成分および該キャリアーガスが流出する下流端部を有する試料ホルダーと、該試料ホルダーに保持された試料を加熱する加熱手段と、該試料ホルダーの下流端部に着脱自在な上開口部と該上開口部から延在する延在部と該延在部の下流側にある下開口部とを有し該揮発分解成分を誘導するかまたは該内壁に付着させる誘導付着管と、該誘導付着管の上開口部が該試料ホルダーの下流端部に着設されている着設時に該誘導付着管の延在部を内挿する第一ポジションと、該誘導付着管の上開口部が該試料ホルダーの下流端部から離脱している離脱時に該誘導付着管の内壁に付着した該揮発分解成分の少なくとも一部を溶解させる溶媒を供給する供給口へ該誘導付着管の上開口部を連通させる第二ポジションとを切り替え得る切替弁と、を備えることを特徴とする。
本発明の揮発分解成分捕集回収装置を用いると、試料を加熱した際に生じる揮発性成分や分解成分(両者を併せて「揮発分解成分」という。)のほぼ全てを有効に捕集できる。こうして捕集した揮発分解成分を溶媒(移動相)に溶解させて回収し、それを従来からある液体クロマトグラフ(LC)、特に高速液体クロマトグラフ(HPLC)へ送ることにより、従来のガスクロマトグラフ(GC)で分析されていたような低分子量、低沸点または低極性等の揮発性成分に限らず、高分子量、高沸点または高極性等の難揮発性成分(または分解成分)なども分析可能となる。こうして、種々のポリマー材料等からなる試料について、有用な構造情報をもつ生成物をほぼ漏れなく分析できるようになる。
本発明の揮発分解成分捕集回収装置の作用は次の通りである。先ず、切替弁を第一ポジションにして、試料ホルダーの下流端部に誘導付着管の上開口部が着設された状態にする。この状態で、試料ホルダー内にある試料を加熱手段により加熱すると、低分子量、低沸点または低極性等の揮発性成分のみならず、高分子量、高沸点または高極性等の難揮発性成分も、試料から発生する。これらは、試料ホルダーの下流端部からの誘導付着管の上開口部を経て延在部へ誘導される。
ここで、試料から発生した揮発分解成分のうち揮発性成分は、延在部で冷却されても、試料ホルダーの上流側から供給されるキャリアーガスによって誘導付着管の下開口部まで移動する。この下開口部を別途設けた溶媒の滞留槽へ浸漬してバブリング(気液分離)等を行えば、揮発性成分はその溶媒中に溶解される。こうして揮発性成分も溶媒中に捕集、回収される。
ところが、試料から発生した揮発分解成分のうち難揮発性成分は、誘導付着管の通過中における温度低下により、誘導付着管の内壁に付着等して、誘導付着管の下開口部までは移動しないことが多い。そこで、前述したように揮発性成分を十分に捕集、回収した後に、誘導付着管の上開口部を試料ホルダーの下流端部から離脱させていき、切替弁を第二ポジションにする。そして、別途設けられている溶媒槽等の溶媒供給手段から切替弁の供給口へ溶媒を供給する。すると、上開口部を通じて誘導付着管内へ溶媒が導入され、その内壁に付着等していた難揮発性成分は溶媒に溶解して、誘導付着管の下開口部まで移動する。これを前述したように滞留槽へ導入すれば難揮発性成分も回収されることになる。このようにして、揮発性成分のみならず難揮発性成分も捕集および回収されることになる。
こうして得られた回収物(試料の揮発分解成分(熱分解生成物)が溶媒に溶解した溶液)をHPLCで分析すれば、GCでは解析できなかったような試料を特徴づける有用な構造情報も解析できるようになる。
なお、本発明の揮発分解成分捕集回収装置は、上述した滞留槽および溶媒供給手段を含めて考えてもよい。また、本発明の揮発分解成分捕集回収装置に係る上述した誘導付着管の着脱操作は、オペレータが行っても、制御装置等により自動的になされてもよい。
《液体クロマトグラフ》
本発明は、上述した揮発分解成分捕集回収装置に留まらず、それを備えた液体クロマトグラフとしても把握できる。この液体クロマトグラフは、上述した揮発分解成分捕集回収装置以外に、捕集および回収した試料の揮発分解成分を溶解する溶媒(または溶液)が入った滞留槽から溶液をくみ出して圧送するポンプまたはループインジェクターなどと、圧送された溶液が通過する際に揮発分解成分を各成分に分離するカラムと、カラムで分離された各成分を検出する検出器などから基本的になる。
《揮発分解成分分析方法》
また本発明は、その液体クロマトグラフを用いた揮発分解成分分析方法としても把握できる。さらには本発明は、液体クロマトグラフ(LC)のみならず、ガスクロマトグラフ(GC)を併用した揮発分解成分分析方法としても把握できる。この場合、本発明は、上述した揮発分解成分捕集回収装置の前記切替弁を前記第一ポジションにして前記誘導付着管の下開口部から導出される揮発性成分をガスクロマトグラフで分析するガス分析工程と、該ガス分析工程後に該切替弁を前記第二ポジションにして該誘導付着管の下開口部から導出される前記溶媒に溶解した難揮発性成分を液体クロマトグラフで分析する液体分析工程と、を備えることを特徴とする揮発分解成分分析方法として把握できる。
なお、ここでいう揮発性成分は、揮発分解成分のうちでガスクロマトグラフで分析され得るものであり、難揮発性成分は揮発分解成分のうちで液体クロマトグラフで分析され得るものである。両者は分子量、沸点、極性等の点で異なるが、上述した揮発分解成分捕集回収装置を用いる限り、いずれもほぼ漏れなく分析できるため、両者を明確に区別する必要はない。
このように分析工程を分離しも、前述した場合と同様に、試料を加熱した際に生じる生成物をほぼ全て漏れなく分析できる。またGCを併用することにより、試料によっては揮発性成分をより高精度に分析可能となり、解析能力の向上を期待できる。
本発明に係る一実施例である熱分解液体クロマトグラフの概要図である。 その試料ホルダーと誘導付着管の着設部近傍がガスシールされる様子を説明する断面図である。 その三方弁(切替弁)を第一ポジションとした状態を示す要部断面図である。 その三方弁(切替弁)を第二ポジションとした状態を示す要部断面図である。
本明細書で説明する内容は、本発明の揮発分解成分捕集回収装置のみならず、それを用いた液体クロマトグラフや分析方法にも該当し得る。上述した本発明の構成要素に、本明細書中から任意に選択した一つまたは二つ以上の構成要素を付加し得る。いずれの実施形態が最良であるか否かは、対象、要求性能等によって異なる。
《揮発分解成分捕集回収装置》
(1)加熱手段
本発明に係る加熱手段は、試料を所望の温度に加熱できるものであれば、その種類や構造を問わない。もっとも、試料ホルダーを包囲する加熱炉を用いると、試料を所望する一定温度で安定して加熱できるため好ましい。
(2)切替弁
切替弁は、上述した第一ポジションと第二ポジションの切り替えができる限り、その構造や形態は問わない。引火の危険がある溶媒が流れる切替弁は、上記の加熱手段と分離して設けられると好ましい。さらに切替弁は、第二ポジションにおいて、加熱手段側への溶媒の流出を防止する手段を備えるもの(例えば三方弁)であると好ましい。
(3)冷却手段
試料から生じた揮発分解成分は、誘導付着管内を通過する際に冷却され、その一部は誘導付着管の内壁に付着等する。この誘導付着管の内壁への付着状態を管理または制御するために、その温度を調整できる温度調整手段を設けると好ましい。簡単な構造として、例えば、誘導付着管の少なくとも一部を冷却する冷却手段を加熱手段の下流側に設けるとよい。この冷却手段は、その種類や構造を問わないが、例えば、放冷器(空冷フィン、ラジエーター)、ファン、ウォータージャケット、さらには電子冷却素子(ペルチェ)等を、単独でまたは組み合わせて利用できる。なお、試料ホルダーへ供給するキャリアーガスや試料の温度等を管理するために、加熱手段の上流側にも、別の冷却手段を設けてもよい。
(4)誘導付着管
誘導付着管は、その上開口部が試料ホルダーの下流端部に着脱自在となっており、揮発性成分を捕集・回収するとき(切替弁が第一ポジションにあるとき)の配置(「第一配置」という。)と難揮発性成分を捕集・抽出・回収するとき(切替弁が第二ポジションにあるとき)の配置(「第二配置」という。)をとり得る。
この際、不純物や汚染物等が誘導付着管内へ混入しないように、試料ホルダーの下流端部と切替弁の上流端部の間に、誘導付着管を内挿してシールドするシールド管を介装すると好ましい。このシールド管を設けることにより、誘導付着管は外界から遮断された空間内に保持され、誘導付着管内への不純物等の混入を回避しつつ、前述した異なる配置間を移動できる。
また、誘導付着管の上開口部が試料ホルダーの下流端部に着設されているときに、外界から不純物等が混入しないようにその着設部周辺をシールすることが好ましい。このシールとして、樹脂製またはゴム製などのパッキン等を用いると、そのパッキンから生じた揮発性成分が誘導付着管内に混入するおそれがある。そこで、シールにはガスシールを用いると好適である。
ガスシールは、着設部周辺へシールガスを流入(圧送、噴流等させる場合を含む)させることにより行える。用いるシールガスは、キャリアーガスと同成分であると、分析上好ましい。また、着設部周辺へ導入したシールガスは、単に着設部のみをシールするのみならず、誘導付着管とそれに外挿されたシールド管との筒状隙間へも流入し得る。これにより、誘導付着管は前述の第一配置から第二配置へ移動する際もガスシールされた状態となって好ましい。
《構成》
本発明に係る一実施例である熱分解高速液体クロマトグラフ(Py−HPLC)1の概要図を図1に示した。熱分解高速液体クロマトグラフ1(単に「クロマトグラフ1」という。)は、揮発分解成分捕集回収装置2と高速液体クロマトグラフ(HPLC)3とからなる。なお、高速液体クロマトグラフ3は、ポンプ31、ループインジェクター32、分離カラム33および検出器34を備える公知の装置であり、その詳細な説明は省略する。
揮発分解成分捕集回収装置2は、蓋付き筒状の投入口11と、投入口11の下流側へ連なる管状の試料ホルダー13と、試料ホルダー13を包囲する加熱炉14(加熱手段)と、試料ホルダー13の上流側に設けられた空冷放熱器15(冷却手段)と、加熱炉14および空冷放熱器15を囲繞する筐体12と、この筐体12の下方外側に設けられた空冷放熱器16(冷却手段)と、試料ホルダー13の下流端部13aから空冷放熱器16を貫通して下方へ延在する誘導付着管17と、誘導付着管17を内挿してその上方外周面を覆うシールド管18と、シールド管18の下端部に配設された三方弁19(切替弁)と、三方弁19の供給ポート191(供給口)に溶媒m1を供給する溶媒槽21と、誘導付着管17の下開口部17bが浸漬する溶媒m2の入った滞留槽22とからなる。
試料Sは、籠状などの試料カップ131に入れた状態で、蓋111を空けた投入口11から導入管112を通って投入される。試料ホルダー13は、その試料カップ131を収納して一定位置に保持できる段付き管状構造となっている。
加熱炉14は、電源Eから電力を受けて発熱する小型電気炉である。加熱炉14への供給電力は、試料Sの加熱温度に応じてコントローラー(図略)で制御される。この加熱炉14の周囲は高耐熱性の断熱材141で覆われている。
筐体12は、上下二段構造となっており、その上段内には空冷放熱器15が配設されており、その下段内には前述した断熱材141が収納されている。その上段部分は大気解放されており、適宜ファンF1から空冷放熱器15へ送風されて、導入管112付近の過熱が抑制される。
筐体12の下方側に配設された空冷放熱器16は、前述した空冷放熱器15とほぼ同構造であり、適宜ファンF2からの送風により冷却される。これによりシールド管18を介して誘導付着管17が冷却される。
シールド管18は、空冷放熱器16を貫通して設けられており、その上端部が試料ホルダー13の下流端部13aの外周側に接合されており、その下端部が三方弁19の上流ポート192に接合されている。
誘導付着管17は、シールド管18に内挿されており、シールド管18よりも長い。誘導付着管17の上開口部17aは、試料ホルダー13の下流端部13aに固定されておらず、着脱自在となっており、シールド管18内を移動可能である。
三方弁19は、供給ポート191、上流ポート192および下流ポート193を有するボディ194と、この内に収納された断面T字型の3ポートを有するバルブ195と、バルブ195を回転させるレバー196とからなる。
溶媒槽21は、テトラヒドロフラン(THF)、エタノール等の(有機)溶媒m1を貯留している。溶媒槽21内の溶媒m1は、ポンプまたはシリンジ(図略)によって、三方弁19の供給ポート191へ圧送される(溶媒供給手段)。
必要により滞留槽22にも、溶媒槽21内の溶媒m1と同種又は異なった溶媒m2が貯留されており、この溶媒中に誘導付着管17の下開口部17bが浸漬された状態となっている。なお、滞留槽22は、誘導付着管17の下開口部17bから排出されるキャリアーガスG1を外界へ放出する逆止弁付きの排気口221を備える。なお、キャリアーガスG1は、導入管112の上流側に設けたガスポート113から導入される。
ちなみに、試料ホルダー13の下流端部13aには、図2に示すように、ガスポート133からシールガスG2が導入されている。このシールガスG2により、試料ホルダー13の下流端部13aと誘導付着管17の上開口部17aとの隙間および誘導付着管17とシールド管18の隙間がガスシールされる。なお、キャリアーガスG1およびシールガスG2には、ヘリウムガスまたは窒素ガス等が用いられる。
また、導入管112、試料カップ131、試料ホルダー13、誘導付着管17、シールド管18、三方弁19等からなるキャリアーガスG1や試料Sの揮発分解成分の通路は、いずれもステンレス製などを用いて揮発分解成分以外の成分が捕集・回収されないようになっている。
《作用》
(1)第一捕集回収ステップ(揮発性成分の捕集・回収)
先ず、三方弁19のレバー196を切り替えてバルブ195を図3(筐体12等は省略して要部を図示してある。)に示す状態(第一ポジション)とする。そしてバルブ195の貫通路へ誘導付着管17の中間部(延在部)を挿通させ、誘導付着管17の上開口部17aを試料ホルダー13の下流端部13aに着設させる(第一配置)。
ポリマー材料等の試料Sを納めた試料カップ131を投入口11から入れて試料ホルダー13内に保持する。そしてキャリアーガスG1およびシールガスG2を流して各通路や隙間をパージした後、キャリアーガスG1およびシールガスG2を流しつつ、加熱炉14を稼動させて試料ホルダー13内の試料Sを所望の温度まで加熱する。誘導付着管17の下開口部17bは、試料の加熱開始後から滞留槽22の溶媒m2内へ浸漬する。
こうして試料Sから生じた揮発分解成分中の揮発性成分(低分子量、低沸点、低極性等の成分)V1が、誘導付着管17の下開口部17bから排出される。滞留槽22には溶媒m2に溶解することにより、揮発性成分が捕集および回収される。なお、揮発性成分を分析しない場合などでは、溶媒m2を設けなかったり、逆にそれをGC分析などに適切な溶媒へ変更したり、それを固形状の吸着剤に変更することも可能である。
(2)第二捕集回収ステップ(難揮発性成分の捕集・回収)
次に、シールド管18内で、誘導付着管17の上開口部17aを試料ホルダー13の下流端部13aから離脱させると共に三方弁19の下流ポート193まで下げる。そして三方弁19のレバー196を切り替えてバルブ195を図4に示す状態(第二ポジション)とする。これにより供給ポート191と誘導付着管17の上開口部17aとが連通状態となる(第二配置)。この状態で溶媒槽21から三方弁19の供給ポート191へ溶媒m1を流入させると、誘導付着管17内へ溶媒m1が導入される。これにより、上述した第一捕集回収ステップで発生した揮発分解成分のうち、空冷放熱器16により冷却され誘導付着管17の内壁に付着等した未回収の難揮発性成分(高分子量、高沸点、高極性等の成分)V2が溶媒m1に溶解する。この溶媒m1(または溶液)が誘導付着管17の下開口部17bから滞留槽22の溶媒m2へ流入すると、難揮発性成分V2も揮発性成分V1と同様に、滞留槽22内の溶媒m2へ回収されることとなる。なお、適宜、溶媒m1の誘導付着管17への導入を繰り返し行うことにより、難揮発性成分V2の回収効率を向上させることができる。また、溶媒量を減らす目的などのために、揮発性成分を溶解した溶媒m2を誘導付着管17を通じて溶媒槽21へ逆流させた後、前述した操作を繰り返し行うことも可能である。
(3)分析
こうして得られた滞留槽22の溶媒m2を、高速液体クロマトグラフ3で分析することにより、試料Sを加熱することにより生じた種々の生成物をほぼ漏れなく解析でき、試料Sに関する有用な構造情報を総合的に得ることができる。
《分析例》
本実施例のクロマトグラフ1を用いて分析した一例を示す。ポリブチレンテレフタレート(PBT)からなる試料Sを加熱炉14で500℃に加熱した。この際、窒素からなるキャリアーガスG1とシールガスG2を、それぞれ70mL/minと10mL/minの割合で流した。なお、誘導付着管17の下流部には、石英ウールを詰めて、試料Sの分解生成物が誘導付着管17内で接触する面積を増加させた。
こうして、前述した第一捕集回収ステップと第二捕集回収ステップを行い、高速液体クロマトグラフ3による分析を行った。この結果、従来のガスクロマトグラフでは検出できなかった成分を検出することができた。しかも、MALDI−MS(Matrix Assisted Laser Desorption/Ionization-Mass Spectrometry)分析で確認されたPBTの分解物の全てを本実施例のクロマトグラフ1により検出することもできた。こうして本実施例のクロマトグラフ1を用いれば、試料Sの揮発分解成分をほぼ漏れなく分析できることが確認された。
13 試料ホルダー
14 加熱炉(加熱手段)
16 空冷放熱器(冷却手段)
17 誘導付着管
18 シールド管
19 三方弁(切替弁)

Claims (8)

  1. キャリアーガスが流入するガス流路中に試料を保持すると共に該試料から発生した揮発分解成分および該キャリアーガスが流出する下流端部を有する試料ホルダーと、
    該試料ホルダーに保持された試料を加熱する加熱手段と、
    該試料ホルダーの下流端部に着脱自在な上開口部と該上開口部から延在する延在部と該延在部の下流側にある下開口部とを有し該揮発分解成分を誘導するかまたは該内壁に付着させる誘導付着管と、
    該誘導付着管の上開口部が該試料ホルダーの下流端部に着設されている着設時に該誘導付着管の延在部を内挿する第一ポジションと、該誘導付着管の上開口部が該試料ホルダーの下流端部から離脱している離脱時に該誘導付着管の内壁に付着した該揮発分解成分の少なくとも一部を溶解させる溶媒を供給する供給口へ該誘導付着管の上開口部を連通させる第二ポジションとを切り替え得る切替弁と、
    を備えることを特徴とする揮発分解成分捕集回収装置。
  2. さらに、前記試料ホルダーの下流端部と前記切替弁の上流端部の間に介装されると共に前記誘導付着管を内挿してシールドするシールド管を備える請求項1に記載の揮発分解成分捕集回収装置。
  3. さらに、前記試料ホルダーの下流端部と前記誘導付着管の上開口部とはガスシールされた状態で着設している請求項1または2に記載の揮発分解成分捕集回収装置。
  4. さらに、前記誘導付着管の少なくとも一部を冷却する冷却手段を備える請求項1〜3のいずれかに記載の揮発分解成分捕集回収装置。
  5. さらに、前記溶媒を前記切替弁の供給口へ供給する溶媒供給手段を備える請求項1〜4のいずれかに記載の揮発分解成分捕集回収装置。
  6. さらに、前記誘導付着管の下開口部が浸漬されると共に前記溶媒が滞留している滞留槽を有する請求項1〜5のいずれかに記載の揮発分解成分捕集回収装置。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の揮発分解成分捕集回収装置を備えたことを特徴とする液体クロマトグラフ。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載した揮発分解成分捕集回収装置の前記切替弁を前記第一ポジションにして前記誘導付着管の下開口部から導出される揮発性成分をガスクロマトグラフで分析するガス分析工程と、
    該ガス分析工程後に該切替弁を前記第二ポジションにして該誘導付着管の下開口部から導出される前記溶媒に溶解した難揮発性成分を液体クロマトグラフで分析する液体分析工程と、
    を備えることを特徴とする揮発分解成分分析方法。
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