JP2001501303A - ガスクロマトグラフのための分析エンジン - Google Patents

ガスクロマトグラフのための分析エンジン

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Abstract

(57)【要約】 均一な高められた又は低減された温度で動作し、サンプル注入、プレカラムバックフラッシュ、分析カラム選択、検出の機能を低減された質量及び容積において実施するクロマトグラフ構成要素のアセンブリであって、このアセンブリは携帯可能なガスクロマトグラフにおける使用のために低減された電力消費のための低減された表面面積を有する。

Description

【発明の詳細な説明】 ガスクロマトグラフのための分折エンジン 関連出願に対する相互参照 本出願は、本出願の譲渡人により所有される出願シリアル番号08/7098 85の名称“IMPROVED FLUID CONTROL VALVE ARRANGEMENT”by Wylie and Raubv ogelに関連する。 本発明の背景 ガスクロマトグラフではサンプルはガスクロマトグラフィカラムの上部に導入 され、検出器の方向へとキャリアガスによって運ばれる。カラムの内壁を被覆す る吸着材料又はカラムに入れられる実質的に不活性補助材料上に被覆される吸着 材料との相互作用の速度の差によってカラム長を移動する際にサンプル成分は互 いに分離される。それゆえ、異なるサンプル成分はカラム内に異なる時間の間保 持され、固有の時間で検出器に到達する。この「保持時間」は、特定のサンプル 成分の識別に使用され、カラムの吸着材料のタイプ及び量、カラム長、直径、キ ャリアガスタイプ及びフローレート及びカラム温度の関数である。再現可能な保 持時間を有するためには、カラム温度も再現可能である必要がある。ガスクロマ トグラフは周囲温度の範囲 内で動作しなくてはならないので、ガスクロマトグラフは再現可能な保持時間を 得るために予期される最高周囲温度よりも大きい温度にまで加熱することが制御 可能である必要がある。 一度全サンプル成分がカラム長を通過し検出器を貫流すれば、ガスクロマトグ ラフ分析は完了である。それゆえ、分析時間は最も長くカラム内に保持されてい たサンプル成分の保持時間によって決定される。 もし第1の分析が完了する前に第2のサンプルがガスクロマトグラフカラムに 導入されると、第1のサンプルの比較的長く保持されている成分と同時に検出器 を貫流する第2のサンプルのあまり長く保持されない成分のために電位が発生す る。この状況は検出器出力信号の解釈を困難にする。この状況を回避するために 、「プレカラムバックフラッシング(precolumn back flushing)」として周知 の技術が使用される。2つのガスクロマトグラフカラム、大抵の場合短いプレカ ラム及び長い分析カラムがカラムのティー(tee)によって直列に接合されてい る。最初はこのティーのブランチが閉鎖され、キャリアガスが直列のプレカラム 及び分析カラムに沿って流される。サンプルはプレカラムの上部に導入され、プ レカラムに沿って分析カラムに向かって運ばれる。インターバルをおいて、適切 なキャリアガススイッチングバルブ、ベント(vent)及び制御タイミングを使用し て、キャリアガスが2つの カラムの間のティーのブランチに導入される。既にこのティーを通過したサンプ ル成分は分析カラムに沿って検出器へと運ばれ続ける。まだプレカラム内にある サンプル成分はプレカラムに沿って逆方向に(backwards)どっと流され(flush) 、プレカラムの上部から排出される。次のサンプルのためにプレカラムを洗浄す るプレカラムのバックフラッシングは、分析カラムでの分析と同時に行われる。 一度全成分が両方のカラムから抜き取られれば、キャリアガスが直列の両方のカ ラムを貫流するようにスイッチされ、システムが次のサンプルを受け入れるため の準備が整う。 プレカラムバックフラッシングは有利には全分析時間を短縮する。というのも 、分析する必要のない比較的長く保持される成分が分析カラムを通過するのを待 つ必要がないからである。従って、補助排出(coelution)の可能性を低減する ことによって分析の信頼性が増す。 ガスクロマトグラフでは、検出の前に互いに分離され得るサンプル成分のタイ プは使用されるガスクロマトグラフカラムのタイプによって決定される。いくつ かのカラムタイプは軽いガスに適しており、他のカラムタイプは比較的重い気体 に適しており、さらに他のカラムタイプは有極性気体に適している。ガスクロマ トグラフで分析できる化学成分のタイプの柔軟性のために、装置に利用可能な多 数の様々なタイプのカラム を有するのは有利であり、この結果、最適なカラムを所望の特定の分析のために 選択することができる。 周囲空気サンプリングの場合のように大きい容量のサンプルが存在する場合、 サンプルは自動的にガスサンプリングループによってガスクロマトグラフへと導 入され得る。吸入ポンプが所定の容量だけサンプルを吸い込む。適正なバルブ操 作及び制御によってキャリアガスが直ちにこの容量に混ぜられサンプル全体又は サンプルの所定の分量を分析のためのカラムの上部に運ぶ。プロセスから収集さ れたサンプル又は遠隔位置から収集されたサンプルの容器(vessel)の場合のよ うに小さい容量のサンプルが存在する場合、皮下注射型の注射器を使用してこの サンプルの一部が手動でガスクロマトグラフカラムの上部に導入される。再封止 可能なセプタムを有する適正な注射器注入ポートがカラム上部に設置される。両 方のタイプのソースからのサンプルの分析における柔軟性のために、有利にはガ スクロマトグラフは両方のタイプのサンプル導入のための設備を持つ。 ガスクロマトグラフでは、サンプルに接触する全ての部材が化学的に不活性及 び非吸着性であり、高い温度でも保持されると有利である。ガスクロマトグラフ 部材とサンプル成分との化学反応及びガスクロマトグラフ部材へのサンプル成分 の吸着によるサンプル品質の低下を低減することによって分析のクオリティは保 持される。サンプルフロー経路の最小化はさらに接触によるサンプル品質の低下 の可能性を低減する。 手で持ち運びできるバッテリ付きの携帯可能なガスクロマトグラフでは、携帯 性のために小さい質量を有しさらに長い動作時間も有することが所望される。こ の結果、使用者は特別なバッテリを運ぶ必要が無くなり又はバッテリ充電ステー ションに頻繁に戻る必要が無くなる。軽量及び低電力電子構成要素は計装用増幅 器(instrumentation amplifier)、ディスプレイ、インジケータ及び制御装置 にとって有効であり、この結果ガスクロマトグラフによって消費される電力の大 部分がガスクロマトグラフの部材の温度を高めること及び高められた温度にこれ らの部材を維持することに使用される。 本発明の要点 本発明は、以下に分析エンジンと呼ばれるクロマトグラフ構成要素のアセンブ リを含み、この分析エンジンは高められた温度又は低減された温度で動作し、サ ンプル注入、プレカラムバックフラッシュ、分析カラム選択及び検出の機能を低 減された質量及び容積において実施し、携帯可能なガスクロマトグラフにおける 使用に適した低減された電力消費のために低減された表面面積を有する。スイッ チングバルブアセンブリ、カラムプレート、サーマルカバー及び検出器ブロック を有するこのアセンブリの部材は熱的に結合されており、ガスクロマトグラフカ ラムを含むサンプルに接触するこのアセンブリの部材は、例えば有効なアキシャ ルヒータ(efficient axial heater)、ペルチエクーラ(Peltier cooler)又は ヒートパイプ及び温度センサを使用して制御された温度に維持され、これらによ って分析の信頼性を高める。本発明によれば、温度制御手段は軸方向に載置され る必要がなく、例えばペルチエクーラはサーマルカバーのすぐ近傍に載置するこ とができる。 ガスクロマトグラフカラムは1つのプレカラム及び複数の分析カラムを含む。 分析エンジンアセンブリはプレカラムへのサンプルループ注入、プレカラムへの 注射器注入及びプレカラムから分析カラムの1つへのサンプルの注入のための設 備を持つ。分析エンジンは、可変プレカラム分離タイミング、異なる分析カラム へのサンプル分配及び多数の検出器の選択のような極めて複雑なサンプル操作を 実施するためにも構成される。 分析器の低減された質量、容積及び電力消費はスペース又は電力又はこれら両 方が制限された場所又は非常に急速な熱循環が必要とされる場所での分析アプリ ケーションに良く適している。アプリケーションは、オンラインプロセスアプリ ケーション、操作者がすぐ近くにいない遠隔モニタリングアプリケーション、患 者の吐息の分析のためのベッドサイドでの使用、空中、宇宙又は海中での作業に おける使用及びベンチスペースが限定された実験室での使用を含む。 図面の説明 図1aは、本発明の実施形態による電気ヒータを有するガスクロマトグラフィ のための分析エンジンの分解部材配列図である。 図1bは、本発明の実施形態によるペルチエクーラを有するガスクロマトグラ フィのための分析エンジンの分解部材配列図である。 図1cは、本発明の実施形態によるヒートパイプを有するガスクロマトグラフ ィのための分析エンジンの分解部材配列図である。 図2は、本発明の実施形態によるスイッチングバルブV1〜V10、V13〜 V15、V11A、V11B、V12A、V12B、V16A、V16B、V1 7A、V17Bを有する分析エンジンのニューマティックダイアグラム(pneuma tic diagram)である。 図3は、本発明の実施形態による分析エンジンのスイッチングバルブアセンブ リのブロックにおけるサンプルループを示す。 発明の詳細な記述 図1aは、本発明の実施形態による電気ヒータを有 するガスクロマトグラフィのための分析エンジンの分解部材配列図である。分析 エンジン100はスイッチングバルブアセンブリ110(このアセンブリ100 の部分はバルブブロック115である)、ヒーティングエレメント120、温度 センシングエレメント130、ガスクロマトグラフプレカラム140、3つのガ スクロマトグラフ分析カラム154、155、156、カラムプレート160、 検出器ブロック175、ランプホルダ170、検出器サーマルリンク180、注 射器注入ポート190及びサーマルカバー185を含んでいる。 スイッチングバルブアセンブリ110は(上記出願シリアル番号08/709 885に開示されているように)流体制御バルブ装置であり、この流体制御バル ブ装置は多数の機能を実施する。本発明によれば、スイッチングバルブアセンブ リ110は、サンプルループ210(図2及び図3参照)充填の機能、サンプル ループ210内容物のプレカラム140への注入の機能、プレカラム140への 注射器注入の機能、プレカラム140から3つの分析カラム150のうちの1つ へのサンプルの注入の機能を実施する。3つの分析カラム150は、低(low) 保持カラム154、中間(medium)保持カラム155又は高(high)保持カラム1 56を含む。スイッチングバルブアセンブリ110によって実施される付加的な 機能は、選択されない際に3 つの分析カラム150のうちの2つの分析カラムを通るベントへのメンテナンス フローをすること、プレカラム140からプレカラムバックフラッシュベント2 50(図2参照)へと保持された成分をバックフラッシュすること、分析カラム 154、155、156の内の選択された1つの分析カラムからサンプルを検出 器ブロック175へと注入すること及びプレカラム140をバイパスして低保持 分析カラム154を介して直接検出器ブロック175へとサンプルループ210 からサンプルを注入することである。 1つの実施形態におけるスイッチングバルブアセンブリ110は21個の相互 接続されたバルブエレメントの多層不活性メンブレンブリスタバルブアセンブリ (multilayer inert membrane blister valve assembly)であり、1つの実施形 態では分析バルブインターコネクションはメンブレンブリスタを有する層とは異 なる層に作られる。多層バルブアセンブリはドライバプレートの対、引きのばさ れたブリスタを有するメンブレンの対及びバルブブロック115の周囲に対称的 に配置されたシートプレートの対を有する(上記の関連出願“IMPROVED FLUID C ONTROL VALVE ARRANGEMENT”by Wylie and Raubvogelを参照)。ブリスタを有す る層とは異なる層にインターコネクションを有することによって、最小限の外部 インターコネクションを有する最小限の容積に最大限の数のバルブをパッケージ ングすることができる。 スイッチングバルブアセンブリ110のバルブブロック115は、プレカラム 140、(分析カラム154、分析カラム155及び分析カラム156を含む) 分析カラム150及び検出器ブロック175をこのスイッチングバルブアセンブ リ110に接続するためのマニホールドとして機能する。分析エンジン100の 外部の空気圧支持構成要素もバルブブロック115に接続されている。1つの実 施形態では、ガスクロマトグラフカラムと空気圧支持構成要素との接続のために バルブブロック115に全部で12個のフレアレス管継手(compression fittin g)がある。空気圧支持構成要素は、分析カラム154、155、156に沿っ てサンプルを運ぶためにキャリアガスインプット220(図2参照)に供給され る圧縮され圧力調整されたキャリアガスの供給部、分析用ガスサンプル又は気体 サンプルを収集するための吸入ポンプの吸い出しポンプ(out-to-suction pump )230におけるアタッチメント、ガス又は気体サンプルから微粒子を取り去る ためのインレットフィルタ及びキャリアガス消費を最小限にするためのプレカラ ムバックフラッシュベント250(図2参照)におけるガスフロー制限器を含む 。1つの実施形態では、メンブレンバルブを動作するための駆動流体として加圧 された窒素を供給するためのパイロットバルブへの空気圧接続は、スイッチング バルブアセンブリ110の下部表面の管継手によって行われる。1つの実施形態 では、駆動流体の圧力はカラムヘッド圧力より大きく15psi(ポンド毎平方 インチ)と42psiとの間で維持される。駆動流体消費は大抵の場合1mL/ 分より小さい。 プレカラム140は比較的短く保持力のないカラムであり、1つの実施形態で はこのカラムは内側をポリ(35%ジフェニル-65%ジメチルシロキサン)に よって被覆された長さ4mの0.53mm内径のステンレススチール管類である 。3つの分析カラム150は特定のアプリケーションに依存して保持を変化する カラムのグループから選択される。エアボーン(airborne)揮発性有機化合物の 部類の分析のために、1つの実施形態で使用される低保持カラム154は内径0 .25mmで8m長の不活性化された融解石英毛細管である。本発明の1つの実 施形態では、中間保持分析カラム155は、内径0.32mmの融解石英の20 m長の毛細管であり、ポリ(エチレングリコール)の1.0mm厚コーティング によって内側を被覆されているカラムが使用される。1つの実施形態において、 高保持分析カラムは100%メチルシリコンの12mmコーティングを有する内 径0.32mmの15m長の融解石英毛細管である。 図2には、スイッチングバルブV1〜V10、V13〜V15、V11A、V 11B、V12A、V12 B、V16A、V16B、V17A、V17Bを有する分析エンジン100の概 略的なニューマティックダイアグラムを示している。テーブル1は分析エンジン 100によって実施される機能、図2に示されたスイッチングバルブの各々の相 応の位置(フローの許可又は阻止)及びスイッチングバルブを動作するために加 圧されたガスを入れる(図示されていない)リモートパイロットバルブのリスト を示す。以下においては、「状態」は図2に示されたスイッチングバルブの装置 によって実施されている相応の機能を指す。図2はテーブル1の状態1に相応す る位置にあるスイッチングバルブを示している。1つの実施形態では、スイッチ ングバルブV11A及びV11B、V12A及びV12B、V16A及びV16 B、V17A及びV17Bはそれぞれ並列に配置されている。異なるパイロット バルブによって並列スイッチングバルブの対のうちの各々1つを動作することに よって、要求される機能を実施するために必要なパイロットバルブの総数が低減 できる。テーブル2はスイッチングバルブと動作するパイロットバルブとスイッ チングバルブとの対応関係を示す。 テーブル1 テーブル2 図2及びテーブル1によれば、サンプルループ注入 を使用する典型的な分析は次のように進行する。 最初にスイッチングバルブは状態1で外部ポンプを使用してサンプルインプッ ト240でサンプルループ210を充填する(図3参照)。とりわけ、バルブV 1及びV2をオープンすると、吸い出しポンプ230に取り付けられた吸入ポン プによってサンプルはインプット240からサンプルループ210へと引き寄せ られる。キャリアガスはバルブV3、V8、V11B、V12A、V13、V1 6B及びV17Aがフローを許可することによりキャリアガスインプット220 に流入する。キャリアガスはプレカラム140及び注入ポート190をプレカラ ムバックフラッシュベント250によってバックフラッシュする。キャリアガス は分析カラム154を検出器270及び検出器ベント260によって排気し、さ らに分析カラム155を分析カラムベント280によって排気し、さらに分析カ ラム156を分析カラムベント290によって排気する。スイッチングバルブは 状態2にスイッチされ、サンプルループ210の内容物をプレカラム140に注 入し、サンプル成分が迅速に押し出され分析カラム154に流入することを可能 にする。次いでスイッチングバルブは状態1にスイッチされ、プレカラム140 をプレカラムバックフラッシュベント250へとバックフラッシュし、一方で注 目のサンプル成分は分析カラム154を通過し検出器270を貫流する。 分析のために連続して状態5、状態3及び状態5に相応するスイッチングバル ブ位置を利用すると、プレカラム140から流出するサンプル成分はさらに検出 の前に分析カラム155で分離される。分析のために連続して状態6、状態4及 び状態6に相応するスイッチングバルブ位置を利用すると、プレカラム140か ら流出するサンプル成分はさらに検出の前に高保持分析カラム156で分離され る。 典型的な注射器注入分析は状態7により示されているスイッチングバルブ位置 を選択することによって実施され、サンプルを注射器によって注射器注入ポート 190から導入する。注射器注入ポート190はスイッチングバルブアセンブリ 110と連通している。この分析は、注目のサンプル成分がプレカラム140か ら分析カラム154に一度排出されると状態1によって示されているスイッチン グバルブ位置によって進行する。サンプル成分の付加的な分離は、注射器注入が 実施される前に分析カラム155に供給するようにプレカラム140がをスイッ チすることによって達成される。さらなる分離もプレカラム140が分折カラム 156に供給するようにさせることによって達成される。これらのスイッチング バルブ位置はテーブル1には明示的には示されていない。分離することなしにサ ンプルの全ての検出可能な成分のトータルを測定する分析は、プレカラム140 をバイパスし状態8によっ て示されているバルブ位置を選択し次に状態1によって示されているバルブ位置 を選択することによって実施される。所望の成分を検出するために分析中の異な る時点に異なる分析カラム150に流出するプレカラム140の部分をスイッチ し検出器270に供給するように分析カラム150をスイッチすることも可能で ある。これによって同一のサンプルから幅広い範囲の保持時間を有するサンプル 成分を分析することが可能になる。 あらゆる分析において、プレカラム140から分析カラムの選択された1つの カラム154、155又は156へと流出するサンプルの量は、プレカラム14 0が分析カラムの選択された1つのカラム154、155又は156に供給する 時間の長さを変化させることによって調整できる。バルブタイミングは1つの実 施形態において例えばMC68332マイクロコントローラのような分析エンジ ン100の外部のコンピュータによって制御される。 サンプルループ210(図3参照)注入分折の場合、サンプルループ210か らプレカラム140へと注入されるサンプルの量を調整することができる。この 注入されるサンプル量の調整は、例えば状態1によって示されるスイッチングバ ルブ位置を選択することによってサンプルループ210を充填し、サンプルルー プ210全体がプレカラム140へと排出されるには 不十分な持続時間の間状態2によって示されるスイッチングバルブ位置を選択し 、次いでプレカラム140から注目の成分を流出するために所望される残り時間 の間状態7によって示されるスイッチングバルブ位置を選択することによって達 成される。 本発明によれば、1つの実施形態は、検出器270へと分析カラムの選択され た1つを約3mL/分の速度で通過し、選択されない分析カラム150のメンテ ナンスフローが約3mL/分であり、プレカラムバックフラッシュのフローが約 3mL/分であるキャリアガスとして窒素を使用する。外部サンプルポンプは大 抵の場合各分析毎に10〜20秒間作動され、サンプルループを通過するサンプ ルフロー速度はこのインターバルの間に約100mL/分〜150mL/分である 。従って、典型的なフロー速度は、分析エンジン100の熱的性質に対して識別 可能な影響を与えないほど十分に低い。 図3は、本発明によるブロック115の1つの実施形態を示す。図3は、ブロ ック115の内側の較正チャンバ(calibrated chamber)であるサンプルループ 210、アライメントピンホール310、ポート320、ホール330、ブロッ ク115の上部表面のチャネル340を示している。ポート320、ホール33 0及びチャネル340は(前述のWylie and Raubvogelによる“IMPROVED FLUID CONTROL VALVE ARRANGEM ENT”に記述されているように)流体フローのために設けられており、一方でサ ンプルループ210は分析以前にサンプルを格納するために使用される。 1つの実施形態では、プレカラム140及び分折カラム150はコイル状に巻 かれており、この結果このコイルの直径は3.0インチと3.25インチとの間で あり、各カラムの端部はポリイミド製のフェルールを有するフレアレス管継手( compression fitting)によってバルブブロック115の相応のポートに接続さ れている。内径0.32mmを有する融解石英カラムをコイル状に巻いて3.0イ ンチより小さいコイル直径にすることは、実質的に破砕の可能性を増大させる。 ガスクロマトグラフ検出器ブロック175はバルブブロック115に載置され、 検出器ブロック175は図2のバルブV10及びV15に接続されたギャラリ( gallery)と連通している。ギャラリはバルブブロック115のチャンバを接続 している。1つの実施形態では、検出器270は低濃度で広い範囲のガス及び気 体を検出するのに適した紫外線光電離検出器である。検出器270は検出器ベン ト260によって排気される。検出器セルはランプホルダ170に取り付けられ た紫外線ランプと共にガスクロマトグラフ検出器ブロック175に形成される。 ガスクロマトグラフ検出器ブロック175は1つの実施形態ではアルミニウムの ような高い熱拡散率を有する材料から形成される。 検出器ブロック175内の検出器セルは例えばテトラフルオルエチレン(TFE )又はポリエチル-エチル-ケトン(PEEK)のような電気的絶縁材料から形成 される。検出器サーマルリンク180は熱をスイッチングバルブアセンブリ11 0の上部表面から検出器ブロック175に伝導し、この検出器サーマルリンク1 80は1つの実施形態では銅のような高熱伝導率を有する材料から形成される。 1つの実施形態では、注射器注入ポート190はスイッチングバルブアセンブ リ110の上部表面のねじ穴にしっかり固着される。スイッチングバルブアセン ブリ110のキャリアガスは、このキャリアガスがプレカラム140に入る前に 注射器注入ポート190に収容された取り替え可能なセプタムの下を流れるよう に経路を定められている。 本発明によれば、分析エンジンの温度制御はスイッチングバルブアセンブリ1 10において軸方向に取り付けられたヒーティングエレメント120によって供 給される。1つの実施形態ではスイッチングバルブアセンブリ110は実質的に このスイッチングバルブアセンブリ110の中心軸に取り付けられたヒーティン グエレメント120と共に円筒形状である。スイッチングバルブアセンブリ11 0は中心コア及び熱伝導性材料から成る上部ボルトプレート118及び下部ボル トプレート119を有する。1つの実施形態では、中 心コアは中空合金鋼ボルト(図示せず)であり、上部ボルトプレート118及び 下部ボルトプレート119はアルミニウムから成る。ヒーティングエレメント1 20は厚み0.010インチ、長さ1.5インチ、直径0.188インチを有する ステンレススチールケースの中にセラミック絶縁を有する4オーム抵抗ヒータで ある。熱はヒーティングエレメント120から放射状に伝導されてスイッチング バルブアセンブリ110の温度を高める。また熱はカラムプレート160の半径 方向に伝導される。このカラムプレート160は1つの実施形態ではスイッチン グバルブアセンブリ110の下部表面に熱的に結合されている。プレカラム14 0及び分析カラム150はこのカラムプレート160の上に配置されている。ヒ ーティングエレメント120、スイッチングバルブアセンブリ110、カラムプ レート160、プレカラム140及び分析カラム150は実質的に軸対称である ので、これらのエレメントの温度は実質的に所与の半径に対して均一である。 サーマルカバー185はスイッチングバルブアセンブリ110の上部ボルトプ レート118の周囲(perimeter)に熱伝導的に結合されている。これによってサ ーマルカバー185とスイッチングバルブアセンブリ110の上部ボルトプレー ト118との熱的結合が行われる。サーマルカバー185は上部が開放されて外 側へと広がっておりプレカラム140及び分析カラム 150の外径及び上部表面を密に取り囲む。サーマルカバー185もスイッチン グバルブアセンブリ110、プレカラム140及び分析カラム150と実質的に 軸対称である。1つの実施形態では熱はスイッチングバルブアセンブリ110の 上部プレート118からサーマルカバー185に沿って伝導し、さらにスイッチ ングバルブアセンブリ110の下部表面からカラムプレート160に伝導し、プ レカラム140及び分析カラム150を対流的に熱する。これによって、ガスク ロマトグラフカラムがスイッチングバルブアセンブリ110に熱的に結合される 。分析エンジン100の円対称性はプレカラム140及び分析カラム150の優 勢な対流的加熱の均一性のために設けられている。サーマルカバー185及びカ ラムプレート160は有利には例えば1つの実施形態では銅のような高熱伝導率 を有する金属から形成される。 実施形態においてペルチエクーラ(図1b参照)又はヒートパイプ(図1c参 照)のようなクーラが冷却用に使用される場合、熱の流れはヒータ構成の場合の 熱の流れとは逆方向となる。ペルチエクーラ195は検出器サーマルリンク18 0に熱的に結合され、この検出器サーマルリンク180上に配置されている。ヒ ートパイプ125(図1c)は分析エンジン100を貫通して延在しており、両 端部で冷たい流体又は熱い流体を分析エンジン100を通して循環させるための 手段に接続されている。非常に軽いガスは分析エンジン100に取り付けられた ヒータではなくむしろクーラを使用することによって分析され、この結果、サブ アンビエントな(sub-ambient)温度が維持される。分析エンジン100の温度 は分析中に制御されたやり方で上げられ、このため幅広い範囲の保持時間を有す るサンプル成分が同一の分析において分析される。 温度センサ130は1つの実施形態ではプレカラム140及び分析カラム15 0の下のカラムプレート160の下側に配置され、カラムにおける分析エンジン 100の温度を調整し、保持時間の高い再現可能性を与える。1つの実施形態で は、温度センサ130は白金抵抗デバイスである。温度制御は大抵の場合外部コ ンピュータ及び電源供給部によって管理される。本発明によれば、分析エンジン l00の1つの実施形態は分析エンジン100を20℃の周囲温度から60℃の 動作温度まで上げるために20分間15.2ワットの電力レベルを必要とする。 一度分析エンジン100が60℃の動作温度に達したら、20℃の周囲温度にお いて60℃の動作温度を維持するために3.2ワットが消費される。 分析エンジン100は熱絶縁材料(図示せず)のエンクロージャ(enclosure )の中に収容されている。1つの実施形態では、カラムプレート160は0.3 75インチ厚のポリイミド繊維板のシート及び0.5 インチ厚のオープンセルメラミン(図示せず)のシート(図示せず)の上に設け られ、サーマルカバー185及び検出器サーマルリンク180はオープンセルメ ラミンのボンネット(図示せず)によって覆われている。ランプホルダ170も オープンセルメラミンによって絶縁されている。注入ポート190及び検出器ラ ンプホルダ170に接近しやすいように最小直径の円形の穴がエンクロージャに 設けられている。 上述の本発明の構造の様々な実施形態は本発明の原理のただの実例であり、上 述の特定の実施形態に本発明の範囲は限定されるものではない。この開示におい て、当業者は本発明の原理によってスイッチングバルブ、クロマトグラフィック カラム及び検出器の多くの他の構成を明白に示すことができる。例えば、多数の カラム及び検出器を並列に使用して同時に多数の分析が行われるようにすること ができる。光電離検出器及び電子捕獲検出器のような異なるタイプの2つの検出 器を直列又は並列に使用し、各検出器へのサンプル成分の相対的レスポンスを成 分の識別に使用してこれによってサンプル成分識別の信頼性を向上させることが できる。分析時間は、サンプルループから2つの異なるプレカラム及び分析カラ ム対へと同一サンプルの部分を注入することによって低減され、この結果短時間 保持されるサンプル成分も長時間保持されるサンプル成分も同時に分析できる。 当業者ならば、液体クロマ トグラフ及び超臨界流体クロマトグラフのような温度均一性が重要である、他の タイプのクロマトグラフィック器具にこの分析エンジンを適用することも想到す るだろう。
【手続補正書】 【提出日】平成11年4月26日(1999.4.26) 【補正内容】 (1) 全文を別紙の通り補正する。 (2) 図面の第1A図、第1B図、第1C図、第2図、及び第3図を別紙の通 り補正する。 明細書 ガスクロマトグラフのための分析エンジン 関連出願に対する相互参照 本出願は、本出願の譲渡人により所有される出願シリアル番号08/7098 85の名称“IMPROVED FLUID CONTROL VALVE ARRANGEMENT”by Wylie and Raubv ogelに関連する。 本発明の背景 ガスクロマトグラフではサンプルはガスクロマトグラフィカラムの上部に導入 され、検出器の方向へとキャリアガスによって運ばれる。カラムの内壁を被覆す る吸着材料又はカラムに入れられる実質的に不活性補助材料上に被覆される吸着 材料との相互作用の速度の差によってカラム長を移動する際にサンプル成分は互 いに分離される。それゆえ、異なるサンプル成分はカラム内に異なる時間の間保 持され、固有の時間で検出器に到達する。この「保持時間」は、特定のサンプル 成分の識別に使用され、カラムの吸着材料のタイプ及び量、カラム長、直径、キ ャリアガスタイプ及びフローレート及びカラム温度の関数である。再現可能な保 持時間を有するためには、カラム温度も再現可能である必要がある。ガスクロマ トグラフは周囲温度の範囲内で動作しなくてはならないので、ガスクロマトグラ フは再現可能な保持時間を得るために予期される最高周囲温度よりも大きい温度 にまで加熱することが制御可能である必要がある。 一度全サンプル成分がカラム長を通過し検出器を貫流すれば、ガスクロマトグ ラフ分析は完了である。それゆえ、分析時間は最も長くカラム内に保持されてい たサンプル成分の保持時間によって決定される。 もし第1の分析が完了する前に第2のサンプルがガスクロマトグラフカラムに 導入されると、第1のサンプルの比較的長く保持されている成分と同時に検出器 を貫流する第2のサンプルのあまり長く保持されない成分のために電位が発生す る。この状況は検出器出力信号の解釈を困難にする。この状況を回避するために 、「プレカラムバックフラッシング(precolumn backflushing)」として周知の 技術が使用される。2つのガスクロマトグラフカラム、大抵の場合短いプレカラ ム及び長い分析カラムがカラムのティー(tee)によって直列に接合されている 。最初はこのティーのブランチが閉鎖され、キャリアガスが直列のプレカラム及 び分析カラムに沿って流される。サンプルはプレカラムの上部に導入され、プレ カラムに沿って分析カラムに向かって運ばれる。インターバルをおいて、適切な キャリアガススイッチングバルブ、ベント(vent)及び制御タイミングを使用して 、キャリアガスが2つのカラムの間のティーのブランチに導入される。既にこの ティーを通過したサンプル成分は分析カラムに沿って検出器へと運ばれ続ける。 まだプレカラム内にあるサンプル成分はプレカラムに沿って逆方向に(backwards )どっと流され(flush)、プレカラムの上部から排出される。次のサンプルのた めにプレカラムを洗浄するプレカラムのバックフラッシングは、分析カラムでの 分析と同時に行われる。一度全成分が両方のカラムから抜き取られれば、キャリ アガスが直列の両方のカラムを貫流するようにスイッチされ、システムが次のサ ンプルを受け入れるための準備が整う。 プレカラムバックフラッシングは有利には全分析時間を短縮する。というのも 、分析する必要のない比較的長く保持される成分が分析カラムを通過するのを待 つ必要がないからである。従って、補助排出(coelution)の可能性を低減する ことによって分析の信頼性が増す。 ガスクロマトグラフでは、検出の前に互いに分離され得るサンプル成分のタイ プは使用されるガスクロマトグラフカラムのタイプによって決定される。いくつ かのカラムタイプは軽いガスに適しており、他のカラムタイプは比較的重い気体 に適しており、さらに他のカラムタイプは有極性気体に適している。ガスクロマ トグラフで分析できる化学成分のタイプの柔軟性のために、装置に利用可能な多 数の様々なタイプのカラムを有するのは有利であり、この結果、最適なカラムを 所望の特定の分析のために選択することができる。 周囲空気サンプリングの場合のように大きい容量のサンプルが存在する場合、 サンプルは自動的にガスサンプリングループによってガスクロマトグラフへと導 入され得る。吸入ポンプが所定の容量だけサンプルを吸い込む。適正なバルブ操 作及び制御によってキャリアガスが直ちにこの容量に混ぜられサンプル全体又は サンプルの所定の分量を分析のためのカラムの上部に運ぶ。プロセスから収集さ れたサンプル又は遠隔位置から収集されたサンプルの容器(vessel)の場合のよ うに小さい容量のサンプルが存在する場合、皮下注射型の注射器を使用してこの サンプルの一部が手動でガスクロマトグラフカラムの上部に導入される。再封止 可能なセプタムを有する適正な注射器注入ポートがカラム上部に設置される。両 方のタイプのソースからのサンプルの分析における柔軟性のために、有利にはガ スクロマトグラフは両方のタイプのサンプル導入のための設備を持つ。 ガスクロマトグラフでは、サンプルに接触する全ての部材が化学的に不活性及 び非吸着性であり、高い温度でも保持されると有利である。ガスクロマトグラフ 部材とサンプル成分との化学反応及びガスクロマトグラフ部材へのサンプル成分 の吸着によるサンプル品質の低下を低減することによって分析のクオリティは保 持される。サンプルフロー経路の最小化はさらに接触によるサンプル品質の低下 の可能性を低減する。 手で持ち運びできるバッテリ付きの携帯可能なガスクロマトグラフでは、携帯 性のために小さい質量を有しさらに長い動作時間も有することが所望される。こ の結果、使用者は特別なバッテリを運ぶ必要が無くなり又はバッテリ充電ステー ションに頻繁に戻る必要が無くなる。軽量及び低電力電子構成要素は計装用増幅 器(instrumentation amplifier)、ディスプレイ、インジケータ及び制御装置 にとって有効であり、この結果ガスクロマトグラフによって消費される電力の大 部分がガスクロマトグラフの部材の温度を高めること及び高められた温度にこれ らの部材を維持することに使用される。 米国特許5340543号明細書はモジュラーガスクロマトグラフを記述して いる。ここでは、多数の電気ヒータがオーブンハウジング(第4段、第57〜5 8行)に配置され、バルブアセンブリの対がマニホールドに取り付けられている 。このマニホールドは今度はシャシプレート(chasis plate)に結合されている 。ヨーロッパ特許0499445号はカラム、バルブアセンブリ及びヒータがオ ーブンの中に納められたクロマトグラフシステムを教示している。米国特許40 88458号明細書はキャストアルミニウムヒーティングブロック(cast alumi num heating block)の1つのキャビティの中にカラムが収容され、電気抵抗ヒ ータがこのヒーティングブロックのもう1つのキャビティの中に配置されている アレンジメントを記述している。 本発明の要点 本発明による分析エンジンはスイッチングバルブアセンブリを有し、カラムプ レートを有し、このカラムプレートはスイッチングバルブアセンブリの近傍に配 置され、さらにこのカラムプレートはこのスイッチングバルブアセンブリに熱的 に結合されており、サーマルカバーを有し、このサーマルカバーはスイッチング バルブアセンブリの近傍に配置されており、このサーマルカバーはこのスイッチ ングバルブアセンブリに熱的に結合されており、さらにこのサーマルカバーはこ のスイッチングバルブアセンブリと実質的に同軸であり、分析カラムを有し、こ の分析カラムはスイッチングバルブアセンブリ及びカラムプレートの近傍に位置 決めされている。この分析カラムはスイッチングバルブアセンブリ、サーマルカ バー及びカラムプレートに熱的に結合されており、この分析カラムはサーマルカ バー及びカラムプレートを含むエンクロージャの中にある。 本発明は、以下に分析エンジンと呼ばれるクロマトグラフ構成要素のアセンブ リを含み、この分析エンジンは高められた温度又は低減された温度で動作し、サ ンプル注入、プレカラムバックフラッシュ、分析カラム選択及び検出の機能を低 減された質量及び容積において実施し、携帯可能なガスクロマトグラフにおける 使用に適した低減された電力消費のために低減された表面面積を有する。スイッ チングバルブアセンブリ、カラムプレート、サーマルカバー及び検出器ブロック を有するこのアセンブリの部材は熱的に結合されており、ガスクロマトグラフカ ラムを含むサンプルに接触するこのアセンブリの部材は、例えば有効なアキシャ ルヒータ(efficient axial heater)、ペルチエクーラ(Peltier cooler)又は ヒートパイプ及び温度センサを使用して制御された温度に維持され、これらによ って分析の信頼性を高める。本発明によれば、温度制御手段は軸方向に載置され る必要がなく、例えばペルチエクーラはサーマルカバーのすぐ近傍に載置するこ とができる。 ガスクロマトグラフカラムは1つのプレカラム及び複数の分析カラムを含む。 分析エンジンアセンブリはプレカラムへのサンプルループ注入、プレカラムへの 注射器注入及びプレカラムから分析カラムの1つへのサンプルの注入のための設 備を持つ。分析エンジンは、可変プレカラム分離タイミング、異なる分析カラム へのサンプル分配及び多数の検出器の選択のような極めて複雑なサンプル操作を 実施するためにも構成される。 分析器の低減された質量、容積及び電力消費はスペース又は電力又はこれら両 方が制限された場所又は非常に急速な熱循環が必要とされる場所での分析アプリ ケーションに良く適している。アプリケーションは、オンラインプロセスアプリ ケーション、操作者がすぐ近くにいない遠隔モニタリングアプリケーション、患 者の吐息の分析のためのベッドサイドでの使用、空中、宇宙又は海中での作業に おける使用及びベンチスペースが限定された実験室での使用を含む。 図面の説明 図1aは、本発明の実施形態による電気ヒータを有するガスクロマトグラフィ のための分析エンジンの分解部材配列図である。 図1bは、本発明の実施形態によるペルチエクーラを有するガスクロマトグラ フィのための分析エンジンの分解部材配列図である。 図1cは、本発明の実施形態によるヒートパイプを有するガスクロマトグラフ ィのための分析エンジンの分解部材配列図である。 図2は、本発明の実施形態によるスイッチングバルブV1〜V10、V13〜 V15、V11A、V11B、V12A、V12B、V16A、V16B、V1 7A、V17Bを有する分析エンジンのニューマティックダイアグラム(pneuma tic diagram)である。 図3は、本発明の実施形態による分析エンジンのスイッチングバルブアセンブ リのブロックにおけるサンプルループを示す。 発明の詳細な記述 図1aは、本発明の実施形態による電気ヒータを有するガスクロマトグラフィ のための分析エンジンの分解部材配列図である。分析エンジン100はスイッチ ングバルブアセンブリ110(このアセンブリ100の部分はバルブブロック1 15である)、ヒーティングエレメント120、温度センシングエレメント13 0、ガスクロマトグラフプレカラム140、3つのガスクロマトグラフ分析カラ ム154、155、156、カラムプレート160、検出器ブロック175、ラ ンプホルダ170、検出器サーマルリンク180、注射器注入ポート190及び サーマルカバー185を含んでいる。 スイッチングバルブアセンブリ110は(上記出願シリアル番号08/709 885に開示されているように)流体制御バルブ装置であり、この流体制御バル ブ装置は多数の機能を実施する。本発明によれば、スイッチングバルブアセンブ リ110は、サンプルループ210(図2及び図3参照)充填の機能、サンプル ループ210内容物のプレカラム140への注入の機能、プレカラム140への 注射器注入の機能、プレカラム140から3つの分析カラム150のうちの1つ へのサンプルの注入の機能を実施する。3つの分析カラム150は、低(low) 保持カラム154、中間(medlum)保持カラム155又は高(high)保持カラム15 6を含む。スイッチングバルブアセンブリ110によって実施される付加的な機 能は、選択されない際に3つの分析カラム150のうちの2つの分析カラムを通 るベントへのメンテナンスフローをすること、プレカラム140からプレカラム バックフラッシュベント250(図2参照)へと保持された成分をバックフラッ シュすること、分析カラム154、155、156の内の選択された1つの分析 カラムからサンプルを検出器ブロック175へと注入すること及びプレカラム1 40をバイパスして低保持分析カラム154を介して直接検出器ブロック175 へとサンプルループ210からサンプルを注入することである。 1つの実施形態におけるスイッチングバルブアセンブリ110は21個の相互 接続されたバルブエレメントの多層不活性メンブレンブリスタバルブアセンブリ (multilayer inert membrane blister valve assembly)であり、1つの実施形 態では分析バルブインターコネクションはメンブレンブリスタを有する層とは異 なる層に作られる。多層バルブアセンブリはドライバプレートの対、引きのばさ れたブリスタを有するメンブレンの対及びバルブブロック115の周囲に対称的 に配置されたシートプレートの対を有する。ブリスタを有する層とは異なる層に インターコネクションを有することによって、最小限の外部インターコネクショ ンを有する最小限の容積に最大限の数のバルブをパッケージングすることができ る。 スイッチングバルブアセンブリ110のバルブブロック115は、プレカラム 140、(分析カラム154、分析カラム155及び分析カラム156を含む) 分析カラム150及び検出器ブロック175をこのスイッチングバルブアセンブ リ110に接続するためのマニホールドとして機能する。分析エンジン100の 外部の空気圧支持構成要素もバルブブロック115に接続されている。1つの実 施形態では、ガスクロマトグラフカラムと空気圧支持構成要素との接続のために バルブブロック115に全部で12個のフレアレス管継手(compression fittin g)がある。空気圧支持構成要素は、分析カラム154、155、156に沿っ てサンプルを運ぶためにキャリアガスインプット220(図2参照)に供給され る圧縮され圧力調整されたキャリアガスの供給部、分析用ガスサンプル又は気体 サンプルを収集するための吸入ポンプの吸い出しポンプ(out-to-suction pump )230におけるアタッチメント、ガス又は気体サンプルから微粒子を取り去る ためのインレットフィルタ及びキャリアガス消費を最小限にするためのプレカラ ムバックフラッシュベント250(図2参照)におけるガスフロー制限器を含む 。1つの実施形態では、メンブレンバルブを動作するための駆動流体として加圧 された窒素を供給するためのパイロットバルブへの空気圧接続は、スイッチング バルブアセンブリ110の下部表面の管継手によって行われる。1つの実施形態 では、駆動流体の圧力はカラムヘッド圧力より大きく15psi(ポンド毎平方 インチ)と42psiとの間で維持される。駆動流体消費は大抵の場合1mL/ 分より小さい。 プレカラム140は比較的短く保持力のないカラムであり、1つの実施形態で はこのカラムは内側をポリ(35%ジフェニル-65%ジメチルシロキサン)に よって被覆された長さ4mの0.53mm内径のステンレススチール管類である 。3つの分析カラム150は特定のアプリケーションに依存して保持を変化する カラムのグループから選択される。エアボーン(airborne)揮発性有機化合物の 部類の分析のために、1つの実施形態で使用される低保持カラム154は内径0 .25mmで8m長の不活性化された融解石英毛細管である。本発明の1つの実 施形態では、中間保持分析カラム155は、内径0.32mmの融解石英の20 m長の毛細管であり、ポリ(エチレングリコール)の1.0mm厚コーティング によって内側を被覆されているカラムが使用される。1つの実施形態において、 高保持分析カラムは100%メチルシリコンの12mmコーティングを有する内 径0.32mmの15m長の融解石英毛細管である。 図2には、スイッチングバルブV1〜V10、V13〜V15、V11A、V 11B、V12A、V12B、V16A、V16B、V17A、V17Bを有す る分析エンジン100の概略的なニューマティックダイアグラムを示している。 テーブル1は分析エンジン100によって実施される機能、図2に示されたスイ ッチングバルブの各々の相応の位置(フローの許可又は阻止)及びスイッチング バルブを動作するために加圧されたガスを入れる(図示されていない)リモート パイロットバルブのリストを示す。以下においては、「状態」は図2に示された スイッチングバルブの装置によって実施されている相応の機能を指す。図2はテ ーブル1の状態1に相応する位置にあるスイッチングバルブを示している。1つ の実施形態では、スイッチングバルブV11A及びV11B、V12A及びV1 2B、V16A及びV16B、V17A及びV17Bはそれぞれ並列に配置され ている。異なるパイロットバルブによって並列スイッチングバルブの対のうちの 各々1つを動作することによって、要求される機能を実施するために必要なパイ ロットバルブの総数が低減できる。テーブル2はスイッチングバルブと動作する パイロットバルブとスイッチングバルブとの対応関係を示す。 テーブル1 テーブル2 図2及びテーブル1によれば、サンプルループ注入を使用する典型的な分析は 次のように進行する。 最初にスイッチングバルブは状態1で外部ポンプを使用してサンプルインプッ ト240でサンプルループ210を充填する(図3参照)。とりわけ、バルブV 1及びV2をオープンすると、吸い出しポンプ230に取り付けられた吸入ポン プによってサンプルはインプット240からサンプルループ210へと引き寄せ られる。キャリアガスはバルブV3、V8、V11B、V12A、V13、V1 6B及びV17Aがフローを許可することによりキャリアガスインプット220 に流入する。キャリアガスはプレカラム140及び注入ポート190をプレカラ ムバックフラッシュベント250によってバックフラッシュする。キャリアガス は分析カラム154を検出器270及び検出器ベント260によって排気し、さ らに分析カラム155を分析カラムベント280によって排気し、さらに分析カ ラム156を分析カラムベント290によって排気する。スイッチングバルブは 状態2にスイッチされ、サンプルループ210の内容物をプレカラム140に注 入し、サンプル成分が迅速に押し出され分析カラム154に流入することを可能 にする。次いでスイッチングバルブは状態1にスイッチされ、プレカラム140 をプレカラムバックフラッシュベント250へとバックフラッシュし、一方で注 目のサンプル成分は分析カラム154を通過し検出器270を貫流する。 分析のために連続して状態5、状態3及び状態5に相応するスイッチングバル ブ位置を利用すると、プレカラム140から流出するサンプル成分はさらに検出 の前に分析カラム155で分離される。分析のために連続して状態6、状態4及 び状態6に相応するスイッチングバルブ位置を利用すると、プレカラム140か ら流出するサンプル成分はさらに検出の前に高保持分析カラム156で分離され る。 典型的な注射器注入分析は状態7により示されているスイッチングバルブ位置 を選択することによって実施され、サンプルを注射器によって注射器注入ポート 190から導入する。注射器注入ポート190はスイッチングバルブアセンブリ 110と連通している。この分析は、注目のサンプル成分がプレカラム140か ら分析カラム154に一度排出されると状態1によって示されているスイッチン グバルブ位置によって進行する。サンプル成分の付加的な分離は、注射器注入が 実施される前に分析カラム155に供給するようにプレカラム140がをスイッ チすることによって達成される。さらなる分離もプレカラム140が分析カラム 156に供給するようにさせることによって達成される。これらのスイッチング バルブ位置はテーブル1には明示的には示されていない。分離することなしにサ ンプルの全ての検出可能な成分のトータルを測定する分析は、プレカラム140 をバイパスし状態8によって示されているバルブ位置を選択し次に状態1によっ て示されているバルブ位置を選択することによって実施される。所望の成分を検 出するために分析中の異なる時点に異なる分析カラム150に流出するプレカラ ム140の部分をスイッチし検出器270に供給するように分析カラム150を スイッチすることも可能である。これによって同一のサンプルから幅広い範囲の 保持時間を有するサンプル成分を分析することが可能になる。 あらゆる分析において、プレカラム140から分析カラムの選択された1つの カラム154、155又は156へと流出するサンプルの量は、プレカラム14 0が分析カラムの選択された1つのカラム154、155又は156に供給する 時間の長さを変化させることによって調整できる。バルブタイミングは1つの実 施形態において例えばMC68332マイクロコントローラのような分析エンジ ン100の外部のコンピュータによって制御される。 サンプルループ210(図3参照)注入分析の場合、サンプルループ210か らプレカラム140へと注入されるサンプルの量を調整することができる。この 注入されるサンプル量の調整は、例えば状態1によって示されるスイッチングバ ルブ位置を選択することによってサンプルループ210を充填し、サンプルルー プ210全体がプレカラム140へと排出されるには不十分な持続時間の間状態 2によって示されるスイッチングバルブ位置を選択し、次いでプレカラム140 から注目の成分を流出するために所望される残り時間の間状態7によって示され るスイッチングバルブ位置を選択することによって達成される。 本発明によれば、1つの実施形態は、検出器270へと分析カラムの選択され た1つを約3mL/分の速度で通過し、選択されない分折カラム150のメンテ ナンスフローが約3mL/分であり、プレカラムバックフラッシュのフローが約 3mL/分であるキャリアガスとして窒素を使用する。外部サンプルポンプは大 抵の場合各分析毎に10〜20秒間作動され、サンプルループを通過するサンプ ルフロー速度はこのインターバルの間に約100mL/分〜150mL/分である 。従って、典型的なフロー速度は、分析エンジン100の熱的性質に対して識別 可能な影響を与えないほど十分に低い。 図3は、本発明によるブロック115の1つの実施形態を示す。図3は、ブロ ック115の内側の較正チャンバ(calibrated chamber)であるサンプルループ 210、アライメントピンホール310、ポート320、ホール330、ブロッ ク115の上部表面のチャネル340を示している。ポート320、ホール33 0及びチャネル340は流体フローのために設けられており、一方でサンプルル ープ210は分析以前にサンプルを格納するために使用される。 1つの実施形態では、プレカラム140及び分析カラム150はコイル状に巻 かれており、この結果このコイルの直径は3.0インチと3.25インチとの間で あり、各カラムの端部はポリイミド製のフェルールを有するフレアレス管継手( compression fitting)によってバルブブロック115の相応のポートに接続さ れている。内径0.32mmを有する融解石英カラムをコイル状に巻いて3.0イ ンチより小さいコイル直径にすることは、実質的に破砕の可能性を増大させる。 ガスクロマトグラフ検出器ブロック175はバルブブロック115に載置され、 検出器ブロック175は図2のバルブV10及びV15に接続されたギャラリ( gallery)と連通している。ギャラリはバルブブロック115のチャンバを接続 している。1つの実施形態では、検出器270は低濃度で広い範囲のガス及び気 体を検出するのに適した紫外線光電離検出器である。検出器270は検出器ベン ト260によって排気される。検出器セルはランプホルダ170に取り付けられ た紫外線ランプと共にガスクロマトグラフ検出器ブロック175に形成される。 ガスクロマトグラフ検出器ブロック175は1つの実施形態ではアルミニウムの ような高い熱拡散率を有する材料から形成される。検出器ブロック175内の検 出器セルは例えばテトラフルオルエチレン(TFE)又はポリエチル-エチル-ケ トン(PEEK)のような電気的絶縁材料から形成される。検出器サーマルリン ク180は熱をスイッチングバルブアセンブリ110の上部表面から検出器ブロ ック175に伝導し、この検出器サーマルリンク180は1つの実施形態では銅 のような高熱伝導率を有する材料から形成される。 1つの実施形態では、注射器注入ポート190はスイッチングバルブアセンブ リ110の上部表面のねじ穴にしっかり固着される。スイッチングバルブアセン ブリ110のキャリアガスは、このキャリアガスがプレカラム140に入る前に 注射器注入ポート190に収容された取り替え可能なセプタムの下を流れるよう に経路を定められている。 本発明によれば、分折エンジンの温度制御はスイッチングバルブアセンブリ1 10において軸方向に取り付けられたヒーティングエレメント120によって供 給される。1つの実施形態ではスイッチングバルブアセンブリ110は実質的に このスイッチングバルブアセンブリ110の中心軸に取り付けられたヒーティン グエレメント120と共に円筒形状である。スイッチングバルブアセンブリ11 0は中心コア及び熱伝導性材料から成る上部ボルトプレート118及び下部ボル トプレート119を有する。1つの実施形態では、中心コアは中空合金鋼ボルト (図示せず)であり、上部ボルトプレート118及び下部ボルトプレート119 はアルミニウムから成る。ヒーティングエレメント120は厚み0.010イン チ、長さ1.5インチ、直径0.188インチを有するステンレススチールケース の中にセラミック絶縁を有する4オーム抵抗ヒータである。熱はヒーティングエ レメント120から放射状に伝導されてスイッチングバルブアセンブリ110の 温度を高める。また熱はカラムプレート160の半径方向に伝導される。このカ ラムプレート160は1つの実施形態ではスイッチングバルブアセンブリ110 の下部表面に熱的に結合されている。プレカラム140及び分析カラム150は このカラムプレート160の上に配置されている。ヒーティングエレメント12 0、スイッチングバルブアセンブリ110、カラムプレート160、プレカラム 140及び分析カラム150は実質的に軸対称であるので、これらのエレメント の温度は実質的に所与の半径に対して均一である。 サーマルカバー185はスイッチングバルブアセンブリ110の上部ボルトプ レート118の周囲(perimeter)に熱伝導的に結合されている。これによってサ ーマルカバー185とスイッチングバルブアセンブリ110の上部ボルトプレー ト118との熱的結合が行われる。サーマルカバー185は上部が開放されて外 側へと広がっておりプレカラム140及び分析カラム150の外径及び上部表面 を密に取り囲む。サーマルカバー185もスイッチングバルブアセンブリ110 、プレカラム140及び分析カラム150と実質的に軸対称である。1つの実施 形態では熱はスイッチングバルブアセンブリ110の上部プレート118からサ ーマルカバー185に沿って伝導し、さらにスイッチングバルブアセンブリ11 0の下部表面からカラムプレート160に伝導し、プレカラム140及び分析カ ラム150を対流的に熱する。これによって、ガスクロマトグラフカラムがスイ ッチングバルブアセンブリ110に熱的に結合される。分析エンジン100の円 対称性はプレカラム140及び分析カラム150の優勢な対流的加熱の均一性の ために設けられている。サーマルカバー185及びカラムプレート160は有利 には例えば1つの実施形態では銅のような高熱伝導率を有する金属から形成され る。 実施形態においてペルチエクーラ(図1b参照)又はヒートパイプ(図1c参 照)のようなクーラが冷却用に使用される場合、熱の流れはヒータ構成の場合の 熱の流れとは逆方向となる。ペルチエクーラ195は検出器サーマルリンク18 0に熱的に結合され、この検出器サーマルリンク180上に配置されている。ヒ ートパイプ125(図1c)は分析エンジン100を貫通して延在しており、両 端部で冷たい流体又は熱い流体を分析エンジン100を通して循環させるための 手段に接続されている。非常に軽いガスは分析エンジン100に取り付けられた ヒータではなくむしろクーラを使用することによって分析され、この結果、サブ アンビエントな(sub-ambient)温度が維持される。分析エンジン100の温度 は分析中に制御されたやり方で上げられ、このため幅広い範囲の保持時間を有す るサンプル成分が同一の分析において分析される。 温度センサ130は1つの実施形態ではプレカラム140及び分析カラム15 0の下のカラムプレート160の下側に配置され、カラムにおける分析エンジン 100の温度を調整し、保持時間の高い再現可能性を与える。1つの実施形態で は、温度センサ130は白金抵抗デバイスである。温度制御は大抵の場合外部コ ンピュータ及び電源供給部によって管理される。本発明によれば、分析エンジン 100の1つの実施形態は分析エンジン100を20℃の周囲温度から60℃の 動作温度まで上げるために20分間15.2ワットの電力レベルを必要とする。 一度分析エンジン100が60℃の動作温度に達したら、20℃の周囲温度にお いて60℃の動作温度を維持するために3.2ワットが消費される。 分析エンジン100は熱絶縁材料(図示せず)のエンクロージャ(enclosure )の中に収容されている。1つの実施形態では、カラムプレート160は0.3 75インチ厚のポリイミド繊維板のシート及び0.5インチ厚のオープンセルメ ラミン(図示せず)のシート(図示せず)の上に設けられ、サーマルカバー18 5及び検出器サーマルリンク180はオープンセルメラミンのボンネット(図示 せず)によって覆われている。ランプホルダ170もオープンセルメラミンによ って絶縁されている。注入ポート190及び検出器ランプホルダ170に接近し やすいように最小直径の円形の穴がエンクロージャに設けられている。 上述の本発明の構造の様々な実施形態は本発明の原理のただの実例であり、上 述の特定の実施形態に本発明の範囲は限定されるものではない。この開示におい て、当業者は本発明の原理によってスイッチングバルブ、クロマトグラフィック カラム及び検出器の多くの他の構成を明白に示すことができる。例えば、多数の カラム及び検出器を並列に使用して同時に多数の分析が行われるようにすること ができる。光電離検出器及び電子捕獲検出器のような異なるタイプの2つの検出 器を直列又は並列に使用し、各検出器へのサンプル成分の相対的レスポンスを成 分の識別に使用してこれによってサンプル成分識別の信頼性を向上させることが できる。分析時間は、サンプルループから2つの異なるプレカラム及び分析カラ ム対へと同一サンプルの部分を注入することによって低減され、この結果短時間 保持されるサンプル成分も長時間保持されるサンプル成分も同時に分析できる。 当業者ならば、液体クロマトグラフ及び超臨界流体クロマトグラフのような温度 均一性が重要である、他のタイプのクロマトグラフィック器具にこの分析エンジ ンを適用することも想到するだろう。 請求の範囲 1.ガス及び/又は気体組成物及び/又は濃度を分析するための分析エンジンにお いて、該分析エンジンは、 スイッチングバルブアセンブリを有し、 該スイッチングバルブアセンブリのすぐ近傍にカラムプレートを有し、該カ ラムプレートは前記スイッチングバルブアセンブリに熱的に結合されており、 該スイッチングバルブアセンブリのすぐ近傍にサーマルカバーを有し、該サ ーマルカバーは前記スイッチングバルブアセンブリに熱的に結合されており、 さらに前記サーマルカバーは前記スイッチングバルブアセンブリと実質的に同 軸であり、 該スイッチングバルブアセンブリ及び前記カラムプレートのすぐ近傍に位置 決めされた分析カラムを有し、該分析カラムは前記スイッチングバルブアセン ブリ、前記サーマルカバー及び前記カラムプレートの各々に熱的に結合されて おり、前記分析カラムは前記サーマルカバー及び前記カラムプレートを含むエ ンクロージャの中にある、ガス及び/又は気体組成物及び/又は濃度を分析する ための分析エンジン。 2.前記分析カラムは実質的に前記スイッチングバルブアセンブリの周囲に軸対 称に位置決めされている、請求項1記載の分析エンジン。 3.前記スイッチングバルブアセンブリはさらにバルブブロックを有し、該バル ブブロックは検出器ブロックに結合されており、該検出器ブロックは検出器サ ーマルリンクによって前記スイッチングバルブアセンブリに熱的に結合されて いる、請求項1記載の分析エンジン。 4.前記バルブブロックは少なくとも1つのメンブレンバルブを有する、請求項 3記載の分析エンジン。 5.注射器注入ポートは前記スイッチングバルブアセンブリのすぐ近傍にある、 請求項1記載の分析エンジン。 6.前記サーマルカバー及び前記カラムプレートは各々高い熱伝導率を有する材 料から形成される、請求項1記載の分析エンジン。 7.前記高い熱伝導率を有する材料は銅である、請求項6記載の分析エンジン。 8.電気ヒータを有する請求項1記載の分析エンジン。 9.前記電気ヒータは前記スイッチングバルブアセンブリにおいて軸方向にアラ イメントされて取り付けられる、請求項8記載の分析エンジン。 10.前記電気ヒータは20℃の周囲環境において動作温度に分析エンジンを維 持するために8ワットより小さい電力を消費する、請求項9記載の分析エンジ ン。 11.請求項1の分析エンジンにおいて、スイッチングバルブアセンブリは、 幾何学的な内部を定めてカバーする第1の面を有し、 幾何学的な内部を定めてカバーする第2の面を有し、 幾何学的な内部を定めてカバーする周囲(perimeter)を有し、 さらにバルブブロックを有し、 前記第1の面のすぐ近傍にカラムプレートを有し、該カラムプレートは前記 第1の面に熱的に結合されており、 前記周囲のすぐ近傍にサーマルカバーを有し、該サーマルカバーは前記周囲 に熱的に結合されており、 該スイッチングバルブアセンブリと実質的に同軸に及び前記カラムプレート のすぐ近傍に位置決めされた複数のガスクロマトグラフカラムを有し、該複数 のガスクロマトグラフカラムは前記スイッチングバルブアセンブリ、前記サー マルカバー及び前記カラムプレートの各々に熱的に結合されており、 前記バルブブロックに結合された検出器ブロックを有し、該検出器ブロック は検出器サーマルリンクによって前記第2の面に熱的に結合されている、請求 項1の分析エンジン。 12.さらに温度を制御するための手段を有する請求項11記載の分析エンジン 。 13.前記温度を制御するための手段はペルチエクーラである、請求項12記載 の分析エンジン。 14.前記温度を制御するための手段は軸方向のヒートパイプである、請求項 12記載の分折エンジン。 15.前記温度を制御するための手段は軸方向にアライメントされ軸方向に取り 付けられた電気的なヒーティングエレメントである、請求項12記載の分析エ ンジン。 16.前記複数のガスクロマトグラフカラムのうちの選択されたカラムは選択的 に前記検出器ブロックと連通している、請求項11記載の分析エンジン。 17.前記検出器ブロックはアルミニウム製である、請求項11記載の分析エン ジン。 18.前記複数のガスクロマトグラフカラムのうちの1つはプレカラムであり、 該プレカラムは洗浄のためにバックフラッシュされる、請求項11記載の分析 エンジン。 19.前記複数のガスクロマトグラフカラムのうちの選択されないカラムを通し てメンテナンスフローが行われる、請求項11記載の分析エンジン。 20.温度センサは前記カラムプレートのすぐ近傍に取り付けられる、請求項1 1記載の分析エンジン。 21.前記温度センサは白金抵抗デバイスである、請求項20記載の分析エンジ ン。 22.検出器は前記検出器ブロックに取り付けられる、請求項11記載の分析エ ンジン。 23.前記検出器は紫外線光電離検出器である、請求項22記載の分析エンジン 。 24.前記検出器は電子捕獲検出器である、請求項22記載の分析エンジン。 25.ガス及び/又は気体組成物及び/又は濃度を分析するための分析エンジンは 全体アセンブリにおいて次のような構成要素を有する、すなわち、スイッチン グバルブアセンブリを有し、該スイッチングバルブアセンブリに熱的に結合さ れたガスクロマトグラフカラムを有し、さらに温度制御エレメントを有し、該 温度制御エレメントはスイッチングバルブアセンブリの内部を通過し、前記温 度制御エレメントは前記スイッチングバルブアセンブリの軸方向にアライメン トされ、前記温度制御エレメントはヒーティング又はクーリングを提供する 、ガス及び/又は気体組成物及び/又は濃度を分析するための分析エンジン。 【図1A】【図1】【図1】【図2】【図3】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 分析エンジンにおいて、 スイッチングバルブアセンブリを有し、 該スイッチングバルブアセンブリのすぐ近傍にカラムプレートを有し、該カ ラムプレートは前記スイッチングバルブアセンブリに熱的に結合されており、 該スイッチングバルブアセンブリのすぐ近傍にサーマルカバーを有し、該サ ーマルカバーは前記スイッチングバルブアセンブリに熱的に結合されており、さ らに前記サーマルカバーは前記スイッチングバルブアセンブリと実質的に同軸で あり、 該スイッチングバルブアセンブリ及び前記カラムプレートのすぐ近傍に位置 決めされた分析カラムを有し、該分析カラムは前記スイッチングバルブアセンブ リ、前記サーマルカバー及び前記カラムプレートの各々に熱的に結合されている 、分析エンジン。 2. 前記分析カラムは実質的に前記スイッチングバルブアセンブリに対して軸 対称に位置決めされている、請求項1記載の分析エンジン。 3. 前記スイッチングバルブアセンブリはさらにバルブブロックを有し、該バ ルブブロックは検出器ブロックに結合されており、該検出器ブロックは検出器サ ーマルリンクによって前記スイッチングバルブ アセンブリに熱的に結合されている、請求項1記載の分析エンジン。 4. 前記バルブブロックは少なくとも1つのメンブレンバルブを有する、請求 項3記載の分析エンジン。 5. 注射器注入ポートは前記スイッチングバルブアセンブリのすぐ近傍にある 、請求項1記載の分析エンジン。 6. 前記サーマルカバー及び前記カラムプレートは各々高い熱伝導率を有する 材料から形成される、請求項1記載の分析エンジン。 7. 前記高い熱伝導率を有する材料は銅である、請求項6記載の分析エンジン 。 8. 電気ヒータを有する請求項1記載の分析エンジン。 9. 前記電気ヒータは前記スイッチングバルブアセンブリにおいて軸方向に取 り付けられる、請求項8記載の分析エンジン。 10.前記電気ヒータは20℃の周囲環境において動作温度に分析エンジンを維 持するために8ワットより小さい電力を消費する、請求項9記載の分析エンジン 。 11.分析エンジンにおいて、 第1の面、 第2の面、 周囲(perimeter)及び バルブブロックを有するスイッチングバルブアセンブリを有し、 前記第1の面のすぐ近傍にカラムプレートを有し、該カラムプレートは前記 第1の面に伝導的に結合されており、 前記周囲のすぐ近傍にサーマルカバーを有し、該サーマルカバーは前記周囲 に伝導的に結合されており、さらに前記サーマルカバーは前記スイッチングバル ブアセンブリと実質的に同軸であり、 該スイッチングバルブアセンブリと実質的に同軸に及び前記カラムプレート のすぐ近傍に位置決めされた複数のガスクロマトグラフカラムを有し、該複数の ガスクロマトグラフカラムは前記スイッチングバルブアセンブリ、前記サーマル カバー及び前記カラムプレートの各々に対流的に結合されており、 前記バルブブロックに結合された検出器ブロックを有し、該検出器ブロック は検出器サーマルリンクによって前記第2の面に伝導的に結合されている、分析 エンジン。 12.さらに温度を制御するための手段を有する請求項11記載の分析エンジン 。 13.前記温度を制御するための手段はペルチエクーラである、請求項12記載 の分析エンジン。 14.前記温度を制御するための手段は軸方向のヒー トパイプである、請求項12記載の分析エンジン。 15.前記温度を制御するための手段は軸方向に取り付けられた電気的なヒーテ ィングエレメントである、請求項12記載の分析エンジン。 16.前記複数のガスクロマトグラフカラムのうちの選択されたカラムは選択的 に前記検出器ブロックと連通している、請求項11記載の分析エンジン。 17.前記検出器ブロックはアルミニウム製である、請求項11記載の分析エン ジン。 18.前記複数のガスクロマトグラフカラムのうちの1つはプレカラムであり、 該プレカラムは洗浄のためにバックフラッシュされる、請求項11記載の分析エ ンジン。 19.前記複数のガスクロマトグラフカラムのうちの選択されないカラムを通し てメンテナンスフローが行われる、請求項11記載の分析エンジン。 20.温度センサは前記カラムプレートのすぐ近傍に取り付けられる、請求項1 1記載の分析エンジン。 21.前記温度センサは白金抵抗デバイスである、請求項20記載の分析エンジ ン。 22.検出器は前記検出器ブロックに取り付けられる、請求項11記載の分析エ ンジン。 23.前記検出器は紫外線光電離検出器である、請求項22記載の分析エンジン 。 24.前記検出器は電子捕獲検出器である、請求項2 2記載の分析エンジン。 25.温度制御エレメントはスイッチングバルブアセンブリの内部を通過する、 該スイッチングバルブアセンブリを有する分析エンジン。
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