JP2014181983A - 硬さ試験機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 圧子および対物レンズの煩雑な位置調整作業を行う必要がなく、正確に硬さ試験を実行することが可能な硬さ試験機を提供する。
【解決手段】 制御部は、ターレットを回転させ、圧子を試験片100の表面に対向配置させるとともに、設定された試験位置(i、j)と圧子21の負荷軸の軸心が一致するように、XYステージ12を移動させる。XYステージ12のXY座標平面での移動量を、試験位置(i、j)までの移動量だけではなく、対物レンズの視野中心と圧子の負荷軸の軸心とのズレ量分(a,b)をさらに加えた移動量とすることで、設定された試験位置に正確にくぼみを形成することができる。
【選択図】 図9

Description

この発明は、試験片の硬さを測定する硬さ試験機に関する。
このような硬さ試験機は、試験片を載置して試験片をXY平面上に位置決めするXYステージと、試験片の表面にくぼみを形成するための圧子と、試験位置において圧子を試験片に押し付けることにより圧子に試験力を付与する負荷機構と、試験片の表面に形成されたくぼみを観察するための対物レンズと、対物レンズおよび圧子の何れか一つを試験位置と対向させるように切り替えるターレットとを備えている。そして、試験片の表面に形成されたくぼみの大きさを計測し、そのくぼみの大きさに基づいて試験片の硬さを求める構成となっている(特許文献1参照)。
このように、硬さ試験機では、試験片に試験力を付与する負荷系の負荷軸と、試験片に形成されたくぼみを観察するための光学系の光軸とを同軸とし、試験片に対して圧子と対物レンズを移動させることで、負荷系と光学系とを切り替える構成が採用されている。
このような硬さ試験機においてビッカース硬さ試験を行うときには、先ず、ステージ上に載置した試験片を低倍率対物レンズにより観察して、試験片の形状検出と圧子を押し付ける試験位置を決めている。そして、決められた試験位置に圧子を押し付ける動作を実行した後に、試験片の表面に形成されたくぼみを、くぼみの大きさの計測に適した倍率の対物レンズにより観察することで、くぼみ計測を実行している。
特許文献1に記載されているように、ターレットを回転させることにより圧子と対物レンズを移動させる場合、圧子の負荷軸の軸心と、各対物レンズの視野中心が一致するように、圧子および対物レンズの位置を調整しておく必要がある。
図15は、従来の硬さ試験機における、低倍率対物レンズの視野と高倍率対物レンズの視野およびくぼみの中心との位置関係を説明する模式図である。図15(a)は、低倍率対物レンズの視野中心、高倍率対物レンズの視野中心および圧子の負荷軸の軸心が一致するように調整されている状態を示し、図15(b)は、低倍率対物レンズの視野中心、高倍率対物レンズの視野中心および圧子の負荷軸の軸心が相互にズレている状態を示している。なお、図中の実線で示す円は、低倍率対物レンズの視野範囲を示し、破線で示す円は、高倍率対物レンズの視野範囲を示す。また、図中の正方形は圧子により形成されるくぼみを示し、+印は低倍率対物レンズの視野中心を示す。
圧子および対物レンズの位置調整が不十分であると、例えば、低倍率対物レンズの視野中心を試験位置と決めて圧子を押し付けたとしても、実際に形成されたくぼみの中心は、図15(b)に示すように低倍率対物レンズの視野中心と一致しないことになる。すなわち、オペレータが本来意図した試験位置に、くぼみが形成されないことになる。日本工業規格におけるビッカース硬さ試験の試験方法(JISZ2244)では、くぼみの中心から試験片の縁までの距離に関する規定があり、オペレータが表示装置に表示された低倍率対物レンズを介して得られた試験片の画像を見て、試験規格に規定された条件を満たす位置を試験位置に指定したとしても、低倍率対物レンズの視野中心と圧子の負荷軸の軸心とがズレていると、実際にくぼみが形成された位置は試験規格に規定された条件を満たさなくなり、試験が失敗となる場合もある。
さらに、くぼみを高倍率対物レンズで観察するときに、圧子の負荷軸の軸心と高倍率対物レンズの視野中心、もしくは、低倍率対物レンズの視野中心と高倍率の対物レンズの視野中心が相互に一致していなければ、大きさを計測すべきくぼみの一部が高倍率対物レンズの視野外となり、くぼみ計測が実行できなくなることがある(図15(b)参照)。また、複数のくぼみが対物レンズの視野内にある場合、くぼみ計測を行うべき計測対象の特定に時間がかかったり、計測対象の特定を間違ったりすることもある。
このため、従来は、ターレットの対物レンズ装着部に装着された心調整機構により、圧子の負荷軸の軸心に各対物レンズの視野中心を合わせる心調整が行われていた。例えば、圧子で試験片にくぼみを形成し、圧子および対物レンズの各々の位置を、1の圧子の負荷軸の軸心(実際に形成されているくぼみの中心)を基準として、対物レンズの視野中心がくぼみの中心とできるだけ一致するように(図12(a)参照)、オペレータが対物レンズおよび接眼レンズを介して得られる試験片の拡大像を見ながら、心調整機構における調整ネジを操作することにより心調整は行われていた。
特開平9−15128号公報
しかしながら、オペレータが対物レンズを介して得られる試験片像を見ながら、調整ネジを手で操作して行う対物レンズの位置調整は、煩雑な作業である。さらに、ターレットに配設される圧子の数および対物レンズの数が増えると、1の圧子の負荷軸の軸心を基準とした各対物レンズの位置調整に加えて、1の圧子の負荷軸の軸心に他の圧子の負荷軸の軸心を一致させなければならない。他の圧子の位置調整は、その圧子により試験片にくぼみを形成し、1の圧子の負荷軸の軸心と視野中心が一致するように調整された各対物レンズの視野中心に対して、他の圧子の負荷軸の軸心、すなわち調整対象となっている圧子により形成されたくぼみの中心が一致するように、その圧子の装着部に装着された心調整機構の調整ネジを、オペレータが対物レンズを介して得られる画像を見ながら操作することにより行われる。このような位置調整作業は、ターレットに配設される圧子の数および対物レンズの数が増えると、煩雑さが増すとともに、作業にかかる時間も増大する。
この発明は上記課題を解決するためになされたものであり、圧子および対物レンズの煩雑な位置調整作業を行う必要がなく、正確に硬さ試験を実行することが可能な硬さ試験機を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、ステージ上に載置された試験片をXY平面上に位置決めするXYステージと、前記試験片の表面にくぼみを形成するための一つまたは複数の圧子と、試験位置において前記圧子を前記試験片に押し付けることにより前記圧子に試験力を付与する負荷機構と、前記試験片の表面を観察するための一つまたは複数の対物レンズと、前記圧子および前記対物レンズを支持するとともに、前記圧子または前記対物レンズのいずれかを前記試験片の表面と対向する位置に移動させる切替部材と、前記対物レンズを介して取得した画像を表示する表示部と、を備えた硬さ試験機において、予備試験において前記圧子により形成されたくぼみの中心と前記対物レンズの視野中心との位置関係を記憶する記憶部と、本試験において前記試験片の表面に設定される試験位置に前記圧子を押し付けるために、前記圧子を前記試験片の表面に対向配置させるときに、前記記憶部に記憶された前記予備試験において形成されたくぼみの中心と前記対物レンズの視野中心との位置関係を読み出し、試験を実行する試験位置に前記圧子の負荷軸の軸心が一致するように、前記XYステージの位置を調整する制御部と、を備えたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載された発明において、前記対物レンズは、前記試験片の表面に設定される試験位置を確認するための低倍率対物レンズと、前記試験片の表面に形成されたくぼみの大きさを計測するための高倍率対物レンズを含む。
請求項1または2に記載された発明において、前記圧子は、前記ビッカース硬度を測定するための第1の圧子と、ヌープ硬度を測定するための第2の圧子を含む。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれかに記載の発明において、前記切替部材は、ターレットである。
請求項1から請求項4に記載の発明によれば、予備試験において形成されたくぼみの中心と対物レンズの視野中心との位置関係を記憶部に記憶させておき、硬さ試験を実行するために圧子を試験片の表面に対向配置するときには、記憶部からそれらの位置関係を読み出して、試験位置に圧子の負荷軸の軸心が一致するように、XYステージの位置を調整することから、設定した試験位置に、くぼみを確実に形成させることができる。これにより正確な硬さ試験を実行することができる。
請求項2から請求項4に記載の発明によれば、予備試験において形成されたくぼみの中心と低倍率対物レンズの視野中心との位置関係、予備試験において形成されたくぼみの中心と高倍率対物レンズの視野中心との位置関係を記憶部に記憶させておき、硬さ試験を実行し、形成されたくぼみを計測するために高倍率対物レンズを試験片の表面に対向配置するときには、記憶部からそれらの位置関係を読み出して、高倍率対物レンズの視野中心に硬さ試験において形成されたくぼみの中心が一致するように、XYステージの位置を調整することから、形成されたくぼみの一部または全部が、高倍率対物レンズの視野外となることが防止でき、くぼみ計測を確実かつ速やかに実行することが可能となる。
この発明に係る硬さ試験機の概要図である。 XYステージ12を昇降する昇降機構の概要図である。 ターレット20に支持された対物レンズ等の配置を示す説明図である。 圧子19および圧子21に対して試験力を付与するための負荷機構と、試験片100に形成されたくぼみを観察するための光学系の概要図である。 圧子21により試験片100にくぼみを形成する様子を模式的に示す説明図である。 試験片100に形成されたくぼみを示す平面図である。 この発明に係る硬さ試験機の主要な制御系を示すブロック図である。 歯車の一部を構成する鋼製の試験片100に対してくぼみが形成された状態を示す概要図である。 圧子21の負荷軸の軸心と対物レンズ22の視野中心との位置関係を示す説明図である。 XYステージ12の位置調整の概要を示す説明図である。 圧子21の負荷軸の軸心と対物レンズ24の視野中心との位置関係と、対物レンズ22の視野中心と対物レンズ24の視野中心との位置関係を示す説明図である。 XYステージ12の位置調整の概要を示す説明図である。 圧子21の負荷軸の軸心の位置を、表示部55に表示される画像上の原点としたときの、圧子21の負荷軸の軸心と対物レンズ22の視野中心との位置関係と、圧子21の負荷軸の軸心と対物レンズ24の視野中心の位置関係を示す説明図である。 XYステージ12の位置調整の概要を示す説明図である。 従来の硬さ試験機における、低倍率の対物レンズの視野と高倍率の対物レンズの視野およびくぼみの中心との位置関係を説明する模式図である。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、この発明に係る硬さ試験機の概要図である。また、図2は、XYステージ12を昇降する昇降機構の概要図である。
この硬さ試験機は、テーブル11と、このテーブル11上に配置され試験片100を載置する載置台としてのXYステージ12とを備える。XYステージ12は、試験片100をX方向(図1における左右方向)およびY方向(図1における紙面に垂直な方向)に移動させ、このXY平面上において試験片100を位置決めするためのものである。このXYステージ12には、試験片100をX方向に移動させるためのモータ13と、試験片100をY方向に移動させるためのモータ14とが付設されている。また、XYステージ12は、図2に示す昇降機構の作用により、上下方向(Z方向)に昇降する構成となっている。すなわち、XYステージ12を支持する支持部51は、その側面にラック53が形成された昇降部材52により支持されている。この昇降部材52におけるラック53は、モータ15の駆動により回転するピニオン54と噛合している。このため、XYステージ12は、モータ15の駆動により昇降する。
また、この硬さ試験機は、試験片100を目視により観察するための接眼レンズ16と、試験片100を撮影するためのカメラ17と、圧子21および対物レンズ23、24等を支持して回転するターレット20とを備える。このターレット20は、つまみ26を操作することにより、あるいは、後述するモータ30の駆動により、鉛直方向を向く軸を中心に回転する。また、この硬さ試験機は、入力部および表示部としても機能するタッチパネル式の液晶表示部59を備える。
図3は、ターレット20に支持された対物レンズ等の配置を示す説明図である。
ターレット20には、XYステージ12上に載置された試験片100に押し込まれる圧子19、21と、2倍の対物レンズ22、5倍の対物レンズ23、40倍の対物レンズ24および50倍の対物レンズ25とが配設されている。すなわち、対物レンズ22、23は、この発明における低倍率対物レンズに相当し、対物レンズ24、25は、高倍率対物レンズに相当する。これらの圧子19、21および対物レンズ22、23、24、25は、ターレット20の回転中心を中心とした円上に配置されている。なお、対物レンズ22、23、24、25の倍率および配設個数はこれに限定されるものではない。
再度、図1を参照して、この硬さ試験機は、試験片100の表面の像を表示するための液晶モニタ等の表示部55と、各種のデータを入力するための入力手段として機能するキーボード57およびマウス58と、本体56とから構成されるコンピュータ50と接続されている。
図4は、圧子19および圧子21に対して試験力を付与するための負荷機構と、試験片100に形成されたくぼみを観察するための光学系の概要図である。なお、図4は、図3において一点鎖線で示す位置における断面を示している。
この硬さ試験機は、圧子19、21の先端を試験片100に対して押し込むための試験力を圧子19、21に対して付与する負荷機構と、XYステージ12上に載置された試験片100を照明するとともにくぼみを観察するための光学系とを備える。
図4に示すように、ターレット20は、軸筒27がベアリング29を介して回転軸28に接続されており、つまみ26を操作することにより、あるいは、後述するモータ30の駆動により、鉛直方向を向く回転軸28を中心に回転する。図4においては、ターレット20の回転により負荷伝達軸36を介して圧子21に試験力が与えられる場合、すなわち、圧子21が図1に示す試験片100と対向する位置に配置されている場合を示している。圧子19に対して試験力を付与する場合には、圧子19が、図4に示す圧子21の位置に配置される。
負荷機構は、水平方向を向く軸31を中心に揺動可能なレバー32を備える。レバー32の一端には、中空の押圧部35が配設されている。この押圧部35は、レバー32の揺動に伴って、圧子21に連結した負荷伝達軸36の端部に付設された当接部37を押圧する構成となっている。また、レバー32の他端には、永久磁石33が付設されている。この永久磁石33の外部には、電磁コイル34が配設されている。この永久磁石33と電磁コイル34とにより、ボイスコイルモータが構成される。このボイスコイルモータは、電磁式の負荷機構となり、電磁コイル34に流れる電流を制御することにより、負荷伝達軸36の先端に配設された圧子21による試験片100への試験力を制御することが可能となる。
なお、この実施形態においては、この時の試験力を、例えば、2kgf、1kgf、0.5kgf、0.3kgf、0.2kgf、0.1kgf、0.05kgf、0.025kgf、0.01kgfと、段階的に変化させることができる構成となっている。
負荷伝達軸36は、上下の板バネ61が支持部材62を介してターレット20の軸筒27に固定されたロバーバル構造により支持されており、負荷機構により与えられた試験力に応じて昇降可能となっている。負荷伝達軸36には、この負荷伝達軸36の移動量を検出する差動トランス式の変位検出器60が接続されている。この変位検出器60は、支持部材63を介してターレット20の軸筒27に接続され、ターレット20の回転により負荷伝達軸36と同期して移動する。なお、この変位検出器60は、試験片100の表面の検出に使用される。すなわち、圧子21を極めて小さい力で下降させたときの移動量を常に検出し、圧子21の移動が停止したときに圧子21が試験片100の表面と当接したと判断している。
光学系は、LED光源41と、LED光源41からの光を水平方向に導く光筒42と、試験片100を上から照明するために光筒42により導かれた光を押圧部35の中空部に導光するとともに、試験片100の表面からの反射光をカメラ17側に透過させるハーフミラー43と、ハーフミラー43を透過した試験片100の表面からの反射光を接眼レンズ16およびカメラ17に分割するハーフミラー44とを備える。対物レンズ22が図4における負荷伝達軸36の位置、すなわち試験片100に形成されたくぼみの観察位置に配置された場合には、試験片100の表面からの反射光が、押圧部35の中空部、対物レンズ22、ハーフミラー43、44を介して、接眼レンズ16およびカメラ17に入射する。これにより、接眼レンズ16により試験片100の拡大像を観察することができるとともに、カメラ17により撮影した拡大像をコンピュータ50における表示部55に表示することができる。その他の対物レンズ23、24、25がくぼみの観察位置に配置された場合も、対物レンズ22による場合と同様である。
図5は、圧子21により試験片100にくぼみを形成する様子を模式的に示す説明図であり、図6は、試験片100に形成されたくぼみを示す平面図である。
圧子19、21のうち、圧子21は、硬さ試験としてのビッカース硬さ試験を実行するためのものであり、その先端は四角錐形状となっている。この圧子21は、図5に示すように、図4に示す負荷機構の作用により試験片100の表面に深さhだけ押し込まれる。そして、その試験力を解除し、図1に示すターレット20を回転させて所望の倍率の対物レンズを試験片100と対向する位置に移動させる。対物レンズ、カメラ17を介して得られた試験片100の表面に形成されたくぼみの画像から、くぼみの対角線長さd[d=(dx+dy)/2]を測定する(図6参照)。ビッカース硬さは、試験力を、底面が正方形で頂点の角度が圧子21と同じ角錐であると仮定したくぼみの表面積で割って得られる値に比例する。そして、くぼみの対角線長さd(mm:ミリメートル)から求められたくぼみの表面積と試験力から、ビッカース硬さが算出される。
ここで、試験力をF(N:ニュートン)とした場合に、ビッカース硬さHVは、下記の式(1)で表される。
HV = 0.1891(F/d) ・・・・・(1)
なお、圧子19、21のうち、他方の圧子19としては、例えば、ヌープ硬さ試験に使用される菱形のピラミッド型の圧子が使用される。
図7は、この発明に係る硬さ試験機の主要な制御系を示すブロック図である。
この硬さ試験機は、装置全体を制御する制御部80を備える。この制御部80は、上述したカメラ17、液晶表示部59、LED光源41、変位検出器60、電磁コイル34、コンピュータ50、ターレット20を回転させるためのモータ30およびXYステージ12をX、Y、Z方向に移動させるためのモータ13、14、15と接続されている。さらに、この制御部80は、後述するように、予備試験において形成されたくぼみの中心と各対物レンズ22、23、24、25の視野中心との位置関係を、圧子21の負荷軸の軸心と各対物レンズ22、23、24、15の視野中心との位置関係として記憶する記憶部81と接続されている。
また、この制御部80は、試験中において、試験片100の表面に対向配置されるのが、圧子19、21、対物レンズ22、23、24、25のいずれであるかに応じて、後述する予備試験により取得された、圧子19、21の負荷軸の軸心と、各対物レンズ22、23、24、25の視野中心との相互の位置関係(例えば、相互の位置のズレ量や、表示部55に表示される画像における座標平面での各座標)を読み出し、それらの位置関係に応じたXYステージ12のXY平面上での位置調整を実行する。なお、この制御部80を、硬さ試験機の装置本体内に配設する代わりに、この制御部80をコンピュータ50における本体56内に配設してもよい。
次に、以上のような構成を有する硬さ試験機を使用して、硬さ試験を行う場合の動作について説明する。図8は、歯車の一部を構成する鋼製の試験片100にくぼみが形成された状態を示す概要図である。図8に記載された正方形は、圧子21により試験片100に形成されたくぼみを示している。
図8に示す、歯車のように複雑な形状を有し、かつ、微小寸法の試験片100に試験を行うときには、試験片100の硬さに影響を及ぼさない方法で樹脂モールドするなどして試験片100を保持し、表面を材料の特性に適した研磨法により研磨して被検面としている。この実施形態では、樹脂モールドされた歯車の一部を構成する鋼製の試験片100に対する、ビッカース硬さ試験の動作について説明する。
試験中にズレないようにXYステージ12上に載置された試験片100に対して、予備試験が行われる。予備試験は、以下の手順により実行される。
まず、試験片100の表面の任意の部分が圧子21の直下に来るようXYステージ12を駆動し、その位置に圧子21を押し込み、くぼみを形成させる。次に、ターレット20を回転させて対物レンズ22を試験片100の表面と対向する位置に移動させ、対物レンズ22を介して取得された試験片100の表面の画像を、表示部55に表示させる。そして、オペレータがマウス58を利用して表示部55に表示されたくぼみの中心を指定することにより、制御部80が、対物レンズ22の視野中心とくぼみの中心との位置関係を特定するとともに、その位置関係が記憶部81に記憶される。このときの位置関係は、例えば、対物レンズ22の視野中心からくぼみの中心までのX方向およびY方向の距離である。圧子21により形成されたくぼみの中心は、圧子21の負荷軸の軸心と一致することから、対物レンズ22の視野中心からくぼみの中心までのX方向およびY方向の距離は、対物レンズ22の視野中心と圧子21の負荷軸の軸心とのズレ量に相当する。
さらに、ターレット20を回転させて、対物レンズ23、24、25についても同様の手順により、各対物レンズ23、24、25の視野中心とくぼみの中心との位置関係を特定し、それらの位置関係を記憶部81に記憶させる。このような予備試験により、ビッカース硬さ試験に使用する圧子21の負荷軸の軸心と、各対物レンズ22、23、24、25の視野中心との位置関係を、本試験の前に特定し、記憶部81に予め記憶させておく。
続いて、本試験が実行される。本試験は以下の手順により実行される。なお、この実施形態では、試験片100の表面に設定される試験位置を確認するための低倍率対物レンズとして対物レンズ22が選択され、試験片100の表面に形成されたくぼみの大きさを計測するための高倍率対物レンズとして、対物レンズ24が選択されているものとして説明する。
まず、対物レンズ22を試験片100の表面に対向配置させ、対物レンズ22を介して得られた画像から、樹脂モールドされた試験片100の外形を検出する。そして、圧子21を押し込む目標点である試験位置を設定する。この試験位置は、試験片100の端縁からの距離やくぼみ中心間の距離など、試験規格に定められた条件を充足する位置を試験位置として設定するプログラムの実行、もしくは、オペレータが表示部55に表示された画像上の位置をマウス58で指定することなどにより設定される。
試験位置の設定が完了すると、制御部80は、モータ30を駆動してターレット20を回転させ、圧子21を試験片100の表面に対向配置させるとともに、モータ13およびモータ14を駆動して設定された試験位置と圧子21の負荷軸の軸心が一致するように、XYステージ12を移動させる。このときのXYステージ12のX方向およびY方向の移動量は、対物レンズ22の視野中心と設定された試験位置間の距離に、予備試験において形成されたくぼみの中心と対物レンズ22との位置関係から求められる、対物レンズ22の視野中心と圧子21の負荷軸の軸心とのX方向とY方向のズレ量が考慮された距離となる。
そして、XYステージ12の移動が完了すると、制御部80は、負荷機構を制御することにより、所定の試験力で圧子21を試験片100の表面に押し付ける。試験片100の表面へのくぼみの形成が終わると、表示部55に表示される画像の視野範囲を、くぼみの計測に適した視野範囲に切り替えるため、制御部80は、モータ30を駆動してターレット20を回転させることにより、対物レンズ24を試験片100の表面に対向する位置に移動させる。
さらに、制御部80は、モータ13およびモータ14を駆動してくぼみの中心と対物レンズ24の視野中心が一致するように、XYステージ12を移動させる。このときのXYステージ12のX方向およびY方向の移動量は、予備試験において形成されたくぼみの中心と対物レンズ24との位置関係から求められる、対物レンズ24の視野中心と圧子21の負荷軸の軸心とのX方向とY方向のズレ量が考慮された距離となる。
XYステージ12の移動が完了すると、制御部80は、図6に示すように、対物レンズ24を介して得られた画像を用いて、くぼみの対角線長さdを計測し、ビッカース硬さを算出する。
なお、上述したビッカース硬さ試験においては、予備試験と本試験を連続して行っているが、予備試験は、本試験を行う前に毎回行う必要はなく、例えば、ターレット20に支持される圧子の種類や対物レンズが交換されたとき、あるいは、オペレータが表示部55に表示される画像を見て、くぼみの中心と対物レンズの視野中心が一致していないと判断したときなどに適時実施して、記憶部81に記憶させている内容を更新すればよい。
この発明の特徴である、本試験中のXYステージ12の位置調整の詳細について、さらに、図9から図12を参照して説明する。
まず、対物レンズ22が試験片100の表面に対向配置されている状態から、圧子21を試験片100の表面に対向配置するときの、XYステージ12の移動について説明する。図9は、圧子21の負荷軸の軸心と対物レンズ22の視野中心との位置関係を示す説明図であり、図10は、XYステージ12の位置調整の概要を示す説明図である。また、図9(a)は、予備試験において取得された対物レンズ22の視野中心と圧子21の負荷軸の軸心との位置関係を示し、図9(b)は、試験片100に試験位置が設定された状態を示し、図9(c)は、試験片10表面上の点の位置を表す座標系X1−Y1における、試験位置と、圧子21の負荷軸の軸心と、対物レンズ22の視野中心との位置関係を示している。なお、図9(a)から(c)中に実線で示す+印は、対物レンズ22の視野中心を示す。
図9(a)に示すように、表示部55に表示される対物レンズ22を介して取得された画像上における対物レンズ22の視野中心を原点として、座標軸をX1、Y1とする座標系X1−Y1において、予備試験において形成されたくぼみの中心の座標(a,b)が、記憶部81に記憶されているものとする。これは、圧子21の負荷軸の軸心が、対物レンズ22の視野中心からX方向にa、Y方向にbだけ離れた位置にあることを示している。ここで、図9(b)および(c)に×印で示すように、座標系X1−Y1における試験位置の座標を(i,j)とする。また、この試験位置が設定された時のXYステージ12の位置を、座標系X2−Y2における(P,Q)とする。この座標系X2−Y2は、XYステージ12の機械原点O(図10の紙面左下の原点復帰位置O)を基点とし、座標軸をX2、Y2とする上述した座標系X1−Y1とは異なる座標系であり、XYステージ12に固定された物理的目印(例えば、XYステージ12が矩形の場合、4つあるエッジのうちの1つ)の移動距離を表すものである。
なお、座標系X1−Y1の座標成分であるa、b、iおよびjは、対物レンズ22の視野中心を基準とした正負の数であり、その絶対値は、表示部55に表示される画像の1画素当たりのX方向およびY方向の長さおよび対物レンズの倍率から換算される、μm(マイクロメートル)などの長さの単位で表されるX方向またはY方向の距離である。また、XYステージ12のXY平面上の位置を表す座標系X2−Y2の座標成分であるP、Qは、XYステージ12の機械原点OからのX方向またはY方向の移動量に対応する正負の数であり、μm(マイクロメートル)などの長さの単位で表されるX方向またはY方向の距離である。
設定されている試験位置は、図9(b)に示すように、座標系X1−Y1の座標平面の原点である対物レンズ22の視野中心からX方向にi、Y方向にjだけ離れた位置である。したがって、従来のように、対物レンズ22の視野中心と圧子21の負荷軸の軸心が一致していることを前提とした場合、試験位置が対物レンズ22の視野中心と一致するようにXYステージ12を移動させることは、XYステージ12を座標系X2−Y2における座標(P,Q)から座標(P−i,Q−j)に移動させるように(図10参照)、制御部80がモータ13およびモータ14を駆動することである。
しかしながら、図9(a)に示すように、圧子21の負荷軸の軸心は、座標系X1−Y1の原点である対物レンズ22の視野中心からX方向にa、Y方向にbだけズレた位置にある。このため、この実施形態においては、圧子21により形成されるくぼみの中心を試験位置(i,j)に一致させるため、制御部80がモータ13およびモータ14を駆動して、図10に示すように、XYステージ12を座標系X2−Y2における座標(P,Q)から座標(P−i+a,Q−j+b)に移動させている。このように、この実施形態においては、XYステージ12のXY平面上での移動量を、試験位置までの移動量(X方向の距離|i|、Y方向の距離|j|)とするのではなく、試験位置までの移動量から対物レンズ22の視野中心と圧子21の負荷軸の軸心とのズレ量分(X方向の距離|a|、Y方向の距離|b|)をさらに加えた移動量とすることで、設定された試験位置に正確にくぼみを形成することができる。
次に、圧子21が試験片100の表面に対向配置されている状態から、対物レンズ24を試験片100の表面に対向配置するときの、XYステージ12の移動について説明する。図11は、圧子21の負荷軸の軸心と対物レンズ24の視野中心との位置関係と、対物レンズ22の視野中心と対物レンズ24の視野中心との位置関係を示す説明図である。図12は、XYステージ12の位置調整の概要を示す説明図である。図11(a)は、予備試験において取得された対物レンズ24の視野中心と圧子21の負荷軸の軸心との位置関係を示し、図11(b)は、対物レンズ22の視野中心と対物レンズ24の視野中心との位置関係を示している。なお、図11(a)、図11(b)中に破線で示す+印は、対物レンズ24の視野中心であり、図11(b)中に実線で示す+印は、対物レンズ22の視野中心である。また、図11および図12中の各座標のうち、図9および図10中の各座標と同位置のものは同じ符号を付している。
図11(a)に示すように、表示部55に表示される対物レンズ24を介して取得された画像上の対物レンズ24の視野中心を原点として、予備試験によるくぼみの中心の座標(m,n)が、記憶部81に記憶されているものとする。これは、圧子21の負荷軸の軸心が、対物レンズ24の視野中心からX方向にm、Y方向にnだけ離れた位置にあることを示している。なお、対物レンズ24を介して表示部55に表示される画面上の座標成分であるmおよびnは、対物レンズ24の視野中心を基準とした正負の数であり、その絶対値は、図9(a)に示されたa、bと同様に、表示部55に表示される画像の1画素当たりのX方向およびY方向の長さおよび対物レンズの倍率から換算される、μm(マイクロメートル)などの長さの単位で表されるX方向またはY方向の距離である。
ここで、図11(b)に示すように、上述した、対物レンズ22の視野中心を原点とした座標系X1−Y1における、対物レンズ24の視野中心の座標は(a−m,b−n)となる。このように、対物レンズ22の視野中心と対物レンズ24の視野中心との位置関係は、予備試験により形成されたくぼみの中心(圧子21の負荷軸の軸心)と対物レンズ22の視野中心との位置関係(図9(a)参照)、および、予備試験により形成されたくぼみの中心(圧子21の負荷軸の軸心)と対物レンズ24の視野中心との位置関係(図12(a)参照)から特定することができる。
図12に示すように、この実施形態においては、対物レンズ24の視野中心が試験位置に形成されたくぼみの中心に一致するように、XYステージ12を、座標系X2−Y2における座標(P−i+a−m,Q−j+b−n)に移動させるよう、制御部80が、モータ13および14を駆動している。このように、この実施形態においては、XYステージ12の移動を、試験位置までの移動で終わらせるのではなく、対物レンズ22の視野中心と対物レンズ24の視野中心とのズレ量分をさらに考慮した移動を行うことで、設定された試験位置に形成されたくぼみの中心を対物レンズ24の視野中心に一致させ、くぼみの一部が視野外となることを防止している。これにより、くぼみの対角線長さdの計測をスムースに行うことができる。
なお、試験片100の表面に形成されたくぼみの大きさを計測するために、ターレット20を回転させて対物レンズ24を試験片100の表面に対向配置するときには、XYステージ12は、試験位置が圧子21の負荷軸の軸心と一致するように、座標系X2−Y2における座標(P,Q)から座標(P−i+a,Q−j+b)にすでに移動している状態である。したがって、このときの、対物レンズ24の視野中心と試験位置に形成されたくぼみの中心とを一致させるためのXYステージ12の移動量は、記憶部81に記憶されている対物レンズ24の視野中心と圧子21の負荷軸の軸心との位置関係から求められる、両者のX方向およびY方向のズレ量分(X方向の距離|m|、Y方向の距離|n|)となる。
図9から図12を参照して説明した、圧子21の負荷軸の軸心と対物レンズ22の視野中心との位置関係、圧子21の負荷軸の軸心と対物レンズ24の視野中心と位置関係、および、それらの位置関係とXYステージ12の移動量との関係では、表示部55に表示される画像上の各位置を、対物レンズ22の視野中心を原点とした座標(座標系X1−Y1)として取り扱っている。しかし、表示部55に表示される画像上の座標平面の原点は、予備試験により取得された圧子21の負荷軸の軸心の位置としてもよい。
図13は、圧子21の負荷軸の軸心の位置を、表示部55に表示される画像上の原点としたときの、圧子21の負荷軸の軸心と対物レンズ22の視野中心との位置関係と、圧子21の負荷軸の軸心と対物レンズ24の視野中心の位置関係を示す説明図である。図14は、XYステージ12の位置調整の概要を示す説明図である。図13(a)は、対物レンズ22を介して取得された試験片100の画像上における圧子21の負荷軸の軸心、対物レンズ22の視野中心、対物レンズ24の視野中心および設定された試験位置を各々示し、図13(b)は、試験片10表面上の点の位置を表す座標系X3−Y3における試験位置と、圧子21の負荷軸の軸心と、対物レンズ22の視野中心と、対物レンズ224の視野中心との位置関係を示している。
図13(a)に示すように、予備試験において形成されたくぼみの中心(圧子21の負荷軸の軸心)を原点として、座標系X3−Y3における対物レンズ22の視野中心の座標(c,e)、対物レンズ24の視野中心の座標(g,k)が、記憶部81に記憶されているものとする。そして、表示部55に表示される対物レンズ22を介して取得された画像上の原点が圧子21の負荷軸の軸心となっている状態で、図13(a)に×印で示す試験位置(r,s)を設定すると、各座標成分の値が、すでに対物レンズ22の視野中心と圧子21の負荷軸の軸心とのズレ量分が考慮された、XYテーブル12のX方向およびY方向の移動量となる。言い換えると、試験位置(r,s)は、図13(b)に示すように対物レンズ22の視野中心を原点とする座標系X1−Y1において設定された試験位置の座標に、X方向に距離|c|、Y方向に距離|e|のズレ量を考慮した座標位置として算出できる。なお、座標系X3−Y3における座標成分であるc、e、g、k、rおよびsは、圧子21の負荷軸の軸心を基準とした正負の数であり、その絶対値は、図9(a)に示されたa、bと同様に、表示部55に表示される画像の1画素当たりのX方向およびY方向の長さおよび対物レンズの倍率から換算される、μm(マイクロメートル)などの長さの単位で表されるX方向またはY方向の距離である。
このため、図14に示すように、圧子21を試験片100の表面に押し込むときに、試験位置と圧子21の負荷軸の軸心とを一致させるためには、XYステージ12を、試験位置を設定した時の座標系X2−Y2における座標(T,U)から座標(T−r,U−s)に移動させるように、制御部80によりモータ13およびモータ14の駆動を制御すればよい。
さらに、圧子21によりくぼみが形成された後に、くぼみの大きさを計測するため、対物レンズ24を試験片100の表面に対向配置するときには、試験位置に形成されたくぼみの中心と対物レンズ24の視野中心とを一致させるために、XYステージ12を、圧子21を試験片100の表面に押し込んだときの座標系X2−Y2における座標(T−r,U−s)から座標(T−r+g,U−s+k)に移動させるように、制御部80によりモータ13およびモータ14の駆動を制御すればよい。
なお、上述した図9から図14を参照した説明では、発明の理解の便宜上、XYステージ12の座標(座標系X2−Y2)と各対物レンズ22、24の視野である表示部55に表示される画像上の座標(座標系X1−Y1、座標系X3−Y3)とを、個別の基点を有する絶対座標により表現しているが、XYステージ12の位置調整においては、絶対座標系による制御に限定されない。すなわち、この発明においては、予備試験によりくぼみを形成する圧子の負荷軸の軸心と各対物レンズの視野中心との位置関係を取得していることから、本試験におけるXYステージ12の位置調整において相対座標系による制御を行うこともできる。
このように、この発明に係る硬さ試験機においては、くぼみを形成する圧子の負荷軸の軸心と各対物レンズの視野中心が、従来の心調整作業により完全に一致させることができていない場合でも、XYステージ12側で試験片100の位置を微調整することから、ターレット20に配設される圧子や対物レンズの数が増えるほど煩雑となる、圧子および対物レンズの位置調整に多くの時間を割く必要がなくなる。
なお、上述した実施形態においては、圧子19、21、対物レンズ22、23、24、25を支持するとともに、圧子19、21、対物レンズ22、23、24、25のいずれかを試験片100の表面に対向する位置に移動させる切替部材として、回転により圧子19、21、対物レンズ22、23、24、25の位置を切り替える円盤状のターレット20を採用しているが、この発明は、このような態様に限定されるものではない。例えば、圧子および対物レンズを支持したラックをスライド移動することにより圧子19、21、対物レンズ22、23、24、25の位置を切り替える場合においても、この発明を適用することにより、試験位置に確実にくぼみの形成することが可能となり、硬さ試験を正確に実行することが可能となる。
11 テーブル
12 XYステージ
13 モータ
14 モータ
15 モータ
16 接眼レンズ
17 カメラ
18 表示部
19 圧子
20 ターレット
21 圧子
22 対物レンズ
23 対物レンズ
24 対物レンズ
25 対物レンズ
26 つまみ
27 軸筒
28 回転軸
29 ベアリング
30 モータ
31 軸
32 レバー
33 永久磁石
34 電磁コイル
35 押圧部
36 負荷伝達軸
38 ネジ
41 LED光源
42 光筒
43 ハーフミラー
44 ハーフミラー
50 コンピュータ
53 ラック
54 ピニオン
55 表示部
56 本体
57 キーボード
58 マウス
59 液晶表示部
60 変位検出器
61 板バネ
62 支持部材
63 支持部材
100 試験片

Claims (4)

  1. ステージ上に載置された試験片をXY平面上に位置決めするXYステージと、
    前記試験片の表面にくぼみを形成するための一つまたは複数の圧子と、
    試験位置において前記圧子を前記試験片に押し付けることにより前記圧子に試験力を付与する負荷機構と、
    前記試験片の表面を観察するための一つまたは複数の対物レンズと、
    前記圧子および前記対物レンズを支持するとともに、前記圧子または前記対物レンズのいずれかを前記試験片の表面と対向する位置に移動させる切替部材と、
    前記対物レンズを介して取得した画像を表示する表示部と、
    を備えた硬さ試験機において、
    予備試験において前記圧子により形成されたくぼみの中心と前記対物レンズの視野中心との位置関係を記憶する記憶部と、
    本試験において前記試験片の表面に設定される試験位置に前記圧子を押し付けるために、前記圧子を前記試験片の表面に対向配置させるときに、前記記憶部に記憶された前記予備試験において形成されたくぼみの中心と前記対物レンズの視野中心との位置関係を読み出し、試験を実行する試験位置に前記圧子の負荷軸の軸心が一致するように、前記XYステージの位置を調整する制御部と、
    を備えたことを特徴とする硬さ試験機。
  2. 請求項1に記載された硬さ試験機において、
    前記対物レンズは、前記試験片の表面に設定される試験位置を確認するための低倍率対物レンズと、前記試験片の表面に形成されたくぼみの大きさを計測するための高倍率対物レンズを含む硬さ試験機。
  3. 請求項1または2に記載された硬さ試験機において、
    前記圧子は、前記ビッカース硬度を測定するための第1の圧子と、ヌープ硬度を測定するための第2の圧子を含む硬さ試験機。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の硬さ試験機において、
    前記切替部材は、ターレットである硬さ試験機。
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