JP6471684B2 - 硬さ試験機 - Google Patents

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Description

この発明は、圧子の降下する様子を観察する観察機構を備えた硬さ試験機に関する。
材料の硬さを評価するための試験として、ビッカース圧子を使用するビッカース硬さ試験(JIS Z 2244)や、ヌープ圧子を使用するヌープ硬さ試験(JIS Z 2251)がある。この2つの試験は、所定の試験力で圧子を試料に押し込んだときに形成されたくぼみの大きさを測定し、試料の硬さを算出している。このため、このような試験を実行する硬さ試験機は、圧子を試料に押し込む負荷機構や試料表面を観察する光学系などの機構を有している(特許文献1参照)。
また、試験直前および試験中において、くぼみを撮影するカメラを利用して、圧子と試料との状態を側方から観察するための観察用レンズを備える硬さ試験機が提案されている(特許文献2参照)。
特開平9−15128号公報 特開2011−247842号公報
ところで、硬さ試験を正確に行うためには、試験片に押し込む圧子を、試料に対して垂直に降下させる必要がある。これは、圧子が傾いた状態で試料に押し込まれると、くぼみにしわが出たりくぼみの形状の対称性がくずれたりして、正しい硬度値を計測できなくなるためである。また、圧子は試料の表面に向けて円滑に降下させる必要もある。これは、例えば、ある位置から圧子が急激に降下して試料に衝突すると、試験力以上の力が試料に加わり、正しい硬度値が計測できないことがあるためである。
一方で、従来は、圧子が垂直かつ円滑に降下しているか否かを、圧子を押し込んだ後のくぼみの形状から間接的に判断していた。圧子が垂直に降下しているかどうかの判断は、例えばビッカース試験の場合、くぼみの対角線比やしわの出方をオペレータの目視による確認によって行っていた。また、圧子が円滑に降下しているかどうかも、例えば、硬さ基準片の硬度値が異常な値を示していないかどうかで判断していた。
しかしながら、圧子が垂直に降下しない、あるいは、円滑に降下しないことの原因には、負荷機構を構成する部品の不具合や硬さ試験機の設置場所の振動といった外的要因等、さまざまな可能性があり、くぼみの形状や硬度値から間接的に圧子の状態を判断するだけでは、原因を特定するまでに時間がかかる。
なお、特許文献2の硬さ試験機は、圧子と試料とを側方から観察し得る構成を備えてはいるが、一方向からの観察では、圧子の傾く方向によっては、目視により傾きを確認することが困難な場合があり、圧子が垂直かつ円滑に降下しているかどうかを判断できるだけの情報を得ることができないという問題がある。
この発明は上記課題を解決するためになされたものであり、圧子が試料に対して垂直かつ円滑に降下しているかどうかを容易に確認できる硬さ試験機を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、硬さ試験機であって、試料を載置する載置台と、前記載置台を移動させる移動機構と、前記試料の表面にくぼみを形成するための圧子と、前記圧子を前記試料に押し付けるときに前記圧子に試験力を付与する負荷機構と、前記試料の表面を上方から観察するための対物レンズと、前記圧子および前記対物レンズを支持するとともに、前記圧子または前記対物レンズのいずれかを前記試料の表面と対向する位置に移動させる切替部材と、前記圧子と前記試料とを前記圧子の移動方向と交差する側方の少なくとも2方向から撮影する複数の圧子観察用カメラと、前記複数の圧子観察用カメラにより取得した画像を表示するための表示部と、を備えたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の硬さ試験機において、前記複数の圧子観察用カメラにより、前記圧子と前記試料との少なくとも2方向からの側方の画像から、前記圧子の傾きを算出する傾き算出部と、前記傾き算出部により算出された傾きを前記表示部に表示する表示制御部と、を備える。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載された硬さ試験機において、前記圧子の傾きの許容範囲を入力する入力手段と、前記傾きの許容範囲を記憶する記憶部と、を備え、前記表示制御部は、前記傾き算出部が算出した前記圧子の傾きが、前記記憶部に記憶された前記傾きの許容範囲を超えているか否かを、前記表示部に表示する。
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の硬さ試験機において、前記傾き算出部は、画像における前記圧子の輪郭から前記圧子の取付軸の傾きに起因する圧子の傾きを算出する。
請求項5に記載の発明は、請求項2に記載の硬さ試験機において、前記傾き算出部は、複数の画像における前記圧子の先端付近の所定の位置の移動軌跡から、前記圧子に試験力を負荷する負荷機構の構成部材の傾きに起因する圧子の傾きを算出する。
請求項6に記載の発明は、請求項2に記載の硬さ試験機において、前記圧子を前記試料の表面に押し付けるときの前記圧子の降下速度を算出する速度算出部を備え、前記表示制御部は、前記速度算出部により算出された前記降下速度を前記表示部に表示する。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の硬さ試験機において、前記降下速度の許容範囲を入力する入力手段と、前記降下速度の許容範囲を記憶する記憶部と、を備え
前記表示制御部は、前記速度算出部が算出した前記圧子の降下速度が、前記記憶部に記憶された前記降下速度の許容範囲を超えているか否かを、前記表示部に表示する。
請求項1から請求項7に記載の発明によれば、圧子の移動方向と交差する側方の少なくとも2方向から撮影する複数の圧子観察用カメラにより取得した画像を表示部に表示して提示することができることから、オペレータは、圧子が垂直かつ円滑に降下しているかどうかを簡便に判別できるようになるとともに、装置の不具合の発見が早くなり、正確な硬さ試験を行うことが可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、圧子の傾きを算出する傾き算出部を備え、算出された傾きを表示部に表示することから、オペレータは、圧子が試料に対して垂直に降下しているか否かを定量的に確認することが可能となる。
請求項3に記載の発明によれば、傾き算出部が算出した圧子の傾きが、傾きの許容範囲を超えているか否かを、表示部に表示することから、オペレータは、圧子の傾きが許容範囲を超えているか否かを、表示部に表示された内容から直接的かつ定量的に確認することが可能となる。
請求項4に記載の発明によれば、圧子の輪郭を示す画像を利用して、圧子の取付軸の傾きに起因する圧子の傾きを算出することができる。
請求項5に記載の発明によれば、圧子の先端が移動する際の軌跡を利用して、圧子に試験力を負荷する負荷機構の構成部材の傾きに起因する圧子の傾きを算出することができる。
請求項6に記載の発明によれば、圧子の降下速度を算出する速度算出部を備えることから、オペレータは、圧子が試料に対して円滑に降下しているか否かを定量的に確認することが可能となる。
請求項7に記載の発明によれば、速度算出部が算出した圧子の降下速度が、降下速度の許容範囲を超えているか否かを、表示部に表示することから、オペレータは、圧子の降下速度が許容範囲をこえているか否かを、表示部に表示された内容から直接的かつ定量的に確認することが可能となる。
この発明に係る硬さ試験機の正面概要図である。 この発明に係る硬さ試験機の本体部1の斜視図である。 ターレット40に支持された圧子41、47および対物レンズ42、43の配置と、圧子観察用カメラ91、92の配置を示す説明図である。 圧子41、47に対して試験力を付与するための負荷機構と、試料100に形成されたくぼみを観察するための光学系の概要図である。 この発明に係る硬さ試験機の主要な制御系を示すブロック図である。 表示部55に表示される圧子降下時の圧子41の傾きの表示例を示す説明図である。 圧子41の輪郭から圧子41の傾きを求める場合の説明図である。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、この発明に係る硬さ試験機の正面図である。また、図2は、この発明に係る硬さ試験機の本体部1の斜視図である。
この硬さ試験機は、本体部1に液晶ディスプレイなどの表示装置である表示部55を有するパーソナルコンピュータ50が接続された構成を有する。本体部1は、試料100を載置するための載置台32と、載置台32の移動機構および入力表示部39等から成る載置部52と、圧子41、対物レンズ42、43、ターレット40および接眼レンズ36等から成るくぼみ観察部51と、載置部52とくぼみ観察部51を接続する接続部53とにより構成されている。この接続部53は、図2に示すように、側面視において略C型の形状を有する。そして、この接続部53には、開口部54が形成されている。
この載置部52は、テーブル31の上部に配設された、試料100を載置するための載置台32を備える。載置台32は、試料100をX方向(図1における左右方向)およびY方向(図1における紙面に垂直な方向)に移動させるためのものである。この載置台32には、試料100をX方向に移動させるためのマイクロメータ式のツマミ33と、試料100をY方向に移動させるためのマイクロメータ式のツマミ34とが付設されている。この載置台32はツマミ33、34を操作することにより移動する手動式のXYステージである。なお、載置台32は電動式のXYステージであってもよい。また、載置台32は、昇降ハンドル35の作用により昇降する構成となっている。
テーブル31の正面には、入力表示部39が配設されている。この入力表示部39は、タッチパネル式の液晶表示パネルから構成され、各種データを入力するための入力キーを表示するとともに、試験条件や計測結果などの各種データを表示する。この入力表示部39は、入力手段および表示手段として機能する。
また、くぼみ観察部51は、試料100の表面の拡大画像を目視により観察するための接眼レンズ36と、試料100の表面の拡大画像を表示部55に表示させるための表面観察用カメラ37を備える。この接眼レンズ36の側方には、接眼レンズ36を利用して試料100を観察する際に、ゲージを移動させるために使用される一対のツマミ38が配設されている。表面観察用カメラ37は撮影した試料100の表面をデジタル画像データとして表示部55に出力する。
さらに、くぼみ観察部51は、試料100に一定の試験力で押し込まれる圧子41、47と、これらの圧子41、47に対して試験力を付与するための負荷機構と、複数の対物レンズ42、43と、これらの圧子41および対物レンズ42、43等を支持して回転するターレット40(図1参照)とを備える。このターレット40は、ツマミ46を操作することにより、鉛直方向を向く回転軸Cを中心に回転する。
上述した圧子41は、例えば、試料100に対してビッカース硬さ試験を実行するためのビッカース圧子であり、その先端は底辺が正方形の四角錐形状となっている。一方、上述した圧子47は、例えば、試料100に対してヌープ硬さ試験を実行するためのヌープ圧子であり、その先端は底辺が菱形の四角錐形状となっている。圧子41と圧子47の形状は上述と反対でもよい。なお、この硬さ試験機では、圧子41、47をその先端が球形のブリネル硬さ試験用のブリネル圧子に変更することも可能である。
本体部1は、圧子41を側方から観察するための2個の圧子観察用カメラ91、92を備える。この圧子観察用カメラ91、92は、載置台32とターレット40の間に、載置台32の移動を妨げないように、試料100の表面と圧子41の昇降する上下方向の移動範囲が撮影視野内となる高さ位置に配置される。圧子観察用カメラ91、92は、例えば、テーブル31の上部に立設された支持部材(図示せず)により支持された状態で配置される。なお、圧子観察用カメラ91、92を支持する支持部材は、圧子観察用カメラ91、92を所定の位置に固定しうるものであれば、接続部53を構成する部材に配設してもよい。圧子観察用カメラ91、92は、CCDカメラであり、圧子41の移動方向と交差する側方の2方向から、試料100に圧子41が押し込まれる様子を撮影する。圧子観察用カメラ91、92は、それぞれパーソナルコンピュータ50に接続されており、撮影により取得された試料100および圧子41の拡大された画像が、表示部55に表示される。
図3は、ターレット40に支持された圧子41、47および対物レンズ42、43の配置と、圧子観察用カメラ91、92の配置を示す説明図である。なお、この図3においては、圧子41が図1に示す試料100と対向する位置に配置されている場合を示す。
ターレット40には、載置台32上に載置された試料100に押し込まれる圧子41、47が配置されている。さらに、ターレット40には、5倍の対物レンズ42、40倍の対物レンズ43、とが配設されている。これらの圧子41、47および対物レンズ42、43は、ターレット40の回転軸Cを中心とした円上に配置されている。試料100に形成されたくぼみのサイズにより、これらの対物レンズ42、43が選択的に使用される。なお、対物レンズ42、43の倍率および配設個数はこれに限定されるものではない。
圧子観察用カメラ91、92は、試料100に圧子41が押し込まれるときの様子を2方向から撮影するために、圧子41が昇降する移動方向(負荷軸Sに沿った方向、すなわち鉛直方向)に交差する方向(すなわち水平方向)であって、試料100と圧子41の側方となる位置に配置され、その方向から撮影する。このとき、試料100の表面と圧子41の昇降するときの移動域を撮影視野とするように圧子観察用カメラ91、92の調整が行われる。圧子観察用カメラ91と圧子観察用カメラ92とは、圧子41に試験力を与える負荷軸Sを中心に互いの撮影軸a1、a2が直交する位置関係にあり、圧子観察用カメラ91の撮影軸a1と圧子観察用カメラ92の撮影軸a2とが、ターレット40の回転軸Cと負荷軸Sを結ぶ線に対して45度の角度をもって配置される。
図4は、圧子41、47に対して試験力を付与するための負荷機構と、試料100に形成されたくぼみを観察するための光学系の概要図である。なお、図4は、図3において一点鎖線で示す位置における断面を示している。
この硬さ試験機は、くぼみ観察部51に圧子41、47の先端を試料100に対して押し込むための試験力を圧子41、47に対して付与する負荷機構と、載置台32上に載置された試料100を照明するとともにくぼみを観察するための光学系とを備える。
図4に示すように、ターレット40は、軸筒48がベアリング49を介して回転軸Cに接続されており、ツマミ46を操作することにより、あるいは、図示を省略したモータの駆動により、鉛直方向を向く回転軸Cを中心に回転する。図4においては、ターレット40の回転により圧子軸86を介して圧子41に試験力が与えられる場合、すなわち、圧子41が図1に示す試料100と対向する位置に配置されている場合を示している。圧子47に対して試験力を付与する場合には、圧子47が、図4に示す圧子41の位置に配置される。
負荷機構は、水平方向を向く軸81を中心に揺動可能なレバー82を備える。レバー82には、中空の押圧部85が配設されている。この押圧部85は、レバー82の揺動に伴って、圧子41に接続された圧子軸86の端部に付設された当接部87を押圧する構成となっている。また、レバー82の一端には、このレバー82の揺動に伴って移動する圧子軸86の移動量を検出する差動トランス式の変位検出機構60が接続されている。なお、この変位検出機構60は、試料100の表面の検出に使用される。すなわち、圧子41を極めて小さい力で下降させたときの移動量を常に検出し、圧子41の移動が停止したときに圧子41の先端が試料100の表面と当接したと判断している。
レバー82の他端には、永久磁石83が付設されている。この永久磁石83の外部には、電磁コイル84が配設されている。この永久磁石83と電磁コイル84とにより、ボイスコイルモータが構成される。このボイスコイルモータは、電磁式の負荷機構となり、電磁コイル84に流れる電流を制御することにより、圧子軸86の先端に配設された圧子41による試料100への試験力を制御することが可能となる。
圧子軸86は、上下の板バネ61を、板バネ支持部62を介してターレット40に接続したロバーバル構造により支持されており、負荷機構により与えられた試験力に応じて昇降可能となっている。圧子軸86に対して圧子は着脱可能であり、必要に応じて圧子軸86の先端に取り付けられる圧子は交換される。
光学系は、LED光源71と、LED光源71からの光を水平方向に導く光筒72と、試料100を上から照明するために光筒72により導かれた光を押圧部85の中空部に導光するとともに、試料100の表面からの反射光を表面観察用カメラ37側に透過させるハーフミラー73と、ハーフミラー73を透過した試料100の表面からの反射光を接眼レンズ36および表面観察用カメラ37に分割するハーフミラー74とを備える。対物レンズ43が図4における圧子軸86の位置、すなわち試料100に形成されたくぼみの観察位置に配置された場合には、試料100の表面からの反射光が、対物レンズ43、押圧部85の中空部、ハーフミラー73、74を介して、接眼レンズ36および表面観察用カメラ37に入射する。これにより、接眼レンズ36により試料100の拡大像を観察することができるとともに、表面観察用カメラ37により撮影した拡大像を表示部55に表示することができる。その他の対物レンズ42がくぼみの観察位置に配置された場合も、対物レンズ43による場合と同様である。
図5は、この発明に係る硬さ試験機の主要な制御系を示すブロック図である。
この硬さ試験機は、試験機本体内に試験機の動作を制御する試験機制御部80を備える。この試験機制御部80には、入力表示部39、LED光源71、変位検出機構60、電磁コイル84、パーソナルコンピュータ50の本体56が接続されている。
パーソナルコンピュータ50の本体56には、入力手段であるキーボード57やマウス58と、表示部55が接続され、さらに、表面観察用カメラ37、圧子観察用カメラ91、92が接続されている。本体56内には、制御部90と記憶部99が設けられている。そして制御部90は、機能的構成として、圧子観察用カメラ91、92から入力された撮影画像を処理する画像処理部95と、表示部55への表示態様を制御するための表示制御部98を備える。さらに、画像処理部95は、圧子観察用カメラ91、92から入力された2方向からの画像から試料100に押し込まれた圧子41の傾きを算出する傾き算出部96と、そのときの圧子41の降下速度を算出する速度算出部97を備える。
記憶部99は、キーボード57やマウス58を介して入力された圧子41の傾きの許容範囲と、圧子41の降下速度の許容範囲を記憶する。
以上のような構成を有する硬さ試験機において、ビッカース試験を実行する場合について説明する。図6は、表示部55に表示されるオペレータへの圧子降下時の圧子41の傾きの表示例を示す説明図である。
まず、オペレータは、キーボード57およびマウス58を利用して、ビッカース圧子である圧子41の傾きの許容範囲および圧子41の降下速度の許容範囲を入力する。この傾きの許容範囲および降下速度の許容範囲は、ビッカース試験におけるくぼみ面積の算出やそれを基に算出される硬度値の精度への影響が小さく誤差範囲と扱っても支障がない範囲である。なお、傾きの許容範囲および降下速度の許容範囲は、試験の種別やその時の試験力によって変更される。したがって、同じ圧子を用いた同種の試験を同じ試験力で繰り返し実行する場合には、途中で試料100を交換した場合でも、このようなオペレータによる入力作業は省略することができる。
載置台32に試料100を載置し、圧子41を試料100と対向する位置に配置する。載置台32の高さおよび前後左右の位置が調整され、試料100における試験位置への位置決めが完了すると、圧子41を適当な試験力で試料100に押し込むために試験が開始される。そして、圧子41が負荷機構の作用により降下していく様子は、圧子観察用カメラ91、92により撮影される。圧子観察用カメラ91、92により所定のフレーム間隔で収集された画像は、動画として表示部55に表示されるとともに、記憶部99に保存される。
圧子観察用カメラ91、92により得られ、記憶部99に記憶された異なる2方向から撮影された画像は、画像処理部95に入力される。それぞれの方向からの画像は、負荷軸線で交わる2つの平面での試料100に対する圧子41の位置を捉えるものであり、これらの画像に基づいて、傾き算出部96により圧子41の傾きが算出される。
表示部55には、図1において紙面左側の圧子観察用カメラ91の撮影画像を表示枠Lに、紙面右側の圧子観察用カメラ92の撮影画像を表示枠Rにそれぞれ表示する。各表示枠L、Rには、試料100の平面に対する垂直線P(図6に一点鎖線で示す)が表示される。この垂直線Pは、例えば、試料100の表面からの垂線であって、例えば、変位検出機構60により圧子41が試料100の表面に当接したと検出されたときの圧子41の先端位置を通る直線として描かれる。
傾き算出部96は、所定の時間、例えば、負荷機構の動作が開始し圧子41が降下を始めてから試料100の表面に当接するまでの時間の動画の各フレームについて画像処理を実行することにより、各フレームの圧子41の先端位置を所定の時間での圧子41の先端の軌跡c1、c2(図6に破線で示す)として得る。この軌跡c1、c2は、表示制御部98の作用により、適宜、表示部55の表示枠L、R内にそれぞれ表示される。そして、表示枠Lの圧子41の先端の軌跡c1と垂直線Pとの間の角度θ1が算出されるとともに、表示枠Rの圧子41の先端の軌跡c2と垂直線Pとの間の角度θ2が算出される。軌跡c1、c2から求められる傾きは、圧子の駆動される方向が傾いているのであるから、圧子に試験力を負荷する負荷機構の構成部材の傾きを表している。
このとき、圧子41の先端位置は、圧子41の輪郭から計算により求める。すなわち、ビッカース圧子は対面角136度の四角錐であるから、画像処理により試料100の表面に向かう圧子41の輪郭を認識させ、136度を形成する輪郭線の交点を、圧子41の傾きを計算する際の先端位置としている。なお、圧子41の先端位置は、圧子41の輪郭認識による計算によらず、オペレータがマウス58を用いて指定した圧子41の先端付近の位置としてもよい。
傾き算出部96で求められた、角度θ1と角度θ2は、表示部55に表示されるとともに、許容範囲を超えている場合には、例えば、表示部55における角度の表示色を変更するなどして、オペレータに対してよりわかりやすく提示する。角度θ1と角度θ2のどちらか一方でも許容範囲を超えている場合には、負荷機構の圧子軸86の取り付け不良などが疑われ、オペレータはメンテナンスが必要であることを理解することができる。
図7は、圧子41の輪郭から圧子41の傾きを求める場合の説明図である。図7(a)は、圧子41が試料100の表面に対して傾いていない場合を示し、図7(b)は、圧子41が試料100の表面に対して傾いている場合を示す。
試験を実行すると、圧子41は、予め試料100の表面に圧子41の目標打点として設定された試験位置に向けて降下する。なお、図7においては、136度を形成する輪郭線t1、t2の交点を、圧子41の先端としている。また、図7中に一点鎖線で示す垂直線Pは、試料100の表面の試験位置からの垂線としている。
負荷機構の圧子軸86に傾きがなく、圧子41が圧子軸86に正常に取り付けられおり、圧子41が試料100の表面に対して垂直に降下している場合は、図7(a)に示すように、垂直線Pは試験の負荷軸(試験力が作用する方向)と一致し、圧子41の先端は、予め試料100の表面に設定された試験位置に当接する。このときの圧子41の先端の輪郭を表す輪郭線t1、t2(図7に太線で示す)と、垂直線Pとの交差角度は、互いに等しい角度となる。そして、圧子41におけるダイヤモンドの四角錐先端を保持する保持部側面の輪郭線t3は、試料100の表面に直交する。
一方で、圧子41が圧子軸86に傾いた状態で取り付けられていた場合には、図7(b)に示すように、垂直線Pは試験の負荷軸と一致せず、圧子41の先端は、予め試料100の表面に設定された試験位置とはずれた位置に当接する。このときの圧子41の先端の輪郭を表す輪郭線t1、t2と、垂直線Pとの交差角度は、互いに異なる角度となる。また、圧子41の先端を通る圧子41の中心軸Q(図7に破線で示す)と、垂直線Pとの間に、角度が生じる。そして、圧子41におけるダイヤモンドの四角錐先端を保持する保持部側面の輪郭線t3は、試料100の表面に直交しなくなる。傾き算出部96は、輪郭線t1、t2、によって定められた圧子41の先端を通る中心軸Qの傾き角度、あるいは、輪郭線t3の試料100の表面に対する角度を、圧子41の傾きとして算出する。この傾きは、圧子の取り付け姿勢そのものが傾いているのであるから、圧子の取付軸の傾きを表している。なお、図7では、説明の便宜上、圧子41と試料100の1方向からの側方の画像を示しているが、圧子41の傾きは、2方向からの画像について、傾き算出部96によりそれぞれ算出される。
傾き算出部96により算出された傾き角度が許容範囲を超えており、圧子41の傾きの原因が、圧子41の圧子軸86への取付不良、すなわち、圧子41の取付軸の傾きに起因している場合には、オペレータは圧子41の取り付け作業をやり直すことになる。
圧子41が負荷機構の作用により降下していくときの速度は、画像中の軌跡c1、軌跡c2の単位時間当たりの延伸距離を利用して速度算出部97において算出され、表示部55に逐次表示される。試験中に硬さ試験機に外部からの振動が加わったときや、負荷機構の構成部材の接続に不具合が生じている場合には、圧子41が降下する途中で、急激に速度が遅くなったり、速くなったりする速度変化が起こる。この発明の硬さ試験機では、表示制御部98の作用により、試験中の圧子41の降下速度を速度表示枠101内に表示する(図6参照)とともに、圧子41の降下速度が許容範囲を超えて遅くなったり速くなったりした場合には、速度の表示色を変更して表示する。このため、オペレータは試験中の圧子41の降下速度を監視することができ、圧子41が円滑に降下しているかどうかを簡便に判別することができる。
圧子41が円滑に降下していないときは、オペレータは、それが外部環境要因によるものか、負荷機構の構成部材の不具合によるものか、原因に応じて、装置の設置場所の移動やメンテナンスを行うことになる。また、この実施形態では、変位検出機構60を備えることから、圧子41の単位時間当たりの移動距離から降下速度を算出してもよい。なお、速度算出部97における降下速度の算出を、圧子観察用カメラ91、92により取得した画像に対して画像処理を行うことにより実行することで、変位検出機構60を備えていない硬さ試験機でも、圧子41の降下速度を算出することが可能である。
図6の表示例では、2方向から取得した圧子41と試料100と画像を表示する表示例を示したが、この発明の硬さ試験機では、2方向からの画像から計算により圧子41の傾き方向を求めることも可能であるから、3次元的な傾き方向と角度を表示部55に表示するようにしてもよい。この発明の硬さ試験機では、圧子が試料に対して垂直かつ円滑に降下しているかどうかを直接的かつ定量的に確認することが可能となることから、負荷機構を構成する部品等の不具合を早期に発見することができ、正確な硬さ試験を実行することが可能となる。
1 本体部
21 表示部
22 入力部
23 筐体部
27 画像表示領域
28 操作案内表示領域
31 テーブル
32 載置台
33 ツマミ
34 ツマミ
35 昇降ハンドル
36 接眼レンズ
37 表面観察用カメラ
39 入力表示部
40 ターレット
41 圧子
42 対物レンズ
43 対物レンズ
47 圧子
50 パーソナルコンピュータ
51 くぼみ観察部
52 載置部
53 接続部
54 開口部
55 表示部
56 本体
60 変位検出機構
62 板バネ支持部
80 試験機制御部
85 押圧部
86 圧子軸
90 制御部
91 圧子観察用カメラ
92 圧子観察用カメラ
95 画像処理部
96 傾き算出部
97 速度算出部
98 表示制御部
99 記憶部
100 試料
101 速度表示枠
C 回転軸

Claims (7)

  1. 試料を載置する載置台と、
    前記載置台を移動させる移動機構と、
    前記試料の表面にくぼみを形成するための圧子と、
    前記圧子を前記試料に押し付けるときに前記圧子に試験力を付与する負荷機構と、
    前記試料の表面を上方から観察するための対物レンズと、
    前記圧子および前記対物レンズを支持するとともに、前記圧子または前記対物レンズのいずれかを前記試料の表面と対向する位置に移動させる切替部材と、
    前記圧子と前記試料とを前記圧子の移動方向と交差する側方の少なくとも2方向から撮影する複数の圧子観察用カメラと、
    前記複数の圧子観察用カメラにより取得した画像を表示するための表示部と、
    を備えたことを特徴とする硬さ試験機。
  2. 請求項1に記載の硬さ試験機において、
    前記複数の圧子観察用カメラにより、前記圧子と前記試料との少なくとも2方向からの側方の画像から、前記圧子の傾きを算出する傾き算出部と、
    前記傾き算出部により算出された傾きを前記表示部に表示する表示制御部と、
    を備える硬さ試験機。
  3. 請求項2に記載された硬さ試験機において、
    前記圧子の傾きの許容範囲を入力する入力手段と、
    前記傾きの許容範囲を記憶する記憶部と、を備え、
    前記表示制御部は、前記傾き算出部が算出した前記圧子の傾きが、前記記憶部に記憶された前記傾きの許容範囲を超えているか否かを、前記表示部に表示する硬さ試験機。
  4. 請求項2に記載の硬さ試験機において、
    前記傾き算出部は、画像における前記圧子の輪郭から前記圧子の取付軸の傾きに起因する圧子の傾きを算出する硬さ試験機。
  5. 請求項2に記載の硬さ試験機において、
    前記傾き算出部は、複数の画像における前記圧子の先端付近の所定の位置の移動軌跡から、前記圧子に試験力を負荷する負荷機構の構成部材の傾きに起因する圧子の傾きを算出する硬さ試験機。
  6. 請求項2に記載の硬さ試験機において、
    前記圧子を前記試料の表面に押し付けるときの前記圧子の降下速度を算出する速度算出部を備え、
    前記表示制御部は、前記速度算出部により算出された前記降下速度を前記表示部に表示する硬さ試験機。
  7. 請求項6に記載の硬さ試験機において、
    前記降下速度の許容範囲を入力する入力手段と、
    前記降下速度の許容範囲を記憶する記憶部と、を備え
    前記表示制御部は、前記速度算出部が算出した前記圧子の降下速度が、前記記憶部に記憶された前記降下速度の許容範囲を超えているか否かを、前記表示部に表示する硬さ試験機。
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