JP2014180619A - バグフィルタの逆洗装置及び逆洗方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】逆洗時に落下するダストの量を抑制し、逆洗による濾布の傷みを抑制する。
【解決手段】逆洗装置20は、ダストを捕集する複数の濾布15を収容し複数の濾布15が複数の逆洗単位に分配されたバグフィルタ10に付設されたものであり、逆洗単位ごとに所定の順序で濾布15の逆洗を行う。逆洗装置20は、バグフィルタ10の通気抵抗状況に関する情報を取得する情報取得手段21と、逆洗単位ごとに逆洗を行う逆洗手段22と、通常運転時、及び、一つの逆洗単位で逆洗を終えるごとに、情報取得手段21からの情報に基づいて逆洗の要否を判断し、逆洗を必要と判断した場合には前回逆洗を行った逆洗単位の次の順番の逆洗単位の逆洗を行い、逆洗を終えるごとの判断において逆洗を不要と判断した場合には逆洗を終了するように制御する制御手段23とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】逆洗装置20は、ダストを捕集する複数の濾布15を収容し複数の濾布15が複数の逆洗単位に分配されたバグフィルタ10に付設されたものであり、逆洗単位ごとに所定の順序で濾布15の逆洗を行う。逆洗装置20は、バグフィルタ10の通気抵抗状況に関する情報を取得する情報取得手段21と、逆洗単位ごとに逆洗を行う逆洗手段22と、通常運転時、及び、一つの逆洗単位で逆洗を終えるごとに、情報取得手段21からの情報に基づいて逆洗の要否を判断し、逆洗を必要と判断した場合には前回逆洗を行った逆洗単位の次の順番の逆洗単位の逆洗を行い、逆洗を終えるごとの判断において逆洗を不要と判断した場合には逆洗を終了するように制御する制御手段23とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、バグフィルタの逆洗装置及び逆洗方法に関する。
従来、ダストを捕集する濾布を備えると共に、当該濾布を逆洗する装置を備えたバグフィルタが知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。これらのバグフィルタでは、バグフィルタの通気抵抗状況が高いことを検出した場合に、濾布の背面から濾布に圧縮エアを噴射することにより、濾布に積層したダスト層を剥離させている。
これらのバグフィルタでは、逆洗を行う場合バグフィルタ内の全ての濾布に対して逆洗を行うため、一度に多量のダストが落下してバグフィルタのダスト排出能力を超えてしまい、ダストの排出口が閉塞しやすい。また、全ての濾布が逆洗の対象となるため、必要以上に逆洗が行われるという無駄が生じ、その分、濾布が傷みやすい。
そこで本発明は、逆洗時に落下するダストの量を抑制することができ、且つ、逆洗による濾布の傷みを抑制することができる、バグフィルタの逆洗装置及び逆洗方法を提供することを目的とする。
本発明は、ダストを捕集する複数の濾布を収容し、複数の濾布が複数の逆洗単位に分配されたバグフィルタに付設され、逆洗単位ごとに所定の順序で濾布の逆洗を行うバグフィルタの逆洗装置であって、バグフィルタの通気抵抗状況に関する情報を取得する情報取得手段と、逆洗単位ごとに濾布の逆洗を行う逆洗手段と、通常運転時、及び、一つの逆洗単位で逆洗を終えるごとに、情報取得手段からの情報に基づいてバグフィルタの逆洗の要否を判断し、逆洗を必要と判断した場合には、前回逆洗を行った逆洗単位の次の順番の逆洗単位の逆洗を行い、逆洗を終えるごとの判断において逆洗を不要と判断した場合には、逆洗を終えた逆洗単位で逆洗を終了するように制御する制御手段と、を備える、バグフィルタの逆洗装置を提供する。
また、本発明は、ダストを捕集する複数の濾布を収容し、複数の濾布が複数の逆洗単位に分配されたバグフィルタに対し、逆洗単位ごとに所定の順序で濾布の逆洗を行うバグフィルタの逆洗方法であって、バグフィルタの通気抵抗状況に関する情報を取得し、通常運転時、及び、一つの逆洗単位で逆洗を終えるごとに、情報に基づいてバグフィルタの逆洗の要否を判断し、逆洗を必要と判断した場合には前回逆洗を行った逆洗単位の次の順番の逆洗単位の逆洗を行い、逆洗を終えるごとの判断において逆洗を不要と判断した場合には逆洗を終えた逆洗単位で逆洗を終了する、バグフィルタの逆洗方法を提供する。
これらの逆洗装置及び逆洗方法では、所定の順序に従い、逆洗単位ごとに濾布の逆洗を行う。通常運転時は、バグフィルタの通気抵抗状況(すなわち濾布におけるダストの堆積の程度)に関する情報を取得し、当該情報に基づいて、バグフィルタの逆洗の要否を判断する。また、一つの逆洗単位の逆洗を終えるごとにも当該情報に基づいてバグフィルタの逆洗の要否を判断する。そして、両者とも、逆洗を必要と判断した場合には、前回逆洗を行った逆洗単位の次の順番の逆洗単位の逆洗を行い、逆洗を終えるごとの判断において逆洗を不要と判断した場合には、逆洗を終えた逆洗単位で逆洗を終了する。これによれば、一度にバグフィルタ全体の濾布に対して逆洗を行う必要がないため、必要以上に逆洗を行う無駄が生じることがなく、逆洗による濾布の傷みを抑制することができると共に、逆洗時に落下するダストの量を抑制することができる。更に、逆洗を終えて通常運転に戻り、再び逆洗を必要と判断した場合にあっては、前回逆洗を行った逆洗単位の次の逆洗単位から逆洗を開始することになる。これによれば、一度にバグフィルタ全体の濾布に対して逆洗を行う場合に比べて、各濾布について次回の逆洗が行われるまでの期間が長くなるため、繰り返しの逆洗による濾布の傷みを抑制することができる。
本発明の逆洗装置において、ダストは、燃焼炉から発生する燃焼ガスに随伴され、濾布は、燃焼ガス中の有害成分と反応する反応層を備えることが好ましい。濾布が反応層を備えていると、燃焼炉から発生する燃焼ガス中の有害成分が反応層と反応することで、有害成分の除去機能が高まる。また、本発明では上述のとおり、必要以上に濾布の逆洗を行う無駄が生じないため、有害成分の除去に有用な反応層が逆洗により剥離してしまうことが抑制される。
また、本発明の逆洗装置において、バグフィルタ全体の通気抵抗状況に関する情報は、バグフィルタの入口煙道側と出口煙道側との圧力差を計る差圧計で取得することが好ましい。バグフィルタ全体の通気抵抗状況が変化すると、バグフィルタの入口煙道側と出口煙道側との差圧が変動するため、差圧計の使用が簡便である。
本発明によれば、逆洗時に落下するダストの量を抑制することができ、且つ、逆洗による濾布の傷みを抑制することができる、バグフィルタの逆洗装置及び逆洗方法を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。図1は、本実施形態のバグフィルタの逆洗装置を備えるバグフィルタ設備の概略構成図である。
図1に示されるように、バグフィルタ設備1は、バグフィルタ10と、バグフィルタ10に付設されたバグフィルタの逆洗装置(以下単に「逆洗装置」と呼ぶ)20とを具備する。
バグフィルタ10は、下部がホッパ状とされた中空のケーシング11と、ケーシング11の側面下部に連通するように設置された入口煙道12と、ケーシング11の側面上部に連通するように設置された出口煙道13とを備えている。ケーシング11の内部は、水平に配置された仕切り板14によって、入口煙道側領域11aと出口煙道側領域11bとに仕切られている。また、ケーシング11の下部には、ダストを排出するための排出口11cが設けられている。
仕切り板14には、多数の孔14aが縦横に整列されて形成されており、各孔14aには、ダストを捕集する濾布15が吊り下げられている。濾布15は、多孔質の布が下方に凸となるように筒状に形成されたものであり、入口煙道側領域11a側の端部は閉じられ、出口煙道側領域11b側の端部は孔14aに連通している。
濾布15は、その外側面に、入口煙道側領域11a内に導入される燃焼ガス中の例えばHCl、SOx等の有害成分と反応して捕集するための反応層を備えている。反応層は、バグフィルタ10の上流側で供給された例えば消石灰等が濾布15に付着し形成されたものである。
複数の濾布15は、仕切り板14から上下方向に向けて延びる垂直仕切り板16により、複数の区画単位17に部屋分けされており、各区画単位17に濾布15が分配されている。垂直仕切り板16の長さは、少なくとも濾布15の長さよりも長くされている。図1には、区画単位17が一方向に並設されている様子が現れているが、実際には、紙面奥へ向う方向にも区画単位17が並設されている。
バグフィルタ10には、逆洗装置20が付設されている。逆洗装置20は、所定の逆洗単位ごとに所定の順序で濾布15の逆洗を行うものであり、バグフィルタ10の通気抵抗状況に関する情報を取得する差圧計(情報取得手段)21と、濾布15の逆洗を行う噴射装置(逆洗手段)22と、噴射装置22の動作を制御する制御部(制御手段;例えばCPU)23とを備えている。なお、本実施形態では、逆洗単位は区画単位17と一致しているものとする。
差圧計21は、入口煙道側領域11aと出口煙道側領域11bとの圧力差を計測する計器である。
噴射装置22は、圧縮エアを貯留するエアタンク22a、圧縮エアを各区画単位17に分配させる配管22b、各区画単位17に分配された配管22bである分岐管にそれぞれ設けられたバルブ22c、及び、各区画単位17における複数の濾布15の上方に設けられた噴射機22dを有している。噴射装置22にあっては、逆洗を行う際に、エアタンク22aから配管22bに圧縮エアを供給し、この圧縮エアを噴射機22dから濾布15の内側面に向けて噴射する。
制御部23は、差圧計21から差圧情報を受信すると共に、エアタンク22aの駆動及び複数のバルブ22cの個別開閉の制御を行うものである。また、制御部23は、逆洗単位の逆洗を行う順序、及び、その順序において前回どの逆洗単位で逆洗を終えたかを示す位置情報を記憶している。当該位置情報は、例えば、逆洗単位の個数の値を上限として、数値n(nは自然数)として表される。
以上のように構成されたバグフィルタ設備1では、燃焼炉から発生する燃焼ガスが入口煙道12から入口煙道側領域11aに導入されると、燃焼ガスが、各区画単位17内に案内され、濾布15の外側面から内側面を通過した後、出口煙道側領域11bを介して出口煙道13から排気される。この濾布15通過の際に、濾布15の外側面には燃焼ガス中に随伴される飛灰を始めとしたダストが捕集され堆積する。ダストの堆積が増すにつれて、入口煙道側領域11aと出口煙道側領域11bとの圧力差が大きくなっていき、この差圧が所定の値H(後述)を上回ると逆洗が必要となる。
次に、逆洗装置の具体的な動作について、図2に示されるフローチャートを用いて詳細に説明する。
バグフィルタ10の通常運転時、逆洗装置20の制御部23は、常に差圧計21の差圧情報を取得しており(ステップS11)、取得した差圧情報に基づき、差圧が所定の値Hを上回っていないかどうかを判定している(ステップS12)。判定の結果、差圧が所定の値Hを上回っていない場合は、逆洗が不要と判断し、ステップS11に戻ってバグフィルタ10の通常運転を続行する。一方、判定の結果、差圧が所定の値Hを上回っている場合は、逆洗が必要と判断して、逆洗を行うステップへ進む。
逆洗を行うステップでは、まず、記憶している位置情報nを読み出し、n+1をnとする(ステップS13)。そして、所定の逆洗順序におけるn番目の逆洗単位(ここでは区画単位に相当)の逆洗を行う(ステップS14)。この逆洗により、濾布15の外側面に堆積された飛灰を始めとしたダストが払い落とされる。そして、落下したダストは排出口11cから排出される。
その後、差圧情報を取得し(ステップS15)、この差圧情報に基づき、差圧が所定の値Lを下回っているかどうかを判定する(ステップS16)。判定の結果、差圧が所定の値Lを下回っている場合は、逆洗が不要と判断し、位置情報nを記憶して(ステップS17)、逆洗を終えた逆洗単位で逆洗を終了する。一方、判定の結果、差圧が所定の値Lを上回っている場合は、逆洗が必要と判断して、位置情報としてn+1をnとし(ステップS18)、ステップS14に戻って、次の順番の逆洗単位の逆洗を行う。
なお、上記ステップにおいて、位置情報nが所定の上限値を超えた場合は、位置情報nをリセットし、逆洗の所定の順序における最初の順番(すなわち、n=1)に戻す。
以上に示した逆洗装置の動作によれば、所定の順序に従い、逆洗単位ごとに濾布15の逆洗が行われる。通常運転時は、バグフィルタ10の通気抵抗状況に関する情報を差圧計21により差圧として取得し、当該情報に基づいて、バグフィルタ10の逆洗の要否が判断される。また、一つの逆洗単位の逆洗を終えるごとにも当該情報に基づいてバグフィルタ10の逆洗の要否を判断する。そして、両者とも、逆洗を必要と判断した場合には、前回逆洗を行った逆洗単位の次の順番の逆洗単位の逆洗を行い、逆洗を終えるごとの判断において逆洗を不要と判断した場合には、逆洗を終えた逆洗単位で逆洗を終了する。これによれば、一度にバグフィルタ10全体の濾布15に対して逆洗を行う必要がないため、必要以上に逆洗を行う無駄が生じることがなく、逆洗による濾布15の傷みを抑制することができると共に、逆洗時に落下するダストの量を抑制することができる。
更に、逆洗を終えて通常運転に戻り、再び逆洗を必要と判断した場合にあっては、記憶している位置情報nに基づいて、前回逆洗を行った逆洗単位の次の逆洗単位から逆洗を開始することになる。これによれば、一度にバグフィルタ10全体の濾布15に対して逆洗を行う場合に比べて、各濾布15について次回の逆洗が行われるまでの期間が長くなるため、繰り返しの逆洗による濾布の傷みを抑制することができる。
また、本実施形態においては、ダストは、燃焼炉から発生する燃焼ガスに随伴されるものであり、濾布15は、燃焼ガス中の有害成分と反応する反応層を備えているため、燃焼炉から発生する燃焼ガス中の有害成分が反応層と反応することで、有害成分の除去機能が高まる。すなわち、反応層に関し、適正な有害成分除去機能が維持される。また、本実施形態では、上述のとおり、必要以上に濾布15の逆洗を行う無駄が生じないため、有害成分の除去に有用な反応層が逆洗により剥離してしまうことが抑制される。
また、上記逆洗装置では、バグフィルタ10全体の通気抵抗状況を差圧計21で監視しているため、簡便に逆洗の要否を判断することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、バグフィルタ10の通気抵抗状況に関する情報を取得するために差圧計21を利用したが、濾布15の総重量に基づいて逆洗の要否を判断してもよい。また、上記実施形態では、区画単位17と逆洗単位とが一致している態様を示したが、複数の区画単位17を一つの逆洗単位として取り扱ってもよい。
また、上記実施形態では、バグフィルタ10に導入するガスを燃焼炉から発生する燃焼ガスとしたが、廃棄物処理炉等を始めとした炉から発生する燃焼ガスであればよい。
また、特に溶融炉で発生する溶融飛灰は、濾布への付着性が高いため、十分な逆洗を行うには高いパルス圧が必要となり、従来は逆洗による濾布の傷みが激しかったが、本発明によれば必要以上に逆洗を行う無駄が生じないため、逆洗による濾布の傷みを抑制することができる。
10…バグフィルタ、12…入口煙道、13…出口煙道、15…濾布、17…区画単位(逆洗単位)、20…逆洗装置、21…差圧計(情報取得手段)、22…噴射装置(逆洗手段)、23…制御部(制御手段)。
Claims (4)
- ダストを捕集する複数の濾布を収容し、前記複数の濾布が複数の逆洗単位に分配されたバグフィルタに付設され、前記逆洗単位ごとに所定の順序で前記濾布の逆洗を行うバグフィルタの逆洗装置であって、
前記バグフィルタの通気抵抗状況に関する情報を取得する情報取得手段と、
前記逆洗単位ごとに濾布の逆洗を行う逆洗手段と、
通常運転時、及び、一つの前記逆洗単位で逆洗を終えるごとに、前記情報取得手段からの情報に基づいて前記バグフィルタの逆洗の要否を判断し、逆洗を必要と判断した場合には、前回逆洗を行った逆洗単位の次の順番の逆洗単位の逆洗を行い、逆洗を終えるごとの判断において逆洗を不要と判断した場合には、逆洗を終えた逆洗単位で逆洗を終了するように制御する制御手段と、を備える、バグフィルタの逆洗装置。 - 前記ダストは、燃焼炉から発生する燃焼ガスに随伴され、
前記濾布は、前記燃焼ガス中の有害成分と反応する反応層を備える、請求項1記載のバグフィルタの逆洗装置。 - 前記情報取得手段は、前記バグフィルタの入口煙道側と出口煙道側との圧力差を計る差圧計である、請求項1又は2記載のバグフィルタの逆洗装置。
- ダストを捕集する複数の濾布を収容し、前記複数の濾布が複数の逆洗単位に分配されたバグフィルタに対し、前記逆洗単位ごとに所定の順序で前記濾布の逆洗を行うバグフィルタの逆洗方法であって、
前記バグフィルタの通気抵抗状況に関する情報を取得し、
通常運転時、及び、一つの前記逆洗単位で逆洗を終えるごとに、前記情報に基づいて前記バグフィルタの逆洗の要否を判断し、逆洗を必要と判断した場合には前回逆洗を行った逆洗単位の次の順番の逆洗単位の逆洗を行い、逆洗を終えるごとの判断において逆洗を不要と判断した場合には逆洗を終えた逆洗単位で逆洗を終了する、バグフィルタの逆洗方法。
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