JP2014180207A - パンタグラフの離線検知方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水銀灯より短波長の紫外光を選択して可視光に変換し、光ファイバを経由して車内に導いて光量を測定することによりパンタグラフの離線を検知することを特徴とする。
【選択図】図3
Description
このアーク放電は、騒音、トロリ線及びすり板の損耗を引き起こすため、極力、発生が起こらないようにすることが好ましく、そのため、アーク放電が発生する箇所を正確に検出して、発生防止策を講じる必要がある。
このトロリ線離線測定器は、アーク放電時に発生するアークの特に可視光線領域を検出することにより、離線の有無を測定するものであるが、このような測定器では、外部からの可視光の影響がある昼間には測定することができず、使用が制限されるという問題があった。
このパンタグラフ離線検知装置は、パンタグラフの近傍に設置された紫外光受光部と、車両の内部に配置された光量測定器と、を有し、これら紫外光受光部と光量測定器とが、プラスチックファイバで接続される構成である。また、前記紫外光受光部は、アーク光の所定の波長以下の紫外光成分を通過させるフィルタと、該フィルタを通過した紫外光を可視光に変換する蛍光ガラスとを有し、該フィルタを介して、所定の波長以上の非紫外光成分を取り除くことにより、アーク光に含まれる紫外光を、太陽光に対して高い割合で検出する。これによって可視光がある昼間であっても離線測定が可能となる。
その一方で、検出対象となる紫外線には、離線アーク以外の紫外線(蛍光灯、水銀灯、信号灯からの紫外線)も含まれる、すなわち、離線アーク以外の紫外線の影響も受けることになり、上記引用文献2に示されるように、単に、所定の波長以上の非紫外光成分を取り除くだけでは、正確なアーク光測定ができないという新たな問題が発生していた。
本発明は、車両上のパンタグラフのトロリ線からの離線時に発生するアーク光に含まれる紫外光の光量を測定することにより、パンタグラフの離線を検知するパンタグラフの離線検知方法であって、水銀灯より短波長の紫外光を選択して測定することにより、パンタグラフの離線を検知することを特徴とする。
本発明の第1実施形態について、図1〜図4を参照して説明する。
図1及び図2は、本発明の実施の形態に係るパンタグラフ離線検知方法及び当該方法を適用したパンタグラフ離線検知装置を説明する図であり、図1は装置全体の構成を示す図であり、図2は紫外光受光部の構造を説明する断面図である。
図1において、符号1が示されるパンタグラフ離線検知装置は、車両Vの上面のパンタグラフPの近傍に設置された紫外光受光部10と、車両Vの内部に配置された光量測定器21と、該光量測定器21で測定された光量を表示する表示装置22と、から主に構成され、これら紫外光受光部10、光量測定器21、表示装置22によって本発明の離線測定手段が構成される。また、紫外光受光部10と光量測定器21とは、プラスチックファイバ30で接続している。
紫外光受光部10は、円筒形のケース11に収容された、非紫外光を除去するとともに特定の波長域の紫外光を選択して透過させるフィルタ12と蛍光ガラス13とを有する。
フィルタ12と蛍光ガラス13は、ケース11の一方の端面から、フィルタ12が受光面側となるようにはめ込まれ、さらにフィルタ12の外面に保護ガラス14がはめ込まれて、ナット15で固定されている。必要であれば、フィルタ12と保護ガラス14との間にNDフィルタ16を配置してもよい。ケース11のもう一方の反受光面側からは、プラスチックファイバ30がはめ込まれて止めネジ18でケース11に固定されている。
なお、フィルタ12により200〜230nmの波長帯の紫外線を選択するのは、この波長帯が離線アークに多く含まれるからであり、また、外乱の原因となる太陽光、及び離線アーク以外の紫外線(蛍光灯、水銀灯、信号灯からの紫外線)の影響を排除する目的がある。特に、信号灯にはLED照明が使用され、構内照明には水銀灯が使用され、また、トンネル内の照明には蛍光灯が使用されているが、これらの内、紫外線の放射が多いのは水銀灯であり、253.7nmや365nmの紫外線を含んでいるためである。
VOL.17、No.3(2004))。
すなわち、本実施形態に示されるパンタグラフの離線検知方式では、水銀灯より短波長の紫外光(200〜230nmの波長帯の紫外光)を選択して測定することにより、パンタグラフの離線を検知するようにしたので、路線上に最も設置が多い水銀灯又はその他の蛍光灯、信号灯といった各種外乱光からの紫外線の影響を排除して、トロリ線とすり板との離線により発生するアーク光中の紫外光のみを確実に検出することができる。その結果、検出精度の高いパンタグラフの離線検知が可能となる効果が得られる。
本発明の第2実施形態について、図5を参照して説明する。
第2実施形態で示されるパンタグラフ離線検知方法及び当該方法を適用したパンタグラフ離線検知装置1が、第1実施形態と異なるのは、離線アーク以外の紫外線(蛍光灯、水銀灯、信号灯からの紫外線)の影響を完全に排除するために、離線アーク以外の紫外線の影響がある位置での紫外線受光を停止するようにした点である。
そして、ここで紫外光受光部10に、200〜230nm又は206〜226nmの波長帯の紫外線を選択するフィルタ12を設けた場合には、最も設置数の多い水銀灯を始めとする外乱光の影響を確実に排除することができ、より精度の高いパンタグラフ離線検知を行うことができる。
Claims (6)
- 車両上のパンタグラフのトロリ線からの離線時に発生するアーク光に含まれる紫外光の光量を測定することにより、パンタグラフの離線を検知するパンタグラフの離線検知方法であって、
水銀灯より短波長の紫外光をフィルタを通過させることにより選択して前記車両上で取り込み、蛍光ガラスによって可視光に変換し、光ファイバを経由して前記車両内の光量測定器に導いて測定することにより、パンタグラフの離線を検知することを特徴とするパンタグラフの離線検知方法。 - 前記水銀灯より短波長となる200〜230nmの紫外光を選択して測定することを特徴とする請求項1に記載のパンタグラフの離線検知方法。
- 前記紫外線のピーク値の半値の短波長となる206〜226nmの紫外光を選択して測定することを特徴とする請求項2に記載のパンタグラフの離線検知方法。
- 車両上のパンタグラフのトロリ線からの離線時に発生するアーク光に含まれる紫外光の光量を測定することにより、パンタグラフの離線を検知するパンタグラフの離線検知装置であって、
前記車両の上で水銀灯より短波長の紫外光を選択して通過させるフィルタと、
このフィルタを通過した紫外線を前記車両の上で可視光に変換する蛍光ガラスと、
この蛍光ガラスにより変換された可視光を前記車両の上から前記車両内へ伝送する光ファイバと、
この光ファイバを経由して導かれた可視光を前記車両内で測定する光量測定器と、
を備えたパンタグラフの離線を検知する離線測定手段を有する、ことを特徴とするパンタグラフの離線検知装置。 - 前記水銀灯より短波長となる200〜230nmの紫外光を選択して測定することを特徴とする請求項4に記載のパンタグラフの離線検知装置。
- 前記紫外線のピーク値の半値の短波長となる206〜226nmの紫外光を選択して測定することを特徴とする請求項5に記載のパンタグラフの離線検知装置。
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