JP2014178200A - 渦電流探傷装置および渦電流探傷方法 - Google Patents

渦電流探傷装置および渦電流探傷方法 Download PDF

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Abstract

【課題】パルス励磁渦電流探傷検査によるきずのサイジングが可能であり、深い位置の探傷が必要となる被検査体に対しても、検査精度を維持可能な技術を提供する。
【解決手段】渦電流探傷装置10は、被検査体1内に渦電流を形成させる同一平面内に2個以上配置可能な励磁コイル11の各々にパルス状の電流を供給する励磁手段14と、被検査体内の渦電流分布変化を検出する検出素子15で検出される電圧信号を受信する検出手段17と、励磁コイル及び検出素子を三次元走査可能に把持する把持手段13と、検出手段が検出する電圧信号の波形及び周波数スペクトルの時間変化に基づき被検査体内のきず位置及びきず深さを算出する演算抽出手段18と、周波数スペクトルの時間変化が生じない場合に把持手段を停止させて励磁コイルの各々に時間差を有するパルス状の電流を供給する制御を行う制御手段19を具備する。
【選択図】 図1

Description

本発明の実施形態は、渦電流探傷装置および渦電流探傷方法に関する。
炉内構造物の供用期間中検査では非破壊検査手法が用いられており、代表的なものとして目視検査(Visual Testing:VT)、超音波検査(Ultrasonic Testing:UT)、渦電流探傷検査(Eddy Current Testing:ECT)がある。このうち、VTおよびECTは表面検査、UTは体積検査に用いられる。また、きず指示があった場合は、より詳細なUTによってきずのサイジングが行われる。
しかし、炉内構造物には曲率半径の小さな狭隘かつ複雑形状を有する溶接部が多く存在する。このような部位に対しては超音波の入射角制御は難しく、また、その減衰も大きい事から高精度なサイジング(sizing)が困難とされている。その一方で、近年、ECTにパルス波を用いることで被検査体内に生じる渦電流の伝播現象を用いた検査手法であるパルス渦電流探傷法(Pulsed Eddy Current Testing:PECT)が提案されている。
PECTの原理について説明すると、まず、励磁コイルに矩形の電流を供給する。電流が切断された直後ではパルス波に含まれる周波数成分に従って、被検査体内には三次元的な渦電流分布が形成される。
この時、前記渦電流分布を誘導していた磁場の供給が停止するため、その後過渡的な変化を生じる。この過渡的な変化とは周波数成分に応じた減衰と被検査体深さ方向への渦電流の伝播である。
また、低周波成分ほど減衰率が小さく表皮深さも深いため、被検査体表層に存在する高周波成分の渦電流が無視できる程度に減衰するまで時間が経過しても低周波成分の渦電流の伝播は続いており、被検査体表層の渦電流の影響を受けることなく深部の情報を検出することができる。
さらに、非接触でパルス磁場を印加、渦電流信号を検出可能であることから、狭隘な複雑形状部位に対しても、サイジング可能性が期待できる。
このような原理を利用して、配管肉厚を測定する技術は、例えば、特開2005−106823号公報(特許文献1)に記載されている。
特開2005−106823号公報
特許文献1に記載されている技術は、アレイ状に配置したセンサ素子を用いてパルス磁場を印加し、被検査体に生じる渦電流の過渡変化を検出する。また、検出された渦電流信号に対して多項式による近似式を当てはめ、各次数項の係数から被検査体の厚さを推定する技術である。
この公知技術は、PECTの前述した特長と検査対象を含めた回路系で決まる特性を利用している。すなわち、パルス渦電流が誘導される領域全体の特性から厚みを推定する技術である。
その一方で、従来のPECTは、伝播する渦電流の局所的な時間における信号変化については検出しないため、きずの様に局所的な渦電流分布の変化が時間差を持って生じる対象に対して適用する場合に課題がある。すなわち、きずの深さを測定するためには、きずの両端部で生じる渦電流分布の過渡変化を検出することが必要となる。
また、きずの深部で生じる渦電流分布の過渡変化は、その渦電流強度が十分でないと検出が困難になるため、非破壊検査にPECTを使用する場合、大型構造物等の表面から遠い位置(深い位置)での探傷が必要となる被検査対象に対しても検査精度を維持できるかの点で課題がある。すなわち、深い位置に存在するきずの深部で生じる渦電流強度を適切に検出することが必要となる。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたものであり、パルス励磁渦電流探傷検査によるきずのサイジング可能な渦電流探傷装置および渦電流探傷方法を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、パルス励磁渦電流探傷検査によるきずのサイジングができ、当該サイジングの際に、深い位置を探傷することが必要となる被検査対象に対しても、検査精度を維持可能な渦電流探傷装置および渦電流探傷方法を提供することにある。
本発明の実施形態に係る渦電流探傷装置は、上述した課題を解決するため、被検査体内にパルス磁場を励起し渦電流を形成する励磁コイルを同一平面内に2個以上配置可能に構成される励磁体の前記励磁コイルの各々にパルス状の電流を供給する励磁手段と、前記渦電流の過渡的な分布変化を検出する検出素子を少なくとも1個有する検出体から前記少なくとも1個の検出素子の各々で検出する電圧信号を受信する検出手段と、前記励磁体および前記検出体を把持し、前記励磁体および前記検出体を走査させる把持手段と、前記検出手段で検出された前記電圧信号波形の上包絡線と下包絡線の差分の総和を算出することで得られる2点以上の総和の極大のうち、前記走査の方向に対して連続する2点の極大値の出現位置に基づいて被検査体内に存在するきずの位置を算出する一方、算出する位置に存在する前記被検査体内のきずの深さを、前記検出手段で検出される電圧信号の周波数スペクトルにおける中心周波数の時間変化に基づいて算出する演算抽出手段と、前記励磁コイルの各々に供給されるパルスの電流によって形成される渦電流が、前記被検査体内で時間差をもって重畳するように前記励磁手段を制御する制御手段と、を具備することを特徴とする。
本発明の実施形態に係る渦電流探傷方法は、上述した課題を解決するため、被検査体内にパルス磁場を励起し渦電流を形成する励磁コイルを同一平面内に2個以上配置可能に構成される励磁体の前記励磁コイルの各々にパルス状の電流を供給する励磁手段と、前記渦電流の過渡的な分布変化を検出する検出素子を少なくとも1個有する検出体から前記少なくとも1個の検出素子の各々で検出する電圧信号を受信する検出手段と、前記検出手段で受信される電圧信号の波形から得られる情報に基づいて前記被検査体内に存在するきずの位置を算出する一方、算出する位置に存在する前記被検査体内のきずの深さを、前記電圧信号の周波数スペクトルにおける中心周波数の時間変化に基づいて算出する演算抽出手段と、前記励磁体、前記検出体、および前記励磁手段を制御する制御手段と、を具備する渦電流探傷装置を用いて行う渦電流探傷方法であり、前記励磁手段が、前記励磁コイルの各々にパルス状の電流を供給するステップと、前記検出手段が、前記少なくとも1個の検出素子の各々で検出する前記電圧信号を受信するステップと、前記演算抽出手段が、前記電圧信号を受信するステップで受信される前記電圧信号の波形の上包絡線と下包絡線の差分の総和を算出することで得られる2点以上の総和の極大のうち、前記励磁体および前記検出体を走査する方向に対して連続する2点の極大値の出現位置に基づいて前記被検査体内に存在するきずの位置を算出する一方、算出する位置に存在する前記被検査体内のきずの深さを、前記電圧信号の周波数スペクトルにおける中心周波数の時間変化に基づいて算出するステップと、前記制御手段が、前記電圧信号の周波数スペクトルにおける中心周波数の時間変化が生じない場合に、前記励磁体および前記検出体の走査を停止させ、前記励磁コイルの各々に時間差を有するパルス状の電流を供給して、前記渦電流が前記被検査体内で時間差をもって重畳するように、前記励磁体、前記検出体、および前記励磁手段を制御するステップと、を具備することを特徴とする。
本発明によれば、パルス励磁渦電流探傷検査(PECT)において、きずによる局所的な渦電流分布の変化を検出することができ、きずのサイジングが可能となる。また、きずのサイジングの際に、深い位置を探傷することが必要となる被検査対象に対しても検査精度を維持することができる。
本発明の実施形態に係る渦電流探傷装置の構成を示す機能ブロック図。 本発明の実施形態に係る渦電流探傷装置で適用される励磁コイルの配置例を説明する説明図。 本発明の実施形態に係る渦電流探傷装置において計測される検出信号の一例を示した説明図。 本発明の実施形態に係る渦電流探傷装置において計測される検出信号の一例を示した説明図。 本発明の実施形態に係る渦電流探傷装置によるきずの深端部の検出時刻を同定する方法を説明する説明図であり、(A)は検出電圧のタイムチャート、(B)はきず深端部まで渦電流が到達した場合の検出電圧の周波数スペクトル図。 本発明の実施形態に係る渦電流探傷装置によるきずの深端部の検出時刻を同定する方法を説明する説明図であり、きず深端部まで渦電流が到達しない場合における検出電圧の周波数スペクトル図。 本発明の実施形態に係る渦電流探傷装置が励磁体に供給するパルス電流の時間差付与パターンの第1の例を示す説明図。 本発明の実施形態に係る渦電流探傷装置が励磁体に供給するパルス電流の時間差付与パターンの第2の例を示す説明図。 本発明の実施形態に係る渦電流探傷装置が励磁体に供給するパルス電流の時間差付与パターンの第3の例を示す説明図。 本発明の実施形態に係る渦電流探傷装置において使用される校正試験片の一例を示す概略図。
本発明の実施形態に係る渦電流探傷装置および渦電流探傷方法について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明においては、上、下、左、右等の方向を示す言葉は、図示した状態または通常の使用状態を基準とする。
本発明の実施形態に係る渦電流探傷装置および渦電流探傷方法は、例えば、原子炉管台、炉底部、または金属配管等の金属構造材全般の検査に適用することができ、金属構造材に発生したきずの深さを同定することができる技術である。
また、本発明の実施形態に係る渦電流探傷装置および渦電流探傷方法では、被検査対象のより深い位置に存在するきずの深部で生じる渦電流強度を適切に検出することができるので、大型の金属構造物等のより深い位置に存在するきずの深部で生じる渦電流強度を適切に検出することが必要となる被検査対象に対しても、検査精度を低下させることなく維持することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る渦電流探傷装置の一例である渦電流探傷装置10の構成を示す機能ブロック図である。
渦電流探傷装置10は、被検査体1の表面の複数箇所で被検査体1の内部へ向かって伝播する渦電流(進行波)を発生させ、波の重ね合わせの原理により、被検査体1の探傷したい深さの範囲でより渦電流が強まるように励磁電流を供給するタイミングや大きさを制御することで、従来のPECTと比較して金属構造材内部のより深い領域での渦電流強度を高くすることができ、被検査体1のより深い位置に存在するきずの深さを同定することが可能な渦電流探傷装置である。
渦電流探傷装置10は、パルス励磁渦電流探傷検査(PECT)によって被検査体1のきず2の有無を検査する装置であり、例えば、同一平面内に配置される複数個(図1に示される例では3個)の励磁コイル11(11a〜11c)等の励磁要素を有する励磁体12と、把持手段13と、励磁手段14と、複数個(図1に示される例では3個)の検出素子15(15a〜15c)を有する検出体16と、検出手段17と、演算抽出手段18と、制御手段19と、表示手段21と、を具備する。
励磁コイル11(11a〜11c)は、励磁手段14からパルス状の電流(励磁電流)の供給を受けて被検査体1にパルス磁場を励起し、渦電流を形成する。
励磁体12は、例えば、同一平面内に配置される3個の励磁コイル11a〜11c等の複数個の励磁要素を有し、把持手段13によって、三次元的に移動可能な状態で把持される。
把持手段13は、励磁体12と検出体16と把持する。把持手段13は、励磁体12および検出体16を把持しつつ励磁体12および検出体16を被検査体1の表面(検査面)上の所望の地点に移動させる機能と、三次元空間内に設定される原点Oを基準とした励磁コイル11a〜11c(励磁体12)および検出素子15a〜15c(検出体16)の位置および姿勢情報を記録し、制御手段19へ伝送する機能とを有する。
励磁手段14は、各励磁コイル11a〜11cと電気的に接続される。励磁手段14は、パルス状の電流を発生させて、発生させたパルス状の電流を励磁電流として各励磁コイル11a〜11cに供給する。
検出素子15(15a〜15c)は、励磁体12によって被検査体1に形成される渦電流の過渡的な広がりによる渦電流分布変化を検出する。検出素子15の個数や配置は検出の分解能や1回の走査で探傷できる範囲を考慮して適宜決定される。また、検出素子15は、コイル、ホール素子、MRセンサ等の磁場を検出可能な各種の検出素子を適用することができる。
検出体16は、例えば、3個の検出素子15a〜15c等の複数個の検出素子を有し、把持手段13によって、三次元的に移動可能な状態で把持される。なお、検出体16は、励磁体12と一体的に収容した状態で適用することもできる(例えば、後述の図4に示されるセンサ43)。
検出手段17は、各検出素子15a〜15cと電気的に接続される。検出手段17は、各検出素子15a〜15cに生じる電気信号を検出し、検出した電気信号を検出信号として演算抽出手段18へ伝送する。また、検出手段17は、増幅器(アンプ)と濾波器(フィルタ)とを有しており、検出された電気信号を適宜増幅およびノイズ除去して演算抽出手段18へ伝送する。
演算抽出手段18は、励磁手段14、検出手段17、および制御手段19と電気的に接続される。演算抽出手段18は、励磁手段14からどのような励磁電流を供給したかを示す情報を受け取り、検出手段17から検出信号(電気信号)を受け取り、制御手段19から励磁コイル11a〜11c(励磁体12)および検出素子15a〜15c(検出体16)の位置情報、および所定の波形分析処理の実行指令を受け取る。
演算抽出手段18は、これらの情報および指令を受け取ると、検出手段17から伝送される検出信号(電気信号)に対して、所定の波形分析処理(詳細は後述する)を行うことで、被検査体1に存在し得るきず2のサイジングを行う。演算抽出手段18が所定の波形分析処理した結果は、制御手段19に与えられる。
制御手段19は、把持手段13、励磁手段14、演算抽出手段18、および表示手段21と電気的に接続されており、把持手段13、励磁手段14、演算抽出手段18、および表示手段21を制御する。
制御手段19は、把持手段13に移動指令を与えて、励磁体12および検出体16を独立的に被検査体1の表面(検査面)上の所望の地点に移動させる。また、制御手段19は、位置情報伝送指令を与えて、把持手段13が取得した励磁コイル11a〜11c(励磁体12)および検出素子15a〜15c(検出体16)の位置情報を受け取る。制御手段19が受け取る励磁コイル11a〜11c(励磁体12)および検出素子15a〜15c(検出体16)の位置情報は、演算抽出手段18へ与えられる。
制御手段19は、励磁手段14に励磁電流制御指令を与えて、励磁手段14が発生させる励磁電流(励磁パルス)の入/切(ON/OFF)、大きさ、パルスの立ち上がり時間、パルスの立ち下がり時間、幅、周期等を制御する。渦電流探傷装置10では、当該制御によって、時間差を付与したパルス電流(図8〜10)を励磁コイル11a〜11cに供給することができる。
制御手段19は、励磁コイル11a〜11c(励磁体12)および検出素子15a〜15c(検出体16)の位置情報を演算抽出手段18に与えるとともに、演算抽出手段18に所定の波形分析処理を実行させる指令を与える。演算抽出手段18が所定の波形分析処理した結果は、制御手段19を介して表示手段21に与えられ、表示手段21にて表示される。
なお、渦電流探傷装置10において、励磁体12を構成する励磁コイル11の配置は、図1に示されるような直線状(1列)に限定されず、任意に配置することができる。
図2は、渦電流探傷装置10で適用される励磁コイル11の配置例を説明する説明図である。
例えば、図2に示されるように、励磁コイル11の他の配置として、励磁コイル11a〜11eを十字型に配置することもできる。また、これらの他にも、円状やアレイ状等に配置することもできる。
次に、渦電流探傷装置10を用いて行う被検査体1のパルス励磁渦電流探傷検査(PECT)について説明する。
励磁コイル11が被検査体1の検査面上に位置決めされると、励磁手段14が、以下の式(1)で示されるパルス電流I(t)を励磁コイル11に供給する。励磁コイル11にパルス電流I(t)が励磁電流として供給されると、検出素子15による磁場信号の検出を開始する。
Figure 2014178200
励磁手段14は、表皮深さδから算出される係数を持つフーリエ級数から生成されるパルス形状の印加電流I(t)を励磁電流として励磁コイル11に供給することで、被検査体1の深さ方向に略同程度の振幅強度である渦電流をパルス電流切断直後に誘起することができる。
続いて、本発明の実施形態に係る渦電流探傷方法として、渦電流探傷装置10を用いて行う被検査体1のパルス励磁渦電流探傷検査(PECT)におけるきず2のサイジング方法について説明する。
[きず2の位置の同定]
図3は渦電流探傷装置10において計測される検出信号の一例を示した説明図である。
ここで、破線Vはきずが無い場合の検出信号、実線Vはきずが存在する場合の検出信号である。
検出信号V,Vは、検出素子15の電圧信号に相当し、検出手段17で増幅およびフィルタ処理された後に演算抽出手段18へと送られる。
演算抽出手段18では、検出信号V,Vに対してフーリエ変換を行い、検出信号V,Vの周波数スペクトルを求める。さらに、検出信号V,Vの周波数スペクトルを求める過程において、図3に示される微小区間41である(t,t+Δt)に限定して周波数スペクトルを求めることもできる。Δtは可変であり、測定開始から終了までの時間領域でフーリエ変換対象区間を掃引させることで、周波数スペクトルの時間的な変化を求めることができる。
また、演算抽出手段18では、検出信号V,Vの上包絡線UE,UEおよび下包絡線LE,LEを求め、さらに、上包絡線UE,UEと下包絡線LE,LEとの差分(以下、「包絡線差分」と称する。)42を求める。さらにまた、演算抽出手段18では、上包絡線UE,UE、下包絡線LE,LE、および包絡線差分に対して前後のスキャンステップでの差分を算出し、検出体16等のセンサの位置変化に対する包絡線差分変化、および包絡線差分変化の総和(面積)を求める。
図4は渦電流探傷装置10におけるきず位置を同定する方法を説明する説明図である。
なお、図4は、一次元(x軸方向)の走査の場合を一例として示している。また、符号43は励磁体12と検出体16とをケーシングに収容したもの(以下、単に「センサ」と称する。)である。
センサ43がきず2の上を通過する際、複数の特定の座標において、きず2の存在が原因となって包絡線差分変化の総和が極大となる。例えば、図5に示される例では、包絡線差分変化の総和の極大値が、座標x,xの2点において出現している。この場合、きず2の位置xは、包絡線差分変化の総和が極大となる座標xおよびxの中点、すなわち、x=(x+x)/2として特定される。きず2の位置を同定する計算は、演算抽出手段18が行う。
なお、包絡線差分変化の総和が極大となる前記座標およびその個数は、センサ43の構造やきずの形状によって変化する。包絡線差分変化の総和が極大となる座標の個数については、2個に限らず、3個以上が出現する場合もある。その場合には、連続する2点の極大値を抽出し、抽出した2つの極大値の中点にきず2が存在するものとみなして計算する。
[きず2の深さの同定]
図5は渦電流探傷装置10によるきず2の最も深い位置である深端部2b(図4)の検出時刻を同定する方法を説明する説明図であり、図5(A)は時間に対する検出信号(検出電圧)の変化を示すグラフ(検出電圧の時間チャート)であり、図5(B)はきず深端部2bまで渦電流が到達した場合における周波数に対する検出信号(検出電圧)の変化を示すグラフ(検出電圧の周波数スペクトル図)である。
ここで、図5(A)に示されるΔtは図3に示されるΔtと対応する微小時間である。また、符号Rは渦電流がきず2の表面側の端部である表端部2aに到達した時刻からΔtが経過するまでの間の時間領域、Rは表端部2aに到達した渦電流が深さ方向に伝播してきず2の深端部2bに到達した時刻からΔtが経過するまでの間の時間領域であり、RはRとRの間の時間領域、RはR以降の時間領域である。さらに、VR1〜VR4は、それぞれ、時間領域R〜Rにおける検出電圧の周波数スペクトルである。
上述した手順によって、演算抽出手段18が包絡線差分変化の総和が極大となる座標x,xを特定すると、続いて、演算抽出手段18は包絡線差分変化の総和が極大となる座標として特定された座標xまたはxにおける検出信号(検出電圧)に対して時間幅Δtの区間でフーリエ変換を行って得られる周波数スペクトルを取得する。また、演算抽出手段18は、フーリエ変換の対象区間を測定開始時から測定終了時までの時間領域とし当該対象区間を掃引させることで、検出電圧の周波数スペクトルの時間変化を得る。
図5(B)に示されるように、時間領域R〜Rの間、すなわち、渦電流が表端部2a(図4)から深さ方向に伝播して深端部2b(図4)に到達するまでの間では、検出電圧の周波数スペクトルVR1,VR2,VR3の中心周波数は、励磁コイル11に与えるパルス状の励磁電流(励磁パルス)の中心周波数fから周波数がシフトしてf+Δfとなる。また、この時間領域R〜Rの間では、中心周波数は変化せず、振幅のみが減衰していく。
そして、時間領域R以降、すなわち、時間領域Rでは、きず2の影響を受けない渦電流の信号も検出されるため、検出電圧の周波数スペクトルVR4の中心周波数は励磁パルスの中心周波数fへとシフトしていく。
渦電流探傷装置10は、きず2(表端部2a)の影響を受けて中心周波数がf+Δfにシフトし、その後、深さ方向に伝播する渦電流が深端部2bよりも深い位置に達してきず2の影響を受けなくなり、検出電圧の周波数スペクトルの中心周波数は励磁パルスの中心周波数fへとシフトして戻っていく現象を捉えることで、渦電流がきず2による影響を受けている時間、すなわち、きず2の深さ方向へ渦電流が伝播する時間を計測する。
このような計測を行うことで、渦電流探傷装置10は、被検査体1にきず2が存在する場合、そのきず2の深さ方向の長さ(表端部2aから深端部2bまでの長さ)を測定(算出)することができる。なお、きず2の深さ方向の長さの測定時には、渦電流が被検査体1を伝播する伝播速度およびセンサの傾き等を考慮した補正計算が行われる。
渦電流が被検査体1を伝播する伝播速度や補正計算の数式情報については、演算抽出手段18が演算可能なように予め与えておく。このとき、渦電流が被検査体1を伝播する伝播速度については、例えば、後述する試験片50(図10)を用いて予め算出することができる。
一方で、きずの深端部2b(図4)の位置が表面から深い位置にある場合、すなわち、図5(A)に示される時間領域Rがより右方に存在する場合、検出電圧の周波数スペクトルの時間の経過に伴った中心周波数の変化(中心周波数f+Δfからfへのシフト)を検出できない場合がある。
図6は渦電流探傷装置10によるきず2の最も深い位置である深端部2b(図4)の検出時刻を同定する方法を説明する説明図であり、きず深端部2bまで渦電流が到達していない場合における周波数に対する検出信号(検出電圧)の変化を示すグラフ(検出電圧の周波数スペクトル図)である。
図6に示されるように、検出電圧の周波数スペクトルは、渦電流がきず2まで伝播し、きず2の影響を受けると中心周波数がfからf+Δfにシフトし、その後、きず2の影響を受けている間は中心周波数がf+Δfの位置で振幅が時間の経過(渦電流の伝播)に伴いどんどん減少していく。
きずの深端部2b(図4)の位置が表面から深い位置にある場合、すなわち、時間領域Rが長く時間領域RとRの間隔が大きい場合、図5(B)に示されるような時間の経過に伴った中心周波数のf+Δfからfへのシフト現象が検出される前に、検出電圧の振幅が観測不可能な程に小さくなってしまうことが生じ得る。この場合、きず2の深さを算出することができなくなってしまう。
そこで渦電流探傷装置10では、時間の経過に伴った中心周波数のf+Δfからfへのシフト現象が検出される前に、検出電圧の振幅が観測不可能な程に小さくなってしまった場合に、各励磁コイル11a〜11cに対して、時間差を付与したパルス電流を供給する。
渦電流探傷装置10では、各励磁コイル11a〜11cに対して供給するパルス電流を制御することによって、複数の渦電流を被検査体1に発生させるタイミング等を制御し、被検査体1の内部を伝播する過程で重畳させる。複数の渦電流を被検査体1の内部で重畳させることによって、被検査体1の内部を伝播する渦電流がお互いに干渉して強め合う現象を生じさせることができ、当該現象を生じさせることによって、被検査体1の内部のより深い位置においても振幅の大きな検出電圧を得ることを可能にしている。
より具体的には、制御手段19が把持手段13に停止指令を与える一方、励磁手段14に対して励磁電流制御指令を与えて、センサ43(励磁体12および検出体16)による走査を停止した状態で、時間差を付与したパルス電流を励磁体12に供給する。
図7〜9は、渦電流探傷装置10が励磁体12に供給するパルス電流の時間差付与パターンの第1〜3の例を示す説明図である。なお、図7〜9に示される符号I〜Iは、それぞれ、励磁コイル11a,11cのパルス電流を表している。また、図7〜9に示されるI〜Iの各励磁電流のパルスは、一例として、パルス高、およびパルス幅が同じ場合を示している。
時間差の付与パターンは、例えば、図8に示されるように、励磁コイル11bのパルス電流の供給タイミングを、他の励磁コイル11a,11cのパルス電流の供給タイミングよりも遅延させたパターン(遅延パターン)がある。
また、時間差の付与パターンは、図8に示される励磁コイル11bの遅延パターンに限らず、他にも図9に示される励磁コイル11bのパルス電流の供給タイミングを他の励磁コイル11a,11cのパルス電流の供給タイミングよりも先行させたパターン(先行パターン)や、図10に示される励磁コイル11a,11b,11cとΔt間隔で順次に遅延させるパターン(連続遅延パターン)等の任意の時間差の付与が可能である。
ここで付与される時間差Δtは、図3に示される検出信号が完全に減衰する間の時間で可変であり特定の値を与えることも、可変な範囲で掃引させることもできる。
制御手段19は、例えば、図6に示されるように、検出電圧の周波数スペクトルの中心周波数の変化が生じない場合、把持手段13に対する停止指令、および励磁手段14に対して時間差の付与パターンとΔtの範囲を指定する励磁電流制御指令を与えて、検出電圧の周波数スペクトルの中心周波数の変化が生じるまで、時間差の付与パターン選択とΔtの範囲調整を繰り返し、データの取得を行う。
最終的に、演算抽出手段18は、これまでに同定した、きず2とセンサとの相対的位置関係、きず深端部2bの検出時刻、被検査体1内での渦電流の伝播速度を用いて、きずの深さ方向の長さを同定する。
[校正試験片]
図10は渦電流探傷装置10において使用される校正試験片の一例である試験片50を示す概略図である。
試験片50は、被検査体1と材質が同一または略同一の材料(少なくとも導電率σおよび透磁率μが、ユーザが必要とする検査精度を考慮した際に同一視できる材料)で構成されており、例えば、少なくとも1以上の段差を有する。すなわち、試験片50は、厚みの異なる個所(段)が複数あり、n(nは2以上の自然数)段の階段状に形成される。ここで、符号dは第1段の厚さであり、符号dは第n段の厚さである。
校正時には、センサ43(励磁体12および検出体16)を試験片50に配置して周波数スペクトルや包絡線を得る。ここから、パルス渦電流が底面51まで伝播するまでの時間を同定し、伝播距離(校正試験片の厚さd,…,d)から伝播速度を算出する。
なお、試験片50は、必ずしも複数段を有する階段状に構成される必要はないが、被検査体1における伝播速度の算出精度を高める観点から少なくとも2段を有する階段状に構成されている。
また、被検査体1における伝播速度の算出精度をより高める観点からすれば、試験片50の段数nは、なるべく多くすることが望ましい。被検査体1での渦電流の伝播速度は、最終的にきず2の深さ方向の長さを同定する際に使用されるため、より正確にきず2の深さ方向の長さを知りたい場合には、試験片50の段数nを多くして、より高精度に被検査体1での渦電流の伝播速度を算出することが望ましい。
以上、渦電流探傷装置10および渦電流探傷装置10を用いて行う被検査体1の渦電流探傷方法によれば、従来パルス励磁渦電流探傷検査(PECT)では検出できなかった伝播する渦電流の局所的な時間における信号変化についても検出することができるので、きず2の様に局所的な渦電流分布の変化を生じる被検査体1等の対象に対してもPECTを実施でき、被検査体1に対してきず2のサイジングが可能となる。
また、渦電流探傷装置10および渦電流探傷装置10を用いて行う被検査体1の渦電流探傷方法によれば、パルス励磁渦電流探傷検査によるきず2のサイジングの際に、被検査体1の内部を伝播する複数の渦電流が強め合う深さ位置を励磁電流を制御することで制御することができるので、深い位置を探傷することが必要となる被検査体1に対しても、中心周波数のf+Δfからfへのシフト現象を観測するのに十分な検出電圧を得ることができる。従って、深い位置を探傷することが必要となる被検査体1を検査する(きず2のサイジングを行う)場合においても、検出電圧の周波数スペクトルにおける中心周波数のシフト現象を的確に捉えることができるので、検査精度を維持することができる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階では、上述した実施例以外にも様々な形態で実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、追加、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…被検査体、2…きず、2a…きず表端部、2b…きず深端部、10…渦電流探傷装置、11(11a〜11e)…励磁コイル、12…励磁体、13…把持手段、14…励磁手段、15(15a〜15c)…検出素子、16…検出体、17…検出手段、18…演算抽出手段、19…制御手段、21…表示手段、41…微小区間、42…包絡線差分、43…センサ、50…試験片、51…(試験片の)底面、VR1…時間領域Rにおける検出電圧の周波数スペクトル、VR2…時間領域Rにおける検出電圧の周波数スペクトル、VR3…時間領域Rにおける検出電圧の周波数スペクトル、VR4…時間領域Rにおける検出電圧の周波数スペクトル、I…励磁コイル11aに流れる励磁電流、I…励磁コイル11bに流れる励磁電流、I…励磁コイル11cに流れる励磁電流。

Claims (10)

  1. 被検査体内にパルス磁場を励起し渦電流を形成する励磁コイルを同一平面内に2個以上配置可能に構成される励磁体の前記励磁コイルの各々にパルス状の電流を供給する励磁手段と、
    前記渦電流の過渡的な分布変化を検出する検出素子を少なくとも1個有する検出体から前記少なくとも1個の検出素子の各々で検出する電圧信号を受信する検出手段と、
    前記励磁体および前記検出体を把持し、前記励磁体および前記検出体を走査させる把持手段と、
    前記検出手段で検出された前記電圧信号波形の上包絡線と下包絡線の差分の総和を算出することで得られる2点以上の総和の極大のうち、前記走査の方向に対して連続する2点の極大値の出現位置に基づいて被検査体内に存在するきずの位置を算出する一方、算出する位置に存在する前記被検査体内のきずの深さを、前記検出手段で検出される電圧信号の周波数スペクトルにおける中心周波数の時間変化に基づいて算出する演算抽出手段と、
    前記励磁コイルの各々に供給されるパルス状の電流によって形成される前記渦電流が、前記被検査体内で時間差をもって重畳するように前記励磁手段を制御する制御手段と、を具備することを特徴とする渦電流探傷装置。
  2. 前記把持手段は、前記励磁体および前記検出体を三次元的に走査可能であり、
    前記制御手段は、前記走査中に前記演算抽出手段の算出の結果、前記中心周波数の時間変化が生じない場合に、前記把持手段を停止させ、前記渦電流が前記被検査体内で時間差をもって重畳するように前記励磁手段を制御することを特徴とする請求項1記載の渦電流探傷装置。
  3. 前記制御手段は、前記励磁コイルの各々に供給するパルス状電流の時間差を連続的に変化させ、前記中心周波数の時間変化が生じるまで前記時間差の変化と前記周波数スペクトルの演算を繰り返すように、前記励磁手段および前記演算抽出手段を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の渦電流探傷装置。
  4. 前記演算抽出手段は、前記渦電流が前記被検査体内のきずを深さ方向に伝播する時間と、予め与えられる前記渦電流が前記被検査体内のきずを深さ方向に伝播する速さとに基づいて前記被検査体内のきずの深さを算出するものであり、前記検出手段で受信される前記電圧信号の周波数スペクトルの時間変化から、前記検出手段で受信される前記電圧信号の周波数スペクトルのピーク値をとる周波数が、前記励磁コイルに供給されるパルス状の電流の中心周波数に対して所定量シフトした状態で維持される時間を計測することで得られる時間を前記渦電流が前記被検査体内のきずを深さ方向に伝播する時間として演算することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の渦電流探傷装置。
  5. 前記渦電流が前記被検査体を深さ方向に伝播する速さは、前記被検査体と少なくとも導電率および透磁率が同じ材料で構成される校正試験片を用いて事前に算出した値であることを特徴とする請求項4記載の渦電流探傷装置。
  6. 前記校正試験片は、前記励磁コイルと前記検出素子とを一緒にして載置可能な面積を持つ平面を複数有し、前記平面の各々は、底面と平行であって当該底面からの距離がそれぞれ異なることを特徴とする請求項5記載の渦電流探傷装置。
  7. 前記演算抽出手段は、前記周波数スペクトルを得る際に、任意の微少な時間領域で分割した時間領域を対象としてフーリエ変換を行い、前記周波数スペクトルの時間変化を観測することを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の渦電流探傷装置。
  8. 前記演算抽出手段は、前記走査の方向に対して連続する2点の極大値の出現位置の中点を算出し、算出結果を前記被検査体内に存在するきずの位置とすることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の渦電流探傷装置。
  9. 前記励磁コイルに供給されるパルス状の電流は、表皮深さから算出される係数を持つフーリエ級数から生成されるパルス形状の印加電流であることを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載の渦電流探傷装置。
  10. 被検査体内にパルス磁場を励起し渦電流を形成する励磁コイルを同一平面内に2個以上配置可能に構成される励磁体の前記励磁コイルの各々にパルス状の電流を供給する励磁手段と、前記渦電流の過渡的な分布変化を検出する検出素子を少なくとも1個有する検出体から前記少なくとも1個の検出素子の各々で検出する電圧信号を受信する検出手段と、前記検出手段で受信される電圧信号の波形から得られる情報に基づいて前記被検査体内に存在するきずの位置を算出する一方、算出する位置に存在する前記被検査体内のきずの深さを、前記電圧信号の周波数スペクトルにおける中心周波数の時間変化に基づいて算出する演算抽出手段と、前記励磁体、前記検出体、および前記励磁手段を制御する制御手段と、を具備する渦電流探傷装置を用いて行う渦電流探傷方法であり、
    前記励磁手段が、前記励磁コイルの各々にパルス状の電流を供給するステップと、
    前記検出手段が、前記少なくとも1個の検出素子の各々で検出する前記電圧信号を受信するステップと、
    前記演算抽出手段が、前記電圧信号を受信するステップで受信される前記電圧信号の波形の上包絡線と下包絡線の差分の総和を算出することで得られる2点以上の総和の極大のうち、前記励磁体および前記検出体を走査する方向に対して連続する2点の極大値の出現位置に基づいて前記被検査体内に存在するきずの位置を算出する一方、算出する位置に存在する前記被検査体内のきずの深さを、前記電圧信号の周波数スペクトルにおける中心周波数の時間変化に基づいて算出するステップと、
    前記制御手段が、前記電圧信号の周波数スペクトルにおける中心周波数の時間変化が生じない場合に、前記励磁体および前記検出体の走査を停止させ、前記励磁コイルの各々に時間差を有するパルス状の電流を供給して、前記渦電流が前記被検査体内で時間差をもって重畳するように、前記励磁体、前記検出体、および前記励磁手段を制御するステップと、を具備することを特徴とする渦電流探傷方法。
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