JP2014177594A - メタリック樹脂組成物及び成形品 - Google Patents

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Shigeki Katsuta
成樹 勝田
Junichi Kageyama
順一 影山
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Abstract

【課題】光輝性及び成形性に優れるメタリック樹脂組成物、及び該メタリック樹脂組成物を含む成形体を提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂と、アルミニウム顔料と、を含有し、前記アルミニウム顔料は、鱗片状アルミニウム粉100質量部に対して、下記式(1)及び/又は下記式(2)で示される化合物0.05〜4.0質量部が、付着したものである、メタリック樹脂組成物。

(式(1)及び(2)中、R,R’は、それぞれ独立に、炭素数6〜21のアルキル基又はアルケニル基を示し、nは、12〜22の整数である。)
【選択図】なし

Description

本発明は、メタリック樹脂組成物及び該メタリック樹脂組成物を含む成形品に関する。
従来、光輝性を有する成形品や積層品を製造するために、アルミニウム顔料やマイカ等が配合された成形材料が用いられている(例えば、特許文献1、2等参照)。
特開平8−120115号公報 特開2001−261978号公報
しかしながら、アルミニウム顔料は鱗片状であり、粒径も1〜100μmと、他の着色顔料の粒径と比べて大きい。そのため、アルミニウム顔料を含んだ樹脂組成物を射出成型する際、個々のアルミニウム粒子は配向がそろいにくく、光輝性が十分に得られないという問題がある。また、このようなアルミニウム顔料は溶融樹脂の合流部分でウエルドライン不良を起こしやすいという問題もある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、光輝性及び成形性に優れるメタリック樹脂組成物、及び該メタリック樹脂組成物を含む成形体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記問題点について鋭意検討した結果、所定の化合物が表面に付着しているアルミニウム顔料を使用することにより、上記解題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下のとおりである。
〔1〕
熱可塑性樹脂と、アルミニウム顔料と、を含有し、
前記アルミニウム顔料は、鱗片状アルミニウム粉100質量部に対して、下記式(1)及び/又は下記式(2)で示される化合物0.05〜4.0質量部が、付着したものである、
メタリック樹脂組成物。
(式(1)及び(2)中、R,R’は、それぞれ独立に、炭素数6〜21のアルキル基又はアルケニル基を示し、nは、12〜22の整数である。)
〔2〕
前記アルミニウム顔料が、原料アルミニウム粉と、粉砕助剤として下記式(3)及び/又は下記式(4)で示される脂肪族アミンとを混合し、酸素を供給しながら粉砕して得られるものである、前項〔1〕に記載のメタリック樹脂組成物。
2m+1−NH (3)
2m−1−NH (4)
(式(3)、(4)中、mは、12〜22の整数である。)
〔3〕
前記アルミニウム顔料を、前記熱可塑性樹脂100質量部に対し、0.05質量部〜20質量部含む、前項〔1〕又は〔2〕に記載のメタリック樹脂組成物。
〔4〕
前項〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載のメタリック樹脂組成物を含む、成形品。
本発明によれば、光輝性及び成形性に優れるメタリック樹脂組成物、及び該メタリック樹脂組成物を含む成形体を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
〔メタリック樹脂組成物〕
本実施形態に係るメタリック樹脂組成物は、熱可塑性樹脂と、アルミニウム顔料とを含有し、前記アルミニウム顔料は、鱗片状アルミニウム粉100質量部に対して、下記式(1)及び/又は下記式(2)で示される化合物0.05〜4.0質量部が、付着したものである。
(式(1)及び(2)中、R,R’は、それぞれ独立に、炭素数6〜21のアルキル基又はアルケニル基を示し、nは、12〜22の整数である。)
〔熱可塑性樹脂〕
本実施形態に用いる熱可塑性樹脂としては、熱可塑性を有する樹脂であれば、特に限定されない。このような熱可塑性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン−アクリレート樹脂(ASA樹脂)、アクリロニトリル−エチレン−プロピレン−ジエン−スチレン樹脂(AES樹脂)など等のゴム強化樹脂;ポリスチレン(PS樹脂)、スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)、スチレン−無水マレイン酸共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−スチレン共重合体などのスチレン系(共)重合体;ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂;環状ポリオレフィン樹脂;ポリエステル系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリアリレート樹脂;ポリアセタール樹脂;ポリ塩化ビニル、エチレン−塩化ビニル重合体、ポリ塩化ビニリデン等の塩化ビニル系樹脂;ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等の(メタ)アクリル酸エステルの1種以上を用いた(共)重合体等の(メタ)アクリル系樹脂;ポリフェニレンエーテル;ポリフェニレンサルファイド;ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂;液晶ポリマー;ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等のイミド系樹脂;ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン等のケトン系樹脂;ポリスルホン、ポリエーテルスルホン等のスルホン系樹脂;ウレタン系樹脂;ポリ酢酸ビニル;ポリエチレンオキシド;ポリビニルアルコール;ポリビニルエーテル;ポリビニルブチラール;フェノキシ樹脂;感光性樹脂;生分解性プラスチック等が挙げられる。このなかでもポリアミド系樹脂が好ましく、ポリアミド66がさらに好ましい。これらは1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
〔アルミニウム顔料〕
本実施形態に用いるアルミニウム顔料は、鱗片状アルミニウム粉100質量部に対して、式(1)及び/又は式(2)で示される化合物0.05〜4.0質量部が、付着したものである。このように所定の化合物が付着したアルミニウム顔料を有することにより、樹脂と鱗片状アルミニウム粉との相溶性が改善されるため、光輝性及び成形性に優れるメタリック樹脂組成物となる。なお、付着量は、実施例に記載の方法により求めることができる。
〔鱗片状アルミニウム粉〕
本実施形態に用いるアルミニウム顔料としては、表面光沢性、白度、光輝性等のメタリック用顔料に要求される性質を発揮しうる形状、平均粒径、平均厚み、平均アスペクト比、及び表面性状を有するものが好ましい。このような観点より本実施形態では鱗片状アルミニウム粉を用いる。鱗片状アルミニウム粉の平均粒径(d50)は、2〜40μmの範囲であることが好ましく、3〜30μmの範囲であることがより好ましい。さらに、鱗片状アルミニウム粉の平均厚み(t)は0.01〜10μmの範囲であることが好ましく、0.05〜2μmの範囲であることがより好ましい。またさらに、鱗片状アルミニウム粉の平均アスペクト比は1〜2500の範囲であることが好ましく、10〜300の範囲であることがより好ましい。ここで、「平均アスペクト比」とは、鱗片状アルミニウム粉の平均粒径(d50)を平均厚み(t)で割った値をいう。また、鱗片状アルミニウム粉の表面性状としては、平滑が好ましい。
なお、上記平均粒径(d50)は、レーザーミクロンサイザーLMS−24により測定できる。測定溶剤としては、ミネラルスピリットを使用できる。測定は機器取扱説明書に従い実施するが、留意事項として、試料となる鱗片状アルミニウム粉は、前処理として2分間の超音波分散を行い、分散槽の中に投入し適正濃度になったのを確認後、測定を開始する。測定終了後、d50は自動的にレーザーμmサイザーLMS−24の表示部に表示される。
また、上記平均厚み(t)は以下のようにして測定した。まず、鱗片状アルミニウム粉1gに、5%ステアリン酸のミネラルスピリット溶液を1〜2mL加えて予備分散した後、石油ベンジン50mLを加えて混合し、40〜45℃で2時間加温後、フィルターで吸引濾過し、パウダー化したもので、水面拡散面積(WCA)を測定する。この測定値から、下記の式に従って平均厚み(t)を算出する。
t(μm)=0.4/WCA(m/g)
なお、水面拡散被覆面積(WCA)は、前処理としてアセトンで洗浄後に乾燥させたアルミニウム顔料試料の重量w(g)と、該試料を水面に均一に浮かべたときの被覆面積A(m)を測定し、式1から計算して求めた。
WCA(m/g)=A(m)/w(g)
さらに、上記平均アスペクト比は、下記式により求められる。
平均アスペクト比=平均粒径(d50)(μm)/平均厚み(t)(μm)
〔式(1)及び/又は式(2)で示される合物〕
実施形態に用いるアルミニウム顔料は、鱗片状アルミニウム粉に対して、式(1)及び/又は式(2)で示される化合物が、付着したものである。
(式(1)及び(2)中、R,R’は、それぞれ独立に、炭素数6〜21のアルキル基又はアルケニル基を示し、nは、12〜22の整数である。)
〔アルミニウム顔料の製造方法〕
本実施形態に用いるアルミニウム顔料は、原料アルミニウム粉と、粉砕助剤とを混合し、酸素を供給しながら粉砕したものであることが好ましい。なお、粉砕には媒体攪拌ミル、ボールミル、又は、アトライター等を用いることができる。また、原料アルミニウム粉は溶剤中に分散された状態であってもよい。上記のように原料アルミニウム粉を粉砕することにより鱗片状アルミニウム粉に式(1)及び/又は(2)で示される化合物が付着したアルミニウム顔料を得ることができる。
(原料アルミニウム粉)
原料アルミニウム粉としては、アルミニウム以外の不純物の少ない物が好ましい。原料アルミウム粉の純度は、好ましくは99.5質量%以上、より好ましくは、99.7質量%以上で、さらに好ましくは、99.8質量%以上である。原料アルミニウム粉の平均粒径は、2〜20μmが好ましく、3〜12μmがより好ましい。また、原料アルミニウム粉の製造方法は、特に限定されないが、アトマイズ法が好ましい。
(粉砕時の溶剤)
粉砕時に用いうる溶剤としては、特に限定されないが、例えば、従来から使用されているミネラルスピリット、ソルベントナフサ等の炭化水素系溶剤;アルコール系、エーテル系、ケトン系、エステル系等の低粘度の溶剤が挙げられる。
(粉砕助剤)
本実施形態で用いられる粉砕助剤としては、脂肪族アミンが挙げられる。脂肪族アミンとしては、特に限定されないが、例えば、下記式(3)及び/又は下記式(4)で示される脂肪族アミンが挙げられる。
2m+1−NH (3)
2m−1−NH (4)
(式(3)、(4)中、mは、12〜22の整数である。)
式(3)、(4)において、mは12〜22であり、14〜20がより好ましく、16〜19がさらに好ましい。脂肪鎖部分の構造については、飽和しているものも不飽和結合を含むものでも使用でき、また直鎖状のものでも分岐を含むものでも構わない。このような化合物としては、特に限定されないが、具体的には、ドデシル(ラウリル)アミン、テトラデシル(ミリスチル)アミン、ヘキサデシル(パルミチル)アミン、オクタデシル(ステアリル)アミン、エイコシル(アラキル)アミン、ドコシル(ベヘル)アミン、オレイルアミン等が挙げられる。これらは1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの脂肪族アミンは原料アルミニウム粉100質量部に対して0.3〜10質量部用いることが好ましく、0.5〜8質量部用いることがより好ましい。
(その他の粉砕助剤)
また、一般に粉砕助剤として知られているものを併用することも可能である。このような粉砕助剤としては、特に限定されないが、例えば、ドデシル(ラウリル)酸、テトラデシル(ミリスチル)酸、ヘキサデシル(パルミチル)酸、オクタデシル(ステアリン)酸、エイコシル(アラキル)酸、ドコシル(ベヘル)酸、オレイン酸等の高級脂肪酸類;ステアリルアルコール、オレイルアルコール等の高級アルコール類;他にはステアリン酸アミド、オレイン酸アミド等の高級アミド類などが挙げられる。
(酸素の供給)
脂肪族アミンの酸化反応を促すために、粉砕の際に、酸素を供給することが好ましい。酸素の供給方法としては、粉砕中のボールミル内に導管を介して酸素又は空気を強制的に送り込む方法が挙げられ、原料アルミニウム粉を含む粉砕溶剤に直接酸素又は空気を接触させるのが好ましい。
酸素を用いる場合の供給量は、アルミニウム100kgにつき毎時0.2〜5mが好ましい。酸素供給量が毎時0.2m以上であることにより、粉砕助剤としての脂肪族アミンの酸化が十分行われ、鱗片状アルミニウム粉に付着する化合物がより生成されやすい傾向にある。一方、酸素供給量が毎時5m以下であることにより、揮発する粉砕溶剤量が適度な量で推移するため、安全性の点から好ましい傾向にある。
また、空気を用いる場合の供給量は毎時1〜25mが好ましい。酸素の代わりに空気を使用する場合は、送風する空気に含まれる酸素量が酸素単独のときと同じになるようにすることが好ましい。例えば、空気の酸素含有率を21%とすると体積換算で圧縮酸素の時の4.8倍の量を粉砕機内に送り込むことが好ましいため、上記のように酸素と空気では適性供給量の範囲が変わりうる。
本実施形態に用いるアルミニウム顔料では、アルミニウムの持つ触媒作用を利用して、粉砕時に酸素を積極的に供給することにより、脂肪族アミンに化学反応を起させ、式(1)及び/又は式(2)に示す化合物が生成し、鱗片状アルミニウム粉に付着する。以下、鱗片状アルミニウム粉に付着している化合物の生成反応について、C2m+1−NHで表わされる脂肪族アミンを用いた例で説明する。
最初に起きるのは脂肪族アミンの酸化反応であり、この結果脂肪族アミンは脂肪族アルデヒドを経て脂肪酸へと変質する。この脂肪族アミンにおける酸化反応はアミノ基の隣のα炭素が反応部位となるものが多いが、それ以外の炭素でも起るために、酸化物においては炭素数が元の脂肪族アミンの炭素数と比べて少ないものが同時に形成されうる。例えば炭素数18のステアリルアミンを粉砕助剤として用いたときには炭素数18のステアリン酸を主として、これよりも炭素数の1つずつ少ない脂肪酸が同時に生成される。ただし生成するのは炭素数18,17,16脂肪酸の量が多く、この中でも特に炭素数18のものの量が多い。これらの酸化物はさらに粉砕溶剤中に含まれる未反応の脂肪族アミンのアミノ基部分と反応し次の式(5)のような化合物を形成する。
R−CO−NH−C2n+1 (5)
(式(5)中、Rは、炭素数6〜21のアルキル基又はアルケニル基、nは、12〜22の整数である。)
一部の脂肪族アミンはこれで反応を終了し、その他の脂肪族アミンはさらに反応が進行して下記式(1)及び/又は式(2)に示す化合物になり、鱗片状アルミニウム粉に付着する。このようにして鱗片状アルミニウム粉に、式(1)及び/又は式(2)で示される化合物が付着したアルミニウム顔料を得ることができる。
(式(1)、(2)中、R,R’は、それぞれ独立に、炭素数6〜21のアルキル基又はアルケニル基であり、nは、12〜22の整数である。)
本実施形態に用いるアルミニウム顔料における、式(1)及び/又は式(2)で示される化合物の付着量は鱗片状アルミニウム粉100質量部に対して0.05〜4.0質量部であり、0.05〜3.0質量部が好ましく、0.1〜2.0質量部がより好ましく、0.1〜1.0質量部がさらに好ましい。この成分量が0.05質量部以上であることにより、成形品の光輝性がより優れる。一方、含有量が4.0質量部以下であることにより、成形性がより向上する。なお、化合物の付着量は実施例に記載の方法により求めることができる。
本実施形態のメタリック樹脂組成物に含有される前記アルミニウム顔料の含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対し、0.05〜20質量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜10質量部であり、さらに好ましくは0.5〜5質量部である。含有量が0.05質量部以上であることにより、光輝性がより優れる傾向にある。一方、含有量が20質量部以下であることにより、成形性がより向上する傾向にある。
〔メタリック樹脂組成物の製造方法〕
本実施形態のメタリック樹脂組成物は、熱可塑性樹脂と、アルミニウム顔料とを、混合することで得ることができる。混合方法としては、特に限定されないが、例えば、一般にバンバリーミキサーや一軸、二軸のベント付押出機、ニーダー、ロール、フィーダールーダーなどによって溶融混練することにより、均一な組成物として得られる。なお、混練温度は、熱可塑性樹脂の種類により適宜選択すればよい。
〔その他の添加剤〕
本実施形態のメタリック樹脂組成物には、目的に応じて、添加剤を含有させることも可能である。この添加剤としては、特に限定されないが、例えば、マイカ、着色顔料、蓄光顔料、着色染料、蛍光染料などの着色剤、充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、フォトクロミック剤、防汚剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、蛍光増白剤、光拡散剤、結晶核剤、流動改質剤、衝撃改質剤、顔料分散剤、などが挙げられる。
〔成形品〕
本実施形態に係る成形品は、上記メタリック樹脂組成物を含む。このような成形品は、光輝性を有する成形体、積層体、例えば、ノートパソコンや携帯電話などの電子機器の筐体に好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に制限されない。なお、製造例、実施例及び比較例中で用いた各種物性の測定方法は以下の通りである。
(1)鱗片状アルミニウム粉に付着している化合物の分析:
製造例1〜3で得られた、鱗片状アルミニウム粉に付着している化合物の定性及び定量分析を行った。まず、アルミニウム顔料5gをソックスレーの抽出器を用いてヘキサン200gで1時間洗浄した後に、アルミ分に残留しているヘキサンを真空乾燥により完全に除去し、パウダー化されたアルミの重量を電子天秤で計測した。次に、このパウダーアルミを5規定の塩酸水溶液100gに完全に溶解させた。その後に、クロロホルム50gを加えて激しく振盪し、分液ロートによりクロロホルムを分離した。そして、このクロロホルムを揮発させて残った抽出有機分についてNMR,MASS,IR等により定性定量分析を行った。具体的には、有機抽出分を重水素化クロロホルム(CDCl)に溶解させ試料とした。この試料を用いて、測定核H、測定温度24℃、観測周波数400MHz、積算回数256回、化学シフト基準としてテトラメチルシラン(0ppm)の条件で、H−NMRスペクトルを測定した。また、有機抽出分をクロロホルムに溶解させ、試料とした。この試料を用いて、カラム温度条件:40℃(5分保持)→(20℃/分昇温)→320℃(11分保持)、注入口温度320℃、スプリット比:1/20、キャリアガス流量1.0mg/分(ヘリウム)、イオン化法:電子イオン化(EI)法の条件で、ガスクロマトグラフ質量分析(MASS)を行った。さらに、有機抽出分をクロロホルムに溶解させ、KBrプレート上に塗布し、膜厚5μmの薄膜を作成した。これを用い、フーリエ変換赤外分光分析法により、IRスペクトルを求めた。
(2)光輝性:
実施例及び比較例で製造したメタリック樹脂組成物のペレットを用いて、長さ50mm、幅40mm、厚さ3mmの試験片を成形し、下記評価基準にて目視判定した。
(評価基準)
◎:光輝性が非常に優れていた。
○:光輝性が優れていた。
△:光輝性が低かった。
×:光輝性がほとんどなかった。
(3)成形性(ウエルドライン外観):
幅150mm、長さ200mm、厚さ3mmの箱型の成型品用金型の一側面に設けた2か所のゲートから、実施例及び比較例で製造したメタリック樹脂組成物のペレットを射出成型して得た成形品を用い、下記評価基準にて目視判定した。
(評価基準)
○:ウエルドラインが全く見えなかった。
△:ウエルドラインが少し見えた。
×:ウエルドラインが明確に見えた。
(4)平均粒径
アルミニウム顔料の平均粒径(d50)は、レーザーミクロンサイザーLMS−24により測定した。
(熱可塑性樹脂)
実施例及び比較例で用いた熱可塑性樹脂を以下に示す。
a)ポリプロピレン:(株)プライムポリマー製 プライムポリプロJ106G
b)ポリメチルメタクリレート(PMMA):旭化成ケミカルズ(株)製 デルペット60N
c)ポリスチレン:PSジャパン(株)製 PSJ−ポリスチレンGPPS HF77
d)アクリロニトリルーブタジエンースチレン(ABS):旭化成ケミカルズ(株)製 スタイラック321
e)ポリアミド66:旭化成ケミカルズ(株)製 レオナ1300S
f)ポリアセタール:旭化成ケミカルズ(株)製 テナックC 4520
g)ポリカーボネート:帝人化成(株)製 パンライトL−1225L
h)ポリブチレンテレフタレート(PBT):東レ(株)製 トレコン1401−X06
(アルミニウム顔料)
(製造例1)
平均粒径30μmの、アトマイズ法で製造された原料アルミニウム粉100g、ステアリルアミン3g、ミネラルスピリット500mLを原料として、これを3.2φのベアリングボール5kgと共に内容積5000mLのボールミル内に仕込み、毎分60回転の速度で7時間粉砕を行った。またこの間毎分100mLの空気をコンプレッサーによりボールミル内に送った。粉砕終了後スラリーを37μmの篩にかけて粗粒子を取り除いた後、フィルタープレスにより余分の溶剤を除去して加熱残分82%のケーキを得た。得られたケーキを縦型ミキサー内に移し、所定量のソルベントナフサを加え、15分混合し、加熱残分65%のアルミペーストに調整した。平均粒径は20μmであった。また、鱗片状アルミニウム粉に付着した、式(1)及び/又は式(2)で示される化合物に含まれる化合物の量は、鱗片状アルミニウム粉100質量部に対して、0.38質量部であった。
(製造例2)
製造例1のステアリルアミン3gの代わりに炭素数14/16/18の脂肪族アミンが4/30/66の割合で混合しているアミン〔製品名 硬化牛脂アミン/日本油脂(株)製〕3gを用いたこと以外は、製造例1と同様の方法によりアルミニウム顔料を製造した。平均粒径は21μmであった。また、鱗片状アルミニウム粉に付着した、式(1)及び/又は式(2)で示される化合物に含まれる化合物の量は、鱗片状アルミニウム粉100質量部に対して、化合物の量は、0.35質量部であった。
(製造例3)
内径30cm、長さ35cmのボールミル内に、アトマイズ法で製造された原料アルミニウム粉(平均粒径20μm)600g、ミネラルスピリット1.2kg、及び、ステアリン酸6gを充填し、直径4.8mmのスチールボール(比重7.8)18kgを用い、60rpmで5時間粉砕した。粉砕終了後、ミル内のスラリーをミネラルスピリットで洗い出し、400メッシュの振動篩にかけ、通過したスラリーをフィルタープレスで濾過、濃縮し、加熱残分87%のケーキを得た。得られたケーキを縦型ミキサー内に移し、所定量のソルベントナフサを加え、15分混合し、加熱残分75%のアルミニウム顔料を得た。平均粒径は15μmであった。また、鱗片状アルミニウム粉に付着した化合物の量は、鱗片状アルミニウム粉100質量部に対して、0.0質量部であった。
〔実施例1〜9、比較例1〕
熱可塑性樹脂と製造例1〜3により製造されたアルミニウム顔料とを、表1に示す割合で混合し、ベント付き20mmφ2軸押出機を用い、樹脂温度は200℃〜300℃、樹脂に応じて適宜調整した条件下で、溶融混合して押出すことで、両者を混合したペレットを得た。このペレットを、射出成型機を用いて成型し、光輝性と成型性を目視で評価した。その結果を表1に示す。
本発明のメタリック樹脂組成物は、光輝性を有する成形品、積層品、例えば、ノートパソコンや携帯電話などの電子機器の筐体に適用できるという、産業上の利用可能性を有する。

Claims (4)

  1. 熱可塑性樹脂と、アルミニウム顔料と、を含有し、
    前記アルミニウム顔料は、鱗片状アルミニウム粉100質量部に対して、下記式(1)及び/又は下記式(2)で示される化合物0.05〜4.0質量部が、付着したものである、
    メタリック樹脂組成物。
    (式(1)及び(2)中、R,R’は、それぞれ独立に、炭素数6〜21のアルキル基又はアルケニル基を示し、nは、12〜22の整数である。)
  2. 前記アルミニウム顔料が、原料アルミニウム粉と、粉砕助剤として下記式(3)及び/又は下記式(4)で示される脂肪族アミンとを混合し、酸素を供給しながら粉砕して得られるものである、請求項1に記載のメタリック樹脂組成物。
    2m+1−NH (3)
    2m−1−NH (4)
    (式(3)、(4)中、mは、12〜22の整数である。)
  3. 前記アルミニウム顔料を、前記熱可塑性樹脂100質量部に対し、0.05質量部〜20質量部含む、請求項1又は請求項2に記載のメタリック樹脂組成物。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のメタリック樹脂組成物を含む、成形品。
JP2013053751A 2013-03-15 2013-03-15 メタリック樹脂組成物及び成形品 Pending JP2014177594A (ja)

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